説明

3D表示処理システム

【課題】3D表示処理システムにおいて、操作者を含む観察者が、レーザポインタ像を立体視し、さらに操作者が、立体視されたレーザポインタ像の3次元的な位置を変更すること。
【解決手段】3D表示処理システム1は、レーザ光を発光するレーザポインタ装置10と、被検体像を含むボリュームデータに対して複数の異なる視線方向に対応するレンダリング処理を行なって複数の基準画像を生成する基準画像生成部42と、レーザ光と3D表示装置30との接触位置を取得する接触位置取得部43と、取得された接触位置に基づいて、擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報を算出する位置情報演算部44と、複数の基準画像を立体視可能に表示する3D表示装置30と、擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報に基づいて、複数の基準画像の各基準画像に含まれる被検体像に、擬似レーザポインタ像を重畳して複数の重畳画像を生成する重畳画像生成部45と、を有する。3D表示装置30は、複数の重畳画像を立体視可能に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様としての実施形態は、多視差画像を用いて3D表示(3次元表示、立体表示)を行なう場合に適用される3D表示処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを用いたプレゼンテーションや講演が行なわれている。プレゼンテーションでは、コンピュータの画像データを表示装置に表示したり、プロジェクタによってスクリーン上に投影したりして、表示または投影された画像を用いて説明を行なっている。
【0003】
プレゼンテーションにおいて、レーザビーム等の光を用いたレーザポインタによってスクリーン上の位置を指示するものが示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
今日、多視差画像(例えば、9視差画像)を用いて3D表示を行なう技術が開発されている。3D表示を行なう技術では、裸眼式(パララックスバリア方式及びレンチキュラーレンズ方式等)や、眼鏡式(アナグリフ方式、フレームシーケンシャル方式、及び偏光方式等)が採用される。
【0005】
裸眼式では、レンチキュラーレンズ等の光線制御子を用いて、複数視点で撮影された多視差画像を裸眼にて立体視可能なシステムが実用化されている。眼鏡式では、立体視用眼鏡等の専用機器を用いて、2つの視点から撮影された2視差画像(両眼視差画像)を立体視可能なシステムが実用化されている。なお、立体視可能な3D表示装置にて表示される2視差画像や9視差画像は、1視点から撮影された画像の奥行き情報を推定し、推定した情報を用いた画像処理により生成される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−163922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
裸眼式を採用して3D表示を行なう場合、3D表示用の表示装置が必要である。そして、表示装置に向かってレーザポインタ装置からレーザ光を発光すると、表示装置の表示面に直接にレーザポインタが表示されてしまうという問題がある。表示装置によって表示される多視差画像はレーザポインタ装置の操作者には3Dとして見えているので、操作者は、ポインタを、見えている3D上の点に合わせたくても、3D上の点に合わせることはできない。従来のレーザポインタ装置では、奥行方向(表示装置の垂線方向)は表現できず、2Dでしか表現できないためである。
【0008】
また、眼鏡式を採用して3D表示を行なう場合も同様に、表示装置またはスクリーンに向かってレーザポインタ装置からレーザ光を発光すると、表示装置またはスクリーンの表示面に直接にレーザポインタが表示されてしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態の3D表示処理システムは、上述した課題を解決するために、レーザ光を発光するレーザ光発光手段と、被検体像を含むボリュームデータに対して複数の異なる視線方向に対応するレンダリング処理を行なって複数の画像データを生成する画像生成手段と、前記レーザ光と表示手段との接触位置を取得する接触位置取得手段と、前記取得された接触位置に基づいて、擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報を算出する位置情報演算手段と、前記複数の画像データを立体視可能に表示する表示手段と、を有し、前記画像生成手段は、前記擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報に基づいて、前記複数の画像データの各画像データに含まれる前記被検体像に、前記擬似レーザポインタ像を重畳して複数の重畳画像データを生成し、前記表示手段は、前記複数の重畳画像データを立体視可能に表示するように構成された。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態の3D表示処理システムを示す概略図。
【図2】第1実施形態の3D表示処理システムに備えるレーザポインタ装置の構造を示す概略図。
【図3】(a)は、第1実施形態の3D表示処理システムに備える3D表示装置の構造を示す概略図、(b)は、(a)に示すI−I断面図。
【図4】(a)乃至(h)は、複数配置される光センサの配置例を示す上面図。
【図5】第1実施形態の3D表示処理システムの構成を示すブロック図。
【図6】第1実施形態の3D表示処理システムの機能を示すブロック図。
【図7】擬似レーザポインタ像の位置を説明するための図。
【図8】重畳された擬似レーザポインタ像の位置変更を説明するための図。
【図9】第2実施形態の3D表示処理システムを示す概略図。
【図10】第2実施形態の3D表示処理システムの構成を示すブロック図。
【図11】第2実施形態の3D表示処理システムの機能を示すブロック図。
【図12】擬似レーザポインタ像の位置を説明するための図。
【図13】重畳された擬似レーザポインタ像の位置変更を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態の3D表示処理システムについて、添付図面を参照して説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の3D表示処理システムを示す概略図である。
【0013】
図1は、第1実施形態の3D表示処理システム1を示す。3D表示処理システム1は、光線制御子を用いることで、多視差画像、例えば、9視差画像を観察者が裸眼にて立体視可能である構成である。3D表示処理システム1は、両眼視差による立体視を可能とし、さらに、観察者の視点移動に合わせて観察される映像も変化する運動視差による立体視も可能である。3D表示処理システム1は、レーザポインタ装置10、画像処理装置20、及び3D表示装置30を備える。
【0014】
レーザポインタ装置10は、画像処理装置20との間で相互に通信(例えば、(例えば、bluetoothに代表される無線通信)可能なように構成される。画像処理装置20は、3D表示装置30との間で相互に通信可能なように構成される。
【0015】
図2は、第1実施形態の3D表示処理システム1に備えるレーザポインタ装置10の構造を示す概略図である。
【0016】
図2に示すレーザポインタ装置10は、発光操作部(ボタン)11、レーザ光源12、奥行操作部(ホイール)13、及びデータ送信部14を備える。
【0017】
発光操作部11は、レーザポインタ装置10の本体に対して方向vに押圧・押圧解除が可能な構造を有する。
【0018】
レーザ光源12は、発光操作部11の操作者によって発光操作部11が押圧されている間のみ、レーザ光を発光する。または、レーザ光源12は、操作者によって発光操作部11が押圧・押圧解除されるとレーザ光の発光を開始し、再び操作者によって発光操作部11が押圧・押圧解除されるとレーザ光の発光を終了する。レーザ光源12は、レーザ光として、操作者を含む3D表示装置30の観察者が視認できない波長の光、例えば紫外線または赤外線を発光する構成とすることが好適である。
【0019】
奥行操作部13は、レーザポインタ装置10の本体に対して回転方向rに回動可能な構造を有する。なお、発光操作部11及び奥行操作部13は、一体の構造であってもよい。
【0020】
データ送信部14は、操作者によって奥行操作部13が回転方向rに回転されると、その回転量に相当するデータをデジタル変換して無線または有線で画像処理装置20に送信する。
【0021】
図3(a)は、第1実施形態の3D表示処理システム1に備える3D表示装置30の構造を示す概略図である。図3(b)は、図3(a)に示すI−I断面図である。
【0022】
図3(a),(b)に示す3D表示装置30は、画像の表示に加え、外光の照度を検知することが可能なディスプレイ、例えば液晶ディスプレイである。3D表示装置30は、バックライト31、液晶パネル(液晶シャッタ)32、及び凸レンズアレイ(光線制御子)33を備える。なお、3D表示装置30は、液晶ディスプレイに限定されるものではなく、有機EL(electro luminescence)ディスプレイや、プラズマディスプレイ等であってもよい。
【0023】
3D表示装置30のバックライト31は、複数の白色LED(light emitting diode)を含んでおり、液晶パネル32の背面に配置される。バックライト31は、バックライト駆動回路34(図5に図示)から電源電圧が印加されると点灯し、液晶パネル32に光を照明する。なお、バックライト31は、白色LEDに限定されるものではなく、他の色のLEDを含んでいてもよい。また、バックライト31は、LEDに代えて、例えば、冷陰極管(CCFL:cold cathode fluorescent lamp)を含むものであってもよい。
【0024】
液晶パネル32は、液晶パネル32の水平方向(x方向)及び上下方向(y方向)にマトリクス状に複数備えられるピクセルPを有する。ピクセルPは、偏光板Pa、ガラス基板Pb、画素電極(透明導電膜)Pc、配向膜Pd、液晶Pe、対向電極(透明導電膜)Pf、カラーフィルタPg、及び光センサPhを備える。
【0025】
ピクセルPには、液晶パネル32のx方向に、複数の異なる視線方向、例えば9個の視線方向に相当する絵素が配列される。絵素には、絵素の配列方向に垂直な方向であるy方向に、R(red)、G(green)及びB(blue)の各カラーフィルタPgが配列されることで、RGBの各画素が形成される。なお、絵素の配列方向は、液晶パネル32のx方向に限定されるものではない。また、RGBの表面(xy面)形状は、長方形に限定されるのもではない。例えば、RBの表面形状が右(または左)に傾斜した平行四辺形であり、かつ、Gの表面形状が逆に左(または右)に傾斜した平行四辺形であってもよい。
【0026】
偏光板Paは、ガラス基板Pb上に設けられ、バックライト31からの光のうち特定方向の光のみを通過させる機能を有する。
【0027】
画素電極Pcは、ガラス基板Pb上に設けられる。画素電極Pcは、液晶Peを挟む電極のうちTFT(thin film transistor)側に設けている、画素を構成する電極である。
【0028】
配向膜Pdは、電極Pc,Pf上にそれぞれ設けられ、液晶分子を特定方向に整列させる機能を有する。
【0029】
液晶Peは、外部電圧が印加されると、分子配列の並び方が変わる機能を有する。
【0030】
対向電極Pfは、ガラス基板Pb上に設けられる。対向電極Pfは、液晶Peを挟む電極のうちTFTに対向する側に設けている電極である。
【0031】
カラーフィルタPgは、TFTに対向する側のガラス基板Pb上に設けられ、各画素に対して、各RGBが配列される。
【0032】
光センサPhは、液晶パネル32のx方向及びy方向に複数配置される。光センサPhは、外光の照度を検知することが可能である。複数の光センサPhのうち特定の光センサ(1つの光センサまたは光センサ群)Ph´のみがレーザ光を検知することで、複数の光センサPhは、レーザ光と液晶パネル32との接触位置を取得する接触位置取得手段として機能する。複数の光センサPhによって取得された接触位置のデータはデジタル変換され、画像処理装置20に送られる。光センサPhは、レーザポインタ装置10のレーザ光源12から発光されるレーザ光の径や、液晶パネル32に対して通常用いられる、レーザ光の軌道角度(照射角度)を考慮して、液晶パネル32に向かって発光されたレーザ光が特定の光センサPh´で検知可能なように配置されることが好適である。
【0033】
図4(a)乃至図4(f)は、複数配置される光センサPhの配置例を示す上面(x−y平面)図である。
【0034】
図4(a)乃至図4(f)に示すように、液晶パネル32を構成する複数のピクセルPの全面または一部面に、光センサPhが配置される。図4(a)及び図4(b)に示す光センサPhの配置例は、1つのピクセルPに対して1つの光センサPhを配置する場合を示している。図4(c)に示す光センサPhの配置例は、2つのピクセルPに対して1つの光センサPhを配置する場合を示している。図4(d)に示す光センサPhの配置例は、4つのピクセルPに対して1つの光センサPhを配置する場合を示している。図4(e)及び図4(f)に示す光センサPhの配置例は、1つのピクセルPに対して2つの光センサPhを配置する場合を示している。なお、光センサPhのサイズは任意に変更できる。図3に示す3D表示装置30の構造は、図4(a)に基づくものである。
【0035】
図3(a),(b)に示す3D表示装置30の凸レンズアレイ33は、液晶パネル32の前面に備えられる。凸レンズアレイ33は、例えば、絵素の配列方向に垂直なy方向を軸とするレンチキュラーレンズ(かまぼこ型レンズ)が、絵素の配列方向であるx方向に複数配置されるレンチキュラーレンズアレイである。なお、図示しないが、凸レンズアレイ33は、ピクセルP毎に割り当てられたフライアイレンズ(蝿の目レンズ)を複数のピクセルPの分配列したフライアイレンズアレイであってもよい。
【0036】
図5は、第1実施形態の3D表示処理システム1の構成を示すブロック図である。
【0037】
図5に示す3D表示処理システム1のレーザポインタ装置10は、図2を用いて説明したように、発光操作部11、レーザ光源12、奥行操作部13、及びデータ送信部14を備える。
【0038】
画像処理装置20は、処理部(CPU)21、メモリ22、HDD(hard disk drive)23、IF(interface)24、入力部25、データ受信部26等の基本的なハードウェアから構成される。処理部21は、共通信号伝送路としてのバスを介して、画像処理装置20を構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。なお、画像処理装置20は、図示しない記憶媒体ドライブを具備する場合もある。
【0039】
処理部21は、半導体で構成された電子回路が複数の端子を持つパッケージに封入されている集積回路(LSI)の構成をもつ制御装置である。操作者によって入力部25が操作等されることにより指令が入力されると、処理部21は、メモリ22に記憶しているプログラムを実行する。または、処理部21は、HDD23に記憶しているプログラム、ネットワークNから転送されてHDD23にインストールされたプログラム、または記憶媒体ドライブに装着された記憶媒体から読み出されてHDD23にインストールされたプログラムを、メモリ22にロードして実行する。
【0040】
メモリ22は、ROM(read only memory)及びRAM(random access memory)等の要素を兼ね備える構成をもつ記憶装置である。メモリ22は、IPL(initial program loading)、BIOS(basic input/output system)及びデータを記憶したり、処理部21のワークメモリやデータの一時的な記憶に用いられたりする。
【0041】
HDD23は、磁性体を塗布または蒸着した金属のディスクが着脱不能で内蔵されている構成をもつ記憶装置である。HDD23は、画像処理装置20にインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(operating system)等も含まれる)や、データを記憶する記憶装置である。また、OSに、操作者に対する情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力部25によって行なうことができるGUI(graphical user interface)を提供させることもできる。
【0042】
IF24は、パラレル接続仕様やシリアル接続仕様に合わせたコネクタによって構成され、各規格に応じた通信制御を行なう。IF24は、ネットワークNに接続することができる機能を有しており、これにより、画像処理装置20は、IF24からネットワークN網に接続することができる。
【0043】
入力部25は、操作者によって操作が可能なポインティングデバイスであり、操作に従った入力信号が処理部21に送られる。
【0044】
データ受信部26は、レーザポインタ装置10のデータ送信部14から送信される回転量(変更量)データを受信する。
【0045】
3D表示装置30は、図3及び図4を用いて説明したように、バックライト31、液晶パネル32、及び凸レンズアレイ33を備える。また、3D表示装置30は、バックライト駆動回路34、液晶パネル駆動回路35、光センサ駆動回路36、信号変換回路37、及び制御部38を備える。
【0046】
バックライト駆動回路34は、制御部38による制御に従ってバックライト31に電圧を印加してバックライト31を駆動させる。
【0047】
液晶パネル駆動回路35は、制御部38による制御に従って液晶パネル32のピクセルPの画素回路を駆動させる。
【0048】
光センサ駆動回路36は、制御部38による制御に従って液晶パネル32の光センサPhに電圧を印加して光センサPhを駆動させる。
【0049】
信号変換回路37は、光センサPhから出力されるセンサ出力信号をデジタル信号に変換し、変換後のセンサ出力信号を制御部38に送る。
【0050】
制御部38は、画像処理装置20の処理部21からの指示に従ってバックライト駆動回路34、液晶パネル駆動回路35、及び光センサ駆動回路36を制御する。また、制御部38は、信号変換回路37から受信したセンサ出力信号に基づいてレーザ光と液晶パネル32との接触位置を接触位置データとして取得して、接触位置データを処理部21に送信する。
【0051】
図6は、第1実施形態の3D表示処理システム1の機能を示すブロック図である。
【0052】
図5に示す処理部21がプログラムを実行することによって、図6に示すように、3D表示処理システム1の画像処理装置20は、ボリュームデータ取得部41、基準画像生成部42、接触位置取得部43、位置情報演算部44、重畳画像生成部45、及び変更量取得部46として機能する。なお、画像処理装置20は、各部41乃至46の全部または一部をハードウェアとして備えるものであってもよい。
【0053】
ボリュームデータ取得部41は、HDD23等の記憶装置に記憶された、被検体像を含むボリュームデータを取得する機能を有する。なお、ボリュームデータ取得部41は、外部からネットワークNを介して受信したボリュームデータを取得してもよい。例えば、ボリュームデータは、超音波診断装置、X線CT(computed tomography)装置、MRI(magnetic resonance imaging)装置、及び核医学診断装置等によって生成される。
【0054】
基準画像生成部42は、ボリュームデータ取得部41によって取得されたボリュームデータに対して複数の異なる視線方向、例えば9個の視線方向に対応するレンダリング処理を行なって9個の視線方向に対応する基準画像(9視差画像)をデータとして生成する機能を有する。9個の基準画像は、データ信号として3D表示装置30の制御部38に送られる。9個の基準画像のデータ信号は、液晶パネル駆動回路35を介して、液晶パネル32のピクセルPを構成する9個の絵素に、視線の順にそれぞれ同時に割り当てられて表示される。基準画像は、サーフェイスレンダリング(surface rendering)処理や、ボリュームレンダリング(volume rendering)処理によって得られる。
【0055】
なお、液晶パネル32のピクセルPを構成する絵素の数と、基準画像の視線方向の数とが同一となるような構成について説明したが、ピクセルPを構成する絵素の数が、基準画像の視線方向の数以上となるような構成であればよい。例えば、3個の基準画像を表示するために、ピクセルPを9個の絵素によって構成する場合、左端の視線方向の基準画像をピクセルPの右端の3絵素に割り当て、中央の視線方向の基準画像をピクセルPの中央の3絵素に割り当て、右端の視線方向の基準画像をピクセルPの左端の3絵素に割り当てる。また、複数の視線方向に対応する基準画像の各基準画像に割り当てられる絵素の数が異なっていてもよい。
【0056】
基準画像生成部42によって生成された9個の基準画像を3D表示装置30によって表示させると、被検体像が3D表示される。操作者を含む観察者の右目及び左目に3D表示装置30から入射する光は、3D表示装置30に対する観察者の観察方向(観察角度)に連動して変化する。すなわち、3D表示装置30に対する観察者の観察方向により、観察者の右目に入射する画像(画像群)と左目に入射する画像(画像群)とはレンダリングの視線方向が異なる。これにより、観察者は、被検体像を立体視できる。
【0057】
接触位置取得部43は、3D表示装置30の制御部38から送信された接触位置データを取得する機能を有する。
【0058】
位置情報演算部44は、接触位置取得部43によって取得された接触位置に基づいて、擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報を算出する機能を有する。位置情報演算部44は、9個の視線方向の中心視線方向に直交する投影面上に、接触位置取得部43によって取得された接触位置に対応する位置としての投影面上位置を設定し、被検体像の表面全体から、中心視線方向及び投影面上位置に基づいて表面部分の3次元的な位置情報を算出する。
【0059】
図7は、擬似レーザポインタ像の位置を説明するための図である。
【0060】
図7は、ボリュームデータV0と、9個の視線方向の中心視線方向の線Lに直交する投影面とを示す。投影面は、液晶パネル32に相当する。図7に示すボリュームデータV0は、接触位置に対応する投影面上の位置としての投影面上位置Tを含むy−z断面及びx−z断面として示されている。なお、投影面に直交する中心視線方向の線Lは、液晶パネル32に直交するz方向に等しい。
【0061】
接触位置取得部43によって接触位置データが取得されると、位置情報演算部44は、ボリュームデータV0を構成する複数のボクセルのうち、投影面上位置Tを通る中心視線方向の線L上であって、被検体像Oの表面部分を含むボクセル(または当該ボクセル及びその隣接ボクセルを含むボクセル群)を演算する。例えば、位置情報演算部44は、投影面上位置Tから最も離れた表面部分を含むボクセルI[x0,y0,z0]を演算する。
【0062】
図6に示す重畳画像生成部45は、位置情報演算部44によって算出された、擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報に基づいて、9個の基準画像の各基準画像に含まれる被検体像に擬似レーザポインタ像を重畳して、9個の視線方向に対応する重畳画像(レンダリング画像)をデータとして生成する機能を有する。例えば、重畳画像生成部45は、ボリュームデータに含まれる被検体像の表面部分に擬似レーザポインタ像を重畳し、擬似レーザポインタ像が重畳されたボリュームデータに対して9個の視線方向に対応するレンダリング処理を行なって9個の重畳画像を生成する。例えば、重畳画像生成部45は、図7に示すボクセルI[x0,y0,z0]のボクセル値を置換して、ボクセルI[x0,y0,z0]に擬似レーザポインタ像を重畳する。
【0063】
重畳画像生成部45によって生成された9個の重畳画像を3D表示装置30によって表示させると、操作者を含む観察者は、立体視された被検体像の表面部分に、擬似レーザポインタ像を立体視できる。観察者の右目及び左目に3D表示装置30から入射する光は、3D表示装置30に対する観察者の観察方向に連動して変化する。これにより、観察者は、被検体像及び擬似レーザポインタ像を立体視できる。
【0064】
続いて、変更量取得部46は、データ受信部26を介してレーザポインタ装置10のデータ送信部14から受信された回転量データを、擬似レーザポインタ像の重畳位置の変更量データとして取得する機能を有する。
【0065】
位置情報演算部44は、変更量取得部46によって取得された変更量データに基づいて、9個の視線方向の重畳画像に重畳された擬似レーザポインタ像の重畳位置をそれぞれ変更し、変更後の擬似レーザポインタ像を重畳した9個の視線方向の重畳画像を生成する機能を有する。例えば、位置情報演算部44は、擬似レーザポインタ像が重畳されたボリュームデータ上で、擬似レーザポインタ像の重畳位置を、変更量データの変更量に応じて中心視線方向の線L上で変更する。
【0066】
図8は、重畳された擬似レーザポインタ像の位置変更を説明するための図である。
【0067】
図8は、擬似レーザポインタ像が重畳されたボリュームデータV1と、9個の視線方向の中心視線方向の線Lに直交する投影面とを示す。投影面は、液晶パネル32に相当する。図8に示すボリュームデータV1は、接触位置に対応する投影面上の位置としての投影面上位置Tを含むy−z断面及びx−z断面として示されている。なお、投影面に直交する中心視線方向の線Lは、液晶パネル32に直交するz方向に等しい。
【0068】
変更量取得部46によって変更量データが取得されると、位置情報演算部44は、変更量データの変更量に応じて中心視線方向の線L上で、擬似レーザポインタ像のボクセルI[x0,y0,z0]を、ボクセル(または当該ボクセル及びその隣接ボクセルを含むボクセル群)J[x0,y0,z1]に変更する。
【0069】
図6に示す重畳画像生成部45は、位置情報演算部44によって算出された、重畳位置変更後の擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報に基づいて、9個の基準画像の各基準画像に含まれる被検体像に擬似レーザポインタ像を重畳して、9個の視線方向に対応する重畳画像をデータとして生成する機能を有する。例えば、重畳画像生成部45は、図8に示すボクセルI[x0,y0,z0]のボクセル値を元に戻し、ボクセルJ[x0,y0,z1]のボクセル値を置換して、ボクセルJ[x0,y0,z1]に擬似レーザポインタ像を重畳する。
【0070】
なお、現在の投影面上位置Tにおいて、擬似レーザポインタ像の重畳位置をz方向に変更させる意図でレーザポインタ装置10の奥行操作部13を操作する際、レーザ光が揺れ、現在の投影面上位置Tがx−y平面上で移動してしまうことがある。その場合、擬似レーザポインタ像がx−y平面上で意図に反して変更されてしまう。そこで、レーザポインタ装置10の奥行操作部13を操作する際は、投影面上位置Tのx−y平面上の移動が所定距離以内である場合は、投影面上位置Tはx−y平面上で移動していないと判断する構成とすることができる。または、レーザポインタ装置10の奥行操作部13を操作する際は、予め投影面上位置Tをロックする構成とすることができる。
【0071】
また、位置情報演算部44は、変更量取得部46によって更なる変更量データが取得されると、更なる変更量に応じて中心視線方向の線L上で、擬似レーザポインタ像のボクセルJ[x0,y0,z1]を変更する。この場合、回転方向r(図2に図示)の向きに従って、擬似レーザポインタ像の変更の向きが投影面側か、その逆側かに決まる。よって、レーザポインタ装置10の奥行操作部13による、擬似レーザポインタ像のz方向の移動指示に連動して、立体視される擬似レーザポインタ像の重畳位置がz方向に変更される。
【0072】
なお、第1実施形態の3D表示処理システム1において、レンチキュラーレンズ方式の裸眼式を採用する構成について説明した。しかし、3D表示処理システム1は、その場合に限定するものではなく、パララックスバリア方式の裸眼式を採用する構成であってもよい。また、第1実施形態の3D表示処理システム1の技術思想は、レーザ光と3D表示装置30との接触位置を取得する手段と、取得された接触位置に基づいて、擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報を算出する手段とさえ備えれば、眼鏡式(アナグリフ方式、フレームシーケンシャル方式、及び偏光方式等)を採用する構成にも応用できる。第1実施形態の3D表示処理システム1の技術思想を、眼鏡式を採用する構成に応用する場合、表示手段としてのスクリーンに重畳画像を投影することもできる。
【0073】
第1実施形態の3D表示処理システム1によると、操作者を含む観察者は、レーザポインタ像を立体視でき、さらに操作者は、立体視されたレーザポインタ像の3次元的な位置を変更することができる。
【0074】
(第2実施形態)
第2実施形態の3D表示処理システム1Aにおいて、図1乃至図6に示す3D表示処理システム1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0075】
図9は、第2実施形態の3D表示処理システムを示す概略図である。
【0076】
図9は、第2実施形態の3D表示処理システム1Aを示す。3D表示処理システム1Aは、レーザポインタ装置10、画像処理装置20A、3D表示装置30、及び発光位置検知装置60を備える。
【0077】
レーザポインタ装置10は、画像処理装置20Aとの間で相互に通信(例えば、無線通信)可能なように構成される。画像処理装置20Aは、3D表示装置30との間で相互に通信可能なように構成される。
【0078】
図10は、第2実施形態の3D表示処理システム1Aの構成を示すブロック図である。
【0079】
図10に示す発光位置検知装置60は、例えば画像センサ61及びデータ送信部62を備える。なお、発光位置検知装置60は、レーザ光の発光位置を検知する機能と、発光位置を画像処理装置20Aに送信する機能を有していればよい。例えば、発光位置検知装置60は、GPS(global positioning system)によってレーザ光の発光位置を検知するものであってもよい。また、発光位置検知装置60が光または磁気を用いた位置センサ、及びジャイロ式の角度センサを含み、その発光位置検知装置60をレーザポインタ装置10に備える構成であってもよい。
【0080】
画像センサ61は、3D表示装置30の前面を撮像して画像データを取得し、その画像データを、パターンマッチング等を利用して解析して3D表示装置30の前面のレーザポインタ装置10またはそれを操作する操作者の位置を発光位置データとして検知する。
【0081】
データ送信部62は、画像センサ61によって検知された発光位置データをデジタル変換して無線または有線で画像処理装置20Aに送信する。
【0082】
画像処理装置20Aの処理部21Aは、処理部21と同様の構成を有する。操作者によって入力部25が操作等されることにより指令が入力されると、処理部21Aは、メモリ22に記憶しているプログラムを実行する。または、処理部21Aは、HDD23に記憶しているプログラム、ネットワークNから転送されてHDD23にインストールされたプログラム、または記憶媒体ドライブに装着された記憶媒体から読み出されてHDD23にインストールされたプログラムを、メモリ22にロードして実行する。
【0083】
データ受信部26Aは、発光位置検知装置60のデータ送信部62から送信される発光位置データを受信する。
【0084】
図11は、第2実施形態の3D表示処理システム1Aの機能を示すブロック図である。
【0085】
図10に示す処理部21Aがプログラムを実行することによって、図11に示すように、3D表示処理システム1Aの画像処理装置20Aは、ボリュームデータ取得部41、基準画像生成部42、接触位置取得部43、位置情報演算部44A、重畳画像生成部45A、変更量取得部46、発光位置取得部47、及び軌道演算部48として機能する。なお、画像処理装置20Aは、各部41乃至48の全部または一部をハードウェアとして備えるものであってもよい。なお、図10に示す3D表示処理システム1Aにおいて、図6に示す3D表示処理システム1と同一機能には同一符号を付して説明を省略する。
【0086】
発光位置取得部47は、データ受信部26Aを介して発光位置検知装置60のデータ送信部62から受信された発光位置データを取得する機能を有する。
【0087】
軌道演算部48は、接触位置取得部43によって取得された接触位置と、発光位置取得部47によって取得された発光位置に基づいて、レーザ光の軌道を軌道データとして算出する機能を有する。軌道演算部48は、9個の視線方向の中心視線方向に直交する投影面上に、接触位置取得部43によって取得された接触位置に対応する位置としての投影面上位置を設定し、投影面上位置と、発光位置取得部47によって取得された発光位置データとに基づいて、レーザ光の軌道を軌道データとして算出する。
【0088】
位置情報演算部44Aは、軌道演算部48によって算出された軌道データに基づいて、擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報を算出する機能を有する。例えば、位置情報演算部44Aは、被検体像の表面全体から、レーザ光の軌道に基づいて表面部分の3次元的な位置情報を算出する。
【0089】
図12は、擬似レーザポインタ像の位置を説明するための図である。
【0090】
図12は、ボリュームデータV0と、9個の視線方向の中心視線方向の線Lに直交する投影面とを示す。投影面は、液晶パネル32に相当する。図12に示すボリュームデータV0は、接触位置に対応する投影面上の位置としての投影面上位置Tを含むy−z断面及びx−z断面として示されている。なお、投影面に直交する中心視線方向の線Lは、液晶パネル32に直交するz方向に等しい。
【0091】
軌道演算部48によって軌道データが算出されると、位置情報演算部44Aは、ボリュームデータV0を構成する複数のボクセルのうち、投影面上位置T及び発光位置Qに基づくレーザ光の軌道R上であって、被検体像Oの表面部分を含むボクセル(または当該ボクセル及びその隣接ボクセルを含むボクセル群)を演算する。例えば、位置情報演算部44Aは、投影面上位置Tから最も離れた表面部分を含むボクセルK[x0,y0,z0]を演算する。
【0092】
図11に示す重畳画像生成部45Aは、位置情報演算部44Aによって算出された、擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報に基づいて、9個の基準画像の各基準画像に含まれる被検体像に擬似レーザポインタ像を重畳して、9個の視線方向に対応する重畳画像をデータとして生成する機能を有する。例えば、重畳画像生成部45Aは、ボリュームデータに含まれる被検体像の表面部分に擬似レーザポインタ像を重畳し、擬似レーザポインタ像が重畳されたボリュームデータに対して9個の視線方向に対応するレンダリング処理を行なって9個の重畳画像を生成する。例えば、重畳画像生成部45Aは、図12に示すボクセルK[x0,y0,z0]のボクセル値を置換して、ボクセルK[x0,y0,z0]に擬似レーザポインタ像を重畳する。
【0093】
第1実施形態の3D表示処理システム1では、光レーザの軌道Rに関わりなく中心視線方向の線L上のボクセルに擬似レーザポインタ像が重畳される。第1実施形態の3D表示処理システム1では、3D表示装置30に対する光レーザの入射角度が0度以外の場合、立体視された被検体像Oの、レーザポインタ装置10の操作者が意図する場所に近い表面部分に、擬似レーザポインタ像が立体視されるにすぎない。一方、第2実施形態の3D表示処理システム1Aでは、光レーザの軌道R上のボクセルに擬似レーザポインタ像が重畳される。
【0094】
重畳画像生成部45Aによって生成された9個の重畳画像を3D表示装置30によって表示させると、操作者を含む観察者は、立体視された被検体像の表面部分に、擬似レーザポインタ像を立体視できる。観察者の右目及び左目に3D表示装置30から入射する光は、3D表示装置30に対する観察者の観察方向に連動して変化する。これにより、観察者は、被検体像及び擬似レーザポインタ像を立体視できる。
【0095】
続いて、位置情報演算部44Aは、変更量取得部46によって取得された変更量データに基づいて、9個の視線方向の重畳画像に重畳された擬似レーザポインタ像の重畳位置をそれぞれ変更し、変更後の擬似レーザポインタ像を重畳した9個の視線方向の重畳画像を生成する機能を有する。例えば、位置情報演算部44Aは、擬似レーザポインタ像が重畳されたボリュームデータ上で、擬似レーザポインタ像の重畳位置を、変更量データの変更量に応じてレーザ光の軌道R上で変更する。
【0096】
図13は、重畳された擬似レーザポインタ像の位置変更を説明するための図である。
【0097】
図13は、擬似レーザポインタ像が重畳されたボリュームデータV1と、9個の視線方向の中心視線方向の線Lに直交する投影面とを示す。投影面は、液晶パネル32に相当する。図13に示すボリュームデータV1は、接触位置に対応する投影面上の位置としての投影面上位置Tを含むy−z断面及びx−z断面として示されている。なお、投影面に直交する中心視線方向の線Lは、液晶パネル32に直交するz方向に等しい。
【0098】
変更量取得部46によって変更量データが取得されると、位置情報演算部44Aは、変更量データの変更量に応じてレーザ光の軌道R上で、擬似レーザポインタ像のボクセルK[x0,y0,z0]を、ボクセル(または当該ボクセル及びその隣接ボクセルを含むボクセル群)M[x1,y1,z1]に変更する。
【0099】
図11に示す重畳画像生成部45Aは、位置情報演算部44Aによって算出された、重畳位置変更後の擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報に基づいて、9個の基準画像の各基準画像に含まれる被検体像に擬似レーザポインタ像を重畳して、9個の視線方向に対応する重畳画像をデータとして生成する機能を有する。例えば、重畳画像生成部45Aは、図13に示すボクセルK[x0,y0,z0]のボクセル値を元に戻し、ボクセルM[x1,y1,z1]のボクセル値を置換して、ボクセルM[x1,y1,z1]に擬似レーザポインタ像を重畳する。
【0100】
また、位置情報演算部44Aは、変更量取得部46によって更なる変更量データが取得されると、更なる変更量に応じてレーザ光の軌道R上で、擬似レーザポインタ像のボクセルM[x1,y1,z1]を変更する。この場合、回転方向r(図2に図示)の向きに従って、擬似レーザポインタ像の変更の向きが投影面側か、その逆側かに決まる。よって、レーザポインタ装置10の奥行操作部13による、擬似レーザポインタ像のz方向の移動指示に連動して、立体視される擬似レーザポインタ像の重畳位置がz方向に変更される。
【0101】
なお、第2実施形態の3D表示処理システム1Aにおいて、レンチキュラーレンズ方式の裸眼式を採用する構成について説明した。しかし、3D表示処理システム1Aは、その場合に限定するものではなく、パララックスバリア方式の裸眼式を採用する構成であってもよい。また、第2実施形態の3D表示処理システム1Aの技術思想は、レーザ光と3D表示装置30との接触位置を取得する手段と、レーザポインタ装置10またはそれを操作する操作者の位置を発光位置データとして検知する手段と、取得された接触位置及び発光位置に基づいて、擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報を算出する手段とさえ備えれば、眼鏡式(アナグリフ方式、フレームシーケンシャル方式、及び偏光方式等)を採用する構成にも応用できる。第2実施形態の3D表示処理システム1Aの技術思想を、眼鏡式を採用する構成に応用する場合、表示手段としてのスクリーンに重畳画像を投影することもできる。
【0102】
第2実施形態の3D表示処理システム1Aによると、操作者を含む観察者は、レーザポインタ像を立体視でき、さらに操作者は、立体視されたレーザポインタ像の3次元的な位置を変更することができる。
【0103】
なお、本実施形態の3D表示処理システム1,1Aは、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、本実施形態の3D表示処理システム1,1Aに開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0104】
1,1A 3D表示処理システム
10 レーザポインタ装置
11 発光操作部(ボタン)
13 奥行操作部(ホイール)
20,20A 画像処理装置
21,21A 処理部
30 3D表示装置
33 凸レンズアレイ
41 ボリュームデータ取得部
42 基準画像生成部
43 接触位置取得部
44,44A 位置情報演算部
45,45A 重畳画像生成部
46 変更量取得部
47 発光位置取得部
48 軌道演算部
60 発光位置検知装置
61 画像センサ
Ph 光センサ
L 中心視線方向の線
R レーザ光の軌道
T 投影面上位置
Q 発光位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を発光するレーザ光発光手段と、
被検体像を含むボリュームデータに対して複数の異なる視線方向に対応するレンダリング処理を行なって複数の画像データを生成する画像生成手段と、
前記レーザ光と表示手段との接触位置を取得する接触位置取得手段と、
前記取得された接触位置に基づいて、擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報を算出する位置情報演算手段と、
前記複数の画像データを立体視可能に表示する表示手段と、を有し、
前記画像生成手段は、前記擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報に基づいて、前記複数の画像データの各画像データに含まれる前記被検体像に、前記擬似レーザポインタ像を重畳して複数の重畳画像データを生成し、
前記表示手段は、前記複数の重畳画像データを立体視可能に表示するように構成された3D表示処理システム。
【請求項2】
前記位置情報演算手段は、前記複数の視線方向の中心視線方向に直交する投影面上に、前記接触位置に対応する位置としての投影面上位置を設定し、前記投影面上位置を通る前記中心視線方向の線上の位置を、前記擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報として算出する構成とする請求項1に記載の3D表示処理システム。
【請求項3】
前記位置情報演算手段は、前記被検体像の表面全体のうち、前記投影面上位置を通る前記中心視線方向の線上に存在する表面部分の位置を前記擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報として算出する構成とする請求項2に記載の3D表示処理システム。
【請求項4】
前記位置情報演算手段は、前記被検体像の表面全体のうち、前記投影面上位置を通る前記中心視線方向の線上に存在する複数の表面部分のうち、前記投影面から最も離れた表面部分の位置を前記擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報として算出する構成とする請求項3に記載の3D表示処理システム。
【請求項5】
前記擬似レーザポインタ像の重畳位置を前記中心視線方向の線上で変更する変更手段をさらに有し、
前記位置情報演算手段は、変更後の擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報を算出する構成とする請求項2乃至4のうちいずれか一項に記載の3D表示処理システム。
【請求項6】
前記レーザ発光手段またはそれを操作する操作者の位置を発光位置として検知する発光位置検知手段と、
前記複数の視線方向の中心視線方向に直交する投影面上に、前記接触位置に対応する位置としての投影面上位置を設定し、前記投影面上位置及び前記発光位置に基づいて、前記レーザ光の軌道を算出する軌道演算手段をさらに有し、
前記位置情報演算手段は、前記軌道上の位置を、前記擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報として算出する構成とする請求項1に記載の3D表示処理システム。
【請求項7】
前記位置情報演算手段は、前記被検体像の表面全体のうち、前記軌道上に存在する表面部分の位置を前記擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報として算出する構成とする請求項6に記載の3D表示処理システム。
【請求項8】
前記位置情報演算手段は、前記被検体像の表面全体のうち、前記軌道上に存在する複数の表面部分のうち、前記投影面から最も離れた表面部分の位置を前記擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報として算出する構成とする請求項7に記載の3D表示処理システム。
【請求項9】
前記擬似レーザポインタ像の重畳位置を前記軌道上で変更する変更手段をさらに有し、
前記位置情報演算手段は、変更後の擬似レーザポインタ像の3次元的な位置情報を算出する構成とする請求項6乃至8のうちいずれか一項に記載の3D表示処理システム。
【請求項10】
前記発光位置検知手段は、前記表示手段の前面側を撮像して画像データを取得し、前記画像データを解析して前記発光位置を検知する画像センサを含む構成とする請求項6乃至9のうちいずれか一項に記載の3D表示処理システム。
【請求項11】
前記接触位置取得手段は、前記表示手段に複数配置される光センサであり、前記複数の光センサのうち一部の光センサのみが前記レーザ光を検知することで前記接触位置を取得する構成とする請求項1乃至10のうちいずれか一項に記載の3D表示処理システム。
【請求項12】
前記レーザ光発光手段は、前記レーザ光として紫外線または赤外線を発光する構成とする請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載の3D表示処理システム。
【請求項13】
前記表示手段は、凸レンズアレイを備えた構成とする請求項1乃至12のうちいずれか一項に記載の3D表示処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−234498(P2012−234498A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104599(P2011−104599)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】