CCR2に対する抗体
CCR2、具体的にはヒトCCR2に特異的に結合し、CCR2を阻害するよう機能し得るヒト抗体およびその抗原結合部分を含む、抗体が提供される。抗CCR2抗体には、CCR2の第1の細胞外ループおよび/または第2の細胞外ループに結合するものが含まれる。また、ヒト抗CCR2抗体およびその抗原結合部分も提供される。ヒト抗CCR2抗体に由来する単離された重鎖免疫グロブリンおよび軽鎖免疫グロブリン、ならびにそのような免疫グロブリンをコードする核酸分子が提供される。ヒト抗CCR2抗体または抗原結合部分を作製する方法、これらの抗体または抗原結合部分を含む組成物、これらの抗体および抗原結合部分を使用する方法、ならびに診断および治療のための組成物が提供される。また、ヒト抗CCR2抗体またはその抗原結合部分を含む重鎖および/または軽鎖免疫グロブリン分子をコードする核酸分子を使用する、遺伝子冶療方法も提供される。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗体が、
a)ヒトCCR2の第1の細胞外ループ内に含まれるエピトープに結合するか;
b)ヒトCCR2の第2の細胞外ループ内に含まれるエピトープに結合するか;または
c)ヒトCCR2の第1の細胞外ループおよび第2の細胞外ループの両方の内部に含まれるエピトープに結合する、
ヒトCCR2に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
【請求項2】
以下の特性のうちの少なくとも1つを有する、請求項1記載のヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分:
a)ヒトCCR5に対する選択性より少なくとも100倍強い、ヒトCCR2に対する選択性を有する;
b)2.0×10-7Mまたはそれ以下のKDでヒトCCR2に結合する;
c)CCR2への結合についてMCP-1および/またはMCP-3と競合する;
d)MCP-1に応答したCa2+動員を低減させる;
e)MCP-1に応答したコラーゲンI mRNA合成を低減させる;
f)MCP-1に応答したヒト単球におけるpERKリン酸化を低減させる;
g)MCP-1に応答したヒト単球の走化性を低下させる;ならびに
h)MCP-1に応答したヒト単球におけるアクチン重合を低減させる。
【請求項3】
ヒトCCR2の第1の細胞外ループがSEQ ID NO: 128のアミノ酸配列を含み、かつヒトCCR2の第2の細胞外ループがSEQ ID NO: 129のアミノ酸配列を含む、請求項1記載のヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分。
【請求項4】
以下からなる群より選択されるCDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変(VH)ドメインアミノ酸配列を含む、ヒトCCR2に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合部分:
a)SEQ ID NO: 12に示すVH CDR1、SEQ ID NO: 13に示すVH CDR2、およびSEQ ID NO: 14に示すVH CDR3;
b)SEQ ID NO: 48に示すVH CDR1、SEQ ID NO: 49に示すVH CDR2、およびSEQ ID NO: 50に示すVH CDR3;
c)SEQ ID NO: 84に示すVH CDR1、SEQ ID NO: 85に示すVH CDR2、およびSEQ ID NO: 86に示すVH CDR3;ならびに
d)SEQ ID NO: 177に示すVH CDR1、SEQ ID NO: 178に示すVH CDR2、およびSEQ ID NO: 179に示すVH CDR3。
【請求項5】
以下からなる群より選択されるCDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変(VL)ドメインアミノ酸配列をさらに含む、請求項4記載の単離されたヒト抗体または抗原結合部分:
a)SEQ ID NO: 30に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 31に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 32に示すVL CDR3;
b)SEQ ID NO: 66に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 67に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 68に示すVL CDR3;
c)SEQ ID NO: 102に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 103に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 104に示すVL CDR3;ならびに
d)SEQ ID NO: 195に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 196に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 197に示すVL CDR3。
【請求項6】
以下からなる群より選択されるCDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変(VL)ドメインアミノ酸配列を含む、ヒトCCR2に特異的に結合する単離されたヒト抗体またはその抗原結合部分:
a)SEQ ID NO: 30に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 31に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 32に示すVL CDR3;
b)SEQ ID NO: 66に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 67に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 68に示すVL CDR3;
c)SEQ ID NO: 102に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 103に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 104に示すVL CDR3;ならびに
d)SEQ ID NO: 195に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 196に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 197に示すVL CDR3。
【請求項7】
SEQ ID NO: 84に示すVH CDR1、SEQ ID NO: 85に示すVH CDR2、SEQ ID NO: 86に示すVH CDR3;SEQ ID NO: 102に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 103に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 104に示すVL CDR3を含む、請求項5記載の単離された抗体または抗原結合部分。
【請求項8】
SEQ ID NO: 202およびSEQ ID NO: 203からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含む、ヒトCCR2に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
【請求項9】
SEQ ID NO: 11、SEQ ID NO: 47、SEQ ID NO: 83、SEQ ID NO: 176、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 11、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 47、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 83、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 176、SEQ ID NO: 162と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 11、SEQ ID NO: 158と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 47、SEQ ID NO: 160と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 83、SEQ ID NO: 164と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 176、SEQ ID NO: 11と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 47と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 83と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、およびSEQ ID NO: 176と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列からなる群より選択される重鎖可変(VH)ドメインアミノ酸配列を含む、ヒトCCR2に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
【請求項10】
SEQ ID NO: 29、SEQ ID NO: 66、SEQ ID NO: 101、SEQ ID NO: 113、SEQ ID NO: 194、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 29、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 66、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 101、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 113、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 194、SEQ ID NO: 159と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 29、SEQ ID NO: 161と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 66、SEQ ID NO: 163と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 101、SEQ ID NO: 163と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 113、SEQ ID NO: 165と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 194、SEQ ID NO: 29と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 66と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 101と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 113と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、およびSEQ ID NO: 194と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列からなる群より選択される軽鎖可変(VL)ドメインアミノ酸配列を含む、CCR2に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
【請求項11】
SEQ ID NO: 29、SEQ ID NO: 66、SEQ ID NO: 101、SEQ ID NO: 113、SEQ ID NO: 194、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 29、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 66、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 101、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 113、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 194、SEQ ID NO: 163と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 29、SEQ ID NO: 159と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 66、SEQ ID NO: 161と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 101、SEQ ID NO: 161と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 113、SEQ ID NO: 165と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 194、SEQ ID NO: 29と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 66と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 101と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 113と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、およびSEQ ID NO: 194と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列からなる群より選択される軽鎖可変(VL)ドメインアミノ酸配列をさらに含む、請求項8記載の単離されたヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分。
【請求項12】
以下を含む、CCR2に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分:
a)モノクローナル抗体4.40(ATCCアクセッション番号PTA-6981)、4.22(ATCCアクセッション番号PTA-6980)、4.39、および4.9(ATCCアクセッション番号PTA-6979)からなる群より選択される抗体の重鎖より独立に選択される少なくとも1つの重鎖CDR1、CDR2、および/もしくはCDR3;または
b)モノクローナル抗体4.40、4.22、4.39、および4.9からなる群より選択される抗体の軽鎖より独立に選択される少なくとも1つの軽鎖CDR1、CDR2、および/もしくはCDR3;または
c)モノクローナル抗体4.40、4.22、4.39、および4.9からなる群より選択される抗体の重鎖より独立に選択される少なくとも1つの重鎖CDR1、CDR2、および/もしくはCDR3、ならびにモノクローナル抗体4.40、4.22、4.39、および4.9からなる群より選択される抗体の軽鎖より独立に選択される少なくとも1つの軽鎖CDR1、CDR2、および/もしくはCDR3。
【請求項13】
SEQ ID NO: 10、SEQ ID NO: 46、SEQ ID NO: 82、SEQ ID NO: 116、SEQ ID NO: 175、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 10、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 46、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 82、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 116、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 175、SEQ ID NO: 162と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 10、SEQ ID NO: 158と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 46、SEQ ID NO: 160と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 82、SEQ ID NO: 160と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 116、およびSEQ ID NO: 164と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 175からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する重鎖を含む、ヒトCCR2に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項14】
SEQ ID NO: 28、SEQ ID NO: 64、SEQ ID NO: 100、SEQ ID NO: 112、SEQ ID NO: 193、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 28、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 64、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 100、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 112、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 193、SEQ ID NO: 163と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 28、SEQ ID NO: 159と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 64、SEQ ID NO: 161と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 100、SEQ ID NO: 161と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 112、およびSEQ ID NO: 165と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 193からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖をさらに含む、請求項13記載の単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項15】
以下からなる群より選択される重鎖および軽鎖を抗体が有する、請求項14記載の単離されたヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分:
a)SEQ ID NO: 10のアミノ酸配列を有する重鎖およびSEQ ID NO: 28のアミノ酸配列を有する軽鎖、
b)SEQ ID NO: 46のアミノ酸配列を有する重鎖およびSEQ ID NO: 64のアミノ酸配列を有する軽鎖、
c)SEQ ID NO: 82のアミノ酸配列を有する重鎖およびSEQ ID NO: 100のアミノ酸配列を有する軽鎖、
d)SEQ ID NO: 82のアミノ酸配列を有する重鎖およびSEQ ID NO: 112のアミノ酸配列を有する軽鎖、
e)SEQ ID NO: 116のアミノ酸配列を有する重鎖およびSEQ ID NO: 112のアミノ酸配列を有する軽鎖、ならびに
f)SEQ ID NO: 175のアミノ酸配列を有する重鎖およびSEQ ID NO: 193のアミノ酸配列を有する軽鎖。
【請求項16】
重鎖アミノ酸配列がSEQ ID NO: 116であり、かつ軽鎖アミノ酸配列がSEQ ID NO: 112である、請求項15記載の単離されたヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分。
【請求項17】
4.40、4.40 A68G S230P、4.39、4.22、および4.9からなる群より選択される抗体の1つまたは複数のVH FR1、FR2、FR3、もしくはFR4アミノ酸配列、および/またはVL FR1、FR2、FR3、もしくはFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項5記載の単離されたヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分。
【請求項18】
重鎖定常ドメインをさらに含む、請求項17記載の単離されたヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分。
【請求項19】
軽鎖定常ドメインをさらに含む、請求項18記載の単離されたヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分。
【請求項20】
請求項1記載の抗体または抗原結合部分、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
【請求項21】
請求項1記載の抗体または抗原結合部分を産生する、単離された細胞株。
【請求項22】
請求項1記載の抗体または抗原結合部分をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
【請求項23】
核酸分子に機能的に連結された発現制御配列を任意で含む、請求項22記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項24】
CCR2を介した障害の症状の治療、予防、または軽減を必要としている対象において、CCR2を介した障害の症状を治療、予防、または軽減するための方法であって、請求項1記載の抗体または抗原結合部分を該対象に投与する段階を含む、方法。
【請求項25】
対象が、炎症性障害、アレルギー性障害、自己免疫障害、移植片拒絶障害、アテローム性動脈硬化症、肥満、HIV感染症、神経因性疼痛、狭窄、再狭窄、多発性硬化症、線維性状態、加齢黄斑変性症、ブドウ膜炎、角膜感染症、および癌からなる群より選択される1種または複数種の状態または障害に苦しんでいる、請求項24記載の方法。
【請求項26】
線維性状態が肝線維症である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
肝線維症が、C型肝炎ウイルス(HCV)感染、B型肝炎ウイルス(HBV)感染、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の結果である、請求項26記載の方法。
【請求項28】
CCR2を介した障害の症状の治療、予防、または軽減を必要としている対象において、CCR2を介した障害の症状を治療、予防、または軽減するための医薬を製造するための、請求項1記載の抗体または抗原結合部分の使用。
【請求項29】
対象が、炎症性障害、アレルギー性障害、自己免疫障害、移植片拒絶障害、アテローム性動脈硬化症、肥満、HIV感染症、神経因性疼痛、狭窄、再狭窄、多発性硬化症、線維性状態、加齢黄斑変性症、ブドウ膜炎、角膜感染症、および癌からなる群より選択される1種または複数種の状態または障害に苦しんでいる、請求項28記載の使用。
【請求項30】
線維性状態が肝線維症である、請求項29記載の使用。
【請求項31】
肝線維症が、C型肝炎ウイルス(HCV)感染、B型肝炎ウイルス(HBV)感染、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の結果である、請求項30記載の使用。
【請求項1】
抗体が、
a)ヒトCCR2の第1の細胞外ループ内に含まれるエピトープに結合するか;
b)ヒトCCR2の第2の細胞外ループ内に含まれるエピトープに結合するか;または
c)ヒトCCR2の第1の細胞外ループおよび第2の細胞外ループの両方の内部に含まれるエピトープに結合する、
ヒトCCR2に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
【請求項2】
以下の特性のうちの少なくとも1つを有する、請求項1記載のヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分:
a)ヒトCCR5に対する選択性より少なくとも100倍強い、ヒトCCR2に対する選択性を有する;
b)2.0×10-7Mまたはそれ以下のKDでヒトCCR2に結合する;
c)CCR2への結合についてMCP-1および/またはMCP-3と競合する;
d)MCP-1に応答したCa2+動員を低減させる;
e)MCP-1に応答したコラーゲンI mRNA合成を低減させる;
f)MCP-1に応答したヒト単球におけるpERKリン酸化を低減させる;
g)MCP-1に応答したヒト単球の走化性を低下させる;ならびに
h)MCP-1に応答したヒト単球におけるアクチン重合を低減させる。
【請求項3】
ヒトCCR2の第1の細胞外ループがSEQ ID NO: 128のアミノ酸配列を含み、かつヒトCCR2の第2の細胞外ループがSEQ ID NO: 129のアミノ酸配列を含む、請求項1記載のヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分。
【請求項4】
以下からなる群より選択されるCDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変(VH)ドメインアミノ酸配列を含む、ヒトCCR2に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合部分:
a)SEQ ID NO: 12に示すVH CDR1、SEQ ID NO: 13に示すVH CDR2、およびSEQ ID NO: 14に示すVH CDR3;
b)SEQ ID NO: 48に示すVH CDR1、SEQ ID NO: 49に示すVH CDR2、およびSEQ ID NO: 50に示すVH CDR3;
c)SEQ ID NO: 84に示すVH CDR1、SEQ ID NO: 85に示すVH CDR2、およびSEQ ID NO: 86に示すVH CDR3;ならびに
d)SEQ ID NO: 177に示すVH CDR1、SEQ ID NO: 178に示すVH CDR2、およびSEQ ID NO: 179に示すVH CDR3。
【請求項5】
以下からなる群より選択されるCDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変(VL)ドメインアミノ酸配列をさらに含む、請求項4記載の単離されたヒト抗体または抗原結合部分:
a)SEQ ID NO: 30に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 31に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 32に示すVL CDR3;
b)SEQ ID NO: 66に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 67に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 68に示すVL CDR3;
c)SEQ ID NO: 102に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 103に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 104に示すVL CDR3;ならびに
d)SEQ ID NO: 195に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 196に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 197に示すVL CDR3。
【請求項6】
以下からなる群より選択されるCDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変(VL)ドメインアミノ酸配列を含む、ヒトCCR2に特異的に結合する単離されたヒト抗体またはその抗原結合部分:
a)SEQ ID NO: 30に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 31に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 32に示すVL CDR3;
b)SEQ ID NO: 66に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 67に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 68に示すVL CDR3;
c)SEQ ID NO: 102に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 103に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 104に示すVL CDR3;ならびに
d)SEQ ID NO: 195に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 196に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 197に示すVL CDR3。
【請求項7】
SEQ ID NO: 84に示すVH CDR1、SEQ ID NO: 85に示すVH CDR2、SEQ ID NO: 86に示すVH CDR3;SEQ ID NO: 102に示すVL CDR1、SEQ ID NO: 103に示すVL CDR2、およびSEQ ID NO: 104に示すVL CDR3を含む、請求項5記載の単離された抗体または抗原結合部分。
【請求項8】
SEQ ID NO: 202およびSEQ ID NO: 203からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含む、ヒトCCR2に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
【請求項9】
SEQ ID NO: 11、SEQ ID NO: 47、SEQ ID NO: 83、SEQ ID NO: 176、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 11、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 47、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 83、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 176、SEQ ID NO: 162と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 11、SEQ ID NO: 158と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 47、SEQ ID NO: 160と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 83、SEQ ID NO: 164と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 176、SEQ ID NO: 11と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 47と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 83と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、およびSEQ ID NO: 176と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列からなる群より選択される重鎖可変(VH)ドメインアミノ酸配列を含む、ヒトCCR2に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
【請求項10】
SEQ ID NO: 29、SEQ ID NO: 66、SEQ ID NO: 101、SEQ ID NO: 113、SEQ ID NO: 194、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 29、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 66、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 101、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 113、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 194、SEQ ID NO: 159と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 29、SEQ ID NO: 161と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 66、SEQ ID NO: 163と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 101、SEQ ID NO: 163と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 113、SEQ ID NO: 165と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 194、SEQ ID NO: 29と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 66と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 101と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 113と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、およびSEQ ID NO: 194と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列からなる群より選択される軽鎖可変(VL)ドメインアミノ酸配列を含む、CCR2に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
【請求項11】
SEQ ID NO: 29、SEQ ID NO: 66、SEQ ID NO: 101、SEQ ID NO: 113、SEQ ID NO: 194、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 29、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 66、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 101、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 113、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 194、SEQ ID NO: 163と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 29、SEQ ID NO: 159と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 66、SEQ ID NO: 161と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 101、SEQ ID NO: 161と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 113、SEQ ID NO: 165と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 194、SEQ ID NO: 29と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 66と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 101と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、SEQ ID NO: 113と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列、およびSEQ ID NO: 194と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列からなる群より選択される軽鎖可変(VL)ドメインアミノ酸配列をさらに含む、請求項8記載の単離されたヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分。
【請求項12】
以下を含む、CCR2に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分:
a)モノクローナル抗体4.40(ATCCアクセッション番号PTA-6981)、4.22(ATCCアクセッション番号PTA-6980)、4.39、および4.9(ATCCアクセッション番号PTA-6979)からなる群より選択される抗体の重鎖より独立に選択される少なくとも1つの重鎖CDR1、CDR2、および/もしくはCDR3;または
b)モノクローナル抗体4.40、4.22、4.39、および4.9からなる群より選択される抗体の軽鎖より独立に選択される少なくとも1つの軽鎖CDR1、CDR2、および/もしくはCDR3;または
c)モノクローナル抗体4.40、4.22、4.39、および4.9からなる群より選択される抗体の重鎖より独立に選択される少なくとも1つの重鎖CDR1、CDR2、および/もしくはCDR3、ならびにモノクローナル抗体4.40、4.22、4.39、および4.9からなる群より選択される抗体の軽鎖より独立に選択される少なくとも1つの軽鎖CDR1、CDR2、および/もしくはCDR3。
【請求項13】
SEQ ID NO: 10、SEQ ID NO: 46、SEQ ID NO: 82、SEQ ID NO: 116、SEQ ID NO: 175、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 10、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 46、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 82、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 116、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 175、SEQ ID NO: 162と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 10、SEQ ID NO: 158と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 46、SEQ ID NO: 160と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 82、SEQ ID NO: 160と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 116、およびSEQ ID NO: 164と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 175からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する重鎖を含む、ヒトCCR2に特異的に結合する単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項14】
SEQ ID NO: 28、SEQ ID NO: 64、SEQ ID NO: 100、SEQ ID NO: 112、SEQ ID NO: 193、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 28、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 64、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 100、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 112、保存的アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 193、SEQ ID NO: 163と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 28、SEQ ID NO: 159と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 64、SEQ ID NO: 161と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 100、SEQ ID NO: 161と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 112、およびSEQ ID NO: 165と比べて生殖系列アミノ酸置換を有するSEQ ID NO: 193からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖をさらに含む、請求項13記載の単離されたヒトモノクローナル抗体。
【請求項15】
以下からなる群より選択される重鎖および軽鎖を抗体が有する、請求項14記載の単離されたヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分:
a)SEQ ID NO: 10のアミノ酸配列を有する重鎖およびSEQ ID NO: 28のアミノ酸配列を有する軽鎖、
b)SEQ ID NO: 46のアミノ酸配列を有する重鎖およびSEQ ID NO: 64のアミノ酸配列を有する軽鎖、
c)SEQ ID NO: 82のアミノ酸配列を有する重鎖およびSEQ ID NO: 100のアミノ酸配列を有する軽鎖、
d)SEQ ID NO: 82のアミノ酸配列を有する重鎖およびSEQ ID NO: 112のアミノ酸配列を有する軽鎖、
e)SEQ ID NO: 116のアミノ酸配列を有する重鎖およびSEQ ID NO: 112のアミノ酸配列を有する軽鎖、ならびに
f)SEQ ID NO: 175のアミノ酸配列を有する重鎖およびSEQ ID NO: 193のアミノ酸配列を有する軽鎖。
【請求項16】
重鎖アミノ酸配列がSEQ ID NO: 116であり、かつ軽鎖アミノ酸配列がSEQ ID NO: 112である、請求項15記載の単離されたヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分。
【請求項17】
4.40、4.40 A68G S230P、4.39、4.22、および4.9からなる群より選択される抗体の1つまたは複数のVH FR1、FR2、FR3、もしくはFR4アミノ酸配列、および/またはVL FR1、FR2、FR3、もしくはFR4アミノ酸配列をさらに含む、請求項5記載の単離されたヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分。
【請求項18】
重鎖定常ドメインをさらに含む、請求項17記載の単離されたヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分。
【請求項19】
軽鎖定常ドメインをさらに含む、請求項18記載の単離されたヒトモノクローナル抗体または抗原結合部分。
【請求項20】
請求項1記載の抗体または抗原結合部分、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
【請求項21】
請求項1記載の抗体または抗原結合部分を産生する、単離された細胞株。
【請求項22】
請求項1記載の抗体または抗原結合部分をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
【請求項23】
核酸分子に機能的に連結された発現制御配列を任意で含む、請求項22記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項24】
CCR2を介した障害の症状の治療、予防、または軽減を必要としている対象において、CCR2を介した障害の症状を治療、予防、または軽減するための方法であって、請求項1記載の抗体または抗原結合部分を該対象に投与する段階を含む、方法。
【請求項25】
対象が、炎症性障害、アレルギー性障害、自己免疫障害、移植片拒絶障害、アテローム性動脈硬化症、肥満、HIV感染症、神経因性疼痛、狭窄、再狭窄、多発性硬化症、線維性状態、加齢黄斑変性症、ブドウ膜炎、角膜感染症、および癌からなる群より選択される1種または複数種の状態または障害に苦しんでいる、請求項24記載の方法。
【請求項26】
線維性状態が肝線維症である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
肝線維症が、C型肝炎ウイルス(HCV)感染、B型肝炎ウイルス(HBV)感染、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の結果である、請求項26記載の方法。
【請求項28】
CCR2を介した障害の症状の治療、予防、または軽減を必要としている対象において、CCR2を介した障害の症状を治療、予防、または軽減するための医薬を製造するための、請求項1記載の抗体または抗原結合部分の使用。
【請求項29】
対象が、炎症性障害、アレルギー性障害、自己免疫障害、移植片拒絶障害、アテローム性動脈硬化症、肥満、HIV感染症、神経因性疼痛、狭窄、再狭窄、多発性硬化症、線維性状態、加齢黄斑変性症、ブドウ膜炎、角膜感染症、および癌からなる群より選択される1種または複数種の状態または障害に苦しんでいる、請求項28記載の使用。
【請求項30】
線維性状態が肝線維症である、請求項29記載の使用。
【請求項31】
肝線維症が、C型肝炎ウイルス(HCV)感染、B型肝炎ウイルス(HBV)感染、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の結果である、請求項30記載の使用。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【公表番号】特表2012−500020(P2012−500020A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523807(P2011−523807)
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/004711
【国際公開番号】WO2010/021697
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(506181531)ファイザー インコーポレイティッド (11)
【出願人】(398005777)アムジェン フレモント インク. (40)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/004711
【国際公開番号】WO2010/021697
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(506181531)ファイザー インコーポレイティッド (11)
【出願人】(398005777)アムジェン フレモント インク. (40)
【Fターム(参考)】
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