説明

A/D変換方法及び複数スイッチング電源の制御方法

【課題】 複数スイッチング電源の出力電圧の負帰還制御を高速化することができるA/D変換方法及び複数スイッチング電源の制御方法を提供する。
【解決手段】 マルチプレクサ120,130により任意のスイッチング電源部を2つ選択する。各出力検出信号Vda,Vdbは出力検出回路105により出力検出信号Vd1,Vd2に変換される。出力検出信号Vd1は三角波V2の振幅Vppの略中心の電圧レベルVa大きい範囲に、出力検出信号Vd2はVaより小さい範囲になるように設定される。電圧値−パルス幅変換回路10及びパルス幅カウンタ106は、出力検出信号Vd1,Vd2の両方の信号を三角波V2の1周期においてA/D変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源装置に用いられるA/D変換方法及び複数スイッチング電源の制御方法に関し、特に、電子写真装置の高圧電源としてのスイッチング電源装置に用いられるA/D変換方法及び複数スイッチング電源の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、負帰還制御系を有するスイッチング電源装置が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、従来の負帰還制御系を有するスイッチング電源装置の概略構成を示すブロック図である。
【0004】
図6において、T1はトランスであり、1次側巻線N1と2次側巻線N2とが設けられている。1次側巻線N1の一端には、直流電圧Vinを供給する直流電源のプラス端子が接続されており、この直流電源のマイナス端子は、基準電位に接続されている。電圧Vinとしては、例えば、商用電源を全波整流し、且つコンデンサC0で平滑することによって得られる電圧が考えられる。一方、1次側巻線N1の他端には、スイッチング素子であるFET(電解効果型トランジスタ)Q1のドレイン及びコンデンサC1の一端が接続されている。FETQ1のソース及びコンデンサC1の他端は、基準電位に接続されている。
【0005】
2次側巻線N2の一端は、整流ダイオードD1のアノードに接続されており、他端は基準電位に接続されている。ダイオードD1のカソードは、平滑用コンデンサC2のプラス端子に接続されており、コンデンサC2のマイナス端子は、基準電位に接続されている。2次側巻線N2には、1次側巻線N1の巻線数との比に応じた電圧が誘起され、2次側巻線N2において誘起された電圧は、整流ダイオードD1及び平滑化コンデンサC2によって、直流安定化電源電圧に変換されて出力電圧Voutとして出力される。
【0006】
また、ダイオードD1のカソードには、コンデンサC2と並列に配置されている分圧回路である出力検出回路1に接続されている。出力検出回路1は、出力電圧Voutを分圧電圧V1に分圧し、この分圧電圧V1を出力検出信号V1としてコンパレータ2のマイナス端子に出力する。コンパレータ2のプラス端子には、三角波発生回路3の出力する基準三角波V2が入力される。また、コンパレータ2は、その出力端子がパルス幅カウンタ4の入力端子に接続されており、パルス信号S1をパルス幅カウンタ4に出力する。具体的には、コンパレータ2は、出力検出回路1の出力検出信号V1と三角波V2の電圧レベルを比較して、出力検出信号V1が三角波V2より小さい場合、Highレベル(以下、Hレベルと称呼する)の信号をパルス信号S1として出力し、出力検出信号V1が三角波V2より大きい場合、Lowレベル(以下、Lレベルと称呼する)の信号をパルス信号S1として出力する(図7参照)。
【0007】
パルス幅カウンタ4は、図示しないクロック回路に接続されており、クロック回路は所定周期のクロック(CLK)を発生する。パルス幅カウンタ4は、クロック周期でコンパレータ2からの出力パルス信号S1のHレベルパルス信号のパルス幅(以下、Hパルス幅と称呼する)をカウントし、Hパルス幅のカウント値S2を算出する。
【0008】
上述のように、コンパレータ2、三角波発生回路3、及びパルス幅カウンタ4は、トランスT1の2次側分圧出力のA/D変換を行っている。
【0009】
図6に示すように、駆動パルス生成部5には、パルス幅カウンタ4の出力するカウント値S2及びコンパレータ2の出力するパルス信号S1が入力され、後述するようにPWM信号として駆動パルス信号をFETQ1のゲートに出力する。
【0010】
図6のスイッチング電源装置において、図7に示すように、出力検出信号V1の値が大きければ、パルス信号S1のHパルス幅は狭まり、カウント値S2が小さくなる。一方、出力検出信号V1の値が小さければパルス信号S1のHパルス幅は広がり、カウント値S2が大きくなる。
【0011】
カウント値S2は、パルス信号S1のHレベル信号の立下り時において、駆動パルス生成部5によってラッチされる。また、カウント値S2は、パルス信号S1のHレベル信号が出力されていない期間にリセットされる。
【0012】
駆動パルス生成部5は、ラッチしたカウント値S2と、予め設定されている所望する2次側巻線N2の出力電圧(基準出力電圧)Vbに対応するリファレンス値とを比較して、駆動パルス信号S3のHパルス幅のデューティ比を制御してFETQ1に出力する。具体的には、駆動パルス生成部5は、カウント値S2がリファレンス値より小さい場合、出力電圧Voutが所望の基準出力電圧Vbより高いと判断して、出力する駆動パルス信号S3のデューティ比を減少させ、即ち駆動パルス信号S3のHパルス幅を狭め、一方、カウント値S2がリファレンス値より大きい場合、出力電圧Voutが所望の基準出力電圧Vbより小さいと判断して、出力する駆動パルス信号S3のデューティ比を増加させる。即ち駆動パルスS3のHパルス幅を広げる。
【0013】
上述のように、制御された駆動パルス信号S3が、FETQ1のゲートに入力されることにより、2次側巻線N2の出力電圧Voutの負帰還制御が行われる。即ち、駆動パルス生成部5は、出力電圧Voutが所望の基準出力電圧Vbに保持されるように、トランスT1の1次側巻線N1を励磁する駆動パルス信号S3のパルス幅の負帰還制御を行っている。
【0014】
図8は、複数のスイッチング電源部を制御する従来のスイッチング電源装置の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
スイッチング電源装置は、図8に示すように、スイッチング電源部30〜30と、マルチプレクサ31と、駆動パルス制御回路32とを備える。
【0016】
スイッチング電源部30〜30は、各々、図6におけるスイッチング素子としてのFETQ1、トランスT1、出力検出回路1、ダイオードD1、及びコンデンサC0,C1,C2を備える。これら構成要素は図6のスイッチング装置と同様に構成されている。以下、スイッチング電源部30〜30の夫々に対応する構成要素は、参照番号に添え字0〜nを付して示す。
【0017】
マルチプレクサ31は、スイッチング電源部30〜30の夫々の出力検出回路1〜1の出力検出信号が入力される入力端子36〜36と、出力端子37と、入力端子36〜36と出力端子37の接続を選択的に切り換えるための切換部38とを備える。マルチプレクサ31は、切換部38によって、スイッチング電源部30〜30の夫々の出力検出回路1〜1の出力電圧のうち任意のスイッチング電源部からの出力検出信号を選択して出力することができる。
【0018】
駆動パルス制御回路32は、A/D変換部33と、駆動パルス生成部34と、スイッチング電源部30〜30の夫々に接続された駆動パルスカウンタ35〜35とを備える。A/D変換部33は、図6のコンパレータ2と、三角波発生回路3と、パルス幅カウンタ4とを備える。コンパレータ2のマイナス端子には、マルチプレクサ31の出力端子37が接続されている。
【0019】
駆動パルス生成部34は、A/D変換部33のパルス幅カウンタ4の出力端子に接続されており、各スイッチング電源部30〜30の所望する2次側巻線の出力電圧(基準出力電圧)Vbに対応するリファレンス値が予め設定されている。また、駆動パルス生成部34は、図6の駆動パルス生成部5と同様に動作して、スイッチング電源部30〜30毎に、駆動パルス信号のパルス幅のディーティ比の演算を行う。
【0020】
駆動パルスカウンタ35〜35は、各入力端子が駆動パルス生成部34の出力端子に接続されており、各出力端子が対応するスイッチング電源部30〜30のFETQ1〜Q1のゲートに夫々接続されている。
【0021】
尚、スイッチング電源装置の他の構成は、図6のスイッチング装置と基本的に同様である。
【0022】
図8のスイッチング電源装置において、駆動パルス制御回路32は、マルチプレクサ31を制御して切換部38を切換制御し、マルチプレクサ31から出力される出力検出信号を選択する。A/D変換部33は、図6のスイッチング電源装置と同様に、マルチプレクサ31によって選択された出力検出信号に対してカウント動作を行ってA/D変換を行う。A/D変換された出力検出信号は、駆動パルス生成部34に出力されて、駆動パルス生成部34は、駆動パルス信号のパルス幅のディーティ比の演算を行い、駆動パルス信号を算出する。
【0023】
この算出された駆動パルス信号は、演算対象の出力検出信号を出力したスイッチング電源部に接続された駆動パルスカウンタにセットされ、駆動パルスカウンタは、対応するFETのゲートに、算出された駆動パルス信号を出力する。これにより、対応するスイッチング電源部の2次巻線の出力電圧が基準出力電圧に保持されるように負帰還制御が行われる。
【0024】
具体的には、まず、駆動パルス制御回路32が、マルチプレクサ31を制御して切換部38を切換制御し、マルチプレクサ31から出力される出力検出信号を選択する。即ち、負帰還制御を行うスイッチング電源部を選択する。例えば、マルチプレクサ31は、図8において上からm番目(1≦m≦n)のスイッチング電源部30を選択し、選択されたスイッチング電源部30に接続されたの入力端子36と出力端子37とを切換部38によって接続する。
【0025】
次いで、コンパレータ2が、マルチプレクサ31から出力されたスイッチング電源部30の出力検出信号V1と三角波発生回路3の出力する三角波V2を比較して、図6のコンパレータ2と同様にパルス信号S1を出力する。
【0026】
次いで、パルス幅カウンタ4が、コンパレータ2から出力されたパルス信号S1のHパルス幅を所定のクロック周期でカウントし、Hパルス幅のカウント値S2を算出する。このように、選択された出力検出信号V1がA/D変換される。
【0027】
駆動パルス生成部34は、入力されたカウント値S2と、選択されたスイッチング電源部30に対応するリファレンス値を比較して、駆動パルス信号S3のパルス幅のデューティ比を演算して駆動パルス信号S3を算出し、対応する駆動パルスカウンタ35にセットする。
【0028】
駆動パルスカウンタ35は、セットされた駆動パルス信号S3をFETQ1に出力する。これにより、マルチプレクサ31において選択されたスイッチング電源部30の2次側巻線N2の出力電圧Voutの負帰還制御が行われる。
【0029】
図8のスイッチング電源装置においては、上述のように負帰還制御がスイッチング電源部30〜30に対して選択的に順次実行され、これによって、各スイッチング電源部30〜30の出力電圧Vout〜Voutが、順次所望の基準出力電圧Vb〜Vbに制御される。
【0030】
図9は、電子写真装置に用いられる画像形成部の概略構成を示すブロック図である。
【0031】
画像形成部は、図9に示すように、感光体90と、帯電器91と、照射手段92と、現像器93と、ポスト帯電器94と、転写ローラ95と、クリーナ96と、高圧電源P,D,Q,Tとを備える。
【0032】
また、図9において、高圧電源P,D,Q,Tは、上述の各プロセス部材に所定の高圧の電圧を給電し、高圧電源P,D,Q,Tには、上述の図8のスイッチング電源部30〜30が使用される。
【0033】
画像形成部は上述の構成によって、高圧電源Pによって高電圧が印加された帯電器91が感光体90の表面を一様に帯電され、この感光体90の表面に照射手段92が発光照射により静電潜像を形成し、高圧電源Dによって高電圧が印加された現像器93が形成された静電潜像をトナー像に現像し、高圧電源Qによって高電圧が印加されたポスト帯電器94がトナー像と感光体90の付着力を弱め、高圧電源によって高電圧が印加された転写ローラ95がトナー像を転写紙Mに転写して画像を形成し、且つ、クリーナ96が残留トナーを回収することにより、電子写真装置の基本画像形成動作が実行される。
【0034】
尚、近年の電子写真装置において、上述の図9の構成を有する画像形成部を複数備え、各画像形成部で形成される画像を重ね合わせることにより、フルカラーの画像形成を行う装置も実用化されている。
【0035】
上述のように従来の電子写真装置においては、1回の画像形成工程だけでも複数の高圧電源が必要とされており、近年のカラー化された電子写真装置においては、更に多くの高圧電源が必要とされている。
【特許文献1】特開平10−323037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0036】
しかしながら、従来の電子写真装置におけるスイッチング電源装置のA/D変換部において、三角波発生回路は図示しないコンデンサへの充放電を繰り返すことによって三角波を生成しており、このように生成される三角波と出力検出信号とをコンパレータによって比較して得られるパルス信号のパルス幅をカウントし、出力検出信号をデジタル変換しているため、A/D変換に時間がかかる。従って、複数のスイッチング電源部の出力電圧を負帰還制御する場合には、A/D変換に要する時間がスイッチング電源部の出力電圧の数に比例して増加するため、各出力電圧の負帰還制御の周期が長くなる。このため、所望の負帰還制御周期にA/D変換が間に合わなくなる、或いは、1つの駆動パルス制御部で負帰還制御できるスイッチング電源部の出力電圧の数を増加させることができないという問題があった。
【0037】
また、上述の問題を解決するために、従来、三角波、及びパルス幅カウンタの動作クロックを高周波数化する方法が存在する。しなしながら、この方法では、三角波と出力検出信号とを比較するコンパレータの動作速度を速くする必要があり、コンパレータが正確なA/D変換を実現することができなくなるため、この場合も、1つの駆動パルス制御部で負帰還制御できるスイッチング電源部の出力電圧の数を増加させることができないという問題があった。
【0038】
本発明の目的は、複数のスイッチング電源の出力電圧の負帰還制御を高速化することができるスイッチング電源装置に用いられるA/D変換方法及び複数スイッチング電源の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0039】
上記目的を達成するために、請求項1記載のA/D変換方法は、基準三角波を発生する三角波発生ステップと、複数の出力電圧のうちの第1の出力電圧を検出すると共に該検出した第1の出力電圧から第1の出力検出特性に基づいて第1の出力電圧検出信号を出力する第1の出力電圧検出ステップと、前記複数の出力電圧のうちの第2の出力電圧を検出すると共に該検出した第2の出力電圧から第2の出力検出特性に基づいて第2の出力電圧検出信号を出力する第2の出力電圧検出ステップと、前記第1の出力電圧検出信号と前記基準三角波との電圧レベルを比較すると共に該比較の結果に応じて第1のパルス信号を出力する第1の比較ステップと、前記第2の出力電圧検出信号と前記基準三角波との電圧レベルを比較すると共に該比較の結果に応じて第2のパルス信号を出力する第2の比較ステップと、前記第1のパルス信号のパルス幅及び前記第2のパルス信号のパルス幅をカウントして第1のカウント値及び第2のカウント値を夫々算出するカウントステップとを備えるA/D変換方法であって、前記第1の出力検出特性及び前記第2の出力検出特性は、前記第1のパルス信号のパルスの発生タイミングと前記第2のパルス信号のパルスの発生タイミングが互いに異なるように夫々設定されていることを特徴とする。
【0040】
請求項6記載の複数スイッチング電源の制御方法は、複数のスイッチング電源として複数の電圧を出力する出力ステップと、前記複数の出力電圧のうちの第1の出力電圧及び第2の出力電圧を第1のパルス信号及び第2のパルス信号に夫々A/D変換するA/D変換ステップと、前記A/D変換された第1のパルス信号及び第2のパルス信号に対してパルス幅演算を行ってPWM信号としての第1の駆動パルス信号及び第2の駆動パルス信号を生成するパルス演算ステップと、前記生成された第1の駆動パルス信号及び第2の駆動パルス信号に基づいて前記第1の出力電圧及び第2の出力電圧を第1の所定値及び第2の所定値に制御する出力電圧制御ステップとを備える複数スイッチング電源の制御方法であって、前記A/D変換ステップは、前記複数の出力電圧のうちの2つの出力電圧を順次選択して、該選択された2つの出力電圧を前記第1の出力電圧及び第2の出力電圧に順次切換設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、2つの出力電圧の出力検出信号に対してA/D変換を同時に行うことができるので、A/D変換の高速化を実現することができる。従って、複数のスイッチング電源の出力電圧の負帰還制御を高速化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0043】
図1は、本発明の実施の形態に係るスイッチング電源装置に用いられるA/D変換方法及び複数スイッチング電源の制御方法を実行するための電圧値−パルス幅変換回路の概略構成を示す回路ブロック図である。
【0044】
図1に示すように、電圧値−パルス幅変換回路10は、図6の三角波発生回路3と、NOR回路11と、コンパレータ12,13とを備える。コンパレータ12のプラス端子及びコンパレータ13のマイナス端子には、三角波発生回路3の発生する基準三角波V2が入力される。コンパレータ12のマイナス端子には、図5で後述する出力検出回路105の出力する出力検出信号Vd1が入力され、コンパレータ13のプラス端子には、出力検出回路105が出力する出力検出信号Vd2が入力される。また、コンパレータ12,13の出力端子はNOR回路11の夫々の入力端子に接続されている。
【0045】
電圧値−パルス幅変換回路10において、コンパレータ12,13は、夫々、出力検出信号Vd1と三角波V2、及び出力検出信号Vd2と三角波V2とを比較し、NOR回路11はコンパレータ12,13の出力信号のNOR演算を行う。
【0046】
図2は、電圧値−パルス変換回路10に入力される出力検出信号Vd1,Vd2と三角波V2との電圧レベルの関係を説明する図である。
【0047】
図2に示すように、本実施の形態においては、後述する図5の出力検出回路105により、所定の出力検出特性に基づいて、出力検出信号Vd1,Vd2の電圧レベルは、三角波V2の振幅Vppの略中心の電圧レベルVaを境に設定されている。具体的には、出力検出信号Vd1は、Vaより大きい範囲に、出力検出信号Vd2は、Vaより小さい範囲になるように設定されている。
【0048】
次いで、上述のように構成及び出力範囲が設定された電圧値−パルス幅変換回路10の動作を図3を参照して説明する。
【0049】
図3は、電圧値−パルス幅変換回路10の動作を説明する図である。
【0050】
図3に示すように、出力検出信号Vd1(図3の(a)参照)は、三角波V2(図3の(d)参照)の振幅Vppの略中心の電圧レベルVa(図3の(b)参照)より大きい領域で変動し、コンパレータ12は、三角波V2の電圧レベルが出力検出信号Vd1より大きい場合、Hレベルの信号を出力し、一方、三角波V2の電圧レベルが出力検出信号Vd1より小さい場合、Lレベルの信号を出力し、コンパレータ12の出力するパルス信号S12は図3の(e)に示すように変動する。
【0051】
また同様に、出力検出信号Vd2(図3の(c)参照)は電圧Vaより小さい領域で変動し、コンパレータ13は、三角波V2の電圧レベルが出力検出信号Vd2より小さい場合、Hレベルの信号を出力し、一方、三角波V2の電圧レベルが出力検出信号Vd2より大きい場合は、Lレベルの信号を出力し、コンパレータ13の出力するパルス信号S13は図3の(f)に示すように変動する。
【0052】
更に、NOR回路11は、コンパレータ12,13のパルス信号S12,13を受信して、パルス信号12,13の少なくともいずれか一方がHレベルの場合に、Lレベルの信号を出力し、パルス信号12,13がいずれもLレベルの場合に、Hレベルの信号を出力し、NOR回路11の出力するパルス信号S11は図3(g)に示すように変動する。
【0053】
電圧値−パルス幅変換回路10において、図4で後述するように、NOR回路11の出力するパルス信号S11は、パルス幅カウンタ106に入力されてLレベルパルス信号のパルス幅(以下、Lパルス幅と称呼する)がカウントされる。図3に示すように、パルス信号S11のLパルスは、三角波V2の1周期において出力検出信号Vd1及びVd2の両方の電圧レベルを交互に示す信号となっている。従って、このパルス信号S11を1つのパルス幅カウンタ106でカウントすることによって、出力検出信号Vd1及びVd2の両方の信号を三角波V2の1周期においてA/D変換することが可能になる。
【0054】
以下、 上述のスイッチング電源装置のA/D変換方法を用いて実行される複数スイッチング電源装置の制御方法について説明する。
【0055】
図4は、本実施の形態に係るA/D変換方法及び複数スイッチング電源の制御方法が実行されるスイッチング電源装置の概略構成を示すブロック図である。
【0056】
図4に示すように、本実施の形態におけるスイッチング電源装置100は、上述の図8のスイッチング電源装置に対して、駆動パルス制御回路32が駆動パルス制御回路101に変更され、マルチプレクサ31に変えてマルチプレクサ31と同様の構成の2つのマルチプレクサ120及び130を備える点のみが異なる。以下、同じ構成要素には同一の符号を付して重複した説明は省略し、以下に異なる部分のみ説明する。
【0057】
図4に示すように、マルチプレクサ120は、スイッチング電源部30〜30の出力検出回路1〜1に夫々接続された入力端子121〜121と、出力端子122と、入力端子121〜121と出力端子122の接続を選択的に切り換えるための切換部123とを備える。
【0058】
マルチプレクサ130は、スイッチング電源部30〜30の出力検出回路1〜1に夫々接続された入力端子131〜131と、出力端子132と、入力端子131〜131と出力端子132の接続を選択的に切り換えるための切換部133とを備える。
【0059】
駆動パルス制御回路101は、A/D変換部102と、駆動パルス生成部103と、スイッチング電源部30〜30の夫々に対応して接続された駆動パルスカウンタ104〜104とを備える。
【0060】
A/D変換部102は、後述する図5の出力検出回路105と、図1の電圧値−パルス幅変換回路10と、パルス幅カウンタ106とを備える。
【0061】
図5は、出力検出回路105の概略構成を説明する図であり、図5(a)は、出力検出回路105のブロック図であり、図5(b)は、出力検出回路105の加算回路の概略構成を示す回路図であり、図5(c)は、出力検出回路105の反転回路の概略構成を示す回路図である。
【0062】
出力検出回路105は、図5(a)に示すように、加算回路140と、反転回路150とを備える。加算回路140は、出力検出信号にオフセットを加える出力検出特性を有する加算回路である。加算回路140は、図5(b)に示すように、入力端子141と、抵抗R1,R2,R3,R4と、電源Vαと、オペアンプ142と、出力端子143とを備える。加算回路140は、入力端子141に出力検出信号Vdaが入力され、出力端子143から出力検出信号Vd1が出力されるものとする。
【0063】
図5(b)に示すように、入力端子141は抵抗R1を介して、電源Vαはプラス電極が抵抗R2を介して、各々オペアンプ142のプラス端子に接続されている。また、電源Vαはマイナス電極が基準電位に接続されている。オペアンプ142は、マイナス端子が抵抗R4を介して基準電位に接続されており、出力端子が出力端子143に接続されている。また、オペアンプ142のマイナス端子と出力端子143とは抵抗R3を介して互いに接続されている。
【0064】
この加算回路140において、出力される出力検出信号Vd1は、Vd1=Vi×(R3+R4)/R4となる。但し、Viは、オペアンプ142のプラス端子の電圧レベルであり、Vi=R2×Vda/(R1+R2)+R1/(R1+R2)×Vαである。
【0065】
また、加算回路140は、入力端子141がマルチプレクサ120の出力端子122に接続されており、出力端子143が電圧値−パルス幅変換回路10のコンパレータ12のマイナス端子に接続されている。
【0066】
本実施の形態においては、オフセットが電圧レベルVaを超える所定の値に設定されている。このため、上述のように、出力検出信号Vd1が、三角波V2の振幅Vppの略中心の電圧レベルVaより大きい領域で変動するようになる(図2参照)。
【0067】
反転回路150は、出力検出信号を反転させてオフセットを加える出力検出特性を有するオフセット付き反転回路であり、反転回路150は、図5(c)に示すように、入力端子151と、抵抗R5,R6と、電源Vβと、オペアンプ152と、出力端子153とを備える。反転回路150は、入力端子151に出力検出信号Vdbが入力され、出力端子153から出力検出信号Vd2が出力されるものとする。
【0068】
図5(c)に示すように、入力端子151は抵抗R5を介してオペアンプ152のマイナス端子に接続されており、電源Vβはプラス電極がオペアンプ152のプラス端子に接続されている。また、電源Vβはマイナス電極が基準電位に接続されている。オペアンプ152は、出力端子が出力端子153に接続されている。また、オペアンプ152のマイナス端子と出力端子153とは抵抗R6を介して互いに接続されている。
【0069】
この反転回路150において、出力される出力検出信号Vd2は、Vd2=(R5+R6)×Vβ/R5−R6×Vdb/R5となる。
【0070】
また、反転回路150は、入力端子151がマルチプレクサ130の出力端子132に接続されており、出力端子153が電圧値−パルス幅変換回路10のコンパレータ13のプラス端子に接続されている。
【0071】
本実施の形態においては、反転された出力検出信号Vdbが三角波V2の振幅Vppの略中心の電圧レベルVaより小さくなうように、オフセットが所定の値に設定されている。このため、上述のように、出力検出信号Vd2が、電圧レベルVaより小さい領域で変動するようになる(図2参照)。
【0072】
また、A/D変換部102において、図4に示すように、電圧値−パルス幅変換回路10は、NOR回路11の出力端子がパルス幅カウンタ106の入力端子に接続されている。パルス幅カウンタ106は、図8のパルス幅カウンタ4と同様に構成されており、予定周期のクロックを発生する図示しないクロック回路に接続されている。
【0073】
駆動パルス制御部102において、図4に示すように、駆動パルス生成部103は、図8における駆動パルス生成部34と同様に構成されており、A/D変換部102のパルス幅カウンタ106の出力端子に接続されており、各スイッチング電源部30〜30の所望する2次巻線N2の出力電圧(基準出力電圧)Vbに対応するリファレンス値が予め設定されている。
【0074】
駆動パルスカウンタ104〜104は、図8の駆動パルスカウンタ35〜35と同様に構成されており、各入力端子が駆動パルス生成部103の出力端子に接続されており、各出力端子が対応するスイッチング電源部30〜30のFETQ1〜Q1のゲートに夫々接続されている。
【0075】
また、スイッチング電源装置100は、図示しないCPUを備え、CPUは、スイッチング電源装置100の各部を制御する。
【0076】
次いで、スイッチング電源装置100の負帰還制御処理動作を説明する。
【0077】
スイッチング電源装置100において、スイッチング電源部30〜30から負帰還制御処理を実行する任意のスイッチング電源部を2つ選択する。具体的には、マルチプレクサ120,130の切換部123,133を切換制御して、出力検出信号V1〜V1から、出力検出信号Vdaとして出力端子122から出力する出力検出信号、例えば出力検出信号V1を選択すると共に、出力検出信号V1〜V1から、出力検出信号Vdbとして出力端子132から出力する出力検出信号、例えば、出力検出信号V1を選択する。尚、選択される出力検出信号V1,V1は互いに異なる信号とする。
【0078】
上述の切換制御により、スイッチング電源部30の出力検出信号V1が出力検出信号Vdaとして出力検出回路105の加算回路140に入力されると共に、スイッチング電源部30の出力検出信号V1が出力検出信号Vdbとして出力検出回路105の反転回路150に入力される。
【0079】
加算回路140に入力された出力検出信号V1は、上述のようにオフセットが加算されて出力検出信号Vd1に変換されて電圧値−パルス幅変換回路10に入力される。また、反転回路150に入力された出力検出信号V1は、上述のように反転された後オフセットが加算されて出力検出信号Vd2に変換されて電圧値−パルス幅変換回路10に入力される。
【0080】
電圧値−パルス幅変換回路10において、コンパレータ12及び13は、夫々、入力された出力検出信号Vd1及びVd2に基づいて、図3に示したように、パルス信号S12及びS13を出力し、NOR回路11は、パルス信号12及び13に基づいて、パルス信号S11を出力する。
【0081】
次いで、パルス幅カウンタ106が、所定のクロック周期でパルス信号S11のLパルス幅を順次カウントして、カウント値S2を算出する。
【0082】
上述のように、出力検出信号V1は、反転回路150において反転されて出力検出信号Vd2にされるので、コンパレータ13が、コンパレータ12とは逆に、三角波V2の電圧レベルが出力検出信号Vd2より小さい場合、Hレベルの信号を出力し、三角波V2の電圧レベルが出力検出信号Vd2より大きい場合は、Lレベルの信号を出力する動作は、コンパレータ12の動作と実質的に同じになる。従って、三角波V2の1周期で2つの異なる出力検出信号のA/D変換を実行することができ、加えて、1つのパルス幅カウンタ106によってA/D変換を実行することができる。
【0083】
次いで、駆動パルス生成部103は、算出されたカウント値S2がパルス信号S12に対応するカウント値である場合は、負帰還制御対象として選択されたスイッチング電源部30に対応するリファレンス値と比較して、駆動パルス信号S3のパルス幅のデューティ比を演算して駆動パルス信号S3を算出し、対応する駆動パルスカウンタ104にセットする。
【0084】
一方、算出されたカウント値S2がパルス信号S13に対応するカウント値である場合は、負帰還制御対象として選択されたスイッチング電源部30に対応するリファレンス値と比較して、駆動パルス信号S3のパルス幅のデューティ比を演算して駆動パルス信号S3を算出し、対応する駆動パルスカウンタ104にセットする。
【0085】
上述のように、駆動パルス生成部103は、算出されたカウント値S2を対応するリファレンス値と順次交互に比較して、駆動パルス信号S3のパルス幅のデューティ比を交互に演算して対応する駆動パルスカウンタ104に順次交互にセットする。
【0086】
次いで、駆動パルスカウンタ104及び104は、駆動パルス信号S3及びS3を、対応するスイッチング電源部30及び30のFETQ1及びQ1のゲートに夫々出力する。これにより、同時に2つのスイッチング電源部に対して出力電圧の負帰還制御を行うことができる。
【0087】
上述のように、スイッチング電源装置100において、マルチプレクサ120の切換部123及びマルチプレクサ130の切換部133を切換制御して、スイッチング電源部30〜30から任意の2つのスイッチング電源部を順次選択して、当該選択された2つのスイッチング電源毎に順次A/D変換、及びスイッチング電源の制御を実行することにより、全てのスイッチング電源部の出力電圧に対して負帰還制御を順次実行することができ、これにより各スイッチング電源部の出力電圧Voutを順次所望の値に制御することができる。
【0088】
駆動パルス制御回路32において、パルス幅カウンタ106によってカウントされたパルス信号S11のLレベルパルスが、パルス信号S12及びS13のいずれのHレベルパルスに対応しているか、即ちマルチプレクサ120,130によって選択されたスイッチング電源部のいずれの出力検出信号の電圧レベルを表しているかは、駆動パルス制御回路32自体が(電圧値−パルス幅変換回路10が)三角波V2を生成するので、把握することができる。
【0089】
また、駆動パルス制御回路101において、出力検出信号Vd1の電圧レベルが上昇すると、又は出力検出信号Vd2の電圧レベルが下降するとパルス信号S11の対応するLパルス幅が比例的に夫々減少するので(図3参照)、この比例関係を利用することにより、駆動パルス生成部103は、パルス信号S11のLパルス幅のカウント値S2から出力検出信号Vd1,Vd2の電圧レベルを演算することができる。
【0090】
A/D変換部102においては、上述のようにA/D変換に用いられる三角波V2の1周期において2つの出力検出信号をA/D変換するので、従来のA/D変換部と同じA/D変換の分解能力を得るためには、パルス幅カウンタ106のカウント周波数、即ちクロック周期を倍増すればよい。この場合、基準とする三角波V2の周波数を変更する必要がなく、従来と同じ周波数にすることができる。従って、パルス幅カウンタ106のカウント周波数を倍増しても、従来のようにコンパレータ12及び13の動作速度を速める必要がなく、コンパレータ12及び13の動作速度がA/D変換の精度に影響を及ぼすことなく、A/D変換を高速化することができる。
【0091】
上述のように、本実施の形態によれば、A/D変換に用いられる三角波V2の1周期において、2つのスイッチング電源部30,30からの出力検出信号をA/D変換することができるので、三角波V2の周波数を高周波化することなく、A/D変換の高速化を実現することができる。また、従来のように、1つのパルス幅カウンタ、1つの駆動パルス生成部、及び各スイッチング電源部に対応する1つの駆動パルスカウンタによって、2つのスイッチング電源部30,30からの出力検出信号の負帰還制御を実行することができるので、従来の構成で2倍の数のスイッチング電源部の出力電圧の制御を実行することができる。従って、スイッチング電源部の出力電圧の負帰還制御を高速化することができると共に、従来のスイッチング電源装置のA/D変換方法、及びその複数スイッチング電源の制御方法に比べて、より多くのスイッチング電源部の制御を、簡単な、且つ低コストな構成で可能にすることができる。
【0092】
また、少ないスイッチング電源部の出力電圧を制御する場合は、1つのスイッチング電源部の出力電圧に対する制御周期が短くなるので、スイッチング電源の制御をより高速化することができ、高精細なスイッチング電源制御を実行することができる。
【0093】
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施の形態に係るスイッチング電源装置に用いられるA/D変換方法及び複数スイッチング電源の制御方法を実行するための電圧値−パルス幅変換回路の概略構成を示す回路ブロック図である。
【図2】本実施の形態におけるスイッチング電源装置の電圧値−パルス変換回路に入力される出力検出信号と三角波との電圧レベルの関係を説明する図である。
【図3】図2の電圧値−パルス幅変換回路の動作を説明する図である。
【図4】本実施の形態に係るA/D変換方法及び複数スイッチング電源の制御方法が実行されるスイッチング電源装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図4のスイッチング電源装置においける出力検出回路の概略構成を説明する図であり、図5(a)は、出力検出回路のブロック図であり、図5(b)は、出力検出回路の加算回路の概略構成を示す回路図であり、図5(c)は、出力検出回路の反転回路の概略構成を示す回路図である。
【図6】従来の負帰還制御系を有するスイッチング電源装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】従来のA/D変換方法におけるパルス生成動作を説明する図である。
【図8】複数のスイッチング電源部を制御する従来のスイッチング電源装置の概略構成を示すブロック図である。
【図9】電子写真装置に用いられる画像形成部の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0095】
1,105 出力検出回路
2,12,13 コンパレータ
3 三角波発生回路
4,106 パルス幅カウンタ
5,34,103 駆動パルス生成部
10 電圧値−パルス幅変換回路
11 NOR回路
30 スイッチング電源部
31,120,130 マルチプレクサ
32,101 駆動パルス制御回路
33,102 A/D変換部
35,104 駆動パルスカウンタ
100 スイッチング電源装置
140 加算回路
150 反転回路
T1 トランス
Q1 FET

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準三角波を発生する三角波発生ステップと、
複数の出力電圧のうちの第1の出力電圧を検出すると共に該検出した第1の出力電圧から第1の出力検出特性に基づいて第1の出力電圧検出信号を出力する第1の出力電圧検出ステップと、
前記複数の出力電圧のうちの第2の出力電圧を検出すると共に該検出した第2の出力電圧から第2の出力検出特性に基づいて第2の出力電圧検出信号を出力する第2の出力電圧検出ステップと、
前記第1の出力電圧検出信号と前記基準三角波との電圧レベルを比較すると共に該比較の結果に応じて第1のパルス信号を出力する第1の比較ステップと、
前記第2の出力電圧検出信号と前記基準三角波との電圧レベルを比較すると共に該比較の結果に応じて第2のパルス信号を出力する第2の比較ステップと、
前記第1のパルス信号のパルス幅及び前記第2のパルス信号のパルス幅をカウントして第1のカウント値及び第2のカウント値を夫々算出するカウントステップとを備えるA/D変換方法であって、
前記第1の出力検出特性及び前記第2の出力検出特性は、前記第1のパルス信号のパルスの発生タイミングと前記第2のパルス信号のパルスの発生タイミングが互いに異なるように夫々設定されていることを特徴とするA/D変換方法。
【請求項2】
前記第1の出力検出特性及び前記第2の出力検出特性は、前記第1の出力電圧検出信号及び前記第2の出力電圧検出信号が前記基準三角波の振幅を2つに分割した電圧範囲内に夫々含まれるように設定されていることを特徴とする請求項1記載のA/D変換方法。
【請求項3】
前記第1の出力電圧検出ステップは、前記複数の出力電圧から前記第1の出力電圧を選択する第1の選択ステップを有し、前記第2の出力電圧検出ステップは、前記複数の出力電圧から前記第2の出力電圧を選択する第2の選択ステップを有することを特徴とする請求項1又は2記載のA/D変換方法。
【請求項4】
前記第1の出力検出特性は、前記検出した第1の出力電圧に第1のオフセットを加えて前記第1の出力電圧検出信号を出力するように設定されており、前記第2の出力検出特性は、前記検出した第2の出力電圧を反転すると共に第2のオフセットを加えて前記第2の出力電圧検出信号を出力するように設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のA/D変換方法。
【請求項5】
前記カウントステップは、前記第1のパルス信号のHighレベルパルス幅をカウントして第1のカウント値を算出し、前記第2のパルス信号のLowレベルパルス幅をカウントして第2のカウント値を算出することを特徴とする請求項4記載のA/D変換方法。
【請求項6】
複数のスイッチング電源として複数の電圧を出力する出力ステップと、
前記複数の出力電圧のうちの第1の出力電圧及び第2の出力電圧を第1のパルス信号及び第2のパルス信号に夫々A/D変換するA/D変換ステップと、
前記A/D変換された第1のパルス信号及び第2のパルス信号に対してパルス幅演算を行ってPWM信号としての第1の駆動パルス信号及び第2の駆動パルス信号を生成するパルス演算ステップと、
前記生成された第1の駆動パルス信号及び第2の駆動パルス信号に基づいて前記第1の出力電圧及び第2の出力電圧を第1の所定値及び第2の所定値に制御する出力電圧制御ステップとを備える複数スイッチング電源の制御方法であって、
前記A/D変換ステップは、前記複数の出力電圧のうちの2つの出力電圧を順次選択して、該選択された2つの出力電圧を前記第1の出力電圧及び第2の出力電圧に順次切換設定することを特徴とする複数スイッチング電源の制御方法。
【請求項7】
前記A/D変換ステップは、基準三角波を発生する三角波発生ステップと、前記第1の出力電圧を検出すると共に該検出した第1の出力電圧から第1の出力検出特性に基づいて第1の出力電圧検出信号を出力する第1の出力電圧検出ステップと、前記第2の出力電圧を検出すると共に該検出した第2の出力電圧から第2の出力検出特性に基づいて第2の出力電圧検出信号を出力する第2の出力電圧検出ステップと、前記第1の出力電圧検出信号と前記基準三角波との電圧レベルを比較すると共に該比較の結果に応じて第1のパルス信号を出力する第1の比較ステップと、前記第2の出力電圧検出信号と前記基準三角波との電圧レベルを比較すると共に該比較の結果に応じて第2のパルス信号を出力する第2の比較ステップと、前記第1のパルス信号のパルス幅及び前記第2のパルス信号のパルス幅をカウントして第1のカウント値及び第2のカウント値を夫々算出するカウントステップとを備え、前記第1の出力検出特性及び前記第2の出力検出特性は、前記第1のパルス信号のパルスの発生タイミングと前記2のパルス信号のパルスの発生タイミングとが互いに異なるように夫々設定されていることを特徴とする請求項6記載の複数スイッチング電源の制御方法。
【請求項8】
前記第1の出力検出特性及び前記第2の出力検出特性は、前記第1の出力電圧検出信号及び前記第2の出力電圧検出信号が前記基準三角波の振幅を2つに分割した電圧範囲内に夫々含まれるように設定されていることを特徴とする請求項7記載の複数スイッチング電源の制御方法。
【請求項9】
前記第1の出力検出特性は、前記検出した第1の出力電圧に第1のオフセットを加えて前記第1の出力電圧検出信号を出力するように設定されており、前記第2の出力検出特性は、前記検出した第2の出力電圧を反転すると共に第2のオフセットを加えて前記第2の出力電圧検出信号を出力するように設定されていることを特徴とする請求項7又は8記載の複数スイッチング電源の制御方法。
【請求項10】
前記カウントステップは、前記第1のパルス信号のHighレベルパルス幅をカウントして第1のカウント値を算出し、前記第2のパルス信号のLowレベルパルス幅をカウントして第2のカウント値を算出することを特徴とする請求項9記載の複数スイッチング電源の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−211843(P2006−211843A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−21705(P2005−21705)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】