(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形
【課題】
製造及び製剤化の間の安全な取り扱いのために申し分のない化学及的び物理的安定性を有し、並びに高い保存安定性をその純粋な形又は製剤形に提供する(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドのその他の安定な形が必要である。
【解決手段】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形, 水和物及び溶媒和物、及びそれらの製造方法を提供する。これらの結晶形は安定な多形体形Bの製造ための中間体であるか又は固形調合物に適する。
製造及び製剤化の間の安全な取り扱いのために申し分のない化学及的び物理的安定性を有し、並びに高い保存安定性をその純粋な形又は製剤形に提供する(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドのその他の安定な形が必要である。
【解決手段】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形, 水和物及び溶媒和物、及びそれらの製造方法を提供する。これらの結晶形は安定な多形体形Bの製造ための中間体であるか又は固形調合物に適する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形及びその水和物及び溶媒和物に関する。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形及びその水和物及び溶媒和物の製造方法に関する。本発明はまた選択された及び安定な(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形又はその水和物、及び薬学的に許容し得るキャリヤーを含む調合物に関する。
【背景技術】
【0002】
フェニルアラニンから神経伝達物質のカテコールアミンをバイオ合成する際に、式(I)
【0003】
【化1】
【0004】
で表わされるテトラヒドロビオプテリン補助因子,(6R)−2−アミノ−4−オキソ−6−[(1R,2S)−1,2−ジヒドロキシプロピル]−5,6,7,8−テトラヒドロプテリジンがフェニルアラニン及びチロシンの1原子酸素添加工程で必要されることは周知である。カテコールアミンバイオ合成は大部分テトラヒドロビオプテリン補助因子によって調節されること,及び中枢神経系中の補助因子の減少はいくつかの神経疾患、たとえばパーキンソン症候群及び異型フェニルケトン尿症の原因となることが考えられる。したがって式Iで表わされる化合物は、これを必要とする哺乳類において上記疾患の有効な治療剤である。
【0005】
式Iで表わされる化合物は、取り扱いが困難であり、そしてそれ故にこれを製造し、窒素下に密封されたアンプル中でさえその二塩酸塩として提供され(非特許文献1)、その吸湿性性質及び酸化に対する感受性によるその物質の分解を阻止する。特許文献1に、(6R)−及び6(S)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドをそのジアステレオマーに分割することは、6(R,S)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの悪い結晶性が原因で困難であると開示されている。特許文献2に、固体テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドが中間体として得られるテトラヒドロビオプテリンの製造が記載されている。S. Matsuura等は、非特許文献2中に6(R)−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを、非特許文献3に記載されたX−線解析によって特徴づけられる無色針状形にある結晶性固体として記載している。6.81°の施光性が、結晶性生成物で測定され、その生成物は特許文献3の例6で白色結晶の形にある結晶性固体に関して報告された6.51°の施光性に極めて類似する。
【0006】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド開発の研究及び作成の間に得られた結果は、公知の結晶性固体をd−値(オングストローム):
8.7(vs),6.9(w),5.90(vw),5.63(m),5.07(m),4.76(m),4.40(m),4.15(w),4.00(s),3.95(m),3.52(m),3.44(w),3.32(m),3.23(s),3.17(w),3.11(vs),3.06(w),2.99(w),2.96(w),2.94(m),2.87(w),2.84(s),2.82(m),2.69(w),2.59(w),2.44(w)
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンが測定される形Bと呼ぶことができることを明らかにした。固有X−線粉末回折パターンを図2に示す。
【0007】
ここで及び下記以降で、括弧内の略字は次の意味を示す:(vs)=極めて強い強度;(s)=強い強度;(m)=中程度の強度;(w)=弱い強度;及び(vw)=極めて弱い強度。
【0008】
多形体Bは、約20℃を超える最高の熱力学的安定性を有する僅かに吸湿性無水物である。更に,形Bはその熱安定性、目標条件による製造可能性、その適する形学及び粒子サイズの故に容易に処理され、取り扱うことができる。融点は260℃(ΔHf>140J/g)に近
いが,融解前及び融解中での分解のために明確な融点を検出することができない。これらの顕著な性質は、高められた温度で製造される医薬(pharmaceutical application)に対して多形体形Bを特に適さなくする。多形体Bを0.2μm〜500μmに及ぶ粒子サイズを有する微粉末として得らることができる。
【特許文献1】米国特許第(A)4649197号明細書
【特許文献2】欧州特許公開第0079574号(A1)公報
【特許文献3】欧州特許公開第0191335号(A2)公報
【非特許文献1】Schircks Laboratories, CH−8645 Jona, スイス
【非特許文献2】Chemistry Letters 1984, pages 735−738 and Heterocycles, Vol. 23, No. 12, 1985 pages 3115−3120
【非特許文献3】J. Biochem. 98, 1341−1348 (1985)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし,製造及び製剤化(formulation)の間の安全な取り扱いのために申し分のない化学及的び物理的安定性を有し、並びに高い保存安定性をその純粋な形又は製剤形に提供する(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドのその他の安定な形が必要である。更にコントロールされた方法で大規模に,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体B及びその他の結晶形を製造する方法に対する強い要求がある。
【0010】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの開発中に得られた結果は、この化合物が多形体形及び溶媒和物を含む、種々の結晶形で存在することができることを示した。この分野で持続する興味は、個々の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形の有効な及び信頼のある製造方法及び結晶形−−−−−−−−これは調合物の製造及び調製で好ましくは安定であり、そして取り扱い易く及び処理しやすく,そして物質形で又は調合生成物(formulated product)として高い保存安定性を提供するか,あるいは安定な形の製造に対する調節された結晶化のための中間体として適する、あまり安定でない形を提供する−−−−−−−−−−をもたらすために、調節された結晶化条件を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1.(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形
多形体形A,B,F,J及びKは水和物であって,これらは環境温度で屋外湿度にさらされた場合、最高約3重量の水を吸収する。
【0012】
本発明の第一の対象は、d−値(オングストローム):
15.5(vs),12.0(m),4.89(m),3.70(s),3.33(s),3.26(s),及び3.18(m);
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Aと呼ぶ。)である。
【0013】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
15.5(vs),12.0(m),6.7(m),6.5(m),6.3(w),6.1(w),5.96(w),5.49(m),4.89(m),3.79(m),3.70(s),3.48(m),3.45(m),3.33(s),3.26(s),3.22(m),3.18(m),3.08(m),3.02(w),2.95(w),2.87(m),2.79(w),2.70(w);
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Aと呼ぶ。)を含む。
【0014】
別の好ましい実施態様において,本発明は波数(cm−1):
2934(w),2880(w),1692(s),1683(m),1577(w),1462(m),1360(w),1237(w),1108(w),1005(vw),881(vw),813(vw),717(m),687(m),673(m),659(m),550(w),530(w),492(m),371(m),258(w),207(w),101(s),87(s)cm−1,
で表わされる固有のラマンバンドを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Aと呼ぶ。)を含む。
【0015】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図1に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体Aを含む。
【0016】
多形体Aは僅かに吸湿性であり、そして約3重量%の含量まで水を吸収し、10℃/分の速度で加熱した場合、水を50℃〜200℃で連続的に放出する。多形体Aは、形Bに対してメタ−安定形である吸湿性無水物である。しかし,これはきつく密閉された容器中に維持された場合、数ヶ月にわたって安定である。形Aは、安定な多形体形を製造する中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Aを、主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0017】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
17.1(vs),4.92(m),4.68(m),3.49(s),3.46(vs),3.39(s),3.21(m),及び3.19(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Fと呼ぶ。)である。
【0018】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
17.1(vs),12.1(w),8.6(w),7.0(w),6.5(w),6.4(w),5.92(w),5.72(w),5.11(w),4.92(m),4.86(w),4.68(m),4.41(w),4.12(w),3.88(w),3.83(w),3.70(m),3.64(w),3.55(m),3.49(s),3.46(vs),3.39(s),3.33(m),3.31(m),3.27(m),3.21(m),3.19(m),3.09(m),3.02(m),及び2.96(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Fと呼ぶ。)を含む。
【0019】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図6に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体Fを含む。
【0020】
多形体Fは僅かに吸湿性であり、そして水を吸収して、約3重量%の含量となり、10℃/分の速度で加熱した場合、水を50℃〜200℃で連続的に放出する。多形体Fはメタ−安定形であり、より低い環境温度で形Aに比べて安定であり、そしてより高い温度で形Bに比べて安定でない吸湿性無水物であり、そして形Fは安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Fを、主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0021】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
14.6(m),3.29(vs),及び3.21(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Jと呼ぶ)である。
【0022】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
14.6(m),6.6(w),6.4(w),5.47(w),4.84(w),3.29(vs),及び3.21(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Jと呼ぶ)を含む。
【0023】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図10に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体Jを含む。
【0024】
多形体Jは僅かに吸湿性であり、空気湿度で取り扱う場合水を吸収する。多形体Jはメタ−安定形及び吸湿性無水物であり,そしてこれを高い相対湿度条件、たとえば75%を超える相対湿度にさらされながら得られる形Eに換えることができる。形Jは中間体として特に安定であり、そして形Jは安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Jを、主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0025】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
14.0(s),6.6(w),4.73(m),4.64(m),3.54(m),3.49(vs),3.39(m),3.33(vs),3.13(s),3.10(m),3.05(m),3.01(m),2.99(m),及び2.90(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Kと呼ぶ。)である。
【0026】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
14.0(s),9.4(w),6.6(w),6.4(w),6.3(w),6.1(w),6.0(w),5.66(w),5.33(w),5.13(vw),4.73(m),4.64(m),4.48(w),4.32(vw),4.22(w),4.08(w),3.88(w),3.79(w),3.54(m),3.49(vs),3.39(m),3.33(vs),3.13(s),3.10(m),3.05(m),3.01(m),2.99(m),及び2.90(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Kと呼ぶ。)を含む。
【0027】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図11に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体Kを含む。
【0028】
多形体Kは僅かに吸湿性であり、そして水を吸収して、約2.0重量%の含量となり、10℃/分の速度で加熱した場合、水を50℃〜200℃で連続的に放出する。多形体Kはメタ−安定形であり、より高い環境温度で形Bに比べて不安定であり、そして形Kは安定な多形体形、特に形Bを生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Kを、主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0029】
2.(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドは、製造方法によって結晶性水和物形C,D,E,H及びOを生じる。
【0030】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
13.9(vs),8.8(m),6.8(m),6.05(m),4.25(m),4.00(m),3.88(m),3.80(m),3.59(s),3.50(m),3.44(m),3.26(s),3.19(vs),3.17(s),3.11(m),2.97(m),及び2.93(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Cと呼ぶ。)である。
【0031】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
18.2(m),15.4(w),13.9(vs),10.4(w),9.6(w),9.1(w),8.8(m),8.2(w),8.0(w),6.8(m),6.5(w),6.05(m),5.77(w),5.64(w),5.44(w),5.19(w),4.89(w),4.76(w),4.70(w),4.41(w),4.25(m),4.00(m),3.88(m),3.80(m),3.59(s),3.50(m),3.44(m),3.37(m),3.26(s),3.19(vs),3.17(s),3.11(m),3.06(m),3.02(m),2.97(vs),2.93(m),2.89(m),2.83(m),及び2.43(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Cと呼ぶ。)を含む。
【0032】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図3に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物Cを含む。
【0033】
水和物形Cは僅かに吸湿性であり、そして約5.5重量%の水分含量を有する。これは形Cが一水和物であることを示す。水和物Cは94℃に近い融点(ΔHfは約31J/gである。)を有し、そして水和物形Cは安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Cを、主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0034】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
8.6(s),5.56(m),4.99(m),4.67(s),4.32(m),3.93(vs),3.17(m),3.05(s),2.88(m),及び2.79(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Dと呼ぶ。)である。
【0035】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
8.6(s),6.8(w),5.56(m),4.99(m),4.67(s),4.32(m),3.93(vs),3.88(w),3.64(w),3.41(w),3.25(w),3.17(m),3.05(s),2.94(w),2.92(w),2.88(m),2.85(w),2.80(w),2.79(m),2.68(w),2.65(w),2.52(vw),2.35(w),2.34(w),2.30(w),及び2.29(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Dと呼ぶ。)を含む。
【0036】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図4に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物Dを含む。
【0037】
水和物形Dは僅かに吸湿性であり、そして約5.0〜7.0重量%の水分含量を有することができる。これは形Dが一水和物であることを示唆させる。水和物Dは153℃に近い融点(ΔHfは約111J/gである。)を有し、そして形Cに比べてはるかに高い安定性であり、そして環境温度で空気湿度にさらした場合でさえ安定である。したがって水和物形Dを、調合物を製造するために使用するか、又は安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として使用することができる。多形体形Dを、主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0038】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
15.4(s),4.87(w),3.69(m),3.33(s),3.26(vs),3.08(m),2.95(m),及び2.87(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Eと呼ぶ。)である。
【0039】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
15.4(s),6.6(w),6.5(w),5.95(vw),5.61(vw),5.48(w),5.24(w),4.87(w),4.50(vw),4.27(w),3.94(w),3.78(w),3.69(m),3.60(w),3.33(s),3.26(vs),3.16(w),3.08(m),2.98(w),2.95(m),2.91(w),2.87(m),2.79(w),2.74(w),2.69(w),及び2.62(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Eと呼ぶ。)である。
【0040】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図5に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物Eを含む。
【0041】
水和物形Eは僅かに吸湿性であり、そして約10〜14重量%の水分含量を有することができる。これは形Eが二水和物であることを示唆させる。水和物Eを室温より低い温度で生じさせる。水和物形Eは、安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。無水形Jを窒素下に又は場合により減圧下に乾燥しながら製造するのに特に適する。形Eは非−吸湿性であり、そしてむしろ高い相対湿度下で、すなわち約60%より高い、また最高約85%の相対湿度で安定である。多形体形Eを主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0042】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
15.8(vs),3.87(m),3.60(m),3.27(m),3.21(m),2.96(m),2.89(m),及び2.67(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エ リスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Hと呼ぶ。)である。
【0043】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
15.8(vs),10.3(w),8.0(w),6.6(w),6.07(w),4.81(w),4.30(w),3.87(m),3.60(m),3.27(m),3.21(m),3.13(w),3.05(w),2.96(m),2.89(m),2.82(w),及び2.67(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Hと呼ぶ。)を含む。
【0044】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図8に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物Hを含む。
【0045】
水和物形Hは約5.0〜7.0重量%の水分含量を有することができる。これは形Hが吸湿性一水和物であることを示唆させる。水和物形Hを室温より低い温度で生じさせる。水和物形Hは、安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Hを主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0046】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
8.8(m),6.3(m),5.65(m),5.06(m),4.00(m),3.88(m),3.69(s),3.64(s),3.52(vs),3.49(s),3.46(s),3.42(s),3.32(m),3.27(m),3.23(s),3.18(s),3.15(vs),3.12(m),及び3.04(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Oと呼ぶ。)である。
【0047】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
15.9(w),14.0(w),12.0(w),8.8(m),7.0(w),6.5(w),6.3(m),6.00(w),5.75(w),5.65(m),5.06(m),4.98(m),4.92(m),4.84(w),4.77(w),4.42(w),4.33(w),4.00(m),3.88(m),3.78(w),3.69(s),3.64(s),3.52(vs),3.49(s),3.46(s),3.42(s),3.32(m),3.27(m),3.23(s),3.18(s),3.15(vs),3.12(m),3.04(vs),2.95(m),2.81(s),2.72(m),2.67(m),及び2.61(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Oと呼ぶ。)を含む。
【0048】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図15に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物Oを含む。
【0049】
水和物形Oを室温に近い温度で生じさせる。水和物形Oは、安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Oを主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0050】
2.(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの溶媒和物形
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドは、製造方法で
使用される溶剤によって結晶性溶媒和物形G,I,L,M及びNを生じる。
【0051】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
14.5(vs),7.0(w),4.41(w),3.63(m),3.57(m),3.49(w),3.41(m),3.26(m),3.17(m),3.07(m),2.97(m),2.95(m),2.87(w),及び2.61(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性エタノール性溶媒和物(以下、形Gと呼ぶ。)である。
【0052】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
14.5(vs),10.9(w),9.8(w),7.0(w),6.3(w),5.74(w),5.24(vw),5.04(vw),4.79(w),4.41(w),4.02(w),3.86(w),3.77(w),3.69(w),3.63(m),3.57(m),3.49(m),3.41(m),3.26(m),3.17(m),3.07(m),2.97(m),2.95(m),2.87(w),及び2.61(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性エタノール性溶媒和物(以下、形Gと呼ぶ。)を含む。
【0053】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図7に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性溶媒和物Gを含む。
【0054】
エタノール性溶媒和物形Gは約8.0〜12.5重量%のエタノール含量を有する。これは形Gが吸湿性モノエタノール性溶媒和物であることを示唆させる。溶媒和物形Gを室温より低い温度で生じさせる。形Gは、安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Gを主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0055】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
14.5(m),3.67(vs),3.61(m),3.44(m),3.11(s),及び3.00(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性酢酸溶媒和物(以下、形Iと呼ぶ。)である。
【0056】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
14.5(m),14.0(w),11.0(w),7.0(vw),6.9(vw),6.2(vw),5.30(w),4.79(w),4.44(w),4.29(w),4.20(vw),4.02(w),3.84(w),3.80(w),3.67(vs),3.61(m),3.56(w),3.44(m),3.27(w),3.19(w),3.11(s),3.00(m),2.94(w),2.87(w),及び2.80(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性酢酸溶媒和物(以下、形Iと呼ぶ。)を含む。
【0057】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図9に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性酢酸溶媒和物Iを含む。
【0058】
酢酸溶媒和物形Iは約12.7重量%の酢酸含量を有する。これは形Iが吸湿性酢酸一溶媒和物であることを示唆させる。溶媒和物形Iを室温より低い温度で生じさせる。酢酸溶媒和物形Iは、安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Iを主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0059】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
14.1(vs),10.4(w),6.9(w),6.5(w),6.1(w),4.71(w),3.46(m),3.36(m),及び2.82(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性混合エタノール性溶媒和物/水和物(以下、形Lと呼ぶ。)である。
【0060】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
14.1(vs),10.4(w),9.5(w),9.0(vw),6.9(w),6.5(w),6.1(w),5.75(w),5.61(w),5.08(w),4.71(w),3.86(w),3.78(w),3.46(m),3.36(m),3.06(w),2.90(w),及び2.82(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性混合エタノール性溶媒和物/水和物(以下、形Lと呼ぶ。)を含む。
【0061】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図12に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性混合エタノール性溶媒和物/水和物Lを含む。
【0062】
形Lは4%、しかし最高13%のエタノール及び0%〜約6%に水を有することができる。約0℃〜20℃の温度でエタノール中で処理した場合、形Lを形Gに変換することができる。更に、環境温度(10℃〜60℃)で有機溶剤中で処理した場合、形Lを形Bに変換することができる。多形体形Lを主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0063】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
18.9(s),6.4(m),及び3.22(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性エタノール性溶媒和物(以下、形Mと呼ぶ。)を含む。
【0064】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
18.9(s),6.4(m),6.06(w),5.66(w),5.28(w),4.50(w),4.23(w),及び3.22(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性エタノール性溶媒和物(以下、形Mと呼ぶ。)を含む。
【0065】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図13に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性エタノール性溶媒和物Mを含む。
【0066】
形M4%、しかし最高13%のエタノール及び0%〜約6%に水を有することができる。これは形Mが僅かに吸湿性エタノール性溶媒和物であることを示唆させる。溶媒和物形Mを室温で生じさせる。形Mは安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。というのは約−10℃〜15℃の温度でエタノール中で処理した場合、形Mを形Gに変換することができ,そして有機溶剤、たとえばエタノール,C3及びC4アルコール,又は環状エーテル、たとえばTHF及びジオキサン中で処理した場合.形Bに変換することができる。多形体形Mを主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0067】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
19.5(m),6.7(w),3.56(m),及び3.33(vs),3.15(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Nと呼ぶ。)である。
【0068】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
19.5(m),9.9(w),6.7(w),5.15(w),4.83(w),3.91(w),3.56(m),3.33(vs),3.15(w),2.89(w),2.81(w),2.56(w),及び2.36(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Nと呼ぶ。)を含む。
【0069】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図14に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体Nを含む。
【0070】
形Nは全体で最高10%のイソプロパノール及び水を含有することができる。これは,形Nが僅かに吸湿性イソプロパノール溶媒和物であることを示唆させる。形Nは形Dをイソプロパノールで洗浄し、ついで引き続き約30℃で減圧乾燥することによって得ることができる。形Nは安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Nは主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0071】
多形体形の製造に、従来公知の結晶化法,たとえば懸濁液(相平衡で)の攪拌,沈殿,再結晶,蒸発,水のような溶剤吸収法又は溶媒和物の分解を使用することができる。希釈,飽和又は過飽和溶液を、結晶化に適当な核形成剤(nucleating agent)を用いる結晶種の添加又は無添加下で使用することができる。最高100℃の温度を適用して溶液を生じさせることができる。−100℃、好ましくは−30℃に冷却して結晶化及び沈殿の開始を行うことができる。メタ−安定な多形体又は擬似−多形体形を使用して、より安定な形の製造のために溶液又は懸濁液を調製し、ついでその溶液中でより高い濃度を達成することができる。
【0072】
4.(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形の製造多形体形A
多形体形Aは、水中に(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを有する溶液の凍結乾燥又は水の除去によって得られる。本発明の別の目的は、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを環境温度で水に溶解させ,(1)この溶液を固化するために溶液を低温に冷却し,ついで減圧下に水を除去するか,又は(2)その水溶液から水を除去することを含む、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Aの製造方法である。
【0073】
結晶形Aを、濾過し、ついで吸収された水を生成物から蒸発乾固することによって単離することができる。乾燥条件及び方法は周知であって、本発明の方法(2)に従う単離生成物の乾燥又は水の除去を、高められた温度、たとえば最高80℃,好ましくは30℃〜80℃に及ぶ範囲で減圧下に適用して又は高められた温度及び減圧を適用して実施することができる。方法(2)で得られる沈殿の単離前に,懸濁液を相平衡のために所定の時間攪拌することができる。水溶液中の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの濃度は、その溶液に対して5〜40重量%であってよい。
【0074】
環境温度とは30〜120℃の範囲を意味する。低温とは−40℃より低い、好ましくは−60℃より低く、−180℃までの温度を意味する。急冷が出発化合物としての固溶体を得るのに好ましい。溶剤が完全に除去されるまで減圧を行う。凍結乾燥は技術上周知である。溶剤除去を完了するための時間は適用された減圧−−−−−−−これは0.01〜1ミリバールであってよい−−−−−−−−−−−、使用される溶剤及び凍結温度に依存する。
【0075】
多形体形Aは、室温で又は室温より低い温度で実質上水不含条件下で安定である。このことは、それぞれ5日間と18時間窒素下に室温で攪拌されるテトラヒドロフラン又はt−ブチルメチルエーテル中に多形体形Aを有する懸濁液の相平衡試験によって実証される。濾過及び室温での空気乾燥は未変化の多形体形Aを生じる。
【0076】
多形体B
すべての結晶形(多形体,水和物及び溶媒和物)(結晶形Bを含めて)を、最も安定な多形体Bの製造に使用することができる。
【0077】
多形体Bを、適する極性及び非水性溶剤に無定形の又は多形体形B以外の形,たとえば多形体Aを有する懸濁液の相平衡によって得ることができる。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造方法であって、好ましくは(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形B以外の固形粒子を溶剤に分散させ,懸濁液を環境温度で多形体形Bを生じるのに十分な時間攪拌し,その後結晶形Bを単離し、ついで溶剤を単離した形Bから除去することを含む、上記製造方法に関する。
【0078】
環境温度とは、0℃〜60℃,好ましくは20℃〜40℃に及ぶ範囲の温度を意味する。適用される温度は処理及び攪拌の間段階的に又は連続的に温度を下げることによって変化される。適当な溶剤はたとえばメタノール,エタノール,イソプロパノール,その他のC3−及びC4−アルコール,酢酸,アセトニトリル,テトラヒドロフラン,メチル−t−ブチルエーテル,1,4−ジオキサン,酢酸エチル,酢酸イソプロピル,その他のC3−C6−アセテート,メチルエチルケトン及びその他のメチル−C3−C5である。相平衡を終了する時間は、最高30時間、そして好ましくは最高20時間又は20時間未満であってよい。
【0079】
多形体Bはまた最高約5%の水を含む溶剤混合物から,特にエタノール,酢酸及び水の混合物から結晶化することによって得ることができる。本発明は、また(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造方法であって,場合により高められた温度で好ましくは(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Bよりも低いエネルギーの固形を又は(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Bをエタノール,酢酸及び水の溶剤混合物に溶解させ,この溶液に結晶種を添加し,得られた懸濁液を冷却し、ついで形成した結晶を単離することを含む、上記製造方法に関する。
【0080】
溶解は、室温で又は最高70℃,好ましくは最高50℃で実施することができる。溶解のために最終溶剤混合物(final solvent mixture)を使用するか又は出発化合物を予め水に溶解させ、ついでその他の溶剤を2種とも又は1種づつ順番に添加することができる。溶剤混合物の組み合わせは、1:3:2〜1:9:4、及び好ましくは1:5:4の水:酢酸:テトラヒドロフランの容量比から成ることができる。溶液を攪拌するのが好ましい。冷却とは−40℃〜0℃に至る,好ましくは10℃〜30℃に至る温度を意味する。適当な結晶種は別のバッチからの多形体形Bであるか又は類似の又は同一の形学を有する結晶である。単離後,結晶形Bを非−溶剤,たとえばアセトン又はテトラヒドロフランで洗浄し、ついで常法で乾燥させることができる。
【0081】
多形体Bを、非−溶剤、たとえばメタノール,エタノール及び酢酸の添加によって水溶液から結晶化によって得ることができる。結晶化及び単離処理を室温で溶液の冷却なしに有利に実施することができる。したがってこの方法は工業的規模で実施するのに極めて適する。
【0082】
好ましい実施態様において,本発明は(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造方法であって,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形B以外の固形、又は(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Bを水に環境温度で溶解させ,非−溶剤を形A懸濁液に十分な量で添加し、場合によりこの懸濁液を所定の時間攪拌し,ついでその後形成した結晶を単離することを含む、上記製造方法に関する。
【0083】
溶液からの結晶化工程の後に、環境条件下で次の懸濁液平衡を行うことができる。
【0084】
環境温度とは、10〜40℃の範囲の温度,最も好ましい室温を意味することができる。水溶液中の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの濃度は、溶液に対して10〜80重量%,最に好ましくは20〜60重量%であることができる。好ましい非−溶剤は、メタノール,エタノール及び酢酸である。非−溶剤を水溶液に添加することができる。さらに詳しくは、この水溶液を非−溶剤に添加する。懸濁液の形成後の攪拌時間は最高30時間、好ましくは最高20時間又は20時間以内であってよい。濾過による単離及び乾燥を前述のように公知の方法で実施する。
【0085】
多形体形Bは極めて安定な結晶性形であって、これを容易に濾過し、乾燥して、医薬調合物に所望の粒子サイズに粉砕することができる。これらの優れた特性は多形体形Bを特に医薬適用にふさわしくする。
【0086】
多形体F
多形体Fは、多形体形Aの懸濁液を適当な極性及び非−水性溶剤(これは上記低いエネルギー形をほとんど溶解しない),特にアルコールたとえばメタノール,エタノール,プロパノール及びイソプロパノール中での相平衡によって得られる。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Fの製造方法であって,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの固形A粒子を、その(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを室温より低い温度でほとんど溶解しない非−水性溶剤中に分散させ,この懸濁液を上記温度で多形体形Fを生じるのに十分な時間攪拌し,その後結晶形Fを単離して、溶剤を単離した形Fから除去する、上記製造方法に関する。溶剤の除去及び乾燥は、空気、乾燥空気又は乾燥保護ガス、たとえば窒素又は希ガス下に、そして室温で又は室温より低い温度で,たとえば0℃に至る温度で実施することができる。相平衡の間の温度は、好ましくは5〜15℃、最も好ましくは約10℃である。
【0087】
多形体J
多形体Jは、減圧下に適度の温度で形Eの脱水によって得られる。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Jの製造方法であって,形Eを製造し、ついで形Eを減圧乾燥器中で適度の温度、好ましくは25〜70℃、最も好ましくは30〜50℃の範囲の温度で処理することによって形Eから水を除去することを含む、上記方法に関する。
【0088】
多形体K
多形体Kは、少量の水を含む極性溶剤の混合物から、そして少量のアスコルビン酸の存在下に結晶化させることによって得られる。溶剤混合物用溶剤は、酢酸及びアルコール、たとえばメタノール,エタノール,n−又はイソプロパノールから選ばれる。本発明は(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Kの製造方法であって,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを酢酸とアルコール又は少量の水及び少量のアスコルビン酸を有するテトラヒドロフランの混合物に高められた温度で溶解させ,室温未満に温度を低下させ、上記ジヒドロクロライドを結晶化し,沈殿を単離し、単離した沈殿を高められた温度で、場合により減圧下に乾燥させる、上記方法に関する。適当なアルコールはたとえばメタノール,エタノール,プロパノール及びイソプロパノールであって,この場合エタノールが好ましい。酢酸とアルコール又はテトラヒドロフランの割合は2:1〜1:2、好ましくは約1:1であることができる。(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの溶解を、より高い水含量の存在下に実施することができ、そして一層多くの非溶剤混合物を添加して沈殿を終了せさることによって得ることができる。最終調合物中の水量は溶剤混合物に対して0.5〜5重量%であり、そしてアスコルビン酸量は溶剤混合物に対して0.01〜0.5重量%である。溶解に対する温度は、30〜100℃、好ましくは35〜70℃の範囲であることができ、そして乾燥温度は30〜50℃であることができる。沈殿は、単離,たとえば濾過後にアルコールたとえばエタノールで洗浄することができる。多形体Kを、たとえばイソプロパノール中で相平衡し、場合により室温を超える温度、たとえば30〜40℃の温度で形B結晶を結晶種として入れることによって、最も安定な形Bに容易に変換することができる。
【0089】
5.(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形の製造形C
水和物形Cは、環境温度での多形体形の相平衡によって、たとえば多形体B懸濁液を非−溶剤(これは水を溶剤に対して好ましくは約5重量%の量で含有する。)中で相平衡することによって得られる。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Cの製造方法にあって,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを非−溶剤、たとえばヘプタン,C1−C4−アルコールたとえばメタノール,エタノール,1−又は2−プロパノール,アセテート,たとえば酢酸エチル,アセトニトリル,酢酸又はエーテルたとえばテトラヒドロフラン,ジオキサン,t−ブチルメチルエーテル,又はこのような非−溶剤の二元又は三元混合物(これらに一水和物を生じさせるのに十分な水を添加する。)に懸濁させ,ついで懸濁液を環境温度で又は環境温度未満で(たとえば0〜30℃)一水和物を生じさせるのに十分な時間攪拌することを含む、上記方法に関する。十分な水とは、溶剤の量に対して1〜10重量%、好ましくは3〜8重量%の水を意味することができる。固体を濾過して、空気中でほぼ室温で乾燥させる。固体は少量の水を吸収し、したがって5.5重量%の理論値に比べて高い水分含量を有する。水和物形Cは形D及びBに比べて不安定、そして容易に多形体形Bは約40℃の温度で空気中で及びより低い相対湿度で多形体形Bに変換される。形Cを室温で懸濁液平衡によってより安定な水和物Dに変換することができる。
【0090】
形D
水和物形Dは、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの濃縮した水溶液を過剰の非−溶剤たとえばヘキサン,ヘプタン,ジクロロメタン,1−又は2−プロパノール,アセトン,酢酸エチル,アセトニトリル,酢酸又はエーテルたとえばテトラヒドロフラン,ジオキサン,t−ブチルメチルエーテル,又はこのような非−溶剤の混合物にほぼ室温で添加し,ついで懸濁液を環境温度で攪拌することによって得られる。結晶性固体を濾過し、ついで乾燥窒素下に環境温度で乾燥させることができる。好ましい非−溶剤はイソプロパノールである。水溶液の添加は、急な沈殿を避けるために滴加によって行うことができる。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド水和物形Dの製造方法であって,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの濃縮した水溶液を過剰の非−溶剤にほぼ室温で添加して、この懸濁液を環境温度で攪拌することを含む、上記方法に関する。過剰の非−溶剤とは、水溶液と非−溶剤の割合1:10〜1:1000を意味することができる。形Dは一水和物に対して小過剰の水を含有し,そしこの結晶性水和物の僅かに吸湿性質の故に水を吸収すると考えられる。水和物形Dは、公知の水和物のうち環境温度及び70%より少ない相対湿度で最も安定な形であるとみなされる。水和物形Dを、この水和物が安定である条件下で製造される調合物に使用することができる。環境温度とは20〜30℃を意味する。
【0091】
水和物形E
水和物形Eは、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド濃縮した水溶液を約10〜−10℃の温度に冷却された過剰の非−溶剤に添加して、懸濁液をこの温度で攪拌して得られる。結晶性固体を濾過し、ついで乾燥窒素下に環境温度で乾燥させることができる。非−溶剤は、たとえばヘキサン,ヘプタン,ジクロロメタン,1−又は2−プロパノール,アセトン,酢酸エチル,アセトニトリル,酢酸又はエーテルたとえばテトラヒドロフラン,ジオキサン,t−ブチルメチルエーテル,又はこのような非−溶剤の混合物である。好ましい非−溶剤はイソプロパノールである。水溶液の添加は、急な沈殿を避けるために滴加によって行うことができる。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Eの製造方法であって,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド濃縮した水溶液を約10〜−10℃の温度に冷却された過剰の非−溶剤に添加して、懸濁液を環境温度で攪拌することを含む、上記方法に関する。過剰の非−溶剤とは、水溶液と非−溶剤の割合1:10〜1:1000を意味することができる。好ましい非−溶剤はテトラヒドロフランである。別の製造方法は、多形体形Bを相対湿度70〜90%,好ましくは約80%を有する空気雰囲気にさらすことを含む。水和物形Eは二水和物であるとみなされ,それによって少量の付加的な水を吸収することができる。多形体形Eを減圧下に適度な温度(これは0〜100ミリバールの圧力で20℃〜50℃を意味する。)で乾燥しながら多形体Jに移行させることができる。形Eは、高い相対湿度でのその安定性濃度ゆえに、特に半固体形の調合物に適する。
【0092】
形H
水和物形Hは、環境温度で(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを酢酸と水との混合物に溶解させ,ついで非−溶剤を添加して結晶性固体を沈殿させ,得られた懸濁液を冷却して、冷却した懸濁液を所定の時間攪拌することによって得られる。結晶性固体を濾過し、ついで減圧下に環境温度で乾燥させる。非−溶剤はたとえばヘキサン,ヘプタン,ジクロロメタン,1−又は2−プロパノール,アセトン,酢酸エチル,アセトニトリル,酢酸又はエーテルたとえばテトラヒドロフラン,ジオキサン,t−ブチルメチルエーテル,又はこのような非−溶剤の混合物である。好ましい非−溶剤はテトラヒドロフランである。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Hの製造方法であって,環境温度で(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを酢酸と酢酸の量よりも少ない量の水との混合物に溶解させ,非−溶剤を添加し、得られた懸濁液を−10〜10℃、好ましくは−5〜5℃の範囲の温度に冷却して,懸濁液をこの温度である所定の時間攪拌することを含む、上記方法に関する。所定の時間とは1〜20時間を意味する。酢酸対水の重量割合は、2:1〜25:1、好ましくは5:1〜15:1であることができる。酢酸/水対非−溶剤の重量割合は、1:2〜1:5であることができる。水和物形Hは、その吸湿性性質の故に吸収された、僅かに過剰の水を有する一水和物であると考えられる。
【0093】
形O
水和物形Oは、多形体形Fを生じた相対湿度約52%の水蒸気を有する窒素雰囲気に約24時間さらすことによって製造されうる。僅かに吸湿性無水物である形Fを使用して、52%の相対湿度下で形Oを製造することができるとうい事実は、形Oが,環境温度及び湿度条件下で形Fよりも安定である水和物であることを示唆させる。
【0094】
6.(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの溶媒和物形の製造
形G
エタノール溶媒和物形Gは、水に溶解されたL−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを結晶化し、大過剰のエタノールを添加し,得られた懸濁液を環境温度で又は環境温度より低い温度で攪拌し、単離した固体を空気又は窒素下にほぼ室温で乾燥させることによって得られる。この場合,大過剰のエタノールはエタノール及び水(10%より少ない水,好ましくは約3〜6%)の混合物を意味する。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドのエタノレート形Gの製造方法であって、ほぼ室温〜75℃の温度で(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを水に又は水とエタノールとの混合物に溶解させ,加熱した溶液を室温に、ついで5〜10℃に冷却し,場合によりエタノールを添加して沈殿を終了し,得られた懸濁液を20〜5℃の温度で攪拌し,白色結晶性固体を濾過して、固体を空気又は保護ガス、たとえば窒素下にほぼ室温で乾燥させる上記方法に関する。第一方法(variant)で、処理は、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドをほぼ室温でより低量の水に溶解させ、ついで過剰のエタノールを添加し、得られた懸濁液を相平衡に十分な時間攪拌して行われる。第二方法(variant)で、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドをエタノールに懸濁させ,場合によりより低量の水を添加し、懸濁液を加熱し、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを溶解させ,溶液を約5〜15℃の温度に冷却し,付加的なエタノールを懸濁液に添加し、ついで得られた懸濁液を相平衡に十分な時間攪拌する。
【0095】
形I
酢酸溶媒和物形Iは、L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを酢酸と水との混合物に高められた温度で溶解させ,更に酢酸を溶液に添加し,約10℃の温度に冷却し,ついで生じた懸濁液を約15℃に暖め,ついで得られた懸濁液を相平衡に十分な時間(これは最高3日間続いてよい。)攪拌することによって得られる。ついで結晶性固体を濾過し、空気又は保護ガス、たとえば窒素下にほぼ室温で乾燥させる。
【0096】
形L
形Lは、水和物形Eを室温でエタノールに懸濁させ、懸濁液を0〜10℃,好ましくは約5℃の温度で,相平衡に十分な時間(これは10〜20時間であってよい。)攪拌することによって得られる。ついで結晶性固体を濾過して、好ましくは減圧下に30℃で又は窒素下に乾燥させる。TG−FTIRによる分析は、形Lが変化しうる量のエタノール及び水を含有することができる,すなわち多形体(無水物(anhydrate))として,混合エタノール性溶媒和物/水和物として,又は水和物としてさえ存在することができるこを示唆させる。
【0097】
形M
エタノール溶媒和物形Mは、エタノールにL−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを溶解させ、ついで溶液を窒素下に環境温度で,すなわち10℃〜40℃で蒸発させることによって得られる。形Mは形Gを速度約20〜100ml/分で乾燥窒素の僅かな流れ下で乾燥させることによっても得られる。窒素下での乾燥の程度によって,エタノールの残存量は変化しうる。すなわち約3%〜13%に変化することができる。
【0098】
形N
イソプロパノール形Nは、L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドをイソプロパノールと水の混合物4.0ml(混合容量比たとえば4:1)に溶解させることによって得られる。この溶液にイソプロパノール(IPA,たとえば約4.0ml)を徐々に添加し、生じた懸濁液を0℃に冷却し、数時間(たとえば約10〜18時間)この温度で攪拌する。懸濁液を濾過し、固形残渣をイソプロパノールを用いて室温で洗浄する。ついで得られた結晶性材料を環境温度で(たとえば約20〜30℃)及び減圧(約2〜10ミリバール)で数時間(たとえば約5〜20時間)乾燥させる。TG−FTIRは25〜200℃の間で9.0%の重量損失を示す。これはイソプロパノールと水の双方に起因する。この結果は形Nがイソプロパノール溶媒和物の形で,又は混合イソプロパノール溶媒和物/水和物の形で,又は少量の水を含有する非溶媒和形Cとして存在することができることを示唆させる。
【0099】
本発明の別の目的は、形A,B,D,E,F,J,K,L及びO又はその組み合わせより成る群から選ばれた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの固体結晶形、又は薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤を含む医薬調合物である。
【0100】
上述のように,本発明者は、結晶形Bが見出された結晶形のすべてのうち最も安定な形であることを見出した。結晶形Bは、水和物を形成することなく湿った成分の存在下でさえ特に調合物の種々のタイプ及び広い範囲に適することを見出した。
【0101】
したがって,本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの純粋な多形体形B及び薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤を含む医薬調合物を対象とする。
【0102】
原則的に,形A,D,E,F,J,K,L及びOも医薬調合物中の使用に適し、したがって本発明は(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形A,D,E,F,J,K,L及びO及び薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤を含む医薬調合物も対象とする。形A,F,J,K及びLに関して、乾燥調合物成分を使用するのが好ましく、そして生成物を密封容器中に維持して主に水和物の形成を避けることができる。水和物形D,E及びOを、製剤化のために湿った成分の存在下にそのまま使用することができ、そして空気湿度を排除しなければならない。
【発明の効果】
【0103】
本発明者は、驚くべきことに水和物形Dが水和物で最も安定な形であり、そして形B及びDは医薬調合物中に使用されるのに特に適することを見出した。形B及びDはいくつかの利点、たとえば目的の製造,有利な結晶サイズに起因する良好な取り扱い及び形学,種々の調合物の製造条件下での極めて良好な安定性,保存安定性,より高い溶解性及び高いバイオアベイラビリティーを提示する。
【0104】
したがって,本発明は特に(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形B又は水和物形D及び薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤を含む医薬調合物を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】図1は形Aに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図2】図2は形Bに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図3】図3は形Cに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図4】図4は形Dに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図5】図5は形Eに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図6】図6は形Fに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図7】図7は形Gに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図8】図8は形Hに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図9】図9は形Iに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図10】図10は形Jに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図11】図11は形Kに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図12】図12は形Lに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図13】図13は形Mに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図14】図14は形Nに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図15】図15は形Oに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【発明を実施するための形態】
【0106】
以下,結晶形はA,B,D,E,F,J,K,L及びOで表わされる。
【0107】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形の量は、調合物の種類及び投与期間の所望の投薬量に実質上依存する。経口用調合物の量は0.1〜50mg,好ましくは0.5〜30mg,そしてより好ましくは1〜15mgであることができる。
【0108】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形を、ホラート類、たとえば葉酸又はテトラヒドロホラート類と共に使用することができる。テトラヒドロホラート類の例は、テトラヒドロ葉酸,5,10−メチレンテトラヒドロ葉酸,10−ホルミルテトラヒドロ葉酸,5−ホルミルテトラヒドロ葉酸又は好ましくは5−メチルテトラヒドロ葉酸,それらのポリグルタマート類,それらの場合により純粋なジアステレオマー,しかもまたジアステレオマー混合物,特にラセミ混合物,それらの薬学的に許容し得る塩、たとえばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩又はアンモニウム塩,それぞれ単独で,その他のホラートと又は付加的にアルギニンと組み合わせである。結晶形:葉酸又はその塩:アルギニンの重量比は、1:10:10〜10:1:1であることができる。
【0109】
経口用調合物は固形製剤、たとえばカプセル,錠剤,ピル及びトローチ,又は液体製剤、たとえば水性懸濁液,エリキスル及びシロップであることができる。固形及び液体製剤は、本発明の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形を液状又は固形食品に混入させることも含む。液体は非経口投与、たとえば注入又は注射用の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド溶液も含む。
【0110】
本発明の結晶形をそのまま粉末(微粒子),顆粒,懸濁液又は溶液として使用するか,又はこれをその他の薬学的に許容し得る成分と併用することができる[成分を混合し、場合により微粉化し、ついでカプセル(たとえば硬又は軟ゼラチンからなる)に詰める;錠剤、ピル又はトローチに圧縮するか,又は懸濁液、エリキシル及びシロップ用キャリヤー中に成分を懸濁又は溶解させることができる。]。圧縮してピルを生じさせた後にコーティングを付与することができる。
【0111】
薬学的に許容し得る成分は種々のタイプの製剤にとって周知であり、たとえば結合剤、たとえば天然又は合成ポリマー,賦形剤,滑剤,界面活性剤,甘味料及び風味剤,コーティング材料,保存剤、着色料,増粘剤,佐剤(adjuvants),抗菌剤,酸化剤及び種々の製剤タイプ用キャリヤーであることができる。
【0112】
結合剤の例は、トラガントゴム、アカシア,デンプン,ゼラチン及び生物学的分解性ポリマーたとえばジカルボン酸のホモ−又はコ−ポリエステル,アルキレングリコール,ポリアルキレングリコール及び(又は)脂肪族ヒドロキシルカルボン酸;ジカルボン酸のホモ−又はコ−ポリアミド,アルキレンジアミン,及び(又は)脂肪族アミノカルボン酸;対応するポリエステル−ポリアミド−コ−ポリマー,ポリ無水物,ポリオルトエステル,ポリホスファゼン及びポリカルボネートである。生物学的分解性ポリマーは線状,分枝状又は架橋されていてよい。具体的な例はポリグリコール酸,ポリ乳酸,及びポリ−d,l−ラクチド/グリコリドである。ポリマーに関する他の例は水溶性ポリマー、たとえばポリオキサアルキレン(ポリオキサエチレン,ポリオキサプロピレン及びそれらの混合ポリマー),ポリアクリルアミド及びヒドロキシルアルキル化されたポリアクリルアミド、ポリマレイン酸及びそのエステル又はアミド,ポリアクリル酸及びそのエステル又はアミド,ポリビニルアルコール及びそのエステル又はエーテル,ポリビニルイミダゾール,ポリビニルピロリドン,及び天然ポリマー、たとえばキトサンであってよい。
【0113】
賦形剤の例はホスフェート類、たとえば燐酸二カルシウムである。
【0114】
滑剤の例は、天然又は合成油,脂肪,ロウ又は脂肪酸塩、たとえばステアリン酸マグネシウムである。
【0115】
界面活性剤はアニオン性,非イオン性,両性又は中性であることができる。界面活性剤の例は、レシチン,ホスホリピド、硫酸オクチル,硫酸デシル,硫酸ドデシル,硫酸テトラデシル,硫酸ヘキサデシル及び硫酸オクタデシル,Naオレアート又はNaカプラート,1−アシルアミノエタン−2−スルホン酸,たとえば1−オクタノイルアミノエタン−2−スルホン酸,1−デカノイルアミノエタン−2−スルホン酸,1−ドデカノイルアミノエタン−2−スルホン酸,1−テトラデカノイルアミノエタン−2−スルホン酸,1−ヘキサデカノイルアミノエタン−2−スルホン酸,及び1−オクタデカノイルアミノエタン−2−スルホン酸,及びタウロコール酸及びタウロデオキシコール酸,胆汁酸及びそれらの塩,たとえばコール酸,デオキシコール酸及びナトリウムグリコラート,カプリン酸ナトリウム又はラウリン酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル硫酸ナトリウム,セチル硫酸ナトリウム,硫酸化ヒマシ油及びジオクチルスルホコハク酸ナトリウム,コカミドプロピルベタイン及びラウリルベタイン,脂肪アルコール,コレステロール,グリセロールモノ−又は−ジステエアラート,グリセロールモノ−又は−ジオレアート及びグリセロールモノ−又は−ジパルミテート,及びポリオキシエチレンステアレートである。
【0116】
甘味料の例は、ショ糖,果糖,乳糖又はアスパルテームである。
【0117】
風味剤の例は、ペパーミント,ウインターグリーン油又はチェリー又はオレンンジフレーバーのようなフルーツフレーバーである。
【0118】
コーティング材料の例はゼラチン,ロウ、セラック,砂糖又は生物学的分解性ポリマーである。
【0119】
保存剤の例は、メチル−又はプロピル−パラベン,ソルビン酸,クロロブタノール,フェノール及びチメロサールである。
【0120】
佐剤の例は香料である。
【0121】
増粘剤の例は、合成ポリマー,脂肪酸及び脂肪酸塩及びエーテル、及び脂肪アルコールである。
【0122】
酸化剤の例は、ビタミン類,たとえばビタミンA,ビタミンC,ビタミンD又はビタミンE,植物抽出物又は魚油である。
【0123】
液状キャリヤ−の例は水,アルコール、たとえばエタノール,グリセロール,プロピレングリコール,液状ポリエチレングリコール,トリアセチン及び油類である。
【0124】
固形キャリヤーの例は、タルク,クレイ,微晶質セルロース,シリカ,アルミナ等々である。
【0125】
本発明の調合物は、等張剤,たとえば砂糖,緩衝液又は塩化ナトリウムを含有していてもよい。
【0126】
本発明の水和物形Dは、水性環境で崩壊して飲料溶液をもたらす発泡錠又は粉末として製剤化されてもよい。
【0127】
シロップ又はエリキシルは、本発明の多形体,甘味料としてショ糖又は果糖、メチルパラベンのような保存剤,着色量及び風味剤を含有する。
【0128】
胃腸管中で体液と接触する有効物質の制御された放出を達成するために,そして血漿中で有効物質(the active agent)の実質的一定の、有効なレベルをもたらすために、徐放性調合物を本発明の多形体からも製造することができる。結晶形をこの目的のために生物学的分解性ポリマー,水溶性ポリマー又はこれら2つの混合物のポリマーマトリックス及び場合により適当な界面活性剤中に埋め込むことができる。“埋め込む”とは本明細書においてポリマーマトリックス中にマイクロ粒子を導入することを意味する。制御された放出調合物は、分散したマイクロ粒子又は乳化したマイクロ小滴のカプセル封入によっても得られる。
【0129】
本発明の結晶形はまた治療上有効な剤の組み合わせを動物に投与するのに有用である。このような併用療法を、調合物中に付加的に分散又は溶解されうる、少なくとも1種の別の治療剤を使用して行うことができる。
【0130】
本発明の結晶形及びその調合物それぞれを、所定の病態を治療するのに有効であるその他の治療剤と組み合わせて投与して、併用療法をもたらすこともできる。
【0131】
本発明の結晶形及び医薬調合物は、神経疾患の有効な治療に最適である。
本発明のもう一つの目的は、本発明の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形をホストに供給する方法であって,本発明の多形体の有効量をホストに投与することを含む、上記方法である。
【0132】
本発明の別の目的は、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形を神経疾患の治療に有用である医薬の製造に使用することである。
【0133】
次の例は本発明を説明するものであって、本発明はこれによって限定されない。
【0134】
A)多形体形の製造
例A1,A5,A6及びA7のうち、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド(Schircks Laboratories, CH−8645 Jona, スイス)を出発化合物として使用する。
【0135】
例A1:(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Aの製造
1.05gの(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを4.0mlの再蒸留水(bi−distilled water)に23±2℃で溶解させる。溶液を0.22μmミリポア濾過ユニットによって濾過して、濾過液を250mlの丸底フラスコに移す。このフラスコ中の溶液を、−78℃で固形二酸化炭素の床にフラスコを置くことによって凍結させる。ついで凍結内容物を有するフラスコを約0.05ミリバールの出発圧で作動するラボラトリー凍結乾燥器に連結する。約20時間の後、凍結乾燥は終了し、ついで減圧フラスコを凍結乾燥器からはずして、約1.0gの白色,結晶性固体材料が得られる。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表1及び図1に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す形Aを示す。10℃/分の加熱速度で赤外線分光法と一緒に熱重量分析による得られた固体の更なる調査は、50℃〜200℃の間で水をほぼ連続放出しながら約3%の水分含量を示す。サンプルは200℃を超えた温度で分解し始める。
【0136】
表1:形Aに関する格子面間隔(D−Spacing)
【0137】
【表1】
【0138】
例A2:多形体形Aの安定性
105mgの多形体A(例A1)を1.0mlのt−ブチルメチルエーテル(TBME)に懸濁させる。懸濁液を窒素雰囲気下で約18時間室温で攪拌し,濾過し、ついで白色固形残渣を空気下で乾燥させる。収量:103mgの結晶性白色固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンにしたがって形Aに依然として対応する。
【0139】
A3:多形体形Aの安定性
90mgの多形体A(例A1)を2.0mlのテトラヒドロフラン(THF)に懸濁させ、生じた懸濁液を5日間空気中、室温で攪拌し,濾過し、ついで白色固形残渣を空気下に乾燥させる。収量:85mgの結晶性白色固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンにしたがって形Aに依然として対応する。
【0140】
例A4:多形体形Aから(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造方法
多形体形A(例A1)としての(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド94mgを、4.0mlのガラスビン中で窒素下に1.0mlのエタノールに懸濁させる。得られた懸濁液を23℃の温度で約18時間攪拌する。この時間後、白色懸濁液を濾過して、得られた結晶性固体を23℃で窒素雰囲気下に約1時間乾燥させる。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表2及び図2に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す形Bを示す。
【0141】
表2:形Bに関する格子面間隔
【0142】
【表2】
【0143】
例A5:(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
337mgの(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを0.5mlの再蒸留水の溶解させる。300μLのこの水性溶液を10.0mlのエタノールを有する22mlのガラスビン中に滴加する。この水溶液をエタノールに添加しながら,白色懸濁液を生じさせ、これを23℃で約15時間更に攪拌する。その後、濾過し、ついで窒素下に23℃で約1時間乾燥させることによって白色結晶性材料を得る。収量は74mgである。得られた固体の検査は、例A4に記載されたのと同一である粉末X−線回折パターン及びラマンスペクトルを示す。
【0144】
例A6:(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
337mgの(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを0.5mlの再蒸留水に溶解させる。300μLのこの水溶液を、10.0mlの酢酸を有する22mlのガラスビンに滴加する。この水溶液を酢酸に添加しながら,白色懸濁液を生じさせ、これを23℃で約15時間さらに攪拌する。その後、白色結晶性材料が、濾過し、ついで窒素下に約2時間及び23℃で乾燥させることによって得られる。収量は118mgである。得られた固体のラマン分光法による検査は、例A4に記載されたのと同一であるスペクトルを示す。
【0145】
例A7:(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
1.0gの(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを試験管中で4mlの再蒸留水に添加する。この水溶液をガラスビン中で室温で20mlの100%酢酸に添加する。ゼラチン様沈殿を生じさせ、数分以内に溶解させる。ついで16mlのテトラヒドロフランを添加して、溶液に多形体B結晶を結晶種としていれる。10分間室温で攪拌の間に、懸濁液を生じさせる。この懸濁液を0℃に冷却し、ついで1時間この温度で放置する。沈殿を濾過し,テトラヒドロフランで洗浄し、ついで減圧下に17時間20℃及び10ミリバールで乾燥させる。得られた0.74gのベージュ結晶は多形体形Bであって,これは例A4に記載されたのと同一である粉末X−線回折パターン及びラマンスペクトルを示す。
【0146】
例A8:水和物形Cとエタノール性溶媒和物形Gの混合物から、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
60.5mgの水和物形C(例B1)及び60.6mgのエタノール性溶媒和物形G(例C1)を1.0mlのエタノール(EtOH)に窒素下に懸濁させる。スラリーを室温で一晩攪拌し,濾過して、空気中で乾燥させる。収量:96.4mgの白色結晶性固体,これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンにしたがう形Bに相当する。
【0147】
例A9:多形体形Bとエタノール性溶媒和物形Gの混合物から、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
60.4mgのエタノール性溶媒和物形G(例C1)及び60.3mgの多形体形B(例A4)を窒素雰囲気下で1.0mlのエタノールに懸濁させ,一晩室温で攪拌し,濾過し、ついで空気中で乾燥させる。収量:86.4mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0148】
例A10:水和物形Cと多形体形Bの混合物から、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
60.7mgの多形体形B(例A4)及び60.5mgの水和物形C(例B1)を窒素下に1.0mlのEtOHに懸濁させる。生じた懸濁液を一晩室温で攪拌し,濾過し、ついで空気中で乾燥させる。収量:86.6mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0149】
例A11:多形体形A(例A1)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
105mgの多形体形A(例A1)を2.5重量%の水を含有する2.0mlのTHFに懸濁させる。懸濁液を室温で窒素雰囲気下で約48時間攪拌し,濾過して、窒素下に20時間室温で乾燥させる。収量:91mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0150】
例A12:水和物形E(例B8)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
115mgの水和物形E(例B8)を1.5mlのEtOHに懸濁させる。懸濁液を室温で窒素雰囲気下で約22時間攪拌し,濾過して、窒素下に乾燥させる。収量:75mgの白色結晶性固体。れはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0151】
例A13:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
205mgの多形体形B(例A4)を5重量%の水を含有する2.0mlのイソプロパノール(IPA)に懸濁させる。懸濁液を24時間、室温で攪拌し,ついで濾過して53%の相対湿度下に空気中で乾燥させる。収量:116mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0152】
例A14:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
205mgの多形体形B(例A4)を5重量%の水を含有する2.0mlのIPAに懸濁させる。懸濁液を24時間3℃で攪拌し、ついで濾過して53%の相対湿度下に空気中で乾燥させる。収量:145mgの白色,結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0153】
例A15:多形体形A(例A1)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
203mgの多形体形A(例A1)を2.0mlのIPAに懸濁させ、懸濁液を40℃で18時間攪拌し,濾過し、ついで空気中で室温で乾燥させる。収量:192mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0154】
例A16:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
200mgの多形体形B(例A4)を800μLの水に溶解させる。4.0mlの酢酸、ついで3.0mlのTHFを添加して、生じた懸濁液を室温で19時間攪拌する。固体を濾過して、空気中で室温で乾燥させる。収量:133mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0155】
例A17:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
256mgの多形体形B(例A4)を4.0mlの酢酸/H2O(4:1)に溶解させ、ついで4.0mlの酢酸を添加する。生じた懸濁液を20℃で約20時間攪拌し,濾過し、ついで空気中で4時間乾燥させる。収量:173mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0156】
例A18:酢酸溶媒和物形I(例C7)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
51mgの酢酸溶媒和物形I(例C7)を1.0mlのEtOHに懸濁させ、7mgの形Bを用いて結晶種つけする。懸濁液を20時間室温で攪拌し,濾過して、空気中で室温で乾燥させる。収量:52mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0157】
例A19:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
304mgの多形体形B(例A4)を10.0mlの酢酸に懸濁させ、100μLの水を添加する。懸濁液を13℃に冷却し,5mgの形Bを用いて結晶種つけし,13℃16時間攪拌し,濾過し、ついで窒素下に室温で乾燥させる。収量:276mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0158】
例A20:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
304mgの多形体形B(例A4)を5.0mlのIPAに懸濁させ、100μLの水を添加する。懸濁液を3℃に冷却し、3℃で16時間攪拌し,濾過し、ついで窒素下に室温で乾燥させる。収量:272mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0159】
例A21:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
296mgの多形体形B(例A4)を15mlのメタノールに50℃で溶解させる。溶液を5℃に冷却して、約9mlの溶剤を蒸発させる。ついで得られた懸濁液の攪拌を10℃で30分間続ける。懸濁液を濾過し、ついで固形残渣を窒素下に室温で乾燥させる。収量:122mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0160】
例A22:多形体形K(例A28)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
116mgの多形体形K(例A28)及び7mgの多形体形Bを2.0mlのIPAに懸濁させる。懸濁液を35℃で約20時間攪拌し,濾過し、ついで空気中で40℃で約1時間乾燥させる。収量:98mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0161】
例A23:水和物形E(例B8)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
120mgの水和物形E(例B8)を10mlのEtOHに懸濁させる。得られた懸濁液を室温で15時間攪拌し,濾過し、ついで窒素下に室温で乾燥させる。収量:98mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0162】
例A24:(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの安定性試験
a)保存安定性
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bを8ヶ月間ミニグリップバッグ中で40℃及び75%の相対湿度で保存する。生成物の純度を種々の間隔でHPLCによって測定する。その結果を表3中に示す。
【0163】
表3:
【0164】
【表3】
【0165】
結果から多形体形Bの並外れた、予期されない高い保存安定性が実証される。これは多形体形Bを安定な有効物質の製造及び調合物の製造のプロセスシングに及び安定な薬剤の保存に特に適させる。
【0166】
b)次の種々の条件下での多形体形Bの処理は、試験後に回収される形体形Bに影響しない:
128.2mgの多形体形Bを窒素下に1.0mlのメタノール(MeOH)に懸濁させる。白色懸濁液を5時間室温で攪拌し,濾過して、窒素下に室温で乾燥させる。収量:123.4mgの白色結晶性固体,多形体形B。
【0167】
123.2mgの多形体形B窒素下に2.0mlのEtOHに懸濁させる。白色懸濁液を、一晩室温で攪拌し,濾過し、ついで窒素下に室温で乾燥させる。収量:118.6mgの白色結晶性固体,多形体形B。
【0168】
117.5mgの多形体形Bを窒素下に2.0mlのアセトンに懸濁させる。白色懸濁液を一晩室温で攪拌し,濾過して、窒素下に室温で乾燥させる。収量:100.3mgの白色結晶性固体,多形体形B。
【0169】
124.4mgの多形体形Bを窒素下に2.0mlの2−プロパノールに懸濁させる。白色懸濁液を一晩室温で攪拌し,濾過して、窒素下に室温で乾燥させる。収量:116.1mgの白色結晶性固体,多形体形B。
【0170】
100.2mgの多形体形Bを2.0mlのEtOHに空気中で懸濁させる。白色懸濁液を空気中で週末にかけて室温で攪拌し,濾過し、ついで空気中で室温で乾燥させる。収量:94.2mgの僅かに黄色結晶性固体,多形体形B。119.1mgのこの僅かに黄色の結晶性固体,多形体形Bを窒素下に1.0mlのTHFに懸濁させる。白色懸濁液を約20時間室温で攪拌し,濾過して、空気中で室温で乾燥させる。収量:114.5mgの僅かに黄色の結晶性固体,多形体形B。
【0171】
126mgの多形体形Bを2重量%の水を含有する2.0mlのアセトニトリルに懸濁させる。懸濁液を約20時間室温で窒素雰囲気下で攪拌し,濾過し、ついで窒素下に乾燥させる。収量:116mgの結晶性白色固体,多形体形B。
【0172】
122mgの多形体形Bを2重量%の水を含有する2.0mlの酢酸エチルに懸濁させる。懸濁液を室温で窒素雰囲気下で約23時間攪拌し,濾過し、ついで空気中で乾燥させる。収量:92mgの結晶性白色固体,多形体形B。
【0173】
366mgの多形体形Bをオープン容器中で空気下75%の相対湿度で40℃で5日間保存する。固体はこの保存期間の後高められた温度で依然として多形体形Bである。
【0174】
例A25:多形体形A(例A1)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Fの製造
102mgの多形体形A(例A1)を1.0mlのIPAに懸濁させる。懸濁液を室温で窒素雰囲気下で約9時間攪拌し,濾過して、空気中で乾燥させる。収量:102mgのa結晶性白色固体。得られた固体の粉末X−線回折及びラマン分光法による検査は、結晶形Fを示す。TG−FTIR:25〜200℃の間で1.3%の重量損失は水に起因する。
【0175】
例A26:多形体形A(例A1)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Fの製造
97mgの多形体形A(例A1)を2.0mlのIPAに懸濁させる。懸濁液を10℃で22時間攪拌し,濾過し、ついで窒素下に室温で乾燥させる。収量:58mg。結晶性白色固体は多形体形Fであり、これは表4及び図6に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す。
【0176】
表4:形Fに関する格子面間隔
【0177】
【表4】
【0178】
例A27:多形体形E(例B8)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Jの製造
250mgの(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Eを5.0mlの酢酸及び1.0mlの水に懸濁させる。この溶液に、4.0mlのTHFを添加して、生じた懸濁液を5℃に徐々に冷却する。攪拌を約16時間続け、懸濁液を濾過して、得られた結晶性固体を減圧下に環境温度で乾燥させる。収量:179mgの結晶性白色固体。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表5及び図10に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形J示す。TG−FTIR:25〜200℃の間で0.6%の重量損失は水に起因する。
【0179】
表5:形Jに関する格子面間隔
【0180】
【表5】
【0181】
例A28:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Kの製造
2.00gの(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド形B及び0.2gのアスコルビン酸を8.0mlの水に溶解させる。ついで,40mlの酢酸をこの溶液に添加し、ついで30mlのTHFを徐々に添加して、結晶化を誘発する。生じた懸濁液を0℃に冷却し、攪拌を0℃で約1時間続け、その後固体を濾過によって分離し、約5mlのエタノール(0℃)で洗浄する。得られた結晶性固体をついで再度30mlのエタノールに0℃で懸濁させ、生じた懸濁液を0℃で約2時間攪拌し、懸濁液を濾過して、得られた結晶を5mlのエタノール(0℃)で洗浄する。得られた結晶を30℃で減圧下(8ミリバール)に約16時間乾燥させる。収量:1.36gの白色結晶性固体。得られた固体の粉末X−線回折及びラマン分光法による検査は、表6及び図11に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形K示す。TG−FTIR:25〜200℃の間で0.6%の重量損失は示す。この%は水に起因する。
【0182】
表6:形Kに関する格子面間隔
【0183】
【表6】
【0184】
B)(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形の製造例B1:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Cの製造
116mgの多形体形Bを50μLの水を含有する1.0mlのアセトニトリルに懸濁させる。この懸濁液を室温で約22時間攪拌し,濾過し、ついで空気中で室温で乾燥させる。収量:140mgの結晶性白色固体(形Cと呼ぶ)。TG−FTIRは25〜200℃の間で5.3%の重量損失を示す。これは水に起因すると考えられ、そして一水和物を示す。DSC:融点ほぼ153℃,ΔH〜31J/g。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表7及び図3に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形C示す。
【0185】
表7:形Cに関する格子面間隔
【0186】
【表7】
【0187】
例B2:(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Cの安定性
71mgの水和物形C(例B1)を52%の相対湿度下で、室温で17日間保存する。水和物形Cは維持される。
【0188】
例B3:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Dの製造
1.0mlの水中に330mgの多形体形B(例A4)を有する溶液を製造する。600μLのこの溶液を10.0mlの2−プロパノールに室温でに滴加して、約2時間攪拌する。沈殿した固体を濾過して、室温で空気中で乾燥させる。収量:180mgの結晶性白色固体(形Dと呼ぶ)。TG−FTIRは25〜200℃の間で4.8%の重量損失を示す。これは水に起因する。カールフッシャー滴定は水分含量6%を生じる。DSC:融点ほぼ153℃,ΔH〜111J/g。得られた固体の粉末X−線回折及びラマン分光法による検査は、表8及び図4に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形D示す。
【0189】
表8:形Dに関する格子面間隔
【0190】
【表8】
【0191】
例B4:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Dの製造
246mgの多形体形B(例A4)を4.0mlのIPA/H2O(4:1)に40℃で懸濁させる。4.0mlのIPAをついで添加して、溶液を20℃に冷却する。生じた懸濁液を約20時間20℃で攪拌する。固体濾過して、空気中で室温で約4時間乾燥させる。例B3の結晶性固体との比較は、水和物形Dの形成を示す。
【0192】
例B5:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Dの製造
252mgの多形体形B(例A4)を4.0mlのIPA/H2O(4:1)に40℃で懸濁させる。4.0mlのIPAを添加して、溶液を5℃に徐々に冷却する。25℃で,形Dに対する5mgの種結晶を添加する。温度を室温に換える。懸濁液を40時間攪拌し,濾過し、ついで空気中で5時間室温で乾燥させる。例B3の結晶性固体との比較は、水和物形Dの形成を示す。
【0193】
例B6:水和物形C(例B1)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Dの製造
700mgの水和物形C(例B1)をIPA/H2O(9:1)に懸濁させる。懸濁液を5時間室温で攪拌し,濾過して、固体を空気中で室温で乾燥させる。収量:470mgの白色の結晶性固体(水和物形Dに相当)。
【0194】
例B7:イソプロパノール中で(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Dの処理
105mgの水和物形D(例B3)を2.0mlのIPAに懸濁させる。懸濁液を室温で約18時間攪拌し,濾過し、ついで固体を空気中で室温で約4時間乾燥させる。得られた固体は、未変化の水和物形Dである。
【0195】
例B8:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Eの製造
489mgの多形体形B(例A4)を1.0mlの水に溶解させる。水溶液を5℃で20mlのTHFに添加する。生じた懸濁液を約20時間5℃で攪拌し、濾過して、窒素下に室温で乾燥させる。
【0196】
収量:486mgの結晶性の黄白色固体(形Eと呼ぶ)。TG−FTIRは25〜200℃の間で10.8%の重量損失を示す。これは水に起因する。カールフッシャー滴定は水分含量11.0%を生じ、これは二水和物を示唆させる。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表9及び図5に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形E示す。
【0197】
表9:形Eに関する格子面間隔
【0198】
【表9】
【0199】
例B9:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Eの製造
10mlのTHFを5℃に冷却し、ついで約160mgの多形体形B(例A4)を含有する400μLの濃縮水溶液を攪拌下に滴加する。生じた懸濁液を5℃で約2時間攪拌し,ついで沈殿した固体を濾過して、空気中で室温で乾燥させる。収量:123.2mgの黄白色結晶性固体(水和物形Eに相当)。
【0200】
例B10:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Eの製造
306mgの多形体形B(例A4)を1.5mlの水に溶解させる。水を水溶液から窒素下に室温で蒸発乾固する。黄白色結晶性残渣は水和物形Eに相当する。
【0201】
例B11:多形体形A(例A1)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Eの製造
71mgの多形体形A(例A1)を空気中で52%の相対湿度下に室温で17日間保存する。得られた黄白色結晶性固体は水和物形Eに相当する。この固体を空気中で52%の相対湿度下に室温で17日間保存した場合、水和物形Eが維持される。
【0202】
例B12:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形E
200mgの多形体形B(例A4)を800μLの水に溶解させる。4.0mlの酢酸、ついで3.0mlのTHFを溶液に添加する。懸濁液を0℃で19時間攪拌し,固体を濾過し、空気中で室温で乾燥させる。収量:159mgの黄白色結晶性固体(水和物形Eに相当)。
【0203】
例B13:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Hの製造
250mgの多形体形B(例A4)を混合物of5.0mlの酢酸と1.0mlの水の混合物に溶解させる。この溶液に、10mlのTHFを非−溶剤として添加する。得られた懸濁液を0℃に冷却し、ついで18時間0℃で攪拌する。THFの添加後、ガラスビンの空隙容量を窒素でパージし、キャップを閉じる。固体を濾過し、24時間室温で減圧下に乾燥させる。収量:231mgの結晶性黄白色固体(形Hと呼ぶ)。TG−FTIRは25〜200℃の間で6.5%の重量損失を示す。これは水に起因する。カールフッシャー滴定は水分含量6.34%を生じる。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表10及び図8に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形H示す。
【0204】
表10:形Hに関する格子面間隔
【0205】
【表10】
【0206】
例B14:多形体形F(例A26)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Oの製造
約50mgの多形体形F(例A26)を厚さ0.8mmの粉末X−線回折サンプルホルダー(TTKタイプ,Anton Paar GmbH, Graz, オーストリアから得られる)上に置く。調製されたサンプルホルダーを、Philips X’Pert粉末X−線回折メーターの密閉サンプル室中に置き、ついでサンプル室を窒素でパージし、一部水蒸気で満たし、約52%の相対湿度を生じさせる。約24時間の露光時間の後、粉末X−線回折パターンを記録する。粉末X−線回折による得られた固体サンプルの検査は、表11及び図15に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形O示す。
【0207】
表11:形Oに関する格子面間隔
【0208】
【表11】
【0209】
C)(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの溶媒和物形の製造
例C1:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Gの製造
245mgの多形体形B(例A4)を4.0mlのエタノールに懸濁させる。0.5mlの水を添加し、ついで混合物を70℃い加熱して形Bを溶解させる。溶液を10℃に冷却する。2mlのエタノールを添加し、生じた懸濁液を約4時間10℃で攪拌する。固体を濾過し、約30分間、窒素の僅かな流れの下に室温で乾燥させる。収量:190mgの結晶性白色固体(形Gと呼ぶ)。TG−FTIR25〜200℃の間で11.5%の重量損失を示す。これはエタノールの損失に起因し、エタノール性溶媒和物を示唆させる。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表12及び図7に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形G示す。
【0210】
表12:形Gに関する格子面間隔
【0211】
【表12】
【0212】
例C2:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Gの製造
200mgの多形体形B(例A4)を400μLの水に溶解させ、ついで10mlのエタノールの添加で沈殿させる。沈殿を生じさせて、懸濁液を17時間0℃で攪拌する。固体を濾過して、空気中で室温で約1時間乾燥させる。収量:161mgの結晶性白色固体(エタノール性溶媒和物G(例C1)に相当)。
【0213】
例C3:水和物形E(例B8)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Lの製造
104mgの水和物形E(例B8)をエタノールに溶解させて、懸濁液を4℃で約16時間攪拌する。固体を濾過して、窒素下に室温で乾燥させる。収量:100mgの結晶性白色固体(形Lと呼ぶ。)。TG−FTIRは25〜200℃の間で9.1%の重量損失を示す。これはエタノール及び水に起因する。この重量損失は混合水/エタノール性溶媒和物を示唆させる。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表13及び図12に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形L示す。
【0214】
表13:形Lに関する格子面間隔
【0215】
【表13】
【0216】
例C4:形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Lの製造
2.0gの形B(例A4)を3.0mlの水に溶解させる。この溶液を70mlの無水エタノール(変性されていない)に室温で徐々に添加する。約300mgのアスコルビン酸を水溶液に添加して、空隙容量の懸濁液を窒素でパージし、酸化を防ぐ。生じた懸濁液を0℃に冷却して、この温度で約3時間攪拌する。その後懸濁液を濾過し、固形残渣を6.0gのエタノールで洗浄して、18時間35℃で減圧(8ミリバール)下に乾燥させる。収量:1.41g。
【0217】
TG−FTIRは25〜200℃の間で3.0%の重量損失を示す。これは水に起因する。この結果は、形Lがエタノール性溶媒和物の形で,又は混合エタノール性溶媒和物/水和物の形で,又は少量の水を含有する非溶媒和形Cとして存在することができることを示唆させる。固形残渣は粉末X−線回折パターンと例のそれと比較によって示される通りの形Lからなる。
【0218】
例C5:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Mの製造
120mgの(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形B(例A4)を100mlの無水エタノール40℃で溶解させる。この溶液を窒素の僅かな流れの下に蒸発乾固させる。得られた結晶性白色固体を形Mと呼ぶ。TG−FTIRは25〜200℃の間で9.1%の重量損失を示す。これはエタノール及び水に起因し,混合された水/エタノール溶媒和物を示唆させる。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、固形残渣が表14及び図13に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形Mを示す。
【0219】
表14:形Mに関する格子面間隔
【0220】
【表14】
【0221】
例C6:エタノール性溶媒和物形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Nの製造
250mgの形B(例A4)をイソプロパノールと水(4:1)の混合物4.0mlに溶解させる。この溶液に、4.0mlのIPAを徐々に添加し、生じた懸濁液をis cooled to 0℃に冷却して、約18時間この温度で攪拌する。懸濁液を濾過して、固形残渣を4mlのイソプロパノールを用いて室温で洗浄する。ついで得られた結晶性材料を30℃及び減圧(8ミリバール)で約18時間乾燥させる。収量:150mg。TG−FTIRは25〜200℃の間で9.0%の重量損失を示す。これは、イソプロパノール及び水に起因する。この結果は、形Nがイソプロパノール溶媒和物の形で,又は混合イソプロパノール溶媒和物/水和物の形で,又は少量の水を含有する非溶媒和形Cとして存在することができることを示唆させる。粉末X−線回折による検査は、固形残渣が表15及び図14に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す形Nからなることを示す。
【0222】
表15:形Nに関する格子面間隔
【0223】
【表15】
【0224】
例C7:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの酢酸溶媒和物形Iの製造
252mgの多形体形B(例A4)を、40℃で4.0mlの酢酸/水(4:1)に溶解させる。ついで4.0mlの酢酸を添加して、この溶液を5℃に冷却する。生じた懸濁液を66時間攪拌する。固体を濾過して、空気中で5時間室温で乾燥させる。収量:190mgの結晶性白色固体(形Iと呼ぶ。)。TG−FTIRは、形Iが約12.7重量%の酢酸を含有することを示し、これは酢酸溶媒和物を示唆する。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表16及び図9に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形Iを示す。
【0225】
表16:形Iに関する格子面間隔
【0226】
【表16】
【0227】
実験:
粉末X−線回折(PXRD):PXRDを、CuKα放射線を用いてPhilips 1710で又はPhilips X’Pert粉末X−線回折メ−タによって行う。格子面間隔を2θからCuKα1放射線1.54060Aの波長を用いて算出する。X−線管を電圧45kV(又はX’Pert装置で40kV)及び電流45mA(又はX’Pert装置で40mA)で操作する。ステップサイズ0.02°,及び1つのステップあたりカウント時間2.4秒を適用する。一般に,2θ値は±0.1−0.2°も誤差範囲内である。したがって、格子面間隔値の実験誤差はピークロケーション(the peak location)に依存する。
【0228】
TG−FTIR:熱重量測定を、Bruker FTIR Spectrometer Vector 22(ピンホールのあるサンプルパン,N2雰囲気,加熱速度10K/分)に連結されたNetzsch Thermo−Micro−balance TG 209を用いて行う。
【0229】
ラマン分光法:FT−ラマンペクトルを、近赤外Nd:1064nmで操作するYAGレイザー及び液体窒素−冷却されたゲルマニウム検出器を有するBruker RFS 100 FT−ラマンシステムで記録する。各サンプルに対して、2cm−1の分解能で64スキャンを見積もる。一般に,300mWのレイザー出力を使用する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形及びその水和物及び溶媒和物に関する。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形及びその水和物及び溶媒和物の製造方法に関する。本発明はまた選択された及び安定な(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形又はその水和物、及び薬学的に許容し得るキャリヤーを含む調合物に関する。
【背景技術】
【0002】
フェニルアラニンから神経伝達物質のカテコールアミンをバイオ合成する際に、式(I)
【0003】
【化1】
【0004】
で表わされるテトラヒドロビオプテリン補助因子,(6R)−2−アミノ−4−オキソ−6−[(1R,2S)−1,2−ジヒドロキシプロピル]−5,6,7,8−テトラヒドロプテリジンがフェニルアラニン及びチロシンの1原子酸素添加工程で必要されることは周知である。カテコールアミンバイオ合成は大部分テトラヒドロビオプテリン補助因子によって調節されること,及び中枢神経系中の補助因子の減少はいくつかの神経疾患、たとえばパーキンソン症候群及び異型フェニルケトン尿症の原因となることが考えられる。したがって式Iで表わされる化合物は、これを必要とする哺乳類において上記疾患の有効な治療剤である。
【0005】
式Iで表わされる化合物は、取り扱いが困難であり、そしてそれ故にこれを製造し、窒素下に密封されたアンプル中でさえその二塩酸塩として提供され(非特許文献1)、その吸湿性性質及び酸化に対する感受性によるその物質の分解を阻止する。特許文献1に、(6R)−及び6(S)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドをそのジアステレオマーに分割することは、6(R,S)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの悪い結晶性が原因で困難であると開示されている。特許文献2に、固体テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドが中間体として得られるテトラヒドロビオプテリンの製造が記載されている。S. Matsuura等は、非特許文献2中に6(R)−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを、非特許文献3に記載されたX−線解析によって特徴づけられる無色針状形にある結晶性固体として記載している。6.81°の施光性が、結晶性生成物で測定され、その生成物は特許文献3の例6で白色結晶の形にある結晶性固体に関して報告された6.51°の施光性に極めて類似する。
【0006】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド開発の研究及び作成の間に得られた結果は、公知の結晶性固体をd−値(オングストローム):
8.7(vs),6.9(w),5.90(vw),5.63(m),5.07(m),4.76(m),4.40(m),4.15(w),4.00(s),3.95(m),3.52(m),3.44(w),3.32(m),3.23(s),3.17(w),3.11(vs),3.06(w),2.99(w),2.96(w),2.94(m),2.87(w),2.84(s),2.82(m),2.69(w),2.59(w),2.44(w)
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンが測定される形Bと呼ぶことができることを明らかにした。固有X−線粉末回折パターンを図2に示す。
【0007】
ここで及び下記以降で、括弧内の略字は次の意味を示す:(vs)=極めて強い強度;(s)=強い強度;(m)=中程度の強度;(w)=弱い強度;及び(vw)=極めて弱い強度。
【0008】
多形体Bは、約20℃を超える最高の熱力学的安定性を有する僅かに吸湿性無水物である。更に,形Bはその熱安定性、目標条件による製造可能性、その適する形学及び粒子サイズの故に容易に処理され、取り扱うことができる。融点は260℃(ΔHf>140J/g)に近
いが,融解前及び融解中での分解のために明確な融点を検出することができない。これらの顕著な性質は、高められた温度で製造される医薬(pharmaceutical application)に対して多形体形Bを特に適さなくする。多形体Bを0.2μm〜500μmに及ぶ粒子サイズを有する微粉末として得らることができる。
【特許文献1】米国特許第(A)4649197号明細書
【特許文献2】欧州特許公開第0079574号(A1)公報
【特許文献3】欧州特許公開第0191335号(A2)公報
【非特許文献1】Schircks Laboratories, CH−8645 Jona, スイス
【非特許文献2】Chemistry Letters 1984, pages 735−738 and Heterocycles, Vol. 23, No. 12, 1985 pages 3115−3120
【非特許文献3】J. Biochem. 98, 1341−1348 (1985)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし,製造及び製剤化(formulation)の間の安全な取り扱いのために申し分のない化学及的び物理的安定性を有し、並びに高い保存安定性をその純粋な形又は製剤形に提供する(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドのその他の安定な形が必要である。更にコントロールされた方法で大規模に,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体B及びその他の結晶形を製造する方法に対する強い要求がある。
【0010】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの開発中に得られた結果は、この化合物が多形体形及び溶媒和物を含む、種々の結晶形で存在することができることを示した。この分野で持続する興味は、個々の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形の有効な及び信頼のある製造方法及び結晶形−−−−−−−−これは調合物の製造及び調製で好ましくは安定であり、そして取り扱い易く及び処理しやすく,そして物質形で又は調合生成物(formulated product)として高い保存安定性を提供するか,あるいは安定な形の製造に対する調節された結晶化のための中間体として適する、あまり安定でない形を提供する−−−−−−−−−−をもたらすために、調節された結晶化条件を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1.(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形
多形体形A,B,F,J及びKは水和物であって,これらは環境温度で屋外湿度にさらされた場合、最高約3重量の水を吸収する。
【0012】
本発明の第一の対象は、d−値(オングストローム):
15.5(vs),12.0(m),4.89(m),3.70(s),3.33(s),3.26(s),及び3.18(m);
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Aと呼ぶ。)である。
【0013】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
15.5(vs),12.0(m),6.7(m),6.5(m),6.3(w),6.1(w),5.96(w),5.49(m),4.89(m),3.79(m),3.70(s),3.48(m),3.45(m),3.33(s),3.26(s),3.22(m),3.18(m),3.08(m),3.02(w),2.95(w),2.87(m),2.79(w),2.70(w);
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Aと呼ぶ。)を含む。
【0014】
別の好ましい実施態様において,本発明は波数(cm−1):
2934(w),2880(w),1692(s),1683(m),1577(w),1462(m),1360(w),1237(w),1108(w),1005(vw),881(vw),813(vw),717(m),687(m),673(m),659(m),550(w),530(w),492(m),371(m),258(w),207(w),101(s),87(s)cm−1,
で表わされる固有のラマンバンドを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Aと呼ぶ。)を含む。
【0015】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図1に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体Aを含む。
【0016】
多形体Aは僅かに吸湿性であり、そして約3重量%の含量まで水を吸収し、10℃/分の速度で加熱した場合、水を50℃〜200℃で連続的に放出する。多形体Aは、形Bに対してメタ−安定形である吸湿性無水物である。しかし,これはきつく密閉された容器中に維持された場合、数ヶ月にわたって安定である。形Aは、安定な多形体形を製造する中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Aを、主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0017】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
17.1(vs),4.92(m),4.68(m),3.49(s),3.46(vs),3.39(s),3.21(m),及び3.19(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Fと呼ぶ。)である。
【0018】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
17.1(vs),12.1(w),8.6(w),7.0(w),6.5(w),6.4(w),5.92(w),5.72(w),5.11(w),4.92(m),4.86(w),4.68(m),4.41(w),4.12(w),3.88(w),3.83(w),3.70(m),3.64(w),3.55(m),3.49(s),3.46(vs),3.39(s),3.33(m),3.31(m),3.27(m),3.21(m),3.19(m),3.09(m),3.02(m),及び2.96(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Fと呼ぶ。)を含む。
【0019】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図6に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体Fを含む。
【0020】
多形体Fは僅かに吸湿性であり、そして水を吸収して、約3重量%の含量となり、10℃/分の速度で加熱した場合、水を50℃〜200℃で連続的に放出する。多形体Fはメタ−安定形であり、より低い環境温度で形Aに比べて安定であり、そしてより高い温度で形Bに比べて安定でない吸湿性無水物であり、そして形Fは安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Fを、主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0021】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
14.6(m),3.29(vs),及び3.21(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Jと呼ぶ)である。
【0022】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
14.6(m),6.6(w),6.4(w),5.47(w),4.84(w),3.29(vs),及び3.21(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Jと呼ぶ)を含む。
【0023】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図10に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体Jを含む。
【0024】
多形体Jは僅かに吸湿性であり、空気湿度で取り扱う場合水を吸収する。多形体Jはメタ−安定形及び吸湿性無水物であり,そしてこれを高い相対湿度条件、たとえば75%を超える相対湿度にさらされながら得られる形Eに換えることができる。形Jは中間体として特に安定であり、そして形Jは安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Jを、主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0025】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
14.0(s),6.6(w),4.73(m),4.64(m),3.54(m),3.49(vs),3.39(m),3.33(vs),3.13(s),3.10(m),3.05(m),3.01(m),2.99(m),及び2.90(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Kと呼ぶ。)である。
【0026】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
14.0(s),9.4(w),6.6(w),6.4(w),6.3(w),6.1(w),6.0(w),5.66(w),5.33(w),5.13(vw),4.73(m),4.64(m),4.48(w),4.32(vw),4.22(w),4.08(w),3.88(w),3.79(w),3.54(m),3.49(vs),3.39(m),3.33(vs),3.13(s),3.10(m),3.05(m),3.01(m),2.99(m),及び2.90(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Kと呼ぶ。)を含む。
【0027】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図11に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体Kを含む。
【0028】
多形体Kは僅かに吸湿性であり、そして水を吸収して、約2.0重量%の含量となり、10℃/分の速度で加熱した場合、水を50℃〜200℃で連続的に放出する。多形体Kはメタ−安定形であり、より高い環境温度で形Bに比べて不安定であり、そして形Kは安定な多形体形、特に形Bを生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Kを、主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0029】
2.(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドは、製造方法によって結晶性水和物形C,D,E,H及びOを生じる。
【0030】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
13.9(vs),8.8(m),6.8(m),6.05(m),4.25(m),4.00(m),3.88(m),3.80(m),3.59(s),3.50(m),3.44(m),3.26(s),3.19(vs),3.17(s),3.11(m),2.97(m),及び2.93(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Cと呼ぶ。)である。
【0031】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
18.2(m),15.4(w),13.9(vs),10.4(w),9.6(w),9.1(w),8.8(m),8.2(w),8.0(w),6.8(m),6.5(w),6.05(m),5.77(w),5.64(w),5.44(w),5.19(w),4.89(w),4.76(w),4.70(w),4.41(w),4.25(m),4.00(m),3.88(m),3.80(m),3.59(s),3.50(m),3.44(m),3.37(m),3.26(s),3.19(vs),3.17(s),3.11(m),3.06(m),3.02(m),2.97(vs),2.93(m),2.89(m),2.83(m),及び2.43(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Cと呼ぶ。)を含む。
【0032】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図3に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物Cを含む。
【0033】
水和物形Cは僅かに吸湿性であり、そして約5.5重量%の水分含量を有する。これは形Cが一水和物であることを示す。水和物Cは94℃に近い融点(ΔHfは約31J/gである。)を有し、そして水和物形Cは安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Cを、主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0034】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
8.6(s),5.56(m),4.99(m),4.67(s),4.32(m),3.93(vs),3.17(m),3.05(s),2.88(m),及び2.79(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Dと呼ぶ。)である。
【0035】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
8.6(s),6.8(w),5.56(m),4.99(m),4.67(s),4.32(m),3.93(vs),3.88(w),3.64(w),3.41(w),3.25(w),3.17(m),3.05(s),2.94(w),2.92(w),2.88(m),2.85(w),2.80(w),2.79(m),2.68(w),2.65(w),2.52(vw),2.35(w),2.34(w),2.30(w),及び2.29(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Dと呼ぶ。)を含む。
【0036】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図4に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物Dを含む。
【0037】
水和物形Dは僅かに吸湿性であり、そして約5.0〜7.0重量%の水分含量を有することができる。これは形Dが一水和物であることを示唆させる。水和物Dは153℃に近い融点(ΔHfは約111J/gである。)を有し、そして形Cに比べてはるかに高い安定性であり、そして環境温度で空気湿度にさらした場合でさえ安定である。したがって水和物形Dを、調合物を製造するために使用するか、又は安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として使用することができる。多形体形Dを、主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0038】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
15.4(s),4.87(w),3.69(m),3.33(s),3.26(vs),3.08(m),2.95(m),及び2.87(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Eと呼ぶ。)である。
【0039】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
15.4(s),6.6(w),6.5(w),5.95(vw),5.61(vw),5.48(w),5.24(w),4.87(w),4.50(vw),4.27(w),3.94(w),3.78(w),3.69(m),3.60(w),3.33(s),3.26(vs),3.16(w),3.08(m),2.98(w),2.95(m),2.91(w),2.87(m),2.79(w),2.74(w),2.69(w),及び2.62(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Eと呼ぶ。)である。
【0040】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図5に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物Eを含む。
【0041】
水和物形Eは僅かに吸湿性であり、そして約10〜14重量%の水分含量を有することができる。これは形Eが二水和物であることを示唆させる。水和物Eを室温より低い温度で生じさせる。水和物形Eは、安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。無水形Jを窒素下に又は場合により減圧下に乾燥しながら製造するのに特に適する。形Eは非−吸湿性であり、そしてむしろ高い相対湿度下で、すなわち約60%より高い、また最高約85%の相対湿度で安定である。多形体形Eを主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0042】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
15.8(vs),3.87(m),3.60(m),3.27(m),3.21(m),2.96(m),2.89(m),及び2.67(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エ リスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Hと呼ぶ。)である。
【0043】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
15.8(vs),10.3(w),8.0(w),6.6(w),6.07(w),4.81(w),4.30(w),3.87(m),3.60(m),3.27(m),3.21(m),3.13(w),3.05(w),2.96(m),2.89(m),2.82(w),及び2.67(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Hと呼ぶ。)を含む。
【0044】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図8に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物Hを含む。
【0045】
水和物形Hは約5.0〜7.0重量%の水分含量を有することができる。これは形Hが吸湿性一水和物であることを示唆させる。水和物形Hを室温より低い温度で生じさせる。水和物形Hは、安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Hを主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0046】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
8.8(m),6.3(m),5.65(m),5.06(m),4.00(m),3.88(m),3.69(s),3.64(s),3.52(vs),3.49(s),3.46(s),3.42(s),3.32(m),3.27(m),3.23(s),3.18(s),3.15(vs),3.12(m),及び3.04(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Oと呼ぶ。)である。
【0047】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
15.9(w),14.0(w),12.0(w),8.8(m),7.0(w),6.5(w),6.3(m),6.00(w),5.75(w),5.65(m),5.06(m),4.98(m),4.92(m),4.84(w),4.77(w),4.42(w),4.33(w),4.00(m),3.88(m),3.78(w),3.69(s),3.64(s),3.52(vs),3.49(s),3.46(s),3.42(s),3.32(m),3.27(m),3.23(s),3.18(s),3.15(vs),3.12(m),3.04(vs),2.95(m),2.81(s),2.72(m),2.67(m),及び2.61(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Oと呼ぶ。)を含む。
【0048】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図15に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物Oを含む。
【0049】
水和物形Oを室温に近い温度で生じさせる。水和物形Oは、安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Oを主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0050】
2.(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの溶媒和物形
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドは、製造方法で
使用される溶剤によって結晶性溶媒和物形G,I,L,M及びNを生じる。
【0051】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
14.5(vs),7.0(w),4.41(w),3.63(m),3.57(m),3.49(w),3.41(m),3.26(m),3.17(m),3.07(m),2.97(m),2.95(m),2.87(w),及び2.61(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性エタノール性溶媒和物(以下、形Gと呼ぶ。)である。
【0052】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
14.5(vs),10.9(w),9.8(w),7.0(w),6.3(w),5.74(w),5.24(vw),5.04(vw),4.79(w),4.41(w),4.02(w),3.86(w),3.77(w),3.69(w),3.63(m),3.57(m),3.49(m),3.41(m),3.26(m),3.17(m),3.07(m),2.97(m),2.95(m),2.87(w),及び2.61(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性エタノール性溶媒和物(以下、形Gと呼ぶ。)を含む。
【0053】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図7に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性溶媒和物Gを含む。
【0054】
エタノール性溶媒和物形Gは約8.0〜12.5重量%のエタノール含量を有する。これは形Gが吸湿性モノエタノール性溶媒和物であることを示唆させる。溶媒和物形Gを室温より低い温度で生じさせる。形Gは、安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Gを主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0055】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
14.5(m),3.67(vs),3.61(m),3.44(m),3.11(s),及び3.00(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性酢酸溶媒和物(以下、形Iと呼ぶ。)である。
【0056】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
14.5(m),14.0(w),11.0(w),7.0(vw),6.9(vw),6.2(vw),5.30(w),4.79(w),4.44(w),4.29(w),4.20(vw),4.02(w),3.84(w),3.80(w),3.67(vs),3.61(m),3.56(w),3.44(m),3.27(w),3.19(w),3.11(s),3.00(m),2.94(w),2.87(w),及び2.80(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性酢酸溶媒和物(以下、形Iと呼ぶ。)を含む。
【0057】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図9に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性酢酸溶媒和物Iを含む。
【0058】
酢酸溶媒和物形Iは約12.7重量%の酢酸含量を有する。これは形Iが吸湿性酢酸一溶媒和物であることを示唆させる。溶媒和物形Iを室温より低い温度で生じさせる。酢酸溶媒和物形Iは、安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Iを主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0059】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
14.1(vs),10.4(w),6.9(w),6.5(w),6.1(w),4.71(w),3.46(m),3.36(m),及び2.82(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性混合エタノール性溶媒和物/水和物(以下、形Lと呼ぶ。)である。
【0060】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
14.1(vs),10.4(w),9.5(w),9.0(vw),6.9(w),6.5(w),6.1(w),5.75(w),5.61(w),5.08(w),4.71(w),3.86(w),3.78(w),3.46(m),3.36(m),3.06(w),2.90(w),及び2.82(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性混合エタノール性溶媒和物/水和物(以下、形Lと呼ぶ。)を含む。
【0061】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図12に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性混合エタノール性溶媒和物/水和物Lを含む。
【0062】
形Lは4%、しかし最高13%のエタノール及び0%〜約6%に水を有することができる。約0℃〜20℃の温度でエタノール中で処理した場合、形Lを形Gに変換することができる。更に、環境温度(10℃〜60℃)で有機溶剤中で処理した場合、形Lを形Bに変換することができる。多形体形Lを主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0063】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
18.9(s),6.4(m),及び3.22(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性エタノール性溶媒和物(以下、形Mと呼ぶ。)を含む。
【0064】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
18.9(s),6.4(m),6.06(w),5.66(w),5.28(w),4.50(w),4.23(w),及び3.22(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性エタノール性溶媒和物(以下、形Mと呼ぶ。)を含む。
【0065】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図13に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性エタノール性溶媒和物Mを含む。
【0066】
形M4%、しかし最高13%のエタノール及び0%〜約6%に水を有することができる。これは形Mが僅かに吸湿性エタノール性溶媒和物であることを示唆させる。溶媒和物形Mを室温で生じさせる。形Mは安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。というのは約−10℃〜15℃の温度でエタノール中で処理した場合、形Mを形Gに変換することができ,そして有機溶剤、たとえばエタノール,C3及びC4アルコール,又は環状エーテル、たとえばTHF及びジオキサン中で処理した場合.形Bに変換することができる。多形体形Mを主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0067】
本発明のまた別の対象は、d−値(オングストローム):
19.5(m),6.7(w),3.56(m),及び3.33(vs),3.15(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Nと呼ぶ。)である。
【0068】
より好ましい実施態様において,本発明はd−値(オングストローム):
19.5(m),9.9(w),6.7(w),5.15(w),4.83(w),3.91(w),3.56(m),3.33(vs),3.15(w),2.89(w),2.81(w),2.56(w),及び2.36(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Nと呼ぶ。)を含む。
【0069】
また別の好ましい実施態様において,本発明は図14に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体Nを含む。
【0070】
形Nは全体で最高10%のイソプロパノール及び水を含有することができる。これは,形Nが僅かに吸湿性イソプロパノール溶媒和物であることを示唆させる。形Nは形Dをイソプロパノールで洗浄し、ついで引き続き約30℃で減圧乾燥することによって得ることができる。形Nは安定な多形体形を生じる中間体及び出発化合物として特に適する。多形体形Nは主に1μm〜約500μmに及ぶ所望の適度の粒子サイズ範囲を有する固形粉末として製造することができる。
【0071】
多形体形の製造に、従来公知の結晶化法,たとえば懸濁液(相平衡で)の攪拌,沈殿,再結晶,蒸発,水のような溶剤吸収法又は溶媒和物の分解を使用することができる。希釈,飽和又は過飽和溶液を、結晶化に適当な核形成剤(nucleating agent)を用いる結晶種の添加又は無添加下で使用することができる。最高100℃の温度を適用して溶液を生じさせることができる。−100℃、好ましくは−30℃に冷却して結晶化及び沈殿の開始を行うことができる。メタ−安定な多形体又は擬似−多形体形を使用して、より安定な形の製造のために溶液又は懸濁液を調製し、ついでその溶液中でより高い濃度を達成することができる。
【0072】
4.(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形の製造多形体形A
多形体形Aは、水中に(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを有する溶液の凍結乾燥又は水の除去によって得られる。本発明の別の目的は、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを環境温度で水に溶解させ,(1)この溶液を固化するために溶液を低温に冷却し,ついで減圧下に水を除去するか,又は(2)その水溶液から水を除去することを含む、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Aの製造方法である。
【0073】
結晶形Aを、濾過し、ついで吸収された水を生成物から蒸発乾固することによって単離することができる。乾燥条件及び方法は周知であって、本発明の方法(2)に従う単離生成物の乾燥又は水の除去を、高められた温度、たとえば最高80℃,好ましくは30℃〜80℃に及ぶ範囲で減圧下に適用して又は高められた温度及び減圧を適用して実施することができる。方法(2)で得られる沈殿の単離前に,懸濁液を相平衡のために所定の時間攪拌することができる。水溶液中の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの濃度は、その溶液に対して5〜40重量%であってよい。
【0074】
環境温度とは30〜120℃の範囲を意味する。低温とは−40℃より低い、好ましくは−60℃より低く、−180℃までの温度を意味する。急冷が出発化合物としての固溶体を得るのに好ましい。溶剤が完全に除去されるまで減圧を行う。凍結乾燥は技術上周知である。溶剤除去を完了するための時間は適用された減圧−−−−−−−これは0.01〜1ミリバールであってよい−−−−−−−−−−−、使用される溶剤及び凍結温度に依存する。
【0075】
多形体形Aは、室温で又は室温より低い温度で実質上水不含条件下で安定である。このことは、それぞれ5日間と18時間窒素下に室温で攪拌されるテトラヒドロフラン又はt−ブチルメチルエーテル中に多形体形Aを有する懸濁液の相平衡試験によって実証される。濾過及び室温での空気乾燥は未変化の多形体形Aを生じる。
【0076】
多形体B
すべての結晶形(多形体,水和物及び溶媒和物)(結晶形Bを含めて)を、最も安定な多形体Bの製造に使用することができる。
【0077】
多形体Bを、適する極性及び非水性溶剤に無定形の又は多形体形B以外の形,たとえば多形体Aを有する懸濁液の相平衡によって得ることができる。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造方法であって、好ましくは(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形B以外の固形粒子を溶剤に分散させ,懸濁液を環境温度で多形体形Bを生じるのに十分な時間攪拌し,その後結晶形Bを単離し、ついで溶剤を単離した形Bから除去することを含む、上記製造方法に関する。
【0078】
環境温度とは、0℃〜60℃,好ましくは20℃〜40℃に及ぶ範囲の温度を意味する。適用される温度は処理及び攪拌の間段階的に又は連続的に温度を下げることによって変化される。適当な溶剤はたとえばメタノール,エタノール,イソプロパノール,その他のC3−及びC4−アルコール,酢酸,アセトニトリル,テトラヒドロフラン,メチル−t−ブチルエーテル,1,4−ジオキサン,酢酸エチル,酢酸イソプロピル,その他のC3−C6−アセテート,メチルエチルケトン及びその他のメチル−C3−C5である。相平衡を終了する時間は、最高30時間、そして好ましくは最高20時間又は20時間未満であってよい。
【0079】
多形体Bはまた最高約5%の水を含む溶剤混合物から,特にエタノール,酢酸及び水の混合物から結晶化することによって得ることができる。本発明は、また(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造方法であって,場合により高められた温度で好ましくは(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Bよりも低いエネルギーの固形を又は(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Bをエタノール,酢酸及び水の溶剤混合物に溶解させ,この溶液に結晶種を添加し,得られた懸濁液を冷却し、ついで形成した結晶を単離することを含む、上記製造方法に関する。
【0080】
溶解は、室温で又は最高70℃,好ましくは最高50℃で実施することができる。溶解のために最終溶剤混合物(final solvent mixture)を使用するか又は出発化合物を予め水に溶解させ、ついでその他の溶剤を2種とも又は1種づつ順番に添加することができる。溶剤混合物の組み合わせは、1:3:2〜1:9:4、及び好ましくは1:5:4の水:酢酸:テトラヒドロフランの容量比から成ることができる。溶液を攪拌するのが好ましい。冷却とは−40℃〜0℃に至る,好ましくは10℃〜30℃に至る温度を意味する。適当な結晶種は別のバッチからの多形体形Bであるか又は類似の又は同一の形学を有する結晶である。単離後,結晶形Bを非−溶剤,たとえばアセトン又はテトラヒドロフランで洗浄し、ついで常法で乾燥させることができる。
【0081】
多形体Bを、非−溶剤、たとえばメタノール,エタノール及び酢酸の添加によって水溶液から結晶化によって得ることができる。結晶化及び単離処理を室温で溶液の冷却なしに有利に実施することができる。したがってこの方法は工業的規模で実施するのに極めて適する。
【0082】
好ましい実施態様において,本発明は(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造方法であって,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形B以外の固形、又は(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Bを水に環境温度で溶解させ,非−溶剤を形A懸濁液に十分な量で添加し、場合によりこの懸濁液を所定の時間攪拌し,ついでその後形成した結晶を単離することを含む、上記製造方法に関する。
【0083】
溶液からの結晶化工程の後に、環境条件下で次の懸濁液平衡を行うことができる。
【0084】
環境温度とは、10〜40℃の範囲の温度,最も好ましい室温を意味することができる。水溶液中の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの濃度は、溶液に対して10〜80重量%,最に好ましくは20〜60重量%であることができる。好ましい非−溶剤は、メタノール,エタノール及び酢酸である。非−溶剤を水溶液に添加することができる。さらに詳しくは、この水溶液を非−溶剤に添加する。懸濁液の形成後の攪拌時間は最高30時間、好ましくは最高20時間又は20時間以内であってよい。濾過による単離及び乾燥を前述のように公知の方法で実施する。
【0085】
多形体形Bは極めて安定な結晶性形であって、これを容易に濾過し、乾燥して、医薬調合物に所望の粒子サイズに粉砕することができる。これらの優れた特性は多形体形Bを特に医薬適用にふさわしくする。
【0086】
多形体F
多形体Fは、多形体形Aの懸濁液を適当な極性及び非−水性溶剤(これは上記低いエネルギー形をほとんど溶解しない),特にアルコールたとえばメタノール,エタノール,プロパノール及びイソプロパノール中での相平衡によって得られる。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Fの製造方法であって,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの固形A粒子を、その(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを室温より低い温度でほとんど溶解しない非−水性溶剤中に分散させ,この懸濁液を上記温度で多形体形Fを生じるのに十分な時間攪拌し,その後結晶形Fを単離して、溶剤を単離した形Fから除去する、上記製造方法に関する。溶剤の除去及び乾燥は、空気、乾燥空気又は乾燥保護ガス、たとえば窒素又は希ガス下に、そして室温で又は室温より低い温度で,たとえば0℃に至る温度で実施することができる。相平衡の間の温度は、好ましくは5〜15℃、最も好ましくは約10℃である。
【0087】
多形体J
多形体Jは、減圧下に適度の温度で形Eの脱水によって得られる。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Jの製造方法であって,形Eを製造し、ついで形Eを減圧乾燥器中で適度の温度、好ましくは25〜70℃、最も好ましくは30〜50℃の範囲の温度で処理することによって形Eから水を除去することを含む、上記方法に関する。
【0088】
多形体K
多形体Kは、少量の水を含む極性溶剤の混合物から、そして少量のアスコルビン酸の存在下に結晶化させることによって得られる。溶剤混合物用溶剤は、酢酸及びアルコール、たとえばメタノール,エタノール,n−又はイソプロパノールから選ばれる。本発明は(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Kの製造方法であって,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを酢酸とアルコール又は少量の水及び少量のアスコルビン酸を有するテトラヒドロフランの混合物に高められた温度で溶解させ,室温未満に温度を低下させ、上記ジヒドロクロライドを結晶化し,沈殿を単離し、単離した沈殿を高められた温度で、場合により減圧下に乾燥させる、上記方法に関する。適当なアルコールはたとえばメタノール,エタノール,プロパノール及びイソプロパノールであって,この場合エタノールが好ましい。酢酸とアルコール又はテトラヒドロフランの割合は2:1〜1:2、好ましくは約1:1であることができる。(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの溶解を、より高い水含量の存在下に実施することができ、そして一層多くの非溶剤混合物を添加して沈殿を終了せさることによって得ることができる。最終調合物中の水量は溶剤混合物に対して0.5〜5重量%であり、そしてアスコルビン酸量は溶剤混合物に対して0.01〜0.5重量%である。溶解に対する温度は、30〜100℃、好ましくは35〜70℃の範囲であることができ、そして乾燥温度は30〜50℃であることができる。沈殿は、単離,たとえば濾過後にアルコールたとえばエタノールで洗浄することができる。多形体Kを、たとえばイソプロパノール中で相平衡し、場合により室温を超える温度、たとえば30〜40℃の温度で形B結晶を結晶種として入れることによって、最も安定な形Bに容易に変換することができる。
【0089】
5.(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形の製造形C
水和物形Cは、環境温度での多形体形の相平衡によって、たとえば多形体B懸濁液を非−溶剤(これは水を溶剤に対して好ましくは約5重量%の量で含有する。)中で相平衡することによって得られる。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Cの製造方法にあって,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを非−溶剤、たとえばヘプタン,C1−C4−アルコールたとえばメタノール,エタノール,1−又は2−プロパノール,アセテート,たとえば酢酸エチル,アセトニトリル,酢酸又はエーテルたとえばテトラヒドロフラン,ジオキサン,t−ブチルメチルエーテル,又はこのような非−溶剤の二元又は三元混合物(これらに一水和物を生じさせるのに十分な水を添加する。)に懸濁させ,ついで懸濁液を環境温度で又は環境温度未満で(たとえば0〜30℃)一水和物を生じさせるのに十分な時間攪拌することを含む、上記方法に関する。十分な水とは、溶剤の量に対して1〜10重量%、好ましくは3〜8重量%の水を意味することができる。固体を濾過して、空気中でほぼ室温で乾燥させる。固体は少量の水を吸収し、したがって5.5重量%の理論値に比べて高い水分含量を有する。水和物形Cは形D及びBに比べて不安定、そして容易に多形体形Bは約40℃の温度で空気中で及びより低い相対湿度で多形体形Bに変換される。形Cを室温で懸濁液平衡によってより安定な水和物Dに変換することができる。
【0090】
形D
水和物形Dは、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの濃縮した水溶液を過剰の非−溶剤たとえばヘキサン,ヘプタン,ジクロロメタン,1−又は2−プロパノール,アセトン,酢酸エチル,アセトニトリル,酢酸又はエーテルたとえばテトラヒドロフラン,ジオキサン,t−ブチルメチルエーテル,又はこのような非−溶剤の混合物にほぼ室温で添加し,ついで懸濁液を環境温度で攪拌することによって得られる。結晶性固体を濾過し、ついで乾燥窒素下に環境温度で乾燥させることができる。好ましい非−溶剤はイソプロパノールである。水溶液の添加は、急な沈殿を避けるために滴加によって行うことができる。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド水和物形Dの製造方法であって,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの濃縮した水溶液を過剰の非−溶剤にほぼ室温で添加して、この懸濁液を環境温度で攪拌することを含む、上記方法に関する。過剰の非−溶剤とは、水溶液と非−溶剤の割合1:10〜1:1000を意味することができる。形Dは一水和物に対して小過剰の水を含有し,そしこの結晶性水和物の僅かに吸湿性質の故に水を吸収すると考えられる。水和物形Dは、公知の水和物のうち環境温度及び70%より少ない相対湿度で最も安定な形であるとみなされる。水和物形Dを、この水和物が安定である条件下で製造される調合物に使用することができる。環境温度とは20〜30℃を意味する。
【0091】
水和物形E
水和物形Eは、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド濃縮した水溶液を約10〜−10℃の温度に冷却された過剰の非−溶剤に添加して、懸濁液をこの温度で攪拌して得られる。結晶性固体を濾過し、ついで乾燥窒素下に環境温度で乾燥させることができる。非−溶剤は、たとえばヘキサン,ヘプタン,ジクロロメタン,1−又は2−プロパノール,アセトン,酢酸エチル,アセトニトリル,酢酸又はエーテルたとえばテトラヒドロフラン,ジオキサン,t−ブチルメチルエーテル,又はこのような非−溶剤の混合物である。好ましい非−溶剤はイソプロパノールである。水溶液の添加は、急な沈殿を避けるために滴加によって行うことができる。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Eの製造方法であって,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド濃縮した水溶液を約10〜−10℃の温度に冷却された過剰の非−溶剤に添加して、懸濁液を環境温度で攪拌することを含む、上記方法に関する。過剰の非−溶剤とは、水溶液と非−溶剤の割合1:10〜1:1000を意味することができる。好ましい非−溶剤はテトラヒドロフランである。別の製造方法は、多形体形Bを相対湿度70〜90%,好ましくは約80%を有する空気雰囲気にさらすことを含む。水和物形Eは二水和物であるとみなされ,それによって少量の付加的な水を吸収することができる。多形体形Eを減圧下に適度な温度(これは0〜100ミリバールの圧力で20℃〜50℃を意味する。)で乾燥しながら多形体Jに移行させることができる。形Eは、高い相対湿度でのその安定性濃度ゆえに、特に半固体形の調合物に適する。
【0092】
形H
水和物形Hは、環境温度で(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを酢酸と水との混合物に溶解させ,ついで非−溶剤を添加して結晶性固体を沈殿させ,得られた懸濁液を冷却して、冷却した懸濁液を所定の時間攪拌することによって得られる。結晶性固体を濾過し、ついで減圧下に環境温度で乾燥させる。非−溶剤はたとえばヘキサン,ヘプタン,ジクロロメタン,1−又は2−プロパノール,アセトン,酢酸エチル,アセトニトリル,酢酸又はエーテルたとえばテトラヒドロフラン,ジオキサン,t−ブチルメチルエーテル,又はこのような非−溶剤の混合物である。好ましい非−溶剤はテトラヒドロフランである。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Hの製造方法であって,環境温度で(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを酢酸と酢酸の量よりも少ない量の水との混合物に溶解させ,非−溶剤を添加し、得られた懸濁液を−10〜10℃、好ましくは−5〜5℃の範囲の温度に冷却して,懸濁液をこの温度である所定の時間攪拌することを含む、上記方法に関する。所定の時間とは1〜20時間を意味する。酢酸対水の重量割合は、2:1〜25:1、好ましくは5:1〜15:1であることができる。酢酸/水対非−溶剤の重量割合は、1:2〜1:5であることができる。水和物形Hは、その吸湿性性質の故に吸収された、僅かに過剰の水を有する一水和物であると考えられる。
【0093】
形O
水和物形Oは、多形体形Fを生じた相対湿度約52%の水蒸気を有する窒素雰囲気に約24時間さらすことによって製造されうる。僅かに吸湿性無水物である形Fを使用して、52%の相対湿度下で形Oを製造することができるとうい事実は、形Oが,環境温度及び湿度条件下で形Fよりも安定である水和物であることを示唆させる。
【0094】
6.(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの溶媒和物形の製造
形G
エタノール溶媒和物形Gは、水に溶解されたL−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを結晶化し、大過剰のエタノールを添加し,得られた懸濁液を環境温度で又は環境温度より低い温度で攪拌し、単離した固体を空気又は窒素下にほぼ室温で乾燥させることによって得られる。この場合,大過剰のエタノールはエタノール及び水(10%より少ない水,好ましくは約3〜6%)の混合物を意味する。本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドのエタノレート形Gの製造方法であって、ほぼ室温〜75℃の温度で(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを水に又は水とエタノールとの混合物に溶解させ,加熱した溶液を室温に、ついで5〜10℃に冷却し,場合によりエタノールを添加して沈殿を終了し,得られた懸濁液を20〜5℃の温度で攪拌し,白色結晶性固体を濾過して、固体を空気又は保護ガス、たとえば窒素下にほぼ室温で乾燥させる上記方法に関する。第一方法(variant)で、処理は、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドをほぼ室温でより低量の水に溶解させ、ついで過剰のエタノールを添加し、得られた懸濁液を相平衡に十分な時間攪拌して行われる。第二方法(variant)で、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドをエタノールに懸濁させ,場合によりより低量の水を添加し、懸濁液を加熱し、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを溶解させ,溶液を約5〜15℃の温度に冷却し,付加的なエタノールを懸濁液に添加し、ついで得られた懸濁液を相平衡に十分な時間攪拌する。
【0095】
形I
酢酸溶媒和物形Iは、L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを酢酸と水との混合物に高められた温度で溶解させ,更に酢酸を溶液に添加し,約10℃の温度に冷却し,ついで生じた懸濁液を約15℃に暖め,ついで得られた懸濁液を相平衡に十分な時間(これは最高3日間続いてよい。)攪拌することによって得られる。ついで結晶性固体を濾過し、空気又は保護ガス、たとえば窒素下にほぼ室温で乾燥させる。
【0096】
形L
形Lは、水和物形Eを室温でエタノールに懸濁させ、懸濁液を0〜10℃,好ましくは約5℃の温度で,相平衡に十分な時間(これは10〜20時間であってよい。)攪拌することによって得られる。ついで結晶性固体を濾過して、好ましくは減圧下に30℃で又は窒素下に乾燥させる。TG−FTIRによる分析は、形Lが変化しうる量のエタノール及び水を含有することができる,すなわち多形体(無水物(anhydrate))として,混合エタノール性溶媒和物/水和物として,又は水和物としてさえ存在することができるこを示唆させる。
【0097】
形M
エタノール溶媒和物形Mは、エタノールにL−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを溶解させ、ついで溶液を窒素下に環境温度で,すなわち10℃〜40℃で蒸発させることによって得られる。形Mは形Gを速度約20〜100ml/分で乾燥窒素の僅かな流れ下で乾燥させることによっても得られる。窒素下での乾燥の程度によって,エタノールの残存量は変化しうる。すなわち約3%〜13%に変化することができる。
【0098】
形N
イソプロパノール形Nは、L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドをイソプロパノールと水の混合物4.0ml(混合容量比たとえば4:1)に溶解させることによって得られる。この溶液にイソプロパノール(IPA,たとえば約4.0ml)を徐々に添加し、生じた懸濁液を0℃に冷却し、数時間(たとえば約10〜18時間)この温度で攪拌する。懸濁液を濾過し、固形残渣をイソプロパノールを用いて室温で洗浄する。ついで得られた結晶性材料を環境温度で(たとえば約20〜30℃)及び減圧(約2〜10ミリバール)で数時間(たとえば約5〜20時間)乾燥させる。TG−FTIRは25〜200℃の間で9.0%の重量損失を示す。これはイソプロパノールと水の双方に起因する。この結果は形Nがイソプロパノール溶媒和物の形で,又は混合イソプロパノール溶媒和物/水和物の形で,又は少量の水を含有する非溶媒和形Cとして存在することができることを示唆させる。
【0099】
本発明の別の目的は、形A,B,D,E,F,J,K,L及びO又はその組み合わせより成る群から選ばれた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの固体結晶形、又は薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤を含む医薬調合物である。
【0100】
上述のように,本発明者は、結晶形Bが見出された結晶形のすべてのうち最も安定な形であることを見出した。結晶形Bは、水和物を形成することなく湿った成分の存在下でさえ特に調合物の種々のタイプ及び広い範囲に適することを見出した。
【0101】
したがって,本発明はまた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの純粋な多形体形B及び薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤を含む医薬調合物を対象とする。
【0102】
原則的に,形A,D,E,F,J,K,L及びOも医薬調合物中の使用に適し、したがって本発明は(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形A,D,E,F,J,K,L及びO及び薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤を含む医薬調合物も対象とする。形A,F,J,K及びLに関して、乾燥調合物成分を使用するのが好ましく、そして生成物を密封容器中に維持して主に水和物の形成を避けることができる。水和物形D,E及びOを、製剤化のために湿った成分の存在下にそのまま使用することができ、そして空気湿度を排除しなければならない。
【発明の効果】
【0103】
本発明者は、驚くべきことに水和物形Dが水和物で最も安定な形であり、そして形B及びDは医薬調合物中に使用されるのに特に適することを見出した。形B及びDはいくつかの利点、たとえば目的の製造,有利な結晶サイズに起因する良好な取り扱い及び形学,種々の調合物の製造条件下での極めて良好な安定性,保存安定性,より高い溶解性及び高いバイオアベイラビリティーを提示する。
【0104】
したがって,本発明は特に(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形B又は水和物形D及び薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤を含む医薬調合物を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】図1は形Aに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図2】図2は形Bに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図3】図3は形Cに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図4】図4は形Dに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図5】図5は形Eに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図6】図6は形Fに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図7】図7は形Gに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図8】図8は形Hに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図9】図9は形Iに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図10】図10は形Jに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図11】図11は形Kに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図12】図12は形Lに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図13】図13は形Mに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図14】図14は形Nに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【図15】図15は形Oに関する固有X−線粉末回折パターンである。
【発明を実施するための形態】
【0106】
以下,結晶形はA,B,D,E,F,J,K,L及びOで表わされる。
【0107】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形の量は、調合物の種類及び投与期間の所望の投薬量に実質上依存する。経口用調合物の量は0.1〜50mg,好ましくは0.5〜30mg,そしてより好ましくは1〜15mgであることができる。
【0108】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形を、ホラート類、たとえば葉酸又はテトラヒドロホラート類と共に使用することができる。テトラヒドロホラート類の例は、テトラヒドロ葉酸,5,10−メチレンテトラヒドロ葉酸,10−ホルミルテトラヒドロ葉酸,5−ホルミルテトラヒドロ葉酸又は好ましくは5−メチルテトラヒドロ葉酸,それらのポリグルタマート類,それらの場合により純粋なジアステレオマー,しかもまたジアステレオマー混合物,特にラセミ混合物,それらの薬学的に許容し得る塩、たとえばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩又はアンモニウム塩,それぞれ単独で,その他のホラートと又は付加的にアルギニンと組み合わせである。結晶形:葉酸又はその塩:アルギニンの重量比は、1:10:10〜10:1:1であることができる。
【0109】
経口用調合物は固形製剤、たとえばカプセル,錠剤,ピル及びトローチ,又は液体製剤、たとえば水性懸濁液,エリキスル及びシロップであることができる。固形及び液体製剤は、本発明の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形を液状又は固形食品に混入させることも含む。液体は非経口投与、たとえば注入又は注射用の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド溶液も含む。
【0110】
本発明の結晶形をそのまま粉末(微粒子),顆粒,懸濁液又は溶液として使用するか,又はこれをその他の薬学的に許容し得る成分と併用することができる[成分を混合し、場合により微粉化し、ついでカプセル(たとえば硬又は軟ゼラチンからなる)に詰める;錠剤、ピル又はトローチに圧縮するか,又は懸濁液、エリキシル及びシロップ用キャリヤー中に成分を懸濁又は溶解させることができる。]。圧縮してピルを生じさせた後にコーティングを付与することができる。
【0111】
薬学的に許容し得る成分は種々のタイプの製剤にとって周知であり、たとえば結合剤、たとえば天然又は合成ポリマー,賦形剤,滑剤,界面活性剤,甘味料及び風味剤,コーティング材料,保存剤、着色料,増粘剤,佐剤(adjuvants),抗菌剤,酸化剤及び種々の製剤タイプ用キャリヤーであることができる。
【0112】
結合剤の例は、トラガントゴム、アカシア,デンプン,ゼラチン及び生物学的分解性ポリマーたとえばジカルボン酸のホモ−又はコ−ポリエステル,アルキレングリコール,ポリアルキレングリコール及び(又は)脂肪族ヒドロキシルカルボン酸;ジカルボン酸のホモ−又はコ−ポリアミド,アルキレンジアミン,及び(又は)脂肪族アミノカルボン酸;対応するポリエステル−ポリアミド−コ−ポリマー,ポリ無水物,ポリオルトエステル,ポリホスファゼン及びポリカルボネートである。生物学的分解性ポリマーは線状,分枝状又は架橋されていてよい。具体的な例はポリグリコール酸,ポリ乳酸,及びポリ−d,l−ラクチド/グリコリドである。ポリマーに関する他の例は水溶性ポリマー、たとえばポリオキサアルキレン(ポリオキサエチレン,ポリオキサプロピレン及びそれらの混合ポリマー),ポリアクリルアミド及びヒドロキシルアルキル化されたポリアクリルアミド、ポリマレイン酸及びそのエステル又はアミド,ポリアクリル酸及びそのエステル又はアミド,ポリビニルアルコール及びそのエステル又はエーテル,ポリビニルイミダゾール,ポリビニルピロリドン,及び天然ポリマー、たとえばキトサンであってよい。
【0113】
賦形剤の例はホスフェート類、たとえば燐酸二カルシウムである。
【0114】
滑剤の例は、天然又は合成油,脂肪,ロウ又は脂肪酸塩、たとえばステアリン酸マグネシウムである。
【0115】
界面活性剤はアニオン性,非イオン性,両性又は中性であることができる。界面活性剤の例は、レシチン,ホスホリピド、硫酸オクチル,硫酸デシル,硫酸ドデシル,硫酸テトラデシル,硫酸ヘキサデシル及び硫酸オクタデシル,Naオレアート又はNaカプラート,1−アシルアミノエタン−2−スルホン酸,たとえば1−オクタノイルアミノエタン−2−スルホン酸,1−デカノイルアミノエタン−2−スルホン酸,1−ドデカノイルアミノエタン−2−スルホン酸,1−テトラデカノイルアミノエタン−2−スルホン酸,1−ヘキサデカノイルアミノエタン−2−スルホン酸,及び1−オクタデカノイルアミノエタン−2−スルホン酸,及びタウロコール酸及びタウロデオキシコール酸,胆汁酸及びそれらの塩,たとえばコール酸,デオキシコール酸及びナトリウムグリコラート,カプリン酸ナトリウム又はラウリン酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル硫酸ナトリウム,セチル硫酸ナトリウム,硫酸化ヒマシ油及びジオクチルスルホコハク酸ナトリウム,コカミドプロピルベタイン及びラウリルベタイン,脂肪アルコール,コレステロール,グリセロールモノ−又は−ジステエアラート,グリセロールモノ−又は−ジオレアート及びグリセロールモノ−又は−ジパルミテート,及びポリオキシエチレンステアレートである。
【0116】
甘味料の例は、ショ糖,果糖,乳糖又はアスパルテームである。
【0117】
風味剤の例は、ペパーミント,ウインターグリーン油又はチェリー又はオレンンジフレーバーのようなフルーツフレーバーである。
【0118】
コーティング材料の例はゼラチン,ロウ、セラック,砂糖又は生物学的分解性ポリマーである。
【0119】
保存剤の例は、メチル−又はプロピル−パラベン,ソルビン酸,クロロブタノール,フェノール及びチメロサールである。
【0120】
佐剤の例は香料である。
【0121】
増粘剤の例は、合成ポリマー,脂肪酸及び脂肪酸塩及びエーテル、及び脂肪アルコールである。
【0122】
酸化剤の例は、ビタミン類,たとえばビタミンA,ビタミンC,ビタミンD又はビタミンE,植物抽出物又は魚油である。
【0123】
液状キャリヤ−の例は水,アルコール、たとえばエタノール,グリセロール,プロピレングリコール,液状ポリエチレングリコール,トリアセチン及び油類である。
【0124】
固形キャリヤーの例は、タルク,クレイ,微晶質セルロース,シリカ,アルミナ等々である。
【0125】
本発明の調合物は、等張剤,たとえば砂糖,緩衝液又は塩化ナトリウムを含有していてもよい。
【0126】
本発明の水和物形Dは、水性環境で崩壊して飲料溶液をもたらす発泡錠又は粉末として製剤化されてもよい。
【0127】
シロップ又はエリキシルは、本発明の多形体,甘味料としてショ糖又は果糖、メチルパラベンのような保存剤,着色量及び風味剤を含有する。
【0128】
胃腸管中で体液と接触する有効物質の制御された放出を達成するために,そして血漿中で有効物質(the active agent)の実質的一定の、有効なレベルをもたらすために、徐放性調合物を本発明の多形体からも製造することができる。結晶形をこの目的のために生物学的分解性ポリマー,水溶性ポリマー又はこれら2つの混合物のポリマーマトリックス及び場合により適当な界面活性剤中に埋め込むことができる。“埋め込む”とは本明細書においてポリマーマトリックス中にマイクロ粒子を導入することを意味する。制御された放出調合物は、分散したマイクロ粒子又は乳化したマイクロ小滴のカプセル封入によっても得られる。
【0129】
本発明の結晶形はまた治療上有効な剤の組み合わせを動物に投与するのに有用である。このような併用療法を、調合物中に付加的に分散又は溶解されうる、少なくとも1種の別の治療剤を使用して行うことができる。
【0130】
本発明の結晶形及びその調合物それぞれを、所定の病態を治療するのに有効であるその他の治療剤と組み合わせて投与して、併用療法をもたらすこともできる。
【0131】
本発明の結晶形及び医薬調合物は、神経疾患の有効な治療に最適である。
本発明のもう一つの目的は、本発明の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形をホストに供給する方法であって,本発明の多形体の有効量をホストに投与することを含む、上記方法である。
【0132】
本発明の別の目的は、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形を神経疾患の治療に有用である医薬の製造に使用することである。
【0133】
次の例は本発明を説明するものであって、本発明はこれによって限定されない。
【0134】
A)多形体形の製造
例A1,A5,A6及びA7のうち、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド(Schircks Laboratories, CH−8645 Jona, スイス)を出発化合物として使用する。
【0135】
例A1:(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Aの製造
1.05gの(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを4.0mlの再蒸留水(bi−distilled water)に23±2℃で溶解させる。溶液を0.22μmミリポア濾過ユニットによって濾過して、濾過液を250mlの丸底フラスコに移す。このフラスコ中の溶液を、−78℃で固形二酸化炭素の床にフラスコを置くことによって凍結させる。ついで凍結内容物を有するフラスコを約0.05ミリバールの出発圧で作動するラボラトリー凍結乾燥器に連結する。約20時間の後、凍結乾燥は終了し、ついで減圧フラスコを凍結乾燥器からはずして、約1.0gの白色,結晶性固体材料が得られる。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表1及び図1に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す形Aを示す。10℃/分の加熱速度で赤外線分光法と一緒に熱重量分析による得られた固体の更なる調査は、50℃〜200℃の間で水をほぼ連続放出しながら約3%の水分含量を示す。サンプルは200℃を超えた温度で分解し始める。
【0136】
表1:形Aに関する格子面間隔(D−Spacing)
【0137】
【表1】
【0138】
例A2:多形体形Aの安定性
105mgの多形体A(例A1)を1.0mlのt−ブチルメチルエーテル(TBME)に懸濁させる。懸濁液を窒素雰囲気下で約18時間室温で攪拌し,濾過し、ついで白色固形残渣を空気下で乾燥させる。収量:103mgの結晶性白色固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンにしたがって形Aに依然として対応する。
【0139】
A3:多形体形Aの安定性
90mgの多形体A(例A1)を2.0mlのテトラヒドロフラン(THF)に懸濁させ、生じた懸濁液を5日間空気中、室温で攪拌し,濾過し、ついで白色固形残渣を空気下に乾燥させる。収量:85mgの結晶性白色固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンにしたがって形Aに依然として対応する。
【0140】
例A4:多形体形Aから(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造方法
多形体形A(例A1)としての(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド94mgを、4.0mlのガラスビン中で窒素下に1.0mlのエタノールに懸濁させる。得られた懸濁液を23℃の温度で約18時間攪拌する。この時間後、白色懸濁液を濾過して、得られた結晶性固体を23℃で窒素雰囲気下に約1時間乾燥させる。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表2及び図2に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す形Bを示す。
【0141】
表2:形Bに関する格子面間隔
【0142】
【表2】
【0143】
例A5:(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
337mgの(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを0.5mlの再蒸留水の溶解させる。300μLのこの水性溶液を10.0mlのエタノールを有する22mlのガラスビン中に滴加する。この水溶液をエタノールに添加しながら,白色懸濁液を生じさせ、これを23℃で約15時間更に攪拌する。その後、濾過し、ついで窒素下に23℃で約1時間乾燥させることによって白色結晶性材料を得る。収量は74mgである。得られた固体の検査は、例A4に記載されたのと同一である粉末X−線回折パターン及びラマンスペクトルを示す。
【0144】
例A6:(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
337mgの(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを0.5mlの再蒸留水に溶解させる。300μLのこの水溶液を、10.0mlの酢酸を有する22mlのガラスビンに滴加する。この水溶液を酢酸に添加しながら,白色懸濁液を生じさせ、これを23℃で約15時間さらに攪拌する。その後、白色結晶性材料が、濾過し、ついで窒素下に約2時間及び23℃で乾燥させることによって得られる。収量は118mgである。得られた固体のラマン分光法による検査は、例A4に記載されたのと同一であるスペクトルを示す。
【0145】
例A7:(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
1.0gの(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを試験管中で4mlの再蒸留水に添加する。この水溶液をガラスビン中で室温で20mlの100%酢酸に添加する。ゼラチン様沈殿を生じさせ、数分以内に溶解させる。ついで16mlのテトラヒドロフランを添加して、溶液に多形体B結晶を結晶種としていれる。10分間室温で攪拌の間に、懸濁液を生じさせる。この懸濁液を0℃に冷却し、ついで1時間この温度で放置する。沈殿を濾過し,テトラヒドロフランで洗浄し、ついで減圧下に17時間20℃及び10ミリバールで乾燥させる。得られた0.74gのベージュ結晶は多形体形Bであって,これは例A4に記載されたのと同一である粉末X−線回折パターン及びラマンスペクトルを示す。
【0146】
例A8:水和物形Cとエタノール性溶媒和物形Gの混合物から、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
60.5mgの水和物形C(例B1)及び60.6mgのエタノール性溶媒和物形G(例C1)を1.0mlのエタノール(EtOH)に窒素下に懸濁させる。スラリーを室温で一晩攪拌し,濾過して、空気中で乾燥させる。収量:96.4mgの白色結晶性固体,これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンにしたがう形Bに相当する。
【0147】
例A9:多形体形Bとエタノール性溶媒和物形Gの混合物から、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
60.4mgのエタノール性溶媒和物形G(例C1)及び60.3mgの多形体形B(例A4)を窒素雰囲気下で1.0mlのエタノールに懸濁させ,一晩室温で攪拌し,濾過し、ついで空気中で乾燥させる。収量:86.4mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0148】
例A10:水和物形Cと多形体形Bの混合物から、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
60.7mgの多形体形B(例A4)及び60.5mgの水和物形C(例B1)を窒素下に1.0mlのEtOHに懸濁させる。生じた懸濁液を一晩室温で攪拌し,濾過し、ついで空気中で乾燥させる。収量:86.6mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0149】
例A11:多形体形A(例A1)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
105mgの多形体形A(例A1)を2.5重量%の水を含有する2.0mlのTHFに懸濁させる。懸濁液を室温で窒素雰囲気下で約48時間攪拌し,濾過して、窒素下に20時間室温で乾燥させる。収量:91mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0150】
例A12:水和物形E(例B8)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
115mgの水和物形E(例B8)を1.5mlのEtOHに懸濁させる。懸濁液を室温で窒素雰囲気下で約22時間攪拌し,濾過して、窒素下に乾燥させる。収量:75mgの白色結晶性固体。れはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0151】
例A13:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
205mgの多形体形B(例A4)を5重量%の水を含有する2.0mlのイソプロパノール(IPA)に懸濁させる。懸濁液を24時間、室温で攪拌し,ついで濾過して53%の相対湿度下に空気中で乾燥させる。収量:116mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0152】
例A14:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
205mgの多形体形B(例A4)を5重量%の水を含有する2.0mlのIPAに懸濁させる。懸濁液を24時間3℃で攪拌し、ついで濾過して53%の相対湿度下に空気中で乾燥させる。収量:145mgの白色,結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0153】
例A15:多形体形A(例A1)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
203mgの多形体形A(例A1)を2.0mlのIPAに懸濁させ、懸濁液を40℃で18時間攪拌し,濾過し、ついで空気中で室温で乾燥させる。収量:192mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0154】
例A16:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
200mgの多形体形B(例A4)を800μLの水に溶解させる。4.0mlの酢酸、ついで3.0mlのTHFを添加して、生じた懸濁液を室温で19時間攪拌する。固体を濾過して、空気中で室温で乾燥させる。収量:133mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0155】
例A17:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
256mgの多形体形B(例A4)を4.0mlの酢酸/H2O(4:1)に溶解させ、ついで4.0mlの酢酸を添加する。生じた懸濁液を20℃で約20時間攪拌し,濾過し、ついで空気中で4時間乾燥させる。収量:173mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0156】
例A18:酢酸溶媒和物形I(例C7)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
51mgの酢酸溶媒和物形I(例C7)を1.0mlのEtOHに懸濁させ、7mgの形Bを用いて結晶種つけする。懸濁液を20時間室温で攪拌し,濾過して、空気中で室温で乾燥させる。収量:52mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0157】
例A19:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
304mgの多形体形B(例A4)を10.0mlの酢酸に懸濁させ、100μLの水を添加する。懸濁液を13℃に冷却し,5mgの形Bを用いて結晶種つけし,13℃16時間攪拌し,濾過し、ついで窒素下に室温で乾燥させる。収量:276mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0158】
例A20:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
304mgの多形体形B(例A4)を5.0mlのIPAに懸濁させ、100μLの水を添加する。懸濁液を3℃に冷却し、3℃で16時間攪拌し,濾過し、ついで窒素下に室温で乾燥させる。収量:272mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0159】
例A21:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
296mgの多形体形B(例A4)を15mlのメタノールに50℃で溶解させる。溶液を5℃に冷却して、約9mlの溶剤を蒸発させる。ついで得られた懸濁液の攪拌を10℃で30分間続ける。懸濁液を濾過し、ついで固形残渣を窒素下に室温で乾燥させる。収量:122mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0160】
例A22:多形体形K(例A28)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
116mgの多形体形K(例A28)及び7mgの多形体形Bを2.0mlのIPAに懸濁させる。懸濁液を35℃で約20時間攪拌し,濾過し、ついで空気中で40℃で約1時間乾燥させる。収量:98mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0161】
例A23:水和物形E(例B8)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの製造
120mgの水和物形E(例B8)を10mlのEtOHに懸濁させる。得られた懸濁液を室温で15時間攪拌し,濾過し、ついで窒素下に室温で乾燥させる。収量:98mgの白色結晶性固体。これはFTラマンスペクトル及びX−線回折パターンによれば形Bに相当する。
【0162】
例A24:(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bの安定性試験
a)保存安定性
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Bを8ヶ月間ミニグリップバッグ中で40℃及び75%の相対湿度で保存する。生成物の純度を種々の間隔でHPLCによって測定する。その結果を表3中に示す。
【0163】
表3:
【0164】
【表3】
【0165】
結果から多形体形Bの並外れた、予期されない高い保存安定性が実証される。これは多形体形Bを安定な有効物質の製造及び調合物の製造のプロセスシングに及び安定な薬剤の保存に特に適させる。
【0166】
b)次の種々の条件下での多形体形Bの処理は、試験後に回収される形体形Bに影響しない:
128.2mgの多形体形Bを窒素下に1.0mlのメタノール(MeOH)に懸濁させる。白色懸濁液を5時間室温で攪拌し,濾過して、窒素下に室温で乾燥させる。収量:123.4mgの白色結晶性固体,多形体形B。
【0167】
123.2mgの多形体形B窒素下に2.0mlのEtOHに懸濁させる。白色懸濁液を、一晩室温で攪拌し,濾過し、ついで窒素下に室温で乾燥させる。収量:118.6mgの白色結晶性固体,多形体形B。
【0168】
117.5mgの多形体形Bを窒素下に2.0mlのアセトンに懸濁させる。白色懸濁液を一晩室温で攪拌し,濾過して、窒素下に室温で乾燥させる。収量:100.3mgの白色結晶性固体,多形体形B。
【0169】
124.4mgの多形体形Bを窒素下に2.0mlの2−プロパノールに懸濁させる。白色懸濁液を一晩室温で攪拌し,濾過して、窒素下に室温で乾燥させる。収量:116.1mgの白色結晶性固体,多形体形B。
【0170】
100.2mgの多形体形Bを2.0mlのEtOHに空気中で懸濁させる。白色懸濁液を空気中で週末にかけて室温で攪拌し,濾過し、ついで空気中で室温で乾燥させる。収量:94.2mgの僅かに黄色結晶性固体,多形体形B。119.1mgのこの僅かに黄色の結晶性固体,多形体形Bを窒素下に1.0mlのTHFに懸濁させる。白色懸濁液を約20時間室温で攪拌し,濾過して、空気中で室温で乾燥させる。収量:114.5mgの僅かに黄色の結晶性固体,多形体形B。
【0171】
126mgの多形体形Bを2重量%の水を含有する2.0mlのアセトニトリルに懸濁させる。懸濁液を約20時間室温で窒素雰囲気下で攪拌し,濾過し、ついで窒素下に乾燥させる。収量:116mgの結晶性白色固体,多形体形B。
【0172】
122mgの多形体形Bを2重量%の水を含有する2.0mlの酢酸エチルに懸濁させる。懸濁液を室温で窒素雰囲気下で約23時間攪拌し,濾過し、ついで空気中で乾燥させる。収量:92mgの結晶性白色固体,多形体形B。
【0173】
366mgの多形体形Bをオープン容器中で空気下75%の相対湿度で40℃で5日間保存する。固体はこの保存期間の後高められた温度で依然として多形体形Bである。
【0174】
例A25:多形体形A(例A1)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Fの製造
102mgの多形体形A(例A1)を1.0mlのIPAに懸濁させる。懸濁液を室温で窒素雰囲気下で約9時間攪拌し,濾過して、空気中で乾燥させる。収量:102mgのa結晶性白色固体。得られた固体の粉末X−線回折及びラマン分光法による検査は、結晶形Fを示す。TG−FTIR:25〜200℃の間で1.3%の重量損失は水に起因する。
【0175】
例A26:多形体形A(例A1)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Fの製造
97mgの多形体形A(例A1)を2.0mlのIPAに懸濁させる。懸濁液を10℃で22時間攪拌し,濾過し、ついで窒素下に室温で乾燥させる。収量:58mg。結晶性白色固体は多形体形Fであり、これは表4及び図6に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す。
【0176】
表4:形Fに関する格子面間隔
【0177】
【表4】
【0178】
例A27:多形体形E(例B8)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Jの製造
250mgの(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Eを5.0mlの酢酸及び1.0mlの水に懸濁させる。この溶液に、4.0mlのTHFを添加して、生じた懸濁液を5℃に徐々に冷却する。攪拌を約16時間続け、懸濁液を濾過して、得られた結晶性固体を減圧下に環境温度で乾燥させる。収量:179mgの結晶性白色固体。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表5及び図10に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形J示す。TG−FTIR:25〜200℃の間で0.6%の重量損失は水に起因する。
【0179】
表5:形Jに関する格子面間隔
【0180】
【表5】
【0181】
例A28:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体形Kの製造
2.00gの(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライド形B及び0.2gのアスコルビン酸を8.0mlの水に溶解させる。ついで,40mlの酢酸をこの溶液に添加し、ついで30mlのTHFを徐々に添加して、結晶化を誘発する。生じた懸濁液を0℃に冷却し、攪拌を0℃で約1時間続け、その後固体を濾過によって分離し、約5mlのエタノール(0℃)で洗浄する。得られた結晶性固体をついで再度30mlのエタノールに0℃で懸濁させ、生じた懸濁液を0℃で約2時間攪拌し、懸濁液を濾過して、得られた結晶を5mlのエタノール(0℃)で洗浄する。得られた結晶を30℃で減圧下(8ミリバール)に約16時間乾燥させる。収量:1.36gの白色結晶性固体。得られた固体の粉末X−線回折及びラマン分光法による検査は、表6及び図11に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形K示す。TG−FTIR:25〜200℃の間で0.6%の重量損失は示す。この%は水に起因する。
【0182】
表6:形Kに関する格子面間隔
【0183】
【表6】
【0184】
B)(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形の製造例B1:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Cの製造
116mgの多形体形Bを50μLの水を含有する1.0mlのアセトニトリルに懸濁させる。この懸濁液を室温で約22時間攪拌し,濾過し、ついで空気中で室温で乾燥させる。収量:140mgの結晶性白色固体(形Cと呼ぶ)。TG−FTIRは25〜200℃の間で5.3%の重量損失を示す。これは水に起因すると考えられ、そして一水和物を示す。DSC:融点ほぼ153℃,ΔH〜31J/g。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表7及び図3に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形C示す。
【0185】
表7:形Cに関する格子面間隔
【0186】
【表7】
【0187】
例B2:(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Cの安定性
71mgの水和物形C(例B1)を52%の相対湿度下で、室温で17日間保存する。水和物形Cは維持される。
【0188】
例B3:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Dの製造
1.0mlの水中に330mgの多形体形B(例A4)を有する溶液を製造する。600μLのこの溶液を10.0mlの2−プロパノールに室温でに滴加して、約2時間攪拌する。沈殿した固体を濾過して、室温で空気中で乾燥させる。収量:180mgの結晶性白色固体(形Dと呼ぶ)。TG−FTIRは25〜200℃の間で4.8%の重量損失を示す。これは水に起因する。カールフッシャー滴定は水分含量6%を生じる。DSC:融点ほぼ153℃,ΔH〜111J/g。得られた固体の粉末X−線回折及びラマン分光法による検査は、表8及び図4に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形D示す。
【0189】
表8:形Dに関する格子面間隔
【0190】
【表8】
【0191】
例B4:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Dの製造
246mgの多形体形B(例A4)を4.0mlのIPA/H2O(4:1)に40℃で懸濁させる。4.0mlのIPAをついで添加して、溶液を20℃に冷却する。生じた懸濁液を約20時間20℃で攪拌する。固体濾過して、空気中で室温で約4時間乾燥させる。例B3の結晶性固体との比較は、水和物形Dの形成を示す。
【0192】
例B5:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Dの製造
252mgの多形体形B(例A4)を4.0mlのIPA/H2O(4:1)に40℃で懸濁させる。4.0mlのIPAを添加して、溶液を5℃に徐々に冷却する。25℃で,形Dに対する5mgの種結晶を添加する。温度を室温に換える。懸濁液を40時間攪拌し,濾過し、ついで空気中で5時間室温で乾燥させる。例B3の結晶性固体との比較は、水和物形Dの形成を示す。
【0193】
例B6:水和物形C(例B1)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Dの製造
700mgの水和物形C(例B1)をIPA/H2O(9:1)に懸濁させる。懸濁液を5時間室温で攪拌し,濾過して、固体を空気中で室温で乾燥させる。収量:470mgの白色の結晶性固体(水和物形Dに相当)。
【0194】
例B7:イソプロパノール中で(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Dの処理
105mgの水和物形D(例B3)を2.0mlのIPAに懸濁させる。懸濁液を室温で約18時間攪拌し,濾過し、ついで固体を空気中で室温で約4時間乾燥させる。得られた固体は、未変化の水和物形Dである。
【0195】
例B8:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Eの製造
489mgの多形体形B(例A4)を1.0mlの水に溶解させる。水溶液を5℃で20mlのTHFに添加する。生じた懸濁液を約20時間5℃で攪拌し、濾過して、窒素下に室温で乾燥させる。
【0196】
収量:486mgの結晶性の黄白色固体(形Eと呼ぶ)。TG−FTIRは25〜200℃の間で10.8%の重量損失を示す。これは水に起因する。カールフッシャー滴定は水分含量11.0%を生じ、これは二水和物を示唆させる。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表9及び図5に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形E示す。
【0197】
表9:形Eに関する格子面間隔
【0198】
【表9】
【0199】
例B9:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Eの製造
10mlのTHFを5℃に冷却し、ついで約160mgの多形体形B(例A4)を含有する400μLの濃縮水溶液を攪拌下に滴加する。生じた懸濁液を5℃で約2時間攪拌し,ついで沈殿した固体を濾過して、空気中で室温で乾燥させる。収量:123.2mgの黄白色結晶性固体(水和物形Eに相当)。
【0200】
例B10:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Eの製造
306mgの多形体形B(例A4)を1.5mlの水に溶解させる。水を水溶液から窒素下に室温で蒸発乾固する。黄白色結晶性残渣は水和物形Eに相当する。
【0201】
例B11:多形体形A(例A1)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Eの製造
71mgの多形体形A(例A1)を空気中で52%の相対湿度下に室温で17日間保存する。得られた黄白色結晶性固体は水和物形Eに相当する。この固体を空気中で52%の相対湿度下に室温で17日間保存した場合、水和物形Eが維持される。
【0202】
例B12:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形E
200mgの多形体形B(例A4)を800μLの水に溶解させる。4.0mlの酢酸、ついで3.0mlのTHFを溶液に添加する。懸濁液を0℃で19時間攪拌し,固体を濾過し、空気中で室温で乾燥させる。収量:159mgの黄白色結晶性固体(水和物形Eに相当)。
【0203】
例B13:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Hの製造
250mgの多形体形B(例A4)を混合物of5.0mlの酢酸と1.0mlの水の混合物に溶解させる。この溶液に、10mlのTHFを非−溶剤として添加する。得られた懸濁液を0℃に冷却し、ついで18時間0℃で攪拌する。THFの添加後、ガラスビンの空隙容量を窒素でパージし、キャップを閉じる。固体を濾過し、24時間室温で減圧下に乾燥させる。収量:231mgの結晶性黄白色固体(形Hと呼ぶ)。TG−FTIRは25〜200℃の間で6.5%の重量損失を示す。これは水に起因する。カールフッシャー滴定は水分含量6.34%を生じる。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表10及び図8に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形H示す。
【0204】
表10:形Hに関する格子面間隔
【0205】
【表10】
【0206】
例B14:多形体形F(例A26)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Oの製造
約50mgの多形体形F(例A26)を厚さ0.8mmの粉末X−線回折サンプルホルダー(TTKタイプ,Anton Paar GmbH, Graz, オーストリアから得られる)上に置く。調製されたサンプルホルダーを、Philips X’Pert粉末X−線回折メーターの密閉サンプル室中に置き、ついでサンプル室を窒素でパージし、一部水蒸気で満たし、約52%の相対湿度を生じさせる。約24時間の露光時間の後、粉末X−線回折パターンを記録する。粉末X−線回折による得られた固体サンプルの検査は、表11及び図15に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形O示す。
【0207】
表11:形Oに関する格子面間隔
【0208】
【表11】
【0209】
C)(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの溶媒和物形の製造
例C1:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Gの製造
245mgの多形体形B(例A4)を4.0mlのエタノールに懸濁させる。0.5mlの水を添加し、ついで混合物を70℃い加熱して形Bを溶解させる。溶液を10℃に冷却する。2mlのエタノールを添加し、生じた懸濁液を約4時間10℃で攪拌する。固体を濾過し、約30分間、窒素の僅かな流れの下に室温で乾燥させる。収量:190mgの結晶性白色固体(形Gと呼ぶ)。TG−FTIR25〜200℃の間で11.5%の重量損失を示す。これはエタノールの損失に起因し、エタノール性溶媒和物を示唆させる。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表12及び図7に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形G示す。
【0210】
表12:形Gに関する格子面間隔
【0211】
【表12】
【0212】
例C2:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Gの製造
200mgの多形体形B(例A4)を400μLの水に溶解させ、ついで10mlのエタノールの添加で沈殿させる。沈殿を生じさせて、懸濁液を17時間0℃で攪拌する。固体を濾過して、空気中で室温で約1時間乾燥させる。収量:161mgの結晶性白色固体(エタノール性溶媒和物G(例C1)に相当)。
【0213】
例C3:水和物形E(例B8)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Lの製造
104mgの水和物形E(例B8)をエタノールに溶解させて、懸濁液を4℃で約16時間攪拌する。固体を濾過して、窒素下に室温で乾燥させる。収量:100mgの結晶性白色固体(形Lと呼ぶ。)。TG−FTIRは25〜200℃の間で9.1%の重量損失を示す。これはエタノール及び水に起因する。この重量損失は混合水/エタノール性溶媒和物を示唆させる。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表13及び図12に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形L示す。
【0214】
表13:形Lに関する格子面間隔
【0215】
【表13】
【0216】
例C4:形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Lの製造
2.0gの形B(例A4)を3.0mlの水に溶解させる。この溶液を70mlの無水エタノール(変性されていない)に室温で徐々に添加する。約300mgのアスコルビン酸を水溶液に添加して、空隙容量の懸濁液を窒素でパージし、酸化を防ぐ。生じた懸濁液を0℃に冷却して、この温度で約3時間攪拌する。その後懸濁液を濾過し、固形残渣を6.0gのエタノールで洗浄して、18時間35℃で減圧(8ミリバール)下に乾燥させる。収量:1.41g。
【0217】
TG−FTIRは25〜200℃の間で3.0%の重量損失を示す。これは水に起因する。この結果は、形Lがエタノール性溶媒和物の形で,又は混合エタノール性溶媒和物/水和物の形で,又は少量の水を含有する非溶媒和形Cとして存在することができることを示唆させる。固形残渣は粉末X−線回折パターンと例のそれと比較によって示される通りの形Lからなる。
【0218】
例C5:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Mの製造
120mgの(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形B(例A4)を100mlの無水エタノール40℃で溶解させる。この溶液を窒素の僅かな流れの下に蒸発乾固させる。得られた結晶性白色固体を形Mと呼ぶ。TG−FTIRは25〜200℃の間で9.1%の重量損失を示す。これはエタノール及び水に起因し,混合された水/エタノール溶媒和物を示唆させる。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、固形残渣が表14及び図13に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形Mを示す。
【0219】
表14:形Mに関する格子面間隔
【0220】
【表14】
【0221】
例C6:エタノール性溶媒和物形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形Nの製造
250mgの形B(例A4)をイソプロパノールと水(4:1)の混合物4.0mlに溶解させる。この溶液に、4.0mlのIPAを徐々に添加し、生じた懸濁液をis cooled to 0℃に冷却して、約18時間この温度で攪拌する。懸濁液を濾過して、固形残渣を4mlのイソプロパノールを用いて室温で洗浄する。ついで得られた結晶性材料を30℃及び減圧(8ミリバール)で約18時間乾燥させる。収量:150mg。TG−FTIRは25〜200℃の間で9.0%の重量損失を示す。これは、イソプロパノール及び水に起因する。この結果は、形Nがイソプロパノール溶媒和物の形で,又は混合イソプロパノール溶媒和物/水和物の形で,又は少量の水を含有する非溶媒和形Cとして存在することができることを示唆させる。粉末X−線回折による検査は、固形残渣が表15及び図14に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す形Nからなることを示す。
【0222】
表15:形Nに関する格子面間隔
【0223】
【表15】
【0224】
例C7:多形体形B(例A4)から(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの酢酸溶媒和物形Iの製造
252mgの多形体形B(例A4)を、40℃で4.0mlの酢酸/水(4:1)に溶解させる。ついで4.0mlの酢酸を添加して、この溶液を5℃に冷却する。生じた懸濁液を66時間攪拌する。固体を濾過して、空気中で5時間室温で乾燥させる。収量:190mgの結晶性白色固体(形Iと呼ぶ。)。TG−FTIRは、形Iが約12.7重量%の酢酸を含有することを示し、これは酢酸溶媒和物を示唆する。得られた固体の粉末X−線回折による検査は、表16及び図9に示した通りの粉末X−線回折パターンを示す結晶性形Iを示す。
【0225】
表16:形Iに関する格子面間隔
【0226】
【表16】
【0227】
実験:
粉末X−線回折(PXRD):PXRDを、CuKα放射線を用いてPhilips 1710で又はPhilips X’Pert粉末X−線回折メ−タによって行う。格子面間隔を2θからCuKα1放射線1.54060Aの波長を用いて算出する。X−線管を電圧45kV(又はX’Pert装置で40kV)及び電流45mA(又はX’Pert装置で40mA)で操作する。ステップサイズ0.02°,及び1つのステップあたりカウント時間2.4秒を適用する。一般に,2θ値は±0.1−0.2°も誤差範囲内である。したがって、格子面間隔値の実験誤差はピークロケーション(the peak location)に依存する。
【0228】
TG−FTIR:熱重量測定を、Bruker FTIR Spectrometer Vector 22(ピンホールのあるサンプルパン,N2雰囲気,加熱速度10K/分)に連結されたNetzsch Thermo−Micro−balance TG 209を用いて行う。
【0229】
ラマン分光法:FT−ラマンペクトルを、近赤外Nd:1064nmで操作するYAGレイザー及び液体窒素−冷却されたゲルマニウム検出器を有するBruker RFS 100 FT−ラマンシステムで記録する。各サンプルに対して、2cm−1の分解能で64スキャンを見積もる。一般に,300mWのレイザー出力を使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
d−値(オングストローム):
15.5(vs),12.0(m),4.89(m),3.70(s),3.33(s),3.26(s),及び3.18(m)
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Aと呼ぶ)。
【請求項2】
d−値(オングストローム):
15.5(vs),12.0(m),6.7(m),6.5(m),6.3(w),6.1(w),5.96(w),5.49(m),4.89(m),3.79(m),3.70(s),3.48(m),3.45(m),3.33(s),3.26(s),3.22(m),3.18(m),3.08(m),3.02(w),2.95(w),2.87(m),2.79(w),2.70(w)
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項1記載の結晶性多形体。
【請求項3】
図1に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項1記載の結晶性多形体。
【請求項4】
環境温度で(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを水に溶解させ,(1)この溶液を固化するために溶液を低温に冷却し,ついで減圧下に水を除去するか,又は(2)その水溶液から水を除去することを含む、請求項1,2又は3のいずれか1つに記載の多形体形Aの製造方法。
【請求項5】
d−値(オングストローム):
8.7(vs),5.63(m),4.76(m),4.40(m),4.00(s),3.23(s),3.11(vs),好ましくは8.7(vs),6.9(w),5.90(vw),5.63(m),5.07(m),4.76(m),4.40(m),4.15(w),4.00(s),3.95(m),3.52(m),3.44(w),3.32(m),3.23(s),3.17(w),3.11(vs),3.06(w),2.99(w),2.96(w),2.94(m),2.87(w),2.84(s),2.82(m),2.69(w),2.59(w),2.44(w)
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示し、そしてより好ましくは図2に表わされる固有X−線粉末回折パターンを示す,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Bと呼ぶ)の製造方法であって、
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形B以外の固形粒子を、その(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを室温でほとんど溶解しない溶剤に分散させ,懸濁液を環境温度で多形体形Bを生じるのに十分な時間攪拌し,その後結晶形Bを単離し、ついで単離した形Bから溶剤を除去することを含む、上記製造方法。
【請求項6】
固形の、好ましくは形B以外の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを、場合により高められた温度で、アセトン,酢酸及び水を含む溶剤混合物に溶解させ,この溶液に結晶種を添加し,得られた懸濁液を冷却して、形Bの形成した結晶を単離することを含む、請求項5記載の多形体形Bの製造方法。
【請求項7】
環境温度で、固形の、好ましくは形B以外の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを水に溶解させ,懸濁液を生じるのに十分な量の非溶剤にこの水溶液を添加し,場合によりこの懸濁液を所定の時間攪拌し,ついでその後形成した結晶を単離することを含む、請求項5記載の多形体形Bの製造方法。
【請求項8】
d−値(オングストローム):
17.1(vs),4.92(m),4.68(m),3.49(s),3.46(vs),3.39(s),3.21(m),及び3.19(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Fと呼ぶ。)。
【請求項9】
d−値(オングストローム):
17.1(vs),12.1(w),8.6(w),7.0(w),6.5(w),6.4(w),5.92(w),5.72(w),5.11(w),4.92(m),4.86(w),4.68(m),4.41(w),4.12(w),3.88(w),3.83(w),3.70(m),3.64(w),3.55(m),3.49(s),3.46(vs),3.39(s),3.33(m),3.31(m),3.27(m),3.21(m),3.19(m),3.09(m),3.02(m),及び2.96(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項8記載の結晶性多形体(以下、形Fと呼ぶ。)。
【請求項10】
図6に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す,請求項8記載の結晶性多形体F。
【請求項11】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの固形A粒子を、その(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを室温より低い温度でほとんど溶解しない非−水性溶剤に分散させ,懸濁液をその温度で多形体形Fを生じるのに十分な時間攪拌し,その後結晶形Fを単離し、ついで単離した形Fから溶剤を除去することを含む、請求項8,9又は10のいずれか1つに記載の多形体形Fの製造方法。
【請求項12】
d−値(オングストローム):
14.6(m),3.29(vs),及び3.21(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Jと呼ぶ)。
【請求項13】
d−値(オングストローム):
14.6(m),6.6(w),6.4(w),5.47(w),4.84(w),3.29(vs),及び3.21(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項12記載の結晶性多形体(以下、形Jと呼ぶ)。
【請求項14】
図10に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す,請求項12記載の結晶性多形体。
【請求項15】
形Eを製造し、ついで形Eを減圧乾燥器中で適度の温度、好ましくは25〜70℃の範囲の温度で処理することによって形Eから水を除去することを含む、請求項12,13又は14のいずれか1つに記載の多形体形Jの製造方法。
【請求項16】
d−値(オングストローム):
14.0(s),6.6(w),4.73(m),4.64(m),3.54(m),3.49(vs),3.39(m),3.33(vs),3.13(s),3.10(m),3.05(m),3.01(m),2.99(m),及び2.90(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Kと呼ぶ。)。
【請求項17】
d−値(オングストローム):
14.0(s),9.4(w),6.6(w),6.4(w),6.3(w),6.1(w),6.0(w),5.66(w),5.33(w),5.13(vw),4.73(m),4.64(m),4.48(w),4.32(vw),4.22(w),4.08(w),3.88(w),3.79(w),3.54(m),3.49(vs),3.39(m),3.33(vs),3.13(s),3.10(m),3.05(m),3.01(m),2.99(m),及び2.90(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項16記載の結晶性多形体(以下、形Kと呼ぶ。)。
【請求項18】
図11に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項16記載の結晶性多形体.
【請求項19】
高められた温度で(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを少量の水及び少量のアスコルビン酸を含有する、酢酸とアルコールとの混合物に溶解させ,温度を下げてこのジヒドロクロライドを結晶化させ,沈殿を単離して、単離した沈殿を高められた温度で、場合により減圧下に、乾燥させることを含む、請求項16,17又は18のいずれか1つに記載の多形体形Kの製造方法。
【請求項20】
d−値(オングストローム):
13.9(vs),8.8(m),6.8(m),6.05(m),4.25(m),4.00(m),3.88(m),3.80(m),3.59(s),3.50(m),3.44(m),3.26(s),3.19(vs),3.17(s),3.11(m),2.97(m),及び2.93(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Cと呼ぶ。)。
【請求項21】
d−値(オングストローム):
18.2(m),15.4(w),13.9(vs),10.4(w),9.6(w),9.1(w),8.8(m),8.2(w),8.0(w),6.8(m),6.5(w),6.05(m),5.77(w),5.64(w),5.44(w),5.19(w),4.89(w),4.76(w),4.70(w),4.41(w),4.25(m),4.00(m),3.88(m),3.80(m),3.59(s),3.50(m),3.44(m),3.37(m),3.26(s),3.19(vs),3.17(s),3.11(m),3.06(m),3.02(m),2.97(vs),2.93(m),2.89(m),2.83(m),及び2.43(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項20記載の結晶性水和物(以下、形Cと呼ぶ。)。
【請求項22】
図3に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項20記載の結晶性水和物。
【請求項23】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを非−溶剤に懸濁させ,一水和物を生じるのに十分な水を添加し,ついで懸濁液を環境温度で又は環境温度より低い温度で,好ましくは0〜30℃で,一水和物を生じるのに十分な時間攪拌することを含む、請求項20,21又は22のいずれか1つに記載の水和物形Cの製造方法。
【請求項24】
d−値(オングストローム):
8.6(s),5.56(m),4.99(m),4.67(s),4.32(m),3.93(vs),3.17(m),3.05(s),2.88(m),及び2.79(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Dと呼ぶ。)。
【請求項25】
d−値(オングストローム):
8.6(s),6.8(w),5.56(m),4.99(m),4.67(s),4.32(m),3.93(vs),3.88(w),3.64(w),3.41(w),3.25(w),3.17(m),3.05(s),2.94(w),2.92(w),2.88(m),2.85(w),2.80(w),2.79(m),2.68(w),2.65(w),2.52(vw),2.35(w),2.34(w),2.30(w),及び2.29(w)
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項24記載の結晶性水和物(以下、形Dと呼ぶ。)。
【請求項26】
図4に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項24記載の結晶性水和物。
【請求項27】
ほぼ室温で、過剰の非−溶剤に(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの濃縮した水溶液を添加し、ついでこの懸濁液を環境温度で攪拌することを含む、請求項24,25又は26のいずれか1つに記載の水和物形Dの製造方法。
【請求項28】
d−値(オングストローム):
15.4(s),4.87(w),3.69(m),3.33(s),3.26(vs),3.08(m),2.95(m),及び2.87(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Eと呼ぶ。)。
【請求項29】
d−値(オングストローム):
15.4(s),6.6(w),6.5(w),5.95(vw),5.61(vw),5.48(w),5.24(w),4.87(w),4.50(vw),4.27(w),3.94(w),3.78(w),3.69(m),3.60(w),3.33(s),3.26(vs),3.16(w),3.08(m),2.98(w),2.95(m),2.91(w),2.87(m),2.79(w),2.74(w),2.69(w),及び2.62(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項28記載の結晶性水和物(以下、形Eと呼ぶ。)。
【請求項30】
図5に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項28記載の結晶性水和物E。
【請求項31】
約10〜−10℃の温度に冷却された過剰の非−溶剤に、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの濃縮した水溶液を添加し、ついでこの温度でこの懸濁液を攪拌することを含む、請求項28,29又は30のいずれか1つに記載の水和物形Eの製造方法。
【請求項32】
d−値(オングストローム):
15.8(vs),3.87(m),3.60(m),3.27(m),3.21(m),2.96(m),2.89(m),及び2.67(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Hと呼ぶ。)。
【請求項33】
d−値(オングストローム):
15.8(vs),10.3(w),8.0(w),6.6(w),6.07(w),4.81(w),4.30(w),3.87(m),3.60(m),3.27(m),3.21(m),3.13(w),3.05(w),2.96(m),2.89(m),2.82(w),及び2.67(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項32記載の結晶性水和物(以下、形Hと呼ぶ。)。
【請求項34】
図8に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項32記載の結晶性水和物。
【請求項35】
環境温度で、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを酢酸と酢酸の量よりも少ない量の水との混合物に溶解させ、非−溶剤を添加し,得られた懸濁液を−10〜10℃の範囲の温度に冷却し,ついで懸濁液をこの温度で所定の時間攪拌することを含む、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Hの製造方法。
【請求項36】
d−値(オングストローム):
8.8(m),6.3(m),5.65(m),5.06(m),4.00(m),3.88(m),3.69(s),3.64(s),3.52(vs),3.49(s),3.46(s),3.42(s),3.32(m),3.27(m),3.23(s),3.18(s),3.15(vs),3.12(m),及び3.04(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Oと呼ぶ。)。
【請求項37】
d−値(オングストローム):
15.9(w),14.0(w),12.0(w),8.8(m),7.0(w),6.5(w),6.3(m),6.00(w),5.75(w),5.65(m),5.06(m),4.98(m),4.92(m),4.84(w),4.77(w),4.42(w),4.33(w),4.00(m),3.88(m),3.78(w),3.69(s),3.64(s),3.52(vs),3.49(s),3.46(s),3.42(s),3.32(m),3.27(m),3.23(s),3.18(s),3.15(vs),3.12(m),3.04(vs),2.95(m),2.81(s),2.72(m),2.67(m),及び2.61(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項36記載の結晶性水和物(以下、形Oと呼ぶ。)。
【請求項38】
図15に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項36記載の結晶性水和物。
【請求項39】
多形体形Fを、生じる相対湿度約52%の水蒸気を含有する窒素雰囲気に約24時間さらすことを含む、請求項36,37又は38のいずれか1つに記載の結晶性水和物Oの製造方法。
【請求項40】
d−値(オングストローム):
14.5(vs),7.0(w),4.41(w),3.63(m),3.57(m),3.49(w),3.41(m),3.26(m),3.17(m),3.07(m),2.97(m),2.95(m),2.87(w),及び2.61(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性エタノール性溶媒和物,(以下、形Gと呼ぶ。)。
【請求項41】
d−値(オングストローム):
14.5(vs),10.9(w),9.8(w),7.0(w),6.3(w),5.74(w),5.24(vw),5.04(vw),4.79(w),4.41(w),4.02(w),3.86(w),3.77(w),3.69(w),3.63(m),3.57(m),3.49(m),3.41(m),3.26(m),3.17(m),3.07(m),2.97(m),2.95(m),2.87(w),及び2.61(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項40記載の結晶性溶媒和物(以下、形Gと呼ぶ。)。
【請求項42】
図7に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項40記載の結晶性溶媒和物。
【請求項43】
ほぼ室温〜75℃の温度で(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを水に又は水とエタノールとの混合物に溶解させ,加熱した溶液を室温に、ついで5〜10℃に冷却し,場合によりエタノールを添加して沈殿を完了させ,得られた懸濁液を20〜5℃の温度で攪拌し,白色結晶性固体を濾過し、ついでこの固体を空気又は保護ガス、たとえば窒素下にほぼ室温の温度で乾燥させることを含む、請求項40,41又は42のいずれか1つに記載のエタノール性溶媒和物形Gの製造方法。
【請求項44】
d−値(オングストローム):
14.5(m),3.67(vs),3.61(m),3.44(m),3.11(s),及び3.00(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性酢酸溶媒和物(以下、形Iと呼ぶ。)。
【請求項45】
d−値(オングストローム):
14.5(m),14.0(w),11.0(w),7.0(vw),6.9(vw),6.2(vw),5.30(w),4.79(w),4.44(w),4.29(w),4.20(vw),4.02(w),3.84(w),3.80(w),3.67(vs),3.61(m),3.56(w),3.44(m),3.27(w),3.19(w),3.11(s),3.00(m),2.94(w),2.87(w),及び2.80(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項44記載の結晶性酢酸溶媒和物(以下、形Iと呼ぶ。)。
【請求項46】
図9に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項44記載の結晶性酢酸溶媒和物。
【請求項47】
高められた温度で、L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを酢酸と水との混合物に溶解させ,この溶液にさらに酢酸を添加し、約10℃の温度に冷却し,ついで生じた懸濁液を約15℃に暖め,ついで得られた懸濁液を相平衡に十分な時間攪拌することを含む、請求項44,45又は46のいずれか1つに記載の結晶性酢酸溶媒和物の製造方法。
【請求項48】
d−値(オングストローム):
14.1(vs),10.4(w),6.9(w),6.5(w),6.1(w),4.71(w),3.46(m),3.36(m),及び2.82(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性混合エタノール性溶媒和物/水和物(以下、形Lと呼ぶ。)。
【請求項49】
d−値(オングストローム):
14.1(vs),10.4(w),9.5(w),9.0(vw),6.9(w),6.5(w),6.1(w),5.75(w),5.61(w),5.08(w),4.71(w),3.86(w),3.78(w),3.46(m),3.36(m),3.06(w),2.90(w),及び2.82(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項48記載の結晶性混合エタノール性溶媒和物/水和物(以下、形Lと呼ぶ。)。
【請求項50】
図12に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項48記載の結晶性混合エタノール性溶媒和物/水和物。
【請求項51】
室温で請求項28記載の水和物形Eをエタノールに懸濁させ、ついで懸濁液を0〜10℃の温度で相平衡に十分な時間攪拌することを含む、請求項48,49又は50のいずれか1つに記載の混合エタノール性溶媒和物/水和物Lの製造方法。
【請求項52】
d−値(オングストローム):
18.9(s),6.4(m),及び3.22(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性エタノール性溶媒和物(以下、形Mと呼ぶ。)。
【請求項53】
d−値(オングストローム):
18.9(s),6.4(m),6.06(w),5.66(w),5.28(w),4.50(w),4.23(w),及び3.22(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項52記載の結晶性エタノール性溶媒和物(以下、形Mと呼ぶ。)。
【請求項54】
図13に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項52記載の結晶性エタノール性溶媒和物形M。
【請求項55】
L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドをエタノールに溶解させ、ついでこの溶液を環境温度で窒素下に蒸発させるか又は約20〜100ml/分の速度で乾燥窒素の僅かな流れの下に請求項40記載の形Gを乾燥させることを含む、請求項52,53又は54のいずれか1つに記載の溶媒和物形Mの製造方法。
【請求項56】
d−値(オングストローム):
19.5(m),6.7(w),3.56(m),及び3.33(vs),3.15(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Nと呼ぶ。)。
【請求項57】
d−値(オングストローム):
19.5(m),9.9(w),6.7(w),5.15(w),4.83(w),3.91(w),3.56(m),3.33(vs),3.15(w),2.89(w),2.81(w),2.56(w),及び2.36(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項56記載の結晶性多形体(以下、形Nと呼ぶ。)。
【請求項58】
図14に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項56記載の結晶性多形体N。
【請求項59】
L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドをイソプロパノールと水との混合物に溶解させ,イソプロパノールを徐々に添加し,生じた懸濁液を0℃に冷却し,数時間この温度で攪拌し,懸濁液を濾過し,固形残渣をイソプロパノールを用いて室温で洗浄し、ついで得られた結晶性材料を環境温度で及び減圧で数時間乾燥させることを含む、請求項56,57又は58のいずれか1つに記載の溶媒和物形Nの製造方法。
【請求項60】
形A,B,D,E,F,J,K,L及びO、又はその組み合わせより成る群から選ばれた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの固形結晶形及び薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤を含む医薬調合物。
【請求項61】
ホラートを単独又はアルギニンと共に更に含む、請求項60記載の調合物。
【請求項62】
ホラートとして葉酸,又はテトラヒドロ葉酸,5,10−メチレンテトラヒドロ葉酸,10−ホルミルテトラヒドロ葉酸,5−ホルミルテトラヒドロ葉酸又は5−メチルテトラヒドロ葉酸から選ばれるテトラヒドロホラート,それらのポリグルタマート,それらの光学的に純粋なジアステレオマー,ジアステレオマーの混合物,特にラセミ混合物,それらの薬学的に許容し得る塩、たとえばナトリウム塩,カリウム塩、カルシウム塩又はアンモニウム塩をそれぞれ単独で又はその他のホラートとの又は付加的にアルギニンとの組み合わせで使用する、請求項61記載の調合物。
【請求項63】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形A,B,D,E,F,J,K,L及びOをホスト(host)に供給する方法であって,ホストに有効量の結晶形A,B,D,E,F,J,K,L及びOを投与することを含む、上記方法。
【請求項64】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体結晶形A,B,D,E,F,J,K,L及びOを、神経疾患の治療に有用である医薬の製造に使用する方法。
【請求項1】
d−値(オングストローム):
15.5(vs),12.0(m),4.89(m),3.70(s),3.33(s),3.26(s),及び3.18(m)
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Aと呼ぶ)。
【請求項2】
d−値(オングストローム):
15.5(vs),12.0(m),6.7(m),6.5(m),6.3(w),6.1(w),5.96(w),5.49(m),4.89(m),3.79(m),3.70(s),3.48(m),3.45(m),3.33(s),3.26(s),3.22(m),3.18(m),3.08(m),3.02(w),2.95(w),2.87(m),2.79(w),2.70(w)
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項1記載の結晶性多形体。
【請求項3】
図1に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項1記載の結晶性多形体。
【請求項4】
環境温度で(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを水に溶解させ,(1)この溶液を固化するために溶液を低温に冷却し,ついで減圧下に水を除去するか,又は(2)その水溶液から水を除去することを含む、請求項1,2又は3のいずれか1つに記載の多形体形Aの製造方法。
【請求項5】
d−値(オングストローム):
8.7(vs),5.63(m),4.76(m),4.40(m),4.00(s),3.23(s),3.11(vs),好ましくは8.7(vs),6.9(w),5.90(vw),5.63(m),5.07(m),4.76(m),4.40(m),4.15(w),4.00(s),3.95(m),3.52(m),3.44(w),3.32(m),3.23(s),3.17(w),3.11(vs),3.06(w),2.99(w),2.96(w),2.94(m),2.87(w),2.84(s),2.82(m),2.69(w),2.59(w),2.44(w)
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示し、そしてより好ましくは図2に表わされる固有X−線粉末回折パターンを示す,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Bと呼ぶ)の製造方法であって、
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの形B以外の固形粒子を、その(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを室温でほとんど溶解しない溶剤に分散させ,懸濁液を環境温度で多形体形Bを生じるのに十分な時間攪拌し,その後結晶形Bを単離し、ついで単離した形Bから溶剤を除去することを含む、上記製造方法。
【請求項6】
固形の、好ましくは形B以外の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを、場合により高められた温度で、アセトン,酢酸及び水を含む溶剤混合物に溶解させ,この溶液に結晶種を添加し,得られた懸濁液を冷却して、形Bの形成した結晶を単離することを含む、請求項5記載の多形体形Bの製造方法。
【請求項7】
環境温度で、固形の、好ましくは形B以外の(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを水に溶解させ,懸濁液を生じるのに十分な量の非溶剤にこの水溶液を添加し,場合によりこの懸濁液を所定の時間攪拌し,ついでその後形成した結晶を単離することを含む、請求項5記載の多形体形Bの製造方法。
【請求項8】
d−値(オングストローム):
17.1(vs),4.92(m),4.68(m),3.49(s),3.46(vs),3.39(s),3.21(m),及び3.19(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Fと呼ぶ。)。
【請求項9】
d−値(オングストローム):
17.1(vs),12.1(w),8.6(w),7.0(w),6.5(w),6.4(w),5.92(w),5.72(w),5.11(w),4.92(m),4.86(w),4.68(m),4.41(w),4.12(w),3.88(w),3.83(w),3.70(m),3.64(w),3.55(m),3.49(s),3.46(vs),3.39(s),3.33(m),3.31(m),3.27(m),3.21(m),3.19(m),3.09(m),3.02(m),及び2.96(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項8記載の結晶性多形体(以下、形Fと呼ぶ。)。
【請求項10】
図6に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す,請求項8記載の結晶性多形体F。
【請求項11】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの固形A粒子を、その(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを室温より低い温度でほとんど溶解しない非−水性溶剤に分散させ,懸濁液をその温度で多形体形Fを生じるのに十分な時間攪拌し,その後結晶形Fを単離し、ついで単離した形Fから溶剤を除去することを含む、請求項8,9又は10のいずれか1つに記載の多形体形Fの製造方法。
【請求項12】
d−値(オングストローム):
14.6(m),3.29(vs),及び3.21(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Jと呼ぶ)。
【請求項13】
d−値(オングストローム):
14.6(m),6.6(w),6.4(w),5.47(w),4.84(w),3.29(vs),及び3.21(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項12記載の結晶性多形体(以下、形Jと呼ぶ)。
【請求項14】
図10に示した通りの固有X−線粉末回折パターンを示す,請求項12記載の結晶性多形体。
【請求項15】
形Eを製造し、ついで形Eを減圧乾燥器中で適度の温度、好ましくは25〜70℃の範囲の温度で処理することによって形Eから水を除去することを含む、請求項12,13又は14のいずれか1つに記載の多形体形Jの製造方法。
【請求項16】
d−値(オングストローム):
14.0(s),6.6(w),4.73(m),4.64(m),3.54(m),3.49(vs),3.39(m),3.33(vs),3.13(s),3.10(m),3.05(m),3.01(m),2.99(m),及び2.90(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Kと呼ぶ。)。
【請求項17】
d−値(オングストローム):
14.0(s),9.4(w),6.6(w),6.4(w),6.3(w),6.1(w),6.0(w),5.66(w),5.33(w),5.13(vw),4.73(m),4.64(m),4.48(w),4.32(vw),4.22(w),4.08(w),3.88(w),3.79(w),3.54(m),3.49(vs),3.39(m),3.33(vs),3.13(s),3.10(m),3.05(m),3.01(m),2.99(m),及び2.90(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項16記載の結晶性多形体(以下、形Kと呼ぶ。)。
【請求項18】
図11に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項16記載の結晶性多形体.
【請求項19】
高められた温度で(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを少量の水及び少量のアスコルビン酸を含有する、酢酸とアルコールとの混合物に溶解させ,温度を下げてこのジヒドロクロライドを結晶化させ,沈殿を単離して、単離した沈殿を高められた温度で、場合により減圧下に、乾燥させることを含む、請求項16,17又は18のいずれか1つに記載の多形体形Kの製造方法。
【請求項20】
d−値(オングストローム):
13.9(vs),8.8(m),6.8(m),6.05(m),4.25(m),4.00(m),3.88(m),3.80(m),3.59(s),3.50(m),3.44(m),3.26(s),3.19(vs),3.17(s),3.11(m),2.97(m),及び2.93(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Cと呼ぶ。)。
【請求項21】
d−値(オングストローム):
18.2(m),15.4(w),13.9(vs),10.4(w),9.6(w),9.1(w),8.8(m),8.2(w),8.0(w),6.8(m),6.5(w),6.05(m),5.77(w),5.64(w),5.44(w),5.19(w),4.89(w),4.76(w),4.70(w),4.41(w),4.25(m),4.00(m),3.88(m),3.80(m),3.59(s),3.50(m),3.44(m),3.37(m),3.26(s),3.19(vs),3.17(s),3.11(m),3.06(m),3.02(m),2.97(vs),2.93(m),2.89(m),2.83(m),及び2.43(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項20記載の結晶性水和物(以下、形Cと呼ぶ。)。
【請求項22】
図3に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項20記載の結晶性水和物。
【請求項23】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを非−溶剤に懸濁させ,一水和物を生じるのに十分な水を添加し,ついで懸濁液を環境温度で又は環境温度より低い温度で,好ましくは0〜30℃で,一水和物を生じるのに十分な時間攪拌することを含む、請求項20,21又は22のいずれか1つに記載の水和物形Cの製造方法。
【請求項24】
d−値(オングストローム):
8.6(s),5.56(m),4.99(m),4.67(s),4.32(m),3.93(vs),3.17(m),3.05(s),2.88(m),及び2.79(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Dと呼ぶ。)。
【請求項25】
d−値(オングストローム):
8.6(s),6.8(w),5.56(m),4.99(m),4.67(s),4.32(m),3.93(vs),3.88(w),3.64(w),3.41(w),3.25(w),3.17(m),3.05(s),2.94(w),2.92(w),2.88(m),2.85(w),2.80(w),2.79(m),2.68(w),2.65(w),2.52(vw),2.35(w),2.34(w),2.30(w),及び2.29(w)
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項24記載の結晶性水和物(以下、形Dと呼ぶ。)。
【請求項26】
図4に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項24記載の結晶性水和物。
【請求項27】
ほぼ室温で、過剰の非−溶剤に(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの濃縮した水溶液を添加し、ついでこの懸濁液を環境温度で攪拌することを含む、請求項24,25又は26のいずれか1つに記載の水和物形Dの製造方法。
【請求項28】
d−値(オングストローム):
15.4(s),4.87(w),3.69(m),3.33(s),3.26(vs),3.08(m),2.95(m),及び2.87(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す,(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Eと呼ぶ。)。
【請求項29】
d−値(オングストローム):
15.4(s),6.6(w),6.5(w),5.95(vw),5.61(vw),5.48(w),5.24(w),4.87(w),4.50(vw),4.27(w),3.94(w),3.78(w),3.69(m),3.60(w),3.33(s),3.26(vs),3.16(w),3.08(m),2.98(w),2.95(m),2.91(w),2.87(m),2.79(w),2.74(w),2.69(w),及び2.62(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項28記載の結晶性水和物(以下、形Eと呼ぶ。)。
【請求項30】
図5に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項28記載の結晶性水和物E。
【請求項31】
約10〜−10℃の温度に冷却された過剰の非−溶剤に、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの濃縮した水溶液を添加し、ついでこの温度でこの懸濁液を攪拌することを含む、請求項28,29又は30のいずれか1つに記載の水和物形Eの製造方法。
【請求項32】
d−値(オングストローム):
15.8(vs),3.87(m),3.60(m),3.27(m),3.21(m),2.96(m),2.89(m),及び2.67(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Hと呼ぶ。)。
【請求項33】
d−値(オングストローム):
15.8(vs),10.3(w),8.0(w),6.6(w),6.07(w),4.81(w),4.30(w),3.87(m),3.60(m),3.27(m),3.21(m),3.13(w),3.05(w),2.96(m),2.89(m),2.82(w),及び2.67(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項32記載の結晶性水和物(以下、形Hと呼ぶ。)。
【請求項34】
図8に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項32記載の結晶性水和物。
【請求項35】
環境温度で、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを酢酸と酢酸の量よりも少ない量の水との混合物に溶解させ、非−溶剤を添加し,得られた懸濁液を−10〜10℃の範囲の温度に冷却し,ついで懸濁液をこの温度で所定の時間攪拌することを含む、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの水和物形Hの製造方法。
【請求項36】
d−値(オングストローム):
8.8(m),6.3(m),5.65(m),5.06(m),4.00(m),3.88(m),3.69(s),3.64(s),3.52(vs),3.49(s),3.46(s),3.42(s),3.32(m),3.27(m),3.23(s),3.18(s),3.15(vs),3.12(m),及び3.04(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性水和物(以下、形Oと呼ぶ。)。
【請求項37】
d−値(オングストローム):
15.9(w),14.0(w),12.0(w),8.8(m),7.0(w),6.5(w),6.3(m),6.00(w),5.75(w),5.65(m),5.06(m),4.98(m),4.92(m),4.84(w),4.77(w),4.42(w),4.33(w),4.00(m),3.88(m),3.78(w),3.69(s),3.64(s),3.52(vs),3.49(s),3.46(s),3.42(s),3.32(m),3.27(m),3.23(s),3.18(s),3.15(vs),3.12(m),3.04(vs),2.95(m),2.81(s),2.72(m),2.67(m),及び2.61(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項36記載の結晶性水和物(以下、形Oと呼ぶ。)。
【請求項38】
図15に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項36記載の結晶性水和物。
【請求項39】
多形体形Fを、生じる相対湿度約52%の水蒸気を含有する窒素雰囲気に約24時間さらすことを含む、請求項36,37又は38のいずれか1つに記載の結晶性水和物Oの製造方法。
【請求項40】
d−値(オングストローム):
14.5(vs),7.0(w),4.41(w),3.63(m),3.57(m),3.49(w),3.41(m),3.26(m),3.17(m),3.07(m),2.97(m),2.95(m),2.87(w),及び2.61(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性エタノール性溶媒和物,(以下、形Gと呼ぶ。)。
【請求項41】
d−値(オングストローム):
14.5(vs),10.9(w),9.8(w),7.0(w),6.3(w),5.74(w),5.24(vw),5.04(vw),4.79(w),4.41(w),4.02(w),3.86(w),3.77(w),3.69(w),3.63(m),3.57(m),3.49(m),3.41(m),3.26(m),3.17(m),3.07(m),2.97(m),2.95(m),2.87(w),及び2.61(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項40記載の結晶性溶媒和物(以下、形Gと呼ぶ。)。
【請求項42】
図7に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項40記載の結晶性溶媒和物。
【請求項43】
ほぼ室温〜75℃の温度で(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを水に又は水とエタノールとの混合物に溶解させ,加熱した溶液を室温に、ついで5〜10℃に冷却し,場合によりエタノールを添加して沈殿を完了させ,得られた懸濁液を20〜5℃の温度で攪拌し,白色結晶性固体を濾過し、ついでこの固体を空気又は保護ガス、たとえば窒素下にほぼ室温の温度で乾燥させることを含む、請求項40,41又は42のいずれか1つに記載のエタノール性溶媒和物形Gの製造方法。
【請求項44】
d−値(オングストローム):
14.5(m),3.67(vs),3.61(m),3.44(m),3.11(s),及び3.00(m),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性酢酸溶媒和物(以下、形Iと呼ぶ。)。
【請求項45】
d−値(オングストローム):
14.5(m),14.0(w),11.0(w),7.0(vw),6.9(vw),6.2(vw),5.30(w),4.79(w),4.44(w),4.29(w),4.20(vw),4.02(w),3.84(w),3.80(w),3.67(vs),3.61(m),3.56(w),3.44(m),3.27(w),3.19(w),3.11(s),3.00(m),2.94(w),2.87(w),及び2.80(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項44記載の結晶性酢酸溶媒和物(以下、形Iと呼ぶ。)。
【請求項46】
図9に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項44記載の結晶性酢酸溶媒和物。
【請求項47】
高められた温度で、L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドを酢酸と水との混合物に溶解させ,この溶液にさらに酢酸を添加し、約10℃の温度に冷却し,ついで生じた懸濁液を約15℃に暖め,ついで得られた懸濁液を相平衡に十分な時間攪拌することを含む、請求項44,45又は46のいずれか1つに記載の結晶性酢酸溶媒和物の製造方法。
【請求項48】
d−値(オングストローム):
14.1(vs),10.4(w),6.9(w),6.5(w),6.1(w),4.71(w),3.46(m),3.36(m),及び2.82(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性混合エタノール性溶媒和物/水和物(以下、形Lと呼ぶ。)。
【請求項49】
d−値(オングストローム):
14.1(vs),10.4(w),9.5(w),9.0(vw),6.9(w),6.5(w),6.1(w),5.75(w),5.61(w),5.08(w),4.71(w),3.86(w),3.78(w),3.46(m),3.36(m),3.06(w),2.90(w),及び2.82(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項48記載の結晶性混合エタノール性溶媒和物/水和物(以下、形Lと呼ぶ。)。
【請求項50】
図12に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項48記載の結晶性混合エタノール性溶媒和物/水和物。
【請求項51】
室温で請求項28記載の水和物形Eをエタノールに懸濁させ、ついで懸濁液を0〜10℃の温度で相平衡に十分な時間攪拌することを含む、請求項48,49又は50のいずれか1つに記載の混合エタノール性溶媒和物/水和物Lの製造方法。
【請求項52】
d−値(オングストローム):
18.9(s),6.4(m),及び3.22(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性エタノール性溶媒和物(以下、形Mと呼ぶ。)。
【請求項53】
d−値(オングストローム):
18.9(s),6.4(m),6.06(w),5.66(w),5.28(w),4.50(w),4.23(w),及び3.22(vs),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項52記載の結晶性エタノール性溶媒和物(以下、形Mと呼ぶ。)。
【請求項54】
図13に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項52記載の結晶性エタノール性溶媒和物形M。
【請求項55】
L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドをエタノールに溶解させ、ついでこの溶液を環境温度で窒素下に蒸発させるか又は約20〜100ml/分の速度で乾燥窒素の僅かな流れの下に請求項40記載の形Gを乾燥させることを含む、請求項52,53又は54のいずれか1つに記載の溶媒和物形Mの製造方法。
【請求項56】
d−値(オングストローム):
19.5(m),6.7(w),3.56(m),及び3.33(vs),3.15(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶性多形体(以下、形Nと呼ぶ。)。
【請求項57】
d−値(オングストローム):
19.5(m),9.9(w),6.7(w),5.15(w),4.83(w),3.91(w),3.56(m),3.33(vs),3.15(w),2.89(w),2.81(w),2.56(w),及び2.36(w),
で表わされる固有ピークを有する固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項56記載の結晶性多形体(以下、形Nと呼ぶ。)。
【請求項58】
図14に示す通りの固有X−線粉末回折パターンを示す、請求項56記載の結晶性多形体N。
【請求項59】
L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドをイソプロパノールと水との混合物に溶解させ,イソプロパノールを徐々に添加し,生じた懸濁液を0℃に冷却し,数時間この温度で攪拌し,懸濁液を濾過し,固形残渣をイソプロパノールを用いて室温で洗浄し、ついで得られた結晶性材料を環境温度で及び減圧で数時間乾燥させることを含む、請求項56,57又は58のいずれか1つに記載の溶媒和物形Nの製造方法。
【請求項60】
形A,B,D,E,F,J,K,L及びO、又はその組み合わせより成る群から選ばれた(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの固形結晶形及び薬学的に許容し得るキャリヤー又は希釈剤を含む医薬調合物。
【請求項61】
ホラートを単独又はアルギニンと共に更に含む、請求項60記載の調合物。
【請求項62】
ホラートとして葉酸,又はテトラヒドロ葉酸,5,10−メチレンテトラヒドロ葉酸,10−ホルミルテトラヒドロ葉酸,5−ホルミルテトラヒドロ葉酸又は5−メチルテトラヒドロ葉酸から選ばれるテトラヒドロホラート,それらのポリグルタマート,それらの光学的に純粋なジアステレオマー,ジアステレオマーの混合物,特にラセミ混合物,それらの薬学的に許容し得る塩、たとえばナトリウム塩,カリウム塩、カルシウム塩又はアンモニウム塩をそれぞれ単独で又はその他のホラートとの又は付加的にアルギニンとの組み合わせで使用する、請求項61記載の調合物。
【請求項63】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの結晶形A,B,D,E,F,J,K,L及びOをホスト(host)に供給する方法であって,ホストに有効量の結晶形A,B,D,E,F,J,K,L及びOを投与することを含む、上記方法。
【請求項64】
(6R)−L−エリスロ−テトラヒドロビオプテリンジヒドロクロライドの多形体結晶形A,B,D,E,F,J,K,L及びOを、神経疾患の治療に有用である医薬の製造に使用する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−162568(P2011−162568A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−121772(P2011−121772)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【分割の表示】特願2006−539001(P2006−539001)の分割
【原出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(592010450)メルック・エプロバ・アクチエンゲゼルシヤフト (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121772(P2011−121772)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【分割の表示】特願2006−539001(P2006−539001)の分割
【原出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(592010450)メルック・エプロバ・アクチエンゲゼルシヤフト (10)
【Fターム(参考)】
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