説明

3−ヘテロアリール−3,5−ジヒドロ−4−オキソ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−アセトアミド誘導体、それらの製造、および治療におけるそれらの適用

【課題】末梢のベンゾジアゼピン受容体に対して、インビトロおよびインビボ親和性を示す、新規な化合物の提供。
【解決手段】一般式(I)で表される化合物。


(式中、X=Hまたはハロゲン、R1=Hまたは(C1−C4)アルキル、R2およびR3=独立してHもしくは(C1−C4)アルキル基、またはR2およびR3はそれらを支持する窒素原子と共に、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルもしくは4−(C−C)−アルキルピペラジニル基を形成し、Het=キノリニル、イソキノリニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニル基であるヘテロ芳香族基)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−ヘテロアリール−3,5−ジヒドロ−4−オキソ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−アセトアミド誘導体化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
WO−A−0044384号に記載されている、3,5−ジヒドロピリダジノ[4,5−b]インドール誘導体化合物はすでに知られており、これらの化合物は末梢のベンゾジアゼピン受容体(PBRまたはpサイト)に対してインビトロ親和性を有する。優れたインビボ作用を示す物質を見出し、開発する必要性がまだ存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO−A−0044384号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、末梢のベンゾジアゼピン受容体に対して、インビトロおよびインビボ親和性を示す、新規な化合物を提供することによって、この目的に応える。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第一に下記の一般式(I)の化合物を提供する。
本発明は、一般式(I)の化合物の製造方法も提供する。
本発明はさらに、特に、一般式(I)の化合物の合成中間体として用いられる化合物を提供する。
本発明は加えて、特に、医薬品または医薬組成物における一般式(I)の化合物の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の化合物は、一般式(I):
【化1】

(式中、Xは水素またはハロゲン原子を表し、
1は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
2およびR3は、それぞれ互いに独立して、水素原子もしくは(C1−C4)アルキル基を表すか、またはR2およびR3はそれらを支持する窒素原子と共に、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルもしくは4−(C1−C4)−アルキルピペラジニル基を形成し、そして
Hetは、1以上のハロゲン原子および/または1以上の(C1−C4)アルキルおよび/または(C1−C4)アルコキシ基を有していてもよいキノリニル、イソキノリニル、ピリミジニル、ピラジニルもしくはピリダジニルタイプのヘテロ芳香族基を表す)
のものである。
【0007】
本発明の化合物は、塩基、または酸との付加塩の形態で存在することができる。そのような付加塩は本発明の一部を構成する。これらの塩は、医薬的に許容される酸で有利に製造されるが、例えば、式(I)の化合物の精製または単離に有用であるその他の酸の塩も、同様に本発明の一部を構成する。
式(I)の化合物は、水和物または溶媒和物の形態、つまり1分子以上の水または溶媒との会合または結合の形態でも存在し得る。そのような水和物および溶媒和物も同様に本発明の一部を構成する。
【0008】
本発明に関連して、
−ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表し、
−(C1−C4)アルキル基は、1〜4の炭素原子を含む、直鎖状または分枝鎖状の、飽和脂肪族基を表す。一例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびtert−ブチル基が挙げられる;
−(C1−C4)アルコキシ基は、上記で定義されたようなアルキル基によって置換された、1〜4の炭素原子を含む酸素基を表す。
【0009】
本発明によって提供される式(I)の化合物のうち、好ましい化合物は、
Xがハロゲン原子を表し;そして/または
1が(C1−C4)アルキルを表し;そして/または
2およびR3が、それぞれ互いに独立して、(C1−C4)アルキル基を表すか、またはR2およびR3がそれらを支持する窒素原子と共に、ピロリジニルもしくは4−(C1−C4)−アルキルピペラジニル基を形成する化合物である。
【0010】
好ましい化合物のサブグループにあり、X、R1、R2、R3およびHetが全て上で定義された化合物が特に好ましく、これらのうち、Xが塩素原子を表し、R1がメチル基を表す化合物が特に好ましい。
【0011】
一般式(I)の化合物は、以下に説明される方法によって製造され得る。
以下の記述を通して、中間体化合物(II)、(III)、(IV)および(V)は、以下のスキームで示されるものである。
【0012】
スキーム
【化2】

【0013】
一般式(II)(ここで、XおよびR1は上で定義したとおりであり、R´は(C1−C4)アルキル基を表す)の化合物を、一般式ClCOCH2CO2R´´(ここで、R´´は(C1−C4)アルキル基を表す)の3−クロロ−3−オキソプロパノエートで、ジクロロエタンのような溶媒中、環境温度で、ルイス酸、例えば四塩化チタンの存在下に処理して、一般式(III)のジエステルを得る。
【0014】
一般式(III)のジエステルのケトエステル機能を、4−(ジメチルアミノ)ピリジンのような触媒の存在下に、一般式HNR23(ここで、R2およびR3は上で定義したとおりである)のアミンの作用によってケトアミドに変換して一般式(IV)の化合物を得る。
【0015】
第一の製造経路によれば、一般式(IV)の化合物を、極性溶媒中、酸の存在下に、ヘテロアリールヒドラジンで処理して、一般式(I)のアミドを得る。
第二の製造経路によれば、一般式(IV)の化合物を、トルエンのような溶媒中、触媒量の酸の存在下に、ヒドラジンと共に加熱処理して、一般式(V)のピリダジノインドールを得る。
最後に、一般式(V)のピリダジノインドールに対して、ヘテロアリールハライド、またはヘテロアリールボロン酸誘導体および銅塩のような金属塩の存在下に、N−アリール化反応を行って、一般式(I)の化合物とする。
【0016】
上記で採用される反応物質は、市販されているか、または文献に記載されており、あるいはその中に記載されているか、もしくは熟練者に知られている方法によって製造され得る。
【0017】
より具体的には、ヘテロ芳香族基を有するボロン酸誘導体は、文献(Synth.Commun.1996年、26、3543およびWO9803484号)で知られている方法に類似の方法によって製造され得る。
【0018】
一般式(II)の出発化合物の製造は、Xが塩素原子である場合、文献WO−A−0044751号に記載されている。Xがフッ素原子である場合、一般式(II)の化合物は、文献(J.Med.Chem.2000、43、4701)に記載されているメチル 6−フルオロインドール−2−カルボキシレートから出発し、同様にして製造される。
【0019】
本発明は、一般式(III)
【化3】

(式中、Xは水素またはハロゲン原子を表し、
1は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
R´およびR´´はそれぞれ互いに独立して、(C1−C4)アルキル基を表す)
の化合物も提供し、この化合物は一般式(I)の化合物を製造するための合成中間体として有用である。
【0020】
本発明は、上記に加えて、一般式(IV)
【化4】

(式中、Xは水素またはハロゲン原子を表し、
1は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
R´は(C1−C4)アルキル基を表し、
2およびR3はそれぞれ互いに独立して、水素原子もしくは(C1−C4)アルキル基を表すか、またはR2およびR3はそれらを支持する窒素原子と共にピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルもしくは4−(C1−C4)アルキルピペラジニル基を形成する)
の化合物も提供し、この化合物は一般式(I)の化合物を製造するための合成中間体として有用である。
【0021】
本発明は、さらに一般式(V)
【化5】

(式中、Xは水素またはハロゲン原子を表し、
1は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
2およびR3はそれぞれ互いに独立して、水素原子もしくは(C1−C4)アルキル基を表すか、またはR2およびR3はそれらを支持する窒素原子と共にピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルもしくは4−(C1−C4)アルキルピペラジニル基を形成する)
の化合物も提供し、この化合物は一般式(I)の化合物を製造するための合成中間体として有用である。
【実施例】
【0022】
実施例は、本発明のいくつかの化合物の製造を説明する。これらの実施例は、限定するものでなく、本発明を説明するだけのものである。化合物の番号は、以下の表中で与えられた番号と組み、その表では、本発明によるいくつかの化合物の化学構造および物性を説明する。元素微分析ならびにIRおよびNMRスペクトルは、得られた化合物の構造を確証する。
【0023】
実施例1(化合物1)
7−フルオロ−N,N,5−トリメチル−4−オキソ−3−(ピリジン−2−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−アセトアミド
1.1 メチル 6−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシレートN,N−ジメチルホルムアミド(250ml)中の、水素化ナトリウム(石油エーテルで予め洗浄)(7.9g、197mmol)およびメチル 6−フルオロ−1H−インドール−2−カルボキシレート(エチル 6−フルオロ−1H−インドール−2−カルボキシレートを10〜20%含む)(36.1g、176mmol)の、60%懸濁液を、環境温度で2時間撹拌する。次いで、N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)中のヨードメタン(12ml、193mmol)を加え、混合物を環境温度で12時間撹拌する。
内容物を氷/水混合物中に注入する。
【0024】
ジクロロメタンを加え、水相を塩酸(1N)で中和する。有機相を分離し、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮する。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、溶媒の混液(シクロヘキサン/ジクロロメタン:50/50〜0/100、次いでジクロロメタン/酢酸エチル:100/0〜70/30)で精製する。
エチル 6−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシレートを10〜20%含む、メチル 6−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシレートの白色化合物(32.7g、170mmol)を単離する。
【0025】
1.2メチル 3−[6−フルオロ−2−(メトキシカルボニル)−1−メチル−1H−インドール−3−イル]−3−オキソプロパノエート
数回に分けて、メチル 3−クロロ−3−オキソ−プロパノエート(6.5ml、60mmol)を、1,2−ジクロロエタン(80ml)中の四塩化チタン(6.6ml、60mmol)の溶液に加える。混合物を環境温度で30分間撹拌する。工程1.1で得られた、メチル 6−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシレート(エチル 6−フルオロ−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシレートを10〜20%含む)(5g、24.1mmol)の溶液を加え、混合物を40℃で20時間撹拌する。混合物を氷水に注入し、ジクロロメタンで抽出する。有機相を分離し、水洗し、水酸化ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/ジクロロメタン:90/10〜0/100、次いでジクロロメタン/酢酸エチル100/0〜50/50)により精製して、主に標題の化合物を含むペースト状の固体(13g)を得る。それを、そのまま以下の合成で用いる。
【0026】
1.3 N,N−ジメチル 3−[6−フルオロ−2−(メトキシカルボニル)−1 メチル−1H−インドール−3−イル]−3−オキソプロパンアミド
ガス状のジメチルアミンの流れを、トルエン(80ml)中の、工程1.2で得られたメチル 3−[6−フルオロ−2−(メトキシカルボニル)−1−メチル−1H−インドール−3−イル]−3−オキソ−プロパノエート(13g、44.4mmol)と、4−(N,N−ジメチル)アミノピリジン(0.2g、1.63mmol)の混合物中に通す。丸底フラスコが付いたコンデンサーを素早く装填し、溶液を100℃で20時間撹拌する。混合物を環境温度に冷却し、減圧下で濃縮する。
ジクロロメタン(200ml)、水および塩酸(1N)を加える。有機相を分離し、水洗し、水酸化ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/ジクロロメタン:50/50、次いでジクロロメタン/酢酸エチル100/0〜0/100)により精製する。黄色固体(4.6g、14mmol)を単離し、そのまま以下の合成に用いる。
【0027】
1.4 7−フルオロ−N,N,5−トリメチル−4−オキソ−3−(ピリジ−2−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−アセトアミド
無水エタノール(40ml)中の、工程1.3で得られたN,N−ジメチル−3−[6−フルオロ−2−(メトキシカルボニル)−1−メチル−1H−インドール−3−イル]−3−オキソプロパンアミド(1.4g、4.1mmol)を、数滴の氷酢酸および2−ピリジルヒドラジン(1.4g、12.8mmol)と共に、22時間加熱還流する。
混合物を冷却し、減圧下に濃縮する。水およびジクロロメタン(200ml)を加える。水酸化ナトリウム溶液を加えて、pH>10とする。有機相を分離し、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮する。残渣を溶媒(ジクロロメタン/酢酸エチル:100/0〜0/100、次いで酢酸エチル/メタノール:100/0〜90/10)の混液中、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。得られた物質を次いで、溶媒(ジクロロメタン/酢酸エチル:100/0〜0/100、次いで酢酸エチル/メタノール:100/0〜90/10)の混液中、中性アルミナカラムクロマトグラフィに付す。固体を得、ジエチルエーテルで洗浄する。
化合物(0.25g、0.66mmol)を、白色固体の形態で単離する。
融点:222〜223℃;M+H+:380。
【0028】
実施例2(化合物6)
7−クロロ−N,N,5−トリメチル−4−オキソ−3−(ピリジン−3−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−アセトアミド塩酸塩2.1 エチル 3−[6−クロロ−2−(メトキシカルボニル)−1−メチル−1H−インドール−3−イル]−3−オキソプロパノエート
1,2−ジクロロエタン(70ml)中のエチル 3−クロロ−3−オキソプロパノエート(6.2ml、48.4mmol)の溶液を0℃に冷却する。四塩化チタン(5.3ml、48.3mmol)を少しずつ加え、混合物を0℃で30分間撹拌する。1,2−ジクロロエタン(35ml)中のメチル 6−クロロ−1−メチル−1H−インドール−2−カルボキシレート(4.3g、19.2mmol)の溶液を加え、混合物を環境温度で12時間撹拌する。それを氷水中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。有機相を分離し、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル:90/10〜80/20)により精製する。黄色の固体を得、ヘプタン中、次いでジイソプロピルエーテル中で粉砕する。化合物(2.84g、8.4mmol)をクリーム色の固体の形態で得る。
【0029】
2.2 3−[6−クロロ−2−(メトキシカルボニル)−1−メチル−1H−インドール−3−イル]−N,N−ジメチル 3−オキソプロパンアミド
トルエン(100ml)の中の、工程2.1で得られたエチル 3−[6−クロロ−2−(メトキシカルボニル)−1−メチル−1H−インドール−3−イル]−3−オキソプロパノエート(15g、44.4mmol)および4−(N,N−ジメチル)アミノピリジン(0.2g、1.63mmol)の混合物中に、ガス状のジメチルアミンの流れを通す。丸底フラスコを備えたコンデンサーを直ちに装填し、溶液を100℃で、減圧下に20時間撹拌する。混合物を環境温度に冷却し、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離液:シクロヘキサン/ジクロロメタン:50/50、次いでジクロロメタン/酢酸エチル:100/0〜0/100)に付す。
黄色の固体(3.8g)を得、ジクロロメタン/酢酸エチル混液から再結晶化する。
黄白色の固体(1.8g、5.3mmol)を単離する。
【0030】
2.3 7−クロロ−N,N,5−トリメチル−4−オキソ−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−アセトアミド
トルエン(150ml)中の、工程2.2で得られた3−[6−クロロ−2−(メトキシカルボニル)−1−メチル−1H−インドール−3−イル]−N,N−ジメチル−3−オキソプロパンアミド(1.7g、5.2mmol)の溶液を、ヒドラジン一水和物(1.8ml、36.8mmol)および触媒量のp−トルエンスルホン酸の存在下に、90℃で24時間加熱する。混合物を冷却し、不溶性の生成物をろ取し、水、次いでジイソプロピルエーテルで洗浄し、減圧下に乾燥する。化合物(1.70g、5.2mmol)を白色固体の形態で単離する。
融点:>300℃
【0031】
2.4 7−クロロ−N,N,5−トリメチル−4−オキソ−3(ピリジン−3−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−アセトアミド塩酸塩
工程2.3で得られた、7−クロロ−N,N,5−トリメチル−4−オキソ−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−アセトアミド(0.2g、0.63mmol)を、N−メチルピルロリドン(15ml)に溶解する。環境温度で、アルゴン環境下に、ピリジン(0.11ml、1.4mmol)、トリエチルアミン(0.19ml、1.4mmol)、モレキュラーシーブ(1g)、酢酸第二銅(0.24g、1.3mmol)および2−(ピリジン−3−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン(0.22g、1.4mmol)を導入する。24時間の反応後、不溶フラクションをろ去し、溶液をピリジン(0.11ml、1.4mmol)、トリエチルアミン(0.19ml、1.4mmol)、モレキュラーシーブ(1g)、酢酸第二銅(0.24g、1.3mmol)および2−(ピリジン−3−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン(0.22g、1.4mmol)と混合する。反応混合物をさらに24時間撹拌する。
【0032】
不溶フラクションをろ去し、ろ液を減圧下に濃縮して溶媒を除去する。ジクロロメタンおよび水を加える。水相をジクロロメタンで抽出する。有機相を合わせ、水洗する。それを硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮する。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン、次いで酢酸エチル/メタノール:100/0〜80/20)により精製する。固体を得、これをジクロロメタン/メタノール混液中に溶解する。酢酸エチルを加え、混合物を部分的に濃縮する。固体をろ過によって単離し、エタノールとジクロロメタンの混液から再結晶する。7−クロロ−N,N,5−トリメチル−4−オキソ−3−(ピリジン−3−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−アセトアミド(化合物5)(110mg)を、白色固体の形態で回収する。
融点:255〜256℃
上記で単離された固体をメタノールとジクロロメタンの混液中に溶解し、プロパン−2−オール中の5N塩酸溶液を加えることによって、塩酸塩を形成する。エタノールから再結晶した後、化合物(0.09g、0.20mmol)を白色固体の形態で単離する。
融点:250〜252℃:M+H+:396
【0033】
実施例3(化合物10)
4−メチル−1−[2−[7−クロロ−5−メチル−4−オキソ−3−(ピリジン−3−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−イル]アセチ−1−イル]ピペラジン塩酸塩(1:1)
3.1 [3−(6−クロロ−2−メトキシカルボニル)−1−メチル−1H−インドール−3−イル]−3−オキソプロピオン−1−イル]−4−メチルピペラジン
実施例2の工程2.1で得られたエチル 3−[6−クロロ−2−(メトキシカルボニル)−1−メチルー1H−インドール−3−イル]−3−オキソプロパノエート(2.84g、8.4mmol)のトルエン(160ml)溶液を、N−メチルピペラジン(3.7ml、34mmol)および4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(110mg、0.9mmol)の存在下に、12時間加熱還流する。
混合物を環境温度に冷却する。ジクロロメタン(100ml)、水(80ml)および20%アンモニア水(10ml)を加える。有機相を分離し、水相をジクロロメタン(2回、100ml)で抽出し、有機相を合わせる。それを水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール:100/0〜90/10)により精製する。このようにして、黄色油状物(1.68g、4.3mmol)を得る。
【0034】
3.2 4−メチル−1−[2−[7−クロロ−5−メチル−4−オキソ−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−イル]アセチ−1−イル]ピペラジン
工程3.1で得られえた、[3−[6−クロロ−2−(メトキシカルボニル)−1−メチル−1H−インドール−3−イル]−3−オキソプロピオン−1−イル]−4−メチルピペラジン(1.68g、4.3mmol)のトルエン(80ml)溶液を、ヒドラジン一水和物(1.7ml、3,5mmol)および溶媒量のp−トルエンスルホン酸の存在下に、90℃で24時間加熱する。混合物を冷却し、不溶フラクションをろ取し、水、次いでジイソプロピルエーテルで洗浄し、減圧下に乾燥する。化合物(1.43g、3.8mmol)を白色固体の形態で単離する。
融点:>300℃。
【0035】
3.3 4−メチル−1−[2−[7−クロロ−5−メチル−4−オキソ−3−(ピリジン−3−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−イル]アセト−1−イル]ピペラジン塩酸塩(1:1)
工程3.2で得られた4−メチル−1−[2−[7−クロロ−5−メチル−4−オキソ−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−イル]アセト−1−イル]ピペラジン(0.45g、12mmol)をN−メチルピロリドン(30ml)に溶解する。環境温度でアルゴン環境下に、ピリジン(0.2ml、2.4mmol)、トリエチルアミン(0.34ml、2.4mmol)、モレキュラーシーブ(0.30g)、酢酸第二銅(0.44g、2.4mmol)および2−(ピリジン−3−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン(0.39g、2.4mmol)を導入する。
【0036】
24時間の反応の後、不溶フラクションをろ去し、ピリジン(0.2ml、2.4mmol)、トリエチルアミン(0.34ml、2.4mmol)、モレキュラーシーブ(0.30g)、酢酸第二銅(0.44g、2.4mmol)および2−(ピリジン−3−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン(0.39g、2.4mmol)を溶液に加える。反応混合物をさらに24時間撹拌する。不溶フラクションをろ去し、ろ液を減圧下に濃縮して、溶媒を除去する。ジクロロメタンおよび水を加える。水相をジクロロメタンで抽出する。有機相を合わせ、水洗する。それを硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール:100/0〜90/10)により精製する。白色固体を回収する。それをプロパン−2−オールとメタノールの混液中に溶解し、プロパン−2−オール中の塩酸の0.1N溶液を加えることにより、塩酸塩を形成する。プロパン−2−オールとメタノールの混液から再結晶して、化合物(0.34g、0.70mmol)を白色固体の形態で単離する。
融点:287℃(分解);M+H+:4,51
【0037】
実施例4(化合物8)
7−クロロ−N,N,5−トリメチル−4−オキソ−3−(6−メチルピリジン−3−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−アセトアミド
実施例2の工程2.3で得られた、7−クロロ−N,N,5−トリメチル−4−オキソ−3,5−ジヒドロ−4H−ピリダジノ[4,5−b]インドール−1−アセトアミド(0.4g、125mmol)を、N−メチルピロリドン(45ml)に溶解する。環境温度でアルゴン環境下に、ピリジン(0.2ml、2.5mmol)、トリエチルアミン(0.35ml、2.5mmol)、モレキュラーシーブ(0.40g)、酢酸第二銅(0.45g、2.5mmol)および4,4,5,5−テトラメチル−2−(6−メチルピリジン−3−イル)−1,3,2−ジキサボロラン(0.80g、3.6mmol)を導入する。
【0038】
24時間の反応の後、ピリジン(0.2ml、2.5mmol)、トリエチルアミン(0.35ml、2.5mmol)、モレキュラーシーブ(0.40g)、酢酸第二銅(0.45g、2.5mmol)および4,4,5,5−テトラメチル−2−(6−メチルピリジン−3−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(0.80g、3.6mmol)を溶液に加える。この反応混合物をさらに24時間撹拌する。不溶フラクションをろ去し、ろ液を減圧下に濃縮して、溶媒を除去する。ジクロロメタンおよび水を加える。水相をジクロロメタンで抽出する。有機相を合わせ、水洗する。それを硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下に濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール:100/0〜80/20)により精製する。このようにして、固体を得、これをイソプロパノール/メタノール混液から再結晶する。化合物(0.12g、0.29mmol)を白色固体の形態で単離する。
融点:253〜255℃;M+H+:410
【0039】
以下の表は、本発明の化合物から得られるいくつかの化合物の化学構造および物性を示す。
これらの表の「塩」の欄において、「HCl」は塩酸塩、「−」は塩基の形態にある化合物を示す。酸:塩基のモル比は相対して示される。略語「dec.」は、表示された温度で固体が分解状態にあることを表す。
【0040】
【化6】

【表1】

【0041】
本発明の化合物は、治療活性をもつ物質として、それらの利点を実証する薬理試験の対象となる。
本発明の化合物は、水における溶解特性も示し、そのことはインビボ作用の効果を促進する。
【0042】
末梢ベンゾジアゼピン受容体(PBRまたはpサイト)に結合する[3H]Ro5−4864の研究
【0043】
PBRまたはpサイト(ベンゾジアゼピンに対する末梢型結合サイト)に対する本発明の化合物の親和性が測定された。
pサイト受容体は、[3H]Ro5−4864の存在下に培養される、ラットの腎臓膜において選択的にラベルされ得る。本発明の化合物は、それらの受容体との親和性に関するインビトロ研究の対象となった。
【0044】
使用された動物は、体重180〜300mgの、雄のスプレーグ−ドーリーラット(Iffa Credo)である。断頭に続いて、腎臓が除去され、組織が4℃でPolytron(商標)ホモジナイザーを用いて、最高速度の6/10で、2分間、50mM Na2HPO4リン酸塩緩衝液35容量中、NaH2PO4で7.5に調節されたpHでホモジナイズされる。
膜のホモジネートをガーゼを通してろ過し、緩衝液で10倍に希釈する。
0.5nMの濃度で、[3H]Ro5−4864(特定活性:70〜90Ci/mmol;New England Nuclear)を、試験化合物を含む緩衝液の1mlの最終容量中、100μlの膜ホモジネートの存在下に培養する。
【0045】
0℃で3時間培養した後、4.5mlの冷(0℃)培養緩衝液で2回洗浄されたWhatman GF/B(商標)フィルターでろ過することによって、膜を回収する。フィルターにより保持されている放射能量を、液体シンチグラフィーにより測定する。
研究された化合物の各濃度について、[3H]Ro5−4864の結合の抑制割合、次いでIC50濃度、特異結合の50%を抑制する濃度をそれぞれ測定する。本発明の最良の化合物のIC50値は、1nM〜200nMの範囲である。
本発明の化合物は、それゆえ、末梢ベンゾジアゼピン受容体に親和性をもつリガンドである。
【0046】
向神経性作用の研究
生後4日のラットにおける顔面神経部分に続く運動ニューロンの生存試験
未熟なラットにおける顔面神経損傷の後、顔面神経核の運動ニューロンは、アポトーシスによる神経細胞の死を受ける。
神経細胞の生存は、歴史的かつ神経細胞計数方法によって評価される。
生後4日の未熟なラットを、ペントバルビタール(3mg/kg、i.p.)で麻酔する。右側顔面神経を、茎乳突の孔からの出口において露呈し、区分化する。覚醒後、幼いラットを母親のもとへ戻し、1〜10mg/kgの範囲の用量を、1日1または2回、経口または腹腔内投与で、7日間処置する。
【0047】
損傷から7日後、動物を断頭し、脳をイソペンタン中、−40℃で冷凍する。顔面神経核を低温槽で、完璧に10μm区分に切断する。運動ニューロンをクレシルバイオレットで着色し、Histo(商標)ソフトウェア(Biocom(商標))を用いて計数する。このモデルにおいて、本発明の化合物は、神経細胞の生存を約10〜30%増加させる。
この試験の結果は、本発明の化合物が神経再生を促進することを示す。
【0048】
本発明による化合物は、それゆえ医薬の製造に用いられ得る。
このようにして、もう一つの観点によれば、本発明は式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される酸との付加塩、または式(I)の化合物の水和物または溶媒和物を含む医薬を提供する。
【0049】
これらの医薬は、臨床において、中枢神経系の神経変性疾患、特に外傷性または虚血性神経障害、感染性、アルコール性、薬物性または遺伝性神経障害のような様々なタイプの末梢神経障害、ならびに筋萎縮および筋萎縮性側索硬化のような運動ニューロン症状の予防および/または治療のために適用できる。これらの医薬は、脳血管障害ならびに頭蓋および骨髄外傷のような急性疾患、または自己免疫疾患(多発性硬化)、アルツハイマー病、パーキンソン病および神経栄養因子の投与が治療効果を有すると目されるその他の疾患のような慢性疾患のいずれの治療にも適用できる。
【0050】
本発明による化合物は、急性または慢性の腎不全、糸球体腎炎、糖尿病性ネフロパシー、心虚血および心不全、心筋梗塞、下肢の虚血、冠状血管痙攣、狭心症、心臓弁に伴った症状、炎症性心疾患、心臓毒性薬物、または心臓手術に伴う副作用、アテローム性動脈硬化およびその血栓塞栓性合併症、再狭窄、拒絶反応、または平滑筋細胞の不正増殖または不正移動に関連した病気の治療にも用いられ得る。
【0051】
さらに、文献における最近のデータは、末梢のベンゾジアゼピン受容体は、細胞増殖、および癌化プロセスの規制において基本的な役割を果たし得ることを示している。一般に、そして正常な細胞組織と比較して、末梢ベンゾジアゼピン受容体の増加した密度は、様々なタイプの腫瘍および癌において観察されている。
【0052】
ヒトのアストシトマス(astocytomas)において、末梢ベンゾジアゼピン受容体の発現度合は、腫瘍の悪性度、増殖の指数および患者の生存に関連付けられている。
ヒトの脳腫瘍において、末梢ベンゾジアゼピン受容体の数における増加は、医学イメージングにおける診断指標として、また末梢ベンゾジアゼピン受容体のリガンドおよび細胞増殖抑制剤から形成される結合のための治療目標として用いられている。高密度の末梢ベンゾジアゼピン受容体は、卵巣癌および乳癌においても観察される。後者に関しては、末梢ベンゾジアゼピン受容体の発現度合が、腫瘍の攻撃可能性に関連付けられ;さらに、末梢ベンゾジアゼピン受容体アゴニストの存在は、乳癌系統の生長を促す。癌化の過程における、末梢ベンゾジアゼピン受容体の有害な働きを示唆するこれらの結果は、全体として、その効力を阻止できる末梢ベンゾジアゼピン受容体に特異的な合成リガンドに関する調査のための関連基礎を構成する。
【0053】
それゆえ、本発明の化合物は腫瘍および癌の治療のために用いられ得る。
末梢ベンゾジアゼピン受容体は皮膚にも存在し、この点において、本発明により用いられ得る化合物は、皮膚ストレスの予防または治療のために用いられ得る。
皮膚ストレスは、このストレスを引き起こす物質に関係なく、特に表皮にダメージを引き起こし得る様々な症状を意味する。
かかる物質は、化学物質もしくはフリーラジカル物質のような体内および/または体外の物質、または紫外線のようなその他の体外物質であり得る。
【0054】
したがって、本発明により用いられ得る化合物は、皮膚炎、ドライパッチ、紅斑、ディスエステシック感覚、熱感覚、皮膚および/または粘膜の掻痒、または老化の防止および拮抗を意図している。また、本発明により用いられる化合物は、例えば、乾癬、痒疹疾患、疱疹、光線皮膚症、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、苔癬、痒疹、虫刺されのような皮膚障害、線維性およびその他のコラーゲン成熟障害、免疫学的障害、または湿疹のようなその他の皮膚障害においても用いられ得る。
本発明の化合物は、慢性炎症性疾患、特に関節リウマチの防止および治療のためにも用いられ得る。
【0055】
もう一つの観点によれば、本発明は有効成分として、一般式(I)の少なくとも一つの化合物を含む医薬組成物を提供する。これらの医薬組成物は、塩基、医薬的に許容される塩、溶媒和物または水和物の形態にある、本発明の少なくとも一つの化合物の有効量を、任意に少なくとも一つの医薬的に許容される賦形剤と組み合わせて含む。
該賦形剤は、熟練者に知られている通常の賦形剤のうちから、医薬の形態および所望の投与方法に従って選択される。
【0056】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、局部、気管内、鼻腔内、経皮、直腸または眼内投与のための、本発明の医薬組成物において、上記の一般式(I)の有効成分、または適切な場合、その塩、溶媒和物もしくは水和物は、少なくとも一つの通常の医薬賦形剤との混合物として、単位投与形態で、上記の障害および疾患の予防または治療のために、動物およびヒトに投与され得る。
【0057】
単位投与形態は、例えば、錠剤、ゲルカプセル、顆粒、粉末、経口もしくは注射用溶液もしくは懸濁液、経皮パッチ、または舌下、口腔内、気管内、眼内、鼻腔内投与形態、あるいは吸入、局所、経皮、皮下、筋肉内または静脈内投与形態、直腸投与形態またはインプラントであり得る。局所投与用には、クリーム、ゲル、軟膏、ローションまたは目薬が考えられる。これらの医薬形態は、通常は当該分野で慣用の方法に従って製造される。
上記の単位形態は、医薬の形態によって、体重のkg当たり、1日投与量0.001〜20mgの有効成分となるように調剤される。
より多い、またはより少ない用量が適する特別な場合があり得る;そのような用量は、本発明の範囲外ではない。慣行によって、各患者にとって適当な用量は、投与方法、患者の体重および応答に従って、臨床医によって決定される。
【0058】
もう一つの観点による本発明は、本発明による化合物、または医薬的に許容される塩もしくは水和物もしくは溶媒和物の一つの有効量を患者に投与することを含む、上記の症状の治療方法をも提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基、または酸との付加塩の形態にあるか、または水和物もしくは溶媒和物の形態にある、一般式(I)
【化1】

(式中、Xは水素またはハロゲン原子を表し、
1は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
2およびR3はそれぞれ互いに独立して、水素原子もしくは(C1−C4)アルキル基を表すか、またはR2およびR3はそれらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルもしくは4−(C1−C4)−アルキルピペラジニル基を形成し、そして、
Hetは1以上のハロゲン原子および/または1以上の(C1−C4)アルキルおよび/または(C1−C4)アルコキシ基を有していてもよいキノリニル、イソキノリニル、ピリミジニル、ピラジニルもしくはピリダジニルから選択されるヘテロ芳香族基を表す)
の化合物。
【請求項2】
Xがハロゲン原子を表すことを特徴とする、請求項1による化合物。
【請求項3】
1が(C1−C4)アルキルを表すことを特徴とする、請求項1または2による化合物。
【請求項4】
2およびR3は、それぞれ互いに独立して、(C1−C4)アルキル基を意味するか、またはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニルもしくは4−(C1−C4)−アルキルピペラジニル基を形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかによる化合物。
【請求項5】
Xが塩素原子を表し、R1がメチル基を表すことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかによる化合物。
【請求項6】
一般式(IV)
【化2】

(式中、X、R1、R2およびR3は以下の式(I)について定義されたとおりであり、
R´は(C1−C4)アルキル基を表す)
の化合物を、極性溶媒中で、酸の存在下にヘテロアリールヒドラジンと反応させることを特徴とする、一般式(I)
【化3】

(式中、Xは水素またはハロゲン原子を表し、
1は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
2およびR3はそれぞれ互いに独立して、水素原子もしくは(C1−C4)アルキル基を表すか、またはそれらを支持する窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルもしくは4−(C1−C4)−アルキルピペラジニル基を形成し、そしてHetは1以上のハロゲン原子および/または1以上の(C1−C4)アルキルおよび/または(C1−C4)アルコキシ基を有していてもよいキノリニル、イソキノリニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニルから選択されるヘテロ芳香族基を表す)の化合物の製造方法。
【請求項7】
一般式(IV)
【化4】

(式中、X、R1、R2、R3およびR´は請求項6で定義されたとおりである)
の化合物が、一般式(III)
【化5】

(式中、X、R1およびR´は上記で定義されたとおりであり、R´´は(C1−C4)アルキル基を表す)
の化合物を、一般式HNR23(式中、R2およびR3は請求項6で定義されたとおりである)のアミンと、触媒の存在下に、反応させることによって製造されることを特徴とする、請求項6による方法。
【請求項8】
一般式(V)
【化6】

(式中、X、R1、R2およびR3は以下の式(I)について定義されたとおりである)
の化合物に、ヘテロアリールハライド、またはその他のヘテロアリールボロン酸誘導体および金属塩の存在下に、N−ヘテロアリール化反応を行うことからなる工程を含む、一般式(I)
【化7】

(式中、Xは水素またはハロゲン原子を表し、
1は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
2およびR3は、それぞれ互いに独立して、水素原子もしくは(C1−C4)アルキル基を表すか、またはR2およびR3はそれらが結合している窒素原子と共に、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルもしくは4−(C1−C4)−アルキルピペラジニル基を形成し、そして
Hetは1以上のハロゲン原子および/または1以上の(C1−C4)アルキルおよび/または(C1−C4)アルコキシ基を有していてもよいピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニルから選択されるヘテロ芳香族基を表す)
の化合物の製造方法。
【請求項9】
一般式(V)
【化8】

(式中、X、R1、R2およびR3は請求項8で式(I)について定義されたとおりである

の化合物が、一般式(IV)
【化9】

(式中、X、R1、R2およびR3は請求項8で式(I)について定義されたとおりであり

R´は(C1−C4)アルキル基を表す)
の化合物を、溶媒中、触媒量の酸の存在下に加熱することにより、ヒドラジンと反応させて製造されることを特徴とする、請求項8による方法。
【請求項10】
一般式(III)
【化10】

(式中、Xは水素またはハロゲン原子を表し、
1は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
R´およびR´´はそれぞれ互いに独立して、(C1−C4)アルキル基を表す)
の化合物。
【請求項11】
一般式(IV)
【化11】

(式中、Xは水素またはハロゲン原子を表し、
1は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
R´は(C1−C4)アルキル基を表し、
2およびR3は、それぞれ互いに独立して、水素原子もしくは(C1−C4)アルキル基を表すか、またはR2およびR3はそれらが結合している窒素原子と共に、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルもしくは4−(C1−C4)−アルキルピペラジニル基を形成する)の化合物。
【請求項12】
一般式(V)
【化12】

(式中、Xは水素またはハロゲン原子を表し、
1は水素原子または(C1−C4)アルキル基を表し、
2およびR3は、それぞれ互いに独立して、水素原子もしくは(C1−C4)アルキル基を表すか、またはR2およびR3はそれらが結合している窒素原子と共に、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルもしくは4−(C1−C4)−アルキルピペラジニル基を形成する)の化合物。

【公開番号】特開2010−248221(P2010−248221A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141683(P2010−141683)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【分割の表示】特願2003−580339(P2003−580339)の分割
【原出願日】平成15年4月2日(2003.4.2)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】