高質量流開口を有する空気吹付け式オーブン
コンベヤ上でオーブンを通過する食品を加熱又は調理するためのオーブンにおいて使用されることができる空気分配ダクト。空気分配ダクトは、カバー板と、少なくとも1つの分配板とを有しており、カバー板と分配板とには複数の開口が設けあれている。開口は、従来技術のものよりも大きく、これは有利には、直観に反して、食品のより迅速な調理を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の概要
本発明は、ジェット空気流吹付け式オーブンに関する。特に、本明細書の開示は、食料品に空気の高質量流を提供するためのより大きな開口を有するジェット吹付け式オーブンに関する。
【0002】
関連技術の説明
インピンジメントオーブン(ジェット空気吹付け式オーブン)は主に、ピザ等の食品の急速調理、皿に盛られた料理、下ごしらえされた食品、クッキー、プロテイン食品等の仕上げ加熱のために、迅速提供レストランにおいて使用されている。
【0003】
このようなオーブンでは、調理される食品の表面に直接に加熱空気のジェットが吹き付けられる。オーブン内の全てのジェットは通常、同じ直径を有する。オーブンは通常、ジェットひいては食品に加熱空気を供給及び分配するための空気処理システムと、食品が実際に調理される加熱空間とを有する。
【0004】
食品は通常、オーブンごとに1つ又は2つ以上のコンベヤによって加熱空間に搬入及び通過させられる。これらのコンベヤは全て共通の垂直平面に配置されるか、又は複数の垂直平面に配置されることができる。
【0005】
加熱空気ジェットは、空気ジェットが食品の上面及び下面に直接に衝突するように食品に提供される。エネルギー源と、空気移動供給源とが、空気をダクトに供給する。ダクトは、複数の開口を含む複数の板を有する。空気ジェットは、これらの開口を流過する空気によって形成される。しばしば分配板(columnating plate)と呼ばれる板は、食品に集中される又は方向付けられる列にジェットを形成する。
【0006】
調理分野において、調理及び提供時間の短縮の要求はますます高まっているので、吹付けエネルギの提供を改良し、慣用の吹付け式加熱機器よりも短い時間で作動し、これにより、食品が調理されることができる速度を高めることが必要である。
【0007】
さらに、インピンジメントオーブンによって占められる床面積の大きさは、商用の調理場においては懸念材料であるので、同じ床面積の大きさでより大量の食品を処理し、これにより、オーブン内の有効調理領域を最適化することが重要である。
【0008】
慣用の吹付けジェットは、9.525mm〜11.1125mmの開口寸法を用いて、調理される食品から約76.2mm〜101.6mmだけ離れて作動することができる。オーブンの出力及び効率を高めるために以前考えられていた1つの方法は、できるだけ食品温度とオーブン温度との温度差が大きい状態で加熱プロセスを行うことであり、これは熱伝導を加速させる。しかしながら、この方法では、食品までの距離が76.2mm〜101.6mmというより小さな開口は、食品表面の過熱を極めて迅速に生じる。これは、開口ごとの接触領域の小さな直径を介して伝達される熱の速度による。より小さな開口を通過する空気は、高速で食品表面に到達し、表面の水分を急速に損失させ、製品を過剰に調理し、ひいては食品の望ましくない表面の色を生じ、食品を焦がす。
【0009】
したがって、従来のシステムの問題に対処する、吹付け空気ジェットのための新たな設計が必要とされている。
【0010】
発明の概要
本発明は、従来の吹付け式オーブンシステムの開口よりも大きな開口を有する分配板及びカバー板を含む空気分配ダクトを有する空気吹付け式オーブンを提供する。本発明は、より大きな開口が調理される食品の質を維持又は改良しながら、従来のシステムよりも著しく改良された調理結果及びオーブン効率を提供する。空気分配ダクトの開口は、カバー及び分配板において様々な形状及び構成を成すことができる。空気分配ダクトから食品への熱伝導率は、開口の向き及び寸法を調整することによって変更されることができる。
【0011】
1つの実施形態において、本発明は、空気分配ダクトを提供する。空気分配ダクトは、カバー板と、少なくとも1つの分配板とを有する。カバー板及び分配板はそれぞれ、複数の開口を有しており、これらの開口は実質的に円形であり、約12.7mm〜約50.8mmの直径を有する。
【0012】
第2の実施形態において、本発明は、食品を調理又は加熱するためのオーブンを提供する。オーブンは、複数の空気分配ダクトと、コンベヤとを有する。食品は、オーブン内でコンベヤ上に配置される。空気分配ダクトは、カバー板と、少なくとも1つの分配板とを有する。カバー板及び分配板はそれぞれ、複数の開口を有しており、これらの開口は、約12.7mm〜約50.8mmの直径を有する円の面積と同等の面積を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による、食品を調理するために使用されるオーブンの概略図である。
【図2】本発明のインピンジメントダクトの斜視図である。
【図3】図2のインピンジメントの正面断面図である。
【図4】図2のインピンジメントダクトの側方断面図である。
【図5】本発明の、分配板及びカバー板の上面図である。
【図6】本発明の、大きな開口の空気流プロフィルの概略図である。
【図7】従来のオーブンの小さな開口の空気流プロフィルの概略図である。
【図8】本発明の、分配板及びカバー板における開口の下面図である。
【図9】本発明のオーブンの概略図である。
【図10】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図11】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図12】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図13】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図14】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図15】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図16】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図17】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図18】従来のオーブンの小さな開口と本発明の大きな開口とを使用した、本発明のオーブンの周囲のデシベル読取りを示すグラフである。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、調理用オーブンのための従来技術のものよりも大きな開口を備える空気ジェット吹付けダクトを提供し、加熱空気のジェット配列を提供する。本発明の空気分配ダクトは、ハウジングと、カバー板と、少なくとも1つの分配板とを有する。カバー板及び分配板に亘って配置された複数の開口が設けられている。本発明の開口は、円形であり、約12.7mm〜約50.8mmの直径を有することができる。開口は、約15.875mm〜約22.225mmの直径を有することもできる。開口は、あらゆる形状であってよく、上述の円形の開口と同等の面積を有することができる。開口は、12.7mm〜152.4mmの間隔を置いて配置されていることができ、半径方向又は線形のパターンで配置されていることができる。開口から、加熱される食品までの間隔は、約50.8mm〜約203.2mmであることができる。
【0015】
同じ温度差で、本発明のより大きな開口を使用する予期しない効果は、食品の表面が、対流及び/又は伝導によって、表面上へ及び表面を通過して、著しくより多くの熱エネルギを受け取ることができるということである。本発明の高質量流開口は、熱を食品の中心まで到達させ、低温の水分を、従来のより小さな開口よりも、15%〜40%速く外方へ食品表面まで混合させる。より大きな高質量流ジェットは、水分が表面に達するよりも速く表面における水分を除去することがないので、食品の表面を乾燥させることなく、著しく迅速に中心まで食品を加熱することができる。大きな開口は、高質量流を備えた空気の減じられた速度の分配空気の配列において直接的な大量の熱伝導を提供するが、食品との集束した接触領域を依然として維持している。
【0016】
より小さな空気ジェットを備えた従来のインピンジメントオーブンは、同じ設定時間内で、高密度の食品と、より薄い、より低密度の食品とを調理することができないという制限もあった。これに対して、本発明は、従来のより小さな空気ジェットを備えたインピンジメントオーブンよりも、広範囲の食品厚さ及び密度を焼くことができる。
【0017】
さらに、本発明の高質量流開口の使用は、食品を適切に加熱するためにオーブンによって必要とされるエネルギを低減する。なぜならば、従来のより小さな空気ジェットよりも、食品を適切に加熱するために必要な時間がより短いからである。さらに、食品を保持する器具が均一かつより迅速に加熱され、これにより、より良好な食品を提供する。
【0018】
本発明の別の予期しない結果は、本発明の物理的特性により、より大きな熱伝導がより低い騒音レベルにおいて生じるということである。過去には、より大きな熱伝導率を提供するために、より大きな容積の空気が、従来の寸法の開口を通過させられなければならず、このことは極めて大きな騒音レベルを生じていた。本発明の吹付けジェットは、運転システムのための騒音レベルを増大させることなく、記載された調理及び加熱方法のための質量流を増加させる。事実、実験データは、質量流をさらに増大させながら騒音を低減することを示しており、増大した生産性及び品質を提供する。
【0019】
本発明の開口は、あらゆる配置形式でカバーに配置されていることができ、1つ又は2つ以上の開口形状を含むことができる。1つの実施形態において、開口は、空気分配ダクトの長手方向軸線に対して平行な線上に配置されている。開口は、1つの空気分配ダクト内において様々な直径を有することもできる。例えば、1つの空気分配ダクト内において、開口は、本発明のより大きな寸法を有することができるか、又はより従来の、より小さな寸法を有することができる。
【0020】
空気分配ダクト内の平行な垂直平面に配置された、空気分配ダクトごとの多数の分配板が設けられることもでき、空気ジェットの形状又は配列を調整及び変更するために使用されることができる。本発明の空気分配ダクトにおいて1〜4つの分配板が設けられていることができる。分配板の間隔は、12.7mm〜50.8mmであることができ、円形の開口の直径と等しい寸法だけ間隔を置かれていることができる。例えば、12.7mmの直径を有する開口の場合、分配板は12.7mmだけ間隔を置かれているべきであり、25.4mmの直径の開口の場合、25.4mmの間隔が置かれているべきである。
【0021】
本発明のカバー板と、分配板との間の間隔は、使用される開口の直径の約2倍〜約5倍であることができる。1つの実施形態において、カバー板と分配板との間の間隔は、約25.4mm〜約44.45mmである。
【0022】
本発明の開口及び分配板は、オーブン内に配置された吹付け空気分配ダクトにおいて使用されることができる。オーブン内の空気分配ダクトの複数の向きが提供されることができる。例えば、図1に示されているように、オーブンの実施形態が示されている。オーブン10は、キャビネット20と、コンベヤ30と、複数の上部空気分配ダクト40と、複数の下部空気分配ダクト50とを有している。図示された実施形態において、8個の上部空気分配ダクト40と、8個の下部空気分配ダクト50とが設けられている。しかしながら、本発明は、上部空気分配ダクト及び下部空気分配ダクトの異なる構成の使用を考慮している。つまり、オーブン10の作動中、食品は、上部空気分配ダクト40と下部空気分配ダクト50との間をコンベヤ30によって搬送され、ここで食品は、ダクトから出る空気によって加熱される。
【0023】
図2〜図5を参照すると、本発明の高質量流開口を有する吹付けダクトが示されている。吹付けダクト110は、ハウジング120と、カバー板130と、2つの分配板140とを有している。カバー板130及び分配板140は、複数の開口を有している。ハウジング120は、開口125と、選択的に複数の空気ダムと、ダクト110における空気の均一な分配を促進するために配置された空気ガイド127とを有している。すなわち、オーブン10等のオーブンの作動中、空気は開口125を通ってダクト110に進入し、ハウジング120内に分散される。次いで、空気は、分配された空気ジェットにおいてダクト110から出る前に、分配板140及びカバー板130を通過する。示された実施形態において、2つの分配板140が設けられている。しかしながら、前述のように、本発明は、1〜4個の分配板の使用を想定している。特に図5を参照すると、開口の実施形態が示されている。この実施形態において、カバー板130及び分配板140の両方に、開口の3つの列が設けられている。分配板140における開口は、円形であり、3つの列に配列されている。カバー板130における開口も3列に配置されている。外側の列は、円形の開口を有しており、中間の列は、十字形の開口を有している。しかしながら、前述のように、本発明は、カバー板130及び分配板140における開口のための多数の向き及び形状を想定している。このような形状は、矩形、正方形、菱形、多角形、又はこのような目的に適したあらゆるその他の形状を含むことができるが、これらに限定されない。前述のように、これらの形状は、開示された直径を有する円形の開口と等しい面積を有することができる。さらに、分配板及びカバー板における開口は、様々な寸法を有することができる。さらに、示された実施形態において、カバー板130及び分配板140には22個の開口が設けられている。しかしながら、本発明は、より少ない又はより多くの開口の使用を想定している。
【0024】
図6及び図7を参照すると、本発明及び従来技術の開口から出る空気のプロフィルが示されている。特に図6を参照すると、本発明の分配された空気ジェットが、平らな面に衝突して示されている。空気流を表す線によってこの図に示されているように、より大きな開口は、全体的により低速で移動しながら、加熱される表面とのより良好な接触を提供する空気ジェットを提供する。これに対して、従来技術の空気ジェットの空気流の図である図7において、空気流は、加熱される食品の表面における停滞領域が存在し、この停滞領域において空気が直接に食品へ流れないようになっている。したがって、食品は、より非効率的に加熱され、望ましくない結果を生ぜしめる。
【0025】
図8に示されているように、分配板140における開口は、カバー板130における対応する開口よりも小さくてもよい。この関係は、より広いジェットと、食品とのより大きな接触面積とを生ぜしめるのを助ける。分配板の開口の直径と、カバー板の開口の直径との比は、4:5〜4:16であることができ、好適には5:7である。本発明は、カバー板における開口と同じか又はより大きな分配板の開口も想定している。分配板の開口がカバー板の開口よりも大きい場合、分配板の開口は、カバー板の開口と、5:4〜16:4の比の直径を有しており、好適には7:5の比を有している。
【0026】
本発明は、吹付けジェットの熱伝導率がオーブン内で変化しているオーブンにおいて、前述のより大きな開口を使用することも想定している。この実施形態において、食品に伝導される熱は、単位時間ごとにエネルギを受け取るための食品の能力に適合するために、段階を追って提供されることができる。言い換えれば、オーブン(例えば上述のオーブン10)における空気分配ダクトの熱伝導率は、オーブン内のコンベヤに沿った様々な箇所においてより高い又はより低い熱伝導を提供するように変化させられることができる。このような構成が図9に示されている。この実施形態において、空気分配ダクトは、食品への熱伝導率を変化させるために、部分的に又は完全に遮断されていることができる。コンベヤの上方及び下方に配置された12個の空気分配ダクトを有する、複数の結合された調理室(図示の実施形態においては3つの調理室)から成る図9に示された実施形態において、オーブンシステムの上部における第3の空気分配ダクトは、80%の能力で作動している。上部における第6及び第7のダクトは、40%の能力で作動しており、上部における第11の空気分配ダクトは、完全に閉鎖されている。コンベヤの下方における空気分配ダクトは全て、完全な能力で作動している(しかしながら、必要であれば部分的に又は完全に閉鎖されていてもよい)。この実施形態の空気分配ダクトは、図示された特定の構成とは異なるあらゆる数の様々な能力を有することができる。空気分配ダクトのカバー板は、所望の能力を達成するために機械的な構造体で被覆されることもできる。
【0027】
つまり、本発明の予期しない結果は、より大きな開口を使用することが、食品をより効率的に調理することを助ける、ということである。これは、開口寸法と調理能力との一般的に理解されている関係の逆転である。その結果、食品の表面を焦がすことなく、より高い温度が開口と共に使用されることができる。さらに、空気分配ダクトから出る質量流は高いが、食品の表面が妨害されないように速度が十分に低い。本発明の開口は、従来のオーブンよりもオーブンの加熱効率を40%まで増大することができ、このことは、同じ能力を維持するためにオーブンによって占められる床面積の大きさを40%減じることができる。
【0028】
標準的な寸法の開口と、本発明のより大きな開口とを有するオーブンを使用して調理された食品の例が、図10〜図17に示されている。例えば、図10〜図13に示された食品は、248.89℃で、7分間調理され、使用されたオーブンは、11.11mmの直径の90個の開口からの吹付けジェットを有していた。これらの食品は、許容可能であるが、最大限の許容可能な色において、外皮及びトッピングを有する。これに対して、図14〜図17に示された食品は、260℃において5.5分間、又は271.11℃において4.5分間、焼かれた。このオーブンの吹付けジェットは、22.23mmの直径の22個の開口を有していた。これらの食品の外皮及びトッピングは、許容可能な範囲の中間の色である。つまり、本発明の開口を使用して調理された食品は好適である。
【0029】
本発明の開口によって提供される別の利点は、図18に示されている。図示のように、本発明の開口を使用するオーブン(図において"FastBake"と示されている)は、標準的な開口を使用するオーブンよりも、オーブンの周囲の様々な箇所において、著しくより低い騒音読取りを有する。これは、オーブンが使用される用途において極めて有利であることができる。
【0030】
本発明の開口及び空気分配ダクトは、空気ジェットに空気を供給するためのあらゆる数の空気源と共に使用されることができる。これらの空気源は、軸流ファン、遠心流ファン、可変速度ファン、固定速度又は可変速度を有する複数ファン、吹付けダクトに空気を供給することができるあらゆる流れ手段、又はこのような使用のための空気を提供するあらゆるその他の適切な方法を含むが、これらに限定されない。熱を提供するために使用されるエネルギ源は、変調エネルギ源及び加熱制御、ブラストバーナ、棒バーナ、パワー棒バーナ、電気的熱源、パワーセラミックバーナ、又は熱交換器を備えたバーナ、又はその他の適切な燃焼又は電源を備えたバーナであることができるが、これらに限定されない。さらに、択一的でかつ補助的なエネルギ源、例えば、管状ヒータを備えた赤外線エネルギ、反射式板形放熱器を備えた赤外線エネルギ、開口エネルギを高めるための飽和蒸気エネルギ、開口エネルギを高めるための過飽和蒸気エネルギ、開口エネルギと組み合わされた湿気、開口エネルギ空間内に噴射された湿気、開口エネルギを高めるための低周波マイクロ波エネルギ、及び開口エネルギを高めるための高周波マイクロ波エネルギが、使用されることができるが、これらに限定されない。本発明のオーブンは、エネルギ損失を低減するために、閉鎖可能な入口及び出口、又はオーブンの入口及び出口に配置された能動的エアカーテンを有することもできる。
【0031】
本発明の開口は、所望の調理効果に応じて、食品に対して垂直であるか、又は食品に対して角度を成して配置されていることができる。好適な角度範囲は、垂直方向に対して0゜〜45゜である。オーブンは、1つ又は2つ以上のコンベヤを有することもでき、このコンベヤは、走行中に空気ジェットに対してより高い位置又はより低い位置において食品を移動させるように構成されている。オーブンコンベヤ表面は、食品又は食品が調理される器具への最適な熱伝導を促進するために、ピッチ間隔を有することもできる。
【0032】
好適な形態を特に参照することによって説明された本発明は、請求の範囲に記載の発明の精神及び範囲から逸脱することなく、前記好適な形態に対して様々な変更が行われることができることが明らかになるであろう。
【符号の説明】
【0033】
10 オーブン、 20 キャビネット、 30 コンベヤ、 40 上部空気分配ダクト、 50 下部空気分配ダクト、 110 吹付けダクト、 120 ハウジング、 125 開口、 127 空気ガイド、 130 カバー板、 140 分配板
【技術分野】
【0001】
発明の概要
本発明は、ジェット空気流吹付け式オーブンに関する。特に、本明細書の開示は、食料品に空気の高質量流を提供するためのより大きな開口を有するジェット吹付け式オーブンに関する。
【0002】
関連技術の説明
インピンジメントオーブン(ジェット空気吹付け式オーブン)は主に、ピザ等の食品の急速調理、皿に盛られた料理、下ごしらえされた食品、クッキー、プロテイン食品等の仕上げ加熱のために、迅速提供レストランにおいて使用されている。
【0003】
このようなオーブンでは、調理される食品の表面に直接に加熱空気のジェットが吹き付けられる。オーブン内の全てのジェットは通常、同じ直径を有する。オーブンは通常、ジェットひいては食品に加熱空気を供給及び分配するための空気処理システムと、食品が実際に調理される加熱空間とを有する。
【0004】
食品は通常、オーブンごとに1つ又は2つ以上のコンベヤによって加熱空間に搬入及び通過させられる。これらのコンベヤは全て共通の垂直平面に配置されるか、又は複数の垂直平面に配置されることができる。
【0005】
加熱空気ジェットは、空気ジェットが食品の上面及び下面に直接に衝突するように食品に提供される。エネルギー源と、空気移動供給源とが、空気をダクトに供給する。ダクトは、複数の開口を含む複数の板を有する。空気ジェットは、これらの開口を流過する空気によって形成される。しばしば分配板(columnating plate)と呼ばれる板は、食品に集中される又は方向付けられる列にジェットを形成する。
【0006】
調理分野において、調理及び提供時間の短縮の要求はますます高まっているので、吹付けエネルギの提供を改良し、慣用の吹付け式加熱機器よりも短い時間で作動し、これにより、食品が調理されることができる速度を高めることが必要である。
【0007】
さらに、インピンジメントオーブンによって占められる床面積の大きさは、商用の調理場においては懸念材料であるので、同じ床面積の大きさでより大量の食品を処理し、これにより、オーブン内の有効調理領域を最適化することが重要である。
【0008】
慣用の吹付けジェットは、9.525mm〜11.1125mmの開口寸法を用いて、調理される食品から約76.2mm〜101.6mmだけ離れて作動することができる。オーブンの出力及び効率を高めるために以前考えられていた1つの方法は、できるだけ食品温度とオーブン温度との温度差が大きい状態で加熱プロセスを行うことであり、これは熱伝導を加速させる。しかしながら、この方法では、食品までの距離が76.2mm〜101.6mmというより小さな開口は、食品表面の過熱を極めて迅速に生じる。これは、開口ごとの接触領域の小さな直径を介して伝達される熱の速度による。より小さな開口を通過する空気は、高速で食品表面に到達し、表面の水分を急速に損失させ、製品を過剰に調理し、ひいては食品の望ましくない表面の色を生じ、食品を焦がす。
【0009】
したがって、従来のシステムの問題に対処する、吹付け空気ジェットのための新たな設計が必要とされている。
【0010】
発明の概要
本発明は、従来の吹付け式オーブンシステムの開口よりも大きな開口を有する分配板及びカバー板を含む空気分配ダクトを有する空気吹付け式オーブンを提供する。本発明は、より大きな開口が調理される食品の質を維持又は改良しながら、従来のシステムよりも著しく改良された調理結果及びオーブン効率を提供する。空気分配ダクトの開口は、カバー及び分配板において様々な形状及び構成を成すことができる。空気分配ダクトから食品への熱伝導率は、開口の向き及び寸法を調整することによって変更されることができる。
【0011】
1つの実施形態において、本発明は、空気分配ダクトを提供する。空気分配ダクトは、カバー板と、少なくとも1つの分配板とを有する。カバー板及び分配板はそれぞれ、複数の開口を有しており、これらの開口は実質的に円形であり、約12.7mm〜約50.8mmの直径を有する。
【0012】
第2の実施形態において、本発明は、食品を調理又は加熱するためのオーブンを提供する。オーブンは、複数の空気分配ダクトと、コンベヤとを有する。食品は、オーブン内でコンベヤ上に配置される。空気分配ダクトは、カバー板と、少なくとも1つの分配板とを有する。カバー板及び分配板はそれぞれ、複数の開口を有しており、これらの開口は、約12.7mm〜約50.8mmの直径を有する円の面積と同等の面積を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による、食品を調理するために使用されるオーブンの概略図である。
【図2】本発明のインピンジメントダクトの斜視図である。
【図3】図2のインピンジメントの正面断面図である。
【図4】図2のインピンジメントダクトの側方断面図である。
【図5】本発明の、分配板及びカバー板の上面図である。
【図6】本発明の、大きな開口の空気流プロフィルの概略図である。
【図7】従来のオーブンの小さな開口の空気流プロフィルの概略図である。
【図8】本発明の、分配板及びカバー板における開口の下面図である。
【図9】本発明のオーブンの概略図である。
【図10】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図11】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図12】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図13】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図14】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図15】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図16】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図17】従来のオーブンのより小さな開口を使用するオーブンを用いて調理された食品の写真である。
【図18】従来のオーブンの小さな開口と本発明の大きな開口とを使用した、本発明のオーブンの周囲のデシベル読取りを示すグラフである。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、調理用オーブンのための従来技術のものよりも大きな開口を備える空気ジェット吹付けダクトを提供し、加熱空気のジェット配列を提供する。本発明の空気分配ダクトは、ハウジングと、カバー板と、少なくとも1つの分配板とを有する。カバー板及び分配板に亘って配置された複数の開口が設けられている。本発明の開口は、円形であり、約12.7mm〜約50.8mmの直径を有することができる。開口は、約15.875mm〜約22.225mmの直径を有することもできる。開口は、あらゆる形状であってよく、上述の円形の開口と同等の面積を有することができる。開口は、12.7mm〜152.4mmの間隔を置いて配置されていることができ、半径方向又は線形のパターンで配置されていることができる。開口から、加熱される食品までの間隔は、約50.8mm〜約203.2mmであることができる。
【0015】
同じ温度差で、本発明のより大きな開口を使用する予期しない効果は、食品の表面が、対流及び/又は伝導によって、表面上へ及び表面を通過して、著しくより多くの熱エネルギを受け取ることができるということである。本発明の高質量流開口は、熱を食品の中心まで到達させ、低温の水分を、従来のより小さな開口よりも、15%〜40%速く外方へ食品表面まで混合させる。より大きな高質量流ジェットは、水分が表面に達するよりも速く表面における水分を除去することがないので、食品の表面を乾燥させることなく、著しく迅速に中心まで食品を加熱することができる。大きな開口は、高質量流を備えた空気の減じられた速度の分配空気の配列において直接的な大量の熱伝導を提供するが、食品との集束した接触領域を依然として維持している。
【0016】
より小さな空気ジェットを備えた従来のインピンジメントオーブンは、同じ設定時間内で、高密度の食品と、より薄い、より低密度の食品とを調理することができないという制限もあった。これに対して、本発明は、従来のより小さな空気ジェットを備えたインピンジメントオーブンよりも、広範囲の食品厚さ及び密度を焼くことができる。
【0017】
さらに、本発明の高質量流開口の使用は、食品を適切に加熱するためにオーブンによって必要とされるエネルギを低減する。なぜならば、従来のより小さな空気ジェットよりも、食品を適切に加熱するために必要な時間がより短いからである。さらに、食品を保持する器具が均一かつより迅速に加熱され、これにより、より良好な食品を提供する。
【0018】
本発明の別の予期しない結果は、本発明の物理的特性により、より大きな熱伝導がより低い騒音レベルにおいて生じるということである。過去には、より大きな熱伝導率を提供するために、より大きな容積の空気が、従来の寸法の開口を通過させられなければならず、このことは極めて大きな騒音レベルを生じていた。本発明の吹付けジェットは、運転システムのための騒音レベルを増大させることなく、記載された調理及び加熱方法のための質量流を増加させる。事実、実験データは、質量流をさらに増大させながら騒音を低減することを示しており、増大した生産性及び品質を提供する。
【0019】
本発明の開口は、あらゆる配置形式でカバーに配置されていることができ、1つ又は2つ以上の開口形状を含むことができる。1つの実施形態において、開口は、空気分配ダクトの長手方向軸線に対して平行な線上に配置されている。開口は、1つの空気分配ダクト内において様々な直径を有することもできる。例えば、1つの空気分配ダクト内において、開口は、本発明のより大きな寸法を有することができるか、又はより従来の、より小さな寸法を有することができる。
【0020】
空気分配ダクト内の平行な垂直平面に配置された、空気分配ダクトごとの多数の分配板が設けられることもでき、空気ジェットの形状又は配列を調整及び変更するために使用されることができる。本発明の空気分配ダクトにおいて1〜4つの分配板が設けられていることができる。分配板の間隔は、12.7mm〜50.8mmであることができ、円形の開口の直径と等しい寸法だけ間隔を置かれていることができる。例えば、12.7mmの直径を有する開口の場合、分配板は12.7mmだけ間隔を置かれているべきであり、25.4mmの直径の開口の場合、25.4mmの間隔が置かれているべきである。
【0021】
本発明のカバー板と、分配板との間の間隔は、使用される開口の直径の約2倍〜約5倍であることができる。1つの実施形態において、カバー板と分配板との間の間隔は、約25.4mm〜約44.45mmである。
【0022】
本発明の開口及び分配板は、オーブン内に配置された吹付け空気分配ダクトにおいて使用されることができる。オーブン内の空気分配ダクトの複数の向きが提供されることができる。例えば、図1に示されているように、オーブンの実施形態が示されている。オーブン10は、キャビネット20と、コンベヤ30と、複数の上部空気分配ダクト40と、複数の下部空気分配ダクト50とを有している。図示された実施形態において、8個の上部空気分配ダクト40と、8個の下部空気分配ダクト50とが設けられている。しかしながら、本発明は、上部空気分配ダクト及び下部空気分配ダクトの異なる構成の使用を考慮している。つまり、オーブン10の作動中、食品は、上部空気分配ダクト40と下部空気分配ダクト50との間をコンベヤ30によって搬送され、ここで食品は、ダクトから出る空気によって加熱される。
【0023】
図2〜図5を参照すると、本発明の高質量流開口を有する吹付けダクトが示されている。吹付けダクト110は、ハウジング120と、カバー板130と、2つの分配板140とを有している。カバー板130及び分配板140は、複数の開口を有している。ハウジング120は、開口125と、選択的に複数の空気ダムと、ダクト110における空気の均一な分配を促進するために配置された空気ガイド127とを有している。すなわち、オーブン10等のオーブンの作動中、空気は開口125を通ってダクト110に進入し、ハウジング120内に分散される。次いで、空気は、分配された空気ジェットにおいてダクト110から出る前に、分配板140及びカバー板130を通過する。示された実施形態において、2つの分配板140が設けられている。しかしながら、前述のように、本発明は、1〜4個の分配板の使用を想定している。特に図5を参照すると、開口の実施形態が示されている。この実施形態において、カバー板130及び分配板140の両方に、開口の3つの列が設けられている。分配板140における開口は、円形であり、3つの列に配列されている。カバー板130における開口も3列に配置されている。外側の列は、円形の開口を有しており、中間の列は、十字形の開口を有している。しかしながら、前述のように、本発明は、カバー板130及び分配板140における開口のための多数の向き及び形状を想定している。このような形状は、矩形、正方形、菱形、多角形、又はこのような目的に適したあらゆるその他の形状を含むことができるが、これらに限定されない。前述のように、これらの形状は、開示された直径を有する円形の開口と等しい面積を有することができる。さらに、分配板及びカバー板における開口は、様々な寸法を有することができる。さらに、示された実施形態において、カバー板130及び分配板140には22個の開口が設けられている。しかしながら、本発明は、より少ない又はより多くの開口の使用を想定している。
【0024】
図6及び図7を参照すると、本発明及び従来技術の開口から出る空気のプロフィルが示されている。特に図6を参照すると、本発明の分配された空気ジェットが、平らな面に衝突して示されている。空気流を表す線によってこの図に示されているように、より大きな開口は、全体的により低速で移動しながら、加熱される表面とのより良好な接触を提供する空気ジェットを提供する。これに対して、従来技術の空気ジェットの空気流の図である図7において、空気流は、加熱される食品の表面における停滞領域が存在し、この停滞領域において空気が直接に食品へ流れないようになっている。したがって、食品は、より非効率的に加熱され、望ましくない結果を生ぜしめる。
【0025】
図8に示されているように、分配板140における開口は、カバー板130における対応する開口よりも小さくてもよい。この関係は、より広いジェットと、食品とのより大きな接触面積とを生ぜしめるのを助ける。分配板の開口の直径と、カバー板の開口の直径との比は、4:5〜4:16であることができ、好適には5:7である。本発明は、カバー板における開口と同じか又はより大きな分配板の開口も想定している。分配板の開口がカバー板の開口よりも大きい場合、分配板の開口は、カバー板の開口と、5:4〜16:4の比の直径を有しており、好適には7:5の比を有している。
【0026】
本発明は、吹付けジェットの熱伝導率がオーブン内で変化しているオーブンにおいて、前述のより大きな開口を使用することも想定している。この実施形態において、食品に伝導される熱は、単位時間ごとにエネルギを受け取るための食品の能力に適合するために、段階を追って提供されることができる。言い換えれば、オーブン(例えば上述のオーブン10)における空気分配ダクトの熱伝導率は、オーブン内のコンベヤに沿った様々な箇所においてより高い又はより低い熱伝導を提供するように変化させられることができる。このような構成が図9に示されている。この実施形態において、空気分配ダクトは、食品への熱伝導率を変化させるために、部分的に又は完全に遮断されていることができる。コンベヤの上方及び下方に配置された12個の空気分配ダクトを有する、複数の結合された調理室(図示の実施形態においては3つの調理室)から成る図9に示された実施形態において、オーブンシステムの上部における第3の空気分配ダクトは、80%の能力で作動している。上部における第6及び第7のダクトは、40%の能力で作動しており、上部における第11の空気分配ダクトは、完全に閉鎖されている。コンベヤの下方における空気分配ダクトは全て、完全な能力で作動している(しかしながら、必要であれば部分的に又は完全に閉鎖されていてもよい)。この実施形態の空気分配ダクトは、図示された特定の構成とは異なるあらゆる数の様々な能力を有することができる。空気分配ダクトのカバー板は、所望の能力を達成するために機械的な構造体で被覆されることもできる。
【0027】
つまり、本発明の予期しない結果は、より大きな開口を使用することが、食品をより効率的に調理することを助ける、ということである。これは、開口寸法と調理能力との一般的に理解されている関係の逆転である。その結果、食品の表面を焦がすことなく、より高い温度が開口と共に使用されることができる。さらに、空気分配ダクトから出る質量流は高いが、食品の表面が妨害されないように速度が十分に低い。本発明の開口は、従来のオーブンよりもオーブンの加熱効率を40%まで増大することができ、このことは、同じ能力を維持するためにオーブンによって占められる床面積の大きさを40%減じることができる。
【0028】
標準的な寸法の開口と、本発明のより大きな開口とを有するオーブンを使用して調理された食品の例が、図10〜図17に示されている。例えば、図10〜図13に示された食品は、248.89℃で、7分間調理され、使用されたオーブンは、11.11mmの直径の90個の開口からの吹付けジェットを有していた。これらの食品は、許容可能であるが、最大限の許容可能な色において、外皮及びトッピングを有する。これに対して、図14〜図17に示された食品は、260℃において5.5分間、又は271.11℃において4.5分間、焼かれた。このオーブンの吹付けジェットは、22.23mmの直径の22個の開口を有していた。これらの食品の外皮及びトッピングは、許容可能な範囲の中間の色である。つまり、本発明の開口を使用して調理された食品は好適である。
【0029】
本発明の開口によって提供される別の利点は、図18に示されている。図示のように、本発明の開口を使用するオーブン(図において"FastBake"と示されている)は、標準的な開口を使用するオーブンよりも、オーブンの周囲の様々な箇所において、著しくより低い騒音読取りを有する。これは、オーブンが使用される用途において極めて有利であることができる。
【0030】
本発明の開口及び空気分配ダクトは、空気ジェットに空気を供給するためのあらゆる数の空気源と共に使用されることができる。これらの空気源は、軸流ファン、遠心流ファン、可変速度ファン、固定速度又は可変速度を有する複数ファン、吹付けダクトに空気を供給することができるあらゆる流れ手段、又はこのような使用のための空気を提供するあらゆるその他の適切な方法を含むが、これらに限定されない。熱を提供するために使用されるエネルギ源は、変調エネルギ源及び加熱制御、ブラストバーナ、棒バーナ、パワー棒バーナ、電気的熱源、パワーセラミックバーナ、又は熱交換器を備えたバーナ、又はその他の適切な燃焼又は電源を備えたバーナであることができるが、これらに限定されない。さらに、択一的でかつ補助的なエネルギ源、例えば、管状ヒータを備えた赤外線エネルギ、反射式板形放熱器を備えた赤外線エネルギ、開口エネルギを高めるための飽和蒸気エネルギ、開口エネルギを高めるための過飽和蒸気エネルギ、開口エネルギと組み合わされた湿気、開口エネルギ空間内に噴射された湿気、開口エネルギを高めるための低周波マイクロ波エネルギ、及び開口エネルギを高めるための高周波マイクロ波エネルギが、使用されることができるが、これらに限定されない。本発明のオーブンは、エネルギ損失を低減するために、閉鎖可能な入口及び出口、又はオーブンの入口及び出口に配置された能動的エアカーテンを有することもできる。
【0031】
本発明の開口は、所望の調理効果に応じて、食品に対して垂直であるか、又は食品に対して角度を成して配置されていることができる。好適な角度範囲は、垂直方向に対して0゜〜45゜である。オーブンは、1つ又は2つ以上のコンベヤを有することもでき、このコンベヤは、走行中に空気ジェットに対してより高い位置又はより低い位置において食品を移動させるように構成されている。オーブンコンベヤ表面は、食品又は食品が調理される器具への最適な熱伝導を促進するために、ピッチ間隔を有することもできる。
【0032】
好適な形態を特に参照することによって説明された本発明は、請求の範囲に記載の発明の精神及び範囲から逸脱することなく、前記好適な形態に対して様々な変更が行われることができることが明らかになるであろう。
【符号の説明】
【0033】
10 オーブン、 20 キャビネット、 30 コンベヤ、 40 上部空気分配ダクト、 50 下部空気分配ダクト、 110 吹付けダクト、 120 ハウジング、 125 開口、 127 空気ガイド、 130 カバー板、 140 分配板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気分配ダクトにおいて、
カバー板と、
少なくとも1つの分配板とが設けられており、前記カバー板と前記分配板とがそれぞれ、複数の開口を有しており、
該開口が、実質的に円形でありかつ約12.7mm〜約50.8mmの直径を有することを特徴とする、空気分配ダクト。
【請求項2】
前記開口が、約15.875mm〜約22.225mmの直径を有する、請求項1記載の空気分配ダクト。
【請求項3】
前記開口が、約12.7mm〜152.4mmの距離だけ間隔を置いて配置されている、請求項1記載の空気分配ダクト。
【請求項4】
約12.7mm〜約50.8mmの間隔を置いて配置された複数の前記分配板が設けられている、請求項1記載の空気分配ダクト。
【請求項5】
前記分配板における前記開口の前記直径と、前記カバー板における前記開口の前記直径との比が、4:5〜1:4である、請求項1記載の空気分配ダクト。
【請求項6】
前記分配板における前記開口の前記直径と、前記カバー板における前記開口の前記直径との比が、5:4〜4:1である、請求項1記載の空気分配ダクト。
【請求項7】
前記カバー板と、前記分配板とが、約25.4mm〜約44.45mmの距離だけ間隔を置いて配置されている、請求項1記載の空気分配ダクト。
【請求項8】
食品を調理又は加熱するためのオーブンにおいて、
複数の空気分配ダクトと、
コンベヤとが設けられており、
前記食品が、前記オーブン内において前記コンベヤに載置されており、前記空気分配ダクトが、
カバー板と、
少なくとも1つの分配板とを有しており、前記カバー板と、前記分配板とがそれぞれ、複数の開口を有しており、
該開口が、約12.7mm〜約50.8mmの直径を有する円と同等の面積を有していることを特徴とする、食品を調理又は加熱するためのオーブン。
【請求項9】
前記開口が、矩形、正方形、菱形及び多角形から成るグループから選択された少なくとも1つの形状を有する、請求項8記載のオーブン。
【請求項10】
前記開口が、実質的に円形でありかつ約12.7mm〜約50.8mmの直径を有している、請求項8記載のオーブン。
【請求項11】
前記開口が、実質的に円形でありかつ約15.875mm〜約22.225mmの直径を有している、請求項10記載のオーブン。
【請求項12】
少なくとも1つの空気分配ダクトが、前記コンベヤの一方の側に配置されており、少なくとも1つの空気分配ダクトが、前記コンベヤの他方の側に配置されている、請求項8記載のオーブン。
【請求項13】
前記空気分配ダクトが、前記コンベヤから約50.8mm〜約203.2mmだけ離れて配置されている、請求項12記載のオーブン。
【請求項14】
さらに少なくとも1つの付加的なコンベヤが設けられている、請求項8記載のオーブン。
【請求項15】
前記空気分配ダクトが、食品に対する様々な熱伝導率を有している、請求項8記載のオーブン。
【請求項1】
空気分配ダクトにおいて、
カバー板と、
少なくとも1つの分配板とが設けられており、前記カバー板と前記分配板とがそれぞれ、複数の開口を有しており、
該開口が、実質的に円形でありかつ約12.7mm〜約50.8mmの直径を有することを特徴とする、空気分配ダクト。
【請求項2】
前記開口が、約15.875mm〜約22.225mmの直径を有する、請求項1記載の空気分配ダクト。
【請求項3】
前記開口が、約12.7mm〜152.4mmの距離だけ間隔を置いて配置されている、請求項1記載の空気分配ダクト。
【請求項4】
約12.7mm〜約50.8mmの間隔を置いて配置された複数の前記分配板が設けられている、請求項1記載の空気分配ダクト。
【請求項5】
前記分配板における前記開口の前記直径と、前記カバー板における前記開口の前記直径との比が、4:5〜1:4である、請求項1記載の空気分配ダクト。
【請求項6】
前記分配板における前記開口の前記直径と、前記カバー板における前記開口の前記直径との比が、5:4〜4:1である、請求項1記載の空気分配ダクト。
【請求項7】
前記カバー板と、前記分配板とが、約25.4mm〜約44.45mmの距離だけ間隔を置いて配置されている、請求項1記載の空気分配ダクト。
【請求項8】
食品を調理又は加熱するためのオーブンにおいて、
複数の空気分配ダクトと、
コンベヤとが設けられており、
前記食品が、前記オーブン内において前記コンベヤに載置されており、前記空気分配ダクトが、
カバー板と、
少なくとも1つの分配板とを有しており、前記カバー板と、前記分配板とがそれぞれ、複数の開口を有しており、
該開口が、約12.7mm〜約50.8mmの直径を有する円と同等の面積を有していることを特徴とする、食品を調理又は加熱するためのオーブン。
【請求項9】
前記開口が、矩形、正方形、菱形及び多角形から成るグループから選択された少なくとも1つの形状を有する、請求項8記載のオーブン。
【請求項10】
前記開口が、実質的に円形でありかつ約12.7mm〜約50.8mmの直径を有している、請求項8記載のオーブン。
【請求項11】
前記開口が、実質的に円形でありかつ約15.875mm〜約22.225mmの直径を有している、請求項10記載のオーブン。
【請求項12】
少なくとも1つの空気分配ダクトが、前記コンベヤの一方の側に配置されており、少なくとも1つの空気分配ダクトが、前記コンベヤの他方の側に配置されている、請求項8記載のオーブン。
【請求項13】
前記空気分配ダクトが、前記コンベヤから約50.8mm〜約203.2mmだけ離れて配置されている、請求項12記載のオーブン。
【請求項14】
さらに少なくとも1つの付加的なコンベヤが設けられている、請求項8記載のオーブン。
【請求項15】
前記空気分配ダクトが、食品に対する様々な熱伝導率を有している、請求項8記載のオーブン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2010−506565(P2010−506565A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532433(P2009−532433)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/021840
【国際公開番号】WO2008/048497
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(509073475)リンカーン フードサービス プロダクツ エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/021840
【国際公開番号】WO2008/048497
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(509073475)リンカーン フードサービス プロダクツ エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]