説明

3−ハロ−6−(アリール)−4−イミノテトラヒドロピコリネート及び除草剤としてのその使用



6位にモノ−、ジ−、トリ−及びテトラ置換アリール置換基を有するS−ハロ−6−(アリール)−4−イミノテトラヒドロピコリン酸、並びにそれらの酸誘導体は、広範囲の雑草防除を示す除草剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年6月8日に出願の米国特許仮出願第61/184,871号の利益を主張する。本発明は、特定の3−ハロ−6−(アリール)−4−イミノテトラヒドロピコリネート及びそれらの誘導体、並びに除草剤としてのこれらの化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのピコリン酸及びそれらの殺虫特性が、当技術分野で記載されている。米国特許第6,784,137 B2号及び同第7,314,849 B2号は、6−アリール−4−アミノピコリン酸類及びそれらの誘導体、並びに除草剤としてのそれらの使用を開示する。3−ハロ−6−(アリール)−4−イミノテトラヒドロピコリネートが、類似した除草活性及び選択性を示すことが今では発見されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
特定の3−ハロ−6−(アリール)−4−イミノテトラヒドロピコリン酸及びそれらの誘導体は、イネ科植物及び広葉植物を含む様々な雑草に対する広範囲雑草防除を有する除草剤である。
【0004】
本発明は、式Iの化合物
【化1】

[式中、
Rは、−OS(O)、−OC(O)R又は−OC(O)ORを表し、
は、C〜Cアルキル又は非置換若しくは置換されたフェニルを表し、
Qは、Cl又はBrを表し、
Wは、H、F又はClを表し、
Xは、H、F、Cl又はC〜Cアルコキシを表し、
Yは、ハロゲンを表し、
Zは、H又はFを表す]、及び
農業上許容されるカルボン酸基の誘導体を含む。
【0005】
独立して、WがH又はFを表し、XがHを表し、F又はC〜Cアルコキシを表し、YがClを表し、ZがHを表す式Iの化合物が、好ましい。
【0006】
本発明は、農業上許容されるアジュバント又は担体と混合されている、式Iの化合物及び農業上許容されるカルボン酸基の誘導体の除草に有効な量を含む除草組成物を含む。本発明は、植物又は植物の所在地、および植物の出芽前の土壌への本発明の化合物の除草可能な量の施用によって、望ましくない植物を死滅させるか又は防除するための、本発明の化合物及び組成物の使用方法も含む。
【0007】
本発明の別の態様は、次式の3−ハロ−6−(アリール)−4−イミノテトラヒドロピコリン酸エステル
【化2】

[式中、
Rは、−OS(O)、−OC(O)R又は−OC(O)ORを表し、
は、C〜Cアルキル又は非置換若しくは置換されたフェニルを表し、
は、C〜Cアルキルを表し、
Qは、Cl又はBrを表し、
Wは、H、F又はClを表し、
Xは、H、F、Cl又はC〜Cアルコキシを表し、
Yは、ハロゲンを表し、
Zは、H又はFを表す]
の調製方法であって、以下の工程:
a)次式の4−オキソ−テトラヒドロピコリネート
【化3】

[式中、W、X、Y、Z及びRは先に定義されるとおりである]を、塩基の存在下でヒドロキシルアミン又は塩酸ヒドロキシルアミンと反応させて、次式のオキシム
【化4】

[式中、W、X、Y、Z及びRは先に定義されるとおりである]を提供する工程、
b)前記オキシムを、塩基の存在下で塩化スルホニル、塩化アシル、クロロギ酸アルキル又はクロロギ酸アリールと反応させて、次式の対応するスルホニル化オキシム、アシル化オキシム又は炭酸含有オキシム
【化5】

[式中、W、X、Y、Z、R、R及びRは先に定義されるとおりである]を提供する工程、ならびに
c)前記スルホニル化オキシム、アシル化オキシム又は炭酸含有オキシムを、塩素化剤又は臭素化剤によって塩素化又は臭素化する工程
を含む調製方法である。
【0008】
本発明の除草化合物は、式Iの4−イミノテトラヒドロピコリン酸の誘導体であり、
【化6】

式中、
Rは、−OS(O)、−OC(O)R又は−OC(O)ORを表し、
は、C〜Cアルキル又は非置換若しくは置換されたフェニルを表し、
Qは、Cl又はBrを表し、
Wは、H、F又はClを表し、
Xは、H、F又はC〜Cアルコキシを表し、
Yは、ハロゲンを表し、
Zは、H又はFを表す。
【0009】
これらの化合物は、テトラヒドロピリジン環の2位にカルボン酸基又はその誘導体を、3位にCl又はBrを、4位に置換されたイミノ基を、及び6位にモノ−、ジ−、トリ−又はテトラ置換フェニル基を有することを特徴とする。Clが3位にある化合物が一般に好ましい。好ましい置換されたフェニル基には、2,3,4−三置換、3,4−二置換及び4−一置換のフェニル基が挙げられる。特に好ましい置換されたフェニル基には、YがClを表し、WがH又はFを表し、XがHを表し、F又はC〜Cアルコキシを表し、ZがHを表すものが挙げられる。
【0010】
式Iのカルボン酸は、望ましくない植物を実際に死滅させるか又は防除する化合物であると考えられ、一般に好ましい。テトラヒドロピコリン酸の酸性基が誘導体化されて、植物又は環境中で酸性基へ転換させることができる関連置換基を形成するこれらの化合物のアナログは、事実上同じ除草効果を有し、本発明の範囲内である。したがって、2位のカルボン酸官能性を記載するために用いられる場合、「農業上許容される誘導体」は、(a)有効成分、すなわち3−ハロ−6−(アリール)−4−イミノテトラヒドロピコリン酸の除草活性に実質的に影響せず、かつ(b)植物又は土壌中で、pHによって解離形又は非解離形である式Iのテトラヒドロピコリン酸へと加水分解、酸化又は代謝をされるか又はされ得る、任意の塩、エステル、アシルヒドラジド、イミダート、チオイミダート、アミジン、アミド、オルトエステル、アシルシアニド、ハロゲン化アシル、チオエステル、チオノエステル、ジチオールエステル、ニトリル又は当技術分野で周知である任意の他の酸誘導体として定義される。カルボン酸の好ましい農業上許容される誘導体は、農業上許容される塩、エステル及びアミドである。
【0011】
好適な塩には、アルカリ金属又はアルカリ土類金属に由来するもの、及びアンモニア及びアミンに由来するものが挙げられる。好ましいカチオンには、式:
NH
のナトリウム、カリウム、マグネシウム及びアルミニウムカチオンが挙げられ、上式中、R、R及びRの各々は独立して、水素、又はC〜C12アルキル、C〜C12アルケニル若しくはC〜C12アルキニルを表し、それぞれは、R、R及びRが立体配置的に適合するならば、1つ又は複数のヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ又はフェニル基によって任意選択で置換される。さらに、R、R及びRのいずれか2つは、一緒に1〜12個の炭素原子及び最高2つの酸素原子又は硫黄原子を含む脂肪族二官能性部分を表すことができる。式Iの化合物の塩は、金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウム)、又はアミン(例えばアンモニア、トリメチルアミン、ジエタノールアミン、2−メチルチオプロピルアミン、ビスアリルアミン、2−ブトキシエチルアミン、モルホリン、シクロドデシルアミン若しくはベンジルアミン)による式Iの化合物の処理によって調製することができる。アミン塩は水溶性であり、望ましい水性除草組成物の調製に役立つので、しばしばそれらが式Iの化合物の好ましい形である。
【0012】
好適なエステルとしては、C〜C12アルキルアルコール、C〜C12アルケニルアルコール又はC〜C12アルキニルアルコールに由来するもの、例えばメチルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−エチルヘキサノール、ブトキシエタノール、メトキシプロパノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール又はシクロヘキサノールが挙げられる。エステルは、式Iのテトラヒドロピコリン酸の対応する酸塩化物を適当なアルコールと反応させることによって、又は式Iの対応するピコリン酸を酸触媒の存在下で適当なアルコールと反応させることによって、任意数の好適な活性化剤、例えばペプチド結合のために用いられるもの、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)又はカルボニルジイミダゾール(CDI)を用いる、テトラヒドロピコリン酸とアルコールとの結合によって調製することができる。好適なアミドとしては、アンモニアに由来するもの、又はC〜C12アルキル、C〜C12アルケニル若しくはC〜C12アルキニルの一置換又は二置換のアミン、例えば、それらに限定されないが、ジメチルアミン、ジエタノールアミン、2−メチルチオプロピルアミン、ビスアリルアミン、2−ブトキシエチルアミン、シクロドデシルアミン、ベンジルアミン、又はさらなるヘテロ原子の有無にかかわらず環状若しくは芳香族のアミン、例えば、それらに限定されないが、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、テトラゾール若しくはモルホリンに由来するものが挙げられる。アミドは、式Iの対応するテトラヒドロピコリン酸塩化物、混合無水物又はカルボキシルエステルを、アンモニア又は適当なアミンと反応させることによって調製することができる。
【0013】
本明細書で用いる用語「アルキル」、並びに誘導された用語、例えば「アルコキシ」は、それらの範囲に直鎖、分枝鎖及び環状部分を含む。
【0014】
用語「非置換の又は置換されたフェニル」は、置換されていないフェニル基、又は1つ又は複数のハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ若しくはニトロ基で置換されてもよいフェニル基を指す。
【0015】
特に限定されない限り、用語「ハロゲン」は、「ハロ」などの誘導された用語を含め、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。式Iの化合物は、周知の化学的手順を用いて作製することができる。必要とされる出発物質は市販されているか、又は標準手順を用いて容易に合成される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
式Iの3−ハロ−6−(アリール)−4−イミノテトラヒドロピコリネートは、いくつかの方法で調製することができる。スキームIの工程aでは、W、X、Y及びZが先に定義されるとおりである式IIの芳香族アルデヒドは、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下でアセトンなどのケトンで縮合されて、式IIIのα,β−不飽和ケトンを提供することができる。次にこれらの化合物を、シュウ酸ジアルキルの存在下で、ナトリウムエトキシドなどの塩基と反応させ、工程bの場合のように式IVのβ−ジケトエステルを生成することができ、米国特許第4,304,728号の場合のように、式中、RはC〜Cアルキルを表す。スキームIの工程cでは、酢酸アンモニウムなどのアミン源の、式IVの化合物との反応は、式Vのエナミンの形成をもたらす。式IVのβ−ジケトエステル対アミン源の約1:2の比が、反応で必要とされる。この反応は、25℃〜80℃の温度で行われる。60℃〜80℃の温度が一般に好ましい。この反応は、好ましくは極性のプロトン性溶媒で行われる。好ましい溶媒としては、アルコールが挙げられる。メチルアルコール又はエチルアルコールが、最も好ましい溶媒である。最後に、スキームIの工程dでは、式VIの4−オキソ−テトラヒドロ−ピコリネートが、圧力容器中、式Vの化合物を高温で加熱することによって形成される。この反応は、125℃〜200℃の温度で行われる。150℃〜200℃の温度が一般に好ましい。この反応は、好ましくは極性の非プロトン性溶媒で行われる。好ましい溶媒としては、1,4−ジオキサンなどのエーテルが挙げられる。
【化7】

【0017】
式VIの4−オキソ−テトラヒドロピコリネートを生成する別の方法は、スキームIIに見ることができる。スキームIIの工程aでは、2−ピコリン酸が塩化チオニル及びメチルアルコールなどのアルコールで処理されて、式VIIの4−アルコキシ−2−ピコリン酸エステルを提供する。式中のRは先に定義されるとおりである。クロロホルメートによる式VIIの化合物の処理と、続く、生じる混合物へのアリールハロゲン化亜鉛(式中、W、X、Y及びZは先に定義されるとおりである)のin situ添加は、工程bに示すように式VIIIのジヒドロピコリネートを得る。式中、Rはフェニルを表す。この2工程ワンポット型プロトコルの第一部では、式VIIの化合物よりわずかに過剰なクロロホルメートが必要とされる。この反応は、−5℃〜20℃の温度で行われる。−5℃〜10℃の温度が一般に好ましい。この反応は、好ましくは極性の非プロトン性溶媒で行われる。好ましい溶媒としては、エーテルが挙げられる。テトラヒドロフラン(THF)又はジエチルエーテルが、最も好ましい溶媒である。この工程の第二部では、式VIIの化合物よりわずかに過剰なアリールハロゲン化亜鉛が必要とされ、反応は−5℃〜30℃の温度で行われる。20℃〜30℃の温度が一般に好ましい。スキームIIの工程cでは、THFなどの極性の非プロトン性溶媒中での式VIIIの化合物の酸加水分解によって、カーバメートとして保護される式IXの4−オキソ−テトラヒドロピコリネートが提供される。式VIIIの化合物よりも過剰な酸が、この反応中で必要とされる。この反応は、−5℃〜30℃の温度で行われる。20℃〜30℃の温度が一般に好ましい。この反応は、好ましくは極性の溶媒混合液で行われる。好ましい溶媒としては、THF−水などのエーテル−水混合液が挙げられる。最後に、スキームIIの工程dでは、ナトリウムメトキシドなどの塩基による式IXの化合物の処理と、続く水性相処理により、式VIの4−オキソ−テトラヒドロピコリネートが得られる。式IXの化合物よりもわずかに過剰な塩基が、この反応中で必要とされる。反応は、−5℃〜20℃の温度で行われる。−5℃〜10℃の温度が一般に好ましい。この反応は、好ましくは極性のプロトン性溶媒で行われる。好ましい溶媒としては、メチルアルコールなどのアルコールが挙げられる。
【化8】

【0018】
式VIの化合物(式中、W、X、Y、Z及びRが先に定義されるとおりである)は、スキームIIIの工程aの場合のように、ピリジンなどの塩基の存在下、及びトルエン又はメタノールなどの溶媒中でのヒドロキシルアミン又は塩酸ヒドロキシルアミンとの反応により、式Xの対応するオキシムに変換することができる。式VIの化合物よりも過剰なヒドロキシルアミンが、この反応中で必要とされる。この反応は、25℃〜80℃の温度で行われる。60℃〜80℃の温度が一般に好ましい。この反応は、好ましくは極性のプロトン性溶媒で行われる。好ましい溶媒としては、アルコールが挙げられる。メチルアルコール又はエチルアルコールが、最も好ましい溶媒である。スキームIIIの工程bでは、式Xのオキシムを、塩基の存在下で塩化スルホニル、塩化アシル、クロロギ酸アルキル又はクロロギ酸アリールで処理して、式XIの対応するスルホニル化オキシム、アシル化オキシム又は炭酸含有オキシムを提供することができる。式中、Rは−OS(O)、−OC(O)R及び−OC(O)ORを表し、Rは先に定義されるとおりである。スルホニル化試薬、アシル化試薬又はカルボニル化試薬 対 式Xの化合物のほぼ2:1の比が、反応で必要とされる。少なくとも1等量の第三級アミン塩基が必要とされ、1〜2等量が好ましい。この反応は、−5℃〜30℃の温度で行われる。−5℃〜20℃の温度が一般に好ましい。好ましい溶媒としては、塩素化炭化水素などの不活性溶媒が挙げられる。スキームIIIの工程cで示すように、式XIaの置換されたオキシムの、塩化スルフリルなどの塩素化剤、又は臭素若しくはN−ブロモスクシンイミドなどの臭素化剤との反応により、式Iの3−ハロ−(6−アリール)−4−イミノテトラヒドロピコリネートが得られる。式中、Qは先に定義されるとおりである。塩素化剤又は臭素化剤及び式XIaの化合物の概ね等モル量が、この反応中で必要とされる。この反応は、−5℃〜30℃の温度で行われる。−5℃〜20℃の温度が一般に好ましい。好ましい溶媒としては、ジクロロメタンなどの不活性溶媒が挙げられる。或いは、式Iaの化合物の形成は、式VIの化合物を、工程c、a、次いでbの異なる順序で処理することによって達成することができる。
【化9】

【0019】
これらの方法のいずれかによって得られる式Iの化合物は、従来の手段によって回収することができる。一般的に、反応混合液は、塩酸などの水性の酸で酸性化され、酢酸エチル又はジクロロメタンなどの有機溶媒で抽出される。蒸留又は蒸発によって有機溶媒及び他の揮発性物質を除去して、式Iの所望の化合物を得ることができ、これを再結晶又はクロマトグラフィーなどの標準手順によって精製することができる。
【0020】
式Iの化合物は、出芽前及び出芽後散布除草剤として役立つことが分かっている。それらは、区域内の広範な植物を防除するための非選択的(より高い)散布量で、又は望ましくない植物の選択的防除のためのより低い散布量で使用することができる。散布区域としては、望ましくない植物の防除が望ましい、牧草地及び放牧地、道端及び公道用地、送電線及び任意の工業地域が挙げられる。別の用途は、トウモロコシ、米及び穀物などの作物における望ましくない植物の防除である。それらは、柑橘類、リンゴ、ゴム、アブラヤシ、林業その他などの樹木作物における望ましくない植物の防除に用いることもできる。通常、出芽後に化合物を使用することが好ましい。通常、広範な広葉及びイネ科雑草を防除するために化合物を用いることがさらに好ましい。成作物において望ましくない植物を防除するための化合物の使用が、特に指示される。式Iに包含される3−ハロ−6−(アリール)−4−イミノテトラヒドロピコリネート化合物の各々は本発明の範囲に含まれるが、除草活性の程度、作物選択性及び得られる雑草防除の範囲は、存在する置換基によって変動する。任意の特定の除草有用性のための適当な化合物は、本明細書で提示される情報及び通常の試験を用いて特定することができる。
【0021】
本明細書で用語除草剤は、植物を死滅させるか、防除するか、さもなければその増殖を不利に改変する有効成分を意味するために用いられる。除草に有効な量又は植物防除量は、不利な改変作用を引き起こし、自然な発達からの逸脱、殺滅、調節、乾燥、遅延などを含む有効成分の量である。用語植物及び植生には、発芽種子、出芽幼植物、新芽、根部、塊茎、根茎などの植物の地上部及び地下部、並びに成長した植生が含まれる。
【0022】
本発明の化合物は、それらが植物に直接、或いは生長の任意の段階にあるか、又は植栽若しくは出芽前の植物の所在地に散布される場合に、除草活性を示す。観察される効果は、防除する植物種、植物の生育段階、希釈及び噴霧液滴サイズの散布パラメータ、固体成分の粒径、使用時の環境条件、使用される特定の化合物、使用される特定のアジュバント及び担体、土壌型などのほか、散布される化学物質の量に依存する。非選択的又は選択的な除草作用を促進するために、当技術分野で公知であるように、これらの要素及び他の要素を調節することができる。一般に、雑草の最大防除を達成するために、式Iの化合物を比較的未熟な望ましくない植物に出芽後に散布するのが好ましい。
【0023】
出芽後処理では、一般に1〜4,000グラム/ヘクタール(g/ha)の散布量が使用される。出芽前散布のためには、一般に1〜4,000g/haの量が使用される。指定されるより多い量は、広範な種類の望ましくない植物の非選択的防除を一般に与える。より少ない量は、一般的に選択的防除を与え、作物の所在地で使用することができる。
【0024】
本発明の除草化合物は、より広い範囲の望ましくない植物を防除するために、しばしば1つ又は複数の他の除草剤と併用して散布される。他の除草剤と併用して用いられる場合、現在請求されている化合物は、他の除草剤(単数または複数)と一緒に配合すること、他の除草剤(単数または複数)とタンクミックスすること、又は他の除草剤(単数または複数)と逐次的に散布することができる。本発明の化合物と併用することができる除草剤の一部としては、以下のものが挙げられる:アリドクロール、ベフルブタミド、ベンザドクス、ベンジプラム、ブロモブチド、カフェンストロール、CDEA、クロルチアミド、シプラゾール、ジメテナミド、ジメテナミドP、ジフェナミド、エプロナズ、エトニプロミド、フェントラザミド、フルポクサム、ホメサフェン、ハロサフェン、イソカルバミド、イソキサベン、ナプロパミド、ナプタラム、ペトキサミド、プロピザミド、キノナミド及びテブタムなどのアミド系除草剤;クロラノクリル、シスアニリド、クロメプロップ、シプロミド、ジフルフェニカン、エトベンザニド、フェナスラム、フルフェナセット、フルフェニカン、メフェナセット、メフルイジド、メタミホップ、モナリド、ナプロアニリド、ペンタノクロール、ピコリナフェン及びプロパニルなどのアニリド系除草剤;ベンゾイルプロップ、フラムプロップ及びフラムプロップMなどのアリールアラニン系除草剤;アセトクロル、アラクロール、ブタクロル、ブテナクロール、デラクロール、ジエタチル、ジメタクロール、メタザクロール、メトラクロール、S-メトラクロール、プレチラクロール、プロパクロル、プロピソクロール、プリナクロル、ターブクロール、テニルクロール及びキシラクロールなどのクロロアセトアニリド系除草剤;ベンゾフルオル、パーフルイドン、ピリミスルファン及びプロフルアゾールなどのスルホンアニリド系除草剤;アスラム、カーバスラム、フェナスラム及びオリザリンなどのスルホンアミド系除草剤;ビラナホスなどの抗生物質系除草剤;クロランベン、ジカンバ、2,3,6−TBA及びトリカンバなどの安息香酸系除草剤;ビスピリバック及びピリミノバックなどのピリミジニルオキシ安息香酸系除草剤;ピリチオバックなどのピリミジニルチオ安息香酸系除草剤;クロルタールなどのフタル酸系除草剤;アミノピラリド、クロピラリド及びピクロラムなどのピコリン酸系除草剤;キンクロラック及びキンメラックなどのキノリンカルボン酸系除草剤;カコジル酸、CMA、DSMA、ヘキサフルレート、MAA、MAMA、MSMA、亜ヒ酸カリウム及び亜ヒ酸ナトリウムなどのヒ素系除草剤;メソトリオン及びスルコトリオンなどのベンゾイルシクロヘキサンジオン系除草剤;ベンフレセート及びエトフメセートなどのベンゾフラニルアルキルスルホン酸系除草剤;アスラム、カルボキサゾールクロルプロカーブ、ジクロルメート、フェナスラム、カルブチレート及びテルブカルブなどのカーバメート系除草剤;バルバン、BCPC、カルバスラム、カルベタミド、CEPC、クロルブファム、クロルプロファム、CPPC、デスメディファム、フェニソファム、フェンメジファム、フェンメジファムエチル、プロファム及びスウェプなどのカルバニレート系除草剤;アロキシジム、ブトロキシジム、クレトジム、クロプロキシジム、シクロキシジム、プロフォキシジム、セトキシジム、テプラロキシジム及びトラルコキシジムなどのシクロヘキセンオキシム系除草剤;イソキサクロルトール及びイソキサフルトールなどのシクロプロピルイソオキサゾール系除草剤;ベンズフェンジゾン、シニドンエチル、フルメジン、フルミクロラック、フルミオキサジン及びフルミプロピンなどのジカルボキシイミド系除草剤;ベンフルラリン、ブトラリン、ジニトロアミン、エタルフルラリン、フルクロラリン、イソプロパリン、メタルプロパリン、ニトラリン、オリザリン、ペンジメタリン、プロジアミン、プロフルラリン及びトリフルラリンなどのジニトロアニリン系除草剤;ジノフェネート、ジノプロップ、ジノサム、ジノセブ、ジノテルブ、DNOC、エチノフェン及びメジノテルブなどのジニトロフェノール系除草剤;エトキシフェンなどのジフェニルエーテル系除草剤;アシフルオルフェン、アクロニフェン、ビフェノックス、クロメトキシフェン、クロルニトロフェン、エトニプロミド、フルオロジフェン、フルオログリコフェン、フルオロニトロフェン、ホメサフェン、フリルオキシフェン、ハロサフェン、ラクトフェン、ニトロフェン、ニトロフルオルフェン及びオキシフルオルフェンなどのニトロフェニルエーテル系除草剤;ダゾメット及びメタムなどのジチオカルバメート系除草剤;アロラック、クロロポン、ダラポン、フルプロパネート、ヘキサクロロアセトン、ヨードメタン、臭化メチル、モノクロル酢酸、SMA及びTCAなどのハロゲン化脂肪族除草剤;イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン及びイマゼタピルなどのイミダゾリノン系除草剤;スルファミン酸アンモニウム、ホウ砂、塩素酸カルシウム、硫酸銅、硫酸第一鉄、アジ化カリウム、シアン酸カリウム、アジ化ナトリウム、塩素酸ソーダ及び硫酸などの無機除草剤;ブロモボニル、ブロモキシニル、クロロキシニル、ジクロベニル、ヨードボニル、イオキシニル及びピラクロニルなどのニトリル系除草剤;アミプロホスメチル、アニロホス、ベンスリド、ビラナホス、ブタミホス、2,4−DEP、DMPA、EBEP、ホサミン、グルホシネート、グリホサート及びピペロホスなどの有機リン系除草剤;ブロモフェノキシム、クロメプロップ、2,4−DEB、2,4−DEP、ジフェノペンテン、ジスル、エルボン、エトニプロミド、フェンテラコール及びトリホプシムなどのフェノキシ系除草剤;4−CPA、2,4−D、3,4−DA、MCPA、MCPA−チオエチル及び2,4,5−Tなどのフェノキシ酢酸系除草剤;4−CPB、2,4−DB、3,4−DB、MCPB及び2,4,5−TBなどのフェノキシ酪酸系除草剤;クロプロップ、4−CPP、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ−P、3,4−DP、フェノプロップ、メコプロップ及びメコプロップ−Pなどのフェノキシプロピオン酸系除草剤;クロラジホップ、クロジナホップ、クロホップ、シハロホップ、ジクロホップ、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ−P、フェンチアプロップ、フルアジホップ、フルアジホップ−P、ハロキシホップ、ハロキシホップ−P、イソキサピリホップ、メタミホップ、プロパキザホップ、キザロホップ、キザロホップ−P及びトリホップなどのアリールオキシフェノキシプロピオン酸系除草剤;ジニトロアミン及びプロジアミンなどのフェニレンジアミン除草剤;ベンゾフェナップ、ピラゾリネート、ピラスルホトール、ピラゾキシフェン及びトプラメゾンなどのフェニルピラゾリルケトン系除草剤;フルアゾレート及びピラフルフェンなどのピラゾリルフェニル系除草剤;クレダジン、ピリダホル及びピリデートなどのピリダジン系除草剤;ブロムピラゾン、クロリダゾン、ジミダゾン、フルフェンピル、メトフルラゾン、ノルフルラゾン、オキサピラゾン及びピダノンなどのピリダジノン系除草剤;アミノピラリド、クリオジネート、クロピラリド、ジチオピル、フルロキシピル、ハロキシジン、ピクロラム、ピコリナフェン、ピリクロル、チアゾピル及びトリクロピルなどのピリジン系除草剤;イプリミダム及びチオクロリムなどのピリミジンジアミン系除草剤;シペルクワット、ジエタムクワット、ジフェンゾクワット、ジクワット、モルファムクワット及びパラコートなどの第四級アンモニウム系除草剤;ブチレート、シクロエート、ジアレート、EPTC、エスプロカルブ、エチオレート、イソポリネート、メチオベンカルブ、モリネート、オルベンカルブ、ペブレート、プロスルホカルブ、ピリブチカルブ、スルファレート、チオベンカルブ、チオカルバジル、トリアレート及びベルノレートなどのチオカルバミド酸エステル系除草剤;ジメキサノ、EXD及びプロキサンなどのチオカーボネート系除草剤;メチウロンなどのチオ尿素系除草剤;ジプロペトリン、トリアジフラム及びトリヒドロキシトリアジンなどのトリアジン系除草剤;アトラジン、クロラジン、シアナジン、シプラジン、エグリナジン、イパジン、メソプラジン、プロシアジン、プログリナジン、プロパジン、セブチラジン、シマジン、テルブチラジン及びトリエタジンなどのクロロトリアジン系除草剤;インダジフラムなどのフルオロアルキルトリアジン系除草剤;アトラトン、メトメトン、プロメトン、セクブメトン、シメトン及びテルブメトンなどのメトキシトリアジン系除草剤;アメトリン、アジプロトリン、シアナトリン、デスメトリン、ジメタメトリン、メトプロトリン、プロメトリン、シメトリン及びテルブトリンなどのメチルチオトリアジン系除草剤;アメトリジオン、アミブジン、ヘキサジノン、イソメチオジン、メタミトロン及びメトリブジンなどのトリアジノン系除草剤;アミトロール、カフェンストロール、エプロナズ及びフルポクサムなどのトリアゾール系除草剤;アミカルバゾン、ベンカルバゾン、カルフェントラゾン、フルカルバゾン、プロポキシカルバゾン及びスルフェントラゾンなどのトリアゾロン系除草剤;クロランスラム、ジクロスラム、フロラスラム、フルメトスラム、メトスラム、ペノクスラム及びピロクスラムなどのトリアゾロピリミジン系除草剤;ブタフェナシル、ブロマシル、フルプロパシル、イソシル、レナシル及びテルバシルなどのウラシル系除草剤;3−フェニルウラシル;ベンズチアズロン、クミルロン、シクルロン、ジクロラルウレア、ジフルフェンゾピル、イソノルロン、イソウロン、メタベンズチアズロン、モンイソウロン及びノルロンなどの尿素系除草剤;アニスロン、ブツロン、クロルブロムロン、クロレツロン、クロロトルロン、クロロクスロン、ダイムロン、ジフェノクスロン、ジメフロン、ジウロン、フェヌロン、フルオメツロン、フルオチウロン、イソプロチュロン、リニュロン、メチウロン、メチルジムロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトクスロン、モノリヌロン、モヌロン、ネブロン、パラフルロン、フェノベンズロン、シズロン、テトラフルロン及びチジアズロンなどのフェニルウレア系除草剤;アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン、クロリムロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルセトスルフロン、フルピルスルフロン、ホラムスルフロン、ハロスルフロン、イマゾスルフロン、メソスルフロン、ニコスルフロン、オルトスルファムロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン、ピラゾスルフロン、リムスルフロン、スルホメチュロン、スルホスルフロン及びトリフロキシスルフロンなどのピリミジニルスルホニルウレア系除草剤;クロルスルフロン、シノスルフロン、エタメトスルフロン、イオドスルフロン、メトスルフロン、プロスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリフルスルフロン及びトリトスルフロンなどのトリアジニルスルホニルウレア系除草剤;ブチウロン、エチジムロン、テブチウロン、チアザフルロン及びチジアズロンなどのチアジアゾリルウレア系除草剤;並びに、アクロレイン、アリルアルコール、アミノシクロピラクロル、アザフェニジン、ベナゾリン、ベンタゾン、ベンゾビシクロン、ブチダゾール、カルシウムシアナミド、カムベンジクロル、クロルフェナック、クロルフェンプロップ、クロルフルラゾール、クロルフルレノール、シンメチリン、クロマゾン、CPMF、クレゾール、オルソジクロロベンゼン、ジメピペレート、エンドタール、フルオロミジン、フルリドン、フルロクロリドン、フルルタモン、フルチアセット、インダノファン、メタゾール、イソチオシアン酸メチル、ニピラクロフェン、OCH、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサジクロメホン、ペンタクロロフェノール、ペントオキサゾン、酢酸フェニル水銀、ピノキサデン、プロスルファリン、ピリベンゾキシム、ピリフタリド、キノクラミン、ロデタニル、スルグリカピン、チジアジミン、トリジファン、トリメツロン、トリプロピンダン及びトリタックな
どの未分類除草剤。
【0025】
本発明の化合物はさらに、遺伝子操作又は突然変異及び選択によってそれら又は他の除草剤に耐性又は抵抗性にされた多くの作物で、望ましくない植物を防除するために使用することがさらにできる。本発明の除草化合物は、グリホサート耐性、グルホシネート耐性、ジカンバ耐性、イミダゾリノン耐性、又は2,4−D耐性の作物に、グリホサート、グルホシネート、ジカンバ、イミダゾリノン又は2,4−Dと併用することがさらにできる。本発明の化合物と、処理する作物に選択的であり、これらの化合物によって用いる散布量で防除される雑草の範囲を補完する除草剤とを併用することが一般に好ましい。さらに、本発明の化合物及び他の相補的除草剤を、混合剤として、又はタンクミックスとして同時に散布するのが一般に好ましい。同様に、本発明の除草化合物は、アセトラクテート合成酵素阻害剤耐性作物に対して、アセトラクテート合成酵素阻害剤と併用されてもよい。
【0026】
本発明の化合物は一般に、公知の除草剤薬害軽減剤、例えばベノキサコール、ベンチオカルブ、ブラシノライド、クロキントセット(メキシル)、シオメトリニル、ダイムロン、ジクロルミド、ジシクロノン、ジメピペレート、ジスルフォトン、フェンクロラゾールエチル、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリルアゾール、イソキサジフェンエチル、メフェンピルジエチル、MG191、MON4660、ナフタール酸無水物(NA)、オキサベトリニル、R29148及びN−フェニルスルホニル安息香酸アミドと併用して、それらの選択性を強化してもよい。
【0027】
式Iの3−ハロ−6−(アリール)−4−イミノテトラヒドロピコリネート化合物を除草剤として直接に利用することが可能であるが、化合物の除草に有効な量を、少なくとも1つの農業上許容されるアジュバント又は担体と一緒に含む混合物でそれらを用いることが好ましい。好適なアジュバント又は担体は、価値ある作物に対して、特に作物の存在下での選択的雑草防除のための組成物の散布で使用される濃度において薬害性であるべきでなく、かつ、式Iの化合物又は他の組成物成分と化学的に反応するべきでない。そのような混合物は、雑草に直接の若しくはそれらの所在地への散布のために設計することができるか、又は散布前にさらなる担体及びアジュバントで通常希釈される濃厚剤若しくは配合物であってもよい。それらは、固体、例えば粉剤、粒剤、顆粒水和剤若しくは水和剤、又は液体、例えば乳剤、液剤、エマルション若しくは懸濁液であってよい。それらは、プレミックス又はタンクミックスで提供されてもよい。
【0028】
本発明の除草剤混合物の調製に役立つ、好適な農業用アジュバント及び担体は、当業技術者に周知である。これらのアジュバントの一部としては、それらに限定されないが、作物油濃厚剤(鉱油(85%)+乳化剤(15%));ノニルフェノールエトキシレート;ベンジルココアルキルジメチル第四級アンモニウム塩;石油炭化水素、アルキルエステル、有機酸及びアニオン界面活性剤の配合物;C〜C11アルキルポリグリコシド;リン酸化アルコールエトキシレート;天然の第一級アルコール(C12〜C16)エトキシレート;ジ−sec−ブチルフェノールEO−POブロックコポリマー;ポリシロキサン−メチルキャップ;ノニルフェノールエトキシレート+尿素硝酸アンモニウム;乳化メチル化種子油;トリデシルアルコール(合成)エトキシレート(8EO);獣脂アミンエトキシレート(15EO);PEG(400)ジオレエート99が挙げられる。
【0029】
使用することができる液体担体には、水及び有機溶媒が含まれる。一般的に用いられる有機溶媒には、それらに限定されないが、鉱油、芳香族溶媒、パラフィン系オイルなどの石油留分又は炭化水素;ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、パーム油、落花生油、サフラワー油、ゴマ油、桐油などの植物油;上記の植物油のエステル;モノアルコール又は二価、三価若しくは他の低級多価アルコール(4〜6個のヒドロキシを含有)のエステル、例えば2−エチルヘキシルステアレート、n−ブチルオレエート、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコールジオレエート、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジブチル、フタル酸ジオクチルなど;モノ−、ジ−及びポリカルボン酸などのエステルが挙げられる。具体的な有機溶媒には、トルエン、キシレン、石油ナフサ、作物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアルキルアミド、ジメチルスルホキシド、液体肥料などが挙げられる。水は、一般に濃厚剤の希釈のための最適な担体である。
【0030】
好適な固体担体には、タルク、パイロフィライト粘土、シリカ、アタパルガス粘土、カオリン粘土、多孔質珪藻土、チョーク、珪藻土、石灰、炭酸カルシウム、ベントナイト粘土、フラー土、綿実殻、小麦粉、ダイズ粉、軽石、木粉、クルミ殻粉、リグニンなどが挙げられる。
【0031】
通常、本発明の組成物に1つ又は複数の界面活性剤を組み込むことが望ましい。そのような界面活性剤は、固体及び液体両方の組成物、特に散布前に担体で希釈するよう設計されているものにおいて有利に使用される。界面活性剤は、性質が陰イオン性、陽イオン性又は非イオン性であってもよく、乳化剤、湿展剤、懸濁剤として、又は他の目的のために使用されてもよい。製剤技術分野で従来用いられ、本配合物で用いることもできる界面活性剤は、なかでも、McCutcheon's Detergents and Emulsifiers Annual、MC Publishing Corp.、Ridgewood、New Jersey、1998、及びEncyclopedia of Surfactants、I〜III巻、Chemical Publishing Co.、New York、1980〜81に記載されている。一般的な界面活性剤としては、ラウリル硫酸ジエタノールアンモニウムなどのアルキル硫酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩;ノニルフェノール−C18エトキシレートなどのアルキルフェノール−アルキレンオキシド添加生成物;トリデシルアルコール−C16エトキシレートなどのアルコール−アルキレンオキシド添加生成物;ステアリン酸ナトリウムなどの石鹸;ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルナフタレン−スルホン酸塩;ナトリウムジ(2−エチルヘキシル)スルホスクシネートなどのスルホスクシネート塩のジアルキルエステル;オレイン酸ソルビトールなどのソルビトールエステル;ラウリルトリメチルアンモニウムクロリドなどの第四級アミン;ポリエチレングリコールステアレートなどの脂肪酸のポリエチレングリコールエステル;エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー;モノ−及びジアルキルリン酸エステルの塩;ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、パーム油、落花生油、サフラワー油、ゴマ油、桐油などの植物油;並びに上記の植物油のエステルが挙げられる。
【0032】
農業組成物で通常用いられる他のアジュバントとしては、親和性改善剤、消泡剤、隔離剤、中和剤、及び緩衝剤、腐食抑制剤、色素、香料、拡散剤、浸透促進剤、固着剤、分散剤、増粘剤、凍結点降下剤、抗微生物剤などが挙げられる。組成物は他の適合する成分、例えば、他の除草剤、植物成長調整剤、殺菌剤、殺虫剤などを含むこともでき、液体肥料又は固体の粒子状肥料担体、例えば硝酸アンモニウム、尿素などと配合されてもよい。
【0033】
本発明の除草組成物中の有効成分の濃度は、一般に0.001〜98重量パーセントである。0.01〜90重量パーセントの濃度が、しばしば使用される。濃厚剤として使用されるように設計された組成物では、有効成分は一般に5〜98重量パーセント、好ましくは10〜90重量パーセントの濃度で存在する。そのような組成物は、散布の前に、一般的に水などの不活性の担体で希釈される。通常雑草、又は雑草の所在地に散布される希釈された組成物は、一般に0.0001〜1重量パーセントの有効成分を含み、好ましくは0.001〜0.05重量パーセントを含む。
【0034】
本組成物は、従来の地上又は空中散粉機、噴霧器及び散粒機を用いて、潅漑用水への添加によって、並びに当業技術者に公知である他の従来手段によって、雑草又はそれらの所在地に散布することができる。
【0035】
以下の実施例は、本発明の様々な態様を例示するために提示され、請求項への限定と解釈されるべきでない。
【実施例1】
【0036】
(E)−4−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−ブト−3−エン−2−オン(1)の調製
【化10】

アセトン(100ミリリットル(mL))中の4−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド(23.8グラム(g)、0.15モル(mol))の機械撹拌溶液に、室温で20分(min)にわたって、水(HO、400mL)中の水酸化ナトリウム(NaOH、6.6g、0.165モル)の溶液を加えた。反応混合液を一晩撹拌した後に、ジクロロメタン(CHCl、100mL)を加えた。水層を分離してCHCl(100mL)で抽出し、合わせた有機抽出液を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥させた。溶媒除去及び続くKugelrohr蒸留により、無色液体の4−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−ブテン−2−オン(1;22.5g、76%)を得、それは静置後に固化した:bp70〜80℃、0.1mmHg(13.33パスカル(Pa));1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.59 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 7.50 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.22-7.12 (m, 2H), 6.76 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 2.39 (s, 3H); HRMS-ESI (m/z): C10H8ClFOの計算値, 198.024; 実測値198.025.
【0037】
(E)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−ブト−3−エン−2−オン(2)
【化11】

実施例1の手順を用いて、4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシ−ベンズアルデヒド(200g、1.6モル)、NaOH(46.6g、1.16モル)及びアセトン(1L)を反応させて、淡褐色の液体の(E)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−ブテン−2−オン(2;180g、74%、HPLCにより純度93%)を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.59 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 7.50 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.26-7.07 (m, 2H), 6.76 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 2.39 (s, 3H); HRMS-ESI (m/z): C11H10ClFO2の計算値, 228.035; 実測値, 228.036.
【実施例2】
【0038】
(E)−6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2,4−ジオキソ−ヘキス−5−エン酸エチルエステル(3)の調製
【化12】

ナトリウムペレット(2.88g、0.125モル)を、無水エチルアルコール(EtOH、125mL)に徐々に加えた。ナトリウムが反応した後、溶媒を減圧下で除去して、無水エーテル(200mL)を加えた。反応混合液を−5℃に冷却させ、無水エーテル(25mL)中の(E)−4−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−ブト−3−エン−2−オン(1;24.75g、0.125モル)及びシュウ酸ジエチル(21.9g、0.15モル)の溶液を30分にわたって加えた。室温で2日間(d)撹拌した後に、黄色の固体をろ過し、エーテルで洗浄した。室温で1時間(h)乾燥させた後に、固体をCHCl(200mL)と1N硫酸(HSO、150mL)の間で分配した。有機層を乾燥させ(MgSO)、溶媒を除去して、黄色固体の(E)−6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2,4−ジオキソ−ヘキス−5−エン酸エチルエステル(3;32.3g、86%)を得た。小試料をEtOHから再結晶させて、黄色の結晶を得た:mp84〜85℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 14.72 (s, 1H), 7.76 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.24-7.12 (m, 2H), 6.73 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 6.53 (s, 1H), 4.38 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.40 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C14H12ClFO4の計算値, 298.041; 実測値, 298.041.
【0039】
(E)−6−(4−クロロフェニル)−2,4−ジオキソ−ヘキス−5−エン酸エチルエステル(4)
【化13】

実施例2の手順を用いて、ナトリウムペレット(6.33g、0.275モル)、(E)−4−(4−クロロフェニル)−ブト−3−エン−2−オン(45.16g、0.25モル)及びシュウ酸ジエチル(43.8g、0.30モル)を反応させて、黄色結晶として(E)−6−(4−クロロフェニル−2,4−ジオキソ−ヘキス−5−エン酸エチルエステル(4;61.1g、87%)を得た:mp117〜118℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 14.80 (s, 1H), 7.68 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 7.53-7.35 (m, 4H), 6.62 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 6.53 (s, 1H), 4.38 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.40 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C14H13ClO4の計算値, 280.050; 実測値, 280.050.
【0040】
(E)−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−2,4−ジオキソ−ヘキス−5−エン酸エチルエステル(5)
【化14】

実施例2の手順を用いて、ナトリウムペレット(5.52g、0.24モル)、(E)−4−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−ブト−3−エン−2−オン(2;45.73g、0.20モル)及びシュウ酸ジエチル(36.54g、0.25モル)を反応させて、黄色結晶として(E)−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル−2,4−ジオキソ−ヘキス−5−エン酸エチルエステル(5;61.1g、93%)を得た:mp67.5〜69℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 14.71 (s, 1H), 7.78 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 7.27-7.18 (m, 2H), 6.73 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 4.38 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.99 (d, J = 1.2 Hz, 3H), 1.41 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C15H14ClFNO5の計算値, 328.051; 実測値, 328.051.
【実施例3】
【0041】
(E)−6−(4−クロロフェニル)−2,4−ジオキソ−ヘキス−5−エン酸メチルエステル(6)の調製
【化15】

(E)−6−(4−クロロフェニル)−2,4−ジオキソ−ヘキス−5−エン酸エチルエステル(4;33.39g、0.12モル)及び濃HSO(0.5mL)の溶液を、メチルアルコール(MeOH、400mL)中で6時間還流させながら撹拌した。冷却及び溶媒濃縮の後、黄色結晶として(E)−6−(4−クロロフェニル)−2,4−ジオキソ−ヘキス−5−エン酸メチルエステル(6;22.7g、71%)を収集した:mp135〜136℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 14.74 (s, 1H), 7.67 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.38 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.61 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 6.53 (s, 1H), 3.92 (s, 3H); HRMS-ESI (m/z): C13H11ClO4の計算値, 266.034; 実測値, 266.034.
【実施例4】
【0042】
(2Z,5E)−2−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−オキソ−ヘキサ−2,5−ジエン酸エチルエステル(7)の調製
【化16】

EtOH(100mL)中の(E)−6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2,4−ジオキソ−ヘキス−5−エン酸エチルエステル(3;15.0g、0.05モル)及び酢酸アンモニウム(7.7g、0.1モル)の混合液を、還流下1時間撹拌、加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をCHCl(200mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウム水(NaCO、100mL)で洗浄した。MgSOで乾燥の後、シリカゲル(50g)を加え、溶媒を除去した。残渣を20%酢酸エチル(EtOAc)/ヘキサン(300mL)で洗浄し、溶媒除去後に、薄いオレンジ色の固体として(2Z,5E)−2−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−オキソ−ヘキサ−2,5−ジエン酸エチルエステル(7;6.1g、41%)を得た:mp102〜103℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.4 (br s, 1H), 7.62 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 7.52 (t, J = 8.5 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.19-7.08 (m, 2H), 6.87 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 6.14 (s, 1H), 6.05 (br s, 1H), 4.37 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.39 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C14H13ClFNO3の計算値, 297.056; 実測値, 297.056.
40%EtOAc/ヘキサン(400mL)によるシリカゲルのさらなる洗浄により、合計12.2g(82%)のより多くの(2Z,5E)−2−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−オキソ−ヘキサ−2,5−ジエン酸エチルエステル(7;H NMR分光法により純度70%のものが8.8g)を得た。
【0043】
(2Z,5E)−2−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−4−オキソ−ヘキサ−2,5−ジエン酸エチルエステル(8)
【化17】

実施例4の手順を用いて、(E)−6−(4−クロロフェニル)−2,4−ジオキソ−ヘキス−5−エン酸エチルエステル(4;79.5g、0.284モル)及び酢酸アンモニウム(43.78g、0.568モル)をEtOH(795mL)中で反応させ、黄色の固体として(2Z,5E)−2−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−4−オキソ−ヘキサ−2,5−ジエン酸エチルエステル(8;47g、86%)を提供した:mp105〜107℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.40 (br s, 1H), 7.52 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 7.50-7.47 (m, 2H), 7.38-7.32 (m, 2H), 6.78 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 6.14 (s, 1H), 6.01 (s, 1H), 4.37 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.39 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C14H14ClNO3の計算値, 279.067; 実測値, 279.066.
【0044】
(2Z,5E)−2−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−4−オキソ−ヘキサ−2,5−ジエン酸メチルエステル(9)
【化18】

実施例4の手順を用いて、(E)−6−(4−クロロフェニル)−2,4−ジオキソ−ヘキス−5−エン酸メチルエステル(6;21.3g、0.008モル)及び酢酸アンモニウム(12.33g、0.16モル)をMeOH(150mL)中で反応させ、黄色の固体として(2Z,5E)−2−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−4−オキソ−ヘキサ−2,5−ジエン酸メチルエステル(9;15.7g、74%)を得た:mp112〜113℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.37 (br s, 1H), 7.64-7.42 (m, 3H), 7.38-7.32 (m, 2H), 6.75 (d, J = 15.9 Hz, 1H), 6.14 (s, 1H), 5.99 (br s, 1H), 3.91 (s, 3H); HRMS-ESI (m/z): C13H12ClNO3の計算値, 265.050; 実測値, 265.050.
【0045】
(2Z,5E)−2−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−ヘキサ−2,5−ジエン酸エチルエステル(10)
【化19】

実施例4の手順を用いて、(E)−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−2,4−ジオキソ−ヘキス−5−エン酸エチルエステル(5;37.8g、0.115モル)及び酢酸アンモニウム(15.4g、0.2モル)をEtOH(200mL)中で反応させ、濃いオレンジ色の固体として(2Z,5E)−2−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−ヘキサ−2,5−ジエン酸エチルエステル(10;38.5g、92%、H NMR分光法により純度90%)を得た。シリカゲル(50g)による処理及び続く40%EtOAc/ヘキサン(400mL)による溶出により、黄色の固体(25.3g、67%)を得た:mp103〜104℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.44 (br s, 1H), 7.63 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 7.23 (dd, J = 8.6, 7.0 Hz, 1H), 7.16 (dd, J = 8.6, 1.6 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 6.15 (s, 1H), 6.04 (br s, 1H), 4.37 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.98 (d, J = 1.2 Hz, 3H), 1.40 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C15H15ClFNO4の計算値, 327.067; 実測値, 327.068.
【実施例5】
【0046】
6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(11)の調製
【化20】

無水1,4−ジオキサン(100mL)中の(2Z,5E)−2−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−オキソ−ヘキサ−2,5−ジエン酸エチルエステル(7;5.26g、0.0177モル)の溶液を、200mLのParr反応器中で、正の窒素(N)圧下で185℃まで加熱した。9時間後、反応器を冷却させ、溶媒を減圧下で除去すると、濃いオレンジ色の油(5.85g)が残された。H NMR分光法により、物質は75%の所望の6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(11)と、25%の非環化の7であった。40%EtOAc/ヘキサンで溶出する塩基性アルミナでの精製により、オフホワイト色の固体(1.4g、26%)を得た:mp107〜109℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.40 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.22-7.06 (m, 2H), 5.84 (s, 1H), 5.73 (s, 1H), 5.09 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.69 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 1.36 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C14H13ClFNO3の計算値, 297.057; 実測値, 297.057.
【0047】
実施例5の手順を用いて、2リットルParr反応器中の1,4−ジオキサン(880mL)中の(2Z,5E)−2−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−ヘキサ−2,5−ジエン酸エチルエステル(7;88g、0.296モル)を、40%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製の後、黄褐色の固体として6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(11;43g、49%、HPLCにより純度96%)を得た。
【0048】
6−(4−クロロフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(12)
【化21】

実施例5の手順を用いて、2リットルParr反応器中の1,4−ジオキサン(470mL)中の(2Z,5E)−2−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−4−オキソ−ヘキサ−2,5−ジエン酸エチルエステル(8;47g、0.168モル)を、40%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した後、オフホワイト色の固体として6−(4−クロロフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(12;25g、49%、HPLCにより純度99%)を得た:mp93〜94℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.36 (q, J = 8.6 Hz, 4H), 5.82 (s, 1H), 5.72 (br s, 1H), 4.74 (dd, J = 14.2, 5.0 Hz, 1H), 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.68 (dd, J = 16.3, 14.2 Hz, 1H), 2.58 (dd, J = 16.4, 5.0 Hz, 1H), 1.36 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C14H14ClNO3の計算値, 279.067; 実測値, 279.066.
【0049】
6−(4−クロロフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(13)
【化22】

実施例5の手順を用いて、200mLのParr反応器中の1,4−ジオキサン(100mL)中の(2Z,5E)−2−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−4−オキソ−ヘキサ−2,5−ジエン酸メチルエステル(9;6.64g、0.025モル)を、エーテル/ペンタンにより粉砕した後、オフホワイト色の固体として6−(4−クロロフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(13;6.12g、91%、GCにより純度98%)を得た:mp113〜114℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.36 (q, J = 8.6 Hz, 4H), 5.82 (s, 1H), 5.72 (br s, 1H), 4.74 (dd, J = 14.2, 5.0 Hz, 1H), 4.74 (dd, J = 14.2, 5.0 Hz, 1H), 3.90 (s, 3H), 2.68 (dd, J = 16.3, 14.2 Hz, 1H), 2.58 (dd, J = 16.4, 5.0 Hz, 1H); HRMS-ESI (m/z): C13H12ClNO3の計算値, 265.050; 実測値, 265.051.
【0050】
6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(14)
【化23】

実施例5の手順を用いて、200mLのParr反応器中の1,4−ジオキサン(100mL)中の(2Z,5E)−2−アミノ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−ヘキサ−2,5−ジエン酸エチルエステル(10;6.55g、0.02モル)は、エーテル/ペンタンによる粉砕の後、オフホワイト色の固体として6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(14;5.9g、90%、GCにより純度98%)を得た:mp116〜118℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.22 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 1H), 7.09 (dd, J = 8.4, 7.1 Hz, 1H), 5.93 (s, 1H), 5.90 (s, 1H), 5.21-5.08 (m, 1H), 4.37 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.99 (d, J = 1.3 Hz, 3H), 2.87-2.73 (m, 2H), 1.38 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C15H15ClFNO4の計算値, 327.067; 実測値, 327.067.
【実施例6】
【0051】
6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリジン−1,2−ジカルボン酸2−メチルエステル1−フェニルエステル(15)の調製
【化24】

2−クロロ−6−フルオロアニソール(24.5g、0.153モル)を、窒素雰囲気下で無水THF(150mL)に溶解した。溶液を−60℃に冷却させ、n−BuLi(ヘキサン中に2.5Mの溶液の67mL、0.168モル)を30分間にわたって滴下した。添加中、反応は−48℃まで温かくなった。反応混合液を−50℃で30分間撹拌し、次に−60℃まで冷却させた。無水ZnCl(25g、0.183モル)を、最初は固体として添加し、次に無水THF中の溶液の添加によって反応混合液に加えた。固体ZnClのほぼすべてが溶解するまで、反応混合液を−45℃で2.5時間撹拌した。反応溶液を室温まで上昇させ、溶媒を窒素パージによって蒸発させた。残渣をTHFに再溶解して、保存溶液を形成した。
【0052】
メチル4−メトキシピコリネート(11.92g、0.0713モル)をNの下で無水THF(300mL)に溶解した。溶液を氷浴で冷却させた。ストレートのフェニルクロロホルメート(10.5mL、0.0837モル)を加えた。45分後、(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)亜鉛(II)塩化物(THF中に1.19M、76.0mL、0.0904モル)の保存溶液を1時間にわたって滴下した。溶液を室温で3日(d)の間撹拌し、次に飽和塩化アンモニウム(NHCl)水溶液(200mL)の添加によってクエンチした。有機層を分離し、水層をエーテル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出液をHOで、次に塩水で洗浄した。溶液を乾燥させ(MgSO)、明るい黄色の液体まで蒸発させ、それをTHF(250mL)及び1MのHCl(250mL)に溶解した。反応混合液を室温で2日間撹拌し、次に飽和NaHCO溶液で中和した。反応混合液をエーテルで抽出した。エーテル抽出液をHOで、続いて塩水で洗浄し、次に乾燥させ(MgSO)、黄色の油まで蒸発させる。未精製の生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−EtOAc勾配)によって精製して、黄色の油を得た。油をMeOHから結晶化させ、白色の固体として6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリジン−1,2−ジカルボン酸2−メチルエステル1−フェニルエステル(15;17.67g、57%)を得た:mp112〜114℃;1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.40 (m, 2H), 7.27 (m, 1H), 7.14 (m, 4H), 6.22 (d, J = 6.6 Hz, 1H, H6), 5.90 (d, J = 1.2 Hz, 1H, H3), 3.97 (d, JF-H = 0.9 Hz, 3H, OMe), 3.87 (s, 3H, CO2Me), 3.30 (dd, J = 6.6, 17.4 Hz, 1H, H5a), 3.05 (d, J = 18 Hz, 1H, H5b); 13C{1H} NMR (75.4 MHz, CDCl3) δ191.7 (C4), 163.8 (CO2Me), 153.9 (d, JF-C= 250 Hz, C2'), 151.0, 150.3, 145.0, 144.8, 129.6 (メタPh), 128.8 (d, JF-C = 3 Hz, C4'), 126.5 (パラPh), 125.2 (d, JF-C = 3 Hz, C5'), 124.5 (d, JF-C = 12 Hz, C1'), 121.0 (d, JF-C = 4 Hz, C6'), 120.9 (オルト Ph), 114.5 (C3), 61.6 (d, JF-C = 5 Hz, OMe), 53.8, 53.4, 41.6; 元素分析: C21H17ClFNO6の計算値: C, 58.14; H, 3.95; N, 3.23. 実測値: C, 57.82; H, 3.90; N, 3.18.
【実施例7】
【0053】
6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(16)の調製
【化25】

6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリジン−1,2−ジカルボン酸2−メチルエステル1−フェニルエステル(15;7.213g、0.0166モル)を、MeOH(80mL)でスラリーにした。懸濁液を氷浴で冷却させ、固体のナトリウムメトキシド(NaOMe;1.08g、0.02モル)を加えた。1時間の後、飽和NHCl水溶液(80mL)及びHO(50mL)で反応をクエンチし、次に氷で冷却させた。沈殿物をろ過し、HO及び続いて冷たいMeOHで洗浄し、風乾させ、白色の粉末として6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(16;4.93g、94%)を得た:mp164.9〜166.2℃;1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.20 (dd, JF-H = 1.8 Hz, JH-H = 8.7 Hz, 1H, 芳香族), 7.10 (dd, JF-H = 6.9 Hz, JH-H = 8.7 Hz, 1H, 芳香族), 5.84 (d, J = 0.9 Hz, 1H, H3), 5.68 (br s, 1H, NH), 5.10 (t, J = 9.3 Hz, 1H, H6), 3.98 (d, JF-H = 1.5 Hz, 3H, OMe), 3.91 (s, 3H, CO2Me), 2.71 (d, J = 9 Hz, 2H, H5); 13C{1H} NMR (75.4 MHz, CDCl3) δ193.0 (C4), 163.6 (CO2Me), 153.8 (d, JF-C = 251 Hz, C2'), 147.9 (C2), 144.6 (d, JF-C= 13 Hz, C3'), 128.6 (d, JF-C = 3 Hz, C1'/C4'), 126.8 (d, JF-C= 11 Hz, C1'/C4'), 125.5 (d, JF-C = 3 Hz, C5'), 121.5 (d, JF-C= 4 Hz, C6'), 102.0 (C3), 61.6 (d, JF-C = 5 Hz, OMe), 53.4, 50.8, 42.0; HRMS-ESI (m/z): C14H13ClFNO4の計算値, 313.0512; 実測値, 313.0511; 元素分析: C14H13ClFNO4の計算値: C, 53.60; H, 4.18; N, 4.46. 実測値: C, 53.30; H, 4.14; N, 4.35.
【実施例8】
【0054】
6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシイミノ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(17)の調製
【化26】

EtOH(400mL)中の6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(11、41g、0.138モル)、塩酸ヒドロキシルアミン(38.3g、0.552モル)及びピリジン(82mL)の混合液を、還流下1時間加熱した。反応混合液を室温まで冷却させ、溶媒を除去した。残渣を氷冷HOで磨砕して、黄褐色の固体として6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシイミノ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(17;24g、56%、HPLCにより純度98%)のシン及びアンチ異性体の3:2の混合物を得た:mp124〜126℃;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 主異性体 δ 9.3 (br s, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.27 (m, 2H), 6.76 (br s, 1H), 6.21 (s, 1H), 4.80 (br s, 1H), 4.42-4.13 (m, 2H), 2.69 (dd, J = 14.9, 4.9 Hz, 1H), 2.62-2.45 (m, 1H), 1.30 (t, J = 6.8 Hz, 3H); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 副異性体 δ 9.3 (br s, 1H), 7.40 (m, 1H), 7.27 (m, 2H), 6.12 (br s, 1H), 5.95 (s, 1H), 4.64 (dd, J = 8.4, 5.1 Hz, 1H), 4.42-4.13 (m, 2H), 2.91 (dd, J = 16.5, 4.9 Hz, 1H), 2.52 (m, 1H), 1.27 (t, J = 6.5 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C14H14ClFN2O3の計算値, 312.068; 実測値, 312.067.
【0055】
6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−ヒドロキシイミノ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(18)
【化27】

6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(16、5.19g、16.5mmol)を、メタノール(160mL)でスラリーにした。塩酸ヒドロキシルアミン(3.35g、48.3mmol)を加え、次にピリジン(10.0mL、123mmol)を加えた。反応混合液を、還流下120分間撹拌した。メタノールを真空下で蒸発させた。HO(200mL)を加え、残渣をエーテル(4×150mL)に抽出した。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空下で蒸発させて、白色の固体として6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−ヒドロキシイミノ−1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(18;4.54g、80%)を得た:mp136〜138℃。シン及びアンチの異性体の1:1混合物が、NMR分光法及びHPLCによって観察された。1H NMR (400 MHz, C6D6) δ 8.34 (br, 1H, NOH), 8.25 (br, 1H, NOH), 7.00 (s, 1H, H3), 6.71 (dd, JF-H = 1.5 Hz, JH-H = 9 Hz, 1H, 芳香族), 6.69 (dd, JF-H = 1.8 Hz, JH-H = 9 Hz, 1H, 芳香族), 6.57 (dd, JF-H = JH-H = 7.5 Hz, 1H, 芳香族), 6.53 (s, 1H, H3), 6.50 (dd, JF-H = JH-H = 7.5 Hz, 1H, 芳香族), 4.72 (s, 1H, NH), 4.52 (s, 1H, NH), 4.38 (dd, JH-H = 3.6, 10.2 Hz, 1H, H6, 異性体A), 4.23 (dd, JH-H = 3.9, 11.4 Hz, 1H, H6, 異性体B), 3.53 (s, 6H, CO2Me), 3.24 (s, 3H, OMe), 3.23 (s, 3H, OMe), 3.30 (dd, JH-H = 4.2, 16.8 Hz, 1H, H5, 異性体B), 2.63 (dd, JH-H = 4.2, 15.3 Hz, 1H, H5, 異性体A), 2.44 (dd, JH-H = 10.5, 15.3 Hz, 1H, H5, 異性体A), 2.33 (dd, JH-H = 11.1, 16.8 Hz, 1H, H5, 異性体B); 13C{1H} NMR (CDCl3) δ164.2 (CO2Me), 163.9 (CO2Me), 153.7 (d, JF-C = 250 Hz, C2'), 153.6 (d, JF-C = 251 Hz, C2'), 152.6 (C4), 149.6 (C4), 144.3 (d, JF-C = 3 Hz, C3'), 144.1 (d, JF-C = 3 Hz, C3'), 139.2, 138.3, 128.6 (d, JF-C = 12 Hz), 127.9 (d, JF-C = 11 Hz), 127.8 (d, JF-C = 3 Hz), 127.7 (d, JF-C = 3 Hz), 125.3, 121.7, 101.7 (C3), 92.6 (C3), 61.42, 61.38, 52.7, 52.6, 49.3, 48.3, 33.6 (C5), 28.7 (C5). HRMS-ESI (m/z) C14H14ClFN2O4の計算値, 328.0621; 実測値, 328.0620. 元素分析: C14H14ClFN2O4の計算値: C, 51.15; H, 4.29; N, 8.52. 実測値: C, 51.31; H, 4.34; N, 8.40.
【実施例9】
【0056】
6−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシイミノ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(19)の調製
【化28】

トルエン(100mL)中の6−(4−クロロフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(12;5.6g,0.02モル)及び50%ヒドロキシルアミン水(3mL、0.045モル)の混合液を、還流させながら2時間撹拌した。溶媒除去の後、残渣をCHCl(100mL)に加え、NaClの飽和水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を除去してオレンジ色の固体(5.8g)を得た。エーテル/ペンタンによる粉砕は、オフホワイトの固体として6−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシイミノ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(19;4.85g、85%)のシン及びアンチ異性体の3:2混合物を得た:mp159〜160℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) 主異性体 δ 9.3 (br, 1H), 7.35-7.25 (m, 4H), 6.19 (s, 1H), 4.88 (s, 1H), 4.36-4.25 (m, 3H), 3.35-3.23 (m, 1H), 2.35 (dd, J = 16.8, 12.8 Hz, 1H), 1.34 (t, J = 7.1 Hz, 3H); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 副異性体 δ 9.3 (br s, 1H), 7.35-7.25 (m, 4H), 6.57 (s, 1H), 5.19 (s, 1H), 4.57-4.38 (m, 1H), 4.36-4.25 (m, 2H), 2.72-2.54 (m, 2H), 1.34-1.31 (m, 3H); HRMS-ESI (m/z): C14H15ClN2O3の計算値, 294.077; 実測値, 294.077.
【実施例10】
【0057】
6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(20)の調製
【化29】

CHCl(220mL)中の6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシイミノ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(17;22.0g、0.0705モル)の磁気撹拌溶液に、トリエチルアミン(19.6mL、0.141モル)を加えた。反応混合液を氷浴で冷却させ、メタンスルホニルクロリド(8.8mL、0.113モル)を30分間にわたって滴下した。一晩の間に室温まで上昇後、反応混合液をCHCl(200mL)に希釈し、NaHCO及びNaClの飽和水溶液で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。溶媒除去及び続くエーテル/ペンタンによる粉砕により、オフホワイト色の固体として6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニル−オキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(20;10.5g、39%、H NMRにより純度95%)の異性体の8:1混合物を得た:mp114〜116℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) 主異性体 δ 7.36 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 8.3, 1.6 Hz, 1H), 7.15 (dd, J = 10.1, 1.9 Hz, 1H), 6.37 (s, 1H), 5.59 (s, 1H), 4.93 (dd, J = 10.9, 4.4 Hz, 1H), 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.15 (s, 3H), 2.92-2.68 (m, 2H), 1.38 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C15H16ClFN2O5Sの計算値, 390.0447; 実測値, 390.0444.
【0058】
6−(4−クロロフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(21)
【化30】

実施例10の手順を用いて、6−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシイミノ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(19;13.0g、0.0442モル)、メタンスルホニルクロリド(5.5mL、0.0707モル)及びトリエチルアミン(12.3mL、0.0884モル)から、オフホワイトの固体として6−(4−クロロフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(21;10.5g、86%、HPLCにより純度97%)の異性体の8:1混合物を得た:mp113〜115℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) 主異性体 δ 7.45-7.29 (m, 4H), 6.36 (s, 1H), 5.59 (s, 1H), 4.56 (dd, J = 11.7, 5.3 Hz, 1H), 4.35 (q, J = 7.1, 1.3 Hz, 2H), 3.15 (s, 3H), 2.82-2.67 (m, 2H), 1.38 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C15H17ClN2O5Sの計算値, 372.055; 実測値, 372.055.
【実施例11】
【0059】
6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E,Z)−p−トルエンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(22)の調製
【化31】

氷浴で冷却させたピリジン(5mL)中の6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−ヒドロキシイミノ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(18;0.657g、0.002モル)の磁気撹拌溶液に、p−トルエンスルホニルクロリド(0.572g、0.003モル)を5分間にわたって加えた。反応混合液を室温まで2日間上昇させた後に、溶媒を減圧下で除去した。残渣をCHCl(50mL)に溶解し、NaHCO及びNaClの飽和水溶液で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。溶媒除去により、粘性のオレンジ色の油(1.12g)を得た。エーテル/ペンタンによる粉砕により、オフホワイト色の固体として6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E,Z)−p−トルエンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(22;0.818g、85%)の異性体の4:1混合物を得た:mp147〜148℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.85 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.32 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.11 (dd, J = 8.5, 1.7 Hz, 1H), 6.95 (dd, J = 8.3, 7.2 Hz, 1H), 6.39 (s, 1H), 5.47 (s, 1H), 4.84 (dd, J = 10.6, 4.5 Hz, 1H), 3.95 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 3.89 (s, 3H), 2.71 (ddd, J = 26.3, 15.5, 7.7 Hz, 2H), 2.45 (s, 3H); HRMS-ESI (m/z): C21H20ClFN2O6Sの計算値, 482.0709; 実測値, 482.0701.
【実施例12】
【0060】
6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(23)の調製
【化32】

段階A:室温のMeOH(100mL)中の6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(16;4.70g、0.015モル)の磁気撹拌溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(2.08g、0.03モル)を加え、続いてピリジン(8mL)を加えた。混合液を1時間還流した後に、溶媒を減圧下で除去した。残渣をCHCl(100mL)に溶解し、NaHCO及びNaClの飽和水溶液で洗浄した。乾燥(MgSO)の後、溶媒除去により、黄色の固体として6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル−3−メトキシフェニル)−4−ヒドロキシイミノ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(18;4.95g、100%粗収率)の異性体の1:1混合物を得た。
【0061】
段階B:氷浴で冷却させたピリジン(30mL)中の6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−ヒドロキシイミノ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(18;4.95g、0.015モル)の磁気撹拌溶液に、メタンスルホニルクロリド(3.43g、0.03モル)を5分間にわたって加えた。反応混合液を室温まで2日間上昇させた後に、溶媒を減圧下で除去した。残渣をCHCl(100mL)に溶解し、NaHCO及びNaClの飽和水溶液で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。溶媒除去により、粘着性の薄いオレンジ色の固体(5.5g)を得た。エーテル/ペンタンによる粉砕により、白色の固体として6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(23;4.14g、68%)の異性体の8:1混合物を得た:mp134〜135℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) 主異性体 δ 7.20 (dd, J = 8.8, 1.3 Hz, 1H), 7.06 (dd, J = 8.5, 6.7 Hz, 1H), 6.4 (s, 1H), 5.59 (br s, 1H), 4.93 (dd, J = 10.8, 4.7 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.15 (s, 3H), 2.81 (m, 2H); HRMS-ESI (m/z): C15H16ClFN2O6Sの計算値, 406.040; 実測値, 406.040.
【0062】
6−(4−クロロフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(24)
【化33】

実施例12の手順を用いて、6−(4−クロロフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(13;6.64g、0.025モル)、塩酸ヒドロキシルアミン(3.47g、0.05モル)及びピリジン(10mL)から、ワークアップ後にオレンジ色の油(9.1g)を得た。この物質をピリジン(40mL)で再溶解し、メタンスルホニルクロリド(5.72g、0.05モル)で処理して、オフホワイト色の固体として6−(4−クロロフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(24;3.5g、39%、H NMRにより純度95%)の異性体の4:1混合物を提供した:mp62〜64℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) 主異性体 δ 7.42-7.28 (m, 4H), 6.39 (s, 1H), 5.55 (s, 1H), 4.57 (dd, J = 11.6, 5.1 Hz, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.14 (s, 3H), 2.93-2.65 (m, 2H); 副異性体 δ 7.45-7.28 (m, 4H), 6.15 (s, 1H), 5.23 (s, 1H), 4.41 (dd, J = 13.4, 4.3 Hz, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.30 (dd, J = 17.2, 4.3 Hz, 1H), 3.15 (s, 3H), 2.56 (dd, J = 17.1, 13.5 Hz, 1H); HRMS-ESI (m/z): C14H15ClN2O5Sの計算値, 358.0384; 実測値, 358.0385.
【0063】
6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(25)
【化34】

実施例12の手順を用いて、6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(14;3.93g、0.012モル)、塩酸ヒドロキシルアミン(2.08g、0.03モル)及びピリジン(8mL)から、ワークアップ後に粘着性のオレンジ色の固体(5.1g)を得た。この物質をピリジン(30mL)に再溶解し、メタンスルホニルクロリド(2.75g、0.024モル)で処理して、白色の固体として6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(25;2.6g、52%、H NMRにより純度95%)の異性体の4:1混合物を得た:mp130〜132℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.20 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.10-7.05 (m, 1H), 6.37 (s, 1H), 5.60 (s, 1H), 4.93 (dd, J = 11.1, 4.4 Hz, 1H), 4.45-4.34 (m, 2H), 3.98 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 3.16 (s, 3H), 2.95-2.74 (m, 2H), 1.40 (d, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C16H18ClFN2O6Sの計算値, 420.056; 実測値, 420.056.
【実施例13】
【0064】
3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−[(E)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(26)の調製
【化35】

氷浴で冷却させたCHCl(20mL)中の6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(20;2.74g、0.007モル)の磁気撹拌溶液に、CHCl中の塩化スルフリル(SOCl、0.94g、0.007モル)の溶液を5分間にわたって加えた。反応混合液を室温まで1時間上昇させた後に、CHCl(50mL)を加えた。反応混合液をNaClの飽和水溶液で洗浄し、乾燥(MgSO)させた後に、溶媒除去により、綿毛状の薄黄色固体として、3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−4−[(E)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(26;2.91g、98%、H NMRにより純度95%)を得た:mp63〜64℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.37 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.20 (dd, J = 8.4, 1.7 Hz, 1H), 7.16 (dd, J = 10.1, 2.0 Hz, 1H), 5.31 (s, 1H), 4.78 (dd, J = 12.6, 4.5 Hz, 1H), 4.41 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.39 (dd, J = 16.9, 4.4 Hz, 1H), 3.22 (s, 3H), 2.91-2.76 (m, 1H), 1.40 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C15H15Cl2FN2O5Sの計算値, 425.240; 実測値, 425.240.
【0065】
3−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−4−[(E)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(27)
【化36】

実施例13の手順を用いて、CHCl(25mL)中の6−(4−クロロフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(24;2.78g、0.008モル)及びSOCl(1.08g、0.005モル)から、綿毛状の薄黄色固体として、3−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−4−[(E)−メタンスルホニルオキシイミノ]−3−クロロ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(27;3.20g、99%、H NMRにより純度95%)を得た:mp60〜62℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.29 (m, 4H), 5.33 (s, 1H), 4.44 (dd, J = 13.8, 4.1 Hz, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.40 (ddd, J = 16.9, 4.2, 1.8 Hz, 1H), 3.21 (s, 3H), 2.88-2.57 (m, 1H); HRMS-ESI (m/z): C15H14Cl2N2O5Sの計算値, 391.9995; 実測値, 391.9997.
【0066】
3−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−4−[(E)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(28)
【化37】

実施例13の手順を用いて、CHCl(50mL)中の6−(4−クロロフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(21;5.97g、0.016モル)及びSOCl(2.16g、0.016モル)から、綿毛状の薄黄色固体として、3−クロロ−6−(4−クロロフェニル)−4−[(E)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(28;6.43g、99%、H NMRにより純度92%)を得た:57〜59℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.35 (m, 4H), 5.35 (s, 1H), 4.44 (dd, J = 13.0, 3.2 Hz, 1H), 4.39 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.39 (ddd, J = 16.9, 4.2, 1.8 Hz, 1H), 3.22 (s, 3H), 2.65 (dd, J = 16.9, 13.9 Hz, 1H), 1.40 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C125H16Cl2N2O5Sの計算値, 406.015; 実測値, 406.016.
【0067】
3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(29)
【化38】

実施例13の手順を用いて、CHCl(10mL)中の6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(23;2.04g、0.005モル)及びSOCl(0.68g、0.005モル)から、綿毛状の薄黄色固体として、3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(29;2.18g、99%、H NMRにより純度95%)を得た:mp64〜66℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.24 (dd, J = 8.8, 1.3 Hz, 1H), 7.09 (dd, J = 8.5, 6.7 Hz, 1H), 5.38 (s, 1H), 4.78 (dd, J = 12.7, 4.5 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.42 (dd, J = 16.7, 4.5 Hz, 1H), 3.24 (s, 3H), 2.77 (dd, J = 16.9, 12.8 Hz, 1H); HRMS-ESI (m/z): C15H15ClFN2O5Sの計算値, 441.001; 実測値, 441.002.
【0068】
3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(30)
【化39】

実施例13の手順を用いて、CHCl(10mL)中の6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(25;2.11g、0.005モル)及びSOCl(0.68g、0.005モル)から、綿毛状の薄黄色固体として、3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸エチルエステル(30;2.21g、97%、H NMRにより純度95%)を得た:mp60〜62℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.21 (dd, J = 8.5, 1.8 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 8.6, 6.9 Hz, 1H), 5.32 (s, 1H), 4.78 (dd, J = 12.8, 4.5 Hz, 1H), 4.41 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.99 (d, J = 1.3 Hz, 3H), 3.41 (dd, J = 16.9, 4.5 Hz, 1H), 3.23 (s, 3H), 2.76 (dd, J = 11.7, 5.2 Hz, 1H), 1.40 (t, J = 7.1 Hz, 3H); HRMS-ESI (m/z): C16H17Cl2FNO6Sの計算値, 454.016; 実測値, 454.017.
【0069】
3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E)−p−トルエンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(31)
【化40】

実施例13の手順を用いて、CHCl(5mL)中の6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E,Z)−p−トルエンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(22;0.628g、0.0013モル)及びSOCl(0.175g、0.0013モル)から、綿毛状の薄黄色固体として、3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E)−p−トルエンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(31;0.616g、98%、H NMRにより純度95%)を得た:mp62〜64℃;1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.91 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.34 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.16 (dd, J = 8.5, 1.7 Hz, 1H), 7.01 (dd, J = 8.4, 7.1 Hz, 1H), 5.25 (s, 1H), 4.70 (dd, J = 12.6, 4.3 Hz, 1H), 3.97 (d, J = 1.2 Hz, 3H), 3.91 (s, 3H), 3.33 (ddd, J = 16.8, 4.4, 1.6 Hz, 1H), 2.88-2.64 (m, 1H), 2.45 (s, 3H); HRMS-ESI (m/z): C21H19Cl2FN2O5Sの計算値, 516.0322; 実測値, 516.0319.
【実施例14】
【0070】
3−ブロモ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(32)の調製
【化41】

N−ブロモスクシンイミド(0.512g、2.88mmol)を、CHCl(10mL)中の6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E,Z)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(23;1.17g、2.88mmol)の溶液に加えた。反応混合液を周囲温度で1時間撹拌し、次にそれをCHClで希釈し、HOで洗浄した。有機層を、Biotage相セパレーターSPEで分離し、乾燥させた。溶媒を真空で除去して、褐色油(1.4g)を得た。シリカゲルクロマトグラフィー(40%EtOAc/10%CHCl/50%ペンタン)による精製により、黄色のガラスとして3−ブロモ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E)−メタンスルホニルオキシイミノ]−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(32;1.17g、84%)を得た:1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.21 (dd, J = 8.6, 1.8 Hz, 1H), 7.07 (dd, J = 8.4, 6.7 Hz, 1H), 5.39 (s, 1H), 4.81 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 4.01-3.97 (m, 4H), 3.94 (d, J = 2.0 Hz, 3H), 3.43 (dd, J = 16.8, 2.8 Hz, 1H), 3.23 (d, J = 1.9 Hz, 3H), 2.79 (dd, J = 16.8, 12.7 Hz, 1H); HRMS-ESI (m/z): C15H17BrClFN2O6Sの計算値, 485.9663; 実測値, 485.9663.
【実施例15】
【0071】
3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(33)の調製
【化42】

6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(16;483mg、1.54mmol)をCHCl(10mL)でスラリーにし、氷浴中で冷却させた。CHCl(5mL)中のSOCl(209mg、1.55mmol)の溶液を滴下した。30分後、10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液で反応溶液をクエンチした。有機層を分離し、飽和NaHCO水溶液、HO及び塩水で洗浄し、次に乾燥させた(MgSO)。溶液を黄色油まで蒸発させ、それを冷メタノールから結晶化させて、薄黄色固体として3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(33;0.437g、81%)を得た:mp127〜129℃;1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ7.20 (dd, JF-H = 1.5 Hz, JH-H = 8.1 Hz, 1H, 芳香族), 7.10 (dd, JF-H = 6.9 Hz, JH-H = 8.1 Hz, 1H, 芳香族), 5.82 (br s, 1H, NH), 5.10 (t, J = 9.3 Hz, 1H, H6), 3.98 (d, JF-H = 1.5 Hz, 3H, OCH3), 3.97 (s, 3H, CO2CH3), 2.88 (d, J = 9 Hz, 2H, H5); ESIMS m/z 347.9 ([M+H]+).
【実施例16】
【0072】
3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−ヒドロキシイミノ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(34)の調製
【化43】

3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−クロロ−4−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(33;1.612g、4.63mmol)を、MeOH(20mL)に懸濁した。塩酸ヒドロキシルアミン(966mg、13.9mmol)を加え、次にピリジン(3mL)を加えた。反応混合液を室温で18時間、その後40℃で4時間撹拌した。溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。HO(100mL)を加え、生じた固体をろ過し、HO及び続いてMeOHで洗浄して、白色の粉末として3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−ヒドロキシイミノ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(34;1.353g、81%)を得た:mp174〜176℃;1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ11.23 (s, 1H, NOH), 7.35 (dd, JF-H = 1.5 Hz, JH-H= 8.7 Hz, 1H, 芳香族), 7.17 (dd, JF-H = JH-H= 8.7 Hz, 1H, 芳香族), 6.93 (br s, 1H, NH), 4.69 (m, 1H, H6), 3.88 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.03 (dd, J = 4.5, 16 Hz, 1H, H5a), 2.74 (dd, J = 9.0, 16 Hz, 1H, H5b); 元素分析: C14H13Cl2FN2O4の計算値: C, 46.30; H, 3.61; N, 7.71. 実測値: C, 46.77; H, 3.64; N, 7.42.
【実施例17】
【0073】
3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E)−アセトキシオキシイミノ]−3−クロロ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(35)の調製
【化44】

3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−3−クロロ−4−ヒドロキシイミノ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(34;756mg、2.08mmol)を、氷酢酸(10mL)でスラリーにした。無水酢酸(241mg、2.36mmol)を室温で滴下した。反応混合液を、80℃で2時間加熱した。溶液を真空下で濃縮し、残渣をCHCl(50mL)に溶解し、飽和NaHCO水溶液で洗浄した。抽出物を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、薄いオレンジ色の固体として3−クロロ−6−(4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4−[(E)−アセトキシオキシイミノ]−3−クロロ−1,4,5,6−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(35;842mg、99%)を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.21 (dd, JF-H = 1.5 Hz, JH-H = 8.4 Hz, 1H, 芳香族), 7.11 (dd, JF-H = 6.9 Hz, JH-H = 8.4 Hz, 1H, 芳香族), 5.24 (br s, 1H, NH), 4.76 (dd, J = 4.2, 12.3 Hz, 1H, H5a), 3.98 (d, JF-H = 1.5 Hz, 3H, OMe), 3.94 (s, 3H, CO2Me), 3.40 (ddd, JF-H = 1.8 Hz, JH-H = 4.2, 16.5 Hz, 1H, H6), 2.72 (dd, J = 12.3, 16.5 Hz, 1H, H5b), 2.23 (s, 3H, NOAc). HRMS C16H15Cl2FN2O5の計算値: 404.034. 実測値: 404.034.
【実施例18】
【0074】
除草組成物の調製
以下の例示的な組成物では、割合及び百分率は重量による(重量%)。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【0075】
これらの濃厚剤は、雑草を防除するために好適な濃度のエマルションを得るために、水で希釈することができる。
【表6】

【表7】

【表8】

【0076】
有効成分は対応する担体に加えられ、次にこれらは混合、粉砕されて優れた水和性及び懸濁能を有する水和剤を生じる。これらの水和剤を水で希釈することによって、雑草を防除するために好適な濃度の懸濁液を得ることが可能である。
【表9】

【0077】
有効成分を水和シリカに加え、次にそれを他の成分と混合し、粉砕して粉末にする。粉末を水で塊状にし、ふるいにかけて−10〜+60メッシュの範囲の粒剤を提供する。これらの粒剤を水に分散することによって、雑草を防除するために好適な濃度の懸濁液を得ることが可能である。
【表10】

【0078】
有効成分を、N−メチルピロリジノン、シクロヘキサノン、ガンマ−ブチロラクトンなどの極性溶媒でCeletom MP88担体、又は他の好適な担体に加える。生じる粒剤は、雑草を防除するために、手、散粒機、飛行機などで散布することができる。
【表11】

【0079】
すべての材料をブレンドし、粉砕して粉末にし、次に水を加え、ペーストが形成されるまで粘土混合物を撹拌する。混合物を型を通して押し出し、適切な径の粒剤を提供する。
【0080】
有効成分を適当な量の水に溶解し、緩衝液としてさらなるモノエタノールアミンを加える。水溶性界面活性剤を加えてもよい。物理的、化学的及び/又は配合特性を改善するために、他の助剤が組み込まれてもよい。
【実施例19】
【0081】
除草活性の評価
出芽後試験I:雑草種子を民間の納入業者から得て、散布の8〜12日前に無土壌媒体ミックス(Metro−Mix360(登録商標)、Sun Gro Horticulture Canada CM Ltd.Vancouver、British Columbia)を含む5”の円形ポットに植え、16時間明期を提供するための補助光源を備えた温室で、24〜29℃で育てた。すべてのポットは、表面潅水された。
【0082】
化合物をアセトン及びジメチルスルホキシド(DMSO)の97:3v/v(容量あたりの容量)の混合液に溶解し、59:23:15:1.0:1.5v/vの比の水、アセトン、イソプロピルアルコール、DMSO及びAgri−dex(作物油濃厚剤)、並びに0.02w/v%(容量あたりの重量)のTriton X−155を含む最終散布液の適当な濃度に希釈し、最大散布量を含む散布液を得た。上記の散布液を用いてこの高い散布量を系列希釈して、最大量の1/2倍、1/4倍及び1/8倍の量(それぞれ、4.0、2.0、1.0及び0.5kg/haと同等)での化合物の送達を提供した。
【0083】
配合した化合物(2.7mL)を、DeVilbiss(登録商標)圧縮空気噴霧器を用いて、2〜4ポンド/平方インチ(psi)(0.29〜0.58キロパスカル(kPa))で散布した。処理に続いてポットを乾燥させた後、実験の期間は温室に戻し、必要に応じて地下潅水した。すべてのポットは、Peters Peat−Lite Special(登録商標)肥料(20−10−20)で地下潅水することによって、週あたり1回施肥を行った。
【0084】
植物傷害性の評価は、処理の10日後に得られた。すべての評価は0〜100の段階で評価し、0は無活性を表し、100は植物の完全枯死を表す。試験した化合物、使用した散布量、試験した植物種、及び結果の一部を表1に示す。
【表12】

【0085】
出芽前試験I:雑草種子は民間の納入業者から得、シルトローム土壌(砂23%、シルト52%、粘土29%、有機物2.9%、CEC16.6、pH7.2)を含む円形プラスチックポット(直径5インチ)に植えた。植えた後、化合物散布の16時間前にすべてのポットを地下潅水した。
【0086】
化合物をアセトン及びDMSOの97:3v/vの混合液に溶解し、59:23:15:1.0:1.5v/vの比の水、アセトン、イソプロピルアルコール、DMSO及びAgri−dex(作物油濃厚剤)、並びに0.02w/v%のTriton X−155を含む最終散布液の適当な濃度に希釈し、最大散布量を含む散布液を得た。上記の散布液を用いてこの高い散布量を系列希釈して、最大量の1/2倍、1/4倍及び1/8倍の量(それぞれ、4.0、2.0、1.0及び0.5kg/haと同等)での化合物の送達を提供した。
【0087】
配合した化合物(2.7mL)を土壌表面に均一にピペットで加え、続いて水(15mL)に組み込んだ。処理後、ポットを実験の期間は温室に戻した。温室は、約15時間の明期にプログラムし、日中23〜29℃に、夜間は22〜28℃に維持した。栄養素及び水は、表面潅水を通して定期的に加え、補助照明は必要に応じて頭上のハロゲン化金属1000ワット灯で提供した。
【0088】
除草効果の評価は、処理の14日後に得られた。すべての評価は、適当な対照と比較して0〜100の段階で行い、0は除草効果がゼロであることを表し、100は植物枯死又は土壌からの出芽がないことを表す。試験した化合物、使用した散布量、試験した植物種、及び結果の一部を表2に示す。
【表13】

【0089】
出芽後試験II:64平方センチメートルの表面積のプラスチックポットの、一般的に6.0〜6.8のpH及び30%の有機物含量を有するSun Gro Metro−Mix(登録商標)360植栽混合物に、所望の試験植物種の種子又は小堅果を植えた。良好な発芽及び健康な植物を確保するために必要な場合、殺菌剤処理及び/又は他の化学的若しくは物理的処理が適用された。約15時間の明期の、日中23〜29℃に、夜間は22〜28℃に維持された温室で、植物を7〜21日間育てた。栄養素及び水を定期的に加え、補助照明は必要に応じて頭上のハロゲン化金属1000ワット灯で提供した。植物は、それらが第一又は第二本葉期に到達したときに試験のために使用した。
【0090】
各試験化合物について、試験する最大量より決定した量を秤量し、これを25mLガラスバイアルに入れ、アセトン及びDMSOの97:3v/v混合液の4mLに溶解して、濃厚保存溶液を得た。試験化合物が容易に溶解しなかった場合、混合液を温め及び/又は超音波処理した。得られた濃厚保存溶液を、48.5:39:10:1.5:1.0:0.02v/vの比のアセトン、水、イソプロピルアルコール、DMSO、Atplus 411F作物油濃厚液及びTriton(登録商標)X−155界面活性剤を含有する混合水溶液の20mLで希釈して、最大散布量を含む噴霧溶液を得た。アセトン及びDMSOの97:3v/vの混合液2mL、並びに48.5:39:10:1.5:1.0:0.02v/v比であるアセトン、水、イソプロピルアルコール、DMSO、Atplus 411F作物油濃厚液及びTriton X−155界面活性剤を含有する混合水溶液10mLを含む溶液中に、高散布量溶液の12mLの系列希釈して高散布量の1/2倍、1/4倍、1/8倍及び1/16倍の量を得ることによって、さらなる散布量を得た。化合物の必要量は、1ヘクタールに187リットル(L/ha)の量で12mLの散布量を基準とした。配合した化合物を、平均植物冠高の18インチ(43cm)上の噴霧高で、0.503平方メートルの散布面積にわたって187L/haを送達するように較正された8002Eノズルを備えているオーバーヘッドMandelトラック噴霧器によって、植物材料に散布した。対照植物は、溶媒ブランクを用いて同様に噴霧された。
【0091】
処理植物及び対照植物を上に述べたような温室に置き、試験化合物の流亡を防止するために地下潅水によって潅水した。14日後、未処置植物のそれと比較した試験植物の状態を視認にて測定し、
0〜100%の段階で評価し、0は傷害なしに対応し、100は完全な殺傷に対応する。試験した化合物、使用した散布量、試験した植物種、及び結果の一部を表3に示す。
【表14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化45】

[式中、
Rは、−OS(O)、−OC(O)R、−OC(O)ORを表し、
は、C〜Cアルキル又は非置換若しくは置換されたフェニルを表し、
Qは、Cl又はBrを表し、
Wは、H、F又はClを表し、
Xは、H、F、Cl又はC〜Cアルコキシを表し、
Yは、ハロゲンを表し、
Zは、H又はFを表す]、及び
農業上許容されるカルボン酸基の誘導体。
【請求項2】
WがH又はFを表し、XがH、F又はC〜Cアルコキシを表し、YがClを表し、ZがHを表す、式Iの化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の式Iの化合物の除草に有効な量を、農業上許容されるアジュバント又は担体との混合物で含む除草組成物。
【請求項4】
望ましくない植物を防除する方法であって、請求項1に記載の式Iの化合物の除草に有効な量を植物若しくはその所在地と接触させるか、又は土壌に散布して、植物の出芽を防止することを含む方法。
【請求項5】
式Iの3−ハロ−6−(アリール)−4−イミノテトラヒドロピコリン酸エステル
【化46】

[式中、
Rは、−OS(O)、−OC(O)R又は−OC(O)ORを表し、
は、C〜Cアルキル又は非置換若しくは置換されたフェニルを表し、
は、C〜Cアルキルを表し、
Qは、Cl又はBrを表し、
Wは、H、F又はClを表し、
Xは、H、F、Cl又はC〜Cアルコキシを表し、
Yは、ハロゲンを表し、
Zは、H又はFを表す]
の調製方法であって、以下の工程:
a)次式の4−オキソ−テトラヒドロピコリネート
【化47】

[式中、W、X、Y、Z及びRは前記に定義されるとおりである]を、塩基の存在下でヒドロキシルアミン又は塩酸ヒドロキシルアミンと反応させて、次式のオキシム
【化48】

[式中、W、X、Y、Z及びRは前に定義される通りである]を提供する工程、
b)前記オキシムを、塩基の存在下で塩化スルホニル、塩化アシル、クロロギ酸アルキル又はクロロギ酸アリールと反応させて、次式の対応するスルホニル化オキシム、アシル化オキシム又は炭酸含有オキシム
【化49】

[式中、W、X、Y、Z、R、R及びRは前記に定義されるとおりである]を提供する工程、並びに
c)前記スルホニル化オキシム、アシル化オキシム又は炭酸含有オキシムを、塩素化剤又は臭素化剤によって塩素化又は臭素化する工程
を含む方法。
【請求項6】
次式の4−オキソ−テトラヒドロピコリネート
【化50】

[式中、
は、C〜Cアルキルを表し、
Wは、H、F又はClを表し、
Xは、H、F、Cl又はC〜Cアルコキシを表し、
Yは、ハロゲンを表し、
Zは、H又はFを表す]
が、以下の工程:
i)次式の芳香族アルデヒド
【化51】

[式中、W、X、Y及びZは前記に定義されるとおりである]を、塩基の存在下でアセトンと反応させて、次式のα,β−不飽和ケトン
【化52】

[式中、W、X、Y及びZは前記に定義されるとおりである]を提供する工程、
ii)α,β−不飽和ケトンをシュウ酸ジアルキルの存在下で塩基と反応させて、次式のβ−ジケトエステル
【化53】

[式中、W、X、Y、Z及びRは前記に定義されるとおりである]を生成する工程、
iii)β−ジケトエステルをアンモニア又はアンモニア源と反応させて、次式のエナミン
【化54】

[式中、W、X、Y、Z及びRは前記に定義されるとおりである]を提供する工程、並びに
iv)エナミンを加熱して4−オキソ−テトラヒドロピコリネートを形成する工程
によって調製される、請求項4に記載の方法。

【公表番号】特表2012−529515(P2012−529515A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515026(P2012−515026)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/037669
【国際公開番号】WO2010/144379
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】