説明

1H−イミダゾダイマー

1H−イミダゾダイマー化合物は免疫応答調整剤として有用である。本発明の化合物および組成物は、種々のサイトカインの生合成を誘発することが可能であり、ウィルス性疾患および腫瘍性疾患を含む様々な症状の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1H−イミダゾダイマーおよびこうしたダイマーを含む薬剤組成物に関する。更に、本発明は、動物中でサイトカイン生合成を誘発するため、ならびにウィルス性疾患および腫瘍性疾患を含む疾患の治療において、免疫調節薬としてのこれらのダイマーの使用に関する。本発明は、ダイマーおよびダイマーの合成において用いられる中間体を製造する方法を更に提供する。
【背景技術】
【0002】
1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン環系に関する最初の信頼できる報告、バックマン(Bachman)ら、J.Org.Chem.15,1278〜1284(1950)には、抗マラリア薬として可能な使用のための1−(6−メトキシ−8−キノリニル)−2−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリンの合成が記載されている。その後、種々の置換1H−イミダゾ[4,5−c]キノリンの合成が報告された。例えば、ジェイン(Jain)ら、J.Med.Chem.11、pp.87〜92(1968)は、抗可能な抗痙攣薬および心血管薬として化合物1−[2−(4−ピペリジル)エチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリンを合成した。ベラノフ(Baranov)ら、Chem.Abs.85,94362(1976)も、幾つかの2−オキソイミダゾ[4,5−c]キノリンを報告し、ベレーニ(Berenyi)ら、J.Heterocyclic Chem.18,1537〜1540(1981)は、特定の2−オキソイミダゾ[4,5−c]キノリンを報告した。
【0003】
特定の1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンならびに該アミンの1−および2−置換誘導体は、抗ウィルス剤、気管支拡張薬および免疫調節薬として有用であることが後で見出された。これらは、特に、米国特許第4,689,338号明細書、同第4,698,348号明細書、同第4,929,624号明細書、同第5,037,986号明細書、同第5,268,376号明細書、同第5,346,905号明細書および同第5,389,640号明細書に記載されている。これらの特許のすべては本明細書に参照により援用する。
【0004】
多くのイミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾキノリンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロピリジンアミン、イミダゾナフチリジンおよびテトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン化合物は、効力ある免疫増強活性、抗ウィルス活性および抗腫瘍(抗癌)活性を実証し、ワクチンへの保護免疫系応答を強化するためのワクチン補助薬として有用であることも示された。こうした化合物および該化合物を製造する方法は、例えば、米国特許第4,689,338号明細書、同第4,929,624号明細書、同第5,266,575号明細書、同第5,268,376号明細書、同第5,352,784号明細書、同第5,389,640号明細書、同第5,482,936号明細書、同第5,494,916号明細書、同第6,110,929号明細書、同第6,194,425号明細書、同第6,331,539号明細書、同第6,376,669号明細書、同第6,451,810号明細書、同第6,541,485号明細書、同第6,573,273号明細書、同第6,545,016号明細書、同第6,545,017号明細書および同第6,525,064号明細書ならびに国際公開第02/46188号パンフレット、国際公開第02/46189号パンフレット、国際公開第02/46190号パンフレット、国際公開第02/46191号パンフレット、国際公開第02/46192号パンフレットおよび国際公開第02/46193号パンフレットで開示されている。これらの特許の開示は本明細書に詳しく参照により援用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
免疫応答調整剤として有用である化合物のこれらの最近の発見にも関わらず、サイトカイン生合成または他のメカニズムを誘発することにより免疫応答を調整する能力を有する化合物が必要とされ続けている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
特定の1H−イミダゾダイマー化合物がサイトカイン生合成を誘発することが今見出された。一態様において、本発明は、
式(I)
【化1】

(式中、A、R2、R3およびR4は本明細書で定義された通りである)
の1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。
【0007】
式Iの化合物は、サイトカイン生合成を誘発する(例えば、1以上のサイトカインの生合成または産生を誘発する)とともに、動物に投与する時に別段に免疫応答を調整する能力のゆえに、免疫応答調整剤(IRM)として有用である。これは、免疫応答の変化に直ぐに反応するウィルス性疾患および腫瘍性疾患などの様々な症状の治療において本化合物を有用にする。
【0008】
もう1つの態様において、本発明は、免疫応答調整剤化合物を含む薬剤組成物、有効量の式Iの1以上の化合物および/または該化合物の薬学的に許容できる塩を動物に投与することによる、動物中でサイトカイン生合成を誘発する方法、動物のウィルス性疾患を治療する方法および動物の腫瘍性疾患を治療する方法を提供する。
【0009】
更に、本発明は、本発明の化合物およびこれらの化合物の合成において有用な中間体を合成する方法を提供する。
【0010】
本明細書で用いられる時、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つ」および「1以上」は互換可能に用いられる。
【0011】
「含む」という用語およびその変形は、これらの用語が説明および請求の範囲において生じる限定的意味をもたない。
【0012】
本発明の上の開示は、本発明の開示された各実施形態またはあらゆる実施を記載することを意図していない。後に続く説明は例示的な実施形態をより詳しく例証している。種々の組み合わせにおいて用いることができる実施例のリストを通して、ガイダンスも本明細書において提供している。各例において、挙げたリストは代表的な群としてのみ用いられ、排他的リストとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
一態様において、本発明は、式(I)
【化2】

(式中、
Aは、
直鎖または分枝鎖C4-20アルキレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルケニレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレンおよび
−Z−Y−W−Y−Z−
からなる群から選択された二価連結基であり、
各Zは、
直鎖または分枝鎖C2-20アルキレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルケニレンおよび
直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレン
からなる群から独立して選択され、
それらのいずれもが−O−、−N(R5)−または−S(O)2−によって任意に割り込まれてもよく、
各Yは、
結合、
−N(R5)C(O)−、
−C(O)N(R5)−、
−N(R5)C(O)N(R5)−、
−N(R5)S(O)2−、
−S(O)2N(R5)−、
−OC(O)O−、
−OC(O)−、
−C(O)O−、
−N(R5)C(O)O−および
−OC(O)N(R5)−
からなる群から独立して選択され、
Wは、
直鎖または分枝鎖C2-20アルキレン、
直鎖または分枝鎖C2-20アルケニレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレン、
直鎖または分枝鎖パーフルオロC2-20アルキレン、
1-4アルキレン−O−C1-4アルキレン、
−C(O)−、
−S(O)2−、
−OC(O)O−、
−N(R5)C(O)N(R5)−;
【化3】

1,5−ナフチレン、
2,6−ピリジニレン、
1,2−シクロヘキシレン、
1,3−シクロヘキシレン、
1,4−シクロヘキシレン、
トランス−1,4−シクロヘキシレン、
【化4】

および
トランス−5−ノルボルネン−2,3−ジイル
からなる群から選択され、ここで、nは0〜4であり、各Rは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロゲンからなる群から独立して選択され、Qは、結合、−CH2−および−O−からなる群から選択され、
2は、
−水素、
−アルキル、
−アルケニル、
−アリール、
−置換アリール、
−ヘテロアリール、
−置換ヘテロアリール、
−アルキル−X−アルキル、
−アルキル−X−アリール、
−アルキル−X−アルケニルおよび
−OH、
−ハロゲン、
−N(R62
−C(O)−N(R62
−C(S)−N(R62
−S(O)2−N(R62
−N(R6)−C(O)−C1-10アルキル、
−N(R6)−C(S)−C1-10アルキル、
−N(R6)−S(O)2−C1-10アルキル、
−C(O)−C1-10アルキル、
−C(O)−O−C1-10アルキル、
−N3
−アリール、
−置換アリール、
−ヘテロアリール、
−置換ヘテロアリール、
−ヘテロシクリル、
−置換ヘテロシクリル、
−C(O)−アリール、
−C(O)−(置換アリール)、
−C(O)−ヘテロアリールおよび
−C(O)−(置換ヘテロアリール)
からなる群から選択された1個以上の置換基によって置換された−アルキルまたは−アルケニル
からなる群から選択され、
3およびR4は、
−水素、
−ハロゲン、
−アルキル、
−アルケニル、
−X−アルキルおよび
−N(R62
からなる群からそれぞれ独立して選択されるか、または
合一した時、R3およびR4は、置換されていないか、または
−ハロゲン、
−アルキル、
−アルケニル、
−X−アルキルおよび
−N(R62
からなる群から選択された1個以上の置換基によって置換されている縮合アリール環または縮合ヘテロアリール環を形成するか、または
合一した時、R3およびR4は、
0〜2個のヘテロ原子を含むとともに置換されていないか、または
−ハロゲン、
−アルキル、
−アルケニル、
−X−アルキルおよび
−N(R62
からなる群から選択された1個以上の置換基によって置換されている縮合5〜7員飽和環を形成し、
各R5は、
水素、
1-6アルキル、
3-7シクロアルキルおよび
ベンジル
からなる群から独立して選択されるか、または
Yが−N(R5)C(O)−、−C(O)N(R5)−、−N(R5)C(O)N(R5)−、−N(R5)S(O)2−、−S(O2)N(R5)−、−N(R5)C(O)O−または−OC(O)N(R5)−である時、N(R5)基の窒素はZに結合し、それから、R5はZと合一して、構造
【化5】

を有する環を形成することが可能であり、
各R6は独立して水素またはC1-10アルキルであり、
7はC3-8アルキレンであり、
Xは−O−または−S−であり、
但し、Wが−C(O)−、−S(O)2−、−OC(O)O−または−N(R5)C(O)N(R5)−である場合、各Yは結合であることを条件とする)
の1H−イミダゾダイマー化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩を提供する。
【0014】
本発明は、式(I)の化合物の合成における中間体として有用な化合物も提供する。これらの中間体化合物は以下に記載する構造式(II)〜(V)を有する。
【0015】
本発明は、
式(II)
【化6】

(式中、
1は、
直鎖または分枝鎖C4-20アルキレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルケニレンおよび
直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレン
からなる群から選択された二価連結基であり、
それらのいずれもが−S(O)2−または被保護−C(O)−によって任意に割り込まれてもよく、
nは0〜4であり、
存在する各R’は、
ハロゲン、
アルキル、
アルケニルおよび
−O−アルキル
からなる群から独立して選択される)
の中間体化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩を提供する。
【0016】
本発明は、
式(III)
【化7】

(式中、
1は、
直鎖または分枝鎖C4-20アルキレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルケニレンおよび
直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレン
からなる群から選択された二価連結基であり、
それらのいずれもが−S(O)2−または被保護−C(O)−によって任意に割り込まれてもよく、
nは0〜4であり、
存在する各R’は、
ハロゲン、
アルキル、
アルケニルおよび
−O−アルキル
からなる群から独立して選択される)
の中間体化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩も提供する。
【0017】
本発明は、
式(IV)
【化8】

(式中、
1は、
直鎖または分枝鎖C4-20アルキレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルケニレンおよび
直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレン
からなる群から選択された二価連結基であり、
それらのいずれもが−S(O)2−または被保護−C(O)−によって任意に割り込まれてもよく、
R’’は、
−水素、
−アルキル、
−アルケニル、
−アリール、
−置換アリール、
−ヘテロアリール、
−置換ヘテロアリール、
−アルキル−O−アルキル、
−アルキル−O−アリール、
−アルキル−O−アルケニルおよび
−OH、
−ハロゲン、
−C(O)−N(R62
−C(S)−N(R62
−S(O)2−N(R62
−N(R6)−C(O)−C1-10アルキル、
−N(R6)−C(S)−C1-10アルキル、
−N(R6)−S(O)2−C1-10アルキル、
−C(O)−C1-10アルキル、
−C(O)−O−C1-10アルキル、
−N3
−アリール、
−置換アリール、
−ヘテロアリール、
−置換ヘテロアリール、
−ヘテロシクリル、
−置換ヘテロシクリル、
−C(O)−アリール、
−C(O)−(置換アリール)、
−C(O)−ヘテロアリールおよび
−C(O)−(置換ヘテロアリール)
からなる群から選択された1個以上の置換基によって置換された−アルキルまたは−アルケニル
からなる群から選択され、
nは0〜4であり、
存在する各R’は、
ハロゲン、
アルキル、
アルケニルおよび
−O−アルキル
からなる群から独立して選択され、
各R6は独立して水素またはC1-10アルキルである)
の中間体化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩も提供する。
【0018】
本発明は、
式(V)
【化9】

(式中、
1は、
直鎖または分枝鎖C4-20アルキレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルケニレンおよび
直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレン
からなる群から選択された二価連結基であり、
それらのいずれもが−S(O)2−または被保護−C(O)−によって任意に割り込まれてもよく、
R’’は、
−水素、
−アルキル、
−アルケニル、
−アリール、
−置換アリール、
−ヘテロアリール、
−置換ヘテロアリール、
−アルキル−O−アルキル、
−アルキル−O−アリール、
−アルキル−O−アルケニルおよび
−OH、
−ハロゲン、
−C(O)−N(R62
−C(S)−N(R62
−S(O)2−N(R62
−N(R6)−C(O)−C1-10アルキル、
−N(R6)−C(S)−C1-10アルキル、
−N(R6)−S(O)2−C1-10アルキル、
−C(O)−C1-10アルキル、
−C(O)−O−C1-10アルキル、
−N3
−アリール、
−置換アリール、
−ヘテロアリール、
−置換ヘテロアリール、
−ヘテロシクリル、
−置換ヘテロシクリル、
−C(O)−アリール、
−C(O)−(置換アリール)、
−C(O)−ヘテロアリールおよび
−C(O)−(置換ヘテロアリール)
からなる群から選択された1個以上の置換基によって置換された−アルキルまたは−アルケニル
からなる群から選択され、
nは0〜4であり、
存在する各R’は、
ハロゲン、
アルキル、
アルケニルおよび
−O−アルキル
からなる群から独立して選択され、
各R6は独立して水素またはC1-10アルキルである)
の中間体化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩も提供する。
【0019】
本発明の幾つかの実施形態において、Aは直鎖または分枝鎖C4-20アルキレンである。
【0020】
本発明の他の実施形態において、Aは−Z−Y−W−Y−Z−である。特定の実施形態において、各Zは、−O−によって任意に割り込まれた直鎖または分枝鎖C2-20アルキレンである。特定の実施形態において、各Zは、直鎖または分枝鎖C2-4アルキレンおよびC1-4アルキレン−O−C1-4アルキレンからなる群から選択される。特定の実施形態において、R5はZと合一して、構造
【化10】

を有する環を形成する。式中、R7はC4-6アルキレンである。
【0021】
特定の実施形態において、各Yは、結合、−N(R5)C(O)−、−C(O)N(R5)−、−N(R5)C(O)N(R5)−、−S(O)2N(R5)−および−N(R5)S(O)2−からなる群から独立して選択される。
【0022】
特定の実施形態において、Wは、直鎖または分枝鎖C2-20アルキレン、−N(R5)C(O)N(R5)−、
【化11】

1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレンおよびトランス−1,4−シクロヘキシレンからなる群から選択される。
【0023】
本発明の幾つかの実施形態において、R5は水素である。
【0024】
本発明の幾つかの実施形態において、R2は水素、アルキルまたはアルキル−O−アルキルである。特定の実施形態において、R2は水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロプロピルメチル、エトキシメチルまたはメトキシエチルである。
【0025】
本発明の幾つかの実施形態において、R3およびR4は合一して縮合ベンゼン環を形成する。他の実施形態において、R3およびR4は合一して縮合ピリジン環を形成する。他の実施形態において、R3およびR4は合一して6員飽和環を形成する。他の実施形態において、R3およびR4は合一して1個の窒素原子を含む縮合6員飽和環を形成する。本発明のさらに他の実施形態において、R3およびR4は独立して水素またはアルキルである。
【0026】
本発明は、ジアステレオ異性体および鏡像異性体などの異性体、塩、溶媒和物および多形体などを含む薬学的に許容できる形態のいずれかを取った本明細書に記載された化合物を含む。特に化合物が光学的に活性である場合、本発明は、鏡像異性体のラセミ混合物のみでなく化合物の鏡像異性体の各々を特に含む。
【0027】
化合物の調製
本発明の化合物は反応機構I(R’、R’’、A1およびnは上で定義された通りである)により調製することが可能である。
【0028】
反応機構Iの工程(1)において、式VIの4−クロロ−3−ニトロキノリンは式VIIのジアミンと反応して、式IIのダイマー化合物を提供する。反応は、トリエチルアミンなどの塩基の存在下でジクロロメタンなどの適する溶媒中の式VIの化合物の溶液に式VIIのジアミンを添加することにより行うことが可能である。反応は周囲温度で行うことが可能である。式VIの多くの化合物が知られているか、または既知の合成法を用いて調製することが可能である。例えば、米国特許第4,689,338号明細書、同第5,175,296号明細書、同第5,367,076号明細書、同第5,389,640号明細書および同第6,194,425号明細書ならびにそれらで引用された参考文献を参照すること。式VIIの多くのジアミンは市販されている。他のものは既知の合成法を用いて容易に調製することが可能である。
【0029】
反応機構Iの工程(2)において、式IIの化合物は還元されて式IIIの化合物を提供する。還元は従来の不均一水素添加触媒を用いて行うことが可能である。反応はトルエンなどの適する溶媒中でパー装置で便利に行うことが可能である。A1がアルケニレン基またはアルキニレン基を含む例において、アルケニレン基もアルキニレン基も還元せずにニトロ基を還元できる触媒が選択される。例には、錫および亜鉛/塩酸が挙げられる。
【0030】
反応機構Iの工程(3)において、式IIIの化合物は(i)式R2C(O)Clの塩化アシルと反応し、その後、(ii)環化して式Vの1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。部分(i)において、塩化アシルは、トリエチルアミンなどの塩基の存在下でジクロロメタンなどの適する溶媒中の式IIIの化合物の溶液に添加される。反応は周囲温度で行うことが可能である。部分(ii)において、部分(i)の生成物は塩基の存在下でアルコール溶媒中で加熱される。好ましくは、部分(i)の生成物は過剰のトリエチルアミンの存在下でエタノール中で還流されるか、またはメタノールアンモニアと合わせて加熱される。
【0031】
あるいは、工程(3)は、式IIIの化合物をカルボン酸またはカルボン酸の相当物と反応させることにより行うことが可能である。カルボン酸の適する相当物には、オルトエステルおよび1,1−ジアルコキシアルキルアルカノエートが挙げられる。カルボン酸または相当物は、式IVの化合物中に所望のR2置換基を提供するように選択される。例えば、トリエチルオルトホルメートは、R2が水素である化合物を提供し、トリエチルオルトオバレレートは、R2がブチルである化合物を提供する。反応は、溶媒の存在しない状態でまたはトルエンなどの不活性溶媒中で行うことが可能である。反応は、反応の副生物として生じる一切のアルコールまたは水を追い出すのに十分な加熱により行われる。任意に、ピリジン塩酸塩などの触媒を含めることが可能である。
【0032】
反応機構Iの工程(4)において、式IVの1H−イミダゾダイマー化合物は、N−オキシドを形成できる従来の酸化剤を用いて酸化されて、式VのN−オキシドを提供する。好ましくは、ジクロロメタンなどの適する溶媒中の式IVの化合物の溶液は、周囲温度で3−クロロペルオキシ安息香酸で処理される。
【0033】
反応機構Iの工程(5)において、式VのN−オキシドはアミン化されて、式Iの亜属である式VIIIの1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。反応は2部分で行われる。部分(i)において、式Vの化合物はアシル化剤と反応する。適するアシル化剤には、アルキルスルホニルクロリドまたはアリールスルホニルクロリド(例えば、ベンゼンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリドおよびp−トルエンスルホニルクロリド)が挙げられる。部分(ii)において、部分(i)の生成物は過剰のアミン化剤と反応する。適するアミン化剤には、アンモニア(例えば、水酸化アンモニウムの形を取ったもの)およびアンモニウム塩(例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、燐酸アンモニウム)が挙げられる。反応は、ジクロロメタンなどの適する溶媒に式Vの化合物を溶解させ、溶液に水酸化アンモニウムを添加し、その後、p−トルエンスルホニルクロリドを添加することにより行うことが可能である。製品または製品の薬学的に許容できる塩は従来の方法を用いて単離することが可能である。A1が−C(O)−基を含む時、基は合成全体を通して保護され(例えば、アセチルを形成することにより)、その後、保護基は除去される。
【化12】

【0034】
本発明の化合物は、反応機構II(R2、R3、R4、R5およびZは上で定義された通りであり、W1は、直鎖または分枝鎖C2-20アルキレン、直鎖または分枝鎖C4-20アルケニレン、直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレン、直鎖または分枝鎖パーフルオロC2-20アルキニレン、C1-4アルキレン−O−C1-4アルキレン、
【化13】

1,5−ナフチレン、2,6−ピリジニレン、1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレン、トランス−1,4−シクロヘキシレン、
【化14】

および
トランス−5−ノルボルネン−2,3−ジイル
からなる群から選択され、ここで、nは0〜4であり、各Rは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロゲンからなる群から独立して選択され、Qは、結合、−CH2−および−O−からなる群から選択される)により調製することも可能である。
【0035】
反応機構IIにおいて、式IXの1H−イミダゾ化合物は式Xのジイソシアネートと反応して、式Iの亜属である式XIの1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。反応は、ジクロロメタンなどの適する溶媒中の式IXの化合物の溶液または懸濁液にジイソシアネートを添加することにより行うことが可能である。反応は周囲温度で行うことが可能である。式IXの多くの1H−イミダゾ化合物は知られているか、または既知の合成法を用いて調製することが可能である。米国特許第6,069,149号明細書、同第6,194,425号明細書、同第6,331,539号明細書、同第6,451,810号明細書および同第6,545,016号明細書、欧州特許出願第1104764号明細書ならびに国際公開第02/46188号パンフレットおよび国際公開第02/46194号パンフレットを参照すること。多くのジイソシアネートは市販されており、他のものは既知の合成法を用いて調製することが可能である。製品または製品の薬学的に許容できる塩は従来の方法を用いて単離することが可能である。
【化15】

【0036】
本発明の化合物は、反応機構III(R2、R3、R4、R5、W1およびZは上で定義された通りである)により調製することも可能である。反応機構IIIにおいて、式IXの1H−イミダゾ化合物は式XIIのジスルホニルクロリドと反応して、式Iの亜族である式XIIIの1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。反応は、トリエチルアミンなどの塩基の存在下でジクロロメタンなどの適する溶媒中の式IXの化合物の溶液または懸濁液にジスルホニルクロリドを添加することにより行うことが可能である。反応は周囲温度で行うことが可能である。多くの塩化ジスルホニルは市販されており、他のものは既知の合成法を用いて調製することが可能である。製品または製品の薬学的に許容できる塩は従来の方法を用いて単離することが可能である。
【化16】

【0037】
本発明の化合物は、反応機構IV(R2、R3、R4、R5、W1およびZは上で定義された通りである)により調製することも可能である。反応機構IVにおいて、式IXの1H−イミダゾ化合物は式XIVの二酸クロリドと反応して、式Iの亜族である式XVの1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。反応は、トリエチルアミンなどの塩基の存在下でジクロロメタンなどの適する溶媒中の式IXの化合物の溶液または懸濁液に酸クロリドを添加することにより行うことが可能である。反応は周囲温度で行うことが可能である。多くの二酸クロリドは市販されており、他のものは既知の合成法を用いて調製することが可能である。製品または製品の薬学的に許容できる塩は従来の方法を用いて単離することが可能である。
【0038】
あるいは、反応は、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの標準カップリング剤を用いて式IXの化合物と式HOC(O)−W1−C(O)−OHの二酸とを反応させることにより行うことが可能である。
【化17】

【0039】
本発明の化合物は、反応機構V(R2、R3、R4、R5およびZは上で定義された通りである)により調製することも可能である。反応機構Vにおいて、式IXの1H−イミダゾ化合物はカルボニルジイミダゾールと反応して、式Iの亜族である式XVIの1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。反応は、4−(ジメチルアミノ)ピリジンなどの塩基の存在下でジクロロメタンなどの適する溶媒中の式IXの化合物の溶液または懸濁液にカルボニルジイミダゾールを添加することにより行うことが可能である。反応は周囲温度で行うことが可能である。製品または製品の薬学的に許容できる塩は従来の方法を用いて単離することが可能である。
【化18】

【0040】
本発明の化合物は、反応機構VI(R2、R3、R4、W1およびZは上で定義された通りであり、BOCはt−ブトキシカルボニルである)により調製することも可能である。
【0041】
反応機構VIの工程(1)において、式XVIIの1H−イミダゾ化合物のアミノ基は、2個のt−ブトキシカルボニル基で保護される。反応は、4−(ジメチルアミノ)ピリジンなどの塩基の存在下でジ−t−ブチルジカーボネートで式XVIIの化合物の溶液を処理することにより行うことが可能である。式XVIIの多くの1H−イミダゾ化合物は知られているか、または既知の合成法を用いて調製することが可能である。例えば、米国特許第4,698,338号明細書、同第4,988,815号明細書、同第5,175,296号明細書、同第5,268,376号明細書、同第5,352,784号明細書、同第5,389,640号明細書、同第5,395,937号明細書、同第5,446,153号明細書、同第5,741,908号明細書および同第6,194,425号明細書を参照すること。
【0042】
反応機構VIの工程(2)において、式XVIIIの被保護1H−イミダゾ化合物は、式Xのジイソシアネートと反応して、式XIXの1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。反応は、ジクロロメタンなどの適する溶媒中の式XVIIIの化合物の溶液または懸濁液にジイソシアネートを添加することにより行うことが可能である。反応は周囲温度で行うことが可能である。
【0043】
反応機構VIの工程(3)において、保護基は酸性条件下で加水分解によって除去されて、式Iの亜族である式XXの1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。製品または製品の薬学的に許容できる塩は従来の方法を用いて単離することが可能である。
【化19】

【0044】
本発明の化合物は、反応機構VII(R2、R3、R4、W1、ZおよびBOCは上で定義された通りである)により調製することも可能である。
【0045】
反応機構VIIの工程(1)において、式XVIIIの被保護1H−イミダゾ化合物は、式XIVの二酸クロリドと反応して、式XXIの1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。反応は、トリエチルアミンなどの塩基の存在下でジクロロメタンなどの適する溶媒中の式XVIIIの化合物の溶液または懸濁液に二酸クロリドを添加することにより行うことが可能である。反応は周囲温度で行うことが可能である。
【0046】
反応機構VIIの工程(2)において、保護基は酸性条件下で加水分解によって除去されて、式Iの亜族である式XXIIの1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。製品または製品の薬学的に許容できる塩は従来の方法を用いて単離することが可能である。
【化20】

【0047】
本発明の化合物は、反応機構VIII(R2、R3、R4、ZおよびBOCは上で定義された通りであり、W2は直鎖または分枝鎖C2-20アルキレンである)により調製することも可能である。
【0048】
反応機構VIIIの工程(1)において、式XVIIIの被保護1H−イミダゾ化合物は、式XXIIIの化合物と反応して、式XXIVの1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。反応は、トリエチルアミンなどの塩基の存在下でジクロロメタンなどの適する溶媒中の式XVIIIの化合物の溶液または懸濁液に式XXIIIの化合物を添加することにより行うことが可能である。反応は周囲温度で行うことが可能である。
【0049】
反応機構VIIIの工程(2)において、保護基は酸性条件下で加水分解によって除去されて、式Iの亜族である式XXVの1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。製品または製品の薬学的に許容できる塩は従来の方法を用いて単離することが可能である。
【化21】

【0050】
本発明の化合物は、反応機構IX(R2、R3、R4、ZおよびBOCは上で定義された通りである)により調製することも可能である。
【0051】
反応機構IXの工程(1)において、式XVIIIの被保護1H−イミダゾ化合物はカルボニルジイミダゾールまたはホスゲンと反応して、式XXVIの1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。反応は、4−(ジメチルアミノ)ピリジンなどの塩基の存在下でジクロロメタンなどの適する溶媒中の式XVIIIの化合物の溶液または懸濁液にカルボニルジイミダゾールまたはホスゲンを添加することにより行うことが可能である。反応は周囲温度で行うことが可能である。
【0052】
反応機構IXの工程(2)において、保護基は酸性条件下で加水分解によって除去されて、式Iの亜族である式XXVIIの1H−イミダゾダイマー化合物を提供する。製品または製品の薬学的に許容できる塩は従来の方法を用いて単離することが可能である。
【化22】

【0053】
あるいは、反応機構VI〜IXにおいて、W1がアルケニレン基もアルキニレン基も含まない時、アミンは、t−ブトキシカルボニル基の代わりにベンジルオキシカルボニル基で保護することが可能である。被保護化合物は、ジベンジルジカーボネートまたはベンジルクロロホルメートで式XVIIの化合物の溶液を処理することにより調製することが可能である。保護基は水添分解によって後で除去される。
【0054】
本明細書において用いられる時、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」および接頭辞「アルク」という用語は、直鎖基と分枝鎖基の両方および環式基、すなわち、シクロアルキルおよびシクロアルケニルを含む。特に明記がない限り、これらの基は1〜20個の炭素原子を含み、アルケニル基は2〜20個の炭素原子を含み、アルキニル基は2〜20個の炭素原子を含む。幾つかの実施形態において、これらの基は、合計で10個以下の炭素原子、8個以下の炭素原子、6個以下の炭素原子または4個以下の炭素原子を有する。環式基は単環式または多環式であることが可能であり、好ましくは、3〜10個の環炭素原子を有する。例証的な環式基には、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルならびに置換および非置換のノルボルニルおよびノルボルネニルが挙げられる。
【0055】
特に明記がない限り、「アルキレン」、「アルケニレン」および「アルキニレン」は、上で定義された「アルキル」基、「アルケニル」基および「アルキニル」基の二価形態である。
【0056】
「ハロアルキル」という用語は、1個以上のハロゲン原子で置換されている基であって、過弗素化基を含む基を含む。これは、接頭辞「ハロ−」を含む他の基にも当てはまる。適するハロアルキル基の例はクロロメチルおよびトリフルオロメチルなどである。
【0057】
本明細書で用いられる「アリール」という用語は炭素環式芳香族環または環系を含む。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニルおよびインデニルが挙げられる。
【0058】
「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1個の環ヘテロ原子(例えば、O、S、N)を含む芳香族環または環系を含む。適するヘテロアリール基には、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、ピロリル、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、カルバゾリル、ベンゾキサゾリル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、プリニルおよびキナゾリニルなどが挙げられる。
【0059】
「ヘテロ環式」は、少なくとも1個の環ヘテロ原子(例えば、O、S、N)を含む非芳香族環または環系を含み、上述したヘテロアリール基の完全飽和誘導体および部分不飽和誘導体のすべてを含む。例証的なヘテロ環式基には、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニルおよびイミダゾリジニルが挙げられる。
【0060】
アリール、ヘテロアリールおよびヘテロ環式基は置換されていないか、またはアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノからなる群から独立して選択された1個以上の置換基で置換されていることが可能である。
【0061】
「被保護−C(O)−」という用語は、合成における一連の工程の反応条件に耐えるとともに反応条件を妨げず、後で容易に除去できるもう1つの官能基に転化されたカルボニル基を意味する。例えば、カルボニル基は、非環式ケタール、環式ケタールまたは環式ジチオケタールに転化させてもよい。保護基の使用は周知されており、適切な基を選択し、分子に保護基を導入し、保護基を後で除去する方法は、例えば、グリーン・テオドラ(Greene,Theodora(1999)著「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」,ジョン・ウィリー&サンズ(John Wiley & Sons,Inc.)において論じられている。
【0062】
薬剤組成物および生物活性
本発明の薬剤組成物は、薬学的に許容できるキャリアと組み合わせた上述したような治療有効量の本発明の化合物を含有する。
【0063】
「治療有効量」または「有効量」という用語は、サイトカイン誘発、免疫修飾、抗腫瘍活性および/または抗ウィルス活性などの治療効果を誘発するのに十分な化合物の量を意味する。本発明の薬剤組成物中で用いられる活性化合物の厳密な量は、化合物の物理的性質および化学的性質、キャリアの性質および所期の投薬体系などの当業者に知られている要素に応じて異なるけれども、本発明の組成物が化合物の約100ng/kg〜約50mg/kg、好ましくは約10μg/kg〜約5mg/kgの用量を被験者に提供するのに十分な活性成分を含有することが予想される。錠剤、トローチ剤、カプセル剤、非経口製剤、シロップ剤、乳剤、軟膏剤、エアロゾル製剤、経皮パッチおよび経粘膜パッチなどの様々な剤形を用いてもよい。
【0064】
本発明の化合物は、治療体系において単一治療薬として投与することが可能であるか、または本発明の化合物は、互いに組み合わせて、または追加の免疫応答調整剤、抗ウィルス薬、抗生物質、抗体、蛋白質、ペプチド、オリゴヌクレオチドなどを含む他の活性薬剤と組み合わせて投与してもよい。
【0065】
本発明の化合物は、以下に記載された試験に準拠して行われた実験において特定のサイトカインの産生を誘発することが示された。これらの結果は、化合物が多くの異なる方式で免疫応答を調整できる免疫応答調整剤として有用であり、よって様々な疾患の治療において化合物を有用にすることを示している。
【0066】
その産生が本発明による化合物の投与により誘発されうるサイトカインには、一般に、インターフェロン−α(IFN−α)および/または腫瘍壊死因子−α(TNF−α)ならびに特定のインターロイキン(IL)が含まれる。その生合成が本発明の化合物によって誘発されうるサイトカインには、IFN−α、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−10およびIL−12および様々な他のサイトカインが含まれる。他の作用の中で、これらのサイトカインおよび他のサイトカインは、ウィルス産生および腫瘍細胞増殖を抑制することが可能であり、よってウィルス性疾患および腫瘍性疾患の治療において化合物を有用にする。従って、本発明は、動物中でサイトカイン生合成を誘発する方法であって、有効量の本発明の化合物または組成物を動物に投与することを含む方法を提供する。化合物または組成物がサイトカイン生合成の誘発のために投与される動物は、以下で記載したような疾患、例えば、ウィルス性疾患または腫瘍性疾患を有する場合があり、化合物の投与は治療処置を提供することができる。あるいは、化合物は、化合物の投与が予防治療を提供できるように動物が疾患を得る前に動物に投与してもよい。
【0067】
サイトカインの産生を誘発する能力に加えて、本発明の化合物は先天免疫応答の他の側面に影響を及ぼす。例えば、ナチュラルキラー細胞活性は刺激される場合があり、それは、サイトカイン誘発に起因しうる作用である。本化合物はマクロファージを活性化する場合もあり、それは、次に、酸化窒素の分泌および追加のサイトカインの産生を刺激する。更に、化合物はBリンパ球の増殖および分化を引き起こしうる。
【0068】
本発明の化合物は後天免疫応答にも影響を及ぼす。例えば、Tヘルパータイプ1(Th1)サイトカインIFN−γの産生は間接的に誘発され、Tヘルパータイプ2(Th2)サイトカインIL−4、IL−5およびIL−13の産生は化合物を投与すると抑制される。
【0069】
疾患の予防のためであろうと治療処置のためであろうと、先天免疫に影響を及ぼそうと後天免疫に影響を及ぼそうと、本化合物または組成物は、単独で、または例えばワクチン補助薬のように1以上の活性成分と組み合わせて投与してもよい。他の成分と合わせて投与した時、化合物および他の成分は、別個に、一緒であるが溶液のように独立して、または一緒に投与してもよく、例えばコロイド懸濁液中で(a)共有連結または(b)非共有結合のように互いに結合してもよい。
【0070】
本明細書において特定されたIRMを治療として用いてもよい疾患には、
(a)性器いぼ、尋常性ゆうぜい、足底いぼ、B型肝炎、C型肝炎、単純疱疹ウィルスI型およびII型、伝染性いぼ、天然痘、HIV、CMV、VZV、ライノウィルス、アデノウィルス、コロナウィルス、インフルエンザ、パラインフルエンザなどのウィルス性疾患、
(b)結核、鳥型結核、らい病などの細菌性疾患、
(c)真菌症、クラジミア、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコックス性髄膜炎、ニューモシスチス・カリニ、クリプトスポリジオシス、ヒストプラズマ症、トキソプラズマ症、トリパノソーマ感染症、リーシュマニア症などの他の伝染病
(d)上皮内異常増殖、子宮頚部形成異常、日光性角化症、基底細胞癌、扁平上皮癌、ヘアリーセル白血病、カルポシ肉腫、メラノーマ、腎細胞癌、骨髄性白血病、多発性骨髄炎、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫およびその他の癌などの腫瘍性疾患。
(e)アトピー性皮膚炎または湿疹、好酸球増加症、喘息、アレルギー、アレルギー性鼻炎などのTh2媒介、アトピー性疾患および自己免疫疾患、全身性エリテマトーデス、本態性血小板減少症、多発性硬化症、オーメン症候群、円板状狼そう、円形脱毛症、ケロイド形成および瘢痕化の他の型の抑制、および慢性創傷を含む創傷治癒の強化および
(f)例えば、BCG、コレラ、ペスト、腸チフス、A型肝炎、B型肝炎およびC型肝炎、インフルエンザAおよびB、パラインフルエンザ、ポリオ、狂犬病、はしか、おたふく風邪、風疹、黄熱病、破傷風、ジフテリア、インフルエンザ菌b、結核、髄膜炎菌および肺炎球菌ワクチン、アデノウィルス、HIV、水痘、サイトメガロウィルス、デング熱、ネコの白血病、家禽ペスト、HSV−1およびHSV−2、豚コレラ、日本脳炎、呼吸系合胞体ウィルス、ロタウィルス、乳頭腫ウィルスおよび黄熱病と関連して用いるための生存ウィルスおよび細菌性イムノゲンおよび非活化ウィルス、腫瘍誘導、原虫、生物誘導、真菌および細菌性イムノゲン、トキソイド、トキシン、多糖、蛋白質、糖蛋白質、ペプチド、細胞ワクチン、DNAワクチン、組換蛋白質、糖蛋白質およびペプチドなどのような体液および/または細胞媒介性免疫応答のいずれかを引き起こすあらゆる材料と連携して用いるためのワクチン補助剤として、
が挙げられる。
【0071】
IRMは易感染性免疫機能を有する個々人においても特に有益な場合がある。例えば、IRM化合物は、例えば、移植患者、癌患者およびHIV患者における細胞媒介性免疫の抑制後に起きる日和見感染および腫瘍を治療するために用いてもよい。
【0072】
従って、上の疾患または疾患の型の1つ以上、例えば、ウィルス性疾患または腫瘍性疾患は、治療有効量の式(I)の化合物または塩を動物に投与することにより(疾患を有する)その必要がある動物において治療してもよい。
【0073】
サイトカイン生合成を誘発するために有効な化合物の量は、こうしたサイトカインのバックグラウンドレベルを上回って増加する例えば、IFN−α、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−10およびIL−12などの1以上のサイトカインの一定量を産生するために、単核細胞、マクロファージ、樹状細胞およびB細胞などの1つ以上の細胞型をもたらすのに十分な量である。厳密な量は、技術上知られている要素に応じて異なるが、約100ng/kg〜約50mg/kg、好ましくは約10μg/kg〜約5mg/kgの用量であることが予想される。本発明は、動物のウィルス性感染症を治療する方法および動物の腫瘍性疾患を治療する方法であって、有効量の本発明の化合物または組成物を動物に投与することを含む方法も提供する。ウィルス性感染症を治療するか、または抑制するために有効な量は、未治療対照動物と比べてウィルス性病変、ウィルス負荷、ウィルス産生の速度および死亡率などのウィルス性感染症の発現の1つ以上の減少をもたらす量である。こうした治療のために有効である厳密な量は、技術上知られている要素に応じて異なるが、約100ng/kg〜約50mg/kg、好ましくは約10μg/kg〜約5mg/kgの用量であることが予想される。腫瘍状態を治療するために有効な化合物の量は、腫瘍の大きさまたは腫瘍病巣の数の減少をもたらす量である。再び、厳密な量は技術上知られている要素に応じて異なるが、約100ng/kg〜約50mg/kg、好ましくは約10μg/kg〜約5mg/kgの用量であることが予想される。
【0074】
本発明を以下の実施例によって更に説明する。実施例はあくまでも例示のために提供されるものであり、これらに限定されることは決して意図されていない。
【実施例】
【0075】
実施例1
N,N’−ビス[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]ウレア
【化23】

【0076】
10mLのCH2Cl2中の1−(4−アミノブチル)−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(267mg、0.859ミリモル)の懸濁液をカルボニルジイミダゾール(71mg、0.438ミリモル)で処理し、N2下で一晩攪拌した。その後、反応混合物を2mgの4−(ジメチルアミノ)ピリジンで処理し、更に3日にわたり攪拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた白色固形物をH2Oと合わせてすりつぶし、濾過した。得られた固形物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、10〜20%MeOH/CHCl3)により精製して、白色固形物を生じさせた。酢酸プロピル/MeOHから結晶化させると、所望の製品(168mg)が生じた。融点218.1〜219.7℃、1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ7.98(d、J=7.8Hz、2H)、7.60(d、J=8.3Hz、2H)、7.39(t、J=7.1Hz、2H)、7.23(t、J=7.0Hz、2H)、6.48(s、4H)、5.81(t、J=5.6Hz、2H)、4.47(t、J=7.3Hz、4H)、3.02(q、J=6.2Hz、4H)、2.89(t、J=7.7Hz、4H)、1.82〜1.72(m、8H)、1.58〜1.37(m、8H)、0.93(t、J=7.3Hz、6H)。
MS649(M+H)+
374810Oに関する分析計算値:0.87H2O、%C66.88、%H7.54、%N21.08。実測値:%C66.92、%H7.57、%N20.92。
カールフィッフャー滴定:2.36%H2O。
【0077】
実施例2
N,N’’−1,3−フェニレンビス{N’−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]ウレア}
【化24】

【0078】
100mLのCH2Cl2中の1−(4−アミノブチル)−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(3.11g、10.0ミリモル)の懸濁液を1,3−フェニレンジイソシアネート(800mg、5.0ミリモル)で処理し、N2下で一晩攪拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して白色固形物を生じさせた。その後、白色固形物を150mLの高温15%MeOH/CHCl3に溶解させた。溶媒をゆっくり蒸発させた後、白色沈殿物が生成した。固形物を濾過により単離し、10%MeOH/CHCl3(3×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、所望の製品(400mg)を白色粉末として生じさせた。融点160.3℃〜165.6℃。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ8.34(s、2H)、8.01(d、J=7.9Hz、2H)、7.60(d、J=8.3Hz、2H)、7.43(s、1H)、7.38(t、J=7.6Hz、2H)、7.22(t、J=7.0Hz、2H)、7.05〜6.94(m、3H)、6.45(s、4H)、6.07(t、J=5.4Hz、2H)、4.53(t、J=7.4Hz、4H)、3.15(m、4H)、2.92(t、J=7.7Hz、4H)、1.88〜1.74(m、8H)、1.66(m、4H)、1.43(m、4H)、0.92(t、J=7.3Hz、6H)。
13C NMR(75MHz、DMSO−d6)δ155.6、153.4、152.1、145.1、141.2、132.6、129.0、126.8、126.7、126.6、121.5、120.3、115.2、111.0、107.3、45.0、38.9、30.1、27.6、27.2、26.5、22.3、14.1。
4454122に関する分析計算値:2.72H2O、%C63.52、%H7.20、%N20.20。実測値:%C63.29、%H7.19、%N20.16。
カールフィッフャー滴定:5.88%H2O。
【0079】
実施例3
N−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−N’−(4−{4−[({[4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]アミノ}カルボニル)アミノ]フェノキシ}フェニル)ウレア
【化25】

【0080】
100mLのCH2Cl2中の1−(4−アミノブチル)−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(3.11g、10.0ミリモル)の懸濁液を4,4’−オキシビス(フェニルイソシアネート)(1.26g、5.0ミリモル)で処理し、N2下で2日にわたり攪拌した。その後、反応混合物を濾過し、得られた固形物をEt2Oで洗浄して、3.97gの白色固形物を生じさせた。その後、白色固形物を100mLの高温ピリジンで処理し、濾過して不溶性材料を除去した。その後、濾液を減圧下で濃縮し、残留物を50mLの高温ピリジンに溶解させた。数日後、結晶質製品が生成した。結晶を濾過によって単離し、真空下で55℃で3日にわたり乾燥させて、所望の製品(2.5g)を生じさせた。融点152.1℃〜156.1℃。
1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ8.36(s、2H)、8.02(d、J=8.1Hz、2H)、7.61(d、J=8.2Hz、2H)、7.39(t、J=7.5Hz、2H)、7.34(d、J=9.0Hz、4H)、7.22(t、J=7.9Hz、2H)、6.84(d、J=8.9Hz、4H)、6.45(s、4H)、6.10(t、J=6.0Hz、2H)、4.53(t、J=7.3Hz、4H)、3.15(q、J=6.0Hz、4H)、2.92(t、J=7.7Hz、4H)、1.90〜1.74(m、8H)、1.60(m、4H)、1.44(m、4H)、0.93(t、J=7.3Hz、6H)。
13C NMR(75MHz、DMSO−d6)δ155.3、152.9、151.6、151.2、144.6、135.9、132.1、126.3、126.2、126.1、121.1、119.8、119.2、118.5、114.7、44.5、38.9、29.6、27.2、26.8、26.1、21.9、13.7。
5058123に関する分析計算値:0.24H2O、%C68.29、%H6.70、%N19.11。実測値:%C68.11、%H6.70、%N19.17。
カールフィッフャー滴定:0.49%H2O。
【0081】
実施例4
N,N’’−トランス−1,4−シクロヘキシレンビス{N’−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]ウレア}
【化26】

【0082】
100mLのCH2Cl2中の1−(4−アミノブチル)−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(3.11g、10.0ミリモル)の懸濁液をトランス−1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート(831mg、5.0ミリモル)で処理し、N2下で3日にわたり攪拌した。その後、反応混合物を濾過し、得られた固形物をEt2Oで洗浄して白色固形物を生じさせた。その後、白色固形物を高温MeOHと合わせてすりつぶし、濾過して白色固形物を生じさせた。その後、固形物を150mLの高温15%MeOH/CHCl3に溶解させた。溶媒をゆっくり蒸発させた後、白色沈殿物が生じた。固形物を濾過によって単離し、その後、最少量の高温ピリジンに溶解させた。得られた結晶を濾過によって単離し、真空下で55℃で3日にわたり乾燥させて、所望の製品(1.45g)を生じさせた。融点184.5℃〜188.8℃。
1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ8.00(d、J=8.0Hz、2H)、7.61(d、J=8.1Hz、2H)、7.41(t、J=7.4Hz、2H)、7.24(t、J=7.2Hz、2H)、6.45(s、4H)、5.70(t、J=5.2Hz、2H)、5.62(d、J=7.8Hz、2H)、4.50(m、4H)、3.25(m、2H)、3.03(m、4H)、2.91(t、J=7.7Hz、4H)、1.87〜1.70(m、12H)、1.53〜1.39(m、8H)、1.05(m、4H)、0.96(t、J=7.3Hz、6H)。
13C NMR(125MHz、DMSO−d6)δ157.4、152.9、151.6、144.6、132.1、126.3、126.2、126.1、121.0、119.8、114.7、47.5、44.5、38.5、31.9、29.6、27.2、27.1、26.1、21.9、13.7。
4460122に関する分析計算値:1.43H2O、%C64.86、%H7.78、%N20.63。実測値:%C64.79、%H7.92、%N20.44。
カールフィッフャー滴定:3.17%H2O。
【0083】
実施例5
N,N’−ビス(2−{2−[4−アミノ−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチル)ベンゼン−1,3−ジスルホンアミド
【化27】

【0084】
15mLのCH2Cl2中の1−[2−(2−アミノエトキシ)エチル]−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(500mg、1.52ミリモル)の溶液をトリエチルアミン(417μl、3.04ミリモル)および1,3−ベンゼンジスルホニルクロリド(209mg、0.75ミリモル)で処理し、N2下で一晩攪拌した。その後、反応混合物を飽和NaHCO3溶液、50mLのCH2Cl2および5mLのMeOHで処理した。層を分離し、有機部分をH2Oおよびブラインで洗浄した。その後、有機部分をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、NH4OHで飽和した8%MeOH/CHCl3)は、くすんだ白色の発泡体として製品(155mg)をもたらした。融点115℃〜120℃。
1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ8.15(t、J=1.6Hz、1H)、8.01〜7.94(m、6H)、7.73(t、J=7.7Hz、1H)、7.60(dd、J=1.1,8.3Hz、2H)、7.40(ddd、J=1.1、7.2、8.1Hz、2H)、7.20(ddd、J=1.2、7.0,8.2Hz、2H)、6.46(s、4H)、4.68(t、J=5.3Hz、4H)、3.79(t、J=6.8Hz、4H)、3.75(t、J=5.2Hz、4H)、3.28(m、4H)、3.26(s、6H)、3.17(t、J=6.8Hz、4H)、2.68(m、4H)。
13C NMR(75MHz、DMSO−d6)δ152.0、151.9、145.1、142.0、132.6、131.0、130.3、126.7、124.6、121.4、120.4、115.1、70.5、69.6、69.2、58.4、45.3、42.5、27.6。
40481082に関する分析計算値:0.62H2O、%C55.08、%H5.69、%N16.06。実測値:%C55.13、%H5.62、%N15.82。
カールフィッフャー滴定:1.29%H2O。
【0085】
実施例6
N,N’−ビス(2−{2−[4−アミノ−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチル)テレフタルアミド
【化28】

【0086】
15mLのCH2Cl2中の1−[2−(2−アミノエトキシ)エチル]−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(500mg、1.52ミリモル)の溶液をトリエチルアミン(417μl、3.04ミリモル)およびテレフタロイルクロリド(152mg、0.75ミリモル)で処理し、N2下で一晩攪拌した。その後、反応混合物を飽和NaHCO3溶液、50mLのCH2Cl2および5mLのMeOHで処理した。層を分離し、有機部分をH2Oおよびブラインで洗浄した。その後、有機部分をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、NH4OHで飽和した5%MeOH/CHCl3)は、くすんだ白色の発泡体として製品をもたらした。材料をイソプロパノールから結晶化させて、所望の製品(160mg)を生じさせた。融点229℃〜233℃。
1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ8.47(t、J=5.4Hz、2H)、8.05(d、J=7.8Hz、2H)、7.82(s、4H)、7.61(dd、J=1.1、8.3Hz、2H)、7.40(ddd、J=1.1、7.2、8.1Hz、2H)、7.19(ddd、J=1.2、6.9、8.2Hz、2H)、6.50(s、4H)、4.76(t、J=4.9Hz、4H)、3.90(t、J=5.0Hz、4H)、3.78(t、J=6.8Hz、4H)、3.49(t、J=5.7Hz、4H)、3.38(t、J=5.3Hz、4H)、3.33(s、6H)、3.20(t、J=6.8Hz、4H)。
13C NMR(75MHz、DMSO−d6)δ166.1、152.0、151.9、145.1、136.9、132.7、127.4、126.7、121.4、120.5、115.1、70.4、69.4、69.2、58.4、45.8、27.6。
4248106に関する分析計算値:0.44H2O、%C63.31、%H6.18、%N17.58。実測値:%C63.01、%H6.25、%N17.58。
カールフィッフャー滴定:0.99%H2O。
【0087】
実施例7
N,N’’−1,8−オクタンジイルビス[N’−(2−{2−[4−アミノ−2−(メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチル)ウレア]
【化29】

【0088】
25mLのCH2Cl2中の1−[2−(2−アミノエトキシ)エチル]−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(500mg、1.52ミリモル)の溶液を1,8−ジイソシアナトオクタン(148μl、0.76ミリモル)で処理し、N2下で一晩攪拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮して、黄褐色発泡体を生じさせた。カラムクロマトグラフィー(SiO2、5〜10%MeOH/CHCl3)は、藤色の発泡体を生じさせた。これを10mLの高温MeOHに溶解させ、1gの脱色炭で処理した。「セライト(Celite)」(登録商標)濾剤の詰め物を通して高温溶液を濾過し、濾液を濃縮して、所望の製品(245mg)を白色粉末として生じさせた。融点172.5℃〜177.0℃。
1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ8.04(d、J=8.0Hz、2H)、7.61(d、J=7.5Hz、2H)、7.41(t、J=7.2Hz、2H)、7.23(t、J=7.1Hz、2H)、6.48(s、4H)、5.82(t、J=5.5Hz、2H)、5.70(t、J=5.6Hz、2H)、4.73(t、J=5.0Hz、4H)、3.85〜3.80(m、8H)、3.29(s、6H)、3.21(t、J=6.8Hz、4H)、3.05(q、J=5.6Hz、4H)、2.92(q、J=5.9Hz、4H)、1.31(m、4H)、1.21(brs、8H)。
13C NMR(75MHz、DMSO−d6)δ157.0、150.7、150.6、143.8、131.4、125.4、125.3、120.2、119.1、113.4、69.5、69.2、67.9、57.2、44.2、29.1、27.9、26.3、25.4。
4462126に関する分析計算値:0.74H2O、%C60.86、%H7.37、%N19.36。実測値:%C60.87、%H7.36、%N19.19。
カールフィッフャー滴定:1.53%H2O。
【0089】
実施例8
1−[10−(4−アミノ−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)デシル]−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン
【化30】

【0090】
パートA
75mLの乾燥CH2Cl2中の4−クロロ−3−ニトロキノリン(2.50g、12.2ミリモル)の溶液をトリエチルアミン(3.40mL、24.4ミリモル)および1,10−ジアミノデカン(1.05g、6.1ミリモル)で処理し、反応混合物をN2下で一晩攪拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた黄色固形物を高温H2O(100mL)と合わせてすりつぶした。濾過すると黄色固形物を生じ、その後、それをカラムクロマトグラフィー(SiO2、0〜5%MeOH/CHCl3)に供して、N,N’−ビス(3−ニトロキノリン−4−イル)デカン−1,10−ジアミン(1.90g)を黄色発泡体として生じさせた。
【0091】
パートB
パートAからの材料(1.90g)を100mLのMeOHに溶解させ、5%Pt/Cで処理した。反応混合物をH2の雰囲気(50psi;3.4×105Pa)下で一晩振とうした。その後、反応混合物をN2でパージし、「セライト(Celite)」(登録商標)濾剤の詰め物を通して濾過した。濾液を濃縮して、N,N’−ビス(3−アミノキノリン−4−イル)デカン−1,10−ジアミン(0.81g)を黄色シロップとして生じさせた。
【0092】
パートC
パートBからの材料(810mg、1.78ミリモル)を20mLの乾燥CH2Cl2に溶解させ、トリエチルアミン(544μL、3.91ミリモル)およびエトキシアセチルクロリド(429μL、3.91ミリモル)で処理し、反応混合物をN2下で2時間にわたり攪拌した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮し、得られたシロップを20mLのエタノールに溶解させ、1.5mLのトリエチルアミンで処理した。反応混合物を一晩還流し、その後、減圧下で濃縮した。得られた材料を100mLのCH2Cl2とH2Oとの間に分配した。層を分離し、有機部分をH2O(2×)およびブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO2、5%MeOH/CHCl3)は、2−(エトキシメチル)−1−{10−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]デシル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(490mg)を淡黄色固形物としてもたらした。
【0093】
パートD
パートCからの材料(490mg、0.828ミリモル)を10mLのCH2Cl2に溶解させ、3−シクロペルオキシ安息香酸(最大77%、407mg、1.82ミリモル)で処理した。一晩攪拌後、追加40mgの3−シクロペルオキシ安息香酸を添加した。攪拌を4時間にわたり続け、その後、反応混合物を50mLのCH2Cl2で希釈し、1%Na2CO3溶液(2×)、H2Oおよびブラインで洗浄した。有機部分をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮して、2−(エトキシメチル)−1−{10−[2−(エトキシメチル)−5−オキシド−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]デシル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン5−オキシド(463mg)をくすんだ白色の粉末として生じさせた。
【0094】
パートE
パートDからの材料(463mg、0.741ミリモル)を20mLのCH2Cl2に溶解させ、2mLの濃縮NH4OH溶液で処理した。溶液を迅速に攪拌し、塩化トシル(310mg)を2分割して添加した。30分にわたり攪拌後、反応混合物を20mLのCH2Cl2で希釈し、H2O、1%Na2CO3溶液(3×)、H2Oおよびブラインで洗浄した。有機部分をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮して、黄褐色粉末を生じさせた。カラムクロマトグラフィー(SiO2、2.5〜3.5%MeOH/CHCl3)は、362mgの所望製品をクリーム色の発泡体としてもたらした。融点237℃〜238℃。
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ7.95(dd、J=1.0、8.2Hz、2H)、7.82(dd、J=1.1、8.5Hz、2H)、7.52(ddd、J=1.3、7.0、8.5Hz、2H)、7.32(ddd、J=1.3、7.1、8.5Hz、2H)、5.38(s、4H)、4.80(s、4H)、4.55(t、J=7.9Hz、4H)、3.60(q、J=7.0Hz、4H)、1.98(m、4H)、1.49(m、4H)、1.33(m、8H)、1.24(t、J=7.0Hz、6H)。
13C NMR(75MHz、10%CD3OD/CDCl3)δ151.5、149.0、144.7、134.4、127.8、126.7、126.2、122.6、120.0、115.1、66.4、65.0、46.5、30.3、29.4、29.3、26.8、15.1。
364682に関する分析計算値:0.40H2O、%C68.63、%H7.49、%N17.79。実測値:%C68.49、%H7.54、%N17.82。
【0095】
実施例9〜16
実施例5の一般的方法を用いて、4−アミノ−1−[2−(4−ピペリジル)エチル]−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン(EP1104764号明細書の実施例113)を以下の表からのジスルホニルクロリドと反応させて、本発明のダイマーを提供することが可能である。表中のジスルホニルクロリドのすべては市販されている。
【0096】
【表1】

【0097】
実施例17〜35
実施例2の一般的方法を用いて、1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンを以下の表からのジイソシアネートと反応させて、本発明のダイマーを提供することが可能である。表中のジイソシアネートのすべては市販されている。
【0098】
【表2】

【表3】

【0099】
実施例36〜56
実施例6の一般的方法を用いて、1−(4−アミノブチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2−(メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(米国特許第6,451,810号明細書の実施例172パートA)を以下の表からの二酸ジクロリドと反応させて、本発明のダイマーを提供することが可能である。表中の二酸ジクロリドのすべては市販されている。
【0100】
【表4】

【0101】
実施例57〜64
実施例5の一般的方法を用いて、4−(4−アミノ)−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−1−イル)ブタンアミン(米国特許第6,194,425号明細書の実施例46)を以下の表からのジスルホニルクロリドと反応させて、本発明のダイマーを提供することが可能である。表中のジスルホニルクロリドのすべては市販されている。
【0102】
【表5】

【0103】
実施例65〜86
実施例2の一般的方法を用いて、2−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−1−イル)エタンアミン(米国特許第6,194,425号明細書の実施例91)を以下の表からのジイソシアネートと反応させて、本発明のダイマーを提供することが可能である。表中のジイソシアネートのすべては市販されている。
【0104】
【表6】

【表7】

【0105】
実施例87〜106
実施例6の一般的方法を用いて、4−(4−アミノ−1H−イミダゾ[4,5−c][1,5]ナフチリジン−1−イル)ブタンアミン(米国特許第6,194,425号明細書の実施例111)を以下の表からの二酸ジクロリドと反応させて、本発明のダイマーを提供することが可能である。表中の二酸ジクロリドのすべては市販されている。
【0106】
【表8】

【0107】
実施例107〜114
実施例5の一般的方法を用いて、1−(4−アミノブチル)−2−(エトキシメチル)−6−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−4−アミン(米国特許第6,545,016号明細書の実施例10)を以下の表からのジスルホニルクロリドと反応させて、本発明のダイマーを提供することが可能である。表中のジスルホニルクロリドのすべては市販されている。
【0108】
【表9】

【0109】
実施例115〜136
実施例2の一般的方法を用いて、1−(3−アミノプロピル)−2,6,7−トリメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−4−アミン(米国特許第6,545,016号明細書の実施例18)を以下の表からのジイソシアネートと反応させて、本発明のダイマーを提供することが可能である。表中のジイソシアネートのすべては市販されている。
【0110】
【表10】

【表11】

【0111】
実施例137〜156
実施例6の一般的方法を用いて、1−(4−アミノブチル)−2−(エトキシメチル)−7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−4−アミン(米国特許第6,545,016号明細書の実施例26)を以下の表からの二酸ジクロリドと反応させて、本発明のダイマーを提供することが可能である。表中の二酸ジクロリドのすべては市販されている。
【0112】
【表12】

【0113】
ヒト細胞におけるサイトカイン誘発
試験管内ヒト血液細胞系はサイトカイン誘発を評価するために用いられる。活性は、「免疫調節薬「イミクイモッド(Imiquimod)」およびS−27609によるサイトカイン誘発(Cytokine Induction by the Immunomodulator Imiquimod and S−27609)」,Journal of Leukocyte Biology,58,365〜372(1995年9月)においてテスターマン(Testerman)らによって記載された培地に分泌されたインターフェロン壊死因子(α)および腫瘍壊死因子(α)(それぞれIFNおよびTNF)の測定に基づいている。
【0114】
培養のための血球調製法
健康なヒトドナーからの全血を静脈穿刺によってEDTAバクテナー管に集める。末梢血単核細胞(PBMC)を「ヒストパケ(Histopaque)」(登録商標)−1077を用いて密度勾配遠心分離法によって全血から分離する。血液を「ズルベコズ・ホスフェート・バッファード・サリン(Dulbecco’s Phosphate Buffered Saline」(DPBS)または「ハンクス・バランスド・ソルツ・ソリューション(Hank’s Balanced Salts Solution)」(HBSS)で1:1に希釈した。PBMC層を集め、DPBSまたはHBSSで二回洗浄し、RPMIコンプリート中に4×106細胞/mLで再懸濁させた。試験化合物を含有する等体積のRPMIコンプリート媒体を含む48ウェルの平底無菌組織培養皿(マサチューセッツ州ケンブリッジのコースター(Costar(Cambridge,MA))またはニュージャージー州リンカーンパークのベクトン・ディッキンソン・ラボウェア(Becton Dickinson Labware(Lincoln Park,NJ)))にPBMC懸濁液を添加した。
【0115】
化合物の調製
化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中で可溶化する。DMSO濃度は培養ウェルへの添加のために1%の最終濃度を超えるべきではない。化合物を一般に30〜0.014μMの範囲の濃度で試験する。
【0116】
インキュベーション
RPMIコンプリートを含む第1のウェルに試験化合物の溶液を60μMで添加し、逐次3倍希釈溶液をウェル内で作る。その後、PBMC懸濁液を等体積でウェルに添加し、試験化合物の濃度を所望の範囲(30〜0.014μM)になるようにする。PBMC懸濁液の最終濃度は2×106セル/mLである。皿を無菌プラスチック蓋で覆い、静かに混合し、その後、5%二酸化炭素雰囲気内で37℃で18〜24時間にわたり培養した。
【0117】
分離
インキュベーション後、皿を4℃で1000rpm(約200xg)で10分にわたり遠心分離する。細胞のない培養上清を無菌ポリプロピレンピペットで除去し、無菌ポリプロピレン管に移す。サンプルを分析まで−30〜−70℃で維持する。サンプルのインターフェロン(α)をELISAによって、サンプルの腫瘍壊死因子(α)をELISAまたはIGENアッセイによって分析した。
【0118】
ELISAによるインターフェロン(α)および腫瘍壊死因子(α)分析
ニュージャージー州ニューブランズウィックのPBLバイオメディカル・ラボラトリーズ(PBL Biomedical Laboratories(New Brunswick,NJ))製の「ヒューマン・マルチスピシーズ(Human Multi−Species)キットを用いてELISAによってインターフェロン(α)濃度を決定する。結果をpg/mLで表現する。
【0119】
カリフォルニア州カマリオのバイオソース・インターナショナル(Biosource International(Camarillo,CA))から入手できるELISAキットを用いて、腫瘍壊死因子(α)(TNF−α)濃度を決定する。あるいは、「オリゲン(Origen)」(登録商標)MシリーズイムノアッセイによってTNF−α濃度を決定することが可能であり、メリーランド州のゲーサーズバーグのIGENインターナショナル(IGEN International(Gaithersburg,MD))製の「イゲン(IGEN)」M−8分析器で読むことが可能である。イムノアッセイは、カリフォルニア州カマリオのバイオソース・インターナショナル(Biosource International(Camarillo,CA))製のヒトTNF−α捕捉と検出抗体の対を用いる。結果をpg/mLで表現する。
【0120】
上述した方法を用いてサイトカイン生合成を誘発する本発明の化合物の能力を試験した。結果を以下の表でまとめている。表中、「+」は、≦10μMの濃度で、化合物が指示したサイトカインを誘発したことを示し、「−」は、≦10μMの濃度で、化合物が指示したサイトカインを誘発しなかったことを示し、「*」は、化合物が試験を可能にするためにDMSOに適切に可溶性でなかったことを示している。
【0121】
【表13】

【0122】
特許、特許文献および本明細書で引用された刊行物の完全な開示は、それぞれが個々に援用したかのように全体的に参照により援用する。本発明は、本発明の幾つかの実施形態に関連して記載してきた。前述した例証的な実施形態および実施例は理解し易くするためにのみ提供しており、不要な限定をそれらから解するべきでない。本発明の精神および範囲を逸脱せず、記載された実施形態に多くの変更をなすことが可能であることは当業者に対して明らかであろう。従って、本発明の範囲は、請求の範囲によってのみ限定することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(式中、
Aは、
直鎖または分枝鎖C4-20アルキレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルケニレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレンおよび
−Z−Y−W−Y−Z−
からなる群から選択された二価連結基であり、
各Zは、
直鎖または分枝鎖C2-20アルキレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルケニレンおよび
直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレン
からなる群から独立して選択され、
それらのいずれもが−O−、−N(R5)−または−S(O)2−によって任意に割り込まれてもよく、
各Yは、
結合、
−N(R5)C(O)−、
−C(O)N(R5)−、
−N(R5)C(O)N(R5)−、
−N(R5)S(O)2−、
−S(O)2N(R5)−、
−OC(O)O−、
−OC(O)−、
−C(O)O−、
−N(R5)C(O)O−および
−OC(O)N(R5)−
からなる群から独立して選択され、
Wは、
直鎖または分枝鎖C2-20アルキレン、
直鎖または分枝鎖C2-20アルケニレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレン、
直鎖または分枝鎖パーフルオロC2-20アルキレン、
1-4アルキレン−O−C1-4アルキレン、
−C(O)−、
−S(O)2−、
−OC(O)O−、
−N(R5)C(O)N(R5)−;
【化2】

1,5−ナフチレン、
2,6−ピリジニレン、
1,2−シクロヘキシレン、
1,3−シクロヘキシレン、
1,4−シクロヘキシレン、
トランス−1,4−シクロヘキシレン、
【化3】

および
トランス−5−ノルボルネン−2,3−ジイル
からなる群から選択され、ここで、nは0〜4であり、各Rは、C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロゲンからなる群から独立して選択され、Qは、結合、−CH2−および−O−からなる群から選択され、
2は、
−水素、
−アルキル、
−アルケニル、
−アリール、
−置換アリール、
−ヘテロアリール、
−置換ヘテロアリール、
−アルキル−X−アルキル、
−アルキル−X−アリール、
−アルキル−X−アルケニルおよび
−OH、
−ハロゲン、
−N(R62
−C(O)−N(R62
−C(S)−N(R62
−S(O)2−N(R62
−N(R6)−C(O)−C1-10アルキル、
−N(R6)−C(S)−C1-10アルキル、
−N(R6)−S(O)2−C1-10アルキル、
−C(O)−C1-10アルキル、
−C(O)−O−C1-10アルキル、
−N3
−アリール、
−置換アリール、
−ヘテロアリール、
−置換ヘテロアリール、
−ヘテロシクリル、
−置換ヘテロシクリル、
−C(O)−アリール、
−C(O)−(置換アリール)、
−C(O)−ヘテロアリールおよび
−C(O)−(置換ヘテロアリール)
からなる群から選択された1個以上の置換基によって置換された−アルキルまたは−アルケニル
からなる群から選択され、
3およびR4は、
−水素、
−ハロゲン、
−アルキル、
−アルケニル、
−X−アルキルおよび
−N(R62
からなる群からそれぞれ独立して選択されるか、または
合一した時、R3およびR4は、置換されていないか、または
−ハロゲン、
−アルキル、
−アルケニル、
−X−アルキルおよび
−N(R62
からなる群から選択された1個以上の置換基によって置換されている縮合アリール環または縮合ヘテロアリール環を形成するか、または
合一した時、R3およびR4は、
0〜2個のヘテロ原子を含むとともに置換されていないか、または
−ハロゲン、
−アルキル、
−アルケニル、
−X−アルキルおよび
−N(R62
からなる群から選択された1個以上の置換基によって置換されている縮合5〜7員飽和環を形成し、
各R5は、
ハロゲン、
1-6アルキル、
3-7シクロアルキルおよび
ベンジル
からなる群から独立して選択されるか、または
Yが−N(R5)C(O)−、−C(O)N(R5)−、−N(R5)C(O)N(R5)−、−N(R5)S(O)2−、−S(O2)N(R5)−、−N(R5)C(O)O−または−OC(O)N(R5)−である時、N(R5)基の窒素はZに結合し、それから、R5はZと合一して、構造
【化4】

を有する環を形成することが可能であり、
各R6は独立して水素またはC110アルキルであり、
7はC3-8アルキレンであり、
Xは−O−または−S−であり、
但し、Wが−C(O)−、−S(O)2−、−OC(O)O−または−N(R5)C(O)N(R5)−である場合、各Yは結合であることを条件とする)
の化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩。
【請求項2】
Aは直鎖または分枝鎖C4-20アルキレンである、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項3】
Aは−Z−Y−W−Y−Z−である、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項4】
Zは−O−によって任意に割り込まれた直鎖または分枝鎖C2-20アルキレンである、請求項3に記載の化合物または塩。
【請求項5】
Zは、直鎖または分枝鎖C2-4アルキレンおよびC1-4アルキレン−O−C1-4アルキレンからなる群から選択される、請求項4に記載の化合物または塩。
【請求項6】
5はZと合一して、
構造
【化5】

(式中、R7はC4-6アルキレンである)
を有する環を形成する、請求項3に記載の化合物または塩。
【請求項7】
各Yは、
結合
−N(R5)C(O)−、
−C(O)N(R5)−、
−N(R5)C(O)N(R5)−、
−S(O)2N(R5)および
−N(R5)S(O)2
からなる群から独立して選択される、請求項3に記載の化合物または塩。
【請求項8】
5は水素である、請求項7に記載の化合物または塩。
【請求項9】
Wは、
直鎖または分枝鎖C2-20アルキレン、
−N(R5)C(O)N(R5)−、
【化6】

1,2−シクロヘキシレン、
1,3−シクロヘキシレン、
1,4−シクロヘキシレンおよび
トランス−1,4−シクロヘキシレン
からなる群から選択される、請求項3に記載の化合物または塩。
【請求項10】
2は、水素、アルキルおよびアルキル−O−アルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項11】
2は、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロプロピルメチル、エトキシメチルおよびメトキシエチルからなる群から選択される、請求項10に記載の化合物または塩。
【請求項12】
3およびR4は合一して縮合ベンゼン環を形成する、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項13】
3およびR4は合一して縮合ピリジン環を形成する、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項14】
3およびR4は合一して6員飽和環を形成する、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項15】
3およびR4は合一して窒素原子を含む6員飽和環を形成する、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項16】
3およびR4は水素およびアルキルからなる群から独立して選択される、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項17】
N,N’−ビス[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]ウレア、
N,N’’−1,3−フェニレンビス{N’−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]ウレア}、
N−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−N’−(4−{4−[({[4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]アミノ}カルボニル)アミノ]フェノキシ}フェニル)ウレア、
N,N’’−トランス−1,4−シクロヘキシレンビス{N’−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]ウレア}、
N,N’−ビス(2−{2−[4−アミノ−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチル)ベンゼン−1,3−ジスルホンアミド、
N,N’−ビス(2−{2−[4−アミノ−2−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチル)テレフタルアミド、
N,N’’−1,8−オクタンジイルビス[N’−(2−{2−[4−アミノ−2−(メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エトキシ}エチル)ウレア]および
1−[10−(4−アミノ−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)デシル]−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンからなる群から選択された化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩。
【請求項18】
治療有効量の請求項1に記載の化合物または塩および薬学的に許容できるキャリアを含む薬剤組成物。
【請求項19】
治療有効量の請求項17に記載の化合物または塩および薬学的に許容できるキャリアを含む薬剤組成物。
【請求項20】
動物中でサイトカイン生合成を誘発する方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物または塩を動物に投与することを含む方法。
【請求項21】
前記化合物または塩を局所的に投与する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
動物中でサイトカイン生合成を誘発する方法であって、有効量の請求項17に記載の化合物または塩を動物に投与することを含む方法。
【請求項23】
前記化合物または塩を局所的に投与する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
動物のウィルス性疾患を治療する方法であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物または塩を動物に投与することを含む方法。
【請求項25】
前記化合物または塩を局所的に投与する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
動物のウィルス性疾患を治療する方法であって、治療有効量の請求項17に記載の化合物または塩を動物に投与することを含む方法。
【請求項27】
前記化合物または塩を局所的に投与する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
動物の腫瘍性疾患を治療する方法であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物または塩を動物に投与することを含む方法。
【請求項29】
前記化合物または塩を局所的に投与する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
動物の腫瘍性疾患を治療する方法であって、治療有効量の請求項17に記載の化合物または塩を動物に投与することを含む方法。
【請求項31】
前記化合物または塩を局所的に投与する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
式(II)
【化7】

(式中、
1は、
直鎖または分枝鎖C4-20アルキレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルケニレンおよび
直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレン
からなる群から選択された二価連結基であり、
それらのいずれもが−S(O)2−または被保護−C(O)−によって任意に割り込まれてもよく、
nは0〜4であり、
存在する各R’は、
ハロゲン、
アルキル、
アルケニルおよび
−O−アルキル
からなる群から独立して選択される)
の化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩。
【請求項33】
式(III)
【化8】

(式中、
1は、
直鎖または分枝鎖C4-20アルキレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルケニレンおよび
直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレン
からなる群から選択された二価連結基であり、
それらのいずれもが−S(O)2−または被保護−C(O)−によって任意に割り込まれてもよく、
nは0〜4であり、
存在する各R’は、
ハロゲン、
アルキル、
アルケニルおよび
−O−アルキル
からなる群から独立して選択される)
の化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩。
【請求項34】
式(IV)
【化9】

(式中、
1は、
直鎖または分枝鎖C4-20アルキレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルケニレンおよび
直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレン
からなる群から選択された二価連結基であり、
それらのいずれもが−S(O)2−または被保護−C(O)−によって任意に割り込まれてもよく、
R’’は、
−水素、
−アルキル、
−アルケニル、
−アリール、
−置換アリール、
−ヘテロアリール、
−置換ヘテロアリール、
−アルキル−O−アルキル、
−アルキル−O−アリール、
−アルキル−O−アルケニルおよび
−OH、
−ハロゲン、
−C(O)−N(R62
−C(S)−N(R62
−S(O)2−N(R62
−N(R6)−C(O)−C1-10アルキル、
−N(R6)−C(S)−C1-10アルキル、
−N(R6)−S(O)2−C1-10アルキル、
−C(O)−C1-10アルキル、
−C(O)−O−C1-10アルキル、
−N3
−アリール、
−置換アリール、
−ヘテロアリール、
−置換ヘテロアリール、
−ヘテロシクリル、
−置換ヘテロシクリル、
−C(O)−アリール、
−C(O)−(置換アリール)、
−C(O)−ヘテロアリールおよび
−C(O)−(置換ヘテロアリール)
からなる群から選択された1個以上の置換基によって置換された−アルキルまたは−アルケニル
からなる群から選択され、
nは0〜4であり、
存在する各R’は、
ハロゲン、
アルキル、
アルケニルおよび
−O−アルキル
からなる群から独立して選択され、
各R6は独立して水素またはC1-10アルキルである)
の化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩。
【請求項35】
式(V)
【化10】

(式中、
1は、
直鎖または分枝鎖C4-20アルキレン、
直鎖または分枝鎖C4-20アルケニレンおよび
直鎖または分枝鎖C4-20アルキニレン
からなる群から選択された二価連結基であり、
それらのいずれもが−S(O)2−または被保護−C(O)−によって任意に割り込まれてもよく、
R’’は、
−水素、
−アルキル、
−アルケニル、
−アリール、
−置換アリール、
−ヘテロアリール、
−置換ヘテロアリール、
−アルキル−O−アルキル、
−アルキル−O−アリール、
−アルキル−O−アルケニルおよび
−OH、
−ハロゲン、
−C(O)−N(R62
−C(S)−N(R62
−S(O)2−N(R62
−N(R6)−C(O)−C1-10アルキル、
−N(R6)−C(S)−C1-10アルキル、
−N(R6)−S(O)2−C1-10アルキル、
−C(O)−C1-10アルキル、
−C(O)−O−C1-10アルキル、
−N3
−アリール、
−置換アリール、
−ヘテロアリール、
−置換ヘテロアリール、
−ヘテロシクリル、
−置換ヘテロシクリル、
−C(O)−アリール、
−C(O)−(置換アリール)、
−C(O)−ヘテロアリールおよび
−C(O)−(置換ヘテロアリール)
からなる群から選択された1個以上の置換基によって置換された−アルキルまたは−アルケニル
からなる群から選択され、
nは0〜4であり、
存在する各R’は、
ハロゲン、
アルキル、
アルケニルおよび
−O−アルキル
からなる群から独立して選択され、
各R6は独立して水素またはC1-10アルキルである)
の化合物または前記化合物の薬学的に許容できる塩。

【公表番号】特表2006−503068(P2006−503068A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539956(P2004−539956)
【出願日】平成15年9月25日(2003.9.25)
【国際出願番号】PCT/US2003/030372
【国際公開番号】WO2004/028539
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】