説明

(3R,5R)―7―[2―(4―フルオロフェニル)―5―イソプロピル―3―フェニル―4―[(4―ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]―ピロール―1―イル]―3,5―ジヒドロキシ―ヘプタン酸ヘミカルシウム塩の製法

本発明は、(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−[(4−ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシ−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩の製法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(3R,5R)―7―[2―(4―フルオロフェニル)―5―イソプロピル―3―フェニル―4―[(4―ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]―ピロール―1―イル]―3,5―ジヒドロキシ―ヘプタン酸ヘミカルシウム塩の製法に関する。
【背景技術】
【0002】
(3R,5R)―7―[2―(4―フルオロフェニル)―5―イソプロピル―3―フェニル―4―[(4―ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]―ピロール―1―イル]―3,5―ジヒドロキシ―ヘプタン酸ヘミカルシウム塩は、コレステロールの細胞内合成を触媒するコエンザイムである3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムA(HMG−CoA)レダクターゼの阻害剤として作用し、かくして、PCT公開番号04/106299に議論されているように、脂質低下剤およびコレステロール低下剤として有用である。
【0003】
心血管疾患およびその関連疾患、機能不全および合併症は障害の主な原因および死亡の主な原因である。この病態生理学的プロセスに有意に寄与する一つの特別な因子はアテローム性動脈硬化症であり、これは、一般には、死亡率および健康管理コスト双方に関して先導的な健康管理問題として認識されてきた。
【0004】
アテローム性動脈硬化症は、動脈壁の内部表面でのプラーク形成、および動脈に対する変性変化をもたらす、脂肪物質、主としてコレステロールの沈積によって特徴付けられる。今や、心筋梗塞、冠状動脈性心臓病、高血圧および低血圧を含めた心血管障害、脳卒中、脳血栓形成および脳卒中による記憶喪失を含めた脳血管障害;末梢血管病および腸梗塞はアテローム性動脈硬化症プラークによる動脈および細動脈閉鎖によって引き起こされることはよく確立されている。アテローム性動脈硬化症プラーク形成はその生成において多因子的である。高コレステロール血症、特に高レベルの低密度リポ蛋白質コレステロール(LDL)は、アテローム性動脈硬化症および動脈硬化症および関連する病気に対する重要な危険因子である。
【0005】
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(スタチン)は、LDLコレステロールの血中レベルを低下させるのに用いられてきた。コレステロールはメバロン酸経路を介して生産される。コレステロールに対する前駆体であるメバロン酸の形成の低下は、コレステロールの細胞プールの低下を伴う肝臓コレステロール生合成の対応する減少に導く。
【0006】
(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−[(4−ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシ−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩を調製するための合成手法はPCT公開番号WO 04/106299に開示されている。前記手法は、2つの化学的に同様な機能の選択的加水分解、例えば、tert−ブチルエステルの存在下でのメチルエステルの加水分解、およびヨウ素の存在下におけるホウ水素化ナトリウムでの、あるいは高価な試薬であって、空気−および水分−感受性であり、よって、取り扱うのが困難なボランジメチルスルフィドでの還元を含む複数工程を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本明細書中において、特定の中間体を取り込む合成手法を用いることによって、(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−[(4−ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシ−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩を調製する方法が提供される。
【0008】
さらに、本明細書中において、単純かつ経済的であり、高価であって空気および水分感受性の試薬の使用を回避し、およびtert―ブチルエステルの存在下におけるメチルエステルの選択的加水分解を回避する製法が提供される。
【0009】
さらに、本明細書中において、
a)式IIのアミンを式IIIの酢酸メチルイソブチリルと反応させて、
【0010】
【化1】

【0011】
【化2】

式IV(式中、Rは例えば、アセチル、ベンゾイル、テトラヒドロピラニル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチルまたはベンジルから選択されるヒドロキシ保護基である)の化合物を形成させ;
【0012】
【化3】

b)式IVの化合物をベンズアルデヒドと反応させて、式Vの化合物を形成させ;
【0013】
【化4】

c)式Vの化合物を4―フルオロベンズアルデヒドと反応させて、式VIの化合物を形成させ;
【0014】
【化5】

d)式VIの化合物を式VIIの化合物と反応させて
【0015】
【化6】

式VIIIの化合物を形成させ;
【0016】
【化7】

e)式VIIIの化合物を同時にケタールおよびヒドロキシ保護基(Rがテトラヒドロピラニルである場合)の酸―触媒開裂に付して、式IXの化合物を形成させ;
【0017】
【化8】

f)式IXの化合物を塩基―触媒加水分解に付して、式Xの化合物を形成させ;
【0018】
【化9】

g)式Xの化合物を酢酸カルシウムの水溶液と反応させて、式Iの化合物を形成する;
ことを含む、式I:
【0019】
【化10】

の化合物の調製法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0020】
この製法は以下の特徴の1以上を含むことができる。例えば、式IIのアミンの反応は、1以上の芳香族溶媒、例えば、キシレン、トルエンまたはその混合液中で、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、1,2―エチレンジアミン、またはその混合物のような1以上の有機塩基の存在下で行うことができる。もう一つの特徴において、式IVの化合物の反応は、例えば、炭化水素溶媒(例えば、ヘキサンまたはヘプタン)、ハロゲン化溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはクロロホルム)、芳香族溶媒(例えば、トルエンまたはキシレン)、またはその混合液のような1以上の溶媒中で、例えば、ピペリジン、ピリジン、β―アラニンまたはその混合物のような1以上の有機塩基、例えば、氷酢酸または安息香酸のような1以上の有機酸、あるいは有機塩基および有機酸の混合物の存在下で行うことができる。もう一つの特徴において、式Vの化合物の反応は、無溶媒条件において、あるいは例えば、プロトン性極性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールまたは水)、エーテル、(例えば、ジオキサン、またはテトラヒドロフラン)、またはその混合物のような1以上の溶媒中で、例えば、シアン化ナトリウム、臭化3―エチル―5―(2―ヒドロキシエチル)―4―メチルチアゾリウム、塩化3―ベンジル―5―(2―ヒドロキシエチル)―4―メチルチアゾリウムまたはその混合物のような1以上の触媒、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、またはその混合物のような1以上の有機塩基の存在下で行うことができる。もう1つの特徴において、式VIの化合物の反応は、例えば、芳香族溶媒(例えば、キシレンまたはトルエン)、炭化水素溶媒(例えば、へキサンまたはヘプタン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはジエチルエーテル)、またはその混合液のような1以上の溶媒中で、例えば、ピバル酸、p−トルエンスルホン酸、またはその混合物のような1以上の有機酸の存在下で行うことができる。もう1つの特徴において、式VIIIの化合物のケタールおよびヒドロキシ保護基の開裂は、例えば、プロトン性極性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノールまたは水)、エーテル(例えば、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテル)、またはその混合液のような1以上の溶媒中で、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、またはその混合物のような1以上の鉱酸の存在下で行うことができる。なおもう1つの特徴において、式IXの化合物の加水分解は、例えば、プロトン性極性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールまたは水)、エーテル(例えば、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテル)、またはその混合液のような1以上の溶媒中で、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはその混合物のような1以上の塩基の存在下で行うことができる。
【0021】
本明細書中に記載された(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−[(4−ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシ−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩は、例えば、スキームIに示された以下の反応系列によって調製することができる。
【0022】
【化11】

式Iの(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−[(4−ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシ−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩は、例えば、スキームIに従って調製することができる。かくして、式Iのアミンを式IIIの酢酸メチルイソブチリルと反応させて、式IV(式中、Rは前記定義に同じ)の化合物を形成することができる。式IVの化合物をベンズアルデヒドと反応させて、式Vの化合物を形成することができる。式Vの化合物を4−フルオロベンズアルデヒドと反応させて、式VIの化合物を形成することができる。式VIの化合物を式VIIの化合物と反応させて、式VIIIの化合物を形成することができる。式VIIIの化合物を同時にケタールおよびヒドロキシ保護基(Rがテトラヒドロピラニルである場合)の酸触媒開裂に付して、式IXの化合物を形成することができる。式IXの化合物をアルカリ塩基触媒加水分解に付して、式Xの化合物を形成することができる。当業者に公知の以下の手法によって、式Xの化合物をさらに式Iのヘミカルシウム塩に変換することができる。
【0023】
式IIのアミンの反応は、1以上の芳香族溶媒、例えば、キシレン、トルエン、またはその混合液中で行うことができる。反応は1以上の有機塩基、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、1,2−エチレンジアミン、またはその混合物の存在下で行うこともできる。
【0024】
式IVの化合物の反応は、1以上の溶媒、例えば、炭化水素溶媒(例えば、へキサンまたはヘプタン)、またはハロゲン化溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはクロロホルム)、芳香族溶媒(例えば、トルエンまたはキシレン)、またはその混合液中で行うことができる。また、反応は1以上の有機塩基、例えば、ピペリジン、ピリジンまたはβ−アラニン、1以上の有機酸、例えば、氷酢酸または安息香酸、あるいは有機塩基および有機酸の混合液の存在下で行うこともできる。
【0025】
式Vの化合物の反応は、1以上の触媒、例えば、シアン化ナトリウム、臭化3−エチル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウム、塩化3−ベンジル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウム、またはその混合物の存在下で行うことができる。また、反応は、無溶媒条件において、または1以上の溶媒、例えば、プロトン性極性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールまたは水)、エーテル(例えば、ジオキサンまたはテトラヒドロフラン)、またはその混合液中で、1以上の有機塩基、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、またはその混合物の存在下で行うこともできる。
【0026】
式VIの化合物の反応は1以上の溶媒、例えば、芳香族溶媒(例えば、キシレンまたはトルエン)、炭化水素溶媒(例えば、へキサンまたはヘプタン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはジエチルエーテル)、またはその混合液中で行うことができる。また、反応は、1以上の有機酸、例えば、ピバル酸、p−トルエンスルホン酸、またはその混合物の存在下で行うこともできる。
【0027】
式VIIIの化合物のケタールおよびヒドロキシ保護基の開裂は、1以上の鉱酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、またはその混合物の存在下で行うことができる。反応は、1以上の溶媒、例えば、プロトン性極性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノールまたは水)、エーテル(例えば、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテル)、またはその混合液中で行うこともできる。ケタールおよびヒドロキシ保護基の開裂は、当業者に公知のいずれかの他の開裂方法によって行うこともできる。
【0028】
式IXの化合物の加水分解は1以上の塩基、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはその混合物の存在下で行うことができる。反応は1以上の溶媒、例えば、プロトン性極性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、または水)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、またはジエチルエーテル)またはその混合液中で行うことができる。
【0029】
式Xの化合物は当業者に知られた以下の手法によって式Iのその対応するヘミカルシウム塩に変換することができる。
【0030】
前記スキームにおいて、特定の還元剤、溶媒、塩基、触媒、酸等に言及する場合、当業者に知られた他の還元剤、溶媒、塩基、触媒、酸等を用いることができるのは理解されるべきである。同様に、反応の温度および継続時間は調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明をその特別な具体例に関して記載してきたが、ある修飾および同等物は当業者に明らかであり、本発明の範囲内のものである。
【実施例1】
【0032】
4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸[4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)フェニル]アミドの調製
(J.Med.Chem.,41,26,(1998),5297−5309およびTetrahydrofuran Lett.,43,30,(2002),5353に記載された手法に従って調製された)4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)フェニルアミン(70g,0.34モル,1当量)、酢酸メチルイソブチリル(49g,0.34モル,1当量)、トルエン(600mL)および1,2−エチレンジアミン(2.0g,0.034モル,0.1当量)の混合物を2口丸底フラスコに投入し、反応混合物をディーン−シュタルク設定下で還流した。反応の完了の後に、溶媒を真空下で除去した。粗生成物をそれ自体次の工程のために採取した。収率:116g(粗製)
MS(+イオンモード):m/z 320.16(M+1);H NMR(CDCl,300Hz):δ 1.27(d,J=6Hz,6H);1.33(s,2H);1.54−1.72(m,7H);2.74(sep,J=6Hz,1H);3.52−3.56(m,1H);3.61(s,2H);3.87−3.95(m,1H);4.47(d,J=12Hz,1H);4.68(m,1H);4.74(d,J=12Hz,1H);7.32(d,J=9Hz,2H);7.53(d,J=6Hz,2H);9.22(brs,1H)
【実施例2】
【0033】
2−ベンジリデン−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸[4−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシメチル)フェニル]アミドの調整
粗製4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸[4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)フェニル]アミン(100g,0.31モル,1当量)、β−アラニン(5.6g,0.063モル,0.2当量)、ベンズアルデヒド(30.5mL,0.31モル,1当量)、氷酢酸(10.6mL,0.19モル,0.6当量)およびヘキサン(500mL)の混合物を、ディーン−シュタルク設定を備えた2口フラスコに投入した。反応混合物を、水を共沸除去しつつ還流した。反応の最後に(TLCモニタリング)、溶媒を減圧下で蒸発させて、固体が得られ、これを熱ヘキサンで洗浄し、固体をブヒナー漏斗で収集した。粗製化合物をカラム(シリカゲル、100−200メッシュ、15%酢酸エチル/へキサン)で精製して、純粋な生成物を得た。収率:66.81g(52.36%)。
MS(+イオンモード):m/z 408.12(M+1);H NMR(CDCl,300Hz):δ 1.22(d,J=6.0Hz,6H);1.52−1.85(m,8H);3.35(sep,J=6Hz,1H);3.52−3.56(m,1H);3.87−3.91(m,1H);4.47(d,J=12Hz,1H);4.68−4.7(m,1H);4.75(d,J=12Hz,1H);7.32−7.64(m,11H)
【実施例3】
【0034】
2−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1−フェニルエチル]−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸[4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチルフェニル)アミドの調製
2−ベンジリデン−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸[4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)フェニル]アミド(5.0g,0.012モル,1当量)、4−フルオロベンズアルデヒド(1.5mL,0.0013モル,1.1当量)、臭化3−エチル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウム(0.77g,0.0003モル,0.25当量)、トリエチルアミン(乾燥,10mL,0.0072モル,5.8当量)の混合物を丸底フラスコに投入し、窒素ガスでパージした。反応混合物を90℃にて約6時間還流した。反応が完了した後に反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮し、粗製混合物をカラム(シリカゲル,100−200メッシュ,17%酢酸エチル/へキサン)で精製して、純粋な生成物を得た。収率:2.52g(38.6%)
MS(+イオンモード):m/z 532.17(M+1);H NMR(CDCl,300Hz);δ 1.15(d,J=6.0Hz,3H);1.23(d,J=6.0Hz,3H);1.45−1.851(m,6H);2.85−3.05(m,1H);3.20−3.55(m,1H);3.70−3.95(m,1H);4.40−4.53(m,2H);4.67−4.72(m,2H);5.34(d,J=9.0Hz,1H);7.01−7.28(m,12H);7.95−8.00(m,2H)
【実施例4】
【0035】
[(4R,6R)−6−(2−{2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−[4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)フェニルアミノ]カルボニル}ピロール−1−イル)エチル]−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル]−酢酸tert−ブチルエステルの調製
2−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1−フェニルエチル]−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸[4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)フェニル]アミド(2.0g,0.004モル,1当量)、式IXのアミン(1.5g,0.006モル,1.5当量)、ピバル酸(0.45mL,0.004モル,1.03当量)、およびヘプタン:トルエン:テトラヒドロフラン(4:1:1,24ml)の混合物をディーン−シュタルク設定を備えた丸底フラスコに投入した。反応混合物を、水を共沸除去しつつ還流した。反応の完了の後(TLCモニタリング)、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。残渣を酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウムの飽和溶液をこの溶液に加えた。水性層を酢酸エチルで抽出し、有機層を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗製混合物をカラム(シリカゲル,100−200メッシュ,15%酢酸エチル/へキサン)で精製して、純粋な生成物を得た。収率:1.0g(34.6%)。
MS(+イオンモード):m/z 769.45(M+1);H NMR(CDCl,300Hz):δ 0.9−1.1(m,2H);1.30(s,1H),1.36(s,3H);1.43(s,9H);1.50−1.77(m,14 6H);2.20−2.40(m,2H);3.52−3.70(m,3H);3.85−3.89(m,2H);4.05−4.25(m,2H);4.40(d,J=12Hz,1H);4.64−4.70(m,2H);6.86−7.25(m,14H)
【実施例5】
【0036】
(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−4−(4−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)カルボニル]−5−イソプロピル−3−フェニルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸tert−ブチルエステルの調製
[(4R,6R)−6−(2−{2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−[4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)フェニルアミノ]カルボニル}−ピロール−1−イル]エチル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル]−酢酸tert−ブチルエステル(0.8g,0.0015モル,1当量)、および比率2:5:5の1N塩酸:メタノール:テトラヒドロフランの混合物(24mL)の混合物を一口フラスコに投入した。反応混合物を室温で攪拌した。減圧下で反応混合物を溶媒を蒸発させることによって濃縮した。粗製化合物を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗製混合物をカラム(シリカゲル,100−200メッシュ,60%酢酸エチル/へキサン)で精製して、純粋な生成物を得た。収率:446mg,66.56%)。
MS(+イオンモード):m/z/645.32(M+1);H NMR(CDCl,300Hz):δ 1.15−1.30(m,2H);1.45(s,9H);1.47−1.62(m,8H);2.32(d,J=6.0Hz,2H);3.53−3.60(m,2H);3.69−3.92(m,1H);4.08−4.13(m,2H);4.58(s,2H);6,87(s,1H);6.97−7.25(m,13H)
【実施例6】
【0037】
(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−4−(4−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)カルボニル]−5−イソプロピル−3−フェニル−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシ−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩の調製
工程1:メタノール−テトラヒドロフラン(1:1)の混合液中の(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−4−(4−ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]−5−イソプロピル−3−フェニルピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸tert−ブチルエステルを0℃まで冷却し、水酸化ナトリウムペレットを加えた。次いで、反応混合物を雰囲気温度で攪拌した。エステルの加水分解の最後に、溶媒を除去し、残渣を水に溶解させ、水性層をエーテルで洗浄した。
【0038】
工程2:(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−4−(4−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)カルボニル]−5−イソプロピル−3−フェニル−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシ−ヘプタン酸ナトリウム塩の水性溶液に酢酸カルシウム(0.55当量)の水性溶液(1M)を滴下した。白色沈殿が得られ、これを濾過し、大量の水で洗浄し、真空中で乾燥した。収率=63.4%
MS(正イオンモード):m/z589(酸+1);融点=189−204℃;H NMR(DMSO−d):δ1.22−1.62(m,11H),1.98(dd,J=15 & 8.1Hz,1H),2.06−2.16(m,1H),3.25−3.37(m,2H),3.57(brs,2H),3.80(brs,1H),4.43(s,2H),7.03−7.28(m,12H),7.50(d,J=6H,2H),9.80(s,1H)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)式IIのアミンを式IIIの酢酸メチルイソブチリルと反応させて、
【化1】

【化2】

式IV(式中、Rはアセチル、ベンゾイル、テトラヒドロピラニル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチルまたはベンジルから選択されるヒドロキシ保護基である)の化合物を形成させ;
【化3】

b)式IVの化合物をベンズアルデヒドと反応させて、式Vの化合物を形成させ;
【化4】

c)式Vの化合物を4―フルオロベンズアルデヒドと反応させて、式VIの化合物を形成させ;
【化5】

d)式VIの化合物を式VIIの化合物と反応させて
【化6】

式VIIIの化合物を形成させ;
【化7】

e)式VIIIの化合物を同時にケタールおよびヒドロキシ保護基(Rがテトラヒドロピラニルである場合)の酸―触媒開裂に付して、式IXの化合物を形成させ;
【化8】

f)式IXの化合物を塩基―触媒加水分解に付して、式Xの化合物を形成させ;
【化9】

g)式Xの化合物を酢酸カルシウムの水溶液と反応させて、式Iの化合物を形成する;
ことを含む、式I:
【化10】


式I
の(3R,5R)―7―[2―(4―フルオロフェニル)―5―イソプロピル―3―フェニル―4―[(4―ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]―ピロール―1―イル]―3,5―ジヒドロキシ―ヘプタン酸ヘミカルシウム塩の製法。
【請求項2】
式IIのアミンの反応を、
i)1以上の有機塩基の存在下で;および
ii)1以上の芳香族溶媒中で、
行う請求項1記載の製法。
【請求項3】
式IVの化合物の反応を、
i)ピペリジン、ピリジンまたはβ―アラニンから選択される1以上の有機塩基の存在下で;あるいは氷酢酸または安息香酸から選択される1以上の有機酸の存在下で、あるいは有機塩基または有機酸の混合物の存在下で;および
ii)(ヘキサンまたはヘプタンから選択される)炭化水素溶媒、(ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはクロロホルムから選択される)ハロゲン化溶媒、(トルエンまたはキシレンから選択される)芳香族溶媒、またはその混合液から選択される1以上の溶媒中で、
行う請求項1記載の製法。
【請求項4】
式Vの化合物の反応を、
i)シアン化ナトリウム、臭化3―エチル―5―(2―ヒドロキシエチル)―4―メチルチアゾリウム、塩化3―ベンジル―5―(2―ヒドロキシエチル)―4―メチルチアゾリウム、またはその混合物から選択される1以上の触媒の存在下で;
ii)トリエチルアミン、ピリジンまたはその混合物から選択される1以上の有機塩基の存在下で;
および
iii)無溶媒条件にて、あるいは(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールまたは水から選択される)プロトン性極性溶媒、(ジオキサンまたはテトラヒドロフランから選択される)エーテルまたはその混合物から選択される1以上の溶媒中で;
行う請求項1記載の製法。
【請求項5】
式VIの化合物の反応を、
i)ピバル酸、p―トルエンスルホン酸またはその混合物から選択される1以上の有機酸の存在下で;および
ii)(キシレンまたはトルエンから選択される)芳香族溶媒、(ヘキサンまたはヘプタンから選択される)炭化水素溶媒、(テトラヒドロフラン、ジオキサまたはジエチルエーテルから選択される)エーテル、またはその混合物から選択される1以上の溶媒の存在下で、
行う請求項1記載の製法。
【請求項6】
式VIIIの化合物のケタールおよびヒドロキシ保護基の開裂を、
i)塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸またはその混合物から選択される1以上の鉱酸の存在下で;および
ii)(メタノール、エタノール、プロパノールまたは水から選択される)プロトン性極性溶媒、(テトラヒドロフランまたはジエチルエーテルから選択される)エーテル、またはその混合物から選択される1以上の溶媒の存在下で、
行う請求項1記載の製法。
【請求項7】
式IXの化合物の加水分解を、
i)水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはその混合物から選択される1以上の塩基の存在下で;および
ii)(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールまたは水から選択されるプロトン性極性溶媒、(テトラヒドロフランまたはジエチルエーテルから選択される)エーテル、またはその混合物から選択される1以上の溶媒の存在下で、
行う請求項1記載の製法。

【公表番号】特表2009−514849(P2009−514849A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538451(P2008−538451)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【国際出願番号】PCT/IB2006/003153
【国際公開番号】WO2007/054790
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(597084113)ランバクシー ラボラトリーズ リミテッド (32)
【Fターム(参考)】