説明

22kV配電線施設システム

【課題】 22kV配電線の配電線路を効率的に標準化した状態で構築することができる22kV配電線施設システムとする。
【解決手段】 22kV配電線を施設するための22kV配電線施設システムであって、22kV配電線の施設設計に必要な情報を網羅した配電情報及び22kV配電設備工事に必要な情報を網羅した基準データベースD2〜D5を少なくとも含むデータベースと、22kV配電線設備の施設設計に基づいて、前記データベースを参照しながら実際の配電設備工事が可能か否かを確認する設備工事確認手段16とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、22kV配電線の工事における配線施設システムに関する。
【背景技術】
【0002】
安定した電力の供給のため、送電線網の整備、保守の充実、電力輸送の品質向上が図られている。近年、電力使用者側の使用機器の特殊化や大型化により、電力品質維持の要望が高まっている。一般的な配電線路は6kV配線が主流であるが、6kV配線では送電ロスが避けられないのが現状であった。このような現状を考えると、今後、高電圧の22kV配電線の配電線路を長期的に且つ計画的に整備する必要がある。
【0003】
22kV配電線は高電圧であるので送電ロスが少なく、大きな電力をより遠くに送ることができる。高圧に対応した電線を選定するには、関連法規等に基づいて規制範囲の条件を満たすことが必要となっている。このため、高圧に対応した電線を選定する技術が従来から種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
22kV配電線の配電線路を構築する場合、地域や電線の規格、架設高さ、支持強度、他の構造物や植物との接近状態等、様々な規制を満たす必要があり、6kV配線に比べて規格が強化されている。送電線のように鉄塔等を設けることで比較的容易に規格を満たすことができるが、設備が大掛かりになってコストが嵩んでしまう。22kV配電線の配電線路であっても、基本的には6kV配線の配電線路の工事に準じているので、できるだけ6kV配線の配電線路に準じて22kV配電線の配電線路を構築できるようにすることが望ましい。
【0005】
前述したように、22kV配電線の配電線路は規格が強化されているので、地域の状況等によりその都度作業者の経験等によって配電線路を構築しているのが実状である。このような場合、将来的な地域状況の変化等で規格が強化される点を考慮して、現在決められている基準に対して余裕を持った規格が必要となるが、作業者の経験等に頼っている現状においては、22kV配電線の配電線路の構築は非常に効率が悪い作業になっていた。今後の電力の自由化のすう勢にあって、電力供給の信頼性を高めるためには、22kV配電線の配電線路を効率的に標準化した状態で構築できる体制を整えることが必要である。
【0006】
【特許文献1】特開2000−242703号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、22kV配電線の配電線路を効率的に標準化した状態で構築することができる22kV配電線施設システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成する本発明の第1の態様は、22kV配電線を施設するための22kV配電線施設システムであって、22kV配電線の施設設計に必要な情報を網羅した配電情報及び22kV配電設備工事に必要な情報を網羅した基準データベースを少なくとも含むデータベースと、22kV配電線設備の施設設計に基づいて、前記データベースを参照しながら実際の配電設備工事が可能か否かを確認する設備工事確認手段とを具備することを特徴とする22kV配電線施設システムにある。
【0009】
かかる第1の態様では、実際の配線条件をデータベースの情報と照合することで、22kV配電線の配電線路を効率的に標準化した状態で構築することができる。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の22kV配電線施設システムにおいて、前記配電情報は、22kV配電線工事場所の情報と、22kV架空電線路の情報と、引込口の情報と、ケーブル施設の情報と、配電塔の情報とを含むことを特徴とする22kV配電線施設システムにある。
【0011】
かかる第2の態様では、実際の配線条件を、22kV配電工事場所の情報、22kV架空電線路の情報、引込口の情報、ケーブル施設の情報及び配電塔の情報と照合することで、22kV配電線の配電線路を効率的に標準化した状態で構築することができる。
【0012】
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の22kV配電線施設システムにおいて、前記22kV配電工事場所の情報は、電柱及び電線の施設と、電線の地表上の高さ決定と、支持物の強度設計と、特別高圧保安工事の情報を含み、前記22kV架空電線路の情報は、他物との接近・交差との設計と、植物との接近における設計と、支持物の選定と、使用電線の選定及び支持と、保安開閉装置の選定と取付けと、架空電線との併架の情報とを含むことを特徴とする22kV配電線施設システムにある。
【0013】
かかる第3の態様では、実際の配線条件を、22kV配電工事場所の情報として、電柱及び電線の施設、電線の地表上の高さ決定、支持物の強度設計、特別高圧保安工事の情報と照合すると共に、実際の配線条件を、22kV架空電線路の情報として、他物との接近・交差との設計、植物との接近における設計、支持物の選定、使用電線の選定及び支持、保安開閉装置の選定と取付け、架空電線との併架の情報と照合することで、22kV配電線の配電線路を効率的に標準化した状態で構築することができる。
【0014】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様に記載の22kV配電線施設システムにおいて、前記設備工事確認手段は、工事現場を検証して配電設備工事が可能か否かを確認することを特徴とする22kV配電線施設システムにある。
【0015】
かかる第4の態様では、事前に工事現場を検証して配電設備工事が可能か否かの判断を行うので、実際の配線設備工事を効率よく行うことができる。
【0016】
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載の22kV配電線施設システムにおいて、前記データベースの情報は持ち運び可能な情報端末機器に表示され、前記情報端末機器を用いて前記設備工事確認手段による現場での検証を行うことを特徴とする22kV配電線施設システムにある。
【0017】
かかる第5の態様では、情報端末機器で基準データベースを表示し実際の配線条件と照合して22kV配電線の配電線路を効率的に標準化した状態で構築することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の22kV配電線施設システムは、22kV配電線工事に関し、工事基準に則した間違いのない方法が確立され、22kV配電線の配電線路を効率的に標準化した状態で構築することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1には本発明の一実施形態に係る22kV配電線施設システムの全体フローチャート、図2には本発明の一実施形態に係る22kV配電線施設システムの概略ブロック構成、図3には本発明の一実施形態に係る22kV配電線施設システムの基本フローチャート、図4には配線工事場所確認の処理ルーチンの具体的なフローチャート、図5には架空電線路確認の処理ルーチンの概略フローチャートを示してある。
【0021】
本実施形態の22kV配電線施設システムは、例えば、変電所から配電塔に送られた電力を電力使用地に送る際に、22kV配電線路を構築するためのシステムである。22kV配電線路を構築する場合様々な規制があるため、本実施形態では、具体的に、電柱及び電線の施設方法、電線の地表上の高さの決定方法、支持物の強度の設計方法、特別高圧保安工事方法、他物との接近・交差の設計方法、植物との接近における設計方法、支持物の選定方法など、22kV配電線の施設設計に必要な情報を網羅した配電情報データベースと、使用電線の選定と支持方法、保安開閉装置の選定と取付方法、架空電線との併架方法、配電塔引込口の施設方法、ケーブル施設方法、配電塔の確認方法など、22kV配電設備工事に必要な情報を網羅した配電設備工事基準データベースとを具備する。
【0022】
そして、図1に示すように、ステップS1で22kV配電線路を構築する工事想定箇所の諸条件(位置、近隣状況等:)を定めた施設設計情報を端末から入力すると、ステップS2で工事場所(22kV配電工事場所の情報)に関する確認(配電情報データベースとの照合)を行うと共に、ステップS3で架空電線路(22kV架空電線路の情報、ケーブル施設の情報)に関する確認(基準データベースとの照合)を行い、施設設計が完成する。その後、施設設計に基づいて、ステップS4で配電塔引込口に関する確認(基準データベースとの照合)を行い、最後に、ステップS5で配電塔に関する確認(基準データベースとの照合)を行う。
【0023】
全ての確認において、基準を満たしていれば、ステップS6で22kV配電線路を構築する22kV配電工事は問題なく可能であるとされる。1箇所以上の確認において問題が発生した場合は、22kV配電工事に問題ありと判断しステップS7で新たな経路の検討や同じ経路の問題箇所の改善を検討する。問題箇所を検討した後ステップS8で検討結果を入力し、ステップS2に移行して確認を再度行う。
【0024】
これにより、実際の配線条件を、22kV配電工事場所の情報、22kV架空電線路の情報、引込口の情報、ケーブル施設の情報及び配電塔の情報と照合することで、作業者の知識や熟練度によらず22kV配電線路の構築を効率的に標準化した状態で行える。
【0025】
図2乃至図5に基づいて本実施形態例を具体的に説明する。
【0026】
図2に示すように、22kV配電線施設システムは、配線施設管理サーバ1を具備する。配線施設管理サーバ1には、社員の情報が記憶された社員データベースD1を有する作業者管理手段11と、工事場所の位置や近隣状況等の情報(22kV配電工事場所の情報)が記憶された工事場所情報データベースD2を有する工事場所管理手段12と、架空電線路に関する情報(22kV架空電線路の情報)が記憶された架空電線路情報データベースD3を有する架空電線路管理手段13と、配電塔引込口に関する情報が記憶された引込口情報データベースD4を有する引込口管理手段14と、配電塔に関する情報が記憶された配電塔情報データベースD5を有する配電塔管理手段15とが備えられている。ここで、工事場所情報データベースD2、架空電線路情報データベースD3、引込口情報データベースD4、配電塔情報データベースD5が基準データベースとなっている。また、配線施設管理サーバ1には、施設設計に基づいて設備工事を確認する設備工事確認手段16が備えられている。
【0027】
また、配線施設管理サーバ1には、ネットワーク2を介して端末3が接続できるようになっている。ここで、端末3は、上述した設計や工事確認を行う社内部署又は外部会社の端末であり、ネットワーク2は、LANや専用線やインターネットを介しての接続手段をいう。なお、端末3は、持ち運び可能で、無線や有線等の専用回線や既存の電話回線等の通信手段により相互に通信可能に接続されている情報端末機器であってもよい。
【0028】
作業者は端末3から配線施設管理サーバ1にアクセスすることで、作業者管理手段11で作業者が認証される。認証された作業者は22kV配電線工事条件(実際の配線条件)などの設備設計を図示しない入力手段を用いて入力すると、設備工事確認手段16が基準データベースを参照して工事条件と基準データベースを照合して工事が可能であるか否かが確認される。即ち、図1で示した処理が行われる。確認の結果(照合の結果)は図示しない出力手段から出力される。これにより、配線施設管理サーバ1で基準データベースを管理して22kV配電線の配電線路を効率的に標準化した状態で構築することができる。
【0029】
具体的には、図3に示すように、ステップS11で22kV配電線工事条件等の設備設計を入力し(図1中ステップS1に相当)、ステップS12で22kV配電工事場所の確認ルーチンが実行され、工事場所情報データベースD2の情報に基づいて実際の配線条件が検討される(図1中ステップS2に相当)。次に、ステップS13で22kV架空電線路の確認ルーチンが実行され、架空電線路情報データベースD3の情報に基づいて実際の配線条件が検討される(図1中ステップS3に相当)。
【0030】
次に、ステップS14で配電塔引込口の確認が行われ、引込口情報データベースD4の情報に基づいて実際の配線条件が検討される(図1中ステップS4に相当)。次に、ステップS15でケーブル施設の確認が実行され、ステップS16で配電塔の確認が行われ、配電塔情報データベースD5の情報に基づいて実際の配線条件が検討される(図1中ステップS5に相当)。
【0031】
基準データベースに基づいて22kV配電線工事条件の検討の後、ステップS17で確認結果が記録され、ステップS18で確認結果が出力されて終了となる。
【0032】
なお、上述した実施形態では、基準データベースは、配線施設管理サーバ1内に設けられているように図示しているが、これに限定されず、全部又は一部がネットワーク等を介して接続され、設備工事確認手段16が参照できるものであればよい。
【0033】
次に、22kV配電工事場所の確認ルーチンを実行する工事場所管理手段12における工事場所情報データベースD2の例を説明する。
【0034】
工事場所情報データベースD2における22kV配電工事場所の情報は、電柱及び電線の施設方法の情報が挙げられる。これは、例えば、電柱は他の電線の間を貫通したり挟んだりできない制限等である。また、電線の地表上の高さ決定の方法が挙げられる。これは、例えば、道路、鉄道等の上や氷雪の積雪の上等といった場所に応じて予め高さが決められている。また、支持物の強度設計の情報が挙げられる。これは、例えば、柱の形態(コンクリート柱、鉄塔等)によって耐えるべき荷重が詳細に決められている。また、特別高圧保安工事の情報が挙げられる。これは、例えば、施設する場所に対する特別高圧保安工事の要否や、特別高圧保安工事の方法が施設毎に詳細に決められている。
【0035】
例えば、図4に示すように、22kV配電工事場所の確認ルーチンでは、ステップS21で、22kV架空電線路の電柱は併架・添架・共架する場合を除き、他の架空電線路の電線、電車線または弱電流電線の間を貫通しないこと、また、電柱を挟んで施設しないこと、が確認される。ステップS22で、22kV架空電線路の地表上の高さは表に示す値以上とすること、が確認される。ステップS23で、支持物の強度は表に従うこと、が確認される。さらに、ステップS24で、特別高圧保安工事を必要とする場合は表に従うこと、が確認される。これらの確認を行うことで22kV配電工事場所の確認が終了する。
【0036】
また、22kV架空電線路の確認ルーチン及びケーブル施設確認を実行する架空電線路管理手段13における架空電線路情報データベースD3の例を説明する。
【0037】
図5に示すように、22kV架空電線路の確認は、ステップS31で他物との接近・交差設計が確認され、ステップS32で植物との接近における設計が確認される。また、ステップS33で支持物の選定が確認され、ステップS34で使用電線の選定及び支持が確認され、ステップS35で保安開閉装置の選定と取付けが確認され、ステップS36で架空電線との併架が確認される。これらの確認を行うことで22kV架空電線路の確認が終了する。
【0038】
他物との接近・交差は、他の物との離隔距離が挙げられ、例えば、建造物との接近、道路等との接近または交差、索道との接近または交差、架空弱電流電線との接近または交差、他の特別高圧架空電線との接近または交差、他の工作物との交差、煙突等との接近に対して離隔距離が詳細に決められている。また、植物との接近における設計は、風等により移動する範囲を加味して接触しない離隔距離が詳細に決められている。
【0039】
支持物の選定は、柱や塔の種類、使用制限、支持物の長さ、支持物の補強及び支線の施設、他物と接近または交差する場合の支線の施設、装柱、電線と柱体等との離隔距離及び電線相互の離隔距離、長径間の線間距離、腕金の種類および使用区分、腕金間隔、腕金等の取付け、腕金類の接地、碍子の種類、及び使用区分、碍子の取付け、アークホーンの調整、接近注意標識、併架回線数、撚架に対して詳細に決められている。
【0040】
使用電線の選定及び支持は、22kV架空電線路に使用する電線の種類、季節毎の線種に応じた弛度、支持方法、絶縁、接続が詳細に決められている。
【0041】
保安開閉装置の選定と取付けは、日常保守、事故停電及び作業停電の縮小を目的として施設されている開閉器や避雷器、架空地線の選定と取付けが決められている。即ち、開閉器の種類と施設、開閉器の施設制限、開閉器の取付け、開閉器と架空電線等との接続、22kV用故障区間検出装置の制御用電源変圧器の施設、制御器の施設、開閉器等の接地、装柱、避雷器の施設、避雷器の取付方法、避雷器の接続、避雷器の接地、架空地線の施設、架空地線の線種、架空地線の弛度及び接続、腕金類の接地、接地装置の種類と施設、接地装置の施設制限、接地装置の取付け、接地開閉器と架空電線等との接続、接地を必要とする箇所及び接地工事の種類が詳細に決められている。
【0042】
架空電線との併架は、低高圧架空電線との併架部分の施設方法、低高圧架空電線の取付位置、低高圧架空電線との離間距離が詳細に決められている。
【0043】
配電塔引込口の確認を行う引込口管理手段14における引込口情報データベースD4の例を説明する。
【0044】
引込口情報データベースD4における引込口情報は、配電塔の引込口の施設、使用するケーブルの施設が詳細に決められている。
【0045】
配電塔確認を行う配電塔管理手段15における配電塔情報データベースD5の例を説明する。
【0046】
配電塔情報データベースD5における配電塔情報は、一般事項として、施設場所の選定、さく・へいの施設、絶縁油の構外流出防止、騒音の防止、消防用設備等の施設が詳細に決められている。また、配電塔の構成として、配電塔の結線方式、配電塔の容量、電圧調整、引出フィーダ数、冷却方式、相の表示、接続状態の表示、計測装置、配電盤の施設、照明設備の施設、塔内電源、避雷器の施設、計器用変成器の施設が詳細に決められている。
【0047】
また、保護方式として、一次側保護、22kV用変圧器の保護装置、22kV用変圧器の内部故障保護、二次母線保護、高圧配電線保護、保護装置相互の協調が詳細に決められている。更に、配電塔情報データベースD5における配電塔情報は、監視制御方式として、制御の方式、監視事項、配電塔の監視項目、伝送方式が詳細に決められ、保安通信設備として、電力保安通信の設備が詳細に決められている。
【0048】
このため、実際の配線条件を、22kV配電工事場所の情報、22kV架空電線路の情報、引込口の情報、ケーブル施設の情報及び配電塔の情報と照合することで、22kV配電線の配電線路を効率的に標準化した状態で構築することができる。また、実際の配線条件を、22kV配電工事場所の情報として、電柱及び電線の施設、電線の地表上の高さ決定、支持物の強度設計、特別高圧保安工事の情報と照合すると共に、実際の配線条件を、22kV架空電線路の情報として、他物との接近・交差との設計、植物との接近における設計、支持物の選定、使用電線の選定及び支持、保安開閉装置の選定と取付け、架空電線との併架の情報と照合することで、22kV配電線の配電線路を効率的に標準化した状態で構築することができる。
【0049】
上述したように、22kV配電設備工事において、工事想定箇所の諸条件(位置、近隣状況等)を入力し、情報データベースに記憶されている、予め決められた工事場所に関する具体的な事項の確認、予め決められた架空電線路に関する具体的な事項の確認、予め決められた配電塔引込口に関する具体的な事項の確認、予め決められた配電塔に関する具体的な事項の確認を行い、全ての確認において基準を満たしていれば22kV配電工事は問題なく実施できるようにしている。どこかの箇所の確認において基準を満たしていない場合には、基準を満たす状態になるように、新たな経路の検討や同じ箇所の問題箇所の改善を検討し、基準データベースの更新を行うようにしている。
【0050】
これにより、経験や熟練度に頼ることなく、22kV配電工事に関して工事基準に則した間違いのない工事を行うことが可能になる。また、問題が生じた箇所においては基準を満たす検討を加えた後の情報を更新データとしているので、基準データベースの信頼性を高い次元で維持することができる。従って、22kV配電線の配電線路を効率的に標準化した状態で構築することができる22kV配電線施設システムとなる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、22kV配電線の配電線路を効率的に標準化した状態で構築することができる22kV配電線施設システムにおける産業分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係る22kV配電線施設システムの全体フローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態に係る22kV配電線施設システムの概略ブロック構成図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る22kV配電線施設システムの基本フローチャートである。
【図4】配線工事場所確認の処理ルーチンの具体的なフローチャートである。
【図5】架空電線路確認の処理ルーチンの概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
1 設備工事確認サーバ
11 作業者管理手段
12 工事場所管理手段
13 架空電線路管理手段
14 引込口管理手段
15 配電塔管理手段
16 設備工事確認手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
22kV配電線を施設するための22kV配電線施設システムであって、22kV配電線の施設設計に必要な情報を網羅した配電情報及び22kV配電設備工事に必要な情報を網羅した基準データベースを少なくとも含むデータベースと、22kV配電線設備の施設設計に基づいて、前記データベースを参照しながら実際の配電設備工事が可能か否かを確認する設備工事確認手段とを具備することを特徴とする22kV配電線施設システム。
【請求項2】
請求項1に記載の22kV配電線施設システムにおいて、前記配電情報は、22kV配電線工事場所の情報と、22kV架空電線路の情報と、引込口の情報と、ケーブル施設の情報と、配電塔の情報とを含むことを特徴とする22kV配電線施設システム。
【請求項3】
請求項2に記載の22kV配電線施設システムにおいて、前記22kV配電工事場所の情報は、電柱及び電線の施設と、電線の地表上の高さ決定と、支持物の強度設計と、特別高圧保安工事の情報を含み、前記22kV架空電線路の情報は、他物との接近・交差との設計と、植物との接近における設計と、支持物の選定と、使用電線の選定及び支持と、保安開閉装置の選定と取付けと、架空電線との併架の情報とを含むことを特徴とする22kV配電線施設システム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の22kV配電線施設システムにおいて、前記設備工事確認手段は、工事現場を検証して配電設備工事が可能か否かを確認することを特徴とする22kV配電線施設システム。
【請求項5】
請求項4に記載の22kV配電線施設システムにおいて、前記データベースの情報は持ち運び可能な情報端末機器に表示され、前記情報端末機器を用いて前記設備工事確認手段による現場での検証を行うことを特徴とする22kV配電線施設システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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