説明

Al−Si合金又は該合金を含む複合材のメッキ方法

【課題】 過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材にはんだ付けを可能とするメッキ方法及びメッキ物を提供する。
【解決手段】 急冷凝固させた過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材の表面を、アルカリによりエッチング処理し、次いで、Ni−Pの無電解メッキ層を形成し、その上にNi−Bの無電解メッキ層を形成することを特徴とする過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材のメッキ方法、及びそのメッキ物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過共晶型アルミニウム−シリコン合金若しくは該合金を含む複合材へのメッキ方法、及びメッキ物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム又はアルミニウム合金は濡れが悪いために、そのままでははんだ付けが困難である。従って、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる製品にはんだ付けするに当たっては、その表面にNiメッキなどを施すことにより、濡れを確保してはんだ付けするのが一般的である。
【0003】
特に、アルミニウム合金は、アルミニウム以外のシリコン、銅、マグネシウムなどの金属成分を含み、これらの金属成分がはんだとの濡れを一層阻害し、良好なはんだ付けができないのが一般である。これを改善するために、アルミニウム合金の表面をアルカリによりエッチング処理し、続く酸を用いたデスマット処理により清浄化した表面に対して、無電解メッキでNi−PメッキやNi−Bメッキするなどの工夫がされている(特許文献1、特許文献2など参照)。
【0004】
しかしながら、アルミニウム合金のなかでも、ADC14等の過共晶型アルミニウム−シリコン合金は析出シリコン結晶のために、該合金をはんだ付けするに際し、実用に耐えるまでに充分に濡らすメッキ方法は見出されていない。一方で、これらの過共晶型アルミニウ−シリコン合金は、低熱膨張性、高弾性および良好な鋳造性を有しており、近年多くの分野で好んで用いられるようになっている。また、該合金をマトリックスとして含む炭化ケイ素複合材は、軽量性、高剛性、高熱伝導性、低膨張性及び耐磨耗性からして有望な材料として着目されている。
【0005】
このような事情から、過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材の表面にはんだ付けするための濡れを与えるメッキ方法は業界で強く要望されている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−249895号公報
【特許文献2】特開2002−146559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような、従来はんだ付けが困難であった過共晶型アルミニウム−シリコン合金及び該合金を含む複合材のはんだ付けに際し、濡れをよくするためのメッキ方法、及び該メッキ方法を用いて得られるメッキ物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、過共晶アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材のはんだ付けにおける濡れの悪い原因は、その製造過程において合金組成物の溶融物を冷却し凝固する際にシリコン単独相に近い初晶が析出し、この初晶からのシリコン原子のメッキ層への拡散が生じることに起因するものであり、その結果、はんだの濡れが大きく阻害されることを見出した。
【0009】
しかし、過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材を製造する場合、溶融した合金組成の冷却速度により上記シリコン単独相の初晶の生成が大きく変化し、該冷却速度を極めて大きくした場合、すなわち、急冷凝固させた場合には、上記シリコン単独相の初晶を実質上生成しないことを見出した。従って、例えば、溶融した合金組成を鋳型内に注湯して急冷凝固させた場合には、鋳型に接する表面層は大きい冷却速度で急冷凝固するために、少なくとも表面から数ミクロンの領域ではシリコン単独相の初晶が実質上生成しないことを見出した。
【0010】
かくして、急冷凝固させた過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材は、表面層にシリコン単独相の初晶を含有せず、シリコン原子による悪影響を受けないために、その表面をアルカリによりエッチング処理し、次いで、Ni−Pの無電解メッキ層を形成し、その上にNi−Bの無電解メッキ層を形成することにより、はんだ付けに対する濡れが極めて良好になり、本発明の上記課題を十分に達成できることを見出した。
【0011】
かくして、本発明は、以下を特徴とする要旨からなる。
(1)急冷凝固させた過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材の表面を、アルカリによりエッチング処理し、次いで、Ni−Pの無電解メッキ層を形成し、その上にNi−Bの無電解メッキ層を形成することを特徴とする過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材のメッキ方法。
(2)Ni−Pの無電解メッキ層が厚み2μm以上を有し、かつNi−Bの無電解メッキ層が厚み3μm以上を有する上記(1)に記載の複合材のメッキ方法。
(3)エッチング処理した後で、かつNi−Pの無電解メッキ層を形成する前にジンケート処理する上記(1)又は(2)に記載の複合材のメッキ方法。
(4)過共晶型アルミニウム−シリコン合金が13〜19質量%のシリコンを含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の複合材のメッキ方法。
(5)過共晶型アルミニウム−シリコン合金を含む複合材が、15〜50体積%の炭化ケイ素を含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載のメッキ方法。
(6)急冷凝固させた過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材が、溶融した、過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材を鋳型内に鋳込むことにより得られる上記(1)〜(5)のいずれかに記載のメッキ方法。
(7)表層中にシリコンを含有しない過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材の表層面に、Ni−Pの無電解メッキ層、更に該メッキ層の表面にNi−Bの無電解メッキ層を有することを特徴とする過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材のメッキ物。
(8)前記Ni−Pの無電解メッキ層の厚みが2μm以上であり、かつ前記Ni−Bの無電解メッキ層の厚みが3μm以上である上記(7)に記載のメッキ物。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、従来はんだ付けが困難であった過共晶型シリコンアルミニウム合金、又は該合金を含む複合材のはんだ付けに対する濡れが極めて良好なメッキ方法、及び該メッキ方法を用いて得られるメッキ物が提供される。
【0013】
その結果、過共晶型シリコンアルミニウム合金、又は該合金を含む複合材に対するはんだ付けが容易に行えるために、良好な低熱膨張性、高弾性及び鋳造性を有する過共晶型シリコンアルミニウム合金、更には、軽量性、高剛性、高熱伝導性、低膨張性及び耐磨耗性を有する過共晶型シリコンアルミニウム合金を含む複合材の使用分野をさらに拡大することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のメッキ方法では、過共晶型シリコン−アルミニウム合金又は該合金を含む複合材は、これらの合金及び複合材を形成する組成物を溶融し、該溶融物を急激に冷却して凝固させ、シリコン単独相の初晶を実質上生成させなくすることが必要である。上記溶融物を急冷するための冷却速度は特に限定されるものでないが、過共晶型シリコン−アルミニウム合金又は該合金を含む複合材の好ましくは1μmまで、特に好ましくは10μmまでの表層内に、シリコン初晶が生成することを抑制せしめるような冷却速度を選定するのが良好である。このため、例えば、本発明では、通常700〜750℃の温度を有する溶融物を、好ましくは200℃/秒以上、特には300℃/秒以上の極めて大きい冷却速度で急冷するのが好適である。
【0015】
上記溶融物の急冷を行う好ましい方法としては、好ましくは炭素鋼、工具鋼などの金属製の鋳型等を用い、過共晶型アルミニウム−シリコン合金組成の溶融物を金型内に、真空中又は不活性雰囲気中で注入し、急冷凝固させる手段が採用される。この場合、溶融物を鋳型内で鋳造することにより鋳型に接する溶融物の表面層が急冷凝固する。この結果、急冷凝固した領域は溶融物の表面層が主になるが、過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材は、その表面をメッキに供するため、表面領域だけで充分であり、また表面領域だけの方がむしろ好ましい。それは、合金又は合金を含む複合材全体にわたって、シリコンを含まない場合には、それにより過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は合金を含む複合材の特性が損なわれるからである。
【0016】
本発明において対象とされる過共晶型アルミニウム−シリコン合金は特に限定されないが、なかでもシリコンが好ましくは20質量%以下、特には18質量%以下を含有するものが好適である。かかる過共晶型アルミニウム−シリコン合金は既知のものであり、例えば、アルミニウム合金ダイカストである、JIS合金ADC−14などが挙げられる。
【0017】
また、本発明で対象とされる過共晶型アルミニウム−シリコン合金を含む複合材も特に限定されないが、なかでも、過共晶型アルミニウム−シリコン合金をマトリックスとし、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム又は炭素などのフィラーを、好ましくは、15〜50体積%、特には20〜45体積%含有する複合材が好適である。特に、炭化ケイ素をフィラーとして含有する複合材は、軽量性、高剛性、高熱伝導性、低膨張性及び耐磨耗性に優れるために好ましい。このような過共晶型シリコン−アルミニウム合金を含む複合材は米国特許6,106,588などに記載される既知の方法で製造される。
【0018】
本発明のメッキ方法では、上記の急冷凝固させた過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材を、まず、アルカリによりエッチング処理する。エッチング処理により、該合金を含む複合材の表面に存在する酸化膜の除去や脱脂が行われる。エッチング処理に使用されるアルカリとしては、好ましくは、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどが挙げられる。アルカリの濃度が例えば、水酸化ナトリウムの場合で20〜30g/lで使用される。エッチング処理は、例えば、該合金又は該合金を含む複合材をアルカリ中に40〜70℃にて、数十秒〜数分間浸漬することにより実施される。
【0019】
本発明では、次いで、上記エッチング処理された該合金又は該合金を含む複合材に対して、無電解ニッケル−リン(Ni−P)メッキ及び無電解ニッケル−ホウ素(Ni−B)メッキが施される。かかる無電解メッキをする場合、従来では、合金に対して無電解Ni−Pメッキ及び無電解Ni−Bメッキが施される場合には、清浄化表面を得るために、アルカリによるエッチング処理に続いてHF、又はHF/HNO、希硫酸等の酸水溶液による処理、所謂デスマット処理が常法的に実施される。しかし、本発明では、かかるデスマット処理を行わずに無電解Ni−Pメッキ及び無電解Ni−Bメッキを行うことが極めて好ましい。それは、デスマット処理を実施した場合には、過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材の表面の組織の一部が溶出し、該合金内層のシリコン成分が表面に現出し、該シリコンが悪影響を及ぼすためである。
【0020】
本発明における無電解Ni−Pメッキ及び無電解Ni−Bメッキは、常法にしたがって行うことができる。
【0021】
上記過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材の表面に、無電解Ni−Pメッキ及び無電解Ni−Bメッキを行う場合、下地層として、好ましくは2μm以上、特に好ましくは3〜5μmの厚みにNi−Pメッキし、そのオーバーコート層として、好ましくは3μm以上、特に好ましくは3〜5μmの厚みにNi−Bメッキする。Ni−Pメッキの厚みが2μmより薄いとオーバーコートのNi−Bメッキの密着が悪くなる。一方、Ni−Pメッキの厚みが5μmを超してもNi−Bメッキの密着時の効果はほぼ飽和し、メッキコストのみが増大する。オーバーコートのNi−Bメッキの厚みは厚くなるほどシリコン原子の拡散の遮蔽効果は高くなるが、5μmを超す厚みでは効果がほぼ飽和しメッキコストのみが増大する。一方、Ni−Bメッキの厚みが3μmより薄くなると、シリコン原子の拡散遮蔽効果が不十分になる。
【0022】
本発明においては、上記のように、アルカリによるエッチング処理の後に直ちに無電解Ni−Pメッキ及び無電解Ni−Bメッキを行うが、アルカリによるエッチング処理後にジンケート処理し、次いで無電解メッキすることが好ましい。かくすることにより、得られるメッキ膜が均一にかつ滑らかになり、美観上も優れ、商品価値が向上したメッキ物を製造することができる。
【0023】
上記のジンケート処理は、常法に従って、例えば、市販のジンケート処理液を使用し、約15〜約30℃で約20〜約70秒間浸漬することにより行われる。
【実施例】
【0024】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはもちろんである。
【0025】
実施例1
過共晶アルミニウム−シリコン合金(JIS呼称ADC14、シリコン含有量17質量%)を、750℃に溶融し、この溶融物を約150℃に水冷した炭素鋼製金型に鋳込み、縦72mm×横122mm×厚み4mmのIGBTモジュール用ベースプレートの試験片を100枚作製した。
【0026】
作製した試験片の内の1枚を概20mm角に複数個切断し、水洗のみしたサンプル1と塩酸で約10μmの深さまで表面をエッチング処理したサンプル2を作製した。両者の表面を顕微鏡とSEM-EDXで観察した結果、サンプル1の表面には初晶のシリコン単独相は認められず共晶組織のみであったのに対して、サンプル2では初晶のシリコン単独相と共晶組織の両者が観察された。
【0027】
上記20枚の試験片を二つのグループに分け、最初のグループについては、アルカリエッチング処理⇒デスマット処理⇒Ni−P無電解メッキ⇒Ni−B無電解メッキからなる工程1を実施した。一方、残りのグループについては、アルカリエッチング処理⇒Ni−P無電解メッキ⇒Ni−B無電解メッキからなる工程2を実施した。
【0028】
アルカリエッチング条件は、市販の無電解メッキ用エッチング薬剤溶液(濃度30g/l)を使用し、55℃で5分間の浸漬処理で実施した。デスマット処理は、市販の無電解メッキ用デスマット液(濃度100ml/l)を使用し、25℃で30秒間の浸漬処理で実施した。また、Ni−P無電解メッキは、既知の方法により、Ni−Pメッキは市販の無電解Ni−Pメッキ溶液(Ni溶度100ml/l)を使用し、温度約90℃、pH5で約20分間で実施した。Ni−B無電解メッキは、市販の無電解Ni−Bメッキ溶液(原液)を使用し、温度90℃、約30分間にて実施した。得られたNi−Pメッキ及びNi−Bメッキの厚みは、それぞれ、約5μmと約3μmであった。
【0029】
上記のようにして工程1及び工程2で得られたメッキ物をクロスカット試験と空気中で290℃で1時間保持し、メッキ物におけるメッキ膜の基材への密着性を調べたが、いずれのメッキ物とも剥離やふくれは認められなかった。
【0030】
また、工程1及び工程2のメッキ物を230℃±10℃に保持した共晶はんだ槽中に約20秒間浸漬し、はんだの濡れ具合を顕微鏡で測定した。工程1のメッキ物の美観は良好であったが、はんだ濡れ試験後のメッキ物を顕微鏡観察した結果、はんだを弾いた直径約0.5〜2mmのピンホールが無数に観察された。
【0031】
一方、工程2のメッキ物は美観は良好ではなかったが、はんだ濡れ試験後のサンプルの顕微鏡観察では直径約0.025mm以下のピンホールが散在する程度であり、実用に対して問題となるはんだの濡れ不良は観察されなかった。
【0032】
実施例2
上記実施例1で使用したものと同じADC14をマトリックスとし、炭化ケイ素粒子をフィラーとして45体積%含有するAlSiC複合材:AGALS(旭硝子社商品名)を750℃にて溶融して実施例1にて使用した金型を用いてダイカスト成型し、縦72mm×横122mm×厚み4mmの矩形状のIGBTモジュール用ベースプレートを作製した。
【0033】
上記ベースプレートについて、エッチング処理の後で無電解メッキの前にジンケート処理をし、かつNi−P無電解メッキの厚みを約5.5μm、Ni−B無電解メッキの厚みを約2.5μmにせしめた以外は実施例1に記載した工程2を同様に実施した。なお、ジンケート処理は市販のジンケート処理剤溶液(濃度400ml/l)を使用し、22℃で35秒間浸漬して実施した。
【0034】
比較対照として、同じベースプレートについて、実施例1に記載した工程1を同様に実施した。
【0035】
上記いずれで製作されたメッキ物も美観に優れ、かつクロスカット試験での剥離も認められなかった。これらのメッキ物を230±10℃の共晶はんだ槽に約20秒間浸漬してはんだの濡れ試験を行った。工程2によるメッキ物では直径約50μm以下のはんだ濡れ不良によるピンホールが散在している程度で実用に十分供せたが、工程1によるメッキ物では直径約0.5〜1mmのピンホールが多数観察され実用に供すことができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明によれば、従来では困難であった、はんだ付けが容易に行える、過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材が提供されるので、かかる過共晶型シリコンアルミニウム合金又は該合金を含む複合材の有する、良好な低熱膨張、高弾性及び鋳造性、更には、軽量性、高剛性、高熱伝導性、低膨張性及び耐磨耗性と相俟って、これら過共晶型シリコンアルミニウム合金及び該合金を含む複合材の使用分野を格段に広げるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
急冷凝固させた過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材の表面を、アルカリによりエッチング処理し、次いで、Ni−Pの無電解メッキ層を形成し、その上にNi−Bの無電解メッキ層を形成することを特徴とする過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材のメッキ方法。
【請求項2】
Ni−Pの無電解メッキ層が厚み2μm以上を有し、かつNi−Bの無電解メッキ層が厚み3μm以上を有する請求項1に記載の複合材のメッキ方法。
【請求項3】
エッチング処理した後で、かつNi−Pの無電解メッキ層を形成する前にジンケート処理する請求項1又は2に記載の複合材のメッキ方法。
【請求項4】
過共晶型アルミニウム−シリコン合金が13〜19質量%のシリコンを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の複合材のメッキ方法。
【請求項5】
過共晶型アルミニウム−シリコン合金を含む複合材が、15〜50体積%の炭化ケイ素を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のメッキ方法。
【請求項6】
急冷凝固させた過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材が、溶融した過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材を鋳型内に鋳込むことにより得られる請求項1〜5のいずれかに記載のメッキ方法。
【請求項7】
表層中にシリコンを含有しない過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材の表層面に、Ni−Pの無電解メッキ層、更に該メッキ層の表面にNi−Bの無電解メッキ層を有することを特徴とする過共晶型アルミニウム−シリコン合金又は該合金を含む複合材のメッキ物。
【請求項8】
前記Ni−Pの無電解メッキ層の厚みが2μm以上であり、かつ前記Ni−Bの無電解メッキ層の厚みが3μm以上である請求項7に記載のメッキ物。

【公開番号】特開2007−217781(P2007−217781A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−42732(P2006−42732)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】