説明

(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オンの結晶

本発明は、(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オンの結晶型、その製造方法、当該結晶型を含む医薬組成物、及び、血管機能を改善する化合物としての、及び免疫調節剤としてのそれらの、単独でのあるいは他の活性化合物又は治療法と組み合わせての使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン(以下、「化合物」とも記載する。)の結晶型、その製造方法、当該結晶型を含む医薬組成物、及び、血管機能を改善する化合物としての、及び免疫調節剤としてのそれらの、単独でのあるいは他の活性化合物又は治療法と組み合わせての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オンの製造及びその医薬としての使用は、公開PCT出願WO2005/054215に記載されている。
【0003】
驚くべきことに、(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オンの結晶型、特にWO2005/054215に開示されたアモルファス「化合物」と比べて有利な特性を有する結晶型が、特定の条件下において見出されることがわかった。そのような利点は、より良い流動性、より高い熱力学的安定性、より小さい吸湿性、異なる溶解性、より高い純度、製造におけるより良い再現性(例えば、より良いろ過パラメーター及び固体形成のより良い再現性)、制御された形態学的特性、及び/又はより良い長期安定性を含む。
【発明の概要】
【0004】
本発明の詳細な説明
i) 本発明は、1当量の(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン当たり、0〜2当量のHOを含む、化合物、(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オンの結晶型、例えば本質的に純粋な結晶型に関する。
【0005】
ii) 別の態様において、本発明は、1当量の(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン当たり、0〜1当量のHOを含む、態様i)に従う結晶型に関する。
【0006】
iii) 別の態様において、本発明は、1当量の(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン当たり、0〜0.5当量のHOを含む、態様i)に従う結晶型に関する。
【0007】
iv) 別の態様において、本発明は、1当量の(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン当たり、0.5当量のHOを含む、態様i)に従う結晶型に関する。
【0008】
v) 別の態様において、本発明は、化合物、(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オンがアモルファス形態である、態様i)に従う結晶型に関する。
【0009】
vi) 別の態様において、本発明は、1当量の(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン当たり、0.1〜2当量のプロピオン酸を含む、態様i)〜iii)のいずれか1つに従う結晶型に関する。
【0010】
vii) 別の態様において、本発明は、粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:7.0°、11.2°及び12.6°におけるピークの存在により特徴づけられる、態様i)〜iv)のいずれか1つに従う結晶型に関する。
【0011】
viii) 別の態様において、本発明は、粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:10.5°、22.2°及び23.4°におけるピークの存在により特徴づけられる、態様i)〜iii)及びv)のいずれか1つに従う結晶型に関する。
【0012】
ix) 別の態様において、本発明は、粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:10.7°、15.2°及び22.4°におけるピークの存在により特徴づけられる、態様i)〜iii)及びvi)のいずれか1つに従う結晶型に関する。
【0013】
x) 別の態様において、本発明は、粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:6.4°、13.2°及び25.3°におけるピークの存在により特徴づけられる、態様i)〜iii)及びv)のいずれか1つに従う結晶型に関する。
【0014】
xi) 別の態様において、本発明は、粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:7.0°、11.2°、12.6°、16.6°、18.8°、21.3°、23.6°及び26.0°におけるピークの存在により特徴づけられる、態様i)〜iv)のいずれか1つに従う結晶型に関する。
【0015】
xii) 別の態様において、本発明は、粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:10.5°、11.1°、11.4°、13.6°、13.9°、16.3°、20.8°、22.2°、23.4°、24.1°、25.7°、27.7°、27.9°、28.7°及び29.3°におけるピークの存在により特徴づけられる、態様i)〜iii)及びv)のいずれか1つに従う結晶型関する。
【0016】
xiii) 別の態様において、本発明は、粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:8.5°、10.7°、14.7°、15.2°、18.0°、22.4°及び23.4°におけるピークの存在により特徴づけられる、態様i)〜iii)及びvi)のいずれか1つに従う結晶型関する。
【0017】
xiv) 別の態様において、本発明は、粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:6.4°、13.2°、16.9°、18.6°、19.3°、20.8°及び25.3°におけるピークの存在により特徴づけられる、態様i)〜iii)及びv)のいずれか1つに従う結晶型に関する。
【0018】
xv) 別の態様において、本発明は、本質的に、図2に表される粉末X線回折パターンを示す、態様i)〜iv)のいずれか1つに従う結晶型に関する。
【0019】
xvi) 別の態様において、本発明は、本質的に、図3に表される粉末X線回折パターンを示す、態様i)〜iii)及びv)のいずれか1つに従う結晶型に関する。
【0020】
xvii) 別の態様において、本発明は、本質的に、図4に表される粉末X線回折パターンを示す、態様i)〜iii)及びvi)のいずれか1つに従う結晶型に関する。
【0021】
xviii) 別の態様において、本発明は、本質的に、図5に表される粉末X線回折パターンを示す、態様i)〜iii)及びv)のいずれか1つに従う結晶型に関する。
【0022】
xix) 別の態様において、本発明は、本明細書に記載の方法を用い、示差走査熱量測定により決定した約113℃の融点を有する、態様i)〜iv)、vii)、xi)及びxv)のいずれか1つに従う結晶型に関する。
【0023】
xx) 別の態様において、本発明は、本明細書に記載の方法を用い、示差走査熱量測定により決定した約133℃の融点を有する、態様i)〜iii)、v)、viii)、xii)及びxvi)のいずれか1つに従う結晶型に関する。
【0024】
xxi) 別の態様において、本発明は、本明細書に記載の方法を用い、示差走査熱量測定により決定した約101℃の融点を有する、態様i)〜iii)、v)、x)、xiv)及びxviii)のいずれか1つに従う結晶型に関する。
【0025】
xxii) 別の態様において、本発明は:
i) アモルファス(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン(251.1g)を、アセトニトリル(1.25L)中に加熱溶解し;
ii) 350rpmにて回転するパドルを用いて、内部温度を58℃にて平衡化し;
iii) 脱イオン水(1.0L)を、250mLの分量ずつ(最小内部温度=45℃)添加して、攪拌しながら清澄な溶液を生成させ;
iv) 内部温度を55℃に到達させ、そしてさらに一分量の水(250mL)を添加して、攪拌しながら清澄な溶液を生成させ;
v) 上記溶液の温度を59.5−60℃にて平衡化し;
vi) 上記溶液を約2時間に渡って12℃に冷却(冷却速度=0.4℃/min)し;そして
vii) 懸濁液を12℃にて18時間攪拌する;
ことにより得ることができる、態様i)〜iv)、vii)、xi)、xv)及びxix)のいずれか1つに従う結晶型Aに関する。
【0026】
xxiii) 別の態様において、本発明は:
i) (R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン(20.0g)の結晶型Aを、tert−ブチルメチルエーテル(100mL)に懸濁し;
ii) 室温にて機械的攪拌により攪拌して、40時間の攪拌後に、明黄色の薄い流動性の懸濁液に変換する粘性の高いペーストを生成させ;そして
iii) 固形物をろ過により分離し、それを真空下にて室温で4時間乾燥する;
ことにより得ることができる、態様i)〜iii)、v)、viii)、xii)、xv i)及びxx)のいずれか1つに従う結晶型Cに関する。
【0027】
xxiv) 別の態様において、本発明は、
i) (R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オンの結晶型A(0.5g)にプロピオン酸1mLを添加し;
ii) 上記サンプルを振とうして、すべての固形物を完全に溶解させ;
iii) 上記サンプルを室温にて一晩保ち;そして
iv) 得られた固形物をろ過により分離する;
ことにより得ることができる、態様i)〜iii)、vi)、ix)、xiii)及びxvii)のいずれか1つに従う結晶型IIIに関する。
【0028】
xxv) 別の態様において、本発明は、
i) (R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オンの結晶型IIIを、真空下(<0.1mbar)にて1週間貯蔵し;そして
ii) 生成物を、蓋をせずに(open)室温下、かつ約40%の相対湿度で一晩貯蔵する;
ことにより得ることができる、態様i)〜iii)、v)、x)、xiv)、xviii)及びxxi)のいずれか1つに従う結晶型IIに関する。
【0029】
「本質的に純粋な」という用語は、本発明の文脈において、「化合物」の結晶の、少なくとも90、好ましくは少なくとも95、そして最も好ましくは少なくとも99重量パーセントが、本発明の結晶型、特に本発明の単一の結晶型で存在すること、を特に意味するものと理解されるべきである。
【0030】
例えば、粉末X線回折ダイアグラムにおけるピークの存在を定義する場合、通常の方法は、S/N比(S=シグナル、N=ノイズ)の点からこれを行うことである。この定義に従えば、粉末X線回折ダイアグラムにピークが存在しなければならないと述べる場合、粉末X線回折ダイアグラムのピークは、x(xは1より大きい数値である。)より大きい、通常は2より大きい、特に3より大きいS/N比(S=シグナル、N=ノイズ)を持つことにより定義されるものと理解されるべきである。
【0031】
結晶型が、本質的に、それぞれ図2、図3、図4及び図5に表される粉末X線回折パターンを示す、という記載の文脈において、「本質的に」という用語は、少なくとも当該図に表されるダイアグラムの主要なピーク、すなわち、ダイアグラムにおいて最も強いピークと比べ、10%、特に20%を超える相対強度を有するピークが存在しなければならないことを意味する。しかしながら、粉末X線回折の当業者は、粉末X線回折ダイアグラムの相対強度が、好ましい配向効果に起因する強い強度変動に付され得ることを認識しているはずである。
【0032】
温度に関して使用されていない場合には、数値「X」の前に置かれる「約」という用語は、本出願において、X−10%XからX+10%Xの間、好ましくはX−5%XからX+5%Xの間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」の用語は、この出願において、Y−10℃からY+10℃の間、好ましくはY−5℃からY+5℃の間を表す。
【0033】
本発明の結晶型は、医薬として、例えば経腸又は非経口投与のための、特に例えば経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができ、そして循環リンパ球数の減少及び、活性化免疫系と関連した疾患又は障害の予防及び/又は治療に適切である。
【0034】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者にもよく知られた様式で(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part 5、「Pharmaceutical Manufacturing」[published by Lippincott Williams & Wilkins]を見よ。)、本発明の結晶型を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な薬学的に許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0035】
「化合物」の結晶型は、単一成分として、又は「化合物」の他の結晶型若しくはアモルファス形態との混合物として使用してもよい。
【0036】
本発明の結晶型を用いて治療及び/又は予防され得る、活性化した免疫系と関連する疾患又は障害は、例えばWO2005/054215に記載されている。
【0037】
本発明の結晶型を用いて治療及び/又は予防されるべき好ましい疾患又は障害は、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓、角膜及び皮膚等の移植された臓器に対する拒絶反応;幹細胞移植によりもたらされる移植片対宿主病;関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病及び潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患、乾癬、乾癬性関節炎、橋本甲状腺炎等の甲状腺炎、ブドウ膜網膜炎を含む自己免疫症候群;鼻炎、結膜炎、皮膚炎等のアトピー性疾患;喘息;I型糖尿病;リウマチ熱、感染後糸球体腎炎を含む感染後自己免疫疾患;固形癌及び腫瘍転移から成る群より選択される。
【0038】
本発明の結晶型を用いて治療及び/又は予防されるべき特に好ましい疾患又は障害は、腎臓、肝臓、心臓及び肺から選択される移植された臓器に対する拒絶反応;幹細胞移植によりもたらされる移植片対宿主病;関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、クローン病及び橋本甲状腺炎から選択される自己免疫症候群;及びアトピー性皮膚炎から選択される。非常に好ましくは、本発明の結晶型を用いて治療及び/又は予防されるべき疾患又は障害は、多発性硬化症及び乾癬から選択される。
【0039】
本発明はまた、本発明の結晶型の薬学的に活性な量を対象に投与することを含む、本明細書において言及し、又はWO2005/054215において言及した疾患若しくは障害の予防又は治療のための方法にも関する。
【0040】
さらにまた、本発明の結晶型は、1つ又はいくつかの免疫調節薬と組み合わせて、本明細書において言及した疾患及び障害の予防及び/又は治療のために有用である。本発明の好ましい態様によれば、当該薬剤は、免疫抑制薬、副腎皮質ステロイド、非ステロイド性抗炎症薬、細胞毒、接着分子阻害剤、サイトカイン、サイトカイン阻害剤、サイトカイン受容体アンタゴニスト及び組換えサイトカイン受容体からなる群より選択される。
【0041】
また、本発明は、1つ又はいくつかの免疫調節薬と任意に組み合わせて使用するための、本明細書において言及し、又はWO2005/054215において言及した疾患及び障害の予防又は治療のための医薬組成物の製造のための、本発明の結晶型の使用に関する。
【0042】
(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オンは、例えば、公開PCT出願WO2005/054215(特に実施例85を見よ。)に記載の通りに、又は公開PCT出願WO2008/062376に開示される製造工程を用いることにより製造することができる。
【0043】
図1、2、3、4及び5のX線回折ダイアグラムにおいては、屈折角2θを横軸に、測定値を縦軸にプロットする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、X線アモルファス形態における「化合物」の粉末X線回折ダイアグラムを示す。
【図2】図2は、実施例1から得られた結晶型Aにおける、「化合物」の粉末X線回折ダイアグラムを示す。X線回折ダイアグラムは、示した屈折角2θでの、ダイアグラムにおける最も強いピークと比較して、下記のパーセンテージの相対強度を有するピークを示す(相対的ピーク強度を括弧内に記載する。):4.2°(6.2%)、6.3°(6.3%)、7.0°(79.8%)、8.7°(5.9%)、11.2°(56.0%)、12.6°(100.0%)、14.9°(9.5%)、16.6°(59.0%)、17.4°(11.7%)、18.8°(59.5%)、21.3°(47.0%)、23.6°(52.0%)、24.8°(28.3%)、26.0°(45.5%)、27.1°(19.0%)及び28.5°(21.0%)。
【図3】図3は、実施例2から得られた結晶型Cにおける、「化合物」の粉末X線回折ダイアグラムを示す。X線回折ダイアグラムは、示した屈折角2θでの、ダイアグラムにおける最も強いピークと比較して、下記のパーセンテージの相対強度を有するピークを示す(相対的ピーク強度を括弧内に記載する。):10.5°(36.3%)、11.1°(19.2%)、11.4°(47.9%)、13.6°(26.5%)、13.9°(34.2%)、16.3°(23.4%)、18.0°(12.3%)、18.2°(9.6%)、18.9°(16.7%)、20.8°(100.0%)、21.5°(18.5%)、22.2°(74.7%)、23.4°(63.2%)、24.1°(29.8%)、25.7°(37.3%)、26.8°(18.4%)、27.4°(17.4%)、27.7°(25.4%)、27.9°(24.1%)、28.7°(36.8%)、29.3°(19.6%)及び31.7°(21.8%)。
【図4】図4は、実施例3から得られた結晶型IIIにおける、方法2で測定した、「化合物」の粉末X線回折ダイアグラムを示す。X線回折ダイアグラムは、示した屈折角2θでの、ダイアグラムにおける最も強いピークと比較して、下記のパーセンテージの相対強度を有するピークを示す(相対的ピーク強度を括弧内に記載する。)(選択したピークのみを記載する。):8.5°(30%)、10.7°(59%)、14.7°(37%)、15.2°(42%)、18.0°(52%)、22.4°(100%)、23.4°(85%)及び26.9°(62%)。
【図5】図5は、実施例4から得られた結晶型IIにおける、「化合物」の粉末X線回折ダイアグラムを示す。X線回折ダイアグラムは、示した屈折角2θでの、ダイアグラムにおける最も強いピークと比較して、下記のパーセンテージの相対強度を有するピークを示す(相対的ピーク強度を括弧内に記載する。):6.4°(92.3%)、8.9°(16.5%)、11.9°(19.3%)、13.2°(75.0%)、16.9°(28.0%)、18.6°(37.0%)、19.3°(70.1%)、20.8°(82.6%)及び25.3°(100.0%)。
【実施例】
【0045】
実験の部
以下の実施例は本発明をより詳細に説明する。温度は摂氏度で記載する。他の記載が無い場合には、室温は18−25℃の範囲にあり、そして百分率は重量によって記載する。
【0046】
本明細書で使用する略語:
ca. 約
DSC 示差走査熱量測定
Fig. 図
H−NMR 水素−1 核磁気共鳴
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
PTFE ポリテトラフルオロエチレン
q.s. 十分量
RH 相対湿度
Rt 室温
Rpm 分当たりの回転数
RRT 活性成分の保持時間に対する不純物の保持時間の比を示す相対保持時間
TBME tert−ブチルメチルエーテル
TFA トリフルオロ酢酸
TGA 熱重量分析
XRPD 粉末X線回折
【0047】
粉末X線回折分析
アモルファス「化合物」及び結晶型A、C及びII(図1−3及び5)の「化合物」の粉末X線回折パターンは、Cu Kα照射(40kV、40mA)、θ−θゴニオメーター、自動発散及び受光スリット、グラファイト二次モノクロメーター及びシンチレーション計数器を用いて、Bruker AXS/Siemens D5000回折計上で収集した。装置の作動は、コランダム標品(NIST1976)を用いてチェックする。室温条件下で走査するサンプルは、受け取った状態の粉末を用いて平板標品として調製した。約35mgのサンプルを、磨いた、バックグラウンド値0(510)のシリコンウェハのキャビティーカット中に静かに充填した。サンプルは、分析の間、それ自体のプレイン中で回転させた。データは、0.02°、2θのステップサイズ及び1秒のステップタイムを用いて、連続スキャンモードにて、2°〜42°、2θの角度範囲に渡って収集した。回折データは、装置評価ソフトウェア(EVA)を用いて、Kα2成分を除去した後に、Cu Kα1(λ=1.5406Å)を用いてレポートされる。これまでに測定された粉末X線回折パターンが一般的にそうであるように、本明細書で提供される2θ値の精度は、+/−0.1〜0.2°の範囲内である。
【0048】
結晶型III(図4)の「化合物」に対する粉末X線回折パターンを得るために使用された粉末X線回折分析方法2: 粉末X線回折パターンは、反射配置におけるCu Kα−照射で作動するGADDS HiStar検出器を備えたBruker D8 HTS X線回折計上で収集した。典型的には、X線チューブは、40kV/40mAにて走査させた。装置の作動は、コランダム標品(NIST1976)を用いてチェックする。室温条件下で走査するサンプルは、受け取った状態の粉末を用いて平板標品として調製した。約3mgのサンプルを、顕微鏡用スライド上に静かにプレスした。データは、2つの自動的統合される(automatically merged and integrated)フレーム内で、フレーム当たり180秒のアクイジション時間(acquisition time)で、Bruker PILOTソフトウェアを用いて、6°〜32°、2θの角度範囲に渡って収集した。回折データは、Kα2成分を除去することなくレポートし、バックグラウンドシグナルは除かなかった。本明細書で提供される2θ値の精度は、+/−0.1〜0.2°の範囲内である。
【0049】
示差走査熱量測定
DSCデータは、50サンプルのオートサンプラーを備えたTA Instruments Q1000上で収集した。装置は、インジウム標品を用いてエネルギー及び温度について平衡化した。典型的には、0.5〜3mgの各サンプルを、ピンホール アルミニウムパン内で、他の記載が無い限り、25℃から250℃に、10°C min−1で加熱した。サンプル上で窒素パージを30ml min−1で維持した。開始温度は、ピーク接線の開始温度(peak tangential onset temperatures)として記載される一方、融点はピーク温度として報告される。
【0050】
熱重量分析
TGAデータは、16サンプルのオートサンプラーを備えたTA Instruments Q500 TGA上で収集された。装置は、アルメル標品を用いて温度を平衡化した。典型的には、3〜10mgの各サンプルを、予め重量を測定した白金製のるつぼ及びアルミニウムDSCパン上にロードし、そして室温から350℃に、10°C min−1で加熱した。サンプル上で窒素パージを60ml min−1で維持した。
【0051】
HPLC、純度分析
純度分析は、ダイオードアレイ検出器を備えたAgilent HP1100シリーズシステム上で、ChemStationソフトウェアv9を用いて行った。サンプルは、ホイルを用いて光から保護した。オートサンプラートレーは4℃に保った。
【0052】
【表1】

【0053】
実施例1:結晶型Aの製造
アモルファス「化合物」(251.1g)をアセトニトリル(1.25L)中に加熱溶解し、そして350rpmで回転するパドルを用いて、内部温度を約58℃で平衡化する。脱イオン水(1.0L)を250mLの分量で(最小内部温度=45℃)添加し、攪拌しながら清澄な溶液を生成させる。内部温度を55℃に到達させ、そしてさらに一分量の水(250mL)を添加する:攪拌下で、溶液は清澄になる。溶液の温度を59.5〜60℃にて平衡化させ、そして溶液を約2時間に渡って12℃に冷却する(冷却速度=0.4℃/min)。懸濁液を12℃にて18時間攪拌して、固体生成物のサンプルをXRPDで分析する。生成物は結晶型Aである。
【0054】
【表2】

【0055】
表1の説明:1):結晶型AのTGAサーモグラムは、室温と約60℃の間で1.9%の重量減を(「化合物」1モル当たり0.5モルの水に相当。)、そして、分解に起因して、225と340℃の間で19.6%の重量減を示す。最初の重量減は、約33.6℃で立ち上がるDSCにおける幅広い吸熱に相当する。よりシャープな2番目の吸熱は、約108℃の立ち上がりで観察され、これは溶融に相当する。
【0056】
アモルファス化合物
アモルファス「化合物」は、公開PCT出願WO2005/054215の実施例85について記載された工程により得ることができる。あるいは、結晶型Aの「化合物」(501mg)をジクロロメタン(5mL)に溶解する。溶液を、0.45μmのPTFEフィルターを通してろ過し、そして溶媒を回転蒸発により除いて、薄黄色のフォームを得る。固形物を、高真空下、40℃にて1日乾燥して生成物を得る:NB−174−6−1(本明細書では「アモルファス「化合物」」とも記載する。)。
【0057】
【表3】

【0058】
実施例2:結晶型Cの製造
結晶型Aの「化合物」(20.0g)をTBME(100mL)に懸濁し、そしてrtにて機械的攪拌により攪拌する。粘性の高いペーストが得られ、それは、40時間の攪拌後に、明黄色の薄い流動性の懸濁液に変換する。固形物をろ過により分離し、それを真空下、rtにて4時間乾燥する。生成物を、XRPDにより結晶型Cとして同定する。
【0059】
【表4】

【0060】
実施例3:結晶型IIIの製造
結晶型Aの「化合物」(0.5g)をプロピオン酸(1mL)に溶解する。数時間以内に室温で固体生成物が生成する。当該固形物をろ過により単離し、結晶型IIIの「化合物」が得られる。
【0061】
【表5】

【0062】
実施例4:結晶型IIの製造
結晶型IIIの「化合物」を、高真空下(<0.1mbar)にて1週間貯蔵し、次いで、蓋をせずに(open)、約40%の相対湿度で、かつ室温で一晩貯蔵して、結晶型IIの「化合物」を得る。
【0063】
【表6】

【0064】
実施例5:アモルファス「化合物」と比較した、結晶型A、C及びIIの「化合物」の吸湿性
方法:
重量測定蒸気吸着(Gravimetric Vapour Sorption)(GVS)
CFRSorpソフトウェアで制御したHiden IGASorp吸湿分析機を用いて、吸湿等温線を得る。Huber再循環水浴により、サンプル温度を25℃に維持する。乾燥及び湿潤窒素流を全体流速250ml.min−1で混合することにより、湿度を制御する。相対湿度は、サンプルの近傍に配置した、校正したVaisala RHプローブ(0−95%RHのダイナミックレンジ)で測定する。%RHの関数としてのサンプルの重量変化を、微量天秤(精度±0.001mg)を用いて常にモニターする。
【0065】
典型的には、10〜20mgのサンプルを、室温条件下にて、重量を測定したステンレス鉱のメッシュのバスケット内に置く。40%RH及び25℃にて(典型的な室温条件)、サンプルをロードし、またアンロードする。
【0066】
吸湿等温線は、以下に概説するように遂行する(2スキャンにより、1つの完全なサイクルが得られる。)。標準等温線は、25℃にて、10%RHのインターバルで、0−90%RHの範囲に渡って行う。
【0067】
【表7】

【0068】
ソフトウェアは、質量緩和モデル(a model of the mass relaxation)と共に、最小二乗最小化法(least squares minimisation procedure)を用い、漸近値を予測する。測定された質量緩和値は、ソフトウェアによって予測された値の5%以内でなければならず、その後に次の%RH値が選択される。最小校正時間は1時間に、そして最大は4時間に設定する。
【0069】
固体形態の吸湿性:
分類は、the European Pharmacopea Technical Guide(1999年版)(例えば、わずかに吸湿性:2%未満の質量増加及びmass/massが0.2%か、それ以上;吸湿性:15%未満の質量増加及びmass/massが2%か、それ以上)に従って行われる。最初の吸着スキャンにおける40%相対湿度と80%相対湿度との間の質量変化を考慮する。
【0070】
アモルファス:2.1%の質量増加:吸湿性
結晶型A: <0.2%の質量増加:非−吸湿性
結晶型C: <0.2%の質量増加:非−吸湿性
結晶型II:0.2%の質量増加:わずかに吸湿性
【0071】
実施例6:結晶型A又はCの「化合物」を10mg、20mg又は40mg含むカプセル
【0072】
【表8】

【0073】
顆粒内層物質を、高剪断ミキサー(high shear mixer)、例えばDiosna、内でふるい、乾式混合工程の間に混合する。顆粒内層物質の乾式混合物に水を添加しながら、適宜なサイズの適宜な顆粒が形成されるまで、湿式造隆粒工程で混合する。次いで、顆粒を流動床乾燥器内で乾燥し、そして適宜な多孔性を有するふるいを用いて製粉する。ステアリン酸マグネシウム以外のすべての顆粒外層物質は、1000μmのふるいを通し、そして顆粒と混合する。次いで、ステアリン酸マグネシウムを、記載量の前記混合物と共にふるいにかけ、そして残りの粉末混合物に添加する。最終混合物をさらに混ぜ合わせる。次いで、粉末を、サイズ「0」の乳色のハードゼラチンカプセルに充填する。
【0074】
実施例7:結晶型Cの「化合物」を含む錠剤
【0075】
【表9】

【0076】
顆粒内層物質を、高剪断ミキサー(high shear mixer)、例えばDiosna内でふるい、乾式混合工程の間に混合する。顆粒内層物質の乾式混合物に水を添加しながら、適宜なサイズの適宜な顆粒が形成されるまで、湿式造隆粒工程で混合する。次いで、顆粒を流動床乾燥器内で乾燥し、そして適宜な多孔性を有するふるいを用いて製粉する。ステアリン酸マグネシウム以外のすべての顆粒外層物質は、1000μmのふるいを通し、そして顆粒と混合する。次いで、ステアリン酸マグネシウムを、記載量の前記混合物と共にふるいにかけ、そして残りの粉末混合物に添加する。最終混合物をさらに混ぜ合わせる。次いで、粉末を、適宜な圧縮打錠装置に移す。次いで、錠剤を、コーティング中のゲイン(gain)を4%w/wとして、Opadry II brownでコートする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1当量の(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン当たり、0〜2当量のHOを含む、化合物、(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オンの結晶型。
【請求項2】
1当量の(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン当たり、0〜1当量のHOを含む、請求項1に記載の結晶型。
【請求項3】
1当量の(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン当たり、0〜0.5当量のHOを含む、請求項1に記載の結晶型。
【請求項4】
1当量の(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン当たり、0.5当量のHOを含む、請求項1に記載の結晶型。
【請求項5】
化合物、(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オンがアモルファス形態である、請求項1に記載の結晶型。
【請求項6】
1当量の(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン当たり、0.1〜2当量のプロピオン酸を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の結晶型。
【請求項7】
粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:7.0°、11.2°及び12.6°におけるピークの存在により特徴づけられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶型であって、上記粉末X線回折ダイアグラムが、Cu Kα1照射(λ=1.5406Å)を用いることにより得られる上記の結晶型。
【請求項8】
粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:10.5°、22.2°及び23.4°におけるピークの存在により特徴づけられる、請求項1〜3及び5のいずれか1項に記載の結晶型であって、上記粉末X線回折ダイアグラムが、Cu Kα1照射(λ=1.5406Å)を用いることにより得られる上記の結晶型。
【請求項9】
粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:10.7°、15.2°及び22.4°におけるピークの存在により特徴づけられる、請求項1〜3及び6のいずれか1項に記載の結晶型であって、上記粉末X線回折ダイアグラムが、Cu Kα1照射を用いることにより得られる上記の結晶型。
【請求項10】
粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:6.4°、13.2°及び25.3°におけるピークの存在により特徴づけられる、請求項1〜3及び5のいずれか1項に記載の結晶型であって、上記粉末X線回折ダイアグラムが、Cu Kα1照射(λ=1.5406Å)を用いることにより得られる上記の結晶型。
【請求項11】
粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:7.0°、11.2°、12.6°、16.6°、18.8°、21.3°、23.6°及び26.0°におけるピークの存在により特徴づけられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶型であって、上記粉末X線回折ダイアグラムが、Cu Kα1照射(λ=1.5406Å)を用いることにより得られる上記の結晶型。
【請求項12】
粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:10.5°、11.1°、11.4°、13.6°、13.9°、16.3°、20.8°、22.2°、23.4°、24.1°、25.7°、27.7°、27.9°、28.7°及び29.3°におけるピークの存在により特徴づけられる、請求項1〜3及び5のいずれか1項に記載の結晶型であって、上記粉末X線回折ダイアグラムが、Cu Kα1照射(λ=1.5406Å)を用いることにより得られる上記の結晶型。
【請求項13】
粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:8.5°、10.7°、14.7°、15.2°、18.0°、22.4°及び23.4°におけるピークの存在により特徴づけられる、請求項1〜3及び6のいずれか1項に記載の結晶型であって、上記粉末X線回折ダイアグラムが、Cu Kα1照射を用いることにより得られる上記の結晶型。
【請求項14】
粉末X線回折ダイアグラムにおいて、以下の屈折角2θ:6.4°、13.2°、16.9°、18.6°、19.3°、20.8°及び25.3°におけるピークの存在により特徴づけられる、請求項1〜3及び5のいずれか1項に記載の結晶型であって、上記粉末X線回折ダイアグラムが、Cu Kα1照射(λ=1.5406Å)を用いることにより得られる上記の結晶型。
【請求項15】
示差走査熱量測定により決定した約113℃の融点を有する、請求項1〜4、7及び11のいずれか1項に記載の結晶型。
【請求項16】
示差走査熱量測定により決定した約133℃の融点を有する、請求項1〜3、5、8及び12のいずれか1項に記載の結晶型。
【請求項17】
示差走査熱量測定により決定した約101℃の融点を有する、請求項1〜3、5、10及び14のいずれか1項に記載の結晶型。
【請求項18】
i) アモルファス(R)−5−[3−クロロ−4−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ベンズ[Z]イリデン]−2−([Z]−プロピルイミノ)−3−o−トリル−チアゾリジン−4−オン(251.1g)を、アセトニトリル(1.25L)中に加熱溶解し;
ii) 350rpmにて回転するパドルを用いて、58℃にて内部温度を平衡化し;
iii) 脱イオン水(1.0L)を、250mLの分量ずつ(最小内部温度=45℃)添加して、攪拌しながら清澄な溶液を生成させ;
iv) 内部温度を55℃に到達させ、そしてさらに一分量の水(250mL)を添加して、攪拌しながら清澄な溶液を生成させ;
v) 上記溶液の温度を59.5〜60℃にて平衡化し;
vi) 上記溶液を約2時間に渡って12℃に冷却(冷却速度=0.4℃/min)し;そして
vii) 懸濁液を12℃にて18時間攪拌する;
ことにより得ることができる、請求項1〜4、7、11及び15のいずれか1項に記載の結晶型A。
【請求項19】
i) 請求項18の結晶型A(20.0g)を、tert−ブチルメチルエーテル(100mL)に懸濁し;
ii) 室温にて機械的攪拌により攪拌して、40時間の攪拌後に、明黄色の薄い流動性の懸濁液に変換する粘性の高いペーストを生成させ;そして
iii) 固形物をろ過により分離し、それを真空下にて室温で4時間乾燥する;
ことにより得ることができる、請求項1〜3、5、8、12及び16のいずれか1項に記載の結晶型C。
【請求項20】
i) 請求項18の結晶型A(0.5g)にプロピオン酸1mLを添加し;
ii) 上記サンプルを振とうして、すべての固形物を完全に溶解させ;
iii) 上記サンプルを室温にて一晩保ち;そして
iv) 得られた固形物をろ過により分離する;
ことにより得ることができる、請求項1〜3、6、9及び13のいずれか1項に記載の結晶型III。
【請求項21】
i) 請求項20の結晶型IIIを、高真空下(<0.1mbar)にて1週間貯蔵し;そして
ii) 生成物を、蓋をせずに、室温下にて、かつ約40%の相対湿度で一晩貯蔵する;
ことにより得ることができる、請求項1〜3、5、10、14及び17のいずれか1項に記載の結晶型型II。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の結晶型及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項23】
医薬として使用するための、請求項1〜21のいずれか1項に記載の結晶型、又は請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
活性化された免疫系と関連する疾患又は障害の予防又は治療のための医薬組成物の製造のための、請求項1〜21のいずれか1項に記載の結晶型の使用。
【請求項25】
腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓、角膜及び皮膚等の移植された臓器に対する拒絶反応;幹細胞移植によりもたらされる移植片対宿主病;関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病及び潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患、乾癬、乾癬性関節炎、橋本甲状腺炎等の甲状腺炎、ブドウ膜網膜炎を含む自己免疫症候群;鼻炎、結膜炎、皮膚炎等のアトピー性疾患;喘息;I型糖尿病;リウマチ熱及び感染後糸球体腎炎を含む感染後自己免疫疾患;固形癌及び腫瘍転移からなる群より選択される疾患又は障害の予防又は治療のための、請求項24に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−505873(P2012−505873A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531624(P2011−531624)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054592
【国際公開番号】WO2010/046835
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】