説明

1ビット高速デジタルサンプラーおよびビット決定ウィンドウを用いた超広帯域インパルス無線通信システム

【課題】超広帯域インパルス及び1−ビットデジタルサンプラーを使用する超広帯域インパルス無線通信システムにおいて、簡単なOOK(ON−OFF−Keying)変調またはパルス位置変調(PPM)方式を実現する。
【解決手段】インパルス発生器の出力を増幅するための増幅器とを含む送信RFモジュールと、受信された信号のエンベロープを検出するための2段包絡線検波器と、検出された信号を球形パルスに変換する比較器とを含む受信RFモジュールと、前記受信RFモジュールから伝送される信号を1−ビットデジタルサンプラーを用いてデジタル信号に復元するためのデジタル信号復元部と、インパルス変調またはパルスマッピングのための送信信号処理部と、デジタル信号を同期化し且つシンボル同期を追跡するための受信信号処理部と、超広帯域インパルス信号を送受信するための超広帯域アンテナと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超広帯域インパルス無線(impulse radio−based ultra wideband、以下「IR−UWB」ともいう)通信システムに係り、より詳しくは、エネルギー検出技法に基づく受信機、集積型インパルス発生器を含む送信機、1ビット高速デジタルサンプラーおよびビット決定ウィンドウを用いた同期獲得および追跡技法を用い、低消費電力及び低複雑度を有し、且つ、数十メートル以内の近距離において数Mbpsまたはそれ以下の通信を行うことが可能な超広帯域インパルス無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
超広帯域インパルス無線(IR−UWB)通信では、従来の連続的な正弦波を使用する無線通信システムとは異なり、時間領域で数ナノ秒(10−9秒)以下の幅を有し、周波数領域で超広帯域周波数スペクトルを有するパルスを使用する。IR−UWB通信システムは、極超短のパルスを使用し、混合器としてRF構成部品を必要としないので、システムが複雑ではなく、消費電力を極力減少することができるという利点がある。よって、理論としては、数十Mbpsまでの低電力データ通信が可能である。また、インパルスを使用するので、IR−UWB通信は、正確な時間精度特性を持つシステムの製作に応用することができ、低電力/低速/超精密位置追跡および認識システムに活用することができる。
【0003】
従来の技術1として、韓国電気研究院でガウシアンパルスを作る方法とOOK(ON−OFF Keying)変調方式による無線通信送信装置(特許文献1参照)があるが、これは、従来の技術のシステムの複雑性を解決するために、装置の簡単化および送信用消費電力の減少などを目的とする発明であって、従来の無線通信用送信装置に用いられる搬送波として、例えば正弦波のような連続波に代えて、ガウシアンモノサイクルパルスの超広帯域特性を利用する。上記従来の技術1における無線通信送信装置は、一定の間隔を持つ超広帯域パルスを発生するガウシアンモノサイクル発生器と、2進ランダムデータを発生させる2進ランダムデータ発生器と、前記2進ランダムデータ発生器によって発生した2進ランダムデータによって制御され、前記ガウシアンモノサイクル発生器から発生した周期的なパルスをオン/オフキイング変調するスイッチ手段と、前記変調されたガウシアンモノサイクルパルスの周波数帯域幅を制限するフィルタ手段と、前記フィルタの出力を増幅する増幅手段と、前記増幅された信号を放射するアンテナとを含んでなる。インパルスは、マイクロプロセッサまたは球形波発振器によって発生し、入力された球形波の立ち上がりエッジで発生する。
【0004】
ここで、インパルス発生器をチップタイプとしてより簡単化した無線通信システムを実現したものが従来の技術2であり、これは、三星電子が提案した超広帯域パルス列発生器(特許文献2参照)である。前記従来の技術2では、チップタイプのインパルス発生器の設計方法を提案するが、この方法は、入力信号に対して適正の時間間隔をおいてラッチを介してインパルス発生器を作るものである。この方式は、データ値が変化するたびに信号が反転するBPSK変調方式に対する信号発生技法である。
【0005】
ところが、上記従来の技術によれば、UWB技術の活性化のため、多様なインパルス通信方式が必須であるが、上記従来の技術1は、モジュールを基にするインパルス発生器を用い、上記従来の技術2は、複雑なIR−UWB受信機を用い、システムの構成が簡単で、且つ消費電力が低いシステムを構成することが簡単ではないという問題点がある。
【0006】
他の従来の技術には、特許文献3〜5のような文献が存在する。
【0007】
実際に実現すべき低消費電力及び低複雑性のIR−UWBシステムのためには、低消費電力及び低複雑性を支援するチップを基にするインパルス発生の技術が要望される。また、超広帯域インパルス受信器において、デジタル信号復元部はシステムの基本構成において最も核心的な要素であるが、時間領域における広帯域信号は数ナノ秒(10−9秒)以下なので、広帯域インパルスをデジタル信号に変換する技術は様々な方法で実現可能である。ところが、システムの複雑性、価格、電力消耗などを考慮すれば、容易に実現できる技術ではない。したがって、上述した従来のインパルス通信システムは、広帯域インパルス信号をデジタル信号に復元する新しい方法を提示していないか、或いは従来の広帯域高速A/D変換器(ADC)を使用している。殆どの場合、インパルスの帯域幅は500MHz以上なので、ADCは1GHz以上の帯域幅を持たなければならない。このような1GHz以上の帯域幅を有し且つ数Gsps(sample per second)のサンプル率を有する高速のA/D変換器と精密な位相同期ループ(PLL)を使用することにより、高価の装置が必要であり、このような装置を運用するために高電力を使用する。
【0008】
また、インパルス信号に対する正確な時間同期化技術は、複雑な同期回路を要求し、低費用及び低電力の特性を持つ超広帯域インパルスシステムの長所を減少させるので、信号処理において、受信したシンボル(symbol)の簡単な検出及び追跡の技術が極めて重要である。
【特許文献1】韓国特許登録第1004700290000号
【特許文献2】韓国特許登録第1005201500000号
【特許文献3】米国特許第6,925,109号(公告日:2005年8月2日)
【特許文献4】米国特許第4,743,906号(公告日:1988年5月10日)
【特許文献5】米国特許第4,641,317号(公告日:1987年2月3日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたもので、その目的とするところは、より簡単なOOK(ON−OFF−Keying)およびパルス位置変調(PPM:Pulse Position Modulation)などの支援が可能な送信端の集積型インパルス発生装置と、1−ビット高速デジタルサンプラーを用いたインパルス信号のデジタル信号復元装置およびビット決定ウィンドウを使用した信号同期および追跡方法を用い、低費用及び低電力の特性を持つ超広帯域インパルス無線通信システムを提供することにある。特に、全体システムに対する信号処理構成部を提示し、実際、中低速データレート(intermidiate−low data rate)、低電力及び低複雑度のシステムを持つ超広帯域インパルス無線通信システムを開発し、ホームネットワーク家電機器、センサネットワーク、低電力のUWB−RFID、中低速データレートの近距離個人通信機器の制御に活用できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、超広帯域インパルス及び1−ビットデジタルサンプラーを使用する超広帯域インパルス無線通信システムにおいて、送信信号処理部と、単一のOOK(ON−OFF−Keying)変調またはパルス位置変調(PPM)方式を実現することが可能な集積型インパルス発生器と、前記インパルス発生器の出力を増幅するための増幅器とを含む送信RFモジュールと、受信された信号のエンベロープを検出するための2段包絡線検波器と、前記検出された信号を球形パルスに変換する比較器とを含む受信RFモジュールと、前記受信RFモジュールから伝送される信号を前記1−ビットデジタルサンプラーを用いてデジタル信号に復元するためのデジタル信号復元部と、インパルス変調またはパルスマッピングのための送信信号処理部と、前記デジタル信号を同期化し且つシンボル同期を追跡するための受信信号処理部と、超広帯域インパルス信号を送受信するための超広帯域アンテナと、を含むことを特徴とする。
【0011】
ここで、前記1−ビットデジタルサンプラーは、時間遅延素子を持つクロック発生器と、前記球形パルスを検出するためのパルス検出器とを含み、前記クロック発生器ではシステムクロックを漸次遅延させ、前記システムクロックから漸次同一に位相変換された並列のクロック信号のシーケンスを発生させ、前記パルス検出器は、前記クロック信号のシーケンスを前記球形パルスに適用することにより、前記球形パルスを検出することができる。前記クロック発生器は、時間遅延または位相変換素子を含み、一定の時間差/位相差を持つ多数のシステムクロックを生成し、前記多数のシステムクロックを並列構造に配置することができる。
【0012】
より好ましくは、前記送信RFモジュールの集積型インパルス発生器は、少なくとも一つの入力端子に、送信するnビットデータを入力するDラッチと、前記Dラッチの出力信号と、前記出力信号を一定の時間だけ遅延させた信号とを混合するためのANDゲートと、前記出力信号の歪みを防止するために電流ドライブを行うためのインバータチェーンと、を含むことができる。
【0013】
更に、前記Dラッチは、一つの入力端子に、送信するデータを印加する場合、残りの入力端子はデジタル論理信号(「High」)に固定させることにより、データ信号があるたびに、前記Dラッチからインパルス信号を出力する。
【0014】
また、前記受信RFモジュールは、前記超広帯域アンテナから受信された信号のうち隣接周波数の干渉を防ぐための広帯域バイパスフィルタと、前記広帯域バイパスフィルタでフィルタリングされた信号の低雑音増幅のための低雑音増幅器と、前記低雑音増幅器で増幅された信号の大きさ調節のための能動型減衰器と、前記能動型減衰器を通過した信号を増幅するためのAGC増幅器と、を含み、前記AGC増幅器で増幅されたRF信号を前記球形パルスにするための前記2段包絡線検波器とを含むことができる。
【0015】
ここで、前記受信RFモジュールに2段包絡線検波器と比較器を設置して球形信号の幅を広めて綺麗な球形パルスを得、デジタルサンプラーでデジタル信号変換を正確に行うようにした。
【0016】
前記送信信号処理部は、送信するデータを臨時格納する送信データメモリと、順方向エラー訂正エンコードを行うFECエンコーダ(Forward error correction encoder)と、前記送信するデータパケットの始まりと終りを知らせるスタート/エンド信号を生成するスタート/エンド信号発生部と、送信するデータと制御データを選択するMUXと、前記MUXを通過したデータを格納する送信メモリと、OOKまたはPPM変調を行い、受信信号の波形を前記インパルス発生器の入力に適した波形に変換するパルスマッパー(Pulse mapper)とを含むことができる。
【0017】
前記送信信号処理部は、全体信号伝達の流れを制御するために、それぞれの素子に制御データを印加する制御器をさらに含むことができる。
【0018】
前記送信メモリに格納されたデータは、パルスマッパーで所望のパルス列に変調されるが、ここで、前記パルスマッパーは、入力データをReturn−to−Zero(RZ)信号に変換し、OOK変調の場合は、データの模様をRZ信号に変えるが、PPM変調のためには、データの時間位置をPPMコードに応じて変換させてインパルス発生器に印加し、PPMを可能にする。
【0019】
また、前記受信信号処理部は、前記デジタル信号復元部で復元されたデジタル信号に対する信号同期および同期追跡過程を処理するシンボル同期部と、前記同期化された信号のパルス列の始まりと終りを確認するスタート/エンド信号確認部と、伝送したデータを格納するための受信データメモリと、前記送信信号処理部でエンコードされた信号をデコードする順方向エラー訂正デコーダ(Forward error correction decoder)と、復元された本来のデータを格納する受信メモリとを含むことができる。
【0020】
好ましくは、前記受信信号処理部は、全体信号伝達の流れを制御するために、それぞれの素子に制御データを印加する制御器を更に含むことができる。
【0021】
また、前記超広帯域アンテナは、傾斜接地面を持つプリント基板の断面に階段状にプリントされた四角形のモノポールアンテナであって、同一平面の導波管給電構造を持ち、また、給電部に三角形または四角形の遷移部(transition)を挿入して広帯域特性を持つようにすることもできる。
【0022】
更に、前記デジタル信号復元部のデジタルサンプラーは、1ビットデジタルサンプラーが望ましく、前記シンボル同期部は、前記1ビットデジタルサンプラーで量子化された入力信号に存在する雑音を除去する第1過程と、前記雑音が除去された信号において同期時点を仮定する第2過程と、前記仮定した同期時点に対する検証によって同期時点を確定する第3過程とを行い、前記入力信号に対するシンボル同期を獲得することができる。
【0023】
好ましくは、前記シンボル同期部は、前記1−ビットデジタルサンプラーの前記量子化された入力信号の信号対雑音比(SNR)を高めるための相関器を含み、前記第1過程は、前記相関器を用いて、前記量子化された入力信号から一定の大きさ以下の信号を除去し、前記第2過程は、前記雑音が除去された信号からサンプル集団を抽出し、前記サンプル集団のうちの一番目のサンプル集団から最も大きい値のサンプルを検索し、これを同期時点と仮定し、前記第3過程は、各シンボルのビット決定ウィンドウを定義し、前記仮定した同期時点から所定のフレーム時間で所定の回数を乗じる分だけの時点に前記ビット決定ウィンドウを移動しながら、所定の範囲内に前記シンボルが含まれているかを調査する検証過程によって、前記仮定した同期時点を同期時点と確定することができる。
より好ましくは、前記相関器は、下記式1を満足させるm(n)であり、前記第1過程は、前記1ビットデジタルサンプラーで量子化された信号

の信号対雑音比(SNR)を高めるために、前記相関器m(n)を用いて、前記量子化された

から一定の大きさ以下の信号を除去することができる。
【数1】

(ここで、m(n)は大きさが1の長方形の相関器(rectangular correlator)であり、Nmはフィルタの幅であり、Thはノイズ成分を除去するための臨界値であり、符号*はコンボリューション積を示す。)
【0024】
前記第2過程は、前記雑音が除去された信号

において独立または連続して0ではない値を持つサンプル集団を「island」と定義し、それぞれのサンプル集団「island」内で最も大きい値を持つサンプルを算出して、前記それぞれの「island」内で最も大きい値を持つサンプルを「flag」と定義し、前記サンプル集団のうちの一番目のサンプル集団の「island」内で最も大きい値を持つサンプル「flag」のインデックスnflag,1を同期時点と仮定する。
前記第3過程は、前記仮定した同期時点nflag,1から所定のフレーム時間i・N以後の時点nflag,1+i・Nを中心として所定の幅NBDWを持つビット決定ウィンドウを定義し、下記数式2によって、BDWの中心BDWcen,iをフレーム間隔Nで予め設定された回数Nを乗じた時点まで移動させながら、0より大きい値を有するシンボルがそれぞれのBDW内に含まれているかを調査し、前記BDW内に連続して0ではない値であるシンボルが存在する場合、前記仮定したnflag,1を正確な同期時点nacqと見なす。
【数2】

(ここで、BDWcen,i=nflag,1 + i・N (i=1, 2, …, N)である。)
【0025】
更に、前記BDWの中心BDWcen,iをフレーム間隔Nで予め設定された回数Nを乗じた時点まで移動させながら、いずれか一つのBDW内に0のみが存在する場合、その以後の次のサンプルから同期が獲得される時点まで前記第2過程と前記第3過程を繰り返し行う。
【0026】
同期が獲得された区間以後の最初シンボルに対するBDWcen,1stは、同期獲得時点nacqを基準として決定し、下記数式3を満足し、k+1番目のシンボルに対するBDWk+1の中心BDWcen,k+1は、以前のBDWcen,k時点、およびk番目のウィンドウであるBDW内で最も大きい値を持つサンプルインデックスnflag,kとBDWの中心インデックスBDWcen,kとの差異であるオフセットΔk+1によって決定し、下記数式4を満足し、前記BDWcen,1とBDWcen,k+1を用いて、獲得された同期を追跡することを特徴とする、超広帯域インパルス無線通信システム。
【数3】

(ここで、αは同期獲得区間の全シンボル数である。)
【数4】

(ここで、Δk+1=nflag,k−BDWcen,kである。)
【0027】
また、k番目のサンプル集団内にシンボルが存在しなくてサンプルインデックスnflag,kを探すことができない場合には、オフセットΔk+1を0と見なす。
更に、前記シンボル同期を獲得し、その後同期追跡によってそれぞれのシンボルに対してBDWを設定し、前記信号

に対するBDW内に0ではないサンプルが存在する場合、前記信号

を「1(ON)」と決定し、前記BDW内に0のみが存在する場合、前記信号

を「0(OFF)」と決定する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、アナログ球形パルスからデジタル信号を復元する高速デジタルサンプラーおよびビット決定ウィンドウを用いる信号同期獲得および追跡技術を採用して、全体システムを単純化させると共に、電力消耗の減少効果をもたらす。
【0029】
また、送信端でデータを簡単にインパルス信号に変換するデジタル論理回路のみで構成されたインパルス発生技法を用いて、送信端システムの単純化および電力消耗の減少効果をもたらし、全体システムに対する信号処理部の構成部を提示して、実際、中低速、低電力および低複雑性のシステムを持つ超広帯域インパルス無線通信システムを提供することができる。
【0030】
また、本発明に係る超広帯域インパルス受信器では、低い仕様の1ビットサンプラーと簡単なデジタル回路のみでシンボル同期を獲得し追跡する方法によってハードウェアの複雑性および電力消耗を低めることができる。
【0031】
また、シンボル同期の区間を探してその区間内でデータを判断することにより、簡単な過程によってシンボル同期を獲得し追跡することが可能となる。
このようなシステムは、ホームネットワーク家電機器、センサネットワーク、低電力UWB−RFID、中低速近距離個人通信機器の制御に活用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、添付図面を参照して本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システム(IR−UWB wireless communication system)について詳細に説明する。本発明による超広帯域インパルス無線通信システムは、インパルス信号を用いるOOK又はPPM変調が可能であり、1ビットデジタルサンプラー及びビット決定ウィンドウを用いる同期獲得及び同期追跡方式を使用する低複雑度のシステムである。
【0033】
図1は本発明に係るIR−UWB無線通信システムの実施例を示す概略図である。
【0034】
図1に示すように、本発明に係るIR−UWB無線通信システムは、概略的に、超広帯域受信アンテナ10、受信RFモジュール20、1ビットデジタルサンプラーを用いる信号復元部30、信号処理部40、送信RFモジュール50、および送信アンテナ60で構成することができる。
【0035】
より詳しくは、上記受信RFモジュール20は、送信信号処理部510、インパルス発生器及びシェーパ520、並びに超広帯域増幅器530を含む。前記送信信号処理部510は、OOK及びPPM変調方式を行うパルスマッパー(Pulse mapper)を含む。前記インパルス発生器及びシェーパ520は、超広帯域インパルス発生器及びバイパスフィルタからなる。前記超広帯域増幅器は、前記インパルス発生器及びシェーパ520の出力を増幅させる。
【0036】
上記受信RFモジュール20は、様々な受信信号のうち特定の周波数の範囲に属する信号のみを通過させるためのバイパスフィルタBPF210と、前記フィルタリングされた信号の低雑音増幅のための低雑音増幅器LNA220と、前記増幅された信号のエンベロープ(envelop)を検出するための2段包絡線検波器(Envelope Detector)230と、前記検出されたエンベロープ信号を球形パルスに変換する比較器(Comparator)240とを含む。一方、信号復元部30は、受信RFモジュール20を通過したRF信号をデジタル信号に復元する過程が行われるところであり、信号処理部40は、受信信号処理部410と、測距およびポジショニング(Ranging & Positioning)素子420とを含んでなり、信号復元部30で復元されて検出された信号に対する同期を獲得しデコードする過程が行われるところである。
【0037】
前記本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの一実施例は、受信インパルスの大きさのみを用いて信号を復元する非コヒーレント(Noncoherent)方式を利用し、簡単なOOKおよびPPM変調方式を実現することが可能な集積型インパルス発生器の構造を提案する。
【0038】
図2は本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの送信RFモジュールの集積型インパルス発生器の一実施例を示す図である。
【0039】
図2に示すように、送信RFモジュール50のインパルス発生器及びシェーパ520は、集積型インパルス発生器521とインパルスシェーパ523で構成される。集積型インパルス発生器521は、一つの入力端子には送信するnビットデータを入力し、残りの入力端子はデジタル論理信号High(3.3V)に固定させたDラッチ5211と、Dラッチ5211の出力信号と前記出力信号を一定の時間だけ遅延させた信号とを混合するためのANDゲート5213と、インバータ5215とからなる。Dラッチ5211の一つの入力端子はデジタル論理信号Highに固定させ、Dラッチ5211の残りの入力端子にはデータ信号を印加すると、Dラッチ5211は、データ信号があるたびにインパルス信号を出力する。ANDゲート5213は、前記出力された信号とこの出力信号を一定の時間(t)だけ遅延させた信号とを混合して広帯域三角パルスを得る。出力部は、三角パルス信号の歪みを防止するために、電流ドライビングのためのインバータ5215のチェーンを使用する。インパルス発生器521から出力されたインパルスは、バイパスフィルタであるインパルスシェーパ523を経て超広帯域の適用のために割り当てられた周波数帯域及びスペクトルマスク(spectrum mask)の規定に合わせて変換され、広帯域増幅器530で増幅されて超広帯域送信アンテナ60を介して送信される。このような構成によって従来のインパルス発生方法より簡単に実現することができ、全体システムの価格および複雑性を確実に低減することができる。
【0040】
図3は、前述した送信RFモジュールがプリント基板にプリントされた形態を示す図であり、図4は、図1に示す実施例に係る送信RFモジュール50の送信信号処理部510から出力されるデータの模様を示す図である。図4に示すように、送信(Tx)信号処理部510からのデータは、パルスマッパーによってRZ(Return to Zero)に変換される。図5は図4の信号入力に対してインパルス発生器521とインパルスシェーパ(バイパスフィルタ)523を通過したときに実際に得られるインパルスを示す図である。
【0041】
図6は本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの受信RFモジュールの構成、および各部分から得られる出力波形を示す図である。
【0042】
図6に示すように、受信RFモジュール20は、アンテナ10から受信された信号のうち隣接周波数の干渉を防ぐための広帯域バイパスフィルタ210、フィルタリングされた信号の低雑音増幅のための低雑音増幅器220、信号の大きさを調節するための能動型減衰器223、再び信号を増幅するためのAGC(Automatic Gain Control)増幅器226、前記増幅されたRF信号のエンベロープを検出するための2段包絡線検波器(Envelope Detector)230、および前記検出されたエンベロープ信号を球形パルスに変換する比較器(Comparator)240から構成される。上記受信RFモジュール20は、受信アンテナ10から受信される変調された信号を低雑音増幅器220で30dB以上増幅し、さらに能動型減衰器223でその信号波形は変形されていないまま信号の大きさを調節し、AGC増幅器226で2〜34dBに振幅調節する。このように増幅されたインパルス信号は、2段包絡線検波器230および比較器240を経て球形パルスに変換される。
【0043】
レギュレータ215を用い、上記受信RFモジュール20の構成素子にはそれぞれDC電源が供給されるが、比較器240は数十mV以上の基準電圧を有し、前記レギュレータ215からの制御信号によって電圧レベルが調整できるように設計されており、検波された信号が一定の時間以上基準電圧以上に入力されると、数ナノ秒以上の幅を持つ球形パルスを出力する。この際、球形パルスの信号幅を広め、ノイズの影響を減らして綺麗な波形を得るために、包絡線検波器と比較器をもう1段設置することができる。
【0044】
図7は図6に示したような本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの受信RFモジュールに2段包絡線検波器と比較器を具現する方法の実例を示す。図7に示すように、比較器240は可変的な基準電圧を持つことができ、比較器240の入力信号は電圧レベル検出器および制御器235によって先頭値が測定されてAGC増幅器226の増幅率が調整できる。
【0045】
図8は図6および図7に示すような受信RFモジュールを介して測定された球形パルスの波形グラフを示す図である。
【0046】
図9は本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの1ビットデジタルサンプラーを用いるデジタル信号復元部の構成を示す図である。
【0047】
1ビットデジタルサンプラー30は、時間遅延素子を持つクロック発生器310で既存のシステムクロックを少しずつ遅延させて全体的に高速クロックとして作動させ、この高速クロックを、受信された信号に適用して比較器出力の極超短の球形波のようなパルスを検出させるパルス検出器からなっているが、これは、相対的に周波数の低いシステムクロックを用いて、時間遅延素子を持つクロック発生器310で既存のシステムクロックを少しずつ遅延させて、全体的に高速クロックを持たせるタイムインターリービング(Time interleaving)構造といえる。より詳しくは、クロック発生器310は、相対的に遅延時間が正確なインバータを遅延素子として使用し、或いは既存のシステムクロックの位相を変化させながら所望のクロックを得ることができる。まず、相対的に反復周波数の低いシステム基準クロック(Reference Clock)と、時間遅延または位相変換素子を用いて一定の時間差(システムクロック周期以内)/位相差(360°以内)を持つシステムクロックと同一の多数のクロックを生成し、比較器から出力される極超短の球形パルスのような信号を立ち上がりまたは立ち下がり時間で検出するために、時間遅延/位相変更された多数のシステムクロックを並列に配置させる。クロック発生器310から発生する多数のシステムクロックに対してそれぞれ信号検出部が存在し、これは配列構造を成す。前記多数の信号検出部の一つ以上の信号検出部から信号が感知されると、データが受信されたと判断する。このようなクロック発生器310に対しては、図10に詳しく示されているが、多数のDLL(Delay Locked Loop)を用い、位相が少しずつ異なる多数のクロックを発生させることにより、短いパルスに対して高速サンプリングを可能にする。
【0048】
パルス検出信号処理部320は、前記検出した時間遅延/位相遅延したシステムクロックから一番目のクロックのみを選択し、1周期の間に他のクロックの立ち上がり/立下りエッジで検出された信号は無視する。このような方式を選択する理由は、インパルス伝播チャンネルが多重経路環境で約20ナノ秒以上の信号遅延プロファイル(power delay profile)を持つため、1周期の間に一つの信号に対して前記1ビットデジタルサンプラーは少なくとも2つ以上の時間遅延クロックがインパルス信号を検出するので、前記1ビットデジタルサンプラーに一つの信号と強制に認識させる必要があるからである。
【0049】
図11は比較器の出力に対する並列に作られた高速のクロックによる信号検出タイミング図であって、受信された信号のパルス幅はT(T<インパルス反復周期)とし、既存クロックの周期はTsとすれば、信号探知のために遅延時間をTs/4として、既存のクロックより90°ずつ位相ずれを持つ3つのクロックを並列に作って、それぞれはクロックの立ち上がりエッジで受信された信号を取る。この際、デジタル素子の応答時間を考慮して、信号の確実な検出のために、遅延時間は受信信号パルス幅の1/2倍より少ないか同一でなければならない。図11で検出された信号は、図9の1番目の信号検出部で信号を探し、その後、インパルス1周期の間に入力される全ての値は捨てるようにする。本発明に係る信号復元方法は、近距離からインパルスを用いて、位置測定のためのシステムでも使用できる。すなわち、従来のADCを用いる精密無線測位方法とは異なり、本発明で提示する方法によって、デジタル部でギガシンボル率Gspsの性能を持つ並列クロックを生成し、数ナノ秒のパルス幅を持つ球形パルスの位置を探すことができる。この場合、位置測定解像度は、1ビット高速デジタルサンプラーの速度だけでなく、球形パルスの幅とも関連がある。このような本発明に係るシステムを用いてシンボル同期を獲得する過程については、より詳細に後述する。
【0050】
図12は、本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムにおいてロジック分析器を用いて測定された信号の復元過程を示す図である。送信信号はRZ(Return to Zero)信号であり、検波された信号はパルス幅が送信信号幅より一層少なく、最終復元されたデジタル信号はNRZ(Non−Return to Zero)信号である。
【0051】
図13は、本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの送信(Tx)信号処理部を示す図である。
【0052】
前記送信信号処理部510は、送信するデータを臨時格納する送信データメモリ511、送信すべきデータをエンコードするためのFECエンコーダ(Forward error correction encoder)512、送信するデータパケットの始まりと終りを知らせるスタート/エンド信号を生成するスタート/エンド信号発生部513、送信するデータと制御データを選択するマルチプレクサ(Multiplexer)MUX515、MUX515を通過した信号を格納する送信メモリ516、送信メモリ516に格納された送信するデータを変調するためのパルスマッパー517、および各種制御信号を発生する制御部514から構成される。
【0053】
図14は本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの受信(Rx)信号処理部を示す図である。
【0054】
前記送信信号処理部510と同様に、受信された信号は全て受信信号処理部410で実時間にて処理されるが、受信された信号は信号復元部30の1ビット高速デジタルサンプラーを用いてデジタル信号に変換され、受信信号処理部410で同期化し、検出された信号をデコードして最終的に本来のデータを獲得する。
【0055】
受信信号処理部410は、シンボル同期部411、スタート/エンド信号確認部412、受信メモリ413、FECデコーダ414および受信データメモリ415から構成される。このように構成される受信信号処理部410を介してデータを受信する過程をより詳しく説明すると、次の通りである。まず、受信された信号は信号復元部30の1ビット高速デジタルサンプラーを用いてデジタル信号に変換される。この信号を用いて受信信号処理部410のシンボル同期部411で信号同期および同期追跡過程を経る。その後、スタート/エンド信号確認部412で前記デジタル信号のフレームの始まりと終りを確認し得るように開始と終了を示す信号を判断し、同期が獲得された信号を受信メモリ413に格納する。そして、FECデコーダ414で、前記受信メモリ413に格納されたデータを読み取り、前記送信信号処理部512でエンコードされたデータをデコードし、最終的に本来のデータをデータメモリ415に格納する。また、受信信号処理部410には、全体信号伝達の流れを制御するための制御信号が存在し、前記受信信号処理部を成すそれぞれの素子に制御信号を印加する制御された状態らの変化を順次示す制御器であるFSM(Finite State Machine)416が含まれる。
【0056】
図15は本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムにおけるデータ伝送プロトコールの一実施例を示す図である。図15の上段はPear−to−Pear方式(1:1方式)を採用する場合のデータ伝送プロトコール構造を示し、図15の下段は多重ユーザの場合にデータを分けて伝送する方法を示す。
【0057】
図16は、本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムに用いられる超広帯域アンテナの一実施例を示す断面図である。
【0058】
図16に示すように、前記アンテナは、傾斜接地面を持つプリント基板の端面に階段状にプリントされた平板型モノポールアンテナを使用することができるが、特性を向上させるために傾斜接地面を持つようにした。同一平面の導波管給電方式(coplanar waveguide feeding)を使用することが好ましく、前記アンテナの給電部の端部とメインスクェア(main square)との間には三角形または四角形の遷移部(transition)を挿入して広帯域特性を持つようにする。
【0059】
本発明に係る無線通信システムにおけるシンボル同期獲得は、シンボル同期部411が前記1ビット高速デジタルサンプラーで量子化された入力信号に対して、前記入力信号の雑音を除去し、前記信号に対する同期時点を仮定した後、前記仮定した同期時点に対する検証によって同期時点を確定する。図17は、本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムを用いるシンボル同期獲得過程を示す。
【0060】
図17を参照して、本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムにおいてシンボル同期部411がシンボル同期を獲得する過程について説明する。超広帯域インパルス受信器のアンテナ10が信号を受信(S110)すると、受信された信号を、RF増幅器などを含む受信RFモジュール20および信号復元部30のサンプラー230で量子化された入力信号として算出(S120)する。前記算出された量子化された入力信号から一定の大きさ以下の信号を除去して雑音を除去(S130)するが、ここで、シンボル同期部411は、前記入力信号の信号対雑音比(SNR)を高めるための相関器を含み、前記相関器を用いて前記入力信号から雑音を除去する。
【0061】
そして、雑音が除去された信号からサンプル集団を抽出し、抽出されたサンプル集団のうちの1番目のサンプル集団で最も大きい値を持つサンプルを同期時点と仮定(S140)する。その後、前記仮定した同期時点から所定のフレーム時間間隔で、又は所定の回数だけ移動しながら、所定の範囲内にシンボルが含まれているかを調査する検証(S150)過程を経て、前記所定の回数だけ連続して前記所定の範囲内にシンボルが存在する場合に、前記仮定した同期時点を同期時点と確定(S160)する。
【0062】
図18〜図22は本発明に係る同期獲得の各過程で現われる信号の実施例を示す。図18はインパルス伝播チャネルを介して受信された波形を示し、インパルス信号およびノイズが含まれている。受信された信号が図6のバイパスフィルタ(BPF)210、低雑音増幅器(LNA)220、包絡線検波器230を通過すると、図19のような低周波信号が得られる。図20は、比較器の出力を1ビットデジタルサンプラーを介してサンプリングし1ビットで量子化した形状を示す。ここで、算出されたデジタル信号

は0と1の値のみからなり、シンボル同期を獲得するための量子化された入力信号となる。特に、同期獲得区間では、システム内で定められたビットの数と同一であり、値「1」を有する送信データビットが伝送される。
【0063】
次に、このような算出された量子化された受信信号に対する同期獲得を行う各過程をより具体的に説明する。
【0064】
まず、量子化された入力信号から雑音を除去するが、1ビットデジタルサンプラーで量子化された

の信号対雑音比(SNR)を高めるために、上記式1のように単純化した相関器(Correlator)を用いて一定の大きさ以下の信号は除去する。ここで、相関器は大きさが1の長方形であり、フィルタの幅Nはチャネル状態および送信パルス信号に応じて適切に設定することができる。また、ノイズ成分を除去するための臨界値Thは平均ノイズの大きさの1.5倍程度が好ましい。
【0065】
前記量子化された入力信号から雑音を除去すると、図21のような信号が得られる。図21の信号から分かるように、前記入力信号から前記相関器を用いて雑音が除去された結果、サンプル集団が形成されたことを確認することができる。
【0066】
前記量子化された入力信号から雑音を除去した後、同期時点を仮定するが、図21に示されている、雑音が除去された入力信号

において独立または連続して0より大きい値を持つサンプル集団を「island」と定義し、上記数式2によって、それぞれのサンプル集団「island」内で最も大きい値を持つサンプルを「flag」と定義し、1番目の「island」のインデックス「flag」であるnflag,1を同期時点と仮定する。
【0067】
そして、前記仮定した同期時点を検証する過程を経るが、仮定した同期時点を検証するために、まず仮定した同期時点からフレーム時間i・N以後の時点であるnflag,1+i・Nを中心としてNBDWの幅を持つビット決定ウィンドウBDWを定義し、BDWの中心BDWcen,iをフレーム間隔Nを所定の回数Nだけ乗じた時点まで移動しながら、BDW内に0ではない値、すなわちシンボルが含まれているかを調査する。
【0068】
この点について図22を参照して説明すると、仮定した同期時点である一番目の「island」のインデックス「flag」からフレーム時間N以後の次のサンプル集団のインデックス「flag」であるnflag,2を中心としてNBDWの幅を持つBDWを定義すると、BDW1となり、さらにフレーム時間N以後の時点のBDWを前述のような方法で定義すると、BDW2となる。このような方法で所定の回数Nだけ移動しながら、BDW内に0より大きい値、すなわちシンボル(パルス)が含まれているかを調査する。
【0069】
設定された回数Nの間、連続してBDW内に0より大きい値が存在する場合、同期時点として仮定したnflag,1を正確な同期時点nacqと見なして同期獲得を済ませ、そうではない場合、次のサンプルから同期が獲得される時点まで同期時点の仮定過程と仮定した同期時点の検証過程を繰り返し行って正確な同期時点を探す。ここで、前記BDWの反復回数Nは3〜6であれば適当である。
【0070】
そして、BDWの幅NBDWを狭くするほど、正確な同期が得られるが、BDWの幅が狭いほど、無線チャネル、雑音、時間変動(Timing Jitter)などの環境の変化に敏感になる。逆に、NBDWを広くするほど環境の変化に鈍感になる利点はあるが、ノイズ成分が増加するため、BER(Bit Error Rate)が高くなる。また、アンテナ10から受信された信号はバイパスフィルタ210、低雑音増幅器220、包絡線検波器230を通過して信号復元部30の1ビット高速デジタルサンプラーでサンプリングされるが、シンボル同期獲得以後には、BDW区間内でのみサンプリングが必要であり、前記1ビット高速デジタルサンプラーでの電力消耗は、NBDWの大きさと密接に関連するので、NBDWの大きさは、低電力消耗のために、できるだけ短いことが望ましい。
【0071】
本発明に係る無線通信システムにおけるシンボル同期獲得過程によってシンボル同期獲得が成功的に行われると、受信端では再び同期獲得時点nacqを基準とする各フレーム間隔内のBDWを再設定し、BDW内でデータ(0または1)を判別する。また、BER(Bit Error Rate)を低めるために、BDW内の信号に対して単純な相関器および相関値を用いて一定の大きさ以下の信号を除去する過程をさらに行う。
【0072】
ところが、正確なシンボル同期獲得が行われたとしても、データ伝送途中に送受信期間の距離が変わるか或いは無線チャネル環境などが随時変わるため、周期的にシンボル同期時点に対する追跡(tracking)が必要である。
【0073】
図23は、本発明に係る無線通信システムにおけるシンボル同期追跡過程を示す図である。図23に示すように、同期獲得区間以後、最初シンボルに対するBDWcen,1stは、上記式3のように同期獲得時点nacqを基準として決定し、k+1番目のシンボルに対するBDWk+1の中心BDWcen、k+1は、上記数式4のように以前BDWcen、k時点の他にもオフセットΔk+1まで考慮する。ここで、Δk+1はnflag,k−BDWcen,kである。k+1番目のシンボルのオフセットΔk+1は、図23のように、k番目のウィンドウであるBDW内で最も大きい値「flag」を持つサンプルインデックスnflag,kとBDWの中心インデックスBDWcen,kとの差異によって定義し、もしk番目のシンボルが存在しなくてnflag、kを探すことができない場合には、オフセットを0と見なす。実例としてOOK変調方式を使用する場合、以前のシンボルが存在する場合に限ってその次のBDWk+1のオフセットを変更する。これは別途の信号なしに効率よくシンボルを追跡するためである。
【0074】
このようにシンボル同期を獲得し、その後シンボル同期追跡によってそれぞれのシンボル毎にBDWが設定されると、BDW内でビットを判別することができるが、前記受信信号

のBDW内に0より大きいサンプルが存在する場合、前記信号

を「1(ON)」と決定し、前記BDW内に0のみが存在する場合、前記信号

を「0(OFF)」と決定する。
【0075】
以上、提案された本発明に係るインパルスシステムの受信端では、従来の高速ADCを使用せず、デジタル信号を復元する1ビット高速デジタルサンプラーを用いて全体システムを単純化させ、デジタル部における信号検出を行って電力消耗の減少効果をもたらす。特に、ビット決定ウィンドウを用いた信号同期獲得及び追跡技術は、非常に複雑な位相同期ループ回路を用い、シンボルの正確な時点に対する同期獲得ではなく、各BDW内のシンボルを検出することで行われるので、信号処理部をさらに簡素化させ、電力消耗を最小化した。
【0076】
上述した本発明によれば、アナログ球形パルスを信号に復元するための1ビット高速デジタルサンプラー及びビット決定ウィンドウを用いる同期獲得及び追跡技術により、全体システムが簡素化し、電力消耗が減少する。
【0077】
た、送信システムにおいて、データをインパルス信号に変換するため、デジタル回路のみで具現されたインパルス発生方法を用いるので、超広帯域インパルス無線通信システムについての送信機の構造が簡素化し、電力消耗が減少する。
【0078】
このようなシステムは、ホームネットワーク家電機器、センサネットワーク、低電力UWB−RFID、中低速近距離個人通信機器の制御に活用できる。
【0079】
本発明に係る、高速デジタルサンプラーおよびビット決定ウィンドウを用いるシンボル同期化技法を使用する近距離インパルス無線通信システムは、本発明の技術的思想の範囲内において様々な形態に変形、応用可能であり、上記実施例に限定されるものではない。また、前記実施例と図面は、発明の内容を詳細に説明するための目的に過ぎず、発明の技術的思想の範囲を限定しようとする目的ではない。以上説明した本発明は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内において、様々な置換、変形および変更が可能なので、前記実施例および添付図面に限定されるものではないのは勿論であり、特許請求の範囲だけでなく、請求の範囲と均等な範囲をも含んで判断されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの実施例を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの送信RFモジュールの集積型インパルス発生器の実施例を示す図である。
【図3】図2の実施例に係るインパルス発生器チップを含む送信RFモジュールがプリント基板にプリントされた形態を示す図である。
【図4】図1の実施例の送信RFモジュールの送信信号処理部から出力されるデータを示す図である。
【図5】図2の実施例の送信RFモジュールからインパルスシェーパ(バイパスフィルタ)を経て出力されるインパルスを示す図である。
【図6】本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの受信RFモジュールの実施例および各部分における出力波形の模様を示す図である。
【図7】本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの受信RFモジュールに実現された2段包絡線検波回路と比較器回路を示す図である。
【図8】図6の実施例の受信RFモジュールを経て測定された球形インパルス波形グラフを示す図である。
【図9】本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの1ビットデジタルサンプラーを用いるデジタル信号復元部の構成を示す図である。
【図10】本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムのクロック発生器に対する構成とその出力波形を示す図である。
【図11】本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの1ビットデジタルサンプラーにおける比較器の出力に対する信号のサンプリング過程およびタイミングダイヤグラムを示す図である。
【図12】ロジック分析器を用いて本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムで測定された信号の復元過程の実施例を示す図である。
【図13】本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの送信信号処理部の構成を示す図である。
【図14】本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの受信信号処理部の構成を示す図である。
【図15】本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムにおけるデータ伝送プロトコールの一実施例を示す図である。
【図16】本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムに用いられる超広帯域アンテナの実施例を示す断面図である。
【図17】本発明に係る超広帯域インパルス無線通信システムの超広帯域インパルス受信機におけるシンボル同期獲得過程を示す流れ図である。
【図18】インパルス信号および雑音が含まれた超広帯域アンテナから受信した入力信号の一例を示す図である。
【図19】本発明に係る超広帯域インパルス受信器を用いて増幅器、包絡線検波器を通過した信号を示す図である。
【図20】本発明に係る1ビットデジタルサンプラーによってデジタル化された信号を示す図である。
【図21】本発明に係るデジタル相関器の出力を示す図である。
【図22】本発明に係るビット決定ウィンドウおよび初期同期獲得過程を示す図である。
【図23】本発明によってビット決定ウィンドウを用いたシンボル同期追跡過程を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
20 受信RFモジュール
30 信号復元部
40 信号処理部
50 送信RFモジュール
210 バイパスフィルタ
220 低雑音増幅器
230 2段包絡線検波器
240 比較器
310 クロック発生器
320 パルス検出信号処理部
410 受信(Rx)信号処理部
510 送信(Tx)信号処理部
520 集積型インパルス発生器
530 広帯域増幅器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超広帯域インパルス及び1−ビットデジタルサンプラーを使用する超広帯域インパルス無線通信システムにおいて、
送信信号処理部と、OOK変調またはパルス位置変調方式を実現することが可能な集積型のインパルス発生器と、前記インパルス発生器の出力を増幅するための増幅器とを含む送信RFモジュールと、
受信された信号のエンベロープを検出するための2段包絡線検波器と、前記検出された信号を球形パルスに変換する比較器とを含む受信RFモジュールと、
前記受信RFモジュールから伝送される信号を前記1−ビットデジタルサンプラーを用いてデジタル信号に復元するためのデジタル信号復元部と、
インパルス変調またはパルスマッピングのための送信信号処理部と、
前記デジタル信号を同期化し且つシンボル同期を追跡するための受信信号処理部と、
超広帯域インパルス信号を送受信するための超広帯域アンテナと、を含むことを特徴とする、超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項2】
前記1−ビットデジタルサンプラーは、
時間遅延素子を持つクロック発生器と、前記球形パルスを検出するためのパルス検出器とを含み、
前記クロック発生器では、システムクロックを漸次遅延させ、前記システムクロックから漸次同一に位相変換された並列のクロック信号のシーケンスを発生させ、前記パルス検出器は、前記クロック信号のシーケンスを前記球形パルスに適用することにより、前記球形パルスを検出することを特徴とする、請求項1に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項3】
前記クロック発生器は、時間遅延または位相変換素子を含み、
一定の時間差/位相差を持つ多数のシステムクロックを生成し、前記多数のシステムクロックを並列構造に配置することを特徴とする、請求項2に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項4】
前記送信RFモジュールの集積型のインパルス発生器は、
少なくとも一つの入力端子に、送信するnビットデータを入力するDラッチと、
前記Dラッチの出力信号と、前記出力信号を一定の時間だけ遅延させた信号とを混合するためのANDゲートと、
前記出力信号の歪みを防止するために電流ドライブを行うためのインバータチェーンと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項5】
一つの入力端子に、送信するデータを印加する場合、残りの入力端子はデジタル論理信号(「High」)に固定させることにより、データ信号があるたびに、前記Dラッチからインパルス信号を出力することを特徴とする、請求項4に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項6】
前記受信RFモジュールは、
前記超広帯域アンテナから受信された信号のうち隣接周波数の干渉を防ぐための広帯域バイパスフィルタと、
前記広帯域バイパスフィルタでフィルタリングされた信号の低雑音増幅のための低雑音増幅器と、
前記低雑音増幅器で増幅された信号の大きさを調節するための能動型減衰器と、
前記能動型減衰器を通過した信号を増幅するためのAGC増幅器と、を含み、
前記AGC増幅器で増幅されたRF信号を前記球形パルスに作るための前記2段包絡線検波器を含むことを特徴とする、請求項1に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項7】
前記送信信号処理部は、
送信するデータを臨時格納する送信データメモリと、
順方向エラー訂正エンコードを行うFECエンコーダと、
前記送信するデータパケットの始まりと終りを知らせるスタート/エンド信号を発生するスタート/エンド信号発生部と、
送信するデータと制御データを選択するマルチプレクサと、
前記マルチプレクサを通過したデータを格納する送信メモリと、
OOKまたはPPM変調を行い、受信信号の波形を前記インパルス発生器の入力に適した波形に変換するパルスマッパーと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項8】
前記送信信号処理部は、全体信号伝達の流れを制御するために、それぞれの素子に制御データを印加する制御器をさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項9】
前記受信信号処理部は、
前記デジタル信号復元部で復元されたデジタル信号に対する信号同期および同期追跡過程を処理するシンボル同期部と、
前記同期化された信号のパルス列の始まりと終りを確認するスタート/エンド信号確認部と、
伝送されたデータを格納するための受信データメモリと、
前記送信信号処理部でエンコードされた信号をデコードする順方向エラー訂正デコーダと、
復元された本来のデータを格納する受信メモリと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項10】
前記受信信号処理部は、全体信号伝達の流れを制御するために、それぞれの素子に制御データを印加する制御器をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項11】
前記超広帯域アンテナは、傾斜接地面を持つプリント基板の断面に階段状にプリントされた四角形のモノポールアンテナであって、同一平面の導波管給電構造を持つことを特徴とする、請求項1に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項12】
前記超広帯域アンテナは、給電部に三角形または四角形の遷移部を挿入して広帯域特性を持つようにすることを特徴とする、請求項11に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項13】
前記デジタル信号復元部のデジタルサンプラーは、1ビットデジタルサンプラーであり、
前記シンボル同期部は、
前記1ビットデジタルサンプラーで量子化された入力信号に存在する雑音を除去する第1過程と、
前記雑音が除去された信号において同期時点を仮定する第2過程と、
前記仮定した同期時点に対する検証によって同期時点を確定する第3過程とを行い、
前記各過程によって入力信号に対するシンボル同期を獲得することを特徴とする、請求項9に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項14】
前記シンボル同期部は、前記1−ビットデジタルサンプラーの前記量子化された入力信号の信号対雑音比(SNR)を高めるための相関器を含み、
前記第1過程は、前記相関器を用いて、前記量子化された入力信号から一定の大きさ以下の信号を除去し、
前記第2過程は、前記雑音が除去された信号からサンプル集団を抽出し、前記サンプル集団のうちの一番目のサンプル集団から最も大きい値のサンプルを検索し、これを同期時点と仮定し、
前記第3過程は、各シンボルのビット決定ウィンドウを定義し、前記仮定した同期時点から所定のフレーム時間で所定の回数を乗じる分だけの時点に前記ビット決定ウィンドウを移動しながら、所定の範囲内に前記シンボルが含まれているかを調査する検証過程によって、前記仮定した同期時点を同期時点と確定することを特徴とする、請求項13に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項15】
前記相関器は、下記数式1を満足させるm(n)であり、
前記第1過程は、
前記1ビットデジタルサンプラーで量子化された信号

の信号対雑音比(SNR)を高めるために、前記相関器m(n)を用いて、前記量子化された

から一定の大きさ以下の信号を除去することを特徴とする、請求項14に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【数1】

(ここで、m(n)は大きさが1の長方形の相関器(rectangular correlator)であり、Nmはフィルタの幅であり、Thはノイズ成分を除去するための臨界値であり、符号*はコンボリューション積を示す。)
【請求項16】
前記第2過程は、
前記雑音が除去された信号

において独立または連続して0ではない値を持つサンプル集団を「island」と定義し、それぞれのサンプル集団「island」内で最も大きい値を持つサンプルを算出して、前記それぞれの「island」内で最も大きい値を持つサンプルを「flag」と定義し、前記サンプル集団のうちの一番目のサンプル集団の「island」内で最も大きい値を持つサンプル「flag」のインデックスnflag,1を同期時点と仮定することを特徴とする、請求項15に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項17】
前記第3過程は、
前記仮定した同期時点nflag,1から所定のフレーム時間i・N以後の時点nflag,1+i・Nを中心として所定の幅NBDWを持つビット決定ウィンドウを定義し、下記数式2によって、BDWの中心BDWcen,iをフレーム間隔Nで予め設定された回数Nを乗じた時点まで移動させながら、0より大きい値を有するシンボルがそれぞれのBDW内に含まれているかを調査し、前記BDW内に連続して0ではない値であるシンボルが存在する場合、前記仮定したnflag,1を正確な同期時点nacqと見なすことを特徴とする、請求項16に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【数2】

(ここで、BDWcen,i=nflag,1 + i・N (i=1, 2, …, N)である。)
【請求項18】
前記BDWの中心BDWcen,iをフレーム間隔Nで予め設定された回数Nを乗じた時点まで移動させながら、いずれか一つのBDW内に0のみが存在する場合、その以後の次のサンプルから同期が獲得される時点まで前記第2過程と前記第3過程を繰り返し行うことを特徴とする、請求項17に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項19】
同期が獲得された区間以後の最初シンボルに対するBDWcen,1stは、同期獲得時点nacqを基準として決定し、下記式3を満足し、k+1番目のシンボルに対するBDWk+1の中心BDWcen,k+1は、以前のBDWcen,k時点、およびk番目のウィンドウであるBDW内で最も大きい値を持つサンプルインデックスnflag,kとBDWの中心インデックスBDWcen,kとの差異であるオフセットΔk+1によって決定し、下記式4を満足し、前記BDWcen,1とBDWcen,k+1を用いて、獲得された同期を追跡することを特徴とする、請求項18に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【数3】

(ここで、αは同期獲得区間の全シンボル数である。)
【数4】

(ここで、Δk+1=nflag,k−BDWcen,kである。)
【請求項20】
k番目のサンプル集団内にシンボルが存在しなくてサンプルインデックスnflag,kを探すことができない場合には、オフセットΔk+1を0と見なすことを特徴とする、請求項19に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。
【請求項21】
前記シンボル同期を獲得し、その後同期追跡によってそれぞれのシンボルに対してBDWを設定し、前記信号

に対するBDW内に0ではないサンプルが存在する場合、前記信号

を「1(ON)」と決定し、前記BDW内に0のみが存在する場合、前記信号

を「0(OFF)」と決定することを特徴とする、請求項20に記載の超広帯域インパルス無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−61239(P2008−61239A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−215186(P2007−215186)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(500581814)コリア エレクトロテクノロジー リサーチ インスティチュート (14)
【Fターム(参考)】