説明

4−オキシ−N−[1,3,4]−チアジアゾール−2−イル−ベンゼンスルホンアミド類、それらの製造方法及びそれらの医薬品としての使用

本発明は、PPARアルファ、PPARデルタ及びPPARガンマ作動薬活性を示す、4−オキシ−N−[1,3,4]−チアジアゾール−2−イル−ベンゼンスルホンアミド類、並びにそれらの生理学的に許容される塩及び生理学的に機能性の誘導体に関する。記載されていることは、定義されているような基を有する式(I)の化合物、並びにそれらの生理学的に許容される塩及びそれらの製造法である。本化合物は脂肪酸代謝の障害及びグルコース利用障害の治療及び/又は予防と共に、インスリン抵抗性が関与する障害や中枢及び末梢神経系の脱髄や他の神経変性障害の治療及び/又は予防に適切である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−オキシ−N−[1,3,4]−チアジアゾール−2−イル−ベンゼンスルホンアミド類、並びにPPARデルタ及びPPARガンマ作動薬活性を示すそれらの生理学的に許容される塩及び生理学的に機能性の誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
PPARに結合するベンゼンスルホンアミノ化合物は、WO第2005/005421号に記載されている。WO第97/40017号から、ヘテロ環に結合したフェニル基を有する化合物は、ホスホチロシン認識ユニットを備えた分子調節剤として知られている。グルコキナーゼの活性剤であるアリールカルボニル誘導体は、WO第2004/002481号に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、治療上利用可能な脂質の調節及び/又は炭水化物の代謝を可能とし、従って2型糖尿病及びアテローム性動脈硬化症、並びにそれらの続発症などの疾病の予防及び/又は治療に適切な化合物を提供する目的に基づいている。本発明の別の目的は、中枢及び末端神経系の、脱髄鞘性の及び他の神経変性の疾患を治療することである。
【0004】
PPA受容体の活性を調節する一連の化合物は見出されている。それらの化合物は、特に、PPARアルファ、又はPPARデルタ及びPPARガンマを活性化するために適切であるが、しかし、相対的な活性化は、特定の化合物によって変化し得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の化合物は、式I:
【化1】

式中、
R1は、(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−O−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリール、(C0−C6)アルキレン−(C5−C15)ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルキレン、アリール 及びシクロアルキルは無置換、又はF、Cl、Br、(C1−C6)アルキル、O−(C1−C6)アルキル、CF3、OCF3、CN、CO−(C1−C6)アルキル、COO−(C1−C6)アルキル、CON((C0−C6)アルキレン−H)((C0−C6)アルキレン−H)、S(O)m(C1−C6)アルキルにより一、二若しくは三置換され;
R2、R3は、独立に、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−H、SCH3、CNであり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
R4、R5、R6、R7は、独立に、H、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリール、(C0−C6)アルキレン−(C5−C15)ヘテロアリール、(C0−C6)アルキレン−(C3−C15)ヘテロシクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−(C3−C15)ヘテロシクロアルケニルであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールは無置換、又はF、Cl、Br、CF3、(C1−C4)アルキル及び(C0−C4)−アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hにより一、二若しくは三置換され;
mは、0、1であり;
Aは、(C6−C14)アリール、(C5−C15)ヘテロアリールであり;
Bは、(C6−C14)アリール、(C3−C12)シクロアルキル、(C5−C15)ヘテロアリールであり;
Zは、結合、Oであり;又は
環A及び環Bは、一緒になって縮合(C5−C15)ヘテロ環、又は(C8−C14)芳香族系を形成し;そして
Zは、存在せず;
R8、R9は、独立に、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−H、SCF3、SF5、S(O)2CF3、O−(C6−C14)アリール、(C6−C14)アリール、NO2であり、ここで、アルキル及びアルキレンは、無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され、そして、ここで、アリールは、無置換、又はF、Cl、Br、CF3、(C1−C4)アルキル及び(C0−C4)−アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hにより一、二若しくは三置換され;
pは、0、1、2、3であり;
qは、0、1、2である;
で記載される化合物であって、その全ての立体異性体、エナンチオマー体及びあらゆる割合での混合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体である。
【0006】
本発明による別の実施態様は、式Iの化合物であって、ここで、1つ又はそれ以上の置換基は以下の意味を有する:
R1 は、(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリールであり、ここで、アルキル、アルキレン及びアリールは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
R2、R3は、独立に、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hであり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
R4、R5、R6、R7の置換基の1つは、H、(C1−C6)アルキル、(C0−C2)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C2) アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C2)アルキレン−(C5−C10)ヘテロアリール、(C0−C2)アルキレン−(C3−C10)ヘテロシクロアルキル、(C0−C2)アルキレン−(C3−C10)ヘテロシクロアルケニルであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールは無置換、又はF、Cl、CF3、(C1−C4)アルキル及び(C0−C4)−アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hにより一、二若しくは三置換され;そして
R4、R5、R6、R7の置換基の他の3つは、Hであり;
mは、0、1であり;
Aは、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリールであり;
Bは、(C6−C10)アリール、(C6−C8)シクロアルキル、(C5−C10)ヘテロアリールであり;
Zは、結合又はOであり;
A及びBは、一緒になって縮合(annelated)(C8−C10)ヘテロ環を形成し;
Zは、存在せず;
R8は、H、(C1−C6)アルキルであり;
R9は、H、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−H、O−(C6−C10)アリールであり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
pは、0、1、2であり;
qは、0、1である。
【0007】
本発明による別の実施態様は式Iの化合物であって、
式中、
R1が、(C1−C6)アルキル、フェニル、(C3−C6)シクロアルキルである;化合物である。
【0008】
本発明による別の実施態様は式Iの化合物であって、
式中、
R1が、イソプロピルである;
化合物である。
【0009】
本発明による別の実施態様は式Iの化合物であって、
式中、
R2、R3が、Hである;
化合物である。
【0010】
本発明による別の実施態様は式Iの化合物であって、
式中、
R4、R5、R6、R7が、Hである;
化合物である。
【0011】
本発明による別の実施態様は式Iの化合物であって、
式中、
mが、0である;
化合物である。
【0012】
本発明による別の実施態様は式Iの化合物であって、
式中、
Aが、オキサゾール、チアゾール、フェニル、1,2,4−オキサジアゾールである;化合物である。
【0013】
本発明による別の実施態様は式Iの化合物であって、
式中、
Bが、フェニル、シクロヘキシルである;
化合物である。
【0014】
本発明による別の実施態様は式Iの化合物であって、
式中、
Zが、結合である;
化合物である。
【0015】
本発明による別の実施態様は式Iの化合物であって、
式中、
A及びBが、一緒になってベンゾフラン環を形成し;
Zが、存在しない;
化合物である。
【0016】
本発明による別の実施態様は式Iの化合物であって、
式中、
R8が、H、(C1−C4)アルキルであり;そして
pが、0又は1である;
化合物である。
【0017】
本発明による別の実施態様は式Iの化合物であって、
式中、
R9が、H、CF3、O−(C1−C4)アルキル、フェノキシであり;そして
qが、1である;
化合物である。
【0018】
本発明による別の実施態様は、以下の化合物:
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド;
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−メチル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド;
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−(6−メトキシ−ベンゾフラン−3−イルメトキシ)−ベンゼンスルホンアミド;
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ベンジルオキシ]−ベンゼンスルホンアミド;
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−(2−メトキシ−フェノキシ)−ベンジルオキシ]−ベンゼンスルホンアミド;
4−[4−ブチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イルメトキシ]−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド;
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[5−メチル−2−(4−フェノキシ−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド;
4−(2−シクロヘキシル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド;
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[5−(4−メトキシ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド;
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド;
4−(2−ビフェニル−4−イル−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド;
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−(5−メトキシ−ベンゾフラン−2−イルメトキシ)−ベンゼンスルホンアミド;
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−エチル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド;
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド;
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[5−イソプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド;
4−[5−エチル−2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド;
4−{2−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−4−イル]−エトキシ}−N−(5−トリフルオロメチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド;
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−{2−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イル]−エトキシ}−ベンゼンスルホンアミド;
である。
【0019】
本発明は、また本明細書に記載した本発明の好ましい態様のあらゆる組合せを包含する。
【0020】
本明細書で使用される用語アルキルは、最も広い意味で、飽和の炭化水素残基であって、線状、換言すれば直鎖状、又は分枝鎖状であっても良い基を意味すると理解すべきである。別に定義されない限り、アルキルは、1〜8個の炭素原子を有する。「−(C1−C8)−アルキル」の例としては、1、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を含むアルキル残基であり、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル又はオクチル、これら全ての残基のn−異性体である、イソプロピル、イソブチル、1−メチルブチル、イソペンチル、ネオペンチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、イソヘキシル、sec−ブチル、tert−ブチル又はtert−ペンチルがある。用語「−(C0−C8)−アルキル」は、1、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を含む炭化水素残基であり、ここで、用語「−C0−アルキル」は、共有結合である。これら全ての説明は、またアルキレンにも適用される。
【0021】
本明細書で使用される用語アルケニルは、最も広い意味で、炭化水素残基であって、1〜4個の二重結合を有し、そして、線状、換言すれば直鎖状、又は分枝鎖状であっても良い基を意味すると理解すべきである。別に定義されない限り、アルケニルは2〜8個の炭素原子を含む。「−(C2−C8)−アルケニル」の例は、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を含むアルケニル残基であり、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル(=アリル)、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、5−ヘキセニル又は1,3−ペンタジエニルである。これら全ての説明は、また用語アルケニレンにも適用される。
【0022】
本明細書で使用される用語アルキニルは、最も広い意味で、炭化水素残基であって、1〜4個の三重結合を有し、そして、線状、換言すれば直鎖状、又は分枝鎖状であっても良い基を意味すると理解すべきである。別に定義されない限り、アルキニルは2〜8個の炭素原子を含む。「−(C2−C8)−アルキニル」の例は、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を含むアルキニル残基であり、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル(=プロパルギル)又は2−ブチニルがある。これら全ての説明は、また用語アルキリデンにも適用される。
【0023】
これら全ての説明は、またアルキル基が別の残基上の置換基である場合、例えば、アルキルオキシ残基、アルキルオキシカルボニル残基又はアリールアルキル残基にも適用される。
【0024】
別に定義されない限り、アルキル、アルキレン、アルケニル、アルケニレン、アルキニル及びアルキニレンは、無置換、又は、例えば、F、Cl、Br、I、CF3、NO2、CN、COOH,CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、CO−O−(C1−C4)アルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)ヘテロ環、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、(C0−C4)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、O−(C0−C6)−アルキル、O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C12)シクロアルキル、O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−O−(C1−C4)アルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、S−(C1−C4)アルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO−(C1−C4)アルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO2−(C1−C4)アルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H,SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環の様な適切な基により、互いに独立に一、二又は三置換され、ここで、アリール環又はヘテロ環は、無置換、又はF、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H;N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、N((C0−C4) アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環により一若しくは二置換され、ここで、アリール環又はヘテロ環は、無置換、又はF、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、SO2−CH3、COOH、COO−(C1−C6)−アルキル、SF5、CONH2により一若しくは二置換される。
【0025】
用語シクロアルキルは、3〜13個の炭素原子を含む飽和の炭化水素環であって、単環又は二環、縮合環、橋掛け環又はスピロ環基を意味すると理解すべきである。(C3−C13)−シクロアルキル環アルキル残基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル又はシクロドデシルの様な、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個の環炭素原子を含むシクロアルキル残基である。用語シクロアルキルには、また上記のシクロアルキル環がベンゼン環と縮合した二環基、例えば、インダン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンが含まれる。
【0026】
用語シクロアルケニルは、3〜8個の炭素原子を含む不飽和の炭化水素環であって、単環又は二環、縮合環又は橋掛け環を意味し、ここで、1つ、2つ又は3つの二重結合は、芳香族系が形成されるようには環状アルキル基内には存在しない。シクロアルケニル基の例としては、不飽和シクロペンテニル又はシクロヘキセニルがあり、それらは、任意の炭素原子から結合が可能である。用語シクロアルケニルは、また二環基をも含み、それには、任意の上記のシクロアルケニル環がベンゼン環と縮合した、例えば、1,2−ジヒドロナフタレン、1,4−ジヒドロナフタレン及び1H−インデンが挙げられる。
【0027】
別に定義されない限り、シクロアルキル又はシクロアルケニルは、無置換、又は、例えば、F、Cl、Br、I、CF3、NO2、CN、COOH、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、CO−O−(C1−C4)アルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)アルキレン−H、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、CON((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C3−C6)アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、O−(C0−C6)−アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−O−(C1−C4)アルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、S−(C1−C4)アルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO−(C1−C4)アルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO2−(C1−C4)アルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環の様な、適切な基により、互いに独立に一、二若しくは三置換され、ここで、アリール環又はヘテロ環は、無置換、又はF、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環により一若しくは二置換され、ここで、アリール又はヘテロ環は、無置換、又はF、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、SO2−CH3、COOH、COO−(C1−C6)−アルキル、SF5、CONH2により一若しくは二置換される。
【0028】
用語「アリール」は、6〜14個の炭素原子を含む、単環又は二環の芳香族炭化水素環を意味すると理解すべきである。(C6−C14)−アリール環の例は、フェニル、ナフチル、例えば、1−ナフチル及び2−ナフチル、ビフェニリル、例えば、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル及び4−ビフェニリル、アントリル又はフルオレニルがある。ビフェニリル環、ナフチル環及び特にフェニル環は、アリール環の更なる実施態様である。
【0029】
用語ヘテロ環は、単環又は二環の、縮合環、橋掛け環又はスピロ環であって、3〜15個の炭素原子を含有する、飽和の(ヘテロシクロアルキル)、部分飽和の(ヘテロシクロアルケニル)又は不飽和の(ヘテロアリール)炭化水素環を意味し、ここで、3〜15個の環炭素原子のうち、1〜5個の炭素原子は窒素、酸素又は硫黄の様なヘテロ原子で置換され、更に、このヘテロ原子は、例えば、N=O、S=O、SO2の様に酸化されても良いと理解すべきである。ヘテロ環の例としては、アクリジニル、アザインドール(1H−ピロロピリジニル)、アザベンゾイミダゾリル、アザスピロデカニル、アゼピニル、アゼチジニル、アジリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、4,5−ジヒドロオキサゾリニル、ジオキサゾリル、ジオキサジニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジオキソレニル、3,3−ジオキソ[1,3,4]オキサチアジニル、6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]−テトラヒドロフラニル、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル(ベンゾイミダゾリル)、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、2−イソオキサゾリニル、ケトピペラジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2−オキサ−チエパニル、1,2−オキサチオラニル、1,4−オキサゼパニル、1,4−オキサゼピニル、1,2−オキサジニル、1,3−オキサジニル、1,4−オキサジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリル、オキセタニル、オキソカニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾリル、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラジニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、1,2−チアジニル、1,3−チアジニル、1,4−チアジニル、1,3−チアゾリル、チアゾリル、チアゾリジニル、チアゾリニル、チエニル、チエタニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオモルホリニル、チオフェノリル、チオフェニル、チオピラニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル及びキサンテニルがある。
【0030】
ヘテロ環は、無置換、又は、例えば、F、Cl、Br、I、CF3、NO2、CN、COOH、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、CO−O−(C1−C4)アルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)アルキレン−H、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、CON((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4
)アルキレン−(C6−C12)−アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C3−C6)アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、O−(C0−C6)−アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−O−(C1−C4)アルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、S−(C1−C4)アルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO−(C1−C4)アルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO2−(C1−C4)アルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環の様な適切な基で一、二若しくは三置換され、ここで、アリール環又はヘテロ環は、無置換、又はF、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)ヘテロ環により一若しくは二置換され、ここで、アリール環又はヘテロ環は、無置換、又はF、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、SO2−CH3、COOH、COO−(C1−C6)−アルキル、SF5、CONH2により一若しくは二置換される。
【0031】
用語「R5及びR6は、それらが結合している窒素原子(Y=N(R6))と一緒になって(C3−C9)−ヘテロ環を形成し、それは、例えば、更に1〜3個のヘテロ原子を含むことができる」は、例えば、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、アゼチジン、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール、ピペラジン−2−オン、アゼチジン、イソインドリン、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、チオモルホリン1−オキシド、チオモルホリン1,1−ジオキシド、ピペリジン−4−オン、ピペリジン−3−オン、ホモピペリジン、ホモピペラジン、ホモモルホリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−(1H)−1,4−ジアゼピン−5(4H)−オン、4−オキサゾリジン、アゼチジン−3−オン、チアゾリジン、チアゾリジン1−オキシド、チアゾリジン1,1−ジオキシド、4−イミダゾリジノン、5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン、1,4−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン、2−アザ−5−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ジアザビシクロ[4.4.0]デカン、4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾロ[4,5−c]−ピリジン、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン、3,8−ジアザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、オクタヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール、2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、4−スピロ−[3−(N−メチル−2−ピロリジノン)]−ピペリジン、2,8−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン、2,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノナン、3,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン、2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン、2,7−ジアザ−スピロ[3.5]ノナン、2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン、2,7−ジアザ−スピロ[4.5]デカン、1−オキサ−4,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン、1−オキサ−4,8−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカンの様な化合物から誘導される、ヘテロ環の構造を意味する。
【0032】
用語「オキソ残基」又は「=O」は、カルボニル(−C(O)−)又はニトロソ(−N=O)の様な残基を意味する。
【0033】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
【0034】
式Iの化合物に存在する光学活性の炭素原子は、互いに独立にR配置又はS配置を取ることができる。式Iの化合物は、純粋なエナンチオマー若しくは純粋なジアステレオマーの形態で、又はエナンチオマー及び/若しくはジアステレオマーの混合物の形態で、例えば、ラセミ体として存在することができる。本発明は、純粋なエナンチオマー及びエナンチオマーの混合物、並びに純粋なジアステレオマー及びジアステレオマーの混合物に関する。本発明は、式Iの化合物の2つ又はそれ以上の立体異性体の混合物を含み、そして、混合物中に、あらゆる比率の立体異性体を含む。式Iの化合物がE異性体又はZ異性体(又はシス異性体若しくはトランス異性体)として存在し得る場合、本発明は、純粋なE異性体及び純粋なZ異性体の両者、並びにあらゆる比率におけるE/Z混合物に関する。本発明は、また式Iの化合物の全ての互変異性体をも含む。
【0035】
ジアステレオマーは、E/Z異性体を含めて、例えば、クロマトグラフィーにより、個々の異性体に分離することができる。ラセミ体は、通例の方法により、例えば、キラル相でのクロマトグラフィーにより、又は、例えば、光学活性の酸又は塩基を用いて得られるジアステレオマー塩の結晶化による分割により、2つのエナンチオマーに分離することができる。立体化学的に均一な式Iの化合物は、また立体化学的に均一な出発物質を用いて、又は立体選択的反応を用いて得ることも可能である。
【0036】
式Iの化合物は、それらのラセミ体、ラセミ混合物、純粋なエナンチオマー、ジアステレオマー及びジアステレオマーの混合物、並びに互変異性体の形態として存在することができる。本発明は、式Iの化合物のこれらの異性体及び互変異性体の形態の全てを包含する。これらの異性体の形態は、ある場合は具体的に記載されていなくても、公知の方法により入手可能である。
【0037】
薬学的に許容される塩は、その水に対する溶解性が、元の化合物又は基本化合物のそれより大きいために、特に医学用途において適切である。これらの塩は薬学的に許容されるアニオン又はカチオンを有していなければならない。本発明の化合物の薬学的に許容される適切な酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸及び硫酸などの無機酸;及び、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸及び酒石酸などの有機酸の塩である。薬学的に許容される適切な塩基性塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム及びカリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム及びカルシウム塩など)及びトロメタモール(2アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、ジエタノールアミン、リシン、又はエチレンジアミンの塩である。
【0038】
薬学的に許容されないアニオンを有する塩、例えば、トリフルオロ酢酸塩は、薬学的に許容される塩の製造又は精製のための、及び/又は、非治療的な、例えば、生体外での適用における使用のための有用な中間体として、同様に本発明の範囲内に属する。
【0039】
本明細書で使われる用語「生理学的に機能性の誘導体」は、本発明の式Iの化合物の任意の生理学的耐性を有する誘導体、例えば、エステルを意味し、それは、例えば、ヒトなどの哺乳類へ投与した場合、(直接的に又は間接的に)式Iの化合物を又はその活性な代謝物を生成することができる。
【0040】
生理学的に機能性の誘導体は、また、例えば、H. Okada et al., Chem. Pharm. Bull. 1994, 42, 57-61に記載されているような、本発明の化合物のプロドラッグも含む。その様なプロドラッグは、生体内で本発明の化合物に代謝されることが可能である。これらのプロドラッグは、それ自身活性であっても非活性であっても良い。
【0041】
本発明の化合物は、また種々の多形体の形態で、例えば、非晶性の及び結晶性の多形体として存在することもできる。本発明の化合物のあらゆる多形体の形態は本発明の範囲内に属し、そして、それは、本発明の更なる態様の1つである。
【0042】
これ以降の「式Iの化合物」への全ての言及は、上記の式Iの化合物及び本明細書に記載した、その塩、溶媒和物及び生理学的に機能性の誘導体を意味する。
【0043】
使用
本発明は、更に、PPARリガンドとしての式Iの化合物及びそれらの医薬組成物の使用に関する。本発明のPPARリガンドは、PPAR活性のモジュレーターとして適切である。
【0044】
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)は、リガンドによって活性化されることができ、核内ホルモン受容体の部類に属する転写因子である。3種のPPARアイソフォーム、PPARアルファ、PPARガンマ及びPPARデルタ(PPARベータに同じ)が存在し、これらは異なる遺伝子によってコードされる(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR):構造、活性化のメカニズム及び多様な機能:Motojima K.,
Cell Struct Funct., 1993, 18(5), 267-77)。
【0045】
ヒトでは、PPARガンマは3つのバリアント、即ち、PPARガンマ1、ガンマ2、及びガンマ3として存在し、これらはプロモーター及び異なったmRNAスプライシングの代替使用の結果である。異種PPARは異なる組織分布を有し、諸種の生理機能を調節する。PPARは多数の遺伝子の調節(regulation)の種々の局面(aspect)で重要な役割を果たしており、これらの遺伝子の産物は直接間接に脂質と糖質代謝に大きく関わる。従って、例えば、PPARアルファ受容体は、肝臓の脂肪酸異化作用又はリポ蛋白質代謝の調節において重要な役割を担うが、PPARガンマは、例えば、脂肪細胞分化の調節に大きく関わる。しかしながら、PPARは、また炭水化物又は脂質代謝に直接関係しないものを含む他の多くの生理過程の調節にも関わっている。異なるPPARの活性は、種々の脂肪酸、脂肪酸誘導体及び合成化合物によって種々の程度に調節できる。機能、生理作用及び病態生理の関連レビューについては、以下を参照のこと:Berger, J. et al., Annu. Rev. Med., 2002, 53, 409-435; Wilson, T. et al., J. Med. Chem., 2000, 43 (4), 527-550; Kliewer, S. et al., Recent Prog Horm Res., 2001, 56, 239-63; Moller, D.E. and Berger, J.P., Int J Obes Relat Metab Disord., 2003, 27 Suppl 3, 17-21; Ram, V.J., Drugs Today, 2003, 39(8),609-32)。
【0046】
3つのPARアイソフォームのうち、PPARデルタの生理機能は長い間謎であった。PPARデルタの最初に提案された薬理学的役割は、コレステロールホメオスタシスの調節であった。多少選択的なPPARデルタリガンドL−165041が、糖尿病動物モデルで血漿コレステロールを上昇させることが示された(Berger J. et al., J.Biol.Chem., 1999, 274, 6718-6725; Leibowitz M.D.et al., FEBS Lett., 2000, 473(3), 333-336)。肥満のインスリン抵抗性アカゲザルでは、強力かつ選択的なPPARデルタリガンドGW501516がHDL−コレステロールを上昇させ、血漿LDL−コレステロール、トリグリセリド及びインスリンレベルを減少させる(Oliver, W. et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 2001, 98, 5306-5361)。 二重PPARデルタ/PPARアルファ作動薬YM−16638は、アカゲザルとカニクイザルの血漿脂質を著しく低下させ(Goto、S. et al., Br. J. Pharm., 1996, 118,174-178) 、健常ボランティアの2週間臨床試験において同様に作用する (Shimokawa, T. et al., Drug Dev. Res., 1996, 38, 86-92)。
【0047】
最新の刊行物は、PPARデルタが異脂肪血症、インスリン抵抗性、2型糖尿病、アテローム性動脈硬化症及びシンドロームXの治療の重要なターゲットであることを明確に示している(Wang、Y-X. et al., Cell, 2003, 113, 159-170; Luquet, S. et al., FASEB J., 2003, 17, 209-226; Tanaka, T. et al., PNAS, 2003, 100, 15924-15929; Holst, D. et al., BioChem. Biophys. Acta, 2003, 1633, 43-50; Dressel, U. et al., Mol. Endocrin., 2003, 17, 2477-2493; Lee, C.H. et al., Science, 2003, 302, 453-457)。
【0048】
脂質、グルコース及びコレステロール代謝の調節因子としての作用の他に、PPARデルタは胚発生、着床及び骨形成の役割を担っていることが知られている(Lim, H. and Dey, S.K., Trends Endocrinol Metab., 2000, 11(4), 137-42; Ding, N.Z et al. Mol Reprod Dev., 2003, 66(3), 218-24; Mano, H. et al., J Biol Chem., 2000, 275(11), 8126-32)。
【0049】
多数の刊行物は、PPARデルタが皮膚障害や創傷治癒においてその役割の証拠となるケラチン細胞の増殖と分化を誘導することを証明している(Di-Poi, N. et al., J Steroid Biochem Mol Biol, 2003, 85(2-5), 257-65; Tan, N.S. et al., Am J Clin Dermatol., 2003, 4(8), 523-30; Wahli, W., Swiss Med Wkly., 2002, 132(7-8), 83-91)。
【0050】
PPARデルタは、CNSに著しく発現すると考えられる;しかし、その機能の大部分は未だに解明されていない。しかし特に注目すべきは、PPARデルタがCNSの主要脂質産生細胞であるげっ歯類の乏突起膠細胞に発現したという発見である(J. Granneman, et al., J. Neurosci. Res., 1998、51、563-573)。更に、またPPARデルタ選択的作動薬が、マウス培養物において乏突起膠細胞ミエリン遺伝子発現とミエリン鞘の径を著しく増加させることが見出された(I. Saluja et al.,Glia, 2001, 33, 194-204)。このように、PPARデルタアクチベータは、脱髄疾患や脱髄形成不全疾患の治療に有用であり得る。MSや他の脱髄疾患の治療のためのペルオキシソーム増殖因子活性化受容体デルタ作動薬の使用は、WO第2005/097098号に記載のように示され得る。
【0051】
脱髄状態は、ミエリン−多くの神経線維をカバーする脂質と蛋白質の多重稠密層の欠損として現れる。これらの層は中枢神経系(CNS)の乏突起膠細胞、及び末梢神経系(PNS)のSchawann 細胞によって与えられる。脱髄状態患者では、脱髄は非可逆的と考えられる;これは通常、軸索変性に、そしてしばしば細胞変性に随伴するか又は続いて起る。脱髄は、異常免疫反応、局所損傷、虚血、代謝異常、毒性物質又はウイルス感染による、神経障害又はミエリン自体への障害の結果として起こり得る(Prineas and McDonald, Demyelinating Diseases. In Greenfield's Neuropathology, 6.sup.th ed. (Edward Arnold: New York、1997) 813-811, Beers and Berkow, eds. The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, 17.sup.th ed. (Whitehouse Station, N.J.: Merck Research Laboratories, 1999) 1299, 1437, 1473-76, 1483)。
【0052】
中枢性脱髄(CNSの脱髄)は、しばしば病因不明のいくつかの条件で起こり、原発性脱髄疾患として知られるようになった。これらのうち、多発性硬化症(MS)が最も優勢である。他の原発性脱髄疾患として、副腎脳白質ジストロフィー(ALD)、副腎脊髄ニューロパシー、AIDS空胞性ミエロパシー、HTLV関連ミエロパシー、Leber遺伝性視神経萎縮、進行性多病巣性白質脳症(PML)、亜急性硬化性汎脳炎、ギラン・バレー症候群及び熱帯性痙性不全対麻痺症が挙げられる。加えて、脱髄がCNSに起こり得る急性状態、例えば急性播種性脳脊髄炎(ADEM)及び急性ウイルス性脳脊髄炎がある。更に、原因不明の急性脊髄離断が1つ又はそれ以上の隣接胸分節において、灰白質又は白質を冒す症候群として急性横断性脊髄炎も脱髄をもたらす可能性がある。また脊髄損傷、ニューロパシー及び神経損傷を含むミエリン形成グリア細胞が損傷される障害も同様である。
【0053】
本発明は、PPARの活性、特にPPARデルタ及びPPARアルファの活性調節に適切な式Iの化合物に関する。調節プロファイルに応じて、式Iの化合物は、以下に記載の適応症の治療、コントロール及び予防、更にそれに関係する多くの他の薬物応用に適切である(例えば、以下を参照:Berger、J., et al., Annu. Rev. Med., 2002, 53, 409-435; Wilson, T. et al., J. Med. Chem., 2000, 43(4), 527-550; Kliewer, S. et al., Recent Prog Horm Res., 2001, 56, 239-63; Fruchart, J.C. et al., 2001, Pharmacological Research, 44(5), 345-52; Kersten, S. et al., Nature, 2000, 405, 421-424; Torra, I.P. et al., Curr Opin Lipidol, 2001, 12, 245-254)。
【0054】
このタイプの化合物は、以下の治療及び/又は予防に特に適切である。
1.−脂肪酸代謝及びグルコース利用障害
−インスリン抵抗性が関与する障害
2.それに伴う続発症の予防を含む糖尿病、特に2型糖尿病
これに関連する特別な側面として:
−高血糖症
−インスリン抵抗性の改善
−耐糖能の改善
−膵臓β細胞の保護
−微小及び大血管障害の予防
3.異脂肪血症、及び、例えば、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、脳血管障害等、特に以下の1つ又はそれ以上の要因で特徴付けられる疾患(これに限定されないが)などの続発症:
−高血漿トリグリセリド濃度、高い食後の血漿トリグリセリド濃度
−低HDLコレステロール濃度
−低アポAリポ蛋白質濃度
−高LDLコレステロール濃度
−小さい高密度LDLコレステロール粒子
−高アポBリポ蛋白質濃度
4.以下のようなメタボリックシンドロームに関連する可能性のある他の種々の状態:
−中心性肥満を含む肥満(過剰体重)
−血栓症、血液凝固亢進及びプロトロンビン状態(動脈と静脈の)
−高血圧
−例えば(これに限定されないが)、心筋梗塞、高血圧性心疾患又は心筋症後の心不全
5.炎症反応が関与する障害又は状態:
−例えば(これに限定されないが)、狭心症又は心筋梗塞を含む冠動脈硬化症、卒中などのアテローム性動脈硬化症
−血管再狭窄又は再閉塞
−例えば、Crohn病や潰瘍性大腸炎などの慢性炎症性腸疾患
−喘息
−エリテマトーデス(LE)、又は、例えば、リウマチ性関節炎などの炎症性リウマチ障害
−他の炎症状態
6.細胞周期又は細胞分化過程の障害:
−脂肪細胞腫瘍
−例えば、脂肪肉腫などの脂肪腫性カルシノーマ
−例えば(これに限定されないが)、消化管、肝臓、胆管及び膵臓の癌腫、内分泌腫瘍、肺、腎臓と尿路、生殖管の癌腫、前立腺癌腫などの固形腫瘍及び新生物
−急性及び慢性骨髄増殖性疾患、並びにリンパ腫
−血管新生
7.下記を含む中枢及び末梢神経系の脱髄並びに他の神経変性障害:
−アルツハイマー病
−多発性硬化症
−パーキンソン病
−副腎白質ジストロフィー(ALD)
−副腎脊髄神経障害
−AIDS空胞ミエロパシー
−HTLV関連ミエロパシー
−レーバー遺伝性視神経萎縮
−進行性多病巣性白質脳障害(PML)
−亜急性硬化性汎脳炎
−ギラン−バレー症候群
−熱帯性痙性不全対麻痺症
−急性播種性脳脊髄炎(ADEM)
−急性ウイルス性脳脊髄炎
−急性横断性脊髄炎
−脊髄及び脳外傷
−シャルコー−マリー−ツース病
8.皮膚障害及び/又は創傷治癒過程の障害:
−例えば、乾癬などの紅斑落屑性皮膚病
−尋常性座瘡
−PPARによって調節される他の皮膚障害及び皮膚病変
−湿疹及び神経皮膚炎
−例えば、脂漏性皮膚炎又は光線皮膚炎などの皮膚炎
−例えば、脂漏性角化症、老年性角化症、光線性角化症、光誘起性角化症又は毛包性角化症などの角膜炎及び角化症
−ケロイドとケロイド予防
−コンジローム又は尖圭コンジロームを含む疣贅
−例えば、性病性乳頭腫などのヒトパピローマウイルス(HPV)感染、及び、例えば、伝染性軟属腫、白斑症などのウイルス性疣贅
−例えば、扁平苔癬などの丘疹性皮膚炎
−例えば、基底細胞癌、黒色腫又は皮膚T細胞リンパ腫などの皮膚癌
−例えば、角皮症、表皮母斑などの限局性良性表皮性腫瘍
−凍瘡
−創傷治癒
9.他の障害:
−高血圧
−膵臓炎
−シンドロームX
−多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
−喘息
−変形性関節症
−例えば、リウマチ性関節炎などのエリトマトーデス(LE)又は炎症性リウマチ障害
−脈管炎
−るいそう(悪液質)
−痛風
−虚血/再潅流症候群
−急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
【0055】
製剤
望ましい生物学的効果を達成するために必要な式Iの化合物の量は、例えば、選択した特定の化合物、使用目的、投与様式及び患者の臨床状態など多くの要因に依存する。日用量は、一般的に0.001mgから100mg(通常0.01mgから50mg)/日及び/体重kg、例えば、0.1から10mg/kg/日である。静脈内投与量は、例えば、0.001mgから1.0mg/kgの範囲であり、10ngから100ng/kg・分で輸注により適切に投与することができる。その目的のための適切な輸液は、例えば、0.1ngから10mg/mlまで、通常1ngから10mg/mlまでを含有する。単回投与量は、例えば、1mgから10gまでの有効成分を含有する。従って、注射用アンプルは、例えば、1mgから100mgまでを含有し、そして経口投与可能な単回投与製剤、例えばカプセル及び錠剤は、例えば、0.05から1000mgまで、通常は0.5から600mgまでを含有する。上記の状態の治療のために、式Iの化合物は、化合物自体として使用されるが、許容される担体を含む医薬組成物の形態が好ましい。この担体は、勿論組成物の他の成分と適合性があり、そして患者の健康に有害ではないという意味で許容性でなければならない。この担体は、固体若しくは液体、又はその両者であり、単回投与として、例えば、0.05質量%から95質量%の有効成分を含有する錠剤として、この化合物と製剤化することが好ましい。式Iの他の化合物を含む、他の薬学的活性物質も同様に存在してよい。本発明の医薬組成物は、本質的に有効成分を薬理学的許容担体及び/又は賦形剤と混合することからなる、既知の製剤方法の1つによって製造することができる。
【0056】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、局所、口腔(peroral)(例えば舌下)及び非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内又は静脈内)投与に適切であるが、最適投与様式は、治療すべき状態の性質と重症度、及び個々のケースで使用される式Iの化合物の性質により、ケース毎に異なる。被覆製剤及び被覆徐放性製剤も、本発明のフレームワークの範囲に属する。酸性及び胃液抵抗性製剤が好ましい。適切な胃液抵抗性の被覆剤は、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びメタクリル酸及びメタクリル酸メチルのアニオン性ポリマーを含む。
【0057】
経口投与に適切な医薬製剤は、例えば、カプセル剤、カシェ剤、サッカブル剤又は錠剤などの分離した単位の形態であり、各製剤は、規定量の式Iの化合物を、粉末又は顆粒として;水又は非水液体中の溶液又は懸濁液として;又は水中油若しくは油中水エマルションとして含有する。これらの組成物は、既に記載したように、有効成分と担体(1つ又はそれ以上の添加成分から成る)を接触させる工程を含む適切な任意の製剤方法によって調剤されてよい。組成物は、一般的に、有効成分を、液体及び/又は微粉化固体担体と均一かつ均質に混合することによって製造され、必要に応じて、その後生成物は成形される。このように、例えば、錠剤は、化合物の粉末又は顆粒を、必要により1つ又はそれ以上の追加成分と共に、圧縮又は成型することによって製造することができる。圧縮した錠剤は、例えば、粉末又は顆粒などの自由流動形態の化合物を、必要により結合剤、流動促進剤、不活性希釈剤及び/又は1つ(又はそれ以上)の界面活性剤/分散剤と、適切な機械で混合して錠剤化することによって製造することができる。湿製錠剤は、粉末形態であり不活性液体希釈剤で加湿した化合物を、適切な機械で成型することによって製造することができる。
【0058】
口腔(舌下)投与に適切な医薬組成物は、香味料、通常蔗糖及びアラビアゴム又はトラガカントと共に式Iの化合物を含むサッカブル剤、並びにゼラチン及びグリセロール又は蔗糖及びアラビアゴムのような不活性基剤中にこの化合物を含むトローチを含む。
【0059】
非経口投与に適切な医薬組成物は、好ましくは式Iの化合物の滅菌水性製剤を含み、これは対象レシピエントの血液と等張であることが望ましい。これらの製剤は静脈内投与が望ましいが、投与は、また皮下、筋肉内又は皮内注射で行なってもよい。これらの製剤は、好ましくは本化合物と水を混合し、得られた溶液を滅菌し血液と等張にすることによって製造することができる。本発明の注射用組成物は、一般的に0.1から5質量%の活性化合物を含有する。
【0060】
直腸投与に適切な医薬組成物は、単回投与坐剤の形態が好ましい。これらは、式Iの化合物を1つ又はそれ以上の従来の固体担体、例えば、ココアバターなどと混合し、得られる混合物を成形することによって製造することができる。
【0061】
皮膚への局所使用に適切な医薬組成物は、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ペースト剤、スプレー剤、エーロゾル剤又はオイルの形態が好ましい。使用可能な担体はワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール類及び2つ又はそれ以上のこれらの物質の組合せである。有効成分は、一般的に組成物の0.1から15質量%の濃度、例えば、0.5から2質量%で存在する。
【0062】
経皮投与も、また可能である。経皮用途に適切な医薬組成物は、患者の表皮との長期の密な接触に適切な単一硬膏の形態があり得る。このような硬膏は、水溶液の形態で有効成分を適切に含有し、この水溶液は、必要によりバッファリングされ、接着剤に溶解及び/又は分散されるか、又はポリマー中に分散される。適切な有効成分濃度は、約1%から35%、好ましくは3%から15%である。特別な可能性として、有効成分が、例えば、Pharmaceutical Research, 2(6): 318 (1986) に記載のエレクトロトランスポート又はイオントフォレシスによって放出される。
【0063】
式Iの化合物は、代謝障害に対する好ましい効果により区別される。これらは脂質と糖質代謝に有益な影響を与え、特にトリグリセリドレベルを低下させ、そしてII型糖尿病及びアテローム性動脈硬化症、並びにその多様な続発症の予防と治療に適切である。
【0064】
他の薬剤との併用
本発明の化合物は、単独で、又は1つ又はそれ以上の更なる薬理活性物質と併用して投与することができる。特に、本発明の化合物は、類似の薬理作用を有する有効成分と併用して投与することができる。例えば、これらは代謝障害又はそれと高頻度に併発する障害に対して、好ましい効果を有する有効成分と併用して投与することができる。
このような薬剤の例は:
1.血糖を降下させる薬剤、抗糖尿病薬、
2.異常脂質血症の治療用の有効成分、
3.抗アテローム性動脈硬化性薬剤、
4.抗肥満剤、
5.抗炎症性有効成分、
6.悪性腫瘍治療用の有効成分、
7.抗血栓性有効成分、
8.高血圧の治療用の有効成分、
9.心不全の治療用の有効成分、及び
10.糖尿病起因又は糖尿病随伴合併症の治療及び/又は予防用の有効成分、
11.神経変性疾患の治療用の有効成分、
12.中枢神経系障害の治療用の有効成分、
13.薬物、ニコチン及びアルコール依存症の治療用の有効成分、
14.鎮痛薬、
である。
【0065】
それらは、特に活性の相乗的増強のために、本発明の式Iの化合物と併用することができる。有効成分併用物の投与は、患者に対する有効成分の分離投与によるか、又は複数の有効成分が1つの医薬製剤に存在する併用製品の形態で実施することができる。
【0066】
配合剤に特に適切な更なる有効成分は:Rote Liste 2006, Chapter 12に記載の全ての抗糖尿病薬;Rote Liste 2006, Chapter 1に記載の全ての減量薬/食欲抑制薬;Rote Liste 2006, Chapter 58に記載の全ての脂質低下薬である。これらは、特に活性の相乗的増強のために、本発明の式Iの化合物と併用することができる。この活性化合物配合剤は、患者に対する活性化合物の分離投与によるか、又は複数の活性化合物が1つの医薬製剤に存在する配合剤の形態で投与することができる。以下に記載の活性化合物の大部分は、USP Dictionary of USAN and International Drug Names, US Pharmacopeia, Rockville 2001に開示されている。
【0067】
抗糖尿病薬としては、例えば、Lantus(登録商標)(www.lantus.com参照)又は HMR1964、又はWO第2005005477号(Novo Nordisk)に記載のものなどのインスリン及びインスリン誘導体;速効性インスリン(USP第6,221,633号);例えば、Exubera(登録商標)のような吸入インスリン;又は、例えば、IN−105(Nobex)又は Oral-lynTM(Generex Biotechnology)などの経口インスリン;例えば、Exenatide、Liraglutide、又はNovo Nordisk A/SによるWO第98/08871号若しくはWO第2005027978号、ZealandによるWO第01/04156号、又はBeaufour-IpsenによるWO第00/34331号に開示のものなどのGLP−1誘導体;酢酸プラムリンチド(Symlin; Amylin Pharmaceuticals);及び更に経口で有効な血糖降下有効成分が挙げられる。
【0068】
活性化合物としては、好ましくは:
スルホニル尿素類、
ビグアニジン類、
メグリチニド類、
オキサジアゾリジンジオン類、
チアゾリジンジオン類、
グルコシダーゼ阻害剤、
グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、
グルカゴン拮抗薬、
グルコキナーゼアクチベーター、
フルクトース−1,6−ビスホスファターゼの阻害剤、
グルコーストランスポーター4(GLUT4)のモジュレーター、
グルタミン阻害剤:フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ(GFAT)、
GLP−1作動薬、
カリウムチャンネル開口薬、例えば、Novo Nordisk A/SによりWO第97/26265号及びWO第99/03861号に開示されているもの、
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)の阻害剤、
インスリン増感剤、
グルコネオゲネシス及び/又はグリコーゲン分解の刺激に関与する肝臓酵素の阻害剤、
グルコース取込み、グルコース輸送及びグルコース逆吸収のモジュレーター、
11β−HSD1の阻害剤、
蛋白質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の阻害剤、
ナトリウム/グルコース共輸送体1又は2(SGLT1、SGLT2)のモジュレーター、
抗高脂血症性有効成分や抗脂血有効成分などの脂質代謝を変える化合物、
食物取込みと食物吸収を低下させる化合物、
熱発生を増加させる化合物、
PPARとPXRモジュレーター、及び
ベータ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する有効成分、
が挙げられる。
【0069】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、シンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン又はL−659699などのHMGCoAレダクターゼ阻害剤と併用して投与される。
【0070】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、エゼチミベ、チクエシド、パマクエシド、FM−VP4(シトスタノール/カンペステロールアスコルビルホスフェート;Forbes Medi-Tech によるWO第2005042692号)、MD−0727(Microbia Inc. によるWO第2005021497号)などのコレステロール吸収阻害剤、又はWO第2002066464号(Kotobuki Pharmaceutical Co. Ltd.)、WO第2005062824号(Merck & Co.)若しくはWO第2005061451号及びWO第2005061452号(AstraZeneca AB)に記載の化合物と併用して投与される。
【0071】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、JTT−501、GI262570、R−483又はCS−011(リボグリタゾン)などのPPARガンマ作動薬と併用して投与される。
【0072】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、GW9578、GW−590735、K−111、LY−674、KRP−101又はDRF−10945などのPPARアルファ作動薬と併用して投与される。
【0073】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、ムラグリタザル、テサグリタザル、ナベグリタザル、LY−510929、ONO−5129、E−3030、又はWO第00/64888号、WO第00/64876号、WO第03/020269号、WO第2004075891号、WO第2004076402号、WO第2004075815号、WO第2004076447号、WO第2004076428号、WO第2004076401号、WO第2004076426号、WO第2004076427号、WO第2006018118号、WO第2006018115号及びWO第2006018116号に、若しくはJ.P. Berger et al., TRENDS in Pharmacological Sciences 28(5), 244-251, 2005に記載の混合PPARアルファ/ガンマ作動薬と併用して投与される。
【0074】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、GW−501516又はWO第2005097762号、WO第2005097786号、WO第2005097763号及びWO第2006029699号に記載のPPARデルタ作動薬と併用して投与される。
【0075】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、メタグリダセンと、又はMBX−2044若しくは他の部分PPARガンマ作動薬/拮抗薬と併用して投与される。
【0076】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、フェノフィブラート、クロフィブラート又はベザフィブラートなどのフィブラートと併用して投与される。
【0077】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、インプリタピド、BMS−201038、R−103757又はWO第2005085226号に記載のものなどのMTP阻害剤と併用して投与される。
【0078】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、トルセトラピブ又はJTT−705などのCETP阻害剤と併用して投与される。
【0079】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、HMR1741又はDE第10 2005 033099.1号及びDE第10 2005 033100.9号に記載のものなどの胆汁酸吸収阻害剤(例えば、USP第6,245,744号、USP第6,221,897号又はWO第00/61568号)と併用して投与される。
【0080】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、コレスチラミン又はコレセベラムなどの重合体の胆汁酸吸着剤と併用して投与される。
【0081】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、HMR1171、HMR1586又はWO第2005097738号に記載のものなどのLDL受容体誘導剤(USP第6,342,512号)と併用して投与される。
【0082】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、Omacor(登録商標)(オメガ−3脂肪酸類;エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸の高濃縮エチルエステル)と併用して投与される。
【0083】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、アバシミベなどのACAT阻害剤と併用して投与される。
【0084】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、OPC−14117、プロブコール、トコフェロール、アスコルビン酸、β−カロチン又はセレンなどの抗酸化剤と併用して投与される。
【0085】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、ビタミンB6又はビタミンB12などのビタミンと併用して投与される。
【0086】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、イブロリピム(NO−1886)などのリポ蛋白質リパーゼモジュレーターと併用して投与される。
【0087】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、SB−204990などのATPクエン酸リアーゼ阻害剤と併用して投与される。
【0088】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、BMS−188494又はWO第2005077907号に記載のスクアレンシンターゼ阻害剤と併用して投与される。
【0089】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、ゲムカベン(CI−1027)などのリポ蛋白質(a)拮抗薬と併用して投与される。
【0090】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、ニコチン酸などのHM74A受容体作動薬と併用して投与される。
【0091】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、オルリスタット又はセチリスタット(ATL−962)などのリパーゼ阻害剤と併用して投与される。
【0092】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、インスリンと併用して投与される。
【0093】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド又はグリメピリドなどのスルホニル尿素と併用して投与される。
【0094】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、メトホルミンなどのビグアニドと併用して投与される。
【0095】
本発明の別の実施態様において、式Iの化合物は、例えば、レパグリニド又はナテグリニドなどのメグリチニドと併用して投与される。
【0096】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、トログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン又はDr. Reddy's Research FoundationによるWO第97/41097号に開示されている化合物、特に5−[[4−[(3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソ−2−キナゾリニルメトキシ]−フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオンなどのチアゾリジンジオンと併用して投与される。
【0097】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、ミグリトール又はアカルボースなどのα−グルコシダーゼ阻害剤と併用して投与される。
【0098】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリメピリド又はレパグリニドなどのベータ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する有効成分と併用して投与される。
【0099】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、上記化合物の2つ以上と併用して、例えば、スルホニル尿素とメトホルミン、スルホニル尿素とアカルボース、レパグリニドとメトホルミン、インスリンとスルホニル尿素、インスリンとメトホルミン、インスリンとトログリタゾン、インスリンとロバスタチンなどと併用して投与される。
【0100】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、PSN−357又はFR第258900号、又はWO第2003084922号、WO第2004007455号、WO第2005073229−31号若しくはWO第2005067932号に記載のグリコーゲンホスホリラーゼの阻害剤と併用して投与される。
【0101】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、A−770077、NNC−25−2504、又はWO第2004100875号若しくはWO第2005065680号に記載のグルカゴン受容体拮抗薬と併用して投与される。
【0102】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、RO−4389620、LY−2121260(WO第2004063179号)、PSN−105、PSN−110、GKA−50、又は、例えば、ProsidionによるWO第2004072031号、WO第2004072066号、WO第05103021号若しくはWO第06016178号に記載のもの、RocheによるWO第00058293号、WO第00183465号、WO第00183478号、WO第00185706号、WO第00185707号、WO第01044216号、GB02385328号、WO第02008209号、WO第02014312号、WO第0246173号、WO第0248106号、DE第10259786号、WO第03095438号、USP第04067939号若しくはWO第04052869号に記載のもの、Novo NordiskによるEP第1532980号、WO第03055482号、WO第04002481号、WO第05049019号、WO第05066145号若しくはWO第05123132号に記載のもの、Merck/BanyuによるWO第03080585号、WO第03097824号、WO第04081001号、 WO第05063738号若しくはWO第05090332号に記載のもの、Eli LillyによるWO第04063194号に記載のもの、又はAstra ZenecaによるWO第01020327号、WO第03000262号、WO第03000267号、WO第03015774号、WO第04045614号、WO第04046139号、WO第05044801号、WO第05054200号、WO第05054233号、WO第05056530号、WO第05080359号、WO第05080360号若しくはWO第05121110号に記載のものなどの、グルコキナーゼの活性化剤と併用して投与される。
【0103】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、FR第225654号などのグリコネオゲネシスの阻害剤と併用して投与される。
【0104】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、CS−917などのフルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(FBPアーゼ)の阻害剤と併用して投与される。
【0105】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、KST−48 (D.-O. Lee et al.: Arzneim.-Forsch. Drug Res. 54 (12), 835 (2004)) などのグルコーストランスポーター4(GLUT4)のモジュレーターと併用して投与される。
【0106】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2004101528号に記載のグルタミン:フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ(GFAT)の阻害剤と併用して投与される。
【0107】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、ビルダグリプチン(LAF−237)、シタグリプチン(MK−0431)、サキサグリプチン(BMS−477118)、GSK−823093、PSN−9301、SYR−322、SYR−619、TA−6666、TS−021、GRC−8200、GW−825964X、又はWO第2003074500号、WO第2003106456号、WO第200450658号、WO第2005058901号、WO第2005012312号、WO第2005/012308号、PCT/EP第2005/007821号、PCT/EP第2005/008005号、PCT/EP第2005/008002号、PCT/EP第2005/008004号、PCT/EP第2005/008283号、DE第10 2005 012874.2号若しくはDE第10 2005 012873.4号に記載のものなどの、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)の阻害剤と併用して投与される。
【0108】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、BVT−2733、又は、例えば、WO第200190090−94号、WO第200343999号、WO第2004112782号、WO第200344000号、WO第200344009号、WO第2004112779号、WO第2004113310号、WO第2004103980号、WO第2004112784号、WO第2003065983号、WO第2003104207号、WO第2003104208号、WO第2004106294号、WO第2004011410号、WO第2004033427号、WO第2004041264号、WO第2004037251号、WO第2004056744号、WO第2004065351号、WO第2004089367号、WO第2004089380号、WO第2004089470−71号、WO第2004089896号、WO第2005016877号若しくはWO第2005097759号に記載のものなどの、11−ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1(11β−HSD1)の阻害剤と併用して投与される。
【0109】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第200119830−31号、WO第200117516号、WO第2004506446号、WO第2005012295号、PCT/EP第2005/005311号、PCT/EP第2005/005321号、PCT/EP第2005/007151号、PCT/EP第2005/号若しくはDE第10 2004 060542.4号に記載の、蛋白質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の阻害剤と併用して投与される。
【0110】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、KGA−2727、T−1095及びSGL−0010、又は、例えば、WO第2004007517号、WO第200452903号、WO第200452902号、WO第2005121161号、WO第2005085237号、JP第2004359630号若しくはA. L. Handlon による Expert Opin. Ther. Patents (2005) 15(11), 1531-1540に記載のナトリウム/グルコース共輸送体1若しくは2(SGLT1、SGLT2)のモジュレーターと併用して投与される。
【0111】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第01/17981号、WO第01/66531号、WO第2004035550号、WO第2005073199号又はWO第03/051842号に記載のものなどの、ホルモン感受性リパーゼ(HSL)の阻害剤と併用して投与される。
【0112】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第199946262号、WO第200372197号、WO第2003072197号又はWO第2005044814号に記載のものなどの、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)の阻害剤と併用して投与される。
【0113】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2004074288号に記載のものなどの、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEP第CK)の阻害剤と併用して投与される。
【0114】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、USP第2005222220号、WO第2004046117号、WO第2005085230号、WO第2005111018号、WO第2003078403号、WO第2004022544号、WO第2003106410号、WO第2005058908号、USP第2005038023号、WO第2005009997号、USP第2005026984号、WO第2005000836号、WO第2004106343号、EP第1460075号、WO第2004014910号、WO第2003076442号、WO第2005087727号又はWO第2004046117号に記載のものなどの、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3ベータ(GSK−3ベータ)の阻害剤と併用して投与される。
【0115】
本発明の1つの実施態様では、式Iの化合物は、例えば、ルボキシスタウリンなどの蛋白質キナーゼCベータ(PKCベータ)の阻害剤と併用して投与される。
【0116】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、アボセンタン(SPP−301)などのエンドセリン−A受容体拮抗薬と併用して投与される。
【0117】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2001000610号、WO第2001030774号、WO第2004022553号又はWO第2005097129号に記載のものなどの「I−カッパBキナーゼ」の阻害剤(IKK阻害剤)と併用して投与される。
【0118】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2005090336号に記載のグルココルチコイド受容体のモジュレーターと併用して投与される。
【0119】
本発明の更なる実施態様において、式Iの化合物は、以下の物質:
CARTモジュレーター(「コカイン−アンフェタミン制御転写産物はマウスのエネルギー代謝、不安及び胃内容排出に影響する」、 Asakawa, A. et al.: Hormone and Metabolic Research (2001), 33(9), 554-558参照);
NPY拮抗薬、例えば、{4−[(4−アミノキナゾリン−2−イルアミノ)メチル]シクロヘキシルメチル}ナフタレン−1−スルホンアミド塩酸塩(CGP71683A)など;
ペプチドYY3−36(PYY3−36)又は類似化合物、例えば、CJC−1682(Cys34を介してヒト血清アルブミンと結合したPYY3−36)、CJC−1643(血清アルブミンにインビボで結合するPYY3−36の誘導体)又はWO第2005080424号に記載のものなど;
【0120】
カンナビノイド受容体1拮抗薬、例えば、リモナバント、SR147778、又は、例えば、EP第0656354号、WO第00/15609号、WO第02/076949号、WO第2005080345号、WO第2005080328号、WO第2005080343号、WO第2005075450号、WO第2005080357号、WO第200170700号、WO第2003026647−48号、WO第200302776号、WO第2003040107号、WO第2003007887号、WO第2003027069号、USP第6,509,367号、WO第200132663、WO第2003086288号、WO第2003087037号、WO第2004048317号、WO第2004058145号、WO第2003084930号、WO第2003084943号、WO第2004058744号、WO第2004013120号、WO第2004029204号、WO第2004035566号、WO第2004058249号、WO第2004058255号、WO第2004058727号、WO第2004069838号、USP第20040214837号、USP第20040214855号、USP第20040214856号、WO第2004096209号、WO第2004096763号、WO第2004096794号、WO第2005000809号、WO第2004099157号、USP第20040266845号、WO第2004110453号、WO第2004108728号、WO第2004000817号、WO第2005000820号、USP第20050009870号、WO第200500974号、WO第2004111033−34号、WO第200411038−39号、WO第2005016286号、WO第2005007111号、WO第2005007628号、USP第20050054679号、WO第2005027837号、WO第2005028456号、WO第2005063761−62号、WO第2005061509号若しくはWO第2005077897号に記載のものなど;
【0121】
MC4作動薬(例えば、[2−(3a−ベンジル−2−メチル−3−オキソ−2,3,3a,4,6,7−ヘキサヒドロ−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5−イル)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソエチル]−1−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−カルボキサミド(WO第01/91752号))、又はLB53280、LB53279、LB53278若しくはTHIQ、MB243、RY764、CHIR−785、PT−141、又はWO第2005060985号、WO第2005009950号、WO第2004087159号、WO第2004078717号、WO第2004078716号、WO第2004024720号、USP第20050124652号、WO第2005051391号、WO第2004112793号、WOUSP第20050222014号、USP第20050176728号、USP第20050164914号、USP第20050124636号、USP第20050130988号、USP第20040167201号、WO第2004005324号、WO第2004037797号、WO第2005042516号、WO第2005040109号、WO第2005030797号、USP第20040224901号、WO第200501921号、WO第200509184号、WO第2005000339号、EP第1460069号、WO第2005047253号、WO第2005047251号、EP第1538159号、WO第2004072076号、WO第2004072077号若しくはWO第2006024390号に記載のもの;
【0122】
オレキシン受容体拮抗薬(例えば、1−(2−メチルベンゾオキサゾール−6−イル)−3−[1,5]ナフチリジン−4−イル尿素塩酸塩(SB−334867−A)、又は、例えば、WO第200196302号、WO第200185693号、WO第2004085403号若しくはWO第2005075458号に記載のもの);
ヒスタミンH3受容体作動薬(例えば、3−シクロヘキシル−1−(4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)−プロパン−1−オン蓚酸塩(WO第00/63208号)又はWO第200064884号、WO第2005082893号に記載のもの);
CRF拮抗薬(例えば、[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)−9H−1,3,9−トリアザフルオレン−4−イル]ジプロピルアミン(WO第00/66585号));
CRFBP拮抗薬(例えば、ウロコルチン);
ウロコルチン作動薬;
β3作動薬(例えば、1−(4−クロロ−3−メタンスルホニルメチルフェニル)−2−[2−(2,3−ジメチル−1H−インドール−6−イルオキシ)エチルアミノ]エタノール塩酸塩(WO第01/83451号)など);
【0123】
MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)作動薬;
MCH(メラニン凝集ホルモン)受容体拮抗薬(例えば、NBI−845、A−761、A−665798、A−798、ATC−0175、T−226296、T−71、GW−803430、又はWO第2003/15769号、WO第2005085200号、WO第2005019240号、WO第2004011438号、WO第2004012648号、WO第2003015769号、WO第2004072025号、WO第2005070898号、WO第2005070925号、WO第2006018280号、WO第2006018279号、WO第2004039780号、WO第2003033476号、WO第2002006245号、WO第2002002744号、WO第2003004027号若しくはFR第2868780号に記載の化合物など);
CCK−A作動薬(例えば、{2−[4−(4−クロロ−2、5−ジメトキシフェニル)−5−(2−シクロヘキシルエチル)−チアゾール−2−イルカルバモイル]−5,7−ジメチルインドール−1−イル}酢酸トリフルオロ酢酸塩(WO第99/15525号)、SR−146131(WO第0244150号)又はSSR−125180など);
セロトニン再取り込み阻害剤(例えばデクスフェンフルラミン);
セロトニンとノルアドレナリン作動化合物の混合物(例えば、WO第00/71549号);
【0124】
5−HT受容体作動薬、例えば、1−(3−エチルベンゾフラン−7−イル)ピペラジン蓚酸塩(WO第01/09111号);
5−HT2C受容体作動薬(例えば、APD−356、BVT−933、又はWO第200077010号、WO第20077001−02号、WO第2005019180号、WO第2003064423号、WO第200242304号若しくはWO第2005082859号に記載のものなど);
5−HT6受容体拮抗薬、例えば、WO第2005058858号に記載のものなど;
ボンベシン受容体作動薬(BRS−3作動薬);
ガラニン受容体拮抗薬;
成長ホルモン(例えば、ヒト成長ホルモン又はAOD−9604);
成長ホルモン放出化合物(t−ブチル6−ベンジルオキシ−1−(2−ジイソプロピルアミノ−エチルカルバモイル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボキシレート(WO第01/85695号));
成長ホルモン分泌促進因子受容体拮抗薬(グレリン拮抗薬)、例えば、A−778193又はWO第2005030734号に記載のものなど;
TRH作動薬(例えば、EP第0 462 884号参照);
脱共役蛋白質2又は3モジュレーター;
レプチン作動薬(例えば、Lee, Daniel W.; Leinung, Matthew C.; Rozhavskaya- Arena, Marina; Grasso, Patricia. 肥満治療の可能性のある方法としてのレプチン作動薬. Drugs of the Future (2001), 26(9), 873-881を参照);
【0125】
DA作動薬(ブロモクリプチン又はDoprexin);
リパーゼ/アミラーゼ阻害剤(例えば、WO第00/40569号に記載のものなど);
ジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ(DGAT)の阻害剤、例えば、USP第2004/0224997号、WO第2004094618号、WO第200058491号、WO第2005044250号、WO第2005072740号、JP第2005206492号又はWO第2005013907号に記載のものなど;
脂肪酸シンターゼ(FAS)の阻害剤、例えば、C75又はWO第2004005277号に記載のものなど;
オキシントモジュリン;
オレイル−エストロン、又は、例えば、KB−2115又はWO第20058279号、WO第200172692号、WO第200194293号、WO第2003084915号、WO第2004018421号若しくはWO第2005092316号に記載の甲状腺ホルモン受容体作動薬;
と併用して投与される。
【0126】
本発明の1つの実施態様において、更なる有効成分はレプチンである; 例えば、“Perspectives in the therapeutic use of leptin”, Salvador, Javier; Gomez-Ambrosi, Javier; Fruhbeck, Gema, Expert Opinion on Pharmacotherapy (2001), 2(10), 1615-1622を参照。
【0127】
本発明の1つの実施態様において、更なる有効成分はデキサンフェタミン又はアンフェタミンである。
【0128】
本発明の1つの実施態様において、更なる有効成分はフェンフルラミン又はデクスフェンフルラミンである。
【0129】
本発明の別の実施態様において、更なる有効成分はシブトラミンである。
【0130】
本発明の1つの実施態様において、更なる有効成分はマジンドール又はフェンテルミンである。
【0131】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、増量剤、好ましくは不溶性増量剤(例えば、イナゴマメ/Caromax(登録商標)(Zunft H J; et al. Carob pulp preparation for treatment of hypercholesterolemia, ADVANCES IN THERAPY (2001 Sep-Oct), 18(5), 230-6)と併用して投与される。Caromax(登録商標)はNutrinova, Nutrition Specialties & Food Ingredients GmbH, Industriepark Hoechst, 65926 Frankfurt/Main製のイナゴマメ含有製品である)。Caromax(登録商標)との併用は、1つの製剤で、又は式Iの化合物とCaromax(登録商標)の分離投与により可能である。これに関連して、Caromax(登録商標)は、例えば、ベーカリー製品又はムースリ・バーなどの食品の形態でも投与することができる。
【0132】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2003/077949号又はWO第2005012485号に記載のPDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤と併用して投与される。
【0133】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2004094429号に記載のNAR−1(ニコチン酸受容体)作動薬と併用して投与される。
【0134】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、USP第2005/143448号に記載のCB2(カンナビノイド受容体)作動薬と併用して投与される。
【0135】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2005101979号に記載のヒスタミン1作動薬と併用して投与される。
【0136】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、WO第2006017504号に記載のブプロピオンと併用して投与される。
【0137】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2005107806号又はWO第2004094429号に記載のオピオイド拮抗薬と併用して投与される。
【0138】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第200202513号、WO第2002/06492号、WO第2002040008号、WO第2002040022号又はWO第2002047670号に記載の、中性エンドペプチダーゼ阻害剤と併用して投与される。
【0139】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2002047670号に記載のNPY阻害剤(ニューロペプチドY)と併用して投与される。
【0140】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2003092694号に記載のナトリウム/水素交換阻害剤と併用して投与される。
【0141】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2005090336号に記載のグルココルチコイド受容体のモジュレーターと併用して投与される。
【0142】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2004094429号に記載のニコチン受容体作動薬と併用して投与される。
【0143】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、WO第2002053140号に記載のNRI(ノルエピネフリン再取り込み阻害剤)と併用して投与される。
【0144】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、セゲリン(segeline)、又は、例えば、WO第2002053140号に記載のMOA(E−ベータ−メトキシアクリレート)と併用して投与される。
【0145】
本発明の1つの実施態様において、式Iの化合物は、例えば、クロピドロゲル(clopidrogel)などの抗血栓性有効成分と併用して投与される。
【0146】
本発明の化合物及び1つ又はそれ以上の上記の化合物、並びに場合により1つ又はそれ以上の更なる薬理学的に活性な物質の適切な併用は、本発明の範囲に包含されることを意味する。
【0147】
上記の開発コードのいくつかの化学式を以下に示す。
【化2】

【0148】
【化3】

【0149】
【化4】

【0150】
【化5】

【0151】
【化6】

【0152】
化合物の活性は、以下のようにテストされた。
細胞PPARアルファのアッセイにおけるPPAR作動薬のEC50値の測定
原理
ヒトPPARアルファに結合し、作動薬様にそれを活性化する物質の効力は、本明細書でPPARアルファレポーター細胞株と呼ばれる、安定にトランスフェクションされたHEK細胞株(HEK=ヒト胎児腎臓)を用いて測定された。それには2つの遺伝要素が含まれ、ルシフェラーゼレポーター要素(pデルタM−GAL4−Luc−Zeo)と、PPARアルファリガンドに依存するルシフェラーゼレポーター要素の発現を仲介する、PPARアルファ融合蛋白質(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)である。安定的で構成的に発現された融合蛋白質GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBDは、PPARアルファレポーター細胞株の細胞核において、GAL4蛋白質部分を介して細胞株のゲノムに安定的に融合された、ルシフェラーゼレポーター要素のGAL4DNA結合モチーフの5’−上流に結合する。もし脂肪酸除去ウシ胎児血清(cs−FCS)がアッセイに用いられるならば、PPARアルファリガンドの存在なしでは、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現は単に弱いものである。PPARアルファリガンドは、PPARアルファ融合蛋白質に結合してこれを活性化し、それによってルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を刺激する。形成されたルシフェラーゼは、適切な基質を経由して化学発光法によって検出し得る。
【0153】
PPARアルファレポーター細胞株の構築
PPARアルファレポーター細胞株は2段階で調製された。先ず、ルシフェラーゼレポーター要素が構築され、HEK細胞に安定的にトランスフェクションされた。この目的のために、酵母転写因子GAL4(登録番号#AF264724)の5つの結合部位が、68個の塩基対の長さの最小限MMTVプロモータ(登録番号#V01175)の5’−上流にクローン化された。最小限MMTVプロモータ部位は、RNAポリメラーゼIIによる十分な転写を可能にするために、CCAATボックスとTATA要素を含んでいる。GAL4−MMTV構築物のクローン化とシーケンシングは、J. Sambrookらの記述と同様に行われた(Molecular cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1998)。次に、完全なPhotinus pyralis遺伝子(登録番号#M15077)は、GAL4−MMTV要素の3’−下流にクローン化された。シーケンシング後に、5つのGAL4結合部位、MMTVプロモーター及びルシフェラーゼ遺伝子から成るルシフェラーゼレポーター要素は、プラスミドpデルタM−GAL4−Luc−Zeoを得るために、ゼオシン抵抗性を与えるプラスミドに再クローン化された。このベクターは、F. M. Ausubelらによって発表されたものに従ってHEK細胞にトランスフェクションされた(Current protocols in molecular biology, Vol. 1-3, John Wiley & Sons, Inc., 1995)。そして、ゼオシン含有培地(0.5mg/ml)が、ルシフェラーゼ遺伝子の非常に低い基本的発現を示す、適切な安定細胞クローンを選択するのに使われた。
第2の段階では、PPARアルファ融合蛋白質(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)が、前述の安定細胞クローンに導入された。この目的のために、先ずグルココルチコイド受容体(登録番号#P04150)のN末端76アミノ酸をコードするcDNAが、酵母転写因子GAL4(登録番号#P04386)の1から147のアミノ酸をコードするcDNA部位に連結された。ヒトPPARアルファ受容体(アミノ酸S167−Y468;登録番号#S74349)のリガンド結合領域のcDNAは、このGR−GAL4構築物の3’−末端にクローン化された。この方法で調製された融合構築物(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)は、サイトメガロウイルスプロモータによって構成的発現を可能にするために、プラスミドpcDNA3(Invitrogen)に再クローン化された。このプラスミドは制限エンドヌクレアーゼで線状にされ、また前述のルシフェラーゼレポーター要素を含む細胞クローンに安定的にトランスフェクションされた。ルシフェラーゼレポーター要素を含み、PPARアルファ融合蛋白質(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)を構成的に発現する最終的なPPARアルファレポーター細胞株は、ゼオシン(0.5mg/ml)とG418(0.5mg/ml)を用いた選択によって単離された。
【0154】
アッセイ手順
PPARアルファ作動薬の活性は、以下に示す3日間分析によって測定された。
1日目
PPARアルファレポーター細胞株は、以下の添加物類と混合されたDMEM(#41965−039、Invitrogen)において、80%のコンフルエンスまで培養された:10%のcs−FCS(ウシ胎児血清;#SH−30068.03、Hyclone)、0.5mg/mlゼオシン(#R250−01、Invitrogen)、0.5mg/mlG418(#10136−027、Invitrogen)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(#15140−122、Invitrogen)及び2mMのL−グルタミン(#25030−024、Invitrogen)。培養は、5%炭酸ガス存在下、37℃の条件で、細胞培養インキュベーター中で標準細胞培養ビン(#353612、Becton Dickinson)にて行われた。80%コンフルエントの細胞は、15mlのPBS(#14190−094、Invitrogen)で一旦洗浄され、37℃で2分間、3mlのトリプシン溶液(#25300−054、Invitrogen)で処理され、5mlの前述のDMEMに取り込み、細胞計数装置で計数された。500,000細胞/mlに希釈し、透明のプラスチック基板(#3610、Corning Costar)で96穴マイクロタイタープレートのそれぞれの穴に35,000個の細胞を接種した。そのプレートを37℃、5%炭酸ガス下で24時間細胞培養した。
2日目
テストされるPPARアルファ作動薬は、10mMの濃度でDMSOに溶解された。この原液は、5%のcs−FCS(#SH−30068.03、Hyclone)、2mMのL−グルタミン(#25030−024、Invitrogen)及び前述の抗生物質(ゼオシン、G418、ペニシリン及びストレプトマイシン)を混合したDMEM(#41965−039、Invitrogen)中に希釈された。
テスト物質は10μMから100pMの11の異なった濃度範囲でテストされた。より強力な化合物は1μMから10pM、又は100nMから1pMの濃度範囲でテストされた。
1日目に接種したPPARアルファレポーター細胞株の培地は吸引によって完全に取り除かれ、培地中に希釈されたテスト物質は直ちに細胞に加えられた。物質の希釈と添加は、ロボット(Beckman FX)によって行われた。培地に希釈されたテスト物質の最終的な量は、96穴マイクロタイタープレートの穴当たり100μlである。アッセイにおけるDMSO濃度は、溶媒の細胞毒作用を防ぐために0.1%v/v未満とした。
それぞれのプレートに標準PPARアルファ作動薬を充填した。この作動薬は、それぞれ個々のプレート中のアッセイの機能を実証するために、11の異なった濃度に同様希釈された。アッセイプレートは、インキュベーター中、37℃、5%炭酸ガス下で24時間インキュベートされた。
3日目
テスト物質で処理されたPPARアルファレポーター細胞は、インキュベーターから取り出され、培地は吸引除去された。96穴マイクロタイタープレートのそれぞれの穴に50μlのBright Glo試薬(Promega製)をピペッティングして細胞を溶解した。暗所で10分間、室温にてインキュベーション後、マイクロタイタープレートを照度計(Wallac製のTrilux)で測定した。マイクロタイタープレートにおける1穴当たりの測定時間は1秒間であった。
【0155】
評価
照度計からの生データは、Microsoft社のExcelファイルに転送された。PPAR作動薬の投与効果プロットとEC50値は、製造会社(IDBS)仕様のXL.Fitプログラムを用いて計算された。
【0156】
本出願に記載された実施例1から19までのPPAR作動薬に対して、100nMから10μM未満までの範囲のPPARアルファのEC50値を測定した。本発明の式Iの化合物は、PPARアルファ受容体を活性化する。
【0157】
細胞のPPARデルタのアッセイにおけるPPAR作動薬のEC50値の測定
原理
ヒトPPARデルタに結合し、それを作動薬様に活性化する物質の効力は、本明細書でPPARデルタ細胞株と呼ばれる、安定的にトランスフェクションされたHEK細胞株(HEK=ヒト胎児腎臓)を用いて分析された。PPARアルファの項で記載されたアッセイと同様に、PPARデルタレポーター細胞株も、また2つの遺伝要素、即ち、ルシフェラーゼレポーター要素(pデルタM−GAL4−Luc−Zeo)とPPARデルタリガンドに依存するルシフェラーゼレポーター要素の発現を仲介する、PPARデルタ融合蛋白質(GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBD)を含有する。安定的で構成的に発現された融合蛋白質GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBDは、PPARデルタレポーター細胞株の細胞核において、GAL4蛋白質部分を介して細胞株のゲノムに安定的に融合されたルシフェラーゼレポーター要素のGAL4DNA結合モチーフの5’−上流に結合する。もし脂肪酸除去ウシ胎児血清(cs−FCS)がその測定に用いられるならば、PPARデルタリガンドの存在なしでは、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現は単に弱いものである。PPARデルタリガンドは、PPARデルタ融合蛋白質に結合し活性化し、それによってルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を刺激する。形成されたルシフェラーゼは、適切な基質を経由して化学発光法によって検出し得る。
【0158】
PPARデルタレポーター細胞株の構築
安定なPPARデルタレポーター細胞株の製造は、ルシフェラーゼレポーター要素と安定的にトランスフェクションされた安定なHEK−細胞クローンに基づいている。この工程は、すでに「PPARアルファレポーター細胞株の構築」の項で述べた。第2工程で、PPARデルタ融合蛋白質(GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBD)は、この細胞クローンに安定的に導入された。この目的のために、グルココルチコイド受容体(登録番号#P04150)のN末端76番目のアミノ酸をコードするcDNAが、酵母転写因子GAL4(登録番号#P04386)の1から147のアミノ酸をコードするcDNA部位に連結された。ヒトPPARデルタ受容体(アミノ酸S139−Y441;登録番号#L07592)のリガンド結合領域のcDNAは、このGR−GAL4構築物の3’末端にクローン化された。この方法で調製された融合構築物(GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBD)は、サイトメガロウイルスプロモータによって構成的発現を可能にするために、プラスミドpcDNA3(Invitrogen)に再クローン化された。このプラスミドは制限エンドヌクレアーゼで線状にされ、また前述のルシフェラーゼレポーター要素を含む細胞クローンに安定的にトランスフェクションされた。ルシフェラーゼレポーター要素を含み、PPARデルタ融合蛋白質(GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBD)を構成的に発現する最終的なPPARデルタレポーター細胞株は、ゼオシン(0.5mg/ml)とG418(0.5mg/ml)を用いた選択によって単離された。
【0159】
アッセイの手順と評価
PPARデルタ作動薬の活性は、PPARデルタレポーター細胞株や特異的PPARデルタレポーター作動薬が、対照試験の効果に対する標準として用いられたことを除いて、3日間分析にて、PPARアルファレポーター細胞株ですでに記載したのと全く同様の手順で測定された。
【0160】
この出願に記載された実施例1から19のPPAR作動薬について、PPARデルタのEC50値は200nMから10μM未満までの範囲で測定された。本発明の式Iの化合物は、PPARデルタ受容体を活性化する。
【0161】
細胞のPPARガンマのアッセイにおけるPPAR作動薬のEC50値の測定
原理
一時的なトランスフェクション・システムが、PPAR作動薬の細胞のPPARガンマ活性を測定するために使用される。それはルシフェラーゼレポータープラスミド(pGL3塩基性−5xGAL4−TK)及びPPARガンマ発現プラスミド(pcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBD)の使用に基づいている。どちらのプラスミドも、一時的にヒト胎児腎臓細胞(HEK細胞)にトランスフェクションされる。その後、レポータープラスミドのGAL4結合点に結合する、融合タンパク質GAL4−ヒトPPARガンマLBDのこれらの細胞に発現がある。PPARガンマ活性リガンドの存在下に、活性化された融合タンパク質GAL4−ヒトPPARガンマLBDが、ルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を誘導し、それはルシフェラーゼ基質の添加の後の化学発光シグナルの形で検出され得る。安定してトランスフェクションされたPPARアルファレポーター細胞株からの差として、細胞のPPARガンマアッセイでは、PPARガンマ融合蛋白質の安定で恒久的な発現が細胞毒性であるため、2つの成分(ルシフェラーゼレポータープラスミド及びPPARガンマ発現プラスミド)をHEK細胞に一時的にトランスフェクションさせる。
【0162】
プラスミドの構築
ルシフェラーゼレポータープラスミドpGL3塩基性−5xGAL4−TKは、PromegaからのベクターpGL3塩基性に基づいている。レポータープラスミドは、イースト転写因子GAL4(各結合部位は配列5'CTCGGAGGACAGTACTCCG-3'を有する)の5箇所の結合部位を、160個の塩基対の長さのチミジンキナーゼプロモーター部(Genbank登録#AF027128)の5’−上流と一緒に、pGL3塩基性にクローン化することにより調製される。チミジンキナーゼプロモーターの3’−下流は、既に使用されたプラスミドpGL3塩基性の成分であるPhotinus pyralis(Genbank登録#M15077)からの完全なルシフェラーゼ遺伝子である。レポータープラスミドpGL3塩基性−5xGAL4−TKのクローニング及びシークエンシングはSambrook J. et. al.の記載と同様に行った(Molecular cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989)。
PPARガンマ発現プラスミドpcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBDは、先ずイースト転写因子GAL4(Genbank登録#P04386)のアミノ酸1−147をコードするcDNAを、サイトメガロウイルス・プロモーターのプラスミドpcDNA3(Invitrogenから)の3’−下流へクローニングして調製された。続いて、GAL4DNA結合ドメインのヒトPPARガンマ受容体(アミノ酸I152−Y475;登録#g1480099)の3’−下流のリガンド結合ドメイン(LBD)のcDNAについて行った。再度、PPARガンマ発現プラスミドpcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBDのクローニング及びシークエンシングをSambrook J. et. al.の記載と同様に行った(Molecular cloning, Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989)。ルシフェラーゼレポータープラスミドpGL3塩基性−5xGAL4−TK及びPPARガンマ発現プラスミドpcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBDに加えて、細胞PPARガンマアッセイにも、参照プラスミドpRL−CMV(Promegaから)及びStrategeneからのプラスミドpBluescriptSK(+)が使われた。全ての4つのプラスミドは、HEK細胞へトランスフェクションする前に、最小のエンドトキシン含有量を有するプラスミド品質を保証した、 Qiagenからのプラスミド調製キットを使って作成された。
【0163】
アッセイ手順
PPARガンマ作動薬活性は、以下に記述される4日アッセイにおいて測定された。トランスフェクションの前に、HEK細胞は、以下の添加物:10%FCS(#16000−044、Invitrogen)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(#15140−122、Invitrogen)及び2mMのL−グルタミン(#25030−024、Invitrogen)、と混合されたDMEM(41965−039、Invitrogen)で培養された。
1日目
先ず、溶液A、即ちDMEMに加えて、先に記述された全ての4つのプラスミドを含有するトランスフェクション混合物が調製された。アッセイ用の各96穴のマイクロタイタープレートに対して、下記の量が3mlの溶液Aを作成するために使われた:2622μlの抗生物質及び無血清DMEM(#41965−039、Invitrogen)、100μlの参照プラスミドpRLCMV(1ng/μl)、100μlのルシフェラーゼレポータープラスミドpGL3塩基性−5xGAL4−TK(10ng/μl)、100μlのPPARガンマ発現プラスミドpcDNA3−GAL4−ヒトPPARガンマLBD(100ng/μl)、及び78μlのプラスミドpBluescriptSK(+)(500ng/μl)。次いで、2mlの溶液Bを、1.9mlのDMEM(#41965−039、Invitrogen)を、各96穴のウエルマイクロタイタープレートに対して100μlのPolyFectトランスフェクション試薬(Qiagenから)と混合することによって調製した。次いで、3mlの溶液Aを2mlの溶液Bと混ぜて、5mlの溶液Cとし、それを複数のピペッティングによって十分に混合し、10分の間室温でインキュベートした。
175cm2の容量の細胞培養瓶からの80%−コンフルエントのHEK細胞を、15mlのPBS(#14190−094(Invitrogen)で1回洗浄し、3mlのトリプシン溶液(#25300−054、Invitrogen)で37°Cで2分間処理した。次に、細胞を10%FCS(#16000−044、Invitrogen)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(#15140−122、Invitrogen)及び2mM L−グルタミン(#25030−024、Invitrogen)を混合した15mlのDMEM(#41965−039、Invitrogen)に溶解した。細胞懸濁液を細胞カウンターで計数した後、懸濁液を25万個の細胞/mlに希釈した。15mlのこの細胞懸濁液を、1つのマイクロタイタープレートに対して5mlの溶液Cと混合した。200μlの懸濁液は、透明なプラスチックベース(3610、Corning Costar)を有する96穴のマイクロタイタープレートの各ウェルにシードされた。プレートは、細胞培養インキュベーターの中で、37℃及び5%CO2で24時間インキュベートした。
2日目
テストするPPAR作動薬を10mmの濃度でDMSOに溶解した。このストック溶液を、2%のUltroser(#12039−012、Biosepra)、1%のペニシリン・ストレプトマイシン溶液(#15140−122、Invitrogen)及び2mMのL−グルタミン(#25030−024、Invitrogen)を混合したDMEM(#41965−039、Invitrogen)で希釈した。テスト物質は、10μMから100pMの合計11の異なった濃度範囲でテストされた。より効能のある化合物は、1μMから10pMの濃度範囲でテストされた。
1日目にトランスフェクトされシードされたHEK細胞の培地は、吸引によって完全に除去され、培地の中で希釈されたテスト物質は、細胞へ直ちに加えられた。物質の希釈及び追加は、ロボット(Beckman FX)によって行われた。培地で薄められたテスト物質の最終容積は、96穴のマイクロタイタープレートの1穴当たり100μlであった。各プレートは、個々のプレート中のアッセイの機能を実証するために、11の異なる濃度で同様に薄められた標準PPARガンマ作動薬を充填された。アッセイプレートは、インキュベーターの中で、37℃及び5%CO2でインキュベートされた。
4日目
吸引による培地の除去後、細胞を溶解し、細胞中に形成された蛍ルシフェラーゼ(Photinus pyralis)の基質を提供するために、製造会社の説明書に従って、50μlのDual-GloTM試薬(Dual-GloTM Luciferase Assay System; promega)をそれぞれの穴に加えた。室温で10分間の暗所でのインキュベーション後、蛍ルシフェラーゼ媒介化学発光を測定器(測定時間/穴:1秒;WallacからのTrilux)で測定した。その後、蛍ルシフェラーゼの活性を止め、かつ参照プラスミドpRL−CMVによって発現されたRenillaルシフェラーゼの基質を提供するために、50μlのDual-GloTM STOP & Glo試薬(Dual-GloTMのルシフェラーゼアッセイシステム; Promega)を各穴に添加した。室温で更に10分間の暗所でのインキュベーション後、Renillaシフェラーゼによって媒介された化学発光を、再度測定器中で穴当たり1秒間測定した。
【0164】
評価
照度計からの粗データをMicrosoftのエクセルファイルに移した。蛍/Renillaルシフェラーゼ活性の比率は、マイクロタイタープレートの1穴に由来した各測定毎に決定された。PPAR作動薬の投与量−効果プロットとEC50値は、製造会社(IDBS)により指定されたXL.Fitプログラムによる比率から計算した。
【0165】
1nM以上10μM未満の範囲のPPARガンマのEC50値は、本出願に記述された実施例1〜19のPPAR作動薬で測定された。本発明の式Iの化合物は、PPARガンマ受容体を活性化する。
【0166】
表1に示された実施例は、本発明を説明するものであるが、それに限定されるものではない。
【化7】

式中、
R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、水素原子であり;
pは、1であり;
点線は、結合点を意味し;
環B上の点線は、zを経由する環Aへの結合点を意味し;
環A上の左の点線は、zを経由する環Bへの結合点を意味し、右の点線は−[C(R6R7)]m−への結合点を意味する。
【0167】
【表1】

【0168】
【表2】

【0169】
記載されたいくつかの実施例の効力は、以下の表に示す。
【表3】

【0170】
方法
本発明による一般式Iの化合物は、以下の反応スキームに概説した様にして得ることができる。
【0171】
方法A
この方法は、一般式A−8の化合物であって、A、B、m、p、q、R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9が定義された通りである化合物を合成するために使用
される。
【化8】

【0172】
R2及びR3が定義された通りである一般式A−1のスルホン酸ナトリウム塩を、非プロトン性極性溶媒ジメチルホルムアミド中還流下チオニルクロリドで処理し、一般式A−3のベンゼンスルホニルクロリドを得る。代わりに、R2及びR3が定義された通りである一般式A−2の酢酸フェニルエステルを、クロロスルホン酸で処理し、一般式A−3のベンゼンスルホニルクロリドを得る。一般式A−3のベンゼンスルホニルクロリドを、R1が定義された通りである一般式A−4の[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミンを、触媒量のN,N−ジメチルアミノピリジンを含有するピリジン中で結合させ、一般式A−5のベンゼンスルホニルアミドを得る。一般式A−5の化合物のスルホンアミド部分の水素原子は、例えば、2−(トリメチルシリル)エトキシ−メチルクロリドにより、N,N−ジイソプロピルエチルアミンの様な塩基及び触媒量の4−ジメチルアミノピリジンの存在下、ジクロロメタンの様な非極性の溶媒中で処理することにより、2−(トリメチルシリル)エトキシ−メチル保護基(SEM)で保護され、一般式A−5の化合物を得る。メタノールの様な極性溶媒中炭酸ナトリウムで処理することにより、O−アセチル基が除去され、一般式A−6のフェノールを得る。一般式A−6のフェノールは、FGがOMs、OTs又はハライドであり、A、B、Z、m、p、q、R4、R5、R6、R7、R8及びR9が定義された通りである、一般式BBのハロゲン化物、メシル化物、トシル化物と、炭酸セシウムの様な塩基の存在下、ジメチルホルムアミドの様な溶媒中において結合させるか、又はFGがOHであり、A、B、Z、m、p、q、R4、R5、R6、R7、R8及びR9が定義された通りである、一般式ABBのアルコールと、Mitsunobu反応条件下(例えば、トリフェニルホスフィン、アゾジカルボン酸ジエチル)で、ジクロロメタン又はテトラヒドロフランの様な溶媒中、結合させるかのいずれかにより、一般式A−7の化合物を得る。一般式A−7の化合物の保護基は、テトラ−N−ブチルアンモニウムフルオリドによるテトラヒドロフランの様な極性溶媒中での処理により除去され、一般式A−8の化合物を得る。
実施例1〜12は、方法Aに従って得られた。
他の化合物も本方法に従って、又は公知の方法により得ることができる。
【0173】
方法B
この方法は、A、B、m、p、q、R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9が定義された通りである一般式B−5の化合物を合成するために使用される。
【化9】

【0174】
R2及びR3が定義されたものである一般式B−1のフェノールを、FGがハロゲン化物、メシル化物又はトシル化物であって、A、B、Z、m、p、q、R4、R5、R6、R7、R8及びR9が定義されたものである、一般式BBのハロゲン化物、メシル化物又はトシル化物と、炭酸セシウム又は水素化ナトリウムの様な塩基の存在下、ジメチルホルムアミドの様な非プロトン性極性溶媒中で結合させるか、又はFGがOHであり、A、B、Z、m、p、q、R4、R5、R6、R7、R8及びR9が定義されたものである、一般式BBのアルコールと、Mitsunobu反応条件下(例えば、トリフェニルホスフィン、アゾジカルボン酸ジエチル)で、ジクロロメタン又はテトラヒドロフランの様な溶媒中で結合させるかのいずれかにより、一般式B−2の化合物を得る。一般式B−2の化合物を、クロロスルホン酸で、ジクロロメタンの様な非極性の溶媒中で処理して、一般式B−3のベンゼンスルホニルクロリドを得る。一般式B−3のベンゼンスルホニルクロリドを、R1が定義された通りである一般式B−4の[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミンと、触媒量のN,N−ジメチルアミノピリジンを有するピリジン中で結合させ、一般式B−5のスルホニルアミドを得る。
実施例13〜19は、方法Bに従って得られた。
他の化合物も本方法に従って、又は公知の方法により得ることができる。
【0175】
方法BB
この方法は、R4及びR5がHであり、そして、R6、R7、A、B、m、p、q、Z、R8及びR9が定義されたものである一般式BB−2の、及び、R4及びR5がHであり、FGがハロゲン化物、メシル化物又はトシル化物であり、そして、R6、R7、A、B、m、p、q、Z、R8及びR9が定義されたものである一般式BB−3の、部分構造を合成するために用いられる。
【化10】

【0176】
R6、R7、R8、R9、A、Z、m、p、q及びBが定義されたものである一般式BB−1のカルボン酸エステル又はカルボン酸を、リチウムアルミニウムヒドリドの様な還元剤で、テトラヒドロフランの様な極性溶媒中で還元し、一般式BB−2のアルコールを得る。一般式BB−2の化合物のヒドロキシル基は、最先端の技術において公知の方法により、例えば、塩化物、トシル化物又はメシル化物の様な脱離基(LG)に転換される。
他の化合物も本方法に従って、又は公知の方法により得ることができる。
【0177】
略号のリスト
【表4】

【0178】
【表5】

【0179】
式Iの更なる化合物は、本方法に従って、又は公知の方法により調製することができる。
【0180】
上記の実施例を調製するための実験の手順は、以下に記載の通りである。
【0181】
方法BBによる部分構造の合成
[4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−フェニル]−メタノール
【化11】

市販の4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−安息香酸(2.0g)のテトラヒドロフラン(180ml)溶液に、リチウムアルミニウムヒドリド(269mg)を、−20℃で小分けして加えた。反応温度を−5℃から−20℃の間に維持した。添加を終えた後、冷却浴を除去し、反応混合物を室温まで放置して温めた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を再び、−40℃に冷却し、そして、水(3ml)を加えた。冷却浴を除去し、反応混合物を室温まで温めた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。次いで、反応混合物をMgSO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、シリカゲル上(溶離液:n−ヘプタン/酢酸エチル=9/1→2/1)でのフラッシュクロマトグラフィーで精製し、[4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−フェニル]−メタノール(600mg)を得た。
C14H11F3O2(268.24),Rf(n−ヘプタン/酢酸エチル= 1/1)=0.41。
【0182】
1−クロロメチル−4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ベンゼン
【化12】

1H−ベンゾトリアゾール(5.37g)をチオニルクロリド(10.9ml)に溶解した。反応溶液をジクロロメタンで、全容積が100mlに成る様に希釈し、1.5Mのチオニルクロリド及び1H−ベンゾトリアゾールの溶液を得た。[4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−フェニル]−メタノール(600mg)を、ジクロロメタン(50ml)に溶解した。上記の1.5Mのチオニルクロリド及び1H−ベンゾトリアゾール溶液(1.86ml)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。沈殿物を、Na2SO4パッドを通して濾過した。濾液を減圧下で蒸発させ、残留物をシリカゲル上(溶離液:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/2→1/1))でのフラッシュクロマトグラフィーで精製し、1−クロロメチル−4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ベンゼン(613mg)を得た。
C14H10ClF3O(286.68),Rf(n−ヘプタン/酢酸エチル=2/1)=0.67。
【0183】
1−クロロメチル−4−(2−メトキシ−フェノキシ)−ベンゼン
【化13】

1−クロロメチル−4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ベンゼンの項で記載した方法に従い、1−クロロメチル−4−(2−メトキシ−フェノキシ)−ベンゼンを、市販の4−(2−メトキシフェノキシ)安息香酸から得た。
C14H13ClO2(248.71),Rf(n−ヘプタン/酢酸エチル=2/1)=0.54。
【0184】
3−クロロメチル−6−メトキシ−ベンゾフラン
【化14】

1−クロロメチル−4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ベンゼンの項で記載した方法に従い、3−クロロメチル−6−メトキシ−ベンゾフランを、市販の6−メトキシ−ベンゾフラン−3−カルボン酸エチルエステルから得た。
C10H9ClO2(196.64),Rf(n−ヘプタン/酢酸エチル=2/1)=0.59。
【0185】
2−クロロメチル−5−メトキシ−ベンゾフラン
【化15】

1−クロロメチル−4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ベンゼンの項で記載した方法に従い、2−クロロメチル−5−メトキシ−ベンゾフランを、市販の5−メトキシ−ベンゾフラン−2−カルボン酸から得た。
C10H9ClO2(196.64),Rf(n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)=0.74。
【0186】
5−クロロメチル−4−メチル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール
【化16】

1−クロロメチル−4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ベンゼンの項で記載した方法に従い、5−クロロメチル−4−メチル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾールを、市販の4−メチル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸から得た。
C12H9ClF3NS(291.72),Rf(n−ヘプタン/酢酸エチル=2/1)=0.52。
【0187】
5−クロロメチル−4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール
【化17】

1−クロロメチル−4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ベンゼンの項で記載した方法に従い、5−クロロメチル−4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾールを、市販の4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸から得た。
C12H9ClF3NS(291.72),MS(ESI):292.0(M+H+),Rf(n−ヘプタン/酢酸エチル=2/1)=0.54。
【0188】
次の実施例は、方法Aに従って製造された。
〔実施例1〕
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド
【化18】

【0189】
4−アセトキシ−ベンゼンスルホン酸ナトリム塩
【化19】

p−フェノールスルホン酸ナトリウム塩・一水和物(50.0g)をトリエチルアミン(180ml)に懸濁させた。この懸濁液を撹拌し、無水酢酸(72.3ml)を加えた。反応温度を60℃未満に維持した。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させた。残留物をトルエン(600ml)で2回共蒸発させた。残留物を、酢酸エチル(600ml)中に懸濁させ、そして80℃で撹拌した。沈殿物を温かい状態で濾別し、酢酸エチルで洗浄し、その後、減圧下で乾燥し、4−アセトキシ−ベンゼンスルホン酸ナトリウウム塩(42.9g)を白色固体として得た。
C8H7O5S.Na(238.20)。
【0190】
酢酸4−クロロスルホニル−フェニルエステル
【化20】

4−アセトキシ−ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(42.9g)を、チオニルクロリド(135ml)中に懸濁させた。次いで、ジメチルホルムアミド(0.5ml)を加えた。反応混合物を還流下で1時間加熱した。冷却した反応混合物を減圧下で蒸発させた。残留物をトルエン(600ml)で2回共蒸発させた。残留物をジクロロメタン(500ml)中に懸濁させ、室温で30分間撹拌した。懸濁液を濾過し、濾液を減圧下でその容積が1/5になるまで減少させた。この溶液を撹拌しつつ、n−ヘプタン(400ml)を滴下しながら加え、酢酸4−クロロスルホニル−フェニルエステルを白色固体として沈殿させた。沈殿物を濾別し、減圧下で乾燥し、酢酸4−クロロスルホニル−フェニルエステル(40.4g)を得た。
C8H7ClO4S(234.66)。
【0191】
酢酸4−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−フェニルエステル
【化21】

酢酸4−クロロスルホニル−フェニルエステル(4.1g)を、5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミン(2.5g)のピリジン(35ml)溶液に撹拌しながら加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。ピリジンを減圧下で除去し、そして残留物をジクロロメタン(200ml)に溶解し、水(60ml)で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、得られた残留物をシリカゲル上(溶離液:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1→1/3)でのフラッシュクロマトグラフィーで精製し、酢酸4−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−フェニルエステル(4.47g)を得、副生成物N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−アセトアミド40%が不純物として含まれていた。この物質は、更に精製をせずに用いた。
C13H15N3O4S2(341.41),MS(ESI):342.1(M+H+)。
【0192】
酢酸4−[(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−スルファモイル]−フェニルエステル
【化22】

酢酸4−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルスルファモイル)−フェニルエステル(3.3g)をジクロロメタン(12ml)に溶解した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.69ml)、4−ジメチルアミノピリジン(78mg)及び2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(2.1g)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、シリカゲル上(溶離液:n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1→1/3)でのフラッシュクロマトグラフィーで精製し、酢酸4−[(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−スルファモイル]−フェニルエステル(2.7g)を得た。
C19H29N3O5S2Si(471.67),MS(ESI):472.2(M+H+),Rf(n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)=0.47。
【0193】
4−ヒドロキシ−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド
【化23】

4−[(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−スルファモイル]−フェニルエステル(2.7g)をメタノール(135ml)に溶解した。水(3ml)に溶解した炭酸ナトリウム(637mg)を加え、反応混合物を室温で15分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を酢酸エチル(100ml)に溶解し、水(100ml)で洗浄した。水相を酢酸エチル(80ml)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、4−ヒドロキシ−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド(2.4g)を得た。
C17H27N3O4S2Si(429.64),Rf(n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)=0.37。
【0194】
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イルメトキシ]−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド
【化24】

4−ヒドロキシ−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド(360mg)を、ジメチルホルムアミド(2ml)に溶解した。炭酸セシウム(527mg)及び(236mg)のジメチルホルムアミド(2ml)溶液を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲル上(溶離液:n−ヘプタン/酢酸エチル=4/1→1/1)でのフラッシュクロマトグラフィーで精製し、N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イルメトキシ]−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド(180mg)を得た。
C29H35F3N4O4S3Si(684.90),MS(ESI):685.2(M+H+),Rf(n−ヘプタン/酢酸エチル=1/1)=0.48。
【0195】
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド
【化25】

N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イルメトキシ]−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド(160mg)を、テトラヒドロフラン(3.8ml)に溶解した。テトラ−N−ブチルアンモニウムフルオリド(977mg)を加え、反応混合物を室温で2時間、そして40℃で20分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をRP−HPLCで精製し、N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド(32mg)を非晶性固体として得た。
C23H21F3N4O3S3(554.64),MS(ESI):555.0(M+H+)。
【0196】
〔実施例2〕
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−メチル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド
【化26】

実施例1で記載した方法に従い、N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−メチル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミドを、 4−ヒドロキシ−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド及び5−クロロメチル−4−メチル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾールから得た。
C23H21F3N4O3S3(554.64),MS(ESI):555.1(M+H+)
【0197】
〔実施例3〕
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−(6−メトキシ−ベンゾフラン−3−イルメトキシ)−ベンゼンスルホンアミド
【化27】

実施例1で記載した方法に従い、N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−(6−メトキシ−ベンゾフラン−3−イルメトキシ)−ベンゼンスルホンアミドを、4−ヒドロキシ−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド及び3−クロロメチル−6−メトキシ−ベンゾフランから得た。
C21H21N3O5S2(459.55),MS(ESI):460.2(M+H+)。
【0198】
〔実施例4〕
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ベンジルオキシ]−ベンゼンスルホンアミド
【化28】

実施例1で記載した方法に従い、N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ベンジルオキシ]−ベンゼンスルホンアミドを、4−ヒドロキシ−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド及び1−クロロメチル−4−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−ベンゼンから得た。
C25H22F3N3O4S2(549.59),MS(ESI):550.2(M+H+)。
【0199】
〔実施例5〕
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−(2−メトキシ−フェノキシ)−ベンジルオキシ]−ベンゼンスルホンアミド
【化29】

実施例1で記載した方法に従い、N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[4−(2−メトキシ−フェノキシ)−ベンジルオキシ]−ベンゼンスルホンアミドを、4−ヒドロキシ−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド及び1−クロロメチル−4−(2−メトキシ−フェノキシ)−ベンゼンから得た。
C25H25N3O5S2(511.62),MS(ESI):512.2(M+H+)。
【0200】
〔実施例6〕
4−[4−ブチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イルメトキシ]−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化30】

実施例1で記載した方法に従い、4−[4−ブチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イルメトキシ]−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドを、 4−ヒドロキシ−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド及び4−ブチル−5−クロロメチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール(EP第04007879号)から得た。
C26H27F3N4O3S3 (596.72),MS(ESI):597.2(M+H+)。
【0201】
〔実施例7〕
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[5−メチル−2−(4−フェノキシ−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド
【化31】

実施例1で記載した方法に従い、N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[5−メチル−2−(4−フェノキシ−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミドを、4−ヒドロキシ−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド及び4−ヨードメチル−5−メチル−2−(4−フェノキシ−フェニル)−オキサゾール(WO第2004075815号)から得た。
C28H26N4O5S2(562.67),MS(ESI):563.2(M+H+)。
【0202】
〔実施例8〕
4−(2−シクロヘキシル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化32】

実施例1で記載した方法に従い、4−(2−シクロヘキシル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドを、4−ヒドロキシ−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド及び2−シクロヘキシル−4−ヨードメチル−オキサゾール(WO第2004075815号)から得た。
C21H26N4O4S2(462.59),MS(ESI):463.1(M+H+)。
【0203】
〔実施例9〕
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[5−(4−メトキシ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド
【化33】

実施例1で記載した方法に従い、N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[5−(4−メトキシ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミドを、4−ヒドロキシ−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド及び市販の3−クロロメチル−5−(4−メトキシ−フェニル)−[1,2,4]オキサジアゾールから得た。
C21H21N5O5S2(487.56),MS(ESI):488.2(M+H+)。
【0204】
〔実施例10〕
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド
【化34】

実施例1で記載した方法に従い、N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミドを、4−ヒドロキシ−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド及び4−ヨードメチル−2−(4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−オキサゾール(WO第2004076428号、WO第2004076427号、WO第2004076426号、US第2004122069号、WO第2003020269号)から得た。
C23H24N4O5S2(500.60),MS(ESI):501.1(M+H+)。
【0205】
〔実施例11〕
4−(2−ビフェニル−4−イル−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化35】

実施例1で記載した方法に従い、4−(2−ビフェニル−4−イル−5−メチル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドを、4−ヒドロキシ−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド及び2−ビフェニル−4−イル−4−ヨードメチル−5−メチル−オキサゾール(WO第2004076428号、WO第2004076427号)から得た。
C28H26N4O4S2(546.67),MS(ESI):547.2(M+H+)。
【0206】
〔実施例12〕
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−(5−メトキシ−ベンゾフラン−2−イルメトキシ)−ベンゼンスルホンアミド
【化36】

実施例1で記載した方法に従い、N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−(5−メトキシ−ベンゾフラン−2−イルメトキシ)−ベンゼンスルホンアミドを、4−ヒドロキシ−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−N−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド及び2−クロロメチル−5−メトキシ−ベンゾフランから得た。
C21H21N3O5S2(459.55),MS(ESI):460.1(M+H+)。
【0207】
以下の実施例は、方法Bに従って調製された。
〔実施例13〕
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド
【化37】

【0208】
2−(4−メトキシ−フェニル)−4−フェノキシメチル−オキサゾール
【化38】

フェノール(373mg)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解した。水素化ナトリウム(92mg)を加え、反応混合物を室温で20分間撹拌し、4−ヨードメチル−2−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾール(1.0g)(US第2004122069号、WO第2003020269号)を、−10℃で加えた。反応混合物を室温で6時間撹拌した。反応混合物を水(100ml)に注ぎ、120mlのジクロロメタンでそれを2回にわけて抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、2−(4−メトキシ−フェニル)−4−フェノキシメチル−オキサゾール(950mg)を得た。
C17H15NO3(281.31),MS(ESI):282.2(M+H+)。
【0209】
4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニルクロリド
【化39】

2−(4−メトキシ−フェニル)−4−フェノキシメチル−オキサゾール(950mg)を、ジクロロメタン(9ml)に溶解した。−20℃でクロロスルホン酸(0.90ml)を滴下しながら加えた。冷却浴を除去し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、次いで、氷水(20ml)を加え、そして、反応混合物を50mlのジクロロメタンでそれを5回にわけて抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、次いでMgSO4で乾燥した。次いで溶媒を減圧下で除去し、4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニルクロリド(580mg)を得た。
C17H14ClNO5S(379.82),MS(ESI):380.1(M+H+)。
【0210】
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド
【化40】

4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニルクロリド(580mg)を、5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミン(275mg)のピリジン(35ml)溶液に撹拌しつつ加えた。4−ジメチルアミノピリジン(18mg)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。ピリジンを減圧下で除去し、そして残留物をトルエン(15ml)と共蒸発させた。残留物をRP−HPLCで精製し、N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド(19mg)を得た。
C22H22N4O5S2(486.57),MS(ESI):487.1(M+H+)。
【0211】
〔実施例14〕
4−[5−エチル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化41】

実施例13で記載した方法に従い、4−[5−エチル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドを、フェノール、5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミン及び5−エチル−4−ヨードメチル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール(WO第2004076427号、WO第2004076426号)から得た。
C24H23F3N4O4S2(552.60),MS(ESI):553.2(M+H+)。
【0212】
〔実施例15〕
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド
【化42】

実施例13で記載した方法に従い、N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミドを、フェノール、5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミン及び4−ヨードメチル−5−メチル−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−オキサゾール(WO第2004076428号)から得た。
C23H21F3N4O5S2(554.57),MS(ESI):555.1(M+H+)。
【0213】
〔実施例16〕
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[5−イソプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミド
【化43】

実施例13で記載した方法に従い、N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−[5−イソプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホンアミドを、フェノール、5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミン及び4−ヨードメチル−5−イソプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール(WO第2004076426号)から得た。
C25H25F3N4O4S2(566.63),MS(ESI):567.2(M+H+)。
【0214】
〔実施例17〕
4−[5−エチル−2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化44】

実施例13で記載した方法に従い、4−[5−エチル−2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドを、フェノール、5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミン及び5−エチル−4−ヨードメチル−2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール(WO第2004076447号、WO第2004076428号)から得た。
C24H23F3N4O4S2(552.60),MS(ESI):553.1(M+H+)。
【0215】
〔実施例18〕
4−{2−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−4−イル]−エトキシ}−N−(5−トリフルオロメチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化45】

【0216】
5−メチル−4−(2−フェノキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール
【化46】

2−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−4−イル]−エタノール(WO第2005051945号、WO第2003059895号、WO第2002100403号、WO第2002092084号、WO第2000008002号、WO第9203425号)(400mg)、 フェノール(164mg)及びトリフェニルホスフィン(438mg)をジクロロメタン(10ml)に溶解した。この氷で冷却した反応混合物に、ジアゾジカルボン酸ジエチル(291mg)を加えた。冷却浴を除去し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲル上(溶離液:n−ヘプタン/酢酸エチル=9/1)でのクロマトグラフィーで精製し、5−メチル−4−(2−フェノキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール(306mg)を得た。
C19H16F3NOS(363.40),MS(ESI):364.1(M+H+),Rf(n−ヘプタン/酢酸エチル=2/1)=0.52。
【0217】
4−{2−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−4−イル]−エトキシ}−N−(5−トリフルオロメチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【化47】

実施例13で記載した方法に従い、4−{2−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−4−イル]−エトキシ}−N−(5−トリフルオロメチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドを、5−メチル−4−(2−フェノキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール及び5−トリフルオロメチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミンから得た。
C22H16F6N4O3S3(594.58),MS(ESI):595.0(M+H+)。
【0218】
〔実施例19〕
N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−{2−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イル]−エトキシ}−ベンゼンスルホンアミド
【化48】

実施例13及び18で記載した方法に従い、N−(5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−4−{2−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イル]−エトキシ}−ベンゼンスルホンアミドを、フェノール、5−イソプロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミン及び2−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イル]−エタノール(WO第2005051945号、WO第2003059895号、WO第2002100403号、WO第2002092084号、WO第2000008002号、WO第9203425号)から得た。
C24H23F3N4O4S2(552.60),MS(ESI):553.1(M+H+)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
R1は、(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−O−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリール、(C0−C6)アルキレン−(C5−C15)ヘテロアリールであり、ここで、アルキル、アルキレン、アリール及びシクロアルキルは無置換、又はF、Cl、Br、(C1−C6)アルキル、O−(C1−C6)アルキル、CF3、OCF3、CN、CO−(C1−C6)アルキル、COO−(C1−C6)アルキル、CON((C0−C6)アルキレン−H)((C0−C6)アルキレン−H)、S(O)m(C1−C6)アルキルにより一、二若しくは三置換され;
R2、R3は、独立に、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−H、SCH3、CNであり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され;
R4、R5、R6、R7は、独立に、H、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリール、(C0−C6)アルキレン−(C5−C15)ヘテロアリール、(C0−C6)アルキレン−(C3−C15)ヘテロシクロアルキル、(C0−C6)アルキレン−(C3−C15)ヘテロシクロアルケニルであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールは無置換、又はF、Cl、Br、CF3、(C1−C4)アルキル及び(C0−C4)−アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hにより一、二若しくは三置換され;
mは、0、1であり;
Aは、(C6−C14)アリール、(C5−C15)ヘテロアリールであり;
Bは、(C6−C14)アリール、(C3−C12)シクロアルキル、(C5−C15)ヘテロアリールであり;
Zは、結合、Oであり;又は
環A、環Bは一緒になって、 縮合(C5−C15)ヘテロ環又は(C8−C14)芳香族環系を形成し;そして
Zは、存在せず;
R8、R9は、独立に、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−H、SCF3、SF5、S(O)2CF3、O−(C6−C14)アリール、(C6−C14)アリール、NO2であり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより一、二若しくは三置換され、そして、アリールは無置換、又はF、Cl、Br、CF3、(C1−C4)アルキル及び(C0−C4)−アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hにより一、二若しくは三置換され;
pは、0、1、2、3であり;
qは、0、1、2である]
の化合物、全てのその立体異性体、エナンチオマー体及び任意の割合での混合物、並びにその生理学的に許容される塩及び互変異性体。
【請求項2】
R1は、(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−O−(C1−C6)アルキル、(C0−C6)アルキレン−(C6−C14)アリールであり、ここで、アルキル、アルキレン及びアリールは無置換、又はFにより一若しくは二置換され;
R2、R3は、独立に、H、ハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hであり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより、一、二若しくは三置換され;
R4、R5、R6、R7の置換基の1つは、H、(C1−C6)アルキル、(C0−C2)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C2)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C2)アルキレン−(C5−C10)ヘテロアリール、(C0−C2)アルキレン−(C3−C10)ヘテロシクロアルキル、(C0−C2)アルキレン−(C3−C10)ヘテロシクロアルケニルであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロアリールは無置換、又はF、Cl、CF3、(C1−C4)アルキル及び(C0−C4)−アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hにより一、二若しくは三置換され;そして、
R4、R5、R6、R7の他の3つの置換基は、Hであり;
mは、0、1であり;
Aは、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリールであり;
Bは、(C6−C10)アリール、(C6−C8)シクロアルキル、(C5−C10)ヘテロアリールであり;
Zは、結合又はOであり;
A及びBは、一緒になって縮合(C8−C10)ヘテロ環を形成し;
Zは、存在せず;
R8は、H、(C1−C6)アルキルであり;
R9は、H、(C1−C6)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−H、O−(C6−C10)アリールであり、ここで、アルキル及びアルキレンは無置換、又はFにより、一、二若しくは三置換され;
pは、0、1、2であり;
qは、0、1である;
請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項3】
R1が、(C1−C6)アルキル、フェニル、(C3−C6)シクロアルキルである;
請求項1又は2に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
R1が、イソプロピルである;
請求項1又は2に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
R2、R3が、Hである;
請求項1〜4のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
R4、R5、R6、R7が、Hである;
請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
mが、0である;
請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項8】
Aが、オキサゾール、チアゾール、フェニル、1,2,4−オキサジアゾールである;請求項1〜7のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項9】
Bが、フェニル、シクロヘキシルである;
請求項1〜8のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項10】
Zが、結合である;
請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項11】
A及びBが、一緒になってベンゾフラン環を形成し;そして
Zが、存在しない;
請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項12】
R8が、H、(C1−C4)アルキルであり;そして
pが、0又は1である;
請求項1〜10のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項13】
R9が、H、CF3、O−(C1−C4)アルキル、フェノキシであり;そして
qが、1である;
請求項1〜11のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の1つ又はそれ以上の式Iの化合物を含む医薬品。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の1つ又はそれ以上の式Iの化合物、及び代謝障害又はそれと高頻度に併発する疾患に対して好ましい効果を有する1つ又はそれ以上の有効成分を含む医薬品。
【請求項16】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の1つ又はそれ以上の式Iの化合物、及び1つ又はそれ以上の抗糖尿病薬を含む医薬品。
【請求項17】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の1つ又はそれ以上の式Iの化合物、及び1つ又はそれ以上の脂質モジュレーターを含む医薬品。
【請求項18】
脂肪酸代謝の障害及びグルコース利用障害の治療及び/又は予防のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項19】
インスリン抵抗性が関与する障害の治療及び/又は予防のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項20】
糖尿病に伴う続発症の予防を含む糖尿病の治療及び/又は予防のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項21】
異脂肪血症及びその続発症の治療及び/又は予防のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項22】
メタボリックシンドロームに関連する可能性のある状態の治療及び/又は予防のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項23】
中枢及び末梢神経系の脱髄障害及び他の神経変性障害の治療及び/又は予防のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項24】
脂肪酸代謝の障害及びグルコース利用障害の治療のための、少なくとも1つの更なる活性化合物と組み合わせる請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項25】
インスリン抵抗性が関与する障害の治療のための、少なくとも1つの更なる活性化合物と組み合わせる請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項26】
活性化合物を薬学的に適切な担体と混合し、この混合物を投与に適切な形態にすることを含む請求項1〜12のいずれか1項に記載の1つ又はそれ以上の化合物を含む医薬品の製造法。

【公表番号】特表2009−510144(P2009−510144A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533904(P2008−533904)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009297
【国際公開番号】WO2007/039171
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】