CT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置、キャリブレーション装置のキャリブレーション方法、並びCT装置のキャリブレーション方法
【課題】 コストが低いキャリブレーション装置及びキャリブレーション方法、CT装置のキャリブレーション方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 CT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置は分割窓、分割窓フレーム、本体フレーム及びスプリングを備える。分割窓フレームは分割窓を支持し、スプリングは一端が分割窓フレームに接続され、他端が本体フレームに接続される。CT装置のキャリブレーション方法は、回転平面の校正を行い、窓でのビームの校正を行い、X線管が冷やされた後検出器とX線管の焦点とをアライメントし、コリメータと検出器とをx軸方向でアライメントし、z軸方向でコリメータを校正し、z軸方向でコリメータが校正されて得られたX線管の焦点がz軸方向での偏移量に基づいて、偏移量が0になるまでに上述のステップを順に繰り返す。
【解決手段】 CT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置は分割窓、分割窓フレーム、本体フレーム及びスプリングを備える。分割窓フレームは分割窓を支持し、スプリングは一端が分割窓フレームに接続され、他端が本体フレームに接続される。CT装置のキャリブレーション方法は、回転平面の校正を行い、窓でのビームの校正を行い、X線管が冷やされた後検出器とX線管の焦点とをアライメントし、コリメータと検出器とをx軸方向でアライメントし、z軸方向でコリメータを校正し、z軸方向でコリメータが校正されて得られたX線管の焦点がz軸方向での偏移量に基づいて、偏移量が0になるまでに上述のステップを順に繰り返す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CT装置に関し、特にキャリブレーション装置及びキャリブレーション方法、CT装置のキャリブレーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医師の病気に対する診断及び治療への支援のために、患者の各部位の撮影が可能なCT装置が医療分野に広く使われている。
【0003】
CT装置を使用する際、まず2つの決定的なステップが行われる。すなわち、X線管及びコリメータを走査平面にアライメントするステップと、X線管、コリメータ及び検出器を走査平面にアライメントするステップとが行われる。この2つのステップをPOR(Plane of Rotation)及びBOW(BEAM on Window)と称する。PORはX線ビームが回転平面に平行である。これにより、X線管をz軸方向に移動させることでX線管の焦点とコリメータの中心とがアライメントされることを確保する。BOWはPORの後に、z軸方向で検出器を調整することにより、X線ビームがz軸方向で検出器の中心に位置するようにする。この考え方は、X線管の焦点及びコリメータを参照平面とし、検出器の中心をこの参照平面に位置させるというものである。
【0004】
図1は、1列のCT装置を示す図である。図1に示されたように、このCT装置はX線管10、コリメータ11及び検出器12を備える。なお、回転平面はX線管10の中心、コリメータ11の中心及び検出器12の中心がアライメントされた際の平面で、z軸方向は回転平面に垂直な方向を示している。
【0005】
従来、PORにおいて、CT装置の後蓋の口径の底部にフィルムを置き、それぞれにX線管の0度の位置及び180度の位置に置き、フィルムに対して二回露光を行う。この二回の露光で得られたX線ビーム分布図の差がアライメントのずれ量である。アライメントのずれ量は一般的に直定規又はマイクロメーターで測定して得られる。その後、得られたアライメントのずれ量に基づいてX線管を調整し二回の露光で得られたX線ビームの分布図の差が基本的に0になるとPORがアライメントされていることを示す。
【0006】
BOWにおいて、従来は検出器チャンネルの左側、中央及び右側にそれぞれに3つのフィルムを置き、その3つのフィルムに対して露光を行い、3つの箇所でのアライメントのずれ量が得られるようにフィルムを検査する方法が使われる。その後、該アライメントのずれ量が基本的に0になるように調整されると、BOWがアライメントされていることを示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−029647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の技術は簡単、有効及び理解しやすいが、以下のデメリットがある。
まず、上述の方法にはフィルムが使われるが、フィルムは一回限りのものである。普通、POR及びBOWに合わせて少なくとも8枚のフィルムが必要で、その中でアライメント前に4枚が必要で、アライメント後の再検査にさらに4枚が必要である。再検査が失敗すれば、さらに多いフィルムが必要である。このため、従来技術はコストが高くなる。
【0009】
次に、フィルムが使われているので、環境保護に影響がある。
さらに、従来技術では直定規又はマイクロメーターでアライメントのずれ量を測定するが、フィルムの分布縁部がはっきり見えないことが多いので、得られた結果が正確ではない。
【0010】
本発明は、コストが低いキャリブレーション装置及びキャリブレーション方法、CT装置のキャリブレーション方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の問題を解決するために、本発明のCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置は、分割窓、分割窓フレーム、本体フレーム及びスプリングを備え、分割窓フレームは分割窓を支持し、スプリングは一端が分割窓フレームに接続され、他端が本体フレームに接続される。
【0012】
好ましくは、分割窓の2つの中心線が分割窓を4つの領域に分け、対角線にある2つの領域には2つの窓がそれぞれ設けられている。
【0013】
さらに好ましくは、CT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置は分割窓を調節するボルトを備える。
【0014】
また、前記キャリブレーション装置を用いてCT装置のX線発生装置及び検出器の位置をキャリブレーションするキャリブレーション方法は、
キャリブレーション装置を走査平面の1位置に置き、
CT装置のX線発生装置がキャリブレーション装置に対してそれぞれに0度及び180度露光を行い、
検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいて、X線管の偏移量を獲得し、
X線管の偏移量に基づいてX線管を調節してX線管の焦点及びコリメータの中心を走査平面に位置決めする工程を含む。
【0015】
また、本発明のキャリブレーション方法は、
キャリブレーション装置を検出器チャンネルの左側、中央及右側に置き、
この3つのキャリブレーション装置に対して露光を行い、
露光後に検出器が得られたデータを獲得し、
獲得したデータに基づいてこの3つの位置でのアライメントのずれ量を計算して獲得し、
アライメントのずれ量が0になるように検出器を調整する工程を含むものである。
【0016】
好ましくは、検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいたX線管の偏移量の獲得は、
キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が検出器での変位aを計算し、
以下の数式によりX線管の偏移量??を獲得するものである。
【数1】
ここで、
CはX線管10の焦点から2位置までの距離を示し、
EはX線管10の焦点からコリメータの孔までの距離を示し、
AはX線管10の焦点から検出器12までの距離を示し、
Dは1位置から2位置までの距離を示す。
【0017】
キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が検出器での変位aは以下の数式により得られる。
【数2】
ここで、
【数3】
γはキャリブレーション装置と空気投射との比例で、
Tは回転中心でのX線の厚さで、
NはX線管の焦点からISOの中心までの距離で、
PAはA窓での平均投射データを示し、
PBはB窓での平均投射データを示す。
【0018】
また、本発明のCT装置のキャリブレーション方法は、
回転平面の校正を行い、
窓でのビームの校正を行い、
X線管が冷やされた後検出器とX線管の焦点とをアライメントし、
コリメータと検出器とをx軸方向でアライメントし、
z軸方向でコリメータを校正し、
z軸方向でコリメータが校正されて得られたX線管の焦点がz軸方向での偏移量に基づいて、偏移量が0になるまでに上述のステップを順に繰り返す工程を含むものである。
【0019】
好ましくは、回転平面の校正は、
キャリブレーション装置を走査平面の1位置に置き、
CT装置のX線発生装置がキャリブレーション装置に対してそれぞれに0度及び180度露光を行い、
検出器に投射されるX線分布及びX線管とISO中心との三角関係に基づいて、X線管の偏移量を獲得し、
X線管の偏移量に基づいてX線管を調節してX線管の焦点及びコリメータの中心を走査平面に位置決めする工程を含む。
【0020】
好ましくは、窓でのビームの校正は、
キャリブレーション装置を検出器チャンネルの左側、中央及び右側に置き、
この3つのキャリブレーション装置に対して露光を行い、
露光後に検出器が得られたデータを獲得し、
獲得したデータに基づいてこの3つの位置でのアライメントのずれ量を計算して獲得し、
アライメントのずれ量が0になるように検出器を調整するする工程を含む。
【0021】
検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいたX線管の偏移量の獲得は、
キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が検出器での変位aを計算し、
以下の数式によりX線管の偏移量??を獲得するものである。
【数4】
ここで、
CはX線管10の焦点から2位置までの距離を示し、
EはX線管10の焦点からコリメータの孔までの距離を示し、
AはX線管10の焦点から検出器12までの距離を示し、
Dは1位置から2位置までの距離を示す。
【0022】
キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が検出器での変位aは以下の数式により得られる。
【数5】
ここで、
【数6】
γはキャリブレーション装置と空気投射との比例で、
Tは回転中心でのX線の厚さで、
NはX線管の焦点からISOの中心までの距離で、
PAはA窓での平均投射データを示し、
PBはB窓での平均投射データを示す。
【発明の効果】
【0023】
従来技術と比べれば、本発明のキャリブレーション装置及びキャリブレーション方法、CT装置のキャリブレーション方法は以下の有益な効果がある。
【0024】
まず、本発明のキャリブレーション装置は繰り返して使用することができるので、フィルムが必要せず、コストを下げることができる。
次に、フィルムが使われないので、環境保護に影響がない。
さらに、本発明は直定規又はマイクロメーターが必要せずにアライメントのずれ量を測定することができるので、得られた結果がより正確である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下、本開示内容をより容易に理解するために、図面を参照しながら説明する。
【図1】CT装置の構成を示した図である。
【図2】本発明のCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置の構成を示した図である。
【図3】X線管が偏移した状態でのX線分布を示した図である。
【図4】X線管の位置を調整する三角関係を示した図である。
【図5】検出器の位置を調整する際にキャリブレーション装置が検出器での位置を示した図である。
【図6】X線管が偏移した状態で検出器が得られたデータ分布図である。
【図7】X線管が偏移していない状態で検出器が得られたデータ分布図である。
【図8】X線管が偏移した状態でのキャリブレーション装置のX線分布を示した図である。
【図9】X線管が偏移した状態でのキャリブレーション装置のX線分布を示した図である。
【図10】本発明のCT装置のキャリブレーション方法を示した図である。
【図11a】検出器のX線強度、検出器及び信号幅を示した図である。
【図11b】コリメータのカムのz軸方向の移動を示した図である。
【図11c】検出器ユニットが検出された信号幅とカムに対応する検出器の位置との関係を示した図である。
【図11d】X線管の焦点位置の確定を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について詳しく説明するが、本発明は後述の実施形態に限られない。
図2に示されたように、CT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置は、分割窓3、分割窓フレーム2、本体フレーム1及びスプリング4を備える。
【0027】
ここで、分割窓フレーム2は分割窓3を支持し、スプリング4は一端が分割窓フレーム2に接続され、他端が本体フレーム1に接続されている。分割窓3はX線が検出器12での位置を区別することができ。本体フレーム1はキャリブレーション装置全体をスキャンフレーム13に固定する。スプリング4は分割窓3が検出器12に対する位置を調整する。
【0028】
また、分割窓3の2つの中心線が分割窓3を4つの領域に分け、対角線にある2つの領域には2つの窓が設けられ、それぞれにA窓6及びB窓7である。
【0029】
さらに図2に示されたように、該キャリブレーション装置は分割窓3を調整するボルト5を備え、ボルト5はスプリング4とともに分割窓3が検出器12に対する位置を調整する。
【0030】
以下、本発明のCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置(明細書では「jig」と称する)を用いたキャリブレーション方法について説明する。
【0031】
jigをCT回転中心と検出器との間のある位置に置き、本実施形態ではjigから回転中心までの距離は210mm。
【0032】
図3では、CT装置を取り付けた後、普通の場合でのISO中心線と走査平面との関係を示している。図3に示されたように、X線管10の焦点が理論的な走査平面に位置していない。但し、理論的にはX線管10の焦点、コリメータ11の中心及び検出器12の中心は走査平面に位置しなければならない。
【0033】
まず、PORキャリブレーションが行われる。
図4では、X線管10がそれぞれに0度位置及び180度位置でX線を発射してjigをスキャンした後にこの2回のスキャンがz軸方向で現れた幾何関係を示している。
【0034】
図4において、
CはX線管10の焦点から2位置までの距離を示し、
EはX線管10の焦点からコリメータの孔までの距離を示し、
AはX線管10の焦点から検出器12までの距離を示し、
Dは1位置から2位置までの距離を示す。
【0035】
まずjigを走査平面の1位置(このとき、X線管10が0度位置にある)に置き、仮にjigの中心が検出器12に投射されると、jigに対してスキャンを行い、検出器12でX線分布が得られる。次にjigを2位置に移動又はスキャンフレーム13を180度回転した後、jigに対してスキャンを行い、検出器12で別のX線分布が得られる。X線管10の焦点がコリメータ11の中心又は走査平面まで偏移量(??で表示)があると、jigの検出器12での投射が距離a移動(aはjigが1位置から2位置まで移動した際、jigの中心が検出器12での投射の変位を示す)する。
【0036】
幾何関係によると、以下の数式(1)及び数式(2)が得られる。
【数7】
… 数式(1)
【数8】
… 数式(2)
【0037】
数式(1)及び数式(2)から数式(3)が得られる。
【数9】
… 数式(3)
【0038】
数式(3)のパラメータにおいて、あるCT装置の幾何構成からA、C、D及びEは既知で、パラメータaのみが計算で得られる必要がある。
【0039】
図5では、jig及び検出器でのX線分布を示している。図5に示されたように、X線分布の中心線がjigの中心線とアライメントされないと、A窓でのX線分布とB窓のX線分布とは異なる。A窓及びB窓でのX線分布の差は検出器の元のデータ(X線管10が0度でスキャンして得られたデータ)から計算して得られる。一枚の検出器にz軸解像度がないことはよく知られている。これがA窓とB窓とをjigの中心線の両側に配置し中心線方向で重畳領域がないようにする原因である。本発明では、検出器のX線解像度によりz軸解像度を解決する。
【0040】
図6は、jigが1位置にあるとき、X線管10からのX線がjigに照射し、A窓及びB窓の中のX線分布を示した図である。図6に示されたように、この2つの窓でのX線分布の差は大きい。図7に示されたように、z軸方向にボルト5を調整することで、A窓とB窓とのX線分布の差が基本的に同じになる。次に、jigを2位置に移動又はスキャンフレーム13を180度回転することで、A窓及びB窓でそれぞれに別のX線分布が得られる。X線管10の焦点がz軸方向でコリメータ11の中心に対して偏移量があると、図8に示されたように、このときA窓とB窓とのX線分布は必ず異なる。
【0041】
この例では、aの単位はミリメートルである。検出器12からのX線分布は平均投射データで、該平均投射データは投射面積と関係がある。これらの関係は以下の数式(4)に書かれている。A窓とB窓との幅が同じであるので、面積の替わりにX線分布の長さが用いられてもよい。図8に示されたように、AAはA窓の中でのX線分布の長さで、BBはB窓の中でのX線分布の長さで、PAをA窓での平均投射データとPBをB窓での平均投射データと仮定する。
【0042】
PA=AA+γBB
PB=BB+γAA … 数式(4)
ここで、γはキャリブレーション装置と空気投射との比例で、定数である。
【0043】
図9から分かるように、
2a=AA−BB … 数式(5)
仮に、
【数10】
… 数式(6)
【0044】
このため、
【数11】
… 数式(7)
【0045】
ここで、
【数12】
… 数式(8)
【0046】
Tは回転中心でのX線の厚さである。
NはX線管の焦点からISOの中心までの距離である。
【0047】
上述の計算によれば、aが得られてX線管の偏移量が得られる。X線管の偏移量によってX線管を正確な位置に調整でき、PORキャリブレーションが完成される。
【0048】
次はBOWキャリブレーションが行われ、
まず、キャリブレーション装置を検出器チャンネルの左側、中央及右側に置き、
つぎに、この3つのキャリブレーション装置に対して露光が行われ、
露光後に検出器が得られたデータを獲得し、
獲得したデータに基づいてこの3つの位置でのアライメントのずれ量を計算して獲得し、
アライメントのずれ量が0になるように検出器12を調整する。
【0049】
論理的には、BOWキャリブレーションは上述の「a」の計算と同じである。唯一に異なる箇所は、BOWキャリブレーションはjigを直接に検出器12に置く。このとき、「a」はjigの中心線の投射変位ではなく、検出器の中心線の偏移である。
【0050】
また以下の例では、まずキャリブレーション装置を回転中心と210mm離れている箇所に置き、X線管の0度露光が行われる。このとき、以下の数式(7)によりキャリブレーション装置がz軸方向での偏移aが計算される。
【数13】
… 数式(7)
【0051】
次に、X線管の180度露光が行われ、このときは数式(3)によりX線管がz軸方向での偏移が計算される。
【0052】
X線管10の調整が終了した後、検出器12の位置調整が行われる。3つのキャリブレーション装置を直接に検出器12の左側、中央及右側に置き、X線管の0度露光が行われる。
【0053】
左側のキャリブレーション装置に対応する検出器から得られたデータは、例えばPA=0.64492、PB=0.78997であるとき、以下の数式(6)により、X=0.10109が得られる。
【数14】
… 数式(6)
【0054】
そして、以下の数式(7)に代入すると、a=8.5278X=0.8621mmが得られる。
【数15】
… 数式(7)
【0055】
右側のキャリブレーション装置に対応する検出器から得られたデータは、例えばPA=0.46706、PB=0.59178であるとき、数式(6)により、X=0.11779が得られ、数式(7)に代入すると、a=8.5278X=1.0044mmが得られる。
【0056】
中央のキャリブレーション装置に対応する検出器から得られたデータは、例えばPA=0.66902、PB=0.78973であるとき、数式(6)により、X=0.08275が得られ、数式(7)に代入すると、a=8.5278X=0.7056mmが得られる。
【0057】
上述のアライメントのずれ量が得られた後、アライメントのずれ量に基づいて検出器12をアライメントすることができる。
【0058】
本発明は、CT装置のキャリブレーション方法が開示されている。例えば、図10に示されたように本発明のCT装置のキャリブレーション方法は、
回転平面の校正を行い、
窓でのビームの校正を行い、
X線管10が冷やされた後検出器12とX線管の焦点とをアライメントし、
コリメータ11と検出器12とをx軸方向でアライメントし、
z軸方向でコリメータを校正し、
z軸方向でコリメータが校正されて得られたX線管の焦点がz軸方向での偏移量に基づいて、偏移量が0になるまでに上述のステップを順に繰り返す。
【0059】
なお、回転平面の校正はPOR校正で、窓でのビームの校正はBOW校正である。POR校正及びBOW校正については、当業者が既知であるすべての方法でもよい。CT装置がPOR校正及びBOW校正を行った後、X線管10が冷やされたとき検出器12とX線管の焦点とをアライメントしてからコリメータ11と検出器12とをx軸方向でアライメントする。次に、z軸方向でコリメータ校正が行われる。最後に、コリメータ校正で得られたX線管の焦点のz軸方向の偏移量に基づいて、偏移量が0になるまで再び回転平面の校正、窓でのビームの校正、X線管10が冷やされたときの検出器12とX線管の焦点とのアライメント、コリメータ11と検出器12とのx軸方向でのアライメント、z軸方向でのコリメータ校正が順に行われる。これにより、さらに優れるPOR校正及びBOW校正が確保でき、より優れる画像品質が得られる。
【0060】
ここで、z軸方向でのコリメータ校正は、Thomas L. Toth, Neil B. Bromberg等が2000年12月にAmerican Association of Physicists in Medicine. [S0094-2405(00)00412-0]に発表した“A dose reduction x-ray beam positioning system for high-speed multislice CT scanners”に記載されている。この文章ではコリメータ校正のステップについて詳しく紹介した。以下、この方法を簡単に説明する。
【0061】
コリメータ校正はスキャンフレームが回転しない際にスウィープスキャンを行い、スウィープスキャンが行われるときにコリメータの全部範囲内でデータを収集する(図11a、図11b及び図11cを参照)。
【0062】
図11aは、検出器のX線強度、検出器及び信号幅を示した図である。なお、ya1及びya2は検出器A側のa1及びa2の2つの検出器ユニットで検出されたX線信号の幅を示す。yb1及びyb2は検出器B側のb1及びb2の2つの検出器ユニットで検出されたX線信号の幅を示す。raはa側の信号比例を示し、rbはb側の比例を示し、以下の数式(9)及び数式(10)を満たす。
【数16】
… 数式(9)
【数17】
… 数式(10)
【0063】
ここで、ya2(z)は検出器ユニットa2の信号で、ya1(z)は検出器ユニットa1の信号で、yb2(z)は検出器ユニットb2の信号で、yb1(z)は検出器ユニットb1の信号である。
【0064】
図11bはコリメータのカムのz軸方向での移動を示した図である。ここで、Pc(k)はカムの位置を示す。Pd(k)はカムに対応する検出器の位置を示し、Pfasideはa側の焦点の位置を示し、a1及びa2は2つの検出器ユニットを示す。カムは0.05mmのステップで移動し、kはコリメータ位置のインデックスである。
【0065】
図11cは、検出器ユニットが検出された信号幅とカムに対応する検出器の位置との関係を示した図である。ここで、ya1及びya2はa1及びa2の2つの検出器ユニットにより検出されたX線信号の幅である。
【0066】
図11dは、X線管の焦点位置の確定を示した図である。X線管の焦点がz軸方向での偏移量fは以下の数式(11)により得られる。
【数18】
… 数式(11)
【0067】
ここで、Dは焦点から検出器までの距離で、Czは焦点からカムまでの距離で、Paは検出器ユニットa2の信号が満幅の半分である際のカムの位置を示し、Pbは検出器ユニットb2の信号が満幅の半分である際のカムの位置を示す。
【0068】
fが得られた後、fに基づいてf値が0近くなる(例えば、f<0.02mm)までに再び本発明のCT装置のキャリブレーション方法における前のステップを行い、キャリブレーションが終了する。
【0069】
また、回転平面の校正及び窓でのビームの校正については、本発明のCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置を用いたキャリブレーション方法で校正することができる。
【0070】
回転平面の校正は、
キャリブレーション装置を走査平面の1位置に置き、
CT装置のX線発生装置がキャリブレーション装置に対してそれぞれに0度及び180度露光を行い、
検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいて、X線管の偏移量を獲得し、
X線管の偏移量に基づいてX線管を調節してX線管の焦点及びコリメータの中心を走査平面に位置決める。
【0071】
窓でのビームの校正は、
キャリブレーション装置を検出器チャンネルの左側、中央及右側に置き、
つぎに、この3つのキャリブレーション装置に対して露光を行い、
露光後に検出器が得られたデータを獲得し、
獲得したデータに基づいてこの3つの位置でのアライメントのずれ量を計算して獲得し、
アライメントのずれ量が基本的に0になるように検出器を調整する。
【0072】
検出器に投射されるX線分布及びX線管とISO中心との三角関係に基づいて、X線管の偏移量を獲得することは、
キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が検出器での変位aを計算し、
以下の数式(3)によりX線管の偏移量??を獲得する。
【数19】
… 数式(3)
【0073】
ここで、
CはX線管10の焦点から2位置までの距離を示し、
EはX線管10の焦点からコリメータの孔までの距離を示し、
AはX線管10の焦点から検出器12までの距離を示し、
Dは1位置から2位置までの距離を示す。
【0074】
キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が検出器での変位aは以下の数式(12)により得られる。
【数20】
… 数式(12)
【0075】
ここで、Xは数式(6)に示されたとおりである。
【数21】
… 数式(6)
【0076】
ここで、
γはキャリブレーション装置と空気投射との比例で、
Tは回転中心でのX線の厚さで、
NはX線管の焦点からISOの中心までの距離で、
PAはA窓での平均投射データを示し、
PBはB窓での平均投射データを示す。
【0077】
本発明のCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置を用いたキャリブレーション方法の技術考案については本明細書で詳しく説明したので、ここで説明を省略する。
【0078】
上述のように本発明の具体的な実施例について図面を参照しながら説明したが、当業者は本発明の主旨及び範囲を逸脱しない範囲で、本発明に対して様々な変形、修正及び改良を加えて実施することができる。これらの変形、修正及び改良は本発明の請求の範囲が限定する主旨及び範囲内である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、CT装置に関し、特にキャリブレーション装置及びキャリブレーション方法、CT装置のキャリブレーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医師の病気に対する診断及び治療への支援のために、患者の各部位の撮影が可能なCT装置が医療分野に広く使われている。
【0003】
CT装置を使用する際、まず2つの決定的なステップが行われる。すなわち、X線管及びコリメータを走査平面にアライメントするステップと、X線管、コリメータ及び検出器を走査平面にアライメントするステップとが行われる。この2つのステップをPOR(Plane of Rotation)及びBOW(BEAM on Window)と称する。PORはX線ビームが回転平面に平行である。これにより、X線管をz軸方向に移動させることでX線管の焦点とコリメータの中心とがアライメントされることを確保する。BOWはPORの後に、z軸方向で検出器を調整することにより、X線ビームがz軸方向で検出器の中心に位置するようにする。この考え方は、X線管の焦点及びコリメータを参照平面とし、検出器の中心をこの参照平面に位置させるというものである。
【0004】
図1は、1列のCT装置を示す図である。図1に示されたように、このCT装置はX線管10、コリメータ11及び検出器12を備える。なお、回転平面はX線管10の中心、コリメータ11の中心及び検出器12の中心がアライメントされた際の平面で、z軸方向は回転平面に垂直な方向を示している。
【0005】
従来、PORにおいて、CT装置の後蓋の口径の底部にフィルムを置き、それぞれにX線管の0度の位置及び180度の位置に置き、フィルムに対して二回露光を行う。この二回の露光で得られたX線ビーム分布図の差がアライメントのずれ量である。アライメントのずれ量は一般的に直定規又はマイクロメーターで測定して得られる。その後、得られたアライメントのずれ量に基づいてX線管を調整し二回の露光で得られたX線ビームの分布図の差が基本的に0になるとPORがアライメントされていることを示す。
【0006】
BOWにおいて、従来は検出器チャンネルの左側、中央及び右側にそれぞれに3つのフィルムを置き、その3つのフィルムに対して露光を行い、3つの箇所でのアライメントのずれ量が得られるようにフィルムを検査する方法が使われる。その後、該アライメントのずれ量が基本的に0になるように調整されると、BOWがアライメントされていることを示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−029647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の技術は簡単、有効及び理解しやすいが、以下のデメリットがある。
まず、上述の方法にはフィルムが使われるが、フィルムは一回限りのものである。普通、POR及びBOWに合わせて少なくとも8枚のフィルムが必要で、その中でアライメント前に4枚が必要で、アライメント後の再検査にさらに4枚が必要である。再検査が失敗すれば、さらに多いフィルムが必要である。このため、従来技術はコストが高くなる。
【0009】
次に、フィルムが使われているので、環境保護に影響がある。
さらに、従来技術では直定規又はマイクロメーターでアライメントのずれ量を測定するが、フィルムの分布縁部がはっきり見えないことが多いので、得られた結果が正確ではない。
【0010】
本発明は、コストが低いキャリブレーション装置及びキャリブレーション方法、CT装置のキャリブレーション方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の問題を解決するために、本発明のCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置は、分割窓、分割窓フレーム、本体フレーム及びスプリングを備え、分割窓フレームは分割窓を支持し、スプリングは一端が分割窓フレームに接続され、他端が本体フレームに接続される。
【0012】
好ましくは、分割窓の2つの中心線が分割窓を4つの領域に分け、対角線にある2つの領域には2つの窓がそれぞれ設けられている。
【0013】
さらに好ましくは、CT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置は分割窓を調節するボルトを備える。
【0014】
また、前記キャリブレーション装置を用いてCT装置のX線発生装置及び検出器の位置をキャリブレーションするキャリブレーション方法は、
キャリブレーション装置を走査平面の1位置に置き、
CT装置のX線発生装置がキャリブレーション装置に対してそれぞれに0度及び180度露光を行い、
検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいて、X線管の偏移量を獲得し、
X線管の偏移量に基づいてX線管を調節してX線管の焦点及びコリメータの中心を走査平面に位置決めする工程を含む。
【0015】
また、本発明のキャリブレーション方法は、
キャリブレーション装置を検出器チャンネルの左側、中央及右側に置き、
この3つのキャリブレーション装置に対して露光を行い、
露光後に検出器が得られたデータを獲得し、
獲得したデータに基づいてこの3つの位置でのアライメントのずれ量を計算して獲得し、
アライメントのずれ量が0になるように検出器を調整する工程を含むものである。
【0016】
好ましくは、検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいたX線管の偏移量の獲得は、
キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が検出器での変位aを計算し、
以下の数式によりX線管の偏移量??を獲得するものである。
【数1】
ここで、
CはX線管10の焦点から2位置までの距離を示し、
EはX線管10の焦点からコリメータの孔までの距離を示し、
AはX線管10の焦点から検出器12までの距離を示し、
Dは1位置から2位置までの距離を示す。
【0017】
キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が検出器での変位aは以下の数式により得られる。
【数2】
ここで、
【数3】
γはキャリブレーション装置と空気投射との比例で、
Tは回転中心でのX線の厚さで、
NはX線管の焦点からISOの中心までの距離で、
PAはA窓での平均投射データを示し、
PBはB窓での平均投射データを示す。
【0018】
また、本発明のCT装置のキャリブレーション方法は、
回転平面の校正を行い、
窓でのビームの校正を行い、
X線管が冷やされた後検出器とX線管の焦点とをアライメントし、
コリメータと検出器とをx軸方向でアライメントし、
z軸方向でコリメータを校正し、
z軸方向でコリメータが校正されて得られたX線管の焦点がz軸方向での偏移量に基づいて、偏移量が0になるまでに上述のステップを順に繰り返す工程を含むものである。
【0019】
好ましくは、回転平面の校正は、
キャリブレーション装置を走査平面の1位置に置き、
CT装置のX線発生装置がキャリブレーション装置に対してそれぞれに0度及び180度露光を行い、
検出器に投射されるX線分布及びX線管とISO中心との三角関係に基づいて、X線管の偏移量を獲得し、
X線管の偏移量に基づいてX線管を調節してX線管の焦点及びコリメータの中心を走査平面に位置決めする工程を含む。
【0020】
好ましくは、窓でのビームの校正は、
キャリブレーション装置を検出器チャンネルの左側、中央及び右側に置き、
この3つのキャリブレーション装置に対して露光を行い、
露光後に検出器が得られたデータを獲得し、
獲得したデータに基づいてこの3つの位置でのアライメントのずれ量を計算して獲得し、
アライメントのずれ量が0になるように検出器を調整するする工程を含む。
【0021】
検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいたX線管の偏移量の獲得は、
キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が検出器での変位aを計算し、
以下の数式によりX線管の偏移量??を獲得するものである。
【数4】
ここで、
CはX線管10の焦点から2位置までの距離を示し、
EはX線管10の焦点からコリメータの孔までの距離を示し、
AはX線管10の焦点から検出器12までの距離を示し、
Dは1位置から2位置までの距離を示す。
【0022】
キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が検出器での変位aは以下の数式により得られる。
【数5】
ここで、
【数6】
γはキャリブレーション装置と空気投射との比例で、
Tは回転中心でのX線の厚さで、
NはX線管の焦点からISOの中心までの距離で、
PAはA窓での平均投射データを示し、
PBはB窓での平均投射データを示す。
【発明の効果】
【0023】
従来技術と比べれば、本発明のキャリブレーション装置及びキャリブレーション方法、CT装置のキャリブレーション方法は以下の有益な効果がある。
【0024】
まず、本発明のキャリブレーション装置は繰り返して使用することができるので、フィルムが必要せず、コストを下げることができる。
次に、フィルムが使われないので、環境保護に影響がない。
さらに、本発明は直定規又はマイクロメーターが必要せずにアライメントのずれ量を測定することができるので、得られた結果がより正確である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下、本開示内容をより容易に理解するために、図面を参照しながら説明する。
【図1】CT装置の構成を示した図である。
【図2】本発明のCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置の構成を示した図である。
【図3】X線管が偏移した状態でのX線分布を示した図である。
【図4】X線管の位置を調整する三角関係を示した図である。
【図5】検出器の位置を調整する際にキャリブレーション装置が検出器での位置を示した図である。
【図6】X線管が偏移した状態で検出器が得られたデータ分布図である。
【図7】X線管が偏移していない状態で検出器が得られたデータ分布図である。
【図8】X線管が偏移した状態でのキャリブレーション装置のX線分布を示した図である。
【図9】X線管が偏移した状態でのキャリブレーション装置のX線分布を示した図である。
【図10】本発明のCT装置のキャリブレーション方法を示した図である。
【図11a】検出器のX線強度、検出器及び信号幅を示した図である。
【図11b】コリメータのカムのz軸方向の移動を示した図である。
【図11c】検出器ユニットが検出された信号幅とカムに対応する検出器の位置との関係を示した図である。
【図11d】X線管の焦点位置の確定を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について詳しく説明するが、本発明は後述の実施形態に限られない。
図2に示されたように、CT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置は、分割窓3、分割窓フレーム2、本体フレーム1及びスプリング4を備える。
【0027】
ここで、分割窓フレーム2は分割窓3を支持し、スプリング4は一端が分割窓フレーム2に接続され、他端が本体フレーム1に接続されている。分割窓3はX線が検出器12での位置を区別することができ。本体フレーム1はキャリブレーション装置全体をスキャンフレーム13に固定する。スプリング4は分割窓3が検出器12に対する位置を調整する。
【0028】
また、分割窓3の2つの中心線が分割窓3を4つの領域に分け、対角線にある2つの領域には2つの窓が設けられ、それぞれにA窓6及びB窓7である。
【0029】
さらに図2に示されたように、該キャリブレーション装置は分割窓3を調整するボルト5を備え、ボルト5はスプリング4とともに分割窓3が検出器12に対する位置を調整する。
【0030】
以下、本発明のCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置(明細書では「jig」と称する)を用いたキャリブレーション方法について説明する。
【0031】
jigをCT回転中心と検出器との間のある位置に置き、本実施形態ではjigから回転中心までの距離は210mm。
【0032】
図3では、CT装置を取り付けた後、普通の場合でのISO中心線と走査平面との関係を示している。図3に示されたように、X線管10の焦点が理論的な走査平面に位置していない。但し、理論的にはX線管10の焦点、コリメータ11の中心及び検出器12の中心は走査平面に位置しなければならない。
【0033】
まず、PORキャリブレーションが行われる。
図4では、X線管10がそれぞれに0度位置及び180度位置でX線を発射してjigをスキャンした後にこの2回のスキャンがz軸方向で現れた幾何関係を示している。
【0034】
図4において、
CはX線管10の焦点から2位置までの距離を示し、
EはX線管10の焦点からコリメータの孔までの距離を示し、
AはX線管10の焦点から検出器12までの距離を示し、
Dは1位置から2位置までの距離を示す。
【0035】
まずjigを走査平面の1位置(このとき、X線管10が0度位置にある)に置き、仮にjigの中心が検出器12に投射されると、jigに対してスキャンを行い、検出器12でX線分布が得られる。次にjigを2位置に移動又はスキャンフレーム13を180度回転した後、jigに対してスキャンを行い、検出器12で別のX線分布が得られる。X線管10の焦点がコリメータ11の中心又は走査平面まで偏移量(??で表示)があると、jigの検出器12での投射が距離a移動(aはjigが1位置から2位置まで移動した際、jigの中心が検出器12での投射の変位を示す)する。
【0036】
幾何関係によると、以下の数式(1)及び数式(2)が得られる。
【数7】
… 数式(1)
【数8】
… 数式(2)
【0037】
数式(1)及び数式(2)から数式(3)が得られる。
【数9】
… 数式(3)
【0038】
数式(3)のパラメータにおいて、あるCT装置の幾何構成からA、C、D及びEは既知で、パラメータaのみが計算で得られる必要がある。
【0039】
図5では、jig及び検出器でのX線分布を示している。図5に示されたように、X線分布の中心線がjigの中心線とアライメントされないと、A窓でのX線分布とB窓のX線分布とは異なる。A窓及びB窓でのX線分布の差は検出器の元のデータ(X線管10が0度でスキャンして得られたデータ)から計算して得られる。一枚の検出器にz軸解像度がないことはよく知られている。これがA窓とB窓とをjigの中心線の両側に配置し中心線方向で重畳領域がないようにする原因である。本発明では、検出器のX線解像度によりz軸解像度を解決する。
【0040】
図6は、jigが1位置にあるとき、X線管10からのX線がjigに照射し、A窓及びB窓の中のX線分布を示した図である。図6に示されたように、この2つの窓でのX線分布の差は大きい。図7に示されたように、z軸方向にボルト5を調整することで、A窓とB窓とのX線分布の差が基本的に同じになる。次に、jigを2位置に移動又はスキャンフレーム13を180度回転することで、A窓及びB窓でそれぞれに別のX線分布が得られる。X線管10の焦点がz軸方向でコリメータ11の中心に対して偏移量があると、図8に示されたように、このときA窓とB窓とのX線分布は必ず異なる。
【0041】
この例では、aの単位はミリメートルである。検出器12からのX線分布は平均投射データで、該平均投射データは投射面積と関係がある。これらの関係は以下の数式(4)に書かれている。A窓とB窓との幅が同じであるので、面積の替わりにX線分布の長さが用いられてもよい。図8に示されたように、AAはA窓の中でのX線分布の長さで、BBはB窓の中でのX線分布の長さで、PAをA窓での平均投射データとPBをB窓での平均投射データと仮定する。
【0042】
PA=AA+γBB
PB=BB+γAA … 数式(4)
ここで、γはキャリブレーション装置と空気投射との比例で、定数である。
【0043】
図9から分かるように、
2a=AA−BB … 数式(5)
仮に、
【数10】
… 数式(6)
【0044】
このため、
【数11】
… 数式(7)
【0045】
ここで、
【数12】
… 数式(8)
【0046】
Tは回転中心でのX線の厚さである。
NはX線管の焦点からISOの中心までの距離である。
【0047】
上述の計算によれば、aが得られてX線管の偏移量が得られる。X線管の偏移量によってX線管を正確な位置に調整でき、PORキャリブレーションが完成される。
【0048】
次はBOWキャリブレーションが行われ、
まず、キャリブレーション装置を検出器チャンネルの左側、中央及右側に置き、
つぎに、この3つのキャリブレーション装置に対して露光が行われ、
露光後に検出器が得られたデータを獲得し、
獲得したデータに基づいてこの3つの位置でのアライメントのずれ量を計算して獲得し、
アライメントのずれ量が0になるように検出器12を調整する。
【0049】
論理的には、BOWキャリブレーションは上述の「a」の計算と同じである。唯一に異なる箇所は、BOWキャリブレーションはjigを直接に検出器12に置く。このとき、「a」はjigの中心線の投射変位ではなく、検出器の中心線の偏移である。
【0050】
また以下の例では、まずキャリブレーション装置を回転中心と210mm離れている箇所に置き、X線管の0度露光が行われる。このとき、以下の数式(7)によりキャリブレーション装置がz軸方向での偏移aが計算される。
【数13】
… 数式(7)
【0051】
次に、X線管の180度露光が行われ、このときは数式(3)によりX線管がz軸方向での偏移が計算される。
【0052】
X線管10の調整が終了した後、検出器12の位置調整が行われる。3つのキャリブレーション装置を直接に検出器12の左側、中央及右側に置き、X線管の0度露光が行われる。
【0053】
左側のキャリブレーション装置に対応する検出器から得られたデータは、例えばPA=0.64492、PB=0.78997であるとき、以下の数式(6)により、X=0.10109が得られる。
【数14】
… 数式(6)
【0054】
そして、以下の数式(7)に代入すると、a=8.5278X=0.8621mmが得られる。
【数15】
… 数式(7)
【0055】
右側のキャリブレーション装置に対応する検出器から得られたデータは、例えばPA=0.46706、PB=0.59178であるとき、数式(6)により、X=0.11779が得られ、数式(7)に代入すると、a=8.5278X=1.0044mmが得られる。
【0056】
中央のキャリブレーション装置に対応する検出器から得られたデータは、例えばPA=0.66902、PB=0.78973であるとき、数式(6)により、X=0.08275が得られ、数式(7)に代入すると、a=8.5278X=0.7056mmが得られる。
【0057】
上述のアライメントのずれ量が得られた後、アライメントのずれ量に基づいて検出器12をアライメントすることができる。
【0058】
本発明は、CT装置のキャリブレーション方法が開示されている。例えば、図10に示されたように本発明のCT装置のキャリブレーション方法は、
回転平面の校正を行い、
窓でのビームの校正を行い、
X線管10が冷やされた後検出器12とX線管の焦点とをアライメントし、
コリメータ11と検出器12とをx軸方向でアライメントし、
z軸方向でコリメータを校正し、
z軸方向でコリメータが校正されて得られたX線管の焦点がz軸方向での偏移量に基づいて、偏移量が0になるまでに上述のステップを順に繰り返す。
【0059】
なお、回転平面の校正はPOR校正で、窓でのビームの校正はBOW校正である。POR校正及びBOW校正については、当業者が既知であるすべての方法でもよい。CT装置がPOR校正及びBOW校正を行った後、X線管10が冷やされたとき検出器12とX線管の焦点とをアライメントしてからコリメータ11と検出器12とをx軸方向でアライメントする。次に、z軸方向でコリメータ校正が行われる。最後に、コリメータ校正で得られたX線管の焦点のz軸方向の偏移量に基づいて、偏移量が0になるまで再び回転平面の校正、窓でのビームの校正、X線管10が冷やされたときの検出器12とX線管の焦点とのアライメント、コリメータ11と検出器12とのx軸方向でのアライメント、z軸方向でのコリメータ校正が順に行われる。これにより、さらに優れるPOR校正及びBOW校正が確保でき、より優れる画像品質が得られる。
【0060】
ここで、z軸方向でのコリメータ校正は、Thomas L. Toth, Neil B. Bromberg等が2000年12月にAmerican Association of Physicists in Medicine. [S0094-2405(00)00412-0]に発表した“A dose reduction x-ray beam positioning system for high-speed multislice CT scanners”に記載されている。この文章ではコリメータ校正のステップについて詳しく紹介した。以下、この方法を簡単に説明する。
【0061】
コリメータ校正はスキャンフレームが回転しない際にスウィープスキャンを行い、スウィープスキャンが行われるときにコリメータの全部範囲内でデータを収集する(図11a、図11b及び図11cを参照)。
【0062】
図11aは、検出器のX線強度、検出器及び信号幅を示した図である。なお、ya1及びya2は検出器A側のa1及びa2の2つの検出器ユニットで検出されたX線信号の幅を示す。yb1及びyb2は検出器B側のb1及びb2の2つの検出器ユニットで検出されたX線信号の幅を示す。raはa側の信号比例を示し、rbはb側の比例を示し、以下の数式(9)及び数式(10)を満たす。
【数16】
… 数式(9)
【数17】
… 数式(10)
【0063】
ここで、ya2(z)は検出器ユニットa2の信号で、ya1(z)は検出器ユニットa1の信号で、yb2(z)は検出器ユニットb2の信号で、yb1(z)は検出器ユニットb1の信号である。
【0064】
図11bはコリメータのカムのz軸方向での移動を示した図である。ここで、Pc(k)はカムの位置を示す。Pd(k)はカムに対応する検出器の位置を示し、Pfasideはa側の焦点の位置を示し、a1及びa2は2つの検出器ユニットを示す。カムは0.05mmのステップで移動し、kはコリメータ位置のインデックスである。
【0065】
図11cは、検出器ユニットが検出された信号幅とカムに対応する検出器の位置との関係を示した図である。ここで、ya1及びya2はa1及びa2の2つの検出器ユニットにより検出されたX線信号の幅である。
【0066】
図11dは、X線管の焦点位置の確定を示した図である。X線管の焦点がz軸方向での偏移量fは以下の数式(11)により得られる。
【数18】
… 数式(11)
【0067】
ここで、Dは焦点から検出器までの距離で、Czは焦点からカムまでの距離で、Paは検出器ユニットa2の信号が満幅の半分である際のカムの位置を示し、Pbは検出器ユニットb2の信号が満幅の半分である際のカムの位置を示す。
【0068】
fが得られた後、fに基づいてf値が0近くなる(例えば、f<0.02mm)までに再び本発明のCT装置のキャリブレーション方法における前のステップを行い、キャリブレーションが終了する。
【0069】
また、回転平面の校正及び窓でのビームの校正については、本発明のCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置を用いたキャリブレーション方法で校正することができる。
【0070】
回転平面の校正は、
キャリブレーション装置を走査平面の1位置に置き、
CT装置のX線発生装置がキャリブレーション装置に対してそれぞれに0度及び180度露光を行い、
検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいて、X線管の偏移量を獲得し、
X線管の偏移量に基づいてX線管を調節してX線管の焦点及びコリメータの中心を走査平面に位置決める。
【0071】
窓でのビームの校正は、
キャリブレーション装置を検出器チャンネルの左側、中央及右側に置き、
つぎに、この3つのキャリブレーション装置に対して露光を行い、
露光後に検出器が得られたデータを獲得し、
獲得したデータに基づいてこの3つの位置でのアライメントのずれ量を計算して獲得し、
アライメントのずれ量が基本的に0になるように検出器を調整する。
【0072】
検出器に投射されるX線分布及びX線管とISO中心との三角関係に基づいて、X線管の偏移量を獲得することは、
キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が検出器での変位aを計算し、
以下の数式(3)によりX線管の偏移量??を獲得する。
【数19】
… 数式(3)
【0073】
ここで、
CはX線管10の焦点から2位置までの距離を示し、
EはX線管10の焦点からコリメータの孔までの距離を示し、
AはX線管10の焦点から検出器12までの距離を示し、
Dは1位置から2位置までの距離を示す。
【0074】
キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が検出器での変位aは以下の数式(12)により得られる。
【数20】
… 数式(12)
【0075】
ここで、Xは数式(6)に示されたとおりである。
【数21】
… 数式(6)
【0076】
ここで、
γはキャリブレーション装置と空気投射との比例で、
Tは回転中心でのX線の厚さで、
NはX線管の焦点からISOの中心までの距離で、
PAはA窓での平均投射データを示し、
PBはB窓での平均投射データを示す。
【0077】
本発明のCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置を用いたキャリブレーション方法の技術考案については本明細書で詳しく説明したので、ここで説明を省略する。
【0078】
上述のように本発明の具体的な実施例について図面を参照しながら説明したが、当業者は本発明の主旨及び範囲を逸脱しない範囲で、本発明に対して様々な変形、修正及び改良を加えて実施することができる。これらの変形、修正及び改良は本発明の請求の範囲が限定する主旨及び範囲内である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分割窓、分割窓フレーム、本体フレーム及びスプリングを備え、
前記分割窓フレームは前記分割窓を支持し、
前記スプリングは一端が前記分割窓フレームに接続され、他端が前記本体フレームに接続されるCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置。
【請求項2】
前記分割窓の2つの中心線が前記分割窓を4つの領域に分け、対角線にある2つの前記領域には2つの窓がそれぞれ設けられている請求項1に記載のCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置。
【請求項3】
前記分割窓を調節するボルトを備える請求項1又は請求項2に記載のCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項のキャリブレーション装置を用いてCT装置のX線発生装置及び検出器の位置をキャリブレーションするキャリブレーション方法であって、
前記キャリブレーション装置を走査平面の1位置に置き、
前記CT装置のX線発生装置が前記キャリブレーション装置に対してそれぞれに0度及び180度露光を行い、
前記検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいて、前記X線管の偏移量を獲得し、
前記X線管の偏移量に基づいて前記X線管を調節して前記X線管の焦点及びコリメータの中心を前記走査平面に位置決めるキャリブレーション方法。
【請求項5】
前記キャリブレーション装置を検出器チャンネルの左側、中央及び右側に置き、
この3つの前記キャリブレーション装置に対して露光を行い、
露光後に前記検出器が得られたデータを獲得し、
獲得した前記データに基づいてこの3つの位置でのアライメントのずれ量を計算して獲得し、
前記アライメントのずれ量が0になるように前記検出器を調整する請求項4に記載のキャリブレーション方法。
【請求項6】
前記検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいたX線管の偏移量の獲得は、
前記キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が前記検出器での変位aを計算し、
以下の数式によりX線管の偏移量??を獲得するものである請求項4又は請求項5に記載のキャリブレーション方法。
【数1】
ここで、
CはX線管の焦点から2位置までの距離を示し、
EはX線管の焦点からコリメータの孔までの距離を示し、
AはX線管の焦点から検出器までの距離を示し、
Dは1位置から2位置までの距離を示す。
【請求項7】
前記キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が前記検出器での変位aは以下の数式により得られる請求項6に記載のキャリブレーション方法。
【数2】
ここで、
【数3】
γは前記キャリブレーション装置と空気投射との比例で、
Tは回転中心でのX線の厚さで、
Nは前記X線管の焦点からISOの中心までの距離で、
PAはA窓での平均投射データを示し、
PBはB窓での平均投射データを示す。
【請求項8】
回転平面の校正を行い、
窓でのビームの校正を行い、
X線管が冷やされた後検出器と前記X線管の焦点とをアライメントし、
コリメータと前記検出器とをx軸方向でアライメントし、
z軸方向で前記コリメータを校正し、
z軸方向で前記コリメータが校正されて得られた前記X線管の焦点がz軸方向での偏移量に基づいて、前記偏移量が0になるまでに上述のステップを順に繰り返すCT装置のキャリブレーション方法。
【請求項9】
前記回転平面の校正は、
キャリブレーション装置を走査平面の1位置に置き、
CT装置のX線発生装置が前記キャリブレーション装置に対してそれぞれに0度及び180度露光を行い、
前記検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいて、前記X線管の偏移量を獲得し、
前記X線管の前記偏移量に基づいて前記X線管を調節して前記X線管の焦点及び前記コリメータの中心を前記走査平面に位置決める請求項8に記載のCT装置のキャリブレーション方法。
【請求項10】
前記窓でのビームの校正は、
前記キャリブレーション装置を検出器チャンネルの左側、中央及右側に置き、
この3つの前記キャリブレーション装置に対して露光を行い、
露光後に前記検出器が得られたデータを獲得し、
獲得した前記データに基づいてこの3つの位置でのアライメントのずれ量を計算して獲得し、
前記アライメントのずれ量が0になるように前記検出器を調整する請求項9に記載のCT装置のキャリブレーション方法。
【請求項11】
前記検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいたX線管の偏移量の獲得は、
前記キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が前記検出器での変位aを計算し、
以下の数式によりX線管の偏移量??を獲得するものである請求項10に記載のCT装置のキャリブレーション方法。
【数4】
ここで、
CはX線管の焦点から2位置までの距離を示し、
EはX線管の焦点からコリメータの孔までの距離を示し、
AはX線管の焦点から検出器までの距離を示し、
Dは1位置から2位置までの距離を示す。
【請求項12】
前記キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が前記検出器での変位aは以下の数式により得られる請求項11に記載のCT装置のキャリブレーション方法。
【数5】
ここで、
【数6】
γは前記キャリブレーション装置と空気投射との比例で、
Tは回転中心でのX線の厚さで、
Nは前記X線管の焦点からISOの中心までの距離で、
PAはA窓での平均投射データを示し、
PBはB窓での平均投射データを示す。
【請求項1】
分割窓、分割窓フレーム、本体フレーム及びスプリングを備え、
前記分割窓フレームは前記分割窓を支持し、
前記スプリングは一端が前記分割窓フレームに接続され、他端が前記本体フレームに接続されるCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置。
【請求項2】
前記分割窓の2つの中心線が前記分割窓を4つの領域に分け、対角線にある2つの前記領域には2つの窓がそれぞれ設けられている請求項1に記載のCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置。
【請求項3】
前記分割窓を調節するボルトを備える請求項1又は請求項2に記載のCT装置のX線発生装置及び検出器の位置キャリブレーション装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項のキャリブレーション装置を用いてCT装置のX線発生装置及び検出器の位置をキャリブレーションするキャリブレーション方法であって、
前記キャリブレーション装置を走査平面の1位置に置き、
前記CT装置のX線発生装置が前記キャリブレーション装置に対してそれぞれに0度及び180度露光を行い、
前記検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいて、前記X線管の偏移量を獲得し、
前記X線管の偏移量に基づいて前記X線管を調節して前記X線管の焦点及びコリメータの中心を前記走査平面に位置決めるキャリブレーション方法。
【請求項5】
前記キャリブレーション装置を検出器チャンネルの左側、中央及び右側に置き、
この3つの前記キャリブレーション装置に対して露光を行い、
露光後に前記検出器が得られたデータを獲得し、
獲得した前記データに基づいてこの3つの位置でのアライメントのずれ量を計算して獲得し、
前記アライメントのずれ量が0になるように前記検出器を調整する請求項4に記載のキャリブレーション方法。
【請求項6】
前記検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいたX線管の偏移量の獲得は、
前記キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が前記検出器での変位aを計算し、
以下の数式によりX線管の偏移量??を獲得するものである請求項4又は請求項5に記載のキャリブレーション方法。
【数1】
ここで、
CはX線管の焦点から2位置までの距離を示し、
EはX線管の焦点からコリメータの孔までの距離を示し、
AはX線管の焦点から検出器までの距離を示し、
Dは1位置から2位置までの距離を示す。
【請求項7】
前記キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が前記検出器での変位aは以下の数式により得られる請求項6に記載のキャリブレーション方法。
【数2】
ここで、
【数3】
γは前記キャリブレーション装置と空気投射との比例で、
Tは回転中心でのX線の厚さで、
Nは前記X線管の焦点からISOの中心までの距離で、
PAはA窓での平均投射データを示し、
PBはB窓での平均投射データを示す。
【請求項8】
回転平面の校正を行い、
窓でのビームの校正を行い、
X線管が冷やされた後検出器と前記X線管の焦点とをアライメントし、
コリメータと前記検出器とをx軸方向でアライメントし、
z軸方向で前記コリメータを校正し、
z軸方向で前記コリメータが校正されて得られた前記X線管の焦点がz軸方向での偏移量に基づいて、前記偏移量が0になるまでに上述のステップを順に繰り返すCT装置のキャリブレーション方法。
【請求項9】
前記回転平面の校正は、
キャリブレーション装置を走査平面の1位置に置き、
CT装置のX線発生装置が前記キャリブレーション装置に対してそれぞれに0度及び180度露光を行い、
前記検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいて、前記X線管の偏移量を獲得し、
前記X線管の前記偏移量に基づいて前記X線管を調節して前記X線管の焦点及び前記コリメータの中心を前記走査平面に位置決める請求項8に記載のCT装置のキャリブレーション方法。
【請求項10】
前記窓でのビームの校正は、
前記キャリブレーション装置を検出器チャンネルの左側、中央及右側に置き、
この3つの前記キャリブレーション装置に対して露光を行い、
露光後に前記検出器が得られたデータを獲得し、
獲得した前記データに基づいてこの3つの位置でのアライメントのずれ量を計算して獲得し、
前記アライメントのずれ量が0になるように前記検出器を調整する請求項9に記載のCT装置のキャリブレーション方法。
【請求項11】
前記検出器に投射されるX線分布とX線管とISO中心との三角関係に基づいたX線管の偏移量の獲得は、
前記キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が前記検出器での変位aを計算し、
以下の数式によりX線管の偏移量??を獲得するものである請求項10に記載のCT装置のキャリブレーション方法。
【数4】
ここで、
CはX線管の焦点から2位置までの距離を示し、
EはX線管の焦点からコリメータの孔までの距離を示し、
AはX線管の焦点から検出器までの距離を示し、
Dは1位置から2位置までの距離を示す。
【請求項12】
前記キャリブレーション装置が1位置から2位置に移動した際、その中心が前記検出器での変位aは以下の数式により得られる請求項11に記載のCT装置のキャリブレーション方法。
【数5】
ここで、
【数6】
γは前記キャリブレーション装置と空気投射との比例で、
Tは回転中心でのX線の厚さで、
Nは前記X線管の焦点からISOの中心までの距離で、
PAはA窓での平均投射データを示し、
PBはB窓での平均投射データを示す。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図11d】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図11d】
【公開番号】特開2012−20121(P2012−20121A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138787(P2011−138787)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】
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