2段スイッチユニット
【課題】 第2感圧部が正しく機能するとともにクリック感の低下を抑制することができる2段スイッチユニットを提供する。
【解決手段】 第1の押圧力で押圧されたことを感知する複数の第1感圧部を有する第1のメンブレンスイッチ5と、第2の押圧力で押圧されたことを感知する複数の第2感圧部を有する第2のメンブレンスイッチ9との間に補強板7を配置する。第1感圧部が第2の押圧力で押圧されたときだけその押圧を第2感圧部が感知するように補強板7を撓ませる。第1のメンブレンスイッチ5を介して補強板7に作用した第2の押圧力を第2感圧部に伝達する複数のクリック板11をそれぞれ第2感圧部に配置する。
【解決手段】 第1の押圧力で押圧されたことを感知する複数の第1感圧部を有する第1のメンブレンスイッチ5と、第2の押圧力で押圧されたことを感知する複数の第2感圧部を有する第2のメンブレンスイッチ9との間に補強板7を配置する。第1感圧部が第2の押圧力で押圧されたときだけその押圧を第2感圧部が感知するように補強板7を撓ませる。第1のメンブレンスイッチ5を介して補強板7に作用した第2の押圧力を第2感圧部に伝達する複数のクリック板11をそれぞれ第2感圧部に配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は複数のスイッチから構成され、例えば、操作者のスイッチに対する接触と押圧とを検出することが可能な2段スイッチユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ノブとキー操作ベースと第1メンブレンシートと補強板と第2メンブレンシートとクリック板とプッシャとケースとからなる2段スイッチユニットが知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
ノブは弾性シートとこの弾性シートに一体に形成された複数の押圧部とを有する。キー操作ベースはノブの複数の押圧部をそれぞれ収容する複数の押圧用孔を有する。ノブの弾性シートはキー操作ベースに重なり、キー操作ベースの押圧用孔に収容されたノブの押圧部は移動可能である。
【0004】
第1メンブレンシートは押圧用孔に収容されたノブの押圧部にそれぞれ対向する複数の1段目スイッチを有する。
【0005】
補強板の上面に第1メンブレンシートとキー操作ベースとが階層的に配置されている。
【0006】
第2メンブレンシートは補強板の下面に貼り付けられている。第2メンブレンシートは補強板の中央部に対向する1つのスイッチ本体を有する。
【0007】
クリック板は第2メンブレンシートの下面に取り付けられ、第2メンブレンシートのスイッチ本体を覆う。
【0008】
プッシャは、第2メンブレンシート、補強板等を支持するドーム部と、ドーム部の周縁部が押圧されたときにクリック板を介してスイッチ本体に圧接する突起とを有する。
【0009】
ケースは裏面板と側壁とカバーとを有する。ケースはプッシャ、クリック板、第2メンブレンシート、補強板、第1メンブレンシート及びキー操作ベースを収容する。ケースの裏面板はプッシャを保持する。また、ケースの側壁とカバーとでノブの弾性シートの周縁部を保持する。
【0010】
指でノブの押圧部を押圧すると、弾性シートが撓み、押圧部が下がる。押圧部が下がると、1段目スイッチがオンになる。そして、押圧部を更に押圧すると、補強板が下がり、プッシャのドーム部の周縁部が押圧されてドーム部が変形し、第2メンブレンシートのスイッチ本体がクリック板を介してプッシャの突起に圧接し、スイッチ本体がオンになる。
【特許文献1】特開2004−327430号公報(段落0016〜0018、図4参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように2段スイッチユニットは複数の1段目スイッチと第2メンブレンシートの中心部に配置された1つの2段目スイッチ(スイッチ本体)とで構成されているので、1段目スイッチを押したときに、補強板が傾くことがある。そのため2段目スイッチが正しく機能しないおそれがある。
【0012】
これを防ぐには2段目スイッチを1段目スイッチの数に応じて増やせばよい。このとき2段目スイッチを増やした分だけクリック板の数も増やす。
【0013】
しかし、この方法にはクリック感が低下するおそれがあるという問題があった。
【0014】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は第2感圧部が正しく機能するとともに、クリック感の低下を抑制することができる2段スイッチユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述の課題を解決するため請求項1の発明の2段スイッチユニットは、可撓性シートと、このシートに配列され、第1の押圧力で押圧されたことを感知する複数の第1感圧部とを有する第1の押圧検出手段と、前記第1の押圧検出手段の下方へ配置され、前記第1感圧部が前記第1の押圧力よりも大きな第2の押圧力で押圧されたことを感知する複数の第2感圧部を有する第2の押圧検出手段と、前記第1の押圧検出手段と前記第2の押圧検出手段との間に配置され、前記第1感圧部が前記第2の押圧力で押圧されたときだけその押圧を前記第2感圧部が感知するように撓む可撓板と、前記複数の第2感圧部のそれぞれに配置され、前記第1の押圧検出手段を介して前記可撓板に作用した前記第2の押圧力を前記第2感圧部に伝達する複数のクリック板とを備えていることを特徴とする。
【0016】
上述のように、第1の押圧検出手段と第2の押圧検出手段との間に配置された可撓板は、第1感圧部が第2の押圧力で押圧されたときだけその押圧を第2感圧部が感知するように撓むので、クリック板のクリック感の低下が抑制される。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1記載の2段スイッチユニットにおいて、前記可撓板が前記第1の押圧検出手段を保持するほぼ十字状の保持部を有し、この保持部と前記第1、2感圧部とが対向していることを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1記載の2段スイッチユニットにおいて、前記可撓板が前記第1の押圧検出手段を保持するほぼIの字状の保持部を有し、この保持部と前記第1、2感圧部とが対向していることを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、請求項3記載の2段スイッチユニットにおいて、前記可撓板が、その一部分に前記第2の押圧力が作用したときにその部分と隣接する部分の撓みを抑制する切れ込みを有することを特徴とする。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載の2段スイッチユニットにおいて、前記可撓板が、前記複数のクリック板のそれぞれに向かって突出する複数の突起部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したようにこの発明の2段スイッチユニットによれば、第2感圧部が正しく機能するとともに、クリック感の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1はこの発明の第1実施形態に係る2段スイッチユニットの分解斜視図、図2は図1の2段スイッチユニットを下方から見たときの分解斜視図、図3は2段スイッチユニットの平面図、図4は図3のIV−IV線に沿う断面図、図5は図3のV−V線に沿う断面図、図6は第1のメンブレンスイッチの断面図、図7は第2のメンブレンスイッチの断面図である。
【0024】
この2段スイッチユニットは例えばナビゲーションシステム等の操作スイッチとして好適である。図1〜図3に示すように、この2段スイッチユニットはノブ3と第1のメンブレンスイッチ(第1の押圧検出手段)5と補強板(可撓板)7と第2のメンブレンスイッチ(第2の押圧検出手段)9とクリック板11とリアプレート13とカバー14とを備える。
【0025】
ノブ3は、ほぼ十字形のキー部31と、キー部31の中央部に形成された円形のボタン部32と、キー部31を取り囲む平板なプレート部33と、プレート部33の周縁部をほぼ3/4周取り囲む側壁部34とを有する。キー部31、ボタン部32、プレート部33及び側壁部34は弾性材料で一体形成される。キー部31の下面には複数の突起31aが形成されている。また、ボタン部32の下面には1つの突起32aが形成されている。プレート部33の周縁部にはほぼ90度間隔で4つの切欠き33aが形成されている。
【0026】
第1のメンブレンスイッチ5はほぼ円形のヘッド部51とこのヘッド部51に連なるテール部52とを有する。ヘッド部51の周縁部には4つの切欠き33aにそれぞれ対向する4つの切欠き51aが形成されている。
【0027】
図6に示すように、第1のメンブレンスイッチ5は第1のメンブレンシート(可撓性シート)61とスペーサ62と第2メンブレンシート(可撓性シート)63と可動接点64と固定接点65とからなる。
【0028】
第1のメンブレンシート61には導電路(図示せず)が印刷により形成されている。
【0029】
スペーサ62は複数の孔62aを有する(図6では1つの孔62aだけが示されている)。スペーサ62は第1のメンブレンシート61の下面に貼り付けられている。
【0030】
第2のメンブレンシート63はスペーサ62の下面に貼り付けられている。第2のメンブレンシート63には導電路(図示せず)が印刷により形成されている。
【0031】
可動接点64は、第1のメンブレンシート61の下面に印刷により形成され、第1のメンブレンシート61の導電路に電気的に接続されている。可動接点64は孔62aに収容される。
【0032】
固定接点65は、第2のメンブレンシート63の上面に可動接点64とに対向するように印刷により形成され、第2のメンブレンシート63の導電路に電気的に接続されている。固定接点65は孔62aに収容される。
【0033】
可動接点64と固定接点65とで感圧部(第1感圧部)66が構成される。第1の押圧力でキー部31又はボタン部32を押圧すると、可動接点64が固定接点65に接触し、感圧部66は第1の押圧力が作用したことを検出する。
【0034】
図1、2に示すように、補強板7は弾性を有する0.05mm〜0.3mm厚の金属板を卍形に打ち抜いて形成されたものである。補強板7は1つの保持部71と4つの支持部72と4つの取付部73とを有する。補強板7は両面テープ17によって第1のメンブレンスイッチ5の下面に貼り付けられる。
【0035】
保持部71はほぼ十字形である。保持部71は第1のメンブレンスイッチ5とノブ3とを保持し、複数の感圧部66(図6参照)と対向する。保持部71の下面には複数の突起74が形成されている。第1のメンブレンスイッチ5が第2の押圧力(第1の押圧力よりも大きな力)で押圧されたとき、押された位置の真下に保持部71だけが下方へ撓む(図9参照)。
【0036】
支持部72は保持部71に連なる。第1のメンブレンスイッチ5が第2の押圧力(第1の押圧力よりも大きな力)で押圧されたとき、支持部72は保持部71とともに下方へ大きく撓む。その結果、突起74がクリック板11を介して第2のメンブレンスイッチ9を押圧し、第2のメンブレンスイッチ9は第2の押圧力が作用したことを検出する。
【0037】
取付部73はほぼ円形である。取付部73は支持部72に連なる。取付部73には切欠き51aに対向する孔73aが形成されている。取付部73の下面には両面テープ(図示せず)によりスペーサ8が貼り付けられている。スペーサ8には孔73aに通じる孔(図示せず)が形成されている。スペーサ8は、図4に示すように、補強板7と第2のメンブレンスイッチ9との間にクリック板11を収容するスペースを作る。
【0038】
第2のメンブレンスイッチ9はほぼ円形のヘッド部91とこのヘッド部91に連なるほぼL字形のテール部92とを有する。ヘッド部91の周縁部にはほぼ90度の間隔でほぼ半円形の4つの突起93が形成され、各突起93には孔73aと対向する孔93aが形成されている。
【0039】
図7に示すように、第2のメンブレンスイッチ9は第1のメンブレンシート101とスペーサ102と第2メンブレンシート103と可動接点104と固定接点105とからなる。
【0040】
第1のメンブレンシート101には導電路(図示せず)が印刷により形成されている。
【0041】
スペーサ102は5つの孔102aを有する。1つの孔102aはヘッド部91の中心部に位置し、その孔102aを囲むように残りの4つの孔102aが配置されている。スペーサ102は第1のメンブレンシート101の下面に貼り付けられている。
【0042】
第2のメンブレンシート103はスペーサ102の下面に貼り付けられている。第2のメンブレンシート103には導電路(図示せず)が印刷により形成されている。
【0043】
可動接点104は、第1のメンブレンシート101の下面に印刷により形成され、第1のメンブレンシート101の導電路に電気的に接続されている。可動接点104は各孔102aに収容される。
【0044】
固定接点105は、第2のメンブレンシート103の上面に可動接点104に対向するように印刷により形成され、第2のメンブレンシート103の導電路に電気的に接続されている。固定接点105は各孔102aに収容される。
【0045】
可動接点104と固定接点105とで感圧部(第2感圧部)106が構成される。第2の押圧力でキー部31又はボタン部32を押圧すると、その押圧力が補強板7及びクリック板11を介して可動接点104に伝わり、可動接点104が固定接点105に接触し、感圧部106は第2の押圧力が作用したことを検出する。
【0046】
クリック板11は、各感圧部106と対向するように、第1のメンブレンシート101の上面に5つ配置されている。各クリック板11は、図1、4、5に示すように、片面粘着テープ19によって第2のメンブレンスイッチ9のヘッド部91に貼り付けられている。両面テープ19はほぼ円形で、その周縁部にはほぼ90度の間隔でほぼ半円形の突片191が4つ形成されている。突片191には、孔73aに対向する孔191aが形成されている。
【0047】
リアプレート13はほぼ円形で、その周縁部にはほぼ90度の間隔でほぼ半円形の4つの突起131が形成されているとともに、ほぼ180度の間隔でほぼL字形の2つの取付アーム132が形成されている。突起131には孔93aに対向する孔131aが形成されている。取付アーム132には、ボルト挿入孔132aと位置決め孔132bとが形成されている。リアプレート13は両面テープ21によって第2のメンブレンスイッチ9のヘッド部91の下面に貼り付けられている。両面テープ21はほぼ円形で、その周縁部にはほぼ90度の間隔でほぼ半円形の突片211が4つ形成されている。突片211には、孔93aに対向する孔211aが形成されている。
【0048】
カバー14は樹脂で形成されている。カバー14はほぼ円盤状である。カバー14はプレート部141と4つのボス142とを有する。プレート部141には、ノブ3のキー部31及びボタン部32を通す、ほぼ十字形の孔141aが形成されている。ボス142はプレート部141の周縁部にほぼ90度の間隔で形成されている。組立のとき、ボス142は切欠き33a,51a,孔73a,191a,93a,211a,131aに通された後、図4に示すように、熱かしめされる。
【0049】
図8は2段スイッチユニットのノブに指先が接触している状態を示す断面図、図9は2段スイッチユニットのノブのキー部が指先によって押圧された状態を示す断面図である。
【0050】
次に、この実施形態の動作について説明する。
【0051】
まず、図8に示すように、指Fをノブ3のボタン部32に置き、その後、第1の押圧力で押圧すると、ボタン部32の裏側に位置する突起32aによってその突起32aの下に位置する感圧部66(図6参照)が押圧され、その位置の感圧部66が押圧されたことを表わす検出信号が出力される。この検出信号に基づいて図示しないディスプレイ上に、押圧された感圧部66に対応する項目(ナビゲーションシステムの特定の項目)が選択されていることが表示される。ボタン部32又はキー部31が第1の押圧力で押圧されるとき、補強板7はほとんど撓まず、第1のメンブレンスイッチ5等を確実に保持する。
【0052】
もし、操作者が誤って項目を選択したときは、例えば、図8の矢印に示すように、指Fをボタン部32からキー部31へ滑らせればよい。その結果、キー部31の裏側に位置する突起31aによってその突起31aの下に位置する感圧部66が押圧され、その位置の感圧部66が押圧されたことを表わす検出信号が出力され、別の項目が選択されたことがディスプレイ上に表示される。
【0053】
操作者は目的の項目が選択されたことを認識したらキー部31を第2の押圧力で押圧する。キー部31が第2の押圧力で押圧されると、図9に示すように、補強板7が部分的に撓み、補強板7を介して第2の押圧力が現在押されているキー部31の下方位置するクリック板11に伝えられる。この結果、クリック板11の中央部が大きくくぼみ、第2のメンブレンスイッチ9の感圧部106(図7参照)が押圧され、感圧部106が押圧されたことを表わす検出信号が出力される。この検出信号に基づいてキー部31の下に位置する感圧部66が押圧されることによって選択された項目のプログラムが実行される。
【0054】
この実施形態の2段式スイッチユニットによれば、第2メンブレンスイッチ9が正しく機能するとともに、補強板7を第2の押圧力で押圧したときに撓むようにしたので、補強板7によるクリック感の低下を大幅に抑制することができる。
【0055】
なお、この実施形態では、支持手段として金属板からなる補強板7を用いたが、支持手段として例えば、0.1mm〜0.3mm厚のプラスチック板からなる補強板を用いてもよいし、金属板とプラスチック板との複合材からなる補強板を用いてもよい。
【0056】
また、第1の押圧検出手段として、第1のメンブレンスイッチ5の代わりに静電容量検出型スイッチを用いてもよい。
【0057】
なお、第2の押圧検出手段として、第2のメンブレンスイッチ9の代わりにタクトスイッチを用いてもよい。
【0058】
図10はこの発明の第2実施形態に係る2段スイッチユニットの分解斜視図、図11は図10の2段スイッチユニットを下方から見たときの分解斜視図、図12は2段スイッチユニットの平面図、図13は図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。
【0059】
第1実施形態に係る2段スイッチユニットと共通する部分については同一符号を付してその説明を省略する。以下、主な相違部分についてだけ説明する。
【0060】
図10〜13に示すように、第2実施形態に係る2段スイッチユニットのカバー214はプレート部241とボス142とを有する。プレート部241はほぼ矩形である。プレート部241にはほぼ矩形の孔241aが形成されている。ボス142はプレート部241の4つの角部に形成されている。
【0061】
ノブ203は複数のボタン部232とプレート部233と側壁部234とを有する。複数のボタン部232は一直線上に並んでいる。プレート部233はほぼ矩形である。プレート部233に複数のボタン部232が配置されている。側壁部234はプレート部233の周縁に形成されている。側壁部234の4箇所には凹部234aが形成されている。凹部234aはボス142との干渉を避けるためのものである。
【0062】
第1のメンブレンスイッチ205はヘッド部251とテール部52とを有する。ヘッド部251はほぼ矩形である。ヘッド部251の複数の感圧部(図示せず)はそれぞれボタン部232に対向する。ヘッド部251は両面テープ223によってプレート部233の下面に貼り付けられている。
【0063】
矩形の補強板207の2つの長辺には複数の切れ込み276が形成され、これにより複数のボタン部232に対応する複数の保持部271が形成される。複数の保持部271のほぼ中央部には突起部274が形成されている。
【0064】
補強板207は可撓性を有する。補強板207の4つの角部には切欠き277が形成されている。切欠き277はボス142との干渉を避けるためのものである。
【0065】
複数の保持部271はそれぞれほぼI字状であり、ヘッド部251の感圧部を保持する。保持部271はボタン部232が第1の押圧力で押圧されたとき、ほとんど撓まないが、ボタン部232が第2の押圧力で押圧されたとき、現在押されているボタン部232のほぼ真下にある保持部271が下方へ撓む。隣接する保持部271間には切り込みがあるので、ある保持部271が押されて撓んだとき、それにつられて隣接する保持部271がほとんど撓まない。
【0066】
複数の突起部274はそれぞれ保持部271の中央部に形成されている。突起部274は第2のメンブレンスイッチ209上のクリック板11の方へ突出している。
【0067】
複数の連結部276は保持部271同士を連結する。
【0068】
第2のメンブレンスイッチ209はヘッド部291とテール部92とを有する。ヘッド部291はほぼ矩形である。ヘッド部291の4つの角部には切欠き291aが形成されている。切欠き291aはボス142との干渉を避けるためのものである。ヘッド部291の複数の感圧部(図示せず)はそれぞれ突起部274に対向する。これら感圧部にはそれぞれクリック板11が被せられている。複数のクリック板11は片面粘着テープ219によってヘッド部291に固定されている。
【0069】
リアプレート313はほぼ矩形であり、取付アーム332を有する。取付アーム332にはボルト挿入孔332a及び位置決め用切欠き332bが形成されている。リアプレート313の上面には両面テープ221によって第2のメンブレンスイッチ209のヘッド部291が貼り付けられている。
【0070】
第2実施形態に係る2段スイッチユニットによれば、第1実施形態に係る2段スイッチユニットと同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1はこの発明の一実施形態に係る2段スイッチユニットの分解斜視図である。
【図2】図2は図1の2段スイッチユニットを下方から見たときの分解斜視図である。
【図3】図3は2段スイッチユニットの平面図である。
【図4】図4は図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図5は図3のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図6は第1のメンブレンスイッチの断面図である。
【図7】図7は図1に示す第2のメンブレンスイッチの断面図である。
【図8】図8は2段スイッチユニットのノブに指先が接触している状態を示す断面図である。
【図9】図9は2段スイッチユニットのノブのキー部が指先によって押圧された状態を示す断面図である。
【図10】図10はこの発明の第2実施形態に係る2段スイッチユニットの分解斜視図である。
【図11】図11は図10の2段スイッチユニットを下方から見たときの分解斜視図である。
【図12】図12は2段スイッチユニットの平面図である。
【図13】図13は図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0072】
5,205 第1のメンブレンスイッチ(第1の押圧検出手段)
61 第1メンブレンシート(可撓性シート)
63 第2メンブレンシート(可撓性シート)
66 感圧部(第1感圧部)
7,207 補強板(可撓板)
71,271 保持部
9,209 第2のメンブレンスイッチ(第2の押圧検出手段)
106 感圧部(第2感圧部)
【技術分野】
【0001】
この発明は複数のスイッチから構成され、例えば、操作者のスイッチに対する接触と押圧とを検出することが可能な2段スイッチユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ノブとキー操作ベースと第1メンブレンシートと補強板と第2メンブレンシートとクリック板とプッシャとケースとからなる2段スイッチユニットが知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
ノブは弾性シートとこの弾性シートに一体に形成された複数の押圧部とを有する。キー操作ベースはノブの複数の押圧部をそれぞれ収容する複数の押圧用孔を有する。ノブの弾性シートはキー操作ベースに重なり、キー操作ベースの押圧用孔に収容されたノブの押圧部は移動可能である。
【0004】
第1メンブレンシートは押圧用孔に収容されたノブの押圧部にそれぞれ対向する複数の1段目スイッチを有する。
【0005】
補強板の上面に第1メンブレンシートとキー操作ベースとが階層的に配置されている。
【0006】
第2メンブレンシートは補強板の下面に貼り付けられている。第2メンブレンシートは補強板の中央部に対向する1つのスイッチ本体を有する。
【0007】
クリック板は第2メンブレンシートの下面に取り付けられ、第2メンブレンシートのスイッチ本体を覆う。
【0008】
プッシャは、第2メンブレンシート、補強板等を支持するドーム部と、ドーム部の周縁部が押圧されたときにクリック板を介してスイッチ本体に圧接する突起とを有する。
【0009】
ケースは裏面板と側壁とカバーとを有する。ケースはプッシャ、クリック板、第2メンブレンシート、補強板、第1メンブレンシート及びキー操作ベースを収容する。ケースの裏面板はプッシャを保持する。また、ケースの側壁とカバーとでノブの弾性シートの周縁部を保持する。
【0010】
指でノブの押圧部を押圧すると、弾性シートが撓み、押圧部が下がる。押圧部が下がると、1段目スイッチがオンになる。そして、押圧部を更に押圧すると、補強板が下がり、プッシャのドーム部の周縁部が押圧されてドーム部が変形し、第2メンブレンシートのスイッチ本体がクリック板を介してプッシャの突起に圧接し、スイッチ本体がオンになる。
【特許文献1】特開2004−327430号公報(段落0016〜0018、図4参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように2段スイッチユニットは複数の1段目スイッチと第2メンブレンシートの中心部に配置された1つの2段目スイッチ(スイッチ本体)とで構成されているので、1段目スイッチを押したときに、補強板が傾くことがある。そのため2段目スイッチが正しく機能しないおそれがある。
【0012】
これを防ぐには2段目スイッチを1段目スイッチの数に応じて増やせばよい。このとき2段目スイッチを増やした分だけクリック板の数も増やす。
【0013】
しかし、この方法にはクリック感が低下するおそれがあるという問題があった。
【0014】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は第2感圧部が正しく機能するとともに、クリック感の低下を抑制することができる2段スイッチユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述の課題を解決するため請求項1の発明の2段スイッチユニットは、可撓性シートと、このシートに配列され、第1の押圧力で押圧されたことを感知する複数の第1感圧部とを有する第1の押圧検出手段と、前記第1の押圧検出手段の下方へ配置され、前記第1感圧部が前記第1の押圧力よりも大きな第2の押圧力で押圧されたことを感知する複数の第2感圧部を有する第2の押圧検出手段と、前記第1の押圧検出手段と前記第2の押圧検出手段との間に配置され、前記第1感圧部が前記第2の押圧力で押圧されたときだけその押圧を前記第2感圧部が感知するように撓む可撓板と、前記複数の第2感圧部のそれぞれに配置され、前記第1の押圧検出手段を介して前記可撓板に作用した前記第2の押圧力を前記第2感圧部に伝達する複数のクリック板とを備えていることを特徴とする。
【0016】
上述のように、第1の押圧検出手段と第2の押圧検出手段との間に配置された可撓板は、第1感圧部が第2の押圧力で押圧されたときだけその押圧を第2感圧部が感知するように撓むので、クリック板のクリック感の低下が抑制される。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1記載の2段スイッチユニットにおいて、前記可撓板が前記第1の押圧検出手段を保持するほぼ十字状の保持部を有し、この保持部と前記第1、2感圧部とが対向していることを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1記載の2段スイッチユニットにおいて、前記可撓板が前記第1の押圧検出手段を保持するほぼIの字状の保持部を有し、この保持部と前記第1、2感圧部とが対向していることを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、請求項3記載の2段スイッチユニットにおいて、前記可撓板が、その一部分に前記第2の押圧力が作用したときにその部分と隣接する部分の撓みを抑制する切れ込みを有することを特徴とする。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載の2段スイッチユニットにおいて、前記可撓板が、前記複数のクリック板のそれぞれに向かって突出する複数の突起部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したようにこの発明の2段スイッチユニットによれば、第2感圧部が正しく機能するとともに、クリック感の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1はこの発明の第1実施形態に係る2段スイッチユニットの分解斜視図、図2は図1の2段スイッチユニットを下方から見たときの分解斜視図、図3は2段スイッチユニットの平面図、図4は図3のIV−IV線に沿う断面図、図5は図3のV−V線に沿う断面図、図6は第1のメンブレンスイッチの断面図、図7は第2のメンブレンスイッチの断面図である。
【0024】
この2段スイッチユニットは例えばナビゲーションシステム等の操作スイッチとして好適である。図1〜図3に示すように、この2段スイッチユニットはノブ3と第1のメンブレンスイッチ(第1の押圧検出手段)5と補強板(可撓板)7と第2のメンブレンスイッチ(第2の押圧検出手段)9とクリック板11とリアプレート13とカバー14とを備える。
【0025】
ノブ3は、ほぼ十字形のキー部31と、キー部31の中央部に形成された円形のボタン部32と、キー部31を取り囲む平板なプレート部33と、プレート部33の周縁部をほぼ3/4周取り囲む側壁部34とを有する。キー部31、ボタン部32、プレート部33及び側壁部34は弾性材料で一体形成される。キー部31の下面には複数の突起31aが形成されている。また、ボタン部32の下面には1つの突起32aが形成されている。プレート部33の周縁部にはほぼ90度間隔で4つの切欠き33aが形成されている。
【0026】
第1のメンブレンスイッチ5はほぼ円形のヘッド部51とこのヘッド部51に連なるテール部52とを有する。ヘッド部51の周縁部には4つの切欠き33aにそれぞれ対向する4つの切欠き51aが形成されている。
【0027】
図6に示すように、第1のメンブレンスイッチ5は第1のメンブレンシート(可撓性シート)61とスペーサ62と第2メンブレンシート(可撓性シート)63と可動接点64と固定接点65とからなる。
【0028】
第1のメンブレンシート61には導電路(図示せず)が印刷により形成されている。
【0029】
スペーサ62は複数の孔62aを有する(図6では1つの孔62aだけが示されている)。スペーサ62は第1のメンブレンシート61の下面に貼り付けられている。
【0030】
第2のメンブレンシート63はスペーサ62の下面に貼り付けられている。第2のメンブレンシート63には導電路(図示せず)が印刷により形成されている。
【0031】
可動接点64は、第1のメンブレンシート61の下面に印刷により形成され、第1のメンブレンシート61の導電路に電気的に接続されている。可動接点64は孔62aに収容される。
【0032】
固定接点65は、第2のメンブレンシート63の上面に可動接点64とに対向するように印刷により形成され、第2のメンブレンシート63の導電路に電気的に接続されている。固定接点65は孔62aに収容される。
【0033】
可動接点64と固定接点65とで感圧部(第1感圧部)66が構成される。第1の押圧力でキー部31又はボタン部32を押圧すると、可動接点64が固定接点65に接触し、感圧部66は第1の押圧力が作用したことを検出する。
【0034】
図1、2に示すように、補強板7は弾性を有する0.05mm〜0.3mm厚の金属板を卍形に打ち抜いて形成されたものである。補強板7は1つの保持部71と4つの支持部72と4つの取付部73とを有する。補強板7は両面テープ17によって第1のメンブレンスイッチ5の下面に貼り付けられる。
【0035】
保持部71はほぼ十字形である。保持部71は第1のメンブレンスイッチ5とノブ3とを保持し、複数の感圧部66(図6参照)と対向する。保持部71の下面には複数の突起74が形成されている。第1のメンブレンスイッチ5が第2の押圧力(第1の押圧力よりも大きな力)で押圧されたとき、押された位置の真下に保持部71だけが下方へ撓む(図9参照)。
【0036】
支持部72は保持部71に連なる。第1のメンブレンスイッチ5が第2の押圧力(第1の押圧力よりも大きな力)で押圧されたとき、支持部72は保持部71とともに下方へ大きく撓む。その結果、突起74がクリック板11を介して第2のメンブレンスイッチ9を押圧し、第2のメンブレンスイッチ9は第2の押圧力が作用したことを検出する。
【0037】
取付部73はほぼ円形である。取付部73は支持部72に連なる。取付部73には切欠き51aに対向する孔73aが形成されている。取付部73の下面には両面テープ(図示せず)によりスペーサ8が貼り付けられている。スペーサ8には孔73aに通じる孔(図示せず)が形成されている。スペーサ8は、図4に示すように、補強板7と第2のメンブレンスイッチ9との間にクリック板11を収容するスペースを作る。
【0038】
第2のメンブレンスイッチ9はほぼ円形のヘッド部91とこのヘッド部91に連なるほぼL字形のテール部92とを有する。ヘッド部91の周縁部にはほぼ90度の間隔でほぼ半円形の4つの突起93が形成され、各突起93には孔73aと対向する孔93aが形成されている。
【0039】
図7に示すように、第2のメンブレンスイッチ9は第1のメンブレンシート101とスペーサ102と第2メンブレンシート103と可動接点104と固定接点105とからなる。
【0040】
第1のメンブレンシート101には導電路(図示せず)が印刷により形成されている。
【0041】
スペーサ102は5つの孔102aを有する。1つの孔102aはヘッド部91の中心部に位置し、その孔102aを囲むように残りの4つの孔102aが配置されている。スペーサ102は第1のメンブレンシート101の下面に貼り付けられている。
【0042】
第2のメンブレンシート103はスペーサ102の下面に貼り付けられている。第2のメンブレンシート103には導電路(図示せず)が印刷により形成されている。
【0043】
可動接点104は、第1のメンブレンシート101の下面に印刷により形成され、第1のメンブレンシート101の導電路に電気的に接続されている。可動接点104は各孔102aに収容される。
【0044】
固定接点105は、第2のメンブレンシート103の上面に可動接点104に対向するように印刷により形成され、第2のメンブレンシート103の導電路に電気的に接続されている。固定接点105は各孔102aに収容される。
【0045】
可動接点104と固定接点105とで感圧部(第2感圧部)106が構成される。第2の押圧力でキー部31又はボタン部32を押圧すると、その押圧力が補強板7及びクリック板11を介して可動接点104に伝わり、可動接点104が固定接点105に接触し、感圧部106は第2の押圧力が作用したことを検出する。
【0046】
クリック板11は、各感圧部106と対向するように、第1のメンブレンシート101の上面に5つ配置されている。各クリック板11は、図1、4、5に示すように、片面粘着テープ19によって第2のメンブレンスイッチ9のヘッド部91に貼り付けられている。両面テープ19はほぼ円形で、その周縁部にはほぼ90度の間隔でほぼ半円形の突片191が4つ形成されている。突片191には、孔73aに対向する孔191aが形成されている。
【0047】
リアプレート13はほぼ円形で、その周縁部にはほぼ90度の間隔でほぼ半円形の4つの突起131が形成されているとともに、ほぼ180度の間隔でほぼL字形の2つの取付アーム132が形成されている。突起131には孔93aに対向する孔131aが形成されている。取付アーム132には、ボルト挿入孔132aと位置決め孔132bとが形成されている。リアプレート13は両面テープ21によって第2のメンブレンスイッチ9のヘッド部91の下面に貼り付けられている。両面テープ21はほぼ円形で、その周縁部にはほぼ90度の間隔でほぼ半円形の突片211が4つ形成されている。突片211には、孔93aに対向する孔211aが形成されている。
【0048】
カバー14は樹脂で形成されている。カバー14はほぼ円盤状である。カバー14はプレート部141と4つのボス142とを有する。プレート部141には、ノブ3のキー部31及びボタン部32を通す、ほぼ十字形の孔141aが形成されている。ボス142はプレート部141の周縁部にほぼ90度の間隔で形成されている。組立のとき、ボス142は切欠き33a,51a,孔73a,191a,93a,211a,131aに通された後、図4に示すように、熱かしめされる。
【0049】
図8は2段スイッチユニットのノブに指先が接触している状態を示す断面図、図9は2段スイッチユニットのノブのキー部が指先によって押圧された状態を示す断面図である。
【0050】
次に、この実施形態の動作について説明する。
【0051】
まず、図8に示すように、指Fをノブ3のボタン部32に置き、その後、第1の押圧力で押圧すると、ボタン部32の裏側に位置する突起32aによってその突起32aの下に位置する感圧部66(図6参照)が押圧され、その位置の感圧部66が押圧されたことを表わす検出信号が出力される。この検出信号に基づいて図示しないディスプレイ上に、押圧された感圧部66に対応する項目(ナビゲーションシステムの特定の項目)が選択されていることが表示される。ボタン部32又はキー部31が第1の押圧力で押圧されるとき、補強板7はほとんど撓まず、第1のメンブレンスイッチ5等を確実に保持する。
【0052】
もし、操作者が誤って項目を選択したときは、例えば、図8の矢印に示すように、指Fをボタン部32からキー部31へ滑らせればよい。その結果、キー部31の裏側に位置する突起31aによってその突起31aの下に位置する感圧部66が押圧され、その位置の感圧部66が押圧されたことを表わす検出信号が出力され、別の項目が選択されたことがディスプレイ上に表示される。
【0053】
操作者は目的の項目が選択されたことを認識したらキー部31を第2の押圧力で押圧する。キー部31が第2の押圧力で押圧されると、図9に示すように、補強板7が部分的に撓み、補強板7を介して第2の押圧力が現在押されているキー部31の下方位置するクリック板11に伝えられる。この結果、クリック板11の中央部が大きくくぼみ、第2のメンブレンスイッチ9の感圧部106(図7参照)が押圧され、感圧部106が押圧されたことを表わす検出信号が出力される。この検出信号に基づいてキー部31の下に位置する感圧部66が押圧されることによって選択された項目のプログラムが実行される。
【0054】
この実施形態の2段式スイッチユニットによれば、第2メンブレンスイッチ9が正しく機能するとともに、補強板7を第2の押圧力で押圧したときに撓むようにしたので、補強板7によるクリック感の低下を大幅に抑制することができる。
【0055】
なお、この実施形態では、支持手段として金属板からなる補強板7を用いたが、支持手段として例えば、0.1mm〜0.3mm厚のプラスチック板からなる補強板を用いてもよいし、金属板とプラスチック板との複合材からなる補強板を用いてもよい。
【0056】
また、第1の押圧検出手段として、第1のメンブレンスイッチ5の代わりに静電容量検出型スイッチを用いてもよい。
【0057】
なお、第2の押圧検出手段として、第2のメンブレンスイッチ9の代わりにタクトスイッチを用いてもよい。
【0058】
図10はこの発明の第2実施形態に係る2段スイッチユニットの分解斜視図、図11は図10の2段スイッチユニットを下方から見たときの分解斜視図、図12は2段スイッチユニットの平面図、図13は図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。
【0059】
第1実施形態に係る2段スイッチユニットと共通する部分については同一符号を付してその説明を省略する。以下、主な相違部分についてだけ説明する。
【0060】
図10〜13に示すように、第2実施形態に係る2段スイッチユニットのカバー214はプレート部241とボス142とを有する。プレート部241はほぼ矩形である。プレート部241にはほぼ矩形の孔241aが形成されている。ボス142はプレート部241の4つの角部に形成されている。
【0061】
ノブ203は複数のボタン部232とプレート部233と側壁部234とを有する。複数のボタン部232は一直線上に並んでいる。プレート部233はほぼ矩形である。プレート部233に複数のボタン部232が配置されている。側壁部234はプレート部233の周縁に形成されている。側壁部234の4箇所には凹部234aが形成されている。凹部234aはボス142との干渉を避けるためのものである。
【0062】
第1のメンブレンスイッチ205はヘッド部251とテール部52とを有する。ヘッド部251はほぼ矩形である。ヘッド部251の複数の感圧部(図示せず)はそれぞれボタン部232に対向する。ヘッド部251は両面テープ223によってプレート部233の下面に貼り付けられている。
【0063】
矩形の補強板207の2つの長辺には複数の切れ込み276が形成され、これにより複数のボタン部232に対応する複数の保持部271が形成される。複数の保持部271のほぼ中央部には突起部274が形成されている。
【0064】
補強板207は可撓性を有する。補強板207の4つの角部には切欠き277が形成されている。切欠き277はボス142との干渉を避けるためのものである。
【0065】
複数の保持部271はそれぞれほぼI字状であり、ヘッド部251の感圧部を保持する。保持部271はボタン部232が第1の押圧力で押圧されたとき、ほとんど撓まないが、ボタン部232が第2の押圧力で押圧されたとき、現在押されているボタン部232のほぼ真下にある保持部271が下方へ撓む。隣接する保持部271間には切り込みがあるので、ある保持部271が押されて撓んだとき、それにつられて隣接する保持部271がほとんど撓まない。
【0066】
複数の突起部274はそれぞれ保持部271の中央部に形成されている。突起部274は第2のメンブレンスイッチ209上のクリック板11の方へ突出している。
【0067】
複数の連結部276は保持部271同士を連結する。
【0068】
第2のメンブレンスイッチ209はヘッド部291とテール部92とを有する。ヘッド部291はほぼ矩形である。ヘッド部291の4つの角部には切欠き291aが形成されている。切欠き291aはボス142との干渉を避けるためのものである。ヘッド部291の複数の感圧部(図示せず)はそれぞれ突起部274に対向する。これら感圧部にはそれぞれクリック板11が被せられている。複数のクリック板11は片面粘着テープ219によってヘッド部291に固定されている。
【0069】
リアプレート313はほぼ矩形であり、取付アーム332を有する。取付アーム332にはボルト挿入孔332a及び位置決め用切欠き332bが形成されている。リアプレート313の上面には両面テープ221によって第2のメンブレンスイッチ209のヘッド部291が貼り付けられている。
【0070】
第2実施形態に係る2段スイッチユニットによれば、第1実施形態に係る2段スイッチユニットと同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1はこの発明の一実施形態に係る2段スイッチユニットの分解斜視図である。
【図2】図2は図1の2段スイッチユニットを下方から見たときの分解斜視図である。
【図3】図3は2段スイッチユニットの平面図である。
【図4】図4は図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図5は図3のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図6は第1のメンブレンスイッチの断面図である。
【図7】図7は図1に示す第2のメンブレンスイッチの断面図である。
【図8】図8は2段スイッチユニットのノブに指先が接触している状態を示す断面図である。
【図9】図9は2段スイッチユニットのノブのキー部が指先によって押圧された状態を示す断面図である。
【図10】図10はこの発明の第2実施形態に係る2段スイッチユニットの分解斜視図である。
【図11】図11は図10の2段スイッチユニットを下方から見たときの分解斜視図である。
【図12】図12は2段スイッチユニットの平面図である。
【図13】図13は図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0072】
5,205 第1のメンブレンスイッチ(第1の押圧検出手段)
61 第1メンブレンシート(可撓性シート)
63 第2メンブレンシート(可撓性シート)
66 感圧部(第1感圧部)
7,207 補強板(可撓板)
71,271 保持部
9,209 第2のメンブレンスイッチ(第2の押圧検出手段)
106 感圧部(第2感圧部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性シートと、このシートに配列され、第1の押圧力で押圧されたことを感知する複数の第1感圧部とを有する第1の押圧検出手段と、
前記第1の押圧検出手段の下方へ配置され、前記第1感圧部が前記第1の押圧力よりも大きな第2の押圧力で押圧されたことを感知する複数の第2感圧部を有する第2の押圧検出手段と、
前記第1の押圧検出手段と前記第2の押圧検出手段との間に配置され、前記第1感圧部が前記第2の押圧力で押圧されたときだけその押圧を前記第2感圧部が感知するように撓む可撓板と、
前記複数の第2感圧部のそれぞれに配置され、前記第1の押圧検出手段を介して前記可撓板に作用した前記第2の押圧力を前記第2感圧部に伝達する複数のクリック板と
を備えていることを特徴とする2段スイッチユニット。
【請求項2】
前記可撓板が前記第1の押圧検出手段を保持するほぼ十字状の保持部を有し、この保持部と前記第1、2感圧部とが対向していることを特徴とする請求項1記載の2段スイッチユニット。
【請求項3】
前記可撓板が前記第1の押圧検出手段を保持するほぼIの字状の保持部を有し、この保持部と前記第1、2感圧部とが対向していることを特徴とする請求項1記載の2段スイッチユニット。
【請求項4】
前記可撓板が、その一部分に前記第2の押圧力が作用したときにその部分と隣接する部分の撓みを抑制する切れ込みを有することを特徴とする請求項3記載の2段スイッチユニット。
【請求項5】
前記可撓板が、前記複数のクリック板のそれぞれに向かって突出する複数の突起部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の2段スイッチユニット。
【請求項1】
可撓性シートと、このシートに配列され、第1の押圧力で押圧されたことを感知する複数の第1感圧部とを有する第1の押圧検出手段と、
前記第1の押圧検出手段の下方へ配置され、前記第1感圧部が前記第1の押圧力よりも大きな第2の押圧力で押圧されたことを感知する複数の第2感圧部を有する第2の押圧検出手段と、
前記第1の押圧検出手段と前記第2の押圧検出手段との間に配置され、前記第1感圧部が前記第2の押圧力で押圧されたときだけその押圧を前記第2感圧部が感知するように撓む可撓板と、
前記複数の第2感圧部のそれぞれに配置され、前記第1の押圧検出手段を介して前記可撓板に作用した前記第2の押圧力を前記第2感圧部に伝達する複数のクリック板と
を備えていることを特徴とする2段スイッチユニット。
【請求項2】
前記可撓板が前記第1の押圧検出手段を保持するほぼ十字状の保持部を有し、この保持部と前記第1、2感圧部とが対向していることを特徴とする請求項1記載の2段スイッチユニット。
【請求項3】
前記可撓板が前記第1の押圧検出手段を保持するほぼIの字状の保持部を有し、この保持部と前記第1、2感圧部とが対向していることを特徴とする請求項1記載の2段スイッチユニット。
【請求項4】
前記可撓板が、その一部分に前記第2の押圧力が作用したときにその部分と隣接する部分の撓みを抑制する切れ込みを有することを特徴とする請求項3記載の2段スイッチユニット。
【請求項5】
前記可撓板が、前記複数のクリック板のそれぞれに向かって突出する複数の突起部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の2段スイッチユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−286353(P2006−286353A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−103592(P2005−103592)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
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