説明

Al系超伝導フォトン検出器の製造方法、Al系超伝導フォトン検出器

【課題】 超伝導素材としてAlを採用した超伝導フォトン検出器を提供可能にする。
【解決手段】 Al系超伝導フォトン検出器を製造する際に、超伝導フォトン検出器用の基板に、超伝導材料としてAl薄膜を積層し、このAl薄膜上にレジスト処理によるマスクを形成して、基板及びAl薄膜をチャンバー内に収容する。更に、チャンバーにエッチング用ガスを導入しながら、プラズマ発生手段によってチャンバー内にプラズマを発生させ、プラズマ高密度化手段によって、チャンバー内のプラズマの密度を向上させることで、この密度が向上されたプラズマを用いてAl薄膜をエッチングするようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超伝導フォトン検出器及びその製造方法に関するものであり、特に超伝導材料としてAlを採用する際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォトンを計測する検出器として、これまで主に半導体検出器が用いられてきている。一方、半導体検出器は既に半導体材料固有の性質により更なる性能向上が困難であり、先端的研究開発への応用が望めなくなってきている。研究開発や応用分野を切り拓くためには、フォトン検出器の大幅な性能向上が鍵となるからである。そこで近年は、半導体検出器に代わって、超伝導フォトン検出器が注目されてきている。この超伝導フォトン検出器は、可視光からX線領域までの広帯域のフォトンを精度良く、高速に測定できるという特徴があり、各種研究開発成果においても優れた実験データが多数示されるようになってきている。
【0003】
この超伝導フォトン検出器には、超伝導体によって構成される超伝導トンネル接合素子(以下STJ素子)が組み込まれる。このSTJ素子の超伝導体内に、クーパー対を崩壊するだけのエネルギーが入射されると、クーパー対が崩壊して励起電子(準粒子)が発生するようになっており、この準粒子を信号として収集することで、フォトンを検出する原理となっている。従って、超伝導フォトン検出器では、収集できる準粒子数が多ければ多いほど、エネルギー分解能の向上が見込まれる。例えば1つのクーパー対を崩壊するために必要なエネルギーをεとすると、エネルギーがEとなる光が超伝導トンネル接合素子に入射した場合、検出器が収集できる電荷数はE/εで表されることになる。すなわちεが小さければ小さいほど多くの電荷を収集することができる。
【0004】
ここで、εは超伝導体材料によって異なることが知られている。例えばNbは3.05meV、Snは1.15meV、Alは0.34meVとなっており、これらの中でεが最も小さい超伝導体材料はAlであることが分かる。超伝導体電極材料にAlを用いる場合、理論的に算出されるエネルギー分解能は約2eVとなり、半導体検出器の理論エネルギー分解能130eVを遙かに凌駕できる。特にAlの場合、コヒーレンス長(エネルギーギャップの空間的均一性の指標値)が1.6μmとなり、Nbの0.038μmよりも大きくなり、エネルギーギャップの揺らぎが小さくなって分解能が更に向上する。また超伝導体としてAlを用いる場合、素子検出動作時に必要な磁場の大きさが、Nbの場合と比較して約10分の1の10gauss程度でよい。これらの観点からもSTJ素子の超伝導材料としてAlを採用することは、様々なアドバンテージが見込まれると考えられる。
【特許文献1】特許第3459983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように超伝導材料としてはAlが優れた特性を示すにも関わらず、現在、最も用いられている超伝導トンネル接合素子の電極材料はNbである。Nbが用いられる理由は、Nbの微細加工のしやすさにある。通常、薄膜を加工する装置には反応性イオンエッチング装置(Reactive Ion Etching:RIE)が用いられる。RIE装置は、薄膜が収容されたチャンバー内に反応性ガスを導入し、薄膜におけるレジストで被覆されていない箇所と反応性ガスを反応させることで加工を行う。例えば、Nb薄膜の場合は、チャンバー内で放電したCF4ガスと反応してNbF5ガスとなり、ポンプによって排気される。また同様にSiO2薄膜もCF4と反応後、SiF4とO2ガスを生成して排気される。この際、反応性ガスの導入圧力は40Pa程度の高圧力に設定される。高圧の方が、反応性ガスのイオンエネルギーが高くなって反応効率が向上すると共に、レジストのエッチングレートも抑制することができるからである。
【0006】
しかしながら、仮にAl薄膜をエッチングする場合を検討すると、CF4と反応してAlFが生成されるが、このAlFはガス化されないという特性がある。従って、未公知であるば、本発明者らの検討によると、高いエネルギーのイオンや、このAlF等が、高圧力下で周囲のAl薄膜に衝突を繰り返すことで、レジストやAl薄膜、デバイス等へのダメージを与えると共に、更なる不要物質が生成されるという問題があった。
【0007】
つまり従来のエッチング条件をAlに適用した場合には、ガス化による加工(化学的エッチング)よりも、高エネルギー化された各種イオン等がAl薄膜に衝突することによって行われる加工(物理的エッチング)が自ずと支配的となっている可能性がある。この物理的エッチングの影響により、レジストが剥離するスピードは、ガス化による加工と比較した場合、数10倍以上も早いことから、現実的にはレジストが本来の機能を発揮できない為、加工が困難になる。また、高エネルギー化されたイオンで物理的にエッチングを行っても、Al薄膜のエッチングレート向上にはあまり役立っていない可能性があった。
【0008】
結局、これらの問題によって、一般的に用いられるフォトリソグラフィ技術をAlには適用できないと考えられており、実際に、これまでAl系STJ素子を用いた研究を行っているグループは、Al薄膜を強制的に剥がして取り除くリフトオフプロセスや、Al膜の堆積時に金属マスクを用いて素子形状を形成していくという手法によってSTJ素子を製造している。しかし、これらの手法は、研究目的として、大まかなAl薄膜パターンを形成する場合は有益であるが、微細加工を行う場合や、再現性のよいデバイスを作製することに関しては不向きであるという問題があった。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、Al薄膜に関して、フォトリソグラフィ技術を利用した加工を可能にすることで、高精度且つ再現性の高い超伝導フォトン検出器を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、以下の手段によって達成されるものである。
【0011】
(1)超伝導フォトン検出器用の基板に、超伝導材料としてAl薄膜を積層する工程と、前記Al薄膜上に、レジスト処理によるマスクを形成する工程と、前記基板及び前記Al薄膜をチャンバー内に収容して、エッチング用ガスを導入する工程と、プラズマ発生手段によって前記チャンバー内にプラズマを発生させる工程と、プラズマ高密度化手段によって、前記チャンバー内の前記プラズマの密度を向上させる工程と、密度が向上された前記プラズマを用いて、前記Al薄膜をエッチングする工程と、を有することを特徴とするAl系超伝導フォトン検出器の製造方法。
【0012】
(2)前記プラズマ高密度化手段によって、プラズマ密度を1011cm−3以上且つ1013cm−3以下に設定することを特徴とする(1)記載のAl系超伝導フォトン検出器の製造方法。
【0013】
(3)前記エッチング用ガスの圧力を10Pa以下に設定することを特徴とする(1)又は(2)記載のAl系超伝導フォトン検出器の製造方法。
【0014】
(4)前記エッチング用ガスとしてCF4を用いることを特徴とする(1)、(2)又は(3)記載のAl系超伝導フォトン検出器の製造方法。
【0015】
(5)前記プラズマ高密度化手段によって磁場を発生させ、該磁場によって前記プラズマ密度を向上させることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか記載のAl系超伝導フォトン検出器の製造方法。
【0016】
(6)エッチング時に前記Al薄膜にバイアス電圧を印加することを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか記載のAl系超伝導フォトン検出器の製造方法。
【0017】
(7)基板と、前記基板上に積層される第1Al薄膜層と、前記第1Al薄膜層上に積層される第2Al薄膜層と、前記第1Al薄膜層と第2Al薄膜層の間に介在する絶縁層と、を備えるAl系超伝導フォトン検出器であって、前記第1又は第2Al薄膜が、(1)乃至(6)のいずれか記載の前記製造方法によってエッチングされていることを特徴とするAl系超伝導フォトン検出器。
【0018】
(8)前記第1及び第2Al薄膜層が正規分布形状となっていることを特徴とする(7)記載のAl系超伝導フォトン検出器。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、超伝導材料してAl系を用いても、高精度なエッチング加工を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1(A)には、本発明の第1実施形態に係るAl系超伝導フォトン検出器(以下超伝導フォトン検出器という)1が示されている。この超伝導フォトン検出器1は、サファイア基板2と、サファイア基板2上に形成される超伝導トンネル接合素子(以下STJ素子)4等を備える。
【0021】
STJ素子4は、下部超伝導Al層10と、この下部超伝導Al層10上に積層される絶縁層12と、絶縁層12上に積層される上部超伝導Al層14を備える。このSTJ素4は、図1(B)に示されるように、保護膜16によって覆われており、この保護膜16の上に上部配線18が形成されている。この上部配線18は、保護膜16を貫通して上部超伝導Al層14に接合されている。一方、下部超伝導Al層10には下部配線20が接合されている。
【0022】
下部超伝導Al層10及び上部超伝導Al層14は、Alによって構成される厚さが約100nmの薄膜であり、ここでは100μm角の形状となっている。また、絶縁層12は、厚さ数nmのAlOxによって構成されており、絶縁体として機能する。従って、このSTJ素子4は、Al/AlOx/Al構造となっている。
【0023】
保護膜16は、SiO2やMgOによって構成されており、STJ素子4を保護する。上部配線18及び下部配線20は、比較的加工の容易なNbによって構成されている。
【0024】
この超伝導フォトン検出器1を使用する際は、これを超伝導状態への転移温度以下に冷却する。具体的にAlの転移温度が1.19Kであることから、それ以下の温度に冷却する。更に、上部Al層14と下部Al層10の間にはバイアス電圧を印加しておき、絶縁層12によるトンネル結合を利用して両者間のポテンシャルに差をつけておく。
【0025】
冷却により超伝導状態にある上部Al層14内では、2つの電子が対となって互いに近距離を保って移動している。この電子の対はクーパー対(Cooper pair) と呼ばれている。光がSTJ素子4の上方から入射し、上部Al層14に取り込まれると、光電吸収によって電子が生成される。この電子がきっかけとなって、クーパー対の破壊が繰り返され、このクーパー対から切り離されて単独となった準粒子(quasiparticle)が大量に生成される。これらの準粒子が、トンネル効果により絶縁層12を通過して下部Al層10側に移動する結果、上部配線18及び下部配線20から信号電荷が取り出されて検出される。
【0026】
図2には、本実施形態の超伝導フォトン検出器1を製造する際に用いるエッチング装置30が示されている。エッチング装置30は、被エッチング対象物となる(加工前の)超伝導フォトン検出器1が収容されるチャンバー32と、チャンバー32内に配置される一対の平板電極34と、この一対の平板電極34の間にプラズマ発生させる高周波電源35と、チャンバー32に反応性ガス(ここではCF4)を導入するガス導入配管36と、反応後のガスや残留物を排気する排気配管38と、このチャンバー32内に磁場を生じさせてプラズマを局所的に高密度化する電磁コイル40を備える。
【0027】
(加工前の)超伝導フォトン検出器1は、予め、サファイア基板2上に下部超伝導Al層10、絶縁層12、上部超伝導Al層16を積層した状態で、レジストを塗布し、露光及び現像を行って、100μm角の領域にマスクが形成された状態にしている。この状態の超伝導フォトン検出器1をチャンバー32に収容し、ガス圧を10Pa以下、好ましくは3.0Pa以下、具体的には1.0Paに設定したCF4ガスをチャンバー32内に導入し、電極34間に200Wの高周波を印加してプラズマを発生させる。更に、電磁コイル40に200Wの電力を印加して磁場を生じさせる事で、プラズマ密度を、1011cm−3以上且つ1013cm−3以下に設定する。
【0028】
このようにすると、反応性ガス(CF4)が、プラズマ放電によって、CF4+e→CF3+F(イオン)+2eとなり、このFイオンと超伝導Al層10、14とによる化学反応として、Al+3F→AlF3(残留物)が成立し、Alが化学的にエッチングされる事になる。一方、このエッチング装置30によれば、発生するプラズマ密度を高めることによって、超伝導フォトン検出器1に接触するガス(イオン)の数量が多くなるようにしており。更にガス圧を低く設定していることから、チャンバー32内のイオンのエネルギーを積極的に低減させている。この結果、大量(高密度)且つ低エネルギーのイオンが、超伝導Al層10、14に衝突する事で、Al原子を弾き飛ばすことによるエッチングを積極的に実行して、上記化学反応によるエッチングよりもこの物理的なエッチング効果を支配的にする。この際に、イオン自体を低エネルギーにしているので、レジストに対するダメージは小さくて済み、レジストのエッチングレートを小さくすることが出来る。つまり、弱いエネルギーでありながら、衝突の頻度を上げる事で、レジストの低エッチングレート化とAlの高エッチングレート化を両立させるようになっている。
【0029】
この結果、従来、加工が困難といわれていた超伝導Al層10、14のエッチングレートが5〜20nm/minとなり、超伝導フォトン検出器1を製造する際に必要な値を得ることが可能とる。なお、従来はAl薄膜のエッチングレートは、1〜2nm/minであり、本実施形態では10倍程度のエッチングレートが得られる。このエッチングレートの向上に伴い、加工できるAl膜厚は100nmから300nmとなり、図1で示したようなデバイス作製も可能となる。特に、Al系超伝導トンネル接合素子作製に用いることができなかったフォトリソグラフィ(露光・現像)技術を採用しているので、素子の微細パターン化も達成される。
【0030】
図3には、第2実施形態の超伝導フォトン検出器101が示されている。この超伝導フォトン検出器101は、STJ素子104の形状を除いて、既に示した第1実施形態の超伝導フォトン検出器1と同様であるので、図面における符号の下2桁を互いに一致させる事で、重複説明を省略する。
【0031】
このSTJ素子104は、下部超伝導Al層110、絶縁層112、上部超伝導Al層114を備えており、これらの形状が対称型正規分布形状となっている。この対称型正規分布形状は、具体的に、X軸に対応する辺を底辺とし、X軸値によって生成されるY軸方向の正規分布関数で規定される曲線を周辺とする第1正規分布形状104Aと、この第1の正規分布形状104Aと同形状で且つY軸方向を反対とする第2正規分布形状104Bとを、互いに底辺を一致させて配置した形状である。STJ素子104をこのような形状にすると、STJ素子104における、フィスケステップと呼ばれる共振電流ピークを抑制する事が可能になり、放射線等の検出性能を大幅に向上させることが可能になる。
【0032】
なお、この超伝導フォトン検出器101を製造する際には、図2で示したエッチング装置30を用いる必要がある。つまり、STJ素子104を対称型正規分布形状とした場合、第1正規分布形状104Aと第2正規分布形状104Bの底辺の両端部分105を鋭敏にすることが、その性能向上に欠かす事が出来ない為、高精度のエッチング処理が要求される。本実施形態のエッチング装置30では、超伝導材料としてAlを採用しつつもこの両端部分105を略1μm幅に形成することが可能になり、極めて感度が高く、且つ安定性に優れた超伝導フォトン検出器101を得ることが可能となっている。
【0033】
本実施形態によれば、Alを用いたSTJ素子をエッチング加工する際に、チャンバー内のプラズマを高密度化処理しているので、反応性ガスのエネルギーを低減させることによるレジスト等の損傷を抑制と、Alのエッチングレートの向上を合理的に両立させることが可能となる。従って、製造プロセス上の理由から、実現可能性が低いとされていたAl系超伝導フォトン検出器について、細かいパターンのSTJ素子を、高い再現性でもって製造する事が可能となる。特に、サブミクロンオーダーの微細加工が可能となるので、例えば図3で示したような正規分布形状のAl系STJ素子104を安定製造することも可能となり、Al系素子の物理現象などの解明が容易になる。
【0034】
また、超伝導材料としてAlを採用することが可能となったので、超伝導フォトン検出器の動作に必要な磁場の低減を図ることができる。そのため、コイル集積型の超伝導トンネル接合素子であっても、コイルに通電する電流量の軽減に伴い、電力が限られた環境における利用が可能となる。
【0035】
なお、本実施形態では磁場を用いる事でプラズマを高密度化する場合を示したが、本発明はそれに限定されず、他の手段によってプラズマを高密度化してもよい。
【0036】
尚、本発明の製造方法又は超伝導フォトン検出器は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明によれば、例えばX線から可視光線等の広範囲に亘って計測可能なフォトン検出器を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施形態に係るAl系超伝導フォトン検出器を示す上面図及び断面図
【図2】同超伝導フォトン検出器を製造するためのエッチング装置の概要を示す構成図
【図3】本発明の第2実施形態に係るAl系超伝導フォトン検出器を示す上面図及び断面図
【符号の説明】
【0039】
1、101 Al系超伝導フォトン検出器
2、102 サファイア基板
4、104 STJ素子
10、110 下部超伝導Al層
12、112 絶縁層
14、114 上部超伝導Al層
16、116 保護膜16
18、118 上部配線
20、120 下部配線
30 エッチング装置
32 チャンバー
34 平板電極
35 高周波電源
36 ガス導入配管
38 排気配管
40 電磁コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超伝導フォトン検出器用の基板に、超伝導材料としてAl薄膜を積層する工程と、
前記Al薄膜上に、レジスト処理によるマスクを形成する工程と、
前記基板及び前記Al薄膜をチャンバー内に収容して、エッチング用ガスを導入する工程と、
プラズマ発生手段によって前記チャンバー内にプラズマを発生させる工程と、
プラズマ高密度化手段によって、前記チャンバー内の前記プラズマの密度を向上させる工程と、
密度が向上された前記プラズマを用いて、前記Al薄膜をエッチングする工程と、
を有することを特徴とするAl系超伝導フォトン検出器の製造方法。
【請求項2】
前記プラズマ高密度化手段によって、プラズマ密度を1011cm−3以上且つ1013cm−3以下に設定することを特徴とする請求項1記載のAl系超伝導フォトン検出器の製造方法。
【請求項3】
前記エッチング用ガスの圧力を10Pa以下に設定することを特徴とする請求項1又は2記載のAl系超伝導フォトン検出器の製造方法。
【請求項4】
前記エッチング用ガスとしてCF4を用いることを特徴とする請求項1、2又は3記載のAl系超伝導フォトン検出器の製造方法。
【請求項5】
前記プラズマ高密度化手段によって磁場を発生させ、該磁場によって前記プラズマ密度を向上させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のAl系超伝導フォトン検出器の製造方法。
【請求項6】
エッチング時に前記Al薄膜にバイアス電圧を印加することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のAl系超伝導フォトン検出器の製造方法。
【請求項7】
基板と、
前記基板上に積層される第1Al薄膜層と、
前記第1Al薄膜層上に積層される第2Al薄膜層と、
前記第1Al薄膜層と第2Al薄膜層の間に介在する絶縁層と、
を備えるAl系超伝導フォトン検出器であって、
前記第1又は第2Al薄膜が、請求項1乃至6のいずれか記載の前記製造方法によってエッチングされていることを特徴とするAl系超伝導フォトン検出器。
【請求項8】
前記第1及び第2Al薄膜層が正規分布形状となっていることを特徴とする請求項7記載のAl系超伝導フォトン検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−67210(P2007−67210A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−252043(P2005−252043)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(504190548)国立大学法人埼玉大学 (292)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】