説明

高温腐食抑制剤

四官能基置換芳香族化合物(I)及びトリメリト酸のエステル又は無水物(II)を含む処理剤を用いて、原油又はこれから誘導された高温蒸留物の高温加工中のナフテン酸による腐食を抑制する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、精製操作での腐食を抑制する方法に関する。本発明は特に、原油に存在するナフテン酸によって起こる腐食の抑制に関する。
【背景技術】
【0002】
石油精製操作に原油中のナフテン酸成分に関連した腐食問題があることがかねてから知られている。このような腐食は、温度が約350°F〜790°Fの常圧及び真空蒸留装置内で特に激しい。他の要因もナフテン酸を含有する原油の腐食性に寄与し、例えばナフテン酸の存在量、硫黄化合物の濃度、装置内の流れの速度や乱れ、及び装置内の位置(例えば、液体/気体界面)が挙げられる。
【0003】
原油の蒸留精製では、原油を順次、製油炉そして1つ以上の精留塔、例えば常圧塔及び真空塔に通す。ほとんどの操作で、約350°F未満の温度では、ナフテン酸腐食は問題とならない。従来の窒素系皮膜形成腐食抑制剤は350°Fより高温では効果がなく、他方、中和のようなナフテン酸腐食を防止する方法は操作上の問題があったり、有効でなかったりする。
【0004】
用語「ナフテン酸」は、一塩基性及び二塩基性カルボン酸を包含し、通常、原油中の総酸成分の約50重量%を占める。ナフテン酸の多くは次式で表される。
【0005】
【化1】

式中、Rはアルキル又はシクロアルキル基であり、nは通常2〜10である。
【0006】
この構造には多くの変種があり、その分子量も変化する。当業者によっては、ナフテン酸類にアルキル有機酸を含める。
【0007】
ナフテン酸は約350°F(180℃)〜約790°F(420℃)の範囲で腐食性である。それより高温では、ナフテン酸は気相になり、脱炭酸速度が増加する。それより低温では、腐食速度は深刻ではない。原油及び蒸留物の腐食性は、硫化化合物、例えば硫化水素、メルカプタン、元素硫黄、硫化物、二硫化物、多硫化物及びチオフェノールの存在によっても左右される。硫黄化合物による腐食は450°Fのような低温でも著しい。メルカプタンの熱分解による硫化水素の触媒的発生は硫化物腐食の原因と確認されている。
【0008】
ナフテン酸腐食を低減するか防止するために、以下の方法がとられてきた。
a) 高ナフテン酸含量のオイルに低ナフテン酸含量のオイルを混合。
b) ナフテン酸の中和及びオイルからの除去。
c) 腐食抑制剤の使用。
【0009】
これらの方法は完全には満足いくものではなかったので、産業界で受け入れられているのは、蒸留装置又はナフテン酸腐食にさらされる部分を、高品質ステンレス鋼又は多量のクロムやモリブデンを含有する合金などの耐腐食性金属材料で構成する方法である。しかし、そのように構成されていない装置では、この種の腐食に対して抑制処理を施す必要がある。ナフテン酸環境に適当な従来の腐食抑制剤には、窒素系皮膜形成腐食抑制剤がある。しかし、この腐食抑制剤は、ナフテン酸オイルの高温環境では比較的効果が低い。
【0010】
原油を加工するとき、常圧及び真空蒸留システムはナフテン酸腐食を受ける。現在用いられている処理剤は、使用温度で熱反応性である。リン系抑制剤の場合、これは、基材の鋼より耐ナフテン酸腐食性が高い金属リン酸塩の表面皮膜を形成すると考えられる。該抑制剤は比較的揮発性で、かなり狭い蒸留範囲を示す。温度範囲に応じて、該抑制剤を腐食点の上側または下側でカラムに供給する。多硫化物抑制剤は、高級及び低級多硫化物、そしておそらく元素硫黄及びメルカプタンを含む複雑な混合物に分解する。したがって、その揮発性及び実現できる保護が予測できない。
【特許文献1】米国特許第6559104号明細書
【特許文献2】米国特許第3019188号明細書
【特許文献3】米国特許第5464525号明細書
【特許文献4】米国特許第5556451号明細書
【特許文献5】米国特許第5252254号明細書
【特許文献6】欧州特許第0375614号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第0607640号明細書
【特許文献8】欧州特許出願公開第0672744号明細書
【非特許文献1】"Amphiphilic Esters of Gallic Acid as Corrosion Inhibitors for Aluminum and Zinc Pigments", Inst. for Sci Info., 2004; (Abstract)
【非特許文献2】"Corrosion Inhibition of Aluminum Pigments by Esters of Gallic Acid", Inst. for Sci Info., 2004; (Abstract)
【非特許文献3】"Corrosion Inhibition of Zinc Pigments in Aqueous Alkaline Media by Aromatic Hydroxy Compounds", Inst. for Sci Info., 2004; (Abstract)
【非特許文献4】MOUSSA, M.N. et al.; .; "Carboxylic Acids as Corrosion Inhibitors for Aluminum in Acidic…"; Elsevier Eng. Info. Inc., 2004; (Abstract)
【非特許文献5】MULLER, B.; "Amphiphilic Esters of Gallic Acid as Corrosion Inhibitors for Aluminum and Zinc Pigments; Elsevier Eng. Info. Inc., 2004; (Abstract)
【非特許文献6】BASTIDAS, J.M. et al.; "Study of the Rusted Steel/Electrolyte System by Electrochemical Techniques", Elsevier Eng. Info. Inc., 2004; (Abstract)
【非特許文献7】FAVRE, M., LANDOLT, D.; "Influence of Gallic Acid on the Reduction of Rust on Painted Steel Surfaces", Elsevier Eng. Info. Inc., 2004; (Abstract)
【非特許文献8】BECCARIA, ANNA MARIA, MOR, E.D.; "Inhibitive Effect of Tannic Acid on the Corrosion of Copper in Acid Solutions", Elsevier Eng. Info, Inc., 2004; (Abstract)
【非特許文献9】MULLER, B.; "Citric Acid as Corrosion Inhibitor for Aluminum Pigment", Inst. for Sci Info., 2004; (Abstract)
【非特許文献10】MARTINEZ, S., STAGLJAR, I.; "Correlation Between the Molecular Strcuture and the Corrosion Inhibition Efficiency of…", Inst. of Sci Info., 2004; (Abstract)
【非特許文献11】AL-SEHAIBANI H,; "Evaluation of Extracts of Henna Leaves as Environmentally, Friendly Corrosion Inhibitors for Metals", Inst. for Sci Info., 2004;(Abstract)
【非特許文献12】"Antioxidants as Corrosion Inhibitors for Aluminum Pigments in Aqueous Media", Elsevier Eng. Info., 2004; (Abstract)
【非特許文献13】"Corrosion Inhibition of Aluminum Pigments by Esters of Gallic Acid", Inst. of Sci Info. Inc.; 2004; (Abstract)
【非特許文献14】"Mechanism of Corrosion Inhibition of Mild-Steel by Gallic Acid in Alkaline-Solution", Inst. for Sci Info., 2004; (Abstract)
【非特許文献15】"Corrosion Inhibition of Mild Steel by Gallic Acid in Neutral Solution", Japan Science and Tech Corp (JST), 2004; (Abstract),
【非特許文献16】FAVRE, M. et al.; "Influence of Gallic Acid on the Phase Transformation in Iron Oxide…", Elsevier Science Ltd., 2004;(Abstract)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、原油又はこれから誘導された高温石油蒸留物の加工に使用する装置の内部金属表面の腐食を抑制する方法を提供する。本発明の方法は、原油又は蒸留物に、有効量、すなわち腐食を抑制するのに十分な量の四官能基置換の芳香族化合物(I)及び/又はトリメリト酸エステル又は無水トリメリト酸(II)を添加する工程を含む。
【0012】
上記の四官能基置換の芳香族化合物(I)は下記の一般式で表すことができる。
【0013】
【化2】

式中のW、X、Y及びZすべて存在していて同一又は異なるものであり、各々(OH)、(COOH)及びCOORからなる群から選択されるが、W、X、Y及びZのうち隣接する2つが次式の−(C(=O)−O−C(=O))−、すなわち無水物官能基を形成してもよい。Rは炭素原子数約1〜約16のアルキル基であり、Arは芳香族部分である。
【0014】
トリメリト酸のエステル又は無水物(II)は次式で表される。
【0015】
【化3】

式中のR及びRは−(C(=O))−又は−(C(=O)−O)−であり、R又はRの一方が−(C(=O))−又は−(C(=O)−O)−であるとき、他方が芳香族部分の1位と2位を結合する無水物基、即ち−C(=O)−O−C(=O)−を形成できる−(C(=O))−又は−(C(=O)−O)−あり、R又はRはCOORでもよく、Rは各々独立に炭素原子数約1〜約16のアルキル基から選択される。RはCOORであり、ここでRはC−C16アルキル基である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
上記式(I)に含まれる代表的な化合物には、没食子酸プロピル、没食子酸、ピロメリト酸(すなわち、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸)、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、没食子酸オクチル及びピロメリト酸テトラオクチルがある。現在のところピロメリト酸が好ましい。
【0017】
上記式(II)に含まれる化合物に関しては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物及びトリメリト酸トリオクチルが挙げられる。
【0018】
本発明の一実施形態では、処理剤すなわち上記化合物I及び/又はIIを、例えば装填原油に直接供給し、下側の原油塔及び真空カラムを保護することができる。逆に、抑制処理剤は、プロセス流れにどこでも供給でき、そうすれば処理剤がプロセス媒体、例えば原油又はその蒸留留分と接触する。
【0019】
本発明に従って使用する腐食抑制剤の最も有効な量は、局部的な操作条件及び加工する炭化水素の種類に応じて変わる。したがって、酸腐食系の温度その他の特性が抑制剤又は抑制剤の混合物の使用量に関係する。一般に、操作温度及び/又は酸濃度が高いほど、比例したより多量の腐食抑制剤が必要になる。原油に添加する腐食抑制剤の濃度は、約1〜5000体積ppmの範囲にできることを確かめた。また、比較的高い初期投入速度2000〜3000ppmで抑制剤を添加して、抑制剤の存在が金属表面への腐食保護皮膜の生成を促すまでの比較的短時間このレベルを維持するのが好ましいことを確かめた。腐食抑制剤はそのまま添加しても、希釈して添加してもよい。いったん保護表面が形成されたら、保護を維持するのに必要な投入速度は、保護を実質的に犠牲にすることなく、通常の操作範囲である約100〜1500ppmまで下げることができる。
【実施例】
【0020】
本発明を以下の実施例についてさらに説明する。実施例は例示のためのものであり、本発明を制限するものではない。
【0021】
金属試験片(クーポン)のオートクレーブ重量損失試験を用いて、化合物をナフテン酸腐食について評価した。試験片は、洗浄し、計量した、軟鋼(MS)又は5Crの腐食試験クーポンであり、これにガラスビーズ表面仕上げを施した。パラフィン系炭化水素オイルに総酸価数6.0になるまでナフテン酸を加えて、これを試験オートクレーブに入れた。室温で固体である候補処理剤をオートクレーブに添加し、混合した。オイルをアルゴンで脱気した。実験によっては、含硫黄化合物、すなわち実施例2では硫化n−ドデシルメチル、実施例5では硫化ジブチルを添加することにより、腐食と抑制への硫化物の影響を調べた。これらの実験では硫化物は0.5%になった。オートクレーブを所望の試験温度600°F又は500°Fに加熱した。20時間の暴露後、クーポンを取り出し、洗浄して、再計量した。試験結果を以下に示す。硫化n−ドデシルメチルを用いた実験では、5Crクーポンでは腐食速度が<10mpy(ミリインチ/年)と非常に低いので、腐食抑制は軟鋼クーポンのみで測定した。
【0022】
実施例1
316C、硫化物添加なし

未処理の腐食速度:軟鋼=108.2MPY、5Cr=153.9MPY
抑制剤 投入量 腐食抑制(%)
MS 5Cr
没食子酸 100 −32 40
没食子酸 1000 92 93
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸 100 95 99
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸 1000 98 99
没食子酸プロピル 100 30 97
没食子酸プロピル 1000 96 99
実施例2
316C、硫化物0.5%(硫化n−メチルドデシルとして添加)
未処理の腐食速度:軟鋼=39.9MPY
抑制剤 投入量 腐食抑制(%)
MS
没食子酸 100 25
没食子酸 1000 78
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸 100 78
実施例3
216C、硫化物添加せず
未処理の腐食速度:軟鋼=45.5MPY、5Cr=36.3MPY
抑制剤 投入量 腐食抑制(%)
MS 5Cr
没食子酸 100 32 91
没食子酸 1000 98 84
実施例4
316C、硫化物添加せず
未処理の腐食速度:1010軟鋼=143MPY
試験化合物 投入量(ppm) 腐食抑制(%)
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸 25 84
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸 100 82
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸 250 93
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物 25 31
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物 100 84
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物 250 93
没食子酸オクチル 25 −21
没食子酸オクチル 100 −12
没食子酸オクチル 250 −15
没食子酸プロピル 25 27
没食子酸プロピル 100 9
没食子酸プロピル 250 41
ピロメリト酸テトラオクチル 25 −30
ピロメリト酸テトラオクチル 100 50
ピロメリト酸テトラオクチル 250 60
トリメリト酸トリオクチル 25 −9
トリメリト酸トリオクチル 100 34
トリメリト酸トリオクチル 250 23
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物 100 35
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物 250 58
実施例5
316C、硫化物0.5%(硫化ジブチルとして添加)
未処理の腐食速度:1010軟鋼=76MPY
試験化合物 投入量(ppm) 腐食抑制(%)
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸 100 35
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸 250 43
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸 1000 52
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸無水物 100 22
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸無水物 250 34
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸無水物 1000 57
没食子酸 250 40
没食子酸 1000 82
没食子酸オクチル 250 57
没食子酸オクチル 1000 72
没食子酸プロピル 250 38
没食子酸プロピル 1000 54
ピロメリト酸テトラオクチル 250 45
ピロメリト酸テトラオクチル 1000 21
トリメリト酸トリオクチル 250 0
トリメリト酸トリオクチル 1000 0
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物 250 14
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物 1000 58
実施例6
高温オートクレーブを使用して、多数の比較の腐食抑制剤及び有望な腐食抑制剤をベネズエラ産原油から誘導された、脱気済みHVG0中で評価した。1つの炭素鋼クーポンは気相に静止状態で吊した。2つの炭素鋼クーポンは液体相中で約2fps(フィート/秒)で回転した。液相温度を約20時間600°Fに制御した。重量損失、表面積及び暴露時間を用いて、未処理及び処理済みクーポンについて総腐食速度(mpy)を計算した。結果を以下に示す。
試験化合物 投入量(ppm) 腐食(mpy)
ブランク 14.2
フェニル亜リン酸ジデシルC−1 50 13.4
フェニル亜リン酸ジデシルC−1 100 7.2
ジノニルフェニルスルホン酸の
アンモニウム塩C−2 100 11.8
没食子酸 100 9.8
没食子酸 200 10.7
ピロガロールC−3 100 11.9
カテコールC−4 100 11.5
サリチル酸C−5 100 12.2
安息香酸C−6 100 15.2
フタル酸C−7 100 11.2
接頭文字Cを付けて識別した試験化合物は比較例を示す。上記実施例で示したように、四酸置換芳香族化合物(I)及びトリメリト酸のエステル及び無水物(II)は、高温の原油、特に含ナフテン酸原油と接触した金属表面の腐食を低減するのに有効である。また本発明の処理剤は、それぞれ触媒被毒及び熱不安定性の可能性について問題があることがわかっているリン又は硫化物部分を含まない。
【0023】
また、本発明の処理剤は、ナフテン酸と硫黄化合物の両方が存在する系を含む原油及び石油蒸留物中で有効な腐食抑制剤である。当業界で周知のように、ナフテン酸腐食は硫黄化合物、特に硫化水素の存在下で非常に深刻になるようである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約350°F〜約790°Fの温度に加熱された原油又は高温蒸留物の加工に使用する装置の内部金属表面の腐食を抑制する方法であって、原油又は高温石油蒸留物に腐食抑制剤(I)、(II)及びこれらの混合物からなる群から選択される腐食抑制剤を腐食抑制量添加する工程を含み、腐食抑制剤(I)が次式で表され、
【化1】

(式中のW、X、Y及びZはすべて存在していて同一又は異なるものであり、各々OH、COOH及びCOORからなる群から選択されるが、W、X、Y及びZのうち隣接する2つが−(C(=O)−O−C(=O))−を形成してもよく、Rは炭素原子数約1〜16のアルキル基であり、Arは芳香族化合物である。)
前記腐食抑制剤(II)が次式で表される方法。
【化2】

(式中のR及びRはCOOR、−(C(=O))−又は−(C(=O)−O)−であり、R又はRの一方が−(C(=O))−又は−(C(=O)−O)−であるとき、他方がR及びR基を結合する無水物基を形成できる−(C(=O))−又は−(C(=O)−O)−あり、Rは各々炭素原子数約1〜約16のアルキル基から選択され、RはCOORであり、Rは炭素原子数約1〜約16のアルキル基である)
腐食抑制方法。
【請求項2】
Arが置換ベンゼンである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
腐食抑制剤(I)が没食子酸、ピロメリト酸、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、ピロメリト酸テトラオクチル及び1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選択される、請求項2記載の方法。
【請求項4】
腐食抑制剤(I)がピロメリト酸である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
腐食抑制剤(II)が、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物又はトリメリト酸トリオクチルである、請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記原油又は石油蒸留物がナフテン酸を含有し、前記腐食抑制剤はナフテン酸による腐食用である、請求項3記載の方法。
【請求項7】
前記原油又は石油蒸留物がさらに含硫黄化合物を含有する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
原油又は蒸留物に添加する腐食抑制剤(I)及び/又は(II)の量が濃度を約1〜5000体積ppmにするのに十分な量である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記濃度が約100〜約1500ppmである、請求項8記載の方法。
【請求項10】
腐食抑制剤が1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物である、請求項3記載の方法。

【公表番号】特表2008−519166(P2008−519166A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540345(P2007−540345)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/038522
【国際公開番号】WO2006/049980
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】