説明

(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−[(4−ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシ−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩の製法

本発明は、(3R,5R)―7―[2―(4―フルオロフェニル)―5―イソプロピル―3―フェニル―4―[(4―ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]―ピロール―1―イル]―3,5―ジヒドロキシ―ヘプタン酸ヘミカルシウム塩の製法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−[(4−ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシ−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩の製法に関する。
【背景技術】
【0002】
心血管疾患およびその関連疾患、機能不全および合併症は障害の主な原因および死亡の主な原因である。この病態生理学的プロセスに有意に寄与する1つの具体的因子はアテローム性動脈硬化症であり、これは死亡率および健康管理コスト双方に関する主導的な健康管理問題として大いに認識されてきた。アテローム性動脈硬化症は脂肪物質、主としてコレステロールの沈積によって特徴付けられ、その結果、動脈壁の内部表面にプラークが形成され、動脈に対して変性変化がもたらされる。
【0003】
今や、心筋梗塞、冠状動脈性心臓病、高血圧および低血圧を含めた心血管障害、脳卒中、脳血栓形成および脳卒中による記憶喪失を含めた脳血管障害、;末梢血管病および腸梗塞はアテローム性動脈硬化症プラークによる動脈および細動脈の閉鎖によって引き起こされるということがよく確立されている。アテローム性動脈硬化症プラーク形成はその生産において多因子的である。高コレステロール血症、特に高レベルの低密度リポ蛋白質コレステロール(LDL)はアテローム性動脈硬化症および動脈硬化症、ならびに関連病に対する重要な危険因子である。
【0004】
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(スタチン)はLDLコレステロールの血中レベルを低下させるのに用いられてきた。コレステロールはメバロン酸経路を介して生産される。コレステロールへの前駆体であるメバロン酸の形成の低下は、コレステロールの細胞プールの低下を伴う肝臓コレステロール生合成の対応する減少に導く。PCT公開番号WO 2004/106299は、効果的なHMG−CoA(3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムA)レダクターゼ阻害剤としての式I:
【0005】
【化1】


を有する(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−[(4−ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシ−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩を開示しており、かくして、脂質低下剤およびコレステロール低下剤として有用である。
【0006】
(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−[(4−ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシ−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩の合成のための手法はWO 2004/106299に開示されている。前記した合成経路はカラムクロマトグラフィーによるプロセスの各工程における中間体の単離および精製を含む。しかしながら、総じての全収率は低く、生産の高いコストは該プロセスを大規模な製造で使用できなくする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
1つの態様において、本明細書中において、商業的スケールでの前記した式Iの化合物の製造のための改良されたプロセスが提供される。
【0008】
もう1つの態様において、本明細書中において、精製方法としてのカラムクロマトグラフィーの使用を回避し、かつコスト的に有利であって、大規模な生産に容易に使用できる改良された製法が提供される。
【0009】
なおもう1つの態様において、本明細書中において、製法の各段階における種々の溶媒および溶媒組合せ、温度条件、時間および仕上げ手法を含む反応条件を使用することによって、増大した全収率でもって式I高純度化合物を製造する方法が提供される。また、さらにもう1つの態様において、本明細書中において、プロセスのいずれの段階においてもカラムクロマトグラフィーによる精製に頼ることのない、優れた収率での、高純度の中間体の単離が提供される。
【0010】
なおもう1つの態様において、本明細書中において、最終工程において特定のジヒドロキシ化合物を式Iの所望のカルシウム塩へ変換するためのワン−ポットプロセスが提供され、かくして、該プロセスをより経済的なものとする。
【0011】
議論するように、本明細書中において、式Iの化合物の製造方法が提供される。
【0012】
【化2】

【課題を解決するための手段】
【0013】
式Iの化合物である(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−[(4−ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシ−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩は、例えば、スキームIに示した以下の反応系列によって調製することができる。
【0014】
【化3】

かくして、式IIのアミンは、還流炭化水素溶媒中でメチル−4−メチル−3−オキソペンタノエートと反応させた場合に、式IV(式中、Rはアリール、アルキルまたはアリールアルキルである)のβ−ケトアミドをもたらすことができる。ベンズアルデヒドとの反応に際して式IVの化合物は、EおよびZ異性体の混合物である式Vの化合物を与えることができる。4−フルオロベンズアルデヒドとのアシル化縮合に付すと、式Vの化合物は式VIの1,4ジケト化合物を与えることができる。式VIIのキラルアミンとの縮合に際し、式VIの化合物は式VIIIの化合物をもたらすことができ、これは、引き続いての脱保護に際して式IXの化合物を与えることができる。式IXの化合物におけるカルボキシル基の選択的還元は、式Xの化合物を与えることができる。式Xの化合物中のケタール基の酸触媒開裂は、式XIのジヒドロキシ化合物をもたらすことができ、これは2つの方法:
i)Ca(OH)を用いて相間移動触媒下で式XIの化合物を式Iのそのヘミカルシウム塩へ直接的に変換することによって、または
ii)水酸化ナトリウムを用いてその場で生じたそのナトリウム塩へ式XIの化合物を変換し、引き続いて、酢酸カルシウムまたは塩化カルシウムを用いてナトリウムをCaで置換して、式Iのヘミカルシウム塩を生じさせることによって、
所望の式Iのカルシウム塩へ変換することができる。
【0015】
式IIのアミンと4−メチル−3−オキソペンタノエートとの反応は、有機塩基、例えば、触媒量のトリエチルアミン、ピリジンまたは1,2−エチレンジアミンの存在下で、1以上の溶媒、例えば、炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、キシレンまたはトルエン)中で行うことができる。
【0016】
式IVの化合物とベンズアルデヒドとの反応は、有機塩基、例えば、ピペリジン、ピリジンまたはβ−アラニン、および有機酸、例えば、氷酢酸または安息香酸の存在下で1以上の溶媒、例えば、ヘキサン、ヘプタンまたはトルエン中で行うことができる。
【0017】
式Vの化合物と4−フルオロベンズアルデヒドとの反応は、無溶媒環境中で、あるいは溶媒、例えば、極性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノールまたはイソプロパノール)、エーテル溶媒(例えば、ジオキサン、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン)またはその混合液中で、あるいは有機塩基(例えば、トリエチルアミン、またはピリジン)の存在下で触媒(例えば、シアン化ナトリウム、臭化3−エチル−5−(2−ヒドロキシ−エチル)−4−メチルチアゾリウムまたは塩化3−ベンジル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾリウム)の存在下で行うことができる。別法として、反応は過剰の塩基、例えば、それ自体が溶媒として作用するトリエチルアミンの存在下で行うことができる。
【0018】
式VI化合物と式VIIの化合物との反応は、有機酸、例えば、ピバル酸またはp−トルエンスルホン酸の存在下で、1以上の溶媒、例えば、炭化水素溶媒(例えば、キシレン、トルエン、ヘキサン、またはヘプタン)、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフランまたはジオキサン)またはその混合液中で行うことができる。
【0019】
式VIIIの化合物の脱保護は、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムまたは重炭酸カリウム)の存在下で;1以上の溶媒、例えば、極性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセトニトリル、イソプロピルアルコールまたはt−ブタノール)またはエーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルまたはジオキサン)あるいはその混合液中で、約10℃ないし還流温度の範囲の温度にて、例えば、約40ないし約50℃の範囲の温度で行うことができる。別法として、脱保護は、水性アルコール溶媒、例えば、エタノールまたはメタノール中でTBABを用い、還流温度にて相間移動触媒下で行うことができる。
【0020】
式IXの化合物の還元は、還元剤(例えば、ホウ素―ジメチルスルフィド錯体またはホウ素―テトラヒドロフラン錯体)の存在下で;1以上の溶媒、例えば、炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、n−ヘプタンまたはトルエン)、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、またはジエチルエーテル)、またはその混合液中で行うことができる。
【0021】
式Xの化合物のケタール基の酸(例えば、塩酸)での開裂は、1以上の溶媒、例えば、極性溶媒(例えば、メタノール、エタノールまたはイソプロピルアルコール)、エーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、またはジエチルエーテル)またはその組合せ中で、約室温(約25℃)、ないし還流温度の範囲の温度、好ましくは約40ないし約55℃の範囲の温度で行うことができる。
【0022】

式XIの化合物は:
i)まず、約0ないし約30℃の範囲の温度にて、例えば、約0ないし約10℃の範囲の温度にて、NaOHでの処理によって式XI化合物をそのナトリウム塩へ変換し、引き続いて、1以上のアルコール溶媒、例えば、メタノール、エタノールなど、または他のエーテル溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、またはジエチルエーテル)、またはその組合せの存在下で酢酸カルシウムを用いてナトリウムをカルシウムで置換することによって、あるいは
ii)還流水性アルコール溶媒、例えば、メタノールまたはエタノール中で、触媒としての臭化テトラブチルアンモニウム、および塩基としての水酸化カルシウムを用い、式XI化合物を相間移動触媒に付すことによって、
式Iのその対応するヘミカルシウム塩へ変換することができる。
【0023】
前記したプロセスは以下の具体例の1以上を含むことができる。例えば、式IIの化合物の反応はトルエン中で行うことができる。式Vの化合物の反応は、それ自体が溶媒として作用できるトリエチルアミンの存在下で行うことができる。式VIIIの化合物の反応は、水酸化ナトリウムの存在下、アセトニトリルまたはメタノール:テトラヒドロフラン(1:3)中で約50ないし55℃の温度範囲にて約4ないし5時間または例えば、約30℃にて約8ないし10時間行うことができる。式IXの化合物の反応は、約40ないし約45℃の範囲の温度にて、約5時間行うことができる。式Xの化合物の反応は、メタノール:テトラヒドロフラン:水(1:1:1)中で行うことができる。式XIの化合物の反応は、臭化テトラブチルアンモニウムの存在下で、テトラヒドロフラン:脱イオン水(1:1)またはエタノール:水(4:1)中で約30ないし約50℃の範囲の温度で約2ないし8時間行うことができる。
【0024】
前記にて掲げたプロセスは、工程のいずれも精製方法としてのカラムクロマトグラフィーの使用を含まず、かくして、高収率を達成し、それを大規模な生産に使用できるようにするそのようなプロセスを可能とするという利点を有する。
【0025】
式IVの化合物は、式IVの粗生成物を酢酸エチルに溶解させ、酢酸エチル層を、順次、酸、次いで、脱イオン水によって洗浄することによって精製することができ、過剰な酸は溶液を、順次、重炭酸ナトリウム溶液、脱イオン水で洗浄することによって除去し、濃縮して固体を得ることができ、これはヘキサンに加え、生成物が沈殿するまで攪拌することができ、これは濾過し、乾燥される。
【0026】
式Vの化合物は、式Vの粗生成物をヘキサンで洗浄して、有機不純物を除去し、続いて生成物を乾燥することによって精製することができ、これを酢酸エチルに溶解させ、脱イオン水で分配して、無機不純物を除去することができ、有機相を分離し、乾燥し、イソプロピルアルコールに加熱しつつ溶解させることができ、これは、冷却に際して固体産物を与え、これを濾過し、約40ないし約50℃の範囲の温度にて約6時間真空トレイドライヤーで乾燥することができる。
【0027】
式VIの化合物は、式VIの粗生成物および活性炭をメタノールおよび水の溶媒系に溶解させ、反応混合物を還流することによって精製し、濾過することができ、そのように得られた残渣を溶媒メタノール:水(9:1)で洗浄し、濾液を濃縮して固体が得られ、ヘキサン中にスラリー化し、濾過し、真空下で濃縮することができる。
【0028】
式VIIIの化合物は、反応混合物を約0℃まで冷却し、生成物が沈殿するまで攪拌することによって精製することができ、これを濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥することができる。
【0029】
式IXの化合物は、a)反応混合物を室温まで冷却し、それを酸性化し、濾過して固体が得られ、それを脱イオン水およびアセトニトリルで洗浄し、該固体をさらに変性スピリット中で還流し、生成物は沈殿するまで冷却し、濾過し、変性スピリットで洗浄し、真空下で乾燥することによって、b)反応混合物を濃縮し、それを酢酸エチルおよび水の溶媒系に抽出し、酢酸エチル層を分離し、それをブラインで洗浄し、有機相をさらに酸性化し、ここに、過剰の酸を塩基によって中和し、脱―イオン水で洗浄し、反応混合物を濃縮し、残渣をヘキサンでトリチュレートして、固体を形成させ、濾過し、真空下で乾燥することによって精製することができる。
【0030】
式Xの化合物は、a)粗生成物を酢酸エチルに溶解させ、脱イオン水、重炭酸ナトリウムおよびブラインで順次その層を洗浄し、濃縮して固体が得られ、これをヘキサン中にスラリー化し、濾過し、真空下で乾燥することによって、b)粗生成物をイソプロピルアルコール、脱イオン水および酢酸の溶媒系に溶解させ、それを水酸化カルシウムの同時添加と共に還流し、その熱溶液を濾過し、そのように得られた濾液を固体が沈殿するまで室温へ冷却し、濾過し、氷冷イソプロピルアルコールおよび水で洗浄し、真空トレイドライヤー中で約60℃にて約7ないし8時間乾燥することによって精製することができる。
【0031】
式XIの化合物は、a)粗生成物を酢酸エチルおよびトルエン(1:2)の溶媒系に溶解させ、脱イオン水およびブラインで順次その層を洗浄し、生成物を単離し、ヘキサン中で約40℃にて約1時間スラリー化し、冷却し、濾過し、真空トレイドライヤー中で約60℃にて約3時間乾燥し、b)粗生成物を約40ないし約50℃の範囲の温度にて約1時間同時に加熱しつつ(10%)酢酸エチル―ヘキサン溶媒系に溶解させ、室温(約25℃)に冷却し、約1時間、または生成物が沈殿するまで攪拌し、そのように得られた固体を濾過し、水およびヘキサンで洗浄し、真空トレイドライヤーで乾燥することによって精製することができる。
【0032】
式Iの化合物は、a)粗生成物を酢酸エチルで洗浄し、それを、約60ないし約70℃の範囲の温度にて真空下で約10時間乾燥し、メタノール中に溶解させ、それにブチル化ヒドロキシアニソールを加え、溶液を濾過して固体が得られ、これを約40ないし約50℃の温度範囲にて真空トレイドライヤーで乾燥して、純粋なアモルファス化合物を形成することによって、b)粗製カルシウム塩を酢酸エチルおよび水(1:1)およびブチル化ヒドロキシアニソールの溶媒系中で還流し、熱溶液を濾過し、生成物が完全に沈殿するまで濾液を冷却し、濾過し、酢酸エチルで洗浄し、真空下で乾燥して、純粋なアモルファス化合物を形成させることによって、c)熱反応混合物を濾過し、そのようにして得られた濾液を冷却し、それに脱イオン水を加え、生成物を沈殿させ、濾過し、酢酸エチルおよび水混合液(1:1)中での還流に付し、反応混合物を生成物が沈殿するまで冷却し、続いて生成物を単離し、それを酢酸エチルで洗浄し、それを真空トレイドライヤーで乾燥して、純粋なアモルファス化合物を形成することによって精製することができる。
【0033】
前記反応スキームにおいて、具体的な還元剤、溶媒、塩基、触媒、酸などに言及する場合、当業者に知られた他の還元剤、溶媒、塩基、触媒、酸などを用いることができるのは理解されるべきである。同様に、反応温度および継続時間を調整することができる。本発明をその特別な具体例に関連させて記載してきたが、ある修飾および同等物は当業者に明らかであって、それは本発明の範囲内に含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
【実施例1】
【0035】
式IVの4―[(4―メチル―3―オキソペンタノイル)アミノ]安息香酸メチルの調製
トルエン(2.4L)中のメチル―4―アミノベンゾエート(250g,1.65モル)の溶液にメチル―4―メチル―3―オキソペンタノエート(237.7g,1.648モル)およびエチレンジアミン(1.15ml,0.016モル)を加えた。反応混合物を約20ないし25時間還流した。溶媒を減圧下で除去して、固体残渣を得た。残渣を酢酸エチル(2.4L)に溶解させた。有機相を酸(例えば、20%w/2w塩酸0.5L)、続いて脱イオン水で洗浄した。それをさらに10%重炭酸ナトリウム溶液、続いて、脱イオン水および飽和ブラインで洗浄した。溶媒を減圧下で除去した。攪拌しつつこれにヘキサンを加え、固体を完全に沈殿させた。固体を濾過し、ヘキサンで洗浄した。固体を乾燥して、標記生成物を99.45%純度で得た。
収率:358g(1.5,w/w);LCMS:m/z(M+1)265.09;融解範囲:54−56°C;H NMR(CDCl);δ1.16−1.18(d,6H,−CH(C),2.75−2.70(m,1H,−C(CH),3.62(s,2H,C),3.89(s,3H,OC),7.62−7.65(d,2H,Ar),7.98−8.01(d,2H,Ar),9.51(bs,NCO)
【実施例2】
【0036】
式Vの4―{[2―ベンジリデン―4―メチル―3―オキソペンタノイル]アミノ}安息香酸メチルの調製
ヘキサン(5.4L)中の式IVの化合物(400g,1.52モル)およびベンズアルデヒド(177g,1.67モル)の混合物に、攪拌しつつ、β―アラニン(27g,0.3モル)続いて氷酢酸(54.6g、0.91モル)を加えた。ディーン―シュタルク装置の助けを借りて水分を一定に除去しつつ、反応混合物を、約24時間還流した。反応の最後に、固体が沈殿した。固体を濾過し、ヘキサン(0.6L)で洗浄した。固体を酢酸エチル(3.6L)に溶解させ、続いて、攪拌しつつ脱イオン水(1.2L)を加えた。層を分離し、有機相をブラインで洗浄した。溶媒を減圧下で除去して、固体生成物が得られ、これを加熱しつつ、イソプロピルアルコール(0.85L)に溶解させた。溶液を室温まで冷却し、固体を沈殿させた。固体を濾過し、順次、氷冷イソプロピルアルコールおよびヘキサンで洗浄した。固体を真空下(10ミリバール)で約40ないし約50℃にて約6時間乾燥して、所望の生成物をEおよびZ異性体の混合物として得た。
収率:338g(0.84,w/w);LCMS:m/z(M+1)352.1;融解範囲:154−156°C;H NMR(CDCl
E異性体:δ1.21−1.23(d,6H,−CH(C),3.32−3.39(m,1H,−C(CH),3.90(s,3H,OC),7.33−7.39(m,3H,Ar),7.53−7.59(m,4H,Ar),7.93(s,1H,ビニル性),8.00−8.02(d,2H,Ar)(分析試料の融解範囲,155.0−156.2°C)
Z異性体:δ1.03−1.05(d,6H,−CH(C),2.62−2.65(m,1H,−C(CH),3.91(s,3H,OC),7.30−7.32(m,2H,Ar),7.42−7.45(m,3H,Ar),7.71−7.73(d,2H,Ar),8.03−8.05(d,2H,Ar),8.21(s,1H,ビニル性)(分析試料の融解範囲,145.6−146.3°C)
【実施例3】
【0037】
式VIの4―({2―[2―(4―フルオロフェニル)―2―オキソ―1―フェニルエチル]―4―メチル―3―オキソペンタノイル}アミノ)安息香酸メチルの調製
トリエチルアミノ(0.2Lt)中の式Vの化合物(100g、0.285モル)の混合物に臭化チアゾリウム(17.94g,0.071モル)および4―フルオロベンズアルデヒド(38.82g,0.313モル)を加えた。反応混合物を約8時間還流に付した。反応の最後に、TLCまたはHPLCによる反応モニタリングによって示されるように、トリエチルアミンを減圧下で除去した。そのように得られた固体を酢酸エチル(0.75L)に溶解させ、続いて、脱イオン水(0.25L)に加えた。次いで、有機相を分離し、水性相を酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機相を、順次、脱イオン水、酸(例えば、10%塩酸0.2L)、塩基(例えば、10%重炭酸ナトリウム)およびブラインで洗浄した。溶媒を減圧下で除去して、固体生成物が得られた。固体を、活性炭(7.5g)を加えて加熱しつつメタノールおよび水の溶媒系(9:1,0.75L)に溶解させ、還流させた。熱溶液を濾過し、残渣をメタノールおよび水の溶媒系(9:1)で洗浄した。濾液をさらに約0ないし約5℃まで冷却し、沈殿した固体を濾過した。固体をヘキサン(0.4L)で約40℃にて1時間スラリー化し、濾過した。生成物を真空(10ミリバール)下で約50℃にて約10ないし約12時間乾燥して、所望の品質の生成物を得た。
収率:156g(0.93,w/w);融解範囲:168−170°C;LCMS:m/z(M+1)476.21 H NMR(CDCl):δ1.15−1.18(d,3H,−C),1.22−1.25(d,3H,−CH),2.96−3.02(m.1H,C(CH),3.89(s,3H,−OC),4.54−4.56(d,1H,−CO−C−Ph),5.33−5.36(d,1H,−CO−C−CO−),7.01−7.99(m,14H,Ar−および−N
【実施例4】
【0038】
式VIIIの4―({[1―{2―[(4R,6R)―6―(2―tert―ブトキシ―2―オキソエチル)―2,2―ジメチル―1.3―ジオキサン―4―イル]エチル}―5―(4―フルオロフェニル)―2―イソプロピル―4―フェニル―1H―ピロール―3―イル]カルボニル}アミノ)安息香酸メチルの調製
ピバル酸(44.2g,0.433モル)を、4:1:1(2.52L)の比率のヘプタン、トルエンおよびテトラヒドロフランの溶媒系中の式VIの化合物(200g,0.421モル)および式VIIの[6―(2―アミノ―エチル)―2,2―ジメチル―[1,3―ジオキサン―4―イル]―酢酸t―ブチルエステル(137.9g,0.505モル)の混合物に加えた。反応混合物を約28ないし約35時間還流した。反応混合物を約0℃まで冷却し、生成物が沈殿するまで攪拌した。沈殿した生成物を濾過し、ヘキサン(1L)で洗浄した。固体を50℃にて真空(10ミリバール)下で乾燥して、所望の生成物を得た。
収率:210g(1.05,w/w),LCMS:m/z(M+1)713.2;融解範囲:158.8−159.5°C;H NMR(CDCl):δ1.03−1.06(m,1H,>NCH−),1.30−1.36(2xs,6H,>C(C & m,1H,>NCH−融合),1.43(s,9H,−C(C),1.52−1.54(d,6H,−CH(C),1.66(m,2H,C−5−C−),2.2−2.4(m,2H,−CCOOBu),3.6(m,1H,−C(CH),3.7(m,1H,C−4>CO−)3.85(s,3H,−OC),3.85(m,1H,C−6>CO−),4.1(m,2H,>NC−),6.97−7.85(m,14H,Ar−および−N
【実施例5】
【0039】
式IXの4―({[1−[{2−[(4R,6R)―6―(2―tert―ブトキシ―2―オキソエチル)―2,2―ジメチル―1,3―ジオキサン―4―イル]エチル}―5―(4―フルオロフェニル)―2―イソプロピル―4―フェニル―1H―ピロール―3―イル]カルボニル}アミノ]安息香酸の調製
水酸化ナトリウム(2.5モル当量,1N水溶液)を、アセトニトリル(4.25L)中の式VIIIの化合物(425g,0.596モル)の溶液に加え、反応混合物を約50ないし55℃にて約4ないし5時間攪拌した。反応混合物を約25℃まで冷却し、生成物が沈殿すると、pHを20%酢酸溶液で5.5ないし6に調整した。次いで、固体を濾過し、脱イオン水およびアセトニトリルで洗浄した。得られた粗生成物を変性スピリット(7.2L)中で約1時間還流した。反応混合物を約25℃まで冷却し、固体が完全に沈殿するまで約5時間攪拌した。固体を濾過し、変性スピリット(0.42L)で洗浄した。固体を、さらに、真空(10ミリバール)下で約50℃にて約6時間乾燥して、所望の生成物を得た。
収率:324.95g(0.76,w/w);LCMS:m/z(M+1)699.3;融解範囲:239.9−241.7°C;H NMR(CDCl);δ1.03−1.06(m,1H,>NCH−),1.30−1.36(2xs,6H,>C(C & m,1H,>NCH−融合),1.43(s,9H,−C(C),1.52−1.54(d,6H,−CH(C),1.64−1.68(m,2H,C−5−C−),2.2−2.4(m,2H,−CCOOBu),3.6(m,1H,−C(CH),3.7(m,1H,C−4>CO−),3.8(m,1H,C−6>CO−),4.15−4.17(m,2H,>NC−),6.97−7.92(m,14H,ArHおよび−NH)
【0040】
別法として、水酸化ナトリウム(2.5当量,1N水溶液)を、テトラヒドロフランおよびメタノールの混合液(1.0L,3:1)中の式VIIIの化合物(100g,0.14モル)の溶液に加え、反応混合物を室温(30℃)で約8ないし10時間攪拌した。揮発物を減圧下で蒸留し、酢酸エチルおよび水(1:1)を室温にて攪拌下で充填した。有機相を分離し、飽和ブラインで洗浄し;沈殿したいずれの不溶性物質も濾過した。有機相のpHを20%酢酸溶液で5.5ないし6に調整し、引き続いて、脱イオン水および重炭酸塩溶液で洗浄した。有機揮発物を減圧下で除去し、残渣をヘキサンでトリチュレートして、固体が得られ、これを濾過し、ヘキサンで洗浄した。固体をさらに真空(10ミリバール)下で約50℃にて約6時間乾燥して、所望の生成物を得た。
収率:60g(0.6,w/w)。
【実施例6】
【0041】
式Xの((4R,6R)―6―{2―[2―(4―フルオロフェニル)―4―({{4―(ヒドロキシメチル)フェニル}アミノ}カルボニル)―5―イソプロピル―3―フェニル―1H―ピロール―1―イル]エチル}―2,2―ジメチル―1.3―ジオキサン―4―イル)酢酸tert―ブチルの調製
テトラヒドロフラン(0.7L)中の式IXの化合物(100g,0.14モル)の溶液を約40ないし45℃まで加熱した。それにホウ素―ジメチルスルフィド錯体(テトラヒドロフラン中のBMS錯体2.3当量、2M溶液)を加えた。反応混合物をこの同一温度で約5時間攪拌した。反応混合物を約20ないし25℃まで冷却し、それにメタノールを加えて、過剰のBMS錯体を破壊した。有機揮発物を真空下で除去し、そのように得られた残渣を酢酸エチルに溶解させた。有機相を、順次、脱イオン水、重炭酸ナトリウム、およびブラインで洗浄した。50℃にて減圧(10ミリバール)下で溶媒を蒸発させると、得られた所望の生成物は固体であった。固体反応塊をヘキサン中でスラリー化し、濾過した。そのように得られた生成物を真空(10ミリバール)下で約60℃にて約7ないし8時間乾燥し、次の工程で用いた。
収率:95g(0.95,w/w);LCMS/m/z(M+1)685.3;融解範囲:193.8−194.6°C;H NMR(CDCl);δ1.03−1.06(m.1H,>NCH−),1.30−1.36(2xs,6H,>C(C) & m,1H,>NCH−融合),1.43(s,9H,−C(C),1.52−1.54(d,6H,−CH(C),1.66−1.67(m,2H,C−5−C−),2.2−2.4(m,2H,−CCOOBu),3.58(m,1H,−C(CH),3.68(m,1H,C−6>CO−),3.82(m,1H,C−4>CO−),4.07−4.17(m,2H,>NC),4.57(s,2H,−PhCOH),6.87−7.21(m,14H,Arおよび−N
【0042】
別法として、メタノールでクエンチして過剰のBMS錯体を破壊した後の反応混合物を減圧下で蒸留に付して、揮発物を最小まで低下させ、雰囲気温度に到達させた。イソプロピルアルコールおよび脱イオン水と共に酢酸を反応混合物に加えた。反応混合物を加熱還流し、水酸化カルシウムを充填した。反応混合物を熱濾過し、濾液は20ないし25℃に冷却されると、固体生成物の沈殿がもたらされ、これを濾過し、冷却されたイソプロピルアルコールおよび水の混合液で洗浄した。そのように得られた生成物を真空(10ミリバール)下で60℃にて7ないし8時間乾燥し、そのように得られた所望の生成物を次の工程で用いた。
【実施例7】
【0043】
式XIの(3R,5R)―7―[2―(4―フルオロフェニル)―4―({[4―(ヒドロキシメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)―5―イソプロピル―3―フェニル―1H―ピロール―1―イル]―3,5―ジヒドロキシへプタン酸t―ブチルエステルの調製
室温にて、塩酸(1N,水溶液)を、メタノールおよびテトラヒドロフラン(1:1)の溶媒系0.125L中の式Xの化合物(25g,0.036モル)の溶液に加えた。反応混合物を約5時間、または反応が完了するまで攪拌した。反応混合物を重炭酸ナトリウム(1.53g,0.018モル)でクエンチし、減圧下で有機揮発物の除去に付した。そのようにして得られた残渣を酢酸エチルおよびトルエン(1:2,0.5L)中に取った。有機相を、順次、脱イオン水およびブラインで洗浄した。真空下での溶媒の除去の結果、固体生成物を得た。得られた固体をヘキサン中で約40℃にて約1時間スラリー化し、続いて、〜25℃まで冷却し、濾過した。得られた固体を真空(20mm)下で約60℃にて約3時間乾燥した。
収率:22g(0.88,w/w);LCMS:m/z(M+1)645.2;融解範囲:144.6−146.1°C;H NMR(CDCl);δ1.20−1.24(m,1H,>NCH−),1.40−1.45(s,9H,−C(C & m,1H,>NCH−融合),1.52−1.54(d,6H,−CH(C),1.62(m,2H,C−4 C(−CHOH)),2.3−2.32(d,2H,−CCOOBu),3.56−3.59(m,1H,−C(CH),3.72(bs,2H,2xOH),3.78(m,1H,C−5>COH),3.93(m,1H,C−3>COH),4.07−4.14(m,2H,>NC−),4.57(s,2H,−PhCOH),6.87−7.19(m,14H,Arおよび−N
【0044】
別法として、1N HCl(0.5,モル当量)の存在下で、テトラヒドロフラン:メタノール:水(1:1:1, 3Lt)の混合液中での酸加水分解に約50℃にて約1ないし2時間付された式Xの化合物(200g,0.29モル)は、溶液中の所望の化合物を与えた。反応混合物を重炭酸ナトリウム(15.96g,0.19モル)でクエンチし、有機揮発物を蒸留し、全反応用量の50%が残った。反応混合物にヘキサン(2L)中の10%酢酸エチルを加え、約40ないし50℃の温度に約1時間付した。次いで、反応混合物を〜25℃まで冷却し、完全な沈殿のためにこの温度で約1時間攪拌した。そのようにして得られた生成物を濾過し、水(0.2L)およびヘキサン(0.4L)で洗浄した。得られた固体を真空(20mm)下で約60℃にて約3時間乾燥した。収率:0.87(w/w)
【実施例8】
【0045】
式Iの(3R,5R)―7―[2―(4―フルオロフェニル)―4―({[4―(ヒドロキシメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)―5―イソプロピル―3―フェニル―1H―ピロール―1―イル]―3,5―ジヒドロキシヘプタン酸ヘミカルシウム塩の調製
メタノールおよびテトラヒドロフラン(1:1,0.3L)中の式XIの化合物(60g,0.093モル)の溶液を室温にて攪拌した。反応混合物を0℃まで冷却した。水酸化ナトリウムの溶液(1N水溶液,1.2当量)を反応混合物に加え、温度を添加の間に10℃を超えさせなかった。反応混合物を約5ないし10℃にて約3時間攪拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去した。得られた固体生成物を酢酸エチル(0.3L)に溶解させ;それに脱イオン水(0.6L)を加えた。所望の生成物を含有する水性層を分離し、酢酸エチルで洗浄した。この水性層に酢酸カルシウム溶液(0.66L,0.6当量)を加え、式Iの生成物が沈殿するまで攪拌した。生成物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。生成物を真空(10mm)下で約60ないし70℃にて約10時間乾燥した。前記で得られた生成物(50g,収率0.833,w/w)をメタノール(0.245L)に溶解させ、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA、0.05モル%)を加えた。そのようにして得られた溶液を濾過し、真空(10mm)下で40ないし50℃で蒸発乾固して、式Iの化合物(44g)の所望のアモルファス形態を得た。
全収率:44g(0.73,w/w);LCMS:m/z(M+1)589.1;H NMR(CDOD);δ1.36−1.39(m,1H,C−6>NCH),1.46−1.47(d,6H,CH(C),1.51−1.53(m,1H,CH(Cと融合したC−6>NCH),1.67−1.68(m,2H,C−4 C(−CHOH)) 2.22−2.32(m,2H,C−2−CCOO),3.33−3.37(m,1H,C(CH),3.64−3.65(m,1H,C−5>COH),3.89(m,1H,C−3>CHOH),3.99−4.06(m,2H,C−7>NC−),4.51(s,2H,−PhCOH),7.02−7.12(m,7H,Ar),7.20−7.24(m,4H,Ar),7.27−7.29(m,2H,Ar
【0046】
別法として、テトラヒドロフランおよび脱イオン水(1:1,0.8L)中の式XIの化合物(80g,0.124モル)を水酸化ナトリウム(1N水溶液、1.2等量)の存在下で室温にて約2ないし3時間、約30℃にて攪拌した。次いで、溶媒のテトラヒドロフランを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル水混合液中に取った。所望の生成物を含有する水性層を分離し、酢酸エチルで洗浄した。この水性層に攪拌下で酢酸カルシウム(0.6当量)を加えた。所望の生成物は沈殿した。水性溶液中の沈殿した生成物に、酢酸エチルおよび水の比率が1:1となるように酢酸エチルを加え、ブチル化ヒドロキシルアニソール(0.05モル%)を加え、反応混合物を還流して、固体を溶解させた。熱溶液を濾過し、攪拌下で室温(25ないし30℃)まで冷却し、その際、式Iの化合物の所望のCa塩が沈殿した。生成物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。生成物を真空(10mm)下で55ないし65℃にて10ないし12時間乾燥した(収率,60g,0.75w/w)。式Iの所望の化合物が前記したように得られ、さらに処理して、合致して一つの単一のモルフ、すなわち、式Iの化合物のアモルファス形態を得た。かくして、メタノール(500ml)中の式Iの化合物(25g)の溶液にブチル化ヒドロキシルアニソール(0.05モル%)を加え、濾過し、噴霧乾燥技術に付して、所望のアモルファス形態(20.5g)を得た。
収率:0.82w/w;全収率:0.61
別法として、エタノール:水混合液(4:1,0.8L)中の式XIの化合物(80グラム,0.124モル)、水酸化カルシウム(13.8g,0.186モル)および臭化テトラブチルアンモニウム(2g,5モル%)の混合物を、攪拌下で、約50℃まで約5ないし8時間で加熱した。反応混合物は、TLCによって、またはHPLCによって示されるように、出発物質の消費を示す。反応混合物を熱濾過した(〜50℃)。濾液を室温(〜25℃)まで冷却し、攪拌下で脱イオン水(2.4L)に充填した。沈殿した生成物を濾過し、水(0.16L)で洗浄し、吸引乾燥した。湿潤ケーキを固体の完全な溶解まで酢酸エチル:水混合液(1:1,1.6L)中で還流した。反応混合物を、攪拌しつつ、約2時間で25℃まで冷却して、所望の質の式Iの化合物を得た。固体を濾過し、酢酸エチル(0.32L)で洗浄し、吸引乾燥し、さらに前記条件下で乾燥した。収率50.5g(0.63,w/w)。前記した生成物のさらなる処理により、式Iのアモルファス化合物を得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式IIの化合物を式IIIの化合物と反応させて、
【化1】

【化2】

式IVの化合物(式中、Rはアルキル、アリールまたはアリールアルキルである)を形成させ、
【化3】


(b)式IVの化合物をベンズアルデヒドと反応させて、式V;
【化4】

の化合物を形成させ、
(c)式Vの化合物を4−フルオロベンズアルデヒドと反応させて、式VI;
【化5】

の化合物を形成させ、
(d)式VIの化合物を式VIIの化合物と反応させて、
【化6】

式VIIIの化合物を形成させ;
【化7】

(e)式VIIIの化合物を脱保護して、式IXの化合物を形成させ;
【化8】

(f)式IXの化合物を還元して、式Xの化合物を形成させ;

【化9】

(g)式Xの化合物を脱保護して、式XIの化合物を形成させ;
【化10】

(h)式XIの化合物を式Iの化合物に変換させることを含み、
ここに、工程(a)ないし(h)の生成物のいずれの精製もカラムクロマトグラフィーを用いることなく行われ、および工程(h)における反応は式XIの化合物の式Iのカルシウム塩へのワン−ポット変換を含むことを特徴とする、式Iの(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−[(4−ヒドロキシメチルフェニルアミノ)カルボニル]−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシ−ヘプタン酸ヘミカルシウム塩、
【化11】

その医薬上許容される塩、医薬上許容される溶媒和物、多形、プロドラッグ、立体異性体、互変異性体形態、N−オキサイドおよび代謝産物の製法。
【請求項2】
工程(a)がトルエン中での反応を含む請求項1記載の製法。
【請求項3】
工程(c)がトリエチルアミンを含む請求項1記載の製法。
【請求項4】
工程(e)の反応が、水酸化ナトリウムの存在下で、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびジメトキシエタン、またはメタノール:テトラヒドロフラン(1:3)から選択される1以上の溶媒中で約50ないし約55℃の範囲の温度で約4ないし5時間または約30℃にて約8ないし10時間行われる請求項1記載の製法。
【請求項5】
工程(f)が約40ないし約45℃の範囲の温度にて約5時間行われる請求項1記載の製法。
【請求項6】
工程(g)の反応がメタノール:テトラヒドロフラン:水(1:1:1)中で行われる請求項1記載の製法。
【請求項7】
工程(h)の反応がテトラヒドロフラン:脱イオン化水(1:1)中で行われる請求項1記載の製法。
【請求項8】
工程(h)の反応が、水酸化カルシウム、ならびにハロゲン化テトラアルキルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、チオシアン酸テトラブチルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリブチルアンモニウムおよびハロゲン化テトラアルキルホスホニウムから選択される相間移動触媒の存在下でエタノール:水(4:1)中で行われる請求項1記載の製法。
【請求項9】
工程(h)の反応が約30ないし約50℃の範囲の温度で約2ないし約8時間行われる請求項1記載の製法。
【請求項10】
工程(h)の生成物がアモルファスである請求項1記載の製法。

【公表番号】特表2009−514851(P2009−514851A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538488(P2008−538488)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【国際出願番号】PCT/IB2006/054154
【国際公開番号】WO2007/054896
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(597084113)ランバクシー ラボラトリーズ リミテッド (32)
【Fターム(参考)】