説明

3次元画像生成方法及びプログラム

【課題】欠落したデータから高精度な3次元画像を生成することが可能な3次元画像生成方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】弾性波探査データを入力するステップS11と、弾性波探査データを3次元空間上に配列することによりビンニングを行うステップS12と、ビンニングを行ったデータに基づいて構造解釈を行うことにより構造図を作成するステップS13を有する。また、ビンニングを行ったデータに基づいて傾斜読みとりを行うステップS14と、構造図及び傾斜のデータに基づいてハイブリッド構造傾斜モデルを構築するステップS15を有する。また、ビンニングを行ったデータとハイブリッド構造傾斜モデルに基づいて移動平均アルゴリズムを使用して擬似データを生成することにより波動場内挿を行うステップS16を有する。また、波動場内挿により得られたデータを3次元画像化することによりマイグレーションを行うステップS17を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波探査における地下地質構造の3次元画像生成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から弾性波探査を行うことにより地下の断面図のデータを複数の地点で測定し、その断面図のデータに基づいて擬似データを生成することにより、データの存在しない領域に擬似データを内挿して、地下構造を調査する技術が知られている。以下に、この従来の技術に用いられる3次元画像生成方法の処理の流れについて、図22に示すフローチャートを参照して説明する。
従来の3次元画像生成方法では、始めに複数の2次元の地下断面図のデータを測定し(ステップS01)、その地下断面図のデータに基づいて、地下に存在する傾斜面の構造を推定する「ホライゾン解釈」の処理、又は、測定した断面図において対応する位置を検出し、その2地点間の傾斜を求める「傾斜読みとり」の処理を行うことにより、「構造傾斜モデル」の構築を行っていた(ステップS02)。
【0003】
ステップS02において、ステップS01で測定した2次元の断面図のデータに基づいて「ホライゾン解釈」を行うと、図23(a)に示すような地下に存在するx−y平面方向に広がる傾斜面面のデータが得られる。この「ホライゾン解釈」の処理によって得られるモデルは、x−y平面方向に関して面的な構造傾斜が得られるというメリットがある反面、地下の深さ方向を示すt軸方向の情報が疎であるというデメリットがある。
一方、ステップS02において、「傾斜読みとり」の処理を行うと、図23(b)に示すようなx−t平面、y−t平面上の断面図が合成されたデータが得られるが、地下の深さ方向を示すt軸方向の情報が密であるというメリットがある反面、x−t平面とy−t平面が交わる線上でしか構造傾斜の情報が得られないというデメリットがあった。
【0004】
なお、従来用いられていた構造傾斜モデルの構築方法では、「ホライゾン解釈」の処理により得られるデータと「傾斜読みとり」の処理により得られるデータの性質が相違しており、「ホライゾン解釈」と「断面図上での傾斜読み取り」の双方を同時に扱うことができなかった。よって、作成する3次元画像の精度を向上させることができないという問題があった。
図22に戻り、「ホライゾン解釈」又は「傾斜読み取り」の処理を行うことによりステップS02で構築した構造傾斜モデルに基づいて、移動平均法などの補間法、又は、有限差分法などの外挿法を使用することにより、ステップS01で測定した2次元の断面図のデータが存在する領域以外の領域に対して、擬似データを生成する「波動場内挿」の処理を行う(ステップS03)。
最後に、ステップS03の「波動場内挿」の処理により、3次元空間が擬似データで埋められたモデルを3次元画像化することにより視覚化(イメージング)する「3Dマイグレーション」の処理を行う(ステップS04)。
【0005】
しかし、従来の3次元画像生成方法では、構造傾斜モデルの構築の際に「ホライゾン解釈」又は「傾斜読みとり」のいずれか一方の処理しか行っていなかったため、あるいは、移動平均アルゴリズムを使用して波動場内挿を行う際に所定の条件を設定していなかったため、不規則な2次元データからデータを補間しきれないという問題や、外挿時に偽像が発生しやすいという問題、入力するデータに大きなギャップがあると分解能が低下するという問題、更には、3次元画像を生成する際の画像の劣化が大きいなどの問題があった。
なお、欠落したデータから元の3次元画像を生成する技術としては、非特許文献1や非特許文献2に記載されているものが知られている。しかし、これらの技術では、精度のよい擬似データを生成することができず、地下地質構造の3次元画像を正確に作成することはできなかった。
【非特許文献1】Jason Chin-Sen Kao, William A. Schneider, Walter Whitman, "Automated interpolation of two-dimensional seismic grids into three-dimensional data volume", GEOPHYSICS. VOL.55, NO.4 (APRIL 1990), p.433-442.
【非特許文献2】M. Hugh Miller, Jr. William S. French, "Time slices from two-dimensional seismic surveys", GEOPHYSICS, VOL.54, NO.1(JANUARY 1989), p.13-22.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、欠落したデータから高精度な3次元画像を生成することが可能な3次元画像生成方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、2次元又は3次元の弾性波探査データを入力する第1のステップと、前記第1のステップで入力した2次元又は3次元の弾性波探査データを3次元空間上に配列することによりビンニングを行う第2のステップと、前記第2のステップでビンニングを行ったデータに基づいて、構造解釈を行うことにより構造図を作成する第3のステップと、前記第2のステップでビンニングを行ったデータに基づいて、傾斜読みとりを行う第4のステップと、前記第3のステップで作成した構造図、及び、前記第4のステップで読みとった傾斜のデータに基づいて、ハイブリッド構造傾斜モデルを構築する第5のステップと、前記第2のステップでビンニングを行ったデータと、前記第5のステップで作成したハイブリッド構造傾斜モデルに基づいて、データの欠落している領域に対して移動平均アルゴリズムを使用して擬似データを生成することにより波動場内挿を行う第6のステップと、前記第6のステップにおいて波動場内挿を行うことにより得られたデータを3次元画像化することによりマイグレーションを行う第7のステップと、を有することを特徴とする3次元画像生成方法である。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、前記第6のステップにおける波動場内挿を行う際の移動平均アルゴリズムの演算において、擬似データを算出する際に、指定した数以上の入力データを用いることを条件として設定することを特徴とする請求項1に記載の3次元画像生成方法である。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、前記第6のステップにおける波動場内挿を行う際の移動平均アルゴリズムの演算において、擬似データを出力する点の所定の距離以内に少なくとも1つの入力データが存在することを条件として設定することを特徴とする請求項2に記載の3次元画像生成方法である。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、前記所定の距離を、1格子とすることにより前記移動平均アルゴリズムの演算を行うことを特徴とする請求項3に記載の3次元画像生成方法である。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、2次元又は3次元の弾性波探査データを入力する第1のステップと、前記第1のステップで入力した2次元又は3次元の弾性波探査データを3次元空間上に配列することによりビンニングを行う第2のステップと、前記第2のステップでビンニングを行ったデータに基づいて、構造解釈を行うことにより構造図を作成する第3のステップと、前記第2のステップでビンニングを行ったデータに基づいて、傾斜読みとりを行う第4のステップと、前記第3のステップで作成した構造図、及び、前記第4のステップで読みとった傾斜のデータに基づいて、ハイブリッド構造傾斜モデルを構築する第5のステップと、前記第2のステップでビンニングを行ったデータと、前記第5のステップで作成したハイブリッド構造傾斜モデルに基づいて、データの欠落している領域に対して移動平均アルゴリズムを使用して擬似データを生成することにより波動場内挿を行う第6のステップと、前記第6のステップにおいて波動場内挿を行うことにより得られたデータを3次元画像化することによりマイグレーションを行う第7のステップと、をコンピュータに実行させるための3次元画像生成プログラムである。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、前記第6のステップにおける波動場内挿を行う際の移動平均アルゴリズムの演算において、擬似データを算出する際に、指定した数以上の入力データを用いることを条件として設定することを特徴とする請求項5に記載の3次元画像生成プログラムである。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、前記第6のステップにおける波動場内挿を行う際の移動平均アルゴリズムの演算において、擬似データを出力する点の所定の距離以内に少なくとも1つの入力データが存在することを条件として設定することを特徴とする請求項6に記載の3次元画像生成プログラムである。
【0014】
また、請求項8に記載の発明は、前記所定の距離を、1格子とすることにより前記移動平均アルゴリズムの演算を行うことを特徴とする請求項7に記載の3次元画像生成プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明は、第3のステップで作成する構造図と第4のステップで読みとった傾斜のデータに基づいて、第5のステップにおいてハイブリッド構造傾斜モデルの構築を行うようにした。
第3のステップにより得られる構造図のデータと第4のステップで読みとる傾斜のデータではデータの性質が異なるため、従来の3次元画像生成方法ではそれらのデータを同時に取り扱うことができなかったが、それらのデータを同一の次元で合成することにより、取り扱うデータ量が増加し、より精度の高い3次元画像を生成することが可能となる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、移動平均アルゴリズムの演算を行う際に、「擬似データを算出する際に、指定した数以上の入力データを用いること」に基づいて、演算を行うようにした。
これにより、第6のステップにおいて擬似データを生成する際に、第1のステップで入力する弾性波探査データの単なるコピーが大量に生成されることを防止することができるとともに、3次元画像の質を低下させる原因となる偽像の発生や繰り返しパターンの発生を防止することが可能となる。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は、移動平均アルゴリズムの演算を行う際に、「擬似データを出力する点の所定の距離以内に少なくとも1つの入力データが存在すること」に基づいて、演算を行うようにした。
これにより、データの存在しない領域に擬似データを生成する際に、1回の移動平均アルゴリズムの演算で、同じデータが大量に生成されることを防止することができ、データが滑らかに変動する質のよい3次元画像を生成することが可能となる。
【0018】
また、請求項4に記載の発明は、移動平均アルゴリズムの演算を行う際に、「擬似データを出力する点の1格子以内に少なくとも1つの入力データが存在すること」という条件を設定することにした。
これにより、1回の移動平均アルゴリズムの演算で擬似データが1格子ずつ生成されるようにすることができ、1回の移動平均アルゴリズムの演算で同じ擬似データが複数の格子に生成されることによる3次元画像の質の低下を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態による3次元画像生成方法について説明する。
図2は、本発明の実施形態による3次元画像生成装置10の構成を示すブロック図である。3次元画像生成装置10は、データ入力手段1、ビンニング手段2、構造図作成手段3、傾斜読みとり手段4、ハイブリッド構造傾斜モデル構築手段5、波動場内挿手段6、マイグレーション手段7により構成される。
データ入力手段1には、弾性波探査により得られる地下断面図のデータが複数入力される。データ入力手段1に入力された地下断面図のデータはビンニング手段2に対して出力される。
【0020】
ビンニング手段2に入力された地下断面図のデータは「ビンニング」の処理が行われた後、構造図作成手段3と傾斜読みとり手段4に対して出力される。ここで、「ビンニング」とは、複数の地下断面図のデータを、それぞれの地下断面図を測定した地点に対応させて、3次元空間上の領域に配置する処理のことをいう。
【0021】
構造図作成手段3は、ビンニング手段2から出力されるビンニングされたデータに基づいて、地下地質の構造を表す構造図を作成する。傾斜読みとり手段4は、ビンニング手段2から出力されるビンニングされたデータに基づいて、「傾斜読みとり」の処理を行う。ここで、「傾斜読みとり」とは、複数の地下断面図における相互に類似する点を検出し、その類似点を直線で結び、その直線の傾斜を求める処理のことである。
ハイブリッド構造傾斜モデル構築手段5は、構造図作成手段3により作成された構造図のデータ、及び、傾斜読みとり手段4により求められた傾斜のデータを合成することにより、ハイブリッド構造傾斜モデルの構築を行う。
【0022】
波動場内挿手段6は、ビンニング手段2により3次元空間上に配置された地下断面図のデータと、ハイブリッド構造傾斜モデル構築手段5によって構築されたモデルに基づいて、「波動場内挿」の処理を行う。ここで、「波動場内挿」とは、地下断面図のデータ又は地下断面図から生成された擬似データの存在しない領域に対して、移動平均アルゴリズムを使用することにより3次元空間上に擬似データを生成する処理のことである。
マイグレーション手段7は、波動場内挿手段6によって波動場内挿が行われたデータに対して「マイグレーション」の処理を行う。ここで、「マイグレーション」とは、3次元空間上に配置された地下断面図のデータ及び地下断面図のデータから生成された擬似データを3次元画像化する処理のことである。
【0023】
次に、上述した3次元画像生成装置10の処理の流れを以下の、図1に示すフローチャートを参照して説明する。
本実施形態の3次元画像生成方法では、始めに、地下地質構造の弾性波探査を行うことにより測定された地下断面図に関する2次元又は3次元のデータが、データ入力手段1に入力される(ステップS11)。
次に、ビンニング手段2が、ステップS11で入力された2次元又は3次元のデータを、3次元空間上の領域に配置するビンニングの処理を行う(ステップS12)。
ステップS12によって、ビンニングの処理を行うことにより、図3(a)及び(b)に示すようなx−t平面状の地下断面図とy−t平面上の地下断面図が、3次元空間上に配置されたデータが得られる。
【0024】
次に、構造図作成手段3が、ステップS12でビンニングにより3次元空間の領域上に配置されたデータに基づいて、地下構造の傾斜面に関する構造解釈を行い構造図を作成する(ステップS13)。
また、ステップS13の処理と並行して、傾斜読みとり手段4が、ステップS12でビンニングの処理により3次元空間上の領域に配置されたデータに基づいて、傾斜読みとりの処理を行う(ステップS14)。
その後、ハイブリッド構造傾斜モデル構築手段5が、ステップS13において構造解釈により作成した構造図のデータと、ステップS14において読みとった傾斜のデータを合成することにより、「ハイブリッド構造傾斜モデル」の構築を行う(ステップS15)。
【0025】
本実施形態による3次元画像生成方法では、ステップS13により得られる構造図のデータと、ステップS14により得られる傾斜に関するデータとを合成することにより、従来のモデルよりもより高精度な「ハイブリッド構造傾斜モデル」を構築することが可能となる。
なお、「ハイブリッド構造傾斜モデル」のより詳しい構築方法については、後に図4を参照して説明する。
【0026】
その後、波動場内挿手段6が、ステップS12においてビンニングにより3次元空間上に配列したデータと、ステップS15により作成したハイブリッド構造傾斜モデルを使用して、3次元空間上でデータが存在しない領域に対して擬似データを生成することにより波動場内挿を行う(ステップS16)。この波動場内挿のより詳しい処理方法については、後に図8を参照して説明する。
最後に、マイグレーション手段7が、ステップS16で波動場内挿を行ったデータを3次元画像化することによりマイグレーションを行う(ステップS17)。
【0027】
次に、上述した図1のステップS15の「ハイブリッド構造傾斜モデル」の構築を行う処理について、より詳細に説明する。
図4は、「ハイブリッド構造傾斜モデル」の構築の流れを示すフローチャートである。
始めに、2次元又は3次元の弾性波探査データを入力する(ステップS21)。このステップS21の処理は、図1におけるステップS11の処理に対応する。
次に、ステップS21で入力された2次元又は3次元の弾性波探査データを、3次元空間上に規則正しく配列することによりビンニングの処理を行う(ステップS22)。このステップS22の処理は、図1におけるステップS12の処理に対応する。
【0028】
次に、ステップS22でビンニングされたデータに基づいて、地震探査断面図における傾斜(dt/dx,dt/dy)を算出する(ステップS23)。傾斜は、ビンニングされた複数の地震探査断面図の間で類似する点を検出し、それらの点を結ぶ直線の傾斜を求めることにより算出される。
次に、ステップS23で求められた傾斜のデータを利用して構造傾斜モデルが作成される(ステップS24)。なお、上述したステップS23、S24の処理は、図1におけるステップS13の処理に対応する。
【0029】
一方、ステップS22でビンニングにより3次元空間上に配列されたデータは、地下の傾斜面の構造が解釈されることにより構造図が作成される(ステップS25)。
そして、ステップS25で作成された構造図から、「法線ベクトル」を求め、その「法線ベクトル」から「傾斜」が求められる(ステップS26)。
次に、ステップS26により求められた「傾斜」から、「法線ベクトルモデル」を作成する(ステップS27)。なお、上述したステップS25〜S27の処理は、図1におけるステップS14の処理に対応する。
【0030】
図5は、図4のステップS27において作成した「法線ベクトルモデル」を図示したものである。「法線ベクトル」は、x−y平面方向に広がる傾斜面の下面側にヒゲ状に図示されている。この「法線ベクトル」は、x成分、y成分、t成分の3成分からなる。
図5に示した「法線ベクトルモデル」における「法線ベクトル」のデータを、x成分、y成分、t成分ごとに分離して図示したデータを、図6(a)、図6(b)、図6(c)にそれぞれ図示する。
【0031】
次に、ステップS24で作成した「構造傾斜モデル」と、ステップS27で作成した「法線ベクトルモデル」を結合する(ステップS28)。
図7(a)は、「法線ベクトルモデル」により得られるx−t平面上での法線ベクトルのデータを図示したものである。また、図7(b)は、「構造傾斜モデル」により得られるx−t平面上でのデータを図示したものである。図7(a)と図7(b)のデータを合成することにより、図7(c)に示すデータが得られる。図7(c)のデータには、点線で囲った領域に示されるように、図7(b)のデータには存在していなかった、図7(a)の「法線ベクトルモデル」により得られるデータが付加されており、従来使用されていたモデルに比べてより高精度なモデルの構築を行うことが可能となる。
上述したように「法線ベクトルモデル」と「構造傾斜モデル」とを組み合わせることにより、「ハイブリッド構造傾斜モデル」が構築される(図4のステップS29)。
なお、上述したステップS28〜S29の処理は、図1におけるステップS15の処理に対応する。
【0032】
従来、「構造傾斜モデル」と「法線ベクトルモデル」のデータは、同時に扱うことができず別々に用いられてきた。しかし、上述した図4に示す「ハイブリッド構造傾斜モデル」の構築方法を使用すれば、図6(a)〜(c)に示したように、「法線ベクトル」のデータをx成分、y成分、t成分ごとに分離し、そのx成分、y成分、t成分を使用して傾斜(dt/dx,dt/dy)を算出して、構造傾斜モデルで算出される傾斜(dt/dx,dt/dy)と加え合わせることにより、「構造傾斜モデル」と「法線ベクトルモデル」を同時に扱うことが可能となる。これにより、従来の「構造傾斜モデル」よりも精度のよい「ハイブリッド構造傾斜モデル」を構築することが可能となる。
【0033】
次に、上述した図1のステップS16の「波動場内挿」について、図8に示した「波動場内挿」の処理の流れを示すフローチャートを参照してより詳細に説明する。
始めに、2次元又は3次元の弾性波探査データを入力する(ステップS31)。なお、このステップS31の処理は、図1におけるステップS11の処理に対応する。
次に、ステップS31で入力された2次元又は3次元の弾性波探査データを、3次元空間上に配列することによりビンニングの処理を行う(ステップS32)。なお、このステップS32の処理は、図1におけるステップS12の処理に対応する。
【0034】
次に、3次元空間上でデータが存在しない領域に対して、以下の「条件1」、「条件2」を満たす出力点に対して、擬似データを生成する。(ステップS33)。「条件1」としては、「擬似データを算出する際に、指定した数以上の入力データを用いること」という条件を設定する。ここで、入力データとしては、ステップS31で入力される弾性波探査データ、又は、ステップS34で生成される擬似データが使用される。
【0035】
また、「条件2」としては、「擬似データを出力する点の所定の距離以内に少なくとも1つの入力データが存在すること」という条件が設定される。
なお、ここでは、ステップS33において「条件1」と「条件2」の両方の条件を設定して擬似データの生成する場合について説明しているが、「条件1」又は「条件2」のいずれか一方の条件だけを設定して擬似データを生成するようにしても構わない。
次に、ステップS33で上述した「条件1」、「条件2」を満たす領域が存在する場合には、出力点に対して以下の式(1)に示す計算式に基づいて擬似データを作成する(ステップS34)。
【0036】
【数1】

【0037】
なお、上記の式(1)では、以下の式(2)に基づいて重み付けが行われる。
【数2】

【0038】
ここで、式(2)において、c1、c2は、以下の式(3)で定義される「傾斜」のデータである。
【0039】
【数3】

【0040】
図8に戻り、ステップS34の擬似データの生成によって、擬似データが存在しない領域がなくなったか否かの判断が行われる(ステップS35)。
データが存在しない領域のうち、擬似データが生成されていない領域が存在する場合には、ステップS35において、「NO」と判断され再度ステップS33に進む。その後、データが存在しない領域の全てに擬似データが出力されるまで、ステップS33〜S35の処理が繰り返される。
【0041】
データが存在しない領域の全てに、擬似データが生成された場合には、ステップS35において「YES」と判断されステップS36に進む。
ステップS36では、ステップ35において擬似データで埋め立てられた、3次元画像のデータが出力される。なお、上述したステップS33〜S36の処理は、図1におけるステップS16の処理に対応する。
【0042】
次に、上述した図8のステップS33の擬似データを算出する際の演算処理について、より詳細に説明する。
ここでは、説明を簡単にするため図9に示すようにX方向に8格子、Y方向に13格子の合計104格子の領域に擬似データを生成する場合について説明する。また、図9に示した領域内に弾性波探査データに対応する初期データとして、5つのデータ(X,Y)=A(3,3)、B(5,3)、C(4,4)、D(3,5)、E(9,6)が与えられている場合について説明する。
【0043】
始めに、上述した「条件1」と「条件2」を設定せずに移動平均アルゴリズムによる演算を行って、図9のデータの存在しない格子に対して擬似データを生成する場合について、図10(a)〜図11(a)を参照して説明する。
この移動平均アルゴリズムでは、「条件1」が設定されていないため、擬似データを算出する際にいずれかの格子に存在するデータを単にコピーする処理が行われる場合がある。また、「条件2」を設定していないため、1回の移動平均アルゴリズムで複数の格子に同じ擬似データを生成する処理が行われる場合がある。以下に、この移動平均アルゴリズムを使用して波動場内挿を行う場合について説明する。
【0044】
図9で与えられている初期データに対して、移動平均アルゴリズムを用いて演算を1回行うと、図10(a)に示す「1世代目」のデータが生成される。
なお、図10(a)のデータ「a」、「b」、「c」、「d」、「e」は、それぞれデータ「A」、「B」、「C」、「D」、「E」の単なるコピーであることを示している。一方、☆印で示さたデータは、異なる2種類以上の格子のデータに基づいて生成されたデータであることを表している。
【0045】
図10(a)に示すデータに基づいて2回目の演算を行うと、図10(b)に示す「2世代目」のデータが生成される。以下、同様にして移動平均アルゴリズムの演算を繰り返すと、「3世代目」(図10(c))、「4世代目」(図10(d))、「5世代目」(図11(a))というように、次第にデータの欠落している格子に擬似データが生成されていく。
従来用いられていた移動平均アルゴリズムを用いると、図11(a)に示すように演算を5回繰り返した「5世代目」において、8格子×13格子の領域は全て擬似データにより埋められる。
【0046】
しかし、「5世代目」のデータは、図11(a)に示すように、もとのデータ「A」の周囲の領域は、データ「A」を単にコピーしたデータである「a」により占有されている。これと同様に、初期データ「B」、「C」、「D」、「E」の周囲の領域についても、データ「B」、「C」、「D」、「E」を単にコピーしたデータである「b」、「c」、「d」、「e」によりそれぞれ占有されている。
【0047】
また、データ「a」、「b」、「c」、「d」、「e」により占有される領域の境界には、2つ以上の入力データに基づいて生成された擬似データであることを示す☆印のデータが存在している。しかし、横方向パターン(X,Y)=(1,4)、(2,4)、(3,4)、上下方向パターン(4,1)、(4,2)、(4,3)、斜め方向パターン(4,6)、(5,5)、(6,4)、(7,3)、(8,2)、(9,1)のように、規則的なパターンが発生しており、質の良いデータが生成されているとはいえない。
【0048】
上述した初期データ「A」、「B」、「C」、「D」、「E」のコピー「a」、「b」、「c」、「d」、「e」が大量に生成されるという問題を解決するために、本実施形態では、移動平均アルゴリズムの演算を行う際に、「条件1」として「擬似データを算出する際に、指定した数以上の入力データを用いること」という条件を設定することとした。
以下の説明では、「条件1」として、より具体的に「擬似データを算出する際に、2つ以上の入力データを用いること」という条件を設定する場合について説明する。
【0049】
図9に示す初期データに対して擬似データを生成する場合について、図12(a)〜図14(c)を参照して説明する。
図9の初期データに対して、移動平均アルゴリズムの演算を1回行うと、図12(a)に示す「1世代目」のデータが生成される。
図12(a)に示した「1世代目」のデータは、図10(a)で説明した従来の移動平均アルゴリズムを使用して作成した「1世代目」のデータと比較しても分かるように、初期データ「A」、「B」、「C」、「D」、「E」の単なるコピーである「a」、「b」、「c」、「d」、「e」は存在しない。
【0050】
図12(a)に示した「1世代目」のデータに基づいて、データの存在しない格子に対して擬似データを生成する移動平均アルゴリズムの演算を繰り返すことにより、「2世代目」(図12(b))、「3世代目」(図12(c))、「4世代目」(図12(d))、「5世代目」(図13(a))、「6世代目」(図13(b))、「7世代目」(図13(c))、「8世代目」(図13(d))、「9世代目」(図14(a))、「10世代目」(図14(b))、「11世代目」(図14(c))というように、8格子×13格子の領域の中のデータが存在しない領域に対して、次第に擬似データが生成されていく。
【0051】
「11世代目」(図14(c))において、8格子×13格子の合計108格子は、初期データと擬似データにより完全に埋められる。この「11世代目」のデータ(図14(c))を、従来の移動平均アルゴリズムを使用して擬似データの生成を行ったデータ(図11(a))と比較すると分かるように、初期データ「A」、「B」、「C」、「D」、「E」以外の格子は全て☆印のデータで埋められており、データが滑らかに変化する質のよいデータが生成されることを示している。
しかし、図14(c)に示すデータでは、初期データ「A」、「B」、「C」、「D」、「E」の単なるコピーである「a」、「b」、「c」、「d」、「e」は存在しないものの、移動平均アルゴリズムにより擬似データを生成する際に、同じデータが複数作成されてしまう可能性がある。
【0052】
例えば、図15に示すように、初期データ「A1」及び「B1」から、データが存在しない領域に移動平均アルゴリズムを使用して擬似データの補間及び補外を行う場合、「条件1」として「擬似データを算出する際に、2つ以上の入力データを用いること」という条件を設定しているため、補間によって生成されるデータ「d1」と、補外によって生成されるデータ「d2」は、初期データ「A1」、「B1」の単なるコピーとなることはない。しかし、1回の移動平均アルゴリズムによって、データ「d3」及び「d4」として、データ「B1」及び「d2」に基づいて擬似データが生成されるため、データ「d3」、「d4」に同じ擬似データが生成される。
なお、図15の移動平均アルゴリズムでは、生成する擬似データと、その擬似データを生成するために使用するデータとの距離を3つ隣りまで許可する場合について説明した。
【0053】
本実施形態の3次元画像生成方法では、「条件1」に加えて、更に「条件2」として「擬似データを出力する点の所定の距離以内に少なくとも1つの入力データが存在すること」という条件を付加することにより、1回の移動平均アルゴリズムの演算で、同じデータが生成されることを防止し、より精度のよい3次元画像を生成することができる。
以下に、より具体的な条件として「擬似データを算出する際に、2つ以上の入力データを用いること」という「条件1」、及び、「擬似データを出力する1格子以内に少なくとも1つの入力データが存在すること」という「条件2」を設定して、移動平均アルゴリズムの演算を行った場合の結果について説明する。
【0054】
図9に示す初期データに対して擬似データを生成する場合について、図16(a)〜図18(d)を参照して説明する。
図9の初期データに対して、移動平均アルゴリズムの演算を1回行うと、図16(a)に示す「1世代目」のデータが得られる。
図16(a)に示した「1世代目」のデータに基づいて、データの存在しない格子に対して擬似データを生成する移動平均アルゴリズムの演算を繰り返すことにより、「2世代目」(図16(b))、「3世代目」(図16(c))、「4世代目」(図16(d))、「5世代目」(図17(a))、「6世代目」(図17(b))、「7世代目」(図17(c))、「8世代目」(図17(d))、「9世代目」(図18(a))、「10世代目」(図18(b))、「11世代目」(図18(c))、「12世代目」(図18(d))というように、8格子×13格子の領域の中のデータが存在しない領域に対して、次第に擬似データが生成されていく。
【0055】
「12世代目」(図18(d))において、8格子×13格子の領域は、初期データと擬似データにより完全に埋められる。この「12世代目」のデータ(図18(d))では、初期データ「A」、「B」、「C」、「D」、「E」以外の格子は全て☆印のデータで埋められており、データが滑らかに変化していることを示している。
また、「条件1」を設定した場合だけだと、図9に示す初期データから、移動平均アルゴリズムによる演算を1回行うと、例えば、初期データ「A」から1格子離れた(X,Y)=(4,3)の格子、及び、初期データ「A」から2格子((X,Y)=(4,3)、(4,2))離れた(X,Y)=(4,2)の格子に対して擬似データが一度に生成されていた。
しかし、「条件2」を付加したことにより、図16(a)に示すように、移動平均アルゴリズムによる演算を1回行うと、初期データ「A」から1格子離れた(X,Y)=(4,3)の格子にのみ擬似データが生成され、初期データ「A」から2格子((X,Y)=(4,3)、(4,2))離れた(X,Y)=(4,2)の格子に対しては擬似データが生成されない。
【0056】
例えば、図19に示すように、初期データ「A2」及び「B2」から、データが存在しない領域に移動平均アルゴリズムを使用して擬似データの補間及び補外を行う場合、「条件1」として「擬似データを算出する際に、2つ以上の入力データを用いること」という条件を設定しているため、補間によって生成されるデータ「d5」と、補外によって生成されるデータ「d6」、「d7」、「d8」は、初期データ「A2」、「B2」の単なるコピーとなることはない。
【0057】
また、「条件2」として「擬似データを出力する1格子以内に少なくとも1つの入力データが存在すること」という条件を設定しているため、1回の移動平均アルゴリズムの演算ごとに、データ「d6」、「d7」、「d8」というように、1格子ずつ擬似データが生成されることになる。
なお、図19の移動平均アルゴリズムでは、生成する擬似データと、その擬似データを生成するために使用するデータとの距離を3つ隣りまで許可する場合について説明した。
上記のように「条件1」及び「条件2」を設定して移動平均アルゴリズムの演算を行うことにより、データの存在しない領域に対して、1格子ずつより滑らかに変化する擬似データを生成することができるので、作成する3次元画像の質を向上させることができる。
【0058】
次に、本発明の実施形態による3次元画像生成方法を使用した場合の効果について説明する。
図20(b)は、地下地質構造の断面図(x−t平面)のデータである。ここで、本実施形態による3次元画像生成方法の効果を確認するために、図20(b)のデータの半分を間引いたデータを図20(a)に示す。このデータの半分が間引かれた断面図のデータ(図20(a))に対して、本実施形態による3次元画像生成方法を適用して、データが欠落している領域に対して擬似データを生成して内挿を行った結果を図20(c)に示す。
【0059】
図20(b)と図20(c)を比較してみると分かるように、データの半分が間引かれた断面図のデータ(図20(a))に対して、本実施形態による3次元画像生成方法を適用して復元した断面図のデータ(図20(c))と、データの半分が間引かれる前の断面図のデータ(図20(b))は、極めて良く一致しており、データの欠落した画像から高い精度で画像を復元することができる。
なお、図20(a)〜(c)では、所定の地点における断面図のデータのみを示したが、実際には紙面に対して手前方向及び奥方向にも断面図のデータが存在しており、このデータを用いることにより3次元画像を生成することができる。
【0060】
一方、図21(b)は、地下地質構造の水平面(x−y平面)のデータである。ここで、本実施形態による3次元画像生成方法の効果を確認するために、図21(b)のデータの半分を間引いたものを図21(a)に示す。このデータの半分が間引かれた水平面のデータ(図21(a))に対して、本実施形態による3次元画像生成方法を適用して、データが欠落している領域に対して擬似データを生成して内挿を行った結果を図21(c)に示す。
図21(b)と図21(c)を比較してみると分かるように、データの半分が間引かれた水平面のデータ(図21(a))に対して、本実施形態による3次元画像生成方法を適用して復元した水平面のデータ(図21(c))と、データの半分が間引かれる前の水平面のデータ(図21(b))は、極めて良く一致しており、データの欠落した画像から高い精度で画像を復元することができる。
【0061】
上述した本発明の実施形態による3次元画像生成方法によれば、不規則性が高く欠落がある3次元データに対して、より精度の高い3次元画像化を行うことが可能となる。また2次元調査に対しても、複数の2次元調査データを包括し、一つの不規則な3次元データとみなすことによって、本実施形態による3次元画像生成方法を用いることが可能であるため、従来の2次元画像より精度の高い地下構造の再現を行うことができる。
【0062】
なお、上述した本発明の実施形態では、図8のステップS33の「波動場内挿」を行う際に、「条件1」として「擬似データを算出する際に、2つ以上の入力データを用いること」という条件を設定する場合について説明したが、これに限定されるものではない。「擬似データを算出する際に、3つ以上の入力データを用いること」を条件とすることも可能である。擬似データを算出する際に、より多くのデータを用いるようにすることにより、3次元画像生成方法により生成される3次元画像の質を向上させることができる。
【0063】
また、上述した本発明の実施形態では、図8のステップS33の「波動場内挿」を行う際に「条件2」として「擬似データを出力する1格子以内に少なくとも1つの入力データが存在すること」という条件を設定する場合について説明したが、これに限定されるものではない。「擬似データを出力するn格子以内(nは2以上の整数)に少なくとも1つの入力データが存在すること」を条件とすることも可能である。nを増加させることにより、生成される擬似データの質は劣化するが、移動平均アルゴリズムの計算速度は向上する。
また、上述したnを√2等とすることにより、擬似データを生成する格子の上下左右の格子との距離だけではなく、斜め方向における格子との距離を考慮するようにしても構わない。
【0064】
なお、以上説明した実施形態において、図1に示したステップS11〜S17、図4に示したステップS21〜S29、図8に示したステップS31〜S36は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、図1に示したステップS11〜S17、図4に示したステップS21〜S29、図8に示したステップS31〜S36は、メモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、これらの機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0065】
また、図1に示したステップS11〜S17、図4に示したステップS21〜S29、図8に示したステップS31〜S36の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより3次元画像の生成を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0066】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0067】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
3次元画像を測定することが困難な地域における地下地質構造を把握するために本発明による3次元画像生成方法及びプログラムを使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態による3次元画像生成方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図2】本実施形態による3次元画像生成装置10の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態によるビンニングによって得られるデータを示した図である。
【図4】本実施形態による「ハイブリッド構造傾斜モデル」の作成の流れを示すフローチャートである。
【図5】本実施形態による「法線ベクトルモデル」の構造を示す図である。
【図6】「法線ベクトル」のx成分、y成分、t成分を図示したデータである。
【図7】「構造傾斜モデル」に法線ベクトルのデータを加える過程を示す図である。
【図8】本実施形態による「波動場内挿」の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】「波動場内挿」を行う領域、及び、初期データを示すデータである。
【図10】「条件1」、「条件2」を設定せずに「波動場内挿」を行った場合の結果を示すデータである。
【図11】「条件1」、「条件2」を設定せずに「波動場内挿」を行った場合の結果を示すデータである。
【図12】「条件1」を設定して「波動場内挿」を行った場合の結果を示すデータである。
【図13】「条件1」を設定して「波動場内挿」を行った場合の結果を示すデータである。
【図14】「条件1」を設定して「波動場内挿」を行った場合の結果を示すデータである。
【図15】「条件1」のみを設定する場合の移動平均アルゴリズムを示す図である。
【図16】「条件1」、「条件2」を設定して「波動場内挿」を行った場合の結果を示すデータである。
【図17】「条件1」、「条件2」を設定して「波動場内挿」を行った場合の結果を示すデータである。
【図18】「条件1」、「条件2」を設定して「波動場内挿」を行った場合の結果を示すデータである。
【図19】「条件1」、「条件2」を設定する場合の移動平均アルゴリズムを示す図である。
【図20】本実施形態による3次元画像生成方法を使用した場合の効果を示す図である。
【図21】本実施形態による3次元画像生成方法を使用した場合の効果を示す図である。
【図22】従来用いられていた3次元画像生成方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】従来、3次元画像化を行う際に使用されていた構造傾斜モデルを示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1・・・データ入力手段
2・・・ビンニング手段
3・・・構造図作成手段
4傾斜読みとり手段
5・・・ハイブリッド構造傾斜モデル構築手段
6・・・波動場内挿手段
7・・・マイグレーション手段
10・・・3次元画像生成装置
S01〜S04・・・従来使用されていた3次元画像を生成する際に行う処理
S11〜S17・・・3次元画像を生成する際に行う処理
S21〜S29・・・構造傾斜モデルを作成する際に行う処理
S31〜S36・・・波動場内挿入の処理の際に行う処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元又は3次元の弾性波探査データを入力する第1のステップと、
前記第1のステップで入力した2次元又は3次元の弾性波探査データを3次元空間上に配列することによりビンニングを行う第2のステップと、
前記第2のステップでビンニングを行ったデータに基づいて、構造解釈を行うことにより構造図を作成する第3のステップと、
前記第2のステップでビンニングを行ったデータに基づいて、傾斜読みとりを行う第4のステップと、
前記第3のステップで作成した構造図、及び、前記第4のステップで読みとった傾斜のデータに基づいて、ハイブリッド構造傾斜モデルを構築する第5のステップと、
前記第2のステップでビンニングを行ったデータと、前記第5のステップで作成したハイブリッド構造傾斜モデルに基づいて、データの欠落している領域に対して移動平均アルゴリズムを使用して擬似データを生成することにより波動場内挿を行う第6のステップと、
前記第6のステップにおいて波動場内挿を行うことにより得られたデータを3次元画像化することによりマイグレーションを行う第7のステップと、
を有することを特徴とする3次元画像生成方法。
【請求項2】
前記第6のステップにおける波動場内挿を行う際の移動平均アルゴリズムの演算において、擬似データを算出する際に、指定した数以上の入力データを用いることを条件として設定することを特徴とする請求項1に記載の3次元画像生成方法。
【請求項3】
前記第6のステップにおける波動場内挿を行う際の移動平均アルゴリズムの演算において、擬似データを出力する点の所定の距離以内に少なくとも1つの入力データが存在することを条件として設定することを特徴とする請求項2に記載の3次元画像生成方法。
【請求項4】
前記所定の距離を、1格子とすることにより前記移動平均アルゴリズムの演算を行うことを特徴とする請求項3に記載の3次元画像生成方法。
【請求項5】
2次元又は3次元の弾性波探査データを入力する第1のステップと、
前記第1のステップで入力した2次元又は3次元の弾性波探査データを3次元空間上に配列することによりビンニングを行う第2のステップと、
前記第2のステップでビンニングを行ったデータに基づいて、構造解釈を行うことにより構造図を作成する第3のステップと、
前記第2のステップでビンニングを行ったデータに基づいて、傾斜読みとりを行う第4のステップと、
前記第3のステップで作成した構造図、及び、前記第4のステップで読みとった傾斜のデータに基づいて、ハイブリッド構造傾斜モデルを構築する第5のステップと、
前記第2のステップでビンニングを行ったデータと、前記第5のステップで作成したハイブリッド構造傾斜モデルに基づいて、データの欠落している領域に対して移動平均アルゴリズムを使用して擬似データを生成することにより波動場内挿を行う第6のステップと、
前記第6のステップにおいて波動場内挿を行うことにより得られたデータを3次元画像化することによりマイグレーションを行う第7のステップと、
をコンピュータに実行させるための3次元画像生成プログラム。
【請求項6】
前記第6のステップにおける波動場内挿を行う際の移動平均アルゴリズムの演算において、擬似データを算出する際に、指定した数以上の入力データを用いることを条件として設定することを特徴とする請求項5に記載の3次元画像生成プログラム。
【請求項7】
前記第6のステップにおける波動場内挿を行う際の移動平均アルゴリズムの演算において、擬似データを出力する点の所定の距離以内に少なくとも1つの入力データが存在することを条件として設定することを特徴とする請求項6に記載の3次元画像生成プログラム。
【請求項8】
前記所定の距離を、1格子とすることにより前記移動平均アルゴリズムの演算を行うことを特徴とする請求項7に記載の3次元画像生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−106856(P2006−106856A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288888(P2004−288888)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(591090736)石油資源開発株式会社 (70)
【Fターム(参考)】