説明

2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の製造方法およびこれに使用される新規な中間体化合物

本発明は抗ヒスタミン活性を示す2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体をより単純化された方法で製造することができる製造方法、これに使用される中間体化合物、およびこの製造方法に関するものである。本発明によれば、薬学的に有用な2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体を高収率、高純度、および産業的規模で製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の製造方法、これに使用される新規な中間体化合物およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記の化学式1の2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体は優れた抗ヒスタミン活性および抗アレルギー活性を示すため、薬学的に幅広く使用されている。
【0003】
【化1】

【0004】
上記の式で、Aは酸素または窒素であり、Aが酸素である場合、Rは水素またはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Aが窒素である場合、RはAと共に5−7の員環を形成し、前記環は、非置換のものかまたはC−C直鎖または分岐アルキルに置換されることができ、Rは水素または−CHCHOR′であり(但し、Aが窒素であれば、Rは−CHCHOR′である。)、R′は、水素、C−C直鎖または分岐アルキル、C−C環状アルキル、またはC−Cアルケニルである。
【0005】
特に、前記2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体はH抗ヒスタミン薬理学的活性のみを提供する。したがって、多量投与する場合でも他の薬学的受容物質に作用せず、高い選択性を示す。したがって、前記2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体はアレルギー性疾患を有する患者に有用に使用することができ、特に、他の薬物を同時に投与される患者、例えば、心臓循環系疾患の患者に有用に用いられることができる(下記特許文献1)。
【0006】
下記特許文献2には、化学式1に属する2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の製造方法が開示されている。しかし、開示された製造方法は大きく2つの側面で短所を有する。
【0007】
まず、オキサゾール基が導入された化合物の製造段階およびオキサゾール基の加水分解段階がやむをえず含まれるため、全体的な製造段階が複雑になる。また、ピペリジニル基にだけでなく、イミダゾール基にもN−アルキル化が可能なN−H結合が存在するため、副産物が多量発生することがある。したがって、このような製造方法は、化学式1の2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体を産業的規模で大量生産することにおいて非常に非効率的であった。
【0008】
一方、下記の非特許文献1および2には、ピペリジニルベンゾイミダゾール誘導体の製造方法が開示されている。しかし、ニトロ基をアミン基に還元させる過程で、高引火性の亜鉛粉を使用しなければならず、収率もまた30%程度で非常に低いため、依然として産業的規模の生産には不適合であり、非効率的であった。
【0009】
上記の理由により、薬学的に有用な前記2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の収率や純度が向上した、その産業的生産に適合した製造方法の開発が要求されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許公報第5877187号
【特許文献2】ヨーロッパ特許公報第0818454号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】J.Med.Chemistry(1986,29,1178−1183)
【非特許文献2】J.Heterocyclic Chem.(1987,24,31−37)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明は、薬学的に有用な2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体をより高い収率で、産業的規模で生産することに適合した2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の製造方法を提供するためのものである。
【0013】
また、本発明は、前記2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の製造に使用することができる新規な中間体化合物を提供するためのものである。
【0014】
本発明はまた、前記中間体化合物の製造方法を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、化学式2の化合物および化学式3の化合物を反応させる段階を含む化学式1の2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の製造方法を提供する:
【0016】
【化2】

【0017】
【化3】

【0018】
【化4】

【0019】
上記の式で、Aは酸素または窒素であり、Aが酸素である場合、Rは水素またはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Aが窒素である場合、RはAと共に5−7の員環を形成し、前記環は、非置換のものかまたはC−C直鎖または分岐アルキルに置換され、Rは水素または−CHCHOR′であり(但し、Aが窒素であれば、Rは−CHCHOR′である。)、R′は、水素、C−C直鎖または分岐アルキル、C−C環状アルキル、またはC−Cアルケニルであり、Xは離脱基である。
【0020】
また、本発明は、前記2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の製造のために中間体として使用可能な下記の化学式1aの化合物を提供する:
【0021】
【化5】

【0022】
上記の式で、Rは水素またはC−Cの直鎖または分岐アルキルである。
【0023】
本発明はまた、前記2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の製造のために中間体として使用可能な下記の化学式2aの化合物およびその製造方法を提供する:
【0024】
【化6】

【0025】
上記の式で、Rは水素またはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Xは離脱基である。
【0026】
また、本発明は、前記2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の製造のために中間体として使用可能な下記の化学式6の化合物およびその製造方法を提供する:
【0027】
【化7】

【0028】
上記の式で、RはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Bは水素またはシリル保護基である。
【0029】
本発明はまた、前記2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の製造のために中間体として使用可能な下記の化学式3aの化合物の新規製造方法を提供する。
【0030】
【化8】

【0031】
上記の式で、R′は水素、C−C直鎖または分岐アルキル、C−C環状アルキル、またはC−Cアルケニルである。
【発明の効果】
【0032】
前述のように本発明によれば、優れた抗ヒスタミン活性を示し、薬学的に有用な2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体をより単純化された方法によって高収率かつ高純度で製造することができる。
【0033】
したがって、本発明の方法は、上記薬学的に有用な2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の産業的規模での生産に極めて適切かつ効果的であり、該2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の薬学的、産業的有用性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、発明の実施形態による2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の製造方法、およびこれに使用される中間体化合物とその製造方法についてより詳しく説明する。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、化学式2の化合物および化学式3の化合物を反応させる段階を含む化学式1の2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の製造方法が提供される:
【0036】
【化9】

【0037】
【化10】

【0038】
【化11】

【0039】
上記の式で、Aは酸素または窒素であり、Aが酸素である場合、Rは水素またはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Aが窒素である場合、RはAと共に5−7の員環を形成し、前記環は、非置換のものかまたはC−C直鎖または分岐アルキルに置換でき、Rは水素または−CHCHOR′であり(但し、Aが窒素であれば、Rは−CHCHOR′である。)、R′は、水素、C−C直鎖または分岐アルキル、C−C環状アルキル、またはC−Cアルケニルであり、Xは離脱基である。
【0040】
上記の式で、Xは、前記化学式2の化合物および化学式3の化合物の間の反応に適合な離脱基、例えば、ハロゲン、スルフィニルオキシ基およびスルホニルオキシ基であることができるが、これに限定されるわけではない。
【0041】
前記化学式2および3の化合物は、有機溶媒内で塩基の存在下で反応することができる。この時の塩基としては、例えば、ナトリウムC−Cアルコキシド、カリウムC−Cアルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムまたはリン酸カリウムなどの無機塩基を使用したり、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、ピリジン、ジメチルアミノピリジンまたはトリエチルアミンのような有機塩基を使用することができ、ナトリウムC−Cアルコキシド、カリウムC−Cアルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムまたはリン酸カリウムなどの無機塩基を使用するのが好ましい。これにより、前記化学式2および3の化合物の間の反応が好ましく行われ、前記化学式1の化合物を生成することができる。
【0042】
前記化学式1でRがアルキルである場合、前記化学式2および3の化合物を反応させた後で、その反応生成物をエステル加水分解する段階をさらに行うことによって、酸形態の2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体を製造することができる。
【0043】
前記化学式2および3の化合物を反応させて得られる生成物のRが水素である場合(例えば、化学式1aの化合物である場合)、必要に応じて反応生成物を化学式9の化合物と反応させる段階をさらに行うことによって、前記化学式1の2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体を製造することができる。
【0044】
【化12】

【0045】
【化13】

【0046】
上記の式で、Rは水素またはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、R′は、水素、C−C直鎖または分岐アルキル、C−C環状アルキル、またはC−Cアルケニルであり、Yは離脱基である。
【0047】
本発明の一実施形態にかかる製造方法において、出発物質である化学式2の化合物は、好ましくはAが酸素である場合、Rが水素またはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、下記の化学式2aで示される化合物であったり、Aが窒素である場合、RがAと共に5−7の員環を形成し、このような環が非置換またはC−Cの直鎖または分岐アルキルに置換されて下記の化学式2bなどで示される化合物であることができる:
【0048】
【化14】

【0049】
【化15】

【0050】
上記の式で、Rは水素またはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Xは離脱基である。
【0051】
前記化学式2bの化合物は公知の方法によって容易に製造することができる(前記特許文献2)。前記化学式2aの化合物は、2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の製造に有用な新規な中間体であり、該新規な中間体を用いればより単純化された製造工程により、かつ、高い収率で化学式1の化合物を製造することが可能である。
【0052】
本発明の一実施形態にかかる製造方法において、化学式2aの化合物は、新規な中間体である化学式6の化合物の−OB基を離脱基Xに置換させて製造することができる:
【0053】
【化16】

【0054】
上記の式で、RはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Bは水素またはシリル保護基である。
【0055】
本発明の一実施形態にかかる製造方法において、前記化学式6の化合物は、化学式4の化合物および化学式5の化合物を反応させて製造することができる:
【0056】
【化17】

【0057】
【化18】

【0058】
上記の式で、Halはハロゲンであり、RはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Bは水素またはシリル保護基である。
【0059】
前記製造方法で、前記化学式4および5の化合物は商業的に入手することができる。
【0060】
前記化学式4および5の化合物は、有機溶媒内でパラジウム(Pd)触媒の存在下で反応させることができる。このようなパラジウム触媒としてはPd(dba)、Pd(dba)またはPd(t−BuP)などのPd(0)触媒が使用でき、この中でもPd(dba)を使用するのが好ましい。
【0061】
前記化学式4の化合物のBが水素である場合、必要に応じて前記化学式4および5の化合物の反応段階の前に、化学式4の化合物に対してシリル保護基を導入する反応段階を行って、このようなシリル保護基が導入された形態に反応させることができる。
【0062】
この時に使用可能なシリル保護基としては、ヘキサメチルジシリル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリル、およびtert−ブチルジフェニルシリルからなる群より選択することができるが、好ましくはヘキサメチルジシリル、トリメチルシリルまたはtert−ブチルジメチルシリルが導入できる。
【0063】
また、シリル保護基が導入された形態の化学式4の化合物と化学式5の化合物を反応させて製造された化学式6の化合物は、必要に応じて脱保護反応を経た後で、次の反応段階に使用できる。
【0064】
前述の方法によって化学式6の化合物を生成した後には、化学式6の化合物の−OB基を離脱基Xに置き換えて前記化学式2aの化合物を生成する。
【0065】
この時に使用可能な離脱基Xとしては、以降の化学式3の化合物との反応に適した離脱基、例えば、ハロゲン、スルフィニルオキシ基またはスルホニルオキシ基が挙げられる。このような離脱基の種類による一般的な置換反応条件によって、前記化学式6の化合物の−OB基を離脱基Xに置き換えて前記化学式2aの化合物を得ることができる。例えば、前記離脱基Xがハロゲンである場合、前記化学式6の化合物と通常のハロゲン化試薬を反応させて化学式2aの化合物を得ることができ、前記離脱基Xがスルフィニルオキシ基またはスルホニルオキシ基である場合、前記化学式6の化合物と通常のスルフィニル化試薬またはスルホニル化試薬(例えば、スルフィニルハロゲン化合物またはスルホニルハロゲン化合物)を反応させて、化学式2aの化合物を得ることができる。
【0066】
前記化学式2aの化合物の製造方法において、RおよびRが互いに異なる場合には、必要に応じて前記化学式6の化合物のRをRに置き換えた後、前記離脱基Xへの置換反応を行うことによって化学式2aの化合物を得ることができる。
【0067】
例えば、前記Rが水素である場合には、前記化学式6の化合物をエステル加水分解する段階を経た後、前記離脱基Xへの置換反応を行うことによって化学式2aの化合物を得ることができる。
【0068】
また、前記RおよびRが互いに異なるC−Cアルキルである場合には、前記化学式6の化合物をアルキル化してRをRに置き換える段階を経た後、前記離脱基Xへの置換反応を行うことによって化学式2aの化合物を得ることができ、また他の例として、前記化学式6の化合物をエステル加水分解し、これを再びアルキル化してRをRに置き換えた後で、前記離脱基Xへの置換反応を行うことによって化学式2aの化合物を得ることもできる。
【0069】
本発明の一実施形態にかかる製造方法において、また他の出発物質である化学式3の化合物は、好ましくはRが−CHCHOR′になり、下記の化学式3aで示される化合物であってもよい:
【0070】
【化19】

【0071】
上記の式で、R′は水素、C−C直鎖または分岐アルキル、C−C環状アルキル、またはC−Cアルケニルである。
【0072】
本発明の一実施形態にかかる製造方法において、前記化学式3aの化合物はより単純化された工程によって製造することができる。より具体的には、前記化学式3aの化合物は、前記化学式7の化合物のピペリジン環のアミン基を保護基で保護して化学式8の化合物を生成し、これを化合物9の化合物とN−アルキル化反応させて化学式10の化合物を生成した後、化学式10の化合物を脱保護反応させる方法によって製造することができる:
【0073】
【化20】

【0074】
【化21】

【0075】
【化22】

【0076】
【化23】

【0077】
上記の式で、Pはアミン保護基であり、R′は水素、C−C直鎖または分岐アルキル、C−C環状アルキル、またはC−Cアルケニルであり、Yは離脱基である。
【0078】
上記の式で、離脱基YはN−アルキル化反応に適した通常の離脱基、例えば、ハロゲン、スルフィニルオキシ基またはスルホニルオキシ基であることができる。
【0079】
前記製造方法で、前記化学式7の化合物は商業的に入手することができる。
【0080】
有機溶媒または水溶媒中で、前記化学式7の化合物にアミン保護基(P)を導入し、化学式8の化合物を生成することができ、この時に使用可能なアミン保護基Pにはカルバメート、アミド、およびシリル基などが挙げられるが、これらに限定されず、カルバメートを使用することがより好ましい。
【0081】
前記化学式8の化合物および化学式9の化合物は、有機溶媒中、塩基の存在下でN−アルキル化反応させることができる。この時、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムC−Cアルコキシド、カリウムC−Cアルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムまたはリン酸カリウムなどの無機塩基を使用したり、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、ピリジン、ジメチルアミノピリジンまたはトリエチルアミンなどの有機塩基を使用することができ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムC−Cアルコキシド、カリウムC−Cアルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムまたはリン酸カリウムなどの無機塩基を使用するのが好ましい。
【0082】
前述の方法によって化学式10の化合物を生成した後には、これを脱保護して化学式3aの化合物を形成する。このような脱保護反応の方法および条件は、通常のアミン保護基の脱保護反応方法および条件に従う。
【0083】
本発明の一実施形態にかかる製造方法によって製造される前記化学式1の2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体は、2−[4−(2−{4−[1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸であることが薬学的に好ましい。
【実施例】
【0084】
以下、具体的な実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0085】
<実施例1> 2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルの製造
反応容器に4−ブロモフェネチルアルコール(2.0g)、Pd(dba)(0.11g)、t−BuP(0.08g)、ZnF(0.52g)、メチルトリメチルシリルジメチルケテンアセタール(2.6g)、およびDMF(20mL)を投入し、80℃で18時間反応させた。蒸溜水(50mL)および酢酸エチル(50mL)を投入して攪拌した後、層分離した。分離した有機層をNaSOで脱水処理した後、濾過濃縮し、精製して、2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(2.4g、収率100%)を得た。
【0086】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:δ1.57(s、6H)、2.82−2.84(t、2H)、3.65(s、3H)、3.83−3.86(t、2H)、7.18−7.20(d、2H)、7.27−7.29(d、2H)
【0087】
<実施例2> 2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルの製造
反応容器に4−ブロモフェネチルアルコール(2g)、Pd(dba)(0.18g)、t−BuP(0.16g)、ZnF(0.51g)、メチルトリメチルシリルジメチルケテンアセタール(2.6g)、およびDMF(20mL)を投入し、80℃で18時間反応させた。蒸溜水(50mL)および酢酸エチル(50mL)を投入して攪拌した後、層分離した。分離した有機層をNaSOで脱水処理した後、濾過濃縮し、精製して、2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(2.2g、収率94%)を得た。
【0088】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:δ1.57(s、6H)、2.82−2.84(t、2H)、3.65(s、3H)、3.83−3.86(t、2H)、7.18−7.20(d、2H)、7.27−7.29(d、2H)
【0089】
<実施例3> 2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルの製造
反応容器に4−ブロモフェネチルアルコール(5.0g)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS;3.0g)、アセトニトリル(25mL)、および塩化アンモニウム(0.01g)を投入し、室温で1時間以上攪拌した。その混合物を減圧濃縮し、ジクロロメタン(30mL)と蒸溜水(20ml)を投入して層分離した。分離した有機層をNaSOで脱水処理した後に濾過濃縮し、Pd(dba)(0.29g)、t−BuP(0.20g)、ZnF(1.28g)、メチルトリメチルシリルジメチルケテンアセタール(2.2g)、およびDMF(50mL)を投入し、80℃で18時間反応させた。蒸溜水(75mL)、酢酸エチル(75mL)、および1N塩酸水溶液(9mL)を投入して攪拌した後、層分離した。分離した有機層をNaSOで脱水処理した後、濾過濃縮し、精製して、2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(5.2g、収率88%)を得た。
【0090】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:δ1.57(s、6H)、2.82−2.84(t、2H)、3.65(s、3H)、3.83−3.86(t、2H)、7.18−7.20(d、2H)、7.27−7.29(d、2H)
【0091】
<実施例4> 2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸エチルエステルの製造
反応容器に4−ブロモフェネチルアルコール(2.0g)、Pd(dba)(0.11g)、t−BuP(0.08g)、ZnF(0.52g)、エチルトリメチルシリルジメチルケテンアセタール(2.7g)、およびDMF(20mL)を投入し、80℃で18時間反応させた。蒸溜水(50mL)および酢酸エチル(50mL)を投入して攪拌した後、層分離した。分離した有機層をNaSOで脱水処理した後、濾過濃縮し、精製して、2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(2.3g、収率92%)を得た。
【0092】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:δ1.25(t、3H)、1.57(s、6H)、2.82−2.84(t、2H)、4.10−4.45(q、2H)、3.83−3.86(t、2H)、7.18−7.20(d、2H)、7.27−7.29(d、2H)
【0093】
<実施例5> 2−[4−(2−メタンスルホニルオキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルの製造
反応容器に前記実施例1−3で製造された2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(2.2g)、トリエチルアミン(1.2g)、塩化メタンスルホニル(1.25g)、およびジクロロメタン(20mL)を反応容器に投入し、室温で2時間反応させた。蒸溜水(50mL)を投入して攪拌した後、層分離した。分離した有機層をNaSOで脱水処理した後に濾過濃縮して、2−[4−(2−メタンスルホニルオキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(3.2g、収率100%)を得た。
【0094】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:δ1.57(s、6H)、2.86(s、3H)、3.02(t、2H)、3.65(s、3H)、4.39−4.43(t、2H)、7.19−7.21(d、2H)、7.28−7.30(d、2H)
【0095】
<実施例6> 2−メチル−2−{4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−エチル]−フェニル}−プロピオン酸メチルエステルの製造
反応容器に前記実施例1−3で製造された2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(2g)、トリエチルアミン(1.1g)、p−塩化トルエンスルホニル(1.9g)、およびジクロロメタン(20mL)を投入し、室温で1時間反応させた。蒸溜水(50mL)を投入して攪拌した後、層分離した。分離した有機層をNaSOで脱水処理した後に濾過濃縮して、2−メチル−2−{4−[2−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−エチル]−フェニル}−プロピオン酸メチルエステル(3.0g、収率91%)を得た。
【0096】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:δ1.57(s、6H)、2.44(s、3H)、2.93(t、2H)、3.65(s、3H)、4.18(t、2H)、7.05−7.07(d、2H)、7.19−7.21(d、2H)、7.27−7.30(d、2H)、7.69(d、2H)
【0097】
<実施例7> 2−[4−(2−クロロ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルの製造
反応容器に前記実施例1−3で製造された2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(1g)、塩化チオニール(2.7g)、およびジクロロメタン(15mL)を投入し、室温で2時間反応させた。トルエン(30mL)を投入して減圧濃縮し、溶媒を除去した。ジクロロメタン(50mL)および重炭酸ナトリウム水溶液(30mL)を投入して攪拌した後、層分離した。分離した有機層をNaSOで脱水処理した後、濾過濃縮して、2−[4−(2−クロロ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(1.0g、収率92%)を得た。
【0098】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:δ1.57(s、6H)、3.03−3.06(t、2H)、3.65(s、3H)、3.67−3.72(t、2H)、7.17−7.19(d、2H)、7.28−7.30(d、2H)
【0099】
<実施例8> 2−[4−(2−メタンスルホニルオキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸エチルエステルの製造
反応容器に前記実施例4で製造された2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(2.2g)、トリエチルアミン(1.2g)、塩化メタンスルホニル(1.25g)、およびジクロロメタン(20mL)を投入し、室温で2時間反応させた。蒸溜水(50mL)を投入して攪拌した後、層分離した。分離した有機層をNaSOで脱水処理した後、濾過濃縮して、2−[4−(2−メタンスルホニルオキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(3.2g、収率100%)を得た。
【0100】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:δ1.57(s、6H)、2.86(s、3H)、3.02(t、2H)、3.65(s、3H)、4.39−4.43(t、2H)、7.19−7.21(d、2H)、7.28−7.30(d、2H)
【0101】
<実施例9> 2−{1−[4−(2−クロロ−エチル)−フェニル]−1−メチル−エチル}−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾールの製造
反応容器に前記実施例4で製造された2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(25g)およびジクロロメタン(200mL)を投入した後、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(10.6mL)を投入し、カリウムt−ブトキシド(11.9g)を徐々に投入した。反応完了後、蒸溜水(100mL)を投入して層分離し、有機層を減圧濃縮した。濃縮した有機層にアセトニトリル(150mL)を投入し、塩化チオニル(16mL)を滴下した後攪拌して、反応を完了した。反応完了後冷却し、カセイソーダ水溶液を徐々に投入して、pHを5〜7に調節した。その後、濃縮して有機溶媒を除去し、蒸溜水(150mL)とジクロロメタン(150mL)を投入して層分離した。分離した有機層を減圧濃縮して、2−{1−[4−(2−クロロ−エチル)−フェニル]−1−メチル−エチル}−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール(22.5g、収率80%)を得た。
【0102】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:1.27(s、6H)、1.57(s、6H)、3.07(t、2H)、3.69(t、2H)、3.85(s、2H)、7.18(d、2H)、7.32(d、2H)
【0103】
<実施例10> 4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
反応容器にベンゾイミダゾール(1.1g)およびメチルアルコール(8mL)を投入し、ジtert−ブチルダイカーボネート(1.2g)を投入した。反応液を室温で3時間程度攪拌した後、反応液を濃縮して、4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.5g、収率91%)を得た。
【0104】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:1.63(s、9H)、1.89(m、2H)、2.11(d、2H)、2.87(t、2H)、3.14(m、1H)、4.23(s、2H)、7.22〜7.24(m、2H)、7.41(s、1H)、7.72(s、1H)、9.77(s、1H)
【0105】
<実施例11> 4−[1−(2−エトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造
反応容器に実施例10で製造された4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.5g)、トルエン(10mL)および水酸化カリウム(0.8g)を投入し、反応液を50℃以上に調節した。反応液にエトキシエタノールメタンスルホン酸(1.3g)を投入した後、同一温度で反応が完了するまで攪拌した。反応が完了した後、蒸溜水(10mL)を投入して層分離した後、有機層を濃縮して、4−[1−(2−エトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.7g、収率91%)を得た。
【0106】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:1.07(t、3H)、1.47(s、9H)、1.92(m、2H)、2.01(s、2H)、2.85(s、2H)、3.14(m、1H)、3.36(m、2H)、3.69(t、2H)、4.28(t、2H)、7.12−7.26(m、3H)、7.75(t、1H)
【0107】
<実施例12>1−(2−エトキシエチル)−2−ピペリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾールの製造
反応容器に実施例11で製造された4−[1−(2−エトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.6g)に、蒸溜水(15mL)および塩酸(1.5g)を投入した後に攪拌して、脱保護反応を行った後、カセイソーダ水溶液(10mL)とジクロロメタン(20mL)を投入した。有機層を分離した後、濃縮して、1−(2−エトキシエチル)−2−ピペリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール(1.2g、収率100%)を得た。
【0108】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:1.05(t、3H)、2.09〜2.23(m、4H)、3.17(q、2H)、3.24(d、1H)、3.39(q、2H)、3.51(q、3H)、3.77(t、2H)、4.51(t、2H)、7.27(m、2H)、7.52(d、1H)、7.62(d、1H)
【0109】
<実施例13> 2−(4−{2−[4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−エチル}−フェニル)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルの製造
反応容器に前記実施例5で製造された2−[4−(2−メタンスルホニルオキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(3.0g)、炭酸ナトリウム(1.1g)、2−(4−ピペラジニル)−1H−ベンゾイミダゾール(3.0g)、およびメチルアルコール(30mL)を反応容器に投入し、還流条件で14時間反応させた。蒸溜水(50mL)を投入して攪拌し、結晶化した。生成された結晶を減圧濾過し、蒸溜水で洗浄した後、乾燥して、2−(4−{2−[4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−エチル}−フェニル)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(3.4g、収率85%)を得た。
【0110】
H−NMR、400MHz、DMSO、ppm:1.48(s、6H)、1.80−1.84(m、2H)、1.98−2.00(m、2H)、2.08−2.13(t、2H)、2.50−2.54(m、1H)、2.67−2.75(t、2H)、2.80−2.90(m、1H)、3.01−3.04(d、2H)、7.05−7.08(m、2H)、7.13−7.23(d、4H)、7.46(s、2H)、12.15(s、1H)
【0111】
<実施例14> 2−[4−(2−{4−[1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルの製造
反応容器に前記実施例13で製造された2−(4−{2−[4−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピペリジン−1−イル]−エチル}−フェニル)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(0.5g)、カリウム−t−ブトキシド(0.14g)、エトキシエチルメシラート(0.25g)、およびDMF(20mL)を反応容器に投入した後、50℃で3時間反応させた。蒸溜水(50mL)および酢酸エチル(50mL)を投入して攪拌した後、層分離した。分離した有機層を蒸溜水(50mL)で洗浄した後に脱水し、減圧濃縮して、所望の2−[4−(2−{4−[1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(0.5g、収率85%、HPLC純度98.5%以上)を得た。
【0112】
H−NMR、400MHz、DMSO、ppm:0.98(t、3H)、1.48(s、6H)、1.87(m、4H)、2.05−2.20(m、2H)、2.50(t、2H)、2.73(t、2H)、3.04(m、3H)、3.30(q、2H)、3.58(s、3H)、3.65(t、2H)、4.39(t、2H)、7.00−7.30(m、6H)、7.40−7.60(dd、2H)
【0113】
<実施例15> 2−[4−(2−{4−[1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸エチルエステルの製造
反応容器に実施例8で製造された2−[4−(2−メタンスルホニルオキシ−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(3.2g)、炭酸ナトリウム(1.1g)、実施例12で製造された1−(2−エトキシエチル)−2−ピペリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール(3.0g)、およびメチルアルコール(30mL)を投入し、還流条件で14時間反応させた。蒸溜水(50mL)を投入して攪拌し、結晶化した。生成された結晶を減圧濾過し、蒸溜水で洗浄した後、乾燥して、2−[4−(2−{4−[1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(4.5g、収率90%、HPLC純度98.5%以上)を得た。
【0114】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:1.12(t、3H)、1.56(s、6H)、2.12(m、2H)、2.18(m、4H)、2.63(q、2H)、2.81(q、2H)、3.00(m、1H)、3.16(d、2H)、3.42(q、2H)、3.74(t、2H)、4.15(q、2H)、4.33(t、2H)、7.15−7.40(m、7H)、7.77(q、1H)
【0115】
<実施例16> 2−[4−(2−{4−[1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸の製造
反応容器に前記実施例14で製造された2−[4−(2−{4−[1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル(2.3g)、カセイソーダ(0.6g)、およびエチルアルコール(13mL)を投入した後、50−55℃で3時間反応させた。蒸溜水(20mL)を投入した後、酢酸を投入してpH7に調節した。酢酸エチル(50mL)を投入して攪拌した後、層分離した。有機層を減圧濃縮し、ブタノール(9mL)を投入して加温溶解した後、冷却して、結晶が析出されれば、減圧濾過して、2−[4−(2−{4−[1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸(2.0g、収率90%、HPCL純度99%以上)を得た。
【0116】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:δ1.08(t、3H)、1.59(s、6H)、2.15−2.30(m.4H)、2.64−2.79(m、6H)、3.25(s、1H)、3.67(q、2H)、3.47(m、2H)、3.71(t、2H)、4.32(t、2H)、6.79(d、2H)、7.26(m、2H)、7.29−7.32(m、3H)、7.76(t、1H)
【0117】
<実施例17> 2−[4−(2−{4−[1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸の製造
反応容器に実施例15で製造された2−[4−(2−{4−[1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(2.3g)、カセイソーダ(0.6g)、およびエチルアルコール(13mL)を投入した後、50−55℃で3時間反応させた。蒸溜水(20mL)を投入した後、酢酸を投入してpH7に調節した。酢酸エチル(50mL)を投入して攪拌した後、層分離した。有機層を減圧濃縮し、ブタノール(9mL)を投入して加温溶解した後、冷却して、結晶が析出されれば、減圧濾過して、2−[4−(2−{4−[1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸(1.84g、収率85%、HPLC純度99%以上)を得た。
【0118】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:δ1.08(t、3H)、1.59(s、6H)、2.15−2.30(m.4H)、2.64−2.79(m、6H)、3.25(s、1H)、3.67(q、2H)、3.47(m、2H)、3.71(t、2H)、4.32(t、2H)、6.79(d、2H)、7.26(m、2H)、7.29−7.32(m、3H)、7.76(t、1H)
【0119】
<実施例18> 2−[1−(2−{4−[1−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル)−1−メチル−エチル]−フェニル}−エチル)−ピペリジン−4−イル]−1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾールの製造
反応容器に実施例9で製造された2−{1−[4−(2−クロロ−エチル)−フェニル]−1−メチル−エチル}−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール(1.9g)、炭酸ナトリウム(0.8g)、実施例12で製造された1−(2−エトキシエチル)−2−ピペリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール(2.0g)、およびメチルアルコール(20mL)を投入し、還流条件で14時間反応させて、2−[1−(2−{4−[1−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル)−1−メチル−エチル]−フェニル}−エチル)−ピペリジン−4−イル]−1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール(4.4g、収率87%、HPLC純度98%以上)を得た。
【0120】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:1.10(t、3H)、1.27(s、6H)、1.57(s、6H)、1.92(m、2H)、2.10(m、4H)、2.60(t、2H)、2.80(t、2H)、3.01(m、1H)、3.10(d、2H)、3.41(q、2H)、3.70(t、2H)、3.90(s、2H)、4.30(t、2H)、7.10〜7.32(m、7H)、7.8(m、1H)
【0121】
<実施例19> 2−[4−(2−{4−[1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸の製造
反応容器に実施例18で製造された2−[1−(2−{4−[1−(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール−2−イル)−1−メチル−エチル]−フェニル}−エチル)−ピペリジン−4−イル]−1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール(4.4g)および塩酸水溶液(50mL)を投入して還流攪拌し、反応が完了した後にカセイソーダ水溶液を投入してpH7に調節した。酢酸エチル(50mL)を投入して層分離した後、有機層を減圧濃縮し、ブタノール(9mL)を投入して加温溶解させた。その後、冷却して、結晶が析出されれば減圧濾過して、2−[4−(2−{4−[1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸(3.43g、収率87%、HPLC純度99%以上)を得た。
【0122】
H−NMR、400MHz、CDCl、ppm:δ1.08(t、3H)、1.59(s、6H)、2.15−2.30(m.4H)、2.64−2.79(m、6H)、3.25(s、1H)、3.67(q、2H)、3.47(m、2H)、3.71(t、2H)、4.32(t、2H)、6.79(d、2H)、7.26(m、2H)、7.29−7.32(m、3H)、7.76(t、1H)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式2の化合物および化学式3の化合物を反応させる段階を含む化学式1に記載の2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体の製造方法:
【化1】

【化2】

【化3】

上記の式で、Aは酸素または窒素であり、Aが酸素である場合、Rは水素またはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Aが窒素である場合、RはAと共に5−7の員環を形成し、前記環は、非置換のものかまたはC−C直鎖または分岐アルキルに置換されることができ、Rは水素または−CHCHOR′であり(但し、Aが窒素であれば、Rは−CHCHOR′である。)、R′は、水素、C−C直鎖または分岐アルキル、C−C環状アルキル、またはC−Cアルケニルであり、Xは離脱基である。
【請求項2】
前記反応段階が、ナトリウムC−Cアルコキシド、カリウムC−Cアルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸カリウム、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、およびトリエチルアミンからなる群より選択される少なくとも1種以上の塩基の存在下で行われる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記反応生成物をエステル加水分解する段階をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記反応生成物のRが水素である場合、前記反応生成物を化学式9の化合物と反応させる段階をさらに含む、請求項1に記載の製造方法:
【化4】

上記の式で、R′は、水素、C−C直鎖または分岐アルキル、C−C環状アルキル、またはC−Cアルケニルであり、Yは離脱基である。
【請求項5】
化学式1の2−メチル−2′−フェニルプロピオン酸誘導体が、2−[4−(2−{4−[1−(2−エトキシ−エチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−エチル)−フェニル]−2−メチル−プロピオン酸である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記化学式2の化合物が下記の化学式2aで示される化合物である、請求項1に記載の製造方法:
【化5】

上記の式で、Rは水素またはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Xは離脱基である。
【請求項7】
化学式4の化合物および化学式5の化合物を反応させて化学式6の化合物を形成する段階、および化学式6の−OB基を離脱基Xに置き換えて化学式2aの化合物を形成する段階をさらに含む、請求項6に記載の製造方法:
【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

上記の式で、Halはハロゲンであり、Rは水素またはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、RはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Bは水素またはシリル保護基であり、Xは離脱基である。
【請求項8】
前記RとRが互いに異なる場合、化学式6の化合物のRをRに置き換える段階をさらに含む、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記化学式2の化合物が下記の化学式2bで示される化合物である、請求項1に記載の製造方法:
【化10】

上記の式で、Xは離脱基である。
【請求項10】
前記化学式3の化合物が下記の化学式3aで示される化合物である、請求項1に記載の製造方法:
【化11】

上記の式で、R′は、水素、C−C直鎖または分岐アルキル、C−C環状アルキル、またはC−Cアルケニルである。
【請求項11】
化学式7の化合物のピペリジン環のアミン基を保護基で保護して化学式8の化合物を形成する段階、化学式8の化合物および化学式9の化合物をN−アルキル化反応させて化学式10の化合物を形成する段階、および化学式10の化合物を脱保護反応させて化学式3aの化合物を形成する段階をさらに含む、請求項10に記載の製造方法:
【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

上記の式で、Pはアミン保護基であり、R′は、水素、C−C直鎖または分岐アルキル、C−C環状アルキル、またはC−Cアルケニルであり、Yは離脱基である。
【請求項12】
前記化学式8の化合物と化学式9の化合物を反応させる段階が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムC−Cアルコキシド、カリウムC−Cアルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸カリウム、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、およびトリエチルアミンからなる群より選択される少なくとも1種以上の塩基の存在下で行われる、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
化学式1aの化合物:
【化16】

上記の式で、Rは、水素またはC−Cの直鎖または分岐アルキルである。
【請求項14】
化学式2aの化合物:
【化17】

上記の式で、Rは水素またはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Xは離脱基である。
【請求項15】
化学式6の化合物の−OB基を離脱基Xに置き換える段階を含む化学式2aの化合物の製造方法:
【化18】

【化19】

上記の式で、Rは水素またはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、RはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Bは水素またはシリル保護基であり、Xは離脱基である。
【請求項16】
前記RとRが互いに異なる場合、化学式6の化合物のRをRに置き換える段階をさらに含む、請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
化学式6の化合物:
【化20】

上記の式で、RはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Bは水素またはシリル保護基である。
【請求項18】
化学式4の化合物および化学式5の化合物を反応させる段階を含む化学式6の化合物の製造方法:
【化21】

【化22】

【化23】

上記の式で、Halはハロゲンであり、RはC−Cの直鎖または分岐アルキルであり、Bは水素またはシリル保護基である。
【請求項19】
前記反応段階がパラジウム触媒の存在下で行われる、請求項18に記載の化合物の製造方法。
【請求項20】
化学式7の化合物のピペリジン環のアミン基を保護基で保護して化学式8の化合物を形成する段階、化学式8の化合物と化学式9の化合物をN−アルキル化反応させて化学式10の化合物を形成する段階、および化学式10の化合物を脱保護反応させて化学式3aの化合物を形成する段階を含む化学式3aの化合物の製造方法:
【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

上記の式で、Pはアミン保護基であり、R′は、水素、C−C直鎖または分岐アルキル、C−C環状アルキル、またはC−Cアルケニルであり、Yは離脱基である。
【請求項21】
前記化学式8の化合物と化学式9の化合物を反応させる段階が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムC−Cアルコキシド、カリウムC−Cアルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸カリウム、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、およびトリエチルアミンからなる群より選択される少なくとも1種以上の塩基の存在下で行われる、請求項20に記載の製造方法。

【公表番号】特表2011−511788(P2011−511788A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545812(P2010−545812)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000668
【国際公開番号】WO2009/102155
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(500309919)ユーハン・コーポレイション (16)
【氏名又は名称原語表記】YUHAN Corporation
【Fターム(参考)】