説明

1’−ヒドロキシ−2’−置換シクロヘキシルアゼチジン−2−オン化合物の調製方法

トリネム合成の重要な中間体である、式2に示す1’−ヒドロキシ−2’−置換シクロヘキシルアゼチジン−2−オン化合物の新規調製法を、式RYHで示す求核化合物(求核試薬が液体形態の場合には溶媒自体としての役割を果たすこともある。)による、式1に示す(3S,4R)−3−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(1’R,2’S,3’R)−1’,2’−エポキシシクロヘキサン−3’−イル]アゼチジン−2−オンのエポシキド環の開環によって記載する。本合成法では、適切な溶媒中およびトリフルオロメタンスルホン酸の塩、好ましくはイッテルビウム(III)トリフルオロメタンスルホナート、スズ(II)トリフルオロメタンスルホナートまたはジスプロシウム(III)トリフルオロメタンスルホナートの群からの適切な触媒の存在下、反応混合物をa)超音波照射またはb)マイクロ波照射した後、所望の化合物を単離および精製する。新規方法の変形形態では、a)マイクロ波照射下またはb)マイクロ波非照射下で、適切な溶媒中で式NHXで示す化合物を用いて式1に示す出発化合物のエポキシド環を開環させて式2に示す所望の化合物を得ることを記載する。式1に示す化合物の代わりに、式6に示す化合物を出発化合物として使用してもよく、その場合、当分野において既知である、任意の他の適切なヒドロキシ保護基を当該出発化合物の式中で使用してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘテロ環式化学の分野に属し、全合成β−ラクタム抗生物質のニューファミリーであるトリネム類の合成において重要な中間体である1’−ヒドロキシ−2’−置換シクロヘキシルアゼチジン−2−オンの新規調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
C.Marchioro et al.,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1997,463−468には、市販の4−アセトキシアゼチジノン誘導体から出発して、メタノール中で触媒としてp−トルエンスルホン酸1水和物を使用して(3S,4R)−3−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[((1’R,2’S,3’R)−1’,2’−エポキシシクロヘキサン−3’−イル]アゼチジン−2−オン(以下、化合物1と称する。)のエポキシド環を開環し、(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−メトキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(以下、化合物2aと称する。)を収率65%で得ることが記載されている。該化合物はトリネム類の合成において重要な中間体である。
【0003】
D.Andreotti et al.,Bioorg.&Med.Chem.Lett.,Vo.6,No.16,pp.2019−2024,1996には、(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−3−(2−フルオロエトキシ)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(以下、化合物2fと称する。)が、上記化合物1から溶媒として2−フルオロエタノールを用いて触媒非存在下、収率21%で調製されることが記載されており、3−((1S,2S,3R)−3−((3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−オキソアゼチジン−イル)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンニトリル(以下、化合物2hと称する。)が、上記化合物1から溶媒として3−ヒドロキシプロパンニトリルを用いて非常に低い収率で調製されること、およびこの収率が酸性触媒としてp−トルエンスルホン酸に代えて硝酸セリウムアンモニウム(IV)を使用することにより20%に増加したことが記載されている。
【発明の開示】
【0004】
驚いたことに、本発明者らは、一般式2
【0005】
【化8】

[式中、
YはO、SまたはNHであり;
Rは水素またはa)ニトロ、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよびシアノから各々選択される1もしくは2個の置換基で場合により置換されているフェニル基、b)1−もしくは2−ナフチル基、ならびにc)非置換またはニトロ、ニトロソ、アミノ、イミノ、スルホニル、クロロスルホニル、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルチオカルボニル、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、カルボキシアルデヒドもしくはシアノ基から各々選択される1もしくは2個の置換基で場合により置換されているオキシラニル、アジリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、アゼピニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ピラニルおよびこれらの水素化された類似体から選択される;またはR(CH−基(nは1から11までの整数であり、mは1から2までの整数であり、R1はa)水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、ニトロ、ニトロソ、アミノ、イミノ、スルホニル、クロロスルホニル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルチオカルボニル;またはb)ハロ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシアルデヒド、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、ニトロ、ニトロソ、アミノ、イミノ、スルホニル、クロロスルホニル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルチオカルボニル基から各々選択される1または2個の置換基で場合により置換されているC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキルである。)である]
に示す種々の1’−ヒドロキシ−2’−置換シクロヘキシルアゼチジン−2−オンを中程度から優れた収率で得る新規調製方法を見出した。
【0006】
当該方法は、スキーム1
【0007】
【化9】

に示すように、(3S,4R)−3−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(1’R,2’S,3’R)−1’,2’−エポキシシクロヘキサン−3’−イル]アゼチジン−2−オン(式1
【0008】
【化10】

に示す化合物)を、一般式4
【0009】
【化11】

(式中、YおよびRは上記定義の通りである。)
に示す求核化合物を用いて、適切な溶媒中で適切な触媒の存在下、反応混合物にa)超音波照射下またはb)マイクロ波照射下で、エポキシド環の開環をすることによるもので、ここで求核試薬が液体形態の場合には溶媒自体としての役割を果たすこともある。
【0010】
出発化合物としての(3S,4R)−3−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(1’R,2’S,3’R)−1’,2’−エポキシシクロヘキサン−3’−イル]アゼチジン−2−オン(式1に示す化合物)は、C.Marchioro et al.,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1997,463−468の論文中の記載に従って調製してもよい。
【0011】
適切な溶剤は、液体形態の場合には求核試薬自体であってもよく、または水、C−Cアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、1−メチルピロリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミドン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、液体低級C−Cアルキルアセテート、例えば酢酸エチル、芳香族炭化水素、例えばトルエン、ベンゼン、もしくはこれらの混合物を含み得る。
【0012】
適切な触媒は、ルイス酸、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸の塩、より好ましくはイッテルビウム(III)トリフラート、スズ(II)トリフラートおよびジスプロシウム(III)トリフラートを含む。
【0013】
反応は、反応混合物の超音波照射下またはマイクロ波照射下で行ってもよい。
【0014】
好ましい実施形態では、反応を超音波浴中で加熱せずに行ってもよい。しかし、反応混合物の温度はおおよそ室温から約60℃まで自然に上昇する。反応は、20から80kHzまで、好ましくは30から50kHzまでの周波数範囲内で行ってもよい。
【0015】
反応工程の間に、適切な触媒を反応混合物に加え、この混合物を超音波浴中に例えば約1時間浸してもよい。反応が終了しない場合には、反応混合物にもう1回触媒を加え、更なる期間、例えば約1時間、超音波浴中に置く。この工程を変換が終了するまで繰り返してもよい。一般に、変換の終了には、超音波浴中に反応混合物を浸しておく間に2〜4回の触媒添加が必要である。触媒を複数回添加する代わりに、1回の添加量を増量し、および/または反応時間を延長しても、出発化合物の全てが変換することはない。
【0016】
この工程が終了した後、反応混合物を蒸発させ、得られた生成物を一般的な技術、例えば抽出および/もしくは結晶化または非極性有機溶媒、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ジ−C−Cアルキルエーテル、酢酸エチルおよび石油エーテルを用いる沈殿法によって精製してもよい。
【0017】
好ましい実施形態では、式1に示す化合物は、適切なC−Cアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノールを求核化合物として用い、イッテルビウム(III)トリフラートを触媒として数回、例えば4回に分けて、超音波浴中に浸した反応混合物に添加することによって変換される。
【0018】
反応混合物の超音波照射により、先行技術の工程と比較して、一般式2に示す1’−ヒドロキシ−2’−置換シクロヘキシルアゼジチン−2−オンの収率を顕著に改善して得ることができる。
【0019】
別の実施形態では、上記反応混合物に超音波照射を使用する代わりに、マイクロ波照射下で該反応混合物に適切な触媒を加えてもよい。
【0020】
反応は、マイクロ波照射下で約30秒から数時間、好ましくは約1時間行ってもよい。反応の温度は、使用する溶媒により、室温から約250℃、好ましくは約60から約80℃までであってよい。反応工程の終了後に、得られた生成物を水の添加により反応混合物から沈殿させ、この沈殿を乾燥させて、一般式2に示す所望の1’−ヒドロキシ−2’−置換シクロヘキシルアゼチジン−2−オン誘導体を得ることができる。
【0021】
本発明の更なる態様では、一般式3
【0022】
【化12】

(式中、
Xはハロゲン、例えば塩素、臭素およびフッ素、チオシアナート、イソチオシアナート、ヒドロキシ、スルファート、ニトロ、スルフィド、スルファイト、カルボナートまたはアセテート基である。)
に示す種々の1’−ヒドロキシ−2’−置換シクロヘキシルアゼチジン−2−オンを、以下のスキーム2
【0023】
【化13】

に示すように、一般式5
【0024】
【化14】

(式中、Xは上記定義の通りである。)
に示す化合物を使用して、適切な溶媒中で、a)マイクロ波照射下またはb)マイクロ波非照射下で、(3S,4R)−3−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(1’R,2’S,3’R)−1’,2’−エポキシシクロヘキサン−3’−イル]アゼチジン−2−オン(式1に示す化合物)のエポキシド環を開環させて調製することができる。
【0025】
適切な溶剤は、上記工程に使用されている極性溶媒、例えば水、C−Cアルコール、例えばメタノールまたはエタノール、アセトニトリル、酢酸エチルなどを含む。
【0026】
反応は、以下のように行うことができる。マイクロ波照射下、使用する溶媒により、おおよそ室温から約250℃、好ましくは約60から150℃、更に好ましくは約80から130℃で数時間、反応混合物を撹拌して、次いで反応混合物を濃縮し、濃縮物を適切な溶媒、例えば酢酸エチルに溶解する;得られた溶液をアルカリ炭酸塩またはアルカリ土類炭酸塩、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを含む塩基で洗浄する;例えばMgSOまたはNaSOで乾燥させ、最後に既知の技術、例えばフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。本発明による反応は、約1から約24時間、好ましくは約3時間行ってもよい。反応を、マイクロ波照射をせずに、還流温度で約1日から約2日間行ってもよいが、収率はかなり低くなる。
一般式3に示す化合物は、トリネムの調製のための有用な中間体である。
【0027】
前述の工程の全てを本発明の更なる態様に従って行うことができ、更なる態様では、式1aに示す化合物を用いる代わりに、下記式6
【0028】
【化15】

(式中、Zは別の適切なヒドロキシ保護基である。)
に示す化合物を出発化合物として用いることができる。従って、基−OZは、例えば教科書であるT.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,1999の「Protection for the Hydroxyl Group,Ethers,23−244,Esters,149−210.or as summarized in Reaction Chart 1.Protection for Hydroxyl group:Ethers 712−715 and Reaction Chart 2.Protection for Hydroxyl Group:Esters 712−715」の表題下に記載されているような当分野で既知のエーテルまたはアシルオキシ基であってよい。
【0029】
特に適切なエーテルの例には、Zがトリ(C−C)アルキルシリル、例えばトリメチルシリルのようなヒドロカルボシリル基であるものが含まれる。式1に示す上記出発化合物では、特に便利なヒドロキシ保護基はtert−ブチルジメチルシリルである。
【0030】
本発明は以下の実施例によって証明される。温度は全て摂氏温度で示され、未補正である。
【実施例1】
【0031】
超音波照射を使用する式2に示す化合物の調製のための一般的方法。実験はCole−Parmer 8890の超音波浴中で行う。
【0032】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−メトキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2a)の調製
メタノール(3ml)中の(3S,4R)−3−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(1’R,2’S,3’R)−1’,2’−エポキシシクロヘキサン−3’−イル]アゼチジン−2−オン(化合物1)372mg(1.14mmol)の溶液に、イッテルビウム(III)トリフルオロメタンスルホナートの1回分(21mg、3mol%)を加え、溶液を周波数出力42kHzの超音波浴中に60分間浸す。その後、イッテルビウム(III)トリフルオロメタンスルホナートをもう1回分添加し、超音波浴中に60分間浸す。これを、更に2回(累積的には4回)繰り返す。反応混合物を減圧濃縮し、油状残渣を酢酸エチルに溶解する。得られた溶液を、飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させる。得られた白色物質を、ヘキサンから結晶化し、表題化合物343mg(84%)を得る。
融点146から148℃(ヘキサンから)
H NMR(300MHz,CDCI):δ0.08(s,6H),0.88(s,9H),1.27(d,J=6.2Hz,3H),1.25−1.93(m,8H),2.95(m,1H),3.33(s,3H),3.34(m,1H),3.64(dd,J=2.1,6.8Hz,1H),3.81(m,1H),4.17(m,1H),6.02(bs,1H)。
13C NMR(300MHz,CDCI):δ−4.6,−4.3,18.0,19.1,21.5,22.7,23.7,25.8(3),39.9,53.7,56.3,61.8,66.3,69.9,79.1,169.0
【0033】
上記の一般的方法に従い、超音波照射を使用して以下の化合物を調製する。
【実施例2】
【0034】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−エトキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2b)の調製
実施例1でのようにメタノールを使用する代わりに、エタノールを求核化合物として使用し、表題化合物を収率75%で得る。4×3mol% Yb(OTf)を触媒として使用する。
【0035】
融点136から138℃(ヘキサンから)
MS,(M+H)=372m/z.
IR(KBr):3447,3281,2934,2857,1760,1714,1256,1142,1106,1085,962,836,776cm−1
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ0.09(s,6H),0.89(s,9H),1.18(t,J=7.0Hz,3H),1.28(d,J=6.2Hz,3H),1.45−1.91(m,8H),2.96(m,1H),3.42(m,2H),3.56(m,1H),3.64(dd,J=2.2Hz,J=6.7Hz,1H),3.85(m,1H),4.18(m,1H),5.91(bs,1H)。
13C NMR(300MHz,CDCI):δ−4.7,−4.3,15.6,18.0,19.2,21.5,22.8,24.5,25.8,33.8,54.0,61.7,63.9,66.5,70.6,77.2,168.9。
【実施例3】
【0036】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−プロポキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2c)の調製
実施例1でのようにメタノールを使用する代わりに、n−プロパノールを求核化合物として使用し、表題化合物を収率69%で得る。3×2.5mol% Yb(OTf)を触媒として使用する。
【0037】
融点119から121℃(ヘキサンから)
MS,(M+H)=386m/z.
IR(KBr):3449,3293,2935,2858,1756,1715,1255,1106,1087,969,837,776cm−1
H NMR(300MHz,CDCI):δ0.06(s,6H),0.86(s,9H),0.88(t,J=7.4Hz,3H),1.24(d,J=6.2Hz,3H),1.41−1.58(m,7H),1.64(m,1H),1.85(m,1H),2.38(bs,1H),2.91(m,1H),3.30(m,1H),3.40(m,2H),3.62(dd,J=1.0Hz,J=6.1Hz,1H),3.81(m,1H),4.13(m,6.2,1H),6.38(bs,1H)。
13C NMR(300MHz,CDCI):δ−4.7,−4.3,10.7,18.0,19.2,21.2,22.7,23.3,24.3,25.8,39.5,54.1,61.6,66.4,70.2,70.5,77.3,169.2。
【実施例4】
【0038】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−(1R,2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−イソプロポキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2d)の調製
実施例1でのようにメタノールを使用する代わりに、iso−プロパノールを求核化合物として使用し、表題化合物を収率30%で得る。4×3mol% Yb(OTf)を触媒として使用する。
【0039】
融点121から123℃(ヘキサンから)
MS,(M+H)=386m/z
IR(KBr):3480,3253,2932,1755,1715,1256,1141,1060,966,831,775cm−1
H NMR 8300MHz,CDCI):δ0.09(s,6H),0.89(s,9H),1.12(d,J=6.4Hz,3H),1.14(d,J=6.6Hz,3H),1.28(d,J=6.1Hz,3H),1.45−1.93(m,8H),2.96(dd,J=1.4Hz,J=5.9Hz,1H);3.48(m,1H),3.61−3.72(m,2H),3.77(m,1H),4.18(m,1H),6.04(bs,1H)。
13C NMR(300MHz,CDCI):δ−4.7,−4.3,18.0,19.3,21.4,22.3,22.7,23.0,25.3,25.8,39.5,54.0,61.6,66.4,69.1,71.2,74.5,169.2
【実施例5】
【0040】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−ブトキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2e)の調製
実施例1でのようにメタノールを使用する代わりに、n−ブタノールを求核化合物として使用し、表題化合物を収率89%で得る。3×4mol% Yb(OTf)を触媒として使用する。
【0041】
融点105から106℃(ヘキサンから)
MS,(M+H)=400m/z
IR(KBr):3447,3285,2933,2855,1755,1715,1255,1142,1091,965,836,776cm−1
H NMR(300MHz,CDCI):δ0.10(s,6H),0.90(s,9H),0.92(t,J=7.2Hz,3H),1.29(d,J=6.2Hz,3H),1.33−1.73(m,1H),1.88(m,1H),2.96(dd,J=2.1Hz,6.1Hz,1H),3.32−3.41(m,2H),3.49(m,1H),3.65(dd,J=2.2Hz,J=6.5Hz,1H),3.85(m,1H),4.18(m,1H),5.92(bs,1H)。
13C NMR(300MHz,CDCI):δ−4.7,−4.3,13.9,18.0,19.2,21.2,22.7,24.3,25.8,32.3,39.5,54.1,61.6,66.4,68.3,70.5,77.3,169.2。
【実施例6】
【0042】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−3−(2−フルオロエトキシ)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2f)の調製
実施例1でのようにメタノールを使用する代わりに、2−フルオロエタノールを求核化合物として使用し、表題化合物を収率53%で得る。2×1mol% Yb(OTf)を触媒として使用する。
【0043】
融点106から110℃(ヘキサンから)
MS,(M+H)=390m/z.
IR(KBr):3409,2931,2861,1755,1739,1252,1104,1056,964,837,776cm−1
H NMR(300MHz,CDCI):δ0.10(s,6H),0.89(s,9H),1.28(d,J=6.2Hz,3H),1.44−1.92(m,7H),2.97(m,1H),3.50(m,1H),3.56−3.86(m,2H),3.66(dd,J=2.3Hz,J=4.9Hz,1H),3.90(m,1H),4.45(t,J=4.2Hz,1H),4.61(t,J=4.2Hz,11H),5.98(bs,1H)。
13C NMR(300MHz,CDCI):δ−4.7.−4.3.18.0.19.0,21.3,22.7,24,1,25.8,39.5,54.0,61.5,66.4,67.8(J19F13C=20Hz),70.1,78.1,83.2(J19F13C=169Hz),169.1。
【実施例7】
【0044】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−3−(2−クロロエトキシ)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2g)の調製
実施例1でのようにメタノールを使用する代わりに、2−クロロエタノールを求核化合物として使用し、表題化合物を収率47%で得る。3×3mol% Yt(0Tf)3を触媒として使用する。
【0045】
融点97から100℃(ヘキサンから)
MS,(MH+H)=406m/z.
IR(KBr):3440,2933,2858,1757,1714,1256,1106,1057,964,837,776cm−1
H NMR(300MHz,CDCI):δ0.07(s,6H),0.87(s,9H),1.25(d,J=6.2Hz,3H),1.43−1.51(m,5H),1.68(m,1H),1.88(m,1H),2.37(bs,1H),2.94(m,1H),3.48(m,1H),3.55−3.65(m,4H),3.75(m,1H),3.86(m,1H),4.15(d,J=6.2,1H),6.29(bs,1H)。
13C NMR(300MHz,CDCI):δ−4.8,−4.4,17.9,19.0,21.2,22.6,24.3,25.7,39.5,43.1,53.9,61.6,66.3,68.8,70.1,78.0,169.0。
【実施例8】
【0046】
3−((1S,2S,3R)−3−((3S)−3−((R)−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル)−2−ヒドロキシシクロヘキシルオキシ)プロパンニトリル(化合物2h)の調製
実施例1でのようにメタノールを使用する代わりに、3−ヒドロキシプロピオニトリルを求核化合物として使用し、表題化合物を収率55%で得る。3×10mol% Sn(OTf)を求核試薬として使用する。
【0047】
融点133から135℃(ヘキサンから)
MS,(M+H)=397m/z.
IR(KBr):3508,3153,3088,2935,2260,1756,1708,1250,1138,1102,1053,964,837,777cm−1
H NMR(300MHz.CDCI):δ0.10(s,6H),0.90(s,9H),1.30(d,J=6.1Hz,3H),1.48−1.92(m,8H),2.60(t,J=6.2Hz,2H),2.98(dd,J=6.3Hz,1H),3.53(m,1H),3.62(m,2H),2.78(m,1H),3.90(m,1H),4.18(m,1H),5.91(bs,1H)。
13C NMR(300MHz,CDCI):δ−4.7,−4.3,18.0,19.1,19.3,20.1,22.7,23.9,25.8,39.3,54.0,61.4,63.3,66.4,70.0,78.2,118.0,169.2
【実施例9】
【0048】
マイクロ波照射を使用する式2に示す化合物の調製のための一般的方法。実験はBiotage Initiator SixtyおよびMilestone Mycrosynth上で行う。
【0049】
Biotage Initiator Sixty:
温度:60から250℃
圧力範囲0から20バール(2MPa,290PSI)
出力範囲:2.45GHzで0から300W
Milestone Microsynth:
温度:25から250℃
圧力範囲:0から55バール
出力範囲:2.45GHzで0から1000W
【0050】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−メトキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2a)の調製
メタノール(1.5ml)中の(3S,4R)−3−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(1’R,2’S,3’R)−1’,2’−エポキシシクロヘキサン−3’−イル]アゼチジン−2−オン(化合物1)100mg(0.31mmol)の溶液に、イッテルビウム(III)トリフルオロメタンの1回分(2.9mg、3mol%)を添加する。混合物をマイクロ波照射(Biotage Initiator Sixty)下、80℃で1時間撹拌し、次に、水50mlを加え、得られた固体をろ過し、乾燥させて、表題化合物の白色物質78mg(HPLC:94面積%、収率67%)を得る。
【0051】
上記の一般的方法に従いマイクロ波照射を使用して以下の化合物を調製する。
【実施例10】
【0052】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−エトキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2b)の調製
実施例9でのようにメタノールを使用する代わりに、エタノールを求核化合物として使用し、表題化合物を収率67%で得る。3mol% Yb(OTf)を触媒として使用する。
【実施例11】
【0053】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−プロポキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2c)の調製
実施例9でのようにメタノールを使用する代わりに、n−プロパノールを求核化合物として使用し、表題化合物を収率59%で得る。3mol% Yb(OTf)を触媒として使用する。
【実施例12】
【0054】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−イソプロポキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2d)の調製
実施例9でのようにメタノールを使用する代わりに、iso−プロパノールを求核化合物として使用し、表題化合物を収率71%で得る。3mol% Yb(OTf)を触媒として使用する。
【実施例13】
【0055】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−ブトキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2e)の調製
実施例9でのようにメタノールを使用する代わりに、n−ブタノールを求核化合物として使用し、表題化合物を収率75%で得る。3mol% Yb(OTf)を触媒として使用する。
【実施例14】
【0056】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−(1R,2S,3S)−3−(2−フルオロエトキシ)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2f)の調製
触媒を使用しないと同時に実施例9でのようにメタノールを使用する代わりに、2−フルオロエタノールを求核化合物として使用し、収率53%を得る。反応はマイクロ波照射(Biotage Initiator Sixty)下、60℃で1.5分間行う。
【実施例15】
【0057】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−3−(2−クロロエトキシ)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2g)の調製
実施例9でのようにメタノールを使用する代わりに、2−クロロエタノールを求核化合物として使用し、表題化合物を収率47%で得る。3mol% Yt(OTf)を触媒として使用する。
【実施例16】
【0058】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−(1R,2S,3S)−3−イソブトキシ−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物2i)の調製
実施例9でのようにメタノールを使用する代わりに、iso−ブタノールを求核化合物として使用し、表題化合物を収率71%で得る。3mol% Yb(OTf)を触媒として使用する。
H NMR(300MHz,CDCI):δ0.10(s,6H),0.89−0.96(m,15H),1.29(d,J=6.21,3H),1.44−1.83(m,8H),2.96(m,1H),2.80−2.92(m,1H),3.09−3.30(m,1H),3.38(m,1H),3.65(dd,J=6.49,2.15,1H),3.86(m,1H),4.18(m,1H),5.93(bs,1H)
【実施例17】
【0059】
(3S,4R)−3−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]ー4−[(1S,2S,6R)−1−ヒドロキシ−2−メチルアミノシクロヘキシル−6−イル]アゼチジン−2−オン(化合物2j)の調製
メチルアミン33重量%を含むエタノール(3.0ml)中の(3S,4R)−3−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(1’R,2’S,3’R)−1’,2’−エポキシシクロヘキサン−3’−イル]アゼチジン−2−オン(化合物1)100mg(0.31mmol)の溶液を、マイクロ波照射(Biotage Initiator Sixty)下、100℃で30分間撹拌し、次に反応混合物を減圧濃縮する。得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、得られた溶液を水で洗浄してMgSOで乾燥後蒸発させ、表題化合物59mg(54%)を得る。
H NMR(300MHz,CDCI):δ0.12(s,6H),0.91(s,9H),1.31(d,J=6.3,3H),1.40−1.70(m,5H),2.00(m,2H),2.44(s,3H),2.55(m,1H),3.06(d,J=6.9,1H),3.65(dd,1H),3.71(dd,1H),4.20(m,1H),5.99(bs,1H)。
【0060】
下記の表に、上記実施例による工程で得られた収率をまとめた。
【0061】
【表1】

【実施例18】
【0062】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2R,3S)−3−クロロ−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物3)の調製
エタノール(16ml)中の(3S,4R)−3−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(1’R,2’S,3’R)−1’,2’−エポキシシクロヘキサン−3’−イル]アゼチジン−2−オン(化合物1)2.67g(8.20 mmol)の溶液に、塩化アンモニウム溶液1.76を加える。得られた混合物を加熱し、マイクロ波照射(Milestone Microsynth)下、130℃で3時間撹拌し、次に、反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルに溶解する。得られた溶液を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、MgSOで乾燥後、有機溶媒を蒸発させ、得られた乾燥物質を、ヘキサンと酢酸エチル2:1の混合物を移動相として溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。有機溶媒を蒸発させた後、表題化合物2.03g(HPLC:92面積%、収率66%)を得る。
【0063】
融点=140から160℃
IR(KBr):427,2948,2857,1760,1723,1257,1140cm−1
MS,(M+H)=362m/z.
H NMR(300MHz,CDCI):δ0.08(s,3H),0.09(s,3H),0.88(s,9H),1.27(d,J=6.2,3H),1.49−1.82(m,5H),2.11(m,2H);2.74(bs,1H),2.96(dd,J=1.7,6.2,1H),3.63(dd,J=2.0,5.8,1H),3.93(t,J=3.0,1H),4.15(m,2H),6.30(s,1H)。
13C NMR(300MHz,CDCI):δ−4.7,−4.3,18.0,19.0,21.1,22.7,25.8(3),28.0,38.2,54.1,60.4,61.6,66.5,72.3,169.0
【実施例19】
【0064】
(3S)−3−((R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−4−((1R,2S,3S)−3−クロロ−2−ヒドロキシシクロヘキシル)アゼチジン−2−オン(化合物3)の調製
エタノール(4ml)中の(3S,4R)−3−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(1’R,2’S,3’R)−1’,2’−エポキシシクロヘキサン−3’−イル]アゼチジン−2−オン(化合物1)327mg(1.0mmol)の溶液に、塩化アンモニウム108mgを含む水溶液0.7mlを加え、還流温度で24時間加熱する。実施例18と同一の実験後、実施例18で得られたものと同一の分光学的特性を有する表題化合物を16%で回収する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式2の1’−ヒドロキシ−2’−置換シクロヘキシルアゼチジン−2−オン化合物の調製方法
【化1】

[式中、
YはO、SまたはNHであり;
Rは水素であり、またはa)ニトロ、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよびシアノ基から各々選択される1もしくは2個の置換基で場合により置換されているフェニル基、b)1−もしくは2−ナフチル基、ならびにc)非置換またはニトロ、ニトロソ、アミノ、イミノ、スルホニル、クロロスルホニル、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルチオカルボニル、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、カルボキシアルデヒドもしくはシアノ基から各々選択される1もしくは2個の置換基で場合により置換されているオキシラニル、アジリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、アゼピニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ピラニルおよびこれらの水素化された類似体から選択され;またはR(CH−基(nは1から11までの整数であり、mは1から2までの整数であり、R1はa)水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、ニトロ、ニトロソ、イミノ、スルホニル、クロロスルホニル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルチオカルボニルまたはb)ハロ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシアルデヒド、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、ニトロ、ニトロソ、アミノ、イミノ、スルホニル、クロロスルホニル、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルチオカルボニル基から各々選択される1または2個の置換基で場合により置換されているC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキルである。)である。]であって、
式1
【化2】

の(3S,4R)−3−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(1’R,2’S,3’R)−1’,2’−エポキシシクロヘキサン−3’−イル]アゼチジン−2−オンを、式4
【化3】

(式中、YおよびRは上記定義の通りである。)
の求核化合物(求核試薬が液体形態の場合には溶媒自体として作用してもよい)と、適切な溶媒中でおよびトリフルオロメタンスルホン酸の塩の群から選択される適切な触媒の存在下に、反応混合物をa)超音波照射下またはb)マイクロ波照射下で反応させ、ならびに反応完了後、表記化合物を単離および精製することを含む調製方法。
【請求項2】
溶媒が、水、C−Cアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1−メチルピロリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミドン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、C−Cアルキルアセテートもしくは芳香族炭化水素またはこれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
溶媒が、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノールまたはsec−ブタノールを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
触媒が、イッテルビウム(III)トリフラート、スズ(II)トリフラートおよびジスプロシウム(III)トリフラートを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
超音波照射が、20から80kHzまでの周波数範囲にある請求項1に記載の方法。
【請求項6】
超音波照射が30から50kHzまでの周波数範囲にある請求項1および5に記載の方法。
【請求項7】
式3の1’−ヒドロキシ−2’−置換シクロヘキシルアゼチジン−2−オン化合物の調製方法
【化4】

(式中、
Xは、ハロゲン原子、チオシアナート、イソチオシアナート、ヒドロキシ、スルファート、ニトロ、スルフィド、スルフィト、カルボナートまたはアセタート基である。)であって、
式1
【化5】

の(3S,4R)−3−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(1’R,2’S,3’R)−1’,2’−エポキシシクロヘキサン−3’−イル]アゼチジン−2−オンを、式5
【化6】

(式中、Xは上記定義の通りである。)
の化合物と、適切な溶媒中で、反応混合物のa)マイクロ波照射下またはb)マイクロ波照射無しで反応させ、反応終了後、表題化合物を単離および精製することを含む調製方法。
【請求項8】
溶媒が、水、C−Cアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1−メチルピロリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2−(1H)−ピリミドン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、酢酸エチルを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
式6
【化7】

(式中、Zは任意の適切なヒドロキシ保護基である。)
の化合物を、式1に示す化合物の代わりに出発化合物として使用することを含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2009−508898(P2009−508898A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531600(P2008−531600)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009101
【国際公開番号】WO2007/039099
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(504359293)レツク・フアーマシユーテイカルズ・デー・デー (60)
【Fターム(参考)】