説明

高速高密度通信システムのための光相互結合構成

光ドメインのデータを示すためのパルス振幅変調(PAM)技術を使用する一方、光クロック信号を送信するために別々のチャンネルを使用することによって、大規模な直列化/並列化(SERDES)機能の必要性を無くす高速データの適用で使用するための光相互配線構成が提供されており、このような構成の受信端にクロック回復回路の必要性を無くす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年6月12日に出願されここで引用される米国仮出願第61/186,718号の利益を主張する。
【0002】
本出願は、光結合構成に関し、特に、クロック信号に関する分離送信チャンネルとともにパルス振幅変調(PAM)技術を利用することによって、広汎な直列化/並列化(SERDES)機能の必要性を減らす構成に関する。
【背景技術】
【0003】
演算及びネットワーク化アプリケーションに関する絶え間ない要請により、大規模なデータセンターとともに高性能の演算(HPC)プラットフォームに関する需要が伸びている。いずれのケースにおいても、コンピュータサーバ間又はネットワークノード間の結合が、チップ又はサーバ内の計算能力の成長に追い付いていない。障害となるのは、サーバ間の通信用電力、サイズ及び待ち時間とともに、チップ間の通信用電力、サイズ及び待ち時間であるが、これらに限定されない。より近年のアプリケーションでは、光ファイバの帯域幅が標準的な銅の相互配線よりも顕著に大きいため、光ファイバをチップ間(又はサーバ間)の物理的リンクとして使用している。
【0004】
チップ自身の上での処理は、一般に、幅が複数ビットの並列ワードを用いて行われる(一般的な並列ワードは8ビット、16ビット、32ビット又は64ビットの幅を有する)。このような情報を第1のチップから第2のチップに移送することは、通常、チップのエッジでピンカウントを減らすために、並列ワードを直列形式に変換することを要し、そうでなければ、物理的パッケージがおそらく出力負荷の大きな並列数値を扱う必要がある。
【0005】
このため、直列化処理が、通常、チップのエッジで実行され、並列ワードからのシリアルデータを生成する。通信経路の受信端で、並列化機能が、プロセスの受信側チップの中で使用される並列ワード構造に戻すよう、入力されるシリアルデータを再フォーマットすることを要する。直列化及び並列化処理のこのような組み合わせは、多くの場合、当技術分野で「SERDES」と称される。さらに、システムの受信端が、並列ワードを適切に再生成するために、入力される直列化データストリームに関してクロック回復を実行する必要がある。
【0006】
SERDES及びクロック回復プロセスは、それらが相当量の電力を消費する一方、高速の動作を要しこれが予期されるプロセスに対するさらなる待ち時間を要する点で問題がある。
【0007】
このため、当技術分野において、動作特性が改善された光ベースの相互結合システムの必要性が依然としてある。
【発明の概要】
【0008】
従来技術が残している必要性を、光相互結合構成に関し、特に、パルス振幅変調(PAM)技術を使用し、さらには、クロック信号のための別の送信チャンネルを組み込み、大規模な直列化/並列化(SERDES)機能のための必要性を減らす構成に関する本発明で扱い、本構成の受信端でのクロック回復回路の必要性を無くす。
【0009】
本発明によれば、マルチレベルのPAM信号が、並列データワードから生成され、同時に複数ビットを送信し得る符号化したストリームを生成し、チップの端部で並列データワードを完全に直列化するための必要性を無くす。PAMがワード全体で実行され、又は部分的なPAM技術を採用し得る。例えば、PAM−16光変調技術を使用して、4ビットを同時に送信できる。一般に、PAM−N変調技術を使用して、Nビットのデータを同時に送信する。
【0010】
本発明の好適な実施例では、光マッハ−ツェンダー干渉計(MZI)を使用して、並列ワード入力信号からPAM出力信号を生成する。そして、第2のMZIを使用して、PAM信号と並列にクロック信号を別々に送信し、受信端でクロック回復を実施する必要性を無くす。異なる波長を用いてPAM出力データ信号として光クロック信号を同じ信号経路(一般に、ファイバ)を通して送信でき、又は光クロック信号を同じ波長を用いて第2の別々の光ファイバを通して送信できる。
【0011】
都合の良いことに、さらに、生成された光クロック信号をチップにわたって分配でき、周波数ロックされたクロック構成を与える。
【0012】
本発明の他の実施例及びさらなる実施例並びに効果が、以下の説明の流れの中で且ついくつかにおいて同じ番号が似ているパーツを示す添付図面を参照することにより明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、第1のチップ及び第2のチップ間の典型的なデータ通信構成のブロック図であり、それぞれが、並列データ及びシリアルデータ送信;SERDES機能を用いる従来の光ベースの相互結合構成を利用する相互結合を利用するプロセシングコアを有する。
【図2】図2は、図1の構成で使用するための、SERDES機能を用いた光ベースの相互結合構成の典型的な従来技術の実施例である。
【図3】図3は、典型的なデータ通信構成のブロック図であり、図1に示すSERDES機能がダイレクトな光相互結合構成に置き換わっている。
【図4】図4は、図3の構成で使用され得る典型的なダイレクト光相互結合構成を示しており、パルス振幅変調(PAM)スキームを使用して、複数のデータビットを同時に送信する。
【図5】図5は、本発明の光相互結合構成の典型的な実施例を含んでおり、第1のMZIを使用して、PAM光信号を並列な電気的データを符号化し、第2のMZIを使用してクロック信号を送信し、受信端でのCDRの必要性を無くす。
【図6】図6は、同じ波長を用いてPAMデータ及び光クロックの双方を送信し、双方の信号を送信するよう別々の光ファイバを与える、本発明の光相互結合構成の代替的な実施例を示す。
【図7】図7は、図5又は6の構成で使用され得る代替的な光クロック構成を示しており、この代替的な構成は、演算チップの様々な領域に周波数ロックされた光信号を分配するための光分岐構成とともに、第2の(予備の)クロック源を有する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記のように、今日のデータセンターは、高速の相互結合に結合される数千もの演算ノードに依存し、今日の適用例での性能基準を実現する。各演算ノードは、様々な機能を実施するよう使用されるIC(チップ)プロセッサコアから成る。各ノードの処理電力は、急激に増加し続ける。しかしながら、高速、低電力及び短い待ち時間でノードを結合する必要性は、今日利用できるテクノロジーをしのいでいる。
【0015】
図1は、第1のチップ1及び第2のチップ2間の従来の光相互結合構成を示す。チップ1は、並列ワードのフォーマットの大量のデータを扱うよう機能するプロセシングコア3を有する。類似するプロセシングコア4がチップ2の中に含まれており、光相互結合リンク5を介してチップ1とチップ2との間で通信する必要がある。明瞭のために1つのリンク5のみを示すことが理解されよう。適度に複雑なシステムでは、数万ものこのようなリンクを有する。さらに、図1がチップ1及び2からの4つの出力セットを示す一方、5以上の他のノードにこれらのチップを結合する、さらなる出力セットを有し得ることが理解されよう。
【0016】
図示するように、各プロセシングコアを出入りする並列ワードのデータは、まず関連するSERDESデバイスを通過するが、SERDES6はプロセシングコア3に関連し、別個のSERDES7がプロセシングコア4に関連する。第1のチップ1から第2のチップ2までの通信経路を仮定すると、プロセシングコア3を出る並列データワードが、その後でSERDES6の中で直列化され、例えば電気接続ピンP1から第1のチップ1を出る。その後、直列化電気信号が、電気/光(E/O)変換デバイス8の中で光レプリカに変換され、第2のチップ2への送信のために光結合リンク5に結合される。第2のチップ2の周囲では、光信号が、その後光/電気(O/E)変換デバイス9の中で電気的形式に変換され、データを並列化して並列ワード形式にそれを再構成するよう機能する、SERDES7の「並列化」部7−Dへの入力として適用される。
【0017】
詳細に図示しないが、第2のチップ2から第1のチップ1にデータを戻すための逆方向への同様な送信経路が使用されることが明らかである。実際に総ての相互結合は形式上双方向であると仮定される。
【0018】
上述のように、SERDES6、7及びE/O、O/E変換デバイス8、9は相当な電力を消費し、システム全体に待ち時間を加えることが知られる。さらに、高いデータ転送速度の適用例では、これらの様々な部品の帯域幅が非常に大きく、より大きな電力を必要とする。
【0019】
図2は、図1のシステムに配置されたような従来の光相互結合構成の概略図を示す。このケースでは、4ビットの広い並列データワードを送信することを要し、各ビットが例えば5Gb/sのデータ転送速度で動作する(当然ながら、任意の他のデータ転送速度を使用できる)。4つの並列データビットがSERDES6の直列化部6−Sへの別々の入力に適用される。このため、5Gb/sの典型的な速度で動作する4つの別々のストリームが結合され、20Gb/sのデータ転送速度で動作する1つの出力データストリームを形成する。図2の特定の実施例では、連続波(CW)光入力信号Iが別々の入力に適用される場合、E/O変換が、E/Oデバイス8の中に形式されるマッハ−ツェンダー干渉計(MZI)の中で生じ、電気データ信号を使用して変調光出力信号Oを生成する。その後、光出力信号Oは結合され、(繊維状の一体化した光導波路又は他の適切な光通信媒体とし得る)光チャンネル5に沿って伝播する。そして、第2のチップ2の周囲に配置されたO/E変換デバイス9は、受信した20Gb/sの光信号を(20Gb/sの)直列電気データ信号に再変換する。そして、SERDES7の並列化部(図2において7−Dで示す)は、その信号を、各々がこのケースでは5Gb/sといった第1のチップ1を出る信号セットとして同じデータ転送速度で動作する4つの出力データ経路に沿って変換する。このような特定のデータ転送速度では、変調器8、O/E変換器9、直列化器6−S及び並列化器7−Dの帯域幅が、(4つのチャンネルについて5Gb/sの入力データ速度を仮定すると)総て20GHzのオーダーであることを必要とし、相当な電力を要する。
【0020】
Nデータビットの同時送信のためにNレベルの信号を使用でき、プロセシングコア3及び4での出力でのSERDES動作の必要性を無くすように、光変調技術を変更することによって、図1及び2に示す従来技術に対する改良を実現化できる。図3は、典型的なNレベルのダイレクトな光構成のブロック図を含む。さらに、N=4の通信経路を仮定すると(すなわち、4ビットの並列ワードがプロセシングコア3を出る)、4ビットの並列ワードは、内部結合リンク5に沿って後で送信される16レベルの光出力信号に4ビット総てを符号化するための、適切なタイプのE/O変換デバイス10への入力として直接的に適用される。受信端部では、O/E変換がまず実施され、続いて第2のプロセシングコア4で使用するために別々のデータ信号への16レベルの信号の変換が続く。
【0021】
図4は、図3の構成で利用されるNレベルのタイプのプロセシングの特定の実施例を示す。このような特定の実施例で示すように、4ビットの並列ワードが、光変調器12への入力として適用される(8ビット、16ビット、64ビット等といったこれらに限定されない様々な他の構成もまた使用できることが理解できよう)。上記の従来技術の構成と同様に、5Gb/sの速度でデータをストリーミングできるが、任意の他のデータ転送速度も使用できる。図2の従来構成とは異なり、4つの別々のビットが初めに直列化されないが、光変調器12への同時入力として適用される。このような特定の実施例では、光変調器12が、4つの入力信号を利用してPAM−16光出力信号を生成するパルス振幅変調器(PAM)を有する。本出願に関する光PAMの利用の完全な議論が、2009年1月27日にK.Shastriらに付与され本出願の譲受人に譲渡された米国特許第7,483,597号に見られ、ここで引用される。このようなケースでは、4つの並列ビットが別々の変調セグメント13に結合された変調器12に沿って形成される複数の変調セグメント13−1、13−2、13−3及び13−4の長さを制御することによって、元の入力データ転送速度(例えば、5Gb/s)を保持するPAM−16変調光出力信号が形成される。セグメントの数を増加させることが出力信号の線形性を増加させ得る場合、変調器12の他のマルチセグメント構成を使用できる。さらに、上記のように、5Gb/sのデータ転送速度は単なる典型例と考えられる;任意の他の適切なデータ転送速度を本発明のシステムで使用できる。
【0022】
入力データストリームのデータ転送速度を維持することによって、光チャンネルは、分散ベースの損失をあまり受けず、O/E変換デバイス9は、第2のチップ2でO/E変換を実行する上であまり電力を消費しない。このような特定の適用例では、4ビットのA/D変換器及びクロックデータ回復(CDR)回路14を、4つの別々なデータビットを回復するための並列化器の代わりに利用できる。
【0023】
図1及び2の構成の改良の際に、図3及び4の「ダイレクトな光学的」実施例が通信経路の受信側でのCDRの使用を要し、依然として相当量の電力を消費し、システムにエラーを導き、総て待ち時間がかかる。
【0024】
本発明によれば、送信されたクロック信号を用いて受信側のA/D変換器を制御することによって、PAM光データ信号を具えた並列な光クロック信号を同時に送信することによって、各光結合経路の受信側でのCDRの必要性がなくなることが分かっている。各リンクに沿ったCDR動作をなくすことによって、電力の相当な節約が実現化する一方、さらにはシステムの待ち時間が減少する。
【0025】
図5は、PAM光データ信号を具えた並列な光クロック信号を送信するための第2の信号経路を含む、本発明にしたがって形成される典型的な光相互結合を示す概略図である。図3及び4に関して上記した構成と同様に、PAM変調器12を使用して並列Nビットのデータ入力に基づいてNレベルの光信号を送信する。このようなケースの実施例はN=4であるが、明らかに、任意の他の適切なN値を使用できる。
【0026】
図示するように、4ビットの並列ビットワードを、位相アライナ20への入力として適用する(説明を目的として、各データビットが5Gb/sの速度で動作することを仮定するが、明らかに、任意の他の適切なデータ転送速度を使用できる)。別々のクロック入力が位相アライナ20に適用され、4つの別々のデータストリームの同時動作を保持するよう使用される。ある典型的な実施例では、1組のDフリップフロップを使用して位相アライナ20を形成する。その後、「クロック化した」データ信号をPAM変調器12への別々の入力として適用し、第1の波長λ1のCW光入力信号Iを変調器12への光入力として使用する。さらに、光変調器12は、PAM出力信号を形成し得るマルチセグメントの変調器を具え、セグメントの数は出力の線形性に寄与する(すなわち、セグメントの数の増加により、出力を適切に調整して変調器の位相変換機能を良好に追随するための性能を得る)。このため、変調器12からの出力は(「PAM光データ信号」とも称される)パルス振幅変調光信号であり、総てNビットの入力データ信号を表す。
【0027】
本発明によれば、電気クロック信号を別の変調器22への入力として適用する。図5のような特定の実施例では、第2の波長λ2で動作する第2のCW光源を、変調器22への光入力として使用することで、出力の光クロック信号OCを生成する。図5に示すように、PAM変調器12と同じディメンジョンを基本的に示すよう変調器22を形成し、変調器22に沿って伝播する光信号が、変調器12に沿って伝播する光信号として同じ伝播遅延が基本的に認められることで、光クロック信号OCがPAM変調光データ信号を具えて同期したままになり得る。
【0028】
図5に示すように、PAM光データ信号及び光クロック信号OCが、第2のチップ2への送信のために光チャンネル5にλ1及びλ2の信号を結合する、光マルチプレクサ24への別々の入力としてその後適用される。チップ2での受信の際に、PAMデータ及びクロック信号が光デマルチプレクサ26の中で分離され、波長λ1のPAM光データ信号が第1のO/E変換器デバイス9−1への入力として適用され、波長λ2の光クロック信号OCが第2のO/E変換器デバイス9−2への入力として適用される。そして、デバイス9−1からの変換された電気データ信号出力が、A/D変換器28への入力として適用され、O/E変換器デバイス9−2からの電気クロック信号出力がA/D28へのクロック入力として直接的に適用される。
【0029】
光チャンネル5に沿ったデータ信号を具えたクロック信号の同時送信により、クロックが受信データを直接的に同期することができ、チャンネルの受信側でのPAM光データ信号からの「クロック回復」を実施する必要性を防ぐことが、本発明の構成の重要な態様である。CDRの必要性をなくすことで、この構成によって消費される電力全体を減らし、システムの待ち時間を減らす。
【0030】
図6は、本発明の光結合構成の代替的な実施例を示す。このようなケースでは、光クロックがPAM光データ信号と同じ波長λ1で生成され、その後第1のチップ1及び第2のチップ2間で別々の光ファイバにわたって送信される。類似する構成要素について同じ番号が付されている図6を参照すると、位相アライナ20からのクロックデータ出力が、変調器12への電気的入力として適用され、図5の実施例と同様に、元のクロック信号が第2の変調器22への入力として適用される。しかしながら、このようなケースでは、同じCWレーザ源を使用して、変調器12及び22双方に光入力信号を与える。すなわち、CWレーザ源からの出力が、光スプリッタ29を通過し、変調器12及び22双方の光入力に結合される。このため、変調器12及び22の出力は、異なる変調特性を備えているが、同じ波長で動作する光信号である。本発明のこのような実施例によれば、マルチプレクサを必要とせず;その代わりに、1対の光ファイバ5−1及び5−2を含めるよう光チャンネル5が形成され、PAM光データ信号が第1のファイバ5−1に結合され及び光クロック信号OCが第2のファイバ5−2に結合される。そして、信号対が第2のチップ2への経路に沿って伝播し、その後ファイバ5−1に沿ったPAM光データ信号が第1のO/E変換デバイス9−1への入力として適用され、ファイバ5−2に沿った光クロック信号OCが第2のO/E変換デバイス9−2への入力として適用される。その後の処理は、図5に関連する上記のものと基本的に同じである。
【0031】
図6の実施例では、別の波長の第2の光レーザ及び波長マルチプレクサ/デマルチプレクサー部品の必要性を無くすことと、第2の光ファイバ及びこのような構成の両端に必要なカップリングを使用する必要性を無くすこととの兼ね合いを有する。
【0032】
さらに、様々な光学素子又はシステム中の素子の組み合わせに分配されるクロック信号を与えるよう、生成された光クロック信号の使用を拡張することが可能である。図7は、変調器22として使用できる1つの典型的な光クロック分配構成30を示しており、構成30からの1つの出力が、例えば、光マルチプレクサ24又は光ファイバ5−2への光クロック入力として適用され、残りの光クロック信号が他の光システム部品に分配される。
【0033】
図7を参照すると、元の光源の故障の認識の際のバックアップ源として使用するための、第2の光源32として示されるCW光入力信号の第2の光源を使用できる構成30を示す(「故障」もまた、所定の閾値を下回る第1の光源からの出力電力として規定し得る)。このようなバランスされた構成では、電気クロック信号及びその反転信号(図7においてCLK及びCLKとして示す)が、MZI34への入力として適用され、CW光信号を変調するよう使用でき、光クロックOC出力信号及びOCとして示すその反転信号を発生させる。
【0034】
図7に示すように、構成30が、さらに、複数の分岐導波路で形成される光分岐構成36を具えており、光スプリッタ36がMZI34の出力に結合される。このため、導波路セクションのそれぞれは、波長λ2で伝播する光クロック信号OCを搬送する。1つの出力導波路38を、光マルチプレクサ24へのOC入力として使用される後で使用されるものとして示す(図5参照)。残りのOC信号が、同じチップに設けられた様々な他の光システムに分配するよう利用でき、これらの信号は周波数ロックを保持する。都合良いことに、周波数ロックされた光クロックを分配するための性能により、光システムの中の様々な場所でのCDRの必要性をなくす。明示的に示さないが、PAM光データ信号が同じような光分岐構成を通過し、このようなデータを使用する様々な光ノードに向かってチップを分配できることが理解できるよう。
【0035】
本発明のいくつかの実施例を参照して本発明を説明したが、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしになされる様々な変更を認識するであろう。したがって、本発明は、図面で図示され詳細な説明で説明されるものに限定されず、ここで添付される特許請求の範囲のみによって限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速データ信号を送信するための光相互結合構成であって、前記構成が、
光データ信号に電気的な高速データ信号を変換するための第1の処理ノードに関連する送信構成要素と;
前記送信構成要素の出力に結合された光送信チャンネルと;
前記光データ信号を受信し元の電気的な高速データ信号に受信した前記光データ信号を再変換するための、第2の処理ノードに関連し前記光送信チャンネルの出力に結合された受信構成要素と;
を具えており、前記送信構成要素が、
複数のN個の並列データ信号及び電気的クロック信号に応答して、複数の並列な位相アライメントされたデータ信号を出力として生成する位相アライメント要素と;
前記複数のN個の並列な位相アライメントされたデータ信号及び連続波(CW)光信号に応答して、前記複数のN個の並列な位相アライメントされたデータ信号を示すパルス振幅変調(PAM)光データ信号を生成する第1の光変調器と;
前記電気的クロック信号及びCW光信号に応答し光クロック出力信号を生成する第2の光変調器と;
を具えており、前記受信構成要素が、
受信した前記PAM光データ信号に応答してその電子的バージョンを生成する第1の光/電気(O/E)変換デバイスと;
受信した光クロック信号に応答してその電子的バージョンを生成する第2のO/Eデバイスと;
前記第1及び第2のO/E変換デバイスの出力に応答してそこから元の複数のN個の並列なデータ信号を回復するA/D変換器と;
具えることを特徴とする光相互結合構成。
【請求項2】
前記送信構成要素の第1及び第2の光変調器が、第1及び第2のマッハ−ツェンダー干渉計をそれぞれ具えることを特徴とする請求項1に記載の光構成。
【請求項3】
前記第1のマッハ−ツェンダー干渉計が、マルチセグメントの干渉計であることを特徴とする請求項2に記載の光構成。
【請求項4】
前記第1のマッハ−ツェンダー干渉計が、複数のN個の並列なデータ信号からPAM−Nの出力信号を生成することを特徴とする請求項3に記載の光構成。
【請求項5】
さらに、前記送信構成要素が、
前記第1の光変調器の入力に結合され、第1の波長λ1で動作する第1の光信号源と;
前記第2の光変調器の入力に結合され、第2の波長λ2で動作する第2の光信号源と;
前記第1及び第2の光変調器からの光出力信号を1つの光出力信号経路に結合するための光マルチプレクサと;
を具えており、さらに、前記受信構成要素が、
波長λ1で伝播するPAMデータ信号と波長λ2で伝播する前記光クロック信号とを分離し、別々の光信号経路に各信号を結合するための光デマルチプレクサを具えることを特徴とする請求項1に記載の光構成。
【請求項6】
さらに、前記送信構成要素が、
波長λ1で動作する光源と;
前記光源からの出力の第1の部分を前記第1の光変調器の光入力に導き、前記光源からの出力の第2の部分を前記第2の光変調器の光入力に導く光スプリッタと;
を具えており、
前記光送信チャンネルが1対の光ファイバを具えており、
第1のファイバが前記PAM光データ信号の伝播をサポートし、第2のファイバが前記光クロック信号の伝播をサポートすることを特徴とする請求項1に記載の光構成。
【請求項7】
さらに、前記第2の光変調器が、複数の周波数ロックされた光クロック信号を前記第1の処理ノードにわたって分配するための光クロック分配構成を具えることを特徴とする請求項1に記載の光構成。
【請求項8】
前記光クロック分配構成が、前記第2の光変調器の出力に結合された光スプリッタを具えており、
前記光スプリッタが、前記第1の処理ノードにわたって前記複数の周波数ロックされた光クロック信号を分配するための複数の分岐導波路を具えることを特徴とする請求項7に記載の光構成。
【請求項9】
さらに、前記第2の光変調器が、元のCW源の障害を認識した際のバックアップ源として使用するための第2のCW光入力信号源を具えることを特徴とする請求項7に記載の光構成。
【請求項10】
さらに、前記第1の光変調器が、それに光信号を与えるための1対のCW光入力信号源を具えており、
前記1対の信号源のうちの第2のCW光入力信号源が、前記1対のCW光入力信号源のうちの第1のCW光入力信号源の障害を認識する際のバックアップ源として使用されることを特徴とする請求項1に記載の光構成。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−529874(P2012−529874A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515126(P2012−515126)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/038103
【国際公開番号】WO2010/144658
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(509170693)ライトワイヤー,インク. (6)
【Fターム(参考)】