説明

高温プログレッシブキャビティモータ又はポンプコンポーネント及びその製造方法

本発明は、ステータ又はロータである、プログレッシブキャビティモータ又はポンプコンポーネントであって、モータ又はポンプの期待作動温度で、又はそれ以下で弾性になるが、周囲空気では固体のままである、高いガラス転移温度ポリマー表面を有するものを開示する。表面が弾性になるので、プログレッシブキャビティモータは、選択されたポリマー温度のガラス転移温度以上の温度で効果的に作動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温プログレッシブキャビティモータ又はポンプコンポーネントの製造及び使用に関し、特に、運転中に硬質のポリマーを弾性にさせかつ低温で固体に維持させるために50℃−180℃のガラス転移温度を有するポリマー表面を備えているモータ、又はポンプ、ステータ、ロータの製造及び使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーで、プログレッシブキャビティモータコンポーネントであるステータ及びロータの両方の表面をコーティングする多くの試みが存在する。出願人が知る限りにおいて、作動温度においてのみ表面の弾性をもたらすべく高いガラス転移温度のポリマー又はポリマー混合物でこれらのコンポーネントの表面を製造することの試みは、これまでになされていない。プログレッシブキャビティモータの作動効率は、モータの中を移動する流体の水圧に対して繰り返し密封すべくモータの少なくとも一つの表面が十分に弾性であることを必要とする。ここに含まれた記述のほとんどは、高いガラス転移温度のポリマーで製造されたステータに関するが、係る製造からの判断及び利益は、高いガラス転移温度のポリマーでロータを製造することによって実現されるし、かつ特許請求の範囲及び以下に示す記述は、それらの一方又は他方に特に限定されない限り、ステータ及びロータの両方を網羅することを意図するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ロータ又はステータのいずれかであり得る、プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントは、コンポーネントコアと;補助プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントを係合するために該コアに取り付けられたポリマー表面と、で構成され、該ポリマー表面は、該プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントの計画した運転温度範囲よりも少なくとも20℃低いガラス転移温度を有している。プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントコアは、ロータ本体であり、補助プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントは、ステータであり得る;代替的に、プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントコアは、ステータ本体であり、補助プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントは、ロータあり得る。ステータ又はロータのいずれかである、プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントは、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトン、フェノール樹脂、ポリスルホン、又はポリフェニレン硫化物で基本的に構成されたグループから選択されたポリマーが取り付けられた表面を備えている。
【0004】
本実施形態のプログレッシブキャビティ駆動コンポーネントは、コア表面が断面において螺旋状に浅裂された均等断面厚みを有しているポリマーを備えることができる。代替的に、ステータ又はロータのいずれかである、プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントは、ポリマーがコア表面上で断面において螺旋状に浅裂されるように製造することができ、コア表面は、例えば、円形、楕円形、六角形、五角形、等のような、規則的な幾何学断面のいずれかであり得る。
【0005】
プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントの表面に取り付けられたポリマーは、50℃−180℃のガラス転移温度を有する。更に、プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントポリマー表面は、耐クリープ性部分結晶ポリマーで形成することができる。
【0006】
プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントは、グラファイトウィスカ、窒化珪素ウィスカー、酸化アルミニウムウィスカー、炭化珪素ウィスカー、酸化アルミニウムファイバ、アラミドファイバ、カーボンファイバ、E-ガラスファイバ、ホウ素ファイバ、炭化珪素ファイバ、鋼線、モリブデン線、タングステン線、ナノシリカ粒子、ナノカーボンチューブ、又はナノカーボンファイバを含むグループから基本的に選択された材料によって補強されたポリマー複合材料マトリックスを備え得る。用語ウィスカーは、非常に大きい長さと直径の比を有するかなり薄い単結晶を記述するために用いられる。ウィスカーの小さいサイズの結果として、ウィスカーは、比較的高度な結晶完全性を有しかつ実質的に無欠陥であり、非常に優れた強度をもたらす。ファイバは、多結晶又は比結晶でかつ小さな直径を有する。細線は、ポリマーに補強材として長く用いられていてこの技術分野では周知である。
【0007】
プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントは、第2の材料の層で覆うこともでき、高い運転温度に達する前に補助駆動コンポーネントとの密封係合を提供するために又は第2の層で覆われた取り付けられたポリマー層を保護するためにエラストマーであり得る。第2の材料の外側層は、エラストマー、又は、基板を覆っているポリマーの層とは異なるガラス転移温度を有する他のポリマーで構成されたグループから選択することができる。
【0008】
従って、出願人は、内側面を提供する縦孔を有するステータ本体と、ステータの内側面に結合されたポリマー層と、を備え、該ポリマー層は、50℃−180℃のガラス転移温度を有しかつ係るガラス転移温度よりも高い運転温度でプログレッシブキャビティロータと圧縮係合すべく螺旋的外形を提供するポリマーで構成されている、プログレッシブキャビティモータステータを開示する。このプログレッシブキャビティモータステータは、環状断面を提供するステータ本体の内側表面と、ステータの内側表面に取り付けられたポリマー層とを有し得るし、それによりステータ本体の縦孔に螺旋状に浅裂された断面を提供する。代替的に、プログレッシブキャビティモータステータは、螺旋的断面を提供するステータ本体の内側表面と、厚みが均一である該内側表面に結合されたポリマー層とを有し得る。
【0009】
更に、外側表面と、ロータ本体の外側表面に結合されたポリマー層と、を有しているロータ本体を備え、該ポリマー層は、50℃−180℃のガラス転移温度を有しかつ係るガラス転移温度よりも高い運転温度でプログレッシブキャビティステータの内側表面と圧縮係合すべく螺旋的外形を提供するポリマーで構成されている、プログレッシブキャビティモータロータを開示する。再度、プログレッシブキャビティモータロータは、非螺旋状に浅裂された断面を有しているロータ本体の外側表面を提供し得るし、かつポリマー層は、螺旋状に浅裂された断面を提供するロータの外側表面に取り付けられる。代替的に、プログレッシブキャビティモータステータは、螺旋状に浅裂された断面を有しているロータ本体の外側表面で製造することができ、かつ該外側表面に結合されたポリシー層は、厚みが均一である。
【0010】
出願人は、ステータ本体の内側表面間に空隙を残してステータ本体の縦孔の内側表面よりも直径が小さい外側表面を有している螺旋形マンドレルを中心に配置する段階と、前記螺旋形マンドレルの外側表面とステータ本体の縦孔の内側表面との間の前記空隙を、50℃−180℃のガラス転移温度を有するポリマーで充填する段階と、ポリマーをステータ本体の縦孔の内側表面に取り付ける段階と、ステータ本体からマンドレルを取り除く段階と、を具備する、プログレッシブキャビティモータステータを製造する方法を開示する。この方法は、マンドレルの外側表面とステータ本体の内側表面との間の空隙を充填するために用いたポリマーが高いガラス転移温度材料であり、大気温度で固体であり、かつそのガラス転移温度を少なくとも20℃超えた温度で弾性であるような場合に、適用することができる。大気温度におけるポリマー表面の硬度は、材料技術の分野における当業者により周知された全ての方法で、適当なポリマー及び混合物の選択によって調整することができる。
【0011】
再度説明するが、本発明のステータの製造方法は、ほぼ、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイシド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトン、フェノール樹脂、ポリスルホン、ポニフェニレン硫化からなるグループから、ポリマーを選択することを必要としている。ほぼ架橋ポリマーを選択することにより、この製造方法は、ポリマーが耐クリープセミ結晶性ポリマーである方法もクレームしている。
【0012】
本発明による製造方法は、ほぼ、黒鉛ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、酸化アルミニウムウィスカー、炭化ケイ素ウィスカー、酸化アルミニウム繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、Eガラス繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、鋼ワイヤ、モリブデンワイヤ、タングステンワイヤ、ナノシリカ粒子、ナノカーボンチューブ、又は、ナノカーボン繊維を含むグループから選択された材料により補強されたポリマー複合マトリックスを選択することを必要としてもよい。
【0013】
本発明による製造方法は、さらに、硬化ポリマーの面に損傷を与えることなくマンドレルを取り外すことができるように、マンドレルを離型剤により被覆する工程と、コアステータ本体と適用されるポリマーとの間の結合を強くするために、ステータ本体の内面に接着剤を被覆する工程と、を更に、有するものであってもよい。
【0014】
プログレッシブキャビティモータ用ロータの製造方法は、モールドの長手方向ボアの内側面よりも直径が小さな外面を備えたロータコアをモールド内の中心に置いて、モールドの内面とロータコアの外面との間に空間を残す工程と、このモールドの内側面とロータコアの外側面との間にスペースを50℃〜180℃のガラス遷移温度を持つポリマーにより充填する工程と、ロータコアの外側面にポリマーを添加する工程と、モールドからロータを取り外し、ステータ本体の長手方向ボア内にロータコアを挿入する工程を備えている。
本発明による製造方法では、ロータコアの外側面とモールドの内側面との間にスペースを充填するために使用されるポリマーは、周囲温度にて高ガラス遷移温度固形物で、そのガラス遷移温度より少なくとも20℃低い温度にて弾性力があり、ポリマー、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトン、フェノール樹脂、ポリスルホン、又は、ポニフェニレン硫化物の1又はそれ以上を有するグループから、選択されても良い。
本発明の製造方法では、架橋、それゆえ、耐クリーセミ結晶性ポリマーであっても良い。ステータに関するクレームと同様に、本発明による方法は、上述した、ほぼ、黒鉛ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、酸化アルミニウムウィスカー、炭化ケイ素ウィスカー、酸化アルミニウム繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、Eガラス繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、鋼ワイヤ、モリブデンワイヤ、タングステンワイヤ、ナノシリカ粒子、ナノカーボンチューブ、又は、ナノカーボン繊維を含むグループから選択された材料により補強されたポリマー複合マトリックスを用いるようにしても良い。
更に、本発明による方法は、硬化ポリマーの面に損傷を与えることなくロータコア及びポリマーを取り外すことができるように、マールドの内側面を解除剤により被覆する工程、又は、結合剤によりロータコアの外側面を被覆する工程を有してもよく、さらに、ポリマーがロータ上の表面を形成することにより、これらの両方の工程を有するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】先進的なキャビティモータのステータ本体の断面とポリマー螺旋形状内部を示す斜視図である。
【図2】先進的なキャビティモータのステータ本体を示す断面図である。
【図3】環状内側面と螺旋状ポリマーライニングを備えたステータ本体を示す詳細断面図である。
【図3A】螺旋形状内部表面と均一なポリマーライニングを備えたステータ本体の他の例を示す詳細断面図である。
【図4】選択されたポリマーのガラス遷移温度の関連領域を示すDSCグラフである。
【図5】選択されたポリマーのガラス遷移温度の関連領域を示すMTAグラフである。
【図6】高温ポリマーにより被覆されたロータを示す端部斜視図である。
【図7】高温ポリマーにより被覆されたロータの他の実施形態を示す端部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の高温ステータ20の斜視図であり、本体の長手軸線40を通る螺旋溝41を提供する高温ポリマーコーティングを示す。ステータチューブ10は、適当なスチールチューブ又はプログレッシブキャビティモータの製造産業で周知の他の材料で形成され、ステータ組立体のための最終外径及び所望の長さを提供するために切断される。限定されないが、Cilbond 12E/80E, Cilbond 33A/B, Chemosil 211/, Chemosil 360 , Chemosil NL411 with or without 211 , Chemosil 512, Chemlok 207/6254, Chemlok 205/220, Sartomer interlayer TPUのような接着剤をステータ20の内面22に塗布し、高温ポリマー又は複合材料をステータに固定する。これ以外の場合、ポリマーが容易に表面に付着するのでこのような接着剤は必要ない。例えば、エポキシ樹脂は、鋼材に容易に付着する。これらの製造判断は当業者に公知であり、これらの材料の製造のために使用される材料の選択に基づいて行われる。このような接着剤はポリマーの最終製品の要求に応じて単層又は多層接着剤であり、この産業内で周知ではあるが、これらの材料の選択は、ステータ20及びステータ20の内面22に接着されるのに選択されたポリマー30に因る。
【0017】
次のマンドレル(図示せず)は、鋼材のステータ本体10内の中央に配置される。このマンドレルは、ステータの最終の螺旋形態及び容積を提供し、一般的に、鋼材又は他の適当な材料で作られ、同様に当該技術で周知の離型剤で覆われている。マンドレルの形状は、ポリマーを加工するときの内側輪郭を形作り、従って、一般的にマンドレルの形状は、プロセスが終了したときに、ステータの内側のキャビティと同じにはならない。例えば、マンドレルの設計は、ポリマーを硬化している間の収縮、又は製造プロセスの間、ポリマー及びステータチューブ10を冷却しているときの架橋又は熱膨張を提供する。離型剤は、成型の前に再び塗布する必要があるDuPont社のTraSys 423、又はDuPont社のTraSys 307のような一時的な離型剤、又はFluorocarbon社のPTFE、又はPoeton社のApticote 460Mのような恒久的な離型剤の何れかであるのがよい。マンドレルは、雄型コアを提供し、離型剤は、ポリマーがマンドレルの表面に付着するのを防ぎ又は妨げる。ここに説明した各ステップは、当業者が熟知しているものであり、当業者が本発明を実施するために更なる説明を必要としない。
【0018】
次いで、必要であれば接着剤が塗布されるステータ本体20の内面22と、離型剤で覆われたマンドレルの外面の間の空間を、選択されたポリマー材料で充たす。このポリマー材料は、多くの形態を採れる。例えば、液体、ペースト状、粉状又は粒状の多くのポリマーがこのような用途に役立つ。ポリマーの適当な取り扱い、及び硬化技術は、材料特有であるが、当業者にとって最新の知識の範囲内にある。例えば、射出成型(例えば、熱可塑性ポリマー)、液状からのキャスティング(熱硬化性ポリマー)、自重送り、粉末圧縮、及び熱硬化がこの製造産業で当業者にとって周知である。限定するものではないが、使用可能な高温ポリマー及び混合物は、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)ポリケトン、フェノール樹脂、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニレン硫化物(PPS)又は同様の材料が、完成したステータ10の操作特性に効果的であると考えられ、ステータが架橋ポリマー又は部分結晶構造ポリマーに頼って、順次的キャビティモータの作動中のクリープを制限する。硬化プロセス中のステータ本体及びマンドレルの熱膨張は、ポリマー材料をどのように硬化させるかによって、内側輪郭の最終形状に影響があるので、ステータ本体の材料又は硬化プロセスを選択するときに注意する必要がある。その上、ポリマーとステータ本体の間の熱膨張係数の違いは、効率的なモータ又はポンプを形成するために、ポリマーがガラス転移温度Tgに達した後、ポリマー表面が選択的にロータの外面と係合する特性である。同様に、表面がロータの外面に製造されている場合、以下でより完全に説明するように、ステータを周囲温度で緩く嵌められ、他方で、圧送作動中、期待される高温でプログレッシブモータ又はポンプをシールするような適切なガラス転移温度及び熱膨張係数を有するポリマーを選択することに注意するべきである。本実施形態は、70℃乃至230℃の間の作動温度の油井又はガス井で役立つことが期待され、50℃乃至180℃の高いガラス転移温度のポリマーを使用できる。
【0019】
次に、ポリマーコーティング又はライニングを、マンドレルとステータ10の外側本体20との間の空間に挿入した後に硬化させ、ステータ10の内面を永久に螺旋状輪郭にする。そのような硬化は、熱硬化、放射、又は、もし溶融状態で注ぐ場合には、熱可塑性プラスチックの適切な冷却によって行うことができる。この目的のために選択したポリマー又は複合材を硬化するのに必要に応じて、赤外線から紫外線を超えた高エネルギ周波数までの、いずれの電磁放射を使用してもよい。例えば、エポキシ化合物の最も一般的な紫外線による硬化は、300−325nm波長によって行われるが、エポキシシロキサンは、255nm以下の波長の、より高いエネルギの放射を必要とする。
【0020】
このように製造されたステータ10は、従来のロータとともに使用することができる。スチール製管20(典型的には、15から20ppm/℃)とポリマー(典型的には、スチールの熱膨張係数よりも数倍大きい)との間には熱膨張係数の差があるので、ステータ10の内側輪郭は、周囲温度又は運転温度と比べて低い温度で、ステータとロータを動き嵌めすることができるように設計することができる。運転温度になると、ポリマーコーティングはステータ体20よりも膨張し、ポリマーがステータ輪郭内で軸線方向内方に膨張するようになり、それによって、ロータ50(図2に概略的に示す)とステータ10との間の嵌合がきつくなる。それどころか、油井やガス井内で経験する運転温度では、ガラス転移ゾーンを経るので、高ガラス遷移温度ポリマーは弾力をもつようになり、プログレッシブキャビティモータのキャビティを密封するために適切な機械的特性を提供する。周囲温度では、ロータとステータとの間の嵌合は緩く、それぞれの面は係合しない。運転温度に上昇するとき、熱膨張係数の差によって緩衝が生じ、したがって、システムは、「効率的に」作動する。そのステータとロータとの間の運転時の密封は、運転温度において増強される。なぜなら、この温度においては、高温ポリマーは、ガラス転移温度以上(すなわち、ゴムのような状態である)であり、その結果、高効率プログレッシブキャビティモータとなる。この技術は、オイル及びガスプログレッシブキャビティモータ掘削作業に使用することを目的としているが、くみ上げられる材料の運転温度が、ステータ内面に使用されるポリマーのゴム安定状態内であれば、本件発明の目的及び思想から逸脱することなく、くみ上げに適用することができることが、容易に分かるであろう。更に、この技術は、図面に示された特定の構造に限定されず、どのモアノウ型(Moineau-type)モータ又はポンプにも適用できる。
【0021】
ステータ10とロータ50の間を緩い嵌合状態に設計することによって、周囲温度にて、ステータ輪郭の中でロータ50の挿入が容易になり、また効率的になるという更なる利点がある。もし、嵌合がきつい場合には、ステータ10の温度を、ステータのポリマー30の略ガラス遷移温度まで上昇させることによって、ロータ50を、やはり嵌合することができる。
【0022】
図2は、ステータ10の断面図であり、スチール製管体20は、実質的に円形の内面22を有する。ステータ体20の内面22は、結合剤で被覆されており、マンドレル(図示せず)を中央に位置決めし、ポリマー材30を挿入し、マンドレルを内側長手方向孔40から除去して、螺旋状輪郭41とされる。プログレッシブキャビティモータに使用される標準ロータ50を挿入して、モータ又はポンプを完成させる。
【0023】
図3は、円形断面をより良く示す図であり、四波形ロータ(図示せず)と共に使用するのに適した、内側円形面22及びポリマーコーティング30とを提供する五波形ステータ20を示す。ポリマーライニング又はコーティング30は、係属中の出願であるSLB92.1136(この出願の全内容をこの出願において援用する)で詳細に説明されている方法の使用の際に、ステータ20の内面22に形成され、且つ、接着される。
【0024】
他の選択肢として、図3Aにより良く示されているように、他の五波形ステータ23に螺旋状内面24を形成し又は機械加工してもよく、また、均一の厚さのポリマーコーティング32を形成し、又は、螺旋状内面24に接着して、四波形ロータ(図示せず)と共にまた使用してもよい。
【0025】
ステータ30のポリマー表面は、少なくとも20℃、好ましくは40℃から50℃の間の、予測される穴深さにおける掘削泥水(ドリリングマッド)の平均運転温度より低いガラス転移温度を有するポリマー又はポリマー混合物で構成され、それにより運転温度がステータのガラス転移温度まで上がると、ポリマーライニングが弾性になり、当該分野で良く知られる方法でロータの突出部とステータの内面の螺旋突出部との間に高効率シールを形成することができる。本発明の運転に必要とされるガラス転移温度は、50℃から180℃の間であろう。
【0026】
螺旋ロータ(図示せず)が設けられており、この螺旋ロータは、ポリマーコーティングのガラス転移温度より低い全温度において、ステータ本体の内面におけるポリマーライニング30の直径よりも小さい外径を有しており、それにより、周囲温度で、完成したモータの迅速な組立を行うことができる。
【0027】
適切なガラス転移温度範囲を有するポリマーコーティングの選択は、本発明の実施の成功に非常に重要である。ガラス転移温度Tgは、その温度より低いと非晶質材料の物理的特性が結晶相(ガラス状態)の物理的特性と同様の方法で変化し、その温度より高いと粘性液体(ゴム状態)のようにふるまう温度である。Tgより高い温度においては、ポリマーチェーン間の二次的な非共有結合は熱運動に比べて弱くなって、ポリマーはゴム状になり、破断することなく弾性または「塑性」変形が可能になるとともに、加えられた力が取り除かれると変形の大部分を回復することができる。
【0028】
Tgの詳細な説明は、特定の機能的グループ及び分子配列の機械的損失のメカニズム(振動及び共振モード)の理解を必要とする。熱処理及び分子内転位のような要因、空所、引き起こされるひずみ、その他の材料の状態に影響を与える要因は、Tgに影響を及ぼす場合がある。ポリマーでは、Tgは、ギブスの自由エネルギが、ポリマーの相当数要素の協働運動のための活性化エネルギを超えるような温度として表現される。これにより、分子鎖は、力が加わったときに互いにずれることができる。添加剤の導入は、分子結合を堅固なものにし、したがってTgを増大させる。図4に見られるように、ガラス転移温度Tgに達すると、熱流量は低下し、(ポリマーが化学的に架橋されていない場合)ポリマーが結晶化または溶解するまで、或る温度範囲にわたって平坦に維持される。この平坦な領域は、ゴムプラトーと呼ばれる。
【0029】
これらの構成要素、ステータまたはロータのいずれかの作動温度は、Tg+20℃と、高温ポリマーが融けた場合、この高温ポリマーの融点(Tm )より低い温度との間にあるような温度となる。当業者は、融点Tmが、プログレッシブキャビティモータの通常作動範囲よりもはるかに高いままであるようにポリマーに対して設定されなければならないことを十分に理解すべきである。仮に、作動温度がTmに達したとすれば、モータは作動しなくなるであろう。これらの温度条件で作動されると、高温ポリマーは、あるゴムのような機械特性を有するようになる。さらに、前に説明したように、その熱膨張係数(CTE)は、鋼ステータ本体またはロータと、構成要素のポリマー表面との熱膨張係数の相対差のために、ロータとステータの装着度が増大するようなものとなる。
【0030】
図5は、熱加工分析(TMA)測定法と呼ばれるガラス転移温度を反映する別の方法である。TMAは、ポリマーが自由分子体積の関連した変化を伴ってガラス状態からゴム状態に移行するときの熱膨張係数(CTE)の変化を測定する。このプログレッシブキャビティモータ用ロータに対して選択されるポリマー30の適切な温度の範囲は、図4および図5のTg(low)からTg(high)の範囲になければならず、さらに、予想されるプログレッシブキャビティモータの作動温度よりも低い、少なくとも20℃、好ましくは、50℃〜80℃となるように選択されなければならない。容易に理解できるように、DSCは熱的作用を測定し、TMAは物理的作用を測定する。両測定法は、作用が2〜3度の狭い温度範囲で起こることを想定している。ポリマーまたは配合物の測定が臨界的であるので、両試験は、本発明で使用するために適切な高Tgを選択するときに有効であろう。ポリマー表面の物理的特性の測定のより、工具の予想される作動温度に対する効果的なモータの適切な設計が可能になる。
【0031】
Tgは、ポリママトリックスに可塑剤を添加することによって低下させることができる。より小さい可塑剤の分子がポリマー鎖間に自身を埋め込み、間隔および自由な容積を増大させ、さらに低い温度で鎖が互いを超えて移動することを可能にする。ある望ましい特性をもつプラスチックが高過ぎるTgを有する場合には、かかるプラスチックを、意図する使用の温度よりも低いTgを有する複合材料の別のプラスチックと組み合わせるのがよい。別の例として、特に熱硬化材料の場合には、適当な初期化学物質(モノマ)と初期混合物の化学組成を、Tgを所望の温度に適合させるように適合させることができる(例えば、樹脂と硬化剤との間の化学量論についての仕事、可塑剤の使用、トリまたはテトラ官能架橋硬化剤の使用は、すべて材料設計技術の当業者内にあり、本願における使用のために適合させることができる)。これらの技術のすべては当業界ではよく知られている。適切なポリマーを下記の材料等から選択することができる:エポキシ樹脂;ポリイミド;ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトン(PEEK、PEK、PK);フェノール樹脂;ポロフェニレンスルフィド(PPS)、および、ポリスルホン(PSU)。配合物のために適切な範囲のガラス転移温度を提供するように、これらの材料およびその他を、すべて工業化学業界で周知の仕方で組み合わせることにより、ポリマーの配合物を設計することができる。
【0032】
同様に、プログレッシブキャビティモータ用ロータは、高ガラス温度ポリマーで被覆され且つモータのステータ本体内で使用されるのがよい。図6は、かかるロータの代表的且つ図式的な斜視図である。コア610を、それと一致する適当な螺旋輪郭を有する型(図示せず)に、ロータ製造技術分野の当業者によく知られている任意の仕方で挿入し、型内で芯出しする。再び、接着剤を、コア610の外面612と型(図示せず)の内面との間で、ロータに固定されたコア610及びポリマー620に塗布する。上述したステータの製造と関連した以前の箇所において十分説明したように、硬化後のポリマーが型にできるだけくっつかないようにするために、型の内面も、適当な離型剤で被覆するのがよい。図6はまた、コア610を貫通する中心長手方向ボア630を明示し、ボア630をコア610のポートから外面612の上に引っ張る真空状態にすることを、この技術分野で現在行われている任意の仕方で可能にし、それにより、ポリマーの硬化中にポリマー層620を係合部内に引く。この場合も、型は、完成されたロータ直径を有するように設計され、ロータの直径は、硬化後、周囲温度のステータの内径よりもわずかに小さい高ガラス温度(Tg)ポリマーコーティングを有し、その結果、ロータは、作動温度に達した後、ステータの内面に係合するように効率的に拡張して、モータの効率的な作動のために必要とされるシールを行う。
【0033】
図7は、高ガラス温度(Tg)ポリマーでコーティングされたロータの別の実施形態の断面図である。コーティングされたロータのこの形態は、適当な高ガラス温度(Tg)ポリマー720の中に覆われた中実コア710を形成し、高ガラス温度(Tg)ポリマー720は、薄い外層で覆われ、薄い外層は、その他の種類のエラストマー材料、金属又はその他のポリマーから選択される。この外層730は、ロータの設置及び初期動作中、ロータの周りの保護シースを構成する。六角形状のコア710は、作動中にステータ壁に係合するときにコアが受ける横方向力に対して、ポリマーを補強する。中心コアの実際の断面は、この形状(図7では、六角形)に限られず、正方形、矩形、三角形、八角形、円状、楕円又はその他の形状を使用してもよい。変形例のコアの使用により、製造の全体コストを減少させることができ、その理由は、最終の螺旋形状を得るためのロータコアの精密な一致を必要としないからである。しかしながら、螺旋形状のロータ又はステータを形成し、且つ、螺旋形コアを高ガラス温度ポリマー又はポリマーの混合物で覆うことも、特許請求の範囲内及び明細書の範囲内である。
【0034】
多数の実施形態及びその変形例を開示した。上述した内容は、発明者が塾考したような本発明を実施するベストモードを含むけれども、すべての可能な変形例を開示しているわけではない。かかる理由で、本発明の範囲及び限定は、上述した開示に制限されず、特許請求の範囲によって定められ且つ解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントであって、
コアと、
前記コアに固定され相補的なプログレッシブキャビティ駆動コンポーネントに係合するポリマー表面と、を備え、該ポリマー表面は、前記プログレッシブキャビティ駆動コンポーネントの設計上の作動温度より少なくとも20℃低いガラス転移温度を有している、
ことを特徴とするプログレッシブキャビティ駆動コンポーネント。
【請求項2】
前記コアがロータ本体であり、
前記相補的なプログレッシブキャビティ駆動コンポーネントがステータ本体である、
請求項1に記載のプログレッシブキャビティ駆動コンポーネント。
【請求項3】
前記コアがステータ本体であり、
前記相補的なプログレッシブキャビティ駆動コンポーネントがロータ本体である、
請求項1に記載のプログレッシブキャビティ駆動コンポーネント。
【請求項4】
前記ポリマーが、本質的に、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトン、フェノール樹脂、ポリスルホンおよびポリフェニレンスルファイドからなる群から選択される、
請求項1に記載のプログレッシブキャビティ駆動コンポーネント。
【請求項5】
前記ポリマーが、断面厚さ方向に不均一であり、
前記コア表面が、断面で、螺旋状に突出している、
請求項1に記載のプログレッシブキャビティ駆動コンポーネント。
【請求項6】
前記ポリマーが、前記コア表面で、断面が螺旋状に突出している、
請求項1に記載のプログレッシブキャビティ駆動コンポーネント。
【請求項7】
前記ポリマーが、50乃至180℃のガラス転移温度を有している、
請求項1に記載のプログレッシブキャビティ駆動コンポーネント。
【請求項8】
前記ポリマーが、耐クリープ部分結晶ポリマーである、
請求項1に記載のプログレッシブキャビティ駆動コンポーネント。
【請求項9】
前記ポリマーが、グラファイトウィスカ、シリコンナイトライドウィスカ、酸化アルミニウムウィスカー、シリコンカーバイドウィスカ、酸化アルミニウムファイバ、アラミドファイバ、カーボンファイバ、E−ガラスファイバ、ボロンファイバ、シリコンカーバイドファイバ、スチールワイヤ、モリブデンワイヤ、タングステンワイヤ、ナノシリカパーティクル、ナノカーボンチューブ、およびナノカーボンファイバを含むグルーブから実質的に選択された材料によって補強されたポリマー複合マトリックスである、
請求項1に記載のプログレッシブキャビティ駆動コンポーネント。
【請求項10】
前記駆動コンポーネントの螺旋ポリマー表面が、第2の材料の層で覆われている、
請求項1に記載のプログレッシブキャビティ駆動コンポーネント。
【請求項11】
前記第2の材料の外側層が、エラストマーおよび他のポリマーからなる群から選択されている、
請求項1に記載のプログレッシブキャビティ駆動コンポーネント。
【請求項12】
プログレッシブキャビティモータステータであって、
内面を提供する長手方向ボアを有するステータ本体と、
前記ステータ本体の内面に結合されたポリマー層と、を備え、
該ポリマー層は、50乃至180℃のガラス転移温度を有し、該ガラス転移温度より高い作動温度でプログレッシブキャビティロータと圧縮的にかみ合う螺旋形状を提供している、
ことを特徴とするプログレッシブキャビティモータ用ステータ。
【請求項13】
前記ステータ本体の内側層が環状断面を提供し、
前記ポリマー層が、前記ステータの内側面に取付けられ、前記ステータ本体の長手方向ボア内で螺旋ロブ断面形状を提供する、
請求項12に記載のプログレッシブキャビティモータ用ステータ。
【請求項14】
前記ステータ本体の内面が、螺旋断面形状を提供し、
前記前記内面に結合されたポリマー層は厚さが不均一である、
請求項12に記載のプログレッシブキャビティモータ用ステータ。
【請求項15】
プログレッシブキャビティ駆動モータ用ロータであって、
外面を有するロータ本体と、
前記ロータ本体の外面に結合されたポリマー層とを備え、該ポリマー層が、50乃至180℃のガラス転移温度を有し、該ガラス転移温度より高い作動温度でプログレッシブキャビティステータの内面と圧縮的にかみ合う螺旋形状を提供している、
ことを特徴とするプログレッシブキャビティモータ用ステータ。
【請求項16】
前記ロッド本体の外面は、螺旋ロブ断面でない断面形状を提供し、
前記ポリマー層は螺旋ロブ断面を提供するロータの外面に取付けられている、
請求項15に記載のプログレッシブキャビティモータロータ。
【請求項17】
前記ロータ本体の外面は、螺旋ロブ断面形状を提供し、
前記外面に結合されたポリマー層は厚さが不均一である、
請求項15に記載のプログレッシブキャビティモータステータ。
【請求項18】
プログレッシブキャビティモータステータを製造する方法であって、
ステータ本体の長手方向ボアの内面より小さな直径の外面を有する螺旋マンドレルを、前記ステータ本体の内面との間に空間を残して、中心配置するステップと、
前記螺旋マンドレルの外面と前記ステータ本体の長手方向ボアの内面との間の前記空間を、ガラス転移温度が50℃から180℃のポリマーで充填するステップと、
前記ポリマーを前記ステータ本体の長手方向ボアの内面に固定するステップと、
前記マンドレルを前記ステータ本体から取り外すステップと、を備えている、
ことを特徴とするプログレッシブキャビティモータ用ステータを製造する方法。
【請求項19】
前記マンドレルの外面と前記ステータ本体の内面との間の空間を充填するのに使用されるポリマーは、ガラス転移温度が高い材料であり、室温で固体であり、そのガラス転移温度を少なくとも20℃越える温度で弾性を有する、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ポリマーが、本質的に、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトン、フェノール樹脂、ポリスルホンおよびポリフェニレンスルファイドからなる群から選択される、
請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ポリマーが、耐クリープ部分結晶ポリマーである、
請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記ポリマーが、グラファイトウィスカ、シリコンナイトライドウィスカ、酸化アルミニウムウィスカー、シリコンカーバイドウィスカ、酸化アルミニウムファイバ、アラミドファイバ、カーボンファイバ、E−ガラスファイバ、ボロンファイバ、シリコンカーバイドファイバ、スチールワイヤ、モリブデンワイヤ、タングステンワイヤ、ナノシリカパーティクル、ナノカーボンチューブ、およびナノカーボンファイバを含むグルーブから実質的に選択された材料によって補強されたポリマー複合マトリックスである、
請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記マンドレルを前記硬化したポリマーの表面を傷つけることなく前記マンドレルを取り外すことができるようにする離型剤で前記マンドレルを覆うステップを、さらに、備えている、
請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記ステータ本体の内面を接着剤で覆うステップを、さらに、備えている、
請求項18に記載の方法。
【請求項25】
プログレッシブキャビティモータロータを製造する方法であって、
モールド内で、直径が、前記モールドの長手方向ボアの内面より小さな外面を有するロータコアを、前記モールドの内面と前記ロータコア外面との間に空間を残して、中心配置するステップと、
前記ロータコアの外面と前記モールドの内面との間の前記空間を、ガラス転移温度が50℃から180℃のポリマーで充填するステップと、
前記ポリマーを前記ロータコアの外面に固定するステップと、
前記ロータを前記モールドから取り外すステップと、を備えている、
ことを特徴とするプログレッシブキャビティモータ用ロータを製造する方法。
【請求項26】
前記ロータコアの外面と前記モールドの内面との間の空間を充填するのに使用されるポリマーはガラス転移温度が高い材料であり、室温で固体であり、そのガラス転移温度を少なくとも20℃越える温度で弾性を有する、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ポリマーが、本質的に、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトン、フェノール樹脂、ポリスルホンおよびポリフェニレンスルファイドからなる群から選択される、
請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ポリマーが、耐クリープ部分結晶ポリマーである、
請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記ポリマーが、グラファイトウィスカ、シリコンナイトライドウィスカ、酸化アルミニウムウィスカー、シリコンカーバイドウィスカ、酸化アルミニウムファイバ、アラミドファイバ、カーボンファイバ、E−ガラスファイバ、ボロンファイバ、シリコンカーバイドファイバ、スチールワイヤ、モリブデンワイヤ、タングステンワイヤ、ナノシリカパーティクル、ナノカーボンチューブ、およびナノカーボンファイバを含むグルーブから実質的に選択された材料によって補強されたポリマー複合マトリックスである、
請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記マンドレルを、前記ロータコアおよびポリマーを、前記硬化したポリマーの表面を傷つけることなく取り外すことができるようにする離型剤で前記モールドの内面を覆うステップを、さらに、備えている、
請求項18に記載の方法。
【請求項31】
前記ロータコアの外面を接着剤で覆うステップを、さらに、備えている、
請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−508161(P2011−508161A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541112(P2010−541112)
【出願日】平成20年12月29日(2008.12.29)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003711
【国際公開番号】WO2009/087475
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(500177204)シュルンベルジェ ホールディングス リミテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】Schlnmberger Holdings Limited
【Fターム(参考)】