説明

DVDビデオ再生システム及びDVDディスクの再生出力方法

【課題】ソース装置からシンク装置へPSを用いてデータを伝送する「DVDビデオ再生システム及びDVDディスクの再生出力方法」を提供する。
【解決手段】ソース装置1のナビゲーションマネージャ11は、シンク装置51においてPSのデコードに必要となるシステムパラメータを、PS多重分離部13から送られたNV_PACKの未使用領域に格納し、PS多重化部15に送る。また、シンク装置51においてPSのデコードに必要となるナビゲーションデータを格納したORG_PACKを生成し、PS多重化部15に送る。PS多重化部15は、ナビゲーションマネージャ11から送られた、ORG_PACK、NV_PACK、ビデオトランスコード部14から送られたV_PACK、PS多重分離部13から送られたA_PACKとSP_PACKを多重化してPSを構成し、車載LANインタフェース16を介して各シンク装置51に配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、複数の出力装置を用いて、DVD-Videoディスクの再生出力を行うDVDビデオ再生システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の出力装置を用いて、DVD-Videoディスクの再生出力を行うDVDビデオ再生システムとしては、DVD-Videoディスクの読み取りを行うDVDドライブを備えたソース装置と、当該ソース装置とバスやネットワークで接続した複数のシンク装置を備え、ソース装置がDVDドライブを介してDVD-Videoディスクからデータを読み出して各シンク装置に転送し、各シンク装置において転送されたデータが表すビデオを出力するシステムが知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
また、このようなDVDビデオ再生システムにおいて、ソース装置から各シンク装置に転送するデータとして、DVD-Videoディスクに記録されているビデオ、オーディオ、サブピクチャ等を多重化したPS(Program Stream)と、同様な構成を持つPSを用い、各シンク装置においてそれぞれ転送されたPSをデコードして出力することが提案されている。
【特許文献1】特表2002-535197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、上述のようなソース装置と複数のシンク装置を備えたDVDビデオ再生システムは、できるだけ、DVD-Video規格に従ったDVDビデオ再生装置と同様の形態でビデオの再生出力が行えることが好ましい。
一方で、DVD-Video規格に従ったDVDビデオ再生装置におけるDVD-Videoディスクに記録されているPSのデコードは、PSのみを用いて行われるのではなく、DVD-Videoディスクに記録されている各種制御データや、DVDビデオ再生装置の再生制御状態に応じてPSをデコードすることにより行われている。
【0005】
したがって、上述のようにソース装置から各シンク装置に転送するデータとして、DVD-Videoディスクに記録されているPSと同様な構成を持つPSを用いるだけでは、各シンク装置において、DVD-Video規格に従ったDVDビデオ再生装置と同様の形態でPSのデコードを行うことができない。
【0006】
そこで、本発明は、ソース装置と複数のシンク装置を備えたDVDビデオ再生システムにおいて、ソース装置から各シンク装置に転送するデータとして、DVD-Videoディスクに記録されているPSと同様な構成を持つPSを用いつつ、できるだけ、DVD-Video規格に従った形態でビデオの再生出力を行うことを課題とする。
【0007】
ところで、ソース装置から各シンク装置に転送するデータとしてPSを用いる利点としては、PSがオーディオなどについて複数のストリームを含む場合に、各シンク装置においてデコードし出力するストリームを個別に選択することができる点が挙げられる。しかし、このような各シンク装置の再生制御状態の個別化を許容すると、各シンク装置間の再生状態のコンフリクトが生じてしまう場合がある。すなわち、たとえば、再生中のストリームによって以降の再生シーケンスが変化することがDVD-Videoディスクに記録された制御データによって定義されている場合には、各シンク装置においてデコードし出力するストリームが異なっていると、ソース装置において以降の再生シーケンスを一義的に定めることができなくなる。
【0008】
そこで、本発明は、ソース装置と複数のシンク装置を備えたDVDビデオ再生システムにおいて、各シンク装置に再生制御状態の個別化を許容する場合に生じるコンフリクトを解消することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題達成のために、DVD-Videoディスクからデータを読み出すソース装置と、ソース装置に伝送路を介して接続した1以上のシンク装置とを有するDVDビデオ再生システムにおいて、前記ソース装置に、DVD-Videoディスクから読み出した、プレゼンテーションデータが多重化されたPS(Program Stream)を、前記プレゼンテーションデータに含まれるビデオデータにレート変換を施して、または、当該レート変換を施さずに、前記シンク装置に、前記伝送路を介して配信するビデオデータ配信手段と、前記ビデオデータ配信手段が配信するPSに、前記PSに多重化されたプレゼンテーションデータのデコードの制御に用いられる、前記DVD-Videoディスクから読み出した前記PSに含まれていない制御情報を含めることにより、当該制御情報を、当該PSの一部として前記シンク装置に配信する制御情報配信手段とを備え、前記シンク装置に、前記ソース装置から配信されたPSから分離した前記プレゼンテーションデータをデコードして出力するデコード手段と、前記ソース装置から配信されたPSから分離した前記制御情報に基づいて、前記デコード手段の、前記プレゼンテーションデータのデコードを制御するデコード制御手段とを備えたものである。
【0010】
ここで、このようなDVDビデオ再生システムは、前記ソース装置の制御情報配信手段において、前記ビデオデータ配信手段が配信するPSに、前記DVD-Videoディスクから読み出した前記PSに多重化されている前記NV_PACKに含まれていないナビゲーションデータの一部を含めるように構成してよい。また、この場合には、前記ソース装置の制御情報配信手段が、前記ナビゲーションデータの一部を格納したPACKを、前記ビデオデータ配信手段が配信するPS中に多重化するようにしてよい。
【0011】
また、このようなDVDビデオ再生システムは、前記ソース装置の制御情報配信手段において、前記ビデオデータ配信手段が配信するPSに、当該ソース装置の前記DVD-Videoディスクの再生制御パラメータであるところの、DVD-Video規格に従ったシステムパラメータ(SPRM)の少なくとも一部を含めるように構成してもよい。また、この場合には、前記ソース装置の制御情報配信手段が、前記システムパラメータ(SPRM)の少なくとも一部を、前記ビデオデータ配信手段が配信するPSに多重化されている前記NV_PACKの未使用領域に格納するようにしてよい。
【0012】
このようなDVDビデオ再生システムによれば、ソース装置からシンク装置に配信するPSに、PSに多重化されたプレゼンテーションデータのデコードの制御に用いられる、前記DVD-Videoディスクから読み出した前記PSに含まれていないナビゲーションデータや、ソース装置の再生制御パラメータであるシステムパラメータ(SPRM)などの制御情報を含めることにより、これら制御情報を、ソース装置からシンク装置に転送する。
【0013】
したがって、各シンク装置において、これら制御情報を用いて、DVD-Video規格に従ったDVDビデオ再生装置と同様に、支障なくPSのデコードを行うことができるようになる。
また、このように、PSに含めてナビゲーションデータやシステムパラメータ(SPRM)などの制御情報を配信することにより、確実にプレゼンテーションデータに同期した形態で、これら制御情報をソース装置からシンク装置に伝送することができるようになる。
【0014】
ところで、以上のシステムパラメータ(SPRM)の少なくとも一部をソース装置から各シンク装置に配信するDVDビデオ再生システムは、ユーザ操作を受け付ける、前記伝送路に接続したユーザインタフェースユニットを設けると共に、前記ユーザインタフェースユニットにおいて、前記シンク装置を対象とするユーザ操作を受け付けた場合に、当該ユーザ操作が対象とするシンク装置と前記ソース装置とに、受け付けたユーザ操作の内容を表すユーザ操作情報を前記伝送路を介して通知するように構成してもよい。そして、この場合には、前記各シンク装置の前記デコード制御手段において、前記デコード手段の、前記プレゼンテーションデータのデコードを制御するための再生制御パラメータをローカルシステムパラメータとして保持すると共に、前記ユーザインタフェースユニットより前記ユーザ操作情報を通知された場合に、当該ローカルシステムパラメータを前記通知された前記ユーザ操作情報が表すユーザ操作の内容に応じて変更し、前記ソース装置において、前記ユーザインタフェースユニットより前記ユーザ操作情報を通知された場合に、当該ソース装置のシステムパラメータ(SPRM)を、前記通知された前記ユーザ操作情報が表すユーザ操作の内容に応じて変更するようにする。また、この場合には、さらに、前記各シンク装置の前記デコード制御手段において、前記ソース装置から配信されたPSから分離したシステムパラメータ(SPRM)に、前記ローカルシステムパラメータが一致するように、当該ローカルシステムパラメータを変更するようにしてもよい。
【0015】
このようにすることにより、シンク装置のローカルシステムパラメータとソース装置のシステムパラメータ(SPRM)の一致性を保ちつつ、ユーザ操作に対して遅滞なく、シンク装置のローカルシステムパラメータを変化させて、前記デコード手段のデコード動作を、当該ユーザ操作に応じたデコード動作に遷移させることができるようになる。
【0016】
または、システムパラメータ(SPRM)の少なくとも一部をソース装置から各シンク装置に配信するDVDビデオ再生システムは、複数の前記シンク装置と、ユーザ操作を受け付ける、前記伝送路に接続したユーザインタフェースユニットと備え、前記ユーザインタフェースユニットにおいて、いずれかの前記シンク装置を対象とするユーザ操作を受け付けた場合に、当該ユーザ操作が対象とするシンク装置と前記ソース装置とに、受け付けたユーザ操作の内容を表すユーザ操作情報を前記伝送路を介して通知すると共に、前記各シンク装置の前記デコード制御手段において、前記デコード手段の、前記プレゼンテーションデータのデコードを制御するための再生制御パラメータをローカルシステムパラメータとして保持すると共に、前記ユーザインタフェースユニットより前記ユーザ操作情報を通知された場合に、当該ローカルシステムパラメータを前記通知された前記ユーザ操作情報が表すユーザ操作の内容に応じて変更するようにしてもよい。
【0017】
そして、このような複数のシンク装置を備えた構成において、さらに、前記ソース装置において、前記ユーザインタフェースユニットより、予め定めた特定のシンク装置を対象とするユーザ操作の内容を表す前記ユーザ操作情報を通知された場合に、当該ソース装置のシステムパラメータ(SPRM)を、前記通知された前記ユーザ操作情報が表すユーザ操作の内容に応じて変更するようにしてもよい。
【0018】
このようにすることにより、シンク装置が複数存在する場合に、各シンク装置間のローカルシステムパラメータのコンフリクトによって、ソース装置において行う再生に支障が生じることを抑止することができる。
または、このような複数のシンク装置を備えた構成において、さらに、前記ソース装置に、前記ユーザインタフェースユニットより通知される、各シンク装置を対象とするユーザ操作の内容を表す前記ユーザ操作情報に基づいて、各シンク装置のローカルシステムパラメータの値を管理するシンクパラメータ管理手段と、前記シンクパラメータ管理手段が管理しているローカルシステムパラメータのうちの、いずれのローカルシステムパラメータを当該ソース装置のシステムパラメータ(SPRM)として前記DVD-Videoディスクの再生を行った場合にも、前記DVD-Videoディスクの再生が同じく行われることにならない場合に、前記シンクパラメータ管理手段が管理しているローカルシステムパラメータの各々をシステムパラメータ候補として、システムパラメータ候補のうちから、所定の条件に従って、いずれかのシステムパラメータ候補選定して、選定したシステムパラメータ候補を、以降の当該ソース装置のシステムパラメータ(SPRM)とするシステムパラメータ競合解消手段とを備えるようにしてもよい。すなわち、より具体的には、このようなシステムパラメータ競合解消手段において、前記システムパラメータ候補のうちの、最後に値が更新されたシステムパラメータ候補を選定して、選定したシステムパラメータ候補を、以降の当該ソース装置のシステムパラメータ(SPRM)とするようにしてもよいし、システムパラメータ競合解消手段において、前記システムパラメータ候補のうちの、ユーザによって選択されたシステムパラメータ候補を選定して、選定したシステムパラメータ候補を、以降の当該ソース装置のシステムパラメータ(SPRM)とするようにしてもよい。
【0019】
このようにすることにより、シンク装置が複数存在する場合に、各シンク装置間のローカルシステムパラメータのコンフリクトを、ソース装置において解消することができるようになる。
なお、これらの特定のシンク装置を対象とするユーザ操作に応じてソース装置のシステムパラメータ(SPRM)を更新したり、システムパラメータ競合解消手段を備えるDVDビデオ再生システムの構成による、複数のシンク装置を備えた場合における各シンク装置間のローカルシステムパラメータのコンフリクトの抑止や解消する効果は、当該DVDビデオ再生システムにおいて、ソース装置からシステムパラメータ(SPRM)をシンク装置に配信しない場合、または、ソース装置からシステムパラメータ(SPRM)をPSに多重化せずにシンク装置に配信する場合にも同様に達成することができる。したがって、このようなDVDビデオ再生システムは、上記コンフリクトの抑止または解消を図るだけで充分である場合には、ソース装置からシステムパラメータ(SPRM)をシンク装置に配信しないように構成したり、ソース装置からシステムパラメータ(SPRM)をPSに多重化せずにシンク装置に配信するように構成してもよい。
【0020】
なお、以上の各DVDビデオ再生システムは、自動車に搭載されるものであってよい。
また、以上のDVDビデオ再生システムの制御情報をソース装置からシンク装置に、プレゼンテーションデータが多重化されたPSに含めて配信する構成や、ソース装置のシステムパラメータやシンク装置のローカルシステムパラメータを、ユーザインタフェースユニットで受け付けたユーザ操作に応じて処理する技術は、DVD-AudioディスクなどのDVD-Videoディスク以外の、プレゼンテーションが多重化されたPSやナビゲーションデータを記録したDVDディスクの再生出力を行うDVD再生システムにも同様に適用することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、ソース装置と複数のシンク装置を備えたDVDビデオ再生システムにおいて、ソース装置から各シンク装置に転送するデータとして、DVD-Videoディスクに記録されているPSと同様な構成を持つPSを用いつつ、できるだけ、DVD-Video規格に従った形態でビデオの再生出力を行うことができる。また、本発明によれば、ソース装置と複数のシンク装置を備えたDVDビデオ再生システムにおいて、各シンク装置に再生状態の個別化を許容する場合に生じるコンフリクトを解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係るDVDビデオ再生システムについて、自動車に搭載されるDVDビデオ再生システムへの適用を例にとり説明する。
図1に、本実施形態に係るDVDビデオ再生システムの構成を示す。
図示するように、DVDビデオ再生システムは、ソース装置1、ソース装置1の外部記憶装置として設けられた、装着されたDVD-Videoディスク2のアクセスを行うDVDドライブ3、車載LAN4、1または複数のモニタシステム5を有している。そして、各モニタシステム5は、各々、シンク装置51、シンク装置51から入力するビデオを表示する表示装置52、シンク装置51から入力する音声を出力する音声を出力する音声出力装置53、ユーザインタフェースユニット54を備えている。
【0023】
そして、ソース装置1と各シンク装置51と各ユーザインタフェースユニット54は車載LAN4に接続されている。なお、車載LAN4は、DVDビデオ再生システム以外の他のシステムと共用されるものであってよく、車載LAN4には、当該他のシステムを構成する装置も接続されていてもよい。
【0024】
次に、図2に、ソース装置1と、シンク装置51の内部構成を示す。
ここで、DVD-Videoディスク2には、ビデオタイトルが1また複数記録される。このビデオタイトルを構成するデータは、図示するように、大別して、ユーザに対して出力するプレゼンテーションの実体を格納したプレゼンテーションデータと、プレゼンテーションの実行を制御するためのナビゲーションデータとよりなる。
【0025】
そして、プレゼンテーションデータとナビゲーションデータの一部は、VMGM_VOBS、VTSM_VOBS、VTSTT_VOBSに格納されたPS(Program Stream)としてDVD-Videoディスク2に記録されており、残りのナビゲーションデータはVMGIやVTSIとして、DVD-Videoディスク2に記録されている。
【0026】
また、DVD-Videoディスク2の再生は、図3aに示すように、PGCを単位として行われる。PGCは1以上のPGを含み、PGは1以上のCELより構成され、各CELLは、1以上のVOBUより構成される。そして、各VOBUは一つのNV_PACKと0または1以上のV_PACKと0または1以上のA_PACKと0または1以上のSP_PACKより構成される。そして、NV_PACKは、再生制御情報PCIとデータサーチ情報DSIを有する。また、PCIには、メニューにおいて用いるボタンを定義するハイライト情報HLIが含まれる。
【0027】
ここで、このようなPGCやPGやCELは、前述したナビゲーションデータによって定義される。また、図中の、VOBUは、VMGM_VOBS、VTSM_VOBS、VTSTT_VOBSのいずれかに含まれるものであり、図示したVOBUの列がPSに相当する。
【0028】
そして、VOBUのNV_PACKが前述したPS中のナビゲーションデータとなり、VOBUのV_PACK、A_PACK、SP_PACKがPS中のプレゼンテーションデータとなる。なお、V_PACKには動画データが格納されており、A_PACKにはオーディオデータが格納されており、SP_PACKにはサブピクチャのデータが格納されている。
【0029】
さて、図2に戻り、ソース装置1は、ナビゲーションマネージャ11、制御情報メモリ12、PS多重分離部13(PS-Demux13)、ビデオトランスコード部14、PS多重化部15(PS-Mux15)、車載LANインタフェース16とを有している。
このような構成において、PS多重分離部13は、DVDドライブ3を介してDVD-Videoディスク2から入力するPSを多重分離し、PSから分離したNV_PACKをナビゲーションマネージャ11に送り、PSから分離したV_PACKをビデオトランスコード部14に送り、PSから分離したA_PACKとSP_PACKをPS多重化部15に送る。ビデオトランスコード部14は、PS多重分離部13から送られたV_PACKの動画データのレート変換を行い、レート変換後の動画データを格納した、V_PACKをPS多重化部15に送る。
【0030】
一方、ナビゲーションマネージャ11は、DVDドライブ3を介してDVD-Videoディスク2から読み出したVMGIやVTSIやPS多重分離部13から送られたNV_PACKが表すナビゲーションデータに基づいて、DVD-Videoディスク2のPSの再生シーケンスの決定や、決定した再生シーケンスに従った、DVD-Videoディスク2からのPSの読み出しの制御などを行う。また、ナビゲーションマネージャ11は、取得したナビゲーションデータや、現在の再生制御状態を表すシステムパラメータを、制御情報メモリ12に保持管理する。
【0031】
また、ナビゲーションマネージャ11は、シンク装置51においてPSのデコードに必要となるシステムパラメータを、図3aに示すように、PS多重分離部13から送られたNV_PACKのPCIのPCI_GIの未使用領域であるresereved領域に格納し、PS多重化部15に送る。また、ナビゲーションマネージャ11は、シンク装置51においてPSのデコードに必要となるナビゲーションデータを格納したORG_PACKを生成し、PS多重化部15に送る。
【0032】
そして、PS多重化部15は、ナビゲーションマネージャ11から送られた、ORG_PACK、NV_PACK、ビデオトランスコード部14から送られたV_PACK、PS多重分離部13から送られたA_PACKとSP_PACKとを多重化してPSを再構成し、車載LANインタフェース16に出力する。
車載LANインタフェース16は、PS多重化部15から入力するPSを車載LAN4を介して各シンク装置51に配信する。
ここで、このようにして、各シンク装置51に配信するPSに多重化するORG_PACKの多重化は、たとえば、図3b1に示すORG_PACK多重化前のPSにおける各PGCの先頭の位置に、図3b2に示すようにORG_PACKを挿入することにより行う。
【0033】
また、このORG_PACKに含めるナビゲーションデータには、以下のナビゲーションデータを含めるようにする。
すなわちORG_PACK直後のPGCを対象PGCとして、対象PGCのビデオ属性(VMGM_V_ATR,VTSM_V_ATR,VTS_V_ATRのいずれかによって示される)、対象PGC内のオーディオストリーム数(VMGM_AST_Ns,VTSM_AST_Ns,VTS_AST_Nsのいずれかによって示される)、対象PGCのオーディオ属性(VMGM_AST_ATR,VTSM_AST_ATR,VTS_AST_ATRのいずれかによって示される)、対象PGCのサブピクチャーストリーム数(VMGM_SPST_Ns,VTSM_SPST_Ns,VTS_SPST_Nsのいずれかによって示される)、対象PGCのサブピクチャー属性(VMGM_SPST_ATR,VTSM_SPST_ATR,VTS_SPST_ATRのいずれかによって示される)、対象PGCの各オーディオストリームのデコーディングストリームNo(対象PGCのPGCIのPGC_GIのPGC_AST_CTLによって示される)、各サブピクチャーストリームのデコーディングストリームNo(対象PGCのPGCIのPGC_GIのPGC_SPST_CTLTによって示される)、対象PGCのCellのスチルタイム値(対象PGCのPGCIのPGC_GIのPGC_NV_CTLによって示される)、対象PGCのサブピクチャーのパレットデータ(対象PGCのPGCIのPGC_GIのPGC_SPST_CTLTによって示される)、対象PGCのCellのカテゴリ(対象PGCのPGCIのC_PBITのC_CATによって示される)とを、ORG_PACKに含めるようにする
なお、ビデオ属性、オーディオ属性、サブピクチャ属性は、シンク装置51において、PSのデコード時に、PSに含まれるビデオやオーディオやサブピクチャの各ストリームの符号化属性や表示属性を把握するためなどに必要となる。
【0034】
また、オーディオストリーム数、オーディオストリームのデコーディングストリームNo、サブピクチャストリーム数、サブピクチャストリームのデコーディングストリームNoは、PSに複数のオーディオストリームやサブピクチャストリームが含まれている場合に、シンク装置51においてデコードするストリームを選定するためなどに必要となる。
【0035】
また、サブピクチャーのパレットデータは、シンク装置51においてサブピクチャの描画に用いる色を決定するために必要となる。
また、スチルタイム値や、Cellのカテゴリは、スチル再生やシームレス再生を、シンク装置51で行うために必要となる。
また、NV_PACKのPCIのPCI_GIの未使用領域であるresereved領域に格納してシンク装置51に配信するシステムパラメータには、オーディオストリーム番号SPRM(1)、サブピクチャストリーム番号SPRM(2)、選択状態用ハイライトボタン番号SPRM(8) の3つのシステムパラメータを含めるようにする。
【0036】
次に、図2に示すように、各シンク装置51は、ローカル車載LANインタフェース511と、デコードマネージャ512と、ローカル制御情報メモリ513、プレゼンテーションエンジン514とを有する。そして、プレゼンテーションエンジン514は、ローカルPS多重分離部5141、ビデオデコーダ5142、サブピクチャデコーダ5143、HLIデコーダ5144、オーディオデコーダ5145、合成処理部5146を有している。
【0037】
そして、このような構成において、ローカルPS多重分離部5141は、ローカル車載LANインタフェース511が、ソース装置1から受信したPSを多重分離し、PSから分離したORG_PACKとNV_PACKをデコードマネージャ512に送り、PSから分離したV_PACKをビデオデコーダ5142に送り、PSから分離したA_PACKをオーディオデコーダ5145に送り、PSから分離したSP_PACKをサブピクチャデコーダ5143に送る。また、ローカルPS多重分離部5141、PSから分離したNV_PACKに含まれるHLIをHLIデコーダ5144に送る。
【0038】
また、ビデオデコーダ5142は入力するV_PACKに含まれる動画データを復号した動画を合成処理部5146に送る。また、サブピクチャデコーダ5143は入力するSP_PACKに含まれるサブピクチャデータを復号したサブピクチャを合成処理部5146に送り、HLIデコーダ5144は入力したHLIをデコードして合成処理部5146に送る。そして、合成処理部5146は、入力するサブピクチャとHLIとより定義されるボタンを含めた画像を生成し、入力する動画と合成して表示画像として、表示装置52に出力する。一方、オーディオデコーダ5145はA_PACKに含まれるオーディオデータを復号し、音声出力装置53に出力する。
【0039】
そして、デコードマネージャ512は、ローカルPS多重分離部5141がPSから分離したNV_PACKに含まれるナビゲーションデータと、ローカルPS多重分離部5141がPSから分離したORG_PACKに含まれるナビゲーションデータと、ローカルに管理しているローカルシステムパラメータに従って、以上のようなプレゼンテーションエンジン514のPSのデコード動作を制御する。なお、このナビゲーションデータとローカルシステムパラメータはローカル制御情報メモリ513を用いて保持管理する。
【0040】
さて、このローカルシステムパラメータとしては、受信したPSに含まれる複数のオーディオストリームのうちのオーディオデコーダ5145を用いてデコードするオーディオストリーム(ローカルPS多重分離部5141がオーディオデコーダ5145に出力するA_PCKの識別)を示すオーディオストリーム番号SPRM(1)、受信したPSに含まれる複数のサブピクチャストリームのうちのサブピクチャデコーダ5143を用いてデコードするサブピクチャストリーム(ローカルPS多重分離部5141がサブピクチャデコーダ5143に出力するSP_PCKの識別)を示すサブピクチャストリーム番号SPRM(2)、HLIで定義されているボタンのうちの選択状態としてハイライト表示するボタンを指定する選択状態用ハイライトボタン番号SPRM(8)を用いる。
【0041】
そして、デコードマネージャ512は、このローカルシステムパラメータの値に従って、プレゼンテーションエンジン514でデコードするオーディオストリームやサブピクチャストリームを制御したり、プレゼンテーションエンジン514で選択状態としてハイライト表示するボタンを制御する処理を行う。
【0042】
以下、このローカルシステムパラメータと、ソース装置1が管理するシステムパラメータに関する処理について説明する。
まず、各モニタシステム5のユーザインタフェースユニット54は、ユーザから、オーディオストリームの変更操作、サブピクチャストリームの変更操作、選択ボタンの変更操作を受け付け、受け付けた操作の内容を表すユーザ操作情報を車載LAN4を介してソース装置1のナビゲーションマネージャ11と、当該ユーザインタフェースユニット54と同じモニタシステム5に属するシンク装置51のデコードマネージャ512に送信する。
【0043】
また、複数のモニタシステム5のうちの一つのモニタシステム5のシンク装置51は、予めマスタのシンク装置51として定められている。
一方、ソース装置1におけるオーディオストリーム番号SPRM(1)、サブピクチャストリーム番号SPRM(2)、選択状態用ハイライトボタン番号SPRM(8)の3つのシステムパラメータは、ナビゲーションマネージャ11が、DVD-Videoディスク2から上述のように取得するナビゲーションデータに含まれる、これらシステムパラメータ値を操作するナビゲーションコマンドを実行した場合に変化する。また、マスタのシンク装置51と同じモニタシステム5に属するユーザインタフェースユニット54から、オーディオストリーム変更操作が行われたことがユーザ操作情報によって通知された場合にオーディオストリーム番号SPRM(1)を当該操作に応じて変更し、マスタのシンク装置51と同じモニタシステム5に属するユーザインタフェースユニット54から、サブピクチャストリーム変更操作が行われたことがユーザ操作情報によって通知された場合にサブピクチャストリーム番号SPRM(2)を当該操作に応じて変更し、マスタのシンク装置51と同じモニタシステム5に属するユーザインタフェースユニット54から、選択ボタンの変更操作が行われたことがユーザ操作情報によって通知された場合に選択状態用ハイライトボタン番号SPRM(8)を当該操作に応じて変更する。
【0044】
次に、各シンク装置51におけるオーディオストリーム番号SPRM(1)、サブピクチャストリーム番号SPRM(2)、選択状態用ハイライトボタン番号SPRM(8)の3つのローカルシステムパラメータは次のように操作される。すなわち、当該シンク装置51と同じモニタシステム5に属するユーザインタフェースユニット54から、オーディオストリーム変更操作が行われたことがユーザ操作情報によって通知された場合にオーディオストリーム番号SPRM(1)を当該操作に応じて変更し、当該シンク装置51と同じモニタシステム5に属するユーザインタフェースユニット54から、サブピクチャストリーム変更操作が行われたことがユーザ操作情報によって通知された場合にサブピクチャストリーム番号SPRM(2)を当該操作に応じて変更し、当該シンク装置51と同じモニタシステム5に属するユーザインタフェースユニット54から、選択ボタンの変更操作が行われたことがユーザ操作情報によって通知された場合に選択状態用ハイライトボタン番号SPRM(8)を当該操作に応じて変更する。
【0045】
また、マスタのシンク装置51におけるオーディオストリーム番号SPRM(1)、サブピクチャストリーム番号SPRM(2)、選択状態用ハイライトボタン番号SPRM(8)の3つのローカルシステムパラメータは、以下の場合にも変更される。すなわち、ローカルPS多重分離部5141がPSから分離したNV_PACKに含まれるソース装置1から通知されたシステムパラメータの値と、ローカル制御情報メモリ513に保持しているローカルシステムパラメータの値が異なる場合に、ローカル制御情報メモリ513に保持しているローカルシステムパラメータの値を、ソース装置1から通知されたシステムパラメータの値に一致させる。
【0046】
そして、マスタのシンク装置51以外のシンク装置51におけるオーディオストリーム番号SPRM(1)、サブピクチャストリーム番号SPRM(2)、選択状態用ハイライトボタン番号SPRM(8)の3つのローカルシステムパラメータは、以下の場合にも変更される。すなわち、ローカルPS多重分離部5141がPSから分離したNV_PACKに含まれるソース装置1から通知されたシステムパラメータの値が、ナビゲーションコマンドによって値が設定されたものであり、当該通知されたシステムパラメータの値が、ローカル制御情報メモリ513に保持しているローカルシステムパラメータが異なる場合に、ローカル制御情報メモリ513に保持しているローカルシステムパラメータの値を、ソース装置1から通知されたシステムパラメータの値に一致させる。
【0047】
なお、NV_PACKに含まれるソース装置1から通知されたシステムパラメータの値が、ナビゲーションコマンドによって値が設定されたものであるかどうかの識別は、たとえば、ソース装置1において、NV_PACKに、オーディオストリーム番号SPRM(1)、サブピクチャストリーム番号SPRM(2)、選択状態用ハイライトボタン番号SPRM(8)の3つのシステムパラメータの値と共に、各システムパラメータの値が、ナビゲーションコマンドによって設定されたものであるかどうかを示す情報を含めるようにし、シンク装置51において、この情報よりソース装置1から通知されたシステムパラメータの値が、ナビゲーションコマンドによって値が設定されたものであるかどうかを判別することなどにより行うことができる。
【0048】
図4に、以上のようなシンク装置51が管理するローカルシステムパラメータと、ソース装置1が管理するシステムパラメータ(オーディオストリーム番号SPRM(1)、サブピクチャストリーム番号SPRM(2)、選択状態用ハイライトボタン番号SPRM(8))の処理例を示す。
【0049】
いま、一例として、DVDビデオ再生システムに含まれるモニタシステム5が、モニタシステムAとモニタシステムBの二つであり、モニタシステムAのシンク装置51がマスタのシンク装置51として予め選定されている場合について示す。
図示した例では、まず、DVD-Videoディスク2の再生を開始したソース装置1のナビゲーションマネージャ11がナビゲーションコマンドを実行して(S401)ソース装置1のシステムパラメータ(オーディオストリーム番号SPRM(1)、サブピクチャストリーム番号SPRM(2)、選択状態用ハイライトボタン番号SPRM(8)、以下同じ)を設定すると(S411)、その後、ソース装置1から各シンク装置51に、ソース装置1のシステムパラメータの値が、当該値がナビゲーションコマンドによって設定された値であることを示す情報と共に通知される(S421)。
【0050】
ソース装置1からシステムパラメータの通知(S421)を受けたモニタシステムAのマスタのシンク装置51では、ローカルシステムパラメータ(オーディオストリーム番号SPRM(1)、サブピクチャストリーム番号SPRM(2)、選択状態用ハイライトボタン番号SPRM(8)、以下同じ)の値と、通知されたソース装置1のシステムパラメータの値の一致が調べられ(S431)、ここでは一致していないので、ローカルシステムパラメータの値が通知されたソース装置1のシステムパラメータの値に変更される(S432)。
【0051】
一方、ソース装置1からシステムパラメータの通知(S421)を受けたモニタシステムBのシンク装置51では、通知されたソース装置1のシステムパラメータの値がナビゲーションコマンドによって設定された値であるので、無条件に、ローカルシステムパラメータの値が、通知されたソース装置1のシステムパラメータの値に変更される(S441)。
【0052】
その後、モニタシステムAのユーザインタフェースユニット54が、システムパラメータの変更操作をユーザから受け付けると(S441)、操作内容を表すユーザ操作情報が、モニタシステムAのマスタのシンク装置51とソース装置1とに通知される(S422)。
【0053】
そして、ユーザ操作情報を通知されたマスタのシンク装置51は、通知されたユーザ操作情報に従ってローカルシステムパラメータの値を変更する(S433)。また、ユーザ操作情報を通知されたソース装置1は、通知されたユーザ操作情報がマスタのシンク装置51と同じモニタシステムAに属するユーザインタフェースユニット54から通知されたユーザ操作情報であるので、このユーザ操作情報に従ってソース装置1のシステムパラメータの値を変更する(S413)。
【0054】
さて、この場合には、その後、ソース装置1からモニタシステムAのユーザインタフェースユニット54の操作に応じて変更したシステムパラメータの値が、各シンク装置51に送られることになる(S423)。そして、このときには、モニタシステムAのマスタのシンク装置51では、ローカルシステムパラメータの値と通知されたソース装置1のシステムパラメータの値が一致するので(S434)、ローカルシステムパラメータの値の変更は行わない。一方、モニタシステムBのシンク装置51では、通知されたソース装置1のシステムパラメータの値がナビゲーションコマンドによって設定されたものではないので、ローカルシステムパラメータの値の変更は行わない。
【0055】
次に、モニタシステムBのユーザインタフェースユニット54で、システムパラメータの変更操作(S451)をユーザから受け付けると、操作内容を表すユーザ操作情報が、モニタシステムBのシンク装置51とソース装置1とに通知される(S424)。
ユーザ操作情報を通知されたモニタシステムBのシンク装置51は、通知されたユーザ操作情報に従ってローカルシステムパラメータの値を変更する(S442)。一方、ユーザ操作情報を通知されたソース装置1は、通知されたユーザ操作情報がマスタのシンク装置51と同じモニタシステムAに属するユーザインタフェースユニット54から通知されたユーザ操作情報ではないのでシステムパラメータの値の変更は行わない。
【0056】
さて、この場合には、ソース装置1のシステムパラメータの値の変更は行われていないので、その後、ソース装置1から先ほどと同様のシステムパラメータの値が、各シンク装置51に送られることになる(S425)。そして、このときにも、モニタシステムAのマスタのシンク装置51では、ローカルシステムパラメータの値と通知されたソース装置1のシステムパラメータの値が一致するので(S435)、ローカルシステムパラメータの値の変更は行わない。一方、モニタシステムBのシンク装置51では、通知されたソース装置1のシステムパラメータの値がナビゲーションコマンドによって設定されたものではないので、ローカルシステムパラメータの値の変更は行わない。
【0057】
さて、次に、この後、ソース装置1のナビゲーションマネージャ11が再びナビゲーションコマンドを実行して(S402)ソース装置1のシステムパラメータを設定すると(S415)、ソース装置1から各シンク装置51に、ソース装置1のシステムパラメータの値が、当該値がナビゲーションコマンドによって設定された値であることを示す情報と共に通知される(S426)。
【0058】
そして、モニタシステムAのマスタのシンク装置51では、ローカルシステムパラメータの値と通知されたソース装置1のシステムパラメータの値の一致が調べられ(S436)、ここでは一致していないので、ローカルシステムパラメータの値が通知されたソース装置1のシステムパラメータの値に変更される(S437)。また、モニタシステムBのシンク装置51では、通知されたソース装置1のシステムパラメータの値がナビゲーションコマンドによって設定された値であるので、無条件に、ローカルシステムパラメータの値が通知されたソース装置1のシステムパラメータの値に変更される(S443)。
【0059】
ここで、以上の動作において、ソース装置1のナビゲーションマネージャ11は、ナビゲーションコマンドによるシステムパラメータの更新(S411、S415)や、マスタではないシンク装置51が属するモニタシステムBのユーザインタフェースユニット54からのユーザ操作情報の通知(S424)に応じて、モニタシステムBのシンク装置51のローカルシステムパラメータの値がどのようになっているかを算定し、算定したモニタシステムBのシンク装置51のローカルシステムパラメータの値を管理する(S412、S414、S416)処理も行う。
【0060】
以上のように、ソース装置1のシステムパラメータと、マスタのシンク装置51のローカルシステムパラメータは、ソース装置1で実行されたナビゲーションコマンドとマスタのシンク装置51と同じモニタシステムAのユーザインタフェースユニット54で受け付けたユーザ操作に従って変化し、両者は常に一致するように制御される。したがって、マスタのシンク装置51でデコードするオーディオストリームやサブピクチャストリームや、マスタのシンク装置51において選択状態として表示するボタンは、DVD-Videoディスク2に記録されているナビゲーションコマンドと、マスタのシンク装置51と同じモニタシステムAのユーザインタフェースユニット54のユーザ操作によって切り替えられることになる。
【0061】
一方、マスタのシンク装置51以外のシンク装置51のローカルシステムパラメータは、ソース装置1で実行されたナビゲーションコマンドと、当該シンク装置51と同じモニタシステムBのユーザインタフェースユニット54で受け付けたユーザ操作に従って変化する。したがって、ソース装置1のシステムパラメータとマスタのシンク装置51以外のシンク装置51のローカルシステムパラメータとは必ずしも一致しない。したがって、マスタのシンク装置51以外のシンク装置51でデコードするオーディオストリームやサブピクチャストリームや、マスタのシンク装置51において選択状態として表示するボタンは、DVD-Videoディスク2に記録されているナビゲーションコマンドと、当該シンク装置51と同じモニタシステムBのユーザインタフェースユニット54のユーザ操作によって切り替えられることになる。
【0062】
よって、マスタのシンク装置51とマスタ以外のシンク装置51でデコードするオーディオストリームやサブピクチャストリームを、DVD-Videoディスク2に記録されているナビゲーションコマンドによって制御することが可能であると共に、マスタのシンク装置51とマスタ以外のシンク装置51のそれぞれにおいて、個別に、ユーザ操作に応じて、デコードするオーディオストリームやサブピクチャストリームを任意に切り替えることができるようになる。
【0063】
また、同様に、マスタのシンク装置51とマスタ以外のシンク装置51で選択状態として表示するボタンを、DVD-Videoディスク2に記録されているナビゲーションコマンドによって制御することが可能であると共に、マスタのシンク装置51とマスタ以外のシンク装置51のそれぞれにおいて、個別に、ユーザ操作に応じて、選択状態として表示するボタンを切り替えることができるようになる。
【0064】
なお、以上のようにユーザインタフェースユニット54からシンク装置51に直接ユーザ操作情報を送信して、シンク装置51のローカルシステムパラメータの更新を行うようにしたのは、ソース装置1のシステムパラメータ経由でシンク装置51のローカルシステムパラメータの更新を行うとした場合に生じる遅延を避けるためである。
【0065】
さて、ここで以上のように、ソース装置1のシステムパラメータをマスタのシンク装置51のローカルパラメータと一致させた場合において、DVD-Videoディスク2に記録されているナビゲーションデータが、再生中のストリームによって以降の再生箇所が変化する再生シーケンスを定義している場合、次の再生箇所は、ソース装置1のシステムパラメータによって示されるストリームに対応して定まる再生箇所、すなわち、マスタのシンク装置51において再生中のストリームに対応して定まる箇所となる。
【0066】
しかし、このようにDVD-Videoディスク2に記録されているナビゲーションデータが、再生中のストリームによって以降の再生箇所が変化する再生シーケンスを定義している場合には、マスタのシンク装置51の以外で再生中のストリームも考慮して、次の再生箇所を定めるようにしてもよい。
【0067】
すなわち、ナビゲーションデータが、再生中のストリームによって以降の再生箇所が変化する再生シーケンスを定義している場合において、ソース装置1のシステムパラメータ(SPRM(1)、SPRM(2))が示すストリームと、管理しているモニタシステムBのシンク装置51のローカルシステムパラメータ(SPRM(1)、SPRM(2))が示すストリームが異なる場合には、ソース装置1のシステムパラメータ(SPRM(1)、SPRM(2))と、管理しているモニタシステムBのシンク装置51のローカルシステムパラメータ(SPRM(1)、SPRM(2))とのうち、より最近に更新された方が示すストリームに対応して定まる再生箇所を、次の再生箇所として選定するようにする。
【0068】
または、再生中のストリームによって以降の再生箇所が変化する再生シーケンスを定義している場合において、ソース装置1のシステムパラメータ(SPRM(1)、SPRM(2))が示すストリームと、管理しているモニタシステムBのシンク装置51のローカルシステムパラメータ(SPRM(1)、SPRM(2))が示すストリームが異なる場合には、ユーザに対して、どちらのストリームに基づいて次の再生箇所を決定するか、または、各ストリームにそれぞれ対応して定まる複数の再生箇所のいずれを再生するかの問い合わせをユーザに対して行い、当該問い合わせに対するユーザの指示に従って、次の再生箇所を選定するようにしてもよい。
【0069】
次に、ソース装置1のボタンコマンドの実行の制御について説明する。ここで、ボタンコマンドとは、ナビゲーションデータにおいて、ボタンに対して定義されている当該ボタンの決定操作時に実行すべきナビゲーションコマンドである。
ソース装置1のナビゲーションマネージャ11は、マスタのシンク装置51と同じモニタシステム5のユーザインタフェースユニット54がユーザからボタンの決定操作を受け付けた場合には、ソース装置1のシステムパラメータ(SPRM(8))によって示されるボタンに対して定義されているボタンコマンドを実行する。また、マスタのシンク装置51以外のシンク装置51と同じモニタシステムBのユーザインタフェースユニット54がユーザからボタンの決定操作を受け付けた場合には、管理しているモニタシステムBのシンク装置51のローカルシステムパラメータ(SPRM(8))が示すボタンに対して定義されているボタンコマンドを実行する。
【0070】
次に、ナビゲーションデータが、ある期間のタイムアウト時に、その時点で選択状態にあるボタンを決定ボタンとする旨の定義を含んでいる場合には、当該タイムアウト時には、無条件に、ソース装置1のシステムパラメータ(SPRM(8))によって示されるボタンに対して定義されているボタンコマンドを実行する。または、ソース装置1のシステムパラメータ(SPRM(8))と、管理しているモニタシステムBのシンク装置51のローカルシステムパラメータ(SPRM(8))とのうち、より最近に更新された方が示すボタンに対して定義されているボタンコマンドを実行する。
【0071】
または、ソース装置1のシステムパラメータ(SPRM(8))が示すボタンと、管理しているモニタシステムBのシンク装置51のローカルシステムパラメータ(SPRM(8))が示すボタンのどちらを決定ボタンとするかの問い合わせをユーザに対して行い、当該問い合わせに対するユーザの指示に従って、決定ボタンとするボタンを選定するようにしてもよい。
【0072】
ところで、選択状態用ハイライトボタン番号SPRM(8)については、図5aに示すように、マスタ以外のシンク装置51と同じモニタシステム5のユーザインタフェースユニット54によるボタン選択操作や決定を許可せず、マスタ以外のシンク装置51において、ローカルシステムパラメータ(SPRM(8))を、無条件に、ソース装置1から通知されるシステムパラメータ(SPRM(8))に一致させるようにしてもよい。
【0073】
すなわち、図5aに示すように、モニタシステムAのユーザインタフェースユニット54が、選択ボタンの変更操作をユーザから受け付けた場合(S531)、ユーザインタフェースユニット54は、操作内容を表すユーザ操作情報を、モニタシステムAのマスタのシンク装置51とソース装置1とに通知する(S511)。
【0074】
そして、ユーザ操作情報を通知されたマスタのシンク装置51は、通知されたユーザ操作情報に従ってローカルシステムパラメータ(SPRM(8))の値を変更する(S521)。また、ユーザ操作情報を通知されたソース装置1は、通知されたユーザ操作情報がマスタのシンク装置51と同じモニタシステムAに属するユーザインタフェースユニット54から通知されたユーザ操作情報であるので、このユーザ操作情報に従ってソース装置1のシステムパラメータ(SPRM(8))の値を変更する(S501)。
【0075】
そして、その後、ソース装置1からモニタシステムAのユーザインタフェースユニット54の操作に応じて変更したシステムパラメータの値が、各シンク装置51に送られる(S512)。この場合、モニタシステムAのマスタのシンク装置51は、ローカルシステムパラメータ(SPRM(8))の値と通知されたソース装置1のシステムパラメータ(SPRM(8))の値が一致するので(S522)、ローカルシステムパラメータ(SPRM(8))の値の変更は行わない。一方、モニタシステムBのシンク装置51は、通知されたソース装置1のシステムパラメータ(SPRM(8))の値と、ローカルシステムパラメータ(SPRM(8))の一致を調べ(S541)、一致しない場合には、ローカルシステムパラメータ(SPRM(8))の値を、通知されたソース装置1のシステムパラメータ(SPRM(8))の値に変更する(S542)。
【0076】
また、選択状態用ハイライトボタン番号SPRM(8)については、図5bに示すように、各モニタシステム5のユーザインタフェースユニット54によるボタン選択操作や決定操作を許容しつつ、ソース装置1のシステムパラメータ(SPRM(8))と、各シンク装置51のローカルシステムパラメータ(SPRM(8))を常に一致させるようにしてもよい。
【0077】
すなわち、図5bに示すように、モニタシステムAのユーザインタフェースユニット54が、選択ボタンの変更操作をユーザから受け付けた場合(S581)には、ユーザインタフェースユニット54は、操作内容を表すユーザ操作情報を、全てのシンク装置51とソース装置1とに通知する(S561)。ユーザ操作情報を通知された各シンク装置51は、通知されたユーザ操作情報に従ってローカルシステムパラメータ(SPRM(8))の値を変更する(S571、S591)。また、ユーザ操作情報を通知されたソース装置1も、システムパラメータ(SPRM(8))の値を変更する(S551)。
【0078】
そして、その後、ソース装置1から変更したシステムパラメータの値が、各シンク装置51に送られる(S562)。この場合、各シンク装置51において、ローカルシステムパラメータ(SPRM(8))の値と通知されたソース装置1のシステムパラメータ(SPRM(8))の値が一致するので(S572、S592)、各シンク装置51においてローカルシステムパラメータ(SPRM(8))の値の変更は行われない。
【0079】
一方、モニタシステムBのユーザインタフェースユニット54が、選択ボタンの変更操作をユーザから受け付けた場合(S582)には、ユーザインタフェースユニット54は、操作内容を表すユーザ操作情報を、全てのシンク装置51とソース装置1とに通知され(S563)、以降、モニタシステムBのユーザインタフェースユニット54がユーザ操作情報を通知した場合(S561)と、同様の処理(S552、S573、S593、S564、S574、S594)が行われる。
【0080】
なお、以上の図5a、bに示した動作を行う場合において、ソース装置1におけるナビゲーションコマンドによってシステムパラメータが更新された場合には、図4に示した場合と同様に処理を行う。
また、以上、図5a、bに示した動作を行う場合において、ボタンの決定操作が発生した場合や、タイムアウトの発生時に選択ボタンを決定ボタンとする場合に、決定ボタンとなるのは、ソース装置1のシステムパラメータ(SPRM(8))によって示されるボタンである。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、以上の実施形態は、ソース装置1から各シンク装置51に、ビデオデコーダ5142を用いてデコードするアングルストリームを示すアングル番号SPRM(3)も配信するようにすると共に、各シンク装置51のローカルシステムパラメータにアングル番号SPRM(3)を含めるようにしてもよい。なお、この場合におけるシステムパラメータSPRM(3)や、ローカルシステムパラメータSPRM(3)や、アングルストリームに関する処理は、サブピクチャストリームやオーディオストリームと同様に行う。
【0082】
また、以上のDVDビデオ再生システムの制御情報をソース装置1からシンク装置51に、プレゼンテーションデータが多重化されたPSに含めて配信する構成や、ソース装置1のシステムパラメータやシンク装置51のローカルシステムパラメータを、ユーザインタフェースユニット54で受け付けたユーザ操作に応じて処理する技術は、DVD-AudioディスクなどのDVD-Videoディスク以外の、プレゼンテーションが多重化されたPSやナビゲーションデータを記録したDVDディスクの再生出力を行うDVD再生システムにも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施形態に係るDVDビデオ再生システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るソース装置とシンク装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るDVDビデオ再生システムのソース装置とシンク装置間で伝送するPSのフォーマットを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るDVDビデオ再生システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の実施形態に係るDVDビデオ再生システムの動作例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0084】
1…ソース装置、2…DVD-Videoディスク、3…DVDドライブ、4…車載LAN、5…モニタシステム、11…ナビゲーションマネージャ、12…制御情報メモリ、13…PS多重分離部、14…ビデオトランスコード部、15…PS多重化部、16…車載LANインタフェース、51…シンク装置、52…表示装置、53…音声出力装置、54…ユーザインタフェースユニット、511…ローカル車載LANインタフェース、512…デコードマネージャ、513…ローカル制御情報メモリ、514…プレゼンテーションエンジン、5141…ローカルPS多重分離部、5142…ビデオデコーダ、5143…サブピクチャデコーダ、5144…HLIデコーダ、5145…オーディオデコーダ、5146…合成処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
DVD-Videoディスクからデータを読み出すソース装置と、ソース装置に伝送路を介して接続した1以上のシンク装置とを有するDVDビデオ再生システムであって、
前記ソース装置は、
DVD-Videoディスクから読み出した、プレゼンテーションデータが多重化されたPS(Program Stream)を、前記プレゼンテーションデータに含まれるビデオデータにレート変換を施して、または、当該レート変換を施さずに、前記シンク装置に、前記伝送路を介して配信するビデオデータ配信手段と、
前記ビデオデータ配信手段が配信するPSに、当該PSに多重化されたプレゼンテーションデータのデコードの制御に用いられる、前記DVD-Videoディスクから読み出した当該PSに含まれていない制御情報を含めることにより、当該制御情報を、当該PSの一部として前記シンク装置に配信する制御情報配信手段とを有し、
前記シンク装置は、
前記ソース装置から配信されたPSから分離した前記プレゼンテーションデータをデコードして出力するデコード手段と、
前記ソース装置から配信されたPSから分離した前記制御情報に基づいて、前記デコード手段の、前記プレゼンテーションデータのデコードを制御するデコード制御手段とを有することを特徴とするDVDビデオ再生システム。
【請求項2】
請求項1記載のDVDビデオ再生システムであって、
前記PSには、DVD-Video規格に従ってNV_PACKが多重化されており、
前記ソース装置の制御情報配信手段は、前記ビデオデータ配信手段が配信するPSに、前記DVD-Videoディスクから読み出した前記PSに多重化されている前記NV_PACKに含まれていないナビゲーションデータの一部を含めることを特徴とするDVDビデオ再生システム。
【請求項3】
請求項2記載のDVDビデオ再生システムであって、
前記ソース装置の制御情報配信手段は、前記ナビゲーションデータの一部を格納したPACKを、前記ビデオデータ配信手段が配信するPS中に多重化することを特徴とするDVDビデオ再生システム。
【請求項4】
請求項1記載のDVDビデオ再生システムであって、
前記ソース装置の制御情報配信手段は、当該ソース装置の前記DVD-Videoディスクの再生制御パラメータであるところの、DVD-Video規格に従ったシステムパラメータ(SPRM)の少なくとも一部を、前記ビデオデータ配信手段が配信するPSに含めることを特徴とするDVDビデオ再生システム。
【請求項5】
請求項4記載のDVDビデオ再生システムであって、
前記PSには、DVD-Video規格に従ってNV_PACKが多重化されており、
前記ソース装置の制御情報配信手段は、前記システムパラメータ(SPRM)の少なくとも一部を、前記ビデオデータ配信手段が配信するPSに多重化されている前記NV_PACKの未使用領域に格納することを特徴とするDVDビデオ再生システム。
【請求項6】
請求項4記載のDVDビデオ再生システムであって、
ユーザ操作を受け付ける、前記伝送路に接続したユーザインタフェースユニットを有し、
前記ユーザインタフェースユニットは、前記シンク装置を対象とするユーザ操作を受け付けた場合に、当該ユーザ操作が対象とするシンク装置と前記ソース装置とに、受け付けたユーザ操作の内容を表すユーザ操作情報を前記伝送路を介して通知し、
前記各シンク装置の前記デコード制御手段は、前記デコード手段の、前記プレゼンテーションデータのデコードを制御するための再生制御パラメータをローカルシステムパラメータとして保持すると共に、前記ユーザインタフェースユニットより前記ユーザ操作情報を通知された場合に、当該ローカルシステムパラメータを前記通知された前記ユーザ操作情報が表すユーザ操作の内容に応じて変更し、
前記ソース装置は、前記ユーザインタフェースユニットより前記ユーザ操作情報を通知された場合に、当該ソース装置のシステムパラメータ(SPRM)を、前記通知された前記ユーザ操作情報が表すユーザ操作の内容に応じて変更することを特徴とするDVDビデオ再生システム。
【請求項7】
請求項6記載のDVDビデオ再生システムであって、
前記各シンク装置の前記デコード制御手段は、前記ソース装置から配信されたPSから分離したシステムパラメータ(SPRM)に、前記ローカルシステムパラメータが一致するように、当該ローカルシステムパラメータを変更することを特徴とするDVDビデオ再生システム。
【請求項8】
請求項4記載のDVDビデオ再生システムであって、
複数の前記シンク装置と、
ユーザ操作を受け付ける、前記伝送路に接続したユーザインタフェースユニットとを有し、
前記ユーザインタフェースユニットは、いずれかの前記シンク装置を対象とするユーザ操作を受け付けた場合に、当該ユーザ操作が対象とするシンク装置と前記ソース装置とに、受け付けたユーザ操作の内容を表すユーザ操作情報を前記伝送路を介して通知し、
前記各シンク装置の前記デコード制御手段は、前記デコード手段の、前記プレゼンテーションデータのデコードを制御するための再生制御パラメータをローカルシステムパラメータとして保持すると共に、前記ユーザインタフェースユニットより前記ユーザ操作情報を通知された場合に、当該ローカルシステムパラメータを前記通知された前記ユーザ操作情報が表すユーザ操作の内容に応じて変更し、
前記ソース装置は、前記ユーザインタフェースユニットより、予め定めた特定のシンク装置を対象とするユーザ操作の内容を表す前記ユーザ操作情報を通知された場合に、当該ソース装置のシステムパラメータ(SPRM)を、前記通知された前記ユーザ操作情報が表すユーザ操作の内容に応じて変更することを特徴とするDVDビデオ再生システム。
【請求項9】
請求項4記載のDVDビデオ再生システムであって、
複数の前記シンク装置と、
ユーザ操作を受け付ける、前記伝送路に接続したユーザインタフェースユニットとを有し、
前記ユーザインタフェースユニットは、いずれかの前記シンク装置を対象とするユーザ操作を受け付けた場合に、当該ユーザ操作が対象とするシンク装置と前記ソース装置とに、受け付けたユーザ操作の内容を表すユーザ操作情報を前記伝送路を介して通知し、
前記各シンク装置の前記デコード制御手段は、前記デコード手段の、前記プレゼンテーションデータのデコードを制御するための再生制御パラメータをローカルシステムパラメータとして保持すると共に、前記ユーザインタフェースユニットより前記ユーザ操作情報を通知された場合に、当該ローカルシステムパラメータを前記通知された前記ユーザ操作情報が表すユーザ操作の内容に応じて変更し、
前記ソース装置は、
前記ユーザインタフェースユニットより通知される、各シンク装置を対象とするユーザ操作の内容を表す前記ユーザ操作情報に基づいて、各シンク装置のローカルシステムパラメータを管理するシンクパラメータ管理手段と、
前記シンクパラメータ管理手段が管理しているローカルシステムパラメータのうちの、いずれのローカルシステムパラメータを当該ソース装置のシステムパラメータ(SPRM)として前記DVD-Videoディスクの再生を行った場合にも、前記DVD-Videoディスクの再生が同じく行われることにならない場合に、前記シンクパラメータ管理手段が管理しているローカルシステムパラメータの各々をシステムパラメータ候補として、システムパラメータ候補のうちから、所定の条件に従って、いずれかのシステムパラメータ候補を選定して、選定したシステムパラメータ候補を、以降の当該ソース装置のシステムパラメータ(SPRM)とするシステムパラメータ競合解消手段とを有することを特徴とするDVDビデオ再生システム。
【請求項10】
請求項9記載のDVDビデオ再生システムであって、
前記システムパラメータ競合解消手段は、前記システムパラメータ候補のうちの、最後に値が更新されたシステムパラメータ候補を選定して、選定したシステムパラメータ候補を、以降の当該ソース装置のシステムパラメータ(SPRM)とすることを特徴とするDVDビデオ再生システム。
【請求項11】
請求項9記載のDVDビデオ再生システムであって、
前記システムパラメータ競合解消手段は、前記システムパラメータ候補のうちの、ユーザによって選択されたシステムパラメータ候補を選定して、選定したシステムパラメータ候補を、以降の当該ソース装置のシステムパラメータ(SPRM)とすることを特徴とするDVDビデオ再生システム。
【請求項12】
請求項1記載のDVDビデオ再生システムであって、
当該DVDビデオ再生システムは、自動車に搭載されることを特徴とするDVDビデオ再生システム。
【請求項13】
DVDディスクからデータを読み出すソース装置と、ソース装置に伝送路を介して接続した1以上のシンク装置とを有するDVD再生システムにおいて、DVDディスクの再生出力を行うDVDディスクの再生出力方法であって、
前記ソース装置において、DVDディスクから読み出した、プレゼンテーションデータが多重化されたPS(Program Stream)を、前記伝送路を介して配信するステップと、
前記ソース装置において、配信するPSに、前記PSに多重化されたプレゼンテーションデータのデコードの制御に用いられる、前記DVDディスクから読み出した前記PSに含まれていない制御情報を含めるステップと、
前記シンク装置において、前記ソース装置から配信されたPSから分離した前記プレゼンテーションデータをデコードして出力するステップと、
前記シンク装置において、前記ソース装置から配信されたPSから分離した前記制御情報に基づいて、前記プレゼンテーションデータのデコードを制御するステップとを有することを特徴とするDVDディスクの再生出力方法。
【請求項14】
請求項13記載のDVDディスクの再生出力方法であって、
前記ソース装置は、配信するPSに、前記DVDディスクから読み出した前記PSに含まれていないナビゲーションデータの一部を含めることを特徴とするDVDディスクの再生出力方法。
【請求項15】
請求項14記載のDVDディスクの再生出力方法であって、
前記ソース装置は、前記ナビゲーションデータの一部を格納したPACKを、配信するPS中に多重化することを特徴とするDVDディスクの再生出力方法。
【請求項16】
請求項13記載のDVDディスクの再生出力方法であって、
前記ソース装置は、当該ソース装置の前記DVDディスクの再生制御パラメータであるところのシステムパラメータ(SPRM)の少なくとも一部を、配信するPSに含めることを特徴とするDVDディスクの再生出力方法。
【請求項17】
請求項16記載のDVDディスクの再生出力方法であって、
前記DVDディスクは、DVD-Videoディスクであり、
前記PSには、DVD-Video規格に従ってNV_PACKが多重化されており、
前記ソース装置は、前記システムパラメータ(SPRM)の少なくとも一部を、配信するPSに多重化されている前記NV_PACKの未使用領域に格納することを特徴とするDVDディスクの再生出力方法。
【請求項18】
DVDディスクからデータを読み出すソース装置と、ソース装置に伝送路を介して接続した複数のシンク装置と、ユーザ操作を受け付ける、前記伝送路に接続したユーザインタフェースユニットとを有するDVD再生システムにおいて、DVDディスクの再生出力を行うDVDディスクの再生出力方法であって、
前記ソース装置において、DVDディスクから読み出した、プレゼンテーションデータが多重化されたPS(Program Stream)を、前記シンク装置に、前記伝送路を介して配信するステップと、
前記シンク装置において、前記ソース装置から配信されたPSから分離した前記プレゼンテーションデータをデコードして出力するステップと、
前記ユーザインタフェースユニットにおいて、いずれかの前記シンク装置を対象とするユーザ操作を受け付けた場合に、当該ユーザ操作が対象とするシンク装置と前記ソース装置とに、受け付けたユーザ操作の内容を表すユーザ操作情報を前記伝送路を介して通知するステップと、
前記各シンク装置において、前記ユーザインタフェースユニットより前記ユーザ操作情報を通知された場合に、前記プレゼンテーションデータのデコードを制御するための再生制御パラメータであるローカルシステムパラメータを、前記通知された前記ユーザ操作情報が表すユーザ操作の内容に応じて変更するステップと、
前記ソース装置において、前記ユーザインタフェースユニットより、予め定めた特定のシンク装置を対象とするユーザ操作の内容を表す前記ユーザ操作情報を通知された場合に、当該ソース装置の前記DVDディスクの再生制御パラメータであるところのシステムパラメータ(SPRM)を、前記通知された前記ユーザ操作情報が表すユーザ操作の内容に応じて変更するステップとを有することを特徴とするDVDディスクの再生出力方法。
【請求項19】
DVDディスクからデータを読み出すソース装置と、ソース装置に伝送路を介して接続した複数のシンク装置と、ユーザ操作を受け付ける、前記伝送路に接続したユーザインタフェースユニットとを有するDVD再生システムにおいて、DVDディスクの再生出力を行うDVDディスクの再生出力方法であって、
前記ソース装置において、DVDディスクから読み出した、プレゼンテーションデータが多重化されたPS(Program Stream)を、前記シンク装置に、前記伝送路を介して配信するステップと、
前記シンク装置において、前記ソース装置から配信されたPSから分離した前記プレゼンテーションデータをデコードして出力するステップと、
前記ユーザインタフェースユニットにおいて、いずれかの前記シンク装置を対象とするユーザ操作を受け付けた場合に、当該ユーザ操作が対象とするシンク装置と前記ソース装置とに、受け付けたユーザ操作の内容を表すユーザ操作情報を前記伝送路を介して通知するステップと、
前記各シンク装置において、前記ユーザインタフェースユニットより前記ユーザ操作情報を通知された場合に、前記プレゼンテーションデータのデコードを制御するための再生制御パラメータであるローカルシステムパラメータを、前記通知された前記ユーザ操作情報が表すユーザ操作の内容に応じて変更するステップと、
前記ソース装置において、前記ユーザインタフェースユニットより通知される、各シンク装置を対象とするユーザ操作の内容を表す前記ユーザ操作情報に基づいて、各シンク装置のローカルシステムパラメータの値を管理するステップと、
前記ソース装置において、管理しているローカルシステムパラメータのうちの、いずれのローカルシステムパラメータを、当該ソース装置の前記DVDディスクの再生制御パラメータであるところのシステムパラメータ(SPRM)として前記DVDディスクの再生を行った場合にも、前記DVD-ディスクの再生が同じく行われることにならない場合に、前記管理しているローカルシステムパラメータの各々をシステムパラメータ候補として、システムパラメータ候補のうちから、所定の条件に従って、いずれかのシステムパラメータ候補を選定し、選定したシステムパラメータ候補を、以降の当該ソース装置のシステムパラメータ(SPRM)とするステップとを有することを特徴とするDVDディスクの再生出力方法。
【請求項20】
請求項13記載のDVDディスクの再生出力方法であって、
当該DVD再生システムは、自動車に搭載されることを特徴とするDVDディスクの再生出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−115304(P2007−115304A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303067(P2005−303067)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】