CO2回収装置及び方法
【課題】エネルギー効率を一層向上させたCO2回収装置及び方法を提供する。
【解決手段】CO2を含有するCO2含有ガス11とCO2を吸収するCO2吸収液12とを接触させてCO2を除去する吸収塔13と、CO2を吸収したリッチ溶液14を再生する再生塔15と、該再生塔15でCO2を除去したリーン溶液16を吸収塔13で再利用するCO2回収装置であって、再生塔15の塔底部近傍に回収されたリーン溶液16を外部へ抜き出して高温スチーム17により熱交換する再生加熱器18と、吸収塔13から再生塔15にリッチ溶液14を供給するリッチ溶液供給管20に設けられ、前記再生加熱器18からのスチーム凝縮水19の余熱により該リッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21とを具備してなる。
【解決手段】CO2を含有するCO2含有ガス11とCO2を吸収するCO2吸収液12とを接触させてCO2を除去する吸収塔13と、CO2を吸収したリッチ溶液14を再生する再生塔15と、該再生塔15でCO2を除去したリーン溶液16を吸収塔13で再利用するCO2回収装置であって、再生塔15の塔底部近傍に回収されたリーン溶液16を外部へ抜き出して高温スチーム17により熱交換する再生加熱器18と、吸収塔13から再生塔15にリッチ溶液14を供給するリッチ溶液供給管20に設けられ、前記再生加熱器18からのスチーム凝縮水19の余熱により該リッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21とを具備してなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネルギーを図ったCO2回収装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球の温暖化現象の原因の一つとして、CO2による温室効果が指摘され、地球環境を守る上で国際的にもその対策が急務となってきた。CO2の発生源としては化石燃料を燃焼させるあらゆる人間の活動分野に及び、その排出抑制への要求が一層強まる傾向にある。これに伴い大量の化石燃料を使用する火力発電所などの動力発生設備を対象に、ボイラの燃焼排ガスをアミン系CO2吸収液と接触させ、燃焼排ガス中のCO2を除去、回収する方法及び回収されたCO2を大気へ放出することなく貯蔵する方法が精力的に研究されている。
【0003】
また前記のようなCO2吸収液を用い、燃焼排ガスからCO2を除去・回収する工程としては、吸収塔において燃焼排ガスとCO2吸収液とを接触させる工程、CO2を吸収した吸収液を再生塔において加熱し、CO2を遊離させると共に吸収液を再生して再び吸収塔に循環して再使用するものが採用されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−51537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記CO2吸収液及び工程を用いて燃焼排ガスのようなCO2含有ガスからCO2を吸収除去・回収する方法においては、これらの工程は燃焼設備に付加して設置されるため、その操業費用もできるだけ低減させなければならない。特に前記工程の内、再生工程は多量の熱エネルギーを消費するので、可能な限り省エネルギープロセスとする必要がある。
【0006】
本発明は、前記問題に鑑み、エネルギー効率を一層向上させたCO2回収装置及び方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、CO2を含有するガスとCO2吸収液とを接触させてCO2を除去する吸収塔と、CO2を吸収したリッチ溶液を再生する再生塔と、再生塔でCO2を除去したリーン溶液を吸収塔で再利用するCO2回収装置であって、前記再生塔を複数段とし、上段側の再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し、下段側の再生塔の上部に導入する抜出し管と、前記抜出し管に介装され、前記セミリーン溶液を、リーン溶液の余熱により加熱するリーン溶液熱交換器と、を具備してなることを特徴とするCO2回収装置にある。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記抜出し管に介装され、リーン溶液の余熱により加熱する第1のリーン溶液熱交換器と、前記セミリーン溶液を加熱した後のリーン溶液の余熱でリッチ溶液を加熱する第2のリーン溶液熱交換器と、を具備してなることを特徴とするCO2回収装置にある。
【0009】
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記抜出し管に介装され、セミリーン溶液をスチーム凝縮水で熱交換するスチーム凝縮水熱交換器を具備してなることを特徴とするCO2回収装置にある。
【0010】
第4の発明は、第1又は2の発明において、前記再生塔が上中下に三分割してなる上部再生塔、中部再生塔及び下部再生塔とし、上部再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し、中部再生塔の上部に導入する第1の抜出し管と、前記抜出し管に介装され、リーン溶液の余熱により加熱する第1のリーン溶液熱交換器と、中部再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し、下部再生塔の上部に導入する第2の抜出し管と、前記第2の抜出し管に介装され、セミリーン溶液をスチーム凝縮水で熱交換するスチーム凝縮水熱交換器と、第2の抜出し管から分岐され、セミリーン溶液を、前記吸収塔の中段に供給するセミリーン溶液供給管と、を具備してなることを特徴とするCO2回収装置にある。
【0011】
第5の発明は、CO2を含有するガスとCO2吸収液とを吸収塔内で接触させてCO2を除去した後、該CO2を吸収したリッチ溶液を再生塔で再生し、その後再生したCO2を除去したリーン溶液を吸収塔で再利用するCO2回収方法であって、前記再生塔を複数段とし、上段側の再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し管により抜出し、下段側の再生塔の上部に導入すると共に、前記抜出し管により抜き出した前記セミリーン溶液を、リーン溶液の余熱により加熱することを特徴とするCO2回収方法にある。
【0012】
第6の発明は、第5の発明において、前記抜出し管により抜出されたセミリーン溶液を、リーン溶液の余熱により第1のリーン溶液熱交換器で加熱し、前記セミリーン溶液を加熱した後のリーン溶液の余熱でリッチ溶液14を第2のリーン溶液熱交換器で加熱することを特徴とするCO2回収方法にある。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、スチーム凝縮水の余熱を利用することで、省エネルギーを図ったCO2回収装置及び方法を提供することができる。
また、CO2を吸収したリッチ溶液を再生塔で再生する際に、該再生塔の途中から抜き出したCO2を一部除去したセミリーン溶液を用い、リーン溶液の余熱により加熱することで、エネルギー効率を向上させたCO2回収装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、第1の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図2】図2は、第2の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図3】図3は、第3の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図4】図4は、第4の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図5】図5は、第5の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図6】図6は、第6の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図7】図7は、第7の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図8】図8は、第8の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図9】図9は、第9の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図10】図10は、第1の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図11】図11は、第2の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図12】図12は、第3の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図13】図13は、第4の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図14】図14は、第5の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図15】図15は、第6の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図16】図16は、第7の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図17】図17は、第8の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図18】図18は、第9の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図19】図19は、第10の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図20】図20は、第11の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図21】図21は、第12の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図22】図22は、従来例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0016】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
以下、本発明の実施形態を説明し、ついで、好適な実施例について詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
図1は第1の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
図1に示すように、本発明にかかる第1の実施形態にかかるCO2回収装置は、CO2を含有するCO2含有ガス11とCO2を吸収するCO2吸収液12とを接触させてCO2を除去する吸収塔13と、CO2を吸収したリッチ溶液14を再生する再生塔15と、該再生塔15でCO2を除去したリーン溶液(再生液)16を吸収塔13で再利用するCO2回収装置であって、再生塔15の塔底部近傍に回収されたリーン溶液16を外部へ抜き出して高温スチーム17により熱交換する再生加熱器18と、吸収塔13から再生塔15にリッチ溶液14を供給するリッチ溶液供給管20に設けられ、前記再生加熱器18からのスチーム凝縮水19の余熱により該リッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21とを具備してなるものである。
【0018】
また、本実施形態では、再生塔15から吸収塔13にリーン溶液供給管22によりリーン溶液16を供給している。そして、前記リッチ溶液供給管20には、前記リーン溶液16の余熱によりリッチ溶液14を加熱するリーン溶液熱交換器23が設けられている。
なお、図1中、符号8はノズル、9はチムニートレイ、10はCO2除去排ガス、25a、25bは吸収塔13内に配設される充填層、26a、26bは再生塔15の内部に配設される充填層を各々図示する。
【0019】
本実施の形態で用いる熱交換器の種類は特に限定されるものではなく、例えばプレート熱交換器、シュエル&チューブ熱交換器等の公知の熱交換器を用いればよい。
【0020】
また、本発明で使用できるCO2吸収液としては特に限定されるものではないが、アルカノールアミンやアルコール性水酸基を有するヒンダードアミン類を例示することができる。このようなアルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジグリコールアミンなどを例示することができるが、通常モノエタノールアミン(MEA)が好んで用いられる。またアルコール性水酸基を有するヒンダードアミンとしては2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−(エチルアミノ)−エタノール(EAE)、2−(メチルアミノ)−エタノール(MAE)、2−(ジエチルアミノ)−エタノール(DEAE)などを例示できる。
【0021】
本実施形態においては、前記再生加熱器18からのスチーム凝縮水19の余熱によりリッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21を設けるようにしたので、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することで、再生塔15に供給するリッチ溶液14の供給温度を上昇させることができ、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0022】
ここで、CO2除去装置に供給されるCO2含有ガス11は図示しない冷却装置により冷却され、約40〜50℃程度で供給される。一方、再生された吸収液12であるリーン溶液16は図示しない冷却装置により、約40℃程度まで冷却されている。
CO2除去装置の吸収塔13からのリッチ溶液は加熱反応により、約50℃前後で再生塔15に送られている。再生塔15には、リーン溶液熱交換器23により、約110℃前後で送られているが、スチーム凝縮水の熱(例えば137℃の場合)により、スチーム凝縮水熱交換器21を設置することにより、リッチ溶液14の温度を数度上昇させることができる。
【0023】
また、図1の構成において、スチーム凝縮水熱交換器21の前後のいずれかに、リッチ溶液をフラッシュさせるフラッシュドラムを設け、該フラッシュドラムによりリッチ溶液中に含有するCO2を再生塔の外部で放散させることができる。この結果、再生塔15で再生するリッチ溶液14中のCO2の一部をフラッシュドラムにより予め除去するので、再生塔15内でCO2除去に用いるスチーム供給量を低減することができる。
【0024】
[第2の実施形態]
図2は第2の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図2に示すように、本発明にかかる第2の実施形態にかかるCO2回収装置は、第1の実施形態の構成において、さらにリッチ溶液14を分岐させるリッチ溶液供給管20に設けた分岐部24と、該分岐部24にて分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1に設けてなり、リッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21と、前記スチーム凝縮水熱交換器21の後流側に設けたフラッシュドラム27と、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に設けてなり、前記フラッシュドラム27でCO2を一部除去したセミリーン溶液28の余熱でリッチ溶液14を加熱するセミリーン溶液熱交換器29とを具備してなり、セミリーン溶液28を供給するセミリーン溶液供給管30の端部を吸収塔13の中段部分に接続してなるものである。また、第2のリッチ溶液供給管20−2は再生塔15の上段付近に接続され、再生塔15内でCO2を除去し、回収するようにしている。
【0025】
本実施形態においては、前記再生加熱器18からのスチーム凝縮水19の余熱によりリッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21を設け、スチーム凝縮水の余熱にてリッチ溶液を加熱させたので、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなる。また、余熱を得たリッチ溶液14は、その後フラッシュドラム27に導入される。そして、該フラッシュドラム27においてリッチ溶液14をフラッシュさせることで、CO2を除去効率を向上させている。また、フラッシュドラム27からのCO2を除去したセミリーン溶液28の余熱により、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に介装されたセミリーン溶液熱交換器29で熱交換するので、再生塔15に導入するリッチ溶液14の温度を上昇させることができ、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。フラッシュドラム27にてCO2を一部除去したセミリーン溶液28は、大部分のCO2が除去されているので、再生塔15で再生することなく、吸収塔13の中段部分に供給することで、CO2を吸収するようにしている。
また、フラッシュドラム27で除去されたCO2は、再生塔15からのCO2と合流し、別途回収される。
【0026】
前記分岐部24における第1のリッチ溶液供給管20−1と第2のリッチ溶液供給管20−2のリッチ溶液14の分割割合は、30:70〜70:30、好適には50:50とすればよい。
【0027】
本実施の形態では、さらに吸収塔13の内部を2段に分割し、上段充填層13−Uと下段充填層13−Lとし、上段充填層13−Uから外部へCO2を吸収した吸収液12を抜き出し、セミリーン溶液28と混合させることで、冷却するようにしている。これは、吸収反応は吸熱反応であるので、供給する液の温度を下げるほうが好ましいからである。本実施の形態では、40〜50℃程度まで下げるようにしている。
【0028】
[第3の実施形態]
図3は第3の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1及び第2の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図3に示すように、本発明にかかる第3の実施形態にかかるCO2回収装置は、第1の実施の形態において、さらにリッチ溶液14を分岐させるリッチ溶液供給管20に設けた分岐部24と、分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1の端部に設けられ、リッチ溶液14をフラッシュさせるスチーム凝縮水熱交換器31と、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に設けてなり、前記スチーム凝縮水熱交換器31でCO2を一部除去したセミリーン溶液28の余熱でリッチ溶液14を加熱するセミリーン溶液熱交換器29とを具備してなり、セミリーン溶液28を供給するセミリーン溶液供給管30の端部を吸収塔13の中段部分に接続してなるものである。
【0029】
本実施の形態においては、前記スチーム凝縮水熱交換器31は、上述したプレート熱交換器等の交換器ではなく、図3に示すように、リッチ溶液14をフラッシュさせるフラッシュ部32を上部側に設けた第1のフラッシュドラム33と、該フラッシュドラム33内に設けた充填層34と、前記フラッシュドラム下部に設けられ、スチーム凝縮水19からのスチーム35を供給するスチーム供給部36とから構成されてなるものである。
スチーム凝縮水19が加圧飽和水蒸気の場合には、第2のフラッシュドラム37を設けて常圧スチームとし、該スチーム35を第1のフラッシュドラム33に供給するようにし、このスチーム35の熱によりリッチ溶液14からCO2を除去するようにしている。
前記第1のフラッシュドラム33内でCO2の一部を除去したセミリーン溶液28は、その余熱を用いてセミリーン熱交換器29でリッチ溶液14を加熱させ、その後吸収塔13の中段部分に供給される。
【0030】
本実施形態においては、前記再生加熱器18からのスチーム凝縮水19の余熱により、分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1内のリッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器31を設け、スチーム35にてリッチ溶液を加熱させたので、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなる。このスチーム凝縮水熱交換器31でフラッシュによりCO2を除去したセミリーン溶液28は、その余熱を用いて、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に介装されたセミリーン溶液熱交換器29で熱交換するので、再生塔15に導入するリッチ溶液14の温度を上昇させることができ、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
また、第1のフラッシュドラム33で除去されたCO2は、再生塔15からのCO2と合流し、別途回収される。
なお、第1のフラッシュドラム33は、再生塔14に対して副再生塔の機能を果たしている。
【0031】
[第4の実施形態]
図4は第4の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1乃至第3の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図4に示すように、本発明にかかる第4の実施形態にかかるCO2回収装置は、第1の実施の形態において、さらに前記再生塔15の内部が上下に分割してなる上部再生塔15−U及び下部再生塔15−Lと、リッチ溶液14を分岐させるリッチ溶液供給管20に設けた分岐部24と、分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1に介装してなるスチーム凝縮水熱交換器21と、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に設けてなり、前記上部再生塔15−UでCO2を一部除去したセミリーン溶液28の余熱でリッチ溶液14を加熱するセミリーン溶液熱交換器29とを具備してなり、第1のリッチ溶液供給管20−1の端部が下部再生塔15−Lに接続し、第2のリッチ溶液供給管20−2の端部が上部再生塔15−Uに接続してなると共に、セミリーン溶液28を供給するセミリーン溶液供給管30の端部が吸収塔13の中段部分に接続してなるものである。
【0032】
本実施形態においては、前記再生加熱器18からのスチーム凝縮水19の余熱によりリッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21を設け、スチーム凝縮水の余熱にてリッチ溶液を加熱させたので、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなる。また、余熱を得たリッチ溶液14は、下部再生塔15−Lに導入され、ここで再生される。
また、上部再生塔15−Uでリッチ溶液14中のCO2の一部が除去されたセミリーン溶液28をセミリーン供給管30により外部へ取り出し、その余熱により、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に介装されたセミリーン溶液熱交換器29で熱交換するので、再生塔15に導入するリッチ溶液14の温度を上昇させることができ、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0033】
前記分岐部24における第1のリッチ溶液供給管20−1と第2のリッチ溶液供給管20−2のリッチ溶液14の分割割合は、25:75〜75:25とすればよい。
【0034】
[第5の実施形態]
図5は第5の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1乃至第4の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図5に示すように、本発明にかかる第5の実施形態にかかるCO2回収装置は、前記再生塔15が上中下に三分割してなる上部再生塔15−U、中部再生塔15−M及び下部再生塔15−Lと、リッチ溶液14を分岐させるリッチ溶液供給管20に設けた分岐部24と、分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1に介装してなるリーン溶液熱交換器23と、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に設けてなり、前記上部再生塔15−UでCO2を一部除去したセミリーン溶液28の余熱でリッチ溶液を加熱するセミリーン溶液熱交換器29と、中部再生塔15−MでCO2を一部除去したセミリーン溶液28を抜き出し管41により再生塔の外部へ抜き出し、スチーム凝縮水19の余熱でセミリーン溶液28を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21と、を具備してなり、第1のリッチ溶液供給管20−1の端部が中部再生塔15−Mに接続し、第2のリッチ溶液供給管20−2の端部が上部再生塔15−Uに接続してなり、抜き出し管41が下部再生塔15−Lに接続してなると共に、セミリーン溶液28を供給する供給管30の端部が吸収塔13の中段部分に接続してなるものである。
【0035】
本実施形態においては、抜き出し管41により抜き出されたセミリーン溶液28を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21を設け、スチーム凝縮水19の余熱にてセミリーン溶液28を加熱させたので、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなり、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
また、再生塔15にて再生されたリーン溶液16により、分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1に介装されたリーン溶液熱交換器23でリッチ溶液14を熱交換し、この余熱を得たリッチ溶液14は、中部再生塔15−Mに導入されるので、再生塔で使用するスチーム供給量を低減することができる。
また、上部再生塔15−Uでリッチ溶液14中のCO2の一部が除去されたセミリーン溶液28をセミリーン供給管30により外部へ取り出し、その余熱により、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に介装されたセミリーン溶液熱交換器29で熱交換するので、上部再生塔15―Uに導入するリッチ溶液14の温度を上昇させることができ、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0036】
前記分岐部24における第1のリッチ溶液供給管20−1と第2のリッチ溶液供給管20−2のリッチ溶液14の分割割合は、25:75〜75:25とすればよい。
【0037】
[第6の実施形態]
図6は第6の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1乃至第5の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図6に示すように、本発明にかかる第6の実施形態にかかるCO2回収装置は、前記再生塔を少なくとも二分割して上部再生塔15−U、下部再生塔15−Lとし、分割した上部再生塔15−Uから抜き出し管41を介して抜き出したCO2を一部除去したセミリーン溶液28を、前記スチーム凝縮水の余熱により加熱するスチーム凝縮水熱交換器21を具備してなり、加熱されたセミリーン溶液28を下部再生塔15−Lに供給するものである。
【0038】
本実施形態においては、前記再生加熱器18からのスチーム凝縮水19の余熱により抜き出し管41により抜き出されたセミリーン溶液28を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21を設け、スチーム凝縮水の余熱にてセミリーン溶液28を加熱させたので、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなり、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0039】
[第7の実施形態]
図7は第7の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1乃至第6の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図7に示すように、本発明にかかる第7の実施形態にかかるCO2回収装置は、第6の実施の形態の装置において、リッチ溶液14を分岐させるリッチ溶液供給管20に設けた第1の分岐部24−1と、第1の分岐部24−1で分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1に介装してなる第1のリーン溶液熱交換器23−1と、第1の分岐部24−1で分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に設けてなり、前記上部再生塔15−UでCO2を一部除去したセミリーン溶液28の余熱でリッチ溶液14を加熱するセミリーン溶液熱交換器29と、セミリーン溶液熱交換器29で熱交換後、第1のリッチ溶液供給管20−1と第2のリッチ溶液供給管20−2とを合流部42で合流させた合流リッチ液14を熱交換する第2のリーン溶液熱交換器23−2と、セミリーン溶液28を供給する供給管30のセミリーン溶液熱交換器29の後流側に設けられた第2の分岐部24−2と、第2の分岐部24−2で分岐した第1のセミリーン溶液供給管30−1に介装してなるスチーム凝縮水熱交換器21とを具備してなり、第1のセミリーン溶液供給管30−1の端部が下部再生塔15−Lに接続してなると共に、第2の分岐部で分岐した第2のセミリーン溶液供給管30−2の端部が吸収塔13の中段部分に接続してなるようにしたものである。
【0040】
本実施形態においては、上部再生塔14−Uから抜き出したセミリーン溶液28の余熱をセミリーン溶液熱交換器29において、リッチ溶液14を加熱させることでセミリーン溶液28の余熱を有効利用している。また、該セミリーン溶液28の一部を第1のセミリーン溶液供給管30−1を介して再度下部再生塔15−Lに戻す際に、スチーム凝縮水熱交換器21が設けられているので、該スチーム凝縮水19の余熱にてセミリーン溶液28を加熱させることができ、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなり、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0041】
また、リッチ溶液14は、一度分岐してセミリーン溶液熱交換器29で熱交換させると共に、他方の分岐したリッチ溶液も第1のリーン溶液熱交換器23−1で熱交換し、これらのリッチ溶液を合流部42で合流させた後に、さらに第2のリーン溶液熱交換器23−2で熱交換した後に、上部再生塔15−Uに供給するようにしたので、再生塔に導入されるリッチ溶液14の温度が上昇し、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0042】
[第8の実施形態]
図8は第8の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1及び第2の及び第3及び第4及び第5及び第6の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図8に示すように、本発明にかかる第8の実施形態にかかるCO2回収装置は、前記再生塔が少なくとも二分割して上部再生塔15−U、下部再生塔15−Lとし、分割した上部再生塔15−UからCO2を一部除去したセミリーン溶液28を抜き出す抜き出し管41に介装され、該セミリーン溶液28をリーン溶液供給管22内を流れる前記リーン溶液16の余熱により加熱する第1のリーン溶液熱交換器23−1と、抜き出し管41の第1のリーン溶液熱交換器23−1の後流側に設けられ、一度加熱されたセミリーン溶液28をスチーム凝縮水19で再度加熱するスチーム凝縮水熱交換器21とを併設してなり、前記セミリーン溶液28を加熱した後のリーン溶液の余熱でリッチ溶液14を加熱する第2のリーン溶液熱交換器23−2をリッチ溶液供給管20に設けたものである。
【0043】
本実施形態においては、上部再生塔15−Uから抜き出したセミリーン溶液28を第1のリーン溶液熱交換器23−1で加熱すると共に、さらにスチーム凝縮水熱交換器21で加熱することで、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなり、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0044】
また、再生塔内を複数段に分割し、分割された各再生塔から抜き出したセミリーン溶液28を、各々下段側の再生塔に戻す間に、リーン溶液熱交換器及びスチーム凝縮水熱交換器を用いて各々において熱交換させることで、再生塔15内で再生するセミリーン溶液28の温度を上昇させ、結果として再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0045】
[第9の実施形態]
図9は第9の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1乃至第8の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図9に示すように、本発明にかかる第8の実施形態にかかるCO2回収装置は、前記再生塔15が上中下に三分割してなる上部再生塔15−U、中部再生塔15−M及び下部再生塔15−Lと、上部再生塔15−Uから第1の抜き出し管41−1を介して抜き出したCO2を一部除去したセミリーン溶液28を、再生塔からのリーン溶液で加熱する第1のリーン溶液熱交換器23−1と、中部再生塔15−Mから第2の抜き出し管41−2を介して抜き出したCO2を一部除去したセミリーン溶液28を、スチーム凝縮水で加熱するスチーム凝縮水熱交換器21と、リッチ溶液供給管20に設けられ、前記中部再生塔15−Mから抜き出したセミリーン溶液28の一部でリッチ溶液14を加熱するセミリーン溶液熱交換器29と、リッチ溶液供給管20のセミリーン溶液熱交換器29の後流側に設けられ、前記セミリーン溶液28を加熱した後のリーン溶液16の余熱でリッチ溶液14を加熱する第2のリーン溶液熱交換器23−2とを具備してなり、加熱されたセミリーン溶液をそれぞれ再生塔の下段側に供給すると共に、前記セミリーン溶液熱交換器29での熱交換後のセミリーン溶液をセミリーン溶液供給管30を介して吸収塔13の中段部分に供給するようにしたものである。
【0046】
本実施形態においては、上部再生塔15−U及び中部再生塔15−Mから各々抜き出したセミリーン溶液28を第1のリーン溶液熱交換器23−1又はスチーム凝縮水熱交換器21で加熱することで、リーン溶液16及びスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなり、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
また、スチーム凝縮水熱交換器21で熱交換した後のセミリーン溶液28の余熱をリッチ溶液の加熱に用いると共に、第1のリーン溶液熱交換器23−1で熱交換したリーン溶液の余熱を第2のリーン溶液熱交換器23−2でリッチ溶液の加熱に用いることで、再生塔15に供給するリッチ溶液14の温度を上昇させることができ、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0047】
以下、本発明の効果を示す好適な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0048】
本発明による実施例1に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図10は、実施例1に係るCO2回収装置を示す概念図である。
図10に示すように、CO2吸収塔13に供給されたCO2含有排ガス11は、ノズル8から供給される所定濃度の吸収液12と充填部25a、25bで向流接触させられ、燃焼排ガス中のCO2はCO2吸収液12により吸収除去され、CO2が吸収除去された残りのCO2除去排ガス10は外部へ送られる。CO2 吸収塔13に供給される吸収液12はCO2を吸収し、その吸収による反応熱のため通常塔頂における温度よりも高温となり、CO2を吸収した吸収液排出ポンプ51により、リッチ溶液14としてリーン溶液熱交換器23及びスチーム凝縮水熱交換器21に送られ、加熱されて再生塔15へ導かれる。
【0049】
再生塔15では、スチーム17による再生加熱器18による加熱で吸収液が再生され、リーン溶液16としてリーン溶液熱交換器23および必要に応じて設けられた冷却器52により冷却されてCO2吸収塔13へ戻される。再生塔15の上部において、吸収液から分離されたCO2は再生塔還流冷却器53により冷却され、CO2分離器54にてCO2に同伴した水蒸気が凝縮した還流水と分離され、回収CO2排出ライン55より系外へ送出される。還流水56は還流水ポンプ57で再生塔15へ還流される。
【0050】
本実施例では、再生加熱器18で用いたスチームをCO2分離器54に導いてフラッシュさせ、スチーム凝縮水19として、スチーム凝縮水熱交換器21にてその余熱をリッチ溶液の加熱に用いている。
【0051】
比較として、スチーム凝縮水熱交換器21を設けない場合について、図22に示した。
【0052】
吸収塔13から排出されるリッチ溶液14の温度が50.5℃の場合、リーン溶液熱交換器23のみの場合には、114.2℃であったものが、実施例1においては、スチーム凝縮水熱交換器21を設けたので、116.7℃に上昇し、結果として、再生塔15でのスチーム消費量が97.96MMkcl/hとなった。
図10中、温度(℃)を四角で囲み、フローレイト(t/h)は平行四辺形で囲み、熱量(MMkcl/h)はかっこで示した。以下図11から21にて同様である。
【0053】
また、図22の比較例のスチーム消費量が98.77MMkcl/hであった。比較例を100とした場合、99.2%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は0.8%であった。
【実施例2】
【0054】
本発明による実施例2に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図11は、実施例2に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例2では、リッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21の後流側にフラッシュドラム61を設けたものである。このフラッシュドラム61の前段側において、スチーム凝縮水熱交換器21でリッチ溶液14を加熱するので、フラッシュドラム61にて、リッチ溶液14中のCO2を除去することができる。
なお、フラッシュドラム61からのリッチ溶液の温度が103.9℃であるが、CO2を一部除去しているので、再生塔15の入口温度を下げることは、塔頂部からの水蒸気の持ち出しを下げることとなり、好ましい。
実施例2においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が97.64MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、98.1%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は1.1%であった。
【実施例3】
【0055】
本発明による実施例3に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図12は、実施例3に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例3では、リッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21の前段側にフラッシュドラム61を設けたものである。このフラッシュドラム61の後段側において、スチーム凝縮水熱交換器21でリッチ溶液14を加熱するので、再生塔15に供給するリッチ溶液14中の温度を上昇させた。
実施例3においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が97.27MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、98.5%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は1.5%であった。
【実施例4】
【0056】
本発明による実施例4に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図13は、実施例4に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例4では、リッチ溶液14を分岐させ、その一部をフラッシュドラム型の熱交換器31に送り、ここでスチーム凝縮水からのスチームで熱交換させ、リッチ溶液14中のCO2を除去させた。この熱交換後のセミリーン溶液28の余熱を用いてセミリーン溶液熱交換器29で分岐した他方のリッチ溶液14を熱交換させ、再生塔15に供給するリッチ溶液14中の温度を上昇させるようにした。
実施例4においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が97.56MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、98.8%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は1.2%であった。
【実施例5】
【0057】
本発明による実施例5に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図14は、実施例5に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例5では、リッチ溶液14を分岐させ、その一部をフラッシュドラム型の熱交換器31に送り、その途中でスチーム凝縮水熱交換器21によりスチーム凝縮水19の余熱で熱交換させ、フラッシュドラム31において、リッチ溶液14中のCO2を除去効率を向上させた。この熱交換後のセミリーン溶液28の余熱を用いてセミリーン溶液熱交換器29で分岐した他方のリッチ溶液14を熱交換させ、再生塔15に供給するリッチ溶液14中の温度を上昇させるようにした。
実施例5においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が95.52MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、96.7%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は3.3%であった。
【実施例6】
【0058】
本発明による実施例6に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図15は、実施例6に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例6では、再生塔15を二分割させ、上部再生塔15−Uから抜き出したセミリーン溶液28をスチーム凝縮水熱交換器21によりスチーム凝縮水19の余熱で熱交換させ、下部再生塔15−Lに戻した。これにより、再生塔15に下部側に供給するセミリーン溶液の温度を上昇させるようにした。
実施例6においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が93.65MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、94.8%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は5.2%であった。
【実施例7】
【0059】
本発明による実施例7に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図16は、実施例7に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例7では、再生塔を2段に分割している。また、リッチ溶液14を分岐させ、分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1にリーン溶液熱交換器23を設け、その後流側でスチーム凝縮水熱交換器21を設けて、下部再生塔15に供給するリッチ溶液14の温度を上昇させるようにしている。また、上部再生塔15−Uからのセミリーン溶液28の余熱によるセミリーン溶液熱交換器29を分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に設けることで、上部再生塔15−Uに供給するリッチ溶液の温度を上昇させるようにした。
【0060】
なお、分岐割合は、第1のリッチ溶液を70%とし、第2のリッチ溶液を30%とした。
実施例7においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が93.58MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、94.8%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は5.2%であった。
【実施例8】
【0061】
本発明による実施例8に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図17は、実施例8に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例8では、再生塔15を二分割させ、上部再生塔15−Uから抜き出したセミリーン溶液28を先ず、第1のリーン溶液熱交換器23−1で熱交換させると共に、次いでスチーム凝縮水熱交換器21によりスチーム凝縮水19の余熱で熱交換させ、下部再生塔15−Lに戻した。これにより、再生塔15に下部側に供給するセミリーン溶液の温度を上昇させるようにした。
実施例8においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が91.1MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、92.3%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は7.7%であった。
【実施例9】
【0062】
本発明による実施例9に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図18は、実施例9に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例9では、再生塔15を四分割させ、第1再生塔15−1、第2再生塔15−2、第3再生塔15−3、第4再生塔15−4とした。そして、第1再生塔15−1及び第3再生塔15−3から抜き出したセミリーン溶液28は、それぞれスチーム凝縮水の余熱による第1スチーム凝縮水熱交換器21−1及び第2スチーム凝縮水熱交換器21−2で熱交換させた。再生塔の下部側の温度が高いので、スチーム凝縮水19の余熱を効率的に利用した。
【0063】
また、第2再生塔15−2から抜き出したセミリーン溶液は、リーン溶液16の余熱による第1リーン溶液熱交換器23−1で熱交換させた。また、第1再生塔15−1から抜き出したセミリーン溶液28は下段側の第2再生塔15−2戻す前に、第1リーン溶液熱交換器23−1で熱交換したリーン溶液16の余熱で熱交換させる第2リーン溶液熱交換器23−2において熱交換させた。本実施例では、その後、第3リーン溶液熱交換器23−3で吸収塔からのリッチ溶液14を熱交換させた。
実施例9においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が85.49MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、86.6%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は13.4%であった。
【実施例10】
【0064】
本発明による実施例10に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図19は、実施例9に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例10では、再生塔15を三分割させ、上部再生塔15−U、中部再生塔15−M、下部再生塔15−Lとした。そして、中部再生塔15−Mから抜き出したセミリーン溶液28は、スチーム凝縮水の余熱によるスーム凝縮水熱交換器21で熱交換させた。抜き出した一部のセミリーン溶液28は、リッチ溶液14を加熱するセミリーン溶液熱交換器29へ供給され、セミリーン溶液の余熱を効率的に利用した。
また、上部再生塔15−Uから抜き出したセミリーン溶液は、リーン溶液16の余熱による第1リーン溶液熱交換器23−1で熱交換させた。
また、セミリーン溶液熱交換器29で熱交換されたリッチ溶液14は、第1リーン溶液熱交換器23−1で熱交換したリーン溶液16の余熱で熱交換させる第2リーン溶液熱交換器23−2において熱交換させた。
実施例9においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が91.9MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、93.0%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は7%であった。
【実施例11】
【0065】
本発明による実施例11に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図20は、実施例11に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例11では、再生塔15を二分割させ、上部再生塔15−U、下部再生塔15−Lとした。そして、上部再生塔15−Uから抜き出したセミリーン溶液28は、セミリーン溶液熱交換器29で分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2のリッチ溶液を加熱させると共に、その後分岐させて、下部再生塔15−Lに供給する前にスチーム凝縮水の余熱によるスチーム凝縮水熱交換器21で熱交換させた。
また、第1のリッチ溶液供給管20−1のリッチ溶液は、第1リーン溶液熱交換器23−1で熱交換され、その後リッチ溶液を合流させ、リーン溶液16の余熱による第2リーン溶液熱交換器23−2で熱交換させ、再生塔15へ供給した。
実施例11においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が93.96MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、95.1%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は4.9%であった。
【実施例12】
【0066】
本発明による実施例12に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図21は、実施例12に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例12では、再生塔15を三分割させ、上部再生塔15−U、中部再生塔15−M、下部再生塔15−Lとした。そして、中部再生塔15−Mから抜き出したセミリーン溶液28は、スチーム凝縮水の余熱によるスーム凝縮水熱交換器21で熱交換させた。
また、リッチ溶液14を分割させ、第1のリッチ溶液供給管20−1には、リーン溶液熱交換器23を設けた。また、第2のリッチ溶液供給管20−2には、上部再生塔15−Uから抜き出したセミリーン溶液28を用いたリーン溶液熱交換器29を用いて、熱交換させ、セミリーン溶液の余熱を効率的に利用した。
実施例12においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が91.14MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、92.3%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は7.7%であった。
【符号の説明】
【0067】
11 CO2含有ガス
12 CO2吸収液
13 吸収塔
14 リッチ溶液
15 再生塔
16 リーン溶液
17 スチーム
18 再生加熱器
19 スチーム凝縮水
21 スチーム凝縮水熱交換器
22 リーン溶液供給管
23 リーン溶液熱交換器
8 ノズル
9 チムニートレイ
10 CO2除去排ガス
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネルギーを図ったCO2回収装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球の温暖化現象の原因の一つとして、CO2による温室効果が指摘され、地球環境を守る上で国際的にもその対策が急務となってきた。CO2の発生源としては化石燃料を燃焼させるあらゆる人間の活動分野に及び、その排出抑制への要求が一層強まる傾向にある。これに伴い大量の化石燃料を使用する火力発電所などの動力発生設備を対象に、ボイラの燃焼排ガスをアミン系CO2吸収液と接触させ、燃焼排ガス中のCO2を除去、回収する方法及び回収されたCO2を大気へ放出することなく貯蔵する方法が精力的に研究されている。
【0003】
また前記のようなCO2吸収液を用い、燃焼排ガスからCO2を除去・回収する工程としては、吸収塔において燃焼排ガスとCO2吸収液とを接触させる工程、CO2を吸収した吸収液を再生塔において加熱し、CO2を遊離させると共に吸収液を再生して再び吸収塔に循環して再使用するものが採用されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−51537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記CO2吸収液及び工程を用いて燃焼排ガスのようなCO2含有ガスからCO2を吸収除去・回収する方法においては、これらの工程は燃焼設備に付加して設置されるため、その操業費用もできるだけ低減させなければならない。特に前記工程の内、再生工程は多量の熱エネルギーを消費するので、可能な限り省エネルギープロセスとする必要がある。
【0006】
本発明は、前記問題に鑑み、エネルギー効率を一層向上させたCO2回収装置及び方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、CO2を含有するガスとCO2吸収液とを接触させてCO2を除去する吸収塔と、CO2を吸収したリッチ溶液を再生する再生塔と、再生塔でCO2を除去したリーン溶液を吸収塔で再利用するCO2回収装置であって、前記再生塔を複数段とし、上段側の再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し、下段側の再生塔の上部に導入する抜出し管と、前記抜出し管に介装され、前記セミリーン溶液を、リーン溶液の余熱により加熱するリーン溶液熱交換器と、を具備してなることを特徴とするCO2回収装置にある。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記抜出し管に介装され、リーン溶液の余熱により加熱する第1のリーン溶液熱交換器と、前記セミリーン溶液を加熱した後のリーン溶液の余熱でリッチ溶液を加熱する第2のリーン溶液熱交換器と、を具備してなることを特徴とするCO2回収装置にある。
【0009】
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記抜出し管に介装され、セミリーン溶液をスチーム凝縮水で熱交換するスチーム凝縮水熱交換器を具備してなることを特徴とするCO2回収装置にある。
【0010】
第4の発明は、第1又は2の発明において、前記再生塔が上中下に三分割してなる上部再生塔、中部再生塔及び下部再生塔とし、上部再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し、中部再生塔の上部に導入する第1の抜出し管と、前記抜出し管に介装され、リーン溶液の余熱により加熱する第1のリーン溶液熱交換器と、中部再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し、下部再生塔の上部に導入する第2の抜出し管と、前記第2の抜出し管に介装され、セミリーン溶液をスチーム凝縮水で熱交換するスチーム凝縮水熱交換器と、第2の抜出し管から分岐され、セミリーン溶液を、前記吸収塔の中段に供給するセミリーン溶液供給管と、を具備してなることを特徴とするCO2回収装置にある。
【0011】
第5の発明は、CO2を含有するガスとCO2吸収液とを吸収塔内で接触させてCO2を除去した後、該CO2を吸収したリッチ溶液を再生塔で再生し、その後再生したCO2を除去したリーン溶液を吸収塔で再利用するCO2回収方法であって、前記再生塔を複数段とし、上段側の再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し管により抜出し、下段側の再生塔の上部に導入すると共に、前記抜出し管により抜き出した前記セミリーン溶液を、リーン溶液の余熱により加熱することを特徴とするCO2回収方法にある。
【0012】
第6の発明は、第5の発明において、前記抜出し管により抜出されたセミリーン溶液を、リーン溶液の余熱により第1のリーン溶液熱交換器で加熱し、前記セミリーン溶液を加熱した後のリーン溶液の余熱でリッチ溶液14を第2のリーン溶液熱交換器で加熱することを特徴とするCO2回収方法にある。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、スチーム凝縮水の余熱を利用することで、省エネルギーを図ったCO2回収装置及び方法を提供することができる。
また、CO2を吸収したリッチ溶液を再生塔で再生する際に、該再生塔の途中から抜き出したCO2を一部除去したセミリーン溶液を用い、リーン溶液の余熱により加熱することで、エネルギー効率を向上させたCO2回収装置及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、第1の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図2】図2は、第2の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図3】図3は、第3の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図4】図4は、第4の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図5】図5は、第5の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図6】図6は、第6の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図7】図7は、第7の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図8】図8は、第8の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図9】図9は、第9の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図10】図10は、第1の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図11】図11は、第2の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図12】図12は、第3の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図13】図13は、第4の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図14】図14は、第5の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図15】図15は、第6の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図16】図16は、第7の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図17】図17は、第8の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図18】図18は、第9の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図19】図19は、第10の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図20】図20は、第11の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図21】図21は、第12の実施例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【図22】図22は、従来例にかかるCO2回収装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0016】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
以下、本発明の実施形態を説明し、ついで、好適な実施例について詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
図1は第1の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
図1に示すように、本発明にかかる第1の実施形態にかかるCO2回収装置は、CO2を含有するCO2含有ガス11とCO2を吸収するCO2吸収液12とを接触させてCO2を除去する吸収塔13と、CO2を吸収したリッチ溶液14を再生する再生塔15と、該再生塔15でCO2を除去したリーン溶液(再生液)16を吸収塔13で再利用するCO2回収装置であって、再生塔15の塔底部近傍に回収されたリーン溶液16を外部へ抜き出して高温スチーム17により熱交換する再生加熱器18と、吸収塔13から再生塔15にリッチ溶液14を供給するリッチ溶液供給管20に設けられ、前記再生加熱器18からのスチーム凝縮水19の余熱により該リッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21とを具備してなるものである。
【0018】
また、本実施形態では、再生塔15から吸収塔13にリーン溶液供給管22によりリーン溶液16を供給している。そして、前記リッチ溶液供給管20には、前記リーン溶液16の余熱によりリッチ溶液14を加熱するリーン溶液熱交換器23が設けられている。
なお、図1中、符号8はノズル、9はチムニートレイ、10はCO2除去排ガス、25a、25bは吸収塔13内に配設される充填層、26a、26bは再生塔15の内部に配設される充填層を各々図示する。
【0019】
本実施の形態で用いる熱交換器の種類は特に限定されるものではなく、例えばプレート熱交換器、シュエル&チューブ熱交換器等の公知の熱交換器を用いればよい。
【0020】
また、本発明で使用できるCO2吸収液としては特に限定されるものではないが、アルカノールアミンやアルコール性水酸基を有するヒンダードアミン類を例示することができる。このようなアルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジグリコールアミンなどを例示することができるが、通常モノエタノールアミン(MEA)が好んで用いられる。またアルコール性水酸基を有するヒンダードアミンとしては2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−(エチルアミノ)−エタノール(EAE)、2−(メチルアミノ)−エタノール(MAE)、2−(ジエチルアミノ)−エタノール(DEAE)などを例示できる。
【0021】
本実施形態においては、前記再生加熱器18からのスチーム凝縮水19の余熱によりリッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21を設けるようにしたので、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することで、再生塔15に供給するリッチ溶液14の供給温度を上昇させることができ、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0022】
ここで、CO2除去装置に供給されるCO2含有ガス11は図示しない冷却装置により冷却され、約40〜50℃程度で供給される。一方、再生された吸収液12であるリーン溶液16は図示しない冷却装置により、約40℃程度まで冷却されている。
CO2除去装置の吸収塔13からのリッチ溶液は加熱反応により、約50℃前後で再生塔15に送られている。再生塔15には、リーン溶液熱交換器23により、約110℃前後で送られているが、スチーム凝縮水の熱(例えば137℃の場合)により、スチーム凝縮水熱交換器21を設置することにより、リッチ溶液14の温度を数度上昇させることができる。
【0023】
また、図1の構成において、スチーム凝縮水熱交換器21の前後のいずれかに、リッチ溶液をフラッシュさせるフラッシュドラムを設け、該フラッシュドラムによりリッチ溶液中に含有するCO2を再生塔の外部で放散させることができる。この結果、再生塔15で再生するリッチ溶液14中のCO2の一部をフラッシュドラムにより予め除去するので、再生塔15内でCO2除去に用いるスチーム供給量を低減することができる。
【0024】
[第2の実施形態]
図2は第2の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図2に示すように、本発明にかかる第2の実施形態にかかるCO2回収装置は、第1の実施形態の構成において、さらにリッチ溶液14を分岐させるリッチ溶液供給管20に設けた分岐部24と、該分岐部24にて分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1に設けてなり、リッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21と、前記スチーム凝縮水熱交換器21の後流側に設けたフラッシュドラム27と、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に設けてなり、前記フラッシュドラム27でCO2を一部除去したセミリーン溶液28の余熱でリッチ溶液14を加熱するセミリーン溶液熱交換器29とを具備してなり、セミリーン溶液28を供給するセミリーン溶液供給管30の端部を吸収塔13の中段部分に接続してなるものである。また、第2のリッチ溶液供給管20−2は再生塔15の上段付近に接続され、再生塔15内でCO2を除去し、回収するようにしている。
【0025】
本実施形態においては、前記再生加熱器18からのスチーム凝縮水19の余熱によりリッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21を設け、スチーム凝縮水の余熱にてリッチ溶液を加熱させたので、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなる。また、余熱を得たリッチ溶液14は、その後フラッシュドラム27に導入される。そして、該フラッシュドラム27においてリッチ溶液14をフラッシュさせることで、CO2を除去効率を向上させている。また、フラッシュドラム27からのCO2を除去したセミリーン溶液28の余熱により、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に介装されたセミリーン溶液熱交換器29で熱交換するので、再生塔15に導入するリッチ溶液14の温度を上昇させることができ、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。フラッシュドラム27にてCO2を一部除去したセミリーン溶液28は、大部分のCO2が除去されているので、再生塔15で再生することなく、吸収塔13の中段部分に供給することで、CO2を吸収するようにしている。
また、フラッシュドラム27で除去されたCO2は、再生塔15からのCO2と合流し、別途回収される。
【0026】
前記分岐部24における第1のリッチ溶液供給管20−1と第2のリッチ溶液供給管20−2のリッチ溶液14の分割割合は、30:70〜70:30、好適には50:50とすればよい。
【0027】
本実施の形態では、さらに吸収塔13の内部を2段に分割し、上段充填層13−Uと下段充填層13−Lとし、上段充填層13−Uから外部へCO2を吸収した吸収液12を抜き出し、セミリーン溶液28と混合させることで、冷却するようにしている。これは、吸収反応は吸熱反応であるので、供給する液の温度を下げるほうが好ましいからである。本実施の形態では、40〜50℃程度まで下げるようにしている。
【0028】
[第3の実施形態]
図3は第3の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1及び第2の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図3に示すように、本発明にかかる第3の実施形態にかかるCO2回収装置は、第1の実施の形態において、さらにリッチ溶液14を分岐させるリッチ溶液供給管20に設けた分岐部24と、分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1の端部に設けられ、リッチ溶液14をフラッシュさせるスチーム凝縮水熱交換器31と、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に設けてなり、前記スチーム凝縮水熱交換器31でCO2を一部除去したセミリーン溶液28の余熱でリッチ溶液14を加熱するセミリーン溶液熱交換器29とを具備してなり、セミリーン溶液28を供給するセミリーン溶液供給管30の端部を吸収塔13の中段部分に接続してなるものである。
【0029】
本実施の形態においては、前記スチーム凝縮水熱交換器31は、上述したプレート熱交換器等の交換器ではなく、図3に示すように、リッチ溶液14をフラッシュさせるフラッシュ部32を上部側に設けた第1のフラッシュドラム33と、該フラッシュドラム33内に設けた充填層34と、前記フラッシュドラム下部に設けられ、スチーム凝縮水19からのスチーム35を供給するスチーム供給部36とから構成されてなるものである。
スチーム凝縮水19が加圧飽和水蒸気の場合には、第2のフラッシュドラム37を設けて常圧スチームとし、該スチーム35を第1のフラッシュドラム33に供給するようにし、このスチーム35の熱によりリッチ溶液14からCO2を除去するようにしている。
前記第1のフラッシュドラム33内でCO2の一部を除去したセミリーン溶液28は、その余熱を用いてセミリーン熱交換器29でリッチ溶液14を加熱させ、その後吸収塔13の中段部分に供給される。
【0030】
本実施形態においては、前記再生加熱器18からのスチーム凝縮水19の余熱により、分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1内のリッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器31を設け、スチーム35にてリッチ溶液を加熱させたので、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなる。このスチーム凝縮水熱交換器31でフラッシュによりCO2を除去したセミリーン溶液28は、その余熱を用いて、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に介装されたセミリーン溶液熱交換器29で熱交換するので、再生塔15に導入するリッチ溶液14の温度を上昇させることができ、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
また、第1のフラッシュドラム33で除去されたCO2は、再生塔15からのCO2と合流し、別途回収される。
なお、第1のフラッシュドラム33は、再生塔14に対して副再生塔の機能を果たしている。
【0031】
[第4の実施形態]
図4は第4の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1乃至第3の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図4に示すように、本発明にかかる第4の実施形態にかかるCO2回収装置は、第1の実施の形態において、さらに前記再生塔15の内部が上下に分割してなる上部再生塔15−U及び下部再生塔15−Lと、リッチ溶液14を分岐させるリッチ溶液供給管20に設けた分岐部24と、分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1に介装してなるスチーム凝縮水熱交換器21と、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に設けてなり、前記上部再生塔15−UでCO2を一部除去したセミリーン溶液28の余熱でリッチ溶液14を加熱するセミリーン溶液熱交換器29とを具備してなり、第1のリッチ溶液供給管20−1の端部が下部再生塔15−Lに接続し、第2のリッチ溶液供給管20−2の端部が上部再生塔15−Uに接続してなると共に、セミリーン溶液28を供給するセミリーン溶液供給管30の端部が吸収塔13の中段部分に接続してなるものである。
【0032】
本実施形態においては、前記再生加熱器18からのスチーム凝縮水19の余熱によりリッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21を設け、スチーム凝縮水の余熱にてリッチ溶液を加熱させたので、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなる。また、余熱を得たリッチ溶液14は、下部再生塔15−Lに導入され、ここで再生される。
また、上部再生塔15−Uでリッチ溶液14中のCO2の一部が除去されたセミリーン溶液28をセミリーン供給管30により外部へ取り出し、その余熱により、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に介装されたセミリーン溶液熱交換器29で熱交換するので、再生塔15に導入するリッチ溶液14の温度を上昇させることができ、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0033】
前記分岐部24における第1のリッチ溶液供給管20−1と第2のリッチ溶液供給管20−2のリッチ溶液14の分割割合は、25:75〜75:25とすればよい。
【0034】
[第5の実施形態]
図5は第5の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1乃至第4の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図5に示すように、本発明にかかる第5の実施形態にかかるCO2回収装置は、前記再生塔15が上中下に三分割してなる上部再生塔15−U、中部再生塔15−M及び下部再生塔15−Lと、リッチ溶液14を分岐させるリッチ溶液供給管20に設けた分岐部24と、分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1に介装してなるリーン溶液熱交換器23と、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に設けてなり、前記上部再生塔15−UでCO2を一部除去したセミリーン溶液28の余熱でリッチ溶液を加熱するセミリーン溶液熱交換器29と、中部再生塔15−MでCO2を一部除去したセミリーン溶液28を抜き出し管41により再生塔の外部へ抜き出し、スチーム凝縮水19の余熱でセミリーン溶液28を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21と、を具備してなり、第1のリッチ溶液供給管20−1の端部が中部再生塔15−Mに接続し、第2のリッチ溶液供給管20−2の端部が上部再生塔15−Uに接続してなり、抜き出し管41が下部再生塔15−Lに接続してなると共に、セミリーン溶液28を供給する供給管30の端部が吸収塔13の中段部分に接続してなるものである。
【0035】
本実施形態においては、抜き出し管41により抜き出されたセミリーン溶液28を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21を設け、スチーム凝縮水19の余熱にてセミリーン溶液28を加熱させたので、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなり、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
また、再生塔15にて再生されたリーン溶液16により、分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1に介装されたリーン溶液熱交換器23でリッチ溶液14を熱交換し、この余熱を得たリッチ溶液14は、中部再生塔15−Mに導入されるので、再生塔で使用するスチーム供給量を低減することができる。
また、上部再生塔15−Uでリッチ溶液14中のCO2の一部が除去されたセミリーン溶液28をセミリーン供給管30により外部へ取り出し、その余熱により、分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に介装されたセミリーン溶液熱交換器29で熱交換するので、上部再生塔15―Uに導入するリッチ溶液14の温度を上昇させることができ、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0036】
前記分岐部24における第1のリッチ溶液供給管20−1と第2のリッチ溶液供給管20−2のリッチ溶液14の分割割合は、25:75〜75:25とすればよい。
【0037】
[第6の実施形態]
図6は第6の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1乃至第5の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図6に示すように、本発明にかかる第6の実施形態にかかるCO2回収装置は、前記再生塔を少なくとも二分割して上部再生塔15−U、下部再生塔15−Lとし、分割した上部再生塔15−Uから抜き出し管41を介して抜き出したCO2を一部除去したセミリーン溶液28を、前記スチーム凝縮水の余熱により加熱するスチーム凝縮水熱交換器21を具備してなり、加熱されたセミリーン溶液28を下部再生塔15−Lに供給するものである。
【0038】
本実施形態においては、前記再生加熱器18からのスチーム凝縮水19の余熱により抜き出し管41により抜き出されたセミリーン溶液28を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21を設け、スチーム凝縮水の余熱にてセミリーン溶液28を加熱させたので、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなり、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0039】
[第7の実施形態]
図7は第7の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1乃至第6の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図7に示すように、本発明にかかる第7の実施形態にかかるCO2回収装置は、第6の実施の形態の装置において、リッチ溶液14を分岐させるリッチ溶液供給管20に設けた第1の分岐部24−1と、第1の分岐部24−1で分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1に介装してなる第1のリーン溶液熱交換器23−1と、第1の分岐部24−1で分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に設けてなり、前記上部再生塔15−UでCO2を一部除去したセミリーン溶液28の余熱でリッチ溶液14を加熱するセミリーン溶液熱交換器29と、セミリーン溶液熱交換器29で熱交換後、第1のリッチ溶液供給管20−1と第2のリッチ溶液供給管20−2とを合流部42で合流させた合流リッチ液14を熱交換する第2のリーン溶液熱交換器23−2と、セミリーン溶液28を供給する供給管30のセミリーン溶液熱交換器29の後流側に設けられた第2の分岐部24−2と、第2の分岐部24−2で分岐した第1のセミリーン溶液供給管30−1に介装してなるスチーム凝縮水熱交換器21とを具備してなり、第1のセミリーン溶液供給管30−1の端部が下部再生塔15−Lに接続してなると共に、第2の分岐部で分岐した第2のセミリーン溶液供給管30−2の端部が吸収塔13の中段部分に接続してなるようにしたものである。
【0040】
本実施形態においては、上部再生塔14−Uから抜き出したセミリーン溶液28の余熱をセミリーン溶液熱交換器29において、リッチ溶液14を加熱させることでセミリーン溶液28の余熱を有効利用している。また、該セミリーン溶液28の一部を第1のセミリーン溶液供給管30−1を介して再度下部再生塔15−Lに戻す際に、スチーム凝縮水熱交換器21が設けられているので、該スチーム凝縮水19の余熱にてセミリーン溶液28を加熱させることができ、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなり、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0041】
また、リッチ溶液14は、一度分岐してセミリーン溶液熱交換器29で熱交換させると共に、他方の分岐したリッチ溶液も第1のリーン溶液熱交換器23−1で熱交換し、これらのリッチ溶液を合流部42で合流させた後に、さらに第2のリーン溶液熱交換器23−2で熱交換した後に、上部再生塔15−Uに供給するようにしたので、再生塔に導入されるリッチ溶液14の温度が上昇し、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0042】
[第8の実施形態]
図8は第8の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1及び第2の及び第3及び第4及び第5及び第6の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図8に示すように、本発明にかかる第8の実施形態にかかるCO2回収装置は、前記再生塔が少なくとも二分割して上部再生塔15−U、下部再生塔15−Lとし、分割した上部再生塔15−UからCO2を一部除去したセミリーン溶液28を抜き出す抜き出し管41に介装され、該セミリーン溶液28をリーン溶液供給管22内を流れる前記リーン溶液16の余熱により加熱する第1のリーン溶液熱交換器23−1と、抜き出し管41の第1のリーン溶液熱交換器23−1の後流側に設けられ、一度加熱されたセミリーン溶液28をスチーム凝縮水19で再度加熱するスチーム凝縮水熱交換器21とを併設してなり、前記セミリーン溶液28を加熱した後のリーン溶液の余熱でリッチ溶液14を加熱する第2のリーン溶液熱交換器23−2をリッチ溶液供給管20に設けたものである。
【0043】
本実施形態においては、上部再生塔15−Uから抜き出したセミリーン溶液28を第1のリーン溶液熱交換器23−1で加熱すると共に、さらにスチーム凝縮水熱交換器21で加熱することで、再生加熱器18で使用されたスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなり、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0044】
また、再生塔内を複数段に分割し、分割された各再生塔から抜き出したセミリーン溶液28を、各々下段側の再生塔に戻す間に、リーン溶液熱交換器及びスチーム凝縮水熱交換器を用いて各々において熱交換させることで、再生塔15内で再生するセミリーン溶液28の温度を上昇させ、結果として再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0045】
[第9の実施形態]
図9は第9の実施の形態にかかるCO2回収装置の概略図である。
なお、第1乃至第8の実施の形態にかかるCO2回収装置の構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図9に示すように、本発明にかかる第8の実施形態にかかるCO2回収装置は、前記再生塔15が上中下に三分割してなる上部再生塔15−U、中部再生塔15−M及び下部再生塔15−Lと、上部再生塔15−Uから第1の抜き出し管41−1を介して抜き出したCO2を一部除去したセミリーン溶液28を、再生塔からのリーン溶液で加熱する第1のリーン溶液熱交換器23−1と、中部再生塔15−Mから第2の抜き出し管41−2を介して抜き出したCO2を一部除去したセミリーン溶液28を、スチーム凝縮水で加熱するスチーム凝縮水熱交換器21と、リッチ溶液供給管20に設けられ、前記中部再生塔15−Mから抜き出したセミリーン溶液28の一部でリッチ溶液14を加熱するセミリーン溶液熱交換器29と、リッチ溶液供給管20のセミリーン溶液熱交換器29の後流側に設けられ、前記セミリーン溶液28を加熱した後のリーン溶液16の余熱でリッチ溶液14を加熱する第2のリーン溶液熱交換器23−2とを具備してなり、加熱されたセミリーン溶液をそれぞれ再生塔の下段側に供給すると共に、前記セミリーン溶液熱交換器29での熱交換後のセミリーン溶液をセミリーン溶液供給管30を介して吸収塔13の中段部分に供給するようにしたものである。
【0046】
本実施形態においては、上部再生塔15−U及び中部再生塔15−Mから各々抜き出したセミリーン溶液28を第1のリーン溶液熱交換器23−1又はスチーム凝縮水熱交換器21で加熱することで、リーン溶液16及びスチーム凝縮水19の余熱を有効利用することとなり、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
また、スチーム凝縮水熱交換器21で熱交換した後のセミリーン溶液28の余熱をリッチ溶液の加熱に用いると共に、第1のリーン溶液熱交換器23−1で熱交換したリーン溶液の余熱を第2のリーン溶液熱交換器23−2でリッチ溶液の加熱に用いることで、再生塔15に供給するリッチ溶液14の温度を上昇させることができ、この結果再生塔15で使用するスチーム供給量を低減することができる。
【0047】
以下、本発明の効果を示す好適な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0048】
本発明による実施例1に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図10は、実施例1に係るCO2回収装置を示す概念図である。
図10に示すように、CO2吸収塔13に供給されたCO2含有排ガス11は、ノズル8から供給される所定濃度の吸収液12と充填部25a、25bで向流接触させられ、燃焼排ガス中のCO2はCO2吸収液12により吸収除去され、CO2が吸収除去された残りのCO2除去排ガス10は外部へ送られる。CO2 吸収塔13に供給される吸収液12はCO2を吸収し、その吸収による反応熱のため通常塔頂における温度よりも高温となり、CO2を吸収した吸収液排出ポンプ51により、リッチ溶液14としてリーン溶液熱交換器23及びスチーム凝縮水熱交換器21に送られ、加熱されて再生塔15へ導かれる。
【0049】
再生塔15では、スチーム17による再生加熱器18による加熱で吸収液が再生され、リーン溶液16としてリーン溶液熱交換器23および必要に応じて設けられた冷却器52により冷却されてCO2吸収塔13へ戻される。再生塔15の上部において、吸収液から分離されたCO2は再生塔還流冷却器53により冷却され、CO2分離器54にてCO2に同伴した水蒸気が凝縮した還流水と分離され、回収CO2排出ライン55より系外へ送出される。還流水56は還流水ポンプ57で再生塔15へ還流される。
【0050】
本実施例では、再生加熱器18で用いたスチームをCO2分離器54に導いてフラッシュさせ、スチーム凝縮水19として、スチーム凝縮水熱交換器21にてその余熱をリッチ溶液の加熱に用いている。
【0051】
比較として、スチーム凝縮水熱交換器21を設けない場合について、図22に示した。
【0052】
吸収塔13から排出されるリッチ溶液14の温度が50.5℃の場合、リーン溶液熱交換器23のみの場合には、114.2℃であったものが、実施例1においては、スチーム凝縮水熱交換器21を設けたので、116.7℃に上昇し、結果として、再生塔15でのスチーム消費量が97.96MMkcl/hとなった。
図10中、温度(℃)を四角で囲み、フローレイト(t/h)は平行四辺形で囲み、熱量(MMkcl/h)はかっこで示した。以下図11から21にて同様である。
【0053】
また、図22の比較例のスチーム消費量が98.77MMkcl/hであった。比較例を100とした場合、99.2%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は0.8%であった。
【実施例2】
【0054】
本発明による実施例2に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図11は、実施例2に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例2では、リッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21の後流側にフラッシュドラム61を設けたものである。このフラッシュドラム61の前段側において、スチーム凝縮水熱交換器21でリッチ溶液14を加熱するので、フラッシュドラム61にて、リッチ溶液14中のCO2を除去することができる。
なお、フラッシュドラム61からのリッチ溶液の温度が103.9℃であるが、CO2を一部除去しているので、再生塔15の入口温度を下げることは、塔頂部からの水蒸気の持ち出しを下げることとなり、好ましい。
実施例2においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が97.64MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、98.1%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は1.1%であった。
【実施例3】
【0055】
本発明による実施例3に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図12は、実施例3に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例3では、リッチ溶液14を加熱するスチーム凝縮水熱交換器21の前段側にフラッシュドラム61を設けたものである。このフラッシュドラム61の後段側において、スチーム凝縮水熱交換器21でリッチ溶液14を加熱するので、再生塔15に供給するリッチ溶液14中の温度を上昇させた。
実施例3においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が97.27MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、98.5%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は1.5%であった。
【実施例4】
【0056】
本発明による実施例4に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図13は、実施例4に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例4では、リッチ溶液14を分岐させ、その一部をフラッシュドラム型の熱交換器31に送り、ここでスチーム凝縮水からのスチームで熱交換させ、リッチ溶液14中のCO2を除去させた。この熱交換後のセミリーン溶液28の余熱を用いてセミリーン溶液熱交換器29で分岐した他方のリッチ溶液14を熱交換させ、再生塔15に供給するリッチ溶液14中の温度を上昇させるようにした。
実施例4においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が97.56MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、98.8%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は1.2%であった。
【実施例5】
【0057】
本発明による実施例5に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図14は、実施例5に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例5では、リッチ溶液14を分岐させ、その一部をフラッシュドラム型の熱交換器31に送り、その途中でスチーム凝縮水熱交換器21によりスチーム凝縮水19の余熱で熱交換させ、フラッシュドラム31において、リッチ溶液14中のCO2を除去効率を向上させた。この熱交換後のセミリーン溶液28の余熱を用いてセミリーン溶液熱交換器29で分岐した他方のリッチ溶液14を熱交換させ、再生塔15に供給するリッチ溶液14中の温度を上昇させるようにした。
実施例5においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が95.52MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、96.7%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は3.3%であった。
【実施例6】
【0058】
本発明による実施例6に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図15は、実施例6に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例6では、再生塔15を二分割させ、上部再生塔15−Uから抜き出したセミリーン溶液28をスチーム凝縮水熱交換器21によりスチーム凝縮水19の余熱で熱交換させ、下部再生塔15−Lに戻した。これにより、再生塔15に下部側に供給するセミリーン溶液の温度を上昇させるようにした。
実施例6においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が93.65MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、94.8%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は5.2%であった。
【実施例7】
【0059】
本発明による実施例7に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図16は、実施例7に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例7では、再生塔を2段に分割している。また、リッチ溶液14を分岐させ、分岐した第1のリッチ溶液供給管20−1にリーン溶液熱交換器23を設け、その後流側でスチーム凝縮水熱交換器21を設けて、下部再生塔15に供給するリッチ溶液14の温度を上昇させるようにしている。また、上部再生塔15−Uからのセミリーン溶液28の余熱によるセミリーン溶液熱交換器29を分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2に設けることで、上部再生塔15−Uに供給するリッチ溶液の温度を上昇させるようにした。
【0060】
なお、分岐割合は、第1のリッチ溶液を70%とし、第2のリッチ溶液を30%とした。
実施例7においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が93.58MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、94.8%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は5.2%であった。
【実施例8】
【0061】
本発明による実施例8に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図17は、実施例8に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例8では、再生塔15を二分割させ、上部再生塔15−Uから抜き出したセミリーン溶液28を先ず、第1のリーン溶液熱交換器23−1で熱交換させると共に、次いでスチーム凝縮水熱交換器21によりスチーム凝縮水19の余熱で熱交換させ、下部再生塔15−Lに戻した。これにより、再生塔15に下部側に供給するセミリーン溶液の温度を上昇させるようにした。
実施例8においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が91.1MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、92.3%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は7.7%であった。
【実施例9】
【0062】
本発明による実施例9に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図18は、実施例9に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例9では、再生塔15を四分割させ、第1再生塔15−1、第2再生塔15−2、第3再生塔15−3、第4再生塔15−4とした。そして、第1再生塔15−1及び第3再生塔15−3から抜き出したセミリーン溶液28は、それぞれスチーム凝縮水の余熱による第1スチーム凝縮水熱交換器21−1及び第2スチーム凝縮水熱交換器21−2で熱交換させた。再生塔の下部側の温度が高いので、スチーム凝縮水19の余熱を効率的に利用した。
【0063】
また、第2再生塔15−2から抜き出したセミリーン溶液は、リーン溶液16の余熱による第1リーン溶液熱交換器23−1で熱交換させた。また、第1再生塔15−1から抜き出したセミリーン溶液28は下段側の第2再生塔15−2戻す前に、第1リーン溶液熱交換器23−1で熱交換したリーン溶液16の余熱で熱交換させる第2リーン溶液熱交換器23−2において熱交換させた。本実施例では、その後、第3リーン溶液熱交換器23−3で吸収塔からのリッチ溶液14を熱交換させた。
実施例9においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が85.49MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、86.6%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は13.4%であった。
【実施例10】
【0064】
本発明による実施例10に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図19は、実施例9に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例10では、再生塔15を三分割させ、上部再生塔15−U、中部再生塔15−M、下部再生塔15−Lとした。そして、中部再生塔15−Mから抜き出したセミリーン溶液28は、スチーム凝縮水の余熱によるスーム凝縮水熱交換器21で熱交換させた。抜き出した一部のセミリーン溶液28は、リッチ溶液14を加熱するセミリーン溶液熱交換器29へ供給され、セミリーン溶液の余熱を効率的に利用した。
また、上部再生塔15−Uから抜き出したセミリーン溶液は、リーン溶液16の余熱による第1リーン溶液熱交換器23−1で熱交換させた。
また、セミリーン溶液熱交換器29で熱交換されたリッチ溶液14は、第1リーン溶液熱交換器23−1で熱交換したリーン溶液16の余熱で熱交換させる第2リーン溶液熱交換器23−2において熱交換させた。
実施例9においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が91.9MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、93.0%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は7%であった。
【実施例11】
【0065】
本発明による実施例11に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図20は、実施例11に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例11では、再生塔15を二分割させ、上部再生塔15−U、下部再生塔15−Lとした。そして、上部再生塔15−Uから抜き出したセミリーン溶液28は、セミリーン溶液熱交換器29で分岐した第2のリッチ溶液供給管20−2のリッチ溶液を加熱させると共に、その後分岐させて、下部再生塔15−Lに供給する前にスチーム凝縮水の余熱によるスチーム凝縮水熱交換器21で熱交換させた。
また、第1のリッチ溶液供給管20−1のリッチ溶液は、第1リーン溶液熱交換器23−1で熱交換され、その後リッチ溶液を合流させ、リーン溶液16の余熱による第2リーン溶液熱交換器23−2で熱交換させ、再生塔15へ供給した。
実施例11においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が93.96MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、95.1%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は4.9%であった。
【実施例12】
【0066】
本発明による実施例12に係るCO2回収装置について、図面を参照して説明する。
図21は、実施例12に係るCO2回収装置を示す概念図である。なお、実施例1と同様の部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
実施例12では、再生塔15を三分割させ、上部再生塔15−U、中部再生塔15−M、下部再生塔15−Lとした。そして、中部再生塔15−Mから抜き出したセミリーン溶液28は、スチーム凝縮水の余熱によるスーム凝縮水熱交換器21で熱交換させた。
また、リッチ溶液14を分割させ、第1のリッチ溶液供給管20−1には、リーン溶液熱交換器23を設けた。また、第2のリッチ溶液供給管20−2には、上部再生塔15−Uから抜き出したセミリーン溶液28を用いたリーン溶液熱交換器29を用いて、熱交換させ、セミリーン溶液の余熱を効率的に利用した。
実施例12においては、結果として再生塔15でのスチーム消費量が91.14MMkcl/hとなった。比較例を100とした場合、92.3%となるので、蒸気原単位削減率(改善効果)は7.7%であった。
【符号の説明】
【0067】
11 CO2含有ガス
12 CO2吸収液
13 吸収塔
14 リッチ溶液
15 再生塔
16 リーン溶液
17 スチーム
18 再生加熱器
19 スチーム凝縮水
21 スチーム凝縮水熱交換器
22 リーン溶液供給管
23 リーン溶液熱交換器
8 ノズル
9 チムニートレイ
10 CO2除去排ガス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CO2を含有するガスとCO2吸収液とを接触させてCO2を除去する吸収塔と、CO2を吸収したリッチ溶液を再生する再生塔と、再生塔でCO2を除去したリーン溶液を吸収塔で再利用するCO2回収装置であって、
前記再生塔を複数段とし、上段側の再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し、下段側の再生塔の上部に導入する抜出し管と、
前記抜出し管に介装され、前記セミリーン溶液を、リーン溶液の余熱により加熱するリーン溶液熱交換器と、を具備してなることを特徴とするCO2回収装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記抜出し管に介装され、リーン溶液の余熱により加熱する第1のリーン溶液熱交換器と、
前記セミリーン溶液を加熱した後のリーン溶液の余熱でリッチ溶液を加熱する第2のリーン溶液熱交換器と、を具備してなることを特徴とするCO2回収装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記抜出し管に介装され、セミリーン溶液をスチーム凝縮水で熱交換するスチーム凝縮水熱交換器を具備してなることを特徴とするCO2回収装置。
【請求項4】
請求項1又は2において、
前記再生塔が上中下に三分割してなる上部再生塔、中部再生塔及び下部再生塔とし、
上部再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し、中部再生塔の上部に導入する第1の抜出し管と、
前記抜出し管に介装され、リーン溶液の余熱により加熱する第1のリーン溶液熱交換器と、
中部再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し、下部再生塔の上部に導入する第2の抜出し管と、
前記第2の抜出し管に介装され、セミリーン溶液をスチーム凝縮水で熱交換するスチーム凝縮水熱交換器と、
第2の抜出し管から分岐され、セミリーン溶液を、前記吸収塔の中段に供給するセミリーン溶液供給管と、を具備してなることを特徴とするCO2回収装置。
【請求項5】
CO2を含有するガスとCO2吸収液とを吸収塔内で接触させてCO2を除去した後、該CO2を吸収したリッチ溶液を再生塔で再生し、その後再生したCO2を除去したリーン溶液を吸収塔で再利用するCO2回収方法であって、
前記再生塔を複数段とし、上段側の再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し管により抜出し、下段側の再生塔の上部に導入すると共に、
前記抜出し管により抜き出した前記セミリーン溶液を、リーン溶液の余熱により加熱することを特徴とするCO2回収方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記抜出し管により抜出されたセミリーン溶液を、リーン溶液の余熱により第1のリーン溶液熱交換器で加熱し、
前記セミリーン溶液を加熱した後のリーン溶液の余熱でリッチ溶液14を第2のリーン溶液熱交換器で加熱することを特徴とするCO2回収方法。
【請求項1】
CO2を含有するガスとCO2吸収液とを接触させてCO2を除去する吸収塔と、CO2を吸収したリッチ溶液を再生する再生塔と、再生塔でCO2を除去したリーン溶液を吸収塔で再利用するCO2回収装置であって、
前記再生塔を複数段とし、上段側の再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し、下段側の再生塔の上部に導入する抜出し管と、
前記抜出し管に介装され、前記セミリーン溶液を、リーン溶液の余熱により加熱するリーン溶液熱交換器と、を具備してなることを特徴とするCO2回収装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記抜出し管に介装され、リーン溶液の余熱により加熱する第1のリーン溶液熱交換器と、
前記セミリーン溶液を加熱した後のリーン溶液の余熱でリッチ溶液を加熱する第2のリーン溶液熱交換器と、を具備してなることを特徴とするCO2回収装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記抜出し管に介装され、セミリーン溶液をスチーム凝縮水で熱交換するスチーム凝縮水熱交換器を具備してなることを特徴とするCO2回収装置。
【請求項4】
請求項1又は2において、
前記再生塔が上中下に三分割してなる上部再生塔、中部再生塔及び下部再生塔とし、
上部再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し、中部再生塔の上部に導入する第1の抜出し管と、
前記抜出し管に介装され、リーン溶液の余熱により加熱する第1のリーン溶液熱交換器と、
中部再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し、下部再生塔の上部に導入する第2の抜出し管と、
前記第2の抜出し管に介装され、セミリーン溶液をスチーム凝縮水で熱交換するスチーム凝縮水熱交換器と、
第2の抜出し管から分岐され、セミリーン溶液を、前記吸収塔の中段に供給するセミリーン溶液供給管と、を具備してなることを特徴とするCO2回収装置。
【請求項5】
CO2を含有するガスとCO2吸収液とを吸収塔内で接触させてCO2を除去した後、該CO2を吸収したリッチ溶液を再生塔で再生し、その後再生したCO2を除去したリーン溶液を吸収塔で再利用するCO2回収方法であって、
前記再生塔を複数段とし、上段側の再生塔の下部から、CO2を一部除去したセミリーン溶液を抜出し管により抜出し、下段側の再生塔の上部に導入すると共に、
前記抜出し管により抜き出した前記セミリーン溶液を、リーン溶液の余熱により加熱することを特徴とするCO2回収方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記抜出し管により抜出されたセミリーン溶液を、リーン溶液の余熱により第1のリーン溶液熱交換器で加熱し、
前記セミリーン溶液を加熱した後のリーン溶液の余熱でリッチ溶液14を第2のリーン溶液熱交換器で加熱することを特徴とするCO2回収方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−39573(P2013−39573A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−248840(P2012−248840)
【出願日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【分割の表示】特願2011−271(P2011−271)の分割
【原出願日】平成16年3月15日(2004.3.15)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【分割の表示】特願2011−271(P2011−271)の分割
【原出願日】平成16年3月15日(2004.3.15)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【Fターム(参考)】
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