説明

2つの画像を生成する装置

少なくとも第1の画像及び第2の画像を表示する装置及び方法。装置は、少なくとも第1の光特性及び第2の光特性を有する光を発生するように構成される少なくとも1つの光源(120、121、220、221、320、321)と;第1の画像及び第2の画像(128、129、230、231)をそれぞれ表示するように配置された少なくとも第1の画像形成要素及び第2の画像形成要素(122、123、222、223、322、323)とを具備する。第1の画像形成要素(122、222、322)は少なくとも第1の光特性を有する光に応答する。第2の画像形成要素(123、223、323)は少なくとも第2の光特性を有する光に応答する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マン‐マシンインタフェースに対して少なくとも第1の画像及び第2の画像を生成する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置は、ユーザが装置と対話できるようにするためのマン‐マシンインタフェースを具備することができる。そして、このようなマン‐マシンインタフェースは、1つ又は数個のキー、ジョイスティック又はロッカパッドなどの1つ又は数種類の入力装置を具備することができる。
【0003】
移動端末などのポータブル装置又はハンドヘルド装置は、通信、ゲーム及びマルチメディア描画などの種々の機能性を提供するように構成できる。機能性ごとに、ポータブル装置は通信モード、ゲームモード及び/又はマルチメディアモードなどの対応する動作モードに設定され得る。そして、各モードにおいて、ユーザはマン‐マシンインタフェースと対話することにより装置を操作することができる。
【0004】
ポータブル装置は数種類の動作モードを含むように構成される。必要な入力装置の数を減らすために、各入力装置は、動作モードに応じて異なる機能性と関連して使用され得る。例えば、通信モードにおいて、単一のキーが「1」を入力するために使用されるのに対し、マルチメディアモードにおいては、同一のキーがマルチメディアデータを描画するための「再生」コマンドを開始するために使用されるように構成できる。
【0005】
更に、ポータブル装置の操作を容易にするために、対応する入力装置と関連して複数のシンボルが提供され得る。機能性に関連するシンボルは入力装置と一体に形成されてもよく、あるいは入力装置に形成されてもよい。各入力装置が数種類の機能性と関連している場合、各入力装置と関連して数種類のシンボルが提供される必要がある。各入力装置がポータブル通信装置において利用可能な物理的領域は限られているため、問題が生じる場合もある。シンボルは相対的に小さくなければならないが、小さいシンボルは判読しにくい。更に、シンボルを互いに区別することが困難となり、入力装置の現在の機能性が不明確になるためユーザの混乱を招いてしまうであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、マン‐マシンインタフェースのための画像を含む装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の面によれば、少なくとも第1の画像及び第2の画像を表示する装置は、少なくとも第1の光特性及び第2の光特性を有する光を発生する少なくとも1つの光源と、第1の画像及び第2の画像をそれぞれ表示するように配置された少なくとも第1の画像形成要素及び第2の画像形成要素とを具備する。第1の画像形成要素は少なくとも第1の光特性を有する光に応答する。そして、第2の画像形成要素は少なくとも第2の光特性を有する光に応答する。
【0008】
上記の少なくとも1つの光源は、第1のスペクトル域及び第2のスペクトル域の光を発生するように構成されてもよい。また、第1の光特性は第1のスペクトル域であってもよく、第2の光特性は第2のスペクトル域であってもよい。第1のスペクトル域及び第2のスペクトル域は重なっていなくてもよく、あるいは少なくとも部分的に重なり合っていてもよい。
【0009】
また、少なくとも1つの光源は、少なくとも1つのスペクトル域の光を発生するように構成されてもよい。スペクトル域の異なる周波数は少なくとも第1の輝度及び第2の輝度を有してもよい。第1の光特性は第1の輝度であってもよく、第2の光特性は第2の輝度であってもよい。
【0010】
装置は第1の光源及び第2の光源を具備してもよい。ここで、第1の光源は第1の光特性を有する光を発生するように構成され、第2の光源は第2の光特性を有する光を発生するように構成されてもよい。
【0011】
第1の画像形成要素は、第1の特性を有する光を供給する第1の光学構成要素を具備してもよい。また、第2の画像形成要素は、第1の特性とは異なる第2の特性を有する光を供給する第2の光学構成要素を具備してもよい。従って、光学構成要素が第1の特性を有する光を供給するか又は第2の特性を有する光を供給するかを決定することにより、画像を識別させることが可能である。
【0012】
また、第1の光学構成要素は少なくとも第1の光特性を有する光に応答してもよいし、第2の光学構成要素は少なくとも第2の光特性を有する光に応答してもよい。
【0013】
また、第1の画像形成要素は第2の光特性を有する光に応答しないように配置されてもよいし、第2の画像形成要素は第1の光特性を有する光に応答しないように配置されてもよい。
【0014】
第1の画像形成要素及び第2の画像形成要素は、単一の物理的領域の中に第1の画像及び第2の画像をそれぞれ表示するように配置されてもよい。
【0015】
第1の画像形成要素及び第2の画像形成要素は、第1の画像及び第2の画像を重ね合わせずに表示するように配置されてもよい。
【0016】
第1の画像形成要素及び第2の画像形成要素は、第1の画像及び第2の画像を少なくとも部分的に重ね合わせて表示するように配置されてもよい。
【0017】
第1の光学構成要素は第1の光フィルタを具備してもよく、第2の光学構成要素は第2の光フィルタを具備してもよい。
【0018】
第1の光源は第1の偏光を有する平面偏光を発生するように構成されてもよい。第1の光学構成要素の光フィルタは、第1の光源からの平面偏光を伝達するように構成されてもよい。第2の光源は、第1の偏光とは異なる第2の偏光を有する平面偏光を発生するように構成されてもよい。第2の偏光は第1の偏光に対して直交していてもよい。第2の光学構成要素の光フィルタは、第2の光源からの平面偏光を伝達するように構成されてもよい。
【0019】
第1の光フィルタ及び第2の光フィルタは色フィルタであってもよい。第1の光フィルタは第1の光特性を有する光を伝達するように構成されてもよい。第2の光フィルタは第2の光特性を有する光を伝達するように構成されてもよい。
【0020】
第1の画像形成要素及び第2の画像形成要素の各々は、第1の画像及び第2の画像をそれぞれ形成するための透明要素及び不透明部分を具備してもよい。
【0021】
第1の画像形成要素は、第1の画像を形成する燐光材料を含んでもよい。第1の光源は、燐光材料を励起するのに十分なエネルギーを有する光を発生するように構成されてもよい。第2の光源は、燐光材料を励起するのに必要なエネルギーより低いエネルギーを有する光を発生するように構成されてもよい。第1の光源により発生されるエネルギーは第1の光特性であってもよく、第2の光源により発生されるエネルギーは第2の光特性であってもよい。
【0022】
第1の画像形成要素は、第1の光源からの光を阻止するフィルタを具備してもよく、第2の光源からの光を伝達してもよい。
【0023】
燐光材料は、第2の光源により発生される光に対して透明であってもよい。
【0024】
第2の画像形成要素は、不透明画像が塗布されている透明担体を具備してもよい。
【0025】
第1の画像形成要素及び第2の画像形成要素は、軸方向に配置された第1の色フィルタ及び第2の色フィルタを共に具備してもよい。各色フィルタは、他方の色フィルタのスクリーンパターンと重なり合わないスクリーンパターンを含んでもよい。スクリーンパターンは第1の画像及び第2の画像を形成してもよい。第1の色フィルタは少なくとも第1の光特性を有する光を伝達するように構成されてもよい。第2の色フィルタは少なくとも第2の光特性を有する光を伝達するように構成されてもよい。
【0026】
スクリーンパターンは、幾何学的基本要素により形成された切欠きを含んでもよい。
【0027】
第1の画像及び第2の画像の少なくとも輪郭は、第1の画像形成要素及び第2の画像形成要素と軸方向に配列され且つ昼光にさらされうる層の上又は中に規定されてもよい。輪郭は燐光材料を含んでもよい。
【0028】
第2の面によれば、電子装置は、少なくとも第1の画像及び第2の画像を表示する装置を具備する。
【0029】
電子装置はポータブル又はハンドヘルド移動無線通信機器、移動無線端末、携帯電話、ページャ、コミュニケータ、電子オーガナイザ、スマートフォン、コンピュータ又はマルチメディアプレーヤであってもよい。
【0030】
第3の面によれば、少なくとも第1の画像及び第2の画像を表示する方法は、第1の光特性及び第2の光特性を有する少なくとも1つの光源からの光の発生を制御することと、第1の光特性を有する光を少なくとも第1の画像形成要素において受取ることと、第1の画像形成要素によって第1の画像を表示することと、第2の光特性を有する光を第2の画像形成要素において受取ることと、第2の画像形成要素によって第2の画像を表示することとを含む。
【0031】
第4の面によれば、画像形成要素を製造する方法は、基板の第1の面に少なくとも第1の色フィルタを塗布することと、第1の色フィルタにより吸収される第1のスペクトル域のレーザー光に第1の色フィルタをさらすこととを含む。
【0032】
画像形成要素を製造する方法は、更に、基板の第2の面に第2の色フィルタを塗布することと、第2の色フィルタにより吸収される第2のスペクトル域のレーザー光に第2の色フィルタをさらすこととを含んでもよい。ここで、第1の色フィルタをさらすステップは、第2の色フィルタにより吸収されないスペクトル域のレーザー光に第1の色フィルタをさらすことを含んでもよく、第2の色フィルタをさらすステップは、第1の色フィルタにより吸収されないスペクトル域のレーザー光に第2の色フィルタをさらすことを含んでもよい。
【0033】
第5の面によれば、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ能力を有する電子装置により実行される場合に少なくとも第1の画像及び第2の画像を表示する方法を実行するコンピュータプログラムコード手段を具備する。
【0034】
第6の面によれば、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ能力を有する電子装置により実行される場合に画像形成要素を製造する方法を実行するコンピュータプログラムコード手段を具備する。
【0035】
本発明の更なる実施形態は従属請求項において定義される。
【0036】
本発明の利点は、ユーザにとって判りやすい複数の画像を生成できることである。
【0037】
本明細書中で使用される場合の用語「具備する」は、記載される特徴、数字、ステップ又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、数字、ステップ、構成要素又はそれらの集合の存在又は追加を除外しないと理解されることを強調すべきである。
【0038】
本発明の更なる目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照した以下の本発明の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図1は、本発明が提供可能な電子装置1を示す。電子装置1はポータブル又はハンドヘルド移動無線通信機器、移動無線端末、携帯電話、ページャ、コミュニケータ、電子オーガナイザ、ハンドヘルド電子装置、スマートフォン又はMP3プレーヤなどのマルチメディアプレーヤであってもよい。本発明が提供可能な電子装置はこれらの例に限定されない。本発明は任意の電子装置において実現されてもよい。
【0040】
電子装置1は、ユーザと電子装置1との対話を可能にし且つユーザが電子装置1を操作できるようにするためのマン‐マシンインタフェースを具備する。マン‐マシンインタフェースは、1つ又は数個のキー10を具備するキーパッド及びジョイスティック又はロッカパッド11などの種々の入力装置を具備してもよい。入力装置は、情報を入力し且つ/又はある特定のアプリケーションと関連する種々のコマンドを開始するために使用され得る。入力装置のうち1つ以上は複数の画像と関連してもよい。それらの画像は入力装置の単一の物理的領域の中に提供又は表示され、入力装置の機能を指示してもよい。各画像は電子装置のある1つの動作モードと関連してもよい。例えば、第1のモードにおいては、ある1つのキーが情報、例えば、通信モードにおける「1」を入力するために使用され、第2のモードにおいては、それと同一のキーがマルチメディアモードにおける「再生」コマンドのようなコマンドを実行又は開始するために使用されるように構成することができる。従って、「1」及び「再生」に対する画像は、前記キーにより規定される物理的領域に提供又は表示されてもよい。
【0041】
単一の記号を形成するために単一の画像が提供されてもよい。その代わりに又はそれに加えて、1つの記号の一部分を形成するために単一の画像が使用されてもよい。従って、第1の部分画像と第2の部分画像とが同時に表示された場合に単一の画像を形成するように、第1及び第2の部分画像が使用されてもよい。
【0042】
以下に、第1の記号及び第2の記号並びにそれらの表示に関連して説明する。しかし、第1の画像及び第2の画像は同等に表示されてもよい。第1の画像及び第2の画像の各々は記号又はその一部分を構成してもよいが、記号又はその一部分を構成する必要は必ずしもない。
【0043】
本発明によれば、記号は交互に生成されてもよい。従って、前記物理的領域には一度に1つの記号のみが表示される。
【0044】
図2は、電子装置1の数種類の構成要素を示す。単一の物理的領域に少なくとも第1の記号及び第2の記号を表示する装置が提供される。装置は少なくとも1つの光源を具備する。図2の実施形態においては、装置は第1の光源20及び第2の光源21を具備する。第1の記号及び第2の記号をそれぞれ生成するために、少なくとも第1の画像形成要素22及び第2の画像形成要素23が配置される。記号は、キーパッドにおける単一のキー10のような、単一の物理的領域の中に表示されてもよい。
【0045】
第1の光特性及び第2の光特性を有する光を発生するために、単一の光源又は第1及び第2の光源20、21が配置される。例えば、第1の光特性は第1のスペクトル域であり、第2の光特性は第2のスペクトル域である。一実施形態においては、第1のスペクトル域と第2のスペクトル域とは重なり合わない。別の実施形態においては、スペクトル域は少なくとも部分的に重なり合う。あるいは、単一のスペクトル域内の光が発生される。しかし、単一のスペクトル域内において、異なる周波数範囲を有する光の輝度は異なっていてもよい。従って、スペクトル域における異なる周波数に対して、第1の光特性は第1の輝度であってもよく、第2の光特性は第2の輝度であってもよい。
【0046】
第1の画像形成要素22は第1の光源20と関連付けられ、第2の画像形成要素23は第2の光源21と関連付けられる。従って、第1の記号は、第1の光源20をオンに切替えることにより生成され、入力装置に現れることになる。同様に、第2の記号は、第2の光源21をオンに切替えることにより生成されるか、又は入力装置に現れる。第1の光源20と第2の光源21とが交互にオンに切替えられるようにしてもよい。その結果、第1の記号及び第2の記号と関連する入力装置の現在の機能に応じて、第1の記号及び第2の記号は交互に生成され得る。第1の記号及び第2の記号を交互に生成することは、入力装置の現在の機能のみが記号により指示されるためにユーザを混乱させないという利点を有する。
【0047】
装置は、第1の光源20及び第2の光源21のオン/オフ切替えを制御するように構成されるCPU(中央処理装置)などのプロセッサ25を更に具備する。装置は、まとめてメモリ26で示されている1つ以上のメモリを更に具備し得る。メモリ26は、例えば、ROM(読取り専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ及び/又は不揮発性メモリであってもよい。
【0048】
第1の光源20及び第2の光源21は、単色LED(発光ダイオード)又はRGB(赤緑青)LEDなどのLED、冷陰極線管などの放電管、あるいは電界発光板又は箔により提供され得る。単一の光源が設けられる場合、光源は、例えばRGBLEDであってもよい。
【0049】
第1の画像形成要素22は、たとえば、第1の特性を有する光を供給する第1の光学構成要素を具備し、第2の画像形成要素23は、第2の特性を有する光を供給する第2の光学構成要素を具備する。第2の特性は第1の特性とは異なっているものとするが、必ずしも特性が異なる必要はない。光学構成要素は、例えば、グリッド、透明光導体材料、光フィルタ、色フィルタ又は燐光材料であってもよい。また、光学構成要素は透過性構成要素であってもよく、且つ/又は第1、第2の光源20、21からの光を伝達するように作用してもよい。光学構成要素により発生される光の第1の特性及び第2の特性は、例えば、スペクトル域であってもよいし、あるいは発生される光の光学的偏光であってもよい。
【0050】
第1の光学構成要素は少なくとも第1の光特性を有する光に応答し、第2の光学構成要素は少なくとも第2の光特性を有する光に応答する。また、第1の画像形成要素22は第2の光特性を有する光に応答しないように配置され、第2の画像形成要素23は第1の光特性を有する光に応答しないように配置されてもよい。従って、第1の画像形成要素22が第2の光特性を有する光により露光された場合でも、第1の画像形成要素はその光により影響を受けないか又はその光を伝達しない。同様に、第2の画像形成要素23が第1の光特性を有する光により露光された場合でも、第2の画像形成要素はその光により影響を受けないか又はその光を伝達しない。しかし、別の実施形態においては、第1の画像形成要素は第2の光特性を有する光に応答し、第2の画像形成要素23は第1の光特性を有する光に応答する。
【0051】
第1の光源20は第1のスペクトル域内の光を発生し、第2の光源は第2のスペクトル域内の光を発生するように構成されてもよい。ここで、第2のスペクトル域は第1のスペクトル域とは異なっていてもよい。従って、スペクトル域が異なる場合、光源は異なる色を有する光を供給することができ、その場合、各記号を容易に識別できる。光のスペクトル域を電子装置1の動作モードに関連付けることができる。従って、記号の色を識別することによって動作モードを単純に判定でき、記号の形態を識別する必要はない。
【0052】
図3a〜図3cは、第1の記号及び第2の記号を交互に生成する装置の一実施形態を更に詳細に示す。装置は第1の光源120及び第2の光源121を具備している。第1の光源120は第1の偏光を有する平面偏光を発生するように構成されている。第1の偏光は図3aにおいて矢印によって示され、これを第1の光特性とする。第2の光源は、第1の偏光とは異なる第2の偏光を有する平面偏光を発生するように構成され、この第2の偏光を第2の光特性とする。第1の偏光は第2の偏光に対して直交していてもよい。第2の偏光は図3aにおいて丸印によって示される。
【0053】
平面偏光は、LEDなどの発散光を発生する光源、並びに円偏光を伴う発散光を平面偏光に変換するグリッド、結晶又は偏光材料などにより発生され得る。第1の光源120は、例えば、発散光を発生するように構成されてもよい。発散光を平面偏光するグリッドなどの第1の平面偏光フィルタは、第1の光源120を少なくとも部分的に取囲む第1の透明カバー120aに装着されてもよい。同様に、第2の光源121は発散光を発生するように構成されてもよい。発散光を平面偏光するグリッドなどの第2の平面偏光フィルタは、第2の光源121を少なくとも部分的に取囲む第2の透明カバー121aに装着されてもよい。また、光源120、121及び透明カバー120a、121aは、PCB(プリント回路基板)に装着されてもよい。PCB上における光源120、121の向きは平面偏光フィルタの向きとは関連しない。
【0054】
第1の画像形成要素122は光学構成要素126を具備し、第2の画像形成要素123は第2の光学構成要素127を具備する。第1の光学構成要素126及び第2の光学構成要素127の各々は、グリッドなどの光フィルタにより構成され得る。例えば、第1の光学構成要素126は第1の光源120からの平面偏光を伝達するように構成される。第1の光学構成要素がグリッドである場合、第1の光学構成要素126として作用するグリッドのラスタ構造は、光を伝達するために、第1の光源120からの平面偏光の偏光に対してほぼ直交していなければならない。また、例えば、第2の光学構成要素127は第2の光源121からの平面偏光を伝達するように構成される。同様に、第2の光学構成要素127がグリッドである場合、第2の光学構成要素127として作用するグリッドのラスタ構造は、第2の光源121からの光を伝達するために、第2の光源121からの平面偏光の偏光に対してほぼ直交していなければならない。第1の光源120からの平面偏光は第1の光学構成要素126を通過する。そのため、第1の光学構成要素126は少なくとも第1の光特性を有する光に応答し、第1の特性を有する光を供給する。即ち、本実施形態においては、第1の光学構成要素126からの光の第1の特性は、第1の光学構成要素126を通過する平面偏光の偏光である。同様に、第2の光源121からの平面偏光は第2の光学構成要素127を通過する。そのため、第2の光学構成要素127は第2の光特性を有する光に応答し、第2の特性を有する光を供給する。本実施形態においては、第2の光学構成要素127により供給される光の第2の特性は、第2の光学構成要素127を通過する平面偏光の第2の偏光である。
【0055】
第1の光学構成要素126の偏光が第2の光学構成要素127の偏光に対してほぼ直交し、第1の光源120により発生される平面偏光の偏光が第2の光源121により発生される平面偏光に対してほぼ直交している場合、第2の光学構成要素127は第1の光源120からの光のほぼ全てを透過せず、第2の光源121からの光のほぼ全てを透過する。同様に、第1の光学構成要素126は第2の光源121からの光のほぼ全てを透過せず、第1の光源120からの光のほぼ全てを透過する。こうして、第1の画像形成要素122は、第2の光特性を有する光に応答しないように配置され、第2の画像形成要素123は、第1の光特性を有する光に応答しないように配置されることになる。
【0056】
別の実施形態においては、光源120及び光源121は、上述の構成に加えて又はその代わりに、第1のスペクトル域の光及び第2のスペクトル域の光をそれぞれ発生するように構成されてもよい。スペクトル域は、それぞれ、第1の光特性及び第2の光特性となり得る。また、スペクトル域は光学構成要素126、127により供給される光の特性であってもよい。
【0057】
第1の画像形成要素122及び第2の画像形成要素123は、第1の記号及び第2の記号を単一の物理的領域130の中に生成するように配置され得る。単一の物理的領域はキーパッドの単一のキーであってもよい。第1の光学構成要素126は第1の記号(シンボル)として形成されてもよく、第2の光学構成要素127は第2の記号として形成されてもよい。光学構成要素126、127は、キー10などの担体(carrier)に装着される表面フィルムに一体化されてもよい。キー10の下方にキーパッドのドームが設けられてもよい。この場合、第1の光源120をドームの第1の側に配置し、第2の光源121をドームの第2の側に配置するようにしてもよい。従って、図3a〜図3cの実施形態においては、第1の記号及び第2の記号は重なり合わない。図3bは、第1の光源120がオンに切替えられ且つ第2の光源121がオフに切替えられた場合の物理的領域の外観を示す。この場合、第1の記号128が現れる。記号129の位置を示す図示の便宜上、記号129は想像線で示されている。第2の光源121がオフに切替えられている場合、記号129は殆ど目に見えない。同様に、図3cは、第2の光源121がオンに切替えられ且つ第1の光源120がオフに切替えられた場合の物理的領域の外観を示す。この場合、第2の記号129が現れる。記号128の位置を示す図示の便宜上、記号128は想像線で示される。第1の光源120がオフに切替えられている場合、記号128は殆ど目に見えない。図3b〜図3cにおいては、偏光を示す図示の便宜上、光学構成要素126、127の線が示されている。しかし、現実の実現例においては、線は殆ど目に見えない。
【0058】
第1の画像形成要素122及び第2の画像形成要素123の各々は、透明要素130及び不透明部分131を具備してもよい。透明要素は、プラスチック又はゴムなどの透明材料から製造されたキーであってもよい。不透明部分は、キーに印刷されたパターンであってもよい。不透明部分は第1の記号128及び第2の記号129の輪郭を形成してもよい。透明要素は、第1の光学構成要素126及び第2の光学構成要素127の担体を構成してもよい。
【0059】
図3dは、第1の記号128及び第2の記号129の各々の第1の輪郭132a及び第2の輪郭132bが不透明部分131に形成される別の実施形態を示す。輪郭は、昼光で励起する燐光材料から製造されてもよい。燐光材料は、光源120、121により発生される光に対して透明であってもよい。従って、光源120、121が輪郭131a、131bを照明している場合、輪郭は殆ど目に見えない。支持体として不透明部分ではなく透明材料が提供される場合、輪郭132a、132bはその支持体に設けられてもよい。本実施形態の利点は、符号が昼光中で目に見えることである。昼光の輝度が強すぎる場合、装置が昼光にさらされたときに光源120、121からの光は見えなくてもよい。しかし、2つの符号が同時に見えている場合でも、輪郭は目に見える。単一のキーの2つの記号と関連する機能に、例えば「5」と「再生記号」のように関連性がなければ、これは問題にはならない。電子装置が音楽モードにある場合、キーと関連する機能が「再生」であることは明らかだからである。
【0060】
図4a〜図4cは、少なくとも第1の記号及び第2の記号を交互に生成する装置の一実施形態を示す。装置は少なくとも1つの光源を具備する。図4a〜図4cに示される実施形態においては、第1の光源220及び第2の光源221が設けられる。装置は、少なくとも第1の画像形成要素222及び第2の画像形成要素223を更に具備する。第1の画像形成要素222は第1の光特性を有する光に応答する。第2の画像形成要素223は第2の光特性を有する光に応答する。第1の光特性を有する光は第1の光源220により発生され、第2の光特性を有する光は第2の光源221により発生される。
【0061】
第1の光源220により発生される光は、第1の光源から第1の記号生成要素222と第2の記号生成要素223との間の場所へ光導体224によって伝達される。光導体224は、例えば光ファイバにより提供されてもよいし、あるいはキーパッドの個々のキーの間の切欠きとして設けられてもよい。第1の光源220は第2の画像形成要素223のすぐ下方に配置されてもよい。あるいは、第1の画像形成要素222及び第2の画像形成要素223の各々に対して光を発生するために単一の光源が使用されるようにしてもよい。このために、第1の光源220に対して光導体が更に設けられてもよい。
【0062】
第1の画像形成要素222は第1の光学構成要素226を具備し、第2の画像形成要素223は第2の光学構成要素227を具備する。第1の光学構成要素226は例えば第1の担体228上に設けられ、第2の光学構成要素227は例えば第2の担体229上に設けられる。図4aにおいては、担体228,229及び光学構成要素226、227の位置を示す図示の便宜上、それらの厚さが誇張して示されている。現実の実現例においては、それらは相当に薄いものとなる。
【0063】
第1の光学構成要素226は第1の特性を有する光を供給する。第1の光学構成要素は、第1の光源220により発生される第1の光特性を有する光により励起される燐光材料であってもよい。第1の光学構成要素226により発生される光の第1の特性は、第1の光学構成要素226により発生される光のスペクトル域であってもよい。燐光材料を励起するために、第1の光源220は、燐光材料を励起するのに十分なエネルギーを有するUV光のような光を発生するように構成される。燐光材料を励起するためのエネルギーは第1の光特性であってもよい。従って、第1の画像形成要素222は、第1の光特性を有する光によって励起可能であるため、第1の光特性を有する光に応答するものである。燐光材料は第1の記号230の形状又は輪郭を有してもよい。
【0064】
第2の光学構成要素227は、担体229に装着された部分透明フィルムとすることができる。フィルムは、第2の記号231の形状又は輪郭を形成する不透明パターンを含んでもよい。あるいは、第2の記号231は第2の担体223上に直接印刷されてもよい。第2の光学構成要素227は色フィルタを更に具備してもよい。従って、第2の光学構成要素により供給される光の第2の特性は、第2の画像形成要素223により供給される光のスペクトル域であってもよい。第2の画像形成要素223は、例えば、第2の光特性を有する光を伝達することにより、第2の光源221により発生される第2の光特性を有する光に応答する。第2の光源221は第2のスペクトル域の光を発生してもよく、第2のスペクトル域は、第1の光源220により発生される光のスペクトル域とは異なるものとすることができる。
【0065】
第1の画像形成要素222は、装置が配置される筐体の外側により近く、すなわち、第2の画像形成要素223の上方に配置され得る。従って、第1の光源220からの光は画像形成要素222、223の間に供給されるので、第2の画像形成要素223は第1の光源からの光に応答しない。第2の光源221からの光に含まれるエネルギーが第1の画像形成要素222における燐光材料を励起するのに十分ではない場合、第1の画像形成要素222は第2の光源221に応答しない。例えば、第2の光源221は、燐光材料を励起するのに十分なエネルギーを含まない赤色又はオレンジ色の光を発生する。更に、燐光材料が第2の光源221により発生される光に対して透明である場合、第2の光源221がオンに切替えられ且つ第1の光源がオフに切替えられたとき、燐光材料、すなわち第1の記号230は殆ど目に見えない。同様に、第1の光源220がオンに切替えられ且つ第2の光源221がオフに切替えられたとき、第2の記号231は殆ど目に見えない。
【0066】
第1の画像形成要素222は、例えば、第1の光源220により発生される光が人間の目に有害である場合に、第1の光源220からの光を阻止するフィルタを具備してもよい。フィルタは、第1の光源220からの光に対して不透明である材料から製造される第1の担体228により構成されてもよい。担体228の材料は、例えば、UV光を吸収するプラスチックであってもよい。あるいは、第1の担体228は、フィルタとして作用し且つ第1の光源220により発生される光に対して不透明であるカバー232により被覆される。従って、第1の光源220がオンに切替えられた場合、燐光材料により発生される光のみが第1の画像形成要素222を通過する。
【0067】
一実施形態においては、輪郭(図示せず)はカバーの上又は中に形成される。輪郭は図3dに関連して説明したように形成され得る。あるいは、記号の輪郭のみではなく、記号全体が形成されてもよい。
【0068】
図4a〜図4cの実施形態においては、第1の記号230及び第2の記号231は同一の物理的領域に交互に表示され得る。第1の画像形成要素222及び第2の画像形成要素223は軸方向に配列される。即ち、第1の記号230及び第2の記号231が少なくとも部分的に重なり合うように生成することができる。図4bは、電子装置1が第1のモードにある場合の第1の記号230を示す。この場合、第1の光源220はオンに切替えられ、第2の光源221はオフに切替えられる。第1のモードにおいては、第2の記号231はほぼ見えない。図4cは、電子装置1が第2のモードにある場合の第2の記号231を示す。この場合には、第2の光源221はオンに切替えられ、第1の光源220はオフに切替えられる。第2のモードにおいては、第1の記号230はほぼ見えない。
【0069】
第1の画像形成要素222及び第2の画像形成要素223は、キーパッドにおける単一のキーのような、単一のユニットに統合されてもよい。あるいは、第1の画像形成要素222及び第2の画像形成要素223は、単一の物理的領域の中で別個のユニットとして配置されてもよい。
【0070】
別の実施形態(図示せず)においては、第1の光源220は第2の光源221と一体に設けられる。第2の画像形成要素223が図4aのように配置されている場合、それらの光源は第2の画像形成要素の下方に設けられる。従って、第2の基板229は少なくとも第1の光源220からの光に対して透明でなければならない。更に、第2の光学構成要素227は、第2の記号又はその輪郭を形成する色フィルタを具備してもよい。この色フィルタは、少なくとも第1の光源220からの光に対して透明であるが、第2の光源221からの光を阻止する。
【0071】
図5a〜図5fは、少なくとも第1の記号及び第2の記号を交互に生成する装置の別の実施形態を示す。装置は少なくとも1つの光源(図5c)を具備する。一実施形態(図5a〜図5b)においては、第1の光源320及び第2の光源321が設けられる。第1の画像形成要素322は第1の光特性を有する光に応答する。第2の画像形成要素323は第2の光特性を有する光に応答する。第1の画像形成要素322及び第2の画像形成要素323は、単一の物理的領域の中に第1の記号及び第2の記号をそれぞれ表示するように配置される。記号は少なくとも部分的に重なり合うように生成されてもよい。光源320、321は画像形成要素322、323の下方に配置されてもよいし、あるいは、画像形成要素322、323の下方で終端する光導体を用いてもよい。
【0072】
画像形成要素322、323は、色フィルタなどの、光フィルタの形態の光学構成要素を具備する。第1の色フィルタ324及び第2の色フィルタ325は、担体326の対応する面にそれぞれ配置される。それらの面は担体326の両面であってもよい。第1の色フィルタ324は、第1の光特性である第1のスペクトル域の光を少なくとも伝達するように構成される。第2の色フィルタ325は、第2の光特性であるところの第2のスペクトル域の光を少なくとも伝達するように構成される。
【0073】
第1の光源320は、第1の色フィルタ324が伝達する光のスペクトル域に少なくとも部分的に含まれるスペクトル域の光を発生するように構成される。従って、第1の色フィルタ324は第1の光源320により照らされて、それによって第1の光特性を有する光に応答する。第2の光源321は、第2の色フィルタ325が伝達するスペクトル域に少なくとも部分的に含まれるスペクトル域の光を発生するように構成される。従って、第2の色フィルタ325は第2の光源321により照らされて、それによって第2の光特性を有する光に応答する。
【0074】
一実施形態においては、第1の色フィルタ324は第2の光源321からの光を阻止又は吸収するように構成されする。従って、第1の色フィルタ324は第2の光特性を有する光に応答しない。同様に、第2の色フィルタ325は第1の光源320からの光を阻止するように構成されてもよい。従って、第2の色フィルタ325は第2の光特性を有する光に応答しない。
【0075】
別の実施形態においては、第1の色フィルタ324は、第1の光特性を有する光の他に、第2の光特性を有する光に含まれる周波数のうちいくつかを伝達する。同様に、第2の色フィルタ325は、第1の光特性を有する光の他に、第2の光特性を有する光に含まれる周波数のうちいくつかを伝達する。これは、例えば、第1の光源320及び第2の光源321からの光のスペクトル域が部分的に重なり合っている場合に実現されることになる。第1の色フィルタ324は、第1の光源320及び第2の光源321からの重複する範囲の光を伝達すると共に、重なり合わない範囲の第1の光源320からの光を伝達するように構成される。同様に、第2の色フィルタ325は、第1の光源320及び第2の光源321からの重複する範囲の光を伝達すると共に、重なり合わない範囲の第2の光源320からの光を伝達するように構成される。色フィルタ320、321は点灯されるべき光源に応じて異なる外観を有し、光源320、321のうち一方又は双方が一度に点灯される。
【0076】
図5cに示される更に別の実施形態においては、単一の光源320aが使用される。これは、例えば、単一のスペクトル域内の光を供給するRGBダイオードにより提供される。単一の光源320aは、スペクトル域内の、異なる輝度分布を有する複数の周波数を発生するように構成される。第1のフィルタ324及び第2のフィルタ325はそのスペクトル域のほぼ全体にわたる光を伝達するように構成される。しかし、第1の光フィルタ324は、例えば青色光の周波数など数種類の周波数の光をよりよく伝達するように構成されており、第2の光フィルタ324は、例えば赤色光の周波数など数種類の他の周波数の光をよりよく伝達するように構成されている。従って、各色フィルタ324、325は識別可能な光を発生し得る。
【0077】
更に別の実施形態においては、第1の光源320及び第2の光源321はある特定のスペクトル域内の光を発生する。しかし、そのスペクトル域内の周波数の輝度は一様ではない。例えば、第1の光源320は、スペクトル域内の第1の輝度分布を有する光を発生し、第2の光源321は、第1の輝度分布とは異なる第2の輝度分布を有する光を発生する。例えば、第1の光源320は青色光及び赤色光を発生してもよく、その場合、青色光は赤色光より高い輝度を有する。第2の光源321は青色光及び赤色光を発生してもよく、その場合、青色光は赤色光より低い輝度を有する。従って、色フィルタ324、325がそれぞれ青色フィルタ及び赤色フィルタである場合、それらの色フィルタは第1の光源320及び第2の光源321からの光によりそれぞれ点灯される。しかし、色フィルタ324、325は、第1の光源324又は第2の光源325のいずれが点灯されたかに応じて異なる外観を呈する。
【0078】
光特性として輝度を使用することに関して説明したことは、図3a〜図3d及び図4a〜図4cに関して説明した実施形態にも適用可能である。
【0079】
第1の光源320及び第2の光源321は、第1の色フィルタ324及び第2の色フィルタ325のそれらの光源に向いた面のほぼ全体を照明するように配置される。このことは図5aにおいて想像線によって示されている。
【0080】
第1の色フィルタ324に第1のスクリーンパターン327が形成され、第2の色フィルタ325に第2のスクリーンパターン328が形成される。各スクリーンパターン327、328は他方のスクリーンパターンと重ならない。スクリーンパターンは、例えば、正方形、長方形及び三角形などの多角形又は円などの幾何学的基本要素により形成される1つ以上の切欠き329、330を含む。スクリーンパターン327、238は第1の記号及び第2の記号を形成することができる。切欠き329、330は対向する色フィルタ324、325における画素の輪郭を形成する。例えば、第1の色を有する画素は、第1の色フィルタ324と第2の色フィルタにある切欠きとにより形成される。同様に、第2の色を有する画素は、第2の色フィルタ325と第1の色フィルタにある切欠きとにより形成される。第1の光特性を有する光は第1の色フィルタ324を通過し、第2のスクリーンパターン328の切欠き329の位置において第2の色フィルタ325を通過する。同様に、第2の光特性を有する光は、第1のスクリーンパターン327の切欠き330の位置において第1の色フィルタ324を通過し、第2の色フィルタ325を通過する。
【0081】
第1の画像形成要素322は、第2の色フィルタ325の第2のスクリーンパターン328の切欠き330と共に第1の色フィルタ324を具備する。同様に、第2の画像形成要素323は、第1の色フィルタ324の第1のスクリーンパターン327の切欠き329と共に第2の色フィルタ325を具備する。
【0082】
色フィルタ324、325はキーなどの1つの構成要素に一体化されてもよい。構成要素は担体326として機能してもよい。
【0083】
図5bは、第1の光源320及び第2の光源321の配置の別の実施形態を示す。第1の光源320及び第2の光源321は光導体331の両端部にそれぞれ配置される。前記光源320、321により射出された光は光導体を介して色フィルタ324、325に向かって伝達される。光導体330の長さは第1の色フィルタ324及び第2の色フィルタ325の長さにほぼ相当するものとする。しかし、光導体に向いた第1の色フィルタ325及び第2の色フィルタ325の面のほぼ全体が光導体331により伝送される光により照明されるのであれば、光導体331の長さは色フィルタ324、325の長さより短くてもよい。図5bの実施形態は、小型構造が提供されるのと同時に十分な照明が実現されるという利点を有する。
【0084】
図5dには、第1のスクリーンパターン327及び第2のスクリーンパターン328が互いに重なり合わない形で示される。しかし、第1の光源320又は第2の光源321のいずれかからの光を常に透過させることが望まれる場合には、スクリーンパターン327、328は部分的に重なり合っていてもよい。
【0085】
図5eには、第1の光源320がオンに切替えられ且つ第2の光源321がオフに切替えられた場合に第1の記号を形成する第1のスクリーンパターン327が示される。その場合、第2のスクリーンパターン328により形成される画素は殆ど目に見えない。図5fには、第2の光源321がオンに切替えられ且つ第1の光源320がオフに切替えられた場合に第2の記号を形成する第2のスクリーンパターン328が示される。その場合、第1のスクリーンパターン327により形成される画素は殆ど目に見えない。
【0086】
また、別の実施形態においては、多色画像を提供するために、図5a〜図5fに従った装置が使用され得る。また、第1の光源320及び第2の光源321は同時にオンに切替えられてもよい。従って、第1の画像形成要素322及び第2の画像形成要素323により生成される記号は多色画像又は多色記号を形成してもよい。各記号は部分画像を形成してもよい。
【0087】
図5d〜図5fにおいては、図示の便宜上、スクリーンパターン327、328は低い解像度で示される。実装においては、解像度は相当に高いものとすることができる。
【0088】
別の実施形態においては、装置は3つ以上の画像形成要素と、可能であればその数に対応する数の記号を生成するための対応する数の光源とを具備する。これは、図5a〜図5fに開示された技術に従って提供され得る。各々がスクリーンパターンを含む1つ以上の追加の色フィルタ及び光源を追加することにより、図5a〜図5fに関して説明した態様に対応する態様で更なる記号が提供されてもよい。あるいは、図4a〜図4cの実施形態と図5a〜図5fの実施形態との組合わせが利用されてもよい。例えば、第1の記号及び第2の記号は図5a〜図5fの実施形態に従って生成され、第3の記号は、第3の記号を形成する燐光体層を色フィルタ324、325と共に軸方向に配置することにより生成されるように構成してもよい。第3の光源を、燐光体層を励起する光を供給するべく配置してもよい。
【0089】
一実施形態においては、第2の色フィルタ325の上方に軸方向に配置され且つ昼光にさらされうる層支持体の上又は中に輪郭(図示せず)が形成される。輪郭は図3dに関連して説明したように形成され得る。あるいは、記号の輪郭のみではなく、記号全体が形成されてもよい。
【0090】
図6は、図5a〜図5dの実施形態に従う画像形成要素322、323を製造する方法を示す。第1のステップ500においては、担体326の第1の面に第1の色フィルタ324が塗布される。第2のステップ501においては、担体326の第2の面に第2の色フィルタ325が塗布される。色フィルタ324、325は、例えば、担体326の上に色フィルタを印刷、成形又は蒸着することにより塗布され得る。第1の色フィルタ324は青色などの第1の色を有してもよい。第2の色フィルタ325は赤色などの第2の色を有してもよい。この場合、赤色光は第1の色フィルタ324により吸収され、青色光は第2の色フィルタ325により吸収される。担体326は赤色光及び青色光の双方をごくわずかしか吸収しない。なお、担体は、ポリカーボネート又はポリアミドなどの透明プラスチック、シリコンゴム又はガラスのような透明材料から製造され得る。ステップ502において、第1の色フィルタ324は、第2の色フィルタ325の色、本実施形態においては赤色に対応する色を有するレーザー光により局所的に露光される。レーザーはレーザー光を発生する。従って、赤色光は第1の色フィルタ324により吸収される。十分に高い輝度に対して、第1の色フィルタ324は露光領域において局所的に加熱され、蒸発する。これにより、第1の色フィルタ324の露光領域に切欠きが形成され、赤色画素が生成される。担体326又は第2の色フィルタ325においては赤色光の吸収は起こらない。ステップ503においては、第1の色フィルタ324の更に別の場所を赤色レーザー光により露光する必要があるか否か、すなわち、第1の色フィルタ324に更に別の切欠きを形成する必要があるか否かが判定される。ステップ503における返答が肯定であれば、ステップ502に戻り、第1の色フィルタ324の別の部分がレーザー光により露光される。ステップ503における返答が否定である場合には、ステップ504へ進む。ステップ504においては、第2の色フィルタ325が、第1の色フィルタ324の色、本実施形態においては青色に対応する色を有するレーザー光により露光される。レーザー光は青色光を発生するレーザーにより発生され得る。あるいは、赤色光又は青色光のいずれかを発生するように調整可能である調整自在レーザーが利用されてもよい。青色の光は第2の色フィルタ325により吸収される。第1の色フィルタ324の場合と同様に、十分に高い輝度に対して、第2の色フィルタ325は露光領域において局所的に加熱され蒸発する。これにより、第2の色フィルタ325の露光領域に切欠きが形成され、青色画素が生成される。基板326又は第1の色フィルタ324においては青色光の吸収は起こらない。ステップ505においては、第2の色フィルタ325の更に別の場所を青色レーザー光により露光する必要があるか否か、すなわち、第2の色フィルタ325に更に別の切欠きを形成する必要があるか否かが判定される。ステップ505における返答が肯定であれば、ステップ504に戻り、第2の色フィルタ325の別の部分がレーザー光により露光される。ステップ505における返答が否定である場合には、手順は終了する。
【0091】
本発明は、本明細書中で説明された方法及び機能の実現を可能にするコンピュータプログラム製品に少なくとも部分的に埋め込まれてもよい。コンピュータプログラム製品がコンピュータ能力を有するシステムにロードされて実行された場合に、本発明は実施されてもよい。本明細書においては、コンピュータプログラム、ソフトウェアプログラム、プログラム製品又はソフトウェアは、直接に、あるいは別の言語、コード又は表記に変換された後に処理能力を有するシステムに特定の機能を実行させることを意図された命令の集合の任意のプログラミング言語、コード又は表記による任意の表現を意味する。
【0092】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明した。しかし、上述の実施形態以外の実施形態も本発明の範囲内で同等に可能である。ハードウェア又はソフトウェアにより方法を実行する上述の方法ステップとは異なる方法ステップが本発明の範囲内において提供されてもよい。本発明の異なる特徴及びステップは、上述の組合わせ以外の組合せで組合わされてもよい。本発明の範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】図1は、電子装置を示す正面図である。
【図2】図2は、電子装置を示すブロック図である。
【図3a】図3aは、画像を生成する装置の第1の実施形態を示す横断面図である。
【図3b】
【図3c】図3b〜図3cは、図3aの実施形態に従って生成された第1の画像及び第2の画像を示す平面図である。
【図3d】図3dは、図3aの装置の別の実施形態を示す平面図である。
【図4a】図4aは、画像を生成する装置の第2の実施形態を示す横断面図である。
【図4b】
【図4c】図4b〜図4cは、図4aの実施形態に従って生成された第1の画像及び第2の画像を示す平面図である。
【図5a】図5aは、第1の画像及び第2の画像を生成する装置の第3の実施形態を示す横断面図である。
【図5b】図5bは、図5aの装置の別の実施形態を示す横断面図である。
【図5c】図5cは、図5aの装置の別の実施形態を示す横断面図である。
【図5d】
【図5e】
【図5f】図5d〜図5fは、図5a〜図5cの実施形態に従って第1の画像及び第2の画像を生成するためのスクリーンパターンを示す平面図である。
【図6】図6は、画像形成要素を製造する方法を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の画像及び第2の画像を表示する装置であって、
少なくとも第1の光特性及び第2の光特性を有する光を発生する少なくとも1つの光源(120、121、220、221、320、321)と、
第1の画像及び第2の画像(128、129、230、231)をそれぞれ表示するように配置された少なくとも第1の画像形成要素及び第2の画像形成要素(122、123、222、223、322、323)とを備え、
前記第1の画像形成要素(122、222、322)は少なくとも前記第1の光特性を有する光に応答し、
前記第2の画像形成要素(123、223、323)は少なくとも前記第2の光特性を有する光に応答する装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光源(120、121、220、221、320、321)は第1のスペクトル域及び第2のスペクトル域の光を発生するように構成され、前記第1の光特性は前記第1のスペクトル域であり、前記第2の光特性は前記第2のスペクトル域である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光源(120、121、220、221、320、321)は少なくとも1つのスペクトル域の光を発生するように構成され、前記スペクトル域における異なる周波数は少なくとも第1の輝度及び第2の輝度を有し、前記第1の光特性は前記第1の輝度であり、前記第2の光特性は前記第2の輝度である請求項1に記載の装置。
【請求項4】
第1の光源及び第2の光源(120、121、220、221、320、321)を具備し、前記第1の光源が前記第1の光特性を有する光を発生するように構成され、前記第2の光源が前記第2の光特性を有する光を発生するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の画像形成要素(122、222、322)は、第1の特性を有する光を供給する第1の光学構成要素(126、226、324)を具備し、前記第2の画像形成要素(123、223、323)は、前記第1の特性とは異なる第2の特性を有する光を供給する第2の光学構成要素(127、227、325)を具備する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の光学構成要素(126、226、324)は少なくとも前記第1の光特性を有する光に応答し、前記第2の光学構成要素(127、227、325)は少なくとも前記第2の光特性を有する光に応答する請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の画像形成要素(122、222、322)は前記第2の光特性を有する光に応答しないように配置され、前記第2の画像形成要素(123、223、323)は前記第1の光特性を有する光に応答しないように配置される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の画像形成要素(122、222、322)及び前記第2の画像形成要素(123、223、323)は、前記第1の画像及び前記第2の画像(128、129、230、231)を単一の物理的領域内にそれぞれ表示するように配置される請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の画像形成要素(122)及び前記第2の画像形成要素(123)は、前記第1の画像及び前記第2の画像(230、231)を重ね合わせずに表示するように配置される請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の画像形成要素(222、322)及び前記第2の画像形成要素(223、323)は、前記第1の画像及び前記第2の画像(230、231)を少なくとも部分的に重ね合わせて表示するように配置される請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の光学構成要素(126、324)は第1の光フィルタを具備し、前記第2の光学構成要素(127、325)は第2の光フィルタを具備する請求項4記載の装置。
【請求項12】
第1の光源(120)は第1の偏光を有する平面偏光を発生するように構成され、前記第1の光学構成要素の前記光フィルタ(122)は前記第1の光源(120)からの平面偏光を伝達するように構成され、第2の光源(121)は、前記第1の偏光とは異なる第2の偏光を有する平面偏光を発生するように構成され、前記第2の光学構成要素の前記光フィルタ(123)は前記第2の光源(121)からの平面偏光を伝達するように構成される請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の光フィルタ(324)及び前記第2の光フィルタ(325)は色フィルタであり、前記第1の光フィルタが前記第1の光特性を有する光を伝達するように構成され、前記第2の光フィルタが前記第2の光特性を有する光を伝達するように構成される請求項10記載の装置。
【請求項14】
前記第1の画像形成要素(122)及び前記第2の画像形成要素(123)の各々は、前記第1の画像及び前記第2の画像(128、129)をそれぞれ形成する透明要素(130)及び不透明部分(131)を具備する請求項1乃至9及び10乃至12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の画像形成要素(222)は、前記第1の画像(230)を形成する燐光材料を具備し、第1の光源(220)は、前記燐光材料を励起するのに十分なエネルギーを有する光を発生するように構成され、第2の光源(221)は、前記燐光材料を励起するのに必要なエネルギーより低いエネルギーを有する光を発生するように構成され、前記第1の光源により発生されるエネルギーは前記第1の光特性であり、前記第2の光源により発生されるエネルギーは前記第2の光特性である請求項1乃至7及び9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の画像形成要素(222)は、第1の光源(220)からの光を阻止し且つ第2の光源(221)からの光を伝達するフィルタ(232)を具備する請求項1乃至7、9及び14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記燐光材料は前記第2の光源(221)により発生される光に対して透明である請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記第2の画像形成要素(223)は、不透明画像が塗布されている透明な担体(229)を具備する請求項1から7、9及び14から16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の画像形成要素(322)及び前記第2の画像形成要素(323)は軸方向に配列された第1及び第2の色フィルタ(324、325)を共に具備し、各色フィルタが、他方の色フィルタのスクリーンパターンと重なり合わないスクリーンパターン(327、328)を含み、前記スクリーンパターンが前記第1の画像及び前記第2の画像を形成し、前記第1の色フィルタが少なくとも前記第1の光特性を有する光を伝達するように構成され、前記第2の色フィルタが少なくとも前記第2の光特性を有する光を伝達するように構成される請求項1乃至7及び9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記スクリーンパターン(327、328)は幾何学的基本要素により形成される切欠きを具備する請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の画像形成要素及び前記第2の画像形成要素と軸方向に配列され且つ昼光にさらされうる層の上又は中に規定される前記第1の画像及び前記第2の画像の少なくとも輪郭を具備する請求項1乃至20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
請求項1乃至20のいずれか1項に記載の装置を具備する電子装置(1)。
【請求項23】
前記電子装置はポータブル又はハンドヘルド移動無線通信機器、移動無線端末、携帯電話、ページャ、コミュニケータ、電子オーガナイザ、スマートフォン、コンピュータ又はマルチメディアプレーヤである請求項21に記載の電子装置。
【請求項24】
少なくとも第1の画像及び第2の画像を表示する方法であって、
第1の光特性及び第2の光特性を有する少なくとも1つの光源(120、121、220、221、320、321)からの光の発生を制御し、
少なくとも第1の画像形成要素(122、322、322)において前記第1の光特性を有する光を受取り、
前記第1の画像形成要素によって第1の画像(128、230)を表示し、
第2の画像形成要素(123、223、323)において前記第2の光特性を有する光を受取り、
前記第2の画像形成要素によって第2の画像(129、231)を表示する、
ことを含む方法。
【請求項25】
画像形成要素を製造する方法であって、
基板(326)の第1の面に少なくとも第1の色フィルタ(324)を塗布し、
前記第1の色フィルタ(324)により吸収される第1のスペクトル域のレーザー光に前記第1の色フィルタ(324)をさらすことを含む方法。
【請求項26】
前記基板(326)の第2の面に第2の色フィルタ(325)を塗布し、
前記第2の色フィルタにより吸収される第2のスペクトル域のレーザー光に前記第2の色フィルタをさらすことを更に含み、
前記第1の色フィルタ(324)をさらすステップは、前記第2の色フィルタにより吸収されないスペクトル域のレーザー光に前記第1の色フィルタをさらすことを含み、前記第2の色フィルタをさらすステップは、前記第1の色フィルタにより吸収されないスペクトル域のレーザー光に前記第2の色フィルタをさらすことを含む請求項24に記載の方法。
【請求項27】
コンピュータ能力を有する電子装置により実行される場合に請求項23に記載の方法を実行するコンピュータプログラムコード手段を具備するコンピュータプログラム製品。
【請求項28】
コンピュータ能力を有する電子装置により実行される場合に請求項24又は25のいずれか1項に記載の方法を実行するコンピュータプログラムコード手段を具備するコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図5f】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−503662(P2009−503662A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523287(P2008−523287)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063683
【国際公開番号】WO2007/012540
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】