説明

(メタ)アクリル酸エステルの酵素的製造

異なるヒドロキシ基を有するポリアルコールの部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステルの製造方法、それらの製造方法及びそれらの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なるヒドロキシ基を有するポリアルコールの部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステルの製造方法、それらの製造方法及びそれらの使用に関する。
【0002】
(メタ)アクリル酸エステルの製造は、たいてい、(メタ)アクリル酸の酸又は塩基で触媒されたエステル化又は他の(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとのエステル交換により行われる。
【0003】
異なるヒドロキシ基を有するポリアルコールの部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステルは、通常、エステル化又はエステル交換により意図的に製造されることができない、それというのもランダムな混合物が得られるからである。
【0004】
塩基触媒されたエステル交換又は他の合成の際に、しばしば複雑でときおり着色されている生成物混合物が生じる。着色及び未変換反応物を取り除くためには、生成物混合物は費用のかかるアルカリ洗浄により後処理されなければならない。
【0005】
出願番号10308504.1を有する未発行の独国特許出願明細書には、アセタール基又はケタール基を用いるOH基の保護、遊離OH基の酵素的(メタ)アクリル化及び場合により引き続き脱保護による、部分アクリル化されたポリオールの製造方法が開示されている。
【0006】
このプロセスにとって不利であるのは、保護基の導入及び除去のために付加的な工程が必要であることである。
【0007】
酵素的エステル化又はエステル交換による(メタ)アクリル酸エステルの製造は知られている。
【0008】
Kumar及びGrossは、J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 1850-1851にビニルメタクリラートとの反応によるイソプロピリデンで保護された糖のリパーゼ触媒された反応を記載する。完全反応は、特殊な出発物質であるビニルメタクリラートにより達成される、それというのも、遊離したビニルアルコールは反応平衡からアセトアルデヒドとして取り除かれるからである。この方法にとって不利であるのは、ビニルメタクリラートが特殊モノマーとして高価であり、かつ少量でのみ商業的に入手可能であることである。
【0009】
A. T. J. W. de Goede 他は、Biocatalysis, 1994, 9, 145-155にリパーゼの存在でα−O−オクチル−グルコシドとエチルアクリラートとのエステル交換による6−O−アクリルエステルの形成を記載する。この方法にとって不利であるのは、この方法がグルコシド及びグリコシド結合に限定されており、かつグルコシド中の立体的影響に敏感に反応することである。そのうえ、非選択的な副反応の結果、高度にアクリル化された生成物が得られた。
【0010】
欧州特許出願公開(EP-A1)第999 229号明細書には、ポリオキシアルキレンと(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルとの酵素的エステル化及びエステル交換が記載されている。
【0011】
国際公開(WO)第03/042227号パンフレットからは、アルキルアクリラートと糖類とのリパーゼ触媒されたエステル交換が知られている。
【0012】
Hajjar他は、Biotechnol. Lett. 1990, 12, 825-830に、クロモバクテリウム ビスコスム(Chromobacterium viscosum)由来のリパーゼを用いる環状及び開鎖状のアルカンジオールとエチルアクリラートとの酵素的エステル交換を記載する。前記反応は、溶剤不含の系中でジオールに対してアルキルアクリラートの18倍のモル過剰量の場合に進行する。モノアクリラート及びジアクリラートからなる混合物が生じる。
【0013】
その場合に、エチルアクリラート10ml(92mmol)中のジオール5mmolがその都度、クロモバクテリウム ビスコスム(Chromobacterium viscosum)由来のリパーゼ100mgを用いて30℃で反応された。
【0014】
2個の第一級OH基を有するジオール(例えば1,6−ヘキサンジオール)のアクリル化の場合に、前記ジオールは7日後に>95%が反応されていた。反応時間に応じてジアクリラート>80%を含有するモノアクリラート及びジアクリラートからなる混合物が生じた。
【0015】
2個の第二級OH基を有するジオール(例えば2,5−ヘキサンジオール)のアクリル化の場合に、反応時間は明らかに高くなっていた:14日後でさえ、前記ジオールは約50%のみが反応されていた。モノアクリラート70%及びジアクリラート30%を含有するモノアクリラート及びジアクリラートからなるアクリラート混合物が生じた。
【0016】
1個の第一級OH基及び1個の第二級OH基を有するジオール(例えば1,2−ヘキサンジオール)のアクリル化の場合に、前記ジオールは7日後にはじめて約85%が反応されていた。反応時間14日後にジアクリラート5%を含有するモノアクリラート及びジアクリラートからなる混合物が生じた。ジアクリラート含量は、反応時間の間に連続的に上昇した。
【0017】
これらの反応条件下に、ジアクリル化生成物に対するモノアクリル化生成物の十分な選択性が得られることができないので、単に第一級アルコール基と第二級アルコール基との間で通常の中程度の選択性が見出されるに過ぎない。
【0018】
米国特許(US)第5240835号明細書には、コリネバクテリウム オキダンス(Corynebacterium oxydans)由来の生体触媒の触媒反応下でのアルキルアクリラートとアルコールとのエステル交換が記載されている。前記明細書には、例示的に、96倍のモル過剰量のエチルアクリラートと2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールとの反応が挙げられている。30℃で3日後に単に21%の収率が得られたに過ぎない。
【0019】
Athawale及びManjrekar(Tetrahedron Lett. 2001, 42 4541-4543)は、2,3−ブタンジオン−モノオキシムアクリラートを用いるアルカロイドのリパーゼ触媒されたアクリル化が記載されている。前記モノマーは重合され、かつエナンチオ選択的マイケル付加の誘導のために使用される。
【0020】
【化1】

【0021】
Athawale及びGaonkar (Macromolecules 1999, 32, 6065-6068)は、2,3−ブタンジオン−モノオキシムアクリラートを用いる2−フェニルエタノールのリパーゼ触媒されたアクリル化を記載する。前記モノマーは引き続いて重合された。
【0022】
【化2】

【0023】
Ghogare及びKumar (J. Chem. Soc. 1989, 1533-1535)は、活性化された2,3−ブタンジオン−モノオキシムアクリラートを用いる多様なアルコール、とりわけ2−エチルヘキサン−1,3−ジオールのリパーゼ触媒されたアクリル化を記載する。
【0024】
この反応にとって不利であるのは、高価であり、かつ工業的に入手し難い活性化されたアクリラートの使用の必要性である。
【0025】
本発明の課題は、異なるヒドロキシ基を有するポリアルコールの部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステルを用いて、異なるヒドロキシ基及び高い純度での反応に関して高い転化率及び高い選択性で、単純な出発物質から製造可能である方法を提供することであった。前記合成は温和な条件下で進行するので、低い色数及び高い純度を有する生成物が生じる。さらに、保護基、同じように活性化された(メタ)アクリル酸誘導体、例えばモノオキシム又はビニル(メタ)アクリラートの使用が放棄されるべきである。
【0026】
前記課題は、異なるヒドロキシ基を有する少なくとも二価のポリアルコール(C)の部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)の製造方法であって、
(1)少なくとも1個の第一級ヒドロキシ基及び少なくとも1個の第二級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C1)、
又は
(2)少なくとも1個の第一級ヒドロキシ基及び少なくとも1個の第三級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C2)、
又は
(3)少なくとも1個の第二級ヒドロキシ基及び少なくとも1個の第三級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C3)、
その場合に高度に置換された(hoehersubstituierte)ヒドロキシ基は位置βに少なくとも1個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有する、
又は
(4)少なくとも2個の第一級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C4)、これらの基の中で少なくとも1つが位置βに少なくとも1個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有し、かつ少なくとも1つが位置βにアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有しない、
又は
(5)少なくとも2個の第二級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C5)、これらの基の中で少なくとも1つが位置βに少なくとも1個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキルを有し、かつ少なくとも1つが位置βにアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有しない、
のいずれかを、少なくとも1つの酵素(E)の存在で(メタ)アクリル酸でエステル化するか、又は少なくとも1つの(メタ)アクリル酸エステル(D)とエステル交換する
ことにより特徴付けられる方法によって解決された。
【0027】
本発明による方法を用いて、高い化学的収率及び空時収率で及び温和な条件下で、良好な色数を有して、保護基操作の放棄下に及び単純な出発物質の使用下に、部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)の製造が可能である。
【0028】
(メタ)アクリル酸は、本明細書において、メタクリル酸及びアクリル酸、好ましくはアクリル酸を表す。
【0029】
本発明によれば適しているポリアルコール(C)は、少なくとも二価の、好ましくは二価ないし十価の、特に好ましくは二価ないし六価の、極めて特に好ましくは二価ないし四価の、特に二価ないし三価の、及び殊に二価のアルコールである。
【0030】
本発明によれば適しているこれらのポリアルコール(C)は区別可能なヒドロキシ基を有し、すなわちこれらは本発明によれば、同一分子中に少なくとも1個の低度に置換された(niedrigersubstituierte)ヒドロキシ基及び少なくとも1個の高度に置換されたヒドロキシ基を有する。前記ヒドロキシ基の異なる環境により、これらは酵素的(メタ)アクリル化において区別可能になるので、本発明による方法に従って、技術水準から公知の方法を用いるよりも高い選択性が達成される。
【0031】
低度に及び高度に置換されたとは、それゆえ、各ヒドロキシ基が結合されている炭素原子上、すなわちα−炭素原子上の置換基の数の意味である(下記参照)。
【0032】
低度に置換されたヒドロキシ基は、例えば第一級又は第二級のヒドロキシ基であり、高度に置換されたヒドロキシ基は、例えば第二級又は第三級のヒドロキシ基である。その場合に、置換度は、考察されるヒドロキシ基に結合されている炭素原子に結合されている非水素原子の数に関連する。
【0033】
その場合に、ポリアルコール(C)は低度に置換されたヒドロキシ基を少なくとも1個、好ましくは1〜6個、特に好ましくは1〜4個、極めて特に好ましくは1〜3個、特に1〜2個及び殊に1個並びに高度に置換されたヒドロキシ基を少なくとも1個、好ましくは1〜6個、特に好ましくは1〜4個、極めて特に好ましくは1〜3個、特に1〜2個及び殊に1個、有する。
【0034】
本発明による付加的な特徴は、高度に置換されたヒドロキシ基に対して位置βに少なくとも1個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基の存在であり、位置βに少なくとも1個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基が好ましい。
【0035】
その場合に、一般的な慣習は次の通りであり、考察されるヒドロキシ基が結合されている炭素原子がα−炭素原子であり、次の炭素原子がβ−炭素原子であり、かつその次がγ−炭素原子であり、例えば以下に略示的に示される(任意の置換基は示されていない):
【化3】

【0036】
好ましいポリアルコールは、
(1)少なくとも1個の第一級ヒドロキシ基及び少なくとも1個の第二級ヒドロキシ基を有するポリアルコール(C1)、
又は
(2)少なくとも1個の第一級ヒドロキシ基及び少なくとも1個の第三級ヒドロキシ基を有するポリアルコール(C2)、
又は
(3)少なくとも1個の第二級ヒドロキシ基及び少なくとも1個の第三級ヒドロキシ基を有するポリアルコール(C3)、
又は
(4)少なくとも2個の第一級ヒドロキシ基を有するポリアルコール(C4)、これらの基の中で少なくとも1つが位置βに少なくとも1個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有し、かつ少なくとも1つが位置βにアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有しない、
又は
(5)少なくとも2個の第二級ヒドロキシ基を有するポリアルコール(C5)、これらの基の中で少なくとも1つが位置βに少なくとも1個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有し、かつ少なくとも1つが位置βにアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有しない、
のいずれかである。
【0037】
これらの中では、ポリアルコール(C1)及び(C2)が特に好ましく、かつポリアルコール(C1)が極めて特に好ましい。
【0038】
式I
【化4】

及び式II
【化5】

及び式III
【化6】

で示されるポリアルコール(C)が特に好ましく、
上記式中、
1及びR3〜R10は、その都度互いに独立して水素、C1〜C18−アルキル、場合により1個又はそれ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1個又はそれ以上の置換又は非置換のイミノ基により中断されている、C2〜C18−アルキル、C6〜C12−アリール、C5〜C12−シクロアルキル又は酸素原子、窒素原子及び/又は硫黄原子を有している五ないし六員の複素環を表し、ここで前記の基はその都度アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されていてよく、かつ
2は、単結合、C1〜C20−アルキレン、C5〜C12−シクロアルキレン、C6〜C12−アリーレンを表すか又は1個又はそれ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1つ又はそれ以上の置換又は非置換のイミノ基により及び/又は1つ又はそれ以上のシクロアルキル−、−(CO)−、−O(CO)O−、−(NH)(CO)O−、−O(CO)(NH)−、−O(CO)−又は−(CO)O−基により中断されている、C2〜C20−アルキレンを表し、ここで前記の基は、その都度アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されていてよく、
その場合に、
式Iにおける(1)の場合にR1は水素であり、かつ基R3〜R7の少なくとも1個は水素ではなく、
式IIにおける(2)の場合にR1は水素であり、かつ基R3〜R10の少なくとも1個は水素ではなく、かつ
式IIにおける(3)の場合にR1は水素ではなく、かつ基R3〜R10の少なくとも1個は水素ではなく、
式IIIにおける(4)の場合にR1及びR5は水素であり、かつ基R3及びR4の少なくとも1個は水素ではなく、かつ
式IIIにおける(5)の場合にR1及びR5は水素ではなく、かつ基R3及びR4の少なくとも1個は水素ではない。
【0039】
好ましくは、基R1〜R10は、別のヒドロキシ基及び/又はアミノ基を有さず、特に好ましくは基R1〜R10は、ヒドロキシ基及び/又はアミノ基及び/又はエステル基及び/又はアミド基を有さず、かつ極めて特に好ましくは、基R1〜R10は、別の酸素原子及び/又は窒素原子を有しない。
【0040】
特に好ましくは、基R1及びR3〜R10は、水素又は炭化水素であり、すなわちこれらは専ら炭素及び水素を含有する。
【0041】
特に好ましくは、基R2及びR3〜R10は、単結合又は炭化水素である。
【0042】
前記の定義において、
場合によりアリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されている、C1〜C20−アルキレンは、例えばメチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、1,1−プロピレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,1−ブチレン、1,2−ブチレン、1,3−ブチレン、1,4−ブチレン、1,6−ヘキシレン、2−メチル−1,3−プロピレン、2−エチル−1,3−プロピレン、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン、2,2−ジメチル−1,4−ブチレンを表し、
場合によりアリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されている、C5〜C12−シクロアルキレンは、例えばシクロプロピレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロオクチレン、シクロドデシレンを表し、
場合によりアリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されており、1個又はそれ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1個又はそれ以上の置換又は非置換のイミノ基により及び/又は1個又はそれ以上のシクロアルキル−、−(CO)−、−O(CO)O−、−(NH)(CO)O−、−O(CO)(NH)−、−O(CO)−又は−(CO)O−基により中断されているC2〜C20−アルキレンは、例えば1−オキサ−1,3−プロピレン、1,4−ジオキサ−1,6−ヘキシレン、1,4,7−トリオキサ−1,9−ノニレン、1−オキサ−1,4−ブチレン、1,5−ジオキサ−1,8−オクチレン、1−オキサ−1,5−ペンチレン、1−オキサ−1,7−ヘプチレン、1,6−ジオキサ−1,10−デシレン、1−オキサ−3−メチル−1,3−プロピレン、1−オキサ−3−メチル−1,4−ブチレン、1−オキサ−3,3−ジメチル−1,4−ブチレン、1−オキサ−3,3−ジメチル−1,5−ペンチレン、1,4−ジオキサ−3,6−ジメチル−1,6−ヘキシレン、1−オキサ−2−メチル−1,3−プロピレン、1,4−ジオキサ−2,5−ジメチル−1,6−ヘキシレン、1−オキサ−1,5−ペント−3−エニレン、1−オキサ−1,5−ペント−3−イニレン、1,1−、1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘキシレン、1,2−又は1,3−シクロペンチレン、1,2−、1,3−又は1,4−フェニレン、4,4′−ビフェニレン、1,4−ジアザ−1,4−ブチレン、1−アザ−1,3−プロピレン、1,4,7−トリアザ−1,7−ヘプチレン、1,4−ジアザ−1,6−ヘキシレン、1,4−ジアザ−7−オキサ−1,7−ヘプチレン、4,7−ジアザ−1−オキサ−1,7−ヘプチレン、4−アザ−1−オキサ−1,6−ヘキシレン、1−アザ−4−オキサ−1,4−ブチレン、1−アザ−1,3−プロピレン、4−アザ−1−オキサ−1,4−ブチレン、4−アザ−1,7−ジオキサ−1,7−ヘプチレン、4−アザ−1−オキサ−4−メチル−1,6−ヘキシレン、4−アザ−1,7−ジオキサ−4−メチル−1,7−ヘプチレン、4−アザ−1,7−ジオキサ−4−(2′−ヒドロキシエチル)−1,7−ヘプチレン、4−アザ−1−オキサ−(2′−ヒドロキシエチル)−1,6−ヘキシレン又は1,4−ピペラジニレンを表し、
場合によりアリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されている、C6〜C12−アリーレンは、例えば1,2−、1,3−又は1,4−フェニレン、4,4′−ビフェニレン、トルイレン又はキシリレンを表し、
1〜C18−アルキル又は場合により1個又はそれ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1個又はそれ以上の置換又は非置換のイミノ基により中断されている、C2〜C18−アルキルは、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、1,1−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、α,α−ジメチルベンジル、ベンズヒドリル、p−トリルメチル、1−(p−ブチルフェニル)−エチル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、p−メトキシベンジル、m−エトキシベンジル、2−シアノエチル、2−シアノプロピル、2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、2−ブトキシカルボニルプロピル、1,2−ジ−(メトキシカルボニル)−エチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−ブトキシエチル、ジエトキシメチル、ジエトキシエチル、1,3−ジオキソラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシプロピル、2−オクチルオキシエチル、クロロメチル、2−クロロエチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、1,1−ジメチル−2−クロロエチル、2−メトキシイソプロピル、2−エトキシエチル、ブチルチオメチル、2−ドデシルチオエチル、2−フェニルチオエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−フェノキシエチル、2−フェノキシプロピル、3−フェノキシプロピル、4−フェノキシブチル、6−フェノキシヘキシル、2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、6−メトキシヘキシル、2−エトキシエチル、2−エトキシプロピル、3−エトキシプロピル、4−エトキシブチル又は6−エトキシヘキシル、及び好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、1,1−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、α,α−ジメチルベンジル、ベンズヒドリル、p−トリルメチル、1−(p−ブチルフェニル)−エチル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、2−シアノエチル、2−シアノプロピル、クロロメチル、2−クロロエチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、1,1−ジメチル−2−クロロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチルを表し、
場合により1個又はそれ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1個又はそれ以上の置換又は非置換のイミノ基により中断されている、C6〜C12−アリールは、例えばフェニル、トリル、キシリル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−ジフェニリル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、トリクロロフェニル、ジフルオロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、イソプロピルフェニル、t−ブチルフェニル、ドデシルフェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、エトキシフェニル、ヘキシルオキシフェニル、メチルナフチル、イソプロピルナフチル、クロロナフチル、エトキシナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−ブロモフェニル、2−又は4−ニトロフェニル、2,4−又は2,6−ジニトロフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−アセチルフェニル、メトキシエチルフェニル又はエトキシメチルフェニル、及び好ましくはフェニル、トリル、キシリル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−ジフェニリル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、トリクロロフェニル、ジフルオロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、イソプロピルフェニル、t−ブチルフェニル、ドデシルフェニル、クロロナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−ブロモフェニル、2−又は4−ニトロフェニル、2,4−又は2,6−ジニトロフェニルを表し、
場合により1個又はそれ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1個又はそれ以上の置換又は非置換のイミノ基により中断されている、C5〜C12−シクロアルキルは、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、ジエチルシクロヘキシル、ブチルシクロヘキシル、メトキシシクロヘキシル、ジメトキシシクロヘキシル、ジエトキシシクロヘキシル、ブチルチオシクロヘキシル、クロロシクロヘキシル、ジクロロシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル並びに飽和又は不飽和の二環系、例えばノルボルニル又はノルボルネニル、及び好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、ジエチルシクロヘキシル、ブチルシクロヘキシル、クロロシクロヘキシル、ジクロロシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル並びに飽和又は不飽和の二環系、例えばノルボルニル又はノルボルネニルを表し、
かつ
場合により1個又はそれ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1個又はそれ以上の置換又は非置換のイミノ基により中断されている、酸素原子、窒素原子及び/又は硫黄原子を有している五ないし六員の複素環は、例えばフリル、チオフェニル、ピリル、ピリジル、インドリル、ベンズオキサゾリル、ジオキソリル、ジオキシル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ジメチルピリジル、メチルキノリル、ジメチルピリル、メトキシフリル、ジメトキシピリジル、ジフルオロピリジル、メチルチオフェニル、イソプロピルチオフェニル又はt−ブチルチオフェニルを表す。
【0043】
2の例は、単結合、メチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、1,1−プロピレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,1−ジメチル−1,2−エチレン、1,4−ブチレン、1,6−ヘキシレン、2−メチル−1,3−プロピレン、2−エチル−1,3−プロピレン、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン及び2,2−ジメチル−1,4−ブチレン、3−メチル−1,5−ペンチレン、3,5−ヘプチレン、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン及びo−フェニレンであり、
単結合、メチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、1,1−プロピレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,1−ジメチル−1,2−エチレン及び3,5−ヘプチレンが好ましく、
単結合、メチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、1,1−プロピレン、1,3−プロピレン及び3,5−ヘプチレンが特に好ましく、かつ
1,1−プロピレン及び3,5−ヘプチレンが極めて特に好ましい。
【0044】
1及びR3〜R10の好ましい例は、互いに独立して水素、C1〜C4−アルキル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、n−エイコシル、2−エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、フェニル、ナフチル又はベンジルである。
【0045】
1〜C4−アルキルは、本明細書の範囲内で、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル又はt−ブチル、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル及びn−ブチル、特に好ましくはメチル、エチル及びn−ブチル及び極めて特に好ましくはメチル及びエチルを表す。
【0046】
ポリアルコール(C)の好ましい例は、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−プロピル−1,3−ヘプタンジオール、2,4−ジエチルオクタン−1,5−ジオール、2,2−ジメチル−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−2,6−ヘプタンジオール、4−メチル−シクロヘキサン−1,3−ジオール及び3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオールである。2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール及び2,4−ジエチルオクタン−1,5−ジオールが特に好ましく、かつ2−エチル−1,3−ヘキサンジオール及び2,4−ジエチルオクタン−1,5−ジオールが極めて特に好ましい。
【0047】
ヒドロキシ基の区別可能性のためには、本発明によれば、ヒドロキシ基が異なる環境を有することが必要である、すなわち例えば鏡映面(σ)を有しない、これは例えば2−メチル−1,3−プロパンジオールの場合に当てはまり、及び/又はC2−及び/又はC3−回転軸を有しない、例えば2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール又はトリメチロールエタンの場合に当てはまる。
【0048】
反応工程において、(メタ)アクリル酸でのエステル化又は好ましくはポリアルコール(C)と少なくとも1つの、好ましくは1つの(メタ)アクリラート(D)とのエステル交換は、少なくとも1つの、好ましくは1つの、エステル交換を触媒する酵素(E)の存在で行われる。
【0049】
化合物(D)は、(メタ)アクリル酸又は飽和アルコールとの(メタ)アクリル酸のエステル、好ましくは(メタ)アクリル酸の飽和C1〜C10−アルキルエステル又はC3〜C12−シクロアルキルエステル、特に好ましくは(メタ)アクリル酸の飽和C1〜C4−アルキルエステルであってよい。
【0050】
飽和は、本明細書の範囲内でC−C−多重結合を有しない化合物を意味する(もちろん(メタ)アクリル単位中のC=C−二重結合を除く)。
【0051】
化合物(D)の例は、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸イソブチルエステル、(メタ)アクリル酸n−オクチルエステル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリラート及び1,2−エチレングリコールモノ(メタ)アクリラート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリラート及び1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリラート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリラート及び1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリラート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリラート及びペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリラートである。
【0052】
(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸n−ブチルエステル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステルが特に好ましく、かつ(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル及び(メタ)アクリル酸−n−ブチルエステルが極めて特に好ましい。
【0053】
前記のアルコールが光学活性である場合には、これらは好ましくはラセミ体で又はジアステレオマー混合物として使用されるが、しかしながら、純粋な鏡像体もしくはジアステレオマーとして又は鏡像体混合物として使用することも可能である。
【0054】
酵素的エステル化又は(メタ)アクリラートとのエステル交換は、一般的に0〜100℃、好ましくは20〜80℃、特に好ましくは20〜70℃、極めて特に好ましくは20〜60℃で行われる。
【0055】
本発明により使用可能な酵素(E)は例えば、加水分解酵素(E.C. 3.-.-.-)から、及びこれらの中では特に、遊離した形又は担体上に化学的に又は物理的に固定化した形でのエステラーゼ(E.C. 3.1.-.-)、リパーゼ(E.C. 3.1.1.3)、グリコシラーゼ(E.C. 3.2.-.-)及びプロテアーゼ(E.C. 3.4.-.-)から、好ましくはリパーゼ、エステラーゼ又はプロテアーゼ及び特に好ましくはエステラーゼ(E.C. 3.1.-.-)から選択されている。Novozyme 435(カンジダ アンタルクチカ(Candida antarctica) B由来のリパーゼ)又はアルカリゲネス(Alcaligenes sp.)、アスペルギルス(Aspergillus sp.)、ムコール(Mucor sp.)、ペニシリウム(Penicilium sp.)、ゲオトリクム(Geotricum sp.)、リゾープス(Rhizopus sp.)、バークホルデリア(Burkholderia sp.)、カンジダ(Candida sp.)、シュードモナス(Pseudomonas sp.)、サーモマイセス(Thermomyces sp.)又はブタ脾臓由来のリパーゼが極めて特に好ましく、カンジダ アンタルクチカ(Candida antarctica) B由来又はバークホルデリア(Burkholderia sp.)由来のリパーゼが殊に好ましい。
【0056】
反応媒体中の酵素含量は、通例、使用されるアルコール(C)に対して、約0.1〜10質量%の範囲内である。
【0057】
反応時間は、とりわけ、温度、酵素触媒の使用される量及び活性及び必要とされる転化率に並びに部分エステル化されたアルコールに依存する。好ましくは、反応時間は、アルコール(C)中に含有している反応すべきヒドロキシ官能基、すなわち低度に置換されたヒドロキシ官能基の転化率が少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、特に好ましくは少なくとも90%、極めて特に好ましくは少なくとも95%、特に少なくとも97%及び殊に少なくとも98%であるように適合される。通例、このためには、1〜72時間、好ましくは3〜36時間及び特に好ましくは3〜24時間で十分である。
【0058】
(メタ)アクリル酸化合物(D)((メタ)アクリル単位に対して)対部分エステル化されたアルコール(C)(ヒドロキシ基に対して)のモル比は、幅広い範囲内で、例えば100:1〜1:1、好ましくは50:1〜1:1、特に好ましくは20:1〜1:1及び極めて特に好ましくは10:1〜1:1の比で、調節されることができる。
【0059】
反応は、有機溶剤又はそれらの混合物中で又は溶剤を添加せずに進行することができる。好ましくは溶剤は添加されない。前記バッチは通例、大体において水不含である(すなわち水添加10体積%未満、好ましくは5体積%未満、特に好ましくは1体積%未満及び極めて特に好ましくは0.5体積%未満)。
【0060】
適している有機溶剤は、これらの目的に知られたそのようなもの、例えば第三級モノオール、例えばC3〜C6−アルコール、好ましくはt−ブタノール、t−アミルアルコール、ピリジン、ポリ−C1〜C4−アルキレングリコールジ−C1〜C4−アルキルエーテル、好ましくはポリエチレングリコールジ−C1〜C4−アルキルエーテル、例えば1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル500、メチル−t−ブチルエーテル、エチル−t−ブチルエーテル、C1〜C4−アルキレンカーボネート、特にプロピレンカーボネート、酢酸C3〜C6−アルキルエステル、特に酢酸t−ブチルエステル、THF、トルエン、1,3−ジオキソラン、アセトン、イソブチルメチルケトン、エチルメチルケトン、1,4−ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、ヘキサン、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、アセトニトリル、並びにそれらの一相又は多相の混合物である。遊離する水又はアルコールを、使用された酵素の温度至適値のできるだけ近くで沸騰する二元又は三元のヘテロアゼオトロープにより分離することは有利でありうる。こうして除去されたアルコールは、ついで相分離又は膜蒸気分離により除去されることができる。
【0061】
選択的に有機溶剤に水性溶剤が添加されることができるので、−有機溶剤に依存して−一相又は多相の反応溶液が生じる。水性溶剤の例は、水並びに、例えば約6〜8の範囲内のpH値を有する、水性の、希釈された(例えば10〜100mM)緩衝液、例えばリン酸カリウム−又はTRIS−HCl緩衝液である。
【0062】
反応バッチ中の水割合は、通例0〜10体積%である。好ましくは、前記反応物は、前処理(乾燥、水ドープ)なしで使用される。
【0063】
前記基質は、反応媒体中に溶解されてか、固体として懸濁されてか又は乳濁液中で存在する。好ましくは、反応物の出発濃度は、約0.1〜20mol/l、特に0.15〜10mol/l又は0.2〜5mol/lの範囲内である。
【0064】
反応は連続的に、例えば管形反応器中で又は撹拌反応器カスケード中で、又は不連続に行われることができる。
【0065】
前記反応はそのような反応に適している全ての反応器中で実施されることができる。そのような反応器は当業者に知られている。好ましくは反応は撹拌釜反応器又は固定床反応器中で行われる。
【0066】
前記反応バッチの混合のために任意の方法が使用されることができる。特別な撹拌装置は不必要である。反応媒体は一相又は多相であってよく、かつ反応物は、その中に溶解されるか、懸濁されるか又は乳化され、場合によりモレキュラーシーブと一緒に装入され、かつ反応の開始時に、並びに場合により反応の過程において一度又は何度も、酵素調製物と混合される。温度は反応の間に所望の値に調節され、かつ、所望の場合には、反応過程の間に高められるか又は低下されることができる。
【0067】
前記反応が固定床反応器中で実施される場合には、固定床反応器には好ましくは固定化した酵素が備えられており、その場合に前記反応混合物は酵素が充填されたカラムへポンプ輸送される。前記反応を流動床中で実施することも可能であり、その場合に前記酵素は担体上に固定化されて使用される。反応混合物はカラムへ連続的にポンプ輸送されることができ、その場合に流量を用いて滞留時間、ひいては所望の転化率が制御可能である。反応混合物を循環してカラムへポンプ輸送することも可能であり、その場合に遊離したアルコールは同時に真空下に留去されることもできる。
【0068】
エステル化の場合の水又はエステル交換の際にアルキル(メタ)アクリラートから遊離されるアルコールの除去は、連続的に又は徐々にそれ自体として公知の方法で、例えば真空、アゼオトロープ除去、吸収、浸透気化(Pervaporation)及び膜を介しての拡散により行われる。
【0069】
このためには、好ましくはモレキュラーシーブ又はゼオライト(例えば約3〜10Åの範囲内の孔径)、蒸留によるか又は適した半透膜を用いる分離が適している。
【0070】
しかしまた、アルキル(メタ)アクリラート及びこの母体となるアルコールからなり、しばしばアゼオトロープを形成する分離された混合物を、アルキル(メタ)アクリラートの製造のための設備中へ直接供給して、そこで(メタ)アクリル酸でのエステル化において再利用することも可能である。
【0071】
前記反応の終了後に、エステル化又はエステル交換から得られた反応混合物は、さらに精製することなくさらに使用されることができるか又はこれは必要な場合にはさらなる工程において精製されることができる。
【0072】
通例、精製工程において、使用された酵素のみが反応混合物から分離され、かつ反応生成物は場合により使用された有機溶剤から分離される。
【0073】
酵素の分離は通例、ろ過、吸収、遠心分離又はデカンテーションにより行われる。分離された酵素は、引き続いて別の反応のために使用されることができる。
【0074】
有機溶剤の分離は通例、蒸留、精留によるか又は固体の反応生成物の場合にろ過により行われる。
【0075】
反応生成物のさらなる精製のために、クロマトグラフィーも実施されることができる。
【0076】
しかしながら、好ましくは、精製工程において、使用された酵素のみ及び場合により使用された溶剤が分離される。
【0077】
酵素的エステル化又はエステル交換の際の反応条件は温和である。低い温度及びその他の温和な条件に基づいて、さもなければ例えば化学触媒に由来しうるか、又はそれとは別に安定剤の添加によってのみ防止されることができる使用された(メタ)アクリラートの望ましくないラジカル重合に由来しうる副生物の形成は反応の間に回避される。
【0078】
本発明による反応操作の場合に、(メタ)アクリル化合物(D)に、いずれにせよ含まれている貯蔵安定剤以外に、付加的な安定剤、例えばヒドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、フェノール類、例えば2−t−ブチル−4−メチルフェノール、6−t−ブチル−2,4−ジメチル−フェノール又はN−オキシル、例えば4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシルが、例えば50〜2000ppmの量で添加されることができる。有利には、エステル化又はエステル交換は、酸素含有ガス、好ましくは空気又は空気−窒素−混合物の存在で実施される。
【0079】
さらに、酵素触媒は問題なく最終生成物から除去されることができる。
【0080】
反応混合物は、場合により、所望の場合には、例えばろ過、蒸留、精留、クロマトグラフィー、イオン交換体、吸着剤、中性の、酸性の及び/又はアルカリ性の洗浄での処理、ストリッピング又は結晶化により、精製されることができる。
【0081】
本発明のさらなる対象は、異なるヒドロキシ基を有するポリアルコール(C)から得ることができる(メタ)アクリラートであり、その場合に専ら低度に置換されたヒドロキシ基は(メタ)アクリル化されているが、しかしながら高度に置換されたヒドロキシ基は(メタ)アクリル化されていない。
【0082】
好ましくはこれらは式Ia
【化7】

及び式IIa
【化8】

及び式IIIa
【化9】

で示される化合物であり、上記式中、
1〜R10は上記で定義された通りであり、かつ
11は水素又はメチルを表す。
【0083】
(メタ)アクリル酸2−エチル−3−ヒドロキシ−ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ヒドロキシ−ペンチルエステル及び(メタ)アクリル酸2,4−ジエチル−1,5−ジヒドロキシ−オクチルエステルが特に好ましく、アクリル酸2−エチル−3−ヒドロキシ−ヘキシルエステル、アクリル酸2−メチル−3−ヒドロキシ−ペンチルエステル及びアクリル酸2,4−ジエチル−1,5−ジヒドロキシ−オクチルエステルが極めて好ましく、特にアクリル酸2−エチル−3−ヒドロキシ−ヘキシルエステル及びアクリル酸2,4−ジエチル−1,5−ジヒドロキシ−オクチルエステル、かつ殊にアクリル酸2,4−ジエチル−1,5−ジヒドロキシ−オクチルエステルである。
【0084】
本発明により得られる部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステルの色数は、通例、DIN ISO 6271による100未満のAPHA、好ましくは80未満、特に好ましくは60未満、極めて特に好ましくは40未満及び特に20未満のAPHAである。
【0085】
故に得ることができるコーティングは親水性基体上並びに疎水性基体上で、極めて高い耐引っかき性、硬さ、耐薬品性、弾性及び接着を有する。
【0086】
本発明により得ることができる部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)は、有利にはモノマー又はコモノマーとしてポリ(メタ)アクリラートにおいて又は反応性希釈剤として熱的に硬化可能、放射線硬化可能及び/又はデュアル−キュア(Dual-Cure-)硬化可能なポリ(メタ)アクリラートにおいて使用されることができる。そのようなポリ(メタ)アクリラートは例えば、結合剤として熱的に硬化可能、放射線硬化可能又はデュアル−キュア硬化可能なコーティング剤において並びに接着剤、例えばアクリラート接着剤において並びにシーラントにおいて適している。さらに、部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)は、ポリウレタン、例えばPU分散液、PUフォーム、PU接着剤及びPUコーティングにおいて使用可能である。熱的に硬化可能とは、例えば、さらに付加的に架橋性試薬、例えばメラミン樹脂又はイソシアナート誘導体と反応される一成分(1K)及び二成分(2K)−塗装系であると理解される。
【0087】
故に、本出願明細書のさらなる対象は、反応性希釈剤又は結合剤として放射線硬化可能又はデュアル−キュア硬化可能なコーティング材料において、好ましくはトップコート材料において、特に好ましくは透明なクリヤコートにおける、本発明による方法に従い製造された部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステルの使用である。もちろん、本発明により製造される部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステルは、モノマーとして重合において、場合により他の重合可能なモノマー、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル又はN−ビニルホルムアミドと一緒に、使用されることもできる。
【0088】
"デュアル−キュア"は、コーティング材料が熱的に及び化学線で硬化可能であると理解されるべきである。本発明の範囲内で、化学線は、電磁放射線、例えば可視光線、紫外線又はレントゲン線、特に紫外線、及び粒子線、例えば電子線であると理解されるべきである。
【0089】
放射線硬化可能な結合剤は、前記で定義されたような化学線を用いて、特に紫外線を用いて硬化可能であるそのようなものである。
【0090】
本出願明細書のさらなる対象は、本発明による方法に従い得ることができる部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステルを含有している塗料配合物である。その場合に、部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステルはベースコート並びにトップコートにおいて使用されることができる。それらの特別な性質、例えば、放射線硬化されたクリヤコートコーティングの、特に分枝鎖状ポリアクリラートの場合に、耐引っかき性及び弾性の増大、並びに粘度の低下に基づいて、トップコート材料におけるその使用が好ましい。
【0091】
本発明による方法に従い得ることができる部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)に加えて、本発明による放射線硬化可能な組成物は、さらに次の成分を含有していてよい:
(G)複数の共重合可能なエチレン系不飽和基を有する少なくとも1つの重合可能な化合物、
(H)場合により反応性希釈剤、
(I)場合により光開始剤並びに
(J)場合によりさらに塗料に典型的な添加剤。
【0092】
化合物(G)として、複数の、すなわち少なくとも2個の、共重合可能なエチレン系不飽和基を有する放射線硬化可能なラジカル重合可能な化合物が考慮に値する。
【0093】
好ましくは、化合物(G)は、ビニルエーテル化合物又は(メタ)アクリラート化合物であり、その都度、アクリラート化合物、すなわちアクリル酸の誘導体が特に好ましい。
【0094】
好ましいビニルエーテル化合物及び(メタ)アクリラート化合物(G)は、2〜20個、好ましくは2〜10個及び極めて特に好ましくは2〜6個の共重合可能なエチレン系不飽和二重結合を有する。
【0095】
0.1〜0.7mol/100g、極めて特に好ましくは0.2〜0.6mol/100gのエチレン系不飽和二重結合含量を有するそのような化合物(G)が特に好ましい。
【0096】
化合物(G)の数平均分子量Mnは、他に記載されていない場合には、好ましくは15000g/mol未満、特に好ましくは300〜12000g/mol、極めて特に好ましくは400〜5000g/mol及び殊に500〜3000g/molである(標準としてポリスチレン及び溶離剤としてテトラヒドロフランを用いるゲル浸透クロマトグラフィーにより決定される)。
【0097】
(メタ)アクリラート化合物として、(メタ)アクリル酸エステル及び特にアクリル酸エステル並びに多官能性アルコールのビニルエーテル、特にヒドロキシル基以外に別の官能基又は必要とあればエーテル基を含有しないそのようなものを挙げることができる。そのようなアルコールの例は、例えば二官能性アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール及びそれらの高度に縮合した典型例、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等、1,2−、1,3−又は1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、アルコキシル化されたフェノール性化合物、例えばエトキシル化もしくはプロポキシル化されたビスフェノール、1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジメタノール、三官能性及び高官能性のアルコール、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトール及び相応するアルコキシル化された、特にエトキシル化及び/又はプロポキシル化されたアルコールである。
【0098】
アルコキシル化生成物は公知の方法で、前記アルコールとアルキレンオキシド、特にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの反応により得ることができる。好ましくは、ヒドロキシル基1個当たりのアルコキシル化度は0〜10であり、すなわちヒドロキシル基1molは10molまでのアルキレンオキシドでアルコキシル化されていてよい。
【0099】
(メタ)アクリラート化合物として、さらにポリエステル(メタ)アクリラートを挙げることができ、これらはポリエステルオールの(メタ)アクリル酸エステル又はビニルエーテル、並びにウレタン(メタ)アクリラート、エポキシ(メタ)アクリラート又はメラミン(メタ)アクリラートである。
【0100】
ウレタン(メタ)アクリラートは、例えば、ポリイソシアナートと、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート及び場合により鎖長延長剤、例えばジオール、ポリオール、ジアミン、ポリアミン又はジチオール又はポリチオールとの反応により入手可能である。
【0101】
ウレタン(メタ)アクリラートは好ましくは、500〜20 000g/mol、特に750〜10 000g/mol、特に好ましくは750〜3000g/molの数平均分子量Mnを有する(標準としてポリスチレンを用いるゲル浸透クロマトグラフィーにより決定される)。
【0102】
ウレタン(メタ)アクリラートは、好ましくは、ウレタン(メタ)アクリラート1000g当たり、(メタ)アクリル基1〜5mol、特に好ましくは2〜4molの含量を有する。
【0103】
エポキシ(メタ)アクリラートは、エポキシドと(メタ)アクリル酸との反応により得ることができる。エポキシドとして、例えばエポキシ化オレフィン又はグリシジルエーテル、例えばビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル又は脂肪族グリシジルエーテル、例えばブタンジオールジグリシドエーテルが考慮に値する。
【0104】
メラミン(メタ)アクリラートは、メラミンと、(メタ)アクリル酸又はそのエステルとの反応により得ることができる。
【0105】
エポキシ(メタ)アクリラート及びメラミン(メタ)アクリラートは、好ましくは500〜20000g/mol、特に好ましくは750〜10000g/mol及び極めて特に好ましくは750〜3000g/molの数平均分子量Mnを有し;(メタ)アクリル基含量は、エポキシ(メタ)アクリラート又はメラミン(メタ)アクリラート1000g当たり、好ましくは1〜5、特に好ましくは2〜4である(標準としてポリスチレン及び溶離剤としてテトラヒドロフランを用いるゲル浸透クロマトグラフィーにより決定される)。
【0106】
さらに、平均して好ましくは1〜5個、特に2〜4個、特に好ましくは2〜3個の(メタ)アクリル基及び極めて特に好ましくは2個の(メタ)アクリル基を含有するカーボネート(メタ)アクリラートが適している。
【0107】
カーボネート(メタ)アクリラートの数平均分子量Mnは、好ましくは3000g/mol未満、特に好ましくは1500g/mol未満、特に好ましくは800g/mol未満である(標準としてポリスチレン、溶剤としてテトラヒドロフランを用いるゲル浸透クロマトグラフィーにより決定される)。
【0108】
カーボネート(メタ)アクリラートは、炭酸エステルと、多価の、好ましくは二価のアルコール(ジオール、例えばヘキサンジオール)とのエステル交換及び引き続き(メタ)アクリル酸での遊離OH基のエステル化又はまた(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換により単純な方法で得ることができ、これは例えば欧州特許出願公開(EP-A)第92 269号明細書に記載されている。これらはホスゲン、尿素誘導体と、多価の、例えば二価のアルコールとの反応によっても得ることができる。
【0109】
反応性希釈剤(化合物(H))として、共重合可能なエチレン系不飽和基1個のみを有する放射線硬化可能、ラジカル重合可能又はカチオン重合可能な化合物が考慮に値する。
【0110】
例えばC1〜C20−アルキル(メタ)アクリラート、炭素原子20個までを有するビニル芳香族化合物、炭素原子20個までを含有しているカルボン酸のビニルエステル、エチレン系不飽和ニトリル、炭素原子1〜10個を含有しているアルコールのビニルエーテル、α,β−不飽和カルボン酸及びそれらの無水物及び炭素原子2〜8個及び二重結合1又は2個を有する脂肪族炭化水素を挙げることができる。
【0111】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、C1〜C10−アルキル基を有するそのようなもの、例えばメチルメタクリラート、メチルアクリラート、n−ブチルアクリラート、エチルアクリラート及び2−エチルヘキシルアクリラートが好ましい。
【0112】
特に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの混合物も適している。
【0113】
炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のビニルエステルは、例えばラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、プロピオン酸ビニル及び酢酸ビニルである。
【0114】
α,β−不飽和カルボン酸及びそれらの無水物は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸又は無水マレイン酸、好ましくはアクリル酸であってよい。
【0115】
ビニル芳香族化合物として、例えばビニルトルエン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレン及び好ましくはスチレンが考慮に値する。
【0116】
ニトリルの例は、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルである。
【0117】
適しているビニルエーテルは、例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルヘキシルエーテル及びビニルオクチルエーテルである。
【0118】
炭素原子2〜8個及びオレフィン二重結合1個又は2個を有する非芳香族炭化水素として、ブタジエン、イソプレン、並びにエチレン、プロピレン及びイソブチレンを挙げることができる。
【0119】
さらに、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン並びにN−ビニルカプロラクタムが使用可能である。
【0120】
光開始剤(I)として、当業者に知られた光開始剤が使用されることができ、例えば"Advances in Polymer Science", 第14巻, Springer Berlin 1974に又はK. K. Dietliker, Chemistry and Technology of UV- and EB-Formulation for Coatings, Inks and Paints, 第3巻; Photoinitiators for Free Radical and Cationic Polymerization, P. K. T. Oldring(編)、SITA Technology Ltd, Londonに挙げられたそのようなものである。
【0121】
考慮に値するのは、例えばモノアシルホスフィンオキシド又はビスアシルホスフィンオキシドであるIrgacure 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド)、これらは例えば欧州特許出願公開(EP-A)第7 508号明細書、欧州特許出願公開(EP-A)第57 474号明細書、独国特許出願公開(DE-A)第196 18 720号明細書、欧州特許出願公開(EP-A)第495 751号明細書又は欧州特許出願公開(EP-A)第615 980号明細書に記載されており、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(Lucirin(登録商標) TPO)、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィナート、ベンゾフェノン類、ヒドロキシアセトフェノン類、フェニルグリオキシル酸及びその誘導体又はこれらの光開始剤の混合物である。例として、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アセトナフトキノン、メチルエチルケトン、バレロフェノン、ヘキサノフェノン、α−フェニルブチロフェノン、p−モルホリノプロピオフェノン、ジベンゾスベロン、4−モルホリノベンゾフェノン、4−モルホリノデオキシベンゾイン、p−ジアセチルベンゼン、4−アミノベンゾフェノン、4′−メトキシアセトフェノン、β−メチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、アントラキノンカルボン酸エステル、ベンズアルデヒド、α−テトラロン、9−アセチルフェナントレン、2−アセチルフェナントレン、10−チオキサンテノン、3−アセチルフェナントレン、3−アセチルインドール、9−フルオレノン、1−インダノン、1,3,4−トリアセチルベンゼン、チオキサンテン−9−オン、キサンテン−9−オン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、ベンゾイン、ベンゾイン−イソブチルエーテル、クロロキサンテノン、ベンゾイン−テトラヒドロピラニルエーテル、ベンゾイン−メチルエーテル、ベンゾイン−エチルエーテル、ベンゾイン−ブチルエーテル、ベンゾイン−イソプロピルエーテル、7H−ベンゾイン−メチルエーテル、ベンズ[de]アントラセン−7−オン、1−ナフトアルデヒド、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、ミヒラーケトン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、1−ベンゾイル−シクロヘキサン−1−オール、2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン、アセトフェノンジメチルケタール、o−メトキシベンゾフェノン、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、ベンズ[a]アントラセン−7,12−ジオン、2,2−ジエトキシ−アセトフェノン、ベンジルケタール、例えばベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、アントラキノン類、例えば2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン及び2,3−ブタンジオンを挙げることができる。
【0122】
フェニルグリオキサル酸エステル型の黄変しないか又はあまり黄変しない光開始剤も適しており、例えば独国特許出願公開(DE-A)第198 26 712号明細書、独国特許出願公開(DE-A)第199 13 353号明細書又は国際公開(WO)第98/33761号パンフレットに記載されている。
【0123】
挙げた光開始剤の中では、ホスフィンオキシド、α−ヒドロキシケトン及びベンゾフェノン類が好ましい。
【0124】
特に、異なる光開始剤の混合物も使用されることができる。
【0125】
光開始剤は、単独で又は例えば安息香酸型、アミン型又は類似の型の光重合助触媒との組合せで、使用されることができる。
【0126】
さらに塗料に典型的な添加剤(J)として、例えば酸化防止剤、酸化抑制剤、安定剤、活性剤(促進剤)、充填剤、顔料、染料、脱気剤、つや出し剤、帯電防止剤、防炎加工剤、増粘剤、チキソトロープ剤、流れ調節助剤(Verlaufshilfsmittel)、結合剤、消泡剤、芳香剤、表面活性剤、粘度調節剤、軟化剤、可塑剤、粘着性にする樹脂(粘着付与剤)、キレート化剤又は相溶化剤(compatibilizer)が使用されることができる。
【0127】
熱的な後硬化のための促進剤として、例えばオクタン酸スズ、オクタン酸亜鉛、ジブチルスズラウラート又はジアザ[2.2.2]ビシクロオクタンが使用されることができる。
【0128】
さらに、1つ又はそれ以上の光化学的に及び/又は熱的に活性化可能な開始剤、例えばペルオキソ二硫酸カリウム、過酸化ジベンゾイル、過酸化シクロヘキサノン、過酸化ジ−t−ブチル、アゾビスイソブチロニトリル、シクロヘキシルスルホニルアセチルペルオキシド、過炭酸ジイソプロピル、過オクタン酸t−ブチル又はベンズピナコール、並びに例えば、80℃で100時間を上回る半減期を有するそのような熱的に活性化可能な開始剤、例えば過酸化ジ−t−ブチル、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル、例えばWacker社の商標名AD-DID 600で商業的に入手可能であるシリル化ピナコール、又はヒドロキシル基含有アミン−N−オキシド、例えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラ−メチルピペリジン−N−オキシル等が添加されることができる。
【0129】
適している開始剤のさらなる例は、"Polymer Handbook", 第2版, Wiley & Sons, New Yorkに記載されている。
【0130】
増粘剤として、ラジカル(共)重合された(コ)ポリマーに加えて、常用の有機及び無機の増粘剤、例えばヒドロキシメチルセルロース又はベントナイトが考慮に値する。
【0131】
キレート化剤として、例えばエチレンジアミン酢酸及びその塩並びにβ−ジケトンが使用されることができる。
【0132】
適している充填剤は、ケイ酸塩、例えば四塩化ケイ素の加水分解により得ることができるケイ酸塩、例えばDegussa社のアエロジル(Aerosil)(登録商標)、珪土、タルク、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等を含む。
【0133】
適している安定剤は、典型的なUV吸収体、例えばオキシアニリド、トリアジン及びベンゾトリアゾール(後者はCiba-SpezialitaetenchemieのTinuvin(登録商標)−ブランドとして入手可能である)及びベンゾフェノン類を含む。これらは、単独で又は適したラジカルスカベンジャー、例えばステリックヒンダードアミン、例えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,6−ジ−t−ブチルピペリジン又はその誘導体、例えばビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバシナートと一緒に、使用されることができる。安定剤は通常、前記配合物中に含まれている固体成分に対して0.1〜5.0質量%の量で使用される。
【0134】
さらに適した安定剤は、例えばN−オキシル、例えば4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル、4,4′,4″−トリス(2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−N−オキシル)−ホスフィット又は3−オキソ−2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジン−N−オキシル、フェノール類及びナフトール類、例えばp−アミノフェノール、p−ニトロソフェノール、2−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2−メチル−4−t−ブチルフェノール、4−メチル−2,6−t−ブチルフェノール(2,6−t−ブチル−p−クレゾール)又は4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェノール、キノン類、例えばヒドロキノン又はヒドロキノンモノメチルエーテル、芳香族アミン、例えばN,N−ジフェニルアミン、N−ニトロソ−ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、例えばN,N′−ジアルキル−p−フェニレンジアミン(ここで前記アルキル基は同じか又は異なっていてよく、かつその都度互いに独立して炭素原子1〜4個からなっていてよく、かつ直鎖状又は分枝鎖状であってよい)、ヒドロキシルアミン、例えばN,N−ジエチルヒドロキシルアミン、尿素誘導体、例えば尿素又はチオ尿素、リン含有化合物、例えばトリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィット又はトリエチルホスフィット又は硫黄含有化合物、例えばジフェニルスルフィド又はフェノチアジンである。
【0135】
放射線硬化可能な材料の典型的な組成は、例えば次の通りである:
(F) 20〜100質量%、好ましくは40〜90質量%、特に好ましくは50〜90質量%及び特に60〜80質量%、
(G) 0〜60質量%、好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは10〜40質量%及び特に10〜30質量%、
(H) 0〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、特に好ましくは6〜30質量%及び特に10〜30質量%、
(I) 0〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは1〜10質量%及び特に2〜5質量%並びに
(J) 0〜50質量%、好ましくは2〜40質量%、特に好ましくは3〜30質量%及び特に5〜20質量%、
但し、(F)、(G)、(H)、(I)及び(J)は合わせて100質量%になる。
【0136】
基体のコーティングは、当業者に知られた常用の方法に従い行われ、その場合に少なくとも1つのコーティング材料はコーティングすべき基体上へ所望の厚さで塗布され、かつコーティング材料の場合により含まれている揮発性成分は、場合により加熱しながら、除去される。この過程は、所望の場合には一度又は何度も繰り返されることができる。基体上への塗布は、知られた方法で、例えば吹付け塗、へら塗、ナイフ塗布、はけ塗、転がし塗(Rollen)、ローラー塗、流し塗、ラミネーション、スプレーバッキング(Hinterspritzen)又は同時押出しすることにより行われることができる。コーティングの厚さは、通例、約3〜1000g/m2及び好ましくは10〜200g/m2の範囲内である。
【0137】
さらに、基体上へコーティング材料が塗布され、かつ場合により乾燥され、電子線又はUV暴露を用いて酸素含有雰囲気下に又は好ましくは不活性ガス下に硬化され、場合により乾燥温度のレベルまでの温度で、及び引き続いて160℃まで、好ましくは60〜160℃の温度で熱処理されることによって基体をコーティングするための方法が開示される。
【0138】
前記の基体をコーティングする方法は、コーティング材料の塗布後にまず最初に160℃まで、好ましくは60〜160℃の温度で熱処理され、引き続いて電子線又はUV暴露を用いて酸素下に又は好ましくは不活性ガス下に硬化されるように実施されることもできる。
【0139】
基体上に形成されたフィルムの硬化は、所望の場合には専ら熱的に行われることができる。しかしながら、一般的に、コーティングは高エネルギー放射線を用いる照射により並びに熱的に硬化される。
【0140】
硬化は、付加的に又は熱硬化の代わりに近赤外(NIR)線によっても行われることができ、その場合にここでは760nm〜2.5μm、好ましくは900〜1500nmの波長範囲内の電磁放射線を近赤外線と呼んでいる。
【0141】
場合により、コーティング剤の複数の層が上下に塗布される場合に、各々のコーティング過程後に熱硬化、NIR硬化及び/又は放射線硬化が行われることができる。
【0142】
放射線硬化のための放射線源として適しているのは、例えば低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯並びに蛍光管、パルス灯(Impulsstrahler)、メタルハライドランプ、電子せん光装置(Elektronenblitzeinrichtungen)であり、それにより放射線硬化は光開始剤なしで可能であり、あるいはエキシマー放射体(Excimerstrahler)である。放射線硬化は、高エネルギー放射線、すなわち紫外線又は昼光、好ましくはλ=200〜700nm、特に好ましくはλ=200〜500nm及び極めて特に好ましくはλ=250〜400nmの波長範囲内で放射する光の作用により、又は高エネルギー電子(電子線;150〜300keV)での照射により行われる。放射線源として、例えば高圧水銀灯、レーザー、パルス灯(せん光)、ハロゲンランプ又はエキシマー放射体が利用される。通常、UV硬化の場合に架橋のために十分な放射線量は80〜3000mJ/cm2の範囲内である。
【0143】
もちろん、複数の、例えば2ないし4の、放射線源が硬化のために使用可能である。
これらはその都度異なる波長範囲内で放射してもよい。
【0144】
照射は、場合により、酸素の遮断下に、例えば不活性ガス雰囲気下に、実施されることもできる。不活性ガスとして好ましくは窒素、希ガス、二酸化炭素、又は燃焼ガスが適している。さらに、照射は、コーティング材料が透明な媒体で覆われて行われることができる。透明な媒体は、例えばプラスチックフィルム、ガラス又は液体、例えば水である。独国特許出願公開(DE-A1)第199 57 900号明細書に記載されているような方法での照射が特に好ましい。
【0145】
本発明のさらなる対象は、基体のコーティング方法であって、その場合に
i)基体をコーティング材料で前記のようにコーティングし、
ii)コーティング材料の揮発性成分を、塗膜形成のために、光開始剤(I)がまだフリーラジカルを本質的に形成しない条件下で除去し、
iii)場合により、工程ii)において形成されたフィルムを高エネルギー放射線で照射し、その場合に前記フィルムは予備硬化され、引き続いて場合により、予備硬化されたフィルムでコーティングされた対象物を機械的に加工するか又は予備硬化されたフィルムの表面を他の基体と接触させ、
iv)前記フィルムを熱的に又は近赤外線で最終硬化させる。
【0146】
その場合に、工程iv)及びiii)はまた逆の順序でも実施されることができ、すなわち前記フィルムは、まず最初に熱的に又は近赤外線により、ついで高エネルギー放射線を用いて硬化されることができる。
【0147】
さらに、本発明による多層塗装でコーティングされた基体も、本発明の対象である。
【0148】
記載されたように硬化されうるそのような層の厚さは、0.1μm〜数mm、好ましくは1〜2000μm、特に好ましくは5〜1000μm、極めて特に好ましくは10〜500μm及び特に10〜250μmであってよい。
【0149】
本発明により製造される部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステルは、それらのより僅かな着色に基づいて、熱的に誘導される(ラジカル)(共)重合においても有利に使用されることができる。
【0150】
本発明により製造される部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステルが例えば共重合されることができるモノマーとして、例えばC1〜C20−アルキル(メタ)アクリラート、炭素原子20個までを有するビニル芳香族化合物、炭素原子20個までを含有しているカルボン酸のビニルエステル、エチレン系不飽和ニトリル、炭素原子1〜10個を含有しているアルコールのビニルエーテル及び炭素原子2〜8個及び二重結合1又は2個を有する脂肪族炭化水素を挙げることができる。
【0151】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、C1〜C10−アルキル基を有するそのようなもの、例えばメチルメタクリラート、メチルアクリラート、n−ブチルアクリラート、エチルアクリラート及び分枝鎖状アルキル誘導体、例えば2−エチルヘキシルアクリラートが好ましい。
【0152】
特に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの混合物も適している。
【0153】
炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のビニルエステルは、例えばラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、プロピオン酸ビニル及び酢酸ビニルである。
【0154】
ビニル芳香族化合物として、例えばビニルトルエン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレン及び好ましくはスチレンが考慮に値する。
【0155】
ニトリルの例は、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルである。
【0156】
適したビニルエーテルは、例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルヘキシルエーテル及びビニルオクチルエーテルである。
【0157】
炭素原子2〜8個及びオレフィン二重結合1個又は2個を有する非芳香族炭化水素として、ブタジエン、イソプレン、並びにエチレン、プロピレン及びイソブチレンを挙げることができる。
【0158】
そのような(コ)ポリマーを製造するための、よくあるがしかし唯一ではない方法は、溶剤又は希釈剤中でのラジカル(共)重合又はイオン(共)重合である。
【0159】
そのようなモノマーのラジカル(共)重合は、例えば水溶液中で、重合条件下にラジカルへ分解する重合開始剤、例えばペルオキソ二硫酸塩、H22−レドックス系又はヒドロキシペルオキシド、例えばt−ブチルヒドロペルオキシド又はクメンヒドロペルオキシドの存在で行われる。(共)重合は、幅広い温度範囲内で、場合により減圧下又はまた高められた圧力下で、通例100℃までの温度で行われることができる。前記反応混合物のpH値は通常4〜10の範囲内に調節される。
【0160】
(共)重合は、しかしまた、当業者にそれ自体として知られた他の方法で連続的に又は不連続に、例えば溶液重合、沈殿重合、油中水型乳化重合、転相(inverse)乳化重合、懸濁重合又は転相(umgekehrte)懸濁重合として、実施されることができる。
【0161】
その場合に、1つのモノマー/複数のモノマーは、ラジカル重合開始剤、例えばラジカルへ分解するアゾ化合物、例えば2,2′−アゾ−ビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−塩酸塩又は4,4′−アゾ−ビス−(4′−シアンペンタン酸)又は過酸化ジアルキル、例えば過酸化ジ−t−アミル、アリール−アルキルペルオキシド、例えばt−ブチル−クミルペルオキシド、アルキル−アシルペルオキシド、例えばt−ブチル−ペルオキシ−2−エチルヘキサノアート、ペルオキシ二炭酸塩、例えばペルオキシ二炭酸ジ−(4−t−ブチルシクロヘキシル)又はヒドロペルオキシドの使用下に(共)重合される。
【0162】
前記の化合物はたいてい水溶液又は水性乳濁液の形で使用され、その場合に下方濃度は(共)重合において許容できる水量により、かつ上方濃度は水中への当該化合物の溶解度により決定されている。
【0163】
溶剤又は希釈剤として、例えば水、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール又はイソプロパノール、n−ブタノール又はイソブタノール、又はケトン、例えばアセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン又はイソブチルメチルケトンが利用されることができる。無極性溶剤、例えばキシレン及びその異性体混合物、Shellsol(登録商標) A及びソルベントナフサが特に好ましい。
【0164】
好ましい一実施態様において、前記モノマーは予備混合され、かつ場合により別の添加剤と共に溶剤中に溶解された開始剤が添加される。特に好ましい一実施態様は、国際公開(WO)第01/23484号パンフレットに及びそこでは特にp.10、3行〜24行に記載されている。
【0165】
場合により、(共)重合は、重合調節剤、例えばヒドロキシルアンモニウム塩、塩素化炭化水素及びチオ化合物、例えばt−ブチルメルカプタン、チオグリコール酸エチルアクリルエステル、メルカプトエタノール、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン又はアルカリ金属次亜リン酸塩の存在で実施されることができる。(共)重合の場合に、これらの調節剤は、(共)重合すべきモノマーの100質量部に対して、例えば0〜0.8質量部の量で使用されることができ、これにより生じる(コ)ポリマーの分子量が低下されることができる。
【0166】
乳化重合の場合に、分散剤、イオン性及び/又は非イオン性の乳化剤及び/又は保護コロイドもしくは安定剤が界面活性化合物として使用されることができる。
【0167】
そのようなものとして、乳化重合の実施のために通常使用される保護コロイド並びに乳化剤が考慮に値する。
【0168】
適している保護コロイドは、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体又はビニルピロリドンを含有しているコポリマーである。適している別の保護コロイドの詳しい説明は、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, XIV/1巻, makromolekulare Stoffe, Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart, 1969, p.411-420に見出される。もちろん、乳化剤及び/又は保護コロイドからなる混合物も使用されることができる。好ましくは、分散剤として専ら乳化剤が使用され、それらの相対分子量は保護コロイドとは異なり通常1000未満である。これらはアニオン性、カチオン性又は非イオン性であってよい。もちろん、界面活性物質の混合物の使用の場合に、個々の成分は互いに相溶性でなければならず、このことが疑わしい場合には幾つかの予備試験に基づいて調査されることができる。一般的に、アニオン乳化剤は相互に及び非イオン乳化剤と相溶性である。
【0169】
同じことがカチオン乳化剤にも当てはまる一方で、アニオン乳化剤及びカチオン乳化剤はたいてい相互に不相溶性である。一般に使われている乳化剤は、例えばエトキシル化されたモノ−、ジ−及びトリ−アルキルフェノール(EO度:3〜100、アルキル基:C4〜C12)、エトキシル化脂肪アルコール(EO度:3〜100、アルキル基:C8〜C18)、並びにエトキシル化アルキルフェノール(EO度:3〜100、アルキル基:C4〜C12)の硫酸半エステルのアルキル硫酸(アルキル基C8〜C16)の、アルキルスルホン酸(アルキル基:C12〜C18)の、及びアルキルアリールスルホン酸(アルキル基:C9〜C18)の、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩である。適している別の乳化剤、例えばスルホコハク酸エステルは、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, XIV/1巻, Makromolekulare Stoffe, Georg-Thieme Verlag, Stuttgart, 1961, p.192-208に見出される。
【0170】
通例、使用される分散剤の量はラジカル重合すべきモノマーに対して、0.5〜6質量%、好ましくは1〜3質量%である。
【0171】
(メタ)アクリラート含有分散液の例は、n−ブチルアクリラート/アクリロニトリル−分散液又はn−ブチルアクリラート/ブタジエン/スチレン−分散液であり、これらは接着剤として使用される。
【0172】
本発明により製造される部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステルが使用されるポリマー分散液は、付加的に化学的及び/又は物理的に脱臭されることができる。
【0173】
本発明により製造される部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステルを用いて得ることができるコポリマーは通例、より低い色数を有し、このことは塗料分野において有利である。記載されたコポリマーは、ついでそれ自体として知られた方法で、例えば、アミノ樹脂、例えばメラミンと反応して、架橋した塗料樹脂が形成されることができ、これは例えば欧州特許(EP)第738740号明細書又は欧州特許(EP)第675141号明細書に記載されている。
【0174】
特に好ましくは、本発明によるコーティング材料は屋外用コーティングとして又は屋外用コーティングにおいて、すなわち昼光に暴露されている、好ましくは建築物又は建築物部材のそのような適用、室内用コーティング、トラフィックペイント、車両及び航空機上へのコーティングに適している。特に、前記コーティングは、木材コーティング、紙コーティング又はプラスチックコーティングとして、例えば寄木張りの床又は家具に使用される。
【0175】
本発明による方法を用いて、部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)の製造は、高い化学的収率及び空時収率で及び温和な条件下で良好な色数を有して可能である。保護基及び活性化された(メタ)アクリル酸化合物の放棄にもかかわらず、高い選択性を有する所望の部分エステル化された生成物が目的に合致して得られ、これらは副生物を含まない。
【0176】
複数の低度に置換されたヒドロキシ基が存在する場合には、十分な量の(メタ)アクリル化試薬の場合に、高度に置換されたヒドロキシ基が(メタ)アクリル化される前に、通例、全ての低度に置換されたヒドロキシ基が均一に置換される。
【0177】
低度に置換されたヒドロキシ基対高度に置換されたヒドロキシ基の(メタ)アクリル化に関する本発明による反応の選択性は通例、少なくとも90:10、好ましくは少なくとも95:5、特に好ましくは少なくとも97:3、極めて特に好ましくは少なくとも98:2及び特に少なくとも99:1である。
【0178】
ポリ(メタ)アクリル化された生成物の割合はポリアルコール(C)に対して、通例10mol%以下、好ましくは5mol%以下、特に好ましくは3mol%以下、極めて特に好ましくは2mol%以下及び特に1mol%以下である。
【0179】
次の例は、本発明の特性を説明するが、しかしこれらに限定するものではない。
【実施例】
【0180】
「部」として、本明細書において、他に記載されない場合には、「質量部」であると理解すべきである。
【0181】
例1及び2
DEOD−モノアクリラート(溶剤あり/なし)
【化10】

【0182】
ねじ込み蓋付きガラス容器中に、2,4−ジエチルオクタン−1,5−ジオール5mmol(DEOD;1.0g)をメチルアクリラート50mmol(4.3g)、Novozym(登録商標) 435 50mg(担持されたリパーゼ、Novozymes社、デンマーク)、場合によりMTBE 5.0ml(t−ブチルメチルエーテル)及びモレキュラーシーブ5Å 1.0gと共に40℃で24h振とうした。
その後、固体をろ別し、かつ試料をシリル化し、かつGCを用いて分析した。前記ジオールは96〜98%がモノアクリラートへ変換されていた。
ジアクリラート<0.5%が検出された。
【0183】
【表1】

【0184】
例3
DEOD−モノアクリラート(分取)
丸底フラスコ中に、還流下に2,4−ジエチルオクタン−1,5−ジオール2.5mol(DEOD;506g)をメチルアクリラート5.0mol(431g)、Novozym(登録商標) 435 25g(担持されたリパーゼ、Novozymes社、デンマーク)及びモレキュラーシーブ5Å 750gと共に60℃で23h撹拌した。その後、固体をろ別し、いくらかのMTBEで後洗浄し、かつメチルアクリラート及びMTBEをロータリーエバポレーター上で真空中で除去した。
【0185】
無色の液体406gが得られた。試料をシリル化し、かつGCを用いて分析した。単離された生成物はそれに応じて2,4−ジエチルオクタン−1,5−ジオール0.3%及び第一級アルコールでアクリル化された生成物>99.5%を含有していた。ジアクリラート<0.5%が検出された。
【0186】
例4
EHD−モノアクリラート
【化11】

【0187】
ねじ込み蓋付きガラス容器中に、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール5mmol(EHD;730mg)を、メチルアクリラート50mmol(4.3g)、Novozym(登録商標) 435 50mg(担持されたリパーゼ、Novozymes社、デンマーク)、及びモレキュラーシーブ5Å 1.5gと共に60℃で8h振とうした。その後、固体をろ別し、試料をシリル化し、かつGCを用いて分析した。前記ジオールは98%がモノアクリラートへ変換されていた。ジアクリラート<0.5%が検出された。
【0188】
例5
DPPD−モノアクリラート
【化12】

【0189】
ねじ込み蓋付きガラス容器中に、2,2−ジメチル−1−フェニル−1,3−プロパンジオール5mmol(DPPD;900mg)をメチルアクリラート50mmol(4.3g)、Novozym(登録商標) 435 50mg(担持されたリパーゼ、Novozymes社、デンマーク)、及びモレキュラーシーブ5Å 1.5gと共に40℃で8h振とうした。その後、固体をろ別し、試料をシリル化し、かつGCを用いて分析した。前記ジオールは99%がモノアクリラートへ変換されていた。ジアクリラート<0.5%が検出された。
【0190】
例6
DBD−モノアクリラート
【化13】

【0191】
ねじ込み蓋付きガラス容器中に、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール5mmol(DBD;590mg)をメチルアクリラート50mmol(4.3g)、Novozym(登録商標) 435 50mg(担持されたリパーゼ、Novozymes社、デンマーク)、及びモレキュラーシーブ5Å 1.0gと共に40℃で24h振とうした。その後、固体をろ別し、試料をシリル化し、かつGCを用いて分析した。前記ジオールは97%がモノアクリラートに変換されていた。ジアクリラート<0.5%が検出された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なるヒドロキシ基を有する少なくとも二価のポリアルコール(C)の部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)の製造方法において、
(1)少なくとも1個の第一級ヒドロキシ基及び少なくとも1個の第二級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C1)、又は
(2)少なくとも1個の第一級ヒドロキシ基及び少なくとも1個の第三級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C2)、又は
(3)少なくとも1個の第二級ヒドロキシ基及び少なくとも1個の第三級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C3)、その場合に高度に置換されたヒドロキシ基は位置βに少なくとも1個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有する、又は
(4)少なくとも2個の第一級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C4)、これらの基の中で少なくとも1つが位置βに少なくとも1個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有し、かつ少なくとも1つが位置βにアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有しない、又は
(5)少なくとも2個の第二級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C5)、これらの基の中で少なくとも1つが位置βに少なくとも1個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有し、かつ少なくとも1つが位置βにアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有しない、
のいずれかを、少なくとも1つの酵素(E)の存在で、(メタ)アクリル酸でエステル化するか又は少なくとも1つの(メタ)アクリル酸エステル(D)とエステル交換することを特徴とする、部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)の製造方法。
【請求項2】
ポリアルコール(C)が、式I
【化1】

又は式II
【化2】

又は式III
【化3】

であり、上記式中、
1及びR3〜R10はその都度互いに独立して水素、C1〜C18−アルキル、場合により1個又はそれ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1個又はそれ以上の置換又は非置換のイミノ基により中断されている、C2〜C18−アルキル、C6〜C12−アリール、C5〜C12−シクロアルキル又は酸素原子、窒素原子及び/又は硫黄原子を有している五ないし六員の複素環を表し、ここで前記の基はその都度アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されていてよく、かつ
2は、単結合、C1〜C20−アルキレン、C5〜C12−シクロアルキレン、C6〜C12−アリーレン又は1個又はそれ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子及び/又は1つ又はそれ以上の置換又は非置換のイミノ基により及び/又は1個又はそれ以上のシクロアルキル−、−(CO)−、−O(CO)O−、−(NH)(CO)O−、−O(CO)(NH)−、−O(CO)−又は−(CO)O−基により中断されているC2〜C20−アルキレンを表し、ここで前記の基はその都度アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されていてよく、
その場合に
式Iにおける請求項1の(1)の場合にR1は水素であり、かつ基R3〜R7の少なくとも1個は水素ではなく、
式IIにおける請求項1の(2)の場合にR1は水素であり、かつ基R3〜R10の少なくとも1個は水素ではなく、
式IIにおける請求項1の(3)の場合にR1は水素ではなく、かつ基R3〜R10の少なくとも1個は水素ではなく、
式IIIにおける請求項1の(4)の場合にR1及びR5は水素であり、かつ基R3及びR4の少なくとも1個は水素ではなく、かつ
式IIIにおける請求項1の(5)の場合にR1及びR5は水素ではなく、かつ基R3及びR4の少なくとも1個は水素ではない、請求項1記載の方法。
【請求項3】
2が、単結合、メチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、1,1−プロピレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,1−ジメチル−1,2−エチレン、1,4−ブチレン、1,6−ヘキシレン、2−メチル−1,3−プロピレン、2−エチル−1,3−プロピレン、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン及び2,2−ジメチル−1,4−ブチレン、3−メチル−1,5−ペンチレン、3,5−ヘプチレン、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、1,2−シクロヘキシレン,1,3−シクロヘキシレン及びo−フェニレンを含む群から選択されている、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
1及びR3〜R10が互いに独立して、水素、C1〜C4−アルキル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、n−エイコシル、2−エチルヘキシル、シクロ−ペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、フェニル、ナフチル又はベンジルを含む群から選択されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
ポリアルコールが、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−プロピル−1,3−ヘプタンジオール、2,4−ジエチルオクタン−1,5−ジオール、2,2−ジメチル−1−フェニル−1,3−プロパンジオール及び3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオールを含む群から選択されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
酵素(E)が、エステラーゼ(E.C. 3.1.-.-)、リパーゼ(E.C. 3.1.1.3)、グリコシラーゼ(E.C. 3.2.-.-)及びプロテアーゼ(E.C. 3.4.-.-)から選択されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
異なるヒドロキシ基を有する少なくとも二価のポリアルコール(C)の部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)であって、
(1)少なくとも1個の第一級ヒドロキシ基及び少なくとも1個の第二級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C1)、又は
(2)少なくとも1個の第一級ヒドロキシ基及び少なくとも1個の第三級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C2)、又は
(3)少なくとも1個の第二級ヒドロキシ基及び少なくとも1個の第三級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C3)、その場合に高度に置換されたヒドロキシ基は位置βに少なくとも1個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有する、又は
(4)少なくとも2個の第一級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C4)、これらの基の中で少なくとも1つが位置βに少なくとも1個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有し、かつ少なくとも1つが位置βにアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有しない、又は
(5)少なくとも2個の第二級ヒドロキシ基を有する少なくとも1つのポリアルコール(C5)、これらの基の中で少なくとも1つが位置βに少なくとも1個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有し、かつ少なくとも1つが位置βにアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を有しない
のいずれかを、少なくとも1つの酵素(E)の存在で(メタ)アクリル酸でエステル化するか又は少なくとも1つの(メタ)アクリル酸エステル(D)とエステル交換することによって得ることができる、異なるヒドロキシ基を有する少なくとも二価のポリアルコール(C)の部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)。
【請求項8】
式Ia
【化4】

式IIa
【化5】

及び式IIIa
【化6】

[上記式中、
1〜R10は、請求項2に定義されている通りであり、かつ
11は、水素又はメチルを表す]で示される、請求項7記載の部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)。
【請求項9】
(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ヒドロキシ−ペンチルエステル及び(メタ)アクリル酸2,4−ジエチル−1,5−ジヒドロキシ−オクチルエステルを含む群から選択された、部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)。
【請求項10】
モノマー又はコモノマーとしてポリ(メタ)アクリラートにおいて、又は反応性希釈剤として熱硬化可能、放射線硬化可能及び/又はデュアル−キュア硬化可能なポリ(メタ)アクリラートにおける、請求項9記載の又は請求項1から6までのいずれか1項により得ることができる部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)の使用。
【請求項11】
PU分散液、PUフォーム、PU接着剤及びPUコーティングにおける、請求項9記載の又は請求項1から6までのいずれか1項により得ることができる部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)の使用。
【請求項12】
請求項9記載の又は請求項1から6までのいずれか1項により得ることができる部分エステル化された(メタ)アクリル酸エステル(F)を含有している、熱硬化可能、放射線硬化可能又はデュアル−キュア硬化可能なコーティング材料。

【公表番号】特表2008−504831(P2008−504831A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519707(P2007−519707)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2005/007276
【国際公開番号】WO2006/005491
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】