説明

高熱膨張率及び低熱伝導率を有する絶縁基板

【課題】高熱膨張率及び低熱伝導率を有する絶縁基板用絶縁材料、その製造方法及びその応用製品を提供する。
【解決手段】化学組成KAlSi2+x6+2x(0.5≦x≦1.8)を有するケイ酸アルミ焼結体からなる、熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料であって、相対密度が95%以上の緻密なケイ酸アルミニウムセラミックからなり、熱疲労による発電能力の低下が抑制された特性を有することを特徴とする熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料、その製造方法、絶縁基板及びその応用製品。
【効果】高熱膨張率及び低熱伝導率を有する絶縁基板を提供すると共に、該絶縁基板を用いた熱疲労に優れ出力特性の高い熱電素子を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケイ酸アルミニウム焼結体からなる絶縁材料、該絶縁材料の製造方法、該絶縁材料からなる熱電発電素子を構成する絶縁基板、及び該絶縁基板を有する熱電発電素子又はペルチェ素子に関するものである。本発明は、高熱膨張率及び低熱伝導率を有する熱電発電素子・ペルチェ素子用絶縁基板などを提供するものである。
【背景技術】
【0002】
熱電発電は、排熱などの熱源を用いて発電することが可能な技術であり、エネルギーの回収・再利用に有効な技術として注目されている。その動作には、熱源と冷却部との温度差が必須であるため、熱電素子は、熱源(高温側)と冷却部(低温側)の間に挿入されて利用される。
【0003】
基本的な熱電素子の構造は、1)温度差を電気エネルギーへと変換するp型の半導体とn型の半導体、2)それらを電気的に接続する電極、3)熱源又は冷却部への電気漏洩を防ぐ絶縁材料、の3つの部材で構成される。
【0004】
熱電素子の耐久性において問題となるのは、上記部材の接合部で発生する熱応力である。特に、絶縁材料と金属電極、金属電極と半導体、又は絶縁材料と半導体との熱膨張率の差により、大きな熱応力が発生する。この熱応力の発生により、上記部材の接合部の剥離や熱電材料の破壊が起こり、そのことが原因して、電気抵抗の上昇による素子の出力低下や、ひいては機能停止を引き起こすという問題がある。
【0005】
一般的には、前述の3つの部材の中で、絶縁材料が最も熱膨張率が低く、大きな熱応力を発生する原因となっている。これに対する方策として、従来、先行技術では、例えば、絶縁材料を利用しないスケルトン構造が提案されている(特許文献1)。また、応力緩和層を挿入することにより、熱疲労を防ぐ方法も提案されている(特許文献2)。
【0006】
一方、絶縁材料を適切に選択することが、本質的な解決につながると考えられ、また、それにより、熱電発電モジュール構造も単純な構造となるという特徴がある。そのような特性を示す材料として、例えば、リューサイトを含有したガラスセラミックスが提案されている(特許文献3−6)。また、熱膨張係数の大きいエンスタタイト系セラミックス、フォルステライト系セラミックス(特許文献7)も、比較的高い熱膨張率を示す絶縁材料として知られている。
【0007】
前述のように、熱電発電モジュールは、常に、熱電発電素子内で熱応力が発生し、それが原因した熱疲労による発電能力の低下が大きな課題となっている。そのため、例えば、熱膨張率が金属材料に近い絶縁材料を選定することが考えられるが、一方で、従来の金属材料に近い熱膨張率を有する材料は、ガラス成分が多いため、高温での利用が限定されるという課題があり、当技術分野では、このような課題を克服することを可能とする新しい絶縁材料の開発が強く要請されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−237146号公報
【特許文献2】特開2007−109942号公報
【特許文献3】特開2001−192262号公報
【特許文献4】米国特許第6090194号明細書
【特許文献5】米国特許第7091142号明細書
【特許文献6】米国特許第5622551号明細書
【特許文献7】特開2005−225739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、高い熱膨張率を有し、しかも、高温での利用が限定されることのない新しい絶縁材料を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、相対密度90%以上の緻密なケイ酸アルミ焼結体からなる絶縁材料を用いることにより所期の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、高熱膨張率及び低熱伝導率を有する絶縁基板を提供することを目的とするものである。また、本発明は、リューサイト結晶相の含有量を増加させた高熱膨張率、低熱伝導率の絶縁材料を提供することを目的とするものである。また、本発明は、酸化ケイ素により熱伝導率を調整可能な絶縁材料を提供することを目的とするものである。更に、本発明は、前記絶縁材料からなる絶縁基板、該絶縁基板を含む熱電発電素子、ペルチェ素子を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を達成するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)化学組成KAlSi2+x6+2x(0.5≦x≦1.8)を有するケイ酸アルミ焼結体からなる、熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料であって、
相対密度が95%以上の緻密なケイ酸アルミニウムセラミックからなり、熱疲労による発電能力の低下が抑制された特性を有することを特徴とする絶縁材料。
(2)絶縁材料の合成原料である炭酸カルシウム粉末、酸化ケイ素粉末、及び酸化アルミニウム粉末を、混合、乾燥、成形、熱処理し、これを粉砕して粉末とする工程を1回ないし複数回行い、化学組成KAlSi2+x6+2x(0.5≦x≦1.8)を有するケイ酸アルミニウム焼結体からなる絶縁材料を製造することを特徴とする熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料の製造方法。
(3)合成原料粉末の平均粒径を0超−1μmの範囲とする、前記(2)に記載の熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料の製造方法。
(4)合成原料における酸化ケイ素の添加量を0.5−1.8molの範囲とする、前記(2)又は(3)に記載の熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料の製造方法。
(5)合成原料における酸化ケイ素の過剰量を調整することにより、絶縁材料の熱膨張率を制御する、前記(2)から(4)のいずれかに記載の熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料の製造方法。
(6)合成原料における酸化ケイ素の過剰量を調整することにより、絶縁材料の熱伝導率を制御する、前記(2)から(5)のいずれかに記載の熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料の製造方法。
(7)熱処理を1000℃以上1200℃以下で複数回行い、リューサイト結晶相の含有量を増加させる、前記(2)から(6)に記載の熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料の製造方法。
(8)絶縁材料のケイ酸アルミ焼結体に発生したクラックを、少なくとも1200℃の高温で熱処理することにより除去する、前記(2)から(7)に記載の熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料の製造方法。
(9)前記(1)に記載の絶縁材料からなることを特徴とする、熱電発電素子を構成する絶縁基板。
(10)前記(9)に記載の絶縁基板と熱電発電素子を構成要素として含むことを特徴とする熱電発電素子又はペルチェ素子。
【0012】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、化学組成KAlSi2+x6+2x(0.5≦x≦1.8)を有するケイ酸アルミ焼結体からなる、熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料であって、相対密度が95%以上の緻密なケイ酸アルミニウムセラミックからなり、熱疲労による発電能力の低下が抑制された特性を有することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明は、絶縁材料の合成原料である炭酸カルシウム粉末、酸化ケイ素粉末、及び酸化アルミニウム粉末を、混合、乾燥、成形、熱処理し、これを粉砕して粉末とする工程を1回ないし複数回行い、化学組成KAlSi2+x6+2x(0.5≦x≦1.8)を有するケイ酸アルミニウム焼結体からなる絶縁材料を製造することを特徴とするものである。
【0014】
本発明の高熱膨張率を有する絶縁材料では、化学組成KAlSi2+x6+2x(0.5≦x≦1.8)を有する緻密なケイ酸アルミ焼結体で、酸化ケイ素の添加量を調整することにより、熱膨張率及び熱伝導率を制御することが可能である。
【0015】
本発明の絶縁材料は、その製造工程で、熱処理を複数回行うことが好ましい。また、本発明の絶縁材料は、材料内に発生したクラックを、1200℃以上の高温条件で熱処理することで、除去することが可能である。本発明の絶縁材料を用いた熱電発電素子及びペルチェ素子は、熱疲労と発電出力において、従来品と比べて優れた特性を示す。
【0016】
表1に、KAlSi2+x6+2xの酸化ケイ素量xと相対密度の関係について示す。酸化ケイ素を添加しない場合は、相対密度が低いが、過剰量の0.5mol以上添加することにより、相対密度95%以上の緻密なセラミックスが得られる。
【0017】
また、酸化ケイ素の添加量を過剰量の2.0mol以上添加すると、カリ長石(KAlSi)が析出し、また、990℃で液相が生成するため、高温での使用が制限される。したがって、酸化ケイ素の添加量は、0.5−1.8molの範囲が好適である。
【0018】
【表1】

【0019】
図1に、KAlSi2+x6+2xケイ酸アルミ焼結体の温度と熱膨張率の関係を示す。熱膨張率の変化は、いずれの場合も、正方晶から立方晶への相変態のため、顕著な温度依存性を示す。熱膨張率は、室温近傍では、酸化ケイ素のいずれの過剰量においても、20ppm/℃であり、その後、温度の上昇とともに増加し、ピークを示した後、急激に減少する。
【0020】
本発明により、この温度特性に与える酸化ケイ素の添加量の過剰量の影響を調査したところ、熱膨張率が、酸化ケイ素の添加量の過剰量に依存して変化し、過剰量に伴い、その温度特性が変化することが見出された。これは、過剰な酸化ケイ素により、相変態温度が低温に転移したことに起因する。この温度依存性の変化を利用することにより、絶縁材料の熱膨張率を調整することが可能となる。
【0021】
表2に、KAlSi2+x6+2xケイ酸アルミ焼結体の熱伝導率を示す。酸化ケイ素の添加量の過剰量に伴い、熱伝導率が低下する。したがって、絶縁材料を通過する熱流量を減少させたい場合は、酸化ケイ素の添加量の過剰量を多くし、熱流量を増加させたい場合には、酸化ケイ素の量を少なくすることが必要とされる。
【0022】
【表2】

【0023】
絶縁材料は、熱疲労を防ぐ一方で、温度差を制御するために、その熱伝導率も調整できることが望ましいが、本発明のKAlSi2+x6+2xケイ酸アルミ焼結体は、熱電素子における熱流量を、絶縁材料により制御することが可能となるという利点を有する。
【0024】
本発明の絶縁材料は、相対密度90%以上の緻密なセラミックスで、酸化ケイ素の添加量により熱膨張率は、10−70ppm/℃と広い範囲で調整可能であり、また、その値は、他のセラミックスが10ppm/℃以下であることと比較すると、非常に高い値である。本発明では、酸化ケイ素の添加量を0.5−1.8molの範囲で調整することにより、熱伝導率を0.8−1.1W/mKの範囲で調整することが可能である。
【0025】
熱処理を複数回行い合成することにより、KAlSi2+x6+2x結晶相で構成される原料を調整することができ、更に、原料粉末粒径を1μm以下とすることにより、90%以上の緻密な絶縁材料を得ることができる。更に、本発明の絶縁材料は、1200℃以上での熱処理を行うことにより、発生したクラックを除去することが可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)密度90%以上の緻密なセラミックスで、高熱膨張率及び低熱伝導率を有する絶縁基板を提供することができる。
(2)本発明の絶縁材料は、酸化ケイ素の添加量により、熱膨張率は10−70ppm/℃と広い範囲で調整可能であり、また、その値は、他のセラミックスが10ppm/℃以下であることと比較すると、非常に高い値である。
(3)酸化ケイ素の添加量を0.5−1.8molの範囲で調整することにより、熱伝導率を0.8−1.1W/mKの範囲で調整することができる。
(4)熱処理を複数回行い合成することにより、KAlSi2+x6+2x結晶相で構成される原料を調整することができ、更に、原料粉末粒径を1μm以下とすることにより、90%以上の緻密な絶縁材料を得ることができる。
(5)本発明の絶縁材料は、セラミックスであるため、機械加工中にクラックが入ることがあるが、1200℃以上での熱処理を行うことにより、発生したクラックを除去することが可能である。
(6)このクラックヒーリング効果は、酸化アルミニウムなどの一般の絶縁セラミックスには見られない、優れた特徴である。
(7)以上のような効果により、本発明の絶縁材料を利用した熱電素子は、熱疲労や出力特性に優れるという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】KAlSi2+x6+2xケイ酸アルミ焼結体の熱膨張率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0029】
本実施例では、本発明の絶縁材料の合成を行った。絶縁材料の合成原料として、炭酸カリウム(KCO)粉末、酸化ケイ素(SiO)粉末、酸化アルミニウム(Al)粉末を使用し、これらを、所定量秤量し、エタノール中でボールミルにより混合し、ロータリーエバポレーターにて乾燥した後、単軸プレスにて、ペレット形状に成形し、電気炉により、1000℃で、8h熱処理した。次に、これを冷却した後、ボールミルにより粉砕し、粉末にした後、先と同様に混合・乾燥・成形を行い、2回目の熱処理を、1100℃で、8hの条件で行い、絶縁材料を合成した。
【0030】
前述の熱処理を複数回行うことで、リューサイト結晶相の含有量が増加し、結晶相の含有量は98%以上に達した。合成中に、不純物相として、カルシライト(KAlSiO)が少量(2%以下)含まれるが、合成原料粉末における酸化ケイ素の添加量を過剰量に増加させることにより、不純物相の含有量は低下した。また、前述の2回目の熱処理を1200℃以上の高温条件にすると、焼結性が低下し、相対密度が90%に達しなかった。そこで、焼結性を確保しながら、結晶相の含有量を98%以上とするために、熱処理を、1200℃以下で、複数回行った。
【0031】
合成原料粉末を、微細に粉砕した後、プレスにより成形し、これを焼結することにより、緻密なセラミックス絶縁材料が得られた。合成原料粉末の平均粒径が0超から1μm以下の範囲の場合は、相対密度95%以上の絶縁材料が得られるが、平均粒径がそれよりも大きい場合は、密度が95%までは上昇せず、例えば、平均粒径が6μmの場合では、相対密度は75%であった。また、平均粒径1μm以下と比べて、平均粒径が大きい場合には、粗大な気孔が残留しやすい傾向とすることが分かった。そのため、緻密なセラミックスを得るには、合成粉末の平均粒径を0超〜1μmの範囲とすることが望ましいことが分かった。
【0032】
本発明の絶縁材料からなる絶縁基板については、ダイヤモンド砥石による研削加工により機械加工を行った。加工中に微小クラックが発生したが、加工後に、絶縁材料を1200℃で熱処理することにより、クラックを除去することができた。一方、1200℃以下の温度の熱処理では、クラックの除去効果は、顕著ではないことが分かった。そのため、絶縁基板の欠陥を除去するには、1200℃以上の高温条件での熱処理が必要、かつ有効であることが分かった。
【0033】
本発明の絶縁材料を、膜型熱電発電素子の作製に用いた場合、発電出力は、例えば、酸化アルミニウム基板の場合に比較して、約3倍、出力が増加することが分かった。また、例えば、酸化アルミニウム基板上に、熱電材料(ビスマステルル)の厚膜を成膜した場合、クラックが発生したが、本発明の絶縁材料に成膜した場合には、クラックの発生は認められなかった。クラックが存在する場合は、熱サイクル試験中にクラックが進展し、熱電素子の電気抵抗の増大が見られ、発電出力の低下が見られた。一方、クラックが存在しない場合には、熱サイクル試験中の電気抵抗の増大は、観察されなかった。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、高熱膨張率及び低熱伝導率を有する絶縁基板に係るものであり、本発明により、高熱膨張率及び低熱伝導率を有する絶縁基板を提供することができる。本発明の絶縁材料は、密度90%以上の緻密なセラミックスで、酸化ケイ素の添加量により熱膨張率は、10−70ppm/℃と広い範囲で調整可能であり、また、その値は、他のセラミックスが10ppm/℃以下であることと比較すると、非常に高い値である。酸化ケイ素の添加量を0.5−1.8molの範囲で調整することにより、熱伝導率を0.8−1.1W/mKの範囲で調整することが可能である。熱処理を複数回行い合成することにより、KAlSi2+x6+2x結晶相で構成される原料を調製することができ、更に、原料粉末粒径を1μm以下とすることにより、90%以上の緻密な絶縁材料を得ることができる。本発明の絶縁材料は、セラミックスであるため、機械加工中にクラックが入ることがあるが、1200℃以上での熱処理を行うことにより、発生したクラックを除去することが可能であり、このクラックヒーリング効果は、酸化アルミニウムなどの一般の絶縁セラミックスには見られない、優れた特徴である。本発明の絶縁材料を利用した熱電素子は、熱疲労や出力特性に優れるという特徴を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学組成KAlSi2+x6+2x(0.5≦x≦1.8)を有するケイ酸アルミ焼結体からなる、熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料であって、
相対密度が95%以上の緻密なケイ酸アルミニウムセラミックからなり、熱疲労による発電能力の低下が抑制された特性を有することを特徴とする絶縁材料。
【請求項2】
絶縁材料の合成原料である炭酸カルシウム粉末、酸化ケイ素粉末、及び酸化アルミニウム粉末を、混合、乾燥、成形、熱処理し、これを粉砕して粉末とする工程を1回ないし複数回行い、化学組成KAlSi2+x6+2x(0.5≦x≦1.8)を有するケイ酸アルミニウム焼結体からなる絶縁材料を製造することを特徴とする熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料の製造方法。
【請求項3】
合成原料粉末の平均粒径を0超−1μmの範囲とする、請求項2に記載の熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料の製造方法。
【請求項4】
合成原料における酸化ケイ素の添加量を0.5−1.8molの範囲とする、請求項2又は3に記載の熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料の製造方法。
【請求項5】
合成原料における酸化ケイ素の過剰量を調整することにより、絶縁材料の熱膨張率を制御する、請求項2から4のいずれかに記載の熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料の製造方法。
【請求項6】
合成原料における酸化ケイ素の過剰量を調整することにより、絶縁材料の熱伝導率を制御する、請求項2から5のいずれかに記載の熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料の製造方法。
【請求項7】
熱処理を1000℃以上1200℃以下で複数回行い、リューサイト結晶相の含有量を増加させる、請求項2から6に記載の熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料の製造方法。
【請求項8】
絶縁材料のケイ酸アルミ焼結体に発生したクラックを、少なくとも1200℃の高温で熱処理することにより除去する、請求項2から7に記載の熱電発電素子を構成する絶縁基板用絶縁材料の製造方法。
【請求項9】
請求項1に記載の絶縁材料からなることを特徴とする、熱電発電素子を構成する絶縁基板。
【請求項10】
請求項9に記載の絶縁基板と熱電発電素子を構成要素として含むことを特徴とする熱電発電素子又はペルチェ素子。

【図1】
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【公開番号】特開2010−189236(P2010−189236A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37194(P2009−37194)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000191009)新東工業株式会社 (474)
【出願人】(300068834)新東ブイセラックス株式会社 (8)
【Fターム(参考)】