説明

2’−O,3’−N−橋かけマクロライド

炎症性疾患の治療に有用な新規の2’−O,3’−N−橋かけマクロライド。より詳細には、本発明は、2’−O,3’−N−橋かけ14員マクロライドならびに好中球浸潤から生じる好中球優位な炎症性疾患および/または好中球の細胞機能の変化に関連する疾患の治療に有用な2’−O,3’−N−橋かけ15員アザライドマクロライド、それらを製造するための中間体、それらの製造方法、治療薬としてのそれらの使用、およびそれらの塩に関する。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物またはその塩:
【化1】

〔上式において、
Aは、−C(O)−、−N(R)CH−、−CHN(R)−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−CH(OH)−、および−C(=NOR)−から選択される二価の基であり;
は、式(II)のα−L−クラジノシル基であり;
【化2】

は水素であり;
は水素またはC1−3アルキルであり;
は、
(i)ヒドロキシル、メトキシ、またはチオメチルにより置換されていてもよいC1−4アルキル;
(ii)N,N−ジ(C−C−アルキル)アミノ;
(iii)C1−3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−3アルキルオキシ、およびCFから選択される1または2つの基により置換されていてもよいC6−10アリール;
(iv)酸素、窒素、および硫黄から選択される1または2つのヘテロ原子を含む、飽和または部分的に不飽和である3−6員単環複素環または縮合した9−10員二環複素環、
(v)酸素、窒素、および硫黄から選択される1から2つのヘテロ原子を含む5−6員単環複素芳香環または縮合した9−10員二環複素芳香環
であり;
は、C1−3アルキルまたは水素であり;
は水素であり;
nは、RがN,N−ジ(C−C−アルキル)アミノまたはヘテロ原子を介して結合している複素環もしくは複素芳香環である場合にnが零になりえないという条件で、零から3の整数である〕。
【請求項2】
Aが、−N(R)CH−、−C(O)−、および−NHC(O)−から選択される二価の基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが二価の基−N(R)CH−であり、RがC1−3アルキルであり、Rが水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Aが二価の基−C(O)−であり、Rが水素またはC1−3アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Aが二価の基−NHC(O)−であり、Rが水素またはC1−3アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が水素である、請求項1または4に記載の化合物。
【請求項7】
がメチルである、請求項1、4および5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
がC1−4アルキルであり、nが零である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
がC6−10アリールである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
以下から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその塩:
N’−ベンジル−2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−9−デオキソ−9a−メチル−N’−(1−ナフチル)−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−9−デオキソ−N’−イソプロピル−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−9−デオキソ−N’−[3−(ジエチルアミノ)プロピル]−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
N’−(ベンジル)−2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−6−O−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−6−O−メチル−N’−(1−ナフチル)−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−イソプロピル−6−O−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−[3−(ジエチルアミノ)プロピル]−6−O−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
N’−ベンジル−2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−6−O−メチル−エリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−6−O−メチル−N’−(1−ナフチル)−エリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−イソプロピル−6−O−メチル−エリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−[3−(ジエチルアミノ)プロピル]−6−O−メチル−エリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−メチル−6−O−メチル−エリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−エチル−6−O−メチル−エリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−エチル−6−O−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−6−O−メチル−N’−(4−キノリル)−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−O−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−6−O−メチル−N’−(tert−ブチル)−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−メチル−6−O−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−6−O−メチル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−[3−(メチルオキシ)プロピル]−6−O−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−[3−(メチルチオ)プロピル]−6−O−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−6−O−メチル−N’−[4−(メチルオキシ)フェニル]−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−6−O−メチル−N’−(テトラヒドロ−2−フラニルメチル)−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−(2−フラニルメチル)−6−O−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−イソプロピル−(9S)−9−ジヒドロエリスロマイシンA;
N’−ベンジル−2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−(9S)−9−ジヒドロエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−エチル−6−O−メチル−(9S)−9−ジヒドロエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−イソプロピル−6−O−メチル−(9S)−9−ジヒドロエリスロマイシンA;
N’−ベンジル−2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−6−O−メチル−(9S)−9−ジヒドロエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−イソプロピル−エリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−エチル−エリスロマイシンA;
N’−ベンジル−2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−エリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−イソプロピル−6−O−メチル−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンA;
N’−ベンジル−2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−6−O−メチル−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンA;
N’−ベンジル−2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−9−デオキソ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−イソプロピル−9−デオキソ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
N’−ベンジル−2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−6−O−メチル−9−デオキソ−8a−メチル−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−イソプロピル−6−O−メチル−9−デオキソ−8a−メチル−8a−アザ−8a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−イソプロピル−9−デオキソ−9a−アザ−9a−プロピル−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−メチル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−エチル−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−[3−(メチルチオ)プロピル]−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−[4−(メトキシ)フェニル]−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−N’−(tert−ブチル)−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−9a−メチル−N’−(4−キノリニル)−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;
2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−9a−メチル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA;および
N’−ベンジル−2’−O,3’−N−(カルボンイミドイル)−3’−N−デメチル−9−デオキソ−9a−アザ−9a−プロピル−9a−ホモエリスロマイシンA。
【請求項11】
前記塩が医薬的に許容される塩である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその塩。
【請求項12】
式(III)の化合物またはその塩:
【化3】

〔上式において、
Aは、−C(O)−、−N(R)CH−、−CHN(R)−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−CH(OH)−、および−C(=NOR)−から選択される二価の基であり;
は、式(II)のα−L−クラジノシル基であり;
【化4】

は水素であり;
は水素またはC1−3アルキルであり;
は、
(i)ヒドロキシル、メトキシ、またはチオメチルにより置換されていてもよいC1−4アルキル;
(ii)N,N−ジ(C−C−アルキル)アミノ;
(iii)C1−3アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−3アルキルオキシ、およびCFから選択される1または2つの基により置換されていてもよいC6−10アリール、
(iv)酸素、窒素、および硫黄から選択される1または2つのヘテロ原子を含む、飽和または部分的に不飽和である3−6員単環複素環または縮合した9−10員二環複素環、
(v)酸素、窒素、および硫黄から選択される1から2つのヘテロ原子を含む5−6員単環複素芳香環または縮合した9−10員二環複素芳香環
であり;
は、C1−3アルキルまたは水素であり;
は水素であり;
nは、RがN,N−ジ(C−C−アルキル)アミノまたはヘテロ原子を介して結合している複素環もしくは複素芳香環である場合にnが零になりえないという条件で、零から3の整数である〕。
【請求項13】
式(I)の化合物を製造する方法であって、
式(III)の化合物:
【化5】

を、カルボジイミドおよび2−クロロ−1−メチルピリジニウムアイオダイドから選択される活性化剤と反応させる工程を含んでなる、方法。
【請求項14】
治療を必要とする被験者における、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維腫、びまん性汎呼吸細気管支炎、閉塞性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、成人呼吸窮迫症候群、重度またはステロイド抵抗性の喘息、気腫、慢性副鼻腔炎、関節リウマチ、痛風関節炎、炎症性腸疾患、糸球体腎炎、虚血再還流による傷害、アテローム性動脈硬化症、乾癬、血管炎、全身性エリテマトーデス、全身性炎症反応症候群、敗血症、虚血再還流傷害、酒さ、歯周炎、歯肉増殖症、および前立腺炎症候群から選択される好中球浸潤から生じる好中球優位な炎症性疾患および/または好中球の細胞機能の変化に関連する疾患を治療する方法であって、治療上有効な量の、請求項1に記載の式(I)の化合物または医薬的に許容されるその塩を被験者に投与する工程を含んでなる、方法。
【請求項15】
前記疾患が、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維腫、びまん性汎呼吸細気管支炎、閉塞性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、成人呼吸窮迫症候群、重度またはステロイド抵抗性の喘息、気腫、および慢性副鼻腔炎から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を、少なくとも1種の医薬的に許容される賦形剤、希釈剤、および/または担体とともに含んでなる、医薬組成物。
【請求項17】
医薬療法に使用するための、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項18】
慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維腫、びまん性汎呼吸細気管支炎、閉塞性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、成人呼吸窮迫症候群、重度またはステロイド抵抗性の喘息、気腫、慢性副鼻腔炎、関節リウマチ、痛風関節炎、炎症性腸疾患、糸球体腎炎、虚血再還流による傷害、アテローム性動脈硬化症、乾癬、血管炎、全身性エリテマトーデス、全身性炎症反応症候群、敗血症、虚血再還流傷害、酒さ、歯周炎、歯肉増殖症、および前立腺炎症候群から選択される好中球浸潤から生じる好中球優位な炎症性疾患および/または好中球の細胞機能の変化に関連する疾患を治療するための医薬の製造における、請求項1に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項19】
前記疾患が、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維腫、びまん性汎呼吸細気管支炎、閉塞性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、成人呼吸窮迫症候群、重度またはステロイド抵抗性の喘息、気腫、および慢性副鼻腔炎から選択される、請求項18に記載の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2011−518799(P2011−518799A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505475(P2011−505475)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054685
【国際公開番号】WO2009/130189
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】