説明

2−(キノリン−5−イル)−4,5ジ置換−アゾール誘導体の合成のための方法および中間体

本出願は、2−(キノリン−5−イル)−4,5−ジ置換−アゾール誘導体を合成するための新規な方法を開示し、この誘導体は、例えば、医薬製剤におけるPDE IV阻害化合物として使用することができる。一つの実施形態において、本発明は、より安全な原料を利用し、工業的規模での生産に適したバッチ規模への実用的なスケールアップを可能にする合成スキームを提供するPDE IV阻害化合物を調製するのに有用な合成スキームを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本出願は、2−(キノリン−5−イル)−4,5ジ置換−アゾール誘導体に対する新規な方法およびその合成に有用な中間体を開示し、この誘導体は、例えば、医薬活性化合物としての有用性を有する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
PDE−4阻害化合物として医薬活性を有する2−(キノリン−5−イル)−4,5ジ置換−アゾール誘導体(式I)は、特許文献1(’009刊行物)および特許文献2(’062刊行物)に記載されており、それら刊行物の各々は、2005年5月16日(’009刊行物)に出願されたものであり、それらの各々は、引用により本明細書中にその全体が取り込まれる:
【0003】
【化1】

[式中、
Xは、OまたはSであり;
は、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル(C−C)アルキル−、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)アルキルまたは−C(O)NR1819であり;
は、−ORまたは−N(R)(R)であり、ここでRは、直鎖、分枝もしくは環状のアルキル、または置換された直鎖、分枝もしくは環状のアルキルであり、RおよびRは、下記で定義され;
およびRは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択され;
5aおよびR6bは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、メルカプトアルキル、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)OH、−C(O)Oアルキルおよび−C(O)NR4344からなる群から選択され;
tは、1または2であり;
は、H、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、(R17−フェニル)アルキルまたは−CH−C(O)−O−アルキルであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルキル−NR1819、シアノアルキル、R23−ヘテロアリール、R23−ヘテロアリールアルキル、(R36−ヘテロシクロアルキル)アルキル、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、R17−ナフチル、(R17−ナフチル)アルキル、R17−ベンジルオキシ、−アルキル−C(O)−NR1819、−アルキル−C(O)−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−C(O)−N(R30)−(シクロアルキル)、−アルキル−C(O)−(R36−ヘテロシクロアルキル);−アルキル−N(R30)−C(O)Oアルキル、−アルキル−N(R30)−C(O)−NR1819、−アルキル−N(R30)−C(O)アルキル、−アルキル−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R39−シクロアルキル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R17−フェニル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−N(R30)−C(O)−アルキレン−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−NH−SO−NR1819、−アルキル−N(R30)−(R17−フェニル)、−アルキル−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−O−(R17−フェニル)、−アルキル−O−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−N(R30)−SO−アルキル、R45−ヒドロキシアルキル、R17−ベンジルオキシで置換されたジヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたジヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたアルコキシアルキル、−COアルキルで置換された(R17−フェニル)アルキル、−C(O)NHで置換された(R17−フェニル)アルキル、(R23−ヘテロアリール)および−C(O)NR3738で置換されたアルキル、R12−シクロアルキル、(R12−シクロアルキル)アルキル、
【0004】
【化2】

であるか;
または、RおよびRならびにそれらが結合する窒素は一緒になって、環系を形成し、この環系は、以下からなる群から選択され:
【0005】
【化3】

pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
点線は、任意の2重結合を表し;
は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、−CHF、−CHFまたはCFであり;
10、R11、およびR13は、独立して、Hおよびハロからなる群から選択され;
12は、1個〜3個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−シクロアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)−NR1819および−(CH−C(O)−NR1819からなる群から選択され;
14は、1個または2個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、OH、ハロ、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−CF、CN、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、−NR1819、アルキル−NR1819、−(CH−C(O)OH、−(CH−C(O)Oアルキル、−(CH−C(O)アルキル、−(CH−C(O)(R35−フェニル)、−(CH−C(O)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−C(O)NR1819、−(CH−C(O)N(R30)−(CH−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)−(シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)(R35−フェニル)、−(CH−N(R30)−C(O)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)C(O)NR1819、−(CH−N(R30)−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)シクロアルキル、−(CH−N(R30)(R17−フェニル)、−(CH−N(R30)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R18)SOアルキル、−(CH−N(R20)SO−(R17−フェニル)、−(CH−N(R30)SO−CF、−CHS(O)0−2(R35−フェニル)、−(CH−OC(O)N(R30)アルキル、R23−ヘテロアリール、(R23−ヘテロアリール)アルキル、(R23−ヘテロアリール)オキシ、(R23−ヘテロアリール)アミノ、−CH(OH)−(R17−フェニル)、−CH(OH)−(R23−ヘテロアリール)、−C(=NOR30)−(R17−フェニル)、−C(=NOR30)−(R23−ヘテロアリール)、モルホリニル、チオモルホリニル、
【0006】
【化4】

からなる群から選択され;
wは、0または1であり;
または2個のR14置換基とそれら両方が結合している炭素は、−C(=NOR30)−または−C(O)−を形成し;
各nは、独立して、0、1、2または3であり;
15は、H、アルキル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−C(O)Oアルキル、−C(O)O(R30−シクロアルキル)、−アルキル−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレン−(R35−フェニル)、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、−CH−(R17−フェニル)、R23−ヘテロアリール、−(CH−C(O)NR1819、−SO−アルキル、−SO−シクロアルキル、−SO−CF、−SO−(R35−フェニル)、−SO−NR1819、−C(O)アルキル、−C(O)−(フルオロアルキル)、−C(O)−C(CH)(CF、−C(O)−(R17−フェニル)、−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)−ヒドロキシアルキル、−C(O)−アルコキシアルキル、−C(O)−(R39−シクロアルキル)、−C(O)−アルキレン−(R17−フェニル)、−C(O)−アルキレン−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)−アルキレン−S−C(O)アルキル、−C(=S)−(R17−フェニル)、R17−フェニルで置換されたヒドロキシアルキル、R23−ヘテロアリールで置換されたヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたアルコキシアルキル、R23−ヘテロアリールで置換されたアルコキシアルキル、
【0007】
【化5】

であり、ここで、zは、0、1または2であり;
16は、1個〜4個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、(R23−ヘテロアリール)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択されるか、または2個のR16基とそれら両方が結合する炭素は、−C(O)−を形成し;
17は、フェニル部分の水素を置換する1個〜3個の置換基を表し、この置換基の各々は、独立して、ハロ、アルキル、シクロアルキル、−OH、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−OCF、−OCHF、−OCHF、−C(O)OH、−C(O)Oアルキル、−C(O)O−(R35−フェニル)、−C(O)アルキル、−C(O)−(R35−フェニル)、−SOアルキル、−SOアルキル、−SO−CF、アルキルチオ、−NR4344、−アルキル−NR4344およびヘテロアリールからなる群から選択されるか;または隣接炭素原子上の2個のR17置換基は、一緒になって、−O−CH−O−、−O−(CH−O−、−(CH−O−もしくは−O−CH−O−CH−を形成し;
18およびR19は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、R17−フェニルおよび(R17−フェニル)アルキルからなる群から選択され;
20は、H、アルキル、またはシクロアルキルであり;
22は、1個〜4個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、−CF、−NHおよびR35−フェニルからなる群から選択され;
23は、1個〜4個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、−CF、−NR1819、−CN、−C(O)Oアルキル、−NHSO−アルキルおよびR35−フェニルからなる群から選択され;
24は、H、OHまたはアルコキシであるか;または任意の2重結合が存在する場合、R24と隣接炭素原子とは、2重結合を形成し;
25は、HまたはR35−フェニルであり;
27は、1個〜3個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、ハロ、OH、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−CF、−CN、−C(O)OH、−C(O)Oアルキル、−C(O)N(R30)(R18)、−C(O)−(R36−ヘテロシクロアルキル)、R17−フェニル、(R17−フェニル)−アルキル、R23−ヘテロアリール、(R23−ヘテロアリール)アルキル、(R23−ヘテロアリール)オキシ、(R23−ヘテロアリール)アミノNR1819、NR1819−アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)アルコキシアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)(シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)O−アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)O−(CF−アルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)O−(R39−シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)O−アルキレン−シクロアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−N(R30)(R20)、−(CH−N(R30)−SO−アルキル、−(CH−N(R30)−SO−CF、−(CH−N(R30)−SO−N(R30および
【0008】
【化6】

からなる群から選択されるか、または2個のR27基とそれら両方が結合する炭素は、−C(=NOR30)−または−C(O)−を形成し;
28は、H、アルキル、R35−ベンジルまたは−アルキル−C(O)O−アルキルであり;
29は、アルキル、−C(O)Oアルキル、−C(O)アルキル、−C(O)シクロアルキル、−C(O)−(R17−フェニル)、−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−SO−アルキル、−SO−(R35−フェニル)、−C(O)NR1819、R35−フェニル、(R35−フェニル)アルキルまたはR23−ヘテロアリールであり;
30は、独立して、H、アルキルおよびR35−ベンジルからなる群から選択され;
31は、H、アルキル、R35−ベンジルまたはフェノキシアルキルであり;
33は、H、OHまたはアルコキシであり;
34は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたは−C(O)Oアルキルであり;
35は、1個〜3個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、ハロ、アルキル、OH、−CFおよびアルコキシからなる群から選択され;
36は、1個または2個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、R17−フェニル、アルコキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択されるか;または2個のR36基とそれら両方が結合する炭素は、−C(=NOR30)−または−C(O)−を形成し;
37およびR38は、独立して、Hおよびアルキルからなる群から選択されるか、またはR37およびR38は、一緒になって、−(CH−または−(CH−であり、また、それらが結合する窒素と一緒になって、環を形成し;
39は、H、OH、アルキル、アルコキシ、またはCFであり;
40は、−OR30または−NHC(O)アルキルであり;
41は、Hまたは−SOアルキルであり;
42は、−(CH−(R35−フェニル)、−(CH−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)Oアルキルまたは−C(O)アルキルであり;
43およびR44は、独立して、Hおよびアルキルからなる群から選択され;そして
45は、1個または2個の置換基であり、この置換基は、独立して、ハロ、アルコキシアルキル、−COアルキル、R17−フェニル、R23−ヘテロアリールおよびシクロアルキルからなる群から選択される]。
【0009】
式Iの化合物は、上記で引用した公開された出願、例えば特許文献1の25頁〜32頁に記載され、特許文献2および特許文献1の全体にわたって例示された合成手順および合成スキームを用いて調製することができる。1例は、特許文献1の26頁〜28頁で示される合成スキームであり、スキームIとして下記に要約される。
【0010】
(スキームI)
【0011】
【化7】

【0012】
【化8】

特に関心のある式Iの化合物は、式IXaaおよび式IXab(下記)の構造を有する化合物を含む。
【0013】
【化9】

これらの化合物を調製する方法は、例えば、2006年5月18日に公開された特許文献2(上記の’062刊行物)に記載されている。特に、特許文献2は、83頁〜86頁において式IXaaの化合物を調製するためのバッチ製法(193頁で説明されている、実施例化合物26〜347の調製における調製実施例5〜7)、および380頁〜382頁における式IXabの化合物の調製方法(383頁で説明されている、実施例化合物38〜8の調製における調製実施例8〜11)を記述しており、それらの製法の各々は、引用により本明細書にその全体が取り込まれ、それらの各々については以下に更に詳しく述べる。
【0014】
また、式IXabの化合物は、スキームIaにしたがって調製されている。
【0015】
(スキームIa)
【0016】
【化10】

スキームIaに関して、式Ia1の化合物の式Ib1の酸ハライド処理による式Ia2−エステルの3置換オキサゾールの調製、または式Ia2−エステルのオキサゾールのエステル官能基の加水分解により調製されるその関連した酸(Ia2−酸)の調製は、望ましくない高レベルの副反応生成物を含む生成物を提供し、出発原料の利用能が劣ることを示す。
【0017】
同様に、上記’009刊行物に記載されているように、145頁の実施例8から始まり26頁および27頁の合成スキームを参考にして、式IXaaの化合物は、スキームIaaに従って調製することができる。
【0018】
(スキームIaa)
【0019】
【化11】

上記から理解されるように、式1のPDE IV化合物の合成の重要な工程は、スキームIb(下記)で図示され、合成スキームI、IaおよびIaaのうちのいずれかの工程2で示され、それはキノリニル中間体化合物(スキームIbに関しては化合物10)を、酸フルオリドのアシル化試薬(11)を用いてアシル化することによる、オキサゾール環の形成であり、これはオキサゾリン−置換キノリン化合物(IV)を提供する。
【0020】
(スキームIb)
【0021】
【化12】

’009刊行物に記述され、下記スキームIcで図示されるように、これらのスキームにしたがってこれらの重要な中間体を調製するために必要な酸フルオリドのアシル化試薬(11)(例えば、スキームIaa、工程2では式18aの化合物(式中、RおよびRは、水素であり、Rは、t−BOCであり、Rは、t−ブトキシメチル−である))自体は、スキームIcで図示されるように、対応する酸を有毒で不安定なフッ化シアヌル酸(9)で処理することによって調製される。
【0022】
(スキームIc)
【0023】
【化13】

理解されるように、アシル化試薬が、アシル化試薬を調製するために使用される条件下で、またはアシル化条件下で、望ましくない副反応に敏感であり得る官能基を含む酸から提供される場合、敏感な官能基は保護基に変換され、フッ素化および/またはその後のアシル化反応が実施される。この方法は、危険で有毒な試薬であるフッ化シアヌル酸の取り扱いを必要とする。危険性物質であることに加えて、フッ化シアヌル酸は、酸フルオリド中間体の工業規模の調製に適した規模で大量に利用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】国際公開第2005/116009号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0106062号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
(発明の目的および概要)
上記に鑑みて、必要なのは、より安全な原料を利用し、工業的規模での生産に適したバッチ規模への実用的なスケールアップを可能にする合成スキームを提供するPDE IV阻害化合物を調製するのに有用な合成スキームである。これらおよび他の目的および/または利点は本発明によって提供される。
【0026】
本発明の1態様は、PDE IV阻害化合物としての医薬活性を有する式Iの化合物の調製に有用な2−(キノリン−5−イル)−4,5ジ置換−アゾール誘導体中間体化合物を提供する際に有用な中間体を調製する新規な方法である:
【0027】
【化14】

[式中、
tは、1または2であり;
Xは、OまたはSであり;
は、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル(C−C)アルキル−、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)アルキルまたは−C(O)NR1819であり;
は、−OR2aまたは−N(R)(R)であり、ここでR2aは、直鎖、分枝、もしくは環状のアルキル、または置換された直鎖、分枝、もしくは環状のアルキルであり、RおよびRは、下記で定義され;
およびRは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択され;
5aおよびR6bは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、メルカプトアルキル、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)OH、−C(O)Oアルキルおよび−C(O)NR4344からなる群から選択され;
は、H、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、(R17−フェニル)アルキルまたは−CH−C(O)−O−アルキルであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルキル−NR1819、シアノアルキル、R23−ヘテロアリール、R23−ヘテロアリールアルキル、(R36−ヘテロシクロアルキル)アルキル、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、R17−ナフチル、(R17−ナフチル)アルキル、R17−ベンジルオキシ、−アルキル−C(O)−NR1819、−アルキル−C(O)−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−C(O)−N(R30)−(シクロアルキル)、−アルキル−C(O)−(R36−ヘテロシクロアルキル);−アルキル−N(R30)−C(O)Oアルキル、−アルキル−N(R30)−C(O)−NR1819、−アルキル−N(R30)−C(O)アルキル、−アルキル−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R39−シクロアルキル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R17−フェニル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−N(R30)−C(O)−アルキレン−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−NH−SO−NR1819、−アルキル−N(R30)−(R17−フェニル)、−アルキル−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−O−(R17−フェニル)、−アルキル−O−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−N(R30)−SO−アルキル、R45−ヒドロキシアルキル、R17−ベンジルオキシで置換されたジヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたジヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたアルコキシアルキル、−COアルキルで置換された(R17−フェニル)アルキル、−C(O)NHで置換された(R17−フェニル)アルキル、(R23−ヘテロアリール)および−C(O)NR3738で置換されたアルキル、R12−シクロアルキル、(R12−シクロアルキル)アルキル、
【0028】
【化15】

であるか;
または、RおよびRと、それらが結合する窒素と一緒になって、環系を形成し、この環系は、以下からなる群から選択され:
【0029】
【化16】

pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
点線は、任意の2重結合を表し;
は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、−CHF、−CHFまたはCFであり;
10、R11、およびR13は、独立して、Hおよびハロからなる群から選択され;
12は、1個〜3個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−シクロアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)−NR1819および−(CH−C(O)−NR1819からなる群から選択され;
14は、1個または2個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、OH、ハロ、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−CF、CN、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、−NR1819、アルキル−NR1819、−(CH−C(O)OH、−(CH−C(O)Oアルキル、−(CH−C(O)アルキル、−(CH−C(O)(R35−フェニル)、−(CH−C(O)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−C(O)NR1819、−(CH−C(O)N(R30)−(CH−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)−(シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)(R35−フェニル)、−(CH−N(R30)−C(O)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)C(O)NR1819、−(CH−N(R30)−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)シクロアルキル、−(CH−N(R30)(R17−フェニル)、−(CH−N(R30)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R18)SOアルキル、−(CH−N(R20)SO−(R17−フェニル)、−(CH−N(R30)SO−CF、−CHS(O)0−2(R35−フェニル)、−(CH−OC(O)N(R30)アルキル、R23−ヘテロアリール、(R23−ヘテロアリール)アルキル、(R23−ヘテロアリール)オキシ、(R23−ヘテロアリール)アミノ、−CH(OH)−(R17−フェニル)、−CH(OH)−(R23−ヘテロアリール)、−C(=NOR30)−(R17−フェニル)、−C(=NOR30)−(R23−ヘテロアリール)、モルホリニル、チオモルホリニル、
【0030】
【化17】

からなる群から選択され、
wは、0または1であり;
または2個のR14置換基とそれら両方が結合している炭素は、−C(=NOR30)−または−C(O)−を形成し;
各nは、独立して、0、1、2または3であり;
15は、H、アルキル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−C(O)Oアルキル、−C(O)O(R30−シクロアルキル)、−アルキル−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレン−(R35−フェニル)、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、−CH−(R17−フェニル)、R23−ヘテロアリール、−(CH−C(O)NR1819、−SO−アルキル、−SO−シクロアルキル、−SO−CF、−SO−(R35−フェニル)、−SO−NR1819、−C(O)アルキル、−C(O)−(フルオロアルキル)、−C(O)−C(CH)(CF、−C(O)−(R17−フェニル)、−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)−ヒドロキシアルキル、−C(O)−アルコキシアルキル、−C(O)−(R39−シクロアルキル)、−C(O)−アルキレン−(R17−フェニル)、−C(O)−アルキレン−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)−アルキレン−S−C(O)アルキル、−C(=S)−(R17−フェニル)、R17−フェニルで置換されたヒドロキシアルキル、R23−ヘテロアリールで置換されたヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたアルコキシアルキル、R23−ヘテロアリールで置換されたアルコキシアルキル、
【0031】
【化18】

であり、ここで、zは、0、1または2であり;
16は、1個〜4個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、(R23−ヘテロアリール)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択されるか、または2個のR16基とそれら両方が結合している炭素は、−C(O)−を形成し;
17は、フェニル部分の水素を置換する1個〜3個の置換基を表し、この置換基の各々は、独立して、ハロ、アルキル、シクロアルキル、−OH、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−OCF、−OCHF、−OCHF、−C(O)OH、−C(O)Oアルキル、−C(O)O−(R35−フェニル)、−C(O)アルキル、−C(O)−(R35−フェニル)、−SOアルキル、−SOアルキル、−SO−CF、アルキルチオ、−NR4344、−アルキル−NR4344およびヘテロアリールからなる群から選択されるか;または隣接炭素原子上の2個のR17置換基は、一緒になって、−O−CH−O−、−O−(CH−O−、−(CH−O−もしくは−O−CH−O−CH−を形成し;
18およびR19は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、R17−フェニルおよび(R17−フェニル)アルキルからなる群から選択され;
20は、H、アルキル、またはシクロアルキルであり;
22は、1個〜4個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、−CF、−NHおよびR35−フェニルからなる群から選択され;
23は、1個〜4個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、−CF、−NR1819、−CN、−C(O)Oアルキル、−NHSO−アルキルおよびR35−フェニルからなる群から選択され;
24は、H、OHまたはアルコキシであるか;または任意の2重結合が存在する場合、R24とその隣接炭素原子は、2重結合を形成し;
25は、HまたはR35−フェニルであり;
27は、1個〜3個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、ハロ、OH、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−CF、−CN、−C(O)OH、−C(O)Oアルキル、−C(O)N(R30)(R18)、−C(O)−(R36−ヘテロシクロアルキル)、R17−フェニル、(R17−フェニル)−アルキル、R23−ヘテロアリール、(R23−ヘテロアリール)アルキル、(R23−ヘテロアリール)オキシ、(R23−ヘテロアリール)アミノNR1819、NR1819−アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)アルコキシアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)(シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)O−アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)O−(CF−アルキル)、−(CHN(R30)−C(O)O−(R39−シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)O−アルキレン−シクロアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−N(R30)(R20)、−(CH−N(R30)−SO−アルキル、−(CH−N(R30)−SO−CF、−(CH−N(R30)−SO−N(R30および
【0032】
【化19】

からなる群から選択されるか、または2個のR27基とそれら両方が結合する炭素は、−C(=NOR30)−または−C(O)−を形成し;
28は、H、アルキル、R35−ベンジルまたは−アルキル−C(O)O−アルキルであり;
29は、アルキル、−C(O)Oアルキル、−C(O)アルキル、−C(O)シクロアルキル、−C(O)−(R17−フェニル)、−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−SO−アルキル、−SO−(R35−フェニル)、−C(O)NR1819、R35−フェニル、(R35−フェニル)アルキルまたはR23−ヘテロアリールであり;
30は、独立して、H、アルキルおよびR35−ベンジルからなる群から選択され;
31は、H、アルキル、R35−ベンジルまたはフェノキシアルキルであり;
33は、H、OHまたはアルコキシであり;
34は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたは−C(O)Oアルキルであり;
35は、1個〜3個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、ハロ、アルキル、OH、−CFおよびアルコキシからなる群から選択され;
36は、1個または2個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、R17−フェニル、アルコキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択されるか;または2個のR36基とそれら両方が結合する炭素は、−C(=NOR30)−または−C(O)−を形成し;
37およびR38は、独立して、Hおよびアルキルからなる群から選択されるか、またはR37およびR38は、一緒になって、−(CH−または−(CH−であり、また、それらが結合する窒素と一緒になって、環を形成し;
39は、H、OH、アルキル、アルコキシ、またはCFであり;
40は、−OR30または−NHC(O)アルキルであり;
41は、Hまたは−SOアルキルであり;
42は、−(CH−(R35−フェニル)、−(CH−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)Oアルキルまたは−C(O)アルキルであり;
43およびR44は、独立して、Hおよびアルキルからなる群から選択され;そして
45は、1個または2個の置換基であり、この置換基は、独立して、ハロ、アルコキシアルキル、−COアルキル、R17−フェニル、R23−ヘテロアリールおよびシクロアルキルからなる群から選択され、
ここで上記中間体(この中間体から式Iの化合物が調製される)は、式IV:
【0033】
【化20】

(式中、
、R、R、R、R10、R11、およびR13は、上で定義した通りであり、R2bは、直鎖、分枝または環状のアルキルおよびベンジルから選択され、ここでこの選択された基は、場合により1個以上の電子吸引性基で置換されており、そして、隣接するカルボニル炭素の塩基加水分解を可能とするか、または促進し、好ましくは、R2bは、炭素原子が4個以下の直鎖アルキルであり、より好ましくは、R2bはエチルであり、RおよびRは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、メルカプトアルキル、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)O−アルキルおよび−C(O)NR43a44aからなる群から選択され、ここでR43aおよびR44aは、出現毎に独立して、H、アルキルおよび窒素保護基から選択される)の化合物を含み、この中間体の調製方法は、
(a)式II:
【0034】
【化21】

の化合物を、アシル化試薬と、式II中の化合物に存在するチオアミド酸メチルエステル官能基の窒素に結合している炭素からプロトンを引き抜くための充分なプロトン親和性を有するルイス塩基の存在下、反応させることを含み、上記アシル化塩基は、
(a)式III:
【0035】
【化22】

の酸無水物化合物、
(b)式IIIs:
【0036】
【化23】

のアルキルエステル炭酸無水化合物、
(d)式IIIq:
【0037】
【化24】

のN−アルコキシアミド化合物、および
(e)式IIIr:
【0038】
【化25】

のエステル
(式中、
2bは、上記で定義した通りであり;
およびRは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、メルカプトアルキル、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)O−アルキルおよび−C(O)NR43a44aからなる群から選択され、ここでR43aおよびR44aは、出現毎に独立して、H、アルキルおよび窒素保護基の群から選択され、好ましくは、RおよびRのうちの1つは、水素であり、他方はt−ブトキシメチル−であり;
およびRのうちの1つは、酸に対して不安定な窒素保護基であり、RおよびRのうちの他方は、H、および直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和のアルキルから選択され;
46aは、直鎖、分枝または環状のアルキルであって、このアルキルは、場合により電子吸引性置換基(例えば塩素)で置換されていてもよく、好ましくは、R46aは、隣接するアシル炭素への求核的攻撃に対する立体障害を提供するように選択され、より好ましくは、R46aは、t−ブチル基であり;
46bは、直鎖、分枝もしくは環状の、飽和もしくは不飽和のアルキル、アルキルアリール、またはアリール基であり、それらの各々は、場合により電子吸引性基で置換されており、置換されている場合には、好ましくは、置換基は、ハロゲン(例えば塩素)およびNOから選択され;
46は、出現毎に独立して、直鎖、分枝もしくは環状の、飽和もしくは不飽和のアルキル、アリール、およびアルカリルから選択され、それらの各々は、場合によりハロゲンおよび−NOで置換されており;
47は、出現毎に独立して直鎖、分枝もしくは環状の、飽和もしくは不飽和のアルキル、アリール、およびアルカリルから選択され、それらの各々は、場合により電子吸引性基で置換されており、好ましくは、R47は、5個以下の炭素原子のアルキルであり;
48は、出現毎に独立して、直鎖、分枝または環状の求電子性アルキルから選択され;および
、R、R10、R11、およびR13は、上で定義した通りである)から選択される。
【0039】
いくつかの実施形態では、使用されるルイス塩基は、金属アミド(例えば、ナトリウムアミド、リチウムアミド);金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド)、および金属アルキル(例えば、アルキルリチウム)から選択されるのが好ましい。
【0040】
いくつかの実施形態では、ルイス塩基(上記で定義された)の存在下、式IIの化合物と反応させるアシル化試薬は、式IIIp:
【0041】
【化26】

(式中、RおよびR46aは、上に定義したとおりであり、R50は、出現毎に独立して選択され、直鎖、分枝もしくは環状のアルキルから選択され、または2つのR50置換基は、一緒になって環状アルキルスピロ環を形成し、好ましくは、各R50は、HC−(メチル)であり、R6aは、Hおよび直鎖、分枝または環状のアルキルから選択される)の酸無水物であることが好ましく、式IVa:
【0042】
【化27】

(式中、R、R2b、R、R6a、R、R10、R11、およびR13は、上に定義した通りである)の構造の化合物を形成する。
【0043】
式IIIpの構造を有する無水物を使用するいくつかの実施形態では、Rが、置換基:
【0044】
【化28】

であることが好ましく、したがって、化合物は、式IIIpa:
【0045】
【化29】

(式中、R6aおよびR46aは、上に定義した通りであり、好ましくは、R6aは、Hであり、R46aは、t−ブチルである)の構造を有し、したがって、式IIIpaの化合物は、式IIIpa1:
【0046】
【化30】

の構造を有し、式IVa1:
【0047】
【化31】

の構造を有する式IVaの化合物を生成する。
【0048】
加水分解条件下、例えば、下記のスキームIVの工程4の条件下に置かれた場合、それは参照スキームに記載されたように、工程4の前にエスエル基(O−R2b)を上に定義した「R」基に誘導することを含み、式IVa(図示)の化合物の左側のオキサゾリジン部分は、開環と窒素保護基の欠失を受けて式IVb:
【0049】
【化32】

(式中、R、R、R、R、R10、R11、およびR13は、上に定義された通りである)の化合物を形成することが理解されるであろう。上記の方法により提供される式IVおよび式IVaの中間体化合物は、類似したオキサゾリン置換基を有するオキサゾリン置換キノリン化合物を使用する’009刊行物全体に記載されている様々な反応スキームで利用され得ることが理解されるであろう。したがって、本方法によって提供される中間体化合物のオキサゾリン環の種々の置換基は、同等のオキサゾリン置換キノリン化合物を提供するための’009刊行物に記載されたスキームおよび反応、例えば式IVaの化合物の右側のエステル部分をアミドに変換するアミド化反応において利用し得ることが理解されるであろう。この1例は、145頁から始まる’009出願に記載されている。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態では、式IIの化合物が、スルファニル−メチル−アミノ−酢酸エステル置換基により5位の炭素で置換された8−メトキシ−2−トリフルオロメチルキノリン(式V:
【0051】
【化33】

の化合物)が好ましく、ここで、R2bとR48は、上に定義された通りであり、出現毎に独立して選択され、上記の式III、IIIq、IIIr、IIIs、IIIp、およびIIIpaのアシル化試薬から選択されるアシル化試薬と反応させることが好ましい。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態では、式Vの化合物において、R48置換基は、好ましくはメチルであり、R2a置換基はエチルである。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態では、式IIIのアシル化試薬を使用するのが好ましく、より好ましいのは、「t」が1であり、R46aが、t−ブチルであり、RまたはRのうちの1つが、t−ブトキシカルボニル([(CHC−O−(O)C−])であり、他方がHであり、RまたはRのうちの1つが、t−ブトキシメチレン−であり、RおよびRのうちの他方が、Hである。いくつかの実施形態では、式IIIのアシル化試薬は、式VI:
【0054】
【化34】

(式中、t−Bocは、t−ブトキシカルボニルであり、R3azは、第3級ブトキシまたは水素である)の構造を有する化合物、すなわち式VIの保護されたセリンの酸無水物誘導体である。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態では、アシル化反応において、立体障害性の金属アミドを含むルイス塩基を使用するのが好ましい。いくつかの実施形態では、リチウムジイソプロピルアミドおよびナトリウムビストリメチルシリルアミドから選択されるルイス塩基を使用するのが好ましい。いくつかの実施形態では、アシル化反応では、2当量のルイス塩基を使用するのが好ましい。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明のオキサゾリン環形成反応(アシル化反応)は、好ましくは、より大きな反応スキーム、例えば合成スキームIIの工程IIに取り込まれ、これは式15のPDE IV阻剤化合物の調製を例示している。
【0057】
(スキームII)
工程1
【0058】
【化35】

(式中、R48は、直鎖、分枝または環状の求電子性アルキル基であり、好ましくは炭素原子が4個以下の直鎖アルキルであり、より好ましくはメチル基であり、そしてスルホニル、ハライドおよびスルファートから選択される求核性脱離基「X」、好ましくはハライド、より好ましくはヨージドに結合しており、R49は、直鎖、分枝または環状のアルキル基であり、好ましくは炭素原子が4個以下の直鎖アルキル基であり、より好ましくはエチル(−CHCH−)であり、R2aは、上で定義した通りである)。
【0059】
工程2
【0060】
【化36】

(式中、アシル化試薬のR49および「LG」(脱離基)は、アシル化試薬が以下:
(a)式III:
【0061】
【化37】

の無水物;
(b)式IIIs1:
【0062】
【化38】

のアルキルエステル炭酸無水化合物;
(d)式IIIq1:
【0063】
【化39】

のN−アルコキシアミド化合物;および
(e)式IIIr1:
【0064】
【化40】

のエステル
(式中、
2bは、直鎖、分枝もしくは環状のアルキルおよびベンジルから選択され、ここでこの選択された基は、場合により1個以上の電子吸引性基で置換されており、そして、隣接するカルボニル炭素の塩基による加水分解を可能とするか、または促進し、好ましくは、R2bは、炭素原子が4個以下の直鎖アルキルであり、より好ましくは、R2bは、エチルであり;
およびRは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、メルカプトアルキル、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)O−アルキルおよび−C(O)NR43a44aからなる群から選択され、ここでR43aおよびR44aは、出現毎に独立して、H、アルキルおよび窒素保護基の群から選択され、好ましくは、RおよびRのうちの1つは、水素であり、他方はt−ブトキシメチル−であり;
およびRのうちの1つは、酸に対して不安定な窒素保護基であり、RおよびRのうちの他方は、H、および直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和のアルキルから選択され;
46aは、直鎖、分枝または環状のアルキルであって、このアルキルは、場合により、電子吸引性置換基、例えば塩素により置換されていてもよく、好ましくは、R46aは、その隣接するアシル炭素への求核的攻撃に対する立体障害を提供するように選択され、より好ましくは、R46aは、t−ブチル基であり;
46bは、直鎖、分枝もしくは環状の、飽和もしくは不飽和のアルキル、アルキルアリール、またはアリール基であり、それらの各々は、場合により、電子吸引性基で置換されていてもよく、置換されている場合には、好ましくは、この置換基は、ハロゲン、例えば、塩素、およびNOから選択され;
46は、出現毎に独立して、直鎖、分枝もしくは環状の、飽和もしくは不飽和のアルキル、アリール、およびアルカリルから選択され、それらの各々は、場合によりハロゲンおよび−NOで置換されており;
47は、出現毎に独立して、直鎖、分枝もしくは環状の、飽和もしくは不飽和のアルキル、アリール、およびアルカリルから選択され、それらの各々は、場合により、電子吸引性基で置換されており、好ましくは、R47は、炭素原子が5個以下のアルキルであり;
48は、出現毎に独立して、直鎖、分枝または環状の求電子性アルキルであり;およ
、R、R10、R11、およびR13は、上で定義した通りである)であるように選択される)。
【0065】
工程3
【0066】
【化41】

任意工程3
【0067】
【化42】

(式中、Mは、アルカリ金属、好ましくはLiであり、R3aは、H、直鎖、分枝もしくは環状のアルキル、または窒素保護基であり、R、R、R、およびRは、上で定義した通りである)。
【0068】
スキームIIの方法のいくつかの実施形態では、式IIIpa1:
【0069】
【化43】

の構造を有し、式IVb:
【0070】
【化44】

の構造を有する式IVの化合物を生成する酸無水物アシル化試薬を工程2で使用することが好ましい。
【0071】
反応スキームIIの工程1に関して、本発明のいくつかの実施形態では、[(8−メトキシ−2−トリフルオロメチル−キノリン−5−カルボチオイル)−アミノ]酢酸エステル(15)の、式Vのアルキルスルファニル−メチレンアミノ酢酸エステルへの変換は、アルコキシド塩基としてナトリウムメトキシドを、そして求電子アルキル基および求核性脱離基としてヨウ化メチルを使用して好ましくは実施される。
【0072】
スキームIIの工程2に関して、アシル化反応で使われるルイス塩基は、好ましくは、立体障害性の金属アミド塩基、より好ましくは、リチウムジイソプロピルアミドおよびナトリウムビス−トリメチルシリルアミドから選択される。
【0073】
スキームIIの工程3で例示される本発明のいくつかの実施形態では、式IVのキノリン−5−イル−オキサゾリン−酢酸エステル化合物は、水酸化物塩基、例えば、LiOHで処理されて、オキサゾリンの4位炭素の側鎖である−C(O)OR2aエステル官能基を相当する酸に変換して化合物(18)を生成し、こうしてさらに誘導体化することができる反応性(酸)の官能基を提供する。酸性官能基の誘導体化は、工程3、例えば、2,4ジフルオロベンジルアミンを使用するアミド化でもまた例示される。
【0074】
無水物アシル化試薬を使用するいくつかの実施形態では、アシル化試薬は、酸の対応する塩から調製され、こうしてより安定な反応物を得る。したがって、スキームIIaで示されるように、無水物は、酸反応物をアミンで処理してアンモニウム塩錯体を形成することによって調製される。好ましくは、使用されるアミンは、第2級アミン、より好ましくは、それはジシクロヘキシルアミン(DCHA)である。次いで、錯体を酸クロリドと処理して無水物を得る。いくつかの実施形態では、このように形成されたアシル化試薬無水物は、さらにアルコール(例えば、4−ニトロフェノール)と反応させて、活性エステルアシル化試薬を提供することができる。
【0075】
(スキームIIa)
【0076】
【化45】

いくつかの好ましい実施形態では、R48は、
【0077】
【化46】

(シクロヘキシル)であり、基質は、式XXの部分であり、活性化剤は、t−ブチル部分であり、したがって、酸クロリドは、塩化ピバリルであって、反応スキームIIaから、それぞれ式IIIa1の無水物アシル化試薬および式IIIra1のエステルアシル化試薬を提供する。他のアルコールを使用することができ、好ましくは、場合により電子吸引性基で置換された4個以下の炭素数を有するものから選択されるアルキルアルコール、または1個以上の電子吸引性基、例えば4−ニトロフェノールで置換されたアリールまたはベンジルを使用することができる。
【0078】
【化47】

いくつかの好ましい実施形態では、合成スキームIIは、合成スキームIIIで示されるように実施される。
【0079】
(スキームIII)
【0080】
【化48】

【0081】
【化49】

スキームIIIのいくつかの実施形態において、工程1aでは:(a)ローソン試薬とトルエンを含む反応混合物を約80℃〜約90℃の温度に加熱して反応を実施するのが好ましい;(b)工程1では、反応混合物を約40℃〜約60℃の温度に冷却してエタノールで反応をクエンチするのが好ましい;(c)反応混合物を最初の容量の約20%の容量に濃縮することが好ましい;および/または(d)生成物を約0℃〜約5℃の温度で析出させるのが好ましい。スキームIIIのいくつかの実施形態において、工程1bでは:(a)反応混合物を最初に約0℃〜約−10℃の温度に冷却し、金属アルコキシド、好ましくは、ナトリウムエトキシドのエタノール系溶液を少なくとも約15分間かけて添加するのが好ましい;(b)R−Xを添加する前に、反応混合物を約−10℃〜約−20℃の温度に冷却するのが好ましく、R−X試薬としてMe−I(これは、15分間かけて添加される)を使用することが好ましい;(c)R−Xを添加した後、反応混合物を約−5℃〜約+5℃の温度に2.5時間にわたり加温するのが好ましい;(d)反応をKCOの3重量%水溶液でクエンチするのが好ましい;および/または(e)反応混合物を酢酸エチルとヘプタンからなる混合溶媒で抽出し、生成物をヘプタンから析出させるのが好ましい。
【0082】
スキームIII、工程2のいくつかの実施形態では、ナトリウムアミドを添加する前に、反応混合物を約−60℃〜約−70℃の温度に冷却するのが好ましい。スキームIII、工程2のいくつかの実施形態では、反応混合物中に存在する式VIIIの化合物の量に対して少なくとも約2当量のアミドを使うのが好ましい。スキームIII、工程2のいくつかの実施形態では、計約1.2当量のアシル化試薬を使用するのが好ましい。スキームIII、工程2のいくつかの実施形態では、塩基、次いでアシル化試薬の順で、反応混合物中に存在する式VIIIの化合物の量に対して約0.2当量〜約3当量の各アリコートで添加するのが好ましい。
【0083】
スキームIII、工程3aのいくつかの実施形態では:(a)式XIIの化合物の最初の量に対して少なくとも約2当量のLiOHを使用するのが好ましい;(b)反応物を氷浴温度で混合し、室温で脱エステル化反応を実施するのが好ましい;(c)反応時間の終了時点で、反応混合物を塩酸で滴定して約pH=3の酸性とするのが好ましい;(c)反応混合物からの酸の生成物を酢酸エチルで抽出するのが好ましい;および/または、(e)抽出された反応混合物を、THF中で混合した後、反応混合物がカールフィッシャー滴定法により約0.05%未満の含水量を示すまで、蒸留して乾燥させるのが好ましい。スキームIII、工程3bのいくつかの実施形態では:(a)少なくとも1.5当量のKCOで酸の生成物を中和し、反応混合物を約15℃の温度に維持するのが好ましい;(b)少なくとも約1当量の酸クロリド(好ましくは塩化トリメチルアセチル)でその塩を処理して塩を酸無水物に変換するのが好ましい;(c)酸無水物を約1当量のアミン、好ましくは第1級アミン、より好ましくは2,4−ジフルオロベンジルアミンと反応させることが好ましい;および/または(d)反応混合物に水を加えることによってアミド化生成物を析出させることが好ましい。
【0084】
スキームIII、工程3bのいくつかの実施形態では:(a)保護基を徐去するためにトリフルオロ酢酸を添加する前に、反応混合物を約10℃〜約0℃の温度に冷却し、その添加後、反応混合物を周囲温度(約20℃〜約25℃)に加温するのが好ましい;(b)4当量のトリフルオロ酢酸を添加し、反応後、好ましくは12時間後、反応混合物を濃縮し、2当量のトリフルオロ酢酸をさらに添加するのが好ましい;(c)反応混合物を炭酸カリウム水溶液での滴定により中和するのが好ましい;および/または(d)中和の終了時点で反応混合物に水を加え、混合物を冷却して生成物を析出させることが好ましい。
【0085】
本発明の別の態様は、スキームIa2:
(スキームIa2)
【0086】
【化50】

に従って、式IXabの化合物を調製する方法であり、この方法は、
(a)式Ib1aの無水物を提供すること;
(b)式VIIIaの化合物をアルカリ金属アミド塩基、好ましくはナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS))と反応させ、生成物を工程(a)で提供される無水物と反応させてIa2−エステルを得ること;
(c)式Ia2−エステルの化合物を水性塩基で処理して式Ia2−酸の化合物に変換すること;
(d)Ia2−酸の化合物を式Ib2aのアミノ塩化合物と反応させて式Ic2aの化合物を形成すること;および
(e)式Ic2aの化合物を脱保護して式IXabの化合物を形成すること;
から成る。
【0087】
いくつかの実施形態では、工程(a)における式IbIaの無水物の提供は、ジシクロヘキシルアミンの存在下、式Ib1b(N−Boc−L−アラニン):
【0088】
【化51】

の化合物と塩化トリメチルアセチルとを反応させることを含む方法により実施することが好ましい。
【0089】
本発明方法のいくつかの実施形態では、工程(b)は、反応混合物中に式Ia1の化合物を入れ、アルカリ金属アミド塩基のアリコートを、存在する式Ia1の化合物の全てと反応するのに必要とされるよりも少ない量で添加し、次いで等量の式Ib1aの無水化合物を加え、アミド、次いで無水物の添加を式Ia1の化合物の実質的に全てが反応するまで繰り返すことにより実施される。本発明方法のいくつかの実施形態では、10個の別々のアリコート中にアミドの必要量を加えるのが好ましい。
【0090】
本発明方法のいくつかの実施形態では、N−メチルピロリジン(NMP)と酢酸エチルの存在下、式Ib2a1:
【0091】
【化52】

の化合物をHClガスと反応させることによって提供された式Ib2a1のt−BOC−N保護前駆体を脱保護することによって式Ib2aの化合物を提供するのが好ましい。
【0092】
本発明の他の態様および利点は、以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0093】
(発明の詳細な説明)
上記したように、また‘009刊行物に記述されたように、式I(本明細書で定義された)の化合物は、PDE−IV阻害剤特性を有する有用な化合物である。
【0094】
【化53】

[式中、
Xは、OまたはSであり;
は、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル(C−C)アルキル−、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)アルキルまたは−C(O)NR1819であり;
は、−OR2aまたは−N(R)(R)であり、ここでR2aは、直鎖、分枝もしくは環状のアルキル、または置換された直鎖、分枝もしくは環状のアルキルであり、RおよびRは、下記で定義され;
およびRは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択され;
5aおよびR6bは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、メルカプトアルキル、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)OH、−C(O)Oアルキルおよび−C(O)NR4344からなる群から選択され;
tは、1または2であり;
は、H、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、(R17−フェニル)アルキルまたは−CH−C(O)−O−アルキルであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルキル−NR1819、シアノアルキル、R23−ヘテロアリール、R23−ヘテロアリールアルキル、(R36−ヘテロシクロアルキル)アルキル、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、R17−ナフチル、(R17−ナフチル)アルキル、R17−ベンジルオキシ、−アルキル−C(O)−NR1819、−アルキル−C(O)−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−C(O)−N(R30)−(シクロアルキル)、−アルキル−C(O)−(R36−ヘテロシクロアルキル);−アルキル−N(R30)−C(O)Oアルキル、−アルキル−N(R30)−C(O)−NR1819、−アルキル−N(R30)−C(O)アルキル、−アルキル−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R39−シクロアルキル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R17−フェニル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−N(R30)−C(O)−アルキレン−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−NH−SO−NR1819、−アルキル−N(R30)−(R17−フェニル)、−アルキル−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−O−(R17−フェニル)、−アルキル−O−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−N(R30)−SO−アルキル、R45−ヒドロキシアルキル、R17−ベンジルオキシで置換されたジヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたジヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたアルコキシアルキル、−COアルキルで置換された(R17−フェニル)アルキル、−C(O)NHで置換された(R17−フェニル)アルキル、(R23−ヘテロアリール)および−C(O)NR3738で置換されたアルキル、R12−シクロアルキル、(R12−シクロアルキル)アルキル、
【0095】
【化54】

であるか;
または、RとRおよびそれらが結合する窒素は一緒になって、環系を形成し、この環系は、以下からなる群から選択される:
【0096】
【化55】

pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
点線は、任意の2重結合を表し;
は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、−CHF、−CHFまたはCFであり;
10、R11、およびR13は、独立して、Hおよびハロからなる群から選択され;
12は、1個〜3個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−シクロアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)−NR1819および−(CH−C(O)−NR1819からなる群から選択され;
14は、1個または2個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、OH、ハロ、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−CF、CN、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、−NR1819、アルキル−NR1819、−(CH−C(O)OH、−(CH−C(O)Oアルキル、−(CH−C(O)アルキル、−(CH−C(O)(R35−フェニル)、−(CH−C(O)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−C(O)NR1819、−(CH−C(O)N(R30)−(CH−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)−(シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)(R35−フェニル)、−(CH−N(R30)−C(O)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)C(O)NR1819、−(CH−N(R30)−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)シクロアルキル、−(CH−N(R30)(R17−フェニル)、−(CH−N(R30)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R18)SOアルキル、−(CH−N(R20)SO−(R17−フェニル)、−(CH−N(R30)SO−CF、−CHS(O)0−2(R35−フェニル)、−(CH−OC(O)N(R30)アルキル、R23−ヘテロアリール、(R23−ヘテロアリール)アルキル、(R23−ヘテロアリール)オキシ、(R23−ヘテロアリール)アミノ、−CH(OH)−(R17−フェニル)、−CH(OH)−(R23−ヘテロアリール)、−C(=NOR30)−(R17−フェニル)、−C(=NOR30)−(R23−ヘテロアリール)、モルホリニル、チオモルホリニル、
【0097】
【化56】

からなる群から選択され;
wは、0または1であるか;
または2個のR14置換基とそれら両方が結合している炭素は、−C(=NOR30)−または−C(O)−を形成し;
各nは、独立して、0、1、2または3であり;
15は、H、アルキル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−C(O)Oアルキル、−C(O)O(R30−シクロアルキル)、−アルキル−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレン−(R35−フェニル)、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、−CH−(R17−フェニル)、R23−ヘテロアリール、−(CH−C(O)NR1819、−SO−アルキル、−SO−シクロアルキル、−SO−CF、−SO−(R35−フェニル)、−SO−NR1819、−C(O)アルキル、−C(O)−(フルオロアルキル)、−C(O)−C(CH)(CF、−C(O)−(R17−フェニル)、−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)−ヒドロキシアルキル、−C(O)−アルコキシアルキル、−C(O)−(R39−シクロアルキル)、−C(O)−アルキレン−(R17−フェニル)、−C(O)−アルキレン−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)−アルキレン−S−C(O)アルキル、−C(=S)−(R17−フェニル)、R17−フェニルで置換されたヒドロキシアルキル、R23−ヘテロアリールで置換されたヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたアルコキシアルキル、R23−ヘテロアリールで置換されたアルコキシアルキル、
【0098】
【化57】

であり、ここで、zは、0、1または2であり;
16は、1個〜4個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、(R23−ヘテロアリール)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択されるか、または2個のR16基とそれら両方が結合する炭素は、−C(O)−を形成し;
17は、フェニル部分の水素を置換する1個〜3個の置換基を表し、この置換基の各々は、独立して、ハロ、アルキル、シクロアルキル、−OH、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−OCF、−OCHF、−OCHF、−C(O)OH、−C(O)Oアルキル、−C(O)O−(R35−フェニル)、−C(O)アルキル、−C(O)−(R35−フェニル)、−SOアルキル、−SOアルキル、−SO−CF、アルキルチオ、−NR4344、−アルキル−NR4344およびヘテロアリールからなる群から選択されるか;または隣接炭素原子上の2個のR17置換基は、一緒になって、−O−CH−O−、−O−(CH−O−、−(CH−O−もしくは−O−CH−O−CH−を形成し;
18およびR19は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、R17−フェニルおよび(R17−フェニル)アルキルからなる群から選択され;
20は、H、アルキル、またはシクロアルキルであり;
22は、1個〜4個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、−CF、−NHおよびR35−フェニルからなる群から選択され;
23は、1個〜4個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、−CF、−NR1819、−CN、−C(O)Oアルキル、−NHSO−アルキルおよびR35−フェニルからなる群から選択され;
24は、H、OHまたはアルコキシであるか;または任意の2重結合が存在する場合、R24とその隣接炭素原子は、2重結合を形成し;
25は、HまたはR35−フェニルであり;
27は、1個〜3個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、ハロ、OH、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−CF、−CN、−C(O)OH、−C(O)Oアルキル、−C(O)N(R30)(R18)、−C(O)−(R36−ヘテロシクロアルキル)、R17−フェニル、(R17−フェニル)−アルキル、R23−ヘテロアリール、(R23−ヘテロアリール)アルキル、(R23−ヘテロアリール)オキシ、(R23−ヘテロアリール)アミノNR1819、NR1819−アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)アルコキシアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)(シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)O−アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)O−(CF−アルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)O−(R39−シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)O−アルキレン−シクロアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−N(R30)(R20)、−(CH−N(R30)−SO−アルキル、−(CH−N(R30)−SO−CF、−(CH−N(R30)−SO−N(R30および
【0099】
【化58】

からなる群から選択されるか、または2個のR27基とそれら両方が結合する炭素は、−C(=NOR30)−または−C(O)−を形成し;
28は、H、アルキル、R35−ベンジルまたは−アルキル−C(O)O−アルキルであり;
29は、アルキル、−C(O)Oアルキル、−C(O)アルキル、−C(O)シクロアルキル、−C(O)−(R17−フェニル)、−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−SO−アルキル、−SO−(R35−フェニル)、−C(O)NR1819、R35−フェニル、(R35−フェニル)アルキルまたはR23−ヘテロアリールであり;
30は、独立して、H、アルキルおよびR35−ベンジルからなる群から選択され;
31は、H、アルキル、R35−ベンジルまたはフェノキシアルキルであり;
33は、H、OHまたはアルコキシであり;
34は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたは−C(O)Oアルキルであり;
35は、1個〜3個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、ハロ、アルキル、OH、−CFおよびアルコキシからなる群から選択され;
36は、1個または2個の置換基であり、この置換基は、独立して、H、アルキル、R17−フェニル、アルコキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択されるか;または2個のR36基とそれら両方が結合する炭素は、−C(=NOR30)−または−C(O)−を形成し;
37およびR38は、独立して、Hおよびアルキルからなる群から選択されるか、またはR37およびR38は、一緒になって、−(CH−または−(CH−であり、また、それらが結合する窒素と一緒になって、環を形成し;
39は、H、OH、アルキル、アルコキシ、またはCFであり;
40は、−OR30または−NHC(O)アルキルであり;
41は、Hまたは−SOアルキルであり;
42は、−(CH−(R35−フェニル)、−(CH−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)Oアルキルまたは−C(O)アルキルであり;
43およびR44は、独立して、Hおよびアルキルからなる群から選択され;および
45は、1個または2個の置換基であり、この置換基は、独立して、ハロ、アルコキシアルキル、−COアルキル、R17−フェニル、R23−ヘテロアリールおよびシクロアルキルからなる群から選択される]。
【0100】
式Iの化合物(PDE−IV阻害剤特性を有することが知られている)の好ましい一例は、式IXaa:
【0101】
【化59】

の化合物であり、ここで式Iの化合物に関して、「t」は1であり、XはOであり、R、R、およびRの各々はHであり、Rはヒドロキシであり、Rは、2,4ジフルオロベンジルアミドである。
【0102】
本発明の1つの態様は、下記スキームIVに従って、式IXaaの化合物を含む式Iの化合物を提供する新規な方法である。本発明の方法のプロセスは、改良された手順を提供するものであり、例えば、カラムクロマトグラフィを用いないで、攻撃性の少ない試薬、および/またはより入手可能な試薬を利用するものであり、および/またはこれらの化合物の商業的な量での調製に適した規模へのスケールアップに、より順応する合成プロセスを提供する。
【0103】
(スキームIV)
【0104】
【化60】

【0105】
【化61】

式Iの化合物(PDE−IV阻害特性を有することが知られている)の別の例は、式IXab:
【0106】
【化62】

の化合物である。本発明によれば、スキームIVを用いて、示されているアシル化試薬の代わりに、構造式:
【0107】
【化63】

を有するアシル化試薬を工程2で使用すること、および示されているアミンの代わりに、構造式:
【0108】
【化64】

を有するアミン塩を工程3で使用することにより、式IXabの化合物を調製することができる。
【0109】
本発明の新規な方法と中間体は、各種の反応スキームと条件を使用して下記に記述および例示される。
【0110】
本発明のいくつかの態様を例示する本明細書における合成スキームのいくつかにおいて、式XIa:
【0111】
【化65】

のキノリル断片に従ってメトキシおよびトリフルオロメチル置換基を有するキノリル部分を有する基質が表示される。しかしながら、そのようなオキサゾリン−置換キノリンで例示される本発明の合成スキームは、また、式IおよびIVの化合物に対する上記の種々の置換基(または、適切な位置を占める保護体もしくはその前駆体であって、そこでは反応性がそのような置換基の直接的な存在を妨げている)を有するキノリル部分を有する基質を用いて実施することができることが理解されるであろう。例えば、合成スキームIII(上記)に関して、式Iのいくつかの好ましい化合物、例えば、本明細書で示される式IXaaおよびIXabの化合物の合成は、合成条件下で望ましくない反応を起こしがちな置換基、例えばオキサゾリン環上のヒドロキシ−アミン置換基を有する基質から調製されることもまた、理解されるであろう。したがって、ある特定の影響を受けやすい置換基を有する基質を利用する化合物の合成は、そのような置換基を公知の保護基で保護してそれらを保存し、種々の合成工程の過程での望ましくない副反応を回避することを必要とし得ることが認識されるであろう。また、本発明の合成工程を利用して所望の化合物を提供することは、反応性官能基が誘導体化された最終的な望ましい生成物に達するために、実施されるべき付加的な工程を必要とし得ることが認識されるであろう。そのような付加的な工程の例としては、これらに限定されることはないが、還元性官能基の還元、および酸化性官能基の酸化が挙げられる。例としては、また、’009刊行物(その記載は、引用により本明細書に取り込まれる)に記載されているような所望の置換基を有する化合物を提供するための、反応性官能基の誘導体化が挙げられる。
【0112】
一般的なスキームおよび実施例の両方で、また明細書を通してここで使用される省略記号は、以下の通りである:Me(メチル);Bu(ブチル);t−But(第3級ブチル);Et(エチル);Ac(アセチル);t−Bocまたはt−BOC(t−ブトキシカルボニル);DMF(ジメチル−ホルムアミド);THF(テトラヒドロフラン);DIPEA(ジイソプロピルエチルアミン);RT(室温、通常、25℃);HOBt(ヒドロキシベンゾトリアゾール);TFA(トリフルオロ酢酸);TEA(トリエチルアミン);KHMDS(カリウムビス(トリメチルシリル)アミド);TLC(薄層クロマトグラフィ);EDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩);HMPA(ヘキサメチルホスホルアミド);DMPU(1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン);TMEDA(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン);HATU(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウラニウムヘキサフルオロ−ホスフェート);NBS(N−ブロモスクシンイミド);DCC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド);DEC(1,2−ジエチルアミノエチルクロリド塩酸塩);TMSCN(トリメチルシリルシアニド);CDI(カルボニルジイミダゾ−ル);PyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)。
【0113】
本明細書で使用される場合、以下の用語は、特に明記しない限り、以下の意味を有するものと理解される。
【0114】
用語「置換された」は、構造中の指定原子または原子団の1個以上の水素原子が、指示基から選択して置換されることを意味するが、但し、既存の環境下での指定原子の通常の原子価は、限度を超えないし、その置換は安定な化合物をもたらす。置換および/または可変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定した化合物をもたらす場合にのみ許される。「安定化合物」または「安定構造」は、反応混合物から有用な程度の純度への単離および有効な治療剤への製剤に耐えるのに十分に強い化合物を意味する。
「患者」は、ヒトおよび動物の両方を含む。
「哺乳動物」とは、ヒトおよび他の哺乳動物を意味する。
「アルキル」とは、脂肪族炭化水素基を意味し、これは、直鎖または分枝であってもよく、その鎖の中に、約1個〜約6個の炭素原子を含む。分枝とは、直鎖状のアルキル鎖に、1個以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が結合されていることを意味する。適切なアルキル基の非限定的な例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチルおよびn−ペンチルが挙げられる。
【0115】
「アルケニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素2重結合を含む脂肪族炭化水素基を意味し、これは、直鎖または分枝であってよく、その鎖の中に、約2個〜約6個の炭素原子を含む。分枝とは、直鎖状のアルケニル鎖に、1個以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が結合されることを意味する。適切なアルキル基の非限定的な例としては、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブタ−2−エニルおよびn−ペンテニルが挙げられる。
【0116】
「アルキレン」とは、上で定義したアルキル基から水素原子を除去することにより得られる2官能性基を意味する。アルキレンの非限定的な例としては、メチレン(すなわち、−CH−)、エチレン(すなわち、−CH−CH−)および分枝鎖(例えば、−CH(CH)−CH−)が挙げられる。
【0117】
「アリール」とは、約6個〜約14個の炭素原子、好ましくは約6個〜約10個の炭素原子を含む芳香族単環系または芳香族多環系を意味する。アリール基は、場合により、同一または異なってもよく、本明細書中で定義される1個以上の「環系置換基」で置換されることができる。適切なアリール基の非限定的な例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0118】
「ヘテロアリール」とは、5個〜10個の原子(これは、2個〜9個の炭素原子および1個〜4個のヘテロ原子から構成され、このヘテロ原子は、独立して、N、OおよびSからなる群から選択される)の単環式、2環式またはベンゼン縮合ヘテロ芳香族基を意味するが、但し、これらの環は、隣接する酸素原子および/または硫黄原子を含まない。それらの環窒素のN−オキシドもまた含まれる。単環式ヘテロアリール基の例には、ピリジル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、フラニル、ピロリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニルおよびトリアゾリルが挙げられる。2環式ヘテロアリール基の例としては、ナフチリジル(例えば、1,5または1,7)、イミダゾピリジル、ピリドピリミジニルおよび7−アザインドリルが挙げられる。ベンゼン縮合ヘテロアリール基の例としては、インドリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ベンゾチエニル(すなわち、チアナフテニル)、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリルおよびベンゾフラニルが挙げられる。全ての位置異性体(例えば、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジル)が考慮される。用語R23−ヘテロアリールは、置換可能な環炭素原子が上で定義したような置換基を有するそのような基を意味する。このヘテロアリール基がベンゼン縮合環であるとき、その置換基は、フェニル環部分およびヘテロ芳香環部分のいずれかまたは両方に結合でき、また、そのヘテロアリール基は、このフェニル環部分またはヘテロ芳香環部分のいずれかを介して、この分子の残りに結合できる。
「シクロアルキル」とは、非芳香族の単環式または多環式環系を意味し、これは、約3個〜約10個の炭素原子、好ましくは、約3個〜約6個の炭素原子を含む。適切な単環式シクロアルキルの非限定的な例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適切な多環式シクロアルキルの非限定的な例には、1−デカリン、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられる。単環式の環が好ましい。
【0119】
「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード基を意味する。フルオロ、クロロまたはブロモが好ましく、フルオロおよびクロロがさらに好ましい。
【0120】
「ハロアルキル」とは、上で定義したアルキル基を意味し、ここで、アルキル上の1個以上の水素原子は、上で定義したハロ基で置換されている;特に、フルオロアルキルとは、1個以上のフルオロ原子で置換されたアルキル鎖を意味する。
【0121】
「アミノアルキル」とは、上で定義したアルキル基を意味し、ここで、アルキル上の水素原子は、アミノ(すなわち、−NH)基で置換されている。
【0122】
「ヘテロシクロアルキル」とは、非芳香族飽和の単環式または多環式の環系を意味し、これは、約3個〜約10個の環原子、好ましくは、約5個〜約10個の環原子を含み、ここで、その環系の原子の1個以上は、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素または硫黄)単独またはその組合せの元素である。これらの環系では、隣接する酸素および/または硫黄原子は存在しない。好ましいヘテロシクロアルキルは、5個〜6個の環原子を含む。このヘテロシクロアルキル語幹名の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、環原子として、少なくとも、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が存在していることを意味している。このヘテロシクリル(heterocyclyl)の窒素原子または硫黄原子は、場合により、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS−ジオキシドに酸化できる。適切な単環式ヘテロシクリル環の非限定的な例には、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどが挙げられる。
【0123】
「(ヘテロシクロアルキル)アルキル」とは、ヘテロシクロアルキル−アルキル基を意味し、ここで、そのヘテロシクロアルキル基およびアルキル基は、上で定義した通りである。親部分への結合は、アルキルを介している。
【0124】
「(ヘテロアリール)アルキル」とは、ヘテロアリール−アルキル基を意味し、ここで、そのヘテロアリールおよびアルキルは、先に記述した通りである。適切なヘテロアリールアルキル基の非限定的な例には、ピリジルメチル、2−(フラン−3−イル)エチルおよびキノリン−3−イルメチルが挙げられる。親部分への結合は、アルキルを介している。
【0125】
「(フェニル)アルキル」および「(ナフチル)アルキル」とは、同様に、フェニル−アルキル基およびナフチル−アルキル基を意味し、ここで、親部分への結合は、アルキルを介している。
【0126】
「ヒドロキシアルキル」とは、HO−アルキル基を意味し、ここで、アルキルは、先に定義した通りである。適切なヒドロキシアルキル基の非限定的な例には、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが挙げられる。同様に、「ジヒドロキシアルキル」とは、2個のヒドロキシ基で置換された直鎖または分枝アルキル鎖を指す。
【0127】
「アルコキシ」とは、アルキル−O−基を意味し、ここで、このアルキル基は、先に記述した通りである。適切なアルコキシ基の非限定的な例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシおよびn−ブトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素を介している。
【0128】
「アルキルチオ」とは、アルキル−S−基を意味し、ここで、このアルキル基は、先に記述した通りである。適切なアルキルチオ基の非限定的な例には、メチルチオ、エチルチオおよびイソプロピルチオが挙げられる。親部分への結合は、硫黄を介している。
【0129】
アルキルスルフリルとは、例えば、オキサゾリン環:
【0130】
【化66】

の形成において本明細書で記述されるメチル−スルフリル置換キノリニル前駆体での−C(−S−アルキル)=N−基を意味する。
【0131】
「ヘテロアリールアミノ」とは、ヘテロアリール−NH−基を意味し、ここで、このヘテロアリール基は、先に記述した通りである。適切なヘテロアリールアミノ基の非限定的な例には、ピリミジニル−アミノおよびピラジニル−アミノが挙げられる。親部分への結合は、アミノ窒素を介している。
【0132】
「ヘテロアリールオキシ」とは、ヘテロアリール−O−基を意味し、ここで、このヘテロアリール基は、先に記述した通りである。適切なヘテロアリールオキシ基の非限定的な例には、ピリミジニル−O−およびピラジニル−O−が挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素を介している。
【0133】
用語「COアルキルで置換されたヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシ基およびCOアルキル基で置換されたアルキル鎖を意味する。同様に、「R17−フェニルで置換されたヒドロキシアルキル」などの用語は、ヒドロキシ基およびR17−フェニル基で置換されたアルキル鎖を意味する;「R17−フェニルおよびアルコキシで置換されたヒドロキシアルキル」とは、ヒドロキシ基、R17−フェニルおよびアルコキシ基で置換されたアルキル基を意味する。これらの置換基および定義で列挙された他の類似の置換基の各々において、それらのアルキル鎖は、分枝であり得る。
【0134】
2個の隣接R17基が、それらが結合するフェニル環上の炭素と共に環を形成するときに形成される部分の例としては、以下のものが挙げられる:
【0135】
【化67】

およびRが、一緒になって、
【0136】
【化68】

を形成するとき、点線は、上で定義した任意の2重結合を示す。この2重結合が存在しないとき、すなわち、単結合が存在するとき、1個または2個のR14置換基は、同一または異なる環炭素に結合できる。この2重結合が存在するとき、R14置換基1個だけが、2重結合の一部である炭素に結合できる。
【0137】
およびRが、一緒になって、
【0138】
【化69】

を形成するとき、点線は、上で定義した任意の2重結合を示す。この2重結合が存在しないとき、すなわち、単結合が存在するとき、R24は、H、OHまたはアルコキシであることができ、R25は、HまたはR35−フェニルであり得るが、2重結合が存在するとき、R24は、隣接炭素と2重結合を形成し、R25は、HまたはR35−フェニルである。すなわち、この部分は、以下の構造式:
【0139】
【化70】

を有する。
【0140】
「場合により置換された」という用語は、利用可能な位置での、特定の基、ラジカルまたは部分による、任意の置換を意味する。
【0141】
化合物内の部分(例えば、置換基、基または環)の数に関連して、特に他に定義しない限り、「1個以上」および「少なくとも1個」との用語は、化学的に許容される限りの多くの部分が存在できることを意味し、このような部分の最大数の決定は、充分に当業者の知識の範囲内である。
【0142】
構造式中に現れ、結合位置でその構造に官応基を結合する波線
【0143】
【化71】

は、一般に、可能な立体異性体(例えば、(R)−および(S)−立体配置を含む)の混合物またはいずれかを示す。例えば、
【0144】
【化72】

は、
【0145】
【化73】

の両方を含むことを意味する。
【0146】
結合で終わる波線は、図示された構造の部分が、指示された結合においてより大きな構造に結合していることを意味し、例えば、
【0147】
【化74】

は、図示された置換ピペリジル基の窒素は、図示されていない構造に結合していることを意味し、その構造上ではそれは置換基である。
【0148】
環系に引かれた線、例えば、
【0149】
【化75】

は、指示線(結合)が置換可能な環炭素原子のいずれかに結合され得ることを示す。
【0150】
当該技術分野で周知のように、特定の原子から引かれた結合であって、その結合の末端では部分が図示されていない結合は、特に明記しない限り、その結合を介して原子に結合されたメチル基を示す。例えば、
【0151】
【化76】

は、
【0152】
【化77】

を表す。しかしながら、本明細書の実施例では、しばしば、CH部分は、構造式中に明瞭に含まれている。本明細書で使用されるように、メチル基を描くためのいずれの慣例表記の使用も等価であることを意味し、また、その慣例表記は、本明細書では便宜上、それによるいずれの表記に対しても従来理解されている意味を変えることなく、互換的に使用される。
【0153】
また、本明細書中の本文、スキーム、実施例、構造式および任意の表における満たされていない原子価を有する任意の炭素またはヘテロ原子は、原子価を満たすための水素原子または原子団を有するものと想定されることにも留意すべきである。
【0154】
また、満たされていない原子価を有する任意のヘテロ原子は、その原子価を満たすための水素原子を有すると想定されることにも留意すべきである。
【0155】
任意の可変基(例えばアリール、複素環、R、他)が、任意の構成または式中で、1回よりも多く存在する場合は、特に明記されない限り、出現毎のその定義は、その他の出現毎の定義とは独立している。
【0156】
上記のスキームIV中で示された本発明の方法の工程の各々(番号順で)について、以下に詳しく述べる。
【0157】
工程1−{(キノリン−5−イル)−アルキル−スルファニル−メチレン]−アミノ}−酢酸エステル(上記スキームIIIで示される化合物VIII)の形成
本発明の方法は、式Iの化合物を提供する際の有用な中間体であるキノリン−5−イル−アルキル−スルファニル−メチレン−アミノ−酢酸エステル化合物を、スキームIIaで上に概略的に示された方法および下記Ivaに示される方法に従って提供する。
【0158】
(スキームIVa−工程1)
【0159】
【化78】

いくつかの実施形態では、本発明の方法は、工程1の工程1aで、トルエン中約85℃〜約90℃の温度においてローソン試薬を用いて、[(キノリン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸エチルエステル化合物(A、スキームIIbおよびIVa)を対応する[(キノリン−5−カルボチオイル)−アミノ]−酢酸エチルエステル化合物(A1)へ変換する。変換が終了したら、反応混合物を少なくともエタノールの沸点未満の温度に、好ましくは約60℃以下の温度に冷却し、エタノールを加えて反応をクエンチする。いくつかの実施形態では、使用するローソン試薬の量に対して少なくとも約2当量のエタノール、好ましくは使用するローソン試薬の量に対して少なくとも約2.2当量のエタノールを用いて反応をクエンチするのが好ましい。クエンチした後、反応混合物をさらに冷却し、好ましくは約40℃以下の温度に冷却し、反応混合物を減圧蒸留によって濃縮するのが好ましい。’009刊行物中に記載された方法は、クエンチすることなくTHF中でローソン試薬を利用している。本発明者らは、これらの反応条件の修正が、反応媒体(トルエン)に可溶性のローソン試薬からの副産物を与え、したがって、所望の生成物であるスルファニル化合物は、濃縮反応媒体から結晶化することができ、さらに精製することなく工程1bでの使用に適した形態で生成物を提供できることを初めて認識した。したがって、本発明の反応条件は、’009刊行物中で教示されているクロマトグラフィ工程を使わずに十分に純粋な形態で生成物が単離されることを可能にする。
【0160】
いくつかの実施形態では、工程1bでの本発明の方法は、強塩基、好ましくは金属アルコキシドの存在下、求電子性アルキル化試薬、好ましくはアルキルハライドを利用して、工程1aで調製されたスルファニル化合物を対応するアルキルスルフリル化合物(A2)に変換している。これは、ナトリウムアルコキシドと求電子アルキル化試薬XR48による処理として、スキームIIbの工程Ibで概略的に示されている。この工程を実施するためには、スルファニル化合物中に存在する、式A1a:
【0161】
【化79】

のチオアセタミド基の窒素からプロトンを引き抜く任意の金属アルコキシドを使用することができ、そのチオアセタミド基の硫黄原子とアルキル化試薬の反応を開始することが理解されるであろう。適切な金属アルコキシドは、6個以下の炭素原子を含むアルコール類、例えば、ナトリウムアルコキシド、リチウムアルコキシド,およびカリウムアルコキシド、より好ましくは5個以下の炭素原子を有するアルコールのアルコキシド、より好ましくはナトリウムエトキシドから調製される任意のものを含む。好ましくは、金属アルコキシドが使用される場合、アルコキシドは、それが反応の過程でR2aとの交換を経るならば、混合エステル生成物が生産されないようなアルコキシ置換基を有するアルコキシドが選択される。
【0162】
求電子アルキル化試薬R48Xにおいて、R48はアルキル部分、好ましくは、6個以下の炭素原子を有するアルキル部分、より好ましくは、−CHを含む。R48アルキル化基の「X」部分は、良好な脱離基、例えばハライド(例えば、ヨウ素)、スルファニルおよびスルフェートを含む。好ましくは、求電子アルキル化試薬は、ヨウ化メチルである。
【0163】
上述の如く、’009刊行物は、メールワイン(Meerwein)塩アルキル化試薬、例えば(MeBF)を用いて、カルボ−チオイル中間体からアルキル−スルファニル−キノリニル中間体化合物を提供することを教示している。知られているように、メールワイン塩は、非常に不安定な試薬で、中間体化合物の商業的規模での調製に適した量では、市場では入手できない。
【0164】
本発明者らは、アルコキシド塩基とアルキル化試薬をメールワイン塩アルキル化剤で置き換えることにより、反応性のある取り扱いが困難なメールワイン塩をアルキル化工程から除去することを最初に知見した。さらに、本発明によるメールワイン塩の除去は、メールワイン塩ルートに続く反応で生産される不安定な油状中間体の代わりに固形中間体を提供する。さらに、生成物はより純粋な異性体混合物を含み、メールワイン塩ルートで必要とされるカラム分離の必要性がなく、所望の生成物純度と純度eeを可能とする。従って、この変更は、通常の生産設備を使用して中間体(Kg量の製品)の商業的な量の供給に適したサイズの規模への本工程の拡張性を改善する。
【0165】
工程2−オキサゾリン環形成(式A3の化合物)
上記したように、中間体化合物(式Iの化合物が合成される)のオキサゾリン環の形成は、式Iの化合物の提供における重要な工程である。本発明の方法によるオキサゾリン環の形成は、工程2と表示した下記スキームで示される。
【0166】
工程2
【0167】
【化80】

上述のように、’009刊行物は、保護されたセリン酸の酸フッ化物誘導体(それ自体は有毒で不安定なフッ化シアヌル酸から調製される)を利用する方法によるオキサゾリン環の形成を教示している。工程2として図式的に上に示された本発明方法の部分に関して、本発明者らは、オキサゾリン環の形成が、’009刊行物で記述される酸フッ化物ルートで利用可能な条件より穏やかな条件の下で実施できることを最初に知見した。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の方法は、より簡単に調製されたアシル化試薬(以下に詳細に記述される)をルイス塩基の存在下で利用する。本発明の目的のために、ルイス塩基は、式A2の化合物のメチレン−アミノアセチル官能基領域でアセチル炭素からプロトンを引き抜くのに十分な塩基性がある電子対を有する塩基として定義され、その炭素は、下記のスキームIIc:
【0168】
【化81】

で示される。
【0169】
本発明に従って工程2を実施する際には、適切なルイス塩基は、金属アミド(例えば、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)およびナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS(ヘキサメチルジシリザン)(hexamethyldisilizane))から好ましく選択される。使用することができる他のルイス塩基は、金属アルコキシド塩基、例えば、ナトリウムアルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド)、およびリチウムアルコキシド(例えば、リチウムt−ブトキシド)を含み、これらの各々は、不活性な大気圧条件下、対応する無水アルコールを金属と接触させることによって調製することができる。使用することができる他のルイス塩基としては、金属アルキル、例えば、アルキルリチウム(例えば、ブチルリチウム)が挙げられ、その調製は公知である。化合物のこれらの種類の他のメンバーが、十分なプロトン親和性を有することが知られている他の塩基と同様に使用できることが理解されるであろう。本発明のいくつかの実施形態では、好ましくは、立体障害性のルイス塩基、例えばリチウムジイソプロピルアミドやナトリウムヘキサメチルジシリザン(NaHMDS)(これはナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドとしても知られている)が使用される。これらのアミドの調製は公知であり、各々は商業的に販売品として入手可能である。商業的規模の量でのナトリウムアミド塩基の調製の1つの方法は、対応する第2級アミン溶液をナトリウム金属の過剰量により処理することである。
【0170】
いくつかの実施形態では、本発明のオキサゾリン環形成の態様は、酸無水物、エステル類、炭酸アシルおよびアミド類から選択されるアシル化試薬(式VIaz、工程2の上記化合物)を使用しても実施される。本発明者らは、驚くべきことに、これらの中間体が、上記の’009刊行物で教示される酸フッ化物を使って採用することができる条件より穏やかな条件下で、高収率のオキサゾリン生成物をもたらすことを知見した。本発明のいくつかの実施形態では、工程2を実施するのが好ましく、そこではアシル化試薬(脱離基)の「LG」部分は、好ましくは、酸無水物(−OC(O)−アルキル)構造[ここで、その構造の「アルキル」部分は、電子吸引性基、例えば、ハロゲン、エステル(−O−アルキルおよび−O−アリール)構造で置換されていてもよく、その構造の「アルキル」および「アリール」部分は、詳細な説明の一般的な定義の部分で上記したように置換されていてもよい]およびアミド(N−アルキル、N−ベンジル、およびN−アリール)構造[ここでその構造の「アルキル」、「ベンジル」、および「アリール」部分は、詳細な説明の一般的な定義の部分で上記したように置換されていてもよい]を含む。求核置換に適した他の脱離基もまた使用することができることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、構造のLG部分が第2級のアシル炭素を含むとき、例えばアシル化試薬が酸無水物である場合は、LGアシル基への攻撃を防ぐために、立体的に嵩高い置換基を選択するのが好ましい。例えば、上記した工程2の式VIazの化合物に関して、酸無水物アシル化試薬が使用されるいくつかの実施形態では、例えば、R49が、
【0171】
【化82】

であり、R3azが水素または第3級ブトキシ置換基であり、好ましくは、LGは、
【0172】
【化83】

(立体的に嵩高い基)であり、このようにして、t−ブトキシ置換基のアシル炭素への容易な攻撃を防ぐことによってアシル化試薬のアシル炭素への求核攻撃を促進する。
【0173】
いくつかの実施形態では、アシル化試薬上の嵩高い置換基を選択することに換えて、あるいはそれに加えて、ヘテロ原子の非活性化は、攻撃から無水物脱離基のアシル基、例えば、式IIIs(上記)のアルキルエステル炭酸無水物(これは求核攻撃に対する脱離アシル炭素を非活性化する)を保護するために選択することができる。いくつかの実施形態では、代替的にあるいはそれに加えて、アシル化試薬のアシル炭素原子は、求核攻撃に対して活性化することができる。例えば、活性化エステル(例えば、上記の式IIIrの化合物の構造を有するエステル類)および上記の式IIIqの構造のN−アルコキシアミド化合物は、求核攻撃に対するアシル化試薬のアシル炭素を活性化することができる。いくつかの実施形態では、好ましくは、アシル化試薬の脱離基は、R46がt−ブチル基である、式IIIa1(上記)の構造を有する化合物である。
【0174】
本発明のいくつかの実施形態では、アシル化試薬のR49部分は、好ましくは、式IIIa:
【0175】
【化84】

(式中、R、R、R、Rおよび「t」は、本明細書で定義された通りである)の構造、および式IIIb:
【0176】
【化85】

(式中、R50の各々は、直鎖、分枝または環状のアルキルからそれぞれ独立して選択され、またはR50の両方は、一緒になって、シクロアルキルスピロ環を形成する)の構造から選択される構造を含む。式IIIbの化合物のR49置換基を利用するいくつかの実施形態では、好ましくは、各々のR50は、メチル(HC−)基が選択される。
【0177】
アシル化試薬のR49部分が、式IIIaの構造を有するいくつかの実施形態では、好ましくは、R、R、R、Rおよび「t」は、式IIIcまたは式IIIcz:
【0178】
【化86】

の構造を与えるように選択される。
【0179】
他の構造、例えば、本明細書および’009刊行物で定義された式Iの他の化合物を提供する異なって置換されたアミノ構造が、上記R49に対して定義された構造の代わりに、代替的に使用されてもよい。
【0180】
好ましくは、R、R、R10、R11、およびR13は、8−メトキシ−2−トリフルオロメチル−キノリンの構造を有する中間体VIIIのキノリン部分である式VIIIa:
【0181】
【化87】

を提供するために選択される。
【0182】
アシル化試薬の調製
「LG」が酸無水物である適切なアシル化試薬は、例えば、対応する酸の塩から調製することができる。したがって、酸無水物は、対応する酸を穏やかな塩基、例えば、対応する塩を炭酸カリウムおよびアンモニウムジシクロヘキシルアミン(DCHA)で処理して対応する塩を形成し、次いでこれを酸クロリド、例えば、スキームVIIで下記に示されるように処理することによって調製することができる。
【0183】
(スキームVII)
【0184】
【化88】

(式中、R51は、上に定義したO−R46、または場合により置換された、直鎖、分枝もしくは環状のアルキルであり、R、R、RおよびRは、本明細書で定義した通りである)。本発明のオキサゾリン環形成反応は、任意の手段で提供される任意の適切な酸無水物を利用して実施することができ、それはなお本発明方法の範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0185】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、R51はt−ブチル基((CHC−)であり、好ましくは、「t」=1であり、好ましくは、RおよびRのうちの1つは、水素であり、他方はt−ブトキシ基((CHC−O−)であり、好ましくは、RおよびRのうちの1つは、水素であり、他方は、t−ブトキシカルボニル基((CHC−O−C(O)−)およびHから選択されて、それぞれ、式VIIaおよびVIIaz:
【0186】
【化89】

の構造を有するアシル化試薬を与える。
【0187】
「LG」がエステルである本発明で使用するアシル化試薬は、スキームVIIbに従って、例えば、アルコールを脱プロトン化するのに適した塩基(例えば、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP))の存在下、アルコールで処理することにより対応する酸無水物から調製することができる。
【0188】
(スキームVIIb)
【0189】
【化90】

(式中、R、R、R、RおよびR51は、上に定義した通りである)。
【0190】
「LG」がN−アルコキシアミドである適切なアシル化試薬は、例えば、下記スキームVIIcに従って、塩基の存在下、無水物を適切なN−アルコキシアミンまたはN−アルコキシアンモニウム塩で処理することによって対応する無水物から調製することができる。
【0191】
【化91】

一般的に、適切なアンモニウム塩は、市場で入手可能であるか、またはその製法は公知である。
【0192】
スキームVIIに関して、本発明のいくつかの実施形態では、好ましくは、「t」=1であり、好ましくは、RおよびRのうちの1つは、水素であり、他方はt−ブトキシ置換基((CHC−O−)であり、好ましくは、RおよびRのうちの1つは、水素であり、他方は、t−ブトキシカルボニル置換基((CHC−O−C(O)−)であって、式VIIc:
【0193】
【化92】

の構造を有するアシル化試薬を生成する。前述の説明に従って、可変基の他の組み合わせを表す出発原料は、対応するアシル化試薬を提供するように選択することができ、それはなお本発明の範囲内であることが理解されるであろう。
【0194】
驚くべきことに、オキサゾリン環が前述に従って形成されるとき、その反応は、オキサゾリン置換キノリル中間体(A3)を提供し、それはより純粋な異性体混合物を有し、原料のスルファニル中間体(A2)に対して少なくとも約79%の収率であり、’009刊行物に記述されるオキサゾリン環形成プロセスから入手可能であるよりも高いエナンチオマー過剰率である。本発明のオキサゾリン環形成反応は、式Iの化合物を調製する改善された方法を提供するために、’009刊行物に記述されたオキサゾリン環形成プロセスの代わりに、そこに記述された工程をさらに修正することなく使用することができること、または式Iの化合物を調製する改善された方法を提供するために、本明細書に記述される1つ以上の他の改善とともに、本発明のオキサゾリン環形成反応を使用することが可能であることが理解されるであろう。
【0195】
工程3 アミド化
本発明のいくつかの実施形態では、オキサゾリン環形成の後、得られた生成物は、下記スキームIIdに従って、中間体の無水物(例えば、R2aはアシル基である)、エステル(例えば、R2aはアルキル基である)、または酸(R2aは、水素である)を介して対応するアミドに変換される。
【0196】
【化93】

[式中、調製されたアミドは、第2級アミド(したがって、R4azは、水素であり、R5azは、本明細書で定義された炭化水素部分である)または第3級アミン、例えば複素環(R4azがR5azと共に環を形成する)のいずれかである]。このように、この反応は、その酸の中間体分離の必要のない「ワンポット」合成法として実施することができる。上記の反応スキームIIに関して、工程3のさらなる詳細は、スキームIIeeおよびIIefで例示されるように以下に記述される。
【0197】
(スキームIIee、工程3−2級アミド化)
【0198】
【化94】

スキームIIeeに関して、中間体19(スキームIII、工程3、上記)は、最初にエチルエステル保護基を除去して対応するアミドに変換されて対応する酸(XII)を形成し、次いでその塩を塩化ピバリル処理によって酸の中間体カリウム塩を経由して中間体無水物に変換される。工程3bでのピバリル無水物の第1級アミン(例えば、2,4ジフルオロベンジルアミン)による処理は、対応する第2級アミドを提供する。本発明者らは、最初に酸に変換し、次いで無水物に変換し、最後にアミドに変換するプロセスが、2級アミド化反応をワンポット反応として実施するのを可能にすることを初めて認識した。本発明者らは、また、THF/アセトニトリル混合溶媒中で酸性塩を介して反応を進行させることを選択することにより、得られるアミド生成物が、クロマトグラフィ分離および/または生成物の更なる精製が不必要である十分に純粋な形態の結晶固体として提供されることを初めて認識したのである。さらに、本発明の方法は、驚くべきことに、本発明のいくつかの実施形態でのアミド化反応が、アミド結合試薬(例えば、詳細な説明の一般的な定義部分で定義され、上記の’009刊行物で記述されているHATU、CDI、EDC、DCC、PyBOP、ポリマー担持CDI、ポリマー担持EDCなど)を必要とすることなく行われるのを可能とする。
【0199】
したがって、工程3において、オキサゾリン置換キノリニルエチルエステル中間体(19)は、塩基(LiOH)で処理され、次いで酸性にされて式XIIの対応する酸化合物を遊離し、次いでこれは有機溶液として単離される。式XIIの酸化合物は、それを含む溶液を重炭酸カリウムで処理することにより塩に変換される。この塩は、インサイチュで塩化ピバリルにより処理されて対応する酸無水物を提供する。次いで、アミド化は、その無水物を第1級アミンで処理することにより実施されて、式Xの化合物を提供する。好ましくは、R、R、R10、R11、およびR13は、8−メトキシ−2−トリフルオロメチル−キノリンの構造、すなわち上記式XIaの構造を有する中間体Xのキノリン部分を提供するように好ましく選択される。
【0200】
(スキームIIef、工程3−第3級アミド化)
【0201】
【化95】

スキームIIIefに関して、第3級アミドは、オキサゾリン(A3−酸)の酸形態を第2級アミン塩(例えば、式Ib2aの環状第2級アミン化合物の塩酸塩)と反応させることにより、N−メチルモルホリンの存在下、HOBTとEDClから成るアミドカップリング試薬を使って酸から直接調製することができる。スキームIIIefは、式Ib2aの第2級アミンを使用する反応を例示するが、他のアミン、例えば、上記の’062刊行物、例えば、122〜288段で示されるアミンもまた使用することができることが理解されるであろう。
【0202】
本発明者らは、より純粋な第3級アミド生成物が、アミド化反応で直接、酸(A3−酸)を利用し、カップリング試薬とともにアミン塩を使用することによって提供されることを最初に認識した。本発明のいくつかの実施形態では、その中で反応を実施するために混合溶媒、好ましくは酢酸エチルとN−メチルピロリジンを使用するのが好ましい。
【0203】
スキームIIefで示される第3級アミド化反応で使用するために、いくつかの実施形態では、アミン含有溶液の酸との直接の処理によって、またはアミンの保護された形態を含む溶液の酸との処理によって、塩を析出させ、次いでそれを上述のオキサゾリン形成反応で使用するために単離することにより、アミド化反応で使用されるアミン塩、例えば、式Ib2aのプロリン塩を供給することが好ましい。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、式Ib2a2(ここで、「PG」は酸に不安定な保護基)の化合物の構造を有する保護されたプロリン誘導体(例えば、式Ib2a2の化合物)を適当な溶媒(例えば、酢酸エチル)に溶解し、適切な酸(例えば、HClガス)で処理して対応するアミン塩(例えば、式Ib2aの化合物)を析出させるために使用するのが好ましい。
【0204】
【化96】

適切なアミン塩を提供する他の任意の手段(塩を形成する代替酸の使用を含む)が、上記した反応で使用するためのアミン塩を、本発明の範囲から逸脱することなく提供するために使用することができることが理解されるであろう。
【0205】
工程4−脱保護
上記のスキームIIに関して、式Iの化合物は、アミド化の後、存在する任意の保護基を除去することにより調製される。このように、下記のスキームIIIee、工程4とスキームIIIef、工程4(ここで、R1、R9、R10、R11、R13およびR49は、化合物Xa、Xb、およびIca2を提供するために選択された)に従って、酸、例えば、図示されているトリフルオロ酢酸(XaとXb)およびHCl(Ica2)による処理は、式I(それぞれXaaとXab)の化合物を提供する。
【0206】
(スキームIIIee−工程4)
【0207】
【化97】

(スキームIIIef−工程4)
【0208】
【化98】

本合成スキームのいろいろな特徴は、有利に組み合わせることができ、スキームVIIIに従って、5−(1−アミノ−2−ヒドロキシ−エチル)−2−(8−メトキシ−2−トリフルオロメチル−キノリン−5−イル)−オキサゾール−4−カルボン酸2,4−ジフルオロ−ベンジル−アミド(式IXの化合物)の商業的な量の調製にスケールアップが可能な合成スキームを提供することができると考えられる。
【0209】
(スキームVIII)
【0210】
【化99】

【0211】
【化100】

本発明の改善による式Iの化合物の提供で、工程1〜4の検討における上に提供された詳細に関して、式IXaaの化合物は、キノリル部分(ここで、式Iの化合物に関して、Rは、キノリン環の8位炭素に結合するメチルであり、R10とR11は、水素であり、Rは、キノリン環の2位炭素に結合するトリフルオロメチルであり、R13は水素である)を有する出発原料を選択することにより調製することができる。さらに、工程2においてオキサゾリン環を形成する場合は、式IXの化合物が、アシル化試薬(ここで、上記の詳細な説明における工程IIの検討に関して、アシル化試薬のR49部分は、上記式IIIcの構造を有し、そこでは、RとRのうちの1つは、t−ブトキシカルボニルであり、他方は水素であり、RとRのうちの1つは、t−ブトキシであり、他方は水素であり、「t」=1である)を用いることにより提供される。
【0212】
あるいはまた、R49部分は、式IIIb:
【0213】
【化101】

の構造を与えるように選択することができ、式16のアシル化試薬に対して示されると同様の方法のプロセス中で利用することができる。
【0214】
同様に、式VIIIの化合物は、式Ib1aの化合物の構造を有するアシル化試薬で調製され、反応させて式IBa2−エステルの構造を有するオキサゾリン化合物を与え、これは対応する酸に変換した後、下記に示される代替スキームVIIIの工程Alt−2とAlt−3に従って、アミド化され、脱保護して式IXabの構造の化合物を与えることができる。
【0215】
(代替スキームVIII)
【0216】
【化102】

【0217】
【化103】

本明細書で開示された本発明は、以下の調製および実施例により例示されるが、これらは本開示の範囲を限定するものと解釈してはならない。
【実施例】
【0218】
以下の溶媒および試薬は、それらの略号で言及され得る。
【0219】
酢酸:HOAc
ジクロロメタン:DCM
1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミドモノ塩酸塩−EDCI
エタノール:EtOH
酢酸エチル−EtOAc
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−HOBT
N−メチル−ピロリジン−NMP
N−メチル−モルホリン−NMM
カリウムt−ブトキシド:t−BuOK
ナトリウムビストリメチルシリルアミド:NaHMDS
トリエチルアミン:TEA
トリフルオロ酢酸:TFA
第3級ブトキシカルボニル:t−BOC
テトラヒドロフラン:THF
リットル:L
ミリリットル:mL
グラム:g
室温またはrt(周囲):約25℃
モル:mol。
【0220】
実施例1:{[(8−メトキシ−2−トリフルオロメチル−キノリン−5−イル)−メチルスルファニル−メチレン]−アミノ}−酢酸エチルエステル[化合物VIII]を3−tert−ブトキシ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸4−[(2,2−ジメチル)プロピオン酸]無水物[化合物16]と処理することによる5−(2−tert−ブトキシ−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−2−(8−メトキシ−2−トリフルオロメチル−キノリン−5−イル)−オキサゾール−4−カルボン酸エチルエステル[化合物19]の調製
【0221】
【化104】

熱電対、N注入口および供給タンクを備えた200ガロンのガラスライニング製反応容器に、窒素パージの下、式VIIIの化合物の16.5kg(1.0×)を入れた。この反応容器に、Nパージを継続しながら、217リットル(13×)のテトラヒドロフラン(THF、カールフィッシャー滴定で測定して<0.05%の残存含水量に乾燥)を加えた。式VIIIの化合物の全てが溶解されるまで、THFは約20℃〜約25℃の温度に維持された。式VIIIの化合物が溶解したあと、バッチ容積が約140リットル(8.5×)に濃縮されるまで、溶液を1気圧で蒸発させた。反応混合物が所望の濃度に達したとき、反応混合物の温度を下げて、約−60℃〜約−70℃の範囲に維持した。反応混合物が所望の温度範囲で平衡に達したとき、反応容器に、NaHMDS(4.85kgのNaHMDSと等しいTHFの2M溶液として、0.292×)のアリコートを約15分かけて加えた。反応混合物を約−60℃〜約−70℃の温度の範囲内に維持しながら、反応容器は、THF(式16の化合物2.06kgと等しい、0.125×)中、式16の化合物のアリコート溶液で約15分かけて、反応混合物を約−60℃〜約−70℃の温度の範囲内に維持しながら、添加した。式16の化合物の全てのアリコートを添加した後、反応混合物を約−60℃〜約−70℃の温度の範囲内に維持しながら、10分間、攪拌した。
【0222】
NaHMDSのアリコートの添加、式16の化合物のアリコート溶液の添加、および一定時間の攪拌の順序を、各サイクル(全部で9サイクル)で式16の化合物の0.125当量およびNaHMDSの0.292当量を用いて8回さらに繰り返した。9サイクルの終わりに、HPLC分析に基づき、式VIIIの化合物の92%が、式16の化合物に変換された。
【0223】
反応時間の終了時点で、反応混合物を、約15分間かけて、140リットル(8.5×)のHOに溶解された23.1kg(1.4×)のKHPOを含む容器に移した。移動の過程で、反応混合物は30℃より下の温度に維持された。合わせた反応混合物とリン酸二水素カリウム溶液に、62リットル(4.3×)の酢酸エチルを添加した。混合物を約15分間、攪拌し、層を落ち着かせた。分液し、水層を62リットル(4.7×)の酢酸エチルで抽出した。抽出物を有機層と合わせ、93リットル(5.6×)の10%(w/v)NaCl水溶液の2つのアリコートで洗浄した。洗浄した合わせた有機層を、1大気圧で99リットルのバッチ容量に濃縮した。イソプロパノール(198リットル)を洗浄した有機層に加え、混合物を1大気圧で約149リットルの容量に濃縮した。ヘプタン198リットル(12.0×)を、65℃〜75℃の間の温度に維持された混合物の温度を有する濃縮混合物に加えた。ヘプタンの全てを添加した後、混合物の温度を60℃〜65℃の間の温度に調節、維持し、約30分間攪拌した。30分経過後、攪拌を続けながら、混合物の温度を−5℃〜5℃の温度に3時間にわたり調節し、固形物質を形成させた。混合物が最終温度範囲に到達したとき、さらに30分間攪拌され、固形物質を濾過して回収した。こうして調製された濾過ケーキを、ヘプタン中33%v/v酢酸エチルで洗浄し、約55℃〜約65℃の間の温度に維持しながら12時間真空乾燥機で乾燥した。収率79%(最初に使用された化合物VIIIの量に対して)、純度>99%ee。
【0224】
このように得られた固形物質は、プロトンNMR(CDCl中のHNMR)によって分析され、以下の結果(TMSに対する化学シフト、多重度)を有した。
【0225】
【化105】

3−tert−ブトキシ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(2,2−ジメチル)プロピオン酸無水物の調製[化合物16]の調製
実施例で使用するために、化合物16を以下の手順に従って調製した。
【0226】
【化106】

温度計、N注入口および滴下ロートを備えた500mLの3頸丸底フラスコに、窒素パージ下、3−tert−ブトキシ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸(式E1の化合物)20.5g(1.0×、78.45mmol)を250ml(10×)の乾燥THF中で添加した。反応フラスコに23g(1.1×166.7mmol、325メッシュ)のKCOを添加した。反応混合物の温度を0℃〜5℃の間の温度に調節した。冷却した反応混合物に、攪拌しながら、2,2−ジメチル−プロピオニルクロリド(式E2の化合物)の9.27g(0.45×、76.88mmol)を15分かけて添加し、その間反応混合物を0℃〜5℃の間の温度に維持した。式E2の化合物の全部を加えた後、攪拌を約2時間継続し、その間反応混合物を0℃〜5℃の間の温度に維持した。反応は、出発原料がもはや残存しなくなるまでHNMRでモニターされた。反応時間の終わりに、4.0g(0.2×)のセライトを反応混合物に加え、反応混合物は、追加のセライト1.0g(0.1×)が添加されたフィルタラインを通して濾過した。収集した濾過ケーキを、乾燥THFの1つの50mlのアリコート(2.4×)で洗浄した。回収された濾液と洗浄液を合わせ、約40ml(2×)まで減圧濃縮した。乾燥THFの追加のアリコートを加え、濃縮濾液に関して濾液の含水量(カールフィッシャー滴定で測定される)が約0.07%未満の含水量を示すまで、減圧蒸留を行った。得られた無水物(化合物16)の濃縮THF溶液は、そのまま使用される。
【0227】
実施例2:化合物(VIII)の2−tert−ブトキシ−1−(メトキシ−メチル−カルバモイル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル[化合物E3]での処理による化合物(19)の調製
【0228】
【化107】

温度計、N注入口および2つの滴下ロートを備えた250mLの3頸丸底フラスコに、窒素パージ下、式VIIIの化合物5.0g(1.0×、12.9のmmol)を加えた。乾燥テトラヒドロフラン(THF)25ml(5×)を、温度を20℃〜30℃に維持しながら、そのフラスコに入れて式VIIIの化合物を溶解した。式VIIIの化合物の全てが溶解された後、反応混合物の温度を−80℃〜−70℃の間の温度に調節した。反応フラスコに、NaHMDS(THF中2M、1.6ml、0.32×、3.23mmol)を窒素パージ下、約15分間にわたり添加し、その間反応混合物の温度を−60℃〜−70℃の間の温度に維持した。NaHMDS溶液の全てを加えたとき、反応混合物を、−70℃〜−60℃の間の温度に10分間維持しながら攪拌した。最初の攪拌時間の終わりに、THF(0.61gのE3、0.12×、2.0mmol)中、式E3の化合物の溶液を窒素パージ下、15分間にわたり反応混合物に加え、その間、反応混合物の温度を−60℃〜−70℃の間の温度に維持した。式E3の化合物溶液を添加した後、反応混合物を−70℃〜−60℃の間の温度に10分間維持しながら攪拌した。NaHMDS溶液の添加、攪拌、次いで式E3の化合物の溶液の添加の手順は、さらに7回(NaHMDS/式E3添加の合計8回の反復処理)繰り返された。その都度、反応混合物のHNMR分析は、出発原料キノリン(式VIII)の70超モル%が変換されたことを示した。残存する出発原料に対して0.32当量を与え、次いで同じ攪拌スケジュールおよび式E3の化合物の添加が残存する出発原料に対して0.12当量を与える2つのNaHMDS THF溶液のアリコートが、同じ添加/攪拌スケジュール(全部で10回の添加/攪拌サイクル)に従って添加された。こうした添加/攪拌サイクルの終わりには、反応混合物のHNMR分析により、式VIIIの化合物のわずか約7%が溶液中に残存することを示した。式19の化合物は、97.5%eeのエナンチオマー純度を有することが分かった。
【0229】
反応時間の終わりに、反応混合物を15分間かけて、10%(w/v)KHPQ水溶液を含む溶液70mlに、10℃で激しく攪拌しながら加えた。混合物を10℃でさらに10分間攪拌した後、酢酸エチル50mlを添加した。有機層を分液ロートで分離した。次いで、有機層を5%(w/v)KHPQ水溶液30ml、次いでHOで洗浄した。溶液を70mlの容量が得られるまで、大気圧下で蒸留した。溶液をイソプロパノール50mlと60℃において混合し、混合物を再び大気圧下で50mlの容量まで蒸留した。式19の化合物を、混合物を60℃の温度に維持しながら70mlのヘプタンを添加し、次いで混合物を10℃〜0℃の間の温度に3時間にわたり冷却して、濃縮溶液から結晶化させた。生成物の結晶を濾過して回収した。単離された生成物の収率は、使用された出発原料キノリンの量に対して約63%であり、生成物(式19の化合物)は、98.3%eeのエナンチオマー純度を有することが分かった。
【0230】
2−tert−ブトキシ−1−(メトキシ−メチル−カルバモイル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル[化合物E3]の調製
実施例2で使用するために、2−tert−ブトキシ−1−(メトキシ−メチル−カルバモイル)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(化合物E3)を、以下のスキームに従って調製した:
【0231】
【化108】

温度計およびN注入口を備えた100mLの3頸丸底フラスコに、周囲温度(20℃〜25℃)で50mlの無水メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)に溶解された式16の化合物4.6g(13.4mmol)を入れた。反応混合物に、式16aの化合物1.4g(14.7mmol)、次いでトリエチルアミン3.7ml(26.4mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で12時間攪拌した。次いで、溶液をメチルt−ブチルエーテル30mlおよび水40mlと混合した。有機層を分離し、1NのHCl溶液30ml、次いで水30mlで洗浄した。溶液を2.87gの活性(70.4%)E3を含む油3.2gまで減圧濃縮した。この油を、式19の化合物を調製するために、実施例2の反応で使用した。
【0232】
この油は、また、プロトンNMR(CDCl中、HNMR)によっても分析され、以下の結果(TMSに対する化学シフト、多重度)を有した。
【0233】
【化109】

実施例3:化合物[VIII]の3−tert−ブトキシ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸4−ニトロ−フェニルエステル[化合物E4]での処理による化合物[19]の調製
【0234】
【化110】

温度計、N注入口および2つの滴下ロートを備えた125mLの3頸丸底フラスコに、式VIIIの化合物0.386g(1.0mmol)と式E3の化合物0.483g(1.26mmol)を入れた。このフラスコに、周囲温度(20℃〜30℃)で、乾燥THF5mlを加えて固体をフラスコ中に溶解した。反応溶液を冷却し、温度を−70℃〜−80℃の間の温度に維持した。この反応混合物に、THF(1.3ml、2.6mmol)中、2M溶液としてNaHMDSの2.6当量(式VIIIの化合物に対して)を15分かけて加え、その間、反応混合物を−60℃〜−70℃の間に維持した。反応混合物を10分間攪拌し、その間、温度を−60℃〜−70℃の間に維持した。NaHMDSの4つのさらなるアリコート(合計5回のNaHMDS添加)を各添加の後に10分間攪拌しながら加えた。各アリコートは、反応混合物中の式VIIIの残存量に対してNMRで測定して2.6当量と算出された。最後の添加後、NMRは、式VIIIの化合物の86.6%が、式19の化合物に変換されたことを測定した。反応混合物は、反応フラスコから15分かけて10%(w/v)KHPO15mlを含む容器へ移し、15分間にわたり接触させたままとした。その時間の終わりに、分液し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液10mlで洗浄した。
【0235】
3−tert−ブトキシ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸4−ニトロ−フェニルエステル[化合物E4]の調製
化合物E4を、以下の手順に従って実施例3での使用のために調製した。
【0236】
【化111】

温度計およびN注入口を備えた100mlの3頸丸底フラスコに、周囲温度(20℃〜25℃)で2mlの無水THFに溶解された式16の化合物0.27g(0.78mmol)を入れた。反応溶液に、式4Eaの化合物0.13g(0.94mmol)、次いでジメチルアミノピリジン2.0g(1.49mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度に維持しながら、2時間攪拌した。メチルtert―ブチルエーテル(MTBE)20mlを加えて残渣を溶解した。反応混合物は、10%(w/v)KCO水溶液10ml、次いで10mlのHOで洗浄した。有機層を分離し、減圧濃縮して、実施例3に従って化合物19の調製のために使用する油(84%収率)0.25gを生成した。
【0237】
このようにして得られた油は、プロトンNMR(CDCl中、HNMR)によって分析され、以下の結果(TMSに対する化学シフト、多重度)を有した。
【0238】
【化112】

実施例4;化合物[VIII]の3−tert−ブトキシ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸メチルエステル[化合物E5]での処理による化合物[19]の調製
【0239】
【化113】

温度計、N注入口および2つの滴下ロートを備えた125mLの3頸丸底フラスコに、式VIIIの化合物の0.5g(1.0当量、1.29mmol)と式E5の化合物の0.448g(1.12当量、1.63mmol)を入れた。この反応混合物に、周囲温度(20℃〜30℃)で、乾燥THFの5ml(10×)を加えた。固体が溶けたら、反応混合物を冷却し、−70℃〜−80℃の温度範囲に維持した。この反応混合物にNaHMDS2.6mMを2MのTHF溶液(1.3ml、2.6当量)として15分にわたり添加し、その間、温度を−60℃〜−70℃の範囲の温度に維持した。添加後、反応混合物を10分間攪拌した。NaHMDSの2.0MのTHF溶液のアリコート(反応混合物中に残存する式VIIIの化合物の2.6当量に等しい量)の添加、次いで10分間の攪拌から成るサイクルをさらに3回継続した。最後の攪拌時間の終わりには、プロトンNMRは、式VIIIの化合物の10%が、生成物に変換されたことを示した。
【0240】
3−tert−ブトキシ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸4−ニトロフェニルエステル[化合物E5]の調製
実施例4で使用するために、化合物5を以下の手順に従って調製した。
【0241】
【化114】

注入口を備えた25mlの丸底フラスコに、周囲温度(20℃〜25℃)で実施例1に従って調製され、無水THF2mlに溶解された式16の化合物4.6g(1.0当量、13.4mmol)を入れた。反応容器に、ジメチルアミノピリジン(DMAP)2mgを加えた。反応混合物を周囲温度で2時間攪拌した。2時間後、メチルtert―ブチルエーテル(MTBE)20mlを混合物に加えた。得られた溶液は、10%(w/v)炭酸カリウム水溶液(30ml)、次いで水で洗浄した。有機層を濾過し、減圧濃縮して、実施例4による化合物19の調製において直接使用される油2.95gを生成した。HNMRは、生成物が95%純度(76%の収率)であることを示す。
【0242】
実施例5:化合物[VIII]の4−tert−ブトキシカルボニルオキシカルボニル−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸メチルエステル[化合物19a]での処理による化合物[XVI]の調製
【0243】
【化115】

温度計、窒素注入口および2つの滴下ロートを備えた3頸丸底フラスコに、乾燥テトラヒドロフラン(THF)4mlと式IVの化合物0.5g(1.29mmol)とをNパージの下で加えた。そのTHFを加温して固形物質を溶解し、次いで溶液を−70℃〜−80℃の間の温度に冷却して、その温度を維持した。第3のサイクルの終了後、反応混合物の攪拌をさらに20分間継続し、その間、反応混合物を−60℃〜−70℃の間の温度に維持した。反応混合物を−60℃で5重量%のKHPO水溶液10mLによりクエンチした。混合物を室温にまで加温し、10分間攪拌し、次いで酢酸エチル20mlを添加した。水層と有機層とを分離し、水層をさらなる20mlのアリコートの酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせた。合わせた有機層を10mlの水(2回)でさらに洗浄した。有機溶媒を除き、残渣をイソプロパノール10mlのアリコートで2回抽出した。イソプロパノール抽出液を除去し、残渣をイソプロパノール4mlに再び溶解した。式XVIの化合物(0.177g、使われた式VIIIの化合物の量に対して24%収率)。
【0244】
こうして得られた固体は、プロトンNMR(CDCl中、HNMR)によって分析され、以下の結果(TMSに対する化学シフト、多重度)を有した。
【0245】
【化116】

4−tert−ブトキシカルボニルオキシカルボニル−2,2−ジメチル−オキサゾリジン−3−カルボン酸メチルエステル[化合物19a]の調製
実施例5で使用するために、式19aの化合物を以下の反応スキームに従って調製した。
【0246】
【化117】

温度計と窒素注入口を備えた3頸丸底フラスコに、化合物E3の1.84g(7.54mmol)と乾燥テトラヒドロフラン(THF)の55mlとを窒素パージの下で加えた。反応混合物を冷却し、0℃〜+5℃の間の温度に維持した。冷却した反応混合物に、炭酸カリウム2.95gを添加し、5分間攪拌した。攪拌時間の終了時点で、化合物E2の0.93g(7.7mM)を、その反応温度を維持しながら加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌した。反応混合物をセライト3.0gと混合し、得られた懸濁液を濾過した。濾過ケーキを乾燥THFで2回、各20mLのアリコートで洗浄した。洗浄液と濾液を合わせ、有機物を減圧蒸留して3.6mLの容量まで濃縮した。乾燥THFを残渣に加え、濃縮/再希釈のサイクルをバッチの含水量がカールフィッシャー滴定法で約0.07重量%未満と測定されるまで継続した。乾燥抽出物のGCは、その反応が2.87g、約87%の収率であることを示す。
【0247】
実施例6−式16の化合物の調製の代替手段
化合物16は、実施例1で上記した手順に従って、あるいはまた、下記に示される前駆体酸の塩から調製することができる。
【0248】
【化118】

熱電対、N注入口および供給タンクを備えた100ガロンのガラスライニング製反応容器に、式E1aの化合物の26.4kgを加えた。反応容器に、カールフィッシャー滴定で0.05%未満の水(202リットル)まで乾燥したテトラヒドロフラン(THF)を周囲温度(20℃〜25℃)で添加して、添加された化合物E1を溶解した。溶解が終了したら、そのバッチを1大気圧で約140リットルの容量に濃縮し、その間、温度は20℃〜30℃の間に維持された。バッチを冷却し、−5℃〜+5℃の間の温度に維持した。30分間かけて、式E2の化合物7.3kgを添加し、その間、バッチの温度を−5℃〜+5℃の間に維持した。添加後、同温度に維持しながら、バッチを90分間攪拌した。攪拌終了時、反応容器に7.8kgのスパーセル、次いでヘプタン54リットルを添加した。バッチをN下で濾過し、濾過ケーキをヘプタン中30%(v/v)THFで洗浄した。濾液と洗液を合わせ、約71リットルのバッチ容量に減圧濃縮した。濃縮物は周囲温度に加温され、式19の化合物を調製するために、または実施例1〜5に従って他のアミンを調製するために使用され得る。
【0249】
こうして得られた濃縮物は、プロトンNMR(CDCl中、HNMR)により分析され、以下の結果(TMSに対する化学シフト、多重度)を有した。
【0250】
【化119】

代替調製実施例6
THF420ml中、60.0g(0.136mol)のE1a攪拌懸濁液に、窒素下、化合物E2の16.6g(0.138mol、1.0当量)を0℃で15分にわたり滴下した。得られた混合物を0℃で2時間攪拌した。スパーセル(supercel)18gとヘプタン120mlを0℃で添加後、混合物をN下、濾過し、濾過ケーキをヘプタン中30%(v/v)THF120mlで洗浄した。濾液と洗液を合わせ、約150mlに減圧濃縮した。NMR分析は、活性化合物16が43.3g(92.5%)に含まれることを示した。その溶液は冷蔵庫に保存されて、式19の化合物を調製するために、または実施例1〜5に従って他のアミンを調製するために使用することができた。
【0251】
【化120】

実施例7:化合物[VIII]の炭酸メチルエステル無水物化合物E6での処理による化合物[19]の調製
【0252】
【化121】

温度計、N注入口および2つの滴下ロートを備えた125mlの3頸丸底フラスコに、THF20ml中、式VIIIの化合物2.0gを入れた。その溶液に、−70℃でTHF(0.5当量)中、1.3mlの2M NaHMDSを加えた。溶液を5分間その温度で攪拌し、式IIIs1aの化合物1.1gの溶液を一度に加えた。その温度での10分間の攪拌後、NaHMDSと化合物IIIs1aとを順次添加することを繰り返した。19の形成はHPLCで確認された。
【0253】
化合物IIIs1aの調製
【0254】
【化122】

実施例7で使用するために、化合物IIIs1aを上記したジシクロヘキシルアミン手順に従って調製した。したがって、式IIIb1化合物10.0gの懸濁液に、0℃でメチルクロロホルマート2.14gを添加した。混合物を5℃で2時間攪拌し、次いでヘプタン20mlとセライト2gを加えた。懸濁液を濾過し、ケーキを2:1(v/v)のTHFとヘプタンを含む溶媒30mlで洗浄した。溶液を減圧濃縮して油14.8gを得た。この油は、HNMRで分析されて、それにより式IIIs1aの化合物を6.7g(93%)含むことが示された。
【0255】
【化123】

実施例8−式IXaaの化合物の調製
式IXaaの化合物を、以下の4工程スキームに従って調製した。
【0256】
【化124】

【0257】
【化125】

工程1a−[(8−メトキシ−2−トリフルオロメチル−キノリン−5−カルボニル)−アミノ]−酢酸エチルエステル[化合物Exp1]から[(8−メトキシ−2−トリフルオロメチル−キノリン−5−カルボチオイル)−アミノ]−酢酸エチルエステル[化合物Exp2]の調製
アルドリッチ(Aldrich)から入手し、そのまま使用されるローソン試薬(0.62当量)28.2g、化合物Exp1(112.4mmol、1当量)40g、続いてトルエン480mlを1Lの丸底フラスコに入れた。混合物を85℃〜90℃まで加熱し、1時間攪拌した。1時間の終わりに、反応混合物を60℃に冷却し、エタノール12mlを加え、その後、反応混合物を15分間攪拌し、次いで40℃に冷却した。反応混合物を最初の容量の20%まで減圧濃縮した。所望の容量が得られたならば、反応混合物を0℃〜5℃に冷却し、この温度で10分間保持して生成物Exp2を析出させ、これを濾過により回収した。こうして得られた固形物質をトルエンの1当量で洗浄し、ケーキが視覚的に乾燥するまで減圧して淡黄色の固形物質を生成した。
【0258】
【化126】

工程Ib−{[((8−メトキシ−2−トリフルオロメチル−キノリン−5−イル)−メチルスルファニル−メチレン)−アミノ)−酢酸エチルエステル[化合物VIII]の調製
工程1aで調製されたExp2の殆ど乾燥した湿潤ケーキを新しい1Lフラスコに入れ、続いてエタノール200mlを加えた。混合物を−10℃〜0℃に冷却し、NaOEt溶液(EtOH中21%、46ml)を滴下ロートから15分かけて加えた。混合物を30分間この温度に保ち、次いで−20℃〜−10℃に冷却した。ヨードメタン(14ml)を滴下ロートから約15分間かけて加え、そのバッチを−5℃〜5℃の温度に2.5時間にわたり加温した。反応は、KHPO(合計6g)の3重量%水溶液200mlをフラスコに添加してクエンチした。その添加後、反応混合物を15分間攪拌し、酢酸エチル200mlとヘプタン100mlから成る混合物、続いて酢酸エチル150mlとヘプタン40mlから成る混合物で順次抽出した。抽出物を合わせ、10%NaCl溶液200mlで洗浄した。抽出物を減圧蒸留により50mlまで濃縮した。イソプロパノール(80ml)を加え、そのバッチを50mlまで再び濃縮した。ヘプタン(120ml)を加え、そのバッチを50℃〜60℃に加熱して析出した固形物質を溶解させ、この温度で15分間保ち、次いで40℃に冷却し、それから−10℃〜0℃の温度にゆっくりと冷却した。得られた固形物質を濾過して回収し、ケーキをヘプタン中10%イソプロパノール(1×)で洗浄した。回収された固形物質(Exp3)を減圧乾燥機中60℃で6時間乾燥し、乾燥ケーキがオフホワイト色の固形物質(34.13g、工程1aと1bの全収率79%)として得られた。
【0259】
【化127】

式VIIIの固体化合物は、不活性な条件下で固形粉末として保存されるとき、安定であることが分かった。
【0260】
工程2−式VIIIの化合物と式[16]の無水物化合物との反応によるオキサゾール環(化合物19)の形成
窒素雰囲気下、乾燥THFの220ml中、式VIIIの化合物17g(44mmol)の溶液を常圧で90mlの容量に蒸留濃縮した。その溶液を約−70℃に冷却し、NaHMDSのアリコート(NaHMDSの5.25g、0.25当量に等しいTHF中での2M溶液として)を滴下ロートから約15分間かけて添加し、その間、反応混合物を−60℃〜−70℃の温度範囲に維持した。反応混合物を−65℃より下で5分間攪拌した後、THF中、式16の化合物の溶液のアリコート(化合物16の0.13当量に等しい)を滴下ロートから約10分間かけて滴下し、その間、反応混合物を−60℃〜−70℃の温度に維持した。−60℃〜−70℃の温度に維持しながら、反応混合物を10分間攪拌した。
【0261】
NaHMDSのアリコートの添加、引き続く16の溶液のアリコートの添加、および攪拌時間の一連の操作を、各サイクルで同量の試薬を使用して7回さらに繰り返した。NaHMDSと化合物16の添加は、添加するNaHMDSと化合物16の量をそれぞれ0.12当量と0.06当量に減らした以外は、先に述べたと同様にしてさらに2回繰り返された。10サイクルの終わりには、VIIIの95%は、19に変換された(HPLC分析による)。
【0262】
反応混合物を激しく攪拌しながら数分かけて、15%KHPO溶液170mlを含む容器に移した。混合物を約5分間攪拌し、酢酸エチル100mlを加えた。混合物を15分間攪拌し、層を落ち着かせた。分液し、水層を酢酸エチル85mlで抽出した。抽出物を有機層と合わせ、100mlの10%NaCl溶液アリコートで2回洗浄した。溶液を1大気圧で約120mlの容量まで濃縮した。イソプロパノール(230ml)を加え、混合物を1大気圧で120mlの容量に濃縮した。イソプロパノール(34ml)とヘプタン(230ml)との追加量を、混合物の温度を65℃に維持しながら、ゆっくりと濃縮混合物に加えた。得られた懸濁液をゆっくりと0℃に3時間かけて冷却した。混合物を約30分間この温度で攪拌し、次いで固形物質を濾過により回収した。こうして調製された濾過ケーキをヘプタン中33%(v/v)酢酸エチルで洗浄し、少なくとも12時間、60℃の減圧乾燥機中で乾燥して99.7%eeを有する白色の固形物質20.2g(79%)を得た。
【0263】
【化128】

工程3−{1−[4−(2,4−ジフルオロ−ベンジルカルバモイル)−2−(8−メトキシ−2−トリフルオロメチル−キノリン−5−イル)−オキサゾール−5−イル]−2−ヒドロキシ−エチル}−カルバミン酸ブチルエステルの調製
丸底フラスコに、工程IIで調製された式19の化合物8.0g(13.8mmol)とTHF90ml中、1.0gのLiOH.HOを入れ、室温で15分間攪拌した。混合物を氷塊で冷却し、水32mlを20分間かけて滴下ロートから滴下し、続いてメタノール25mlを5分間かけて加えた。反応混合物をそれから室温に加温し、一晩攪拌した。次いで、pHが約3になるまで2NのHCI溶液を添加して混合物を酸性にした。混合物を飽和NaCl溶液15mlと酢酸エチル40mlとに混合した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル25mlで抽出した。有機層を抽出物と合わせ、合わせたものを5%塩化ナトリウム溶液で洗浄した。溶液をそのバッチが50ml容量になるまで常圧で蒸留濃縮した。THF(100ml)を添加し、バッチを再び50mlまで濃縮した。含水量は、カールフィッシャー滴定法によって分析され、含水量が0.05%未満であることが判明した。得られた溶液にKCOの極微粉末3.0gとアセトニトリル30mlを加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。生成する懸濁液を15℃に冷却し、塩化トリメチルアセチルの2.1ml(17.1mmol)を加えた。混合物を1時間攪拌した後、サンプルをHPLC分析用に取り出した。酸の混合無水物への完全な変換が観察された場合、2,4−ジフルオロベンジルアミン2.2ml(18.5mmol)を15℃で加え、次いでアセトニトリル50mlを加えた。次いで、混合物を室温で45分間攪拌した。水(160ml)を室温で1時間にわたってゆっくりと加えて結晶性生成物の析出物を得た。その固形物質を濾過して回収し、そのケーキをアセトニトリルと水(1:1混合液)の混合物40ml、次いで水25mlで洗浄した。ケーキを乾燥機中、60℃で乾燥して白色の固形物質8.7g(92.9%)を得た。
【0264】
【化129】

工程4−化合物IXaaを形成するための化合物Xの脱保護
1リットルのフラスコに、工程3からの化合物X113.86gを入れた。そのフラスコを0℃〜10℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(445ml、4×)と水(45ml)を加えた。15分後に、温度を20℃〜25℃に昇温させ、混合物をこの温度で12時間維持した。その後、バッチを2×に減圧濃縮し、新鮮なトリフルオロ酢酸(2×)を加え、バッチをさらに1時間保った。この時点で、バッチは1×に減圧濃縮され、生成するスラリーをTHF(400ml)と水(113ml)で溶解した。バッチは、0℃〜10℃の間の温度に冷却した。10%の炭酸カリウム溶液(2.6×)の溶液を加え、さらに10%の炭酸カリウム溶液(375ml)をpHメータで滴定しながら加えた。pHメータがpH6.5〜pH7.5の間のpHを示すまで、溶液を滴定した。望ましいpHが達成されたとき、水2Lをバッチに加え、さらに生成物を析出させた。水の添加の終わりに、バッチは、0℃〜10℃に冷却され、固形物質を濾過により回収した。ケーキを水中10%THF(5×)で洗浄し、湿潤ケーキを減圧乾燥機中50℃で12時間乾燥させ、その後、乾燥ケーキが、白色の固形物質として得られた(91.743g、95%収率)。
【0265】
【化130】

実施例9−式IXabの化合物の調製
【0266】
【化131】

工程1:
熱電対、N注入口および供給タンクを備えた50LのHastelloy反応器に、(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸8.8kg(46.5mol、2当量)を添加し、次いでそれを90リットルの乾燥テトラヒドロフラン(THF、KF<0.05%))に溶解した。反応器の溶液に、ジシクロヘキシルアミン8.5kg(46.9mol、2当量)をゆっくりと30分間かけて添加し、その間、溶液の温度を−5℃〜+5℃に維持した。温度を−5℃〜+5℃に維持しながら、混合物を15分間攪拌し、次いで塩化トリメチルアセチル5.7kg(47.3mol、2当量)をその反応混合物に30分間かけて加え、その間、反応混合物の温度を−5℃〜+5℃に維持し、引き続きその反応混合物の温度を維持しながら、3時間攪拌した。攪拌時間の後に、ヘプタン27リットル、続いてセライト4.5kgを反応混合物に加え、N雰囲気下、それを濾過した。こうして得られた濾過ケーキをヘプタン中30%(v/v)THFで洗浄した。濾液と洗浄液とを合わせ、36リットルのバッチ容量に減圧濃縮した。濃縮された反応混合物にTHF27リットルを加え、反応混合物の温度を20℃〜30℃の間の温度に調節した。反応混合物中に残存する水は、0.06ppm未満であることがカールフィッシャー滴定法で測定され、得られる混合無水物THF溶液を、さらに精製することなく合成の次の工程で使用した。
【0267】
熱電対、N注入口および供給タンクを備えた50ガロンのガラスライニング製反応容器に、式Ia1の化合物9.0kg(23.3mol、1当量)を添加し、次いでそれを126リットルの乾燥テトラヒドロフラン(THF、KF<0.05%)に溶解した。その溶液を81リットルのバッチ容量にまで1大気圧で濃縮した。溶液の温度を調節し、−60℃〜−70℃の間の温度に維持した。その溶液にNaHMDS(THF中2M、2.70kg、5.9mol、0.25当量)を15分にわたって加え、その間、反応混合物を−60℃〜−70℃の間の温度に維持した。−60℃〜−70℃の間の温度に維持しながら、混合物を5分間攪拌した。先に調製したTHF中の混合無水物(0.83kg活性、3.2mol、0.14当量)を反応混合物に15分間かけて加え、その間、反応混合物の温度を−60℃〜−70℃の間に維持し、添加終了後、10分間攪拌した。(THF中2MのNaHMDS)の添加、混合無水物の添加をこの順番でさらに7回、全部で8回の添加を繰り返した。最後の添加の後、式Ia1の化合物の変換は70%を超えることが測定された。NaHMDS(THF中2M)のアリコート、続いて残存する出発原料の量に対して同じ割合での混合無水物のアリコートを、式Ia1の化合物の変換が94%を超えるまで継続した。次いで、反応混合物を90リットルのHOに溶解した13.5kgのKHPO水溶液に15分間にわたって移し、その間、バッチ温度を30℃より下に維持した。酢酸エチル(59リットル)を混合物に加え、混合物を15分間攪拌した。分液し、得られた水層を45リットルの酢酸エチルで抽出し、分離した有機層と合わせた。合わせた有機層を32リットルの10%(w/v)NaCl水溶液で2回洗浄し、1大気圧で45リットルのバッチ容量に濃縮した。この濃縮された反応混合物に、90リットルのメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)を加え、混合物を1大気圧で54リットルのバッチ容量に濃縮した。反応混合物の温度を55℃〜65℃の間に維持しながら、45リットルのメチルtert−ブチルエーテルの第2のアリコートを加え、次いで反応混合物を55℃〜65℃の間の温度に維持しながら、108リットルのヘプタンを加えた。次いで、反応混合物の温度を調節し、45℃〜55℃の間に維持し、30分間攪拌した。反応混合物の温度を調節し、−5℃〜5℃の間に1時間維持して静置し、次いで温度をさらに30分間その温度に維持しながら攪拌した。得られる析出物を濾過して回収し、ヘプタン中33%(v/v)メチルtert−ブチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥機中で12時間45℃〜55℃で乾燥して8.4kgの(2)(72.2%)をee>99.0%を有する固形物質として得た。
【0268】
【化132】

工程2:
機械攪拌棒、滴下ロートおよび熱電対を備えた500mLの3頸丸底フラスコに、式(Ia2−エステル)の化合物20g(39.3mmol、1当量)、THF60ml、EtOH20mLと水100mLを加えた。この混合物に25%水酸化ナトリウム溶液8mLを加えた。混合物の温度を40℃に4時間維持しながら、混合物を攪拌した。HPLCを行って反応が完了したことを確認した。この反応混合物に、水100mlを加え、50℃に加熱した。反応混合物を50℃に維持しながら、1NのHCl溶液30mlを攪拌しながら30分間かけて加え、その温度を維持しながら、反応混合物をさらに30分間攪拌した。30分後、1NのHCl溶液24mlを30分間にわたりさらに加え、次いで、水60mlを30分間にわたり加え、これらの添加の間、反応混合物を50℃に維持し続けた。水を加えた後、反応混合物を室温にまで1時間にわたって冷却した。得られた析出物を吸引濾過により回収し、エタノールと水(1/5、v/v)の40ml溶媒混合物で洗浄した。固形物質を60℃で12時間減圧乾燥して、化合物(Ia2−酸)16.8g(90%)をオフホワイト色の固形物質として得た。
【0269】
【化133】

工程3:
パートA
EtOAc(1.2L)に溶解された化合物((2R,4S)−4(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸−1−tert−ブチルエステル2−エチルエステル(60g、184mmol、1当量)を20℃〜30℃に冷却し、20℃〜35℃の間の温度に反応混合物を維持しながらその(36g、980mmol、5.3当量)を溶液に注入するまで、HClを化合物に注入した。生成物のHCl塩が、反応が進行するにつれて注入過程で形成し始めた。HCl注入の終了時点で、反応混合物を加熱し、20℃〜30℃の間の温度に維持し、1時間攪拌した。1時間後、反応混合物をHPLCによって評価し、完全な変換が達成されたことが測定された。反応混合物を35℃〜45℃で600mlの容量まで減圧濃縮し、式Ib2aの化合物の析出物を含む濃厚なスラリーを形成した。次いで、NMP(280mL)をその反応混合物に加え、混合物を35℃〜45℃で560mlの容量まで減圧濃縮して透明な溶液を形成した。この溶液を、パートBのカップリング工程で直接使用した。
【0270】
パートB
1Lの3頸RBF中で、式(Ica2−酸)の化合物(80g、166mmol、1当量)、HOBT・HO(28g、182mmol、1.1当量)およびEDCI・HCl(48g、250mmol、1.4当量)をNMP(320mL)とEtOAc(320mL)に溶解した。反応混合物を温度を25℃に維持しながら40分間攪拌した。パートAで形成された式Ib2aの化合物の溶液を、この反応混合物に加え、その温度を維持しながら10分間攪拌した。N−メチルモルホリン(80mL、724mmol、4.4当量)を、温度が35℃より下に維持される速度で反応混合物に加えた。一旦反応が終了したら、EtOAc(320)と水(800mL)を反応混合物に加えた。得られた混合物を15分間攪拌し、分液した。有機層を1MのHCl(400mL)、次いで10%KCO(400mL)および水(400mL)で洗浄し、160mLの容量まで濃縮した。アセトン(800mL)を反応混合物に加え、それは40℃〜50℃の間の温度で再び240mLまで減圧濃縮された。反応混合物をアセトンの別の800mLのアリコートで希釈し、40℃〜50℃の間の温度で240mLまでそのバッチを再び減圧濃縮した。反応混合物の温度を40℃に維持しながら、ヘプタン800mLをそのバッチにゆっくりと加え、式(Ica2)の化合物を析出させた。生成物の固形物質は、濾過して回収し、50℃で12時間、減圧乾燥して(4)(103g、90%)をオフホワイトの固形物質として得た。
【0271】
【化134】

注:回転異性体の存在のために、観察されたピークは、観察されたものだけが列挙されている。
【0272】
工程4:
式(Ica2)の化合物(20g、29mmol、1当量)をフラスコに添加し、THF(60ml)に溶解した。その溶液を0℃〜10℃の間の温度に冷却した。0℃〜20℃の間の温度を維持するように、濃HCl(20ml)をゆっくりと加えた。添加の終わりに、その溶液を加温し、20℃〜30℃の間の温度に維持し、4時間攪拌し、その時点で反応が完了したことをHPLCにより測定した。そのバッチを2−Me−THF(120ml)とTHF(40ml)で希釈し、反応を8〜8.5のpHを達成するために20%KCO(110ml)によりクエンチした。pHを調節した後に、さらに水(80ml)を加え、そのバッチを30℃に加熱してきれいな相分離を達成した。バッチを15分間静置し、下層の水層を分離し、有機層を水(80ml)で洗浄した。有機相を2−Me−THF(200ml)で希釈し、次いで、大気圧で還流下100mlまで濃縮した。固体の生成物(式IXabの化合物)は、この容量で観察された。次いで、このバッチを0℃〜10℃にまで冷却し、濾過した。湿潤ケーキを2回、2−Me−THF(各回40ml)で洗浄した。湿潤ケーキは、60℃で少なくとも12時間、減圧下で乾燥して式(IXab)の化合物13.50g(79%)を白い固体として得た。
【0273】
HNMR(スペクトルは回転異性体を示す。化学シフトだけが報告されているが、積分値またはピーク多重度は報告されていない;
【0274】
【化135】

本発明の上記の説明は例示的であり、制限的なものではないことが意図される。本明細書で記述された実施形態における種々の変更または修正は、当業者に想定され得るものである。これらの変更は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく達成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IV:
【化136】

[式中、
tは、1または2であり;
は、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル(C−C)アルキル−、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)アルキルまたは−C(O)NR1819であり;
は、−OR2aまたは−N(R)(R)であり、ここでR2aは、直鎖、分枝、もしくは環状のアルキルまたは置換された直鎖、分枝、もしくは環状のアルキルであり、RおよびRは、下記で定義され;
およびRは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択され;
5aおよびR6bは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、メルカプトアルキル、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)OH、−C(O)Oアルキルおよび−C(O)NR4344からなる群から選択され;
は、H、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、(R17−フェニル)アルキルまたは−CH−C(O)−O−アルキルであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルキル−NR1819、シアノアルキル、R23−ヘテロアリール、R23−ヘテロアリールアルキル、(R36−ヘテロシクロアルキル)アルキル、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、R17−ナフチル、(R17−ナフチル)アルキル、R17−ベンジルオキシ、−アルキル−C(O)−NR1819、−アルキル−C(O)−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−C(O)−N(R30)−(シクロアルキル)、−アルキル−C(O)−(R36−ヘテロシクロアルキル);−アルキル−N(R30)−C(O)Oアルキル、−アルキル−N(R30)−C(O)−NR1819、−アルキル−N(R30)−C(O)アルキル、−アルキル−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R39−シクロアルキル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R17−フェニル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−N(R30)−C(O)−アルキレン−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−NH−SO−NR1819、−アルキル−N(R30)−(R17−フェニル)、−アルキル−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−O−(R17−フェニル)、−アルキル−O−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−N(R30)−SO−アルキル、R45−ヒドロキシアルキル、R17−ベンジルオキシで置換されたジヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたジヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたアルコキシアルキル、−COアルキルで置換された(R17−フェニル)アルキル、−C(O)NHで置換された(R17−フェニル)アルキル、(R23−ヘテロアリール)および−C(O)NR3738で置換されたアルキル、R12−シクロアルキル、(R12−シクロアルキル)アルキル、
【化137】

であるか;
または、RおよびRとそれらが結合する窒素は一緒になって、環系を形成し、該環系は、以下からなる群から選択される:
【化138】

pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
点線は、任意の2重結合を表し;
は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、−CHF、−CHFまたはCFであり;
10、R11、およびR13は、独立して、Hおよびハロからなる群から選択され;
12は、1個〜3個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−シクロアルキル、−(CHN(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)−NR1819および−(CH−C(O)−NR1819からなる群から選択され;
14は、1個または2個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、OH、ハロ、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−CF、CN、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、−NR1819、アルキル−NR1819、−(CH−C(O)OH、−(CH−C(O)Oアルキル、−(CH−C(O)アルキル、−(CH−C(O)(R35−フェニル)、−(CH−C(O)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−C(O)NR1819、−(CH−C(O)N(R30)−(CH−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)−(シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)(R35−フェニル)、−(CH−N(R30)−C(O)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)C(O)NR1819、−(CH−N(R30)−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)シクロアルキル、−(CH−N(R30)(R17−フェニル)、−(CH−N(R30)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R18)SOアルキル、−(CH−N(R20)SO−(R17−フェニル)、−(CH−N(R30)SO−CF、−CHS(O)0−2(R35−フェニル)、−(CH−OC(O)N(R30)アルキル、R23−ヘテロアリール、(R23−ヘテロアリール)アルキル、(R23−ヘテロアリール)オキシ、(R23−ヘテロアリール)アミノ、−CH(OH)−(R17−フェニル)、−CH(OH)−(R23−ヘテロアリール)、−C(=NOR30)−(R17−フェニル)、−C(=NOR30)−(R23−ヘテロアリール)、モルホリニル、チオモルホリニル、
【化139】

からなる群から選択され;
wは、0または1であるか;
または2個のR14置換基とそれら両方が結合している炭素は、−C(=NOR30)−または−C(O)−を形成し;
各nは、独立して、0、1、2または3であり;
15は、H、アルキル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−C(O)Oアルキル、−C(O)O(R30−シクロアルキル)、−アルキル−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレン−(R35−フェニル)、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、−CH−(R17−フェニル)、R23−ヘテロアリール、−(CH−C(O)NR1819、−SO−アルキル、−SO−シクロアルキル、−SO−CF、−SO−(R35−フェニル)、−SO−NR1819、−C(O)アルキル、−C(O)−(フルオロアルキル)、−C(O)−C(CH)(CF、−C(O)−(R17−フェニル)、−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)−ヒドロキシアルキル、−C(O)−アルコキシアルキル、−C(O)−(R39−シクロアルキル)、−C(O)−アルキレン−(R17−フェニル)、−C(O)−アルキレン−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)−アルキレン−S−C(O)アルキル、−C(=S)−(R17−フェニル)、R17−フェニルで置換されたヒドロキシアルキル、R23−ヘテロアリールで置換されたヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたアルコキシアルキル、R23−ヘテロアリールで置換されたアルコキシアルキル、
【化140】

であり、ここで、zは、0、1または2であり;
16は、1個〜4個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、アルキル、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、(R23−ヘテロアリール)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択されるか、または2個のR16基とそれら両方が結合する炭素は、−C(O)−を形成し;
17は、フェニル部分の水素を置換する1個〜3個の置換基を表し、該置換基の各々は、独立して、ハロ、アルキル、シクロアルキル、−OH、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−OCF、−OCHF、−OCHF、−C(O)OH、−C(O)Oアルキル、−C(O)O−(R35−フェニル)、−C(O)アルキル、−C(O)−(R35−フェニル)、−SOアルキル、−SOアルキル、−SO−CF、アルキルチオ、−NR4344、−アルキル−NR4344およびヘテロアリールからなる群から選択されるか;または隣接炭素原子上の2個のR17置換基は、一緒になって、−O−CH−O−、−O−(CH−O−、−(CH−O−もしくは−O−CH−O−CH−を形成し;
18およびR19は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、R17−フェニルおよび(R17−フェニル)アルキルからなる群から選択され;
20は、H、アルキル、またはシクロアルキルであり;
22は、1個〜4個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、−CF、−NHおよびR35−フェニルからなる群から選択され;
23は、1個〜4個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、−CF、−NR1819、−CN、−C(O)Oアルキル、−NHSO−アルキルおよびR35−フェニルからなる群から選択され;
24は、H、OHまたはアルコキシであるか;または任意の2重結合が存在する場合、R24とその隣接炭素原子は、2重結合を形成し;
25は、HまたはR35−フェニルであり;
27は、1個〜3個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、ハロ、OH、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−CF、−CN、−C(O)OH、−C(O)Oアルキル、−C(O)N(R30)(R18)、−C(O)−(R36−ヘテロシクロアルキル)、R17−フェニル、(R17−フェニル)−アルキル、R23−ヘテロアリール、(R23−ヘテロアリール)アルキル、(R23−ヘテロアリール)オキシ、(R23−ヘテロアリール)アミノNR1819、NR1819−アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)アルコキシアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)(シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)O−アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)O−(CF−アルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)O−(R39−シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)O−アルキレン−シクロアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−N(R30)(R20)、−(CH−N(R30)−SO−アルキル、−(CH−N(R30)−SO−CF、−(CH−N(R30)−SO−N(R30および
【化141】

からなる群から選択されるか、または2個のR27基とそれら両方が結合する炭素は、−C(=NOR30)−もしくは−C(O)−を形成し;
28は、H、アルキル、R35−ベンジルまたは−アルキル−C(O)O−アルキルであり;
29は、アルキル、−C(O)Oアルキル、−C(O)アルキル、−C(O)シクロアルキル、−C(O)−(R17−フェニル)、−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−SO−アルキル、−SO−(R35−フェニル)、−C(O)NR1819、R35−フェニル、(R35−フェニル)アルキルまたはR23−ヘテロアリールであり;
30は、独立して、H、アルキルおよびR35−ベンジルからなる群から選択され;
31は、H、アルキル、R35−ベンジルまたはフェノキシアルキルであり;
33は、H、OHまたはアルコキシであり;
34は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたは−C(O)Oアルキルであり;
35は、1個〜3個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、ハロ、アルキル、OH、−CFおよびアルコキシからなる群から選択され;
36は、1個または2個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、アルキル、R17−フェニル、アルコキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択されるか;または2個のR36基とそれら両方が結合する炭素は、−C(=NOR30)−もしくは−C(O)−を形成し;
37およびR38は、独立して、Hおよびアルキルからなる群から選択されるか、またはR37およびR38は、一緒になって、−(CH−もしくは−(CH−であり、また、それらが結合する窒素と一緒になって、環を形成し;
39は、H、OH、アルキル、アルコキシ、またはCFであり;
40は、−OR30または−NHC(O)アルキルであり;
41は、Hまたは−SOアルキルであり;
42は、−(CH−(R35−フェニル)、−(CH−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)Oアルキルまたは−C(O)アルキルであり;
43およびR44は、独立して、Hおよびアルキルからなる群から選択され;および
45は、1個または2個の置換基であり、該置換基は、独立して、ハロ、アルコキシアルキル、−COアルキル、R17−フェニル、R23−ヘテロアリールおよびシクロアルキルからなる群から選択される]のオキサゾリン置換キノリンを作製するための方法であって、
該方法は、(a)式II:
【化142】

の化合物を、
(a)式III:
【化143】

の酸無水物化合物、
(b)式IIIs:
【化144】

のアルキルエステル炭酸無水化合物、
(d)式IIIq:
【化145】

のN−アルコキシアミド化合物、および
(e)式IIIr:
【化146】

のエステル
(式中、
2bは、上記で定義した通りであり;
およびRは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、メルカプトアルキル、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)O−アルキルおよび−C(O)NR43a44aからなる群から選択され、ここでR43aおよびR44aは、出現毎に独立して、H、アルキルおよび窒素保護基の群から選択され、好ましくは、RおよびRのうちの1つは、水素であり、他方はt−ブトキシメチル−であり;
およびRのうちの1つは、酸に対して不安定な窒素保護基であり、RおよびRの他方は、H、および直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和のアルキルから選択され;
46aは、直鎖、分枝または環状のアルキルであって、該アルキルは、場合により、電子吸引性置換基、例えば、塩素により置換されていてもよく、好ましくは、R46aは、隣接するアシル炭素への求核的攻撃に対する立体障害を提供するように選択され、より好ましくは、R46aは、t−ブチル基であり;
46bは、直鎖、分枝、もしくは環状の、飽和もしくは不飽和のアルキル、アルキルアリール、またはアリール基であり、それらの各々は、場合により電子吸引性基で置換されており、置換されている場合には、好ましくは、該置換基は、ハロゲン、例えば塩素、およびNOから選択され;
46は、出現毎に独立して、直鎖、分枝、もしくは環状の、飽和もしくは不飽和のアルキル、アリール、およびアルカリルから選択され、それらの各々は、場合によりハロゲンおよび−NOで置換されており;
47は、直鎖、分枝、または環状の、飽和もしくは不飽和のアルキル、アリール、およびアルカリルから選択され、それらの各々は、場合により電子吸引性基で置換されており、好ましくは、R47は、炭素原子が5個以下のアルキルであり;
48は、出現毎に独立して、直鎖、分枝、または環状の求電子性アルキルから選択され;および
、R、R10、R11、およびR13は、上で定義した通りである)から選択されるアシル化試薬と、式IIの化合物中に存在するチオアミド酸メチルエステル官能基の窒素に結合している炭素からプロトンを引き抜くための充分なプロトン親和性を有するルイス塩基の存在下で、反応させて、それによりアシル化反応を開始させ、式IVの化合物を形成することを含む、方法。
【請求項2】
48が出現毎にメチルであり、RがR2aである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式IVの化合物のオキサゾリン環の1つ以上が、酸を形成するための右側のエステル官能基の塩基加水分解、該酸のアミド化、および国際公開第2005/116009号の記載にしたがって左側のアミノ官能基の脱保護によりさらに誘導体化される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
「t」が1であり、Rがメチルであり、R10、R11、およびR13が、それぞれ水素であり、Rがトリフルオロメチルであり、式Iの化合物が、式IV:
【化147】

の構造を有するようにこれらの置換基が位置している、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
式IIIの酸無水物が、式VI:
【化148】

の酸無水物である、請求項2および3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
式IXaa:
【化149】

の化合物の作製方法であって、該方法は、
(a)[(8−メトキシ−2−トリフルオロメチル−キノリン−5−カルボチオイル)−アミノ]−酢酸エチルエステル3Aをヨウ化アルキルの存在下、アルコキシド塩基と反応させて、式3Bの{[(8−メトキシ−2−トリフルオロメチル−キノリン−5−カルボチオイル)−メチルスルファニル−メチレン]−アミノ}−酢酸エチルエステルを調製し;
【化150】

(b)式3Bのキノリンを、ルイス塩基の存在下、式16の酸無水物と反応させて式XIIの構造を有する化合物を形成し;
【化151】

(c)式XIIの化合物を水酸化物塩基で処理して式XIIIの酸を生成し;
【化152】

(d)トリエチルアミンおよび酸クロリドの存在下、式XIIIの化合物を式XIVのアミンで処理してアミド化して構造XVの化合物を形成し;
【化153】

および
(e)式XVの化合物を水の存在下トリフルオロ酢酸を用いた処理により脱保護して式IXの化合物を生成すること;
【化154】

を含む、方法。
【請求項7】
工程(a)で使用されるヨウ化アルキルがヨウ化メチルである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程(a)で使用されるアルコキシド塩基がナトリウムエトキシドである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
工程(b)における前記ルイス塩基が、存在する式IIIBのキノリンの量に対して2分子当量を超える量で使用される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
工程(b)における前記ルイス塩基がナトリウムビストリメチルシリルアミドである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
工程(c)で使用される前記水酸化物塩基がLiOHである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
工程(d)で使用される前記酸クロリドが塩化ピバリルである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
式IIIa1:
【化155】

のアシル化試薬。
【請求項14】
式IIIra1:
【化156】

のアシル化試薬。
【請求項15】
スキームIIaに図示された方法を含む、アシル化試薬の調製のための方法。
【化157】

【請求項16】
前記アシル化基質が、式IIIr:
【化158】

(式中、
およびRは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、メルカプトアルキル、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)O−アルキルおよび−C(O)NR43a44aからなる群から選択され、ここでR43aおよびR44aは、出現毎に独立して、H、アルキルおよび窒素保護基の群から選択され、好ましくは、RおよびRのうちの1つは、水素であり、他方はt−ブトキシメチル−であり;および
およびRのうちの1つは、酸に対して不安定な窒素保護基であり、RおよびRの他方は、H、および直鎖、分枝または環状の飽和もしくは不飽和のアルキルから選択される)の部分である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記アシル化基質が、式IIIp:
【化159】

(式中、
およびR46aは、上に定義した通りであり、R50は、出現毎に独立して選択され、直鎖、分枝、もしくは環状のアルキルから選択され、または2つが一緒になって環状アルキルスピロ環を形成し、好ましくは、各R50は、HC−(メチレン)であり、R6aは、Hおよび直鎖、分枝または環状のアルキルから選択される)の部分である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
PDE−4阻害剤化合物としての医薬活性を有する式Iの化合物の調製に有用な2−(キノリン−5−イル)−4,5ジ置換−アゾール誘導体中間体化合物を提供するのに有用な中間体を提供するための方法であって:
【化160】

[式中、
tは、1または2であり;
Xは、OまたはSであり;
は、H、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル(C−C)アルキル−、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)アルキルまたは−C(O)NR1819であり;
は、−OR2aまたは−N(R)(R)であり、ここでR2aは、直鎖、分枝、もしくは環状のアルキル、または置換された直鎖、分枝、もしくは環状のアルキルであり、RおよびRは、下記で定義され;
およびRは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択され;
5aおよびR6bは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、メルカプトアルキル、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)OH、−C(O)Oアルキルおよび−C(O)NR4344からなる群から選択され;
は、H、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、(R17−フェニル)アルキルまたは−CH−C(O)−O−アルキルであり;
は、H、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルキル−NR1819、シアノアルキル、R23−ヘテロアリール、R23−ヘテロアリールアルキル、(R36−ヘテロシクロアルキル)アルキル、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、R17−ナフチル、(R17−ナフチル)アルキル、R17−ベンジルオキシ、−アルキル−C(O)−NR1819、−アルキル−C(O)−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−C(O)−N(R30)−(シクロアルキル)、−アルキル−C(O)−(R36−ヘテロシクロアルキル);−アルキル−N(R30)−C(O)Oアルキル、−アルキル−N(R30)−C(O)−NR1819、−アルキル−N(R30)−C(O)アルキル、−アルキル−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R39−シクロアルキル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R17−フェニル)、−アルキル−N(R30)−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−N(R30)−C(O)−アルキレン−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−NH−SO−NR1819、−アルキル−N(R30)−(R17−フェニル)、−アルキル−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−O−(R17−フェニル)、−アルキル−O−(R23−ヘテロアリール)、−アルキル−N(R30)−SO−アルキル、R45−ヒドロキシアルキル、R17−ベンジルオキシで置換されたジヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたジヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたアルコキシアルキル、−COアルキルで置換された(R17−フェニル)アルキル、−C(O)NHで置換された(R17−フェニル)アルキル、(R23−ヘテロアリール)および−C(O)NR3738で置換されたアルキル、R12−シクロアルキル、(R12−シクロアルキル)アルキル、
【化161】

であるか;
または、RおよびRとそれらが結合する窒素は一緒になって、環系を形成し、該環系は、以下からなる群から選択される:
【化162】

pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
点線は、任意の2重結合を表し;
は、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、−CHF、−CHFまたはCFであり;
10、R11、およびR13は、独立して、Hおよびハロからなる群から選択され;
12は、1個〜3個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−シクロアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)−NR1819および−(CH−C(O)−NR1819からなる群から選択され;
14は、1個または2個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、OH、ハロ、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−CF、CN、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、−NR1819、アルキル−NR1819、−(CH−C(O)OH、−(CH−C(O)Oアルキル、−(CH−C(O)アルキル、−(CH−C(O)(R35−フェニル)、−(CH−C(O)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−C(O)NR1819、−(CH−C(O)N(R30)−(CH−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)−(シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)(R35−フェニル)、−(CH−N(R30)−C(O)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)C(O)NR1819、−(CH−N(R30)−C(O)Oアルキル、−(CH−N(R30)シクロアルキル、−(CH−N(R30)(R17−フェニル)、−(CH−N(R30)(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R18)SOアルキル、−(CH−N(R20)SO−(R17−フェニル)、−(CH−N(R30)SO−CF、−CHS(O)0−2(R35−フェニル)、−(CH−OC(O)N(R30)アルキル、R23−ヘテロアリール、(R23−ヘテロアリール)アルキル、(R23−ヘテロアリール)オキシ、(R23−ヘテロアリール)アミノ、−CH(OH)−(R17−フェニル)、−CH(OH)−(R23−ヘテロアリール)、−C(=NOR30)−(R17−フェニル)、−C(=NOR30)−(R23−ヘテロアリール)、モルホリニル、チオモルホリニル、
【化163】

からなる群から選択され;
wは、0または1であり;
または2個のR14置換基とそれら両方が結合している炭素は、−C(=NOR30)−または−C(O)−を形成し;
各nは、独立して、0、1、2または3であり;
15は、H、アルキル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−C(O)Oアルキル、−C(O)O(R30−シクロアルキル)、−アルキル−C(O)O−アルキル、−C(O)O−アルキレン−(R35−フェニル)、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、−CH−(R17−フェニル)、R23−ヘテロアリール、−(CH−C(O)NR1819、−SO−アルキル、−SO−シクロアルキル、−SO−CF、−SO−(R35−フェニル)、−SO−NR1819、−C(O)アルキル、−C(O)−(フルオロアルキル)、−C(O)−C(CH)(CF、−C(O)−(R17−フェニル)、−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)−ヒドロキシアルキル、−C(O)−アルコキシアルキル、−C(O)−(R39−シクロアルキル)、−C(O)−アルキレン−(R17−フェニル)、−C(O)−アルキレン−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)−アルキレン−S−C(O)アルキル、−C(=S)−(R17−フェニル)、R17−フェニルで置換されたヒドロキシアルキル、R23−ヘテロアリールで置換されたヒドロキシアルキル、R17−フェニルで置換されたアルコキシアルキル、R23−ヘテロアリールで置換されたアルコキシアルキル、
【化164】

であり、ここで、zは、0、1または2であり;
16は、1個〜4個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、アルキル、R17−フェニル、(R17−フェニル)アルキル、(R23−ヘテロアリール)アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択されるか、または2個のR16基とそれら両方が結合する炭素は、−C(O)−を形成し;
17は、フェニル部分の水素を置換する1個〜3個の置換基を表し、各置換基は、独立して、ハロ、アルキル、シクロアルキル、−OH、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−OCF、−OCHF、−OCHF、−C(O)OH、−C(O)Oアルキル、−C(O)O−(R35−フェニル)、−C(O)アルキル、−C(O)−(R35−フェニル)、−SOアルキル、−SOアルキル、−SO−CF、アルキルチオ、−NR4344、−アルキル−NR4344およびヘテロアリールからなる群から選択されるか;または隣接炭素原子上の2個のR17置換基は、一緒になって、−O−CH−O−、−O−(CH−O−、−(CH−O−もしくは−O−CH−O−CH−を形成し;
18およびR19は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、R17−フェニルおよび(R17−フェニル)アルキルからなる群から選択され;
20は、H、アルキル、またはシクロアルキルであり;
22は、1個〜4個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、−CF、−NHおよびR35−フェニルからなる群から選択され;
23は、1個〜4個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、−CF、−NR1819、−CN、−C(O)Oアルキル、−NHSO−アルキルおよびR35−フェニルからなる群から選択され;
24は、H、OHまたはアルコキシであるか;または任意の2重結合が存在する場合、R24と隣接炭素原子は、2重結合を形成し;
25は、HまたはR35−フェニルであり;
27は、1個〜3個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、ハロ、OH、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−CF、−CN、−C(O)OH、−C(O)Oアルキル、−C(O)N(R30)(R18)、−C(O)−(R36−ヘテロシクロアルキル)、R17−フェニル、(R17−フェニル)−アルキル、R23−ヘテロアリール、(R23−ヘテロアリール)アルキル、(R23−ヘテロアリール)オキシ、(R23−ヘテロアリール)アミノNR1819、NR1819−アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−(フルオロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)アルコキシアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)(シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−(CH−N(R30)−C(O)O−アルキル、−(CH−N(R30)−C(O)O−(CF−アルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)O−(R39−シクロアルキル)、−(CH−N(R30)−C(O)O−アルキレン−シクロアルキル、−(CH−N(R30)−C(O)−N(R30)(R20)、−(CH−N(R30)−SO−アルキル、−(CH−N(R30)−SO−CF、−(CH−N(R30)−SO−N(R30および
【化165】

からなる群から選択されるか、または2個のR27基とそれら両方が結合する炭素は、−C(=NOR30)−もしくは−C(O)−を形成し;
28は、H、アルキル、R35−ベンジルまたは−アルキル−C(O)O−アルキルであり;
29は、アルキル、−C(O)Oアルキル、−C(O)アルキル、−C(O)シクロアルキル、−C(O)−(R17−フェニル)、−C(O)−(R23−ヘテロアリール)、−SO−アルキル、−SO−(R35−フェニル)、−C(O)NR1819、R35−フェニル、(R35−フェニル)アルキルまたはR23−ヘテロアリールであり;
30は、独立して、H、アルキルおよびR35−ベンジルからなる群から選択され;
31は、H、アルキル、R35−ベンジルまたはフェノキシアルキルであり;
33は、H、OHまたはアルコキシであり;
34は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたは−C(O)Oアルキルであり;
35は、1個〜3個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、ハロ、アルキル、OH、−CFおよびアルコキシからなる群から選択され;
36は、1個または2個の置換基であり、該置換基は、独立して、H、アルキル、R17−フェニル、アルコキシアルキルおよび−C(O)Oアルキルからなる群から選択されるか;または2個のR36基とそれら両方が結合する炭素は、−C(=NOR30)−または−C(O)−を形成し;
37およびR38は、独立して、Hおよびアルキルからなる群から選択されるか、またはR37およびR38は、一緒になって、−(CH−または−(CH−であり、また、それらが結合する窒素と一緒になって、環を形成し;
39は、H、OH、アルキル、アルコキシ、またはCFであり;
40は、−OR30または−NHC(O)アルキルであり;
41は、Hまたは−SOアルキルであり;
42は、−(CH−(R35−フェニル)、−(CH−(R23−ヘテロアリール)、−C(O)Oアルキルまたは−C(O)アルキルであり;
43およびR44は、独立して、Hおよびアルキルからなる群から選択され;および
45は、1個または2個の置換基であり、該置換基は、独立して、ハロ、アルコキシアルキル、−COアルキル、R17−フェニル、R23−ヘテロアリールおよびシクロアルキルからなる群から選択される]、ここで式Iの化合物が調製される前記中間体は、式IV:
【化166】

(式中、
、R、R、R、R10、R11、およびR13は、上で定義した通りであり、R2bは、直鎖、分枝、もしくは環状のアルキルおよびベンジルから選択され、ここで該選択された基は、場合により1個以上の電子吸引性基で置換されており、そして、隣接するカルボニル炭素の塩基加水分解を可能とするか、または促進し、好ましくは、R2bは、炭素原子が4個以下のアルキルであり、より好ましくはR2bは、エチルであり、RおよびRは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、メルカプトアルキル、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)O−アルキルおよび−C(O)NR43a44aからなる群から選択され、ここでR43aおよびR44aは、出現毎に独立して、H、アルキルおよび窒素保護基の群から選択される)の化合物を含み、該中間体の作製方法は、
(b)式II:
【化167】

の化合物を、
(a)式III:
【化168】

の酸無水物化合物、
(b)式IIIs:
【化169】

のアルキルエステル炭酸無水物化合物、
(d)式IIIq:
【化170】

のN−アルコキシアミド化合物、および
(e)式IIIr:
【化171】

のエステル
(式中、
2bは、上記で定義した通りであり;
およびRは、独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、メルカプトアルキル、−CHF、−CHF、−CF、−C(O)O−アルキルおよび−C(O)NR43a44aからなる群から選択され、ここでR43aおよびR44aは、出現毎に独立して、H、アルキルおよび窒素保護基の群から選択され、好ましくは、RおよびRのうちの1つは、水素であり、他方はt−ブトキシメチル−であり;
およびRのうちの1つは、酸に対して不安定な窒素保護基であり、RおよびRの他方は、H、および直鎖、分枝、または環状の飽和もしくは不飽和のアルキルから選択され;
46aは、直鎖、分枝または環状のアルキルであって、該アルキルは、場合により電子吸引性置換基、例えば塩素により置換されていてもよく、好ましくは、R46aは隣接するアシル炭素への求核的攻撃に対する立体障害を提供するように選択され、より好ましくは、R46aは、t−ブチル基であり;
46bは、直鎖、分枝、もしくは環状の、飽和もしくは不飽和のアルキル、アルキルアリール、またはアリール基であり、それらの各々は、場合により電子吸引性基で置換されており、置換されている場合には、好ましくは、該置換基は、ハロゲン、例えば塩素、およびNOから選択され;
46は、出現毎に独立して、直鎖、分枝、または環状の、飽和もしくは不飽和のアルキル、アリール、およびアルカリルから選択され、それらの各々は、場合によりハロゲンおよび−NOで置換されており;
47は、出現毎に独立して、直鎖、分枝、または環状の、飽和もしくは不飽和のアルキル、アリール、およびアルカリルから選択され、それらの各々は、場合により電子吸引性基で置換されており、好ましくは、R47は、炭素原子が5個以下のアルキルであり;
48は、出現毎に独立して、直鎖、分枝、または環状の求電子性アルキルから選択され;および
、R、R10、R11、およびR13は、上で定義した通りである)から選択されるアシル化試薬と、式IIの化合物中に存在するチオアミド酸メチルエステル官能基の窒素に結合している炭素からプロトンを引き抜くための充分なプロトン親和性を有するルイス塩基の存在下、反応させて、それによりアシル化反応を開始して式IVの化合物を形成することを含む、方法。
【請求項19】
式ID:
【化172】

(式中、
は、ハロアルキルであり;
、Rは、アルキルであり;
は、水素、メチルおよび上記でRとして定義された基から選択され;および
は、酸に不安定なアミノ保護基から選択される)のオキサゾール化合物を調製するための方法であって、該方法は、
(a)式IDa:
【化173】

(式中、
、R、およびRは、上に定義した通りであり;
は、水素およびアルキルから選択され;および
Xは、酸素および硫黄から選択される)の化合物を含む溶液を提供し;
(b)工程(a)で提供された溶液をアルカリ金属アミド塩基と反応させ;ならびに
(c)工程(b)で提供された混合物を式IDb:
【化174】

(式中、
およびRは、上に定義した通りであり;
は、活性化された酸部分を表す)の化合物と反応させることを含む、方法。
【請求項20】
がアルキルカルボニルオキシ部分である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
がハロゲンである、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
工程「b」が、ルイス塩基のアリコートを反応混合物中の式IDaの化合物の全てと反応するのに必要な量よりも少ない量で添加して行われ、工程「c」が、添加される式IDa化合物の量と等量の式IDbの無水化合物の量を添加し、次いで、ルイス酸、次に無水物の添加を式IDaの化合物の実質的に全てが反応するまで繰り返すことにより行われる、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
式IXab:
【化175】

の化合物を提供するための方法であって、該方法は、
(a)式Ib1a:
【化176】

の無水物を提供し、
(b)式Ia1:
【化177】

の化合物をルイス塩基と反応させ、その生成物を工程(a)で提供される無水物と反応させて、式Ia2−エステル:
【化178】

の化合物を提供し、
(c)式Ia2−エステルの化合物を塩基性水溶液で処理して、式Ia2−酸の化合物:
【化179】

に変換し、
(d)式Ia2−酸の化合物を式Ib2a:
【化180】

のアミノ塩化合物と反応させて、式Ic2a:
【化181】

の化合物を形成し、
(e)工程(d)で形成される式Ic2aの化合物を脱保護して、式IXabの化合物を形成することを含む、方法。
【請求項24】
前記ルイス塩基がナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
工程(c)で使用される塩基性水溶液が25%水酸化ナトリウムであり、加水分解がエタノールの存在下で行われる、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
工程(c)で使用される塩基性水溶液が25%水酸化ナトリウムであり、加水分解がエタノールの存在下で行われる、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
工程(a)における式Ib1aの無水物が、式Ib1b:
【化182】

の化合物(N−Boc−L−アラニン)を、ジシクロヘキシルアミンの存在下で、塩化トリメチルアセチルと反応させることを含む方法により提供される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
工程(b)が、式Ia1の化合物を反応混合物中に入れ、存在する式Ia1の化合物の全てと反応するのに必要な量よりも少ない量のルイス塩基のアリコートを添加して行われ、工程(c)が、工程(b)で添加されるルイス酸の量と等量の式Ib1の無水物化合物の量を添加し、ルイス酸、次に無水物の添加を式Ia1の化合物の実質的に全てが反応するまで繰り返すことにより行われる、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
ルイス塩基が約5〜約10当量のアリコートで添加される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
工程(d)のアミド化工程で使用される式Ib2aの化合物が、式IB2a2:
【化183】

(式中、PGは、酸に不安定な保護基である)のプロリン誘導体を含む溶液を酸で処理することにより提供される、請求項24に記載の方法。

【公表番号】特表2010−500405(P2010−500405A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524628(P2009−524628)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/017796
【国際公開番号】WO2008/021235
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】