説明

Cu金属および少なくとも1つの第2の金属の非クロム含有触媒

Cu、および金属または酸化物の形をしている少なくとも1つの第2の金属を含有し、a)Cuイオンおよび少なくとも1つの第2の金属のイオンを含有し、さらに錯化剤のイオンを含有し、および5を超えるpHを有する最終溶液を作製するステップと、b)最終溶液/担体の組合せを形成するために、前記最終溶液を不活性担体と接触させるステップと、c)任意に、前記最終溶液/担体の組合せを乾燥するステップと、d)Cuおよび酸化物の形をしている前記少なくとも1つの第2の金属を作製するために、ステップc)またはd)で得た前記最終溶液/担体の組合せを焼成するステップと、e)前記担体上でこのようにして得た酸化銅の少なくとも一部を還元するステップとを含む非クロム含有触媒を製造するための方法。さらに、前記方法により入手することができる触媒およびその使用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅、および金属または酸化物の形をしている少なくとも1つの第2の金属を含有する非クロム含有触媒の製造方法に関し、このような方法で入手することができる触媒、および脂肪酸および脂肪エステルを脂肪アルコールおよび他のエステルにするために、またはジエステルをその対応するアルコールにするために水素添加または水素化分解するための上記触媒の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銅を含有する触媒は、脂肪酸および脂肪エステルを脂肪アルコールにするための水素添加/水素化分解のための周知の触媒である。脂肪アルコールは、界面活性剤、石鹸および基油、および潤滑油に対する添加剤を製造するための中間体として使用される。例えば、パーム油およびパーム核油は、通常、C12〜C18脂肪アルコールを製造する際の出発原料として使用される。
【0003】
しかし、もっと高級な脂肪族アルコールを製造するには厳しい条件が特に要求される。工業的に使用することができるプロセスの場合には、水素添加は、通常、銅−クロム触媒の存在下で、200〜300℃の温度、200〜300バールの圧力、および高いH/基質比で行われる。
【0004】
Cu−Cr触媒は、現在、このプロセスに使用される市販の最も優れた触媒である。これらの触媒は、反応混合物において脂肪酸に対して適当な水素添加活性および適当な抵抗を有する。しかし、これらの触媒は、1つの大きな欠点を有する。すなわち、多くの触媒のように、これらの触媒は、時間の経過とともにその活性を失い、クロム化合物として有毒になるので、これらの触媒は慎重に取り扱う必要があり、廃棄触媒の処理/回収に多大の労力とコストがかかる。さらに、多くのパーム油に由来する化学中間体は、家庭用品(石鹸、洗剤、化粧品等)で最終的に使用されるので、製品の流れのクロム汚染を監視しなければならない。
【0005】
この業界においては、毒性を有さないで、過酷な条件、すなわち高温、高圧および/または高H/基質比のもとで水素添加/水素化分解を実行することができ、または別の方法としては、もっと穏やかな環境でほぼ同じ変換、選択性および収量で水素添加/水素化分解を行うことができる脂肪酸および脂肪エステルを水素添加/水素化分解するための非クロム含有銅触媒が求められている。
【0006】
この業界においては、いくつかの非クロム含有銅触媒、例えば、Cu−Zn触媒(例えば、特許文献1および特許文献2号、参照)、Cu−Fe触媒(例えば、特許文献3および特許文献4、参照)、および活性金属として銅だけを含有する触媒(例えば、特許文献5および特許文献6、参照)が開発されてきた。通常、これらの非クロム含有銅触媒は、触媒金属成分の共沈により製造されてきた。すなわち、任意に、例えば、Al塩のような不活性担体金属前駆体の溶液、またはAlまたはSiの不活性担体金属酸化物と結合している金属塩を含有する溶液を作製し、水酸化金属または酸化金属の混合物の沈殿物を入手するためにアルカリ性水溶液と結果として得られた溶液またはスラリーとを反応させ、その後で沈殿物を洗い、乾燥し、焼成することにより製造してきた。
【0007】
それ故、これらの非クロム含有銅触媒は、有毒のクロム物質を含んでいないという利点を有する。しかし、通常、この技術で入手する非クロム含有銅触媒は、Cu−Cr触媒と比較した場合、活性または選択性において遥かに劣り、その酸抵抗が低く、または過酷な水素添加反応条件に耐えることができない。共沈は、別々の金属が異なるpH値で沈殿し、そのため金属の少なくとも一部が原子レベルで相互に混合しないで、その結果、触媒の表面に異なる金属の塊が形成されるという欠点を有すると考えられている。
【0008】
特許文献7に、非クロム含有銅触媒の別の製造方法が開示されている。上記方法は、上記金属塩を含有する溶液を作製するステップと、錯化剤であるクエン酸を添加するステップと、その後での球状支持体をそれにより含浸するステップとを含む。
【0009】
驚くべきことに、錯化剤のイオンを含有する溶液を含浸すると、業界周知の触媒と比較した場合、低温、低圧で活性または選択性が改善された、または比較的高い活性、選択性および収量のpHが5を超えた上記溶液触媒が得られることが分かった。
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,475,159号
【特許文献2】米国特許第5,157,168号
【特許文献3】米国特許第4,278,567号
【特許文献4】米国特許第5,763,353号
【特許文献5】米国特許第5,403,962号
【特許文献6】WO97/34694号
【特許文献7】米国特許第5,759,947号
【特許文献8】米国特許第5,124,491号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それ故、本発明の目的は、改善された活性または選択性を有するまたは好適にはその組合せを有する新規な非クロム含有銅触媒を製造することである。
【0012】
また、本発明の目的は、従来のCu−Cr触媒と比較した場合、もっと穏やかな条件で水素添加を触媒作用で改善することができるこのような触媒を製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
それ故、本発明は、Cuおよび金属または酸化物の形をしている少なくとも1つの第2の金属を含有する非クロム含有触媒を製造するための方法であって、
a)Cuイオンおよび少なくとも1つの第2の金属のイオンを含有し、さらに錯化剤イオンを含有し、および5を超えるpHを有する最終溶液を作製するステップと、
b)最終溶液/担体の組合せを形成するために、上記最終溶液を不活性担体と接触させるステップと、
c)任意に、最終溶液/担体の組合せを乾燥するステップと、
d)Cuおよび酸化物の形をしている少なくとも1つの第2の金属を作るために、ステップc)またはd)で得られた最終溶液/担体の組合せを焼成するステップと、
e)担体上でこのようにして得た酸化銅の少なくとも一部を還元するステップと
を含む非クロム含有触媒を製造するための新規な方法に関する。
【0014】
このようにして得た非クロム含有銅触媒が、特に、酢酸メチルおよび他のパーム油由来の脂肪エステルおよび脂肪酸の水素添加および水素化分解の際に、有望な活性および選択性を有することが分かった。
【0015】
理論に拘束されないで考えると、金属が原子レベルで相互に混合し、異なる金属の塊が触媒表面に形成しないように、すべての金属を均一な溶液内に維持するには最終溶液のpHが重要であるように思われる。
【0016】
本明細書で使用する場合、「少なくとも1つの第2の金属」という用語は、触媒が、銅の他に、少なくとも1つの第2の金属を含有することを意味する。しかし、触媒は、銅の他に2つ、3つ、4つ等の異なる金属を含有することもできる。好適には、少なくとも1つの第2の金属は、IB族、IIB族およびVIII族の金属から選択することが好ましく、Zn、Fe、NiおよびCoを含有することができる。好適には、少なくとも1つの第2の金属はFeおよびZnから選択することが好ましい。
【0017】
ステップa)において、Cuイオンおよび少なくとも1つの第2の金属のイオンを含有する最終溶液が作製される。上記最終溶液は、さらに錯化剤イオンを含有し、5を超えるpHを有する。
【0018】
本明細書においては「錯化イオン」と呼ぶこともある錯化剤イオンは、クエン酸塩イオン、乳酸塩イオン、EDTA等のような任意の有機錯化剤からのイオンであってもよい。しかし、好適には、上記錯化イオンは、例えば、クエン酸としてまたは塩の形で供給されるクエン酸塩イオンであることが好ましい。
【0019】
上記最終溶液は、1つの容器内で1つまたは複数の銅塩および少なくとも1つの第2の金属の1つまたは複数の塩を溶解し、その後で、上記容器に例えばクエン酸の形をしている錯化剤を添加し、任意に、必要に応じて、pHを5を超えた値に調整することにより作製することができる。
【0020】
また、金属イオンおよび錯化剤イオンの両方を1つの塩として溶液内に入れることもできる。例えば、クエン酸銅を、必要なCuイオンおよび必要なクエン酸塩イオンの両方を供給するために使用することができる。それ故、第2の金属も例えば、クエン酸塩として供給することができる。この点について、金属および錯化剤の両方を含有するこのような塩の他に、必要な場合には、それぞれ追加の他の金属塩を添加することにより、またはクエン酸として、金属イオンおよび/または錯化剤イオンをさらに供給することができることに留意されたい。
【0021】
別の方法としては、上記最終溶液は、例えば、硝酸銅のような1つまたは複数の銅塩の溶液、および例えば、硝酸鉄のような少なくとも1つの第2の金属の1つまたは複数の塩の溶液のような別々の金属塩の溶液を組み合わせて作製することもできる。別々の金属塩の溶液は、2つ以上の金属を含有することができる。2つ以上の第2の金属が存在する場合には、第2の金属のイオンは、別々の溶液で、または少なくとも1つの第2の金属の結合溶液で供給することができる。
【0022】
最終溶液のpHは5を超える。pHは、例えば、NHOH、NaOH、KOHおよびCa(OH)のような任意の塩基を添加することにより、または任意の適当な塩基内に金属塩を溶解することにより調整することができる。好適には、pHを調整するためにはNHOHを使用することが好ましい。何故なら、いくつかの金属塩基と比較した場合、NHOHは触媒に対して有害でなく、そのため除去しなくてもよいからである。
【0023】
最終溶液を作製するために必要な金属イオンのクエン酸塩を使用する場合には、好適には、上記塩を濃縮アンモニア内に溶解することが好ましい。
【0024】
ステップb)において、最終溶液は不活性担体と接触し、最終溶液/担体の組合せを形成する。最終溶液と不活性担体との接触は、多孔性で乾燥した粉末の形をしている不活性担体を最終溶液に接触させることにより、または最終溶液を例えばスラリーまたはゾルのような液体の形をしている不活性担体と混合することにより行うことができる。別の方法としては、担体を、押出成形したもの、ペレット、球体または任意の他の形状のような多孔性の成形した粒子の形で供給することもできる。
【0025】
不活性担体は、例えば、珪藻土、アルミナ、シリカゲル、マグネシア、シリカ−マグネシア、カルシア、ジルコニア、チタニア、ゼオライト、およびシリカ−アルミナのような任意の従来の担体であってもよい。担体は、乾燥した粉末の形、または例えば、シリカゾルのようなスラリーとも呼ばれる(水性)コロイド状懸濁液の形で供給することができる。担体は、異なる粉末の混合物として、または任意に、異なる多孔性粉末または多孔性の成形粒子およびコロイド状懸濁液を含有するスラリーとしても供給することができる。
【0026】
任意に、接触ステップb)の後で、乾燥ステップc)を行うことができる。好適には、上記乾燥ステップは、80〜140℃の範囲内の温度で行うことが好ましい。最終溶液/担体の組合せの乾燥は、例えば、無定型乾燥、スプレー乾燥等のような当業者であれば周知の任意の従来の乾燥方法で行うことができる。これらの乾燥方法は周知のものであり、工業的環境で使用するのに非常に適している。最終溶液/担体の組合せを乾燥すると、金属が沈殿して顕微鏡的原子レベルで混合金属種を形成する。このようにして、ある範囲の原子比で原子レベルで混合した種々の金属種を含有する触媒ができる。
【0027】
その後で、ステップd)において、前駆体の塩から有機および無機残渣を焼却により除去するために、また金属前駆体をその各金属酸化物および混合金属酸化物に変換するために、最終溶液/担体の組合せが空気中で焼成される。また、焼成ステップは、ステップb)の最終溶液/担体の組合せ上で直ちに行うことができ、それによりステップc)を省略することができる。何故なら、焼成中に早期に乾燥が行われるからである。しかし、中間乾燥ステップc)を行うことが好ましい。好適には、Cu触媒前駆体を生産するために、焼成は、300〜900℃、より好適には400〜600℃、最も好適には400〜500℃の範囲の温度で、好適には酸素を含む雰囲気内で行うことが好ましい。このようにして得られた触媒は、改善された活性または選択性またはこれらの組合せを有する。
【0028】
触媒が最終的に使用される水素添加反応の場合には、触媒は、少なくとも部分的に還元した形で、すなわち、少なくとも銅の一部および金属の形をしている少なくとも1つの第2の金属を含有する形で使用される。当業者であれば銅の(部分的)還元は周知のものであり、それ故、任意の熟練した実務者であれば、Cu触媒の前駆体を還元することができる。Cu触媒の前駆体を還元するための任意の方法を使用することができる。これらの方法としては、例えば、液体パラフィン、ジオキサン、脂肪族アルコールおよび脂肪エステルを含有する、例えば炭化水素のような溶媒内で行われる気相還元および液相還元の任意の方法等がある。例えば、還元が水素ガス内で行われる場合には、水の形成が観察されなくなるまで、または水素の吸収が観察されなくなるまで行うことが好ましい。他の還元剤としては、一酸化炭素、アンモニア、ヒドラジン、フォルムアルデヒド、エチレンおよびメタノールのような低級アルコール等がある。還元を水素ガスの存在下で溶媒内で行う場合には、好適には、150〜350℃の温度で水素ガスの吸収が観察されなくなるまで還元を行うことが好ましい。還元ステップe)は、水素化反応器内でその場で行うこともできる。
【0029】
同様に、少なくとも1つの第2の金属のうちの1つまたは複数を(部分的に)還元することもできる。しかし、触媒作用にとっては、銅を少なくとも部分還元すればほとんどの場合十分である。例えば、シリカ上に位置するCu−Fe触媒の場合には、Feが、金属種に還元することができないフェロケイ酸塩を形成することができることは周知である。それ故、還元した後では、触媒種は、任意に、フェロケイ酸塩支持体上の(部分的に)還元した鉄との組合せで(部分的に)還元した銅であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
好ましい実施形態の場合には、ステップa)は、Cuイオンを含有する少なくとも第1の溶液と、少なくとも1つの第2の金属イオンを含有する少なくとも第2の溶液とを組み合わせることにより上記最終溶液を作製するステップを含む。それ故、溶液のpHを別々に制御することができ、金属の沈殿を避けることができる。好適には、上記第1および第2の溶液は相溶性を有するものであることが好ましい。本明細書で使用する場合、「相溶性」という用語は、第1および第2の溶液を組合せた場合、別々の金属の沈殿が起こらないことを意味する。上記第1の溶液は、任意の銅塩、および例えばクエン酸のような錯化剤から作製することができ、pHを5を超えた値に調整することができるし、または別の方法としては、好適には、アンモニアのような塩基性溶液内に銅塩および錯化剤を溶解し、必要な場合には、pHを5を超えた値に調整することにより作製することができる。同様に、上記第2の溶液は、少なくとも1つの第2の金属の任意の塩から作製することができ、その後で例えば、クエン酸のような錯化剤を添加し、pHを5を超えた値に調整することにより作製することができ、または別の方法としては、好適にはアンモニアのような塩基性溶液内に、少なくとも1つの第2の金属の塩および錯化剤を溶解し、必要な場合にはpHを5を超えた値に調整することにより作製することができる。第1および第2の溶液が相溶性を有している限りは、最終溶液を得るために、その作製方法が何であれ、任意の第1の溶液を、その作製方法が何であれ、任意の第2の溶液と組み合わせることができる。溶液を作製するためにクエン酸金属を使用する場合には、好適にはこれらのクエン酸金属をアンモニアに溶解することが好ましい。
【0031】
好適には、第1の溶液および第2の溶液の両方が類似の濃度の錯化剤イオンを含有し、そのためこの点では相溶性を有することが好ましい。本明細書で使用する場合には、「類似の濃度」という用語は、濃度の違いがせいぜい係数2、好適にはせいぜい係数1.6、より好適にはせいぜい係数1.3だけ異なることを意味する。
【0032】
さらに、好適には、pHの違いによる銅または少なくとも1つの第2の金属の沈殿を避けることができるように、第1および第2の溶液の両方が5を超えるpHを有することが好ましい。最も好適には、第1および第2の溶液は類似のpHを有することが好ましい。本明細書で使用する場合、「類似のpH」という用語は、第1および第2の溶液間のpHの違いが、せいぜい1.5、好適にはせいぜい1.0、より好適にはせいぜい0.5であることを意味する。
【0033】
一実施形態の場合には、上記非クロム含有触媒は、さらに、少なくとも1つの第3の金属を含有する。上記第3の金属は、Pd、Pt、RuおよびRhから選択される。少なくとも1つの第3の金属は、助触媒金属であると見なすことができる。
【0034】
上記第3の金属は、最終溶液または上記第1および第2の溶液に添加することができる。さらに、第3の金属は、好適には、pHの点および錯化剤のイオン濃度の点の両方で、上記第1および第2の溶液と相溶性を有することが好ましい第3の溶液で供給することができる。それ故、好適には、第3の溶液は、上記第1および第2の溶液と類似の濃度の錯化剤イオンを含有することが好ましい。さらに、好適には、第3の溶液は、5を超えるpH、好適には、第1および第2の溶液のpH類似のpHを有することが好ましい。
【0035】
しかし、ステップd)の焼成した最終溶液/担体の組合せは、少なくとも1つの第3の金属を含有する溶液で含浸し、その後でもう1回焼成を行うこともできる。このことは特に貴金属助触媒を含浸させるのに適している。
【0036】
好適には、最終溶液のpHは、6を超えることが好ましい。何故なら、これらの状況下で、最善の触媒が得られることが分かったからである。最終溶液を第1および第2の溶液および任意に第3の溶液から作製した場合には、好適には、第1、第2および第3の溶液のpHは6を超えることが好ましい。
【0037】
好適には、最終溶液内のCuイオンの濃度は、0.001〜0.3g/mL、より好適には0.005〜0.15g/mLの範囲であることが好ましい。好適には、最終溶液内のCuイオンの量は、1〜50重量%、より好適には10〜30重量%、最も好適には15〜25重量%の銅を含有する触媒が得られる量であることが好ましい。このような量の銅を使用することにより優れた触媒が得られることが分かった。
【0038】
好適には、最終溶液内の錯化剤のイオンの濃度は、0.001〜1.5g/mLの範囲、より好適には0.15〜0.5g/mLの範囲であることが好ましい。最も好適には、最終溶液内の錯化剤のイオンの量は、錯化剤に対する金属の分子比が0.1〜5、より好適には0.5〜2、最も好適には0.75〜1.25の範囲になるような量であることが好ましい。何故なら、このような分子比、特に約1の分子比の場合に、最善の触媒が得られることが分かったからである。
【0039】
一実施形態の場合には、最終溶液内の少なくとも1つの第2の金属の濃度は0.001〜0.3g/mLの範囲であり、好適には0.005〜0.15g/mLの範囲内であることが好ましい。好適には、最終溶液内の少なくとも1つの第2の金属の量は、少なくとも1つの第2の金属に対する銅の原子比が、0.01〜10の範囲、より好適には0.1〜5の範囲、最も好適には0.3〜3.0の範囲になるような触媒が得られる量であることが好ましい。
【0040】
他の実施形態の場合には、最終溶液内の少なくとも1つの第3の金属のイオン濃度は、0.0001〜0.03g/mLの範囲、好適には0.0005〜0.015g/mLの範囲である。好適には、少なくとも1つの第3の金属の量は、銅に対する少なくとも1つの第3の金属の原子比が0.001〜0.05の範囲、より好適には0.001〜0.01の範囲の触媒が得られるような量であることが好ましい。
【0041】
他の実施形態の場合には、本発明による方法は、入手した触媒を粉砕する追加のステップg)を含む。上記粉砕が重要である場合がある。何故なら、触媒が液相バッチ反応器内で使用される場合があり、その場合には、触媒は細かい粉末の形をしていなければならないからである。この場合、好適な粒子サイズは、0.1〜250μmの範囲内、より好適には1〜100μmの範囲内、最も好適には5〜25μmの範囲である。得られた触媒を粉砕するもう1つの利点は、触媒材料を粉砕している間に触媒材料が均質化することである。このようにして得た触媒材料は、入手した細かい粉末をペレットに成形することにより、押出しまたは任意の他の成形手段により当業者であれば周知のもっと大きな触媒にすることによりさらに処理することができることを理解されたい。このような成形の目的は、固定床反応器のような他のタイプの反応器、または当業者であれば周知の任意の他のタイプの反応器で試験するのに適している触媒にすることである。
【0042】
好ましい実施形態の場合には、少なくとも1つの第2の金属は、Fe、Zn、Co、Niまたはこれらの組合せのうちの1つまたは複数から選択される。例えば、本発明により作製したある種のCu−Fe触媒は、従来の触媒と比較した場合、もっと低い圧力で水素添加反応を触媒作用により助長することができることが分かっている。さらに、本発明による多くのCu−Fe触媒およびCu−Zn触媒は、活性、選択性またはこれらの組合せの点で従来の触媒よりも優れていた。
【0043】
他の好ましい実施形態の場合には、少なくとも1つの第3の金属が、Pd、Ru、Pt、Rhまたはこれら2つ以上の組合せのうちの1つまたは複数から選択される。
【0044】
好適には、不活性担体は、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、酸化亜鉛またはこれらの任意の組合せから選択することが好ましい。何故なら、本発明による触媒の作製の際にこれらの担体を使用すると、特に優れた触媒が得られるからである。より好適には、不活性担体をシリカ、マグネシアおよびジルコニアから選択することが好ましい。何故なら、そうすると最善の結果が得られることが分かったからである。
【0045】
好適には、不活性担体の量は、0〜95重量%、好適には50〜90重量%、最も好適には70〜85重量%であることが好ましい。何故なら、このようにして得た触媒は、非常に安定であり高い活性を有するからである。さらに、安価な担体材料の濃度が比較的高いことも、経済の観点から見て有利である。
【0046】
第2の態様によれば、本発明は、銅または本発明の任意の方法により入手することができる銅および少なくとも1つの第2の金属を含有する非クロム含有触媒に関する。このようなCu触媒は、従来のCu触媒よりも高い活性、選択性またはこれらの組合せを有する。別の方法としては、上記触媒は、もっと穏やかな水素添加反応条件で使用することができる。
【0047】
好適には、上記触媒は少なくとも5重量%の銅を含有し、少なくとも1つの第2の金属に対する銅の原子比が0.1〜10であることが好ましい。
【0048】
また、本発明は、5〜50重量%、好適には10〜30重量%の(Cu+Zn)を含有し、Znに対するCuの原子比が0.1〜10、好適には0.5〜5、より好適には1〜4を有するシリカ、ジルコニア、またはマグネシア上に担持されている非クロム含有Cu−Zn触媒に関する。不活性担体としてのシリカ、ジルコニア、またはマグネシア上に担持されているCu−Zn触媒が、周知のCu−Zn触媒よりも遥かに高い活性または選択性を有することが今回初めて分かった。
【0049】
好適には、上記非クロム含有Cu−Zn触媒が、さらに、少なくとも1つの第2の金属、CoまたはNiまたはこれらの組合せを含有することが好ましい。本発明による非クロム含有Cu−Zn触媒にCoまたはNiを添加すると、上記触媒の活性および/または選択性が改善することが分かった。
【0050】
他の実施形態の場合には、上記非クロム含有Cu−Zn触媒は、さらに、Rh、Ru、PdおよびPtまたはこれらの2つ以上の組合せから選択した少なくとも1つの第3の金属を含有する。少なくとも1つの第3の金属を添加すると、多くの場合、非クロム含有Cu−Zn触媒の活性および/または選択性が改善することが分かった。
【0051】
すでに説明したように、少なくとも1つの第3の金属に対する(Cu+Zn)の原子比が0.0001〜0.5、好適には0.001〜0.01である非クロム含有Cu−Zn触媒の場合に最善の結果が得られた。
【0052】
さらに他の態様によれば、本発明は、5〜50重量%、好適には10〜30重量%の(Cu+Fe)を含有し、Feに対するCuの原子比が、0.1〜10、好適には0.5〜5、より好適には1〜4であるシリカ、ジルコニアまたはマグネシア上に担持されている非クロム含有Cu−Fe触媒に関する。不活性担体としてのシリカ、ジルコニア、マグネシア上に担持されているCu−Fe触媒は、周知のCu−Fe触媒と比較した場合、遥かに高い活性および/または選択性を有することが今回初めて分かった。
【0053】
好適には、本発明による上記非クロム含有Cu−Fe触媒は、さらに少なくとも1つの第2の金属CoまたはNiまたはこれらの組合せを含有することが好ましい。何故なら、これらの金属を添加するとさらに、活性および/または選択性が改善するからである。
【0054】
他の実施形態の場合には、本発明による上記非クロム含有Cu−Fe触媒は、さらにRh、Ru、PdおよびPtまたはこれらの2つ以上の組合せから選択した少なくとも1つの第3の金属を含有する。少なくとも1つの第3の金属を添加すると、上記第3の金属は助触媒金属となり、通常、非クロム含有Cu−Fe触媒の活性および/または選択性が改善することが分かった。
【0055】
好適には、非クロム含有Cu−Fe触媒は、少なくとも1つの第3の金属に対する(Cu+Fe)の原子比が0.0001〜0.5、好適には0.001〜0.01であることが好ましい。何故なら、この場合、活性および/または選択性の最善の結果が得られたからである。
【0056】
他の態様によれば、本発明は、それぞれ脂肪アルコール、アルコール、ジアルコールにするために脂肪酸、脂肪エステル、エステルおよびジエステルを水素添加するための本発明による非クロム含有触媒の使用方法に関する。このような脂肪酸および脂肪エステルの例としては、1つまたは複数の炭素を含有する直線または分岐、飽和または不飽和脂肪酸、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸、およびセバシン酸のような上記脂肪酸を含有するアルコールのエステル等があるが、これらに限定されない。脂肪エステルの例としては、カプロン・エステル、カプリル・エステル、カプリン・エステル、ラウリン・エステル、ミリスチン・エステル、パルミチン・エステル、ステアリン・エステル、イソステアリン・エステル、オレイン・エステル、アジピン・エステル、およびセバシン・エステル等があるが、これらに限定されない。
【0057】
上記脂肪酸または脂肪エステルは、例えば、懸濁反応法、固定床反応法、または流動床反応法のような任意の反応法により水素添加することができる。反応には溶媒を使用することができるが、生産性の点から見て、好適には反応は溶媒を使用しないで行うことが好ましい。溶媒を使用する場合には、アルコール、ジオキサンおよび炭化水素のような反応に悪影響を与えない溶媒が選択される。一般的に、反応温度は100〜300℃の範囲内であり、反応圧力は一般的に100〜300バールの範囲内である。
【0058】

下記の例により本発明についてさらに詳細に説明するが、これらの例は決して本発明の範囲を制限するものではない。
【0059】
例1 シリカ上でのCu−Fe触媒の作製
50.0gの三水和硝酸銅(Sigma−Aldrich)および43.5gの一水和クエン酸(Sigma−Aldrich)を約150gの水に溶解して第1の溶液を作製した。この溶液は約0.5のpHを有していたが、少量の30%アンモニア(Sigma−Aldrich)を添加することによりpHを7に増大した。溶液のpHが7になった時に、水を加えて250mLの溶液を得た。50.0gの非水和硝酸鉄(Sigma−Aldrich)および26.0gの一水和クエン酸を使用して類似の方法で第2の溶液を作製した。1gのシリカ(Aerosil 300、Degussa)のサンプルに、3.97mLのCu溶液および2.21mLのFe溶液を加え、その後で5分間スラリーを攪拌した。次に、スラリーを120℃で12時間乾燥し、450℃で2時間焼成した。最後に、触媒前駆体を粉砕して粉末にした。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Feを含有し、Cu:Feの原子比は3:1であった。
【0060】
比較例1A シリカ上でのCu−Fe触媒の作製
250mLの溶液を得るために、50.0gの三水和硝酸銅を水に溶解して第1の溶液を作製した。250mLの溶液を得るために、50.0gの非水和硝酸鉄を水に溶解して第2の溶液を作製した。25mLの第3の溶液を得るために、3.97mLのCu溶液の部分標本および2.21mLの第2の溶液を混合し水で希釈した。この溶液に1gのシリカ粉末(Aerosil 300)を加えた。攪拌しながら、0.2mL/分の速度でこのようにして得たスラリーにアンモニア溶液(2モル/リットル)を加えた。pHが9になると、沈殿が起こり、沈殿したものを水洗いした。乾燥(120℃で2時間)および焼成(450℃で2時間)の後で、100gの触媒当たり20gのCu−Feの組成を含有し、Cu:Feの原子比が3:1の触媒前駆体が得られた。
【0061】
比較例1B シリカ上でのCu−Fe触媒の作製
沈殿反応のために0.2Mのアンモニア溶液を使用した他は、比較例1Aに記載したのと同じ方法で触媒を作製した。
【0062】
比較例2 Cu−Cr−Ba−Mn−Si触媒の作製(1992年、Henkelの特許文献8の例1)
265gの水に48.25gのCrOを溶解して第1の溶液を作製し、この溶液を60℃に加熱した。次に、97gの28〜30%のアンモニアを加えた。アンモニアを加えると、溶液の色がオレンジから薄いオレンジ茶に変色し、pHが1未満から7.9に増大した。2.50gの硝酸バリウム、102.84gの硝酸銅、および8.67gの硝酸マンガンを265gの水に溶解して第2の溶液を作製した。透明な青の溶液が得られ、これを60℃に加熱した。この溶液に1.83gの40%のシリカゾル(Ludox AS−40、Sigma−Aldrich)を加えた。第2の溶液を、約20分かけて漏斗を通してクロム溶液に加えた。このとき、クロム溶液が暗緑色に代わった。すべての溶液を加えた後でも、Cr−Cu−Mn−Ba溶液は暗緑色のままであり、pHは7であった。この溶液を冷却すると、茶色の沈殿物が得られた。沈殿物から暗緑色の溶液を分離するために、溶液+沈殿物をフィルタ(ガラス、P2)上に注いだ。沈殿物を250mLの水で6回洗った。最後の洗浄の後で、沈殿物を皿に移し、乾燥および焼成した(105℃(2℃/分)に加熱し、105℃で(12時間)加熱し、500℃(2℃/分)に加熱し、500℃で(2時間)加熱し、冷却した)。38.5%の銅、28.3%のクロム、4.6%のバリウム、3.5%のマンガン、0.8%のシリコン組成を有する暗褐色の触媒前駆体が得られた。
【0063】
例2A マグネシア上のCu−Zn触媒の作製
104.2gの30%アンモニア内に49.1gのクエン酸銅(Pfaltz and Bauer)を溶解して、第1の溶液を作製した。102.8gの30%アンモニア内に50.4gの二水和クエン酸亜鉛(Sigma−Aldrich)を溶解して第2の溶液を作製した。1gのマグネシア(E−10、DSP)のサンプルに、1.00mLの銅溶液および1.87mLの亜鉛溶液を加え、その後でスラリーを5分間攪拌した。次に、スラリーを120℃で12時間乾燥し、450℃で2時間焼成した。最後に、触媒前駆体を粉砕して粉末にした。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Znを含有し、Cu:Znの原子比は1:1である。
【0064】
例2B マグネシア上でのCu−Zn−Co触媒の作製
例2Aのように、銅およびクエン酸亜鉛溶液を作製した。104.1gの30%アンモニアに10.5gのクエン酸コバルト(STREM)を溶解して第3の溶液を作製した。1gのマグネシア(E−10、DSP)のサンプルに、1.51mLの銅溶液、0.63mLの亜鉛溶液、および0.135mLのコバルト溶液を加え、その後でスラリーを5分間攪拌した。次に、スラリーを120℃で12時間乾燥し、450℃で2時間焼成した。最後に、触媒前駆体を粉砕して粉末にした。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Coを含有し、Cu:Zn:Coの原子比は3:1:0.04であった。
【0065】
例2C マグネシア上でのCu−Zn−Co触媒の作製
例1に記載したように、等モル量のクエン酸を含有し、30%のアンモニアでそのpHを7に調整した銅、亜鉛および硝酸コバルトの溶液を作製した。1gのマグネシア(E−10、DSP)のサンプルに、3.75mLの銅溶液、1.52mLの亜鉛溶液、および0.121mLのコバルト溶液を加え、その後でスラリーを5分間攪拌した。次に、スラリーを120℃で12時間乾燥し、450℃で2時間焼成した。最後に、触媒前駆体を粉砕して粉末にした。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Coを含有し、Cu:Zn:Coの原子比は3:1:0.04であった。
【0066】
例3 ジルコニア上でのCu−Zn触媒の作製
例2のようにクエン酸銅およびクエン酸亜鉛の溶液を作製した。1gのジルコニア粉末(NNC100、Daiichi)のサンプルに、1.52mLの銅溶液、0.94mLの亜鉛溶液を加え、その後でスラリーを5分間攪拌した。次に、スラリーを120℃で12時間乾燥し、450℃で2時間焼成した。最後に、触媒前駆体を粉砕して粉末にした。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Znを含有し、Cu:Znの原子比は3:1であった。
【0067】
例4 チタニア上でのCu−Fe−Co触媒の作製
例2のようにクエン酸銅溶液を作製した。102.3gの30%アンモニアに50.3gの二水和クエン酸鉄(Sigma−Aldrich)を溶解して第2の溶液を作製した。104.1gの30%アンモニアにクエン酸コバルト(STREM)を溶解して第3の溶液を作製した。1gのチタニア粉末(P25、Degussa)のサンプルに、1.51mLの銅溶液、0.94mLの亜鉛溶液および0.142mLのコバルト溶液を加え、その後でスラリーを5分間攪拌した。次に、スラリーを120℃で12時間乾燥し、450℃で2時間焼成した。最後に、触媒前駆体を粉砕して粉末にした。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Fe−Coを含有し、Cu:Fe:Coの原子比は3:1:0.4であった。
【0068】
例5A マグネシア上でのCu−Zn−Ni触媒の作製
例2のようにクエン酸銅およびクエン酸亜鉛溶液を作製した。108.1gの30%アンモニアに10.1gのクエン酸ニッケル(Alfa Aesar)を溶解して第3の溶液を作製した。1gのマグネシア(E−10、DSP)のサンプルに、1.51mLの銅溶液、0.63mLの亜鉛溶液および0.11mLのニッケル溶液を加え、その後でスラリーを5分間攪拌した。次に、スラリーを120℃で12時間乾燥し、450℃で2時間焼成した。最後に、触媒前駆体を粉砕して粉末にした。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Niを含有し、Cu:Zn:Niの原子比は3:1:0.4であった。
【0069】
例5B ジルコニア上でのCu−Zn−Ni触媒の作製
担体としてジルコニアを使用した他は、例5Aと類似の方法で触媒を作製した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Niを含有し、Cu:Zn:Niの原子比は3:1:0.4であった。
【0070】
例6 シリカ上でのCu−Fe−Ni触媒の作製
例1に記載したように、等モル量のクエン酸を含有し、30%のアンモニアでそのpHを7に調整した銅、鉄および硝酸ニッケル溶液を作製した。銅:鉄の原子比が3:1、CuおよびFeに対するニッケルの原子比が0.1%である、10.3重量%の全金属負荷の最終触媒組成を得る目的で、その1.1mLを1gのシリカ(Grace Davison、Davicat(登録商標)SI 1351)に含浸させたCu−Fe−Ni溶液を得るためのこれらの溶液をある量だけ混合した。含浸した支持体を等質化し、触媒前駆体を120℃で2時間乾燥させ、空気中で450℃で2時間焼成した。
【0071】
例7 シリカ上でのCu−Zn触媒の作製
例1に記載したように、等モル量のクエン酸を含有し、30%のアンモニアでそのpHを7に調整した銅および硝酸亜鉛の溶液(0.3gの塩/mL溶液)を作製した。Cu:Znの原子比が3:1である、27.8重量%の全金属負荷の最終触媒組成を得る目的で、その2.5mLを1gのシリカ(PQ、CS 2050)に含浸させたCu−Zn溶液を得るために溶液をある量だけ混合した。含浸した支持体を等質化し、このようにして得た触媒前駆体を120℃で2時間乾燥させ、空気中で450℃で2時間焼成した。27.8重量%の金属負荷を得るために、その間、支持体を乾燥/焼成ステップで2回含浸した。
【0072】
例8 シリカ上でのCu−Zn触媒の作製
例2のようにクエン酸銅およびクエン酸亜鉛の溶液を作製した。1gのシリカ(Aerosil 300)のサンプルに、1.52mLの銅溶液、および0.64mLの亜鉛溶液を加え、その後でスラリーを5分間攪拌した。次に、スラリーを120℃で12時間乾燥し、450℃で2時間焼成した。触媒前駆体を粉砕して粉末にした。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Znを含有し、Cu:Znの原子比は3:1であった。
【0073】
例8A シリカ上でのCu−Zn−Rh触媒の作製
例8と同じようにCu−Zn触媒前駆体を作製した。10mLの水に0.1gの硝酸ロジウム溶液(14.7%Rh、Chempur)を溶解して第3の溶液を作製した。シリカ触媒前駆体上のCu−Znに、初期の湿気になるように0.292mLのRh溶液および十分な追加の水の溶液で含浸した。湿った粉末を120℃で2時間乾燥し、450℃で2時間焼成した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Rhを含有し、Cu:Zn:Rhの原子比は3:1:0.004であった。
【0074】
例8B シリカ上でのCu−Zn−Ru触媒の作製
触媒前駆体粉末をルテニウム・ニトロシル(13.0%Ru、Chempur)の溶液で含浸したことを除けば、例8Aと同じ方法で触媒を作製した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Ruを含有し、Cu:Zn:Ruの原子比は3:1:0.004であった。
【0075】
例8C シリカ上でのCu−Zn−Pd触媒の作製
触媒前駆体粉末を硝酸パラジウム(40.5%Pd、Chempur)の溶液で含浸したことを除けば、例8Aと同じ方法で触媒を作製した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Pdを含有し、Cu:Zn:Pdの原子比は3:1:0.004であった。
【0076】
例8D シリカ上でのCu−Zn−Pt触媒の作製
例1に記載したように、等モル量のクエン酸を含有し、30%のアンモニアでそのpHを7に調整した銅および硝酸亜鉛の溶液(0.5gの塩/mL溶液)を作製した。1gのシリカ(Aerosil 300、Degussa)のサンプルに、3.77mLの銅溶液および1.55mLの亜鉛溶液を加え、その後でスラリーを5分間攪拌した。次に、スラリーを120℃で12時間乾燥し、450℃で2時間焼成した。触媒前駆体を粉砕して粉末にした。10mLの水に0.1gの硝酸プラチナ溶液(58.2%Pt、Chempur)を溶解して第3の溶液を作製した。シリカ触媒前駆体上のCu−Znに、初期の湿気になるように0.139mLのPt溶液および十分な追加の水で含浸した。湿った粉末を120℃で2時間乾燥し、450℃で2時間焼成した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Ptを含有し、Cu:Zn:Ptの原子比は3:1:0.004であった。
【0077】
例9 ジルコニア上でのCu−Zn触媒の作製
図8類似の方法で触媒を作製した。シリカの代わりにジルコニア粉末(NNC100、Daiichi)を使用した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Znを含有し、Cu:Znの原子比は1:1であった。
【0078】
例9A ジルコニア上でのCu−Zn−Rh触媒の作製
例8A類似の方法で触媒を作製した。シリカの代わりにジルコニア粉末(NNC100、Daiichi)を使用した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Rhを含有し、Cu:Zn:Rhの原子比は1:1:0.004であった。
【0079】
例9B ジルコニア上でのCu−Zn−Ru触媒の作製
例8D類似の方法でCu−Zn触媒前駆体を作製した。シリカの代わりにジルコニア粉末(NNC100、Daiichi)を使用した。例8Bと同じ方法でRuを添加した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Ruを含有し、Cu:Zn:Ruの原子比は3:1:0.004であった。
【0080】
例9C ジルコニア上でのCu−Zn−Pd触媒の作製
例8C類似の方法で触媒を作製した。シリカの代わりにジルコニア粉末(NNC100、Daiichi)を使用した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Pdを含有し、Cu:Zn:Pdの原子比は1:1:0.004であった。
【0081】
例9D ジルコニア上でのCu−Zn−Pt触媒の作製
例8D類似の方法で触媒を作製した。シリカの代わりにジルコニア粉末(NNC100、Daiichi)を使用した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Ptを含有し、Cu:Zn:Ptの原子比は1:1:0.004であった。
【0082】
例10 マグネシア上でのCu−Zn触媒の作製
例8D類似の方法でCu−Zn触媒前駆体を作製した。シリカの代わりにマグネシア粉末(E−10、DSP)を使用した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Znを含有し、Cu:Znの原子比は1:1であった。
【0083】
例10A マグネシア上でのCu−Zn−Rh触媒の作製
例8D類似の方法でCu−Zn触媒前駆体を作製した。シリカの代わりにマグネシア粉末(E−10、DSP)を使用した。例8A類似の方法でRhを添加した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Rhを含有し、Cu:Zn:Rhの原子比は1:1:0.004であった。
【0084】
例10B マグネシア上でのCu−Zn−Ru触媒の作製
例8B類似の方法で触媒を作製した。シリカの代わりにマグネシア粉末(E−10、DSP)を使用した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Ruを含有し、Cu:Zn:Ruの原子比は3:1:0.004であった。
【0085】
例10C マグネシア上でのCu−Zn−Pd触媒の作製
図8C類似の方法で触媒を作製した。シリカの代わりにマグネシア粉末(E−10、DSP)を使用した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Pdを含有し、Cu:Zn:Pdの原子比は1:1:0.004であった。
【0086】
例10D マグネシア上でのCu−Zn−Pt触媒の作製
図8D類似の方法で触媒を作製した。シリカの代わりにマグネシア粉末(E−10、DSP)を使用した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Zn−Ptを含有し、Cu:Zn:Ptの原子比は1:1:0.004であった。
【0087】
例11 シリカ上でのCu−Fe触媒の作製
クエン酸銅溶液(例2と同じ)およびクエン酸鉄溶液(例4と同じ)を使用して、例8A類似の方法で触媒を作製した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Feを含有し、Cu:Feの原子比は1:1であった。
【0088】
例11A〜11D シリカ上でのCu−Fe−(Rh、Ru、PdまたはPt)触媒の作製
クエン酸銅溶液(例2と同じ)およびクエン酸鉄溶液(例4と同じ)を使用して、例8A類似の方法で触媒を作製した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Fe−(Rh、Ru、PdまたはPt)を含有し、Cu:Fe:(Rh、Ru、PdまたはPt)の原子比は1:1:0.004であった。
【0089】
例12 シリカ上でのCu−Fe触媒の作製
硝酸銅溶液および硝酸鉄溶液(例6の使用と同じ)を使用して、例8D類似の方法で触媒を作製した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Feを含有し、Cu:Feの原子比は1:1であった。
【0090】
例12A シリカ上でのCu−Fe−(Rh、Ru、PdまたはPt)触媒の作製
硝酸銅溶液および硝酸鉄溶液(例6と同じ)を使用して、図8D類似の方法で触媒を作製した。触媒の組成は、100gの触媒当たり20gのCu−Fe−(Rh、Ru、PdまたはPt)を含有し、Cu:Fe:(Rh、Ru、PdまたはPt)の原子比は1:1:0.004であった。
【0091】
例13 触媒試験手順
0.25gの触媒のサンプル(例1〜12に記載した方法により作製した)を、350℃の温度で2時間、水素流中で還元した。還元した触媒を反応器に移し、25mLのラウリン酸メチル内に懸濁した。反応混合物を100バールの水素内で250℃で4時間の間750rpmで攪拌した。冷却した後で、GCにより反応混合物を分析した。表1〜3はGC分析の結果を示す。
【表1】

【表2】

【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cuおよび金属または酸化物の形をしている少なくとも1つの第2の金属を含有する非クロム含有触媒を製造するための方法であって、
a)Cuイオンおよび少なくとも1つの第2の金属のイオンを含有し、さらに錯化剤のイオンおよび5を超えるpHを有する最終溶液を作製するステップと、
b)最終溶液/担体の組合せを形成するために、前記最終溶液を不活性担体と接触させるステップと、
c)任意に、前記最終溶液/担体の組合せを乾燥するステップと、
d)Cuおよび酸化物の形をしている前記少なくとも1つの第2の金属を作製するために、ステップc)またはd)で得た前記最終溶液/担体の組合せを焼成するステップと、
e)前記担体上でこのようにして得た酸化銅の少なくとも一部を還元するステップと
を含むことを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記ステップa)が、Cuイオンを含有する少なくとも第1の溶液を、少なくとも1つの第2の金属のイオンが含有する少なくとも第2の溶液と結合することにより前記最終溶液を作製するステップを含むことを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記第1および第2の溶液の両方が、類似の濃度の前記錯化剤のイオンを含有することを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記第1の溶液および前記第2の溶液の両方が、5を超えるpHを有することを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記第1および前記第2の溶液が類似のpHを有することを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記非クロム含有触媒が、少なくとも1つの第3の金属をさらに含有することを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記最終溶液のpHが6を超えることを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至7の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記最終溶液内のCuイオンの濃度が、0.001〜0.3、より好適には0.005〜0.15gのCu/mLの範囲内であることを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項9】
請求項1乃至8の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記最終溶液内のCuイオンの量が、1〜50重量%、より好適には10〜30重量%、最も好適には15〜25重量%のCuを含有する触媒が得られるような量であることを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項10】
請求項1乃至9の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記最終溶液内の錯化剤の濃度が、0.001〜1.5、より好適には0.15〜0.5g/mLの範囲内であることを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至10の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記最終溶液内の前記錯化剤のイオンの量が、錯化剤に対する金属の分子比が、0.1〜5、より好適には0.5〜2、および最も好適には0.75〜1.25の範囲内であることを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項12】
請求項1乃至11の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記最終溶液内の前記少なくとも1つの第2の金属のイオンの濃度が、0.001〜0.3g/mLの範囲内、好適には0.005〜0.15g/mLの範囲内であることを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項13】
請求項1乃至12の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記最終溶液内の前記少なくとも1つの第2の金属のイオンの量が、前記少なくとも1つの第2の金属に対するCuの原子比が0.01〜10の範囲内、より好適には0.1〜5の範囲内、最も好適には0.3〜3.0の範囲内の触媒を得られるような量であることを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項14】
請求項6〜13の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記最終溶液内の前記少なくとも1つの第3の金属のイオンの濃度が、0.0001〜0.03g/mLの範囲内、好適には0.0005〜0.015g/mLの範囲内にあることを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項15】
請求項6〜14の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記少なくとも1つの第3の金属の量が、Cuに対する前記少なくとも1つの第3の金属の原子比が、0.001〜0.05の範囲内、より好適には0.001〜0.01の範囲内にある触媒が得られるような量であることを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項16】
請求項1乃至15の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、更に、前記入手した触媒を粉砕する追加のステップg)を含むことを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項17】
請求項1乃至16の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記少なくとも1つの第2の金属が、Fe、Zn、Co、Niまたはこれら2つ以上の組合せのうちの1つまたは複数から選択されることを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項18】
請求項1乃至17の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記少なくとも1つの第3の金属が、Pd、Ru、Pt、Rhまたはこれらの組合せのうちの1つまたは複数から選択されることを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項19】
請求項1乃至18の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記不活性担体が、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、酸化亜鉛またはこれらの任意の組合せから選択されることを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項20】
請求項1乃至19の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法において、前記不活性担体が、0〜95重量%、より好適には約50〜90重量%、最も好適には70〜85重量%の量で存在することを特徴とする非クロム含有触媒の製造方法。
【請求項21】
請求項1乃至20の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒の製造方法によって製造され、Cuおよび少なくとも1つの第2の金属を含有することを特徴とする非クロム含有触媒。
【請求項22】
請求項21に記載の非クロム含有触媒において、前記触媒が、少なくとも5重量%のCuを含有し、前記少なくとも1つの第2の金属に対するCuの原子比が0.1〜10であることを特徴とする非クロム含有触媒。
【請求項23】
5〜50重量%、好適には10〜30重量%の(Cu+Zn)を含有し、Znに対するCuの原子比が0.1〜10、好適には0.5〜5、より好適には1〜4であるシリカ、ジルコニアまたはマグネシア上に担持されている非クロム含有Cu−Zn触媒。
【請求項24】
請求項23に記載の非クロム含有Cu−Zn触媒において、少なくとも1つの第2の金属として、CoまたはNまたはこれらの組合せをさらに含有することを特徴とする非クロム含有Cu−Zn触媒。
【請求項25】
請求項23または24に記載の非クロム含有Cu−Zn触媒において、Rh、Ru、PdおよびPtまたはこれらの2つ以上の組合せから選択した少なくとも1つの第3の金属をさらに含有することを特徴とする非クロム含有Cu−Zn触媒。
【請求項26】
請求項25に記載の非クロム含有Cu−Zn触媒において、前記少なくとも1つの第3の金属に対する(Cu+Zn)の原子比が0.0001〜0.5、好適には0.001〜0.01であることを特徴とする非クロム含有Cu−Zn触媒。
【請求項27】
5〜50重量%、好ましくは、10〜30重量%の(Cu+Fe)を含有し、Feに対するCuの原子比が0.1〜10、好ましくは0.5〜5、より好ましくは、1〜4であるシリカ、ジルコニアまたはマグネシア上に担持されていることを特徴とする非クロム含有Cu−Fe触媒。
【請求項28】
請求項23に記載の非クロム含有Cu−Fe触媒において、少なくとも1つの第2の金属として、CoまたはNiまたはこれらの組合せをさらに含有することを特徴とする、請求項23に記載の非クロム含有Cu−Fe触媒。
【請求項29】
請求項23または24に記載の非クロム含有Cu−Fe触媒において、Rh、Ru、PdおよびPtまたはこれらの2つ以上の組合せから選択した少なくとも1つの第3の金属をさらに含有することを特徴とする非クロム含有Cu−Fe触媒。
【請求項30】
請求項25に記載の非クロム含有Cu−Fe触媒において、前記少なくとも1つの第3の金属に対する(Cu+Fe)の原子比が0.0001〜0.5、好適には0.001〜0.01であることを特徴とする非クロム含有Cu−Fe触媒。
【請求項31】
請求項21〜30の内の何れか一つに記載の非クロム含有触媒を使用する方法であって、それぞれ、脂肪アルコール、アルコールおよびジアルコールにするために脂肪酸、脂肪エステル、エステルおよびジエステルに水素添加することに用いられることを特徴とする非クロム含有触媒の使用方法。

【公表番号】特表2007−518557(P2007−518557A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550973(P2006−550973)
【出願日】平成16年1月21日(2004.1.21)
【国際出願番号】PCT/NL2004/000051
【国際公開番号】WO2005/070537
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(505041405)アーヴァンティウム インターナショナル ベスローテン フェンノートシャップ (3)
【出願人】(506250398)ユニバーシティ マラヤ (3)
【Fターム(参考)】