説明

高炉シャフト上部炉壁面の補修方法

【課題】高炉操業が不安定となる前に炉壁に大きな損傷が発生する前兆を検知することにより、簡単で短時間に操業上補修すべき部位を特定できる高炉シャフト上部炉壁面の補修方法を提供する。
【解決手段】高炉シャフト上部の炉壁近傍における炉内装入物の相対降下速度を周方向の複数点で測定し、該いずれかの測定点での相対降下速度が所定値を超えると高炉の操業不安定化をもたらすシャフト上部のマクロ的な炉壁損耗状態の前兆にあると判断すると共に、該所定値を超えている測定点の周囲に炉壁損傷部位が存在すると特定し、予定休風時に炉内装入物のレベルを低下させて該特定した炉壁損傷部位に補修材を吹き込んで補修する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製鉄用高炉におけるシャフト上部炉壁レンガ、ステーブの損耗状態を操業中に検知し、予定休風時に計画的に補修を行う高炉シャフト上部炉壁面の補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高炉の炉体上部をなすシャフト部の内張りレンガ、ステーブなどの炉壁は侵食されるため、炉壁侵食面を補修し、シャフト部の拡がりの円周バランスを維持することは、炉内装入物の降下挙動、ガス流れの円周バランスを維持することにつながり、高炉の安定操業上極めて重要である。
【0003】
すなわち、下方に向けて末広がりとなる円錐台形状に形成されているシャフト部の炉壁面が侵食されていると、シャフト部の周方向における炉壁面に部分的に侵食部分である凹部が発生し、シャフト部炉壁面の円周方向におけるバランスが一様でなくなり、炉内装入物の降下挙動、および円周方向における炉内装入物内を通過するガス流れのバランスに影響を及ぼす。
【0004】
そのため、高炉のシャフト上部を含む種々の炉壁面の補修方法が提案されている(特許文献1〜5)。
【0005】
特許文献1に記載の補修方法は、補修材のリバウンドロスによる送風立ち上げ時の通気性悪化を抑制する方法に関し、特許文献2に記載の補修方法は、補修による炉壁貫通孔の閉塞を防止する方法に関するものである。
【0006】
また、特許文献3〜5に記載の補修方法は、いずれも炉壁補修を効率的に行うための施行技術に関するものである。
【0007】
一方、高炉の炉体をなすシャフト上部の内張りレンガ,ステーブ等の炉壁面の損耗状態をマクロに検知することは、早期のシャフト上部補修を計画的に準備できるため、高炉の高生産安定操業を維持する上で重要である。
【0008】
そこで、シャフト上部における炉壁面の損耗状態をマクロに検知するために、耐火物の温度、侵食状況を監視する手法が提案されており、主として炉壁の残厚を計測する手法(特許文献6〜9)と、炉体冷却装置の損耗を超音波を用いて測定する手法(特許文献10)が提案されている。
【0009】
特許文献6〜9に記載の炉壁の残厚計測手法では、予め炉壁にセンサーを埋設しており、特許文献10に記載の測定手法ではステーブの取り付けボルト端部に超音波探触子を接触させている。
【0010】
また、レーザーレーダ技術を応用した3次元カメラシステム機能を有するセンサーを用いて炉壁プロフィールを測定することも提案されている(特許文献11)。
【特許文献1】特開2005−023392号公報
【特許文献2】特開2004−293951号公報
【特許文献3】特開平09−041010号公報
【特許文献4】特開平09−125115号公報
【特許文献5】特開平08−218107号公報
【特許文献6】特開昭57−151803号公報
【特許文献7】特開昭59−041783号公報
【特許文献8】特開昭59−096600号公報
【特許文献9】特開昭58−088106号公報
【特許文献10】特開昭61−264110号公報
【特許文献11】特開平10−237517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した特許文献1〜5に記載の高炉シャフト上部炉壁面の補修方法は、炉壁面が侵食し、大量の炉内ガスが急激に排出される吹き抜けが発生する場合、炉内装入物の降下が急激に進行するスリップが発生する場合、炉内装入物の降下が停止する棚吊りが発生する場合等に補修を行うようにしている。
【0012】
したがって、実際に高炉操業が不安定となった後における予定休風時に炉壁面の補修作業が行われることになるが、この場合に発生している侵食部分は大きいため、大掛かりな補修が必要となり、休風時間が長くなるおそれがある。このため、補修のための休風時には大幅な熱補償が必要となり、送風立ち上げ後の一定期間に生産性の大幅な低下をもたらす。同時に順調な操業の立ち上げの保証がなく、時には長期的な生産低下の可能性がある。
【0013】
また、補修すべき部位の特定が難しく、事前の減尺休風での損傷部位の特定が必要となる。
【0014】
このように、従来の高炉シャフト上部炉壁面の補修は、炉壁補修による送風立ち上げ時のトラブル回避あるいは炉壁損傷部位の補修効果および補修効率向上のいずれか一方しか解決することができない。
【0015】
また、高炉の炉体をなすシャフト上部の内張りレンガ,ステーブ等の炉壁面の損耗状態をマクロに検知することは、早期のシャフト上部補修を計画的に準備できるため、高炉の高生産安定操業を維持する上で重要である。
【0016】
しかし、上述した特許文献6〜10に記載の技術は、センサー配置箇所における炉壁の残厚を計測するものであるため、シャフト上部における内張りレンガ,ステーブ等の炉壁の局部的損耗状態に関する情報を入手でき、この情報は設備管理の観点から重要である。しかし、得られた情報は炉壁の残厚であり、高炉操業状態と直接的な相関がないため、この残厚値を以って直ちに高炉の操業状態への影響を評価することはできず、また、安定操業を継続するためにシャフト上部の補修が必要かどうかの判断をするシャフト上部のマクロ的な損耗状況に関する情報としては十分な情報とは言えない。
【0017】
すなわち、炉壁の残厚情報は、現在の内張りレンガやステーブの厚さを示し、例えば現状の残厚でも高炉操業に支障があるか否かの判断指標とはなり得るが、発生している炉壁の損耗を放置しておくと、大きな補修が将来的に必要となるという損耗状態の前兆を示すものとはなり得ない。
【0018】
また、特許文献11に記載の技術では、シャフト上部の炉壁プロフィールを測定できるが、この場合も炉壁プロフィールからは大きな補修が将来的に必要となるという損耗状態の前兆を示すものとはなり得ない。
【0019】
本発明はこのような従来の課題に鑑みなされたもので、高炉操業が不安定となる前に炉壁に大きな損傷が発生する前兆を検知することで、直後の予定休風時において簡単で短時間に操業上補修すべき部位の補修が行え、送風立ち上げ時のトラブルを回避でき、しかも高炉操業中に操業上補修すべき部位の特定を可能とすることで、炉壁面を効果的に補修できる高炉シャフト上部炉壁面の補修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
発明者らの高炉の模型などを用いた実験結果によれば、
(a)シャフト上部では、炉内装入物粒子はまだ流動しやすい固体状態であり、かつその形状が所定のシャフト角度を有する末広がりであるため、炉中心に比べて炉壁近傍の炉内装入物粒子の降下速度は速くなり易く、シャフト上部の炉壁面の損耗状態は、シャフト下部や炉腹部よりも、炉壁近傍での炉内装入物粒子の降下速度により大きな影響を及ぼすこと、
【0021】
(b)シャフト上部の内張りレンガやステーブ面等の炉壁面の損耗が進行すると、その近傍の装入物の空隙率が増加して高炉炉壁近傍のガス流が増大し、炉体熱負荷上昇、還元効率の低減、炉下部温度の低下等の高炉操業の不安定化が起きやすくなること、
を知見した。
【0022】
本発明は、これらの知見を踏まえ、高炉の模型実験などにより予めシャフト上部の炉壁近傍の炉内装入物の相対降下速度と炉壁損耗部表面のシャフト角度との関係(炉壁面評価特性)を求めておき、これを基に、高炉操業時に測定される前記炉内装入物の相対降下速度から現時点さらには将来の炉壁の損耗状態および炉壁損耗に起因するガス流偏流による炉体熱負荷上昇などの影響を踏まえた高炉操業状態の評価を行う技術思想を利用してシャフト上部のマクロ的な炉壁損耗状態の前兆と炉壁損傷部位の特定を行い、予定休風時に炉壁損傷部位の補修を行うようにした。
【0023】
本発明の発明の要旨とするところは以下の通りである。
【0024】
(1)高炉シャフト上部の炉壁近傍における炉内装入物の相対降下速度を円周方向の複数点で測定し、該いずれかの測定点での相対降下速度が所定値を超えると高炉の操業不安定化をもたらすシャフト上部のマクロ的な炉壁損耗状態の前兆にあると判断すると共に、該所定値を超えている測定点の周囲に炉壁損傷部位が存在すると特定し、予定休風時に炉内装入物のレベルを低下させて該特定した炉壁損傷部位に補修材を吹き込んで補修することを特徴とする高炉シャフト上部炉壁面の補修方法。
【0025】
(2)前記相対降下速度の変化と該高炉シャフト上部炉壁のシャフト角との関係を示す炉壁面評価特性に基づいて、高炉の操業不安定化をもたらすシャフト上部のマクロ的な炉壁損耗状態の前兆にあると判断することを特徴とする(2)の高炉シャフト上部炉壁面の補修方法。
【0026】
(3)前記相対降下速度は、炉壁近傍に複数配置したサウンジング装置により得られた降下速度を所要酸素量に基づいた炉頂での炉内装入物の計算降下速度で除した値であることを特徴とする(1)または(2)の高炉シャフト上部炉壁面の補修方法。
【0027】
(4)前記所定値の相対降下速度は1.15であることを特徴とする(1)から(3)のいずれかの高炉シャフト上部炉壁面の補修方法。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、高炉操業時のシャフト上部の炉壁近傍における炉内装入物の相対降下速度を測定するだけで、炉壁面評価特性に基づいて現時点さらには将来の高炉操業状態およびシャフト上部における内張りレンガ,ステーブ等の炉壁面状態を知ることができる。このため、従来技術では不可能であった高炉シャフト上部炉壁補修による送風立ち上げ時のトラブル回避、および炉壁損傷部の特定が同時に行えることにより炉壁損傷部の補修効果向上を果たすことができ、高炉の長期的な安定操業が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下本発明を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1は、シャフト上部炉壁のシャフト角と高炉シャフト上部の炉壁近傍における相対降下速度との関係を示す炉壁面評価特性図で、縦軸に相対降下速度、横軸にシャフト上部炉壁のシャフト角度を示す。図2は高炉シャフト上部の概略図で、高炉シャフト上部の炉壁近傍における炉内装入物の相対降下速度の測定方法、および高炉シャフト上部炉壁のシャフト角を示す図である。
【0031】
高炉シャフト上部の炉壁近傍における炉内装入物の相対降下速度は、以下のようにして測定することができる。
【0032】
通常の高炉の炉頂部には、鉄鉱石や焼結鉱などの鉄含有原料やコークスなどからなる炉内装入物の装入分布または降下速度を測定するために、マイクロ波式プロフィルメーターやサウンジング式計測装置が設けられている。本発明における炉内装入物の相対降下速度は、これらの装置が用いられるが、以下の説明では、サウンジング式計測装置を用いて測定する場合を説明する。
【0033】
図2において、シャフト部1の炉頂には、円周方向に4つのサウンジング式計測装置5、6、7、8を等間隔に設置し、各サウンジング式計測装置5〜8からは下端に錘が付いたワイヤーロープ5a、6a、7a、8aが巻き上げ可能に吊り下げられている。サウンジング式計測装置5〜8から吊り下げられたワイヤーロープ5a、6a、7a、8aは、下端の錘が炉内装入物堆積層の最上表面4に対し、炉壁近傍の測定点m1、m2、m3、m4に着床する。着床はワイヤーロープ5a、6a、7a、8aの張力の変化により検知し、このときのワイヤーロープ5a、6a、7a、8aの繰り出し長さに基づいて炉内装入物堆積層の最上表面4のレベルが得られる。そして、検知後にワイヤーロープ5a、6a、7a、8aを巻き上げる。そして、この動作を繰り返すことにより、各測定点m1、m2、m3、m4における炉内装入物の降下速度が求められる。
【0034】
本実施例では、炉壁近傍における4箇所の測定点m1、m2、m3、m4における炉内装入物の相対降下速度(炉内装入物の降下速度を炉内装入物の平均降下速度で除した値)を求めるために、炉内装入物の平均降下速度は、送風量の酸素量と還元比で決まる銑鉄トン当たりの所要酸素量から計算される銑鉄生成速度に基づいて推定した炉頂での計算降下速度としている。すなわち、炉内装入物の相対降下速度は、各測定点m1、m2、m3、m4での降下速度を所要酸素量に基づいた炉頂での計算降下速度で除した値としている。
【0035】
図1は、高炉三次元半裁模型実験により得られた高炉シャフト上部の炉壁表面のシャフト角度と炉壁近傍での相対降下速度との関係の一例を示す。
【0036】
なお、炉壁近傍の測定点m1〜m4の位置を相対半径0.95としている。
【0037】
高炉の実操業において、シャフト上部の内張りレンガ表面,ステーブ面等の炉壁面の侵食が進行すると、炉壁近傍の空隙率が増加して周辺部(炉内装入物堆積層の周辺部)のガス流が増大し、炉体熱負荷上昇等の操業の不安定化が起こることが知られている。
【0038】
シャフト上部では、炉内装入物粒子はまだ流動しやすい固体状態であり、かつその形状が所定のシャフト角度を有する末広がりであるため、炉中心に比べて炉壁近傍の炉内装入物粒子の降下速度は速くなり易く、シャフト上部の炉壁面の損耗状態は、シャフト下部や炉腹部よりも、炉壁近傍での炉内装入物粒子の降下速度により大きな影響を受ける。
【0039】
一般に高炉の火入れ立ち上げ時のシャフト上部における炉壁表面のシャフト角度(初期シャフト角度P0)は80〜83度に設定されており、この時の炉壁近傍の炉内装入物粒子の相対降下速度は1となり、炉中心の炉内装入物の降下速度と同速度である。上記模型実験による、図1の結果から、炉壁近傍の炉内装入物粒子の相対降下速度は、炉壁面の損耗時のシャフト角度(Pn)が初期シャフト角度(P0)よりも小さくなると相対降下速度が増加し、特にシャフト角度が73度より小さくなる条件で急激に増大する。
【0040】
これは、高炉シャフト上部の内張りレンガ表面、ステーブ面等の炉壁面の損耗の進行によるシャフト角度の低下に伴い、炉壁近傍への炉内装入物の降下速度が増大することを示唆している。つまり、高炉シャフト上部の炉壁表面のシャフト角度とその近傍での相対降下速度との関係を基に、高炉操業時のシャフト上部の炉壁近傍における炉内装入物の相対降下速度から、現時点での炉壁の損耗程度を検知するだけでなく、将来の炉壁の損耗状態を予測することができる。
【0041】
また、高炉シャフト上部の内張りレンガ表面、ステーブ面等の炉壁面の損耗により、炉壁損耗部近傍の炉内装入物の空隙率が増加するため、この領域(炉内装入物堆積層の周辺部)のガス流が相対的に増大する。ガス流の炉壁近傍での偏流は、炉体熱負荷上昇、還元効率の低減、炉下部温度の低下等の高炉操業の不安定化を引き起こす原因となる。
【0042】
したがって、高炉シャフト上部の炉壁表面のシャフト角度とその近傍での相対降下速度との関係を基に、高炉操業時のシャフト上部の炉壁近傍における炉内装入物の相対降下速度から、将来起こり得る炉壁の損耗部でのガス流の偏流による、炉体熱負荷上昇、還元効率の低減、炉下部温度の低下等の高炉操業の状態を予測することが可能となる。
【0043】
図1に示されるように、高炉操業時のシャフト部の炉壁面の近傍の炉内装入物の相対降下速度が1.15を超える場合には、炉壁の損耗によりシャフト角度が73度より小さくなり、炉壁損耗部近傍でのガス流の偏流が顕著になり、将来的に炉体熱負荷上昇、還元効率の低減、炉下部温度の低下等の高炉操業の不安定化を起こすことが予想される。
【0044】
したがって、炉壁近傍における炉内装入物の相対降下速度の変化から、シャフト上部の内張りレンガあるいはステーブの侵食の程度を予測することができる。
【0045】
シャフト角度が73程度では炉壁面の損耗が大きいとはいえないが、このシャフト角度に対応する相対降下速度1.15を超える場合には、シャフト上部のレンガ表面あるいはステーブ面等の炉壁面の侵食状態が炉壁近傍の周辺流が上昇する前兆を示すものと判断することができる。
【0046】
すなわち、炉壁近傍における相対降下速度が1.15超の場合に、操業不安定化をもたらすシャフト上部のマクロ的な炉壁損耗状態の前兆にあると判断する。
【0047】
本実施例において、サウンジング式計測装置5、6、7、8によりシャフト上部において炉内装入物堆積層の最上面4のレベルを周方向の4点でそれぞれ計測しており、この4箇所の測定点の中で1箇所でも相対降下速度1.15を超える場合には、その測定点の周辺に炉壁損傷部位が存在するものと判断することができる。勿論、複数の測定点における相対降下速度が1.15を超えれば、これらの測定点の周囲に炉壁損傷部位が存在するものと判断することができる。したがって、本実施例では測定点を4点としているがこれよりも多くすれば炉壁損傷部位の位置判定精度を高めることができる。また、炉壁損傷部位がシャフト1の周方向の半分のいずれかにあるかが判断できれば良いとする場合には直径線上の両端2点で測定しても良い。
【0048】
シャフト上部の炉壁面がマクロ的な炉壁損耗状態の前兆にあると判断でき、シャフト1の周方向において炉壁損傷部位の範囲が特定できると、直後の予定休風時にシャフト中部レベル(例えばストックラインレベルから10m前後)まで装入物レベルを低下させて休風を行う。そして、特定している炉壁損傷部位に不定形耐火物からなる補修材を吹き込んで補修を行う。
【0049】
この場合、炉壁損傷部位は小さいので小規模な補修で済、予定された休風時間内で効率的に短時間に補修が完了するため、その間従来法に比べて小幅な熱補償で済ますことができる。そのため、送風立ち上げ後の生産性の低下は小さく、操業の立ち上げも順調となる。そして、高炉の長期的な安定操業に寄与でき、また高生産安定操業を維持することが可能となり、さらには、還元材比も低下することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例を示すシャフト角度と炉壁近傍における相対降下速度との関係を示す炉壁面評価特性図。
【図2】高炉シャフト上部の概略図。
【符号の説明】
【0051】
1 シャフト部
2 立ち上げ時の内壁面
3 損耗した内壁面
4 炉内装入物堆積層の最上表面
5〜8 サウンジング式計測装置
5a、6a、7a、8a 錘付きワイヤーロープ
m1、m2、m3、m4 測定点







【特許請求の範囲】
【請求項1】
高炉シャフト上部の炉壁近傍における炉内装入物の相対降下速度を円周方向の複数点で測定し、該いずれかの測定点での相対降下速度が所定値を超えると高炉の操業不安定化をもたらすシャフト上部のマクロ的な炉壁損耗状態の前兆にあると判断すると共に、該所定値を超えている測定点の周囲に炉壁損傷部位が存在すると特定し、予定休風時に炉内装入物のレベルを低下させて該特定した炉壁損傷部位に補修材を吹き込んで補修することを特徴とする高炉シャフト上部炉壁面の補修方法。
【請求項2】
前記相対降下速度の変化と該高炉シャフト上部炉壁のシャフト角との関係を示す炉壁面評価特性に基づいて、高炉の操業不安定化をもたらすシャフト上部のマクロ的な炉壁損耗状態の前兆にあると判断することを特徴とする請求項1に記載の高炉シャフト上部炉壁面の補修方法。
【請求項3】
前記相対降下速度は、炉壁近傍に複数配置したサウンジング装置により得られた降下速度を所要酸素量に基づいた炉頂での炉内装入物の計算降下速度で除した値であることを特徴とする請求項1または2に記載の高炉シャフト上部炉壁面の補修方法。
【請求項4】
前記所定値の相対降下速度は1.15であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の高炉シャフト上部炉壁面の補修方法。




【図1】
image rotate

【図2】
image rotate