説明

3次元物体の模型を製作する方法および装置

【課題】粉末の造形材料のような物質から3次元物体を製作するための方法および装置を提供する。
【解決手段】3次元物体を製作するための造形材料を内部に蓄えている材料供給リザーバを設け、前記材料供給リザーバからの前記造形材料の漸増する層を受け入れる造形チャンバを設け、前記材料供給リザーバから送られるが、前記造形チャンバで受け取られない余分量の造形材料を受け入れるためのオーバーフロー・キャビティを設け、前記材料供給リザーバまたは造形チャンバを通る空気流れを発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラピッド・プロトタイピング、特にプリンタを用いるインクジェット法により、3次元物体の模型を制作する方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラピッド・プロトタイピング(rapid prototyping)とは、対象物のコンピュータ・モ
デルからその対象物の3次元模型を製作するさまざまな方法のことである。1つの方法は3次元プリントである。これは、特殊なプリンタを使用して、複数の2次元層から立体模型を製作するものである。詳細には、3D対象物のディジタル表現をコンピュータ・メモリに格納する。コンピュータ・ソフトウェアはそのディジタル表現を複数の別個の2D層に分割する。次に、3Dプリンタは、ソフトウェアで分割された各層毎に材料層を加工する。複数の加工された層が積層されて、所望の模型が造形される。
【0003】
3次元プリントの1つの方法では、粉末材料の層が限られた領域に堆積される。各層の上に結合剤溶液を選択的に滴下し、堆積させて、結合された粉末の領域を形成する。その後、結合されなかった粉末を除去して、3次元造形物を形成する。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、粉末の造形材料のような物質から3次元物体を製作するためのシステムを提供する。液体結合剤のような第2の材料を使用して造形材料を特定の箇所で結合させることにより、3次元物体を形成する。
【0005】
本発明の1つの構成によれば、3次元プリンタは、結合剤溶液を造形チャンバ内の造形材料のベッド上にプリントするための複数のプリントヘッドを備える。この結合剤溶液は、着色剤と混合された結合剤からなる着色結合剤溶液である。プリントヘッドは、造形チャンバを横断して低速軸に沿って往復移動するように設計されたガントリ上に取り付けされる。さらに、プリントヘッドはガントリ全体にわたって高速軸上を往復運動するので、高速軸および低速軸の両方に沿って移動でき、それにより、(着色された)結合剤溶液を造形チャンバ内の造形材料のベッドの表面全体に滴下し、堆積できる。
【0006】
プリントヘッドが高速軸に沿って造形材料のベッドを横断して通過する毎に、プリントヘッドは低速軸に沿って1段階進行し、その後、再度高速軸に沿ってベッドを横断して通過する。造形材料のベッド上に1つの層全体がプリントされるまで、この工程を繰り返す。次に、その層の上に別の層を同一工程により堆積できる。
【0007】
ガントリ上で、プリントヘッドを低速軸の方向に互いにずらすことができる。この構成により、プリントヘッドは、高速軸に沿って造形材料のベッドを横断して通過するときに、造形材料のベッド全体に隣り合うラインまたは重複ラインをプリントできるので、プリントヘッドが造形材料のベッドを横断して通過する毎に、着色結合剤溶液を含む結合剤溶液の幅広いバンド状のラインをベッド上にプリントできる。各プリントヘッドは、結合剤溶液のみか、または着色剤と混合した結合剤溶液をプリントできる。
【0008】
3次元物体を製作するこのシステムを使用して、着色された物体を造形できる。さらに、複数のプリントヘッドを使用して、造形材料に結合剤溶液をプリントできる。
【0009】
別の構成によれば、プリントヘッドはそれぞれ、複数の外部結合剤供給源に接続できる。例えば、少なくとも3つのプリントヘッドのそれぞれは3原色(シアン、イエロー、マゼンタ)のうちの一色またはブラックを有する異なる着色剤に接続できる。外部結合剤供給源もまた、プリントヘッドのそれぞれに接続でき、さらに少なくとも1つの別のプリントヘッドを設けて、結合剤溶液をプリントすることができる。結合剤供給源から供給される結合剤溶液は無色(すなわち、透明またはホワイト)であってもよい。結合剤溶液供給源および着色剤供給源はさらに、プリントする前に結合剤溶液および着色剤を混合するか、またはプリントヘッドに結合剤溶液または着色剤を送るかのどちらかに構成できる。さらに、プリントヘッドは少なくとも2列に並べることができ、これらの列を低速軸に沿って互いにずれている。各列内で、(着色剤供給源に接続された)カラー・プリントヘッドは、(無色の結合剤溶液供給源に接続された)無色用プリントヘッドと対にできる。
【0010】
さらに別の構成によれば、外部結合剤溶液供給源をプリントヘッドに接続するコンジットは循環ループを含む。この不要な結合剤溶液および取り込まれた空気をシステムから容易に排出できる。
【0011】
プリント工程は、プロセッサに接続されたコンピュータ読出し可能メモリに格納されたソフトウェア命令により管理できる。このプロセッサもまたプリントヘッドに接続される。ソフトウェアは、プリントされる物体の縁部に滴下された着色結合剤溶液のバンド(band)を、先細りにして、隣り合うバンド間のセクションを無色のままに残すことにより、異なる色のバンドが接する物体の縁部における色の混合を減少させる命令を含む。ソフトウェアはさらに、高濃度の着色剤をバンドの先細り部分(セグメント)にプリントすることにより、物体の縁部にプリントする着色剤の濃度が淡い場合であっても、物体の表面全体にわたる色の濃さを均一にする命令を含む。
【0012】
着色された3次元物体を製作するシステムが提供される。このシステムは、物体の特定の位置に透明結合剤溶液および着色結合剤溶液を使用する。全結合剤溶液の所定の量を特定の位置に滴下し、堆積させて、造形材料を結合剤溶液で飽和させることなく、造形材料に結合させることが望ましい。
【0013】
特定のシステムは、3次元プリンタで造形材料上の特定の位置に結合剤を滴下し、堆積させる。システムは、造形材料を特定の位置で固化させるのに必要な結合剤溶液の総量を決定すること、特定の位置に所望の色を生成するのに必要な着色結合剤溶液のそれぞれの量を決定すること、および要求される結合剤溶液の所定の総量を得るために、着色結合剤溶液に加える必要のある無色の結合剤溶液の量を決定することを含む。供給されるすべての結合剤溶液(着色結合剤溶液および無色結合剤溶液の両方、)の加算総量は、したがって、造形材料の特定の位置で造形材料を固化するのに必要な十分な結合剤溶液の総量にほぼ等しい。
【0014】
3次元プリンタを通して空気を吸引または押出すシステムは、製造工程において、製作される物体を保持して、物体の品質を向上させるなどの目的で提供される。
【0015】
3次元物体を製作する別の装置は、物体を形成するための造形材料を内部に蓄える材料供給リザーバと、材料供給リザーバからの造形材料の増加する層を受け入れるための造形チャンバと、材料供給リザーバおよび/または造形チャンバを通して空気流れを発生させるために材料供給リザーバおよび/または造形チャンバに接続された真空ポンプとを備える。
【0016】
また、プリントヘッドを清浄化するためのシステムが提供される。3次元物体を製作するための特定の装置は、構造フレームと、このフレームで支持され、かつ造形材料が充填される造形チャンバと、造形チャンバを横断して移動するように取り付けられたガントリと、ガントリに取り付けられた少なくとも1つのプリントヘッドと、少なくとも1つのプリントヘッドを清浄化するための、フレームに対して移動可能な少なくとも1つのクリーニング・エレメントとを含む。
【0017】
さらに未使用の造形材料を回収するシステムが提供される。このシステムは造形材料を再使用するので、無駄を無くすることができる。1つの実施形態では、3次元物体を製作するための装置は、フレームと、このフレームに取り付けられ、かつ造形材料を充填するのに適する造形チャンバと、オーバーフロー・キャビティ(cavity)を形成し、造形チャンバからのオーバーフローした造形材料を受け入れるように位置するシュートと、このシュートを通過する造形材料を受け入れるために、このシュートに連結された着脱可能な収集チャンバとを含む。
【0018】
構成部品の構造および構成部品の組合せに関する種々の新規な細部事項を含む前述および他の特徴は、添付図面を参照して詳細に説明され、また請求項において述べられる。本発明を具体化する、3次元物体の模型を製作する特定の方法および装置は、図により示されているが、本発明を限定するものではないことは理解されるであろう。本発明の原理および特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな、多数の実施形態で具体化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1はラピッド・プロトタイピング用の特定の装置の概略図である。図には、コンピュータ1、3次元プリンタ3、形成された3Dプリンタ物体5、後処理システム7、および後処理された、最終造形物となる3D模型物体9が示されている。
【0020】
コンピュータ1は、デスクトップ・コンピュータまたはポータブル・コンピュータなどのパーソナル・コンピュータであってもよい。コンピュータ1は、インターネットのような公衆アクセス通信ネットワークを含む、スタンドアロン・コンピュータ、LAN(ローカルエリア・ネットワーク)の一部またはWAN(ワイドエリア・ネットワーク)であってもよい。本発明によれば、コンピュータ1はCAD(コンピュータ支援設計)/CAM(コンピュータ支援製造)プログラムのようなソフトウェア・アプリケーション12を含む。CAD/CAMプログラム12は、データ格納領域15に格納された3次元物体のディジタル表現を操作する。CAD/CAMプログラム12は、格納されたディジタル表現17を生成、修正および再生できる。ユーザが格納された物体表現17の模型物体9を製作することを望む場合、ユーザは格納された物体表現を高レベルのソフトウェア・プログラム18にエクスポートする。次に、高レベル・プログラム18から、ユーザはプログラム18にプリント命令を出す。プログラム18はディジタル表現17を、それぞれが所定の厚さを有する複数の個別の2次元層に分割する。
【0021】
プログラム18は、高レベル命令を送ってプリンタ3の(3次元プリンタを作動する)電子回路52を制御することにより、各層をプリントする。これとは別に、物体17のディジタル表現は、プリンタ・ハードウェアにより、コンピュータ読出し可能な媒体(例えば、磁気または光ディスク)から直接読み出しできる。3次元プリンタ3は、プリントが実行されるダーティ(dirty)領域20と、制御電子回路52が収納されるクリーン領域
50とを含む。
【0022】
3次元プリンタ3はインクジェット式プリントヘッドを使用して、粉末造形材料の連続層の上に結合剤を堆積させる。これについては、Bredtらに対する米国特許No.5,902,441に記載されており、この全文は参照により本明細書に引用したものとする。結合剤が造形粉末と結合すると、粉末は反応を起こし、硬化して固体構造体になる。これらのプリントヘッドからの結合剤の小液滴の(滴下)位置を制御することにより、固体構造体の2D断面を物理的に再現できる。3次元プリンタ3は、プログラム18により提供される分割された各層毎に物理層を形成する。ディジタル表現17を複数の2次元層に分割したデータを含むファイルが完全にプリントされると、3次元造形物5が形成される。粉末を結合させて物体を形成することに関する詳細は、Sachsらに対する米国特許No.5,340,656、Cimaらに対する米国特許No.5,387,380、およびBredtらによる(代理人事務処理No.2247.2001−001)2001年4月13日に出願の米国特許出願No.09/835 292の発明「固体物体の3次元プリントの組成物」に開示されており、前記3者の全文は参照により本明細書に引用したものとする。
【0023】
後処理システム7を使用して、プリントされた造形物となる部分5を最終造形物となる模型物体9に改良する。所望の結果に応じてさまざまな仕上げオプション(加工)が利用できる。
【0024】
当業者には、3次元物体の模型製作に用いられる方法は、コンピュータ使用可能な媒体を含むコンピュータ・プログラム・プロダクトで実現できることは認識されるであろう。例えば、このようなコンピュータ使用可能な媒体は、ソリッド・ステート・メモリ・デバイス、ハード・ドライブ・デバイス、CD−ROM、DVD−ROM、またはコンピュータ・ディスケットなどの読出し可能メモリ・デバイスを含み、これらのメモリ・デバイス上には、コンピュータ読出し可能なプログラム・コード化した複数のセグメントが格納される。コンピュータ読出し可能な媒体はまた、光学的、有線または無線によるバスまたは通信リンクのような通信または伝送媒体を含むことができ、通信または伝送媒体は、ディジタルまたはアナログ・データ信号として保持されるプログラム・コード化したセグメントを有する。
【0025】
図2は、図1の3次元プリンタ3の実施形態の平面図である。前部の粉末の多いダーティ領域20および後部のクリーン領域50が詳細に示されている。チャンバ24、26、28の3つの開口に加えて、上部デッキ22は以下に述べる研削セクション29を含む。プリント・ガントリ49は、トラック57および支持棒23に連結されたアーム・アセンブリ55により上部デッキ22の上方で吊られている。作動中は、アームはトラック57および支持棒23上をx軸(低速軸)に沿って移動し、ガントリ40を移動させる。
【0026】
図示するように、ガントリ40は結合剤溶液を堆積させるプリントヘッド45を保持する。プリントヘッド45はプリント・トラック46に沿ってy軸方向に往復運動する。1つの実施形態では、ガントリ40は、結合剤溶液を堆積するための複数の結合剤ジェット47を有する少なくとも1つのインクジェット・プリントヘッド45を含む。結合剤ジェットは結合剤コンジット77から結合剤溶液を受け取る。また、図には、材料供給チャンバ24から造形チャンバ26に造形粉末を拡散するスプレッダローラー48が示されている。
【0027】
空気流れ
装置内部で空気を循環させることにより、さまざまな問題を解決できる。1つの特定の問題は空中浮遊している粉末、つまり飛散した粉末であり、これによりプリンタ機構および電子構成部品が汚染され、結果的に装置の信頼性が低下する。また、粉末は装置の上蓋内部に堆積し、結果的に装置動作を監視するオペレータ能力を低下させる。
【0028】
図3Aは、図1の3次元プリンタの実施形態を通る空気流れを調整するための基本構成部品の斜視図である。図のように、3次元プリンタ3は複数の開口を有する上部デッキ22を含む。上部デッキ22は構造フレームに取り付けられている。供給ピストン25を有する矩形の材料供給チャンバ24、造形テーブル27を形成する造形ピストンを有する矩形の造形チャンバ26、およびオーバーフロー・シュート28が、x軸(低速軸)に沿って示されている。簡単化のために図では省略しているが、ピストン25、27がチャンバ24、26の壁面に対し滑らかに動くように、シールを固定している。また図示していないが、上蓋はプリント領域を外部環境から隔離している。
【0029】
図3Aはまた、使用済み造形材料を回収するように設計されたプリンタの構成部品を示す。このプリンタでは、オーバーフロー・シュート28に流れ込む造形材料は、収集バケットト81内に収集される。収集バケット81はプリンタの底面上の取付け台82にスライド挿入されるので、バケット81はシュート28の底から出る造形材料を収容するように位置される。上部プレート83はバケット81上にシールを形成し、上部プレート83上に取り付けられたブロワー34はシュート28を通る下方への通風を発生させる。フィルタ31は上部プレート83上で、ブロワー34とバケット81および上部プレート83により囲まれたキャビティとの間に取り付けられる。これら構成部品の位置的構成により、オーバーフローした造形材料は、フィルタ31ではなく、主としてバケット81内に収集される。
【0030】
バケット81の底に落ちる造形材料は、シュート28からブロワー34を通過する空気の流路から除去される。バケット81は容易に取り外しできるので、図3Bに示すように、造形材料を材料供給チャンバに戻すことができる。バケット81のリップ84は造形材料をチャンバに戻すのを容易にする。
【0031】
1つの実施形態では、1つまたは複数の光センサを配置しているので、バケットが一杯になったことを検知できる。例えば、光センサは、シュート28の終端部の内側の位置で検知するように配置される。“フル(full)”表示がなされると、バケット81は取り外され、造形材料は、汚染物または凝集した材料を除去するスクリーンを通して材料供給チャンバに戻される。
【0032】
余分な粉末を捕集することに加えて、オーバーフロー・シュート28を通る空気流れは飛散粉末の量を低減するので、装置の信頼性およびユーザ満足度を向上させる。
【0033】
別の実施形態では、コンジットを介して、真空ポンプを材料供給チャンバ24および/または造形チャンバ26に連結できる。材料供給チャンバが一杯のときに、空気を造形材料から材料供給チャンバ24の底面を通して吸引することにより、造形材料を材料供給チャンバ内に高密度で均一に詰め込むことができる。これにより、飛散粉末の望ましくないかたまり(cloud)を発生させる傾向がある、時間のかかる工程である充填の間にオペレ
ータがこてを用いて造形材料から空気を出す作業の必要性が減少する。
【0034】
また、空気を造形材料から造形チャンバ26の底面または側面を通して吸引することにより、造形材料を造形チャンバ内により高密度で詰め込むことができる。この高密度の材料により、造形チャンバ内で形成される造形物を確実に支持できる。これにより、造形工程の間に造形物が動くのを防止し、形成される造形物の品質を向上させる。
【0035】
図3Cは、材料供給チャンバ24および造形チャンバ26の底面上に置くことができる
プレナム240の1つの実施形態を示す。プレナム240はプレナムの基台として働くピストン・プレート242を含む。真空ポンプは開口244を通して取り付けられる。
【0036】
ピストン・プレート242の上には、フィルタ媒体248を支持し、かつ貫通した孔250が設けられている上部プレート246が位置する。フィルタ媒体248は、造形材料と真空システムとを離間させており、また別のインライン(一列に並んだ)・フィルタを含むことができる。孔250は、下方への空気流れの通路を提供し、最適空気流れ特性となるように配置できる。
【0037】
さらに、複数のスペーサ252をピストン・プレート242と上部プレート246の間に設けて、プレナム240内の均一な真空分布を保証する。さらに、ピストン・プレート242と上部プレート246の間のガスケット254がプレナム240の縁部からの空気漏れを防止する。フィルタ248の上にメッシュ256を置き、セットアップおよび清浄化作業の間、フィルタ248を保護する。プレナム240は、メッシュ256からピストン・プレート242に延びる外周部に沿ってねじを用いてサンドイッチ状に一体にしてはさまれる。プレナム240の外周部にシールを設けて、ピストンとチャンバ壁の間の粉末損失を防止する
【0038】
図3Dは、材料供給チャンバ24および/または造形チャンバ26を通る空気流れの制御を示す概略図である。図のように、真空ポンプ258は、材料供給チャンバ・プレナム241および造形チャンバ・プレナム243に連結されて、それらプレナムの一方または両方を通る空気流れを発生させる。1つの実施形態では、真空ポンプ258は1.5〜2
in(2.5〜3.3×10−5)/分の空気流れ量で水銀柱約10インチ(254mm)の真空レベルを可能にする。図では、真空ポンプ258、材料供給チャンバ・プレナム241および造形チャンバ・プレナム243間に第1バルブ260が置かれている。第1バルブ260により、材料供給チャンバ・プレナムまたは造形チャンバ・プレナムのどちらかを通るように、空気流れの方向を選択できる。特に、スイッチ262はユーザが操作できるように構成され、例えば、ユーザが材料供給チャンバ24を充填するときは、スイッチ262でバルブ260を操作して、全空気流れを材料供給チャンバ・プレナム241を通るように方向付けする。材料供給チャンバ24を充填後、ユーザは、フット・ペダルであるスイッチ262を操作して、全空気流れが造形チャンバ・プレナム243を通るように方向付けできる。バルブ260および/または真空ポンプ258の間に流量計261を置いて、このバルブ260と真空ポンプの間の空気容積流量を測定する。
【0039】
さらに、バルブ260と造形チャンバ・プレナム243の間に、3方向バルブであるバルブ264を置くことができる。バルブ264はソフトウェア命令265に接続され、制御される。詳細には、製作工程の間、ソフトウェア命令265は、電力線268間に接点を形成するソリッド・ステート・リレー266を制御することにより、バルブ264を制御して、選択的に空気流れが造形チャンバ・プレナム243を通るようにできる。例えば、造形材料を供給する間は、空気流れを造形チャンバ・プレナム243に流し、結合剤溶液をプリントする間は、空気流れを止めることができる。材料供給チャンバ・プレナムおよび/または造形チャンバ・プレナムの近くに複数のインライン・ゲージ270を取り付けて、それらの位置の真空レベルを測定できる。さらにインライン・フィルタを設けて、プレナム241および243の周囲またはそれらを通過する造形材料または残留物を濾過する。1つの実施形態では、造形チャンバ・プレナム243とバルブ264の間に調整可能なレギュレータ274を設けて、造形チャンバ・プレナム243を通る空気流れを調整する。さらにゲージ276をレギュレータ274に接続して、このレギュレータの真空レベルを測定する。
【0040】
プリント
図4Aは、単色および多色モードの両方で高速プリントするのに特に適している高速プリント3次元プリンタの構成部品を示す。キャリッジ85が往復運動するようにガントリ40に取り付けられている。キャリッジ85は、レール86上でy軸(高速軸)に沿って往復運動できる。図4Bには、上蓋を閉じた状態のキャリッジ85、およびガントリ40が、結合剤コンジット87と共に示されている。図4Cは上蓋を開いたキャリッジ85を示している。
【0041】
4つのほぼ同一のプリントヘッド45(Hewlett Packard部品番号C4800A等)がキャリッジ85内に取り付けられている。各プリントヘッド45はコンジット87の1つに接続されており、これらのコンジットは外部結合剤溶液供給源に接続されている。1つの実施形態では、第1のプリントヘッドがシアン着色剤を含む結合剤溶液を供給する供給源に接続され、第2のプリントヘッドがマゼンタ着色剤を含む結合剤溶液を供給する供給源に接続され、第3のプリントヘッドがイエロー着色剤を含む結合剤溶液を供給する供給源に接続され、さらに第4のプリントヘッドが透明(またはホワイト)着色剤を含む結合剤溶液を供給する供給源に接続されている。ブラック着色剤を含む結合剤を供給する供給源に接続され、かつ他のプリントヘッドとはx軸に沿ってずれている第5のプリントヘッドをキャリッジ85内に設けることができる。種々の着色剤を結合剤溶液と予め混合しそれぞれの供給源に貯蔵できる。または、種々の着色剤を別個に貯蔵し、装置内で、例えばプリント前にプリントヘッドにおいて結合剤溶液と混合することもできる。
【0042】
図5A−5Dは造形粉末を処理する工程を示す概略図である。上部デッキ22に頂部を揃える形で、材料供給チャンバ24、造形チャンバ26、およびオーバーフロー・シュート28が示されている。造形粉末60の供給は、材料供給チャンバ24の可動供給ピストンによりなされ、また造形テーブル27は造形チャンバ26内に示されている。当技術分野では公知のように、作動中、供給ピストン25は徐々に上方向(z+方向)に移動し、一方で、造形テーブル27は徐々に下方向(z−方向)に移動する。オーバーフロー・シュート28を通り下方に流れる空気流れは、ブロワー34(図3A)により発生する。
【0043】
図5Aを参照すると、材料供給リザーバ・チャンバ24の底面25は、1つの造形層に対して十分な量62の造形材料60を材料供給チャンバ24から上に押し出すように位置している。造形テーブル27は、造形材料の第1層を受け入れるだけの特定の深さに位置している。1つの実施形態では、造形テーブル27は徐々に下降し、それぞれが約3〜9ミル(約76〜230ミクロン)厚さの連続する複数の造形層を生成する。
【0044】
図5Bを参照すると、ローラーは、その前進方向と逆に回転して、一定量の造形材料62を造形チャンバ26方向に押し出している。図5Cに示すように、ローラー48は造形チャンバ26を横断して移動し、一定量の造形材料64の層を造形テービル27上に堆積させる。完全な造形層を造形テーブル27上に確実に堆積させるために、材料供給リザーバ24により造形材料60を余分に供給する。余分な造形材料66はローラー48によりオーバーフロー・シュート28内に排出される。排出された材料粒子は重力および空気流れにより収集バケット81(図3A)に運ばれる。
【0045】
再度図2を参照すると、ガントリ40が上部デッキ22の上方を通過するとき、ガントリ表面で飛散粉末が飛散結合剤材料と混合する結果として、通常、硬い表面を持つ層がガントリの底面上に形成される。この層は時間と共に厚くなって、粉末ベッドにとって障害となり、その結果、粉末ベッドの上層に凹部または溝を発生させ、最終仕上げされた造形物となる最終部分に割れ目を発生させる。小型ブラシ、ループ材料(例えば、Velcro(R)ファスナ材料)、または別の研削材29を上部デッキ22上に配置して、ガントリ
の底面から余分な残留物を掻き落とすことができる。この残留物はオーバーフロー・シュート28に落とすことができる。
【0046】
ガントリのx方向への移動により1つの層を堆積させると、その層の2D断面がプリントされる。詳細には、このプリントは、ガントリを負のx軸方向に移動させながら、プリントヘッドを連続的にy軸方向に移動させる間においてなされる。この代わりに、以下に詳細を述べる別のプリント方法を使用することもできる。
【0047】
造形材料が広がると共に、粉末65の起伏ができ、ローラーの運動方向に対して横方向に移動する傾向がある。押え片(プラウ(plow))49は粉末65の起伏を抑えるのに役立つ。これにより、造形材料が上部デッキ22上に溢れ出すのを防止し、さらに装置の信頼性およびユーザ満足度の点で望ましくない隆起部を形成するのを防止する。押え片49は、回転および平行移動するスプレッダローラー48の端部と、上部デッキ22の上面とに対するシールを形成する。スプリングを利用して、押え片49に対して両方向から内側向きの力を発生させることにより、押え片49がスプレッダローラー48との緊密なシールを形成するようにできる。スプリングはまた、押え片49に下方向の力を発生させて、上部デッキ22の上面とのシールを形成する。
【0048】
押え片49を油含浸プラスチック材料から製作しているので、粉末を拡散させている間の、押え片49の底面と上部デッキ22の上面との間の摩擦を低減できる。油含浸材料はまた、粉末が押え片49の底面に付着するのを防止する隔壁を形成する。さらに、油含浸材料は上部デッキ22の支持表面上に自己補充剥離層(self-replenishing release layer)を形成できる。
【0049】
スプレッダローラー48が粉末65の起伏を押し付けるとき、ローラーの前端部には、押え片49の前面領域上に押し付けられた粉末の堆積部分が生じる。この粉末は押え片49により押され、最後にオーバシュート28内に引き込まれて落下するか、またはその進路方向から外れて堆積される。オーバーフロー・シュート28は材料供給リザーバ24および造形チャンバ26の開口より幅を広くして、この余分粉末を捕集できる。
【0050】
プリントの間に、粉末層に衝突する結合剤の衝撃により、粉末が飛散して、プリントヘッドの底面に衝突する。プリントヘッドは結合剤溶液で濡れているため、粉末は硬化して、プリントヘッドの底面上に硬い表層を形成するか、または最終的に粉末がジェットの内部に入り込み、ジェットの出口を詰まらせる可能性がある。さらに、時には、余分な結合剤が液滴を形成することがあり、この液滴はプリントヘッドの底面に残り、表面張力によりそこに留まる。この影響によっても、ジェットの出口が詰まるか、またはジェットの偏向が生じることがある。ジェットが詰まるかまたはずれると、結合剤が所望の位置に付着しないため、最終仕上げされた造形物に不具合が発生する。したがって、プリントヘッドの底面から粉末または結合剤を除去して、ジェット出口が開いた状態(つまり、クリーンな状態)に維持するための方法が望まれる。
【0051】
図4Aに示すように、上部デッキ22には凹部90が形成されている。この凹部には、プリント・ジェットを清浄化するための、構造フレームおよび上部デッキ22に対して移動可能な少なくとも1つのスキージ(squeegee)またはワイパー部材を含む。この凹部90は、スキージがプリント・ジェットの移動軌道内にある限り、上部デッキのどの位置にでも形成できる。図4Aの実施形態では、凹部90はオーバーフロー・シュート28から離れた、造形材料供給リザーバ24および造形チャンバ26の反対側に形成される。さらに図4Dおよび4Eに示すように、凹部90内に取り付けられたクリーニング・アセンブリ200は、モータ206により上下運動する支持部材204上に取り付けられたスキージ209を含む。詳細には、モータ206は、ギヤ210と噛合って駆動するギヤ208を回転させる。ギヤ208、210はシャフト212(図4Eではシャフトを1つだけ示す)に連結され、このシャフトを回転させる。このシャフト212はカム214を回転させて、支持部材204に取り付けられた中間部材216を上下動させる。PCボート220はセンサ222を保持し、このセンサは、シャフト212の1つに取り付けられたホイール224の位置を検出することにより、スキージの位置(上方または下方)を検出する。ホイール224は、センサ222で検出してスキージが上方または下方のどちらに位置しているかを決定するための埋め込み磁石を含む。クリーニング・アセンブリ200は、そのアセンブリを凹部90内に固定するためのフランジ218を含む。
【0052】
作動中は、ガントリ40がオーバーフロー・シュート28を通過して、凹部90に向かって移動するとき、モータ206が支持部材204を上方に持上げることにより、スキージ209がデッキ22の上に突出して、プリントヘッド面をこすり、清浄化する。その後、スキージ209は凹部90内に収納される。
【0053】
別の実施形態では、クリーニング・スキージは、上部デッキ22の上のような適所に固定できる。この時、クリーニング・スキージは、プリントヘッがスキージ上を定期的に通過、例えば、プリント毎に通過するように配置することができる。この時、堆積した粉末および結合剤は、スキージによりプリントヘッドから掻き落とすことができる。この後、スキージは、例えば近接して配置されたクリーニング・ジェットまたはプリントヘッド・ジェット自体からのクリーニング剤により清浄化される。適正な排出手段をプリンタ内に組み込んで、廃棄材料を排出できる。固定されたスキージは機械的な複雑性が少ないが、すべての実施形態に適合するとは限らない。
【0054】
複雑性は増すが、収納式スキージの利点は、スキージを使用しないときには、凹部90内で保護されることである。また、スキージ209がデッキ22の下方に位置するか、または下方に移動するとき、クリーニング剤、例えば透明結合剤を含む1つまたは複数のノズル226をスキージに向けて噴射し、清浄化する。ノズル226をデッキ22の下方に位置させることで、クリーニング剤の噴射は大概、凹部90内で行われる。
【0055】
別の実施形態では、クリーニング剤は潤滑特性を有する液体を含む。すなわち、クリーニング剤はスキージ209上に膜を形成し、この膜がプリント・ジェットに移動するので、造形材料がプリント・ジェットに付着しにくくなる。特定の実施形態では、クリーニング剤は約5〜20%のポリエチレン・グリコールを混合した水である。
【0056】
支持部材204はプリントヘッド・キャップ・アセンブリ202を有し、これらのアセンブリにより、使用されていないときのプリントヘッドを保護する。
【0057】
プリント速度および造形品質
造形速度を最大化することは、ユーザの重要な関心事項である。造形時間は2つの主要な要素、すなわち粉末の拡散と結合剤溶液の堆積とを有する。粉末の拡散速度はいくつかの要因で制限される。これら要因には、平滑な表面層の維持および飛散粉末量の最小化を必要とすることが挙げられる。したがって、造形速度を増加させる1つの方法は、結合剤の堆積速度を増加させることである。結合剤の堆積速度を増加させる1つの方法は、複数のプリントヘッドを利用することである。
【0058】
図6は複数のプリントヘッドを使用する装置の概略図である。この構成はモノクロ・プリント・モードにおけるプリント速度を最大にする。なぜなら、全プリントヘッド45が同時にプリントすることにより、各ジェットアレイの幅Wjにプリントヘッド数を乗じた幅に等しいx方向の全幅Wtを完全にカバーできるからである。y方向全体にわたりこの全幅Wtをプリント後、ガントリは全幅Wtに等しい距離だけx方向に進行する。次に、プリントヘッド45は再度、y方向全体にわたり全幅Wtをカバーしてプリントする。
【0059】
この構成はまた、カラー・プリントに対しても有効である。図6に示す特定の実施形態では、4つのプリントヘッドがあり、3つのプリントヘッドのそれぞれは原色をプリントし、1つは透明色をプリントする。カラー・プリントの場合、ガントリは1つのジェットアレイWjの幅だけ進行し、それにより、固有の色を有するプリントヘッドはそれぞれ粉末の各領域の上を通過することになる。
【0060】
プリントヘッド45を一列に隣接させて配置しない理由は、各プリントヘッドWpの幅がジェットアレイの幅Wjより大きいために、一列に隣接させて配置すると、プリントされていない縦のストライプ(縞模様)が発生するからである。したがって、すべての領域をプリント可能にするために、プリントヘッド45をy軸方向にオフセット距離Wyずつ互いにずらせて配置して、プリントヘッド45の物理的制約に対処している。
【0061】
プリントヘッド45はまた、x軸に沿ってオフセット距離Wxずつ互いにずれている。実際には、プリントヘッド45は、x軸においてプリント範囲がわずかに重なる部分Woが存在するように整列されている。すなわち、隣接する2つのプリントヘッド45が同一のx軸の位置上で同時にプリントできる。これにより、装置の組立て後にプリントヘッド45を校正できるため、設計および製造工程における精度を落とすことができる。この時、重なり合うプリントヘッド45の一方は、他方のプリントヘッドのピクセルと重なるいくつかのピクセルをプリントしないように命令される。
【0062】
図6には、クリーニング・エレメント209が示されている。クリーニング・エレメントはy軸に沿って間隔を空けて整列しているので、各クリーニング部材は対応するプリントヘッドに位置合わせされている。
【0063】
他のプリントヘッド構成を使用できることは認識されるべきである。他の典型的な実施形態の詳細な説明は、引用した米国出願No.09/416,787に開示されている。構成の選択は、プリントヘッド仕様を含むさまざまなパラメータを考慮に入れる設計事項である。
【0064】
例えば、プリントヘッド45を高速のy軸に沿って一列に配列させて、結合剤ジェットの連続シーケンスを形成できる。この配列により、結合剤を堆積させる間、プリントヘッド45は高速のy軸に沿って移動または往復運動する必要がなくなる。
【0065】
この配列の変形例には、高速y軸に沿ったプリントヘッドの部分列を含むことができる。つまり、複数のプリントヘッドのうち一部を一列に整列させる。プリントヘッドが低速のx軸に沿って(x+方向に)通過する間に、最初に結合剤の堆積が発生する。この通過が完了すると、プリントヘッドを高速y軸に沿って割り送りして、結合剤を戻り(x−方向)の通過時に堆積する。この工程を繰り返して、全プリント範囲をカバーする。
【0066】
また、特定のジェットの動作に問題がある場合にも、場所的に均一高強度を持つ造形物を得ることが望まれる。例えば、プリントヘッドの製造品質が劣っているかまたはヘッドが粉末により汚染された結果、場合により、プリントヘッドの特定のジェットが噴射しないか、または噴射が不安定になることがある。
【0067】
図7は、不完全な結合剤ジェットを有するプリントヘッドの概略図である。図に示すように、プリントヘッド45fは、ガントリ40(図2)が移動するとともに、y軸に沿ってプリントする複数のプリントヘッドのうちの1つである。プリントヘッド45fの特定のジェット47−6が噴射しない場合、プリントされている粉末の特定の層64上にy方向においてストライプ96が表われることがある。これによりプリントされた領域95に望ましくない不連続性が生じる。問題は、結合されていない粉末96の縦のストライプが各層において同一のx軸上の位置xfに存在するため、いったん造形物が完成すると、デラミネーション(積層剥離)の面が発生することである。
【0068】
図8は不完全な結合剤ジェットを用いて2つの層をプリントする方法を示す概略図である。本発明によれば、シングリング(shingling)法を使用して、結合されていない縦の
ストライプ96−1、96−2を各層64−1、64−2上の異なるx軸上の位置に配置することにより、強度の弱い領域を1つの面に集中させずに造形物全体にわたり分散させる。したがって、不完全なジェット47−6は、すべての隣接する層に対し、通過する度にx軸上の異なる位置に配置される。複数カートリッジ・システムでのシングリングは、結合剤の新しい各層を堆積する前に、x軸に沿ってカートリッジ45をオフセットxずつわずかにずらすことにより達成される。
【0069】
高速の造形速度を維持する一方で、造形部分の強度を最適化することが望ましい。単位面積当たりにより多くの結合剤を堆積することにより、部分の強度を強化できる。しかし、多量の結合剤の堆積は、造形速度を低下させて、部分のひずみを発生させる欠点がある。部分の強度を向上させ、かつ造形速度を大幅に低減することなく部分のひずみを最少化する1つの方法は、各層の外周部に供給する結合剤の量を増加することにより、その外周部まわりに硬質の外殻を形成する方法である。これは、外周部に結合剤を供給するときに、造形物の外周部に2倍の結合剤を供給して、結合剤流量を増加するか、または結合剤の飽和を調整することにより達成される。この方法はさらに、造形物の内部領域のひずみを制御できる利点を持つ。
【0070】
造形モデルの特性を最適化するために、単位面積当たりに供給する結合剤の量を調整して、使用する特定の粉末タイプおよびそのモデルの幾何形状の両方に適合させる。公称では(飽和度=1)、プリントヘッドは、固体領域をプリントするときに、結合剤溶液量をこの領域の約10〜20%に供給する。ピクセルの一部をプリントしないことにより、同一面積走査速度を維持しながら、単位面積当たりの結合剤量をこのレベルより少なく(飽和度<1)できる。単位面積当たりの公称結合剤量より多い量(飽和度>1)でプリントするには、プリントヘッドからの同一流量を維持しながら、面積走査速度を減少させる。これは、ビットマップ・イメージを高速走査方向に拡大し、同時に高速軸モータを比例して減速することにより達成できる。1.5の飽和度を得るには、例えば、180×180ピクセル領域を180×270ピクセルに拡大し、高速軸速度を90cm/secから60cm/secに減速する。このような可変飽和度法により、造形物の強度を最適化できる。
【0071】
例えば、造形物は、硬い外殻、およびその内部領域にトラス(truss)または卵ケース
構造を有するように形成できる。内部領域の残りの部分は結合されない粉末のままで残すことができる。
【0072】
カラー・プリント
カラーのインク・ジェット・プリントヘッドをプリンタに組み込むことにより、様々なカラーまたはインクをプリントする能力を提供できる。システムはこれらのプリントヘッドを利用して液体結合剤を堆積させるため、これらプリントヘッドにより、多孔質材料を結合させる材料としてカラー結合剤を堆積できる。特に、粉末材料はホワイトまたは無色であり、インクを吸収して粉末に色を付けることができる。結果的に、本発明の実施形態は、実質的にフルカラーの3次元造形物を造形し、造形物全体にわたって色を変化させることができる。
【0073】
例えば、製品設計者は、表面に予め施されたさまざまな配色、ラベルおよび装飾を有する製品モデルを製作できる。さらに、外科医は患者の人体の一部の3Dカラー・プリント
されたモデルを解体して、3次元配置の臓器、腫瘍、血管などを十分認識することにより手術の準備ができる。モデルに関するデータは、コンピュータ断層撮影装置(CT)または磁気共鳴映像装置(MRI)から得られる。
【0074】
色の付いた内部領域を必要とする造形物もあるが、表面色だけを必要とする造形物もある。目に見える表面が色付けを必要とする、造形物の一部であるため、ソフトウェアは各層の外側縁部のみに使用するカラー・インクを調整すればよい。このような場合、無色(すなわち、透明またはホワイト)あるいは単色結合剤(すなわち、ホワイト以外の単一色)が、ユーザには見えない造形物の内部に使用される。これにより、高価で、補充の面倒な着色結合剤を節減できる。
【0075】
一定量の液体結合剤を所定量の粉末上に堆積して、正確に造形された造形物を製作できる。余分な結合剤は、造形物における所望の領域を越えて移行する結合剤を生じさせる。この作用は通常“ブリーディング(breeding)”と呼ばれる。しかし、この一定量より少ない量の結合剤では、強度の弱い造形物が製作される。色の量に関係なく十分な適正量の結合剤を使用することが望ましい。色の変化を制御した造形物を製作する方法は、以下に述べる。
【0076】
第1に、各層の縁部(これらの縁部は、最後には、造形物の表面になる)上でプリントするための最少飽和量を決定する。十分な着色剤を各着色結合剤に加えることにより、プリントするための最少飽和量で、仕上がった造形物の表面が純粋な原色になる。3原色のそれぞれで着色された結合剤をプリントする3つのプリントヘッドがある。透明結合剤をプリントする第4のプリントヘッドがある。
【0077】
各層をプリントする前に、コンピュータ・ソフトウェアは、最初に、所望の色を得るために、各プリントヘッドが各スポット内にプリントする必要のある着色結合剤の量を計算するアルゴリズムを実行する。次に、ソフトウェアは各スポットに対する最適飽和度(例えば、前述のように、内部にトラス構造を有する各層の外周部上の増加した飽和度)を決定するアルゴリズムを実行する。次にソフトウェアは、3色のプリントヘッド全てによりすでにプリントされた結合剤の総量を減算し、その後、第4プリントヘッドにより、透明な、したがって色に影響を与えない結合剤の残量を供給する。このように、各スポットは正しい量の各色と正しい量の結合剤とを供給される。
【0078】
ディザリング(dithering)およびハーフトーン化したバックグラウンドを得るには、
最初に、モノクロ・モードにおけるバックグラウンドについて理解することがすることが有効である。プリンタはホワイト粉末上にプリントし、2組のジェットアレイを有している。一方の組のジェットアレイはブラック結合剤を堆積し、他方の組のジェットアレイは、粉末がホワイトであるため、ホワイトで表われる透明結合剤を堆積する。造形される造形物各位置で、2種類の結合剤がある比率で堆積され、造形物のある領域で所望のグレー、ホワイトまたはブラックの陰影を生成する。このように、造形物の全ての領域は、強化の高い部分を生成するのに必要な総結合剤量を受け取る。ただし、この方法は、制御された大きさの液滴を生成できるプリントヘッドを必要とする。
【0079】
インク・ジェット・プリントヘッドを選択して、制御された大きさの範囲の液滴を生成できるが、最新のプリントヘッドは、1種類の大きさの液滴だけを生成するように使用される場合に最適動作する。したがって、液滴が層全体にわたり均一に分布する場合、造形物の断面の各位置に、ブラックの液滴または透明の液滴のどちらかが衝突する。ディザリングまたはハーフトーン化に対しては、これらの液滴を、十分に離れて見るときにはグレーに認識されるが、拡大したときにはドット・パターンに見えるように分布させることができる。
【0080】
ディザリングまたはハーフトーン化の従来の方法を各層に使用して、各結合剤の液滴を滴下する場所を決定できる。またアルゴリズムはディザリングまたはハーフトーン化方法に対しても機能して、仕上った造形物の表面に滴下する液滴の最適配置を決定する。
【0081】
別の色の結合剤を堆積する別のノズルを追加することにより、前述の方法はフルカラーの造形物を製作できる。プリントされる物体の境界面に異なる色の表面が接する場合、アルゴリズムをプリントされる領域に適用して、各層の外周部にカラー・バンドを形成する(図9参照)。最も簡単なアルゴリズムは単純な半直角の面である。造形物は完全な不透明ではなく、したがって、造形物の観察者の認識する色は、色がプリントされる造形物の表面における濃度に依存する。したがって、広いカラー・バンド(color band)が細いカラー・バンドの色に比べて濃い色に見える。
【0082】
異なる色の2つの表面が接する部分の内側のカラー・バンドに対するすべての着色方法の持つ問題点は、少なくとも1つの色がその部分の表面より淡くプリントされるのが避けられないことである。したがって、この色はその部分の観察者には淡い色に見える。この色を標準濃度を持つ着色領域と同一レベルまで復元するために、物体の表面の縁部に、高濃度の着色剤をプリントする。
【0083】
造形部分がわずかに半透明であるため、1つの表面に関連するカラー・バンドは、隣接する表面から知覚される色に影響を与えることがある。例えば、図9では、色2がブラックで、色1がホワイトである場合、観察者はホワイトだと考えられた表面を通してブラックを見ることになる。この影響を最少にするには、隣接する表面のそれぞれのカラー・バンドを斜めに切り、造形物体の縁部からその物体に延びるホワイトまたは無色のストライプを残す必要がある。
【0084】
例えば、図10を参照すると、第1の色のバンド92は第2の色のバンド94とコーナーで接している。先細の領域96は透明結合剤から形成されているため、バンド92、94の色は正確に知覚され、各色の知覚は“バックグラウンド”内の別の色の存在による影響が少ない。
【0085】
十分に着色された造形物を製作するのに必要な着色結合剤の量が、正確な形状の造形物を製作するのに必要な着色結合剤の量より多い場合には、問題が生じる。この場合には、着色の精度または許容されるブリーディング(breeding)量のどちらかにおいて、妥協点を見出す必要がある。着色液が結合剤として作用しない場合、造形物の機械的特性に影響を与えずに、多量の着色液を堆積できる。
【0086】
結合剤の供給
図11Aは圧力制御されたコンジット87A−145Dにより供給されるプリントヘッド145A−145Dのシステムの概略ブロック図である。図に示すように、結合剤供給システムは複数のプリントヘッド145A、145B、145C、145Dを含み、これらプリントヘッドは、複数の結合剤供給リザーバ175、112、114、116および廃液収容器155に接続されている。図のように、イエロー結合剤供給リザーバ112はイエローに指定されたプリントヘッド145Bに接続され、マゼンタ結合剤供給リザーバ114はマゼンタに指定されたプリントヘッド145Cに、またシアン結合剤供給リザーバ116はシアンに指定されたプリントヘッド145Dに接続されている。透明結合剤供給リザーバ175は透明色に指定されたプリントヘッド145Aおよび色の指定されたプリントヘッド145B、145C、145Dのそれぞれに接続されている。すべてのプリントヘッド145A〜145Dは廃液収容器155に接続されている。詳細は以下に述べる。
【0087】
図11Bは、図11Aの、透明(無色)結合剤溶液をプリントするように指定されているプリントヘッド145Aに対する結合剤溶液供給装置を示す。通常の動作モードでは、バルブ122Aが開いて溶液を流し入れ、バルブ128Aが閉じて溶液をブロックする。ポンプ185Aはフィルタ118Aを通して透明結合剤溶液をリザーバ175から吸引し、この液を加圧して、コンジット87Aおよびバルブ122Aを通してプリントヘッド145Aに供給する。圧力スイッチ121Aは予め設定された圧力レベル(例えば、3psi(2.1×10Pa))に達すると、ポンプ185Aの作動を停止するように構成されている。この機構により、プリントヘッド145Aの透明結合剤溶液の圧力はほぼ設定圧力レベルに維持される。
【0088】
別の動作モードでは、バルブ128Aが開いて溶液を流し入れ、リザーバ175からの結合剤溶液を、供給装置を通して循環させ、廃液収容器155に戻す。この構成により、例えば、プリンタが長時間にわたりアイドル状態のときに、供給装置内の結合剤溶液を定期的に入れ替えることができる。さらに別の動作モードでは、バルブ122Aが閉じて溶液をブロックし、例えば、プリンタが作動していないときに、プリントヘッド内の溶液が透明結合剤供給リザーバ175に戻るのを防ぐ。
【0089】
図11Cは図11Aの、イエロー結合剤溶液をプリントするように指定されているプリントヘッド145Bに対する結合剤溶液供給装置を示す。この供給装置の図11Bに示す透明結合剤供給装置と異なる点は、この供給装置にバルブ120Bが追加されている点であり、このバルブ構成により、ポンプ185Bが必要に応じて、透明結合剤溶液供給リザーバ175またはイエロー結合剤供給リザーバ112の一方から結合剤溶液を吸引できる。他のプリントヘッド145C、145Dは、イエローのプリントヘッド145Bと同様に、透明結合剤溶液か、または関連する着色結合剤溶液リザーバ114、116からの着色結合剤溶液のどちらかを供給される。
【0090】
前述の供給装置では、バルブ120B〜120Dをすべて、透明結合剤をそれぞれのプリントヘッドに供給するように構成して、例えば、高速の造形速度でモノクロの造形物をプリントできる。これとは別に、各ヘッドに異なる色を供給して、着色された造形物をプリントできる。カラー・モードとモノクロ・モード間で切り替えが必要なとき、バルブ128B〜128Dを開いて、カラー・プリントヘッド供給装置きから廃液収容器155に不要な結合剤溶液を流し出す。
【0091】
均等物
3次元物体の模型を製作する方法および装置を、その特定の実施形態に関して図示し、説明してきたが、当業者には、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、形態または細部に各種の変更を加えるのが可能であることは理解されるであろう。これらおよび他のすべての均等物も特許請求の範囲に包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】ラピッド・プロトタイピング用装置の概略図である。
【図2】図1の3次元プリンタの実施形態の平面図である。
【図3A】図1の3次元プリンタの実施形態を通る空気流れを調整および利用する基本構成要素の斜視図である。
【図3B】使用済み造形材料を回収するシステムの使用を示す図である。
【図3C】図1の3次元プリンタで使用するプレナムの斜視図である。
【図3D】図1のプリンタの材料供給チャンバおよび造形チャンバを通る空気流れの制御を示す概略図である。
【図4A】図1の3次元プリンタの実施形態の斜視図である。
【図4B】図4Aのプリンタのガントリの斜視図である。
【図4C】図4Aおよび4Bのキャリッジの斜視図であり、そのカバーが開いている状態を示す。
【図4D】プリント・ジェットを清浄化するのに使用されるクリーニング・アセンブリの斜視図である。
【図4E】図4Dに示されるクリーニング・アセンブリの内部コンポーネントを示す部分斜視図である。
【図5A】プリント媒体を制御する工程の概略図である。
【図5B】プリント媒体を制御する工程の概略図である。
【図5C】プリント媒体を制御する工程の概略図である。
【図5D】プリント媒体を制御する工程の概略図である。
【図6】複数のプリントヘッドを使用する装置の概略図である。
【図7】不完全な結合剤ジェットを有するプリントヘッドの概略図である。
【図8】不完全な結合剤ジェットで2つの層をプリントする方法を示す概略図である。
【図9】少なくとも2つの異なる色から形成される物体の部分破断図である。
【図10】異なる色が接する箇所の外観を制御する方法を示す部分的な破断図である。
【図11A】図11A−1〜4の関連を示す図である。
【図11A−1】圧力制御された結合剤溶液供給システムの概略ブロック図である。
【図11A−2】圧力制御された結合剤溶液供給システムの概略ブロック図である。
【図11A−3】圧力制御された結合剤溶液供給システムの概略ブロック図である。
【図11A−4】圧力制御された結合剤溶液供給システムの概略ブロック図である。
【図11B】透明の結合剤溶液の部分を示す図11Aの詳細図である。
【図11C】着色された結合剤溶液の部分を示す図11Aの詳細図である。
【符号の説明】
【0093】
22 上部デッキ
24 材料供給チャンバ
25 供給ピストン
26 造形チャンバ
27 造形テーブル
28 オーバーフロー・シュート
31 フィルタ
34 ブロワ−
81 バケット
82 取付け台
83 上部プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元プリンタにおいて造形材料上の特定位置に結合剤溶液を堆積する方法であって、
造形材料の特定位置を固化するための結合剤溶液の総量を決定し、
特定位置に所望の色を生成するための着色された結合剤溶液の量を決定し、
前記結合剤溶液の総量を得るために、前記着色結合剤溶液に加える無色の結合剤溶液の量を決定することを含み、
前記特定位置に供給される着色および無色結合剤を含む全ての結合剤の合計量が、造形材料の前記特定位置でその造形材料を固化するのに十分な結合剤溶液の総量に等しい方法。
【請求項2】
請求項1において、さらに、着色結合剤溶液および無色結合剤溶液の前記総量を前記特定位置に堆積することを含む方法。
【請求項3】
請求項1において、さらに、造形材料の前記特定位置でその造形材料を結合するための前記結合剤の総量を決定後、いずれかの結合剤を前記造形材料上に堆積することを含む方法。
【請求項4】
請求項1において、さらに、前記特定位置で前記造形材料を結合するために、着色結合剤溶液および無色結合剤溶液の各供給量を決定するソフトウェア命令をプログラミングすることを含む方法。
【請求項5】
請求項1において、さらに、3次元プリンタにおいて別の特定位置で前記造形材料を結合するために、着色結合剤溶液および無色結合剤溶液の第2総量を決定することを含む方法。
【請求項6】
請求項5において、着色結合剤溶液および無色結合剤溶液の前記第2総量が、前記別の特定位置で前記造形材料を結合するのに十分な結合剤溶液の総量にほぼ等しい方法。
【請求項7】
造形材料の特定位置でその造形材料を固化するのに必要な結合剤溶液の十分な量を堆積することにより、3次元物体を製作する装置であって、
前記造形材料で充填される造形チャンバと、
前記造形チャンバを横断して移動するように取り付けられたガントリと、
前記造形材料上に結合剤溶液を堆積するために、前記ガントリに取り付けられた少なくとも1つのプリントヘッドと、
前記特定位置で前記造形材料を固化するための結合剤の総量を決定する第1セットのソフトウェア命令と、
前記特定位置に所望の色を生成するために、前記造形材料の前記特定位置における着色結合剤溶液の供給量を決定する第2セットのソフトウェア命令と、
前記造形材料の前記特定位置における、着色結合剤溶液に追加される無色の結合剤溶液の供給量を決定する第3セットのソフトウェア命令と、
着色結合剤溶液および無色結合剤溶液の前記総量を堆積するために、前記プリントヘッドを制御する第4セットのソフトウェア命令とを備え、
前記着色結合剤溶液および無色結合剤溶液の前記総量が、造形材料の前記特定位置でその造形材料を結合するのに十分な結合剤溶液の総量にほぼ等しい装置。
【請求項8】
請求項7において、さらに、前記3次元物体を形成するための造形材料を内部に蓄えている材料供給リザーバと、
前記材料供給リザーバまたは造形チャンバに接続され、この材料供給リザーバまたは造形チャンバをそれぞれ通る空気流れを発生させる真空ポンプとを備えている装置。
【請求項9】
請求項8において、さらに、空気流れが前記材料供給リザーバまたは造形チャンバを通るようにするスイッチを備えている装置。
【請求項10】
請求項8において、さらに、3次元物体の製作中に、前記造形チャンバを通る空気流れを制御するバルブを備え、このバルブがコントローラにより制御されている装置。
【請求項11】
所定量の結合剤溶液を物体の特定位置で造形材料上に堆積することにより3次元物体を製作する方法であって、
前記特定の位置に所望の色を生成するのに必要な、前記造形材料の特定位置における着色結合剤溶液の供給量を決定し、
前記造形材料の前記特定位置における無色の結合剤溶液の供給量を決定し、
前記特定位置で前記造形材料を固化するのに十分な着色結合剤溶液および無色結合剤溶液の総量を決定することを含み、
着色結合剤溶液および無色結合剤溶液の前記総量が、造形材料の前記特定位置における結合剤溶液の前記所定量を超えないものであり、
さらに、着色結合剤溶液および無色結合剤溶液の前記総量を前記特定位置に堆積することを含む方法。
【請求項12】
3次元物体を形成するための造形材料を内部に蓄えている材料供給リザーバと、
前記材料供給リザーバから前記造形材料の層を受け入れる造形チャンバと、
前記材料供給リザーバに接続され、この材料供給リザーバを通る空気流れを発生させる真空ポンプとを備えている装置。
【請求項13】
請求項12において、前記真空ポンプがさらに、前記造形チャンバに接続されている装置。
【請求項14】
請求項13において、さらに、前記材料供給リザーバまたは造形リザーバを通る空気流れを選択するスイッチを備えている装置。
【請求項15】
請求項14において、さらに、前記3次元物体の製作中に、前記造形チャンバを通る空気流れを制御するバルブを備え、このバルブが前記スイッチに応答するコントローラにより制御されている装置。
【請求項16】
請求項15において、前記コントローラがソフトウェア命令を含む装置。
【請求項17】
請求項12において、さらに、前記造形材料を支持し、かつ空気流れがこの造形材料を通るようにするプレナムを備えている装置。
【請求項18】
3次元物体を製作するための造形材料を内部に蓄えている材料供給リザーバを設け、
前記材料供給リザーバからの前記造形材料の漸増する層を受け入れる造形チャンバを設け、
前記材料供給リザーバから送られるが、前記造形チャンバで受け取られない余分量の造形材料を受け入れるためのオーバーフロー・キャビティを設け、
前記材料供給リザーバまたは造形チャンバを通る空気流れを発生させることを含む、3次元物体を製作する方法。
【請求項19】
請求項18において、さらに、前記材料供給リザーバまたは造形チャンバを通る空気流れを選択的に発生させることを含む方法。
【請求項20】
請求項18において、さらに、前記3次元物体を製作中に、前記造形チャンバを通る空気流れを選択的に発生させることを含む方法。
【請求項21】
請求項18において、さらに、前記造形材料に空気流れを通すことにより、この造形材料を支持することを含む方法。
【請求項22】
3次元物体を形成するための造形材料を内部に蓄えている材料供給リザーバと、
前記材料供給リザーバからの前記造形材料の層を受け入れるる造形チャンバと、
前記材料供給リザーバおよび造形チャンバに接続され、スイッチに応答して、この材料供給リザーバまたは造形チャンバを通る空気流れを発生させる真空ポンプとを備えている、3次元物体を製作する装置。
【請求項23】
請求項22において、前記スイッチが前記装置のユーザにより制御されるように構成されている装置。
【請求項24】
請求項22において、さらに、前記3次元物体の製作中に、前記造形チャンバを通る空気流れを制御するバルブを備え、このバルブが前記スイッチに応答するコントローラにより制御されている装置。
【請求項25】
請求項24において、前記バルブがソフトウェア命令を含むコントローラにより制御されている装置。
【請求項26】
造形材料のベッド上に第1の着色結合剤溶液を堆積して、第1縁部に沿って第1のカラー・バンドを形成し、
造形材料の前記ベッド上に第2の着色結合剤溶液を堆積して、第2縁部に沿って第2のカラー・バンドを形成し、
前記第1バンドと第2バンドの間の、造形材料の前記ベッド上に無色の結合剤溶液を堆積する、3次元物体をプリントする方法。
【請求項27】
請求項26において、前記無色のバンドが先細りのバンドを形成している方法。
【請求項28】
請求項26において、さらに、前記先細りのバンドセクションに高濃度の前記第1着色結合剤溶液および高濃度の前記第2着色結合剤溶液をプリントする方法。
【請求項29】
造形材料のベッド上に着色剤を含む物質をプリントする少なくとも1つのプリントヘッドを制御して、多色の3次元物体を形成するコマンドを発生するソフトウェア命令を格納するコンピュータ読出し可能媒体であって、
前記ソフトウェア命令が前記3次元物体の表面からその物体の内部に延びるバンド状に前記物質をプリントするコマンドを含み、
前記バンドが、隣接するバンド間に着色されないセクションが残るように、前記3次元物体の縁部で先細りになっているコンピュータ読出し可能媒体。
【請求項30】
請求項29において、前記ソフトウェア命令が、さらに、バンドの前記先細りセクションに高濃度の着色剤をプリントするコマンドを発生するコンピュータ読出し可能媒体。
【請求項31】
少なくとも1つのプリントヘッドを用いて、造形材料のベッド上に結合剤溶液を堆積して、3次元物体の各セクションを形成するステップと、
少なくとも1つのプリントヘッドを用いて、前記3次元物体の第1表面からその物体の内部に延びるバンド状に、造形材料の前記ベッド上に、第1色の着色剤を含む物質を堆積するステップであって、前記バンドが、前記第1表面が隣接する表面に接する縁部で先細りになっているステップと、
少なくとも1つのプリントヘッドを用いて、前記3次元物体の前記隣接する表面からその物体の内部に延びるバンド状に、造形材料の前記ベッド上に、第2色の着色剤を含む物質を堆積するステップであって、前記バンドが、前記隣接する表面が前記第1表面に接する縁部で先細りになっているステップとを含む3次元プリント方法。
【請求項32】
請求項31において、さらに、前記物質を堆積して、前記バンドの前記先細りセクションに、前記バンドの残りのセクションに比べて高濃度の着色剤を形成することを含む3次元プリント方法。
【請求項33】
構造フレームと、
前記フレームに支持され、かつ造形材料を充填するのに適する造形チャンバと、
前記造形チャンバを横断して移動するように取り付けられたガントリと、
前記ガントリに取り付けられた少なくとも1つのプリントヘッドと、
前記少なくとも1つのプリントヘッドを清浄化するための、前記フレームに対して移動可能な少なくとも1つのクリーニング・エレメントとを備えている、3次元物体を製作する装置。
【請求項34】
請求項33において、前記クリーニング・エレメントがクリーニング・アセンブリの支持部材に取り付けられている装置。
【請求項35】
請求項34において、さらに、前記フレームに支持されたデッキを備え、前記クリーニング・アセンブリがさらに、前記支持部材を上下動させるデバイスを含むことにより、前記少なくとも1つのクリーニング・エレメントが1つの位置では前記デッキの上方に延び、さらに別の位置では前記デッキの下方に延びるようになっている装置。
【請求項36】
請求項33において、前記クリーニング・エレメントがスキージを含む装置。
【請求項37】
請求項33において、さらに、前記クリーニング・エレメントに溶液を噴射して、前記少なくとも1つのクリーニング・エレメントを清浄化するノズルを備えている装置。
【請求項38】
請求項37において、前記ノズルが、前記クリーニング・エレメントが移動している間に、このクリーニング・エレメントに溶液を噴射する装置。
【請求項39】
請求項37において、前記溶液が結合剤溶液を含んでいる装置。
【請求項40】
請求項37において、前記溶液がポリエチレン・グリコールを混合した水を含む装置。
【請求項41】
請求項33において、前記ガントリが低速軸に沿って前記造形チャンバを横断して移動するように取り付けられ、
さらに、高速軸に沿って移動するように前記ガントリに取り付けられた少なくとも4つのプリントヘッドを備え、前記プリントヘッドは互いにずれて配置され、
さらに、それぞれのプリントヘッドに位置合わせするために、前記高速軸に沿ってずれて配置されている少なくとも4つのクリーニング・エレメントを備える装置。
【請求項42】
構造フレームを設け、
前記フレームを用いて、造形材料を充填するのに適する造形チャンバを支持し、
前記造形チャンバを横断して移動するガントリを設け、
前記ガントリに取り付ける少なくとも1つのプリントヘッドを取り付け、
前記少なくとも1つのプリントヘッドを清浄化するためのクリーニング・エレメントを取り付けることを含む、3次元物体を製作する方法。
【請求項43】
請求項42において、さらに、前記クリーニング・エレメントを前記フレームに支持されたデッキの上方で移動して、少なくとも1つのプリントヘッドを清浄化することを含む方法。
【請求項44】
請求項43において、さらに、少なくとも1つのプリントヘッドを清浄化した後、前記クリーニング・エレメントを前記デッキの下方に移動する方法。
【請求項45】
請求項44において、さらに、前記クリーニング・エレメントに溶液を噴射して、このクリーニング・エレメントが前記デッキの下方にある状態で、このクリーニング・エレメントを清浄化することを含む方法。
【請求項46】
請求項45において、さらに、前記クリーニング・エレメントに結合剤溶液を噴射することを含む方法。
【請求項47】
請求項45において、さらに、前記クリーニング・エレメントにポリエチレン・グリコールを混合した水を噴射することを含む方法。
【請求項48】
請求項42において、前記ガントリが低速軸に沿って前記造形チャンバを横断して移動するように取り付けられ、
さらに、高速軸に沿って移動するように前記ガントリに取り付けられた少なくとも4つのプリントヘッドを備え、
さらに、前記低速軸に沿って前記プリントヘッドを互いにずらして配置することを含み、
さらに、それぞれのプリントヘッドに位置合わせされた少なくとも4つのクリーニング・エレメントを備えることを含む方法。
【請求項49】
造形材料が充填される造形チャンバと、
低速軸に沿って前記造形チャンバを横断して移動するように取り付けられたガントリと、
高速軸に沿って移動するように前記ガントリに取り付けられた少なくとも4つのプリントヘッドとを備え、
前記プリントヘッドが互いにずれて配置されている、3次元物体を製作する装置。
【請求項50】
請求項49において、前記プリントヘッドが前記造形材料上に着色剤を含む物質をプリントする装置。
【請求項51】
請求項50において、前記プリントヘッドが隣接するプリントヘッドから、前記低速軸に沿って一定の距離だけずれて配置され、
前記プリントヘッドが前記低速軸に沿って前記一定距離ずつ段階的に進む装置。
【請求項52】
請求項50において、前記造形材料上に結合剤溶液を堆積する前に、その結合剤溶液が着色剤と混合される装置。
【請求項53】
請求項49において、無色の結合剤溶液が前記プリントヘッドのそれぞれにより堆積される装置。
【請求項54】
請求項53において、前記プリントヘッドが隣接するプリントヘッドから、前記低速軸に沿って一定の距離だけずれて配置され、
また、前記プリントヘッドが前記低速軸に沿って前記一定距離の倍数に等しい距離ずつ段階的に進む装置。
【請求項55】
複数のプリントヘッドを、高速軸に沿って造形材料のベッドの上方を通過させ、
プリントヘッドのそれぞれが必要に応じて前記造形材料上に物質のストライプをストライプ状に堆積でき、
それぞれのプリントヘッドによりプリントされた前記ストライプが、前記高速軸にほぼ垂直な低速軸に沿って互いにずれており、
前記複数のプリントヘッドを前記低速軸に沿って進ませる、3次元プリント方法。
【請求項56】
請求項55において、前記プリントヘッドが前記造形材料上に着色剤を含む物質をプリントする3次元プリント方法。
【請求項57】
請求項56において、前記プリントヘッドが隣接するプリントヘッドから、前記低速軸に沿って一定の距離だけずれて配置され、
また、前記プリントヘッドが前記低速軸に沿って前記一定距離ずつ段階的に進む3次元プリント方法。
【請求項58】
請求項56において、さらに、前記造形材料上に結合剤溶液を堆積する前に、その結合剤溶液を着色剤と混合することを含む3次元プリント方法。
【請求項59】
請求項55において、無色の結合剤溶液が前記プリントヘッドのそれぞれにより堆積される
3次元プリント方法。
【請求項60】
請求項59において、前記プリントヘッドが隣接するプリントヘッドから一定の距離ずつずれて配置され、
また、前記プリントヘッドが前記低速軸に沿って前記一定距離の倍数に等しい距離ずつ段階的に進む3次元プリント方法。
【請求項61】
造形材料のベッドを充填できる造形チャンバと、
前記造形チャンバを横断して移動するように取り付けられた複数のプリントヘッドと、
前記プリントヘッドの外部の少なくとも1つの結合剤供給源と、
各結合剤供給源を少なくとも1つのプリントヘッドに接続する複数のコンジットとを備えている、3次元物体を製作する装置。
【請求項62】
請求項61において、各結合剤供給源が無色の結合剤溶液または単一色の着色結合剤溶液のどちらかを含む装置。
【請求項63】
請求項62において、前記着色結合剤溶液が、前記装置の外部で、無色の結合剤溶液を着色剤と前もって混合することにより生成される装置。
【請求項64】
請求項62において、前記着色結合剤溶液が、前記装置の内部で、無色の結合剤溶液を着色剤と前もって混合することにより生成される装置。
【請求項65】
請求項62において、着色結合剤溶液を含む各結合剤供給源が、他の着色結合剤溶液の色と異なる色を含む装置。
【請求項66】
請求項65において、前記装置が、前記無色の結合剤溶液に接続された第1プリントヘッドと、シアンの着色結合剤溶液に接続された第2プリントヘッドと、イエローの着色結合剤溶液に接続された第3プリントヘッドと、マゼンタの着色結合剤溶液に接続された第4プリントヘッドとを備えている装置。
【請求項67】
請求項66において、さらに、ブラックの着色結合剤溶液に接続された第5プリントヘッドを備えている装置。
【請求項68】
請求項62において、さらに、低速軸に沿って前記造形チャンバを横断して移動するように取り付けられたガントリを備え、前記プリントヘッドが前記ガントリ上で少なくとも2列に配列されて、高速軸または低速軸に平行に延びている装置。
【請求項69】
請求項68において、着色結合剤溶液に接続されているプリントヘッドが、無色結合剤溶液に接続されたプリントヘッドと同列内で対になっている装置。
【請求項70】
請求項61において、さらに、低速軸に沿って前記造形チャンバを横断して移動するように取り付けられたガントリを備え、前記プリントヘッドのそれぞれが、前記低速軸に沿って互いに異なる座標位置に配置されている装置。
【請求項71】
請求項61において、前記結合剤供給源がコンジットにより前記結合剤溶液を前記プリントヘッドのそれぞれに供給し、前記コンジットが、その結合剤溶液を該コンジット内で循環させる循環ループを含む装置。
【請求項72】
請求項61において、さらに、前記プリントヘッドにコマンドを発行するソフトウェア命令を格納するコンピュータ読出し可能なメモリを備え、
前記ソフトウェア命令がコマンドを発行して、プリントヘッドに対して、前記着色結合剤溶液を、3次元物体の表面からその物体の内部に延びるバンド状に噴射するように命令し、
前記バンドが前記3次元物体の縁部で先細りになって、前記縁部から前記物体内部に延びる着色されないセクションを残している装置。
【請求項73】
請求項72において、前記ソフトウェア命令がコマンドを発行して、プリントヘッドに対して、前記バンドの前記先細りのセクションに高濃度の着色結合剤溶液をプリントするように命令する装置。
【請求項74】
請求項72において、さらに、前記プリントヘッドにコマンドを発行するソフトウェア命令を格納するコンピュータ読出し可能なメモリと、低速軸に沿って前記造形チャンバを横断して移動するように取り付けられたガントリとを備え、
前記ソフトウェア命令が、前記プリントヘッドが前記着色結合剤溶液を堆積しているかどうかに関係して、前記低速軸に沿ってガントリが進行する度にその進行する距離の長さを制御し、
前記プリントヘッドのすべてが無色結合剤溶液を堆積している場合か、または前記プリントヘッドのすべてが同一色の着色結合剤溶液をプリントしている場合は、前記ソフトウェアがコマンドを発行して、前記ガントリを前記低速軸に沿って長い距離進める装置。
【請求項75】
造形材料のベッドが充填される造形チャンバを設け、
前記造形チャンバを横断して移動する複数のプリントヘッドを取り付け、
前記プリントヘッドの外部に少なくとも1つの結合剤供給源を設け、
各結合剤供給源を、複数のコンジットを通して少なくとも1つのプリントヘッドに接続する、3次元物体を製作する方法。
【請求項76】
請求項75において、各結合剤供給源が無色の結合剤溶液または単一色の着色結合剤溶液のどちらかを含む方法。
【請求項77】
請求項76において、さらに、前記装置の外部で、無色の結合剤溶液を着色剤と前もって混合して前記着色結合剤を生成することを含む方法。
【請求項78】
請求項76において、さらに、前記装置の内部で、無色の結合剤溶液を着色剤と前もって混合して前記着色結合剤を生成する方法。
【請求項79】
請求項76において、着色結合剤溶液を含む各結合剤供給源が、他の着色結合剤溶液の色と異なる色を含む方法。
【請求項80】
請求項79において、さらに、第1プリントヘッドを前記無色の結合剤溶液に接続し、第2プリントヘッドをシアンの着色結合剤溶液に接続し、第3プリントヘッドをイエローの着色結合剤溶液に接続し、さらに、第4プリントヘッドをマゼンタの着色結合剤溶液に接続することを含む方法。
【請求項81】
請求項80において、さらに、第5プリントヘッドをブラックの着色結合剤溶液に接続することを含む方法。
【請求項82】
請求項76において、さらに、低速軸に沿って前記造形チャンバを横断して移動するガントリを取り付けることを含み、前記プリントヘッドが前記ガントリ上で少なくとも2列に配列されて、高速軸または低速軸に平行に延びている方法。
【請求項83】
請求項82において、着色結合剤溶液に接続されたプリントヘッドが、無色結合剤溶液に接続されたプリントヘッドと同列内で対になっている方法。
【請求項84】
請求項79において、さらに、低速軸に沿って前記造形チャンバを横断して移動するガントリを取り付けることを含み、前記プリントヘッドのそれぞれが、前記低速軸に沿って互いに異なる座標位置に配置されている方法。
【請求項85】
請求項75において、前記結合剤供給源がコンジットにより前記結合剤溶液を前記プリントヘッドのそれぞれに供給し、前記コンジットが、前記結合剤溶液をそのコンジット内で循環させる循環ループを含む方法。
【請求項86】
請求項75において、さらに、前記3次元物体の表面からその物体の内部に延びるバンド状に前記着色結合剤溶液を供給し、
前記バンドが前記3次元物体の縁部で先細りになって、前記縁部から前記3次元物体内部に延びる着色されないセクションを残す方法。
【請求項87】
請求項86において、さらに、前記バンドの前記先細りセクションに高濃度の前記着色結合剤溶液をプリントする方法。
【請求項88】
請求項76において、さらに、低速軸に沿って前記造形チャンバを横断して移動するガントリを取り付け、
前記プリントヘッドが前記着色結合剤溶液を堆積しているかどうかに関係して、前記低速軸に沿って前記ガントリが進行する度にその進行する距離の長さを制御することを含み、
前記プリントヘッドのすべてが無色結合剤溶液を堆積している場合か、または前記プリントヘッドのすべてが同一色の着色結合剤溶液をプリントしている場合は、前記ガントリが前記低速軸に沿って長い距離進行する方法。
【請求項89】
着色剤と混合されて着色結合剤溶液を生成する結合剤溶液を蓄えるコンテナと、
前記着色結合剤溶液を造形材料のベッド上に堆積するプリントヘッドに前記着色結合剤溶液を送るためのコンジットとを備え、
さらに、前記コンジット内で前記着色結合剤溶液を循環させる循環ループとを備えている、3次元物体を製作する装置。
【請求項90】
請求項89において、さらに、前記コンジットに送られる無色の結合剤溶液と、
前記着色結合剤溶液の流れを、前記コンジットを通して前記プリントヘッドに送るバルブとを備えている装置。
【請求項91】
請求項90において、さらに、前記コンジット内で前記無色結合剤溶液を循環させる第2循環ループを前記コンジット内に備えている装置。
【請求項92】
請求項90において、さらに、前記プリントヘッドへの前記着色結合剤溶液の供給を停止し、また前記循環ループを通る前記無色結合剤溶液の循環を可能にするバルブを備えている装置。
【請求項93】
請求項92において、前記バルブが、前記プリントヘッドへの前記無色結合剤溶液の供給を停止し、また前記循環ループを通る前記着色結合剤溶液の循環を可能にする装置。
【請求項94】
請求項89において、さらに、前記着色結合剤溶液の廃液を前記コンジットから排出できるバルブを前記コンジット内に備えている装置。
【請求項95】
請求項90において、さらに、前記無色結合剤溶液の廃液を前記コンジットから排出できるバルブを前記コンジット内に備えている装置。
【請求項96】
結合剤溶液を着色剤と混合して、着色結合剤溶液を生成し、
コンジットにより前記着色結合剤溶液をプリントヘッドに送り、
前記プリントヘッドを用いて、前記着色結合剤溶液を造形材料のベッド上に堆積し、
前記着色結合剤溶液を前記コンジット内の第1循環ループを通して循環させる、各ステップを含む、3次元物体を製作する方法。
【請求項97】
請求項96において、さらに、無色の結合剤溶液を外部の結合剤溶液供給源から前記コンジットに送り出し、
バルブを使用して、前記コンジットを通る前記着色結合剤溶液流れを前記プリントヘッドに向けて流す方法。
【請求項98】
請求項97において、さらに、前記無色結合剤溶液を前記コンジット内の第2循環ループを通して循環させることを含む方法。
【請求項99】
請求項97において、さらに、前記プリントヘッドへの前記着色結合剤溶液の送り出しを停止し、
前記循環ループを通して前記無色の結合剤溶液を循環させ、
前記無色の結合剤溶液を前記プリントヘッドまで送ることを含む方法。
【請求項100】
請求項97において、さらに、前記プリントヘッドへの前記無色結合剤溶液の送り出しを停止し、
前記循環ループを通して前記着色結合剤溶液を循環させ、
前記着色結合剤溶液を前記プリントヘッドに送ることを含む方法。
【請求項101】
請求項96において、さらに、前記着色結合剤溶液の廃液を前記コンジットから排出できるバルブを前記コンジット内に備えている方法。
【請求項102】
請求項97において、さらに、前記無色結合剤溶液の廃液を前記コンジットから排出できるバルブを前記コンジット内に備えている方法。
【請求項103】
フレームと、
前記フレームに取り付けられ、かつ造形材料を充填するのに適する造形チャンバと、
前記造形チャンバからオーバーフローした造形材料を受け入れるように配置され、かつオーバーフロー・キャビティを形成するシュートと、
前記シュートを通過する造形材料を収容するために前記シュートに接続された着脱式収集チャンバとを備えている、3次元物体を製作する装置。
【請求項104】
請求項103において、さらに、前記シュートに接続されて、このシュートを通して空気を吸引するブロワーを備えている装置。
【請求項105】
請求項104において、前記着脱式収集チャンバが前記ブロワーとシュートの間に配置されている装置。
【請求項106】
請求項103において、さらに、前記フレームに取り付けられた材料供給チャンバを備え、この材料供給チャンバが、前記造形チャンバに送られる造形材料を充填するのに適している装置。
【請求項107】
請求項103において、前記着脱式収集チャンバが、収集された造形材料を前記材料供給チャンバに戻して使用できるようなバケットの形状をしている装置。
【請求項108】
請求項107において、前記バケットが、収集された造形材料の注入を容易にする突出したリップを含む装置。
【請求項109】
請求項103において、さらに、前記着脱式収集チャンバが所定量の造形材料を収容したときを検知する光学センサを備えている装置。
【請求項110】
材料供給チャンバを造形材料で充填し、
前記造形材料を前記材料供給チャンバから造形チャンバに移し、
前記造形チャンバ内の前記造形材料上に結合剤溶液をプリントし、
余分な造形材料を収集チャンバに入れ、
前記余分な造形材料を前記収集チャンバから前記材料供給チャンバに戻す、各ステップを含む、3次元プリンタにおいて造形材料を回収する方法。
【請求項111】
請求項110において、前記余分な造形材料を前記収集チャンバから取り除き、前記材料供給チャンバ内に注入することにより、その造形材料を前記材料供給チャンバに戻す方法。
【請求項112】
請求項110において、前記余分な造形材料を、前記造形チャンバからシュートを通して前記収集チャンバに移す方法。
【請求項113】
請求項112において、さらに、ブロワーを使用することにより、前記シュートを通して空気を前記収集チャンバ内に吸引するステップを含み、前記収集チャンバが前記ブロワーの上流に配置されている方法。
【請求項114】
請求項110において、光学センサにより、前記着脱式収集チャンバが所定量の造形材料を収容したときを検知するステップを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11A−1】
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【図11A−2】
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【図11A−3】
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【図11A−4】
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【図11B】
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【図11C】
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【公開番号】特開2008−302701(P2008−302701A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201111(P2008−201111)
【出願日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【分割の表示】特願2003−520600(P2003−520600)の分割
【原出願日】平成14年5月8日(2002.5.8)
【出願人】(502367373)ゼット コーポレーション (1)
【氏名又は名称原語表記】Z CORPORATION
【Fターム(参考)】