説明

CATV端末システムとCATV端末の表示及び制御方法

【課題】利用者の手元に小型デイスプレイを有する補助表示端末を設け、小型画面に対応した表示レートの画像を表示すると共に該小型画面を直接操作する。
【解決手段】CATV端末システムを、番組コンテンツを選択受信しインターネットN1と接続するCATV受信手段1と、PCボード3と、複数の画像データを選択出力する画像変換・選択手段4と、画像データを任意の表示レートに変換する第一のスケーラ手段6と、第二の前記スケーラ手段6’と、複数音声を選択出力する入力音声選択部5と、同期生成手段8と、第一のスケーラ手段6、同期生成手段8、任意の音声データの選択出力などを合成出力する第一のドライバ9と、第二のドライバ9’と、PIP制御手段10と、第一のドライバ9よりの出力番組の表示と音声を出力する主表示部M1とを有するCATV端末2と、第二のドライバ9’よりの出力番組の表示と音声出力する補助表示端末M2とで基本構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCATV回線に接続され、供給される番組コンテンツを利用するCATV端末とCATV端末の表示及び制御方法に関わるもである。
【背景技術】
【0002】
図5に示す従来技術によるCATV端末システムのシステム図を用いて説明する。
CATV局CA1は番組コンテンツの配信とインタネットプロバイダサービスを提供している。ケーブルモデムCA2は、番組コンテンツとインタネットとを電波伝送手段もしくは光伝送手段のCATV回線N2に重畳して配信している。近来番組コンテンツはデジタル放送方式のものもありインターラクテイブのものなど必ずしも従来型放送番組の形態でない。契約者の課金データやリクエストデータなどはネット回線を経由してアプデートされるが、この部分は本願とは直接関わらないので説明を打ち切る。
番組コンテンツは、CATV受信手段1のケーブルI/F(1c)を経由して、チャンネルセレクタ・デコーダ1aで選択され画像信号と音声信号が復調される。一方インターネットチャンネルは、ルータ1bで分岐されPCボード3の通信制御手段に接続される。
【0003】
CATV端末2はチャンネルセレクタ・デコーダ1aからの画像及び音声信号、外部AV機器からの画像及び音声信号並びに内蔵のPCボード3で生成されたPC画像及びPC音声など複数の信号が入力される。画像変換・選択手段4は複数の画像データを選択出力すると共にコンテンツデータを分離出力する。複数の画像データはスケーラ手段8においてCATV端末2の主表示部M1に表示可能な表示レートの画像信号に変換されると共に必要に応じてPC画像とオーバレイやマルチ表示などのオーバレイ処理がなされる。
CATV端末2の主表示部M1にはPIP(Picture In Picture)形式の配信番組画面G10、操作ボタン形式のPC画像G12及びG11などが表示される。音声は音声選択手段5で選択入力され音声出力手段から音声出力される。
近年CATV端末の表示部は32型以上の横広の大型画面が増え、利用者と表示画面の距離の問題や大型画面用のタッチパネルのコストなど、画面の操作ボタンを直接操作することが困難になっている。その解決手段として光ポインターによる操作入力やリモコンによる間接操作などがあるが、使い勝手が悪いなどの問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に説明した問題点に鑑み、本発明は利用者の手元に小型のデイスプレイを有する補助表示端末を設置し、小型画面に対応した表示レートの画像を表示すると共に該小型画面を直接操作することの出来るCATV端末システムとCATV端末の表示及び制御方法の提案を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
CATV端末システムを、
CATV回線を経由して番組コンテンツを受信するCATV端末システムにあって、CATV局から送出される番組コンテンツを選択受信すると共に一般のインターネットと接続する機能を有するCATV受信手段と、
該CATV受信手段の外部制御、インターネットブラウザ制御、該受信手段との通信接続制御及び内部制御などを行うPCボードと、CATV受信手段からの画像及び該PCボードよりのコンテンツ画像などをデータ変換し、複数の画像データを選択出力する画像変換・選択手段と、画像データを任意の表示レートに変換すると共に画像をマルチ表示もしくは重畳表示させるオーバレイ機能を有する第一のスケーラ手段と、第二のスケーラ手段と、CATV受信手段からの音声及び該PCボードよりの音声データを複数選択出力する入力音声選択部と、複数の同期信号を生成出力する同期生成手段と、第一のスケーラ手段よりの画像データと同期信号とを合成出力すると共に入力音声選択部よりの複数の音声データより任意の音声データを選択出力する第一のドライバと、第二のスケーラ手段よりの画像データと同期信号とを合成出力すると共に入力音声選択部よりの複数の音声データより任意の音声データを選択出力する第二のドライバと、画像変換・選択手段、スケーラ手段、同期生成手段、入力音声選択部、PCボード、リモコン入力処理などを制御するPIP制御手段と、第一のドライバよりの出力番組(出力コテンツ)の表示と音声を出力する主表示部とを有するCATV端末と、
第二のドライバよりの出力番組(出力コテンツ)の表示と音声出力する補助表示端末とで構成する。
【0006】
CATV端末の画像変換・選択手段に、受信選択した番組コンテンツよりコンテンツデータを分離出力するコンテンツデータ分離部を追加設置する。
【0007】
CATV端末に、リモコンの選択情報、受信チャンネル情報、音量情報などをスクリーン上に表示出力するOSD処理部を追加設置する。
【0008】
CATV端末のPCボードに、インターネットやメールアドレスやURL(Uniform Resource Location)などを記憶登録するブックマークを追加設置する。
【0009】
CATV端末に、3個以上のスケーラ手段及びドライバを備えると共に各々任意の表示レートで選択出力とする。
【0010】
補助表示端末の表示面上にタッチパネル手段を付設し、該補助表示端末よりCATV端末の操作入力を可能とする。
【0011】
CATV端末と補助表示端末に、画像データ、音声データ及び制御データを重畳したシリアルデータに変調・復調するエンコーダ・デコーダと、無線方式の送受信を行う通信手段とを追加設置し、両端末をコードレス接続する。
【0012】
通信手段を誤差拡散法による微弱電波伝送、若しくは無線LANなどの電波伝送手段とする。
【0013】
通信手段を赤外線伝送手段とする。
【0014】
CATV端末の表示及び制御方法を、
CATV回線を経由して番組コンテンツを受信するCATV端末システムにあって、CATV局から送出される番組コンテンツを選択受信すると共に一般のインターネットと接続する機能を有するCATV受信手段と、
CATV受信手段の外部制御、インターネットブラウザ制御、該受信手段との通信接続制御及び内部制御などを行うPCボードと、CATV受信手段からの画像及びPCボードよりのコンテンツ画像などをデータ変換し、複数の画像データを選択出力する画像変換・選択手段と、画像データを任意の表示レートに変換すると共に画像をマルチ表示もしくは重畳表示させるオーバレイ機能を有する第一のスケーラ手段と、第二のスケーラ手段と、CATV受信手段からの音声及び該PCボードよりの音声データを複数選択出力する入力音声選択部と、複数の同期信号を生成出力する同期生成手段と、第一のスケーラ手段よりの画像データと同期信号とを合成出力すると共に入力音声選択部よりの複数の音声データより任意の音声データを選択出力する第一のドライバと、第二のスケーラ手段よりの画像データと同期信号とを合成出力すると共に入力音声選択部よりの複数の音声データより任意の音声データを選択出力する第二のドライバと、画像変換・選択手段、スケーラ手段、同期生成手段、入力音声選択部、PCボード、リモコン入力処理などを制御するPIP制御手段と、第一のドライバよりの出力番組(出力コテンツ)の表示と音声を出力する主表示部とを有するCATV端末と、
第二のドライバよりの出力番組(出力コテンツ)の表示と音声を出力する補助表示端末とで構成されるCATV端末システムを用いて、
画像変換・選択手段はCATV受信手段よりの番組コンテンツ、PCボードにより生成されたPC画像、外部のAV機器の画像など複数の画像信号を画像データ化し、
第一のスケーラ手段は、主表示部に表示する所定表示レートの画像データに第一のスケーリング出力を行い、
第二のスケーラ手段は、補助主表示端末に表示する所定表示レートの画像データに第二のスケーリング出力を行い、
音声入力選択手段は、CATV受信手段よりの番組音声、PCボードにより生成されたPC音声、外部のAV機器の音声など複数の音声信号を選択入力し、
第一のドライバは、該第一のスケーリング出力と、同期生成手段が生成した該当表示レート同期信号と、所定の音声データとを選択合成して前記主表示部に入力し、
第二のドライバは、該第二のスケーリング出力と、同期生成手段が生成した該当表示レート同期信号と、所定の音声データとを選択合成して前記補助表示端末に入力する。
【0015】
CATV端末の起動時には、
PCボードは該CATV端末の所定の初期画面データを生成出力し、PIP制御手段は画像変換・選択手段及びスケーラ手段に該当初期画像の選択制御を行う。
【0016】
PCボードは、コンテンツ選択ボタン画像を生成し、PIP制御手段は画像変換・選択手段及びスケーラ手段に、該選択ボタン画像の選択制御を行う。
【0017】
PCボードは、インターネット接続ボタン画像を生成し、PIP制御手段は画像変換・選択手段及びスケーラ手段に、該インターネット接続ボタン画像の選択制御を行う。
【0018】
PCボードは、ブックマークデータを記憶すると共にブックマーク選択ボタン画像を生成し、PIP制御手段は画像変換・選択手段及びスケーラ手段に、該ブックマーク選択ボタン画像の選択制御を行う。
【0019】
PIP制御手段は、画像変換・選択手段に、第一のスケーラ手段と第二のスケーラ手段に各々任意の画像データの出力選択制御を行う。
【0020】
補助表示端末の表示面にタッチパネル手段を付設し、該補助表示端末に表示されたコンテンツ選択ボタン、インターネット接続ボタン、ブックマーク選択ボタンなどを直接タッチ入力する。
【0021】
CATV端末と補助表示端末にエンコーダ・デコーダと無線通信手段を追加設置し、両端末をコードレスで接続して操作・表示する。
【0022】
無線通信手段を誤差拡散法による微弱電波伝送手段、若しくは無線LANなどの電波伝送手段とする。
【0023】
無線通信手段を赤外線伝送手段とする。
【0024】
CATV端末に、3個以上のスケーラ手段及びドライバを備えると共に各々任意の表示レートで選択出力し、CATV端末に操作機能を有する複数の補助表示端末を接続し、該CATV端末を複数人による独立操作を可能とする。
【発明の効果】
【0025】
(1)本発明によるスケーラ手段1(6)とスケーラ手段2(6’)とは、異なった任意の表示レートの画像の圧縮処理が出来るので、CATV端末2の表示部M1と補助表示端末M2の表示部に各々異なった表示レート画像が表示できる。
(2)同じく異なった画面比率の画像が表示できる。
(3)元画像と表示画像の表示レートの変換が任意に出来る。
(4)CATV端末2’の補助表示端末M2用の第二のドライバ9’にエンコーダデコーダ12と通信手段13とを、同じく補助表示端末M2にはエンコーダデコーダ15と通信手段14を追加設置することによりCATV端末2’とを補助表示端末M2ケーブルレスで接続することが出来る。
(5)図示しないが、スケーラ手段6、6’、6”及びドライバ9、9’、9”など3つ以上とする事により複数台のタッチパネル付き補助表示端末の利用が出来る。CATV端末を2個以上の操作部で利用できることを意味し、ゲームコンテンツなどで競技が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0026】
図1に示す本発明による、CATV端末システムの第一の実施例の基本構成図を用いて、システムの基本構成を説明する。
本発明のCATV端末システムは、
CATV回線N2を経由して番組コンテンツを受信するCATV端末システムであって、CATV局CA1から送出される番組コンテンツを選択受信すると共に一般のインターネットN1と接続する機能を有するCATV受信手段1と、
CATV受信手段1の外部制御、インターネットブラウザ制御、該受信手段との通信接続制御及び内部制御などを行うPCボード3と、CATV受信手段1からの画像及び該PCボード3よりのコンテンツ画像などをデータ変換し、複数の画像データを選択出力する画像変換・選択手段4と、画像データを任意の表示レートに変換すると共に画像をマルチ表示もしくは重畳表示させるオーバレイ機能を有する第一のスケーラ手段6と、第二のスケーラ手段6’と、CATV受信手段1からの音声及び該PCボード3よりの音声データを複数選択出力する入力音声選択部5と、複数の同期信号を生成出力する同期生成手段8と、第一のスケーラ手段6よりの画像データと同期信号とを合成出力すると共に入力音声選択部5よりの複数の音声データより任意の音声データを選択出力する第一のドライバ9と、第二のスケーラ手段6’よりの画像データと同期信号とを合成出力すると共に入力音声選択部5よりの複数の音声データより任意の音声データを選択出力する第二のドライバ9’と、画像変換・選択手段4、スケーラ手段6,6’、同期生成手段8、入力音声選択部5、PCボード3、リモコン入力処理などを制御するPIP制御手段10と、第一のドライバ9よりの出力番組(出力コテンツ)の表示と音声を出力する主表示部M1とを有するCATV端末2と、
第二のドライバ9’よりの出力番組(出力コテンツ)の表示と音声出力する補助表示端末M2とで基本構成されている。
【0027】
次いで本願による、CATV端末システムの概略動作を説明する。
第一の実施例のCATV局CA1は、概略3つの機能を有している。
(1)画像と音声による番組及びデジタルコンテンツ番組の送出(以下、両者を合わせて番組コンテンツと言う)。
(2)インターネットへの接続サービス。
(3)デジタル回線手法を利用した双方向サービス及び秘密通信による課金並びに契約管理。
などがあり、これらの仕組み利用して同一チャンネルで双方向性の放送と通信が行われている。
【0028】
ケーブルモデムCA2は、番組コンテンツ用チャンネルとインテーネットチャンネルとを重畳して送受信するモデムであり、CATV回線に通信接続されている。一方、課金及び契約管理については本願とは直接的関連が少ないので説明を省略する。
【0029】
CATV受信手段1は、番組選択と番組コンテンツを復調するチャンネルセレクタ・デコー部1aと、インターネットやメールへの接続を行うルータ1bとで構成され、デコードされた画像と音声が出力され、CATV端末2の画像変換・選択手段4及び音声選択手段の一入力とされる。
チャンネル選択は、PCボード3からの外部制御される。又、インターネットはルータ1bよりPCボード3の図示しいない通信制御手段に接続される。
【0030】
本実施例の画像変換・選択手段4には、PCボード3で生成されたPC画像、CATV受信手段1からの番組コンテンツ画像、2系統のその他AV機器からの画像信号もしくは画像データが入力される。
これらの画像信号もしくは画像データのデータレート(以下表示レートと略称する)は各種存在する。放送画像とPC画像の表示レートの相性が良い(横×縦)320×240、640×480、1024×768、1280×768、1920×1080などが用いられている。
画像変換・選択手段4は、入力された画像の内アナログ形式の信号をデジタルデータに変換した後、PIP制御手段10の制御指令に基づき複数選択され、スケーラ手段1とスケーラ手段2に入力する。
【0031】
番組を鑑賞する主表示部M1は、32型以上の大画面ディスプレイパネルが用いられと共に標準放送やハイビジョン放送にも対応し、画面形状も4:3及び16:9にも対応している。スケーラ手段6は、画像の圧縮伸張処理を行い任意の入力画像の表示レートから該主表示部M1に適合する表示レートに変換出力する。
一方、利用者の手元操作用の補助操作端末M2は7型の小型ディスプレイであり、320×240もしくは、640×480の低解像度で且つ4:3に対応したものである。
このことは、大型画面の主表示部M1と小型画面の補助操作端末M2とに同時に異なった表示レートの画像を出力する必要があることを意味する。そこで本願では、各々に対応したスケーラ手段1(6)とスケーラ手段2(6’)とを設けた。
【0032】
スケーラ手段1(6)は画像変換・選択手段4からの複数の画像データの表示レートを主表示部M1に適合する表示レートに変換すると共に複数の画像をPIP表示や重畳表示などのオーバレイ処理を施した画像データを出力する。スケーラ手段2(6’)は同じく複数の画像データを補助操作端末M2に適合する表示レートに変換した画像データを出力する。
同期生成手段8は、スケーラ手段の出力に対応した同期信号を生成出力する。
【0033】
ドライバ9は、主表示部M1に対応し、スケーラ手段1の出力画像データと、同期信号と、音声選択手段5が選択入力した音声信号とを合成出力する。
ドライバ9’は、補助表示端末M2に対応し、スケーラ手段2の出力画像データと、同期信号と、音声選択手段5が選択入力した音声信号とを合成出力する。
【0034】
PIP制御手段10は、外部リモコンRによるリモート制御信号を受信解読すると共にCATV端末2全般をプログラム制御する。
補助表示端末M2に追加設置されたタッチパネルPは、表示部の前面に付設された透明電極を有する操作パネルで、表示画面上の操作ボタン画像に対応し、指やタッチペンなどの位置情報を発生する機能を持つ。
【0035】
図2に示す本発明による、CATV端末システムの第二の実施例のシステムブロック図を用いて、CATV端末の詳細構成と動作を説明する。
第二の実施例のCATV端末2は、
ブラウザ制御プログラム、PCコンテンツデータ、通信制御データ、外部制御データなどを記憶して制御メモリ37と、CATV受信手段1のルータ1bとの通信制御を行う通信制御部35と、インターネットのURLやメールアドレスなどを記憶登録スルブックマーク36と、CATV受信手段1や外部AV機器などを外部制御する外部制御部34と、PCコンテンツ画像や音声を生成するAV生成部33と、内部機能制御を行う制御部32と、ボード外部とのI/F(インターフェイス)機能を持つバッファー31とを有するPCボード2と、
アナログ画像信号をデジタル化する複数のA/D(Analog/Digital converter)43、44、45と、複数の画像データを選択し、多チャンネルの画像データを出力する画像選択部41と、追加設置された画像データに含まれるデジタルコンテンツデータを分類出力するコンテンツデータ分離部42とを有する画像変換・選択手段4と、画像データの圧縮もしくは伸張及び画像の最適画像処理により第一の表示レートの画像データ処理を行う圧縮調整処理部1(61)と複数の画像のPIP表示や重畳表示を行うオーバレイ処理部62とからなるスケーラ手段1(6)と第二のスケーラ手段6’と、前述の同期生成手段8と、同じく前述の入力音声選択部(手段)51と、スケーラ手段1(6)からの画像データとこれに対応した同期信号を合成出力する合成・出力部91と入力選択された所定の音声データを選択出力する出力選択部92とからなる第一のドライバ9と、スケーラ手段2(6’)からの画像データとこれに対応した同期信号を合成出力する合成・出力部93と入力選択された所定の音声データを選択出力する出力選択部94とからなる第二のドライバ9’と、画面上に選択チャンネル、音量などをオンスクリーン表示するOSD処理部7、リモコンRからの操作データを受信解読するリモコンI/F(10b)と追加設置された補助操作端末M2のタッチパネルPとのI/Fを司る操作I/F(10c)と画像選択、音声選択、画像処理制御、コンテンツデータ分離制御、PCボード3の制御を行うPIP制御部10aと、大型画面の表示部とスピーカなどの音声出力手段を有する主表示部M1とで構成されている。
【0036】
このようにして、CATV端末2の主表示部M1は、画像表示と音声出力されるるが、追加設置されたコンテンツデータ分離部42はデジタル放送のような画像、音声及びにCG並びに画面制御などが一体の場合、画像データとコンテンツデータを分離する。分離されたコンテンツデータは、PIP制御部10により所定の機能ブロックに転送される。
さらに第二のドライバ9’の出力コンテンツは、第一のドライバ9の出力コンテンツとは異なった内容の構成が選択可能で、操作画面のみの場合もありPCボード3のAV生成部33のPC画像とPIP制御部10aの制御指令に依存する。
【0037】
補助表示端末M2は、5〜8型の小型液晶ディスプレイとスピーカを有し、該ディスプレイ画面上には透明電極とドライブ回路が形成されたタッチパネルPが付設されており、タッチパネルPの操作入力は操作I/F10cを経由してPIP制御部10a転送される。
PIP制御部10aは、PCボード3のAV生成部33のポジションデータを参照して操作入力コードを抽出すると共に所定の制御指令を出す。
【0038】
図3に示す本発明によるCATV端末システムの第三の実施例のシステムブロック図を用いて、CATV端末2’の追加機能の構成と動作を説明する。
CATV端末2’と補助表示端末M2をコードレス接続する目的で、CATV端末2’の補助表示端末M2用の第二のドライバ9’にはエンコーダデコーダ12と通信手段13がシリーズに追加設置され、同じく補助表示端末M2にはエンコーダデコーダ15と通信手段14がシリーズに追加設置されている。エンコーダデコーダ12はAVデータの変調と制御データの復調とが行われ、同じくエンコーダデコーダ15はAVデータの復調と制御データの変調とが行われる。通信手段13、14は、無線LANや誤差拡散法による微弱電波伝送などの電波伝送手段もしくは赤外線通信など光伝送手段による送受信部である。
【0039】
システム図に図示しないが、タッチパネル付き補助表示端末M2’を複数台追加設置すると、複数の利用者が共通のCATV端末を共同利用すること出来る。但し複数の操作端末を接続する訳であるから、該CATV端末のアプリケションは複数操作端末に対応する必要がある。接続方法は、ワイヤ接続でも前述のワイヤレス接続でたっても良い。
利用形態は、家庭用ネットワークゲーム端末、外部AV端子にカメラなどを接続したテレビ会議に於ける補助表示端末、同様に主表示部をプロジェクタとしたプレゼンテーション端末など多様な活用が可能である。
【0040】
図4に示す本発明による基本画面構成と画面推移図を用いて、各種表示画面を説明する。
図4の(1)は基本操作中の基本画面を示し、番組画像G1’、情報コンテンツG2、バーナ広告G3で構成される。3種類の画面がオーバレイ表示されている。
実施例1及び2のCATV端末2の表示サイズは37型でフルハイビジョン表示され、一方補助表示端末M2の表示サイズは7型でVGA表示されている。前者の表示レートは1920×1080、画面比16:9、後者は640×480、画面比4:3である。しかるに4種類の画像が重畳されており、各々の画像は大幅に圧縮表示されている。
【0041】
図4の(2)は競馬中継にコンテツに於ける画面推移を示している。
AはNTSC放送競馬中継番組の番組画像G1を元画像を表し、640×480、画面比4:3の画面であるが、実施例の表示画面に在ってはスケーラ手段1(6)により1920×1080、9:16のワイド表示とされる。選択ボタンBの情報コンテンツ配信画像を選択すると、縮小番組画像G1’と、情報コンテンツとしての選択ボタン画像G4、及び広告コンテンツ画像とが表示されている。選択ボタンA、選択ボタンB、選択ボタンC、選択ボタンDは、出馬表、戦績データ、掛け率(オッズ)・・・などを選択するボタンである。(2)のCは、出馬表を選択した時の選択ボタン画像で、番組画像G1”、出馬表、戦績、オッズなどのコンテンツ画像G5、広告コンテンツ画像G3’などが表示されている。(2)のDは、広告画像G3’をクリックした時の広告クリック画像で、番組画像G1”、勝率ブック画像G6、及び広告コンテンツ画像G3”などが表示される。
【0042】
情報コンテンツ、広告コンテンツ、電子メールコンテンツなどはインターネット回線を経由してwebサーバに接続された上でメールを含むブラウザ機能により実行される。webサーバのURLやメールアドレスはブックマークデータとしてPCボード3のブックマーク36に記憶登録されており、ボタン選択により該当ブックマークデータが読出された後自動接続される。メールの場合には、メール操作ウインドとソフトタッチのキーボードが表示される。コンテンツ番組に添付されたブックマークデータは、図示していないテンポラリメモリに一時記憶され、操作ボタンの選択により該ブックマークデータを読出し該当ULRに自動接続される。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上の説明は液晶パネルやPDPパネルによる家庭用CATV端末を指向したが、その他の摘要例を以下に列挙する。
(1)大型プロジェクタなどのプレゼンテーションの端末。
(2)アーケドゲームセンターで用いられる通信ゲーム端末。
(3)会議システム用の補助表示端末。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】 本発明による、CATV端末システムの第一の実施例の基本構成図である。
【図2】 本発明による、CATV端末システムの第二の実施例のシステムブロック図である。
【図3】 本発明による、CATV端末システムの第三の実施例のシステムブロック図である。
【図4】 本発明による、基本画面構成と画面推移図である。
【図5】 従来技術によるCATV端末システムのシステムブロック図である。
【符号の説明】
【0045】
CA1 CATV局
CA2 ケーブルモデム
M1 主表示部
M2 補助操作端末
N1 インターネット
N2 CATV回線
P タッチパネル
R リモコン
1 CATV受信手段
1a チャンネルセレクタ・デコー部
1b ルータ
1c ケーブルI/F
2 CATV端末
3 PCボード
4 画像変換・選択手段
5 入力音声選択部
6,6’ スケーラ手段
7 OSD処理部
8 同期生成手段
9、9’ ドライバ
10 PIP制御手段
10a PIP制御部
10b リモコンI/F
10c 操作I/F
12、15 エンコーダ・デコーダ
13、14 通信手段
31 バッファー
32 制御部
33 AV生成部
34 外部制御部
35 通信制御部
36 ブックマーク
37 制御メモリ
41 画像選択部
42 コンテンツデータ分離部
43、44、45 A/D
51 入力音声選択部
61 圧縮調整処理部1
62、64 オーバレイ処理部
63 圧縮調整処理部2
91、93 合成・出力部
92、94 出力選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CATV回線を経由して番組コンテンツを受信するCATV端末システムにあって、CATV局から送出される番組コンテンツを選択受信すると共に一般のインターネットと接続する機能を有するCATV受信手段と、
前記CATV受信手段の外部制御、インターネットブラウザ制御、該受信手段との通信接続制御及び内部制御などを行うPCボードと、前記CATV受信手段からの画像及び該PCボードよりのコンテンツ画像などをデータ変換し、複数の画像データを選択出力する画像変換・選択手段と、画像データを任意の表示レートに変換すると共に画像をマルチ表示もしくは重畳表示させるオーバレイ機能を有する第一のスケーラ手段と、第二の前記スケーラ手段と、前記CATV受信手段からの音声及び該PCボードよりの音声データを複数選択出力する入力音声選択部と、複数の同期信号を生成出力する同期生成手段と、前記の第一のスケーラ手段よりの画像データと前記同期信号とを合成出力すると共に前記入力音声選択部よりの複数の音声データより任意の音声データを選択出力する第一のドライバと、前記の第二のスケーラ手段よりの画像データと前記同期信号とを合成出力すると共に前記入力音声選択部よりの複数の音声データより任意の音声データを選択出力する第二のドライバと、前記画像変換・選択手段、スケーラ手段、同期生成手段、入力音声選択部、PCボード、リモコン入力処理などを制御するPIP制御手段と、前記第一のドライバよりの出力番組(出力コテンツ)の表示と音声を出力する主表示部とを有するCATV端末と、
前記第二のドライバよりの出力番組(出力コテンツ)の表示と音声出力する補助表示端末とで構成し、且つ、前記第一のドライバ及び第二のドライバの出力は各々任意の表示レートで選択出力とすることを特徴とするCATV端末システム。
【請求項2】
前記CATV端末の画像変換・選択手段に、受信選択した番組コンテンツよりコンテンツデータを分離出力するコンテンツデータ分離部を追加設置することを特徴とする請求項1に記載のCATV端末システム。
【請求項3】
前記CATV端末に、前記リモコンの選択情報、受信チャンネル情報、音量情報などをスクリーン上に表示出力するオンスクリーンデスプレイ(以下 OSDと略示する)処理部を追加設置することを特徴とする請求項1に記載のCATV端末システム。
【請求項4】
前記CATV端末のPCボードに、インターネットやCATV上のメールアドレスやURL(Uniform Resource Location)などを記憶登録するブックマークを追加設置することを特徴とする請求項1に記載のCATV端末システム。
【請求項5】
前記CATV端末に、3個以上の前記スケーラ手段及びドライバを備えると共に各々任意の表示レートで選択出力とすることを特徴とする請求項1に記載のCATV端末システム。
【請求項6】
前記補助表示端末の表示面上にタッチパネル手段を付設し、該補助表示端末より前記CATV端末の操作入力を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のCATV端末システム。
【請求項7】
前記CATV端末と前記補助表示端末に、画像データ、音声データ及び制御データを重畳したシリアルデータに変調・復調するエンコーダ・デコーダと、無線方式の送受信を行う通信手段とを追加設置し、前記両端末をコードレス接続することを特徴とする請求項1に記載のCATV端末システム。
【請求項8】
前記通信手段を誤差拡散法による微弱電波伝送、若しくは無線LAN(Local Area Netwoks)などの電波伝送手段とすることを特徴とする請求項7に記載のCATV端末システム。
【請求項9】
前記通信手段を赤外線伝送などの光通信手段とすることを特徴とする請求項7に記載のCATV端末システム。
【請求項10】
CATV回線を経由して番組コンテンツを受信するCATV端末システムにあって、CATV局から送出される番組コンテンツを選択受信すると共に一般のインターネットと接続する機能を有するCATV受信手段と、
前記CATV受信手段の外部制御、インターネットブラウザ制御、該受信手段との通信接続制御及び内部制御などを行うPCボードと、前記CATV受信手段からの画像及び該PCボードよりのコンテンツ画像などをデータ変換し、複数の画像データを選択出力する画像変換・選択手段と、画像データを任意の表示レートに変換すると共に画像をマルチ表示もしくは重畳表示させるオーバレイ機能を有する第一のスケーラ手段と、第二の前記スケーラ手段と、前記CATV受信手段からの音声及び該PCボードよりの音声データを複数選択出力する入力音声選択部と、複数の同期信号を生成出力する同期生成手段と、前記の第一のスケーラ手段よりの画像データと前記同期信号とを合成出力すると共に前記入力音声選択部よりの複数の音声データより任意の音声データを選択出力する第一のドライバと、前記の第二のスケーラ手段よりの画像データと前記同期信号とを合成出力すると共に前記入力音声選択部よりの複数の音声データより任意の音声データを選択出力する第二のドライバと、前記画像変換・選択手段、スケーラ手段、同期生成手段、入力音声選択部、PCボード、リモコン入力処理などを制御するPIP制御手段と、前記第一のドライバよりの出力番組(出力コテンツ)の表示と音声を出力する主表示部とを有するCATV端末と、
前記第二のドライバよりの出力番組(出力コテンツ)の表示と音声を出力する補助表示端末とで構成されるCATV端末システムを用いて、
前記画像変換・選択手段は前記CATV受信手段よりの番組コンテンツ、前記PCボードにより生成されたPC画像、外部のAV機器の画像など複数の画像信号を画像データ化し、
前記第一のスケーラ手段は、前記主表示部に表示する所定表示レートの画像データに第一のスケーリング出力を行い、
前記第二のスケーラ手段は、前記補助主表示端末に表示する所定表示レートの画像データに第二のスケーリング出力を行い、
前記音声入力選択手段は、前記CATV受信手段よりの番組音声、前記PCボードにより生成されたPC音声、外部のAV機器の音声など複数の音声信号を選択入力し、
前記第一のドライバは、該第一のスケーリング出力と、同期生成手段が生成した該当表示レート同期信号と、所定の音声データとを選択合成して前記主表示部に入力し、
前記第二のドライバは、該第二のスケーリング出力と、同期生成手段が生成した該当表示レート同期信号と、所定の音声データとを選択合成して前記補助表示端末に入力することを特徴とするCATV端末の表示及び制御方法。
【請求項11】
前記CATV端末の起動時には、
前記PCボードは該CATV端末の所定の初期画面データを生成出力し、前記PIP制御手段は画像変換・選択手段及びスケーラ手段に該当初期画像の選択制御を行うことを特徴とする請求項10に記載のCATV端末の表示及び制御方法。
【請求項12】
前記PCボードは、コンテンツ選択ボタン画像を生成し、前記PIP制御手段は画像変換・選択手段及びスケーラ手段に、該選択ボタン画像の選択制御を行うことを特徴とする請求項10に記載のCATV端末の表示及び制御方法。
【請求項13】
前記PCボードは、インターネット接続ボタン画像を生成し、前記PIP制御手段は画像変換・選択手段及びスケーラ手段に、該インターネット接続ボタン画像の選択制御を行うことを特徴とする請求項10に記載のCATV端末の表示及び制御方法。
【請求項14】
前記PCボードは、ブックマークデータを記憶すると共にブックマーク選択ボタン画像を生成し、前記PIP制御手段は画像変換・選択手段及びスケーラ手段に、該ブックマーク選択ボタン画像の選択制御を行うことを特徴とする請求項10に記載のCATV端末の表示及び制御方法。
【請求項15】
前記PIP制御手段は、画像変換・選択手段に、第一のスケーラ手段と第二のスケーラ手段に各々任意の画像データの出力選択制御を行うことを特徴とする請求項10に記載のCATV端末の表示及び制御方法。
【請求項16】
前記補助表示端末の表示面にタッチパネル手段を付設し、該補助表示端末に表示されたコンテンツ選択ボタン、インターネット接続ボタン、ブックマーク選択ボタンなどを直接タッチ入力することを特徴とする請求項10に記載のCATV端末の表示及び制御方法。
【請求項17】
前記CATV端末と補助表示端末にエンコーダ・デコーダと無線通信手段を追加設置し、両端末をコードレスで接続して操作・表示することを特徴とする請求項10に記載のCATV端末の表示及び制御方法。
【請求項18】
前記無線通信手段を誤差拡散法による微弱電波伝送、若しくは無線LANなどの電波伝送手段とすることを特徴とする請求項10に記載のCATV端末の表示及び制御方法。
【請求項19】
前記無線通信手段を赤外線伝送などの光通信手段とすることを特徴とする請求項10に記載のCATV端末の表示及び制御方法。
【請求項20】
前記CATV端末に、3個以上の前記スケーラ手段及びドライバを備えると共に各々任意の表示レートで選択出力し、前記CATV端末に操作機能を有する複数の補助表示端末を接続し、該CATV端末を複数人による独立操作とすることを特徴とする請求項10に記載のCATV端末の表示及び制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−352812(P2006−352812A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−199359(P2005−199359)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(505023261)日本テクト株式会社 (5)
【Fターム(参考)】