説明

(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含むポリ尿素で被覆された基材

電着層、ベースコート層、およびクリアコート層の少なくとも1つを含む多層コーティング複合体、ならびにイソシアネートおよびモノアミンとポリ(メタ)アクリレートとの(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含む反応混合物から形成されるポリ尿素により少なくとも一部が被覆されている金属基材が開示されている。そのポリ尿素中のイソシアネート基当量のアミン基当量に対する比は1より大きく、そのイソシアネート官能性成分およびその(メタ)アクリレート化アミン官能性成分は、1:1の体積混合比でその基材に塗布することができる。上記のポリ尿素で少なくとも一部が被覆された建築構成材を含む建造物も開示されており、同じく、イソシアネート当量のアミン基当量に対する比が1.3:1より大きいポリ尿素で少なくとも一部が被服された基材も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2005年8月25日に出願された、特許出願第11/211,188号の一部継続出願(CIP)であり、この全体は本明細書によって参考として援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、ポリ尿素を少なくとも一部に被覆した基材を対象とし、そのポリ尿素は、イソシアネートならびにモノアミンとポリ(メタ)アクリレートとの(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含む反応混合物から形成されており、そのイソシアネート基当量のアミン基当量に対する比が1より大きく、該イソシアネートおよび該(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を基材に1:1の体積混合比で塗布することができる。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ポリ尿素を含むコーティング組成物は、多種多様の産業、例えば、自動車、船艇、航空機、工業製品、建造物、軍需、スポーツ用品を含めたレクリエーション装置などで使用される。これらの産業においては、被覆される基材または品物に望ましい特性を与えるコーティング組成物を開発するために相当な努力が払われてきた。例えば、コーティングは、腐食、磨耗、衝撃、化学薬品、紫外線、火炎、および/またはその他の環境暴露による被害から保護するために使用される。これらのいずれかの機能特性に加えて、コーティングはまた装飾目的のためにも使用することができる。
【0004】
ポリ尿素は、一般に、アミン類とイソシアネート類とを反応させることによって形成される。ポリアミン類等のアミン類を架橋剤または「硬化剤」として使用することは周知である。例えば、アミン類は、イソシアネート類と架橋して尿素化合物を形成することが知られている。アミン類は、また、活性不飽和基、エポキシ基、芳香族活性アルデヒド基、環状炭酸エステル基、ならびに酸および酸無水物およびエステル基と反応することが知られており、それ故それらと共に使用される。第一級アミノ基を有するポリアミン架橋剤は、周囲温度または低温条件下(すなわち、100℃未満)でこれらの官能基のいくつかと極めて反応性を有することができる。この高い反応性は、高圧のインピンジメントスプレーなどにおける塗装において短すぎるポットライフまたはその他の困難をもたらし得る。特定の脂肪族第二級アミン類は、しかしながら、これらのさまざまな官能基と十分に反応しない。従って、十分に反応性が有りながら適切なポットライフを提供するアミン硬化剤を提供することが望まれる。望ましい特徴をそれらが使用される最終組成物に与える上記のアミン硬化剤を提供することへのさらなる要求がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要旨
本発明は、電着層、ベースコート層、および透明塗料層の少なくとも1つを含む多層コーティング複合体、ならびにイソシアネートおよびモノアミンとポリ(メタ)アクリレートとの(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含む反応混合物から形成されたポリ尿素を含むコーティングにより少なくとも一部が被覆されている金属基材であって、前記のイソシアネート基当量のアミン基当量に対する比が1より大きく、前記イソシアネートおよび前記(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を基材に1:1の体積混合比で塗布することができる基材を対象とする。
【0006】
本発明はさらに、イソシアネートならびにモノアミンと(メタ)アクリレートとの(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含む反応混合物から形成されたポリ尿素を含むコーティングにより少なくとも一部が被覆されている基材であって、前記のイソシアネート基当量のアミン基当量に対する比が1.3:1より大きく、前記イソシアネートおよび前記(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を基材に1:1の体積混合比で塗布することができる基材を対象とする。
【0007】
本発明はさらに、イソシアネートならびにモノアミンと(メタ)アクリレートとの(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含む反応混合物から形成されたポリ尿素を含むコーティングにより少なくとも一部が被覆されている建築構成材を有する建造物であって、前記のイソシアネート基当量のアミン基当量に対する比が1より大きく、前記イソシアネートおよび前記(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を前記建築構成材に1:1の体積混合比で塗布することができる建造物を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の詳細な説明
本発明は、電着層、ベースコート層、および透明塗料層の少なくとも1つを含む多層コーティング複合体、ならびにイソシアネートおよびモノアミンとポリ(メタ)アクリレートとの(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含む反応混合物から形成されたポリ尿素を含むコーティングにより少なくとも一部が被覆されている金属基材であって、前記のイソシアネート基当量のアミン基当量に対する比が1より大きく、前記イソシアネートおよび前記(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を基材に1:1の体積混合比で塗布することができる金属基材を対象とする。その反応生成物は、本明細書では時々「(メタ)アクリレート化反応生成物」、または単に「(メタ)アクリレート化アミン」もしくは「反応生成物」などの用語で呼ばれ、その反応生成物は、それがイソシアネートと反応または硬化してポリ尿素を形成するために本明細書では「硬化剤」と呼ぶことができる。
【0009】
本明細書で使用される用語「イソシアネート」としては、反応性の基、例えばヒドロキシルまたはアミン官能基などと共有結合を形成することができるブロック化されていない化合物が挙げられる。従って、イソシアネートは当業者には理解されるであろう「遊離イソシアネート」と呼ぶことができる。別の非限定の実施形態において、本発明のイソシアネートは、1個のイソシアネート官能基(NCO)を含有する単官能性であり得るかまたは本発明で使用されるイソシアネートは2つ以上のイソシアネート官能基(NCO)を含有する多官能性であり得る。
【0010】
本発明での使用に適するイソシアネート類は、非常に多く、変化に富むことができる。そのようなイソシアネートとしては技術的に既知のものを挙げることができる。適当なイソシアネート類の非限定の例としては、単量体および/または重合体イソシアネート類を挙げることができる。ポリイソシアネート類は、モノマー類、プレポリマー類、オリゴマー類、またはそれらのブレンドから選択することができる。一実施形態において、そのポリイソシアネートは、C〜C20の線状、枝分かれ、環状、芳香族、またはそれらのブレンドであり得る。
【0011】
本発明で使用するための適当なイソシアネート類としては、以下に限定はされないが、3,3,5−トリメチル−5−イソシアナートメチルシクロヘキシルイソシアネートであるイソホロンジイソシアネート(IPDI);水素化された材料、例えばシクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)など;混合アラルキルジイソシアネート類、例えば、テトラメチルキシリルジイソシアネート、OCN−C(CH−CC(CH−NCOなど;ポリメチレンイソシアネート類、例えば1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、1,7−ヘプタメチレンジイソシアネート、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネートおよび2−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネートなど;ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
【0012】
本発明において使用するための芳香族イソシアネート類の非限定の例としては、以下に限定はされないが、フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、クロロフェニレン2,4−ジイソシアネート、ビトルエンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、アルキル化ベンゼンジイソシアネート、メチレン介在型芳香族ジイソシアネート類、例えばメチレンジフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等のアルキル化類似物を含む4,4’−異性体(MDI)、ポリマーのメチレンジフェニルジイソシアネートなど;およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0013】
非限定の一実施形態においては、ポリイソシアネートモノマーを使用することができる。ポリイソシアネートモノマー(すなわち、プレポリマーの調製からの残留遊離モノマー)の使用は、ポリ尿素組成物の粘度を低下し、それによってその流動性を改善することができ、予め塗布したコーティングおよび/または未被覆の基材に対するポリ尿素コーティングの改良された接着を提供することができることが考えられる。例えば、多層コーティング複合体の一部を形成するコーティング、特に本明細書に記載のポリ尿素と直接接している最も外側の層は、イソシアネートと反応する官能基(例えば水酸基)を含み、それによってこのコーティングの上に塗布されるポリ尿素に対するこのコーティングの付着力を高めることができる。低めの粘度のポリ尿素組成物は、また、高めの粘度を有する類似の組成物と比較して長時間にわたって「流動性を有した」ままであり得る。本発明の代替の実施形態においては、少なくとも1重量パーセントまたは少なくとも2重量パーセント、あるいは少なくとも4重量パーセントのイソシアネート成分が、少なくとも1つのポリイソシアネートモノマーを含む。
【0014】
本発明のさらなる実施形態において、そのイソシアネートとしては、以下に限定はされないが、ダイマー類、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン(uretdione)など、トリマー類、例えば、1,6−ヘキサンジイソシアネートのビウレットおよびイソシアヌレートならびにイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレートなど、ならびに重合体オリゴマー類を含めたオリゴマーのポリイソシアネート類を挙げることができる。以下に限定はされないが、カルボジイミド類およびウレトジオン類、ならびにそれらの混合物を含めた改変ポリイソシアネート類も使用することができる。適当な材料としては、限定されないが、米国ペンシルベニア州ピッツバーグのBayer Corporation社からDESMODURの名称で入手できるものが含まれ、DESMODUR N3200、DESMODUR N3300、DESMODUR N3400、DESMODUR XP2410、およびDESMODUR XP2580が挙げられる。
【0015】
本明細書で用いる「イソシアネートプレポリマー」とは、ポリアミンまたは別のイソシアネート反応性の基、例えば、ポリオールなどと、予め反応したポリイソシアネートを意味する。適当なポリイソシアネート類としては、本明細書に開示されているものが挙げられる。適当なポリアミン類は、多数あり、技術的に知られている幅広い種類から選択することができる。適当なポリアミン類の例としては、以下に限定はされないが、第一級および第二級アミン類、ならびにそれらの混合物、例えば本明細書に記載されている任意のものなどが挙げられる。アミン末端ポリ尿素も使用することができる。第三級アミン官能基を含むアミン類は、そのアミンが少なくとも2つの第一級および/または第二級アミノ基をさらに含むという条件で使用することができる。適当なポリオール類は、多数あり、技術的に知られている幅広い種類から選択することができる。適当なポリオール類の例としては、以下に限定はされないが、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリ尿素ポリオール類(例えば、アミノ官能性ポリ尿素のヒドロキシル官能性(メタ)アクリレートとのマイケル反応生成物)、ポリカプロラクトンポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリウレタンポリオール類、ポリビニルアルコール類、ペンダント水酸基を有する不飽和モノマー類(例えば、ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート類、アリルアルコール類およびそれらの混合物など)の付加重合体が挙げられる。
【0016】
特定の実施形態において、そのイソシアネートとしてはイソシアネートプレポリマーが挙げられ、他の実施形態において、そのイソシアネートとしてはイソシアネートプレポリマーおよび1つまたは複数のさらなるイソシアネート類、例えば1つまたは複数の上記のポリイソシアネート類などが挙げられる。
【0017】
上で述べたように、本発明により使用されるポリ尿素は、イソシアネートとモノアミンおよびポリ(メタ)アクリレートの(メタ)アクリレート化アミン反応生成物とを含む反応混合物から形成される。本明細書で使用され、当業者には分かるように、用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよび対応する(メタ)アクリレートの両方を意味する。ポリ(メタ)アクリレートは、任意の適当なポリ(メタ)アクリレートおよびそれらの混合物であり得る。特定の実施形態において、該ポリアクリレートは、ジ(メタ)アクリレートを含み、特定の実施形態において、該ポリ(メタ)アクリレートは、トリ(メタ)アクリレートを含み、特定の実施形態において、該ポリ(メタ)アクリレートは、テトラ(メタ)アクリレートを含む。適当なジ(メタ)アクリレートとしては、以下に限定はされないが、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,3−ジメチルプロパン1,3−ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキシレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、チオジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、およびそれらの混合物が挙げられる。トリおよびさらに高次の(メタ)アクリレートの非限定の例としては、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、およびジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートを挙げることができる。その他の適当な(メタ)アクリレートオリゴマー類としては、エポキシ化大豆油の(メタ)アクリレートおよびポリイソシアネート類とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのウレタンアクリレート類が挙げられる。モノ、ジ、トリ、および/またはテトラ(メタ)アクリレート類の混合物を含むポリ(メタ)アクリレート類の混合物もまた使用することができる。
【0018】
その他の適当なポリ(メタ)アクリレート類としては、ウレタン(メタ)アクリレート類、例えば、ヒドロキシル官能性(メタ)アクリレートのポリイソシアネートとの、またはポリイソシアネートおよびポリオールまたはポリアミンのNCO官能性付加物との反応によって形成されるものなどが挙げられる。適当なヒドロキシル官能性(メタ)アクリレート類は、2−ヒドロキシメチル、1−メチル−2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチルなどを含む。適当なポリイソシアネート類としては、限定されないが、本明細書に記載されている任意のモノマーもしくはオリゴマーのイソシアネート類、またはイソシアネートプレポリマー類が挙げられる。
【0019】
適当なモノアミン類としては、以下に限定はされないが、式R−NHのものが挙げられ、ここでRは、直鎖のまたは枝分かれした1〜30個の炭素原子のアルキル基、アリール−アルキル基、ヒドロキシアルキル基またはアルコキシアルキル基を表すことができ、限定されないが、エチルアミン、異性体プロピルアミン類、ブチルアミン類(例えば、ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、およびt−ブチルアミン)、ペンチルアミン類、ヘキシルアミン類、シクロヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、t−オクチルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、および3−(シクロヘキシルアミン)プロピルアミンが挙げられる。ポリアミン類は、本反応生成物からは特に排除される。
【0020】
アミンのポリ(メタ)アクリレートに対する当量比は、(メタ)アクリレート化アミン反応生成物に望ましい特性を与える任意の適当な比率であり得る。一実施形態において、その比は、1:1から1.1:1までである。わずかに過剰なアミンを使用してアクリレート基の転化を最大にすることができる。より大きい過剰のモノアミンを使用することができるが、最終のコーティング組成物中の有意量のモノアミンの存在は、そのコーティングの硬化時間を遅くし、最終生成物の架橋密度を減少する可能性があることが認められている。当然のことながら、これらの比率は例に過ぎず、その他の任意の適当な比率を本発明によれば使用することができる。
【0021】
本発明に従って使用される(メタ)アクリレート化アミン反応生成物は、例えば、実施例に記載されている方法、または任意のその他の適当な方法で形成することができる。特定の実施形態において、ポリ(メタ)アクリレートは、その反応がしばしば発熱するので反応温度を制御するために時間かけてアミンに加える。その添加は、周囲温度で開始することができ、あるいはアミンを添加の始まる前に加熱することができる。特定の実施形態において、添加の途中、発熱を制御するために反応混合物を冷却することが望ましいかもしれない。添加の終了時点でその反応混合物は反応を完了するために加熱することができる。他の実施形態においては、アミンをポリ(メタ)アクリレートに加えることができる。これはポリ(メタ)アクリレートが、本来オリゴマーまたはポリマーであるかさもなければ粘性のあるときに望ましい可能性がある。さらに他の実施形態においては、すべての反応物を反応器中で一緒に混ぜ、反応温度に加熱することができる。一般に、その反応は、<100℃の温度で行う。その反応混合物は、添加剤、例えば、ヒドロキノン、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチルp−クレゾール、およびフェノチアジン等のフリーラジカル重合防止剤、以下に限定はされないが、スズ化合物類(ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート)、Zn化合物類、Ti化合物類、第三級アミン類を含めた触媒類、アルコール類を含むがそれらに限定されない溶媒類などをさらに含むことができる。その反応は、窒素または空気中で行うことができる。アミン:アクリレートの当量比は、上記のもののどれかまたは任意のその他の適当な比率であり得る。特定の実施形態において、その反応生成物は、未反応の第一級アミン基を実質的に含まない。(メタ)アクリレート化アミン中の残留第一級アミンの量を最小限にすることによってイソシアネートとのその反応の速度を遅くし、かくして、アミンのポリ(メタ)アクリレートに対する比率を、得られる(メタ)アクリレート化アミンにおいて望ましい反応の度合いに応じて変化させることができる。従って、特定の他の実施形態において、ポリ(メタ)アクリレートに対するアミンの過剰は、その後のポリ尿素組成物における硬化速度を改変するために使用することができる。
【0022】
本発明により使用される(メタ)アクリレート化アミン反応生成物は、モノアミン類とポリ(メタ)アクリレート類との任意の組合せの反応の結果であり得る。ここで使用されるポリ尿素組成物は、本明細書に記載の1つより多い(メタ)アクリレート化アミン反応生成物または(メタ)アクリレート化アミン反応生成物(1つ以上)に加えて1つまたは複数のその他のアミン硬化剤も含むことができる。例えば、本発明により使用されるポリ尿素のアミン成分は、アミン、(メタ)アクリレートおよびマレイン酸ジアルキルおよび/またはフマル酸ジアルキルの反応生成物である1つまたは複数のアミン類、例えば、本願と同じ日に出願され、参照により本明細書に組み込まれている題名が「(Meth)Acrylate/Aspartate Amine Curatives and Coatings and Articles Comprising the Same」の米国特許出願に記載されているもの;ポリアミン、ポリ(メタ)アクリレートおよびモノ(メタ)アクリレートまたはモノアミンの反応生成物である1つまたは複数のアミン類、例えば、本願と同じ日に出願され、参照により本明細書に組み込まれている題名が「Polyurea Coating Comprising an Amine/(Meth)Acrylate Oligomeric Reaction Product」の米国特許出願に記載されているもの;ポリアミンとモノ(メタ)アクリレートとの反応生成物である1つまたは複数のアミン類、例えば、本願と同じ日に出願され、参照により本明細書に組み込まれている題名が「Polyurea Coating Comprising a Polyamine/Mono(Meth)Acrylate Reaction Product」の米国特許出願に記載されているもの;および/またはトリアミンとマレイン酸ジアルキルおよび/またはフマル酸ジアルキルとの反応生成物である1つまたは複数のアミン類、例えば、本願と同じ日に出願され、参照により本明細書に組み込まれている題名が「Tiamine/Aspartate Curative and Coatings Comprising the Same」の米国特許出願に記載されているものを含むことができる。別法では、本発明により使用されるポリ尿素のアミン成分は、ポリアミンとモノエポキシドを含む化合物、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、またはグリシジルモノエポキシ(Hexion Speciality Chemicals,Inc.社からCARDURA Eとして市販されている)などとの反応生成物をさらに含むことができる。イソホロンジアミンとCARDURA Eとの反応生成物が特に適する。
【0023】
本(メタ)アクリレート化アミン反応生成物およびイソシアネートを含むポリ尿素は、技術的に既知であるようなその他のアミンをさらに含むことができる。適当な第一級ポリアミン類としては、以下に限定はされないが、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,3−ジアミノペンタン(DYTEK EP、Invista社製)、1,6−ジアミノヘキサン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(DYTEKA、Invista社製)、2,5−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサン、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,3−および/または1,4−シクロヘキサンジアミン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチル−シクロヘキサン、2,4−および/または2,6−ヘキサヒドロトルイレンジアミン、2,4’−ジアモノジシクロへキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(PACM−20、Air Products社製)ならびに3,3’−ジアルキル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン類(例えば、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(DIMETHYL DICYKANまたはLAROMIN C260、BASF社製;ANCAMINE 2049、Air Products社製)および3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン)、2,4−および/または2,6−ジアミノトルエンおよび2,4’−および/または4,4’−ジアミノジフェニルメタンが挙げられる。その他のアミン類としては第二級脂環式ジアミン類、例えば、JEFFLINK754(米国テキサス州ヒューストンのHuntsman Corporation社製)およびCLEARLINK1000(Dorf−Ketal Chemicals,LLC社製)、アスパラギン酸エステル官能性アミン類、例えば、銘柄DESMOPHENの下で入手できるもの、例えば、DESMOPHEN NH1220、DESMOPHEN NH1420、およびDESMOPHEN NH1520(Bayer Corporation社製)など、その他のアスパラギン酸エステル官能性材料、例えば、以下に限定はされないが、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、およびビス−ヘキサメチレントリアミンの本明細書に記載されているようなマレイン酸ジアルキルおよび/またはフマル酸ジアルキルとの反応生成物を含めたマレイン酸ジアルキルおよび/またはフマル酸ジアルキルと反応する前の少なくとも1つの第二級アミノ基を含むトリアミン類の反応生成物など(そのような材料の例としては、ジプロピレントリアミンとマレイン酸ジエチルとの付加物、ジプロピレントリアミンとマレイン酸ジブチルとの付加物、ビス−ヘキサメチレントリアミンとマレイン酸ジエチルとの付加物、およびビス−ヘキサメチレントリアミンとマレイン酸ジブチルとの付加物が挙げられる)が挙げられる。ポリオキシアルキレンアミン類も適している。ポリオキシアルキレンアミン類は、例えば、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から誘導された主鎖に結合している2つ以上の第一級または第二級アミノ基を含む。そのようなアミン類の例としては、呼称JEFFAMINEの下で入手できるもの、例えば、限定されないが、JEFFAMINE D−230、D−400、D−2000、HK−511、ED−600、ED−900、ED−2003、T−403、T−3000、T−5000、SD−231、SD−401、SD−2001、およびST−404(Huntsman Corporation社製)が挙げられる。かかるアミン類は、おおよそ200から7500までの範囲の分子量を有する。1つより多い(メタ)アクリレート化アミン反応生成物および/またはイソシアネートが使用されるとき、各ポリアミン、モノ(メタ)アクリレートおよび/またはイソシアネートは、同じであるか異なることができる。
【0024】
本組成物に含むことができるその他の適当な第二級アミン類は、第一級アミン官能基を含む材料のアクリロニトリルとの反応生成物である。適当なアミン類としては第一級アミノ官能基を含む本明細書に記載されている任意のポリアミンが挙げられる。そのような材料の一例は、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとアクリロニトリルとの付加物である。市販材料の一例は、呼称POLYCLEAR 136(Hansen Group LLC製)の下で販売されているイソホロンジイソシアネートとアクリロニトリルとの付加物である。
【0025】
特定の実施形態において、ポリ尿素のアミン成分、および/またはポリ尿素それ自体は、第一級アミン官能性(未反応の第一級アミノ基)を実質的に含まない。「第一級アミン官能性を実質的に含まない」およびそれと似た表現は、理論的には第一級アミン官能性は存在しないが、全く偶発的ないくぶんかの第一級アミン官能性、すなわちさもなければ第二級アミン官能性のおよび/または反応しなかった痕跡量の第一級アミン官能性であるアミン中の不純物が存在し得ることを意味する。
【0026】
一実施形態において、本発明により使用されるコーティング組成物は、ポリ尿素とポリウレタンのブレンドを含み得る。それ故本明細書で使用される「ポリ尿素」は、ポリ尿素ならびにポリ尿素とポリウレタンとのブレンドを含む。当業者には当然のことであるが、ポリウレタンは本発明による反応における副生成物として形成され得る。別の実施形態において、ポリウレタンは、系中で形成され得るし、かつ/または反応混合物に添加することができ、非限定の例は、本明細書に開示されているようなポリオールとポリイソシアネートとの反応によって形成されたNCO官能性プレポリマーである。系中で形成されるポリウレタンの非限定の例としては、ポリイソシアネートとヒドロキシル官能性材料との反応生成物を挙げることができる。適当なポリイソシアネート類の非限定の例としては本明細書に記載されているものを挙げることができる。適当なヒドロキシル官能性材料の非限定の例としては本明細書に記載されているもののようなポリオールを挙げることができる。系中で形成されるポリウレタンのもう1つの例としては、ヒドロキシル官能性プレポリマーとイソシアネート官能性材料との反応生成物を挙げることができる。これらの反応物の適当な例としては、本明細書に記載されているものを挙げることができる。
【0027】
本発明により使用されるポリ尿素コーティング組成物は、技術的に既知のさまざまな技法を用いて調合し、塗布することができる。一実施形態においては通常の吹付け技術を使用することができる。この実施形態において、イソシアネートとアミンとは、イソシアネート基当量のアミン基当量に対する比が1より大きく、そのイソシアネートとアミンとを1:1の体積混合比で基材に塗布することができるように組み合わせることができる。イソシアネート基当量の反応性アミン基当量に対する比を決定するときは、全体のアミン基、すなわち(メタ)アクリレート化アミン硬化剤ならびにコーティング中に使用される任意のその他のアミンからのアミン基を考慮に入れる。
【0028】
一実施形態において、吹付け可能なコーティング組成物は、2成分混合装置を用いて調製することができる。この実施形態において、そのイソシアネートおよびアミンは、高圧の衝突混合装置に加えられる。イソシアネートは「Aサイド」に加えられ、アミンは「Bサイド」に加えられる。そのAサイドとBサイドの流れが互いに衝突し、直ちに未被覆のまたは被覆されている基材の少なくとも一部に吹付けられる。そのイソシアネートおよびアミンは、反応して、その未被覆のまたは被覆されている基材に塗布されると硬化してコーティング組成物を形成する。そのAサイドおよび/またはBサイドは、塗布する前に、例えば140°Fといった温度に加熱することもできる。加熱することによって2つの成分の間のより良好な粘度の調和を促進することができるが、硬化反応を起こすために必要ではない。
【0029】
当然のことながら、本組成物は、イソシアネート含有成分とアミン含有成分とが塗布される直前まで別々に保たれている2成分系もしくは「2K」組成物であり得る。かかる組成物は、加熱された強制空気または加熱硬化を加えて最終的な硬化を増進するか接着性等のコーティング特性を高めることができるが、周囲条件下で硬化するものと理解されている。一実施形態において、吹付け可能なコーティング組成物は、2成分混合装置を用いて調製することができる。この実施形態において、そのイソシアネートおよびアミンは、高圧の衝突混合装置に加えられる。イソシアネートは「Aサイド」に加えられ、アミンは「Bサイド」に加えられる。そのAサイドとBサイドの流れが互いに衝突し、直ちに未被覆のまたは被覆されている基材の少なくとも一部に吹付けられる。そのイソシアネートおよびアミンは、反応して、その未被覆のまたは被覆されている基材に塗布されると硬化してコーティング組成物を形成する。そのAサイドおよび/またはBサイドは、塗布する前に、例えば140°Fといった温度に加熱することもできる。加熱することによって2つの成分の間のより良好な粘度の調和、従ってより良好な混合を促進することができるが、硬化反応を起こすために必要ではない。
【0030】
本発明のコーティング組成物の硬化速度を制御するために、イソシアネート基のアミン基に対する当量比を選択することができることが考えられる。1:1の体積比であって、イソシアネート基のアミン基に対する当量比(反応指数としても知られる)が1より大きい、例えば、1.004〜1.10:1、または1.01〜1.10:1、または1.03〜1.10:1、または1.05〜1.08:1、または1.01〜1.4:1、または1.01〜1.5:1、または1.3:1より大きいなどであるコーティングを塗布するとき、硬化および付着力の有利性が生じ得ることが見出されている。例えば、硬化後低い表面官能性を有する透明塗料、例えば、カルバメートメラミン、ヒドロキシルメラミン、2Kウレタンおよびシラン含有透明塗料などの上にこれらの比率を用いることによって良好な接着性が得られる。用語「1:1体積比」とは、体積比が各成分に対して最大20%まで、または最大10%まで、もしくは最大5%まで変動することを意味する。
【0031】
非限定の実施形態において、GUSMER Model GX−7スプレーガンを備えた比例配分装置付きの呼称GUSMER VR−H−3000の下で入手できる市販の混合装置を使用することができる。この装置においては、AサイドおよびBサイド成分の加圧された流れが、2つの別々のチャンバーから送り込まれ、互いに高速で激突または衝突して2つの成分が混合してコーティング組成物を形成し、それを、スプレーガンを使用して未被覆のまたは被覆されている基材に塗布することができる。成分流によって受ける混合の力は、単位時間当たりに混合チャンバーに入る各流れの体積およびその成分流が供給される圧力に依存され得る。単位時間当たりのイソシアネートとアミンとの1:1の体積比は、これらの力を均一にすることができる。
【0032】
当該産業で知られているもう1つの適切な塗装装置としては、「静圧混合管(static mix tube)」塗装装置が挙げられる。この装置においては、イソシアネートとアミンは、それぞれ別々のチャンバー中に保存することができる。圧力が加えられると、それぞれの成分は、1:1の体積比で混合管中に持ち込まれる。その成分の混合は、その管内の曲がったまたはらせん状の経路を経由して達成される。その管の出口端は、反応混合物の吹付け塗装に役立つ噴霧化能を有することができる。別法では、その液体反応混合物は、ビーズとして基材に塗布することができる。静圧混合管塗装装置は、Cammda Corporation社から市販されている。その他の塗装方法およびその他のイソシアネート:アミン比を使用することができる。
【0033】
本発明により使用されるポリ尿素コーティング組成物は、多種多様の基材に塗布することができる。従って、本発明は、本明細書に記載の任意の組成物を塗布した基材をさらに対象とする。適当な基材の非限定の例として、以下に限定はされないが、金属、天然および/または合成石材、セラミック、ガラス、レンガ、セメント、コンクリート、シンダーブロック、木材ならびにそれらの複合材および積層品、人造壁板、乾式壁、シートロック、セメント板、プラスチック、紙、PVC、発泡スチレン、プラスチック複合材、アクリル複合材、バリスティック複合材(ballistic composite)、アスファルト、グラスファイバー、土、砂利などを挙げることができる。「金属基材(1つまたは複数)」としては、アルミニウム、任意の形態のスチール、例えば冷延鋼板、電気亜鉛メッキ鋼、溶融亜鉛メッキ鋼など、チタンなどを挙げることができるがそれらには限定されない金属(1つまたは複数)および/または金属合金類を含む基材が挙げられる。プラスチック類としては、以下に限定はされないが、TPO、SMC、TPU、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリアミド類(ナイロン)を挙げることができる。その基材は、下塗りされた金属および/またはプラスチックであり得、つまり、有機または無機層がそこに塗布されていてもよい。さらに、本発明のコーティング組成物は、前記基材に塗布して、1つまたは複数の多種多様の特性、例えば、以下に限定はされないが、耐腐食性、耐摩耗性、耐衝撃損傷、耐火炎および/または耐熱性、耐化学薬品性、耐紫外線性、構造的完全性、衝撃緩和性、防爆性、消音性、装飾性などを与えることができる。非限定の例において、本発明のコーティング組成物は、次の基材、すなわちそれに限定はされないが建造物構成材またはそれに限定されないが乗物等の製品の少なくとも一部に塗布することができる。「乗物」としては、以下に限定はされないが、一般市民用、商用、および軍用の陸上、水上および航空乗物、例えば、乗用車、トラック、ボート、船舶、潜水艦、航空機、ヘリコプター、軍事用ジープおよびタンク車が挙げられる。その製品は、建造物であり得る。「建築構成材」および類似の表現は、以下に限定はされないが、住居用、商用および軍用の構造物、例えば、屋根、床、支持梁、壁などを含めた構造物の少なくとも一部を含む。本明細書で使用される用語「基材」は、製品の少なくとも一部または製品それ自体、建築構成材などの外側または内側の表面を指すことができる。一実施形態において、基材は、トラックの荷台である。
【0034】
一実施形態において、本発明で使用されるポリ尿素コーティング組成物は、基材に塗布する前にキャリヤーフィルムに塗布することができる。そのキャリヤーフィルムは、多種多様の技術的に既知のそのような材料から選択することができる。適当なキャリヤーフィルムの非限定の例としては、以下に限定はされないが、熱可塑性材料、熱硬化性材料、金属箔、セルロース紙、合成紙、およびそれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用される用語「熱可塑性材料」とは、加熱されたときに軟化または融解し、冷却したとき再び固化(硬質化)することができる任意の材料を指す。適当な熱可塑性材料の非限定の例としては、ポリオレフィン類、ポリウレタン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリ尿素類、アクリル樹脂類、およびそれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用される用語「熱硬化性材料」とは、加熱および/または硬化された後、永久に硬質化する任意の材料を指す。非限定の例としては、ポリウレタンポリマー類、ポリエステルポリマー類、ポリアミドポリマー類、ポリ尿素ポリマー類、ポリカーボネートポリマー類、アクリルポリマー類、アミノプラスト類、イソシアネート類、エポキシ樹脂類、それらの共重合体類、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0035】
上で述べたように、本発明により使用されるポリ尿素コーティング組成物は、特定の実施形態においては、上記のポリ尿素層に加えて、電着層、ベースコート層、および透明塗料層の少なくとも1つを含む多層コーティング複合体の一部として塗布される。特定の実施形態においては、上記のポリ尿素層に加えて、電着層、ベースコート層、および透明塗料層の少なくとも2つが使用され、さらに他の実施形態においては、上記のポリ尿素層に加えて、電着層、ベースコート層、および透明塗料層のすべてが使用される。電着層は、一般的にさまざまな産業において装飾および/または保護を目的として使用される電着可能なフィルム形成性組成物から堆積されたものである。ベースコート層は、任意の色素ありまたは色素なしのベースコート組成物から堆積させることができる。一般的には色素ありベースコートは、透明塗料と併せて使用される。透明塗料は、任意の透明塗料組成物から堆積させることができる。一実施形態において、該透明塗料は、架橋および硬化の前または後にシラン官能基を含む。別の実施形態において、該透明塗料は、硬化後、カルバメートメラミン、ヒドロキシルメラミン、2Kウレタン、およびシラン含有透明塗料のように低い表面官能性を有する。任意の数のさらなるコーティングおよび/または処理層、例えば、電着層の前の前処理層、プライマー層、さらなる電着、ベースコートおよび/または透明塗料層などを、電着、ベースコート、および/または透明塗料と併せて本発明に従って使用することができる。
【0036】
特定の実施形態において、ポリウレアコーティング層は、基材上にテクスチャ構造を生ずる2回塗り塗装で使用することができる。最初の被膜は、滑らかな実質的に不粘着な層を生成するために、未被覆のまたは被覆されている基材に塗布する。「不粘着性測定法」は、その層が実質的に不粘着であるか否かを断定するために使用される。不粘着性測定法は、1つの被膜のコーティング組成物を非粘着性のプラスチックシート上に10〜15ミル(254〜381ミクロン)の厚さに吹付けるステップを含む。吹付けが完了したとき、作業者は、ブカブカの使い捨てのビニール手袋、例えば、米国ジョージア州ノークロスのMarigold Industrial社製のアンビデックス使い捨てビニール手袋(AMBIDEX Disposable Vinyl Glove)として市販されているものなどを使用して、コーティングの表面にそっと触れる。そのコーティングは、異なる指先を用いて複数回触れることができる。その手袋の先端がその層の表面にもはや粘着しないか、そこから引き戻さなくてもよいとき、その層は実質的に不粘着であるという。吹付けの完了から始まってそのコーティングが実質的に不粘着となるまでの時間を不粘着時間と言う。非限定の実施形態において、不粘着時間および硬化時間は、さまざまな組成物成分の量、例えば第一級アミンの第二級アミンに対する比率を均衡させることによって制御することができる。
【0037】
2番目のポリウレア層を次にテクスチャ層または「ダストコート」として最初のポリウレア層に塗布することができる。その2番目のコーティング層は、塗装/混合装置と被覆される基材との間の間隔を広げることによってその被覆される基材と接触する前にコーティング組成物の分離した液滴を形成するように塗布し、それによって第2層の表面の制御された非不均一性を形成することができる。実質的に不粘着のコーティングの最初の層は、2番目の層に対して少なくともある程度は耐性があり、すなわち、2番目の層またはダストコートとしてその上に吹付けられたコーティング組成物の液滴の融合に対して少なくともある程度は耐性があり、その結果、その液滴は、その前の層(1つまたは複数)と接着はするが融合はせずに表面のテクスチャを形成する。最後のコーティング層は、一般的には最初のまたはその前のコーティング層よりさらに多くの表面テクスチャを見せる。コーティング層の全体の厚さは、20〜1000ミル、または40〜150ミル、または60〜100ミル(1520〜2540ミクロン)、あるいは500〜750ミルの範囲であり得る。非限定の実施形態において、最初の層は、全体の厚さの大部分であり得、ダストコートは、15〜50ミル(381〜1270ミクロン)であり得る。
【0038】
本発明のさまざまな実施形態において、「最初の」ポリウレアコーティング層は、1つ、2つ、3つまたはそれ以上の層を含むことができ、「2番目の」ポリウレアコーティング層は、その上に塗布された1つまたは複数のその後の層であり得る。例えば、4番目の層がダストコートであり、各層が15〜25ミル(381〜635ミクロン)の厚さを有する4つのポリ尿素の層を塗布することができる。当然のことながらこれらのコーティング層は、相対的に「厚い」。本発明のポリウレアコーティング層は、また、そのうえ、0.1〜15ミル未満の、例えば、0.1〜10、0.5〜3または1〜2ミルといったずっと薄い層としても塗布することができる。そのような層は、単独で、もしくはその他のコーティング層、本明細書に記載されているものかさもなければ技術的に知られているものと併せて使用することができる。
【0039】
別の実施形態において、本発明の基材の少なくとも一部に塗布されるポリウレアコーティング層は、同一か異なるポリ尿素コーティング組成物を含むことができる。例えば、最初の層は、脂肪族および/または芳香族アミン成分ならびに/あるいは脂肪族および/または芳香族ポリイソシアネートを含むポリ尿素であり得、2番目の層は、脂肪族および/または芳香族アミン成分ならびに/あるいは脂肪族および/または芳香族ポリイソシアネートの同じか異なる組合せを含むことができる。本文脈における「アミン成分」は、本発明によるコーティングにおいて使用される任意のアミンを意味する。さらなる実施形態において、最も外側のコーティング層は、所望の耐久性を提供するコーティング組成物を含んでよい。所望の耐久性は、本発明のコーティング組成物の使用および/またはそれを塗布することができる基材によって決まり得る。一実施形態において、脂肪族および/または芳香族アミンならびに/あるいはポリイソシアネートの組合せは、最も外側の層の組成が実質的な耐久性を有するように選択することができる。例えば、最も外側の層は、SAE J1960の方法に従い、ウェザロメーター(Atlas Material Testing Solutions社製)を用いて試験したとき、1000kJ〜6000kJ、または800時間〜4000時間の耐久性を有することができる。この実施形態において、その最初の層は、ポリイソシアネートおよびアミンを含み、そのアミンおよび/またはポリイソシアネートの少なくとも1つが芳香族部分を含んでもよいポリ尿素組成物であり得、2番目の層は、芳香族の殆ど無い大部分が脂肪族アミンおよび脂肪族イソシアネートであるポリ尿素組成物であり得る。
【0040】
本発明において使用されるポリ尿素コーティング組成物は、当技術分野において標準的な材料、例えば以下に限定はされないが、充填剤、グラスファイバー、安定剤、増粘剤、充填剤、接着促進剤、触媒、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、レオロジー調整剤、流動性添加剤、帯電防止剤および表面コーティングの技術で知られているその他の性能または特性調整剤、ならびにそれらの混合物を任意で含むことができる。例えば、本コーティングは、耐燃性および/または耐熱性材料、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第11/591312号に開示されている任意の1つまたは複数のものなどをさらに含むことができる。充填剤としてはクレーおよび/またはシリカを挙げることができ、接着促進剤としてはアミン官能性材料、アミノシラン類などを挙げることができ、充填剤および接着促進剤の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2006/0046068号にさらに記載されている。これらの添加剤は、イソシアネート、(メタ)アクリレート化アミン反応生成物、またはその両方と組み合わせることができる。特定の実施形態において、該ポリ尿素コーティングは、少量の溶媒をさらに含むことができ、特定の実施形態において、該ポリ尿素は実質的に無溶媒であり得る。「実質的に無溶媒」とは、そのポリ尿素が、少量の溶媒、例えば5%、2%、1%またはそれ以下、を含むことができることを意味する。
【0041】
本明細書で使用される用語「着色剤」とは、色および/またはその他の不透明性および/またはその他の視覚効果をその組成物に与える任意の物質を意味する。着色剤は任意の適当な形態、例えば、別個の粒子、分散体、溶液および/またはフレークなどでコーティングに加えることができる。単一の着色剤または2つ以上の着色剤の混合物を本発明のコーティング中に使用することができる。
【0042】
着色剤の例としては、顔料、染料およびティント剤、例えばペイント産業で使用されているものおよび/またはDry Color Manufacturers Association(DCMA)ならびに特殊効果組成物に列挙されているものが挙げられる。着色剤としては、例えば、不溶性であるが使用条件下で濡らすことができる微粉化した固体粉末を挙げることができる。着色剤は、有機または無機であり得、凝集していても凝集していなくても良い。着色剤は、粉砕することまたは単に混合することによりコーティング中に粉砕されることにより、粉砕してコーティング中に組み込むことができる。着色剤は、その使用が当業者には馴染みのアクリル系粉砕ビヒクル等の粉砕ビヒクルを使用することにより、粉砕してコーティング中に組み込むことができる。その粉砕ビヒクルもまた、本明細書中に記載の(メタ)アクリレートアミン硬化剤を、全部またはその他の本明細書に記載のアミン類およびポリオール類との組合せで含むことができる。
【0043】
顔料および/または顔料組成物の例としては、以下に限定はされないが、カルバゾールジオキサジン粗顔料、アゾ、モノアゾ、ジスアゾ、ナフトールAS、塩タイプ(レーキ類)、ベンゾイミダゾロン、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリンおよび多環式フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、アントラキノン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、ピラントロン、アンタントロン、ジオキサジン、トリアリールカルボニウム、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロールレッド(「DPPBOレッド」)、二酸化チタン、カーボンブラック、炭素繊維、黒鉛、その他の導電性顔料類および/または充填材ならびにそれらの混合物が挙げられる。用語「顔料」および「着色充填材」は、互換的に使用することができる。
【0044】
染料の例としては、以下に限定はされないが、フタログリーンまたはブルー、酸化鉄、バナジウム酸ビスマス、アントラキノン、ペリレン、アルミニウム、およびキナクリドン等の溶液型であるものが挙げられる。
【0045】
ティント剤の例としては、以下に限定はされないが、水性のまたは水混和性のキャリヤー中に分散させた顔料、例えば、Degussa,Inc.社から市販されているAQUA−CHEM 896、Eastman Chemical,Inc.社のAccurate Dispersions部門から市販されているCHARISMA COLORANTSおよびMAXITONER INDUSTRIAL COLORANTSなどが挙げられる。
【0046】
上で述べたように、着色剤は、ナノ粒子分散体を含むがそれに限定はされない分散体の形態であることができる。ナノ粒子分散体としては、望ましい可視色および/または不透明性および/または視覚効果を生ずる1つまたは複数の高度に分散したナノ粒子着色剤および/または着色剤粒子を挙げることができる。ナノ粒子分散体としては、150nm未満、例えば、70nm未満、または30nm未満といった粒径を有する顔料または染料等の着色剤を挙げることができる。ナノ粒子は、原料の有機または無機顔料を、0.5mm未満の粒径を有する粉砕媒体と共に粉砕することによって製造することができる。ナノ粒子分散体およびそれを製造する方法の例は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6875800号B2中で確認される。ナノ粒子分散体は、また、結晶化、沈殿、気相凝縮、および化学磨耗(すなわち、部分溶解)によっても製造することができる。コーティング中のナノ粒子の再凝集を最小限にするために、樹脂を被覆したナノ粒子の分散体を使用することができる。本明細書で用いられる「樹脂を被覆したナノ粒子の分散体」とは、ナノ粒子およびそのナノ粒子上に樹脂コーティングを含む目立たない「複合微小粒子」が分散している連続相を指す。樹脂を被覆したナノ粒子の分散体およびそれらを製造する方法の例は、参照により本明細書に組み込まれている2004年6月24日出願の米国特許仮出願第10/876031号、および同じく参照により本明細書に組み込まれている2003年6月24日出願の米国特許仮出願第60/482167号において確認される。
【0047】
本発明のポリウレアコーティング中に使用することができる特殊効果組成物の例としては、1つまたは複数の外観効果、例えば、反射率、真珠光沢、金属光沢、りん光、蛍光、フォトクロミズム、感光性、サーモクロミズム、ゴニオクロミズム(goniochromism)および/または色変化などを生ずる顔料および/または組成物が挙げられる。さらなる特殊効果組成物は、その他の知覚できる特性、例えば反射率、不透明性またはテクスチャを提供することができる。非限定の実施形態において、特殊効果組成物は、コーティングの色が、そのコーティングを異なる角度から見たときそのコーティングの色が変化するように、色ずれを引き起こすことができる。色彩効果組成物の例は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6894086号において確認される。さらなる色彩効果組成物としては、透明な被覆雲母および/または合成雲母、被覆シリカ、被覆アルミナ、透明な液晶顔料、液晶コーティング、および/または干渉が材料の表面と空気の間の屈折率の差のためではなく材料内部の屈折率の差によって生じる任意の組成物を挙げることができる。
【0048】
特定の非限定の実施形態において、1つまたは複数の光源にさらしたときその色を可逆的に変える感光性組成物および/または光発色性組成物を、本発明のコーティングに使用することができる。光発色性および/または感光性組成物は、特定の波長の放射線にさらすことによって活性化することができる。その組成物が励起されるとその分子構造が変化し、その改変された構造が、その組成物の元の色とは異なる新たな色を示す。放射線への暴露を取り除くと、その光発色性および/または感光性組成物は、静止状態に戻ることができ、その組成物の元の色が戻る。非限定の一実施形態において、その光発色性および/または感光性組成物は、励起されていない状態では無色であり、励起状態で発色することができる。完全な色の変化はミリ秒〜数分の範囲、例えば20秒〜60秒などで現れ得る。光発色性および/または感光性組成物の例としては、フォトクロミック染料類が挙げられる。
【0049】
非限定の実施形態において、該感光性組成物および/または光発色性組成物は、ポリマーおよび/またはポリマー材料の重合可能な成分と関係し、かつ/または少なくとも部分的に共有結合などによって結合することができる。感光性組成物がコーティングから移行し、基材内で結晶化することがあり得るいくつかのコーティングとは対照的に、本発明の非限定の実施形態に従うポリマーおよび/または重合可能な成分に関係し、かつ/または少なくとも部分的に結合している該感光性組成物および/または光発色性組成物は、コーティングからの最小限の移行性を有する。感光性組成物および/または光発色性組成物ならびにそれらを製造する方法の例は、2004年7月16日に出願され、参照により本明細書に組み込まれている米国特許仮出願第10/892919号において確認される。
【0050】
一般に、着色剤は、望ましい特性、可視および/または色彩効果を与えるのに十分な任意の量でコーティング組成物中に存在させることができる。その着色剤は、組成物の全体の重量に基づく重量パーセントで、本組成物の0.1〜65重量パーセント、例えば、3〜40重量パーセントまたは5〜35重量パーセント、を含むことができる。特定の実施形態において、顔料の重量は、0.1〜1.0重量パーセントであり得る。
【0051】
別の実施形態において、本発明の被覆された基材は、関連する基材の色と調和する色を有する。色合わせを表すときに本明細書で用いる用語の「調和する」または類似の用語は、本発明の基材のコーティング組成物の色が、望ましい色または関連する基材の色に十分対応することを意味する。例えば、ポリ尿素コーティング組成物に対する基材が、トラックの荷台などの乗物の一部であるとき、そのコーティングの色は、関連する車体のそれと十分に調和する。これは、分光装置を用いて視覚的に観察または確認することができる。本発明により被覆される製品または建築構成材は、さまざまなコーティング層、例えば、電着、プライマー、ベースコートおよび/または透明塗料などの1つまたは複数により前処理されているか前処理されていない基材を含む多層コーティング複合材を有することができる。ベースコートおよび透明塗料の少なくとも1つは、顔料を含有することができ、かつ/または透明塗料は、接着促進剤を含有することができる。本発明者らはどんな機構によっても束縛されることは望まないが、透明塗料またはその表面への接着促進剤の添加は、透明塗料とその上に塗布されるポリ尿素コーティング組成物の間の接着を改良し得ることが考えられる。この実施形態において、使用されるポリ尿素コーティング組成物は、イソシアネートと顔料添加剤を含む(メタ)アクリレート化アミン反応生成物との反応生成物であり得る。顔料を含有する本明細書に記載のポリ尿素コーティング組成物は、物品、建築構成材、またはその他の基材の少なくとも一部に塗布することができる。被覆された物品、建築構成材、または基材の色は、関連する基材の色と調和することができる。「関連する基材」とは、物品もしくは構成材を含むが本発明のコーティング組成物で被覆されていない基材か、または物品もしくは構成材に付随、接続、または近接しているが、本明細書に記載のポリ尿素コーティングにより被覆されていない基材を表すことができる。
【0052】
従って、特定の実施形態は、イソシアネートおよびモノアミンとポリ(メタ)アクリレートとの(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含む反応混合物から形成されたポリ尿素を含むコーティングにより少なくとも一部が被覆されている建築構成材を有する建造物であって、前記のイソシアネート基当量のアミン基当量に対する比が1より大きく、前記イソシアネートおよび前記(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を前記建築構成材に1:1の体積混合比で塗布することができる建造物を対象とする。その(メタ)アクリレート化アミン反応生成物およびポリ尿素は、上記と同じのものであり得る。該建築構成材は、本明細書に記載のもののどれかであり得、建築構成材に適する任意の1つまたは複数の基材、例えば本明細書に列挙されている任意の基材などから形成することができる。そのポリ尿素は、裸の(例えば、未処理のおよび/または未被覆の)基材、前処理されている基材および/または少なくとも1つのその他のコーティング層を有する基材である建築構成材に塗布することができる。上記の層としては、目止め剤類、プライマー類、色素ありまたは色素なしのベースコート、トップコートおよび/または工業塗料層を挙げることができる。十分な厚さ(例えば、10〜1000ミル)で塗布されたとき、本ポリ尿素層(1つまたは複数)は防爆性を提供することができる。「防爆性」とは、例えば、近接近した爆破または爆発の場合における保護を意味する。この保護には、例えば、構造物または構造物の一部、例えば、建造物、乗物、航空機、船舶/ボート、運送用コンテナーなどの崩壊および/または破壊からの保護、飛来する破片および爆破断片に対する保護などを含めることができる。
【0053】
本発明の特定の実施形態は、イソシアネートおよびモノアミンとポリ(メタ)アクリレートとの(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含む反応混合物から形成されたポリ尿素を含むコーティングにより少なくとも一部が被覆されている基材であって、前記のイソシアネート基当量のアミン基当量に対する比が1.3:1より大きく、前記イソシアネートおよび前記(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を基材に1:1の体積混合比で塗布することができる基材を対象とする。その(メタ)アクリレート化アミン反応生成物およびポリ尿素は、上記と同じのものであり得る。その基材は、上記の任意の基材であり得、裸の(例えば、未処理のおよび/または未被覆の)基材、前処理されている基材および/または少なくとも1つのその他のコーティング層を有する基材であり得る。上記の層としては、目止め剤類、プライマー類、色素ありまたは色素なしのベースコート、トップコートおよび/または工業塗料層を挙げることができる。十分な厚さ(例えば、10〜1000ミル、例えば100〜200ミル、または125ミル±10ミルなど)で塗布されたとき、本ポリ尿素層(1つまたは複数)は防爆性を提供することができる。「防爆性」とは、例えば、近接近した爆破または爆発の場合における保護を意味する。この保護には、例えば、構造物または構造物の一部、例えば、建造物、乗物、航空機、船舶/ボート、運送用コンテナーなどの崩壊および/または破壊からの保護、飛来する破片および爆破断片に対する保護などを含めることができる。
【0054】
他で明確に特定されていない限り、本明細書で使用されるすべての数、例えば、値、範囲、量または百分率を表すものなどは、その語がはっきりと現れなくても、「約」の単語が前にあるかのように読み取ることができる。本明細書に繰り返し出てくるどの数値範囲も、その中に含まれるすべての部分的な範囲を含めることが意図されている。複数形は、単数形を包含し、逆も同様である。例えば、本発明は、本明細書では特許請求の範囲を含めて、単数形の(「a」または「an」のついた)ポリ尿素、イソシアネート、モノアミン、ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート化アミン反応生成物などの表現で説明してきたが、そのような事物の混合物を使用することができる。本明細書で使用される用語「ポリマー」は、プレポリマー類、オリゴマー類ならびにホモポリマー類とコポリマー類の両方を指し、接頭辞「ポリ」は、2つ以上を表す。
【実施例】
【0055】
以下の実施例は、本発明を説明するために意図されており、本発明を多少なりとも限定するものと解釈してはならない。当業者には、分かるように、MWは、平均分子量を表し、Mは、重量平均分子量を表し、Mは、数平均分子量を表す。
【0056】
(実施例A)
アミン/アクリレート硬化剤を、以下の成分から調製した。
成分 g重量
投入物1
2−エチルヘキシルアミン 387.8
投入物2
トリメチロールプロパントリアクリレート 294.0
投入物1を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、冷却器、およびN導入口を備えた適当な反応器に加えた。その投入物をNブランケット下に置いた。24℃の温度で開始し、投入物2をその反応器に45分かけて加えた。その添加中、軽い発熱が観察された。投入の完了時、その反応混合物の温度は26℃であった。その反応器の内容物を外部熱源により35℃に加熱し、この温度で2時間保持した。この時点での赤外線スペクトルの検査により、アクリレートの消費(1621、1635cm−1のピークの非存在)が示された。得られた材料は、89.5パーセントの実測固形分(110℃、1時間)、ガードナーホルトスケールでC−Dの粘度、7.93ポンド/ガロンの密度、4.098meq/gの合計アミン含量、ならびにポリスチレン標準に対するゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定で、928のMおよび692のMを有することが見出された。
【0057】
(実施例B)
アミン/エポキシ付加物を、以下の成分から調製した。
成分 g重量
投入物1
イソホロンジアミン 2044.8
投入物2
CARDURA E10P 6000.0
Hexion Specialty Chemicals,Inc.社から入手できるネオデカン酸のグリシジルエーテル。
【0058】
投入物1を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、冷却器、およびN導入口を備えた適当な反応器に加えた。その投入物をNブランケット下に置き、その反応器に熱を加えた。62℃の温度で開始し、投入物2をその反応器に62〜92℃の温度で6.9時間かけて加えた。その供給の途中、反応温度を制御するために、必要に応じて加熱マントルを上げたり下げたりして冷却(ウォーターバスまたは気流)を加えた。その添加の完了時、その反応混合物の温度は77℃であった。その反応混合物を80℃で8.6時間、次いで85℃で1.6時間保持した。この時点でエポキシ当量は、55556であることが分かり、その反応は完了したものと判断した。得られた材料は、98.7パーセントの実測固形分(110℃、1時間)、ガードナーホルトスケールでZ10の粘度、2.969meq/gの合計アミン含量、0.170meq/gの残留第一級アミン含量、2.504meq/gの第二級アミン含量、0.295meq/gの第三級アミン含量、160.1の水酸基価、ならびにポリスチレン標準に対するゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定で、657のMおよび562のMを有することが見出された。
【0059】
(実施例C)
第二級非アスパルテートアミノ基を有するアスパルテート改変アミン硬化剤を以下の成分から調製した。
成分 g重量
投入物1
ビスヘキサメチレントリアミン 172.5
投入物2
マレイン酸ジエチル 264.1
投入物1を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、冷却器、およびN導入口を備えた適当なフラスコに加えた。その投入物をNブランケット下に置いた。60℃の温度で開始し、投入物2をそのフラスコに4.5時間かけて加えた。その添加中、わずかな発熱が観察された。67℃の最高温度がこの投入物の添加中に観察された。投入の完了時点でその反応混合物の温度は61℃であった。その反応混合物を70℃の温度まで外部熱源により加熱し、この温度で2.75時間保持した。反応混合物の赤外線スペクトル検査により、マレイン酸ジエチルの消費(1646cm−1のピークの消失)が示された。得られた材料は、98.3パーセントの実測固形分(110℃、1時間)、ガードナーホルトスケールでF+の粘度、8.55ポンド/ガロンの密度、5.17meq/gの合計アミン含量、0.077meq/gの残留第一級アミン含量、5.032meq/gの第二級アミン含量、0.066meq/gの第三級アミン含量、ならびにポリスチレン標準に対するゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定で、547のMおよび445のMを有することが見出された。
【0060】
(実施例D)
アクリレート/アスパルテートアミン硬化剤を、以下の成分から調製した。
成分 g重量
投入物1
イソホロンジアミン 170.4
2,6−ジ−t−ブチルp−クレゾール 0.2
投入物2
マレイン酸ジエチル 168.8
投入物3
2,6−ジ−t−ブチルp−クレゾール 3.5
投入物4
ブチルアクリレート 125.4
投入物1を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、冷却器、およびN導入口を備えた適当なフラスコに加えた。その投入物をNブランケット下に置いた。21℃の温度で開始し、投入物2をそのフラスコに45分かけて加えた。その添加中、発熱が観察された。投入の完了時、その反応混合物の温度は45℃であった。その反応混合物を、外部熱源により50℃の温度に加熱し、この温度で3.25時間保持した。その反応混合物の赤外線スペクトルの検査により、マレイン酸ジブチルの消費(1646cm−1のピークの消滅)が示された。投入物3をその反応器に加え、次いで投入物4をその反応混合物に45分かけて加え、投入物4の完了時にその温度は50℃であった。その反応混合物をこの温度で2.9時間保持した。その反応混合物の赤外線スペクトルの検査により、未反応のアクリレート(1621、1635cm−1のピーク)の存在が示された。その反応混合物の温度を70℃に上げ、4時間にわたって保持した。その反応混合物の赤外線スペクトルの検査により、アクリレートが消費したことが示された。得られた材料は、92.0パーセントの実測固形分(110℃、1時間)、ガードナーホルトスケールでCの粘度、8.41ポンド/ガロンの密度、4.165meq/gの合計アミン含量、0.026meq/gの残留第一級アミン含量、4.139meq/gの第二級アミン含量、0.000meq/gの第三級アミン含量、ならびにポリスチレン標準に対するゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定で、489のMおよび415のMを有することが見出された。
【0061】
(実施例E)
アクリレート/アスパルテートアミン硬化剤を、以下の成分から調製した。
成分 g重量
投入物1
イソホロンジアミン 2982.0
2,6−ジ−t−ブチルp−クレゾール 3.5
投入物2
マレイン酸ジブチル 1995.0
投入物3
2,6−ジ−t−ブチルp−クレゾール 3.5
投入物4
ブチルアクリレート 3270.4
投入物1を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、冷却器、およびN導入口を備えた適当なフラスコに加えた。その投入物をNブランケット下に置いた。21℃の温度で開始し、投入物2をそのフラスコに5.75時間かけて加えた。その添加中、軽い発熱が観察された。この投入物の添加中、35℃の最高温度が観察された。投入の完了時、その反応混合物の温度は33℃であった。その反応混合物の温度を外部熱源により35〜37℃の温度に加熱し、この温度で3時間保持した。その反応混合物の赤外線スペクトルの検査により、マレイン酸ジブチルの消費(1646cm−1のピークの消滅)が示された。投入物3をその反応器に加え、その反応混合物を43℃に加熱した。投入物4をその反応混合物に3.6時間にわたって加え、軽い発熱が観察された。投入物4の間のその反応混合物の温度範囲は、43℃と50℃の間であり、投入物4の完了時にその温度は45℃であった。その反応混合物の温度を次いで50℃に上げ、3時間保持した。その反応混合物の赤外線スペクトルの検査により、未反応のアクリレート(1621、1635cm−1のピーク)の存在が示された。その反応混合物の温度を70℃に上げ、10.9時間にわたって保持した。その反応混合物の赤外線スペクトルの検査により、アクリレートに起因するピークの存在はベースラインノイズから区別することができないことが示され、この時点で反応は完了したものと断定した。得られた材料は、98.9パーセントの実測固形分(110℃、1時間)、ガードナーホルトスケールでDの粘度、8.17ポンド/ガロンの密度、4.21meq/gの合計アミン含量、0.230meq/gの残留第一級アミン含量、3.985meq/gの第二級アミン含量、0.000meq/gの第三級アミン含量、ならびにポリスチレン標準に対するゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定で、450のMおよび406のMを有することが見出された。
【0062】
(実施例F)
2官能性ウレタンアクリレートを、以下の成分から調製した。
成分 g重量
投入物1
DESMODUR W 419.2
ジブチルスズジラウレート 0.41
2,6−ジ−t−ブチルp−クレゾール 2.11
投入物2
ヒドロキシプロピルアクリレート 416.0
投入物3
ヒドロキシプロピルアクリレート 43.2
Bayer Corporation社から入手できるメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)。
【0063】
投入物1を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、冷却器、および空気導入口を備えた適当な反応器に加えた。その投入物を空気ブランケット下に置いた。59℃の温度で開始し、投入物2をその反応器に59〜62℃の温度で1.8時間かけて加えた。その反応を、この温度でほぼ2.8時間にわたって保持した。その反応混合物の赤外線スペクトルは、イソシアネートの存在を示した。次の9.8時間を通して、投入物3を5つの部分に分けてその反応混合物に加え、温度を87℃まで徐々に上げ、この時間の間に0.2gの追加のジブチルスズジラウレートもその反応混合物に添加した。その反応混合物を87℃でさらに4.6時間保持した。この時点でその反応混合物の赤外線スペクトルはイソシアネートが消費したことを示した。その材料は、ポリスチレン標準に対するゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより674のMおよび581のMを有することが測定された。
【0064】
(実施例G)
アミン/アクリレート硬化剤を、以下の成分から調製した。
成分 g重量
投入物1
実施例Fの2官能性ウレタン/アクリレート 261.8
2,6−ジ−t−ブチルp−クレゾール 0.73
投入物2
シクロヘキシルアミン 108.0
投入物3
シクロヘキシルアミン 7.5
投入物4
実施例Eのアクリレート/アスパルテートアミン硬化剤 372.0
投入物1を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、冷却器、および空気導入口を備えた適当な反応器に加えた。その投入物を空気ブランケット下に置き、加熱した。55℃の温度で開始し、投入物2をその反応器に2.5時間かけて加えた。その投入物が完了したときその反応混合物の温度は50℃であった。その反応器の内容物を60℃に加熱し、この温度で7.1時間保持した。この時点での赤外線スペクトルの検査は、アクリレートの存在(1621、1635 cm−1のピーク)を示した。次の10.8時間でその温度を89℃に上げ、投入物3をその反応混合物に加えた。この時間の完了時点での赤外線スペクトルの検査は、アクリレートの消費を示した。80℃の温度で、投入物4をその反応混合物に加えた。得られた材料は、98.5パーセントの実測固形分(110℃、1時間)、ガードナーホルトスケールでZ5の粘度、8.48ポンド/ガロンの密度、3.199meq/gの合計アミン含量、0.027meq/gの第一級アミン含量、3.172meq/gの第二級アミン含量、0.000meq/gの第三級アミン含量、ならびにポリスチレン標準に対するゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定で、815のMおよび499のMを有することが見出された。
【0065】
(実施例H)
アミン/アクリレート硬化剤を、以下の成分から調製した。
成分 g重量
投入物1
ブチルアミン 109.5
投入物2
トリメチロールプロパントリアクリレート 147.0
投入物1を、オーバーヘッドスターラー、熱電対、冷却器、およびN導入口を備えた適当な反応器に加えた。その投入物をNブランケット下に置いた。21℃の温度で開始し、投入物2をその反応器に55分かけて加えた。その添加中軽度の発熱が観察された。その添加の完了時、その反応混合物の温度は30℃であった。その反応混合物を外部熱源により30〜31℃に加熱し、この温度で2.25時間保持した。この時点での赤外線スペクトルの検査は、アクリレートの消費(1621、1635cm−1のピークの不在)を示した。得られた材料は、93.4パーセントの実測固形分(110℃、1時間)、ガードナーホルトスケールでC−Dの粘度、8.181ポンド/ガロンの密度、ならびにポリスチレン標準に対するゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定で、437のMおよび430のMを有することが見出された。
【0066】
(実施例1)
イソシアネート官能性「A」サイド調合物を以下の成分から調製した。
成分 g重量
TERATHANE 650 21.0
1,2−ブタンジオール 1.2
ネオペンチルグリコール 1.2
イソホロンジイソシアネート 27.1
DESMODUR N3400 49.4
Invista社から入手できるポリテトラメチレンエーテルグリコール。
Bayer Corporation社から入手できるヘキサメチレンジイソシアネートに基づく脂肪族ポリイソシアネート樹脂。
【0067】
TERATHANE 650、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、および触媒量のジブチルスズジラウレート(3つのグリコールの0.013重量%)を、窒素下の適当な反応器に入れた。イソホロンジイソシアネートを、36〜37℃の温度範囲でその反応器に105分かけて加えた。50分間でその混合物の温度は52℃に上昇した。60分間でその温度は最高の125℃まで上昇した。さらに60分後得られたプレポリマーの当量は、規格内であることが見出された。その得られたプレポリマーを、71℃まで冷却し、DESMODUR N3400の87.9%に注ぎ、30分かき混ぜた。残りのDESMODUR N3400を加えて最終イソシアネート当量の264.9に調整した。
【0068】
(実施例2〜3)
顔料粉砕物を表1の調合に従って調製した。
【0069】
【表1】

Huntsman Corporation社から入手できるほぼ3000のMWのポリオキシアルキレントリアミン。
Cabot Corporation社から入手できるカーボンブラック顔料。
Byk−Chemie GmbH社から入手できる分散剤。
Elementis Specialities,Inc.社から入手できる有機クレーレオロジー添加剤。
【0070】
各実施例において、その成分を組み合わせて、1.0mmのMill Mates Plus TZP粉砕媒体(Zircoa,Inc.社製)が85パーセント入ったPremier Mill HM1.5 VSD Series SuperMill(SPX Corporation社製)に入れ、2400rpmのミルスピードで粉砕した。その粉砕物は、粒ゲージの細かさに関するドローダウンで7.5ヘグマンであることが見出されたとき完了したものと判定した。
【0071】
(実施例4〜5)
ベース混合物を表2の調合に従って調製した。
【0072】
【表2】

Ciba Speciality Chemicals Corporation社から入手できる紫外線吸収剤
10Ciba Speciality Chemicals Corporation社から入手できるヒンダードアミン光安定剤。
【0073】
(実施例6〜8)
次の「B」サイドの調合物を表3の調合に従って製造した。
【0074】
【表3A】

11Huntsman Corporation社から入手できる脂肪族第二級アミン
上の表2のBサイド調合物および実施例1のAサイド調合物を、別々の小型容器に入れ、吹付け前にオーブン中140°Fで1〜3時間加熱した。ポリ尿素コーティング組成物は、1:1の体積比のAサイド成分対各Bサイド成分をCammda Corporation社から入手できる静圧混合管塗装装置の中で混合することによって製造した。そのコーティング組成物を、電着プライマーおよびエポキシ酸透明塗料(PPG Industries,Inc.社から入手できるNDCT5002A)が被覆されている冷延鋼パネルに塗布した。そのコーティングについての粘着時間を前述の手袋をはめた手でそのパネルに周期的にタッチすることによって測定し、その手袋がコーティングにもはやくっつかなくなったとき不粘着と判断した。
【0075】
硬度値は、加熱してないAサイドおよびBサイド成分を静圧混合管およびModel415−0011−00 50ml1:1手動式ディスペンサー(Cammanda Corporation社製)を備えた双筒式シリンジに入れ、1:1の比率の成分を型に注入し、ほぼ直径が5cm、厚さがほぼ100ミルの「パック」を形成することによって測定した。そのポリ尿素コーティングパックの周囲温度における硬度を、塗布した1日後に、モデル212ペンシルスタイルデジタルデュロメーター(Model212 Pencil Style Digital Durometer)(Pacific Transducer Corp.社製)によりショアDスケールについて測定した。そのパックを次に140°Fのオーブンに1日置き、そのオーブンのパックが冷めるのを防ぎながら、そのコーティングのショアD硬度を測定した。そのパックをそのオーブンから周囲温度のところに取り出し、1日後に周囲温度で再度硬度を測定した。
【0076】
イソシアネート対アミンの当量の比は、実施例6のBサイド成分を含むポリ尿素調合物については1.034、実施例7のBサイド成分を含むポリ尿素調合物については1.296と計算された。イソシアネート対アミンおよびヒドロキシルの当量の比は、実施例8のBサイド成分を含むポリ尿素調合物については1.077であった。
【0077】
表3に示されるように、ポリ尿素コーティングの以下の特性が測定された。
【0078】
【表3B】

実施例8は、硬化後2日に測定した

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電着層、ベースコート層、および透明塗料層の少なくとも1つを含む多層コーティング複合体、ならびにイソシアネートおよびモノアミンとポリ(メタ)アクリレートとの(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含む反応混合物から形成されたポリ尿素を含むコーティングにより少なくとも一部が被覆されている金属基材であって、イソシアネート基当量のアミン基当量に対する比が1より大きく、該イソシアネートおよび該(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を該基材に1:1の体積混合比で塗布することができる基材。
【請求項2】
イソシアネート基当量のアミン基当量に対する比が、1.004:1から1.5:1である、請求項1に記載の基材。
【請求項3】
前記イソシアネートがイソシアネートプレポリマーを含む、請求項1に記載の基材。
【請求項4】
前記モノアミンが、2−エチルヘキシルアミン、ブチルアミン、および/またはシクロヘキシルアミンを含む、請求項1に記載の基材。
【請求項5】
前記ポリ(メタ)アクリレートが、トリメチロールプロパントリアクリレートを含む、請求項1に記載の基材。
【請求項6】
前記モノアミンが、2−エチルヘキシルアミンを含み、前記ポリ(メタ)アクリレートが、トリメチロールプロパントリアクリレートを含む、請求項1に記載の基材。
【請求項7】
前記ポリ尿素が、(メタ)アクリレート、マレイン酸ジアルキルおよび/またはフマル酸ジアルキル、ならびにアミンの反応生成物をさらに含む、請求項1に記載の基材。
【請求項8】
前記ポリ尿素が、ポリアミンとエポキシ基を含む化合物との反応生成物をさらに含む、請求項1に記載の基材。
【請求項9】
前記ポリ尿素が2つ以上の(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含み、各反応生成物中の前記モノアミン(1つまたは複数)および前記ポリ(メタ)アクリレート(1つまたは複数)が、同じものであるか異なってもよい、請求項1に記載の基材。
【請求項10】
前記ポリ尿素が、
a.構造
【化1】

であり、R3〜R6が、独立して、C1〜C10アルキルであるジアミン、
b.構造
【化2】

であり、R7〜R10が、独立して、C1〜C10アルキルであるジアミン、
c.トリアミンと、マレイン酸ジエチルおよび/もしくはマレイン酸ジブチルとの反応生成物、
d.ポリアミンとモノ(メタ)アクリレートとの反応生成物、ならびに/または
e.ポリアミンのモノもしくはポリエポキシとの反応生成物
をさらに含む、請求項1に記載の基材。
【請求項11】
前記基材が、乗物の少なくとも一部を構成する、請求項1に記載の基材。
【請求項12】
前記基材が、トラックの荷台を構成する、請求項11に記載の基材。
【請求項13】
被覆したトラックの荷台の色が、関連する車体の色と十分調和する、請求項12に記載の基材。
【請求項14】
前記ポリ尿素コーティングが、前記基材にテクスチャ表面を与える、請求項1に記載の基材。
【請求項15】
イソシアネートおよびモノアミンとポリ(メタ)アクリレートとの(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含む反応混合物から形成されたポリ尿素を含むコーティングにより少なくとも一部が被覆されている基材であって、イソシアネート基当量のアミン基当量に対する比が1.3:1より大きく、該イソシアネートおよび該(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を該基材に1:1の体積混合比で塗布することができる、基材。
【請求項16】
前記ポリ尿素が、前記イソシアネートを含む第1の成分および前記(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含む第2の成分から形成される、請求項15に記載の基材。
【請求項17】
イソシアネートおよびモノアミンと(メタ)アクリレートとの(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含む反応混合物から形成されたポリ尿素を含むコーティングにより少なくとも一部が被覆されている建築構成材を有する建造物であって、イソシアネート基当量のアミン基当量に対する比が1より大きく、該イソシアネートおよび該(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を該建築構成材に1:1の体積混合比で塗布することができる、建造物。
【請求項18】
前記ポリ尿素が、前記イソシアネートを含む第1の成分および前記(メタ)アクリレート化アミン反応生成物を含む第2の成分から形成される、請求項17に記載の建造物。
【請求項19】
a)イソシアネートを含む第1の成分、および
b)モノアミンとポリ(メタ)アクリレートとの(メタ)アクリレート化アミン反応生成物、および
i.(メタ)アクリレート、マレイン酸ジアルキルおよび/またはフマル酸ジアルキルとアミンとの反応生成物、
ii.ポリアミンとエポキシ基を含む化合物との反応生成物、
iii.構造
【化3】

であり、R3〜R6が、独立して、C1〜C10アルキルであるジアミン、
iv.トリアミンとマレイン酸ジエチルおよび/またはマレイン酸ジブチルとの反応生成物、
v.構造
【化4】

であり、R7〜R10が、独立して、C1〜C10アルキルであるジアミン、
vi.ポリアミンとモノ(メタ)アクリレートとの反応生成物、
vii.ポリアミン、ポリ(メタ)アクリレートおよびモノ(メタ)アクリレートまたはモノアミンのアミン/(メタ)アクリレートオリゴマー反応生成物、および/または
viii.ポリアミンとモノまたはポリエポキシとの反応生成物
から選択される少なくとも1つのさらなるアミンを含む第2の成分
を含む反応混合物から形成されたポリ尿素を含むコーティング組成物。
【請求項20】
前記ポリ尿素層に加えて、電着層、ベースコート層およびクリアコート層の少なくとも2つを含む、請求項1に記載の基材。
【請求項21】
前記ポリ尿素層に加えて、電着層、ベースコート層およびクリアコート層を含む、請求項20に記載の基材。

【公表番号】特表2010−513023(P2010−513023A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543049(P2009−543049)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/086729
【国際公開番号】WO2008/076669
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(599087017)ピーピージー インダストリーズ オハイオ インコーポレーテツド (267)
【Fターム(参考)】