説明

A1アデノシンレセプターアゴニスト

開示されるのは、種々の疾患状態、特に、頻拍および心房粗動、狭心症、非エステル化脂肪酸の放出に関する疾患、および心筋梗塞を処置するために有用な、Aアデノシンレセプターアゴニストである新規化合物である。本発明はまた、薬学的処方物に関し、治療的有効量の式Iの化合物、および少なくとも1つの薬学的に受容可能の賦形剤を含む。本発明はまた、部分的または完全に選択的なAレセプターアゴニストで有効に処置され得る哺乳動物における疾患または症状の処置において式Iの化合物を用いる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、Aアデノシンレセプターアゴニストである新規化合物、および心臓活動を改変すること、特に不整脈の処置を含む種々の疾患状態について哺乳動物を処置する際のそれらの使用に関する。上記化合物はまた、CNS障害、糖尿病障害、肥満を処置するため、および脂肪細胞機能を改変するために有用である。本発明はまた、それらの調製のための方法、およびこのような化合物を含む薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
アデノシンは、それらすべてが重要な生理学的プロセスを調節するA、A2a、A2b、およびAとして知られるアデノシンレセプターのファミリーと相互作用することによりその生物学的効果を奏する天然に存在するヌクレオシドである。例えば、A2Aアデノシンレセプターは、冠血管拡張を調節し、A2Bレセプターは、肥満細胞活性化、喘息、血管拡張、細胞増殖の調節、腸機能、および神経分泌の調節に関係し(非特許文献1;非特許文献2を参照のこと)、そしてAアデノシンレセプターは、細胞増殖プロセスを調節する。
【0003】
アデノシンレセプターは、2つの別個の生理学的応答を仲介する。カテコールアミンの心臓刺激効果の阻害は、アデニル酸シクラーゼの阻害を経由して仲介され、その一方、心拍数(HR)を遅延し、そして房室結節を通るインパルスを延期する直接の効果は、大部分がIKAdoの活性化に起因する(非特許文献3および非特許文献4)。Aアデノシンレセプターの刺激は、房室結節細胞の活動電位の持続時間を短くし、そしてその大きさを低減し、そしてそれ故、房室結節細胞の不応期を延長する。それ故、Aレセプターの刺激は、結節性リエントリー性頻拍の終結、および心房細動および心房粗動の間の心室拍数の制御を含む上室性頻拍を処置する方法を提供する。
【0004】
従って、Aアデノシンアゴニストは、心臓律動の急性および慢性障害、特に、心拍数が、洞房、房、および房室結節組織における異常によって駆動される急速な心拍数によって特徴付けられるような疾患の処置において有用である。このような障害は、制限されないで、心房細動、上室性頻拍および心房粗動を含む。Aアゴニストへの曝露は、心拍数の減少および異常律動の調節を引き起こし、それによって、心臓血管機能を改善する。
【0005】
アゴニストは、カテコールアミンの効果を阻害するそれらの能力を通して、細胞cAMPを低減し、そしてそれ故、増加した交感神経性緊張が細胞cAMPレベルを増加する欠陥心臓において有益な効果を有する。後者の状態は、心室不整脈および突然死の増加した可能性をともなうことが示されている。例えば、非特許文献5および非特許文献6を参照のこと。
【0006】
アゴニストは、サイクリックAMP生成に対するそれらの阻害作用の結果として、非エステル化脂肪酸(NEFA)の低減された放出に至る脂肪細胞における抗脂肪溶解効果を有する(非特許文献7および非特許文献8)。インシュリン非依存性糖尿病(NIDDM)は、高血糖症を生じるインシュリン耐性によって特徴付けられる。観察された高血糖症に寄与する因子は、正常グルコースの取り込みおよび骨格筋グリコーゲンシンターゼ(GS)の活性化の欠如である。高められたレベルのNEFAは、インシュリンで刺激されるグルコース取り込みおよびグリコーゲン合成を阻害することが示されている(非特許文献9および非特許文献10)。グルコース脂肪酸サイクルの仮説が、1963年という早くからP.J.Randleによって提案された(非特許文献11)。この仮説の教義は、末梢組織への脂肪酸の供給を制限することは、炭水化物利用を促進することであり得る(非特許文献12)。
【0007】
アデノシン自体は、Aアデノシンレセプターに関連する疾患状態を処置することに、例えば、発作性上室性頻拍症を終結することに有効であることが証明されている。しかし、アデノシンの効果は、アデノシンの半減期は10秒未満であるので一時的である。さらに、アデノシンは、A2A、A2B、およびA3アデノシンレセプターサブタイプに対して区別なしに作用するので、それはまた、交感神経性緊張、冠血管拡張、全身性血管拡張および肥満細胞脱顆粒に対して直接的効果を提供する。
【非特許文献1】治療標的としてのアデノシンA2Bレセプター、Drug Dev Res 45:198
【非特許文献2】Feoktistovら、Trends Pharmacol Sci 19:148〜153
【非特許文献3】B.LermanおよびL.Belardinelli Circulation、83巻(1991)、1499〜1509
【非特許文献4】J.C.ShryockおよびL.Belardinelli The Am.J.Cardiology、79巻(1997)2〜10
【非特許文献5】B.LermanおよびL.Belardinelli Circulation、83巻(1991)、1499〜1509頁
【非特許文献6】J.C.ShryockおよびL.Belardinelli、Am.J.Cardiology、79巻(1997)2〜10頁
【非特許文献7】E.A.van Schaickら、J.Pharmacokinetics and Biopharmaceutics、25巻(1997)673〜694頁
【非特許文献8】P.Strong Clinical Science 84巻(1993)663〜669頁
【非特許文献9】D.Thiebaudら Metab.Clin.Exp.31巻(1982)1128〜1136頁
【非特許文献10】G.Bodenら J.Clin.Invest.93巻(1994)2438〜2446頁
【非特許文献11】P.J.Randleら Lancet(1963)785〜789頁
【非特許文献12】P.Strongら Clinical Science 84巻(1993)663〜669頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の1つの目的は、アデノシンの半減期よりも大きな半減期をもち、そしてAアデノシンレセプターに対して選択的であるAアデノシンレセプターアゴニストである化合物を提供することである。さらに、血液−脳関門を透過しないAアデノシンレセプターアゴニストは、潜在的により少ない副作用を有することが見出された。従って、本発明の別の目的は、アデノシンの半減期より大きい半減期をもつAアデノシンレセプターアゴニストであり、Aアデノシンレセプターに選択的であり、そして上記血液関門を透過しない化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
従って、第1の局面では、本発明は、式Iの化合物:
【0010】
【化2】

または、その薬学的に受容可能な塩であって、ここで:
Rは、水素または低級アルキルであり;
は、必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロ環、または必要に応じて置換されたヘテロアリールであり;
は、必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロアリール、または必要に応じて置換されたヘテロ環であり;
は、−CHORまたは−C(O)NRであり;ここでRは、水素またはアシル、そしてRおよびRは、独立して水素または低級アルキルであり;
およびRは、独立して水素またはアシルであり;そして
Yは、共有結合または必要に応じて置換されたアルキレンである化合物に関する。
【0011】
本発明の第2の局面は、薬学的処方物に関し、治療的有効量の式Iの化合物、および少なくとも1つの薬学的に受容可能の賦形剤を含む。
【0012】
本発明の第3の局面は、部分的または完全に選択的なAレセプターアゴニストで有効に処置され得る哺乳動物における疾患または症状の処置において式Iの化合物を用いる方法に関する。このような疾患として、心房細動、上室性頻拍および心房粗動、うっ血性心不全、脂肪細胞における抗脂肪溶解効果、てんかん、脳卒中、糖尿病、肥満、虚血を含み、安定狭心症、不安定狭心症、心臓移植、および心筋梗塞が挙げられる。
【0013】
本発明の第4の局面は、血液−脳関門を透過せず、そして結果としてCNSに影響を有さない式Iの好ましい化合物に関する。このような好ましい化合物は、式Iの化合物であって、ここで、Rは、水素であり、Rは、3〜6炭素原子のシクロアルキルであり、Rは、−SOHによって置換されたアルキル、または−SOHによって置換されたシクロアルキル、または−SOHによって置換されたアリール、または−SOHによって置換されたヘテロアリール、または−SOHによって置換されたヘテロ環であり、そしてRは、−CHOHであり、特にここで、RおよびRは、水素であり、そしてYは、共有結合である。
【0014】
このクラスの化合物の中で、1つの好ましい群として、Rが、−SOHによって置換されたアルキル、または−SOHによって置換されたアリールである化合物が挙げられる。この群の中で、1つの好ましい亜群として、Rが、−SOHによって置換された1〜4の炭素原子のアルキルであって、特にここで、Rが、−CHSOH、そしてより詳細には、Rが、シクロペンチルであるような化合物が挙げられる。別の好ましい亜群として、Rが、−SOHによって置換されたフェニル、特に4−ベンゼンスルホン酸、より詳細には、ここでRがシクロペンチルである化合物が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(定義および一般パラメーター)
本明細書で用いられるとき、以下の語および語句は一般に、それらが用いられる文脈が他であることを示す場合を除き、以下に提示されるような意味を有することが意図される。
【0016】
用語「アルキル」は、1〜20の炭素原子を有するモノラジカルの分岐または非分岐飽和炭化水素鎖をいう。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−デシル、テトラデシルなどのような基によって例示される。
【0017】
用語「置換アルキル」は、以下をいう:
1)アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ケト、チオカルボニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、チオール、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、アミノスルホニル、アミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、ホスフェート、−SO−アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SOアルキル、SO−アリール、−SOヘテロアリール、およびSOHからなる群から選択される1〜5の置換基、好ましくは1〜3の置換基を有する上記で規定された通りのアルキル基。定義によって他であることが拘束されなければ、すべての置換基は、必要に応じて、アルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アミノカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、CF、アミノ、置換アミノ、シアノ、および−S(O)R(ここでRはアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、n=0、1または2である)から選択される1〜3の置換基でさらに置換され得る;または
2)酸素、イオウおよび−NR−から独立して選択される1〜5の原子または基によって中断される上記に規定されるようなアルキル基、ここでRは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択される。すべての置換基は、必要に応じて、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、CF、アミノ、置換アミノ、シアノ、および−S(O)R(ここでRがアルキル、アリール、またはヘテロアリールそしてn=0、1または2である)によってさらに置換され得る;または
3)上記で規定された通りの1〜5の置換基を有し、そしてまた上記で規定された通りの1〜5の原子または基によって中断される両方である上記で規定された通りのアルキル基。
【0018】
用語「低級アルキル」は、1〜6の炭素原子を有するモノラジカルの分岐または非分岐飽和炭化水素鎖をいう。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシルなどのような基によって例示される。
【0019】
用語「置換低級アルキル」は、置換アルキルについて規定された通りの、1〜5の置換基、好ましくは1〜3の置換基を有する上記で規定されるような低級アルキル基であるか、または置換アルキルについて規定された通りの1〜5の原子によって中断される上記で規定されるような低級アルキル基であるか、または上記で規定されるような1〜5の置換基を有し、そしてまた上記で規定された通りの1〜5の原子によって中断される両方である上記で規定された通りの低級アルキル基をいう。
【0020】
用語「アルキレン」は、好ましくは1〜20の炭素原子、好ましくは1〜10の炭素原子、より好ましくは1〜6の炭素原子を有する分岐または非分岐飽和炭化水素鎖のジラジカルをいう。この用語は、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン異性体(例えば、−CHCHCH−およびCH(CH)CH−)などのような基によって例示される。
【0021】
用語「低級アルキレン」は、1〜6の炭素原子を有する分岐または非分岐飽和炭化水素鎖のジラジカルをいう。
【0022】
用語「置換アルキレン」は以下をいう:
(1)アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ケト、チオカルボニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、チオール、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、アミノスルホニル、アミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミン、アルコキシアミノ、ニトロ、ホスフェート、−SO−アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−アルキル、SO−アリールおよび−SO−ヘテロアリールからなる群から選択される1〜5の置換基を有する上記で規定された通りのアルキレン基。定義によって他であることが拘束されなければ、すべての置換基は、必要に応じて、アルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アミノカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、CF、アミノ、置換アミノ、シアノ、および−S(O)R(ここでRはアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、n=0、1または2である)から選択される1〜3の置換基でさらに置換され得る;または
(2)酸素、イオウおよび−NR−から独立して選択される1〜5の原子または基によって中断される上記に規定されるようなアルキレン基、ここでRは、水素、必要に応じて置換されたアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択されるか、またはカルボニル、カルボキシエステル、カルボキシアミドおよびスルホニルから選択される基である;または
3)上記で規定された通りの1〜5の置換基を有し、そしてまた上記で規定された通りの1〜20の原子または基によって中断される両方である上記で規定された通りのアルキレン基。置換アルキレンの例は、クロロメチレン(−CH(Cl)−)、アミノエチレン(−CH(NH)CH−)、メチルアミノエチレン(−CH(NHMe)CH−)、2−カルボキシプロピレン異性体(−CHCH(COH)CH−)、エトキシエチル(−CHCHO−CHCH−)、エチルメチルアミノエチル(−CHCHN(CH)CHCH−)、1−エトキシ−2−(2−エトキシ−エトキシ)エタン(−CHCHO−CHCH−OCHCH−OCHCH−)などである。
【0023】
用語「アラルキル」は、アルキレン基に共有結合されたアリール基をいい、ここで、アリールおよびアルキレンは、本明細書中で規定されている。「必要に応じて置換されたアラルキル」は、必要に応じて置換されたアルキレン基に共有結合された必要に応じて置換されたアリール基をいう。このようなアラルキル基は、ベンジル、3−(4−メトキルフェニル)プロピルなどによって例示される。
【0024】
用語「アルコキシ」は、基R−O−であって、ここでRは、必要に応じてアルキルで置換されているか、もしくは必要に応じてシクロアルキルで置換されているか、またはRは、基−Y−Zであって、ここで、Yは、必要に応じて置換されたアルキレンであり、そしてZは;必要に応じて置換されたアルケニル、必要に応じて置換されたアルキニル;または必要に応じて置換されたシクロアルケニルであり、ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルおよびシクロアルケニルは本明細書で規定されるようである。好ましいアルコキシ基は、アルキル−O−であり、そして、例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシなどである。
【0025】
用語「アルキルチオ」は、基R−S−をいい、ここで、Rは、アルコキシについて規定された通りである。
【0026】
用語「アルケニル」は、好ましくは2〜20の炭素原子、より好ましくは2〜10の炭素原子、そしてなおより好ましくは2〜6の炭素原子を有し、そして1〜6、好ましくは1つの二重結合(ビニル)を有する分岐または非分岐不飽和炭化水素基のモノラジカルをいう。好ましいアルケニル基は、エテニルまたはビニル(−CH=CH)、1−プロピレンまたはアリル(−CHCH=CH)、イソプロピレン(−C(CH)=CH)、ビシクロ[2.2.1.]ヘプテンなどを含む。アルケニルが窒素に結合される場合には、この二重結合は、窒素に対しαではあり得ない。
【0027】
用語「低級アルケニル」は、2〜6の炭素原子を有する上記で規定された通りのアルケニルをいう。
【0028】
用語「置換アルケニル」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ケト、チオカルボニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、チオール、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、アミノスルホニル、アミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、ホスフェート、−SO−アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−アルキル、SO−アリールおよび−SO−ヘテロアリールからなる群から選択される1〜5の置換基、そして好ましくは1〜3の置換基を有する上記で規定された通りのアルケニル基をいう。定義によって他であることが拘束されなければ、すべての置換基は、必要に応じて、アルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アミノカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、CF、アミノ、置換アミノ、シアノ、および−S(O)R(ここでRはアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、n=0、1または2である)から選択される1〜3の置換基でさらに置換され得る。
【0029】
用語「アルキニル」は、好ましくは2〜20の炭素原子、より好ましくは2〜10の炭素原子そしてなおより好ましくは2〜6の炭素原子を有し、そして少なくとも1つの、そして好ましくは1〜6のアセチレン(三重結合)不飽和部位を有する不飽和炭化水素のモノラジカルをいう。好ましいアルキニル基として、エチニル(−C≡CH)、プロパルギル(またはプロピニル、−C≡CCH)などが挙げられる。アルキニルが窒素に結合されるとき、三重結合は窒素に対してαではあり得ない。
【0030】
用語「置換アルキニル」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ケト、チオカルボニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、チオール、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、アミノスルホニル、アミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、ホスフェート、−SO−アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−アルキル、SO−アリールおよび−SO−ヘテロアリールからなる群から選択される1〜5の置換基、そして好ましくは1〜3の置換基を有する上記で規定された通りのアルキニル基をいう。定義によって他であることが拘束されなければ、すべての置換基は、必要に応じて、アルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アミノカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、CF、アミノ、置換アミノ、シアノ、および−S(O)R(ここでRはアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、n=0、1または2である)から選択される1〜3の置換基でさらに置換され得る。
【0031】
用語「アミノカルボニル」は、基−C(O)NRRをいい、ここで、各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルであるか、または両方のR基は連結されてヘテロ環基(例えば、モルホリノ)を形成する。すべての置換基は、必要に応じて、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、CF、アミノ、置換アミノ、シアノ、または−S(O)Rによってさらに置換され得、ここで、Rは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、そしてnは0、1または2である。
【0032】
用語「アシルアミノ」は、基−NRC(O)Rをいい、ここで、各Rは、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルである。すべての置換基は、必要に応じて、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、CF、アミノ、置換アミノ、シアノ、または−S(O)Rによってさらに置換され得、ここで、Rは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、そしてnは0、1または2である。
【0033】
用語「アシルオキシ」は、基−O(O)C−アルキル、−O(O)C−シクロアルキル、−O(O)C−アリール、−O(O)C−ヘテロアリール、および−O(O)C−ヘテロシクリルをいう。すべての置換基は、必要に応じて、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、CF、アミノ、置換アミノ、シアノ、または−S(O)Rによってさらに置換され得、ここで、Rは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、そしてnは0、1または2である。
【0034】
用語「アリール」は、単一の環(例えば、フェニル)または複数の環(例えば、ビフェニル)、または複数の縮合環(融合)環(例えば、ナフチルまたはアントラニル(anthryl))を有する6〜20の炭素原子の芳香族炭素環式基をいう。好ましいアリールは、フェニル、ナフチルなどを含む。
【0035】
アリール置換基の定義によって他であることが拘束されなければ、このようなアリール基は、必要に応じて、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ケト、チオカルボニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、チオール、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、アミノスルホニル、アミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、ホスフェート、−SO−アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−アルキル、SO−アリールおよび−SO−ヘテロアリールからなる群から選択される1〜5の置換基、そして好ましくは1〜3の置換基で置換され得る。定義によって他であることが拘束されなければ、すべての置換基は、必要に応じて、アルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アミノカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、CF、アミノ、置換アミノ、シアノ、および−S(O)R(ここでRはアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、n=0、1または2である)から選択される1〜3の置換基でさらに置換され得る。
【0036】
用語「アルールオキシ」は、基アリール−O−をいい、ここで、アリール基は、上記で規定された通りであり、そしてまた、上記で規定された通りの必要に応じて置換されたアリール基を含む。用語「アリールチオ」は、基R−S−をいい、ここでRは、アリールについて規定された通りである。
【0037】
用語「アミノ」は、基−NHをいう。
【0038】
用語「置換アミノ」は、基−NRRをいい、ここで、各Rは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、カルボキシアルキル(例えば、ベンジルオキシカルボニル)、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルからなる群から選択され、但し、両方のR基は水素ではないか、または、基−Y−Zであって、ここで、Yが必要に応じて置換されたアルキレンであり、そしてZはアルケニル、シクロアルケニル、またはアルキニルである。定義によって他であることが拘束されなければ、すべての置換基は、必要に応じて、アルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アミノカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、CF、アミノ、置換アミノ、シアノ、および−S(O)R(ここでRはアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、n=0、1または2である)から選択される1〜3の置換基でさらに置換され得る。
【0039】
用語「カルボキシアルキル」は、基−C(O)O−アルキル、−C(O)O−シクロアルキルをいい、ここで、アルキルおよびシクロアルキルは、本明細書で規定されるようであり、そして必要に応じて、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロゲン、CF、アミノ、置換アミノ、シアノ、および−S(O)R(ここでRはアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、n=0、1または2である)から選択される1〜3の置換基でさらに置換され得る。
【0040】
用語「シクロアルキル」は、単一の環状環または複数の縮合環を有する3〜20の炭素原子からの環状アルキル基をいう。このようなシクロアルキル基として、例によれば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどのような単一環構造、またはアダマンタニル、およびビシクロ[2.2.1]ヘプタンのような複数環構造、またはアリール基が融合される環状アルキル基、例えば、インダンなどが挙げられる。
【0041】
用語「置換シクロアルキル」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ケト、チオカルボニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、チオール、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、アミノスルホニル、アミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、ホスフェート、−SO−アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−アルキル、SO−アリールおよび−SO−ヘテロアリールからなる群から選択される1〜5の置換基、そして好ましくは1〜3の置換基を有するシクロアルキル基をいう。定義によって他であることが拘束されなければ、すべての置換基は、必要に応じて、アルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アミノカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、CF、アミノ、置換アミノ、シアノ、および−S(O)R(ここでRはアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、n=0、1または2である)から選択される1〜3の置換基でさらに置換され得る。
【0042】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、臭素、塩素、およびヨウ素をいう。
【0043】
用語「アシル」は、基−C(O)Rを示し、ここで、Rは、水素、必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたアリール、または必要に応じて置換されたヘテロアリールである。
【0044】
用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの環の中に、1〜15の炭素原子、および1〜4の、酸素、窒素およびイオウから選択されるヘテロ原子を含む芳香族基(すなわち、不飽和)をいう。
【0045】
ヘテロアリール置換基の定義によって他であることが拘束されなければ、このようなヘテロアリール基は、必要に応じて、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ケト、チオカルボニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、チオール、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、アミノスルホニル、アミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、ホスフェート、−SO−アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−アルキル、SO−アリールおよび−SO−ヘテロアリールからなる群から選択される1〜5の置換基、そして好ましくは1〜3の置換基で置換され得る。定義によって他であることが拘束されなければ、すべての置換基は、必要に応じて、アルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アミノカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、CF、アミノ、置換アミノ、シアノ、および−S(O)R(ここでRはアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、n=0、1または2である)から選択される1〜3の置換基でさらに置換され得る。このようなヘテロアリール基は、単一の環(例えば、ピリジルまたはフリル)または複数の縮合環(例えば、インドリジニル、ベンゾチアゾール、またはベンゾチエニル)を有し得る。窒素ヘテロ環およびヘテロアリールの例として、制限されないで、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリンなど、およびN−アルコキシ−窒素含有ヘテロアリール化合物が挙げられる。
【0046】
用語「ヘテロアリールオキシ」は、基ヘテロアリール−O−をいう。
【0047】
用語「ヘテロシクリル」は、環内に、1〜40の炭素原子、および1〜10の、好ましくは1〜4の、窒素、イオウ、リン、および/または酸素から選択されるヘテロ原子を有する、単一の環または複数の縮合環を有するモノラジカル飽和基または部分不飽和基をいう。
【0048】
式Iの化合物は、「RおよびYRは、それらが結合する窒素原子と一緒になるとき、必要に応じて置換されたヘテロシクリルを表わす」という定義を含む。このような定義は、環中に窒素のみをもつヘテロ環、例えば、ピロリジンおよびピペリジンを含み、そしてまた、環中に1つ以上のヘテロ原子を有するヘテロ環、例えば、ピペラジン、モルホリンなどを含む。
【0049】
ヘテロ環置換基の定義によって他であることが拘束されなければ、このようなヘテロ環基は、必要に応じて、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ケト、チオカルボニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリルチオ、チオール、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、アミノスルホニル、アミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、ホスフェート、−SO−アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−アルキル、SO−アリールおよび−SO−ヘテロアリールからなる群から選択される1〜5の置換基、そして好ましくは1〜3の置換基で置換され得る。定義によって他であることが拘束されなければ、すべての置換基は、必要に応じて、アルキル、カルボキシ、カルボキシアルキル、アミノカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、CF、アミノ、置換アミノ、シアノ、および−S(O)R(ここでRはアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、n=0、1または2である)から選択される1〜3の置換基でさらに置換され得る。ヘテロ環基は、単一の環または複数の縮合環を有し得る。好ましいヘテロ環は、テトラヒドロフラニル、モルホリノ、ピペラジニルなどを含む。
【0050】
用語「チオール」は、基−SHをいう。
【0051】
用語「置換アルキルチオ」は、基−S−置換アルキルをいう。
【0052】
用語「ヘテロアリールチオ」は、基−S−ヘテロアリールをいい、ここで、このヘテロアリール基は上記で規定された通りであり、必要に応じてまた上記で規定された通りの置換ヘテロアリール基を含む。
【0053】
用語「スルホキシド」は、基−S(O)Rをいい、ここで、Rは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである。「置換スルホキシド」は、基−S(O)Rをいい、ここで、Rは、本明細書中で規定されるような、置換アルキル、置換アリール、または置換ヘテロアリールである。
【0054】
用語「スルホン」は、基−S(O)Rをいい、ここで、Rは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである。「置換スルホン」は、基−S(O)Rをいい、ここで、Rは、上記で規定された通りの置換アルキル、置換アリール、または置換ヘテロアリールである。
【0055】
用語「ケト」は、基−C(O)−をいう。用語「チオカルボニル」は、基−C(S)−をいう。用語「カルボキシ」は、基−C(O)−OHをいう。
【0056】
「必要」または「必要に応じて」は、引き続き記載される事象または状況が生じても生じなくても良く、しかも、この記載は、この事象または状況が生じる事例、およびそれが生じない事例を含む。
【0057】
用語「式Iの化合物」は、開示されるような本発明の化合物、および薬学的に受容可能な塩、薬学的に受容可能なエステル、およびこのような化合物の水和物およびプロドラッグを包含することが意図される。
【0058】
用語「治療的有効量」は、以下に規定されるように、そのような処置の必要な哺乳動物に投与されるとき、処置を行うに十分である式Iの化合物の量をいう。この治療的有効量は、処置される被験体および疾患の状態、被験体の体重および年齢、この疾患状態の重篤度、投与の様式などに依存して変動し得、これは、当業者によって容易に決定され得る。
【0059】
用語「処置」または「処置すること」は、哺乳動物における疾患の任意の処置を意味し、以下を含む:
(i)疾患を防ぐこと、すなわち、疾患の臨床症状が発症しないようにすること;
(ii)疾患を阻害すること、すなわち、疾患の臨床症状の進行を止めること;および/または
(iii)疾患を軽減すること、すなわち、臨床症状の退縮を引き起こすこと。
【0060】
多くの事例において、本発明の化合物は、アミノ基および/またはカルボキシル基もしくはそれに類似の基の存在のため酸塩および/または塩基塩を形成し得る。用語「薬学的に受容可能な塩」は、式Iの化合物の生物学的有効性および性質を保持する塩をいい、これらは生物学的なものでないか、そうでなければ所望されるものでもない。薬学的に受容可能な塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基から調製され得る。無機塩基由来の塩として、例としてに過ぎないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウムの塩が挙げられる。有機塩基由来の塩として、制限されないで、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換アルケニルアミン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアルキルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換シクロアルキルアミン、二置換シクロアルキルアミン、三置換シクロアルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ(シクロアルケニル)アミン、置換シクロアルケニルアミン、二置換シクロアルケニルアミン、三置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリヘテロアリールアミン、ヘテロ環アミン、ジヘテロ環アミン、トリヘテロ環アミン、アミン上の少なくとも2つの置換基が、異なって、そしてアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環などからなる群から選択される、混合ジ−およびトリ−アミンのような、一級、二級および三級アミンの塩が挙げられる。また、アミノ窒素と一緒になって、2または3の置換基がヘテロ環またはヘテロアリール基を形成するアミンが含まれる。
【0061】
適切なアミンの詳細な例として、例としてに過ぎないが、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソ−プロピル)アミン、トリ(n−プロピル)アミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N−アルキルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N−エチルピペリジンなどが挙げられる。
【0062】
薬学的に重要可能な酸付加塩は、無機酸および有機酸から調製され得る。無機酸由来の塩として、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。有機酸由来の塩として、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエン−スルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。
【0063】
本明細書で用いられるとき、「薬学的に重要可能なキャリア」として、任意およびすべての溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌および抗真菌薬剤、等張および吸収遅延剤などが挙げられる。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体および試薬の使用は、当該技術分野で周知である。任意の従来の媒体または試薬が、活性成分と不適合性である範囲を除き、治療組成物におけるその使用が企図される。補助的活性成分もまた、組成物中に取り込まれ得る。
【0064】
高い固有の効き目をもつアゴニストである化合物は、生物学的システムが可能であるその最大の効果を引き起こす。これらの化合物は、「完全アゴニスト」として知られる。それらは、エフェクタープロセスへのカップリングの効率が高い場合、すべてのレセプターを占有することなく最大の可能な効果を惹起し得る。対照的に、「部分的アゴニスト」は、応答を惹起するが、生物学的システムが可能であるその最大の効果を引き起こすことができない。それらは、ほどほどの親和性を、しかし低い固有の効き目を有し得る。部分的Aアデノシンアゴニストは、慢性的療法に対して付加的な利益を有し得る。なぜなら、それらは、Aレセプターの脱感作を誘導する可能性がより少なく(R.B.Clark、B.J.Knoll、R.Barber TiPS、20巻(1999)279〜286頁)、そして副作用を引き起こす可能性がより低いからである。
【0065】
(命名法)
本発明の化合物の命名および番号付けは、式Iの代表的な化合物で例示され、ここで、Rは水素であり、Rは2−ヒドロキシシクロアルキルであり、Rは水素であり、Rは2−フルオロフェニルであり、RおよびRは両方が水素であり、そしXおよびYは両方が共有結合である:
【0066】
【化3】

これは:4−[N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイル]ベンゼンスルホン酸と命名される。
【0067】
(合成反応パラメーター)
用語「溶媒」、「不活性有機溶媒」または「不活性溶媒」は、それと組み合わせて記載されている反応の条件下で不活性な溶媒を意味する[例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(「THF」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、クロロホルム、塩化メチレン(またはジクロロメタン)、ジエチルエーテル、メタノール、ピリジンなどを含む]。反対に特定されていなければ、本発明の反応で用いられる溶媒は、不活性有機溶媒である。
【0068】
用語「q.s.」は、陳述された機能を達成するために、例えば、溶液を所望の容量(すなわち、100%)にするために十分量添加することを意味する。
【0069】
式Iの化合物を調製するための1つの合成スキームは、式(4)の化合物で開始し、その調製は、反応スキームIで示される:
【0070】
【化4】

(ステップ1−式(2)の化合物の調製)
式(1)の化合物、トリアセチルグアノシンは、市販され入手可能であるか、または当該技術分野で周知の方法によって調製され得る。式(2)の化合物は、従来どおり式(1)の化合物から、例えば、四級アンモニウム塩(例えば、塩化テトラエチルアンモニウム)および束縛塩基(例えば、N,N−ジメチルアニリン)の存在下、不活性溶媒(例えば、アセトニトリル)中で塩素化試薬(例えば、オキシ塩化リン)との反応により調製される。この反応は、約40〜100℃、好ましくは約85℃の温度で、約1〜12時間、好ましくは約2時間行われる。この反応が実質的に終了するとき、産物((2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−5−(アセチルオキシメチル)−2−(2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル)オキソラン3−イルアセテート、式(2)の化合物)が従来手段によって単離され、そしてクロマトグラフィーによって精製される。
【0071】
(ステップ2−式(3)の化合物の調製)
式(2)の化合物は、(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−5−(アセチルオキシメチル)−2−(6−クロロ−2−ヨードプリン−9−イル)オキソラン3−イルアセテート、式(3)の化合物に、ジインドメタンの存在下、アミルニトリルとの反応により転換される。この反応は、不活性溶媒、例えば、アセトニトリル中、約40〜100℃、好ましくは約80℃の温度で、約4〜24時間、好ましくは約18時間行われる。この反応が実質的に終了されるとき、式(3)の産物が、従来手段、例えば、減圧下での溶媒の除去により単離され、そして残留物をクロマトグラフィーによって精製する。
【0072】
(ステップ3−式(4)の化合物の調製)
式(3)の化合物は、式RNHのアミンとの反応によって式(4)の化合物に転換される。一般に、この反応は、束縛アミン、例えば、ジイソプロピルエチルアミンの存在下、約15〜30℃、好ましくは約25℃の温度で、約4〜24時間、好ましくは約18時間、不活性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中で行われる。この反応が実質的に終了されるとき、式(4)の産物が、従来手段(例えば、減圧下での溶媒の除去)により単離され、そして残留物をクロマトグラフィーによって精製する。
【0073】
式(4)の化合物は、反応スキームIIに示されるように、式Iの化合物に転換される。
【0074】
【化5】

(ステップ1−式(5)の調製)
式(5)の化合物は、従来どおり、式(4)の化合物から、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下、不活性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中、トリブチル錫シアニドとの(4)の反応により調製される。この反応は、約100〜120℃、好ましくは約120℃の温度で、約4〜24時間、好ましくは約18時間行われる。この反応が実質的に終了されるとき、式(5)の産物が、従来手段により単離され、そして、例えば、クロマトグラフィーによって精製される。
【0075】
(ステップ2−式(6)の調製)
式(6)の化合物は、式(5)の化合物から、金属触媒(例えば、Raneyニッケル)の存在下、還元剤との反応により(例えば、水素との反応により)調製される。この反応は、不活性溶媒(例えば、メタノール)中、室温で約2時間行われる。この反応が実質的に終了されるとき、式(6)の産物が、従来手段により単離され、そして、例えば、クロマトグラフィーによって精製される。
【0076】
(ステップ3−式Iの化合物の調製)
式(6)の化合物は、次いで、式RCOHのカルボン酸またはカルボン酸の塩との反応により、式Iの化合物に転換される。例えば、カルボジイミド誘導体(例えば、1(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド)の存在下、例えば、式RCOKの金属塩の式(6)の化合物との反応。この反応は、不活性溶媒(例えば、水とN,N−ジメチルホルムアミドとの混合物)中、室温で、約1〜10時間、好ましくは約4時間行われる。この反応が実質的に終了されるとき、式Iの産物が、従来手段により単離され、そして、例えば、クロマトグラフィーによって精製される。
【0077】
(有用性、試験および投与)
(一般的有用性)
式Iの化合物は、Aアデノシンレセプターの部分的または完全アゴニストの投与に応答することが知られる症状の処置で有効である。このような症状は、制限されないで、心臓律動の急性および慢性障害、特に心拍数が、洞房、心房、および房室結節組織中の異常によって駆動される急速心拍数によって特徴付けられるような疾患を含む。このような障害として、制限されないで、心房細動、上室性頻脈および心房粗動、うっ血性心不全、インシュリン非依存性糖尿病、高血糖症、てんかん(抗痙攣性活性)、および神経保護が挙げられる。Aアゴニストはまた、非エステル化脂肪酸の低減された放出に至る脂肪細胞における抗脂肪分解効果を有する。
【0078】
(試験)
活性試験は、上記で参照されたような特許および引用文献中、および以下の実施例中に記載されるように、および当業者に明らかな方法によって実施される。
【0079】
(薬学的組成物)
式Iの化合物は、通常、薬学的組成物の形態で投与される。本発明は、従って、活性成分として、式Iの化合物の1つ以上、または薬学的に受容可能なその塩またはエステル、ならびに薬学的に受容可能な賦形剤、キャリア(不活性固体希釈剤および充填剤を含む)、希釈剤(滅菌水性溶液および種々の有機溶媒を含む)、透過促進剤、可溶化剤およびアジュバントの1つ以上を含む薬学的組成物を提供する。式Iの化合物は、単独、またはその他の治療薬剤と組み合わせて投与され得る。このような組成物は、薬学技術分野で周知の様式で調製される(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mace Publishing Co.、Philadelphia、PA 17版(1985)および「Modern Pharcaceutics」、Marcel Dekker、Inc.3版(G.S.Banker&C.T.Rhodes編)を参照のこと)。
【0080】
(投与)
式Iの化合物は、類似の有用性を有する容認される薬剤の投与様式のいずれか(例えば、参考として援用されるような特許および特許出願に記載されるような)により単回投与または複数回投与のいずれかで投与され得、直腸、頬、鼻内および経皮経路、動脈内注入、静脈内、腹腔内、非経口、筋肉内、皮下、経口、局所的、吸入剤として、もしくはステント(例えば、動脈に挿入される円筒形ポリマー)のような含浸デバイス(impregnated device)または被覆デバイス(coated device)経由が挙げられる。
【0081】
投与の1つの様式は、非経口、特に注入による。本発明の新規組成物が注入による投与のために取り込まれ得る形態は、水性懸濁剤、あるいはゴマ油、コーン油、綿実油、またはピーナッツ油との油性懸濁剤または乳剤、ならびにエリキシル、マンニトール、デキストロース、もしくは滅菌水性溶液および類似の薬学的ビヒクルを含む。生理食塩水中の水性溶液もまた、注入のために便利に用いられ得るが、本発明の文脈ではより好まれない。エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど(およびそれらの適切な混合物)、シクロデキストリン誘導体、および植物油もまた採用され得る。適正な流動性が、例えば、レシチンのようなコーティングの使用により、分散物の場合には必要な粒子サイズの維持により、そして界面活性剤の使用により維持され得る。微生物の作用の防止は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによりもたらされ得る。
【0082】
滅菌注入可能な溶液は、必要に応じて、上記で列挙されたような種々のその他の成分とともに、適切な溶媒中に必要な量の式Iの化合物を取り込むこと、次いで、濾過滅菌により調製される。一般に、分散物は、種々の滅菌された活性成分を、基礎分散媒体および上記で列挙されたようなものからの必要なその他の成分を含む滅菌ビヒクル中に取り込むことによって調製される。滅菌注入可能な溶液の調製のための滅菌粉末の場合には、調製の好ましい方法は、活性成分の粉末に加えて先に滅菌濾過されたその溶液からの任意のさらなる所望の成分を生じる、減圧乾燥および凍結乾燥技法である。
【0083】
経口投与は、式Iの化合物の投与のための別の経路である。投与は、カプセルまたは腸溶性コートした錠剤などを経由してであり得る。少なくとも1つの式Iの化合物を含む薬学的組成物を作成することで、活性成分は、通常、賦形剤によって希釈されるか、そして/または、カプセル、サシェ、紙またはその他のコンテナの形態であり得るようなキャリア内に囲われる。賦形剤が希釈剤として供されるとき、それは、固体、半固体、または(上記のような)液体材料であり得、それは、上記活性成分のビヒクル、キャリアまたは媒体として作用する。それ故、上記組成物は、錠剤、ピル、粉末、トローチ剤、サシェ、カシェ剤、エリキシル、懸濁物、エマルジョン、溶液、シロップ、エアロゾル(固体として、または液体媒体中)、例えば、上記活性化合物の10重量%までを含む軟膏、軟ゼラチンカプセルおよび硬ゼラチンカプセル、滅菌注入可能な溶液、および滅菌充填された粉末の形態であり得る。
【0084】
適切な賦形剤のいくつかの例は、ラクトース、デキストロース、シュークロース、ソルビトール、マンニトール、スターチ、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカントゴム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセルロースを含む。処方物は、さらに:タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油のような滑沢剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁剤;メチル−およびプロピルヒドロキシ−安息香酸;甘味剤;および矯味矯臭剤を含み得る。
【0085】
本発明の組成物は、当該分野で公知の手順を採用することにより、患者への投与の後、活性成分の急速、持続または遅延放出を提供するように処方され得る。経口投与のための制御放出薬物送達システムは、浸透圧ポンプシステム、およびポリマー被覆リザーバーまたは薬物−ポリマーマトックス処方物を含む溶解システムを含む。制御放出システムの例は、米国特許第3,845,770号;同第4,326,525号;同第4,902,514号;および同第5、616,345号に与えられる。本発明の方法における使用のための別の処方物は、経皮送達デバイス(「パッチ」)を採用する。このような経皮パッチは、制御された量にある本発明の化合物の連続的または非連続的注入を提供するために用いられ得る。薬学的薬剤の送達のための経皮パッチの構築および使用は、当該技術分野で周知である。例えば、米国特許第5,023,252号、同第4,992,445号および同第5,001,139号を参照のこと。このようなパッチは、薬学的薬剤の連続的、パルス性、または需要に応じた送達のために構築され得る。
【0086】
上記組成物は、好ましくは、単位用量形態で処方される。用語「単位用量形態」は、ヒト被験体およびその他の哺乳動物のための単位用量として適切な物理的に別個の単位をいい、各単位は、適切な薬学的賦形剤(例えば、錠剤、カプセル、アンプル)とともに所望の治療効果を生成するように算出された所定量の活性物質を含む。式Iの化合物は、広範な用量範囲に亘って有効であり、そして一般に薬学的に有効な量で投与される。好ましくは、経口投与には、各用量単位は、10mg〜2gの、より好ましくは10〜700mgの式Iの化合物、そして非経口投与には、好ましくは10〜700mgの、より好ましくは約50〜200mgの式Iの化合物を含む。しかし、実際に投与される式Iの化合物の量は、処置されるべき状態、投与の選択された経路、投与される実際の化合物およびその相対活性、年齢、体重、および個々の患者の応答、患者の徴候の重篤度などを含む、関連する状況を考慮して医師によって決定される。
【0087】
錠剤のような固体の組成物を調製するために、主体の活性成分は、薬学的賦形剤と混合され、本発明の化合物の均一混合物を含む固形の処方前組成物を形成する。これらの処方前組成物を均一と称するとき、それは、上記組成物が錠剤、ピルおよびカプセルのような等しく有効な単位用量形態に容易に再分割され得るように、この活性成分がこの組成物全体に均一に分散されることを意味する。
【0088】
本発明の錠剤または丸剤は、コートされるか、もしくはそうでなければ調合され得、延長された作用の利点を与える投薬形態を提供するか、または胃の酸条件から保護する。例えば、この錠剤または丸剤は、内側の投与構成部分(inner dosage component)および外側の投与構成部分(outer dosage component)を含み得、後者は、前者を覆う外包の形態である。これら2つの成分は、胃中の分解に抵抗するように供される腸溶性の層によって分けられ、そして内側成分が十二指腸にそのままで通過するか、または放出が遅延されることを可能にする。種々の材料が、このような腸溶性の層またはコーティングのために用いられ得、これら材料は、多くのポリマー酸、およびシェラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースのような材料とのポリマー酸の混合物を含む。
【0089】
吸入剤および吹入剤のための組成物は、薬学的に受容可能な水性溶媒または有機溶媒、あるいはそれらの混合物中の溶液および懸濁物、および粉末を含む。この液体または固形組成物は、上記に記載されるような適切な薬学的に受容可能な賦形剤を含み得る。好ましくは、これら組成物は、局所または全身効果のために経口または鼻の呼吸経路によって投与される。好ましくは薬学的に受容可能な溶媒中の組成物は、不活性ガスによって霧状にされ得る。霧状にされた溶液は、噴霧デバイスから直接吸入され得るか、または噴霧デバイスは顔マスクテントまたは間欠性陽圧呼吸機械に取り付けられ得る。溶液、懸濁物、または粉末組成物は、上記組成物を適切な様式で送達するデバイスから好ましくは経口的または鼻から投与され得る。
【0090】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すために含められる。当業者によって、以下の実施例中に開示される技法は、本発明の実施において良好に機能することが本発明者らによって発見され、そしてそれ故、その実施のための好ましいモードを構成すると考えられ得る技法を表すことが認識されるべきである。しかし、当業者は、現在の開示を考慮して、多くの変更が開示される特定の実施形態においてなされ得、そしてなお、本発明の思想および範囲を逸脱することなく同様または類似の結果を得ることを認識する。
【実施例】
【0091】
(実施例1)
(式(2)の化合物の調製)
【0092】
【化6】

アセトニトリル(60ml)中の2’,3’,5’−トリアセチルグアノシン(4.0g、9.78mmol)および塩化テトラエチルアンモニウム(4.9g、29.3mmol)の溶液に、N,N−ジメチルアニリン(1.85ml、14.67mmol)、次いで、オキシ塩化リン(7.28ml、78mmol)を添加した。得られる溶液を2時間還流し、その後、溶媒を減圧下で除去した。残渣を塩化メチレンで希釈し、水性飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、そして有機相を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、そして残渣をシリカゲルを用いるクロマトグラフィーにかけ、4%メタノール/塩化メチレンで溶出し、式(2)の化合物、(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−5−(アセチルオキシメチル)−2−(2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル)オキソラン−3−イルアセテートを提供した。H NMR(CDCl)は満足すべきものであった。
【0093】
(実施例2)
(式(3)の化合物の調製)
【0094】
【化7】

アセトニトリル(40ml)中の(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−5−(アセチルオキシメチル)−2−(2−アミノ−6−クロロプリン−9−イル)オキソラン−3−イルアセテート(3.8g、8.88mmol)の溶液に、ジヨードメタン(3.4ml)および亜硝酸n−アミル(8.2ml)を添加した。得られる混合物を一晩還流し、次いで、溶媒を減圧下で除去した。残渣をシリカゲルを用いるクロマトグラフィーにかけ、40%エタノール/60%ヘキサンの混合物で溶出し、(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−5−(アセチルオキシメチル)−2−(6−クロロ−2−ヨードプリン−9−イル)オキソラン−3−イルアセテート(2.7g)を淡い黄色の固体として提供した。
【0095】
(実施例3)
(式(4)の化合物の調製)
(A.Rがシクロペンチルであり、そしてYが共有結合である式(4)の化合物の調製)
【0096】
【化8】

N,N−ジメチルホルムアミド(20ml)中の(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−5−(アセチルオキシメチル)−2−(6−クロロ−2−ヨードプリン−9−イル)オキソラン−3−イルアセテート(1.15g、2.13mmol)の溶液に、シクロペンチルアミン(0.42ml、4.26mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(10ml)を添加し、そしてこの混合物を、室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、そして残渣をシリカゲルカラムを用いてクロマトグラフィーにかけ、40%エタノール/60%ヘキサンの混合物で溶出し、(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシメチル)−5−[6−(シクロペンチルアミノ)−2−ヨードプリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート(0.9g)、式(4)の化合物を提供した。
【0097】
(B.RおよびYが変動する式(4)の化合物の調製)
同様に、上記3Aの手順に従って、しかし、シクロペンチルアミンを式RYNHのその他のアミンで置き換えて、式(4)のその他の化合物が調製された。例えば、
(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシメチル)−5−[6−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヨードプリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート;
(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシメチル)−5−[6−(n−ヘキシルアミノ)−2−ヨードプリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート;
(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシメチル)−5−[6−(アニリノ)−2−ヨードプリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート;
(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシメチル)−5−[6−(ベンジルアミノ)−2−ヨードプリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート;
(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−5−(アセチルオキシメチル)−2−[2−ヨード−6−(オキソラン−3−イルアミノ)プリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート;および
(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシメチル)−5−[6−(ピリド−2−イルアミノ)−2−ヨードプリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート。
【0098】
(実施例4)
(式(5)の化合物の調製)
(A.Rがシクロペンチルであり、そしてYが共有結合である式(5)の化合物の調製)
【0099】
【化9】

N,N−ジメチルホルムアミド(40ml)中の(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシメチル)−5−[6−(シクロペンチルアミノ)−2−ヨードプリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート(0.9g、1.53mmol)の溶液に、トリブチル錫シアニド(0.58g、1.84mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.27g、0.23mmol)を添加し、そしてこの混合物を、120℃で一晩攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、そして残渣を酢酸エチルに溶解し、そしてセライトを通じて濾過した。溶媒を減圧下で除去し、そし残渣をシリカゲルを用いてクロマトグラフィーにかけ、エタノール/ヘキサン1:1の混合物で溶出し、(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシ−メチル)−5−[2−シアノ−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート(0.65g)を提供した。
【0100】
(B.RおよびYが変動する式(5)の化合物の調製)
同様に、上記4Aの手順に従って、しかし、(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシメチル)−5−[6−(シクロペンチルアミノ)−2−ヨードプリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテートを式(4)のその他の化合物で置き換えて、式(5)のその他の化合物を調製する。例えば:
(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシメチル)−5−[6−(シクロヘキシルアミノ)−2−シアノプリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート;
(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシメチル)−5−[6−(n−ヘキシルアミノ)−2−シアノプリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート;
(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシメチル)−5−[6−(アニリノ)−2−シアノプリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート;
(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシメチル)−5−[6−(ベンジルアミノ)−2−シアノプリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート;
(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−5−(アセチルオキシメチル)−2−[2−シアノ−6−(オキソラン−3−イルルアミノ)プリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート;および
(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシメチル)−5−[6−(ピリド−2−イルアミノ)−2−シアノプリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート。
【0101】
(実施例5)
(式(6)の化合物の調製)
(A.Rがシクロペンチルであり、そしてYが共有結合である式(6)の化合物の調製)
【0102】
【化10】

メタノール中の(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシ−メチル)−5−[2−シアノ−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート(0.3g)の溶液に、Raneyニッケルを添加し、そしてこの混合物を、40psiの水素下、2時間室温で攪拌した。触媒をラセイトに通して濾別し、メタノールで洗浄し、そして溶媒をフィルターから減圧下で除去した。残渣をメタノールおよびヘキサンの混合物から結晶化し、(4S,2R,3R,5R)−2−[2−(アミノメチル)−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−9−イル]−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3,4−ジオールを提供した。
【0103】
(B.RおよびYが変動する式(6)の化合物の調製)
同様に、上記5Aの手順に従って、しかし、(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−2−(アセチルオキシ−メチル)−5−[2−シアノ−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテートを式(5)のその他の化合物で置き換えて、式(6)のその他の化合物を調製する。例えば:
(4R,2R,3R,5R)−2−[2−(アミノメチル)−6−(シクロヘキシルアミノ)プリン−9−イル]−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3,4−ジオール;
(4S,2R,3R,5R)−2−[2−(アミノメチル)−6−(ヘキシルアミノ)プリン−9−イル]−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3,4−ジオール;
(4S,2R,3R,5R)−2−[2−(アミノメチル)−6−(アニリノ)プリン−9−イル]−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3,4−ジオール;
(4S,2R,3R,5R)−2−[2−(アミノメチル)−6−(ベンジルアミノ)プリン−9−イル]−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3,4−ジオール;
(4S,2R,3R,5R)−2−[2−(アミノメチル)−6−(オキソラン3−イルアミノ)プリン−9−イル]−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3,4−ジオール;および
(4S,2R,3R,5R)−2−[2−(アミノメチル)−6−(ピリド−2−イルアミノ)プリン−9−イル]−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3,4−ジオール。
【0104】
(実施例6)
(式Iの化合物の調製)
(A.Rが水素であり、Rがシクロペンチルであり、Rが4−スルホ安息香酸であり、そしてYが共有結合である式Iの化合物の調製)
【0105】
【化11】

N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)および水(10ml)の混合物中の(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−5−(アセチルオキシメチル)−2−[2−(アミノメチル)−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテート(55mg、0.15mmol)の溶液に、4−スルホ安息香酸(37mg、0.153mmol)および1(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(28mg、0.147mmol)を添加し、そしてこの混合物を、4時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、そして残渣をHPLCで精製し、4−[N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイル]ベンゼンスルホン酸(39mg)を提供した。MSMH+548.57。
【0106】
【化12−1】

【0107】
【化12−2】

(B.Rが水素であり、Rがシクロペンチルであり、Rが2−スルホ酢酸であり、そしてYが共有結合である式Iの化合物の調製)
同様に、上記6Aの手順に従って、しかし、4−スルホ安息香酸を2−スルホ酢酸エタンで置き換え、以下の式Iの化合物を調製した:
N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイルメチルンスルホン酸;MS MH+486.5。
【0108】
【化13】

(C.R、R、R、およびYが変動する式Iの化合物の調製)
同様に、上記6Aの手順に従って、しかし、必要に応じて、(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−5−(アセチルオキシメチル)−2−[2−(アミノメチル)−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテートを式(6)のその他の化合物で置き換え、そして必要に応じて4−スルホ安息香酸を式RCOHのその他の化合物で置き換え、その他の式Iの化合物を調製する。例えば:
4−[N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(シクロヘキシルアミノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイル]ベンゼンスルホン酸;
4−[N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(n−ヘキシルアミノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイル]ベンゼンスルホン酸;
4−[N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(アニリノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイル]ベンゼンスルホン酸;
4−[N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(ベンジルアミノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイル]ベンゼンスルホン酸;
4−[N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(オキソラン−3−イルアミノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイル]ベンゼンスルホン酸;
4−[N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(ピリド−2−イルアミノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイル]ベンゼンスルホン酸;
4−[N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(シアノペンチルアミノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイル]ベンゼンスルホン酸;
N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−2−イル}メチル)ベンズアミド;
N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−2−イル}メチル)−3−ピリジルカルボキサミド;
N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−2−イル}メチル)シクロペンチルカルボキサミド;
4−[N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイル]ベンゼンスルホン酸;および
4−[N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−2−イル}メチル)−N−メチルカルバモイル]ベンゼンスルホン酸。
【0109】
(D.R、R、R、およびYが変動する式Iの化合物の調製)
同様に、上記6Aの手順に従って、しかし、必要に応じて、(2R,3R,4R,5R)−4−アセチルオキシ−5−(アセチルオキシメチル)−2−[2−(アミノメチル)−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−9−イル]オキソラン−3−イルアセテートを式(6)のその他の化合物で置き換え、そして必要に応じて4−スルホ安息香酸を式RCOHのその他の化合物で置き換え、任意の式Iの化合物を調製する。
【0110】
(実施例7)
以下の成分を含む硬ゼラチンカプセルを調製する:

成分 (mg/カプセル)
活性成分 30.0
スターチ 305.0
ステアリン酸マグネシウム 5.0
上記の成分は混合され、そして硬ゼラチンカプセルに充填される。
【0111】
(実施例8)
錠剤処方物を、以下の成分を用いて調製する。
【0112】

成分 (mg/錠剤)
活性成分 25.0
セルロース、微結晶 200.0
コロイド状二酸化ケイ素 10.0
ステアリン酸 5.0
上記の成分をブレンドし、そして圧縮して錠剤を形成する。
【0113】
(実施例9)
乾燥粉末吸入器処方物を、以下の構成要素を含めて調製する。
構成要素:
成分 重量%
活性成分 5
ラクトース 95
上記活性成分をラクトースと混合し、そしてこの混合物を乾燥粉末吸入器具に添加する。
【0114】
(実施例10)
各々が30mgの活性成分を含む錠剤を、以下のように調製する。
【0115】

成分 (mg/錠剤)
活性成分 30.0mg
スターチ 45.0mg
微結晶セルロース 35.0mg
ポリビニルピロリドン
(滅菌水中10%溶液として) 4.0mg
デンプンカルボキシメチルナトリウム 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
タルク 1.0mg
合計 120mg
上記活性成分、スターチおよびセルロースは、No.20メッシュのU.S.篩を通過させ、そして完全に混合される。ポリビニルピロリドンの溶液を、得られる粉末と混合し、これを次に16メッシュのU.S.篩を通過させる。このように形成された顆粒を50℃〜60℃で乾燥し、そして16メッシュのU.S.篩を通過させる。No.30メッシュのU.S.篩を先に通過させたデンプンカルボキシメチルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびタルクを次いでこの顆粒に添加し、混合後、錠剤機械上で圧縮し、各々の重量が120mgの錠剤を生じる。
【0116】
(実施例11)
各々が25mgの活性成分を含む坐剤を、以下のように作製した:
成分
活性成分 25mg
飽和脂肪酸グリセリドを 2,000mgまで
上記活性成分をNo.60メッシュのU.S.篩を通過させ、そして必要な最小の熱を用いて先に溶解された飽和脂肪酸グリセリド中に懸濁する。この混合物を、次いで、公証2.0g容量の坐剤鋳型に注ぎ、そして冷却させる。
【0117】
(実施例12)
各々が5.0mL用量あたり50mgの活性成分を含む懸濁物を、以下のように作製した:
成分
活性成分 50.0mg
キサンタンガム 4.0mg
カルボキシメチルセルロースナトリウム(11%)
微結晶セルロース(89%) 50.0mg
シュークロース 1.75g
安息香酸ナトリウム 10.0mg
フレーバーおよび着色剤 q.v.
精製水を 5.0mLまで
上記活性成分、シュークロースおよびキサンタンガムはブレンドされ、No.10メッシュのU.S.篩を通過させ、そして次に、先に作製された水中の微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムの溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、フレーバー、および着色剤をいくらかの水で希釈し、そして攪拌して添加される。次いで、十分な水を添加し、必要な容量を生成する。
【0118】
(実施例13)
皮下処方物を、以下のように調製し得る:
成分
活性成分 5.0mg
コーン油 1.0mL
(実施例14)
以下の組成を有する注入可能な調製物を、調製する。
成分
活性成分 2.0mg/ml
マンニトール、USP 50mg/ml
グルコン酸、USP q.s.(pH5〜6)
水(蒸留水、滅菌) q.s.1.0mlに
窒素ガス、NF q.s.
(実施例15)
以下の組成を有する局所処方物を、調製する:
成分 グラム
活性成分 0.2〜10
Span60 2.0
Tween60 2.0
鉱油 5.0
ワセリン 0.10
メチルパラベン 0.15
プロピルパラベン 0.05
BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール) 0.01
水 q.s.100に
上記の成分のすべては、水を除き、合わされ、そして攪拌しながら60℃に加熱される。次いで、十分な量の60℃の水を激しく攪拌しながら添加し、上記成分を乳化し、そして次に水をq.s.100g添加する。
【0119】
(実施例16)
(持続放出組成物)
【0120】
【表1】

本発明の持続放出処方物は以下のように調製される:化合物およびpH−依存性結合剤および任意の必要に応じた賦形剤を完全に混合する(乾燥ブレンド)。この乾燥ブレンドされた混合物を、次いで、このブレンドされた粉末中にスプレーされた強塩基の水性溶液の存在下で顆粒にする。この顆粒を乾燥し、ふるいにかけ、必要に応じて滑沢剤(タルクまたはステアリン酸マグネシウムなど)と混合し、そして錠剤に圧縮する。好ましい強塩基の水性溶液は、水中の、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、好ましくは水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物の溶液である(必要に応じて、25%までの低級アルコールのような水混和性溶媒を含む)。
【0121】
得られる錠剤は、識別、味遮蔽目的のため、そして嚥下の容易さを改善するために、必要に応じたフィルム形成剤でコートされ得る。このフィルム形成剤は、代表的には、錠剤重量の2%〜4%の範囲の量で存在し得る。適切なフィルム形成剤は当該技術分野で周知であり、そしてヒドロキシプロピル.メチルセルロース、カチオン性メタクリレートコポリマー(ジメチルアミノエチルメタクリレート/メチル−ブチルメタクレートコポリマー−Eudragit(登録商標)E−Rouhm.Pharma)などを含む。これらのフィルム形成剤は、必要に応じて、着色料、可塑剤、およびその他の補助成分を含み得る。
【0122】
これら圧縮された錠剤は、好ましくは、8Kp圧縮に耐えるに十分な硬度を有する。錠剤サイズは、主に、錠剤中の化合物の量に依存する。これら錠剤は、300〜1100mgの化合物遊離塩基を含む。好ましくは、これら錠剤は、400〜600mg、650〜850mg、そして900〜1100mgの範囲の化合物遊離塩基を含む。
【0123】
分解速度に影響するため、上記化合物を含む粉末は湿式混合される間の時間が制御される。好ましくは、合計粉末混合時間、すなわち、上記粉末が水酸化ナトリウム溶液に曝される間の時間は、1〜10分、そして好ましくは2〜5分の範囲である。顆粒化の後、これら粒子は、造粒機から取り出され、そして約60℃で乾燥するために流動床乾燥機中に置かれる。
【0124】
(実施例17)
(結合アッセイ−DDT細胞)
(細胞培養)
DDT細胞(ハムスター精管平滑筋細胞株)を、2.5μg/mlのアンホテリシンB、100U/mlのペニシリンG、0.1mg/mlの硫酸ストレプトマイシンおよび5%ウシ胎児血清を含むDulbeccoの改変Eagle培地(DMEM)を用いて、95%空気および5%COの湿潤化雰囲気中、ペトリ皿で単層として増殖させる。細胞を1週間に2度、二価カチオンを含まない、そして1mMのEDTAを含むHank’s Balanced Salt Solution(HBSS)中に分散によって、継代する。次いで、これら細胞を、プレートあたり1.2×10細胞の密度で成長培地中に接種し、そして実験は、4日後、コンフルエントのほぼ1日前に実施される。
【0125】
(膜調製物)
付着した細胞をHBSSで2度洗浄し(2×10ml)、ゴムポリスマンを使ってプレートからかきとって5mlの50mM Tris−HCl緩衝液pH7.4中に遊離させ、そしてこの懸濁物を10秒間ホモジナイズする。次いで、この懸濁物を27,000×gで10分間遠心分離する。ペレットをホモジナイズ緩衝液中にボルテックスすることにより再懸濁し、そして上記に記載のように遠心分離する。最終ペレットを、1容量のAAdoRアッセイのための5mM MgClを含む50mM Tris−HCl緩衝液pH7.4中に再懸濁する。[35S]GTPγS結合アッセイには、この最終ペレットを、5mM MgCl、100mM NaClおよび1mM ジチオスレイトールを含む50mM Tris−HCl緩衝液pH7.4中に再懸濁する。この膜懸濁物を、次いで、液体窒素中に10分間置き、融解し、そしてアッセイのために用いる。タンパク質含量は、標準としてウシ血清アルブミンを用いるBradfordTMアッセイキットを用いて決定される。
【0126】
(競合結合アッセイ)
ブタ線条を、50mMのTris緩衝液(組織塊の5×容量pH=7.4)中にホモジナイズによって調製する。19,000rpmで25分間の4℃における遠心分離の後、この上清を捨て、そしてこのプロセスを2回繰り返す。式Iの化合物をアッセイし、ブタ線条膜調製物またはDDT膜調製物中のAレセプターに対するそれらの親和性を決定する。簡単に述べれば、0.2mgのブタ線条膜またはDDT細胞膜をアデノシンデアミナーゼおよび50mM Tris緩衝液(pH=7.4)で処理し、ついで混合する。このブタ膜に、100マイクロM〜10nMの範囲の濃度で2μLの本発明の化合物の系列希釈DMSOストック溶液を添加する。コントロールは、2マイクロLのDMSO単独を受け、次いで、Tris緩衝液(50mM、pH=7.4)中、ブタ線条に対してはアンタゴニスト[H]8−シクロペンチルキサンチン(CPX)、またはDDT膜に対してはアゴニスト[H]2−クロロ−6−シクロペンチルアデノシン(CCPA)を添加し、2nMの最終濃度を達成する。23℃、2時間のインキュベーションの後、これら溶液を、これら膜の複数回洗浄(3×)するメンブランハーベスターを用いて濾過する。フィルターディスクを、トリチウム化CPXの置換量を与えるシンチレーションカクテル中で、または式Iの化合物の競合結合によりカウントする。
【0127】
式Iの化合物は、このアッセイで、Aアデノシンレセプターに対して、高い、中程度、または低い親和性であることが示される。
【0128】
(実施例18)
([35S]GTPγS結合アッセイ)
アゴニスト刺激[35S]GTPγS結合は、Giersckikら(1991)およびLorenzenら(1993)によって記載される方法の改変によって決定される。膜タンパク質(30〜50μg)を、50mM Tris−HCl緩衝液pH=7.4、5mM MgCl、100mM NaCl、1mM ジチオスレイトール、0.2単位/mlアデノシンデアミナーゼ、0.5%BSA、1mM EDTA、10mM GDP、0.3nM[35S]GTPγSを含み、そして濃度を変化させてCPAを添加するか、またはCPAを添加しないで0.1mlの容量で、30℃、90分間インキュベートする。非特異的結合は、10μMのGTPγSの添加により決定される。アゴニストで刺激された結合は、CPAの存在下の総結合と、CPA不在下で決定される基礎的結合との間の差異として決定される。先の報告は、アゴニストで刺激された[35S]GTPγS結合は、GDPの存在に依存したことを示した(Gierschikら、1991;Lorenzenら、1993;Traynor&Nahorski、1995)。予備実験では、10μM GDPが、最適刺激のCPA依存性[35S]GTPγS結合を与え、そしてこの濃度が、それ故すべての研究で用いられた。飽和実験では、0.5nMの[35S]GTPγSが、0.5〜1000nMのGTPγSとインキュベートされる。インキュベーションの終わりで、各懸濁物は濾過され、そして保持された放射活性が、上記に記載のように決定される。
【0129】
式Iの化合物は、このアッセイで、Aアデノシンレセプターの部分アゴニストまたは完全アゴニストであることが示される。
【0130】
(実施例21)
(cAMPアッセイ)
シンチレーション近接アッセイ(SPA)は、cAMPに惹起されたウサギ抗体を用い、添加されたトレーサーであるアデノシン3’,5’−環状リン酸2’−O−スクシニル−3−[125I]ヨードチロシンメチルエステルおよびAmersham Pharmacia Biotech(Biotrak cellular communication assay)によって記載されるような抗−ウサギ特異的抗体を含む蛍光マイクロスフェアを用いる。簡単に述べれば、DDT細胞を、透明な底の96ウェルマイクロタイタープレート中、不透明ウェルでウェルあたり10〜10細胞の濃度で40μlのHBSS中37℃(5%COおよび95%湿度)で培養する。本発明の部分Aアゴニストまたは完全Aアゴニスト(5μl)を、ロリプラム(50μM)、および5μMのフォルスコリンの存在下、10分間37℃で、DDT細胞と種々の濃度でインキュベートする。これら細胞を、5μlの10%臭化ドデシルトリメチルアンモニウムの処理により直ちに溶解し、次いで、マイクロプレートシェーカーを用いて振とうする。5分間のプレートのインキュベーションの後、免疫試薬溶液(等容量のトレーサー、抗血清、およびSPA蛍光発色団を含む150μl)を各ウェルに添加し、次いでプレートをシールする。23℃で15〜20時間後、上記蛍光マイクロスフェアに結合した[125I]cAMPの量を、マイクロタイタープレートシンチレーションカウンター中で2分間計数することにより決定する。類似のプロトコールを用いてcAMPについて生成された標準曲線とのカウントの比較は、細胞溶解後に存在するcAMPを与える。
【0131】
式Iの化合物は、このアッセイで、cAMPでの部分的または完全な減少とともにAアゴニストとして機能的に活性であることが示される。
【0132】
(実施例22)
(血液脳透過アッセイ)
式Iの化合物の輸送の研究が、Quentin R.SmithおよびDavid D.Allenによる、「Methods in Molecular medicine」、89巻、209〜218頁に開示されるインサイチュ脳灌流技法に従って実施された。
【0133】
(手順:)
動物
麻酔法:90mg/kgケタミン/9mg/kgキシラジンのカクテルを、i.m.注射として1mg/kgの容量で与えた。
【0134】
手術および灌流:左総頸動脈にカニューレを入れ、胸部を開き、そして心臓を分離した。脳を10ml/分で所定の持続時間の間灌流し、次いで、30秒間の灌流溶液での後灌流が続いた。
【0135】
B.試験薬物
用量調製
試験薬物のストック溶液を、DMSO中1nMの溶液として調製した。
【0136】
研究設計
【0137】
【表2】

C.処置
1.1群あたり3匹のラットを、左総頸動脈を経由して研究化合物またはコントロール化合物を注入した。
2.脳および灌流溶液サンプルをこれら灌流の終わりに得た。
【0138】
D.サンプル採取
1.脳を集め、そしてその左半球またはその領域を区分し、そして液体窒素中で急速凍結した。
2.灌流溶液のサンプルをまた、各灌流後Eppendorfチューブにとり、そして脳サンプルと別個のコンテナに−80℃で貯蔵した。
3.必要な場合、灌流前に、血液サンプルを、研究用抗凝固剤で処理したチューブ中に集めた。全血を、8000rpmで3分間遠心分離した。血漿をEppendorfチューブに集め、そして脳サンプルと別個のコンテナ中で−80℃で凍結した。
【0139】
E.分析的およびデータ分析
すべてのサンプル中の研究化合物およびマーカー化合物の濃度は、LC/MS−MS(および/または適用可能なときLC−UV技法)を用いて測定し、そして透過能力動態を決定した。
【0140】
(結果)
クロロプロマジンをコントロールとして用い、そして61.5pmol/g秒の速度で血液脳関門を透過することが示された。
【0141】
対照的に、4−[N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイル]ベンゼンスルホン酸は、0.015 61.5pmol/g秒の速度で血液脳関門を透過するように見え;そしてN−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイルメチルスルホン酸は、0.010 61.5pmol/g秒の速度で血液脳関門を透過するように見えた。
【0142】
従って、上記化合物は、血液脳関門を透過しないAアゴニストとして機能的に活性であることが示される。
【0143】
本発明を、その特定の実施形態を参照して説明したが、当業者によって、種々の変更がなされ得、そして等価物が、本発明の真の思想および範囲から逸脱することなく置換され得ることが理解される。さらに、多くの改変が、特定の状況、材料、物質の組成物、プロセス、プロセスステップまたは複数のステップを、本発明の目的、思想および範囲に適合するためになされ得る。すべてのこのような改変が、本明細書に添付された請求項の範囲内にあることが意図される。上記で引用されるすべての特許および刊行物は、本明細書によって参考として援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式Iの化合物:
【化1】

または、その薬学的に受容可能な塩であって、ここで:
Rは、水素または低級アルキルであり;
は、必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロ環、または必要に応じて置換されたヘテロアリールであり;
は、必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロアリール、または必要に応じて置換されたヘテロ環であり;
は、−CHORまたは−C(O)NRであり;ここでRは、水素またはアシル、そしてRおよびRは、独立して水素または低級アルキルであり;
およびRは、独立して水素または低級アルキルであり;そして
Yは、共有結合または必要に応じて置換されたアルキレンである、化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、ここで:
Rは、水素であり;
は、3〜6の炭素原子のシクロアルキルであり;
は、−SOHによって置換されたアルキル、−SOHによって置換されたシクロアルキル、−SOHによって置換されたアリール、−SOHによって置換されたヘテロアリール、または−SOHによって置換されたヘテロ環であり;そして
は、−CHOHである、化合物。
【請求項3】
請求項2に記載の化合物であって、ここで、RおよびRは、水素であり;そしてYは、共有結合である、化合物。
【請求項4】
請求項3に記載の化合物であって、ここで、Rは、−SOHによって置換されたアルキル、または−SOHによって置換されたアリールである、化合物。
【請求項5】
請求項4に記載の化合物であって、ここで、Rは、−SOHによって置換された1〜4の炭素原子のアルキルである、化合物。
【請求項6】
請求項5に記載の化合物であって、ここで、Rは、シクロペンチルである、化合物。
【請求項7】
請求項6に記載の化合物であって、ここで、Rは、−CHSOH、すなわち、N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイルメチルスルホン酸である、化合物。
【請求項8】
請求項4に記載の化合物であって、ここで、Rは、−SOHによって置換されたフェニルである、化合物。
【請求項9】
請求項8に記載の化合物であって、Rがシクロペンチルである、化合物。
【請求項10】
請求項9に記載の化合物であって、ここで、Rは、4−ベンゼンスルホン酸、すなわち、4−[N−({9−[(4S,2R,3R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)オキソラン−2−イル]−6−(シクロペンチルアミノ)プリン−2−イル}メチル)カルバモイル]ベンゼンスルホン酸である、化合物。
【請求項11】
アデノシンレセプターアゴニストを用いる処置により緩和することができる哺乳動物において疾患状態を処置する方法であって、それを必要とする哺乳動物に治療的有効量の式Iの化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記疾患状態が、心房細動、上室性頻拍および心房粗動、うっ血性心不全、てんかん、脳卒中、糖尿病、肥満、虚血、安定狭心症、不安定狭心症、心臓移植、および心筋梗塞から選択される、方法。
【請求項13】
少なくとも1つの薬学的に受容可能な賦形剤、および治療的有効量の式Iの化合物を含む、薬学的組成物。

【公表番号】特表2009−511593(P2009−511593A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535686(P2008−535686)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/039975
【国際公開番号】WO2007/047401
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(504003226)シーブイ・セラピューティクス・インコーポレイテッド (62)
【氏名又は名称原語表記】CV Therapeutics, Inc.
【Fターム(参考)】