説明

高濃度パーソナルクレンジング組成物

本発明は、望ましい発泡性及び溶解性を有する高濃度パーソナルクレンジング組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、望ましい発泡性及び溶解性を有する高濃度パーソナルクレンジング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプー及びボディソープなどの従来の液体パーソナルクレンジング組成物は、大量の水を含有するように処方される。この水の付加された重量及び体積は、これらの組成物のパッケージング、出荷、保管、及び運搬のコストを大幅に増大させる。加えて、それは使用されるエネルギー量及び発生する廃棄物量を増加させる。
【0003】
したがって、従来の組成物よりもより大幅に少ない水を含有する高濃度液体パーソナルクレンジング組成物を提供することが望ましい。更に、このような組成物が、消費者所望の発泡特性及び溶解特性を有することが望ましい。
【0004】
特に、濃縮形態の液体パーソナルクレンジング組成物は、従来のパーソナルクレンジング組成物の使用濃度の1/2〜1/3で使用した場合に、従来の液体パーソナルクレンジング組成物と同等かあるいはより高い性能を提供すべきである。したがって、コンパクト形態では、組成物の処方、包装、及び運搬に必要な炭素発生供給源の量を大幅に低下させ、それによって組成物の「二酸化炭素排出量」を下げる。
【0005】
望ましいレオロジー特性を有する高濃度液体パーソナルクレンジング組成物を処方することは、処方中に存在する界面活性剤濃度をただ単に増加させること(例えば、二倍又は三倍にする)のようには単純ではない。本発明の研究者らは、シャンプーなどの従来のパーソナルクレンジング組成物中で使用される界面活性剤の濃度をただ単に増加させるだけでは、望ましい発泡特性及び溶解特性を満たす製品が得られないことを見出している。例えば、研究者らは、濃縮組成物をより多くの界面活性剤によってただ単に強化するだけでは、組成物の発泡性、溶解性、すすぎ洗い性が貧弱なものとなり、かつ濃くなり過ぎる又は手及び毛髪上にて適切に広がらなくなることを見出している。
【0006】
高濃度パーソナルクレンジング組成物の製造に固有のこれら上記問題を解決しようとする試みが他者によってなされている。幾つかのアプローチでは、処方物へヒドロトロープ及び/又は有機溶剤を添加することが行われてきた。しかしながら、これらの物質を添加することで、より高濃度の組成物の処方が促進されるが、同時に発泡性及び/又は溶解性がより乏しい製品となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の研究者らは、よりコンパクトな形態のためのトレードオフとして、所望の最終用途特性(例えば、良好な発泡性、易溶解性、適切な硬度及び拡散性)を犠牲にしない高濃度液体パーソナルクレンジング組成物を開発しようと努力した。
【0008】
驚くべきことに、研究者らは、界面活性剤が組成物中で等方相である場合、より高い活性度の界面活性剤を有しながら、良好なレオロジー性、発泡性及び溶解性をも示す高濃度液体パーソナルクレンジング組成物が製造可能であることを発見した。このような組成物は、約23%超の等方性界面活性剤を含むことができ、かつ更には良好なレオロジー性、発泡性及び溶解性を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前述の要求を満たす。本出願人らは、驚くべきことに、望ましい発泡特性及び溶解特性を有する高濃度パーソナルクレンジング組成物が(界面活性剤が組成物中で等方性界面活性剤相である場合)製造可能であることを見出した。一実施形態では、約23重量%超の界面活性剤(ここで当該界面活性剤が組成物中で等方相である)、及び約0.05重量%超のコンディショニング剤を含む高濃度パーソナルクレンジング組成物であって、有機溶剤及びヒドロトロープを実質的に含まない当該組成物が、約0.75超の発泡性インデックス、約200秒未満の溶解度を有する、高濃度パーソナルクレンジング組成物。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本明細書で述べた様に、市販のシャンプー組成物のレオロジー特性。
【図2】本明細書で述べた様に、コンパクトにされた組成物のレオロジー特性。
【図3】コンパクトにされた組成物の塗布特性。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、哺乳類ケラチン性組織(即ち、ヒトの毛髪、皮膚、及び/又は爪)のクレンジングに好適な高濃度液体パーソナルクレンジング組成物である。
【0012】
本明細書の組成物は、有機溶剤及び/又はヒドロトロープを実質的に含まない。本発明で使用する場合、「本質的に含まない」とは、有機溶剤及び/又はヒドロトロープの濃度が、市販の成分内に不純物として一般に見出される微量以下であることを意味する。異なった有機溶剤及び/又はヒドロトロープは、レオロジーに対して異なった程度にてマイナスの影響を与え得るので、任意のこのような物質(類)が「本質的に含まない」濃度であると見なされる濃度は、問題となっている特定の有機溶剤及び/又はヒドロトロープに依存するであろう。一実施形態では、組成物は、有機溶剤又はヒドロトロープの単独又は一体化されたもの(両方が存在する場合)を組成物重量で約0.5重量%未満含み、特定の実施形態では、組成物の重量で0重量%〜約0.5重量%の有機溶剤又はヒドロトロープの組成物を含み、幾つかの実施形態では、組成物の重量で0重量%〜約0.3重量%の有機溶剤又はヒドロトロープの組成物を含む。
【0013】
本発明で使用する場合、用語「有機溶剤」及び「ヒドロトロープ」は、当該技術分野において有機溶剤又はヒドロトロープとして認識されているような物質を包含する。有機溶剤の例としては、クレンジング用途にて使用されるようなものが挙げられ、かつアルコール、グリコール、エーテル、エーテルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。典型的なヒドロトロープとしては、クメン、キシレン及びトルエンスルホネート、及びこれらの混合物を挙げることができる。溶剤及びヒドロトロープ両方の例は一般に、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(Allured Publishing Corporation)発行の「洗剤及び乳化剤、北米版」(マッカチャン(McCutcheon)、1986年)、及び「機能材料、北米版」(マッカチャン(McCutcheon)、1992年)に記載されている。
【0014】
界面活性剤−等方性実現物質
本発明の組成物は、組成物の重量に対して約23重量%超の界面活性剤を含み、ここで界面活性剤は組成物中にて等方性形態である。特定の実施形態では、組成物は、組成物の重量に対して約23重量%〜約40重量%の界面活性剤を含み、他の実施形態では、組成物の重量に対して約30重量%〜約40重量%の界面活性剤を含む。特定の実施形態では、界面活性剤は、有効量の等方性実現物質を含む。
【0015】
本発明で使用する場合、用語「等方性実現物質」及び「実現物質」は、同じ意味で用いられ、かつ等方相の界面活性剤を指す。一実施形態では、等方性実現物質は、任意の他の好適な界面活性剤(例えば、当該技術分野において周知であるもの)と混ぜ合わせる。
【0016】
本発明で使用する場合、界面活性剤の「等方相」とは、個々の分子が会合しつつ、ミセル状態にとどまっている状態を指す。ミセルは、球状の形状を有することができ、あるいはより高濃度にて細長いものであってもよいが、移動度及び動的交換を維持し、かつ速やかに溶解する。これは、細長いミセルがアレイ、例えば長い円筒形構造へと詰め込まれ、かつそれらが移動度及び動的交換能力を喪失し、したがって希釈時に速やかに溶解又は分散しないゲル相と対照的である。
【0017】
等方性実現物質は、3つの主要パラメータである、1)疎水性鎖長、2)疎水性鎖長中の分岐度、及び3)エトキシ化度により決定される界面活性剤先端基のサイズ並びにこれら3つのパラメータの組み合わせに基づいて慎重に選択される。理論によって制限されるものではないが、研究者らは、これらのパラメータを操作することによって、等方性実現物質の界面活性剤相構造を最小化できる(例えば、ロッド又はより複雑な構造を持たないより糸状でないミセルを調製するための適切な相挙動をコントロールする)と考えている。等方性実現物質は、別の界面活性剤と組み合わせることができ、最終組成物中にて等方性である高濃度界面活性剤混合物を生じる界面活性剤である。本発明の組成物は、有効量の等方性実現物質を含む。本発明で使用する場合、等方性実現物質の「有効量」は、最終組成物中にて等方相である界面活性剤混合物を調製するために、少なくとも別の界面活性剤と組み合わせるために必要な最小量である。
【0018】
等方性実現物質の例としては、分岐及び非分岐のデシル及びウンデシルアルキルサルフェート類であって、エトキシル化又は非エトキシル化のいずれかであるもの;デシルアルコールで変性されたラウリルサルフェート;C13〜C17の範囲の鎖長を備え、クラリアント社(Clariant Company)により販売されているパラフィンスルホネート類;C12〜C17の炭素鎖長を備えた直鎖及び分岐鎖アルコールの混合物であって、一般にLIAL(ライアル)(登録商標)及びネオドール(NEODOL)(登録商標)として知られているものであり、エトキシル化又は非エトキシル化されたアルキル又はアルコールサルフェート類;ヒドロキシエチル−2−ドデシルエーテルサルフェート類のナトリウム塩、又はヒドロキシエチル−2−デシルエーテルサルフェート類のナトリウム塩(日本触媒(Nippon Shokubai Inc.)から。いずれか又はその両方が、本明細書においては、「NSKKエトキシサルフェート」と称される。);モノエトキシル化ラウリルアルキルサルフェート類;並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
ウンデシルサルフェート類
好適な等方性実現物質としては、ウンデシルサルフェート類が挙げられる。ウンデシルサルフェート類(undecyl sulfates of the)は、式(I)R1−O(CH2CHR3O)y−SO3Mを有する直鎖ウンデシルサルフェート類、一般式(II)CH3−(CH2z−CHR2−CH2−O(CH2CHR3O)y−SO3Mを有する分岐鎖ウンデシルサルフェート類、又はこれらの混合物を含んでよく、式中、式(I)のR1は、CH3(CH210を表し、式(II)のR2は、H又は、式(II)のz及び式(II)のR2中の炭素原子の合計が8となるように、1〜4個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルを表し、式(II)のR3はH又はCH3であり、式(I)及び(II)のyは0〜7であり、式(I)及び(II)のyが0でない場合、式(I)及び(II)のyの平均値は約1であり、かつ式(I)及び(II)のMは、一価又は二価の正に帯電したカチオンである。一価の正電荷を持つカチオンの例には、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミンカチオンが挙げられ、二価の正電荷を持つカチオンの例には、マグネシウムが挙げられる。
【0020】
「平均値」は、組成物は、式(I)及び(II)のyの値が1以外である分子を含み得るが、組成物中の全ての分子の式(I)及び(II)のyの平均値が、約1であることを意味すると理解される。ウンデシルサルフェート類は、ウンデシルサルフェート類の総重量に対して、ウンデシルサルフェートの重量に対して約70重量%〜約90重量%の、あるいはウンデシルサルフェートの重量に対して約80重量%の直鎖ウンデシルサルフェート、及びウンデシルサルフェートの重量に対して約10重量%〜約30重量%の、あるいはウンデシルサルフェートの重量に対して約20重量%の分岐鎖ウンデシルサルフェートを含んでよい。
【0021】
本発明のウンデシルサルフェートは、例えば、流下薄膜反応器中でSO3で硫酸処理され、例えば水酸化ナトリウムによりアルキル硫酸塩を作製し、硫酸ウンデシルナトリウムを生成するように中和される、直鎖及び分岐鎖の一級アルコールを生成する、米国特許第6,706,931号に記載される、1−デセン又は内部デセンのヒドロホルミル化によって調製され得る。好適なアルコールの一例は、ネオドール(NEODOL)(登録商標)1(シェル・オイル社(Shell Oil Co.))として市販されている。
【0022】
加えて、ウンデシルアルコールは、その加水分解を介してヒマシ油から誘導され、リシノール酸を得ることができる。リシノール酸(Ricinoleic)を熱分解して、ウンデシレン酸を得ることができる。ウンデシレン酸は、一連の水素化を介してウンデシルアルコールに変換されて、ウンデシルアルコールを得ることができる。
【0023】
ウンデシルアルコキシサルフェート類
好適な等方性実現物質としては、ウンデシルアルコキシサルフェートが挙げられる。ウンデシルアルコキシサルフェート(ウンデセスサルフェート)は、一般式(II)CH3−(CH2z−CHR2−CH2−O−(CH2CHR3O)y−SO3Mを有する、直鎖及び/又は分岐鎖のウンデシルアルコキシサルフェートを含んでよく、式中、式(II)のR2は、H又は式(II)のz及びR2中の炭素原子の合計が8となるように、1〜4個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルを表し、式(II)のR3はH又はCH3であり、式(II)のyは1〜7であり、式(II)のyは1以下の平均値を有し、式(II)のMは、例えばアンモニウム、ナトリウム、カリウム及び/若しくはトリエタノールアミンカチオンなどの一価の、正に帯電したカチオン、又は2つの界面活性剤アニオンを備えたマグネシウムの二価の塩である。
【0024】
ウンデシルエトキシレートは、アルカリ系触媒の存在下、1モル等量以下のエチレンオキシドをウンデシルアルコールに添加することにより調製され得る。得られた物質は、得られる物質の重量に対して、約30重量%〜約60重量%の非エトキシル化アルコールを含んでよく、残存する混合物は、1〜7の範囲のエトキシ(EO)含有量を備えた種々の同族体で構成される。本混合物は、流下薄膜反応器中でSO3によりサルフェート化でき、かつ塩基、例えばNaOHにより中和して、ナトリウムウンデシルアルコキシサルフェートを生成することができる。加えて、ウンデシルアルコール及びウンデシルアルコキシレートの混合物と共にブレンドし、上記のようにサルフェート化して、ウンデシル系界面活性剤類の混合物を生成することができる。
【0025】
レオロジー特性
本発明の多くの所望の組成物の主要パラメータは、レオロジーである。概略を述べると、界面活性剤濃度を増大させることによって、界面活性剤組成物を単純に濃縮させると通常は、難流動性及び曳糸性が強まるなどのレオロジーの劣化がもたらされる。この難流動性及び曳糸性によって、手及び毛髪/皮膚上に広げることが極めて困難な生成物がもたらされる。洗浄組成物を手又は毛髪上に広げる動作を模倣するためのレオロジー方法を定義した。この動作の間、シャンプーが投与後手の中にとどまり、次に高速(約1000sec-1)まで瞬時にずらすという過渡応答がある。得られたシャンプーの応答は、手触り及び広がりの観点から、シャンプーの望ましさにおいて重要である。
【0026】
第1の主要パラメータは、1000sec−1での瞬間的剪断力ピークである。これは、手の中で又は手及び毛髪/皮膚の間で、生成物をこすり始めたときに経験する挙動を測定する。
【0027】
第2のパラメータは、この初期剪断力の1.2秒後のレオロジー指標である。好ましい実施形態では、この値は、大幅により低くなり、このことは生成物が摩擦/広がりを介したエネルギーの入力によって、容易に広がることを示している。
【0028】
第3のパラメータは、瞬間的剪断力の2秒後のレオロジーであるが、この時点で薄く維持されかつ毛髪全体に容易に広がる製品が望まれる。これら3つのパラメータの組み合わせが、許容可能な製品送出及び消費者の使用における送達に指針を提供すると考える。
【0029】
コンパクトなシャンプー及び市販のベンチマークにおける現在データを見る限り、ピーク形状は良好な識別ツールのように思われる。図1は、レオロジー特性のための上記試験パラメータの例証のために、2つの市販の製品を示すが、本発明のものではない。上側カーブは、初期のピーク(図1のAで示される)を示し、図1のBで示される試験を通して値は比較的高いままである。しかし、下方カーブは実質上ピークを示さず(図1のCで示される)、図1のDにより示されるように試験を通してレベルは低いままである。上方カーブからの製品は、広がり及び手触りの点で消費者には極めて受け入れがたい。下方カーブは、許容可能な手触りを有する。
【0030】
図2は、シャンプーなどのコンパクトにされた組成物のレオロジー特性を示し、より高い初期ピークを示が、ピークは速やかに低レベルへと低下し、これにより手触りについての消費者の問題を回避する。消費者の許容性については、特定の箇所というよりも全体のレオロジー特性と多く関連することは明らかである。レオロジー特性方法は、図2のゾーン1(第1主要パラメータ)、ゾーン2(第2主要パラメータ)又はゾーン3(第3主要パラメータ)に示すような画定された主要パラメータを獲得しようとする。ピークは図2のゾーン1(第1主要パラメータ)のプロット内に図2中のAとして示され、液体の動きに対する初期抵抗力を表す。ピークの急速な低下(又はその欠如)がゾーン2(第2主要パラメータ)内にて、図2中のBとして観察される。連続した抵抗が、ゾーン3(第3主要パラメータ)内に含まれており、図2のCとして示される。1及び2とラベリングされたカーブは、コンパクトにされた組成物にとって許容可能なレオロジー特性であり、3とラベリングされたカーブはコンパクトにされた組成物にとって許容可能なレオロジー特性ではない。
【0031】
この特性を、3つのデータポイント及び消費者の研究によって解析しようと試み、本試験での第1主要パラメータのピークが、第2又は第3主要パラメータより大きい場合、プロトタイプが許容可能な手の広がりを有することを見出したが、次に、第1主要パラメータ未満に急速に低下し(第2主要パラメータ)、第2主要パラメータとほぼ同じかわずかに小さい(less then)ところで保持され続けた(第3主要パラメータ)。
【0032】
本発明は、高い初期ピークを有する(高濃度シャンプーの定義を満足させるように)が、次に手でこすることによる剪断力で素早く破壊され、これによってピーク後及び継続してこすった後に低い値を有する材料を目標としている。
【0033】
幾つかの実施形態では、瞬間的剪断力ピークは約0.2〜約8Pa・s(パスカル・秒)であり、特定の実施形態では、約0.8〜約8Pa・sであり、更にその他の実施形態では、約0.8Pa・s超である。
【0034】
特定の実施形態では、瞬間的剪断力測定手順開始後1.2s(秒)での値は、約0.8Pa・s未満、幾つかの実施形態では、約0.6Pa・s未満、その他の場合は、約0.4Pa・s未満である。更にその他の実施形態では、1.2秒での値は約0〜約0.8Pa・sであり、代替的実施形態では、約0.05〜約0.8Pa・sである。
【0035】
幾つかの実施形態では、瞬間的剪断力測定手順開始後2秒での値は、約0.8Pa・s未満であり、その他の場合、約0.4Pa・s未満であり、更にその他の場合は、約0.2Pa・s未満である。更にその他の実施形態では、瞬間的剪断力開始後2秒での値は約0〜約0.8Pa・sであり、他の場合では、約0.05〜約0.8Pa・sである。
【0036】
レオロジー特性に関する展延性
組成物に対する消費者の要望についての別の要素は、シャンプーなどの組成物がいかに濡れた毛髪全体及び濡れた手の上で広がるか、ということである。このことは、少量の水の添加によってシャンプーの構造がいかに素早く変化するかに関係する。展延性は、粘度及び構造が破壊される剪断速度と関連づけることができる。
【0037】
界面活性剤及びポリマーの選択、並びに塩濃度及びその他の要因に応じて、展延パラメータ(c1*c2)は、以下の「方法」にて議論するように、約180Pa〜1000Paのレベルで変化するように見える。試験は、本明細書中で議論する本方法論に従って、約200Paの展延パラメータを持つような本発明の処方が、濡れた手及び毛髪に広げるのに許容可能であることを示した。
【0038】
この場合、展延パラメータは、16.3Pa・s及び41.2s-1(=671Pa)の製品となる。本プロトタイプは、消費者による展延性については期せずして低い評価となっている。許容可能な展延挙動のために、発明者らの分析及び消費者の試験により、c1及びc2パラメータの製品はおよそ200Pa以下である必要があることが示された。
【0039】
泡サイズ
消費者は、消費者製品の洗浄性能を、製品の使用において生じる気泡/泡内の泡サイズにより識別するようになった。パーソナルクレンジング製品においては、より小さい泡サイズは通常、洗浄以上の利益(例えば、毛髪又は皮膚コンディショニング)を提供する製品と関連付けられる。したがって、洗浄製品使用中に生じる使用中の泡サイズを調整するのが望ましい。研究者らは、セテアレスサルフェート又はネオドール(NEODOL)(登録商標)67サルフェートなどのより長鎖の界面活性剤を、界面活性剤系内の微量成分として慎重に使用することにより、製品使用中に泡サイズを調整して、これらの利点を知らしめることができることを発見した。これにより、クリーミーな感触の泡を生成しない大きな気泡とは対照的に、クリーミーな感触を有する小さい気泡を作り出すことができる。
【0040】
幾つかの実施形態では、組成物は、約0.025mm2未満の泡サイズを有し、その他の場合には、約0.005mm2〜約0.025mm2、更にその他の実施形態では、約0.005mm2〜約0.02mm2の泡サイズを有する。
【0041】
追加の界面活性剤
任意の好適な追加の界面活性剤は、等方性実現物質と組み合わせて、等方性界面活性剤混合物を形成し、本発明の組成物内で利用することができる。好適な界面活性剤の非限定的な例は、米国特許第5,624,666号、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(Allured Publishing Corporation)発行の「洗剤及び乳化剤、北米版」(マッカチャン(McCutcheon)、1986年)、及び「機能材料、北米版」(マッカチャン(McCutcheon)、1992年)に開示されている。望ましい追加の界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤及び所望によりその他の共界面活性剤が挙げられる。
【0042】
アニオン性界面活性剤
本明細書に用いるのに好適な追加のアニオン性界面活性剤としては、式(III)ROSO3M及び式(IV)RO(C24O)XSO3Mのアルキル及びアルキルエーテルサルフェート類が挙げられ、ここで、式(III)及び(IV)のRは、約8〜約18個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、式(IV)のxは、1〜10であり、かつ式(III)及び(IV)のMは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、及びトリエタノールアミンカチオンなどの水溶性カチオン又は2つのアニオン性界面活性剤アニオンを備えた二価のマグネシウムイオンの塩類である。アルキルエーテル硫酸塩は、エチレンオキシド及び約8〜約18個の炭素原子を有する一価アルコールの縮合生成物として調製されてよい。アルコールは、例えばココヤシ油、パーム油、パーム核油、若しくはタロー等の脂肪から誘導され得るか、又は合成であり得る。
【0043】
本明細書において使用に好適である追加のアニオン性界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸塩モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸塩ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ココイル硫酸モノエタノールアミン、トリデセス硫酸ナトリウム、トリデシル硫酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウレススルホコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
共界面活性剤
共界面活性剤は、泡体積の向上及び/又は泡質感を修正するために、等方性実現物質及び所望によりアニオン性界面活性剤と組み合わされる物質である。典型的には、これらの物質は、限定されないが、両性、双極性、カチオン性、及び非イオン性を含む種々の群の構造から選択され得る。それらは、典型的には1:20〜1:4の重量比、より好ましくは1:12〜1:7の重量比でアニオン性界面活性剤と併用される。
【0045】
本明細書において使用に好適な両性界面活性剤には、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝状であり得、脂肪族置換基の1つの置換基が約8〜約18個の炭素原子を含み、1つは例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネート等のアニオン水溶性基を含む、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。例としては、3−ドデシル−アミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従ってドデシルアミンとイセチオン酸ナトリウムとを反応させることによって調製されるもののようなN−アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号の教示に従って生成されるもののようなN−高級アルキルアスパラギン酸、及び米国特許第2,528,378号に記載の生成物、並びにこれらの混合物が挙げられる。アルカノイルアンホアセテートを生成するためのクロロ酢酸ナトリウムとアミドアミンとの反応から誘導されるアンホアセテート群、例えばラウリル(lauryol)アンホアセテート等は、特に効果的である。
【0046】
本明細書において使用に好適である双極性界面活性剤には、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体が挙げられるが、これらに限定されず、脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝状であり得、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含み、1つの置換基は、アニオン性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含む。本明細書において使用に好適な他の双極性界面活性剤には、高級アルキルベタインを包含するベタイン、例えば、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルαカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルγ−カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)α−カルボキシエチルベタイン、及びこれらの混合物が挙げられる。スルホベタイン類には、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、及びこれらの混合物が含まれ得る。また、好適な両性界面活性剤には、RCONH(CH23ラジカル(式中、Rは、C11〜C17アルキルである)がベタインの窒素原子に付着する、アミドベタイン類及びアミドスルホベタイン類が含まれ、本発明においてやはり有用である。
【0047】
起泡体積又は質感を向上させるために本組成物中で典型的に使用される非イオン性共界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキシド、ココジメチルアミンオキシド、ココアミドプロピルアミンオキシド、ラウリルアミドプロピルアミンオキシド等、又はラウレス−4〜ラウレス−7等のアルキルポリエトキシレート等の水溶性物質と、ココモノエタノールアミド、ココジエタノールアミド、ラウロイルモノエタノールアミド、アルカノイルイソプロパノールアミド、並びにセチルアルコール及びオレイルアルコール等の脂肪アルコール、並びに2−ヒドロキシアルキルメチルエーテル等の非水溶性成分が挙げられる。
【0048】
好適な材料としては、1,2−アルキルエポキシド、1,2−アルカンジオール、分枝鎖又は直鎖アルキルグリセリルエーテル(例えば、欧州特許第1696023(A1)号に記載されているような)、1,2−アルキル環状カーボネート、及び1,2−アルキル環状サルファイトであって、特にアルキル基が直鎖又は分枝状構成中に6〜14個の炭素原子を含有するものが挙げられる。他の例には、米国特許第5,741,948号、同第5,994,595号、同第6,346,509号、及び同第6,417,408号の教示に従って調製され得る、C10又はC12αオレフィンをエチレングリコール(例えばヒドロキシエチル−2−デシルエーテル、ヒドロキシエチル−2−ドデシルエーテル)と反応させることにより誘導されるアルキルエーテルアルコールが含まれる。
【0049】
その他の好ましい非イオン性界面活性剤は、グルコースアミド、アルキルポリグルコシド、スクロースココエート、ラウリル硫酸スクロース、アルカノールアミド、エトキシル化アルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0050】
一実施形態では、非イオン性界面活性剤は、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、イソステアレス−2、トリデセス−3、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸PEG−2、モノステアリン酸ソルビタン、ラウリン酸グリセリル、ラウレス−2、コカミドモノエタノールアミン、ラウリルアミドモノエタノールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0051】
特定の実施形態では、共界面活性剤は、ココモノエタノールアミド、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルアミンオキシド、ラウリルアンホ酢酸ナトリウム;アルキルグリセリルエーテル、アルキル−ジ−グリセリルエーテル、1,2−アルキル環状サルファイト、1,2−アルキル環状カーボネート、1,2−アルキル−エポキシド、アルキルグリシジルエーテル、及びアルキル−1,3−ジオキソラン(アルキル基は、直鎖又は分枝状構成の6〜14個の炭素原子を含有する);1,2−アルカンジオール(総炭素含有量は、直鎖又は分枝状の6〜14個の炭素原子である)、メチル−2−ヒドロキシ−デシルエーテル、ヒドロキシエチル−2−ドデシルエーテル、ヒドロキシエチル−2−デシルエーテル、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0052】
カチオン性界面活性剤は、製剤のpHでプロトン化されたアミンから誘導されてもよく、例えばビス−ヒドロキシエチルラウリルアミン、ラウリルジメチルアミン、ラウロイルジメチルアミドプロピルアミン、ココイルアミドプロピルアミン等である。また、カチオン性界面活性剤は、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド及びラウロイルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等の脂肪族四級アンモニウム塩から誘導されてもよい。
【0053】
本発明の組成物は、組成物の約0.5重量%〜約10重量%、あるいは約0.5重量%〜約5重量%、あるいは約1重量%〜約3重量%の少なくとも1つの好適な共界面活性剤を含み得る。
【0054】
コンディショニング剤
本発明の組成物は、コンディショニング剤を含むことができ、幾つかの実施形態では、組成物の重量に対して、少なくとも約0.05重量%のコンディショニング剤を含むことができる。特定の実施形態では、組成物は、組成物の重量に対して、約0.05重量%〜約10重量%の、他の実施形態では、約0.05重量%〜約2重量%の、代替的実施形態では、約0.5重量%〜約10重量%のコンディショニング剤を含み、更にその他の実施形態では、組成物の重量に対して、約0.5重量%〜約6重量%のコンディショニング剤を含む。コンディショニング剤としては、例えば、カチオン性ポリマー、大粒子及び小粒子シリコーン(例えば、0.1マイクロメートル未満の小粒子シリコーン)、並びに油を挙げることができる。任意の好適なコンディショニング剤を使用することが可能である。コンディショニング剤は、毛髪及び/又は皮膚に特定のコンディショニング効果を与えるために用いられるいかなる物質も含む。
【0055】
カチオン性ポリマー
本発明の組成物内で使用するコンディショニング剤は、カチオン性ポリマーを含有してもよい。好適なカチオン性ポリマーは、組成物の企図される用途でのpHにおいて、少なくとも約0.3meq/g、典型的には少なくとも約0.5meq/g、通常は少なくとも約0.7meq/gであるが、また、一般には約7meq/g未満、典型的には約6.5meq/g未満である、カチオン電荷密度を有する。組成物の企図される用途のpHは一般に、約pH3〜約pH9、典型的には約pH4〜約pH8の範囲である。好適なカチオン性ポリマーは一般に、約1,000〜約10,000,000、典型的には約10,000〜約5,000,000、通常は約20,000〜約2,000,000の範囲の平均分子量を有する。
【0056】
本明細書で使用するとき、用語「電荷密度」は、ポリマー上の正電荷の数と前記ポリマーの分子量との比を指す。
【0057】
本発明の組成物に用いるのに好適なカチオン性ポリマーは、第四級アンモニウムのようなカチオン性窒素含有部分又はカチオン性プロトン化アミノ部分を含有することができる。カチオン性プロトン化アミンは、組成物の特定の化学種及び選択したpHに応じて、第一級、第二級又は第三級アミン(典型的には、第二級又は第三級)であり得る。カチオン性ポリマーに関連して、いかなるアニオン性対イオンを使用することもできるが、そのポリマーが、水、組成物、又は組成物のコアセルベート相に可溶なままであること、また、その対イオンが、組成物の構成成分と物理的及び化学的に適合性があり、そうでなければ製品の性能、安定性、又は審美性を過度に損なわないことを条件とする。そのような対イオンの非限定例には、ハロゲン化物(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、スルフェート及びメチルスルフェートが挙げられる。
【0058】
このようなポリマーの非限定例は、CTFA化粧品成分辞典(CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary)、第3版、エストリン(Estrin)、クロスレー(Crosley)、及びヘインズ(Haynes)編(米国化粧品工業協会(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.)、ワシントンD.C.(1982年))に記載されている。好適なカチオン性ポリマーの非限定例としては、カチオン性プロトン化アミン又は第四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、又はビニルピロリドンのような水溶性のスペーサーモノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0059】
本明細書の組成物のカチオン性ポリマーに包含するために好適なカチオン性プロトン化アミノ及び第四級アンモニウムモノマーとしては、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル第四級アンモニウム塩で置換されたビニル化合物、並びに、例えばアルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩等の、ピリジニウム、イミダゾリウム、及び第四級ピロリドンのような環状カチオン性窒素含有環を有するビニル第四級アンモニウムモノマーが挙げられる。
【0060】
組成物に用いられる他の好適なカチオン性ポリマーには、1−ビニル−2−ピロリドンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩(例えば、塩化物)のコポリマー(化粧品香料工業協会(Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association)「CTFA」により、産業界で、ポリクオタニウム(Polyquaternium)−16と呼ばれる);1−ビニル−2−ピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム−11と呼ばれる);カチオン性ジアリル第四級アンモニウム含有ポリマー、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロライドのコポリマー(産業界で、CTFAにより、それぞれポリクオタニウム6及びポリクオタニウム7と呼ばれる);アクリル酸の両性コポリマー、例えば、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロライドのコポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム22と呼ばれる);アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロライド及びアクリルアミドとのターポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム39と呼ばれる);並びにアクリル酸とメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド及びメチルアクリレートとのターポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム47と呼ばれる)が挙げられる。好適なカチオン性置換モノマーは、カチオン性置換ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、及びこれらの組み合わせである。これらの好適なモノマーは次式(V)に従い:
【0061】
【化1】

【0062】
ここで、式(V)のR1は水素、メチル又はエチルであり、式(V)のR2、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素、又は約1〜約8個の炭素原子、典型的には約1〜約5個の炭素原子、一般的には約1〜約2個の炭素原子を有する短鎖アルキルであり、nは約1〜約8、典型的には約1〜約4の値を有する整数であり、式(V)のXは対イオンである。式(V)のR2、R3及びR4に結合する窒素はプロトン化アミン(第一級、第二級又は第三級)であってもよいが、典型的には第四級アンモニウムであり、式(V)の各R2、R3及びR4はアルキル基であり、その非限定例はポリメタクリルアミドプロピル(polymethyacrylamidopropyl)塩化トリモニウムであり、米国ニュージャージー州クランベリーのローヌ・プーラン(Rhone-Poulenc)より、ポリケア(Polycare)133の商品名で入手可能である。
【0063】
本組成物に用いる他の好適なカチオン性ポリマーとしては、カチオン性セルロース誘導体及びカチオン性のデンプン誘導体のような多糖類ポリマーが挙げられる。好適なカチオン性多糖類ポリマーとしては、式(VI)に従うものが挙げられる:
【0064】
【化2】

【0065】
ここで、式(VI)のAは、スターチ又はセルロース無水グルコース残基のような無水グルコース残基であり、式(VI)のRは、アルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、又はヒドロキシアルキレン基、又はそれらの組み合わせであり、式(X)のR1、R2、及びR3は、独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリール基であり、各基は、約18個以下の炭素原子を有し、各カチオン部分の炭素原子の合計数(即ち、式(VI)のR1、R2、及びR3内の炭素原子の合計数)は、好ましくは20以下であり、式(VI)のXは、前述したようにアニオン性対イオンである。
【0066】
好適なカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩であり、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれており、アマコール社(Amerchol Corp.)(米国、ニュージャージー州エジソン(Edison))より、ポリマーのポリマー(Polymer)LR、JR及びKGシリーズとして入手可能である。カチオン性セルロースのその他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマーの第四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、アマコール社(Amerchol Corp.)より、ポリマーLM−200の商標名で入手可能である。
【0067】
その他の好適なカチオン性ポリマーには、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムのようなカチオン性グアーガム誘導体が挙げられ、その具体例としては、ローヌ・プーラン社(Rhone-Poulenc Incorporated)より市販されているジャガー(Jaguar)シリーズ、及びハーキュレス社(Hercules,Inc.)のアクアロン部門(Aqualon Division)より市販されているN−ハンス(N-Hance)シリーズが挙げられる。その他の好適なカチオン性ポリマーには、四級窒素含有セルロースエーテルが挙げられ、その幾つかの例が米国特許第3,962,418号に記載されている。他の好適なカチオン性ポリマー類には、エーテル化セルロース、グアー及びデンプンのコポリマー類が挙げられ、その幾つかの例が、米国特許第3,958,581号に記載されている。使用される場合、本明細書におけるカチオン性ポリマーは、組成物に可溶であるか、又はそのカチオン性ポリマーと、前述した洗浄性界面活性剤構成成分とにより形成される組成物中の複合コアセルベート相に可溶である。カチオン性ポリマーの複合コアセルベートはまた、組成物中の他の荷電物質で形成されることもできる。
【0068】
コポリマー−コポリマーは、2個のカチオン性モノマー、又は非イオン性及びカチオン性モノマーを含んでもよい。
【0069】
非イオン性モノマー単位
合成コポリマーは、次式(VII)で表される非イオン性モノマー単位を含む:
【0070】
【化3】

【0071】
ここで、式(VII)のRは、水素又はC1〜4アルキルであり、式(VII)のR1及びR2は、水素、C1〜4アルキル、CH2OCH3、CH2OCH2CH(CH32、及びフェニルからなる群から独立して選択され、あるいは共に、C3〜6シクロアルキルである。
【0072】
一実施形態では、非イオン性モノマー単位は、アクリルアミド(AM)であり、即ち、式(VII)のR、R1、及びR2は、次式(VIII)に示されるように、全てHであり、
【0073】
【化4】

【0074】
式(VIII)のmは、1に等しい。
【0075】
別の好ましい非イオン性モノマー単位は、メタクリルアミド(MethAM)であり、即ち、(VII)のRはC1アルキル、式(VII)のR1及びR2はそれぞれ各Hである:
【0076】
【化5】

【0077】
式(IX)のmは、1に等しい。
【0078】
しかし、前記式(IX)の範囲内の他のアクリルアミド誘導体も、本発明の一部であることも意図しており、ポリアクリルアミド及びアクリルアミドモノマーを使用するコポリマーが有用である。
【0079】
合成コポリマーの非イオン性モノマー部分は、コポリマー全体の約50重量%〜約99.5重量%の量で存在してもよい。好ましくは、この量は、コポリマーの重量に対して、約70重量%〜約99重量%、更により好ましくは約80重量%〜約99重量%である。
【0080】
カチオン性モノマー単位
コポリマーは、式(X)で表されるカチオン性モノマー単位をも含む:
【0081】
【化6】

【0082】
ここで、式(X)のkは、1に等しく、式(X)の各v、v’、及びv”は独立して、1〜6の整数であり、式(X)のwは0又は1〜10の整数であり、式(X)のX-はアニオンである。
【0083】
一実施形態では、式(X)の構造が存在し、式中、k=1、v=3及びw=0、z=1及びX-はCl-であって、次式(XI)を形成する:
【0084】
【化7】

【0085】
上の構造は、ジクワット(diquat)と称されてもよい。
【0086】
更に別の実施形態は、形成された式(X)の構造により達成されるが、式中、v及びv”はそれぞれ3であり、v’=1、w=1、y=1及びX-がCl-であり、例えば:
【0087】
【化8】

【0088】
上記構造体は、トリクワット(triquat)と称されることもある。
【0089】
好適なカチオン性モノマーは、例えば、米国特許公開公報第2004/0010106(A1)号に記載される方法によって製造することができる。
【0090】
シリコーン
本発明の組成物中で有用なコンディショニング剤は通常、粒子形態の、不溶性、非揮発性シリコーンコンディショニング剤である。シリコーンコンディショニング剤粒子は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はそれらの組み合わせを含んでよい。シリコーンコンディショニング剤粒子は、シリコーン流体コンディショニング剤を含んでもよく、シリコーン流体の付着効率を改善するか又は毛髪の光沢度を向上させるためのシリコーン樹脂のような他の成分も含んでもよい。
【0091】
好適なシリコーンコンディショニング剤の非限定例、及びシリコーンのための任意の懸濁剤は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び同第5,106,609号に記載されている。本発明の組成物内で使用するシリコーンコンディショニング剤の粘度は、25℃で測定した場合で、一般に約2E−5m2/s(20センチストークス)〜約2m2/s(2,000,000センチストークス)(「csk」)、典型的には、約0.001m2/s(1,000csk)〜約1.8m2/s(1,800,000csk)、通常は、約0.05m2/s(50,000csk)〜約1.5m2/s(1,500,000csk)、典型的には、約0.1m2/s(100,000csk)〜約1.5m2/s(1,500,000csk)である。
【0092】
分散したシリコーンコンディショニング剤粒子は、典型的には約0.005μm〜約50μmの範囲の数平均粒子径を有する。小粒子を毛髪に塗布するには、数平均粒子径は典型的には約0.01μm〜約4μm、一般に、約0.01μm〜約2μm、一般には、約0.01μm〜約0.5μmの範囲である。毛髪へのより大きな粒子の塗布については、数平均粒子径は、典型的には約4μm〜約50μm、通常は約6μm〜約30μm、一般には、約9μm〜約20μm、典型的には約12μm〜約18μmの範囲である。
【0093】
シリコーンオイル
シリコーン流体としてはシリコーンオイルが挙げられ、これは25℃で測定して、1m2/s(1,000,000csk)未満、典型的は、約5E−6m2/s(5csk)〜約1m2/s(1,000,000csk)、一般に約0.0001m2/s(100csk)〜約0.6m2/s(600,000csk)の粘度を有する流動性のシリコーン物質である。本発明の組成物に用いるのに好適なシリコーンオイルとしては、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。またヘアコンディショニング特性を有する他の不溶性、不揮発性シリコーン流体を使用してもよい。
【0094】
アミノ及びカチオン性シリコーン
本発明の組成物中に使用するのに好適なカチオン性シリコーン液としては、限定されないが、以下の一般式(XIII)に合致するものである:
(R1a3-aSi−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-bm−O−SiG3-a(R1a
【0095】
ここで、式(XIII)のGは、水素、フェニル、ヒドロキシ、又はC1〜C8アルキル、典型的には、メチルであり;式(XIII)のaは、0又は1〜3の値を有する整数であり、典型的には、0であり;式(XIII)のbは0又は1であり、典型的には、1であり;式(XIII)のnは0〜1,999の数字であり、典型的には49〜499であり;式(XIII)のmは1〜2,000の整数であり、典型的には1〜10であり;式(XIII)のn及びmの合計は、1〜2,000の数字であって、典型的には50〜500であり;式(XIII)のR1は、一般式(XIV)Cq2qLに従う一価のラジカルであり、式(XIV)のqは、2〜8の値を有する整数であって、式(XIV)のLは、次の群から選択される:
式(XV):−N(R2)CH2−CH2−N(R22
式(XVI):−N(R22
式(XVII):−N(R23-
式(XVIII):−N(R2)CH2−CH2−NR22-
【0096】
ここで、式(XV)〜(XVIII)のR2は、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素ラジカルであり、典型的には、約C1〜約C20アルキルラジカルであり、式(XV)〜(XVIII)のAはハロゲン化物イオンである。
【0097】
式(XIII)に対応する好適なカチオン性シリコーンは、下記の式(XIX)に示される「トリメチルシリルアモジメチコン」として既知のポリマーである:
【0098】
【化9】

【0099】
本発明の組成物中で使用してもよい他のシリコーンカチオン性ポリマーは、一般式(XX)によって表される:
【0100】
【化10】

【0101】
ここで、式(XX)のR3は、C1〜C18の一価炭化水素ラジカル、典型的にはメチルのようなアルキル又はアルケニルラジカルであり、式(XX)のR4は、炭化水素ラジカル、典型的にはC1〜C18アルキレンラジカル又はC10〜C18アルキレンオキシラジカル、通常はC1〜C8アルキレンオキシラジカルであり、式(XX)のQはハロゲン化物イオン、典型的には塩化物であり、式(XX)のrは2〜20、典型的には2〜8の平均統計値であり、式(XX)のsは20〜200、典型的には20〜50の平均統計値である。このクラスの好適なポリマーは、ユーケア・シリコーンALE 56(UCARE SILICONE ALE 56)(商標)として既知であり、ユニオン・カーバイド(Union Carbide)より入手可能である。
【0102】
シリコーンゴム
本発明の組成物に用いるのに好適なその他のシリコーン流体は、不溶性シリコーンゴムである。これらのゴムは、25℃で測定して、1m2/s(1,000,000csk)以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン物質である。シリコーンゴムは、米国特許第4,152,416号、ノル(Noll)及びウォルター(Walter)、シリコーンの化学及び技術(Chemistry and Technology of Silicones)、ニューヨーク(New York)、アカデミックプレス(Academic Press)(1968)、及びジェネラル・エレクトリック・シリコーンラバー・プロダクト・データシート(General Electric Silicone Rubber Product Data Sheets)SE 30、SE 33、SE 54及びSE 76に記載されている。本発明の組成物に用いるシリコーンゴムの具体的な非限定例には、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0103】
高屈折率シリコーン
本発明の組成物に用いるのに好適な他の不揮発性不溶性シリコーン流体コンディショニング剤は、屈折率が少なくとも約1.46、典型的には少なくとも約1.48、通常は少なくとも約1.52、典型的には少なくとも約1.55である「高屈折率シリコーン」として既知のものである。ポリシロキサン流体の屈折率は、一般に約1.70未満、典型的には約1.60未満であろう。この文脈において、ポリシロキサン「流体」は、油並びにガムを含む。
【0104】
シリコーン樹脂
シリコーン樹脂が、本発明の組成物のシリコーンコンディショニング剤に含まれてもよい。これらの樹脂は、高度に架橋したポリマーシロキサン系である。架橋は、シリコーン樹脂の製造中に三官能性及び四官能性シランを一官能性又は二官能性又はその両方のシランとともに組み込むことによって導入される。
【0105】
有機コンディショニングオイル
本発明の組成物のコンディショニング構成成分はまた、約0.05重量%〜約3重量%、典型的には約0.08重量%〜約1.5重量%、一般的に約0.1重量%〜約1重量%の、少なくとも1種の有機コンディショニングオイルを、単独で又はシリコーンなどの他のコンディショニング剤と組み合わせて、含んでもよい。
【0106】
炭化水素油
本発明の組成物においてコンディショニング剤として使用するのに好適な有機コンディショニングオイルとしては、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば、環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び分枝鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)(これらのポリマー及びこれらの混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。直鎖炭化水素油は典型的に、約C12〜約C19である。炭化水素ポリマーを含む分岐鎖炭化水素油は、典型的に19個超の炭素原子を含有するであろう。
【0107】
ポリオレフィン
本発明の組成物で使用するための有機コンディショニングオイルはまた、液体ポリオレフィン、典型的には液体ポリ−α−オレフィン、一般に水素添加液体ポリ−α−オレフィンを包含することもできる。本明細書で使用されるポリオレフィンは、C4〜約C14、典型的には約C6〜約C12のオレフィンモノマーの重合によって調製される。
【0108】
本明細書のポリオレフィン液の調製に使用するオレフィンモノマーの非限定例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、4−メチル−1−ペンテンのような分岐鎖異性体、及びこれらの混合物が挙げられる。また、ポリオレフィン液を調製するのに適したものは、オレフィン含有精製原料又は廃液である。典型的な水素添加α−オレフィンモノマーとしては、1−ヘキセン〜1−ヘキサデセン、1−オクテン〜1−テトラデセン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
脂肪酸エステル
本発明の組成物においてコンディショニング剤として用いる、他の好適な有機コンディショニングオイルとしては、少なくとも10の炭素原子を有する脂肪酸エステルが挙げられるが、これらに限定されない。これらの脂肪族エステルとしては、脂肪酸又はアルコールから誘導されるヒドロカルビル鎖を有するエステル(例えば、モノエステル、多価アルコールエステル)が挙げられる。本明細書の脂肪族エステルのヒドロカルビルラジカルは、アミド及びアルコキシ部分(例えば、エトキシ又はエーテル結合等)のような、他の適合性の官能基を包含してもよい。
【0110】
他のコンディショニング剤
同様に、本明細書の組成物に用いるのに好適であるのは、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)の米国特許第5,674,478号及び同第5,750,122号に記載されているコンディショニング剤である。本明細書で用いるのに好適なものは更に、米国特許第4,529,586号、同第4,507,280号、同第4,663,158号、同第4,197,865号、同第4,217,914号、同第4,381,919号及び同第4,422,853号に記載されているようなコンディショニング剤である。
【0111】
組成物は、約0.75超の発泡性インデックスを有し、幾つかの実施形態では、約0.75〜約1.5の発泡性インデックスを有する。組成物は、約200秒(「sec」)未満の溶解度を有し、一実施形態では、約10秒〜約200秒の、他の実施形態では、約100秒〜約200秒の溶解度を有する。
【0112】
任意成分
高濃度パーソナルケア組成物は、製品形態及びその企図される用途及び最終効果に応じて広範囲の追加の構成成分を包含してもよい。本発明の組成物内で使用するための任意構成成分の非限定例は、米国特許第6,335,312号(コフィンダファー(Coffindaffer)らに発行)に記載されており、従来のパーソナルケアポリマー(付着ポリマー、整髪ポリマー、分散相ポリマー)、抗フケ剤、及びこれらの組み合わせを包含する。
【0113】
更に、追加の構成成分としては、静電防止剤、湿潤剤及び緩和剤、懸濁剤、粘度を増加させる粘度調整剤、色素、染料、パールエッセンス助剤、起泡増進剤、抗菌剤類、ペディキュロサイド(pediculocides)、pH調整剤、香料、酸化防止剤、防腐剤、キレート剤、金属イオン封鎖剤、タンパク質、スキンケア用活性物質、日焼け止め剤、UV吸収剤、ビタミン及びエッセンシャルオイルなどのその他の審美的構成成分、パンテノール及び誘導体(例えば、エチルパンテノール)、パントテン酸及びその誘導体、キサンテン(カフェインなど)、丁子油、メントール、カンファー、ユーカリ油、オイゲノール、メンチルラクテート、マンサク蒸留物、アラントイン、ビサバロール、グリチルリチン酸二カリウム、前述のいずれかの誘導体並びにこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0114】
また、所与の製品型に従来使用される成分のような、あらゆる他の好適な任意構成要素も、本発明のパーソナルケア組成物に含まれることができる。CTFA化粧品成分便覧、第10版(米国化粧品工業会社出版、ワシントンD.C)(2004年)(以後、「CTFA」)は、高濃度パーソナルケア組成物に添加することができる多種多様な非限定物質を記載している。
【0115】
起泡増進剤
組成物の発泡能力(特に、発泡ポンプと併用する場合)を増大させるために、好適な起泡増進剤を含有させてもよい。一実施形態は、サンヨー(Sanyo)社からビューライトSHAA(Beaulight SHAA)の名称で販売されている2−(2−ヒドロキシアルキルオキシ)酢酸ナトリウムの使用である。
【0116】
抗ふけ活性物質
本発明の組成物はまた、抗ふけ剤を含有してもよい。抗ふけ粒子の好適な非限定例としては、ピリジンチオン塩、炭酸亜鉛、例えばケトコナゾール、エコナゾール、及びエルビオールなどのアゾール、硫化セレン、粒子状イオウ、サリチル酸、並びにこれらの混合物が挙げられる。典型的な抗ふけ粒子は、ピリジンチオン塩である。このような抗ふけ粒子は、物理的及び化学的に組成物の構成成分と適合すべきであり、過度に製品の安定性、審美性、又は性能を損なうべきではない。
【0117】
ピリジンチオン塩
ピリジンチオン抗ふけ粒子、特に1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩は、本発明の組成物に用いるのに好適な粒子状抗ふけ剤である。ピリジンチオン抗ふけ粒子の濃度は、典型的には組成物の約0.01重量%〜約5重量%、一般に約0.1重量%〜約3重量%、通例約0.1重量%〜約2重量%の範囲である。好適なピリジンチオン塩としては、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、及びジルコニウムのような重金属、一般には亜鉛から形成されるものが挙げられ、典型的には1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリジンチオン」又は「ZPT」として既知)であり、通常は平板状粒子の形態の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩であり、この際、粒子は約20μまで、典型的には約5μまで、通常は約2.5μまでの平均サイズを有する。ナトリウムのようなその他のカチオンから形成される塩もまた、好適な場合がある。ピリジンチオン抗ふけ剤は、例えば米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に記載されている。
【0118】
抗菌活性物質
ピリチオンの多価の金属塩から選択される抗ふけ活物質に加えて、本発明は、金属ピリチオン塩活物質に加えて、1つ以上の抗真菌又は抗菌活物質を更に含んでよい。好適な抗菌活性物質には、コールタール、イオウ、ウィットフィールド(whitfield)軟膏、カステラーニ(castellani)塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジ油、尿素調製物、グリセオフルビン、8−ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(例えば、テルビナフィン)、茶木油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマロッサ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、シンナミックアルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール(hinokitol)、イヒチオールペール、センシバ(Sensiva)SC−50、エレスタブ(Elestab)HP−100、アゼライン酸、リチカーゼ(lyticase)、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンのようなイソチアザリノン及びアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。典型的には抗菌剤としては、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン及びコールタールが挙げられる。
【0119】
アゾール
アゾール抗菌剤には、ベンズイミダゾールのようなイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリムバゾール(climbazole)、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール及びテルコナゾール及びイトラコナゾールのようなトリアゾール及びこれらの組み合わせが挙げられる。アゾール抗菌活性物質は、組成物中に存在するとき、組成物の約0.01重量%〜約5重量%、典型的には約0.1重量%〜約3重量%、通常は約0.3重量%〜約2重量%の量で包含される。特に、ケトコナゾールが、一般的に本発明で使用される。
【0120】
硫化セレン
硫化セレンは本発明の抗菌組成物に用いるのに好適な粒子状抗ふけ剤であり、その有効濃度は組成物の重量に対して、約0.1重量%〜約4重量%、典型的には約0.3重量%〜約2.5重量%、通常は約0.5重量%〜約1.5重量%の範囲である。硫化セレンは一般にセレン1モル及びイオウ2モルを有する化合物とみなされるが、一般式Sexy(式中x+y=8)に従う環式構造であってよい。硫化セレンの平均粒径は、典型的には前方レーザー光散乱装置(forward laser light scattering device)(例えばマルバーン(Malvern)3600装置)で測定したときに15μm未満、好ましくは10μm未満である。硫化セレン化合物は、例えば米国特許第2,694,668号、同第3,152,046号、同第4,089,945号、同第4,885,107号に記載されている。
【0121】
イオウ
イオウもまた、本発明の抗菌性組成物において粒子状抗菌剤/抗ふけ剤として使用されてもよい。粒子状硫黄の効果的な濃度は、典型的には、組成物の約1重量%〜約4重量%、典型的には約2重量%〜約4重量%である。
【0122】
角質溶解剤
本発明は、サリチル酸のような1つ以上の角質溶解剤を更に含んでよい。
【0123】
亜鉛含有層状物質
本発明の実施形態では、組成物は、有効量の亜鉛含有層状物質を含んでもよい。本発明の好ましい実施形態は、約0.001%〜約10%、より好ましくは約0.01%〜約7%、更により好ましくは約0.1%〜約5%の亜鉛含有層状物質を含む。
【0124】
本発明の特定の実施形態に有用な亜鉛含有層状物質の例には以下のものが挙げられる。
【0125】
亜鉛含有層状構造は、主として二次元で生じる結晶成長を有するものである。層構造は、全ての原子が明確な層に組み込まれているものとしてだけではなく、ギャラリーイオン(galleryion)と呼ばれる、層の間にイオン又は分子があるものとすることが慣例的である(A.F.ウェルズ(A. F. Wells)の「構造無機化学(Structural Inorganic Chemistry)」、クラレンドン出版(Clarendon Press)、1975年)。亜鉛含有層状物質(ZLM)は、亜鉛を層に組み込んで有してもよく、及び/又はギャラリーイオンの構成成分であってもよい。
【0126】
多くのZLMが鉱物として自然発生する。一般例としては、水亜鉛鉱(炭酸水酸化亜鉛)、塩基性炭酸亜鉛、水亜鉛銅鉱(炭酸水酸化銅亜鉛)、亜鉛孔雀石(炭酸水酸化亜鉛銅)、及び亜鉛を含有する多くの関連する鉱物が挙げられる。天然のZLMもまた発生可能であり、その際、粘土型鉱物(例えばフィロシリケート)のようなアニオン性層の種には、イオン交換した亜鉛ギャラリーイオンが含有されている。これらの天然物質の全てはまた、合成的に得ることもでき、又は組成物中にその場で若しくは製造方法の間に生じさせることもできる。
【0127】
多くの場合合成であるが、いつも合成であるとは限らないZLMの他の一般の種類は、二重層状水酸化物であり、一般に式[M2+1-x3+x(OH)2x+m-x/m・nH2Oで表わされ、二価イオン(M2+)の一部又は全てが亜鉛イオンで表わされる(クレパルディ(Crepaldi)、EL、パバ(Pava)、PC、トロント(Tronto)、J、バリム(Valim)、JBJ. Colloid Interfac.Sci.2002年、248、429〜42頁)。
【0128】
ヒドロキシ複塩と呼ばれる、ZLMの更に他の種類を調製することができる(H.モリオカ(Morioka,H.)、H.タガヤ(Tagaya,H.)、M.カラス(Karasu,M)、J.カドカワ(Kadokawa,J)、K.チバ(Chiba,K)、無機化学(Inorg.Chem.)、1999年、38、4211〜6)。ヒドロキシ複塩は、一般式[M2+1-x2+1+x(OH)3(1-y)+n-(1=3y)/n・nH2O(式中、2つの金属イオンは異なっていてよく、それらが同じで亜鉛で表わされる場合、式は[Zn1+x(OH)22x+2xA-・nH2Oに簡略化される)で表わすことができる。この後者の式(式中、x=0.4)は、ヒドロキシ塩化亜鉛及びヒドロキシ硝酸亜鉛のような一般物質を表す。これらは水亜鉛鉱にも関連し、その際、二価のアニオンは一価のアニオンを置き換える。これらの物質はまた、組成物中にその場で又は製造方法の間に生じさせることもできる。
【0129】
ZLMのこれらの種類は、一般カテゴリーの比較的一般的な例を表すが、この定義に合う物質のより広い範囲に関する限定を意図するものではない。
【0130】
塩基性炭酸亜鉛の市販の供給源には、炭酸亜鉛塩基(Zinc Carbonate Basic)(ケイター・ケミカルズ(Cater Chemicals);米国イリノイ州ベンセンビル)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(シェパード・ケミカルズ(Shepherd Chemicals);米国オハイオ州ノーウッド)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(CPSユニオン社(CPS Union Corp.);米国ニューヨーク州ニューヨーク)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(エレメンティス・ピグメンツ(Elementis Pigments);英国ダラム)、及び炭酸亜鉛AC(Zinc Carbonate AC)(ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical);米国ペンシルベニア州ニュータウンスクエア)が挙げられる。
【0131】
塩基性炭酸亜鉛はまた、商業的には「炭酸亜鉛」又は「炭酸亜鉛塩基」又は「ヒドロキシ炭酸亜鉛」と呼ばれる場合もあるが、天然起源の水亜鉛鉱に類似した物質からなる合成の種類である。理想的な化学量論は、Zn5(OH)6(CO32により表されるが、実際の化学量論的比は僅かに変化することができ、またその他の不純物が結晶格子内に組み込まれてもよい。
【0132】
本発明の実施形態により、界面活性剤系中で特定の亜鉛反応活性度を有する有効量の亜鉛含有層状物質と組み合わせることによって、局所用組成物において抗ふけ効力を劇的に高めることができることを見出した。亜鉛反応活性度は、亜鉛イオンの化学的利用能の基準である。溶液中で他の化学種と錯体を形成しない可溶性亜鉛塩は、定義上100%の相対亜鉛反応活性度を有する。部分的に可溶性形態の亜鉛塩の使用及び/又はマトリクスへの潜在的錯体(complexants)の組み込みは、一般に亜鉛反応活性度を定義された100%最大値のかなり下まで低下する。
【0133】
有効な亜鉛含有層状物質の選択によって、又は既知の方法により有効な亜鉛含有層状物質をその場で生じさせることによって、反応活性度の高い亜鉛が維持される。
【0134】
本発明の実施形態により、亜鉛含有層状物質と組み合わせて、ジンクピリチオン等のピリチオンの多価金属塩を用いることによって、局所用組成物において抗ふけ効果を劇的に高めることができることが見出されている。したがって、本発明の実施形態は、皮膚及び頭皮に対して改善された効果(例えば、改善された抗ふけ効果)を有する局所適用組成物を提供する。
【0135】
本発明の一実施形態は、亜鉛源が粒子状形態で存在する、亜鉛含有層状物質分散液のための安定な組成物を提供する。亜鉛含有層状物質には独特の物理的特性及び化学的特性があるので、亜鉛含有層状物質を含有する水性系を配合するのが困難であることが示されている。亜鉛含有層状物質は、高い密度(約3g/cm3)を有することがあり、凝集又は沈殿しないようにするには、製品全体に一様に分散させる必要がある。亜鉛含有層状物質は、また、非常に反応性の高い表面化学的性質を有することに加えて、pH値が6.5未満の系に溶解する傾向にある。
【0136】
溶解度が25%未満の亜鉛含有層状物質は、亜鉛化合物の重量パーセント及び分子量によって決定される閾値よりも低い、測定可能な可溶性亜鉛値(%)を有することになる。理論上の閾値は、以下の式によって計算することができる。
【0137】
【数1】

【0138】
組成物がZLMを含む本発明の実施形態では、pHが約6.5を上回ってもよく、更に、pHは、約6.5〜約12、好ましくは約6.8〜約9.5、より好ましくは約6.8〜約8.5の範囲であってもよい。
【0139】
亜鉛含有製品中の亜鉛反応活性度の評価方法
亜鉛反応活性度は、亜鉛イオンの化学的利用能の基準である。溶液中で他の化学種と錯体を形成しない可溶性亜鉛塩は、定義上100%の相対亜鉛反応活性度を有する。ある程度可溶性の形態の亜鉛塩を使用し、及び/又は潜在的な錯体形成物質(potential complexants)と共にマトリックス中に組み込むと、一般に亜鉛反応活性度は、定義された100%最大値のかなり下まで低下する。
【0140】
亜鉛反応活性度は、希釈亜鉛含有溶液又は分散液と金属クロム染料キシレノールオレンジ(XO)とを組み合わせ、特定条件下で色の変化の程度を測定することによって評価される。色形成の規模は、反応活性度の高い亜鉛の濃度に比例する。開発された手順は、水性界面活性剤製剤について最適化されているが、他の物理製品形態にも同様に適応できる。
【0141】
分光光度計を使用して、XOに関して最適な色変化の波長である572nmでの色の変化を定量する。分光光度計は、潜在的に反応度の高い形態の亜鉛以外を除く、試験製品の組成に近い製品対照を利用して、572nmでの吸光度を0に設定する。次いで、対照及び試験製品を、次のように同様に処理する。50μLの製品試料を瓶に分配し、95mLの脱気した蒸留水を加え、攪拌する。5mLの23mg/mLキシレノールオレンジ原液をpH5.0にて、サンプルジャー内にピペットで取り、これを時間0と考えた。次いで、希釈HCl又はNaOHを用いて、pHを5.50±0.01に調整する。10.0分後、試料の一部を濾過し(0.45μ)、吸光度を572nmで測定する。次いで、測定した吸光度を、別に測定した対照と比較して、相対亜鉛反応活性度(0〜100%)を決定する。100%反応活性度の対照を、亜鉛基準で等濃度にて組み込まれた可溶性亜鉛物質(例えば硫酸亜鉛)の利用を除いて、試験製品と同様にマトリックスに調製する。100%反応活性度の対照の吸光度を、上記で試験物質について測定したように測定する。相対亜鉛反応活性度は、好ましくは約15%より高く、より好ましくは約20%より高く、更に好ましくは約25%よりも高い。
【0142】
この方法を使用して、以下の実施例は、固有の反応活性度が低い物質(ZnO)と比較して、アニオン性界面活性剤系での反応活性度が本質的に高い物質(塩基性炭酸亜鉛)を実証する。
【0143】
【表1】

1単一界面活性剤系:6%ラウリル硫酸ナトリウム
【0144】
ZLMの粒径
本発明の一実施形態では、より小さい粒径が、相対亜鉛反応活性度に反比例することが見出されている。
【0145】
D(90)は、粒子の量の90%がその粒径未満であることに相当する粒径である。本発明の一実施形態では、亜鉛含有層状物質は、粒子の90%が約50マイクロメートル未満である粒径分布を有してよい。本発明の他の実施形態では、亜鉛含有層状物質は、粒子の90%が約30マイクロメートル未満である粒径分布を有してよい。本発明の更に他の実施形態では、亜鉛含有層状物質は、粒子の90%が約20マイクロメートル未満である粒径分布を有してよい。
【0146】
粒径測定方法
酸化亜鉛及び水亜鉛鉱の原材料に対する粒径分析を、ホリバLA−910粒径分析装置(Horiba LA-910 Particle Size Analyzer)を使用して実施する。ホリバLA−910(Horiba LA-910)機器は、小角のフラウンホーファー回折(Fraunhofer Diffraction)及び光散乱(Light Scattering)の原理を用いて粒子の希釈溶液中での粒径及び分布を測定する。これら2つの種類の原材料の試料を、ラウリルポリエーテルアルコールの希釈溶液中に予め分散させ、混合してから、機器に導入する。導入したら、試料を更に希釈し、機器内に循環させてから、測定を実施する。測定後、計算アルゴリズムを使用してデータを処理し、粒径及び分布の両方を得る。D(50)は、中央粒径値、又は粒子の量の50%がその粒径未満であることに相当する粒径である。D(90)は、粒子の量の90%がその粒径未満であることに相当する粒径である。
【0147】
D(10)は、粒子の量の10%がその粒径未満であることに相当する粒径である。
【0148】
この方法を使用して、以下の実施例は、塩基性炭酸亜鉛についての粒径と相対亜鉛反応活性度との間の関係を実証する。
【0149】
【表2】

1粉砕方法
2粒径測定
ZLMの表面積
本発明の一実施形態では、表面積と相対亜鉛反応活性度との間に直接的な関係がある場合がある。
【0150】
粒子の表面積が増大すると、一般に、動的因子によって亜鉛反応活性度が増大する。粒子の表面積は、粒径を縮小させることによって、かつ/又は多孔質粒子、若しくはその全体的な形状が幾何学的に球体から外れた粒子をもたらすように粒子のモルホロジーを変化させることによって、増大させることができる。
【0151】
本発明の実施形態において、塩基性炭酸亜鉛の表面積は約10m2/gmを超えてもよい。更なる実施形態において、塩基性炭酸亜鉛の表面積は約20m2/gmを超えてもよい。本発明の更なる実施形態において、塩基性炭酸亜鉛の表面積は約30m2/gmを超えてもよい。
【0152】
表面積測定方法
表面積の分析を、マイクロメリティクスオートポアIV(Micromeritics Auto Pore IV)を使用して実施する。マイクロメリティクスオートポアIVは、非湿潤性の液体、より具体的には水銀の、小孔内への浸透を支配する、毛管の法則(capillary law)の原理を使用して、全孔表面積を測定する。この法則は、ウォッシュバーン(Washburn)の式によって表される:
D=(1/P)4γcosφ
式中、Dは孔の直径、Pは加えられる圧力、γは水銀の表面張力、φは水銀と試料との間の接触角である。ウォッシュバーン(Washburn)の式は、すべての孔が円筒状であると仮定している。代表的な表面積測定を塩基性炭酸亜鉛に対して実施したが、それについて以下に記載する。
【0153】
【表3】

1.炭酸亜鉛AC(Zinc Carbonate AC)として市販
2.炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)として市販
【0154】
Log亜鉛結合定数を有する配位化合物
本発明の更なる実施形態では、組成物は、亜鉛の生物学的利用能を維持するのに十分な範囲のLog亜鉛結合定数を有する配位化合物を更に含む。好ましくは、このような配位化合物は、約6未満、好ましくは約5未満、より好ましくは約4未満、約−0.5超のLog亜鉛結合定数を有する。好ましくは、このような配位化合物は、有機酸、強鉱酸又は配位種である。このような配位化合物の好ましい例としては、次のもの(括弧内にそれぞれのLog亜鉛結合定数を示す)が挙げられる:EDTA(16.5)、EDDS(13.5)、EDDA(11.1)、NTA(10.7)、キシレノールオレンジ(10.3)、システイン(9.1)、シスチン(6.7)、アスパラギン酸(アスパラテート)(5.9)、グリシン(5.0)、クエン酸(シトレート)(4.8)、グルタミン酸(4.5)、メチオニン(4.4)、アルギニン(4.2)、炭酸(カーボネート)(3.9)、オルニチン(3.8)、タトロン酸(Tatronic Acid)(タータラート)(3.2)、リンゴ酸(マレート)(2.9)、マロン酸(マロネート)(2.9)、酒石酸(タータラート)(2.7)、アジピン酸(アジペート)(2.6)、リン酸(ホスフェート)(2.4)、フタル酸(フタラート)(2.2)、グリコール酸(グリコレート)(2.0)、乳酸(ラクテート)(1.9)、コハク酸(サクシネート)(1.8)、酢酸(アセテート)(1.0)、硫酸(サルフェート)(0.9)、ホウ酸(ボレート)(0.9)、ギ酸(ホルメート)(0.6)、塩化物(−0.3)。
【0155】
ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩
一実施形態では、本発明は、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を含んでもよい。血小板状及び針晶構造などの、いかなる形態の多価金属のピリチオン塩も用いてよい。本明細書での使用に好ましい塩としては、多価金属のマグネシウム、バリウム、ビスマス、ストロンチウム、銅、亜鉛、カドミウム、ジルコニウム及びこれらの混合物から、より好ましくは亜鉛から形成されているものが挙げられる。本明細書で用いるのに更により好ましいのは、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリチオン」又は「ZPT」として知られている)であり、より好ましくは小板状粒子形態のジンクピリチオンであり、この粒子の平均の大きさは、約20μmまで、好ましくは約5μmまで、より好ましくは約2.5μmまでである。
【0156】
ピリジンチオン抗菌及び抗ふけ剤は、例えば米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に記載されている。
【0157】
ZPTを本明細書の抗菌組成物中の抗菌粒子として使用すると、付加的な効果である育毛若しくは再生が促進若しくは調節される場合があり、又はその両方である場合があり、又は脱毛が減少若しくは抑制される場合があり、又は毛髪がより濃く見える若しくはより豊かに見える場合があることが更に考えられる。
【0158】
ジンクピリチオンは、米国特許第2,809,971号に例証されるように、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン(即ち、ピリチオン酸)又はその可溶性塩を亜鉛塩(例えば硫酸亜鉛)と反応させて、ジンクピリチオン沈殿を形成することによって作製されてもよい。
【0159】
好ましい実施形態には、約0.01重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約2重量%のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩が含まれる。
【0160】
亜鉛含有層状物質及びピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有する実施形態では、亜鉛含有層状物質と、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との比は、好ましくは5:100〜10:1、より好ましくは約2:10〜5:1、更により好ましくは1:2〜3:1である。
【0161】
追加の抗菌活性物質
本発明の追加の抗菌活性物質は、メラレウカ(茶木)及び炭の抽出物を包含してもよい。本発明はまた、抗菌活性物質の組み合わせを含んでもよい。このような組み合わせとして、オクトピロックスとジンクピリチオンとの組み合わせ、パインタールと硫黄との組み合わせ、サリチル酸とジンクピリチオンとの組み合わせ、エルビオールとジンクピリチオンとの組み合わせ、エルビオールとサリチル酸との組み合わせ、オクトピロックスとクリムバゾール(climbasole)との組み合わせ、及びサリチル酸とオクトピロックスとの組み合わせ、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0162】
その他の任意構成成分
本発明の組成物にはまた、例えばビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン及びこれらの誘導体のような水溶性ビタミン、例えばアスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸及びこれらの塩のような水溶性アミノ酸、例えばビタミンA、D、E及びこれらの誘導体のような非水溶性ビタミン、例えばチロシン、トリプタミン及びこれらの塩のような非水溶性アミノ酸、といったビタミン及びアミノ酸を含有してもよい。
【0163】
本発明の組成物はまた、C.I.名を有するもののような水溶性の成分を包含する、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ(disazo)、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン(phthalocianine)、植物の色、天然の色などの、色素物質を含有してもよい。
【0164】
本発明の組成物はまた、ピロクトンオラミンのような水溶性成分、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロサン)のような非水溶性成分、トリクロカルバン、及びジンクピリチオンを包含する、化粧品の殺生物剤及び抗ふけ剤として有用である抗菌剤を含有してもよい。
【0165】
製造方法
本発明の高濃度パーソナルケア組成物を製造するための任意の好適な方法を使用してよい。一実施形態では、等方性実現物質界面活性剤を、当該技術分野において既知の標準的な方法に従い、高濃度パーソナルケア組成物の他の成分とブレンドする。
【0166】
シャンプーに使用される典型的な手順は、等方性実現物質ペースト又はこれらの混合物を、水と合わせ、所望の水溶性共界面活性剤を添加し、防腐剤、pH制御剤、香料、及び塩類を添加することによって組成物を仕上げる。非水溶性共界面活性剤が所望される場合、界面活性剤及び水混合物を好適な温度、典型的には非水溶性共界面活性剤の融点を超えるまで加熱し、その組み込みを促進することができる。場合によっては、上記のように界面活性剤ペーストを共界面活性剤と組み合わせて、最終活性を達成するのに相応した目標レベルまで、水で希釈する。粘度を増大させることができるレオロジー調整剤をこの時点で添加し、続いて、コンディショニング剤、例えば、シリコーン若しくはシリコーンエマルション又は他の油、ポリマープレミックスからのカチオン性ポリマー、香料、真珠光沢剤若しくは不透明化剤、香料、及び防腐剤を添加することができる。均質性を確実にするための適切な混合工程が、必要に応じて使用される。製品は、pH制御剤、及び塩類を添加することにより仕上げる。
【0167】
特定の実施形態では、高濃度パーソナルケア組成物は、界面活性剤を含み、ここで当該界面活性剤は、等方性実現物質を含む。等方性実現物質は、通常入手可能な中和装置を備えた流下薄膜反応器内にて、25%の又は25%超の活性界面活性剤で、及び幾つかの実施形態では、約25%〜約40%の活性界面活性剤で、等方性の流体ペーストとして調製することができる。
【0168】
組成物が、典型的なコンディショニングシャンプー処方中に通常存在する界面活性剤濃度の約三倍で含まれる(即ち、組成物に対する界面活性剤濃度が、典型的シャンプー重量又は体積レベルの約3分の1である)特定の実施形態では、1種以上の界面活性剤は、より高活性の(即ち、より高濃度の)ラメラ相ペースト(SLE(1)S、C11S、C11E(1)S、C13〜15スルホン酸パラフィン)から誘導される。これら材料は、多数の等方性実現物質、例えば、SLE(1)S、C11E(1)S、C13〜15パラフィンスルホネート、NSKKエトキシサルフェートに、流動性流体として製造することができる。より高活性のC11S(35%)等方性ペースト及び濃縮レベル(約20%C10サルフェート)のC10(38%)を含有するSLSを製造して、同様にこれらの処方を促進することができる。
【0169】
典型的な手順においては、等方性ペーストを補助界面活性剤、防腐剤、及び所望量のラメラ相ペーストと混ぜ合わせる。これは、フラック・テック(Flak Tek)などのスピードミキサーにて、均一になるまで混合する。パールライザー(Pearlizer)分散体(EGDS)、カチオン性ポリマー、及び香料を添加し、均質混合物が得られるまで混合する。最後に、シリコーンエマルション、追加の防腐剤及びpH制御剤を混合し、低エネルギーを入力し、所望の最終生成物混合物のための穏やかな攪拌を得る。
【0170】
本発明の方法は、デシルアルコール変性ラウリルサルフェートを製造するための方法もまた提供する。研究者らは、デシルアルコールを約5重量%〜約25重量%の濃度で添加することによって、より高活性で薄い等方性界面活性剤ペーストを製造することができることを発見した。典型的な方法では、約20重量%のデカノールをラウリルアルコール(C12、C14、及びC16直鎖一級アルコールの混合物)に添加し、当該混合物を流下薄膜サルフェーター(Falling Film Sulfator)に供給する。これをSO3ガスと混ぜ合わすと、硫酸化反応が完了するまで進行し、得られた酸混合物を十分な水の入った高せん断ミキサー内でNaOH(50%)により中和して、所望の活性度(例えば、38%界面活性剤濃度)を得る。
【0171】
使用方法
本発明の組成物は、毛髪及び/又は皮膚等の哺乳類のケラチン性組織を洗浄及びコンディショニングするために使用され得、また、迅速な起泡及び/又はすすぎ適性を提供し得る。毛髪を洗浄及びコンディショニングするための方法は、a)毛髪を水で濡らす工程、b)有効量のシャンプー組成物を毛髪に適用する工程、及びc)シャンプー組成物を毛髪から水ですすぐ工程とを含み得る。所望の洗浄及びコンディショニング効果を達成するために、所望なだけ何回でもこれらの工程を繰返すことができる。
【0172】
本発明の別の実施形態によると、好適なパーソナルケアフォームを提供する方法が提供され、その方法は、好適なポンプディスペンサーから、第1の実施形態の組成物を分配する工程を含む。好適なポンプディスペンサーの非限定例としては、国際公開特許第2004/078903号、同第2004/078901号、及び同第2005/078063号に記載されているようなものが挙げられる。所望のフォーム生成ディスペンサーは、ノズルを含むが、そこから組成物が小出しされ、それによって、組成物がディップチューブを通ってフォーム生成ディスペンサーへ入る。液体ピストンは、吸引を起こし、これが組成物を液体チャンバへと引き込み、それによってフォーム生成ディスペンサーを起動(primes)する。それと同時に、空気チャンバ及び空気ピストンが更に起動され、アクティベーターを押し下げた際に、空気チャンバからの空気及び液体チャンバからの組成物の両方が、激しく混合チャンバ内へと送り込まれ、第1メッシュ及び第2メッシュを通過する。激しくかき混ぜられた空気/組成物混合物は、最初に第1メッシュを強制的に通過させられ(forced past the first mesh a first)、フォームが生成し、第2及び第3メッシュを通過した後でそれがより微細なものとなる。これらのメッシュは、同一の、あるいは異なる孔径を有してよい。更に、所望の場合、追加のメッシュもまた用いてよい。
【0173】
本明細書で有用な好ましいフォーム生成ディスペンサーとしては、T8900、OpAd FO、8203、及び7512シリーズ・ローマーズ(アファ−ポリテック(Afa-Polytek)(オランダ、ヘルモンド(Helmond))から);T1、F2、及びWR−F3シリーズ・ローマーズ(エアスプレイ・インターナショナル(Airspray International, Inc.)(オランダ、アルクマール(Alkmaar)又は(米国、フロリダ州、ノース・ポンパノ・ビーチ(North Pompano Beach))から));TS−800及びミックスオール(Mixor)シリーズ・ローマーズ(roamers)(セイント−ゴベイン・カルマー(Saint-Gobain Calmar, Inc.)(米国、カリフォルニア州、シティ・オブ・インダストリー(City of Industry))から);ポンプローマー及びスクイーズローマー(大和製罐(Daiwa Can Company)(日本、東京));TS1及びTS2シリーズ・ローマーズ(グアラ・ディスペンシングUSA(Guala Dispensing USA, Inc.)(米国ニュージャージー州ヒルズバラ)から);及びYT−87L−FP、YT−87L−FX、及びYT−97シリーズ・ローマーズ(吉野工業所(Yoshino Kogyosho Co., Ltd.)(日本、東京)から)が挙げられる。日本語の出版物である、Food & Package,(2001)vol.42,no.10,pp 609〜13;Food & Package,(2001)vol.42,no.11,pp 676〜79;及びFood & Package,(2001)vol.42,no.12,pp 732〜35にて議論されているフォーム生成ディスペンサーもまた参照のこと。
【0174】
組成物は、フォーム分配前に、約0.01〜1Pa・s(約10〜約100センチポアズ(cps))、別の実施形態では、約0.01〜0.6Pa・s(約10〜約60cps)、及び別の実施形態では、約0.01〜0.3Pa・s(約10〜約30cps)の粘度を有し得る。
【0175】
適用される組成物の量、適用頻度、及び使用期間は、所定の組成物の適用の目的、成分のレベル、及び所望されるクレンジングレベルに応じて、大きく変わることになる。例えば、組成物を毛髪に適用する際、効果的な量は一般に、約0.25g〜25gの範囲で変動し、あるいは、ほとんど又は全ての毛髪が組成物と接触するのに十分な量である。
【0176】
H.製造物品
本発明は、本明細書に記載される1つ以上の組成物を含む製造物品、並びに洗浄効果、迅速に起泡するフォーム、迅速にすすげるフォーム、清潔なすすぎフォーム、及びこれらの組み合わせをもたらすように、組成物をケラチン性組織に適用することを消費者に指示する文書を提供する。文書は、組成物を包む包装に直接又は間接的に添付され得る。あるいは、前記コミュニケーションは製品と関連付けられた電子的又は同報メッセージであってもよい。あるいは、前記コミュニケーションは少なくとも1つの活用可能性、性能、際立った特徴及び/又は製品の制限について記載してもよい。
【0177】
分析方法
レオロジー特性法に関する展延性:
10gのシャンプーをバイアル瓶に添加し、そこへ0.5gの脱イオン水を添加して攪拌する(stirrer)。この混合物を一夜かけて平衡させる。次に、50mmの円錐平板固定治具及び51マイクロメートルのギャップを使用し、一定の剪断速度掃引を行って、本混合物のレオロジー試験を行う。剪断速度の関数として、粘度を測定する。次に、周知の3パラメータ粘度−剪断速度モデルである、エリス(Ellis)モデルを使用して、データを適合させる。前記適合の結果から、ゼロ剪断粘度(c1)、重要な剪断速度(c2)、及び指数法則関連パラメータ(c3)が得られる。次に、最初の2つのパラメータ(c1及びc2)の結果を、濡れた手/毛髪展延性の指標として使用する。代表的なプロットが、近似を包含した図1に示されている。実験データは黒丸で示され、エリス近似は線で描かれている。
【0178】
房起泡試験方法
房起泡試験方法は、シャンプー製品の起泡の容易性及び体積を評価するように設計される。アジア人の自然な毛髪の房(平坦構造、15g/25.4cm(10インチ))を、ヘキサン溶液からの0.1gの人口皮脂で均一に処理し、現実的な汚れの程度にする。泡評価においては、房を最初に水道水(37.8℃(100°F)、7〜0.17g/L(10gpg硬度))で濡らし、含水量が1g水/1g毛髪となるまで脱液した。0.75mLの製品を房中央まで適用し、次に房下部を毛髪上の製品上から、円運動にて5ストロークにてこすり、製品を均一に分布させた。この後、前後に40回なでる。
【0179】
起泡の容易さを、一杯に起泡するのに必要な、なでる回数によって判定する。前後に40回なでた後、作業者の手袋から泡を回収し、メスシリンダーに入れる。毛髪に残る泡を下方向に1回なでる(搾り取る)ことで集め、初期量に加える。起泡体積の合計を記録する。
【0180】
それぞれの試験製品につき3回行い、3つの値の平均を計算し、それを、処理当たりの起泡体積を表すために使用する。高程度(典型的な浄化シャンプー処方)及び中程度(典型的なコンディショニングシャンプー処方)の市販製品が、典型的に基準対照として含まれる。プロトタイプシャンプーの泡体積は、高泡対照として1.0にインデックス化される。
【0181】
泡気泡サイズ法
ミディアムブラウンの自然の髪から作られた毛髪の房を、ヘキサン溶液からの人工の皮脂で予め汚し、毛髪上に重量割合で0.5%の皮脂を残す。これらの房を温水で濡らして、1g水/1g毛髪のレベルとする。典型的なコンディショニングシャンプー処方では、毛髪の重量の0.5%で適用し、房を泡立たせる。より高濃度の本発明のシャンプーでは、レベルは、圧縮係数を反映するように、例えば、2X圧縮であれば、レベルは0.25%へ減少するように調整される。
【0182】
気泡後、泡を収集し、素早く(10秒以内)ガラスプリズム表面上に置き、それが表面を完全に濡らすようにする。泡サイズは、4mm×3mm視野の高品質画像を生成可能なソニーB&Wプログレッシブ・スキャン・カメラ及びコンピュータ・レンズを含む光学系を用いた画像解析システムによって決定する。プリズム表面上のみの気泡を目に見えるようになり、グローバル・ラボ・イメージ・システム(Global Lab Image system)、V/2 v 3.7によって分析され、それらの平均サイズが記録される。試験は、3回実施し、標準偏差と共に平均値を報告する。
【0183】
ウエット&ドライ・コンディショニング試験方法
本試験方法は、濡れた状態での櫛通り及び乾燥した状態での櫛通りの両方の有効性について、典型的なコンディショニングシャンプー処方の基本性能についての主観的評価を許容するものである。対照処理は、界面活性剤のみを用い、コンディショニング物質が存在しない典型的な浄化シャンプー処方であり、洗浄方法において使用されるこの同一シャンプーに続いて、典型的なコンディショニングシャンプー処方が適用される。これらの処理により、所定のプロトタイプコンディショニングシャンプーの性能を容易に区別することができる。典型的な試験3〜5の個々の処方では、それらの性能によって評価することができる。基材は、均一性及び有意性のある表面ダメージが無いことを確保するためにスクリーニングされた各種供給源から入手可能な自然の茶色の毛髪である。
【0184】
処理手順
4グラム、20.3cm(8インチ)長の房を5つ、ヘアピースホルダー内にまとめ、10秒間水を操作して40℃、典型的硬度(0.15〜0.17g/L(9〜10gpg))にて濡らして、確実に完全にかつ均一に濡らす。房を軽く脱液し、一体化させた房の長さだけ、ホルダーの2.54cm(1インチ)下から末端に向かって、乾燥した毛髪の1g当たり0.1gの典型的なコンディショニングシャンプー処方のレベル(0.1g/毛髪1g又は2g/毛髪20g)にて、製品を均一に適用する。より高濃度の本発明の組成物の場合、使用量は0.05g/毛髪1gまで減らす。房を束ねたものは、摩擦動作により泡立てるが、これは典型的には、消費者によって30秒間使用されるものであるとともに、5.68L/分(1.5ガロン/分)で流れる40℃の水ですすぎ(毛髪は操作されている)、完全にすすがれたことを確実にするため30秒間行われる。この工程は、1回だけ繰り返す。コンディショナーが適用される場合、房を束ねたもの全体を操作しながら、上記シャンプーと同様に房を束ねたものの上に同様に適用され、操作しながら完全にすすぎ洗いをする。房を軽く脱液し、互いに分離し、それらが接触しないようにラックに吊して、目の粗い櫛でほぐす。
【0185】
格付け手順
訓練された採点者を使用した湿潤くし通り性評価のため、房をラック上で5つに分離し、そのうち格付けセットに包含される各処理からの1つの房がある。各房について、2つのみの櫛通り性評価が実施される。格付け者は、櫛通りによって処理の比較をするように依頼されるが、消費者によって使用される典型的なものである目の細かいナイロン製の櫛を使い、0(容易)〜10(困難)までの目盛り上で、容易性/困難性を評価する。10個の別個の評価を収集し、結果を統計分析パッケージ、例えば、スタットグラフィックス・プラス(Statgraphics Plus)5.1により分析し、統計的有意性を得た。対照記録は、一定間隔で使用されて、低対照(典型的な浄化シャンプー処方)及び高対照(典型的なコンディショニングシャンプー処方)が正規領域へと確実に分離される。全てのコンディショニングプロトタイプは、許容可能と見られる浄化対照よりも3つ以上LSDが上でなければならない。
【0186】
乾燥くし通り性評価のために、上記の房を温度及び湿度がコントロールされた部屋(22.2℃(72°F)/50%RH)に移動し、一晩乾燥させる。それらは上記の通り、分けられたままであり、3種のアセスメントである、房中央での乾燥くし通り性の容易性、先端での乾燥くし通り性の容易性、及び先端感触の触覚評価を行うことによって、パネリストは乾燥コンディショニング性能を評価するようにリクエストされる。同一の10目盛りスケール[ゼロ(容易)〜10(困難)]をこれらの比較のために使用する。再言すると、各房セットの評価は2人のパネリストのみが行う。分離の差異に対する統計分析は、上記と同一の方法を用いて行う。
【0187】
毛髪の泡のすすぎ方法
毛髪泡すすぎ洗い方法は、高い用法濃度ではあるが、水温、水流量、及び水質は通常である、典型的なコンディショニングシャンプー処方のすすぎ洗い時間の評価を目的としている。これにより、製品の区別を最大化できる。4g、20.3cm(8インチ)の房を水にて、10秒間、37.8℃(100°F)、0.11〜0.17g/L(7〜10gpg)硬度にて、2.4〜2.6Lpm(0.65〜0.70gpm)の流量にて、予め湿らせた。余分な水を絞り取り、毛髪1gに対して1gのH2Oの含水量を達成する。1.0gの典型的なコンディショニングシャンプー処方を、毛髪の房の中央部に適用し、房を中央で折り曲げ、30秒間前後運動させて泡を生成させる。本発明の高濃度シャンプーのために、0.5gのシャンプーを適用した。起泡量及び質感の評価を記録する。房を折り曲げ、水を房に適用する。ストップウォッチを同時に始動させ、房の泡の完全な消失(流れる水が透明)の時間を記録する。それぞれの製品を3回試験し、平均すすぎ時間を判定する。典型的な試験では、10個以下のプロトタイプ製品を分析するが、内部対照、浄化シャンプー例は常に包含される。
【0188】
すすぎ時間は、本対照と比較され、コンディショニングシャンプーのための優れたすすぎ洗いは本対照に相当し、典型的なコンディショニングシャンプー処方をはるかに下回っている。
【0189】
実施例4の典型的なコンディショニングシャンプー処方では、カラムは比較のポイントとして使用される。実施例4の典型的なコンディショニングシャンプー処方のすすぎ洗い平均時間は、1.0としてインデックス化される。0.8未満のすすぎ洗いインデックスは、重要なすすぎ洗い利点を有すると判断される。約0.65での典型的なコンディショニングシャンプー処方インデックス。
【0190】
方法:
溶解方法(シャンプー溶解時間)
実験−0.5mLのシャンプー/製品を典型的なスライド・ガラス(コーニング2947マイクロスライド)上に置く。シャンプー/製品でカバーしたスライドを1分間周囲条件にて平衡させる。次に、製品を含有するスライド・ガラスを1Lの水(34℃±2℃に維持)を含有するビーカー内に吊り下げる。溶液を再現可能な方法で400rpmにて攪拌する(IKAビッグスクイッド(BigSquid)1500RPM攪拌機)。次に、スライドが水中に置かれてから、浸漬させたスライド上にシャンプー/製品が見えなくなるまでの時間を記録する。結果は、溶解するための秒数で与えられる。
【0191】
方法:レオロジー性−剪断力
装置:
ティー・エイ・インスツルメンツ(TA Instruments):ファースト−ハイスピードDAQモジュールを装着したARES歪み管理レオメーター
形状:円錐&プレート
25mm直径−0.04rad円錐
Gap=0.051mm
温度=周囲温度
試験:一定の剪断力を始動
遅延=1.0秒
剪断速度=1000s-1で5秒
350ポイントで収集した
【0192】
製造業者からの取扱説明書に従って、レオメーターを較正する。ユニットには、25mm直径チタン円錐平板形状を取り付けた。温度は、周囲温度(約22℃)であり、周囲湿度であった。機器は、固定治具本体にタールを塗り(tarred)、次にギャップをゼロ化した。試験は、上記条件にて構成した。試料は、下側プレート上に配置した(約0.5g)。上部のプレートを下げ、試料がギャップを完全に満たすように見える。一旦、ギャップが0.051mmになったら、試料をプラスチックナイフで切り整える。コンピュータを介して試験を開始する。前記方法は、1秒の遅延を提供し(そこで、試料は器具に入れられてから休止期間がある)、次に1000s-1の剪断速度が5秒間生じる。機器は、所望の剪断速度に非常に速やかに到達する(即ち、最初のデータポイントが収集される前に)。
【0193】
溶解方法及び粘度特性方法を含む、本明細書中で議論した試験方法(単数又は複数)は、消費者製品組成物及び構成成分を評価するために用いることができる。代表的な、製品カテゴリーの非限定的リストは、制汗剤、ベビィケア、コロン、商品(卸売り、工業的、及び商業マーケット類似品から消費者志向消費者製品までを包含する)、化粧品、デオドラント、食器洗い、女性保護、ヘアケア、ヘアカラー、ヘルスケア、家庭用洗剤、失禁ケア、洗濯、口腔ケア、紙製品、パーソナルクレンジング、使い捨て吸収性物品、ペットヘルス及び栄養学、医療用医薬品、プレステージ・フレグランス、スキンケア、スナック及び飲料、特別な布地ケア、剃毛並びにその他の育毛管理製品を包含する。例示的な製品の形態及びブランドが、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)のウェブサイト(www.pg.com及びそのサイト上に見出されるリンク先のサイトに記載されている。)及びその以上の前記試験方法が、上記に掲載されたようなもの以外の製品カテゴリーの一部である消費者製品の評価又は測定に対して有用であり得ると理解すべきである。
【0194】
洗濯カテゴリー内の代表的製品としては、浄化剤、漂白剤、コンディショナー、柔軟剤、静電気防止製品、及び液体リフレッシャーが挙げられる。口腔ケアカテゴリー内の代表的製品としては、歯磨剤、義歯接着剤、口部リンス、歯肉ケア製品、歯増白製品、及びその他の歯ケア製品が挙げられる。代表的ベビィケア製品としては、ふき取り用品、及び発泡浴室ハンドソープが挙げられる。代表的ヘルスケア製品としては、経口及び局所鎮痛剤、胃腸治療製品、呼吸及び咳/風邪製品、並びに水精製製品が挙げられる。代表的ヘアケア製品としては、シャンプー、コンディショナー(リンスオフ及びリーブイン形態を包含する)並びに整髪助剤が挙げられる。代表的家庭内ケア製品としては、スイーパー製品、床及び表面洗浄製品、ウッドフロア洗浄剤、抗菌フロア及び表面洗浄剤、布地及び空気リフレッシャー、並びに車両洗浄製品が挙げられる。スキンケア製品には、ボディソープ、洗顔クレンザー、ハンド・ローション、湿潤剤、コンディショナー、収斂剤、剥離製品、マイクロ皮膚剥離(microdermabrasion)及び剥離製品、皮膚再生製品、老化防止製品、マスク、紫外線保護剤、並びにふき取り用品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0195】
ポンプフォーム特性:フォーム寿命方法:
エアスプレイ・インターナショナル(Airspray International, Inc.)からのWR−F3シリーズ泡発生器などのフォーム生成ディスペンサーが取り付けられている容器に、製品を充填する。製品は、フォーム生成ディスペンサーを通して容器から小出しされる。
【0196】
得られたフォームの設置面積を測定し、おおよその体積は得られたフォームの高さを測定することで測定する。2分間待った後、測定を繰り返す。泡の体積変化は、50%未満でなければならず、好ましくは40%未満でなければならない。泡の体積変化が50%未満である場合、ポンプフォームは「良好」と考えられる。
【0197】
方法:ZPT付着試験方法
インビトロスクリーニング試験方法
本試験方法は、ヒト頭皮の代用として使用される、豚皮様皮膚表面上の異なった完全製品ふけ防止処方からの亜鉛ピリチオン(pyrithone)(ZPT)付着の比較を目的としている。対照処理は、1%ZPTを含有する現在販売されている処方である。2つのその他の処方を、試験に追加し、それに対して対照よりもより広い適用範囲で付着してよい任意の試験処方を決定する、一連の付着を提供した。4%ZPT処方は、より多量のZPTを同一シャーシ内に市販の対照として含有し、対照よりもはるかに多量に付着することが一貫して観察された。試験した処方は、通常のふけ防止シャンプーの半分のみの用量を使用して同一ZPTカバレッジを送達するように開発された。典型的な試験では、対照に対する付着及び高い付着の配合について、9個以下の別個の処方を評価できる。豚皮様皮膚基材を毛髪が無い状態に剃り、脂質をこすって均一な厚さにし、洗浄しかつ照射して、試験において微生物の干渉がないようにする。
【0198】
処理手順
豚皮様皮膚の100cm2の片を20℃で保存し、必要に応じて解凍する。1つの正方形の豚皮様皮膚を使い、4回抽出した。豚皮様皮膚を0.3mLのDAWN(登録商標)食器用洗剤で洗浄し、すすぎ洗いをして、空気乾燥させた。正方形の豚皮様皮膚をステンレス鋼プレート上に置き(油脂面をプレートと反対に)、2つの毛髪の房を皮膚の最上部にクリップで留める。皮膚の上に房を慎重に広げて、皮膚領域全体が毛髪で被われるようにする。計量シャワーヘッド器具から、水道水を4.92L/分(±0.757L/分)[1.3ガロン/分(±0.2ガロン/分)]、かつ37.8℃(36.1℃〜39.4℃)[100°F(±3°F)]で送達し、皮膚/毛髪は、シャワーヘッドの下約25.4cm(10インチ)に保持し、10秒間濡らす。通常処方の場合、ポジティブ・トランスファー・ピペットを使用して、毛髪及び豚皮様皮膚を横切るようにジグザグパターンにて、1.6mLの試験用製品を送達する。試験処方のために、0.8mLを同様に、送達させた。毛髪及び皮膚を30秒間泡立て、次に10秒間すすぐ。毛髪の房を除去し、ヘアドライヤーにて60秒間豚皮様皮膚を乾燥させる。
【0199】
抽出及び分析手順
毛髪の除去後、各試験処理をするための、2つの豚皮様皮膚サンプル各々の上の4カ所(3.14cm2)(全体で8カ所)から、0.5M EDTA/エタノールの80/20混合物で抽出する。抽出物のピリチオン含有量をHPLCにて分析する。8カ所の測定値の平均を記録する。スチューデントの独立両側T検定(90%信頼限界にて)を使用して、データを分析した。
【0200】
適切な付着助剤を選択することによって、ZPTを付着できるだけでなく、その他の有益剤を(across the across)約5ナノメートル〜約50マイクロメートルの範囲の粒径の有益剤にコントールすることができる。一実施形態では、付着助剤はカチオン性ポリマーである。
【0201】
非限定的な実施例
以下の実施例で示されるシャンプー組成物は、従来の配合及び混合方法により調製される。特に規定のない限り、例示した全ての量は重量パーセントで記載され、防腐剤、着色剤溶液、イメージ成分、植物等の微量物質は除外する。特に規定のない限り、全ての%は重量基準である。
【実施例】
【0202】
(実施例1)
下記処方は、等方性実現物質を含まず、界面活性剤は等方相として組成物中に存在しない。その結果、それらは溶解、安定性、及び起泡性能問題の組み合わせを示す。実施例A〜Cは、溶剤又はヒドロトロープを添加することなく、現在の界面活性剤原材料にて調製可能な処方を示す。二倍に濃縮されたコンディショニング及び浄化シャンプーの実施例は、最初の2つのカラムに示すように、水を蒸発させることから直接調製することはできなかったことに留意されたい。最初の2つのカラム内の処方は、水中にて希釈/溶解しないゲル相の界面活性剤を有する。
【0203】
【表4】

1防腐剤、pH制御剤及び水を含む。
【0204】
実施例A〜Cは、従来の処方アプローチを使用して作製した蒸発によって調製された高濃度配合物を示す。実施例Aは、高濃度SLSと共に調製された二倍濃縮配合物を示す。その、溶解性、安定性及びレオロジー特性は受け入れがたい。実施例Bは、高濃度SLE(3)S及びココベタイン共界面活性剤を備えた処方を示す。その起泡性能は貧弱である。実施例Cは、高濃度SLE(3)S及びCMEA共界面活性剤を備えた処方を示す。その起泡性能もまた貧弱である。
【0205】
(実施例2)
本実施例2は、溶剤及びヒドロトロープなどの添加剤を使用することにより、許容可能な安定性及びレオロジーを備えた処方を調製可能であることを示しているが、炭素含有量及び泡などの他の問題点が増える。溶剤又はヒドロトロープの添加と共に、エトキシル化非エトキシル化界面活性剤の比を変えることで、許容可能なレオロジー特性を生じることができるが、許容可能な気泡性を備えた処方は得られない。
【0206】
【表5】

1防腐剤、pH制御剤及び水を含む。
主要:コンディショニング−++=少なくとも2SD上;2+’S OK,しかし1プラスが限界
【0207】
(実施例3)
市販の等方性界面活性剤ペーストを使用して、記載された等方性実現物質を使用しない場合、下記処方は、現在の製品に対して、安定性及び気泡性の問題を有する。これらの実施例は、現在の界面活性剤原材料を用い、溶剤/ヒドロトロープを添加しないで調製可能な処方を表す。エトキシル化及び非エトキシル化アニオン性物質(anionics)の比の変化は、許容可能な気泡及び溶解特性を備えた処方を生じない。
【0208】
【表6】

1防腐剤、pH制御剤及び水を含む。
【0209】
(実施例4)
本発明の等方性実現物質を用いると、以下の高濃度処方は、現在印付けられている製品に類似したコンディショニングシャンプー対照と比較して、許容可能なレオロジー、安定性、及び気泡性を有する。これらの処方は、典型的な混合を使用して等方性ペーストから調製した。
【0210】
【表7】

1防腐剤、pH制御剤及び水を含む。
NM=測定されず
【0211】
実施例4A−等方性実現物質のより多くの例:本発明の等方性実現物質を用いると、下記処方のレオロジー、安定性、コンディショニング性、及び気泡性は、現在の製品と比較して許容可能なものとなる。それらは、従来の等方性ペーストを混合することにより調製される。類似の性能特性は、貧弱な気泡及びコンディショニング特性を有するネオドール(Neodol)67Sを除いて10%活性等方性実現物質にて観察することができる。
【0212】
【表8】

1防腐剤、pH制御剤及び水を含む。
【0213】
注意:追加のプロトタイプは、等方性実現物質(SLE(1)S及びネオドール(Neodol)67サルフェート以外(others than))を10%濃度レベルで用いて調製した。上記の5%濃度処方について記録されたものと同様の性能特性が観察された。
【0214】
(実施例5)
等方性実現物質を含有するふけ防止特定製品:
【0215】
【表9】

1防腐剤、pH制御剤及び水を含む。
【0216】
高濃度配合物は、気泡性能及びすすぎ洗い性能の両方を向上させる類似のふけ防止活性物質付着濃度を提供することに留意されたい。
【0217】
(実施例6)
これらの実施例は、三倍濃縮プロトタイプが、より高活性ペーストから調製することができ、かつ等方性界面活性剤混合物を36%以上にすることができることを示す。下記実施例は、気泡、コンディショニング、及びすすぎ洗いの利益が維持されていることを示す。
【0218】
【表10】

1防腐剤、pH制御剤及び水を含む。
【0219】
【表11】

1防腐剤、pH制御剤及び水を含む。
【0220】
(実施例7)
泡サイズ制御:重要なことであるが、処方が高濃度へ圧縮された場合、得られたのは、消費者が泡に対して悪い印象を受けるであろう、大きくて、空気の入った泡である。研究者らは、泡体積及びすすぎ洗い利点を維持しつつ、泡サイズを小さくする高濃度製品のための添加物を決定した。
【0221】
【表12】

1防腐剤、pH制御剤及び水を含む。
【0222】
実施例B〜Dは、セテアリルサルフェート及びネオドール(NEODOL)(登録商標)67サルフェートの両方が、消費者の感覚が向上したよりクリーミーな泡を生成する現在販売されている製品と同程度のレベルまで泡サイズを小さくするために使用することができることを示す。
【0223】
実施例8−二酸化炭素排出量削減
典型的な1倍の典型的なコンディショニングシャンプー処方を見ると、全組成物中の有機炭素のおおよその重量%を13.1%と計算できる。この計算において、主要成分のそれぞれにおける重量%炭素を決定し、合計する。処方中の全成分の総重量%は22%である。
【0224】
実施例4中のプロトタイプA(表4)は、2Xプロトタイプの炭素利用率の上限を示す。処方中の活性物質の総重量%は32.4%であり、有機炭素含有量は18.7%である。1/2レベル用量では、本プロトタイプの炭素利用率は、半分に削減されて9.4%となる。より効率的なプロトタイプの1つは、実施例4Aの実施例M(表5)に示されている。その総重量%活性物質は27.7%であり、その有機炭素含有量は15.5%である。したがって、1/2レベル用量で使用すると、タスク当たりのその炭素利用率は7.8%まで減少する。この同一分析は、3XプロトタイプD実施例6(表7)に適用することができる。その総重量%活性物質は、39.2%である。その有機炭素含有量は、20.0%である。1/3レベル用量では、6.7%の有機炭素利用率がもたらされた。
【0225】
実施例9−ポンプフォーマー実施例
望ましいフォームとして分配可能なコンディショニングシャンプーを製造するためには、プロトタイプ製品が、典型的なシャンプー及び本発明でのよりコンパクトな上記実施例と比較して非常に低粘度を有していなければならないため、使用される技術において選択的でなければならない。典型的な許容可能な範囲は、0.1Pa・s(100cps)未満の粘度を備えた液体であり、より好ましくは0.03〜0.06Pa・s(30cps〜60cps)である。
【0226】
等方性実現物質の(of of)幾つかは、高活性にて低粘度を有すると考えられるので、それらを、小粒子コンディショニング剤及び小粒子コンディショニング剤(例えば、100ナノメートル未満のサイズ)の付着を促進するカチオン性ポリマーと共に使用して、ポンプフォーマーから動作可能なコンディショニングシャンプーを処方することができる。表9の組成物は、単純に選択した成分を混合し、かつ組成物を所望のpHに調整することにより調製される。
【0227】
ポンプフォーマー実施例
【0228】
【表13】

【0229】
【表14】

1防腐剤、pH制御剤及び水を含む。
【0230】
【表15】

1防腐剤、pH制御剤及び水を含む。
NM=測定されず
【0231】
以下の実施例は、一般的に最高の起泡体積特性を提供する、「浄化シャンプー」処方である。評価は、高対照として典型的な浄化シャンプーを用いる房起泡試験方法に従って実施する。典型的なコンディショニングシャンプー処方は、コンディショニングシャンプーに特有の中域対照として使用される。生じた相対体積を、この対照に対してインデックス化される。これらの製品間の典型的な相違は、浄化シャンプーの起泡体積が30%大きいことである。
【0232】
【表16】

【0233】
【表17】

【0234】
本出願を通して、幾つかの略語が使用される。以下は、このような略語が意味するものについて主要なものである。
【0235】
略語の要点
ALS−アンモニウムラウリル硫酸塩
ALE(3)S−アンモニウムラウレス(3)硫酸塩
AM:TRI−Polyquat 76
SLS−ラウリル硫酸ナトリウム
SLE(1)S−ラウレス(1)硫酸ナトリウム
SLE(3)S−ラウレス(3)硫酸ナトリウム
SLS w/C10−20%デシル硫酸塩を含むラウリル硫酸ナトリウム
C11S−硫酸ウンデシル
C11E(1)−硫酸ウンデセス(1)
CAPB−ココアミドプロピルベタイン
CocoB−ココベタイン
CMEA−ココモノエタノールアミド
EGDS−エチレングリコールジステアレート
グアー−ヒドロキシプロピルトリモニウムグアー(カチオン性)
LP−シリコーン−大粒子(>20マイクロメートル)シリコーン
DC 1872又はミクロシリコーン1872−ダウ・コーニングシリコーンマイクロエマルション
PQ−10ポリクアット(Polyquat)−10
PS 1:2:1−C13〜C15スルホン酸パラフィン
NSKKbrC12−硫酸ヒドロキシエチル−2−ドデシルエーテルのナトリウム塩
SCS−クメンスルホン酸ナトリウム
ネオ(Neo)67S又はネオドール(Neodol)67サルフェート−直鎖及び分岐鎖のヘキサデシル及びヘプタデシルアルコールサルフェートの混合物
ネオドール(Neodol)1サルフェート−直鎖及び分岐鎖のヘキサデシル及びヘプタデシルの混合物であって、1分子当たりに平均1モルのエトキシル化がされているもの
ネオドール(Neodol)23サルフェート−直鎖及び分岐鎖のドデシル及びトリデシルアルコールのサルフェートの混合物
ライアル(Lial)23−直鎖及び分岐鎖のドデシル及びトリデシルアルコールサルフェートの混合物
ZPT−ジンクピリジンチオン
DADMAC−メルクァット(MERQUAT)100又はポリクオタニウム6
ピュアシン6−水素添加ポリデセン(例えば、エクソンモービル・ケミカル(ExxonMobile Chemical))
ピュアシン3E20−トリメチロールプロパントリカプリレート/トリカプレート(例えば、エクソンモービル・ケミカル(ExxonMobile Chemical))
【0236】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。むしろ特に断らない場合には、こうした寸法はそれぞれ示された値及びその値の周辺の機能的に等価な範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0237】
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは特許出願を含む、本明細書に引用される文献は全て、明白に除外さもなくば限定されている場合を除いて、本明細書中にその全容を援用するものである。いずれの文献の引用もこうした文献が本明細書中で開示又は権利請求される任意の発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のあらゆる参照文献との組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更には、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が参考として組み込まれた文書における同じ用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する範囲では、本文書においてその用語に付与された意味又は定義に従うものとする。
【0238】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.23重量%超の界面活性剤であって、当該界面活性剤が組成物中で等方相である界面活性剤、及び
b.0.05重量%超のコンディショニング剤
を含む高濃度パーソナルクレンジング組成物であって、
有機溶剤及びヒドロトロープを実質的に含まない当該組成物が、0.75超の発泡性インデックス、好ましくは0.75〜1.5の発泡性インデックスを有し、200秒未満の溶解度、好ましくは10秒〜200秒、より好ましくは100秒〜200秒の溶解度を有する、高濃度パーソナルクレンジング組成物。
【請求項2】
前記界面活性剤が、有効量の等方性実現物質、好ましくは、分岐及び非分岐のデシル及びウンデシルアルキルサルフェート類であって、エトキシル化又は非エトキシル化のいずれかであるもの;デシルアルコールで変性されたラウリルサルフェート;C13〜C17の範囲の鎖長を備えたパラフィンスルホネート類;C12〜C17の炭素鎖長を備えた直鎖及び分岐鎖アルコールサルフェートの混合物であって、エトキシル化又は非エトキシル化されたもの;分岐鎖の、メチル−2−ヒドロキシ−デシルエーテルサルフェート類、ヒドロキシエチル−2−ドデシルエーテルサルフェート類、ヒドロキシエチル−2−デシルエーテルサルフェート類のナトリウム塩;モノエトキシル化ラウリルアルキルサルフェート類;並びにこれらの混合物からなる群から選択されるものを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記コンディショニング剤が、シリコーン、油、カチオン性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、0.025mm2未満、好ましくは0.005mm2〜0.025m2、より好ましくは0.005mm2〜0.02mm2の泡サイズを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、
a.0.2〜8Pa・sのピーク値、
b.1.2秒にて0.8Pa・s未満の値、
c.2秒にて0.8Pa・s未満の値、
の瞬間的剪断力を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、
a.0.8〜8Pa・sのピーク値、
b.1.2秒にて0.05〜0.6Pa・sの値、
c.2秒にて0.05〜0.4Pa・sの値、
の瞬間的剪断力を有する、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記有機溶剤又はヒドロトロープが、アルコール、グリコール、エーテル、エーテルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
a.発泡に好適なポンプディスペンサー、
b.有機溶剤及びヒドロトロープを実質的に含まない高濃度パーソナルクレンジング組成物であって、ここで、当該組成物が0.75超の発泡性インデックス、200秒未満の溶解度を有し、かつ30重量%超の界面活性剤を含み、ここで当該界面活性剤が当該組成物中で等方相であり、かつ0.05重量%超のコンディショニング剤を含む、高濃度パーソナルクレンジング組成物
を含む製造物品。
【請求項9】
(a)20重量%のデカノールをラウリルアルコールへ添加して、混合物を形成する工程、
(b)前記混合物を流下薄膜サルフェーターに供給して、SO3ガスと混ぜ合わせて酸混合物を得る工程、
(c)前記酸混合物を十分な水が加えられた高せん断ミキサー内でNaOHにより中和し、38%活性界面活性剤濃度を得る工程、
を含む、デシルアルコール変性ラウリルサルフェートの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2011−523621(P2011−523621A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542723(P2010−542723)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【国際出願番号】PCT/IB2009/050162
【国際公開番号】WO2009/090617
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】