説明

3次元コンピュータ画像処理のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体および影描画処理方法およびビデオゲーム装置

【課題】 影画像が背景画像上で重なり合っても、重畳領域での影画像が他の領域より濃くなったり、半透明度が低下することを回避し、現実に近い自然な影画像を描画すること。
【解決手段】 描画対象の各立体モデル毎に影オブジェクトを付与し、描画対象の各立体モデルに付与された影オブジェクト同士の位置関係から影オブジェクト同士が重畳するか否かの判別を行い、影オブジェクト同士が重畳すると判別された領域に関しては、重畳する影オブジェクトのうちの1つの影オブジェクトのみを表示する描画処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、3次元コンピュータ画像処理における影描画処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体および影描画処理方法およびビデオゲーム装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビデオゲーム等における3次元コンピュータ画像において、モニタ画面の仮想3次元空間に描画する立体モデル、たとえば、ポリゴンによるゲームキャラクタに影を付与し、ゲームキャラクタの影を表示することは従来より提案されており、この種の画像処理技術は、特開平9−47576号公報や特開平10−232943号公報に示されている。
【0003】ポリゴンモデルに対する影の付与は、各ポリゴンの透視変換により影を生成し、各ポリゴン毎に影画像を地面、床等の背景画像上に重ね合わせることにより行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一つの画面に複数個の立体モデルやポリゴンが存在する場合、それら複数個の立体モデルやポリゴンの影画像が背景画像上で重なり合うことがあり、影オブジェクトを半透明で表示する場合には、影画像が重なり合う領域で2重に半透明処理が行われ、影画像が重なり合う領域の透明度が他の領域より低下する。この結果、半透明な影画像の透明度が不均一になり、不自然な画像表示になる。
【0005】たとえば、図15に示されているように、表示画面200に表示されたゲームキャラクタ210のような場合、ゲームキャラクタ210の影220のうち左脚部のポリゴンの影と右脚部のポリゴンの影とが重畳する領域があり、この重畳領域Dでの影濃度が他の領域より濃くなり、不自然な画像表示になる。
【0006】この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、影画像が背景画像上で重なり合っても、重畳領域での影画像が他の領域より濃くなることを簡便な処理手法によって回避し、現実に近い自然な影画像を簡単に描画できる3次元コンピュータ画像処理における影描画処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体および影描画処理方法およびビデオゲーム装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、この発明による3次元コンピュータ画像処理のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、モニタ画面の仮想3次元空間に描画する立体モデルの影を影オブジェクトとして表示する3次元コンピュータ画像処理のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、描画対象の各立体モデル毎に影オブジェクトを付与する影オブジェクト付与ステップと、前記影オブジェクト付与ステップにて描画対象の各立体モデルに付与された影オブジェクト同士の位置関係から影オブジェクト同士が重畳するか否かの判別を行う影オブジェクト重畳判別ステップと、前記影オブジェクト重畳判別ステップにて影オブジェクト同士が重畳すると判別された領域に関しては、重畳する影オブジェクトのうちの1つの影オブジェクトのみを表示する描画処理を行う重畳領域描画処理ステップとをコンピュータに実行させるプログラムを記録したものである。
【0008】また、この発明による記録媒体は、上述の影オブジェクト重畳判別ステップは、影オブジェクトの表示位置に相関して影オブジェクトの存在の有無を示すフラグを設定し、当該フラグを参照して影オブジェクト同士の重畳を判別するものであってよく、更には、前記フラグを各画素毎に設定するものであってのよい。
【0009】また、この発明による記録媒体は、影オブジェクトを半透明で表示するものであってよい。
【0010】また、上述の目的を達成するために、この発明による3次元コンピュータ画像処理における影描画処理方法は、モニタ画面の仮想3次元空間に描画する立体モデルの影を影オブジェクトとして表示する3次元コンピュータ画像処理における影描画処理方法において、描画対象の各立体モデル毎に影オブジェクトを付与する影オブジェクト付与ステップと、前記影オブジェクト付与ステップにて描画対象の各立体モデルに付与された影オブジェクト同士の位置関係から影オブジェクト同士が重畳するか否かの判別を行う影オブジェクト重畳判別ステップと、前記影オブジェクト重畳判別ステップにて影オブジェクト同士が重畳すると判別された領域に関しては、重畳する影オブジェクトのうちの1つの影オブジェクトのみを表示する描画処理を行う重畳領域描画処理ステップとを有しているものである。
【0011】また、この発明による3次元コンピュータ画像処理における影描画処理方法は、上述の影オブジェクト重畳判別ステップは、影オブジェクトの表示位置に相関して影オブジェクトの存在の有無を示すフラグを設定し、当該フラグを参照して影オブジェクト同士の重畳を判別するものであってよく、更には、前記フラグを各画素毎に設定するものであってのよい。
【0012】また、この発明による3次元コンピュータ画像処理における影描画処理方法は、影オブジェクトを半透明で表示するものであってよい。
【0013】また、この発明によるビデオゲーム装置は、モニタ画面の仮想3次元空間に描画するゲームキャラクタの影を半透明の影オブジェクトとして表示するビデオゲーム装置において、描画対象のゲームキャラクタのポリゴン毎に影オブジェクトを付与する影オブジェクト付与手段と、前記影オブジェクト付与手段によって各ポリゴン毎に付与された影オブジェクト同士の位置関係から影オブジェクト同士が重畳するか否かの判別を行う影オブジェクト重畳判別手段と、前記影オブジェクト重畳判別手段によって影オブジェクト同士が重畳すると判別された領域に関しては、重畳する影オブジェクトのうちの1つの影オブジェクトのみを表示する描画処理を行う重畳領域描画処理手段とを有しているものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。図1はこの発明によるビデオゲーム装置を示している。このビデオゲーム装置は、この発明によるコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行し、また、この発明による影描画処理方法の実施に使用される。
【0015】ビデオゲーム装置10は、ゲーム機本体11と、ゲーム機本体11の入力側に接続されるキーパッド50とにより構成され、スピーカ付きモニタとしてCRT等の表示器101を有するテレビジョンセット100をゲーム機本体11の出力側に接続される。キーパッド50は、ユーザ(オペレータ)により操作され、ユーザによる操作指令をゲーム機本体11に与える。テレビジョンセット100は、ゲーム機本体11からのビデオ信号(映像信号)やサウンド信号に基づいてゲーム内容に応じた映像(画像)表示とサウンド出力を行う。
【0016】ゲーム機本体11は、CPU、ROM等を含む制御部12と、RAM13と、フレームバッファ14を含み制御部12からの命令によってフレームバッファ14に格納されたデータに基づいてビデオ信号を生成するグラフィックス処理部15と、制御部12からの命令に応じてBGMや効果音等のサウンド信号を生成するサウンド処理部16と、記録媒体であるCD−ROMディスク17に格納されているゲームプログラミングや画像データ、サウンドデータ等を読み取るCD−ROMドライブ18と、通信回線110によりネットワーク111に選択的に接続されて他の装置とデータ通信を行うための通信インターフェース部19と、ゲームの途中経過データやゲーム環境設定データ等のセーブデータを保存するメモリカード23のリード・ライトを行うメモリカード・リード・ライタ20と、キーパッド50よりの入力信号を受け付ける入力・インターフェース部21と、これらを相互に接続するバス22を有している。
【0017】制御部12は後述するRAM13のプログラム領域13Aに格納されたゲームプログラムを実行する。
【0018】RAM13は、ゲームプログラムを格納するプログラム領域13Aと、ゲームの背景データを格納する背景データ領域13Bと、オブジェクトデータを格納するオブジェクトデータ領域13Cと、プログラム実行過程で生成される光源位置データや影ポリゴンデータ等の各種データを格納するワーク領域13Dとを画定されており、CD−ROMドライブ18がCD−ROMディスク17より読み取ったゲームプログラミングや画像データを各領域に格納する。この発明による3次元コンピュータ画像処理における影描画処理プログラムはCD−ROMディスク17より読み取るゲームプログラミングに含まれている。
【0019】オブジェクトデータ領域13Cに格納されるゲームキャラクタ等のオブジェクトデータは、ポリゴンモデルによるデータであり、オブジェクトデータは、図2に示されているように、オブジェクト識別番号M1、M2…と各オブジェクト識別番号M1、M2…毎のポリゴン識別番号P1、P2…と各ポリゴン識別番号P1、P2…毎の頂点識別番号V1、V2…を格納するポリゴンテーブル13CAと、図3に示されているように、オブジェクト識別番号M1、M2…と、各オブジェクト識別番号M1、M2…毎の頂点識別番号V1、V2…および各頂点識別番号V1、V2…と対をなす頂点の座標データ(X,Y,Z)を格納する頂点テーブル13CBとして保存される。
【0020】ワーク領域13Dに格納される影ポリゴンデータ(影オブジェクトデータ)13DBは、光源位置データ13DAとポリゴンデータ(ポリゴンモデル)に基づいて各ポリゴン毎に生成されるものであり、図4に示されているように、影ポリゴン識別番号SPnと、頂点識別番号SV1、SV2、SV3と、各頂点の座標データ(X,Y,Z)と、α値とにより構成されている。
【0021】影ポリゴンのα値は、8ビットのデータの下位7ビットで半透明の度合いを示す。α値の下位7ビットが全て「0」であれば、透明度を示す値は「0」で、α値の下位7ビットが全て「1」であれば、透明度を示す値は「1」である。このα値の下位7ビットによって完全透明の「0」から完全不透明の「1」までの128階調の値を取ることができ、半透明で影を描画するためには、影ポリゴンに対して半透明の度合いを示すα値が設定される。図4の例では、16進数表示で、「40h」が設定されており、α値が「40h」の場合、透明度を示す値は「0.5」となる。
【0022】グラフィックス処理部15のフレームバッファ14は、たとえば、図5に示されているように、1024×512ピクセル(画素)で構成され、各ピクセルのデータフォーマットは、図6に示されているように、各々8ビットのR値14AとG値14BとB値14Cとディスィネーションα値14Dにより構成される。ここで、表示画面に反映されるデータ値は(R、G、B)のみである。
【0023】図7に示されているように、ディスティネーションα値14Dの初期値は全ビット「0」であり、下位7ビットには影ポリゴンのα値の下位7ビットが書き込まれ、ディスティネーションα値14Dの最上位ビット(MSB)は、影オブジェクトの描画処理、即ち半透明の影の描画処理が既に行われている否かを各画素毎に示すフラグとして使用される。MSBは、具体的には、半透明の影の描画処理が行われていなければ、「0」で、半透明の影の描画処理が行われると、「1」を書き込まれる。
【0024】半透明の影の描画処理は、アルファブレンデイング法と云われている描画処理法により行うことができ、該当ピクセルのディスィネーションα値14DのMSBが「0」であれば、既に背景画像等の別の画像データが書き込まれているフレームバッファ14の該当ピクセルのR値、G値、B値の明度を下式による演算によって変更する。
C=αA+(1−α)B …(1)
A、B、Cは、それぞれ、RGBの色毎の明度(R値、G値、B値)を含むデータであり、(1)式では、RGBの各色毎に明度の計算が行われる。R値、G値、B値は、「0」以上、「1」以下の値で明度を表す。値が「0」であれば、明度が最も暗く、値が「1」であれば最も明るい。Aは書き込むべき影ポリゴンのピクセルの明度、Bはフレームバッファ14における影ポリゴンを書き込むべきピクセルの明度、Cは半透明の影の描画後のピクセルの明度、αは影ポリゴンのα値の下位7ビットのデータ(半透明の度合いを示すデータ)である。
【0025】半透明の影の描画処理を行うと、該当ピクセルのディスィネーションα値のMSBを「0」より「1」に変更する。これにより、ディスィネーションα値のMSBが「1」であるピクセルは、半透明の影の描画処理を既に行われているピクセルであり、そのピクセルに対しては上述のような半透明の影の描画処理は行わず、ひとつのピクセルに、半透明の影の描画処理が2重に行われること、即ち2重の明度変更が行われることを回避する。
【0026】つぎに、上述の構成によるビデオゲーム装置10の動作を図8乃至図11に示されているフローチャートを参照して説明する。以下の処理は、ゲーム機本体11の制御部12がプログラムを実行することにより行われる。図8はメインフローを示している。メインフローでは、まず、キーパッド50よりの操作入力の受け付けが行われ(ステップS10)、操作入力に応答してゲームプログラムに従って所定のゲーム進行演算が行われる(ステップS11)。ゲーム進行の演算結果に基づいてキャラクタ動作制御が行われ、ステップS12)、ついで画像表示処理が行われる(ステップS13)。
【0027】図9は画像表示処理フローを示している。画像表示処理フローでは、まず、背景データがRAM13の背景データ領域13Bより取得される(ステップS20)。取得した背景データに基づいて透視変換が行われ、背景を描画するためのデータがフレームバッファ14に書き込まれる(ステップS21)。つぎに、描画対象のゲームキャラクタ等のポリゴンモデルのデータがRAM13のオブジェクトデータ領域13Cより取得される(ステップS22)。取得されたポリゴンモデルの出たがポリゴン毎に透視変換され、ポリゴンモデル画像を描画するためのデータがフレームバッファ14に上書きされる(ステップS23)。
【0028】全モデルの描画処理が完了するまで、ステップS22、ステップS23が繰り返し実行される。全モデルの描画処理が完了すれば(ステップS24肯定)、再度、描画対象のゲームキャラクタ等のポリゴンモデルのデータがRAM13のオブジェクトデータ領域13Cより取得される(ステップS25)。取得されたポリゴンモデルのデータに基づき各ポリゴンモデル毎に影の描画処理が行われる(ステップS26)。全モデルの影の描画処理が完了すれば(ステップS27肯定)、フレームバッファ14のデータによる画像表示処理が行われる(ステップS28)。
【0029】図10は影の描画処理フローを示している。影の描画処理フローでは、まず、光源位置データがRAM13のワーク領域より取得される(ステップS30)。つぎに、ポリゴンが1つ選択され(ステップS31)、選択されたポリゴンが影平面へ投影され、影ポリゴン(影オブジェクト)が得られる(ステップS32)。つぎに、投影された影ポリゴンの法線ベクトルが算出され(ステップS33)、その法線ベクトルが視線に対して正の方向、即ち可視側(ポリゴンのおもて面が視点から見える状態)にあるか否かが判別される(ステップS34)。法線ベクトルが視線に対して正の方向であるものについては影ポリゴンの描画処理が行われる(ステップS35)。そして、全てのポリゴンについての処理が完了するまで(ステップS36肯定)、ステップS31〜ステップS35が繰り返される。
【0030】図11は影ポリゴンの描画処理フローを示している。影ポリゴンの描画処理フローでは、まず、影ポリゴンが透視変換され(ステップS40)、影を書き込む位置のα値がピクセル毎に取得される(ステップS41)。つぎに、影を書き込む位置のピクセルのディスティネーションα値の最上位ビット(MSB)が「1」であるか否かが判別される(ステップS42)。MSBが「1」でなれけば、該当ピクセルに対して半透明の影の描画処理が行われる。即ち、影のピクセルを書き込み、そのピクセルのディスティネーションα値の最上位ビット(MSB)に「1」が書き込まれる(ステップS43)。
【0031】これに対し、MSBが「1」であれば、即ち、影ポリゴン同士が重畳する領域であれば、更なる半透明の影の描画処理を行わない(ステップS43を実行しない)。これは、影ポリゴン同士が重畳すると判別された領域に関しては、重畳する影ポリゴンのうちの1つの影ポリゴンのみを表示する描画処理を行うことを意味する。そして、全ての影ポリゴンの描画処理が終了するまで(ステップS44肯定)、ステップS41〜ステップS43が繰り返される。
【0032】図12は上述のような影ポリゴンの描画処理が行われたフレームバッアァの内容を模式的に示している。図12において、黒丸●のピクセルは半透明の影の描画処理が行われたピクセル141を示し、白丸○のピクセルは半透明の影の描画処理が行われていないピクセル142を示している。ピクセル141、142には画素データとして、R値141a、142a、G値141b、142b、B値141c、142cおよびディスティネーションα値141d、142dが書き込まれる。半透明の影の描画処理が行われたピクセル141のディスティネーションα値の下位7ビットには半透明の同位を示すデータが書き込まれていると共にディスティネーションα値141aの最上位ビット(MSB)は「1」になっており、半透明の影の描画処理が行われていないピクセル142のディスティネーションα値142dの最上位ビット(MSB)は「0」になっている。
【0033】図13(a)〜(c)は影の一部が重畳する場合の半透明影描画処理例を示している。図13(a)に示されているように、既に、フレームバッファ14内に影ポリゴンAが描画されている場合に、図13(b)に示されているように、影ポリゴンAに一部が重畳する領域を含む影ポリゴンBを描画する場合、影ポリゴンAに重畳する領域については、再度の半透明影描画処理を行わず、影ポリゴンBが影ポリゴンAに重畳しない領域(図13(b)でクロス網掛けをされている領域)についてのみ半透明影描画処理を行い、ディスティネーションα値を更新する。これにより、図13(c)に示されているような均一明度(均一半透明度)による影ポリゴンA+Bが得られる。
【0034】図14は、この場合のゲームキャラクタ61の表示例を示している。表示画面101には、背景60が表示され、ゲームキャラクタ61は背景60上に不透明で表示されている。また、ゲームキャラクタ61の影62が半透明で表示されている。この例では、ゲームキャラクタ61の左脚部のポリゴンの影と右脚部のポリゴンの影とが重畳する領域Eがあっても、このゲームキャラクタの影は全体に均一な半透明度で表示される。
【0035】なお、上述の実施の形態で説明した影描画処理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやビデオゲーム装置等で実行することにより実現することができ、この影描画処理のプログラムは、ハードディスク、フロッピーディスク、CD−ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行され、またこのプログラムは、上述のような記録媒体を介してインターネット等のネットワークを介して配布することもできる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、この発明によるコンピュータ読み取り可能な記録媒体および影描画処理方法によれば、影オブジェクト同士が重畳すると判別された領域に関しては、重畳する影オブジェクトのうちの1つの影オブジェクトのみを表示する描画処理を行うから、影画像が背景画像上で重なり合っても、重畳領域での影画像が他の領域より濃くなったり、半透明度が低下することがなく、現実に近い自然な影画像を描画できる。
【0037】また、影オブジェクト重畳判別ステップは、影オブジェクトの表示位置に相関して影オブジェクトの存在の有無を示すフラグを参照して影オブジェクト同士の重畳を判別するから、簡便な処理手法で、重畳領域での影画像が他の領域より濃くなったり、半透明度が低下することを回避して現実に近い自然な影画像を簡単に描画でき、しかもそのフラグを各画素毎に設定することにより、半透明の影画像をきめ細かくリアルに描画できる。
【0038】また、この発明によるビデオゲーム装置によれば、ゲームキャラクタの影画像が背景画像上で重なり合っても、重畳領域での影画像が他の領域より濃くなったり、半透明度が低下することがなく、現実に近い自然な影画像を描画できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるビデオゲーム装置の一つの実施の形態を示すブロック線図である。
【図2】ポリゴンテーブルの構成例を示す説明図である。
【図3】ポリゴンの頂点テーブルの構成例を示す説明図である。
【図4】影ポリゴンデータの構成例を示す説明図である。
【図5】フレームバッファの構成例を示す説明図である。
【図6】この発明によるビデオゲーム装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体、影描画処理方法で使用されるピクセルデータのフォーマット例を示す説明図である。
【図7】ピクセルデータのα値のビット構成を示す説明図である。
【図8】この発明によるビデオゲーム装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体、影描画処理方法におけるメインフローを示すフローチャートである。
【図9】この発明によるビデオゲーム装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体、影描画処理方法における画像処理フローを示すフローチャートである。
【図10】この発明によるビデオゲーム装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体、影描画処理方法における影の描画処理フローを示すフローチャートである。
【図11】この発明によるビデオゲーム装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体、影描画処理方法における影ポリゴンの描画処理フローを示すフローチャートである。
【図12】この発明によるビデオゲーム装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体、影描画処理方法における影ポリゴンの描画処理が行われたフレームバッアァの内容を模式的に示す説明図である。
【図13】(a)〜(c)はこの発明によるビデオゲーム装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体、影描画処理方法において影の一部が重畳する場合の半透明影描画処理例を示す説明図である。
【図14】この発明によるビデオゲーム装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体、影描画処理方法においてゲームキャラクタの影の一部が重畳する場合の半透明影描画処理例を示す説明図である。
【図15】従来の影描画処理方法においてゲームキャラクタの影の一部が重畳する場合の半透明影描画処理例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ビデオゲーム装置
11 ゲーム機本体
12 制御部
13 RAM
13A プログラム領域
13B 背景データ領域
13C オブジェクトデータ領域
13D ワーク領域
14 フレームバッファ
15 グラフィックス処理部
16 サウンド処理部
17 CD−ROMディスク
18 CD−ROMドライバ
19 通信インターフェース部
20 メモリカード・リード・ライタ
21 入力・インターフェース部
50 キーパッド
100 テレビジョンセット

【特許請求の範囲】
【請求項1】 モニタ画面の仮想3次元空間に描画する立体モデルの影を影オブジェクトとして表示する3次元コンピュータ画像処理のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、描画対象の各立体モデル毎に影オブジェクトを付与する影オブジェクト付与ステップと、前記影オブジェクト付与ステップにて描画対象の各立体モデルに付与された影オブジェクト同士の位置関係から影オブジェクト同士が重畳するか否かの判別を行う影オブジェクト重畳判別ステップと、前記影オブジェクト重畳判別ステップにて影オブジェクト同士が重畳すると判別された領域に関しては、重畳する影オブジェクトのうちの1つの影オブジェクトのみを表示する描画処理を行う重畳領域描画処理ステップと、をコンピュータに実行させるプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項2】 前記影オブジェクト重畳判別ステップは、影オブジェクトの表示位置に相関して影オブジェクトの存在の有無を示すフラグを設定し、当該フラグを参照して影オブジェクト同士の重畳を判別することを特徴とする請求項1記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項3】 前記影オブジェクト重畳判別ステップは、前記フラグを各画素毎に設定することを特徴とする請求項2記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項4】 影オブジェクトを半透明で表示することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項5】 モニタ画面の仮想3次元空間に描画する立体モデルの影を影オブジェクトとして表示する3次元コンピュータ画像処理における影描画処理方法において、描画対象の各立体モデル毎に影オブジェクトを付与する影オブジェクト付与ステップと、前記影オブジェクト付与ステップにて描画対象の各立体モデルに付与された影オブジェクト同士の位置関係から影オブジェクト同士が重畳するか否かの判別を行う影オブジェクト重畳判別ステップと、前記影オブジェクト重畳判別ステップにて影オブジェクト同士が重畳すると判別された領域に関しては、重畳する影オブジェクトのうちの1つの影オブジェクトのみを表示する描画処理を行う重畳領域描画処理ステップと、を有していることを特徴とする3次元コンピュータ画像処理における影描画処理方法。
【請求項6】 前記影オブジェクト重畳判別ステップは、影オブジェクトの表示位置に相関して影オブジェクトの存在の有無を示すフラグを設定し、当該フラグを参照して影オブジェクト同士の重畳を判別することを特徴とする請求項5記載の3次元コンピュータ画像処理における影描画処理方法。
【請求項7】 前記影オブジェクト重畳判別ステップは、前記フラグを各画素毎に設定することを特徴とする請求項6記載の3次元コンピュータ画像処理における影描画処理方法。
【請求項8】 影オブジェクトを半透明で表示することを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項記載の3次元コンピュータ画像処理における影描画処理方法。
【請求項9】 モニタ画面の仮想3次元空間に描画するゲームキャラクタの影を半透明の影オブジェクトとして表示するビデオゲーム装置において、描画対象のゲームキャラクタのポリゴン毎に影オブジェクトを付与する影オブジェクト付与手段と、前記影オブジェクト付与手段によって各ポリゴン毎に付与された影オブジェクト同士の位置関係から影オブジェクト同士が重畳するか否かの判別を行う影オブジェクト重畳判別手段と、前記影オブジェクト重畳判別手段によって影オブジェクト同士が重畳すると判別された領域に関しては、重畳する影オブジェクトのうちの1つの影オブジェクトのみを表示する描画処理を行う重畳領域描画処理手段と、を有していることを特徴とするビデオゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2001−188917(P2001−188917A)
【公開日】平成13年7月10日(2001.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−375421
【出願日】平成11年12月28日(1999.12.28)
【出願人】(391049002)株式会社スクウェア (5)
【Fターム(参考)】