DC−DCコンバータ
【課題】 半導体集積回路(IC)やインダクタを複合一体化したDC−DCコンバータにおいて、積層インダクタの積層数や実装面積を増加させる事無く、小型低背のDC−DCコンバータを提供する。
【解決手段】 少なくとも、インダクタと、半導体集積回路を備えたDC−DCコンバータであって、DC−DCコンバータ制御回路とスイッチング素子を含む半導体集積回路(IC)を配置する領域と、半導体集積回路(IC)の電極パッドとワイヤボンディングして接続した領域と、インダクタを配置する領域とを備えたリードフレームに、半導体集積回路およびインダクタを搭載し、ワイヤボンディングして、それらを一体的に樹脂封止した後、封止領域外のリードフレームを切断して、外部回路との接続のための実装端子とした。
【解決手段】 少なくとも、インダクタと、半導体集積回路を備えたDC−DCコンバータであって、DC−DCコンバータ制御回路とスイッチング素子を含む半導体集積回路(IC)を配置する領域と、半導体集積回路(IC)の電極パッドとワイヤボンディングして接続した領域と、インダクタを配置する領域とを備えたリードフレームに、半導体集積回路およびインダクタを搭載し、ワイヤボンディングして、それらを一体的に樹脂封止した後、封止領域外のリードフレームを切断して、外部回路との接続のための実装端子とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DC−DCコンバータ制御回路、増幅器を含む半導体集積回路(IC)と、インダクタやコンデンサなどの受動素子で構成されるDC−DCコンバータであって、リードフレームに少なくともインダクタ、半導体集積回路(IC)を複合したDC−DCコンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型の各種電子機器(携帯電話、携帯情報端末PDAやノート型コンピュータ、DVD,CD,MDプレイヤー、デジタルカメラ、ビデオカメラ等々)は、電源として電池を用いるものが多く、電源電圧を所定の動作電圧に変換する電力変換装置としてDC−DCコンバータを備えている。DC−DCコンバータは、スイッチング素子、制御回路を含む半導体集積回路(能動素子)とインダクタ、コンデンサなどの受動素子を、接続線路が形成されたプリント基板等の上にディスクリート回路として構成するのが一般的である。
【0003】
図17は、DC−DCコンバータの回路構成の一例を示す回路図である。図中の点線部分がDC−DCコンバータの回路であって、このDC−DCコンバータは、入力コンデンサCin、出力コンデンサCout、インダクタLoutおよび、DC−DCコンバータ制御回路を含む半導体集積回路(IC)で構成される降圧型DC−DCコンバータである。
直流の入力電圧Vinを入力し、半導体集積回路(IC)内の電界効果型トランジスタ(以下スイッチング素子)をスイッチングさせる。スイッチング素子をオンしている時間をTon、オフしている時間をToffとすると、出力電圧Voutは、Vout=Ton / (Ton + Toff) × Vinで表され、出力電圧Voutは入力電圧Vinより降圧される。入力電圧Vinが変動した場合は、TonとToffの比率を調整すれば、安定に維持した出力電圧Voutを出力することが出来る。
入力コンデンサ(Cin)は、入力電圧の過渡時の安定化や電圧スパイク防止のために用いられる。出力側には、直流電圧を出力するためのフィルタ回路(平滑回路)を備え、このフィルタ回路は、電流エネルギーの蓄積と放出を行う出力インダクタ(Lout)と、電圧エネルギーの蓄積と放出を行う出力コンデンサ(Cout)の組み合わせにより構成される。
【0004】
このようなDC−DCコンバータは、各種電子機器の小型化、多機能化に伴い、回路基板上における形成面積の小面積化が強く求められている。そのような要求に対して、半導体集積回路(IC)やインダクタを複合一体化して小型化することが行われている。
例えば、特許文献1には、図16の外観図に示すように、プリント基板と、チップインダクタと、制御回路等が形成された半導体集積回路ICにより構成され、半導体集積回路ICが実装されたプリント基板に接続端子を配設して、この接続端子に、チップインダクタを前記半導体集積回路と上下に重ねて配置したDC−DCコンバータが開示されている。
【特許文献1】特開2004−063676
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記各種電子機器の小型軽量化の要望は常に有り、内蔵されるDC−DCコンバータを小型に構成する要求も強い。前記インダクタのインダクタンス値は、少なくとも数μH程度のインダクタンス値が必要である。この様なインダクタは、半導体集積回路と比べると体積が非常に大きいために、DC−DCコンバータの小型化を図る上で最大の制約となっているのが実際である。そこで、半導体集積回路と重なるようにインダクタを載置して実装することで、小型化を図っている。
【0006】
しかしながら引用文献1のように、半導体集積回路ICとインダクタを近接して配置する場合には、インダクタからの漏洩磁束を考慮しなければならない。例えば電気絶縁層とコイルパターンが交互に積層され、各コイルパターンの端部が順次接続されて多層絶縁基板中に積層方向に重畳した周回コイルが形成され、その端部が外部電極に接続された積層インダクタの場合の漏洩磁束は以下のように作用する。
【0007】
上述の積層インダクタでは、インダクタ部で発生した磁束は、専ら周回コイルの上下に形成されたコイルパターンを有さない磁性体からなる絶縁層(ダミー絶縁層)を通過し、コイルの周囲を通過するが、その一部が外部にも漏れてしまう場合がある。漏れ磁束は、インダクタの周囲に配置される電子部品、例えば前記半導体集積回路に対してノイズとして作用する。
【0008】
このような漏れ磁束を防止するには、ダミー絶縁層を厚くするのが一般的な方法である。また、側面方向への漏れ磁束を防止するには、周回コイルの巻径を小さくして、周回コイルの外周側の領域を大きく確保したり、周回コイルの巻径を変更しない場合には、周回コイルの外周側の領域を大きく確保したりして、漏れ磁束を低減することが必要である。
しかしダミー絶縁層を厚くすると、高背化を招くので好ましくない。周回コイルの巻径を小さくすると、その分、巻数の増加を招き、高背化や工数増加といった問題に加えて、直流抵抗の増加といった問題も生じる。
【0009】
そこで本発明は、半導体集積回路(IC)やインダクタを複合一体化したDC−DCコンバータにおいて、積層インダクタの積層数や実装面積を増加させる事無く、小型低背のDC−DCコンバータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、少なくとも、インダクタと、半導体集積回路を備えたDC−DCコンバータであって、DC−DCコンバータ制御回路とスイッチング素子を含む半導体集積回路(IC)を配置する領域と、前記半導体集積回路(IC)の電極パッドとワイヤボンディングして接続される領域と、前記インダクタを配置する領域とを備えたリードフレームに、前記半導体集積回路および前記インダクタを搭載し、ワイヤボンディングして、それらを一体的に樹脂封止した後、封止領域外のリードフレームを切断して、外部回路との接続のための実装端子としたことを特徴とするDC−DCコンバータである。
【0011】
また本発明は、少なくとも、インダクタと、半導体集積回路を備えたDC−DCコンバータであって、DC−DCコンバータ制御回路とスイッチング素子を含む半導体集積回路(IC)を配置する領域と、前記半導体集積回路(IC)の電極パッドとフリップチップ実装される領域と、前記インダクタを配置する領域とを備えたリードフレームに、前記半導体集積回路および前記インダクタを搭載し、それらを一体的に樹脂封止した後、封止領域外のリードフレームを切断して、外部回路との接続のための実装端子としたことを特徴とするDC−DCコンバータである。
【0012】
これらの構成によれば、リードフレームに半導体集積回路とインダクタを実装することで、DC−DCコンバータを小型、低背化することが出来る。
【0013】
本発明において前記リードフレームは、フレーム枠と、前記フレーム枠から内側に延出したインナーリードと、吊りリードによって前記フレーム枠から内側に延出したダイパッドを備え、前記半導体集積回路(IC)を前記ダイパッドに実装するとともに、前記半導体集積回路(IC)の電極パッドと前記インナーリードとをワイヤボンディングする、あるいはフリップチップ実装するのが好ましい。
このような構成によって、ベアチップ状態の半導体集積回路がダイパッドにはんだなどの接続手段により強固に接続されるため、半導体集積回路の機械的強度が増し、DC−DCコンバータが実装される回路基板がたわみ等の変形を生じる場合であっても、破壊等の不具合が発生するのを防ぐことが出来る。またダイパッドにより、半導体集積回路が生じる発熱を、回路基板へ逃がすことができ、さらにダイパッドによって安定したグランド電位が得られるため、半導体集積回路は安定した動作が得られる。
【0014】
また、封止樹脂で覆われた第1の主面と、前記第1の主面と対向し、前記実装端子が、少なくとも一主面側に露出する第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面とを接続する側面を備え、前記実装端子が実質的に一面上に形成されたノンリードパッケージとするのも好ましい。このような構成により、実装用のマウンタでの部品吸着が容易となるととともに、実装端子の高さを減じて低背化することが出来る。
【0015】
さらに前記第1の主面側の封止樹脂には、実装端子の機能を示すマーキングが形成されているのが好ましい。少なくとも入力端子を示すマーキングを施すことで、回路基板との接続を間違えることがない。マーキングは塗料や、レーザ加工による刻設、また予め封止金型にマーキングとなる、凸部或いは凹部を設けておけば、樹脂封止後、その形状が転写され、マーキングとして機能する。
【0016】
また本発明においては、前記実装端子の表面にはAu層、もしくはAu−Pd合金層が形成されているのが好ましい。リードフレームの防錆、はんだ付け、ワイヤボンディング性の向上を図るとともに、低抵抗化することで損失の増加を防いでいる。また、DC−DCコンバータのスイッチング周波数も数MHzになるため、Au層、Au−Pd合金層による表皮効果による、低損失化が期待できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、半導体集積回路(IC)やインダクタを複合一体化したDC−DCコンバータにおいて、積層インダクタの積層数や実装面積を増加させる事無く、小型低背のDC−DCコンバータを提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施例1)
以下、本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータについて説明する。
図1はDC−DCコンバータの斜視図であり、図2はその主面平面図であり、図3は裏面平面図である。図4はDC−DCコンバータの内部透視平面図であり、図5はA−A’断面図である。そして、図6はリードフレームの部分拡大図である。なお、本実施例のDC−DCコンバータは、図17に示した降圧型DC−DCコンバータと同じ等価回路で構成されている。
【0019】
リードフレームは、フレーム枠により相互に連結され一体の金属板から構成される。このリードフレームは、厚みが0.05〜0.5mmのFe−Ni材やCu合金の一枚板である金属板を機械加工(プレス加工)やエッチング加工し、この加工工程の後に、3次元的な加工であるアップセット、ダウンセットを行い、所定形状に形成されたリードフレームにめっきを施して形成される。リードフレームの厚みは、DC−DCコンバータの厚みにも影響するため、機械的強度を考慮しながら出来るだけ薄いものを選択するのが好ましい。本発明に置いては、0.1mmの42アロイ(Fe−42%Ni合金)の帯鋼を用いた。めっきは、5μm以下のAgめっき、Auめっき、またはNi−Pd−Auめっき、Au−Pdめっきなどが用いられる。なお、Agめっきの場合にはたんだ付け性向上の観点から、DC−DCコンバータの裏面側に表れる部分に、Sn−Biめっき等を施すのが好ましい。また、めっき不要な部分、例えばフレーム枠にはレジスト膜を形成しておけば、高価な金属めっきを低減できるので好ましい。
図6に示すように、樹脂封止部として囲われた領域には、吊りリードを介してインナーリードを有する。図7は、樹脂封止部を含むインナーリードの部分拡大図である。前記インナーリードは、後に実装端子となる吊りリードとは異なる高さとなる様に、折り曲げ加工が施されており、図4に示すように、インダクタL、コンデンサCin、Cout、半導体集積回路ICが実装されるとともに、前記半導体集積回路ICの電極パッドと前記インナーリードとをワイヤボンディングされる。
【0020】
中央を横断するように設けられ、吊りリード50e、50jにより保持されたインナーリードには、半導体集積回路ICを実装する比較的大きな面積のダイパッド部70と、インダクタL実装部100を備え、両端の吊りリードは切断され、回路基板のグランドパターンと接続する実装端子GNDとなる。ダイパッド部70に、半導体集積回路ICを構成する半導体チップ、たとえばGaAsチップが配置されダイボンドされる。GaAsチップの裏面とダイパッド部の表面との間に導電性樹脂や、Agペーストや、Au−Si共晶体からなる接合材、はんだなどの導電性金属ペーストが介在し、これにより両者が、電気的、機械的に接合される。半導体集積回路ICから生じる熱は、実装端子GNDを介して、回路基板に放熱される。
【0021】
ダイパッド部70の周囲には、複数のインナーリードが配置されており、吊りリード50a,50b,50d,50f,50h,50iにより保持されている。吊りリードから伸びた各インナーリードの端部80a〜80fは自由端となっており、それぞれ対応するGaAsチップの電極パッドVin,Vcon,Vdd,Ven,SW,Vfbに、金線等からなるボンディングワイヤでワイヤボンディングされている。そして、各吊りリードは切断され、GaAsチップの各種信号の入出力端である電極パッドと接続する実装端子Vcon,Ven,Vout,Vdd,Vin,NCとなる。なお実装端子NCは電気的な機能は具備しないが、実装強度を確保するように回路基板に形成された電気的に独立したランド(他のパターンとは接続しない)と接続する。
【0022】
吊りリード50d、50fに連なるインナーリードには、インダクタが実装される。ここで、本発明に用いたインダクタの一例を図8に示す。このインダクタは矩形板状で、内部にインダクタを形成するライン電極を備え、側面側には、このライン電極と接続する一対の端子電極を備える。また裏面側には、インダクタL実装部100と接続する裏面電極を備えるものである。そして、各インナーリードと端子電極、裏面電極とが導電性樹脂や、はんだなどの導電性金属ペーストなどの接続部材によって、電気的、機械的に接続される。
また、吊りリード50c、50dに連なるインナーリードの間には、コンデンサCoutが、吊りリード50g、50hに連なるインナーリードの間には、コンデンサCinが実装接続される。そして吊りリード50c、50hは切断され、回路基板のグランドパターンと接続する実装端子GNDとなる。
【0023】
実装端子においてVcon,Ven,Vdd,Vin,Vout,GNDの表示は、接続される半導体集積回路部品ICの端子の機能を示すものである。端子導体パターンVconは、半導体集積回路部品ICの、出力電圧を可変制御するための端子Vconと接続する。端子導体パターンVenは、半導体集積回路部品ICの出力のON/OFF制御用の端子Venと接続する。端子導体パターンVddは、半導体集積回路部品ICのスイッチング素子をON/OFF制御するための端子Vddと接続する。端子導体パターンVinは、半導体集積回路部品ICの入力端子Vinと接続する。端子導体パターンVoutは、半導体集積回路部品ICの出力端子Voutと接続する。端子導体パターンGNDは、回路上接地され、半導体集積回路部品ICの出力端子GNDと接続する。
【0024】
このようなリードフレームには、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などのモールド樹脂によって封止される。端子電極の下面へのモールド樹脂の洩れを防ぐために、樹脂シートが予め張り付けられている。この樹脂シートは樹脂封止工程まで用いられ、最終的に分離されるインナーリードを保持する。
リードフレームの半導体集積回路部品を搭載する面の反対側面に、例えば厚さ12μm〜50μmの耐熱性のポリイミド基材に、厚さ3μm〜30μm熱可塑性または熱硬化性の高分子系接着剤を塗工したテープ(樹脂シート)を、熱圧着により貼り付ける。そして、モールド樹脂に接着剤が残ることが無いように、貼り付けたテープの不要部分の接着効力を無効にする処理を施す。この場合、リードフレームに貼り付けられたテープのうち、リードフレームと接触していない部分に、モールド樹脂とテープの接着剤とが直接接触しないように、厚さ数μm以下で離型剤を塗布する。なお、リードフレームと接触していない部分の接着剤層を、溶剤などを用いて除去してもよい。
この後、ダイパッドに半導体集積回路部品やインダクタ等を搭載し、半導体集積回路部品の電極とインナーリードとを金属細線により電気的に接続し、半導体集積回路部品、金属細線およびインナーリードの少なくとも金属細線との接続部分をモールド樹脂により封止して、テープをリードフレームから剥がす。
【0025】
DC−DCコンバータのモールド樹脂に、図2に示すようなマーカを設けるのが好ましい。ここでマーカは実装端子Vinの位置を示しているが、特に限定されるものではない。また、マーカの形成方法は、樹脂封止金型による転写や、レーザ加工による3次元的な凹部の形成や、塗料を転写、塗布する等の方法が適宜採用される。このようにして、外形寸法が5.5mm×5.5mm×1.4mmの小型低背型DC−DCコンバータとした。
【0026】
(実施例2)
本発明に係るDC−DCコンバータの他の態様について説明する。基本的な構成は実施例1と同様なので、主に相違点を以下に説明する。
図9はインナーリードの部分拡大図であり、図10はDC−DCコンバータの主面平面図であり、図11は裏面平面図である。また図12はDC−DCコンバータの内部透視平面図である。なお、本実施例のDC−DCコンバータも、図17に示した降圧型DC−DCコンバータと同じ等価回路で構成されている。
【0027】
前記インナーリードは、後に実装端子となる吊りリードとは同じ高さとなる様に形成され、DC−DCコンバータの裏面側に露出する。またインナーリードには、厚み方向に貫通する複数の透孔20が形成されている。前記透孔は半導体集積回路部品IC、インダクタL、コンデンサCin,Coutの実装部位を挟むように形成されるとともに、DC−DCコンバータの外周縁側に形成され、導電性樹脂や、Agペーストや、Au−Si共晶体からなる接合材、はんだなどの導電性金属ペーストが広がるのを防ぐとともに、前記透孔にモールド樹脂が充填されることで、インナーリードの脱落を防いでいる。本実施例おいても小型低背型DC−DCコンバータを得ることが出来た。
【0028】
(実施例3)
本発明に係るDC−DCコンバータの他の態様について説明する。基本的な構成は実施例1、2と同様なので、主に相違点を以下に説明する。
図13はインナーリードの部分拡大図であり、図14はDC−DCコンバータの主面平面図である。また図15はDC−DCコンバータの内部透視平面図である。なお、本実施例のDC−DCコンバータも、図17に示した降圧型DC−DCコンバータと同じ等価回路で構成されている。
【0029】
本実施例では半導体集積回路部品ICとインナーリードとの電気的かつ機械的な内部接続を、半導体集積回路部品ICに設けられた半田ボール等の導電性接合部材によって行う。このため、リードフレームにダイパッド部を設けず、インナーリードの端部80a〜80eが半導体集積回路部品ICの内側領域まで及ぶ様にしている。本実施例おいても小型低背型DC−DCコンバータを得ることが出来た。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明によれば、半導体集積回路(IC)やインダクタを複合一体化した半導体集積回路(IC)やインダクタを複合一体化したDC−DCコンバータにおいて、積層インダクタの積層数や実装面積を増加させる事無く、小型低背のDC−DCコンバータを提供することが出来るにおいて、積層インダクタの積層数や実装面積を増加させる事無く、小型低背のDC−DCコンバータを提供することが出来る。また、DC−DCコンバータを構成するリードフレーム、半導体集積回路部品、インダクタ、コンデンサをそれぞれ個別に取り扱うことが可能なので、インダクタ、コンデンサの定数変更等、各部品の変更が容易であり、様々な要求仕様に対して自由度高く対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータの外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータの外観平面図である。
【図3】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータの外観平面図である。
【図4】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータの内部透視平面図である。
【図5】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータのA−A’断面図である。
【図6】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータのリードフレーム部分拡大図である。
【図7】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータの樹脂封止部を含むリードフレームのインナーリード部分拡大図である。
【図8】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータに用いるインダクタの斜視図である。
【図9】本発明の他の実施例に係るDC−DCコンバータのリードフレームのインナーリード部分拡大図である。
【図10】本発明の他の実施例に係るDC−DCコンバータの主面平面図である。
【図11】本発明の他の実施例に係るDC−DCコンバータの裏面平面図である。
【図12】本発明の他の実施例に係るDC−DCコンバータの内部透視平面図である。
【図13】本発明の他の実施例に係るDC−DCコンバータのリードフレームの部分拡大図である。
【図14】本発明の他の実施例に係るDC−DCコンバータの主面平面図である。
【図15】本発明の他の実施例に係るDC−DCコンバータ内部透視平面図である。
【図16】従来のDC−DCコンバータの斜視図である。
【図17】DC−DCコンバータの回路構成の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0032】
1 DC−DCコンバータ
50a〜50j 吊りリード
70 ダイパッド部
【技術分野】
【0001】
本発明は、DC−DCコンバータ制御回路、増幅器を含む半導体集積回路(IC)と、インダクタやコンデンサなどの受動素子で構成されるDC−DCコンバータであって、リードフレームに少なくともインダクタ、半導体集積回路(IC)を複合したDC−DCコンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型の各種電子機器(携帯電話、携帯情報端末PDAやノート型コンピュータ、DVD,CD,MDプレイヤー、デジタルカメラ、ビデオカメラ等々)は、電源として電池を用いるものが多く、電源電圧を所定の動作電圧に変換する電力変換装置としてDC−DCコンバータを備えている。DC−DCコンバータは、スイッチング素子、制御回路を含む半導体集積回路(能動素子)とインダクタ、コンデンサなどの受動素子を、接続線路が形成されたプリント基板等の上にディスクリート回路として構成するのが一般的である。
【0003】
図17は、DC−DCコンバータの回路構成の一例を示す回路図である。図中の点線部分がDC−DCコンバータの回路であって、このDC−DCコンバータは、入力コンデンサCin、出力コンデンサCout、インダクタLoutおよび、DC−DCコンバータ制御回路を含む半導体集積回路(IC)で構成される降圧型DC−DCコンバータである。
直流の入力電圧Vinを入力し、半導体集積回路(IC)内の電界効果型トランジスタ(以下スイッチング素子)をスイッチングさせる。スイッチング素子をオンしている時間をTon、オフしている時間をToffとすると、出力電圧Voutは、Vout=Ton / (Ton + Toff) × Vinで表され、出力電圧Voutは入力電圧Vinより降圧される。入力電圧Vinが変動した場合は、TonとToffの比率を調整すれば、安定に維持した出力電圧Voutを出力することが出来る。
入力コンデンサ(Cin)は、入力電圧の過渡時の安定化や電圧スパイク防止のために用いられる。出力側には、直流電圧を出力するためのフィルタ回路(平滑回路)を備え、このフィルタ回路は、電流エネルギーの蓄積と放出を行う出力インダクタ(Lout)と、電圧エネルギーの蓄積と放出を行う出力コンデンサ(Cout)の組み合わせにより構成される。
【0004】
このようなDC−DCコンバータは、各種電子機器の小型化、多機能化に伴い、回路基板上における形成面積の小面積化が強く求められている。そのような要求に対して、半導体集積回路(IC)やインダクタを複合一体化して小型化することが行われている。
例えば、特許文献1には、図16の外観図に示すように、プリント基板と、チップインダクタと、制御回路等が形成された半導体集積回路ICにより構成され、半導体集積回路ICが実装されたプリント基板に接続端子を配設して、この接続端子に、チップインダクタを前記半導体集積回路と上下に重ねて配置したDC−DCコンバータが開示されている。
【特許文献1】特開2004−063676
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記各種電子機器の小型軽量化の要望は常に有り、内蔵されるDC−DCコンバータを小型に構成する要求も強い。前記インダクタのインダクタンス値は、少なくとも数μH程度のインダクタンス値が必要である。この様なインダクタは、半導体集積回路と比べると体積が非常に大きいために、DC−DCコンバータの小型化を図る上で最大の制約となっているのが実際である。そこで、半導体集積回路と重なるようにインダクタを載置して実装することで、小型化を図っている。
【0006】
しかしながら引用文献1のように、半導体集積回路ICとインダクタを近接して配置する場合には、インダクタからの漏洩磁束を考慮しなければならない。例えば電気絶縁層とコイルパターンが交互に積層され、各コイルパターンの端部が順次接続されて多層絶縁基板中に積層方向に重畳した周回コイルが形成され、その端部が外部電極に接続された積層インダクタの場合の漏洩磁束は以下のように作用する。
【0007】
上述の積層インダクタでは、インダクタ部で発生した磁束は、専ら周回コイルの上下に形成されたコイルパターンを有さない磁性体からなる絶縁層(ダミー絶縁層)を通過し、コイルの周囲を通過するが、その一部が外部にも漏れてしまう場合がある。漏れ磁束は、インダクタの周囲に配置される電子部品、例えば前記半導体集積回路に対してノイズとして作用する。
【0008】
このような漏れ磁束を防止するには、ダミー絶縁層を厚くするのが一般的な方法である。また、側面方向への漏れ磁束を防止するには、周回コイルの巻径を小さくして、周回コイルの外周側の領域を大きく確保したり、周回コイルの巻径を変更しない場合には、周回コイルの外周側の領域を大きく確保したりして、漏れ磁束を低減することが必要である。
しかしダミー絶縁層を厚くすると、高背化を招くので好ましくない。周回コイルの巻径を小さくすると、その分、巻数の増加を招き、高背化や工数増加といった問題に加えて、直流抵抗の増加といった問題も生じる。
【0009】
そこで本発明は、半導体集積回路(IC)やインダクタを複合一体化したDC−DCコンバータにおいて、積層インダクタの積層数や実装面積を増加させる事無く、小型低背のDC−DCコンバータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、少なくとも、インダクタと、半導体集積回路を備えたDC−DCコンバータであって、DC−DCコンバータ制御回路とスイッチング素子を含む半導体集積回路(IC)を配置する領域と、前記半導体集積回路(IC)の電極パッドとワイヤボンディングして接続される領域と、前記インダクタを配置する領域とを備えたリードフレームに、前記半導体集積回路および前記インダクタを搭載し、ワイヤボンディングして、それらを一体的に樹脂封止した後、封止領域外のリードフレームを切断して、外部回路との接続のための実装端子としたことを特徴とするDC−DCコンバータである。
【0011】
また本発明は、少なくとも、インダクタと、半導体集積回路を備えたDC−DCコンバータであって、DC−DCコンバータ制御回路とスイッチング素子を含む半導体集積回路(IC)を配置する領域と、前記半導体集積回路(IC)の電極パッドとフリップチップ実装される領域と、前記インダクタを配置する領域とを備えたリードフレームに、前記半導体集積回路および前記インダクタを搭載し、それらを一体的に樹脂封止した後、封止領域外のリードフレームを切断して、外部回路との接続のための実装端子としたことを特徴とするDC−DCコンバータである。
【0012】
これらの構成によれば、リードフレームに半導体集積回路とインダクタを実装することで、DC−DCコンバータを小型、低背化することが出来る。
【0013】
本発明において前記リードフレームは、フレーム枠と、前記フレーム枠から内側に延出したインナーリードと、吊りリードによって前記フレーム枠から内側に延出したダイパッドを備え、前記半導体集積回路(IC)を前記ダイパッドに実装するとともに、前記半導体集積回路(IC)の電極パッドと前記インナーリードとをワイヤボンディングする、あるいはフリップチップ実装するのが好ましい。
このような構成によって、ベアチップ状態の半導体集積回路がダイパッドにはんだなどの接続手段により強固に接続されるため、半導体集積回路の機械的強度が増し、DC−DCコンバータが実装される回路基板がたわみ等の変形を生じる場合であっても、破壊等の不具合が発生するのを防ぐことが出来る。またダイパッドにより、半導体集積回路が生じる発熱を、回路基板へ逃がすことができ、さらにダイパッドによって安定したグランド電位が得られるため、半導体集積回路は安定した動作が得られる。
【0014】
また、封止樹脂で覆われた第1の主面と、前記第1の主面と対向し、前記実装端子が、少なくとも一主面側に露出する第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面とを接続する側面を備え、前記実装端子が実質的に一面上に形成されたノンリードパッケージとするのも好ましい。このような構成により、実装用のマウンタでの部品吸着が容易となるととともに、実装端子の高さを減じて低背化することが出来る。
【0015】
さらに前記第1の主面側の封止樹脂には、実装端子の機能を示すマーキングが形成されているのが好ましい。少なくとも入力端子を示すマーキングを施すことで、回路基板との接続を間違えることがない。マーキングは塗料や、レーザ加工による刻設、また予め封止金型にマーキングとなる、凸部或いは凹部を設けておけば、樹脂封止後、その形状が転写され、マーキングとして機能する。
【0016】
また本発明においては、前記実装端子の表面にはAu層、もしくはAu−Pd合金層が形成されているのが好ましい。リードフレームの防錆、はんだ付け、ワイヤボンディング性の向上を図るとともに、低抵抗化することで損失の増加を防いでいる。また、DC−DCコンバータのスイッチング周波数も数MHzになるため、Au層、Au−Pd合金層による表皮効果による、低損失化が期待できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、半導体集積回路(IC)やインダクタを複合一体化したDC−DCコンバータにおいて、積層インダクタの積層数や実装面積を増加させる事無く、小型低背のDC−DCコンバータを提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施例1)
以下、本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータについて説明する。
図1はDC−DCコンバータの斜視図であり、図2はその主面平面図であり、図3は裏面平面図である。図4はDC−DCコンバータの内部透視平面図であり、図5はA−A’断面図である。そして、図6はリードフレームの部分拡大図である。なお、本実施例のDC−DCコンバータは、図17に示した降圧型DC−DCコンバータと同じ等価回路で構成されている。
【0019】
リードフレームは、フレーム枠により相互に連結され一体の金属板から構成される。このリードフレームは、厚みが0.05〜0.5mmのFe−Ni材やCu合金の一枚板である金属板を機械加工(プレス加工)やエッチング加工し、この加工工程の後に、3次元的な加工であるアップセット、ダウンセットを行い、所定形状に形成されたリードフレームにめっきを施して形成される。リードフレームの厚みは、DC−DCコンバータの厚みにも影響するため、機械的強度を考慮しながら出来るだけ薄いものを選択するのが好ましい。本発明に置いては、0.1mmの42アロイ(Fe−42%Ni合金)の帯鋼を用いた。めっきは、5μm以下のAgめっき、Auめっき、またはNi−Pd−Auめっき、Au−Pdめっきなどが用いられる。なお、Agめっきの場合にはたんだ付け性向上の観点から、DC−DCコンバータの裏面側に表れる部分に、Sn−Biめっき等を施すのが好ましい。また、めっき不要な部分、例えばフレーム枠にはレジスト膜を形成しておけば、高価な金属めっきを低減できるので好ましい。
図6に示すように、樹脂封止部として囲われた領域には、吊りリードを介してインナーリードを有する。図7は、樹脂封止部を含むインナーリードの部分拡大図である。前記インナーリードは、後に実装端子となる吊りリードとは異なる高さとなる様に、折り曲げ加工が施されており、図4に示すように、インダクタL、コンデンサCin、Cout、半導体集積回路ICが実装されるとともに、前記半導体集積回路ICの電極パッドと前記インナーリードとをワイヤボンディングされる。
【0020】
中央を横断するように設けられ、吊りリード50e、50jにより保持されたインナーリードには、半導体集積回路ICを実装する比較的大きな面積のダイパッド部70と、インダクタL実装部100を備え、両端の吊りリードは切断され、回路基板のグランドパターンと接続する実装端子GNDとなる。ダイパッド部70に、半導体集積回路ICを構成する半導体チップ、たとえばGaAsチップが配置されダイボンドされる。GaAsチップの裏面とダイパッド部の表面との間に導電性樹脂や、Agペーストや、Au−Si共晶体からなる接合材、はんだなどの導電性金属ペーストが介在し、これにより両者が、電気的、機械的に接合される。半導体集積回路ICから生じる熱は、実装端子GNDを介して、回路基板に放熱される。
【0021】
ダイパッド部70の周囲には、複数のインナーリードが配置されており、吊りリード50a,50b,50d,50f,50h,50iにより保持されている。吊りリードから伸びた各インナーリードの端部80a〜80fは自由端となっており、それぞれ対応するGaAsチップの電極パッドVin,Vcon,Vdd,Ven,SW,Vfbに、金線等からなるボンディングワイヤでワイヤボンディングされている。そして、各吊りリードは切断され、GaAsチップの各種信号の入出力端である電極パッドと接続する実装端子Vcon,Ven,Vout,Vdd,Vin,NCとなる。なお実装端子NCは電気的な機能は具備しないが、実装強度を確保するように回路基板に形成された電気的に独立したランド(他のパターンとは接続しない)と接続する。
【0022】
吊りリード50d、50fに連なるインナーリードには、インダクタが実装される。ここで、本発明に用いたインダクタの一例を図8に示す。このインダクタは矩形板状で、内部にインダクタを形成するライン電極を備え、側面側には、このライン電極と接続する一対の端子電極を備える。また裏面側には、インダクタL実装部100と接続する裏面電極を備えるものである。そして、各インナーリードと端子電極、裏面電極とが導電性樹脂や、はんだなどの導電性金属ペーストなどの接続部材によって、電気的、機械的に接続される。
また、吊りリード50c、50dに連なるインナーリードの間には、コンデンサCoutが、吊りリード50g、50hに連なるインナーリードの間には、コンデンサCinが実装接続される。そして吊りリード50c、50hは切断され、回路基板のグランドパターンと接続する実装端子GNDとなる。
【0023】
実装端子においてVcon,Ven,Vdd,Vin,Vout,GNDの表示は、接続される半導体集積回路部品ICの端子の機能を示すものである。端子導体パターンVconは、半導体集積回路部品ICの、出力電圧を可変制御するための端子Vconと接続する。端子導体パターンVenは、半導体集積回路部品ICの出力のON/OFF制御用の端子Venと接続する。端子導体パターンVddは、半導体集積回路部品ICのスイッチング素子をON/OFF制御するための端子Vddと接続する。端子導体パターンVinは、半導体集積回路部品ICの入力端子Vinと接続する。端子導体パターンVoutは、半導体集積回路部品ICの出力端子Voutと接続する。端子導体パターンGNDは、回路上接地され、半導体集積回路部品ICの出力端子GNDと接続する。
【0024】
このようなリードフレームには、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などのモールド樹脂によって封止される。端子電極の下面へのモールド樹脂の洩れを防ぐために、樹脂シートが予め張り付けられている。この樹脂シートは樹脂封止工程まで用いられ、最終的に分離されるインナーリードを保持する。
リードフレームの半導体集積回路部品を搭載する面の反対側面に、例えば厚さ12μm〜50μmの耐熱性のポリイミド基材に、厚さ3μm〜30μm熱可塑性または熱硬化性の高分子系接着剤を塗工したテープ(樹脂シート)を、熱圧着により貼り付ける。そして、モールド樹脂に接着剤が残ることが無いように、貼り付けたテープの不要部分の接着効力を無効にする処理を施す。この場合、リードフレームに貼り付けられたテープのうち、リードフレームと接触していない部分に、モールド樹脂とテープの接着剤とが直接接触しないように、厚さ数μm以下で離型剤を塗布する。なお、リードフレームと接触していない部分の接着剤層を、溶剤などを用いて除去してもよい。
この後、ダイパッドに半導体集積回路部品やインダクタ等を搭載し、半導体集積回路部品の電極とインナーリードとを金属細線により電気的に接続し、半導体集積回路部品、金属細線およびインナーリードの少なくとも金属細線との接続部分をモールド樹脂により封止して、テープをリードフレームから剥がす。
【0025】
DC−DCコンバータのモールド樹脂に、図2に示すようなマーカを設けるのが好ましい。ここでマーカは実装端子Vinの位置を示しているが、特に限定されるものではない。また、マーカの形成方法は、樹脂封止金型による転写や、レーザ加工による3次元的な凹部の形成や、塗料を転写、塗布する等の方法が適宜採用される。このようにして、外形寸法が5.5mm×5.5mm×1.4mmの小型低背型DC−DCコンバータとした。
【0026】
(実施例2)
本発明に係るDC−DCコンバータの他の態様について説明する。基本的な構成は実施例1と同様なので、主に相違点を以下に説明する。
図9はインナーリードの部分拡大図であり、図10はDC−DCコンバータの主面平面図であり、図11は裏面平面図である。また図12はDC−DCコンバータの内部透視平面図である。なお、本実施例のDC−DCコンバータも、図17に示した降圧型DC−DCコンバータと同じ等価回路で構成されている。
【0027】
前記インナーリードは、後に実装端子となる吊りリードとは同じ高さとなる様に形成され、DC−DCコンバータの裏面側に露出する。またインナーリードには、厚み方向に貫通する複数の透孔20が形成されている。前記透孔は半導体集積回路部品IC、インダクタL、コンデンサCin,Coutの実装部位を挟むように形成されるとともに、DC−DCコンバータの外周縁側に形成され、導電性樹脂や、Agペーストや、Au−Si共晶体からなる接合材、はんだなどの導電性金属ペーストが広がるのを防ぐとともに、前記透孔にモールド樹脂が充填されることで、インナーリードの脱落を防いでいる。本実施例おいても小型低背型DC−DCコンバータを得ることが出来た。
【0028】
(実施例3)
本発明に係るDC−DCコンバータの他の態様について説明する。基本的な構成は実施例1、2と同様なので、主に相違点を以下に説明する。
図13はインナーリードの部分拡大図であり、図14はDC−DCコンバータの主面平面図である。また図15はDC−DCコンバータの内部透視平面図である。なお、本実施例のDC−DCコンバータも、図17に示した降圧型DC−DCコンバータと同じ等価回路で構成されている。
【0029】
本実施例では半導体集積回路部品ICとインナーリードとの電気的かつ機械的な内部接続を、半導体集積回路部品ICに設けられた半田ボール等の導電性接合部材によって行う。このため、リードフレームにダイパッド部を設けず、インナーリードの端部80a〜80eが半導体集積回路部品ICの内側領域まで及ぶ様にしている。本実施例おいても小型低背型DC−DCコンバータを得ることが出来た。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明によれば、半導体集積回路(IC)やインダクタを複合一体化した半導体集積回路(IC)やインダクタを複合一体化したDC−DCコンバータにおいて、積層インダクタの積層数や実装面積を増加させる事無く、小型低背のDC−DCコンバータを提供することが出来るにおいて、積層インダクタの積層数や実装面積を増加させる事無く、小型低背のDC−DCコンバータを提供することが出来る。また、DC−DCコンバータを構成するリードフレーム、半導体集積回路部品、インダクタ、コンデンサをそれぞれ個別に取り扱うことが可能なので、インダクタ、コンデンサの定数変更等、各部品の変更が容易であり、様々な要求仕様に対して自由度高く対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータの外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータの外観平面図である。
【図3】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータの外観平面図である。
【図4】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータの内部透視平面図である。
【図5】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータのA−A’断面図である。
【図6】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータのリードフレーム部分拡大図である。
【図7】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータの樹脂封止部を含むリードフレームのインナーリード部分拡大図である。
【図8】本発明の一実施例に係るDC−DCコンバータに用いるインダクタの斜視図である。
【図9】本発明の他の実施例に係るDC−DCコンバータのリードフレームのインナーリード部分拡大図である。
【図10】本発明の他の実施例に係るDC−DCコンバータの主面平面図である。
【図11】本発明の他の実施例に係るDC−DCコンバータの裏面平面図である。
【図12】本発明の他の実施例に係るDC−DCコンバータの内部透視平面図である。
【図13】本発明の他の実施例に係るDC−DCコンバータのリードフレームの部分拡大図である。
【図14】本発明の他の実施例に係るDC−DCコンバータの主面平面図である。
【図15】本発明の他の実施例に係るDC−DCコンバータ内部透視平面図である。
【図16】従来のDC−DCコンバータの斜視図である。
【図17】DC−DCコンバータの回路構成の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0032】
1 DC−DCコンバータ
50a〜50j 吊りリード
70 ダイパッド部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、インダクタと、半導体集積回路を備えたDC−DCコンバータであって、
DC−DCコンバータ制御回路とスイッチング素子を含む半導体集積回路(IC)を配置する領域と、前記半導体集積回路(IC)の電極パッドとワイヤボンディングして接続される領域と、前記インダクタを配置する領域とを備えたリードフレームに、前記半導体集積回路および前記インダクタを搭載し、ワイヤボンディングして、それらを一体的に樹脂封止した後、封止領域外のリードフレームを切断して、外部回路との接続のための実装端子としたことを特徴とするDC−DCコンバータ。
【請求項2】
少なくとも、インダクタと、半導体集積回路を備えたDC−DCコンバータであって、
DC−DCコンバータ制御回路とスイッチング素子を含む半導体集積回路(IC)を配置する領域と、前記半導体集積回路(IC)の電極パッドとフリップチップ実装される領域と、前記インダクタを配置する領域とを備えたリードフレームに、前記半導体集積回路および前記インダクタを搭載し、それらを一体的に樹脂封止した後、封止領域外のリードフレームを切断して、外部回路との接続のための実装端子としたことを特徴とするDC−DCコンバータ。
【請求項3】
前記リードフレームは、フレーム枠と、前記フレーム枠から内側に延出したインナーリードと、吊りリードによって前記フレーム枠から内側に延出したダイパッドを備え、前記半導体集積回路(IC)を前記ダイパッドに実装するとともに、前記半導体集積回路(IC)の電極パッドと前記インナーリードとをワイヤボンディングする、あるいはフリップチップ実装することを特徴とする請求項1又は2に記載のDC−DCコンバータ。
【請求項4】
封止樹脂で覆われた第1の主面と、前記第1の主面と対向し、前記実装端子が、少なくとも一主面側に露出する第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面とを接続する側面を備え、前記実装端子が実質的に一面上に形成されたノンリードパッケージであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のDC−DCコンバータ。
【請求項5】
前記第1の主面側の封止樹脂には、実装端子の機能を示すマーキングが形成されていることを特徴とする請求項4に記載のDC−DCコンバータ。
【請求項6】
前記実装端子の表面はAu層、もしくはAu−Pd合金層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のDC−DCコンバータ。
【請求項1】
少なくとも、インダクタと、半導体集積回路を備えたDC−DCコンバータであって、
DC−DCコンバータ制御回路とスイッチング素子を含む半導体集積回路(IC)を配置する領域と、前記半導体集積回路(IC)の電極パッドとワイヤボンディングして接続される領域と、前記インダクタを配置する領域とを備えたリードフレームに、前記半導体集積回路および前記インダクタを搭載し、ワイヤボンディングして、それらを一体的に樹脂封止した後、封止領域外のリードフレームを切断して、外部回路との接続のための実装端子としたことを特徴とするDC−DCコンバータ。
【請求項2】
少なくとも、インダクタと、半導体集積回路を備えたDC−DCコンバータであって、
DC−DCコンバータ制御回路とスイッチング素子を含む半導体集積回路(IC)を配置する領域と、前記半導体集積回路(IC)の電極パッドとフリップチップ実装される領域と、前記インダクタを配置する領域とを備えたリードフレームに、前記半導体集積回路および前記インダクタを搭載し、それらを一体的に樹脂封止した後、封止領域外のリードフレームを切断して、外部回路との接続のための実装端子としたことを特徴とするDC−DCコンバータ。
【請求項3】
前記リードフレームは、フレーム枠と、前記フレーム枠から内側に延出したインナーリードと、吊りリードによって前記フレーム枠から内側に延出したダイパッドを備え、前記半導体集積回路(IC)を前記ダイパッドに実装するとともに、前記半導体集積回路(IC)の電極パッドと前記インナーリードとをワイヤボンディングする、あるいはフリップチップ実装することを特徴とする請求項1又は2に記載のDC−DCコンバータ。
【請求項4】
封止樹脂で覆われた第1の主面と、前記第1の主面と対向し、前記実装端子が、少なくとも一主面側に露出する第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面とを接続する側面を備え、前記実装端子が実質的に一面上に形成されたノンリードパッケージであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のDC−DCコンバータ。
【請求項5】
前記第1の主面側の封止樹脂には、実装端子の機能を示すマーキングが形成されていることを特徴とする請求項4に記載のDC−DCコンバータ。
【請求項6】
前記実装端子の表面はAu層、もしくはAu−Pd合金層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のDC−DCコンバータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−173712(P2007−173712A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372373(P2005−372373)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【Fターム(参考)】
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