説明

高温炉内用ガス仕切弁

【課題】ガス成分による弁座や弁体の汚染や腐食が問題になり、かつ、高温を維持し続けなければならないガスの流動を制御するための仕切弁を提供する。
【解決手段】金属ガリウム及び/又は球状粒子の封止材5を底部に貯留し、封止材表面の上方でガス流入管3の上端高さに整流板22、21を設けた弁箱1を用い、封止材5に弁体2を挿入することによって作動ガスの流通を遮断する仕切弁。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コークス炉等の各種高温ガスを取り扱う産業に係わる装置に使用する高温炉内用ガス仕切弁に関する。
【背景技術】
【0002】
製鉄用のコークス炉では、石炭の乾留時に発生する石炭乾留ガス(COG)を集合配管で回収して燃料に使用している。この際、発生するCOGは、900℃程度までの高温であるので、ガスの顕熱を回収して省エネルギを図ることが原理的には可能である。しかしながら、COG中には高沸点ガスであるタールが含有されており、700℃以下にCOGの温度が低下するとタールが凝縮する性質を持つ。一旦凝縮したタールは、凝縮後に性質が変化して、再度過熱しても容易には蒸発しない物質に変化することが多い。また、COGには、メタン等の炭化水素の形で含有されていた炭素が700℃以上の高温で分解して固体の炭素(煤)として析出する(この現象をコーキングと呼ぶ)性質も有する。この一旦析出した固体炭素も、互いに強固に結合しているため、再度温度を低下させても容易には炭化水素化しない。
【0003】
従来技術において、仮に、高温のCOGを流通させる場合、このようなタールや固体炭素が管路系設備(管路、弁、送風機等)のCOG接触面において多量に付着するため、管路系設備の操作が困難となる。このため、従来、コークス炉にて発生したCOGは、コークス炉の上昇管から排出されると、直ちに水冷されて常温化とされていた。この際、タールは凝縮してCOGから分離されて冷却水中に混和して除去されるので、常温のCOG中の低沸点ガス(これをドライCOGと呼ぶ)のみが燃料として回収されてきた。ドライCOGには、特段の作業上の問題はないので、一般的な産業用管路系設備を適用することができ、管路のガス流れを自由に制御できる。
【0004】
一方、前記上昇管中は、COGはタールを除去されていないガス(ウェットCOGと呼ぶことにする)と接触せざるを得ないので、上昇管内面へのコーキングが避けられない。また、COGは一連の石炭乾留作業のプロセスにおいて低温化する場合があり、このとき、COG中のタールの凝縮物が上昇管内壁面に付着して、強固な固着層を形成することもある。これらの付着物は、操業を継続すると増大し続けて上昇管の管路を閉塞させるので、上昇管の管路では、一定短周期毎、例えば、毎日、上昇管内面に付着した炭素を焼き取る作業を必要とする。このような上昇管で生じるタール付着やコーキングの問題は、上昇管に限らず、ウェットCOGを流通させる管路系に共通の問題である。
【0005】
また、ウェットCOG中には、粉石炭に由来する、直径数μmから数mm程度の煤塵が、例えば、1g/m以上といった高濃度で浮遊している。このため、ウェットCOGに精緻なメカニカルシールを施したとしても、この煤塵がシール部に容易に噛みこんでシール性を極端に悪化させる問題も存在する。
【0006】
このため、従来技術においては、タール付着、コーキングの問題及びガス中煤塵で、COGの顕熱は殆ど利用されることなく、COGは速やかに水冷されていた。例えば、特許文献1に示す、上昇管とドラインメーンの間に流量調整弁を設置する方法においては、流量調整弁を流通するCOGは、スプレー水散布によって既に低温化されたものであり、また、流量調整弁単独ではガスの流通を遮断することはできないので、別途、水封弁を必要とする。特許文献2には、ウェットCOG用の遮断弁が開示されているが、この装置では弁座と弁体が共にウェットCOGに接触し続け、これらの表面での激しいコーキングやタール凝縮固化が避けられないので、頻繁な清掃作業が必要である。また、特許文献3には、上昇管内に空気配管を設けて、上昇管内の高温なCOG流れによって空気管内を流通する空気を加熱することで排熱回収を図っている。しかし、この装置の場合、COGの冷却量が大きいと、COGが直ちにタールとして空気配管表面に凝縮固化して伝熱を阻害すると共に、上昇管を閉塞させる問題を生じるので、COG顕熱の僅かな部分しか回収できないと言う問題がある。
【0007】
このように、高温ウェットCOGの顕熱利用に際しては、排熱回収を目的とするよりも、高温でしかなし得ないCOGの有用な化学反応(ガス改質)を促進することを主眼にする方が有利と考えられる。
【0008】
上昇管にも管路開閉の必要があるので、通常、上昇管頂部蓋及びドライメーン蓋の2つの弁が設けられている。上昇管頂部蓋は、乾留終了後にコークス炉内の残留ガスを大気中に放散させつつ燃焼させるためのものであり、上昇管との間では、作業中には水封されている。あるいは、付着物析出によって上昇管頂部蓋が上昇管に固着することを避けるため、上昇管と蓋との間に予め隙間を設けて完全にはCOGを封止しない構造とすることもかつては採用されてきた。また、ドライメーン蓋は、上昇管とドライメーンを繋ぐ管路の蓋であるが、こちらも、管路閉止する場合には水封されている。このように、従来技術でウェットCOGに接触し得る弁は、低温に維持されるか、完全に封止しない構造のものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−107466号公報
【特許文献2】実公昭62−39077号公報
【特許文献3】実開昭58−7847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ウェットCOGの状態でCOGの顕熱を利用するためには、高温状態のウェットCOGの管路系内での流通を制御するための管路を開閉できる弁が必要不可欠である。しかしながら、従来技術の弁(蓋)ではウェットCOGを完全には封止できないか、ウェットCOG中に含まれる煤塵が弁座と弁箱内に噛みこんで弁の開閉及び封止性を阻害するか、ウェットCOGを低温化してしまうか、あるいは、操業(石炭乾留)を頻繁に終了して弁内面に固着するタールや固体炭素を、除去する必要がある等、不確実か実現困難なものしか存在しなかった。
【0011】
そこで、本発明においては、ガス成分による弁座や弁体の汚染や腐食が問題になり、かつ、高温を維持し続けなければならないガス、例えば、常温から900℃程度までのウェットCOG、に対して、管路内で長期間の流通を制御可能な高温炉内用ガス仕切弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、本発明者の研究の結果、以下の解決方法を発明するに至った。
第1発明は、常温から900℃までの高温の温度範囲で封止材を底部に貯留する弁箱と、
前記弁箱に、前記封止材の表面より上方において接続されたガス流出管と、
弁箱内において前記封止材の表面より上方の位置で上方または側方に向けた開口を備え、前記封止材の表面より下方の位置で前記弁箱に接続されたガス流入管と、
仕切弁の閉止状態において、前記封止材を用いて前記ガス流入管と前記ガス流出管との間でのガスの流通を阻害するように、前記封止材に少なくとも弁体の一部が埋没する位置である弁体下降位置に配置され、仕切弁の開放状態において、前記弁箱内での前記ガス流入管の前記開口よりも上方に弁体の全てが存在する位置である弁体上昇位置に配置される整流板と、
前記弁体の開放動作途中に前記ガス流入管外面と前記弁体内面とによって形成される流路を通じて前記封止材表面方向に吐出される作動ガスの流れを阻害するように、前記ガス流入管の略上端の高さに略水平に配置される整流板と、
前記弁体の配置を、前記弁体下降位置と前記弁体上昇位置の間で変更する弁体昇降装置と、
を備えることを特徴とする高温炉内用ガス仕切弁である。
【0013】
第2発明は、前記封止材が金属ガリウムを主体とする物質からなることを特徴とする第1発明に記載の高温炉内用仕切弁である。
【0014】
第3発明は、前記封止材が、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化珪素、炭化珪素の内、1種又は2種以上の組み合わせを主体とする略球形の粒体であることを特徴とする第1発明に記載の高温炉内用仕切弁である。
【0015】
第4発明は、前記封止材が金属ガリウムを主体とする物質からなり、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化珪素、炭化珪素の内、1種又は2種以上の組み合わせを主体とする粒体が、前記封止材の上に積載されたことを特徴とする第1発明に記載の高温炉内用仕切弁である。
【0016】
第5発明は、前記封止材が酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ジルコン、安定化酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化珪素、炭化珪素の内、1種又は2種以上の組み合わせを主体とする略球形の粒体であることを特徴とする第1発明に記載の高温炉内用仕切弁である。
【0017】
第6発明は、前記封止材が金属ガリウムを主体とする物質からなり、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ジルコン、安定化酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化珪素、炭化珪素の内、1種又は2種以上の組み合わせを主体とする粒体が前記封止材の上に積載されたことを特徴とする第1発明に記載の高温炉内用仕切弁である。
【0018】
第7発明は、前記封止材の上面に、前記封止材の飛散を抑制する当て物が積載されたことを特徴とする、第1発明、第3〜第6発明のいずれかに記載の高温炉内用ガス仕切弁である。
【0019】
本発明の特徴について説明する。
第1の特徴は、常温から900℃程度の高温までの温度範囲で物理的な性質の大きく変化しない粒状材料を仕切弁の封止材として用いることで、本発明に求められる広い範囲での弁の封止性を確保している点である。これに対して、従来技術の封止方法、例えば、水封弁の場合、高温では水を液相として維持できないので、これを適用することができない。
【0020】
第2の特徴は、次のとおりである。仕切弁では、所要機能に応じて仕切弁部品間で異なる材料を組み合わせて用いることが一般的である。このような仕切弁が広い温度範囲で使用される場合、前記部品間の熱膨張差が生じるので、前記部品間の接触、例えば、弁座と弁体間の接触において、機械加工で言うところの嵌め合いを広い温度範囲で同一状態に維持することは困難である。また、900℃と言った高温で弁が使用される場合、長期的にはクリープによって材料の変形することが避けられないので、作動温度が一定であっても、長期間に渡って同一の嵌め合いを維持することも困難である。従来技術の仕切弁では、弁体を弁座に締め付けることによって作動流体の封止を行う構造であるので、弁の嵌め合いが変化すると、弁体と弁座間に隙間を生じて封止が不完全となることや、逆に、弁体と弁座間の接触力が過大となって、弁体を移動できなくなると言った問題が起きる。一方、本発明では、本来、可動性の高い、比較的厚い封止材の層に弁体を埋没させることによって封止を行うので、嵌め合いを考慮する必要はなく、上記の問題を回避することができる。
【0021】
第3の特徴は、本発明では比較的多量の粒状の封止材を用いることができるので、ウェットCOGに接触する材料で避けることのできない、材料へのコーキングやタール凝縮固化による封止性への悪影響を受け難い。即ち、本発明では、表層の封止材の一部にコーキングを生じた場合でも弁体の開閉動作等による封止材の撹拌によって速やかに層内に析出カーボンを分散化することで、封止材の封止性・流動性悪化の影響を低減することができる。また、本発明では、弁体を頻繁に封止材に埋没させることで封止材の研磨効果によって、弁体表面の付着物を除去する効果がある。
【0022】
第4の特徴は、金属ガリウムを封止材に用いることにより、本発明では、ほぼ常温から900℃といった広い温度範囲で、動作可能で、かつ、完全な封止のできる仕切弁を実現することができる。従来技術のメタルタッチによる弁の封止の場合、このような広い温度範囲で動作可能なものは、弁座と弁体が接触可能な特定の温度以外の温度域では、弁部品間の熱膨張率差によって弁座―弁体間で隙間を生じて封止性を確保することはできない。
【0023】
第5の特徴は、酸化性雰囲気下(COGは多量の水蒸気を含むので高温では酸化性ガスである)では強く酸化されて減量する、金属ガリウムを封止材として用いる際、本発明では金属ガリウムの表面に金属ガリウムよりも密度の低い粒体を積載して通気性を阻害することにより、金属ガリウムの表面酸化を抑制することができ、ガリウムの交換頻度を大幅に削減することができる。
【0024】
第6の特徴は、本発明では弁の構造物の大半を加熱炉内に配置するので、弁の部品間の温度差を低減することができることである。従来技術で高温ガスを流通させる弁では、高温ガスとの接触部位である内側を高温に保ち、かつ、弁の外側を低温に保つことにより、弁の強度と作業性を確保することが指向されてきた。このような設計前提で、弁に加熱装置設けない場合、弁を通過する高温ガスは弁によって冷却されるので、例えばウェットCOGを流通させる際にタールの弁内面への析出の避けられない問題がある。また、弁の内側に加熱装置を設けることによって弁を通過する高温ガスからの抜熱を避ける方法も考えられるが、この場合、弁の内側と外側での温度差が大きいため、弁の内側を一様に一定温度に制御することが困難である。また、これら従来技術の方法では、弁の部品間に大きな温度差が与えられるので、900℃と言った高温で弁を使用する場合、大きな熱応力を生じて弁の寿命を著しく低減してしまう問題も生じる。本発明では、弁を通過する高温ガスとほぼ同一の温度に保持された加熱炉内に弁を配置することによって弁全体の温度を一様、かつ、一定に保持できるので、上記の従来技術での問題を回避することができる。
【0025】
第7の特徴は、弁体が開閉動作する際には、ガス流入管外面と前記弁体内面とによって形成される流路を通じて前記封止材表面方向に吐出される作動ガスの流れが生じる。この作動ガス流れは、弁開放時の弁箱内最大流速に匹敵する高速流であるので、この流れが直接、封止材表面に衝突すると、粒体の場合には、粒子をまき上げて弁箱から流出させてしまい、また、反応性の高い液状の封止材を用いる場合でも、封止材表面でのガス交換(拡散)が強く促進されるため、作動ガス中の新鮮な汚染物質(例えば、煤塵や硫酸)と封止材が絶えず接触するため、封止材の劣化を促進し得る。本発明では、弁箱内に整流板を設けることにより、このような封止材表面方向に吐出される作動ガスの流れを阻害し、粒体の飛散や封止材の汚染を減少させることができる。
【0026】
第8の特徴は、封止材に粒子を使用する場合、弁箱内の通気によって封止材がまきあげられて流出する可能性がある。封止材が流出すると、弁箱内の封止材が不足することや、下流側の設備に悪影響を与える等の問題を生じうる。本発明では、封止材の飛散を抑制する当て物を積載することによって、封止材の飛散を抑制することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によって、ウェットCOGの顕熱を利用する各種ガス改質技術が適用可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態において弁を開放した状態の模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態において弁を閉止した状態の模式図である。
【図3】本発明の実施形態において弁の開閉動作途中の状態の模式図である。
【図4】比較の装置において弁の開閉動作途中の状態の模式図である。
【図5】本発明の第2の実施形態において弁を開放した状態の模式図である。
【図6】本発明の第2の実施形態において弁を閉止した状態の模式図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
(弁の構造:第1の実施形態)
弁の開放状態に関して図1を、弁の閉止状態に関して図2を用いて説明する。
【0031】
弁開放状態のとき、高温の作動ガスは、ガス流入管3から弁箱1に流入し、ガス流出管4から流出する。このときの弁体2の位置を弁体上昇位置と呼ぶことにする。弁閉止状態のとき、下端が封止材に埋没した弁体2によって、弁箱1内は、ガス流入管3側の空間19及びガス流出管4側の空間20に隔てられ、ガス流入管3からガス流出管4への高温の作動ガスの流通は阻害される。このときの弁体2の位置を弁体下降位置と呼ぶことにする。微量の作動ガスは、封止材5の隙間を通じて流通し得るが、弁体2の封止材5への埋没深さが十分である場合には、通気抵抗の十分に大きい封止材を用いれば、実質的なガス封止を実現できる。弁体2の封止材5への埋没深さは、例えば、10mm以上1m以下とすることができる。これよりも浅い埋没量である場合には封止材5の封止性が不足し、これ以上の深さの埋没量である場合には、実現できる封止能力に比べて装置が高価になり過ぎるからである。ガス流入管3の上端に接触することによって弁体2降下時の下端位置を固定するストッパ18の位置を調整することによって、この弁体2の封止材5への埋没深さを設定することができる。
【0032】
弁体上昇位置と弁体下降位置間で弁体2を移動させるためには、弁体2に接続された弁体昇降装置8を動作させる。弁箱1の密閉を維持するために、弁体2と弁箱1間にはベローズ14を設け、弁体2と弁箱1間での相対移動量の影響をここで吸収する。
【0033】
(弁の構造:第2の実施形態)
図1および図2の装置に当て物25を追加した装置である図5(開状態)および図6(閉状態)を用いて本実施形態を説明する。当て物25は、内側のリング状の当て物と外側のリング状の当て物の2つから構成される。弁体2は、内側と外側の当て物25、25の間を通過して、弁を開閉することができる。当て物25は、封止材5の上に積載されている。流入管3から弁箱1内に流入した作動ガスは、弁箱1内に激しい気流を発生させるが、本実施形態においては、この激しい気流は当て物25によって封止材5と直接に接触することはないので、弁箱1内の気流によって飛散する封止材量を抑制することができる。
【0034】
(弁の構造:第3の実施形態)
図1,2の装置の弁箱1を加熱炉28内に配置した図7の装置を用いて本実施形態を説明する。加熱炉28の温度を常温とし、ファン26を流出管4に接続して吸引を行い、作動ガスとして常温の大気を流入管3から吸引して弁箱1に導入した後、流出管4から流出させる。流出管4の出口にはフィルタ27を設けて飛散した封止材5を回収する。流出管4には流量計29と圧力計30を設ける。このような装置構成とすることによって、仕切弁の特性を測定することができる。即ち、弁の開放状態でファン26による吸引を行い、この際の流量と圧力の測定値を用いることによって、弁の圧力損失係数を求めることができる(圧力損失係数=2×圧力測定値/[流入管流速])。次に、弁の閉止状態でファン26による吸引を行い、この際の流量と圧力の測定値および上記で求めた圧力損失係数を用いることによって、弁のリーク率を求めることができる。さらに、ファン26による一定時間の吸引を行い、この期間にフィルタ27に捕集された粒子の質量を、フィルタ27を取り出して秤量し、この値を通気時間で除することにより、封止材飛散質量流量を求めることができる。
【0035】
例えば、直径200mmで高さ600mmの弁箱1に直径80mmの流入管3および流出管4を接続し、封止材5として直径60から120μmのジルコンビーズを弁箱1の下部に80mmの厚さで敷きつめ、ここに弁体2下端が50mmの深さまで埋没可能な仕切弁の場合、弁のリーク率を、バルブ容量係数(Cv値)の0.005%以下とすることができる。この弁の開放状態で50m/hの流量で吸引を行った場合、封止材飛散質量流量を70g/hとすることができる。
【0036】
また、弁の駆動装置をエアシリンダとし、弁閉止動作中のエアシリンダへの供給空気圧から弁閉止時の推進力を求めることができる。流動層ガスとして圧力0.001MPaの空気を流動層ガス管から弁箱内に供給する際の推進力を、異なる推進力条件で弁閉止操作を行うことにより、弁閉止に必要な最低の推進力(弁閉止所要推進力)を求めることができる。例えば、上記の弁の場合、弁閉止所要推進力は、10N以下とすることができる。
【0037】
(弁の構造:第4の実施形態)
アルミナ繊維製で厚さ40mmのリング状の当て物25を図5,図6と同様の方式で封止材5上に積載し、それ以外の条件を全て第3の実施形態と同様とすることにより、弁のリーク率を、Cv値の0.005%以下に、開放状態で50m/hの流量で吸引を行った場合の封止材飛散質量流量を25g/hとすることができる。
【0038】
(弁の構造:第5の実施形態)
封止材5として直径120から400μmのジルコンビーズを用い、それ以外の条件を全て第4の実施形態と同様とすることにより、弁のリーク率を、Cv値の0.1%以下に、開放状態で50m/hの流量で吸引を行った場合の封止材飛散質量流量を1g/hとすることができる。
【0039】
(弁内の作動ガス流れ)
弁箱1内では、図3に示すように、弁体2の開放動作途中に前記ガス流入管3外面と前記弁体2内面とによって流路24が形成される。整流板21,22を設けない場合の弁箱1内では、図4に示すように、弁体2の開放動作途中に前記ガス流入管3外面と前記弁体2内面とによって流路24が形成される。弁体2の開閉動作途中にはこの流路24を通じて作動ガスがガス流入管3からガス流出管4に向けて弁箱1内を流通する。本実施形態では、図4に示すように、この流路24を通じて封止材5の表面方向に吐出される作動ガスの流れを阻害するように、ガス流入管3の略上端の高さに略水平に整流板22を配置する。この整流板は、少なくとも、整流板外周部が弁箱1の内面に接続し、整流板内周部が弁体2の外面に近接した位置となるように配置される、外側の整流板22である。また、整流板内周部がガス流入管3外面に接続し、整流板外周部が弁体2の内面に近接した位置となるように配置される、内側の整流板21を併設してもよい。本実施形態では弁体2と整流板21、22の間の隙間を十分小さく設定することで、この隙間を通過する作動ガスの通気抵抗を生じさせることによって、ガス流入管3外面と弁体2内面で形成される流路24を通じて封止材5の表面方向に吐出される作動ガスの流れを阻害することができる。その結果、弁体2の開閉動作中に、封止材5表面での作動ガス流速を減じることができるので、封止材5の飛散・揺動や、作動ガス中に含まれる汚染物質や煤塵と封止材5の接触を抑制することができる。
【0040】
本実施形態において、弁の開放時には、ガス流入管3の弁箱1内での開口部の上端よりも上方に弁体の全てが存在する位置まで弁体2を上昇させることによって、図1に示すように、弁箱1内での作動ガス流線23を、整流板21、22の上方を通過させる。その結果、封止材5表面で大きな流速の生じることはなく、封止材5表面の作動ガスの拡散も抑制される。また、当然ながら、弁の閉止状態では、図2に示すように、封止材5表面で作動ガスの流れは生じない。従って、本実施形態では、弁の位置がいずれの状態であっても封止材5表面での作動ガス流速を小さい状態に維持することができる。
【0041】
比較のために、上記整流板21、22を設けない場合の弁箱1内での弁の開閉動作途中の作動ガスの流線23を図4に示す。ガス流入管3外面と弁体2内面で形成される流路24を通じて封止材5の表面方向に吐出される作動ガスは、特段、遮られないので、直接、封止材5表面に高速で衝突し、封止材5を飛散させ得る。また、封止材5表面での流速が大きい場合、ガス中での物質交換(拡散)が促進されるので、封止材5表面は、作動ガス中の新鮮な汚染物質と常にさらされることになり、封止材5が劣化し易い。
【0042】
尚、本実施形態においては、弁開放時にガス流入管3から作動ガスを弁箱1に流入させ、ガス流出管4から作動ガスを流出させているが、これとは逆に、弁開放時にガス流出管4から高温の作動ガスを弁箱1に流入させ、ガス流入管3から作動ガスを流出させる流路系としても、弁として何等問題ない。また、本実施形態においては、弁体昇降装置8を用いて弁体2を昇降させることによって仕切弁の開閉を実現しているが、これとは逆に、弁体2を固定し、別途設けた弁箱昇降装置によって弁箱1を昇降させることによって仕切弁の開閉を行っても、弁として何等問題ない。この場合、ガス流入管3及びガス流出管4と弁箱1の間に、弁箱1の昇降に伴う相対移動量を吸収するためのベローズを別途設ける等すればよい。
【0043】
(弁箱)
弁箱1は、高温炉内に設置される。弁箱1の高さは、例えば、100mm以上4m以下とすることができる。封止材5の層厚は、例えば、10mm以上1m以下とすることができる。ガス流入管3及びガス流出管4の弁箱1内での開口径は、例えば、10mm以上300mm以下とすることができる。
【0044】
(弁体昇降装置)
弁体昇降装置8を炉外に設置する場合には、昇降運動可能な市販のアクチュエータを使用することができる。例えば、エアシリンダ、油圧シリンダ、ラックアンドピニオン推進装置、ボールねじ推進装置、又は、リニアモータを用いることができる。耐熱性のアクチュエータを弁体昇降装置8に用いて、これを炉内に設置し、装置の小型化を図ってもよい。弁体の昇降位置を調整する方法は、手動で行ってもよいし、別途、距離計又は荷重計、並びに、制御装置を設けて自動制御してもよい。弁体昇降装置のストロークは、例えば、20mm以上2m以下とすることができる。
【0045】
(構造材の材質)
炉内に配置される装置は、常温から900℃程度の高温までの環境において、所要の強度、剛性、耐久性を有したものであればどのようなものでも使用することができる。例えば、変形する部品であるベローズ14には、耐熱ステンレス鋼、又は、インコネルやハステロイ等の耐熱ニッケル合金等の金属を、これ以外の部品に関しては、前記の材料に加えて、黒鉛、カーボンコンポジット、アルミナ、カルシア、マグネシア、炭化ケイ素、又は、窒化ケイ素等を用いることができる。尚、黒鉛等、耐酸化性の低い材料を用いる場合には、炉内を非酸化性雰囲気、例えば、窒素雰囲気に維持することで、これらの材質を適用することができる。
【0046】
封止材5に金属ガリウムを用いる場合には、金属材料との間で合金を生じ得るので、金属ガリウム接液部には、上述の各種セラミックスを用いた構造材、又は、上述の各種セラミックス材を金属材料に被覆した構造材を用いることができる。
【0047】
(封止材)
封止材5には、常温から900℃程度の高温において、流動化に耐え得る強度を有し、かつ、作動ガスとの化学反応、自身の相変化、熱分解、焼結、相変態を生じない粒状の材料であればどのような材質のものでも用いることができる。
【0048】
封止材5に粒体を用いる場合には、例えば、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化珪素、炭化珪素の内、1種又は2種以上の組み合わせを主体とする、材質を用いることができる。また、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ジルコン、安定化酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化珪素、炭化珪素の内、1種又は2種以上の組み合わせを主体とする、材質を用いることができる。これらの物質は、工業的に容易に得られ、常温から900℃の温度範囲で安定であり、ウェットCOGとの反応性が低く、さらに、この温度域では焼結性も低いので粒体の流動性が損なわれることが少ないので好適である。他の物質、例えば、珪砂の場合、この温度域で変態を生じるため粒子が崩壊し易く、封止材5として好適ではない。また、ソーダガラス粒を用いる場合、この温度域では軟化、焼結を生じ得、粒体の流動性を確保できずに弁体1の封止材5への挿入を阻害し得るので、封止材5として好適ではない。
【0049】
ここで、主体とは、上記の粒体が50質量%以上を占めるものを指し、上記の粒体の性質、特に、常温から900℃の温度範囲で安定であり、ウェットCOGとの反応性が低く、さらに、この温度域では焼結性も低いという利点を大きく損なわない範囲で微量の不純物又は添加物が上記の粒体に、粒子として、又は、上記粒体の個別粒子の成分として含まれ得る。例えば、窒化ホウ素の粒体を上記粒体に、例えば、5質量%程度以下の範囲で添加することができる。窒化ホウ素は高温での固体潤滑性が高いので、上記の粒体に少量添加することによって、粒体の流動性を向上する効果が期待できる。但し、窒化ホウ素粒体は機械的強度が低く、容易に崩壊するので、以下に示す望ましい粒体範囲を長期に維持することが困難であるため、大量に添加することには問題がある。また、上記流体の粒子として、必ずしも高純度の粒体を用いる必要はなく、例えば、酸化珪素を含有し、ムライト化させたアルミナ−シリカ組成である粒子によって構成される粒体であっても、上記の粒体の性質を大きく損なわないシリカ含有比率範囲(例えば、30質量%以下)であれば適用することができる。
【0050】
封止材5の粒径は、好ましくは直径10μm以上500μm以下が好ましい。この粒径範囲よりも小さい場合、弁体2の開閉動作時に弁箱中に、弁体2に随伴して粒体の巻き上げを生じ、作動ガスと共にガス流出管から粒体が流出するので好ましくない。また、この粒径範囲よりも大きい場合、粒体による封止性が極端に悪化するので好適でない。封止材5の形状は、大半の粒体において、略球形であることが好ましい。略球形とは、粒体の個々の粒子の真球度(粒子の表面に外接する最小球面と粒子表面との半径方向の最大距離)が粒子半径の概ね20%以下の粒子であり、かつ、鋭利な角部を有しない形状であればよい。このような粒子は、積層した際の充填率を高くすることができるので、封止性を確保する観点から封止材5として好適であり、また、流動性に優れるので弁体2を封止材5に装入する際の抵抗が小さい点でも封止材として有利である。略球形の粒子は、転動造粒法、噴霧乾燥造粒法、又は、溶射法等によって形成することができ、「ビーズ」と称して市販されるものを用いることができる。一方、例えば、破砕法によって製造された粒子は、粒子表面に鋭利な部位を有することにより、粒子の流動抵抗が大きく、粒子の充填率も高くできないので、封止材5として好適ではない。好ましい粒子の粒体を用いた場合、例えば、弁閉止の状態で、ガス流入管側空間19とガス流出管側空間20の間で100Paの差圧が与えられた場合でも、封止材層を通じて流通する作動ガス流速を1mm/秒以下にすることができ、弁の高い封止性を確保することができる。
【0051】
封止材5には金属ガリウムを主体とした液体金属を用いることができる。金属ガリウムの融点は29℃であり、沸点は2000℃以上であるので、高温炉の炉温を融点以上に維持することにより、作動ガス温度が常温から900℃の範囲で封止材は液相を維持できる。900℃における金属ガリウムの蒸気圧は、0.1Pa程度以下と極めて低いので、封止材の蒸発によって生じ得る数々の不具合、例えば、弁の下流側設備内での封止材5の凝固による付着物発生を回避することができる。
【0052】
ここで、「主体」とは、液体金属中で金属ガリウムが50質量%以上を占めるものを指し、上記の金属ガリウムの性質、特に、常温程度以下の低温である融点、かつ、ウェットCOGの操作温度よりも十分の高温である沸点を有するという利点を大きく損なうことない範囲で微量の不純物または添加物が金属ガリウムに含まれ得る。例えば、金属ガリウム68.5質量%、インジウム21.5質量%及び錫10質量%を含有する液体金属は、成分中でガリウムが大半を占め、かつ、融点が−19℃、沸点が1300℃以上であり、金属ガリウムの性質を大きく損なうとはいえないので、本発明でいうところの金属ガリウムを主体とした液体金属に含まれる。また、不純物を合計約1質量%のオーダで含み得る再生ガリウム等の材料も、常温程度以下の低温である融点、かつ、ウェットCOGの操作温度よりも十分の高温である沸点という条件を満たす限り、本発明でいうところの金属ガリウムを主体とした液体金属に含まれる。
【0053】
封止材5に金属ガリウムを用いる場合、酸化性の作動ガスに対しては、液体ガリウムが表面から酸化して酸化ガリウムの硬い表層し、弁の開閉動作を阻害し得ると共に、金属ガリウムの損耗を生じる問題がある。また、金属ガリウムは凝固する際に膨張するため、弁の不使用時に弁を周囲から均一に冷却すると、金属ガリウム表面から凝固を生じ、内部に閉じ込められた液体が後に凝固する際、強い圧力を発生して容器を破壊する可能性がある。これらの問題を回避するために、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化珪素、炭化珪素の内、1種又は2種以上の組み合わせを主体とした粒体を封止材である金属ガリウムの上に積載することができる。また、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ジルコン、安定化酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化珪素、炭化珪素の内、1種又は2種以上の組み合わせを主体とした粒体を封止材である金属ガリウムの上に積載することができる。なお、金属ガリウムと上記粒体を併用する場合は、両者を併せて50質量%以上とするものである。これらの粒体は、いずれも金属ガリウムよりも密度が小さいので、金属ガリウム上に安定した層を形成する。粒体を積載する際には、強く撹拌すると金属ガリウム中に粒体が取り込まれてしまうので、粒体は、金属ガリウム上に静置すべきである。このような粒体を金属ガリウム上に積載することで、金属ガリウム表面上での通気を阻害して金属ガリウムの酸化を抑制することができる。また、金属ガリウム上の粒体層は断熱材として機能するので、弁を冷却する際に金属ガリウム表面を保温するので、凝固は、表面以外の容器壁から生じて最後に金属ガリウム表面が凝固するので、上述の容器破損の問題を回避することができる。なお、金属ガリウム上の粒体は互いに自由に分離可能なので、弁体2の粒体層の通過を妨げないように粒体を配置することができる。粒体層の厚みは、1mmから100mmの範囲が好ましい。この範囲よりも薄い粒体層の場合、通気性が高く、保温性も低いので粒体層の効果が著しく減少する。この範囲よりも厚い粒体層の場合、弁体2が粒体層を通過する際の抵抗が大きくなり、弁の開閉を阻害する可能性があるので好ましくない。粒体の粒子直径は、10μm以上、かつ、500μm以下であることが好ましい。この範囲よりも小さい粒子の場合、弁箱1内部で粒子の飛散を生じ易いので好ましくない。また、この範囲よりも大きい粒子の場合、通気性を阻害する能力が極端に低くなるので好ましくない。
【0054】
封止材5は、以上述べた種類に限定されるものではない。例えば、高純度の酸化タングステンは高温で安定性の高い物質であるので、これを所定の粒径で大量に製造できれば、本発明での封止材に適用することができる。
【0055】
(当て物)
当て物25は、弁の使用温度範囲で安定した物質であり、かつ、封止材5の流動を妨げないように軽量なものが好ましい。例えば、多孔質や繊維状のセラミックスを用いることができる。セラミックスとしては、アルミナや炭化珪素等が広い範囲の作動ガス種に対して用いることができる。非酸化性の作動ガスを前提とする場合には、カーボンを用いることもできる。
【0056】
当て物は、弁箱内の気流によって容易には移動させない観点からは、厚いことが望ましい。一方、当て物が厚い場合には弁が大型化する問題がある。従って、当て物の厚みは、2から500mm程度までの範囲が好ましい。
【0057】
(高温の作動ガス)
尚、本発明で用いる作動ガスは、これまで説明してきたウェットCOGに限るものではなく、ガス成分による弁座や弁体の汚染や腐食が問題になり、かつ、高温を維持し続けなければならない全てのガス種、例えば、亜鉛蒸気や、重油蒸気を含有した石油ガス等に対して、適用可能である。
【0058】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0059】
1・・・弁箱
2・・・弁体
3・・・ガス流入管
4・・・ガス流出管
5・・・封止材(砂)
8・・・弁体昇降装置
9・・・下流側主管路
14・・・ベローズ
16・・・炉壁
18・・・ストッパ
19・・・ガス流入管側の空間
20・・・ガス流出管側の空間
21・・・内側の整流板
22・・・外側の整流板
23・・・弁箱内での作動ガスの流線
24・・・ガス流入管外面と弁体内面で形成される流路
25・・・当て物
26・・・ファン
27・・・フィルタ
28・・・加熱炉
29・・・流量計
30・・・圧力計


【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温から900℃までの高温の温度範囲で封止材を底部に貯留する弁箱と、
前記弁箱に、前記封止材の表面より上方において接続されたガス流出管と、
前記弁箱内において前記封止材の表面より上方の位置で上方又は側方に向けた開口を備え、前記封止材の表面より下方の位置で前記弁箱に接続されたガス流入管と、
仕切弁の閉止状態において、前記封止材を用いて前記ガス流入管と前記ガス流出管との間でのガスの流通を阻害するように、前記封止材に少なくとも弁体の一部が埋没する位置である弁体下降位置に配置され、仕切弁の開放状態において、前記弁箱内での前記ガス流入管の前記開口よりも上方に弁体の全てが存在する位置である弁体上昇位置に配置される弁体と、
前記弁体の開放動作途中に前記ガス流入管外面と前記弁体内面とによって形成される流路を通じて前記封止材表面方向に吐出される作動ガスの流れを阻害するように、前記ガス流入管の略上端の高さに略水平に配置される整流板と、
前記弁体の配置を、前記弁体下降位置と前記弁体上昇位置の間で変更する弁体昇降装置と、
を備えることを特徴とする高温炉内用ガス仕切弁。
【請求項2】
前記封止材が金属ガリウムを主体とする物質からなることを特徴とする請求項1に記載の高温炉内用仕切弁。
【請求項3】
前記封止材が酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化珪素、炭化珪素の内、1種又は2種以上の組み合わせを主体とする略球形の粒体であることを特徴とする請求項1に記載の高温炉内用仕切弁。
【請求項4】
前記封止材が金属ガリウムを主体とする物質からなり、
酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化珪素、炭化珪素の内、1種又は2種以上の組み合わせを主体とする粒体が、前記封止材の上に積載されたことを特徴とする請求項1に記載の高温炉内用仕切弁。
【請求項5】
前記封止材が酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ジルコン、安定化酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化珪素、炭化珪素の内、1種又は2種以上の組み合わせを主体とする略球形の粒体であることを特徴とする請求項1に記載の高温炉内用仕切弁。
【請求項6】
前記封止材が金属ガリウムを主体とする物質からなり、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ジルコン、安定化酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化珪素、炭化珪素の内、1種又は2種以上の組み合わせを主体とする粒体が、前記封止材の上に積載されたことを特徴とする請求項1に記載の高温炉内用仕切弁。
【請求項7】
前記封止材の上面に、前記封止材の飛散を抑制する当て物が積載されたことを特徴とする、請求項1、3〜6のいずれか1項に記載の高温炉内用ガス仕切弁。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−226634(P2011−226634A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2346(P2011−2346)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】