説明

ECU一体型スロットル装置

【課題】ECUの基板に実装されたパワートランジスタ等の発熱部材の放熱性を高めることができるECU一体型スロットル装置を提供する。
【解決手段】発熱部材としてのパワートランジスタ53を含むエンジン制御素子が実装されたECUの基板48を、該基板48の周囲を覆うハウジング46に対してモールド樹脂55で封止すると共にスロットルバルブ34を備えるスロットルボディ41に取り付けるようにしたECU一体型スロットル装置40において、スロットルボディ41には、その外壁から突出して基板48を支持する突出支持部44が設けられており、基板48を突出支持部44に支持させた際に、パワートランジスタ53と接触している熱伝達手段としての放熱電極49が突出支持部44に接触するように構成し、基板48を突出支持部44に支持させた状態でハウジング46の内部にモールド樹脂55を注入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ECU一体型スロットル装置に係り、特に、スロットルボディにエンジン制御装置(ECU)の基板を取り付けるようにしたECU一体型スロットル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スロットル開度センサ、吸気圧センサ等、スロットル装置に設けられる各種センサからの情報をエンジン制御装置(ECU)へ伝達する配線が長くなることを避けるために、スロットル装置にECUを直接取り付けるようにした構成が知られている。このとき、スロットル装置の周囲には余剰スペースが少ないことが多いため、ECUにパワートランジスタ等の発熱部品が含まれる場合には、その放熱対策も必要となる。
【0003】
特許文献1には、スロットルボディに近接配置される基板からパワートランジスタを離間させ、このパワートランジスタをスロットルボディの表面に直接取り付けることで、パワートランジスタが生じる熱をスロットルボディに伝導させて放熱効果を高めるようにしたECU一体型スロットル装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−285898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された構成では、パワートランジスタの放熱対策はできるものの、パワートランジスタが基板から離れた位置に配置されているため、基板とパワートランジスタとを電気的に接続する配線が長くなってしまう。これにより、基板への振動や水分等の影響を少なくするモールド樹脂を流入する際に、この配線への影響を配慮する必要が生じてしまうため、製造が困難になってしまう。そこで、パワートランジスタを基板に実装しながら放熱性をも確保できる構造が望まれていた。
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、ECUの基板に実装されたパワートランジスタ等の発熱部材の放熱性を高めることができるECU一体型スロットル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、少なくとも1つの発熱部材(53,54,73)を含むエンジン制御素子が実装されたECUの基板(48,66)を、前記基板(48,66)の周囲を覆うハウジング(46,65)に対してモールド樹脂(55,77)で封止すると共に、スロットルバルブ(34)を備えるスロットルボディ(41,61)に取り付けるようにしたECU一体型スロットル装置において、前記スロットルボディ(41,61)には、その外壁から突出して前記基板(48)を支持する突出支持部(44,45,68,69)が設けられており、前記基板(48)を前記突出支持部(44,45,68,69)に支持させた際に、前記発熱部材(53,54)と接触している熱伝達手段(49,51,72)が前記突出支持部(44,45)に接触するように構成され、前記モールド樹脂(55,77)は、前記基板(48,66)を前記突出支持部(44,45,68,69)に支持させた状態で前記ハウジング(46,65)の内部に注入される点に第1の特徴がある。
【0008】
また、前記熱伝達手段(49,51)が、前記発熱部材(53,54)と前記基板(48)との間に配設される板状部材である点に第2の特徴がある。
【0009】
また、前記熱伝達手段(72)が、前記基板(66)に設けられたスルーホール(71)を貫通して前記発熱部材(73)と接触する棒状部材である点に第3の特徴がある。
【0010】
また、前記スルーホール(71)は、前記基板(66)の上面視において、前記発熱部材(73)が実装されている領域にのみ設けられている点に第4の特徴がある。
【0011】
また、前記発熱部材(73)は、前記基板(66)の両面のうち、前記スロットルボディ(61)と対向しない側の面に設けられている点に第5の特徴がある。
【0012】
また、前記基板(48,66)が、前記ハウジング(46,65)の一壁面を貫通する前記突出支持部(44,45)によって、前記ハウジング(46,65)の内側の位置で支持される点に第6の特徴がある。
【0013】
また、前記基板(66)と前記突出支持部(69)とが、熱伝導性接着剤(75)によって接合されている点に第7の特徴がある。
【0014】
また、前記突出支持部(44,45,68,69)が、前記スロットルボディ(41)と一体成型されている点に第8の特徴がある。
【0015】
さらに、前記ハウジング(46,65)が樹脂で形成されている点に第9の特徴がある。
【発明の効果】
【0016】
第1の特徴によれば、スロットルボディには、その外壁から突出して基板を支持する突出支持部が設けられており、基板を突出支持部に支持させた際に、発熱部材と接触している熱伝達手段が突出支持部に接触するように構成され、モールド樹脂は、基板を突出支持部に支持させた状態でハウジングの内部に注入されるので、熱の伝達経路を維持しながら基板に実装された発熱素子をモールド樹脂で封止することができる。これにより、発熱部材が生じる熱が、熱伝達手段を介して突出支持部からスロットルボディへと放熱されることとなり、発熱部材が基板に実装されている場合でも、発熱部材および基板の熱引き性を向上させることができる。
【0017】
第2の特徴によれば、熱伝達手段が、発熱部材と基板との間に配設される板状部材であるので、発熱部材を含む基板の厚さ方向の寸法を低減することができる。
【0018】
第3の特徴によれば、熱伝達手段が、基板に設けられたスルーホールを貫通して発熱部材と接触する棒状部材であるので、発熱部材の取付位置が、基板と突出支持部とが接触する面と反対側の面である場合でも、発熱部材および基板の放熱性を高めることが可能となる。
【0019】
第4の特徴によれば、スルーホールは、基板の上面視において、発熱部材が実装されている領域にのみ設けられているので、放熱効果を高めると共に、生産性を向上させることができる。
【0020】
第5の特徴によれば、発熱部材は、基板の両面のうち、スロットルボディと対向しない側の面に設けられているので、発熱部材のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0021】
第6の特徴によれば、基板が、ハウジングの一壁面を貫通する突出支持部によって、ハウジングの内側の位置で支持されるので、放熱部材の生じる熱を、基板を囲むハウジングに伝えることなくスロットルボディに直接伝達することが可能となる。また、スロットルボディにハウジングを一体成型する構成に比して、モールド樹脂を流入させる空間を容易に得ることを可能とし、生産工数を低減することができる。
【0022】
第7の特徴によれば、基板と突出支持部とが熱伝導性接着剤によって接合されているので、発熱部材および基板の放熱性を向上させることができる。
【0023】
第8の特徴によれば、突出支持部がスロットルボディと一体成型されているので、スロットルボディの部品点数を削減することが可能となる。
【0024】
第9の特徴によれば、ハウジングが樹脂で形成されているので、スロットル装置全体の軽量化を図ることができる。また、ハウジングの形成が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットル装置を適用した自動二輪車の側面図である。
【図2】図1のスロットル装置部分の拡大図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るECU一体型スロットル装置の上面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るECU一体型スロットル装置の上面図である。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るECU一体型スロットル装置40を適用した自動二輪車1の側面図である。また、図2は、図1のスロットル装置部分の拡大図である。メインフレーム3の前方側端部には、フロントフォーク4を操向可能に支承するヘッドパイプ2が取り付けられている。後ろ下がりに延びるメインフレーム3の後端部には、ピボットプレート20と、メインフレーム3に前端が溶接されて後上がりに延びる左右一対のシートレール17と、シートレール17の中間部およびピボットプレート20間を結ぶ左右一対の補強フレーム21とが取り付けられている。
【0027】
フロントフォーク4の下端には前輪WFが軸支され、フロントフォーク4の上部には柱状の操向ハンドル12が連結されている。フロントフォーク4には、前輪WFの上方を覆うフロントフェンダ6が支持されている。メインフレーム3の下方には、シリンダ軸線をわずかに前上がりとした水冷単気筒のエンジンEが配置されている。エンジンEは、ピボットプレート20と、メインフレーム3の中間部に設けられたハンガプレート14とを用いて支持されている。
【0028】
ピボットプレート20を車幅方向に貫通するピボット26には、スイングアーム22の前端部が上下揺動可能に支承されている。スイングアーム22の後端には、ドライブチェーン23を介してエンジンEの出力が伝達される後輪WRが回転自在に軸支されている。シートレール17とスイングアーム22との間には、リヤクッション19が設けられている。左右一対のシートレール17の間には燃料タンク16が配設されており、燃料タンク16の車体前方には、開閉式のシート15を開くことでアクセス可能な収納ボックス24が配設されている。後輪WRの後部上方はリヤフェンダ37で覆われている。
【0029】
エンジンEのシリンダヘッド11の上部側壁には、吸気管を介してECU一体式のスロットル装置40が接続されている。吸気管の途中には、シリンダヘッド11の吸気ポートに向けて燃料を噴射する燃料噴射弁27(図2参照)が取付けられている。スロットル装置40の上流端は、エアクリーナボックス7に接続されている。
【0030】
スロットル装置40には、エンジンEに供給される空気量を調節するバタフライ型のスロットルバルブ(図3参照)が回動可能に支承されており、該スロットルバルブに連なって配置されるプーリ29にスロットルワイヤ30が巻き掛けられている。
【0031】
メインフレーム3には、エンジンEの一部、スロットル装置40およびエアクリーナボックス7を覆う合成樹脂製の車体カバー13が取付けられている。車体カバー13の車体前方には、乗員の脚部を前方から覆うレッグシールド8が配設されている。車体カバー13には、スロットル装置40の調節およびエンジンEからの熱抜きを可能とする開口部28が、車体側面視でスロットルボディ40のやや後方に設けられている。
【0032】
図3は、ECU一体型スロットル装置40の上面図である。また、図4は、図3のA−A線断面図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。スロットル装置40には、エンジン制御装置としてのECUの基板48が取り付けられている。ECUは、エンジン回転数、エンジン温度、スロットル開度およびクランク位置等の入力信号に基づいて、燃料噴射弁27や点火装置等を制御する。なお、図3,4の右上に示した矢印(図5,6も同様)は、吸気管の上流側を前側、下流側を後側として示したものであり、図1における車両の前後上下方向と必ずしも一致するものではない。
【0033】
スロットル装置40のスロットルボディ41は、その内側に軸直交断面が円形状をなして一方向に延在する吸気通路が形成された段付き筒状の吸気通路形成部32と、吸気通路の延在方向における一端側に形成された円筒状の入口側ダクト部43と、吸気通路形成部32の他端側に形成された円筒状の出口側ダクト部42とが形成された、アルミニウム等の金属からなる一体成型部品である。
【0034】
スロットルボディ41の吸気通路内には、プーリ29の回動軸33に連結されて吸気通路を開閉するスロットルバルブ34が配設されている。また、プーリ29には、スロットルバルブ34を閉方向に常時付勢するスプリング31が取り付けられている。
【0035】
本実施形態に係るECU一体型のスロットル装置40は、スロットルボディ41の外壁に柱状の延出支持部44,45を形成し、この延出支持部44,45の端部にECUの基板48を接触させることにより、基板48に実装されるパワートランジスタ等の放熱部材が生じる熱をスロットルボディ41へ伝達させて放熱性を高めた点に特徴がある。本実施形態では、スロットルボディ41に四角柱状の延出支持部44,45を形成し、この延出支持部44,45によって、発熱部材としてのパワートランジスタ53およびベアIC54の発熱をスロットルボディ41に伝達するように構成されている。
【0036】
スロットルボディ41の延出支持部44,45が形成される面には、上面が開放された箱状の樹脂製のハウジング46が取り付けられている。ハウジング46の底面には、延出支持部44,45を通す貫通孔が形成されており、ハウジング46は取付ネジ47によってスロットルボディ41に固定されている。
【0037】
基板48には、発熱部材としてのパワートランジスタ53およびベアIC54が実装されている。パワートランジスタ53は、熱伝達手段としての放熱電極49を介して基板48に実装され、ワイヤボンディング50によって基板48に電気的に接続されている。また、ベアIC54は、熱伝達手段としてのヒートシンク51を介して基板48に実装され、ワイヤボンディング52によって基板48に電気的に接続されている。そして、基板48は、延出支持部44が放熱電極49に固定され、かつ延出支持部45がヒートシンク51に固定されることにより所定の位置に固定され、注入されたモールド樹脂55が固まることで、防水性や対振動性が高められた封止状態となる。すなわち、モールド樹脂55は、ハウジング46および基板48をスロットルボディ41に取り付けた後に、基板48とハウジング46との間に形成される隙間に注入される。
【0038】
上記した構成によれば、パワートランジスタ53の生じた熱は、熱伝達手段としての放熱電極49を介して延出支持部44からスロットルボディ41へ伝達され、一方、ベアIC54の生じた熱は、熱伝達手段としてのヒートシンク51を介して延出支持部45からスロットルボディ41へ伝達される。これにより、パワートランジスタ53およびベアIC54のような発熱部材が基板48に実装された構成でも、基板および発熱部材の放熱性を高めることが可能となる。また、熱伝達手段としての放熱電極49およびヒートシンク51を板状部材としたため、基板48の厚さ方向の寸法を低減することができる。
【0039】
なお、延出支持部44と放熱電極49、延出支持部45とヒートシンク45との間は、それぞれ、溶着、ネジ等の締結部材による締結、熱伝導性接着剤による接着等の方法で接合することができる。また、上記実施形態では、熱伝達手段を介して発熱部材の熱を伝達する構成としたが、延出支持部と発熱部材とを直接接触させる構成としてもよい。
【0040】
図5は、本発明の第2実施形態に係るECU一体型スロットル装置60の上面図である。また、図6は、図5のB−B線断面図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。スロットル装置60には、ECUの基板66が取り付けられている。
【0041】
スロットル装置60のスロットルボディ61は、前記実施形態と同様、その内側に軸直交断面が円形状をなして一方向に延在する吸気通路が形成された段付き筒状の吸気通路形成部32と、吸気通路の延在方向における一端側に形成された円筒状の入口側ダクト部63と、吸気通路形成部32の他端側に形成された円筒状の出口側ダクト部62とが形成された、アルミニウム等の金属からなる一体成型部品である。
【0042】
本実施形態に係るスロットル装置60は、スロットルボディ61の外壁に四角柱状の延出支持部68を形成し、この延出支持部68の端部にECUの基板66を接触させることにより、基板66の上部に実装されるパワートランジスタ73が生じる熱をスロットルボディ61へ伝達させるように構成されている。また、スロットルボディ61の外壁には、基板66を支持すると共に基板66の放熱性を高める延出支持部69も形成されている。
【0043】
スロットルボディ61の延出支持部68,69が形成される面には、有底四角柱状の樹脂製のハウジング65が取り付けられている。ハウジング65の底面には、延出支持部68,69を通す貫通孔が形成されている。また、ハウジング65は取付ネジ67によってスロットルボディ61に固定されている。
【0044】
パワートランジスタ73は、放熱電極70を介して基板66に実装され、ワイヤボンディング74によって基板66に電気的に接続されている。そして、基板66は、延出支持部68,69によって所定の位置に固定され、注入されたモールド樹脂77が固まることで、防水性や対振動性が高められた封止状態となる。
【0045】
本実施形態では、基板66の下面側に延出支持部68が当接する一方、発熱部材としてのパワートランジスタ73が、基板66の上面側、すなわち、スロットルボディ61と対向しない側の面に取り付けられている。このため、熱伝達手段としての棒状部材72が、基板66に形成された9つのスルーホール71を貫通して、パワートランジスタ73および放熱電極70に接触するように構成されている。9本の棒状部材72は、アルミニウム等の金属や熱伝導性接着剤等で構成することができる。スルーホール71は、基板66の上面視において、パワートランジスタ73が実装されている領域にのみ設けられている。
【0046】
上記した構成によれば、パワートランジスタ73で生じた熱は、熱伝達手段としての棒状部材72および放熱電極70を介して、延出支持部68からスロットルボディ61へ伝達されるので、パワートランジスタ73の実装面に対して、延出支持部68との接触面が反対側である場合でも、パワートランジスタ73で生じた熱を効果的に放熱することができる。なお、本実施形態では、放熱電極76および熱伝導接着剤75を介して、延出支持部69からスロットルボディ61へ熱が伝達するように構成されているので、パワートランジスタ73で生じた熱が基板66の図示右側に伝わった場合でも放熱効果が保たれる。
【0047】
上記したように、本発明に係るECU一体式スロットル装置によれば、スロットルボディに設けた延出支持部によって基板を支持すると共に、この延出支持部に発熱部材の熱を伝達することで発熱部材の放熱効果を高めるようにしたので、基板に発熱部材を直接実装しても十分な放熱効果を確保することが可能となる。これにより、基板と発熱部材との間の電気的な接続部材を短縮して、モールド樹脂の充填作業を容易にすることができる。また、発熱部材が基板に直接実装されていることで、これが別々に配置されている構成に比して、ECU一体型スロットルボディの小型化を図ることができる。
【0048】
なお、スロットルボディの素材や形状、延出支持部の配置や形状、ハウジングの形状やスロットルボディへの取付構造、基板の形状や配置、発熱部材の種類や配置、発熱部材の基板への取付方法、熱伝達手段の形態等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。例えば、スロットルボディと延出支持部とを別体部品としたり、ハウジングを金属で形成することもできる。また、ハウジングの上部開口部に蓋部材を取り付け、モールド樹脂で封止された基板をさらに保持するようにしてもよい。本発明に係るECU一体型スロットル装置は、自動二輪車に限られず、鞍乗型三輪車等の各種車両に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1…自動二輪車、34…スロットルバルブ、40,60…スロットル装置、41,61…スロットル装置、44,45…延出支持部、46…ハウジング、48…基板、49…放熱電極(熱伝達手段)、51…ヒートシンク(熱伝達手段)、53…パワートランジスタ(発熱部材)、54…ベアIC(発熱部材)、55…モールド樹脂、66…基板、68,69…延出支持部、73…パワートランジスタ(発熱部材)、72…棒状部材(熱伝達手段)、75…熱伝導性接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの発熱部材(53,54,73)を含むエンジン制御素子が実装されたECUの基板(48,66)を、前記基板(48,66)の周囲を覆うハウジング(46,65)に対してモールド樹脂(55,77)で封止すると共に、スロットルバルブ(34)を備えるスロットルボディ(41,61)に取り付けるようにしたECU一体型スロットル装置において、
前記スロットルボディ(41,61)には、その外壁から突出して前記基板(48)を支持する突出支持部(44,45,68,69)が設けられており、
前記基板(48)を前記突出支持部(44,45,68,69)に支持させた際に、前記発熱部材(53,54)と接触している熱伝達手段(49,51,72)が前記突出支持部(44,45)に接触するように構成され、
前記モールド樹脂(55,77)は、前記基板(48,66)を前記突出支持部(44,45,68,69)に支持させた状態で前記ハウジング(46,65)の内部に注入されることを特徴とするECU一体型スロットル装置。
【請求項2】
前記熱伝達手段(49,51)が、前記発熱部材(53,54)と前記基板(48)との間に配設される板状部材であることを特徴とする請求項1に記載のECU一体型スロットル装置。
【請求項3】
前記熱伝達手段(72)が、前記基板(66)に設けられたスルーホール(71)を貫通して前記発熱部材(73)と接触する棒状部材であることを特徴とする請求項1に記載のECU一体型スロットル装置。
【請求項4】
前記スルーホール(71)は、前記基板(66)の上面視において、前記発熱部材(73)が実装されている領域にのみ設けられていることを特徴とする請求項3に記載のECU一体型スロットル装置。
【請求項5】
前記発熱部材(73)は、前記基板(66)の両面のうち、前記スロットルボディ(61)と対向しない側の面に設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載のECU一体型スロットル装置。
【請求項6】
前記基板(48,66)は、前記ハウジング(46,65)の一壁面を貫通する前記突出支持部(44,45)によって、前記ハウジング(46,65)の内側の位置で支持されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のECU一体型スロットル装置。
【請求項7】
前記基板(66)と前記突出支持部(69)とが、熱伝導性接着剤(75)によって接合されていることを特徴とする請求項1に記載のECU一体型スロットル装置。
【請求項8】
前記突出支持部(44,45,68,69)が、前記スロットルボディ(41)と一体成型されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のECU一体型スロットル装置。
【請求項9】
前記ハウジング(46,65)が樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のECU一体型スロットル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−7483(P2012−7483A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141503(P2010−141503)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】