説明

EL表示装置及びEL表示装置の駆動方法

【課題】全階調領域で従来に比べて書き込み不足が発生しにくく、トランジスタの特性バラツキによる表示ムラを従来に比べて低減できること。
【解決手段】EL素子15を有する画素16がマトリックス状に形成されたEL表示装置であって、所定の定電流を発生する定電流回路10と、階調電圧を発生する階調電圧回路20とを具備し、定電流回路10が発生する定電流は、ソース信号線18を介して画素16に供給され、階調電圧回路20が発生する階調電圧はソース信号線18を介して画素16に供給される構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機または無機エレクトロルミネッセンス(EL)素子などを用いたEL表示パネル(表示装置)などの自発光表示パネル(表示装置)の駆動方法、駆動回路、表示装置に関するものである。また、これらの駆動回路を用いた表示パネル(表示装置)などに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気光学変換物質として有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料あるいは無機EL材料を用いたアクティブマトリクス型の画像表示装置は、画素に書き込まれる電流に応じて発光輝度が変化する。EL表示パネルは各画素に発光素子を有する自発光型である。EL表示パネルは、液晶表示パネルに比べて画像の視認性が高い、発光効率が高い、バックライトが不要、応答速度が速い等の利点を有する。
【0003】
アクティブマトリクス方式の有機EL表示パネルは、特許文献1に開示されている。この表示パネルの一画素の等価回路を図3に示す。画素16は発光素子であるEL素子15、第1のトランジスタ(駆動用トランジスタ)11a、第2のトランジスタ(スイッチング用トランジスタ)11bおよび蓄積容量(コンデンサ)19からなる。発光素子15は有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子である。
【0004】
図3の画素構成を駆動するドライバ回路は、電圧の強弱で示された映像信号を出力する。ドライバ回路は、液晶表示パネルを駆動するドライバ回路と構成が近似する。ドライバ回路から、映像信号としての電圧信号がソース信号線18に印加される。印加された電圧信号が画素16に印加されコンデンサ19に保持される。
【0005】
また、有機EL表示装置の駆動方法については、特許文献2に開示されている。
【0006】
本明細書では、EL素子15に電流を供給するトランジスタ11aを駆動用トランジスタと呼ぶ。また、図3のトランジスタ11bのように、スイッチとして動作するトランジスタをスイッチング
用トランジスタと呼ぶ。
【特許文献1】特開平8−234683号公報
【特許文献2】特開2005−266735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
有機EL表示パネルは、低温あるいは高温ポリシリコンからなるトランジスタアレイを用いてパネルを構成する。しかし、有機EL素子は、ポリシリコントランジスタアレイのトランジスタ特性にバラツキがあると、表示ムラが発生する。
【0008】
図3は電圧プログラム方式の画素構成である。なお、電圧プログラム方式とは、電圧の大きさあるいは強弱で示される映像信号などの電圧信号(プログラム電圧)をデータ信号線、ソース信号線あるいは画素などに印加し、画素のトランジスタなどで電圧信号を電流信号に変換してEL素子に印加する構成あるいは回路もしくは駆動方法を言う。
【0009】
電流プログラム方式とは、電流の大きさあるいは強弱で示される映像信号などの電流信号(プログラム電流)をデータ信号線、ソース信号線あるいは画素などに印加し、画素のトランジスタなどで印加した電流信号をそのままEL素子に印加する構成あるいは回路もしくは駆動方法を言う。
【0010】
EL素子に流入する電流、EL素子から流出する電流のいずれをも印加と呼ぶ。また、EL素子を駆動することも、電流を印加するあるいはEL素子に電流を供給することと同義で使用することがある。あるいは電流プログラム方式とは、印加した電流信号に略比例した電流信号もしくは印加した電流に所定の変換処理を行った電流信号(プログラム電流)を直接的にあるいは間接的にEL素子に印加する構成あるいは回路もしくは駆動方法を言う。
【0011】
図3に図示する画素構成では、電圧の強弱で示された映像信号を駆動用トランジスタ11aで電流信号に変換する。したがって、トランジスタ11aに特性バラツキがあると、変換される電流信号にもバラツキが発生する。通常、トランジスタ11aは50%以上の特性バラツキがある。図3の構成では特性バラツキに対応した表示ムラが発生する課題がある。しかし、電圧プログラム方式は、低階調領域、高階調領域のいずれの領域にあっても、ソース信号線などの充放電能力が高く、書き込み不足による表示ムラの発生はほとんどない。
【0012】
前記トランジスタの特性バラツキによる表示ムラは、電流プログラム方式の構成を採用することにより低減することが可能である。しかし、電流プログラム方式は、低階調領域での駆動電流が小さく、ソース信号線18の寄生容量により良好に駆動できないという課題があった。
【0013】
本発明は、上記従来の課題を考慮して、全階調領域で従来に比べて書き込み不足が発生しにくく、トランジスタの特性バラツキによる表示ムラを従来に比べて低減できるEL表示装置、及びEL表示装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記本発明の目的を達成するために、
第1の本発明は、EL素子を有する画素がマトリックス状に形成されたEL表示装置であって、
所定の定電流を発生する定電流回路と、
階調電圧を発生する階調電圧回路とを具備し、
前記定電流回路が発生する前記定電流は、ソース信号線を介して前記画素に供給され、
前記階調電圧回路が発生する前記階調電圧は、前記ソース信号線を介して前記画素に供給される、EL表示装置である。
【0015】
また、第2の本発明は、EL素子を有する画素がマトリックス状に形成されたEL表示装置の駆動方法であって、
前記EL表示装置は、
所定の定電流を発生する定電流回路と、
階調電圧を発生する階調電圧回路とを備え、
前記画素が、前記EL素子に駆動電流を供給する駆動用トランジスタと、ソース信 号線と前記駆動用トランジスタ間に電流経路を形成するスイッチング用トランジス タとを有しており、
前記EL表示装置の駆動方法は、
前記定電流回路が発生する前記定電流を、前記ソース信号線を介して前記画素に印 加するステップと、
前記定電流が前記ソース信号線に印加された状態で、前記ソース信号線の電位を取 得するステップと、
前記取得した電位と前記階調電圧を加算し又は前記取得した電位から前記階調電圧を減算して、
前記加算又は減算の結果を前記ソース信号線を介して前記画素の前記駆動用トランジスタに印加するステップと、
を備えた、EL表示装置の駆動方法である。
【0016】
また、第3の本発明は、前記定電流を前記画素に印加する期間又は前記期間の前に、前記ソース信号線又は前記画素にプリチャージ電圧を印加する、上記第2の本発明のEL表示装置の駆動方法である。
【0017】
また、第4の本発明は、定電流回路は、複数の単位トランジスタから構成されている、請求項2記載のEL表示装置の駆動方法である。
【0018】
また、第5の本発明は、EL素子を有する画素がマトリックス状に形成されたEL表示装置であって、
所定の定電流を発生する定電流回路と、
階調電圧を発生する階調電圧回路とを具備し、
前記画素は、前記EL素子に駆動電流を供給する駆動用トランジスタと、前記駆動用トランジスタのゲート端子と接続されたコンデンサと、ソース信号線と前記駆動用トランジスタ間に電気経路を形成する第1のスイッチング用トランジスタと、前記コンデンサを介して前記駆動用トランジスタに前記階調電圧を印加する第2のスイッチング用トランジスタとを有する、EL表示装置である。
【0019】
また、第6の本発明は、EL素子を有する画素がマトリックス状に形成されたEL表示装置であって、
所定の定電流を発生する定電流回路と、
階調電圧を発生する階調電圧回路と、
前記画素に前記定電流を供給する第1のソース信号線と、
前記画素に前記階調電圧を供給する第2のソース信号線とを具備し、
前記画素は、前記EL素子に駆動電流を供給する駆動用トランジスタと、前記駆動用トランジスタのゲート端子と接続されたコンデンサと、第1のソース信号線と前記駆動用トランジスタ間に電気経路を形成する第1のスイッチング用トランジスタと、前記第2のソース信号線とコンデンサと電気経路を形成する第2のスイッチング用トランジスタとを有する、EL表示装置である。
【0020】
また、第7の本発明は、EL素子を有する画素がマトリックス状に形成されたEL表示装置であって、
所定の定電流を発生する定電流回路と、
階調電圧を発生する階調電圧回路と、
コンデンサと、
前記画素に前記定電流を供給するソース信号線とを具備し、
前記階調電圧は、前記コンデンサを介して前記ソース信号線に印加される、EL表示装置である。
【0021】
また、第8の本発明は、EL素子を有する画素がマトリックス状に形成された表示部と、
前記EL素子の駆動用トランジスタにリセット電流を出力する定電流出力回路と、
前記リセット電流を印加した状態で前記駆動用トランジスタのゲート端子電位を取得する電圧保持回路と、
映像信号に対応する階調電圧を出力する階調電圧回路と、
前記ゲート端子電位と、前記階調電圧を加算し又は前記ゲート端子電位から前記階調電圧を減算して前記加算又は減算の結果を前記駆動用トランジスタのゲート端子に印加する電圧印加回路を具備する、EL表示装置である。
【0022】
なお、本発明のドライバ回路およびEL表示装置は、電流発生回路と、電圧発生回路を具備する。電流発生回路が出力する定電流はEL素子を駆動する駆動用トランジスタに印加される(電流プログラム)。定電流を駆動用トランジスタに印加することにより、駆動用トランジスタのゲート電圧は、印加された定電流を流すように電流プログラムされる。この定電流をリセット電流Iaと呼ぶ。リセット電流Iaは基準となる電流の意味として用いる場合もある。
【0023】
ソースドライバ回路14から出力する電流あるいは駆動用トランジスタなどに書き込む電流をプログラム電流と呼ぶ。駆動用トランジスタ11aなどに基準となる電流を流すように設定する電流をリセット電流Iaと呼ぶ。したがって、ソースドライバ回路14から出力する電流がリセット電流である場合は、プログラム電流がリセット電流となる。
【0024】
以上のように定電流を印加した状態あるいは変化した状態を電流リセット状態と呼ぶ。また、駆動用トランジスタが定電流を流している時に、駆動用トランジスタのゲート端子に印加される電圧または発生する電圧をリセット電圧Vaと呼ぶ。また、一定の基準となる電圧をリセット電圧Vaと呼ぶこともある。
【0025】
電圧発生回路は、EL表示装置に入力される映像信号に対応した階調電圧Vxまたは目標階調電圧Vcを出力する。階調電圧などはリセット電圧Vaを基準として、駆動用トランジスタのゲート端子に印加される(電圧プログラム)。たとえば、リセット電圧Vaが3Vであれば、3Vのリセット電圧Vaを基準にして±の階調電圧Vxを印加する。Vx=0であれば、駆動用トランジスタ11aは、電流プログラムされたリセット電流Iaを発光電流としてEL素子15に流す。つまり、リセット電圧Vaを基準としてEL素子15に流す電流が決定される。
【0026】
本発明の他の実施の形態におけるドライバ回路およびEL表示装置は、定電流(リセット電流Ia)を印加した状態で駆動用トランジスタのゲート端子電圧(リセット電圧Va)を測定あるいは所定期間保持する電圧保持回路を具備する。
【0027】
なお、電流プログラム(方式)は、電流駆動(方式)と呼ぶこともある。また、電圧プログラム(方式)は、電圧駆動(方式)と呼ぶこともある。
【0028】
また、ドライバ回路とは、シリコンなどの半導体ICで構成されたものだけでなく、低温ポリシリコンなどでガラス基板に形成されたものも意味する。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、全階調領域で従来に比べて書き込み不足が発生しにくく、トランジスタの特性バラツキによる表示ムラを従来に比べて低減できるという効果を有する。
【0030】
尚、本発明は、例えば各画素の駆動用トランジスタ11aにリセット電流Iaを印加し、駆動用トランジスタ11aのリセット電圧Vaを発生させる。各画素の駆動用トランジスタ11aのリセット電圧Vaは、各駆動用トランジスタ11aの特性により異なる。レーザーアニール状態などによりバラツキが発生するからである。このリセット電圧Vaを基準として目標階調電圧Vcを印加すれば、各駆動用トランジスタ11aの特性が異なっていても精度のよい階調電流をEL素子15に印加できることになる。階調電圧の絶対値が大きくなるにしたがって、EL素子15に流す電流のバラツキは大きくなる。しかし、バラツキは実用上問題にならない大きさである。
【0031】
電圧プログラム方式は、画素16の駆動用トランジスタ11aの特性補償が不十分であるという欠点を有していた。しかし、本発明は、例えば画素16のトランジスタに定電流を印加するという電流プログラム方式を実施する。電流プログラムの実施により発生する、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧(リセット電圧Va)を基準(原点)として、階調電圧Vxを印加する(電圧プログラム)。したがって、駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加される目標階調電圧Vcは、Va±Vxとなる。したがって、駆動用トランジスタ11aの特性バラツキがあっても、精度のよい階調電圧に対応する階調電流をEL素子15に流すことができる。
【0032】
リセット電流Iaを所定以上の大きさの電流値とすることにより、電流プログラム方式の弱点である低階調領域(低電流領域)での書き込み不足の課題が発生しない。例えばリセット電圧Vaを基準として階調電圧Vxを加算あるいは減算することにより、電圧駆動の特徴である全階調領域で書き込み不足がないと言う利点を発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明のEL表示装置及びその駆動方法の実施の形態について説明する。
【0034】
(第1の実施の形態)
図1は本発明のEL表示装置の駆動回路の説明図である。ソースドライバIC(回路)14の出力端子21はソース信号線18に接続されている。各ソース信号線18には、複数の画素16が接続されている。画素16にEL素子15が形成され、画素16はマトリックス状に配置されている。
【0035】
各出力端子21には、定電流出力回路(電流階調回路)10、電圧階調回路20が構成あるいは形成されている。なお、定電流出力回路10は、プログラム電流などの階調電流を出力できるものであることが好ましい。しかし、第1の実施の形態においては、定電流出力回路10は階調電流を出力できる必要はなく、所定の定電流(プログラム電流)を出力できる構成であればよい。
【0036】
電流量の異なる定電流を出力できるように構成することにより、階調電圧Vxに対応して、リセット電流Iaの大きさを変化あるいは変更することができる。また、パネルサイズあるいはソース信号線18の寄生容量の大きさに対応させて定電流の大きさを変化あるいは設定することができる。したがって、良好に電流プログラムを実施できるという利点が発揮される。
【0037】
各出力にはスイッチSW1、SW2、SW3、SW4、SW5が形成または配置されている。また、コンデンサ52、バッファ53が形成または配置されている。コンデンサ52は、直流(DC)成分のカットする機能を有するものであればいずれでもよい。または、電位をレベルシフトできるものであればいずれのものでもよい。
【0038】
バッファ53は入力のa部が高インピーダンスで、出力のb部が低インピーダンスのものであればいずれでもよい。たとえば、バッファアンプ、オペアンプなどが例示される。その他、トランジスタ素子でエミッタフォロワ回路を構成してもよい。
【0039】
本発明のEL表示パネル(EL表示装置)の画素16の構造は、図2などに示すように、1つの画素16が4つのトランジスタ11ならびにEL素子15により形成される。少なくとも、EL素子15を駆動するトランジスタ11aを介した電流の経路が、ソース信号線18まで継続できる画素構成である。
【0040】
図2の画素構成にあっては、EL素子15に電流を供給するトランジスタ11a(駆動用トランジスタ11a)に流れる電流は、トランジスタ11cをオン(クローズ)させることによりソース信号線に取り出すことができる。もしくは、少なくとも、EL素子15を駆動するトランジスタのゲート端子に印加した(された)電圧が、ソース信号線18から読み取れる画素構成である。
【0041】
図2の画素構成にあっては、EL素子15に電流を供給するトランジスタ11a(駆動用トランジスタ11a)のゲート端子電圧は、トランジスタ11b、11cをオン(クローズ)させることによりソース信号線18から読み取ることができる。
【0042】
図2の画素回路は、1画素内に4つのトランジスタ11(11a、11b、11c、11d)を有している。駆動用トランジスタ11a のゲート端子はトランジスタ11bのソース端子に接続されている。トランジスタ11bおよびトランジスタ11cのゲート端子はゲート信号線17aに接続されている。トランジスタ11bのドレイン端子はトランジスタ11cのソース端子ならびにトランジスタ11dのソース端子に接続され、トランジスタ11cのドレイン端子はソース信号線18に接続されている。トランジスタ11dのゲート端子はゲート信号線17bに接続され、トランジスタ11dのドレイン端子はEL素子15のアノード電極(端子)に接続されている。
【0043】
なお、トランジスタ11は、Pチャンネルトランジスタで形成している。Pチャンネルトランジスタは、寿命信頼性が高く好ましい。また、図2の構成では、駆動用トランジスタ11aからソースドライバ回路14に流れる電流Iaはソースドライバ回路14に吸い込まれる電流となる。ソースドライバ回路14には、Nチャンネルのトランジスタが形成されている。Nチャンネルのトランジスタは、吸い込み電流Iaを良好に吸い込むことができ、また、Nチャンネルトランジスタは特性バラツキが小さい。そのため、ソースドライバ回路14を小型化できる。
【0044】
図2の画素構成では、トランジスタ11b、11cのゲート端子は、ゲート信号線17aに接続されている。トランジスタ11b、11cは、ゲート信号線17aに印加されたオンオフ制御信号によりオン(クローズ)、オフ(オープン)制御される。トランジスタ11dのゲート端子は、ゲート信号線17bに接続されている。トランジスタ11dは、ゲート信号線17bに印加されたオンオフ制御信号によりオン(クローズ)、オフ(オープン)制御される。
【0045】
ゲートドライバ12(図20では、ゲートドライバ回路12a、12b)は、ゲート信号線17a、17bを制御する。図20に図示するように、表示領域184の左端にゲートドライバ回路12aを形成または配置し、右端にゲートドライバ回路12bを形成または配置してもよい。ゲートドライバ回路12aはゲート信号線17aを制御し、ゲートドライバ回路12bはゲート信号線17bを制御する。ゲートドライバ回路12aとゲートドライバ回路12bはそれぞれ内部にシフトレジスタ回路が形成されているため、独立に動作させることができる。
【0046】
図2に図示する有機ELの画素構成では、トランジスタ11bは画素を選択するためのスイッチング用トランジスタとして機能させる。また、トランジスタ11aはEL素子15に電流を供給するための駆動用トランジスタとして機能させている。
【0047】
トランジスタ11bは、デュアルゲート以上であるマルチゲート構造としている。本発明の表示パネルの画素16を構成するトランジスタ11bは、トランジスタ11aのソース−ドレイン間のスイッチとして作用する。したがって、トランジスタ11bは、できるだけ低リーク電流特性が要求される。トランジスタ11bのゲートの構造をデュアルゲート構造以上のマルチゲート構造とすることにより低リーク電流特性を実現できる。
【0048】
パネルを低コストで作製するためには、画素を構成するトランジスタ11をすべてPチャンネルで形成し、ゲートドライバ回路12もPチャンネルで形成することが好ましい。このようにアレイをPチャンネルのみのトランジスタで形成することにより、マスク枚数が5枚となり、低コスト化、高歩留まり化を実現できる。
【0049】
以下、図17(A)〜(B)を用いて説明する。以下の説明は、電流駆動方式の画素構成を理解するための説明である。本発明は、電流駆動方式の画素構成(電流プログラムできる画素構成)を有している。本発明は、画素16の駆動用トランジスタ11aにプログラム電流(リセット電流Ia)を流し、プログラム電流を流した状態で駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位を測定または一定の期間、保持することを特徴とする。また、ゲート端子電位に階調電圧を加減算し、加減算した電圧を画素の駆動用トランジスタ11aのゲート端子に書き込むことを特徴とする。
【0050】
本発明の画素の動作は第1の動作と第2の動作の2つの動作により制御される。図17(A)〜(B)は図2の画素構成における動作の説明図である。第1の動作は電流プログラムの動作(EL素子15に流す電流を設定する動作)である。また、第1の動作は、電流リセット動作、リセット電流Iaを印加し駆動用トランジスタ11aのゲート端子のリセット電位を読み取る電圧読み取り動作、リセット電圧Vaを基準(中心あるいは原点)として階調電圧あるいは目標階調電圧を印加する階調電圧印加動作に大別される。第2の動作は、EL素子15に電流を流し、EL素子15が発光する動作である。図17(A)は、第1の動作の説明図である。図17(B)は第2の動作の説明図である。
【0051】
以下、図1および図17(A)〜(B)を参照しなから、本発明のEL表示パネルおよびその駆動方法について説明をする。
【0052】
第1の動作はEL素子15に流す電流値を記憶させる動作である。まず、ソースドライバIC(回路)14の定電流出力回路10から、所定の定電流であるリセット電流Iaがソース信号線18に印加される。定電流出力回路10の一例を図37に示す。
【0053】
定電流出力回路10は、一例としてオペアンプ291とトランジスタ286および抵抗Rで構成される。オペアンプ291の+側端子には電子ボリウム331が接続される。電子ボリウム331は、デジタルデータをアナログデータに変換するDA変換回路として動作する。電子ボリウム331の出力電圧Vは設定データ(デジタルデータ)により変更される。ソース信号線18に流れる電流Iaは、電子ボリウム331の出力電圧Vを抵抗Rで除算した値となる。
【0054】
リセット電流Iaの発生は定電流出力回路10に限定するものではなく、所定あるいは一定範囲の大きさのリセット電流Iaを発生できるものであればいずれのものであってもよい。たとえば、エミッタフォロワ回路でもリセット電流Iaを発生することができる。また、定電流出力回路10が発生するリセット電流Iaは、複数の大きさのリセット電流Iaを発生できるように構成することが好ましい。さらに好ましくは、階調電圧のそれぞれに対応したリセット電流Iaを発生できることが好ましい。
【0055】
リセット電流Iaとは電流0の状態(Ia=0、電流が流れない)も含む。図2の画素構成にあって、プログラム電流Ia=0とすれば、駆動用トランジスタ11aは、EL素子15に電流を流さないようにゲート端子の電位(コンデンサ19の一端子の電位)を変動(可変)させる。この変動後の駆動用トランジスタ11aのゲート端子のリセット電圧Vaは駆動用トランジスタ11aの特性を示していることになる。リセット電流Ia=0の時のリセット電圧Vaは、駆動用トランジスタ11aの動作開始電圧である。
【0056】
ソースドライバIC(回路)14からソース信号線18にプログラム電流Iaを印加しているときは、図17(A)に図示するように、トランジスタ11bならびにトランジスタ11cがオン(クローズ)する。また、トランジスタ11dはオープン状態に制御される。トランジスタ11b、11c、11dの制御は、ゲート信号線17a、17bに印加するオンオフ信号により行う。
【0057】
図4(A)に図示するように、ソースドライバIC(回路)14は、プログラム電流(リセット電流Ia)を印加する前に、リセット動作を行う。リセット動作では、図1、図4(A)〜(C)に図示するスイッチSW4、SW5はオープン(オフ)状態に設定される。スイッチSW2、SW3はクローズ(オン)にされて、コンデンサ52にグランド電位または所定の固定電圧が印加される。なお、スイッチSW1はクローズさせた状態でソース信号線18にプログラム電流を印加してもよい。
【0058】
以上の動作がリセット動作である。リセット動作では、コンデンサ52の一端子cに固定(既知)の電圧を印加する。既知の電圧とはグランド電圧も含まれる。コンデンサ52の容量は、0.05pF以上2pF以下とすることが好ましい。
【0059】
次の電圧読み取り動作では、スイッチSW1をクローズさせ、プログラム電流(リセット電流Ia)Iaをソース信号線18に印加する。このとき、スイッチSW4、SW5はオープン状態とし、スイッチSW2はクローズ状態にする(図4(A)を参照のこと)。
【0060】
図17(A)〜(B)に示す画素16の駆動用トランジスタ11aは、プログラム電流Iaを流し、また、プログラム電流Iaを流すようにゲート端子電位を変化させる。ゲート端子電位は、トランジスタ11b、11cがクローズ状態であるため、ソース信号線18に出力される(読み出される)。ソースドライバIC(回路)14内のスイッチSW2がクローズされている。結果的にプログラム電流(リセット電流)Iaを流す駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位は、ソースドライバIC(回路)14のa部に印加される(読み出される)ことになる(図1参照)。
【0061】
プログラム電流(リセット電流)Iaの大きさは、最大階調電流の1/8以上1倍以下の範囲となるように設定することが好ましい。なお、書き込み時間を短縮するため、最大階調電流の1倍以上10倍以下に設定しても構わない。最大階調電流とは、最大階調でのEL素子15に流れる電流の大きさ、または画素16にプログラムされるプログラム電流の大きさである。たとえば、256階調では、最大階調電流は、255階調目でEL素子15にプログラムされる電流である(0階調から階調番号は開始されるとしている)。
【0062】
プログラム電流(リセット電流Ia)が小さいと、ソース信号線18の寄生容量を充放電する時間に長時間を必要とする。そのため、駆動用トランジスタ11aのゲート電位の変化が1水平走査期間(1H期間)の最初の短時間では収束しない。また、プログラム電流(リセット電流Ia)が大きいと、比較的駆動用トランジスタ11aの特性ばらつきの影響が画像表示として出現しやすい低階調領域での特性補償が低くなる。
【0063】
以上の動作により、コンデンサ52のa部には、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位が読み出される。または、コンデンサ52のa部に保持される。図1の実施の形態では、コンデンサ52のa部に駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位を読み出し、保持するとした。本発明はこれに限定するものではない。たとえば、a部の電位をAD(アナログ−デジタル)変換し、デジタルデータとして取得してもよい。取得したデジタルデータは、ソースドライバIC(回路)14内または外部に形成または構成されたメモリ回路に保持する。もちろん、アナログデータの状態で一定の期間、ソースドライバIC(回路)14外あるいは内の記憶手段などに保持させてもよい。
【0064】
次の動作は、読み取った電圧を基準(中心位置あるいは原点位置)にして階調電圧を印加する動作である(図4(B)を参照のこと)。この動作では、スイッチSW1、SW2、SW3がオープン状態となり、スイッチSW4、SW5がクローズ状態に制御される。コンデンサ52のa部には、選択した画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧(リセット電圧Va)が保持されている(図4(A)参照)。リセット電流Iaを流した時に保持される電圧をリセット電圧Vaと呼ぶ。
【0065】
ゲート端子電圧は、駆動用トランジスタ11aが、プログラム電流(リセット電流Ia)をEL素子15に流すのに必要な電圧である。c部にグランド(GND)電圧が印加されているとすると、コンデンサ52の両電極間には、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧が保持されていることになる。
【0066】
オペアンプ53の増幅率(ゲイン)が1とすると、a部の電圧がスイッチSW5を介してソース信号線18に印加されることになる。画素16のトランジスタ11b、11cは選択された1水平走査期間(1H期間)、クローズしている。この状態では、読み出された駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧が、再び画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加されることになる。
【0067】
したがって、駆動用トランジスタ11aはリセット電流Iaに該当する電流をEL素子15に流す。以上の状態は駆動用トランジスタ11aの特性バラツキを補償し、精度よくEL素子15にリセット電流Ia(プログラムされた電流)を流していることになる。
【0068】
なお、リセット電圧Vaは、駆動用トランジスタ11aの特性により各画素で異なっていることは言うまでもない。しかし、EL素子15に流す電流は精度よくプログラム電流(リセット電流Ia)が印加される。
【0069】
電圧階調回路20は、各階調に対応する階調電圧Vxを出力する。階調電圧Vxとは、映像信号の階調番号に対応する電圧である。映像信号と考えてもよい。階調電圧Vxをそのままあるいは一定処理(比例処理、シフト処理、加減算処理など)を行い、駆動用トランジスタ11aにプログラム電圧として印加することにより画像表示を行うことができる。
【0070】
階調電圧Vxは、スイッチSW4と介して、コンデンサ52のc部に印加される。コンデンサ52のa部の電位Vaは、電圧階調回路20が出力する階調電圧Vx分がシフトされる。したがって、a部の電位は、理想的にはVa+Vxとなる。
【0071】
Va+階調電圧Vxは、ゲイン1であるオペアンプ53で低インピーダンスにされて出力される。Va+階調電圧Vxは、スイッチSW5、出力端子21を介してソース信号線18に印加され、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加される。したがって、駆動用トランジスタ11aは、Va+Vxに対応する電流をEL素子15に印加する。
【0072】
図1では、オペアンプ53は、ゲイン1としたがこれに限定するものではなく、1以外でもよい。たとえば、2倍であれば、オペアンプ53はa部に印加された電圧を2倍してソース信号線18に印加される。また、印加されたa部の電圧の極性の反転動作を行ってもよい。また、階調電圧Vxとは、各階調に対する任意の電圧である。階調電圧Vxは、リセット電圧Vaを中心として発生あるいは設定する。階調電圧Vxは、プラス方向に設定してもよいし、マイナス方向に設定してもよい。また、構成により、±方向に設定してもよい。
【0073】
図1では、オペアンプ53を使用するとしたがこれに限定するものでない。入力インピーダンスが高く、出力インピーダンスが低いものであればいずれのものでもよい。たとえば、図9はトランジスタによるエミッタフォロワ回路91を用いた構成例である。トランジスタQと抵抗Rでエミッタフォロワ回路91が構成されている。
【0074】
a部からトランジスタQのゲートをみたインピーダンスは高く、b部の出力インピーダンスは低くなっている。したがって、コンデンサ52の電位を安定して保持することができ、スイッチSW5を介して印加する電圧によりソース信号線18を良好に充放電することができるため、画素16の駆動用トランジスタ11aに良好に階調電圧を印加できる。
【0075】
図1において、定電流出力回路10は、各ソース信号線18に対応してソースドライバIC(回路)14内に配置または形成するとしたが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図38に図示するように、1つの電流発生回路413が発生する定電流(リセット電流Ia)を、スイッチ回路(選択切換回路)で、複数の電流保持回路501(図49、図50およびその説明を参照のこと)に印加する構成が例示される。電流保持回路501は各ソース信号線18に接続あるいは配置されている。
【0076】
電流保持回路501は、画素16にリセット電流Iaを印加する。電流保持回路501は、リセット電流Iaを画素16に印加するとともに、画素16の駆動用トランジスタ11aのリセット電圧Vaを取得する機能も有する。各ソース信号線18に印加されているリセット電圧Va、または各電流保持回路501が取得あるいは保持したリセット電圧Vaは、スイッチ回路381の制御により読み出だされる。読み出したリセット電圧Vaから、目標階調電圧Vcを求め、各画素16に印加される。
【0077】
なお、定電流出力回路10または電流発生回路413が出力するリセット電流Iaの大きさは、電流保持回路501などで増幅させてもよい。増幅などはオペアンプ、差動増幅回路などで容易に実現できる。増幅とは1以上の場合を意味するが、本明細書では1以下の場合も含まれる。
【0078】
電流保持回路501はアレイ基板382に低温ポリシリコンなどのポリシリコン技術を用いて形成される。電流発生回路413もアレイ基板382に形成してもよいが、電流精度を要望される場合は、半導体チップで形成されたソースドライバ回路14内に形成することが好ましい。
【0079】
前記定電流出力回路10または電流発生回路413の出力電流(リセット電流Ia)はスイッチ回路381で切り替え、各ソース信号線18または各出力端子21に形成または構成された電流保持回路501に印加してもよい。図50などに図示するように、電流保持回路501は、カレントミラー回路あるいはカレントコピア回路で構成されている。
【0080】
定電流出力回路10または電流発生回路413が出力するリセット電流Iaは、一定値のリセット電流Iaに限定するものではない。64階調あるいは256階調など、複数種類の階調数、異なる大きさの電流を出力できるものであってもよい。また、リセット電流Iaは、水平同期信号(HD)、垂直同期信号(VD)ごとにその値を変化できるように構成してもよい。また、ドットクロックに同期して1画素ごとにその値を変化できるように構成してもよい。また、リセット電流Iaは、図52のようなパネル温度検出回路を用いて、パネル温度に相関して変化させてもよい。
【0081】
階調電圧Vxは階調番号に置き換えてもよい。たとえば、リセット電圧Vaが256階調の128階調目とし、Vx=Vc−Vaが64階調分の電圧に該当するとする。電圧階調回路20がVxを出力することにより、Vcは128+64=192階調となる。Vxが−方向に作用するとし、Va−Vxが64階調分の電圧に該当するとすれば、電圧階調回路20がVxを出力することにより、Vbは128−64=64階調となる。図7では、Vbに対応する電流はIbである。もちろん、階調電圧Vxは電圧であればいずれの単位、大きさのものであってもよいことはいうまでもない。
【0082】
以上の階調電圧VxによるEL素子15に流す電流は、図7で示される。図7の実線は、画素16の駆動用トランジスタ11aのV−I特性を示している。図7では、リセット電圧Vaでは、電流IaがEL素子15に流れるとしている。つまり、理想的にはリセット電圧Vaを駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加すれば、リセット電流IaがEL素子15に流れる。現実には、駆動用トランジスタ11aのゲート端子とゲート信号線17a間に発生する突き抜け電圧などの影響によりリセット電流Iaと差異がある電流がEL素子15に流れる。この場合も本発明を適用できることは言うまでもない。本明細書では理想状態を例示して説明を行う。また、リセット電圧Vaは各駆動用トランジスタの特性により異なる。
【0083】
階調電圧Vxは、各階調に対応する電圧である。階調電圧は、リセット電圧Vaを中心に+側(+Vx)と−側(−Vx)で変化させる。たとえば、+側に変化させた時、EL素子15に印加される電流はIcであり、−側に変化させた時、EL素子15に流れる電流はIbである。つまり、電圧階調回路20は、リセット電圧Vaを基準として+側または−側の電圧を加減算などし、a部に保持させる。もちろん、リセット電圧Vaを基準として、階調電圧Vxをプラス方向(加算)のみに設定してもよい。また、リセット電圧Vaを基準として、階調電圧Vxをマイナス方向(減算)のみに設定してもよい。加算/減算は、アナログ電圧の加算/減算に限定するものではなく、デジタルデータを加算/減算することによって実現してもよい。
【0084】
電圧階調回路20は、半導体ICチップで形成することに限定されない。アレイ基板382にポリシリコン技術を用いて形成してもよい。その場合は、点順次回路、線順次回路で構成する。また、図35に図示するようにサンプルホールド回路などを用いて構成してもよい。
【0085】
電圧階調回路20が出力する電圧は0であってもよいことは言うまでもない。この場合は、定電流出力回路10の出力電流は0とする(定電流出力回路10は不要である)。したがって、本発明は、定電流出力回路10を省略することができる。
【0086】
また、各画素の駆動用トランジスタのリセット電圧Vaをあらかじめ測定しておき、測定したリセット電圧Vaを用いて、各画素に印加する階調電圧Vxを補正してもよい。
【0087】
この場合は、リセット電圧Vaを測定するときに、定電流出力回路10などが出力するリセット電流Iaが必要であるだけで、画像表示状態では定電流出力回路10は不要である。したがって、リセット電流Iaは別途ソースドライバIC14の外部に配置した回路から供給すればよい。
【0088】
また、リセット電圧Vaは間接的に光学的に測定することができる。EL表示装置を電圧駆動すれば各駆動用トランジスタの特性バラツキはムラとして光学的に表示されるからである。光学的に表示されたムラを測定すれば容易に各画素の駆動用トランジスタのリセット電圧Vaあるいはそれに類する電圧を求めることができる。また、目標階調電圧Vc、階調電圧Vxを補正することができる。
【0089】
該当する選択画素16のゲート信号線17aにオン電圧を印加する。ゲート信号線17aにオン電圧を印加することにより、駆動用トランジスタ11aは、EL素子15に流す電流が0となるように、ゲート端子電位を変動させる。このEL素子15に流す電流が0となる電圧Vaが、オペアンプ53のa部に保持される。電圧階調回路20が+側の電圧を出力し、+側の電圧とa部に保持された電圧が加算されてオペアンプ53のb部に出力される(図11を参照のこと)。
【0090】
図11に示すように、定電流出力回路10からソース信号線18に流す電流を0とし、駆動用トランジスタ11aがEL素子15に流す電流が0となるように動作した後のソース信号線18の電位V0を測定する。V0はリセット動作した後の電圧である。リセット電圧Va=V0を駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加してもEL素子15には電流は流れない。リセット電圧V0を基準として階調電圧Vxを印加すれば、EL素子15に電流Ieが流れる。
【0091】
図4(C)、図17(B)に示す第2の動作は、EL素子15に電流を印加する第2の動作である。第2の動作は、図2にあっては、駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加された電圧に基づき、駆動用トランジスタ11aがEL素子15に電流Ieを印加する。各画素16のEL素子15は印加された電流Ieにより発光動作する。
【0092】
以上の動作は、ゲートドライバ回路12aが順次、画素行を選択することにより実施される。つまり、1水平走査期間に画素行を選択する。まず、1水平走査期間の最初に、選択した画素行にリセット電流Iaを印加する。リセット電流Iaを印加した状態で、前記駆動用トランジスタ11aがリセット電流Iaを流すために必要なリセット電圧Vaを読み取る。あるいはそのリセット電圧Vaをa部に保持させる。
【0093】
次にリセット電圧Vaに階調電圧Vxを加減算する。加減算された電圧は、駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加する。以上で1水平走査期間が完了する。選択された画素行は、次の1水平走査期間以降の所定の期間の間、駆動用トランジスタからEL素子15に電流が供給され、EL素子15が発光する。
【0094】
次の1水平走査期間では、次の隣接した画素行が選択される。1水平走査期間に画素行を選択し、水平走査期間の最初に選択した画素行にリセット電流Iaを印加して、前記駆動用トランジスタ11aがリセット電流Iaを流すために必要なVaを読み取る。
【0095】
次にリセット電圧Vaに階調電圧を加減算して、駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加する。以上で1水平走査期間が完了する。
【0096】
各画素16に印加するリセット電流Iaの大きさを、各画素16のEL素子15に流す電流Ieの大きさ、書き換える電流差、点灯周期などに対応して、可変あるいは変化もしくは調整してもよい。また、表示領域184全体で使用する最大電流に対するそれぞれの画像表示で使用する電流の割合(点灯率)に対応して可変あるいは変化もしくは調整してもよい。
【0097】
特に最大値が100%として、点灯率が25%以下の場合に、リセット電流Iaを増加させることが好ましい。つまり、点灯率に対応してリセット電流Iaの大きさを変化(制御)する。
【0098】
各画素16のEL素子15に流す電流の大きさ、書き換える電流差、点灯周期などに対応して、オペアンプ53のアンプ倍率を変化させてもよい。また、リセット電流Iaを印加している期間を可変してもよい。
【0099】
また、各画素16のEL素子15に流す電流の大きさ、書き換える電流差、点灯周期などに対応して、電圧階調回路20が出力する階調電圧Vxの増幅率を変化してもよい。また、リセット電圧Va、リセット電圧V0に対して一定量の電圧を用いて補正して、補正したVa、V0を基準電圧として使用してもよい。また、スイッチSW2などは省略してもよい。
【0100】
本発明ではリセット電圧Vaを求めるあるいは取得するとしているが、これに限定するものではない。リセット電圧Vaに類するものであればよい。たとえば、リセット電圧Vaと比例関係にある電圧、一定のレベルシフトした電圧が例示される。また、増幅した電圧が例示される。また、光学的に求めた電圧あるいはデジタルデータが例示される。
【0101】
リセット電圧Vaはすべての画素に対して求めるあるいは取得する必要はない。一定間隔ごとに間引き行い、選択された画素から抽出したリセット電圧Vaであってもよい。近傍の画素のリセット電圧Vaは比較的一致しているからである。抽出したリセット電圧Vaを近傍の画素のリセット電圧Vaとして、直接使用するかあるいは演算などの加工を行って使用する。
【0102】
つまり、画素間引きを行って、選択された画素のリセット電圧Vaを取得し、このリセット電圧Vaを用いて、選択されなかった画素のリセット電圧Vaを求める。あるいはリセット電圧を類推する。
【0103】
図1は、図5のように構成してもよい。図5はスイッチSW3にDA(デジタル−アナログ)変換回路51を接続した構成である。DA変換回路51は8ビットのデジタルデータDATAに基づきスイッチSW3を介してc部に電圧を印加する。c部には、グランド(GND)電位に限定せず、多種多様な電圧を印加することができる。
【0104】
たとえば、駆動用トランジスタ11aのゲート端子から読み取ったリセット電圧Vaをコンデンサ52の一方の電極c部に印加することができる。したがって、コンデンサ52の初期化を容易に実施することができる。
【0105】
図5の構成によりa部に印加される電圧を一定の電圧シフトを行うことができる。ゲート信号線17aがオン電圧印加状態からオフ電圧印加状態に変化した時に突き抜け電圧が発生する。突き抜け電圧により駆動用トランジスタ11aのゲート端子の電位がシフトする。図5の構成では、容易に電位シフトを補正することができる。他の構成は、図1と同様または類似であるので説明を省略する。
【0106】
図1では、ソース信号線18の電位をコンデンサ52などにより、アナログ的に保持させるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図6のように構成してもよい。
【0107】
図6において、ソース信号線18の電位は、アナログ−デジタル(AD)変換回路62でアナログ−デジタル変換される。AD変換されたデジタルデータは、加算回路61により電圧階調回路20の出力電圧と加算される。加算された電圧は、図1と同様にオペアンプ53の入力a部に印加され、インピーダンス変換されてb部より出力される。他の動作、構成は図1と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
【0108】
加算回路61は、図1のコンデンサ52と電圧階調回路と同様あるいは類似の機能を発揮する。AD変換回路62は電位を測定し、保持する機能を有するため、図1のコンデンサ52の機能を有する。加算回路61は、電圧階調回路20の出力データにAD変換回路62の出力データを加算(減算でもよい。また、加算および減算してもよい)して、a部に出力する。
【0109】
したがって、コンデンサ52のa部のリセット電圧Vaと電圧階調回路の出力電圧Vxを加えてa部の電位をシフトするのと同様の動作となる。加算回路61は減算回路でもよい。加算はアナログ加算、デジタル加算のいずれでもよい。また、加算の概念は、レベルシフトなどの概念も含む。
【0110】
AD変換回路62は測定あるいは保持した電圧をデジタルデータとして加算回路61に印加するとしたがこれに限定するものではない。たとえば、AD変換回路62のデジタルデータをソースドライバIC(回路)14の外部あるいは内部に構成あるいは形成したメモリ回路(図示せず)に保持させてもよい。このデジタルデータを随時読み出し、加算回路61に印加あるいは出力する。
【0111】
ソース信号線18の電位は、ソースドライバIC(回路)14が出力する電圧または電流により変動する。基本的には、ソース信号線18の電位は、1水平走査期間ごとに書き換えられる。本発明によれば1水平走査期間(1H)の最初にリセット電流Iaを印加して、駆動用トランジスタ11aを動作させ、動作が完了し定常状態となった駆動用トランジスタ11aのゲート電位を測定する。測定した電圧を基準として階調電圧を駆動用トランジスタ11aに印加することにより、駆動用トランジスタ11aの特性バラツキを補償する。
【0112】
リセット電流Iaは1水平走査期間(1H期間)内において、定常的に所定の一リセット電流Iaとすることに限定するものではない。たとえば、リセット電流Iaを、リセット電流Iaの印加開始時に大きな電流とし、一定期間後、所定のリセット電流Iaに設定してもよい。このように動作させることにより、ソース信号線18などの寄生容量を短時間で充放電することができる。つまり、リセット電流Iaは1H期間において、多段階に変化させてもよい。また、ソース信号線18の電位に基づいて、多段階に切り替えるリセット電流Iaの大きさを変化あるいは変更してもよい。
【0113】
駆動用トランジスタ11aのゲート端子の電位を変動させ、駆動用トランジスタ11aの特定バラツキを補償するためには、まず、リセット電流Iaにより(もちろん、駆動用トランジスタ11aの動作も加わる)ソース信号線18の寄生容量を充放電させる必要がある。充放電時間は、1水平走査期間前のソース信号線18の電位により左右される。そのため、ソース信号線18の電位状態によっては、所定時間内で充放電する時間が足りない場合がある。
【0114】
本発明によれば、この課題を解決するため、1水平走査期間(1H)の最初の期間に、プリチャージ電圧Vpをソース信号線18に印加する。プリチャージ電圧Vpは、後に説明するが、ソースドライバIC(回路)14内に形成され、所定の電圧をソース信号線18に印加できるように構成する。なお、プリチャージ電圧Vpは画素16に直接印加するように構成してもよい。たとえば、画素に予め形成されたカソード電圧Vssと駆動用トランジスタ11aのゲート端子とを短絡するスイッチング用トランジスタを画素に形成し、このトランジスタをオンさせることにより、カソード電圧をプリチャージ電圧Vpとして画素に印加する方式でもよい。
【0115】
図12では、各水平走査期間のA期間にプリチャージ電圧Vpを印加している。プリチャージ電圧Vpの印加により各ソース信号線は瞬時に充放電され電位Vpとなる。なお、本実施の形態において、画素16の構成は、図2を例示して説明する。画素16の駆動用トランジスタ11aはPチャンネルトランジスタとして説明をする。なお、駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタであっても、当業者であれば、以降の説明を多少変更するだけで画素16を実施できる。本発明は、駆動用トランジスタ11aのチャンネル極性に限定されない。
【0116】
Pチャンネルトランジスタの場合は、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位は、Vdd電圧(アノード電圧)に近い方が、駆動用トランジスタ11aの電流Ieは小さくなる(黒表示もしくは低輝度表示)。駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位は、GND電圧(グランド電圧もしくはカソード電圧)に近い方が、駆動用トランジスタ11aの電流Ieは大きくなる(白表示もしくは高輝度表示)。
【0117】
プリチャージ電圧Vpは、最大階調(白表示もしくは高輝度表示)に相当する電圧付近に設定する。プリチャージ電圧Vpは、所定の固定電圧であってもよいが、リセット電圧Vaまたはリセット電圧V0に対応して可変あるいは調整できるように構成することが好ましい。
【0118】
図12では、第1H〜第3H(1〜3番目の水平走査期間)は、それぞれ1水平走査期間(1H)である。また、第1〜3H(1〜3番目の水平走査期間)は画素行が選択される順番である。画素行は、第n画素行あるとすると、1フィールド(フレーム)期間は、n水平走査期間(画素行)とブランキング期間で構成される。それぞれの水平走査期間の最初のA期間にプリチャージ電圧Vpが印加される。
【0119】
したがって、1H前のソース信号線18の電位がどんな電位であっても、瞬時にプリチャージ電圧Vpとなる。1HのA期間後のB期間に、定電流出力回路10からリセット電流Iaが出力される。なお、リセット電流IaはA期間も印加してもよい。リセット電流Iaは画素16の駆動用トランジスタ11aからソース信号線18を介して定電流出力回路10に流れ込む。
【0120】
リセット電流Iaにより画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子はリセット電圧Vaとなる。リセット電圧Vaは、各画素16の駆動用トランジスタ11aの特性バラツキにより異なっていることは言うまでもない。しかし、リセット電圧Vaは最小と最大との差は、0.5V程度である。リセット電圧VaとVp電圧との電位差は、ほぼ一定である。1H前のソース信号線18の電位がいずれであっても、プリチャージ電圧Vpの印加により、リセット電流Iaの印加時は、プリチャージ電圧VpからVaへの変化となっている。したがって、収束時間は略一定である。
【0121】
B期間の次のC期間は、映像信号としての目標階調電圧Vcが印加される。したがって、リセット電圧Vaを基準として目標階調電圧Vc=Va+Vxとしてソース信号線18に印加される。図12では、第1H期間では目標階調電圧がV1であり、第2H期間では目標階調電圧がV2であり、第3H期間では目標階調電圧がV3の例である。以降第nHまで画素行の選択位置がシフトされ上記と同様の動作が実施される。以上のように、プリチャージ電圧Vpの印加により、リセット電流Iaを画素16の駆動用トランジスタ11aに印加しやすくし、収束時間を短縮することができる。プリチャージ電圧Vpはアレイ基板の回路で発生してもよいし、ソースドライバIC14内に形成された回路から発生してもよい。
【0122】
図12は、プリチャージ電圧Vpを一定とした実施例であったが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図13に図示するようにプリチャージ電圧Vpを変化させてもよい。
【0123】
図13では、第1Hはプリチャージ電圧Vp1であり、第2Hはプリチャージ電圧Vp2であり、第3Hはプリチャージ電圧Vp3の例である。以降第nHまで画素行の選択位置がシフトされ上記と同様の動作が実施される。プリチャージ電圧Vpは階調電圧あるいは目標階調電圧Vcに相関させて変化させることが好ましい。たとえば、目標階調電圧Vc=Va+Vxと、プリチャージ電圧Vpとの電位差が所定電圧範囲になるように、プリチャージ電圧Vpを設定することが例示される。
【0124】
図12は、プリチャージ電圧Vpを一定とした実施例であったが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図14に図示するようにリセット電圧Vaを変化させてもよい。図14では、第1H期間ではリセット電圧はVa1である。第2H期間ではリセット電圧はVa2であり、第3Hはリセット電圧はVa3である。以降第nHまで画素行の選択位置がシフトされ上記と同様の動作が実施される。図14の実施例では、リセット電圧Vaは各画素16の駆動用トランジスタ11aのリセット電圧Vaを補正したものである。
【0125】
リセット電流Iaを階調的にあるいは多段階に変化させるには、電流データをソースドライバIC(回路)14に送信する必要がある。また、階調電圧Vxを画素ごとに変化させるには、電圧データをソースドライバIC(回路)14に送信する必要がある。図15はその実施例である。8ビットのリセット電流データID(7:0)と8ビットの階調電圧データVD(7:0)を組として、また交互に伝送している。リセット電流データID(7:0)は定電流出力回路10が出力するリセット電流Iaを発生させるデータである。電圧データVD(7:0)は、電圧階調回路20が出力する階調電圧Vxを発生させるものである。
【0126】
以上の実施例では、プリチャージ電圧Vpの印加により、ソース信号線18の電位を初期化する。初期化の後、ソース信号線18にリセット電流Iaを印加する。プリチャージ電圧Vpは画素16に直接に印加してもよい。
【0127】
なお、本実施の形態ではトランジスタにリセット電流Iaを印加し、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧を直接あるいは間接的に測定もしくは保持するとして説明する。しかし、本発明は、これに限定するものではない。リセット電流Iaの意味には、電流値が0(リセット電流Iaを流さない)の場合をも含む。また、リセット電流Iaの印加による電圧の測定は、電圧の大きさの測定に限定するものではなく、前後の電圧の変化量、電圧の変化速度、電圧の差分値の測定であってもよい。
【0128】
電圧の測定とは、測定した電圧をアナログ−デジタル変換(AD変換)して、ドライバ回路外部あるいは内部に保持する動作あるいは構成も含む。また、電圧をデジタルデータとしてメモリに保持する動作を含む。また、測定だけでなく、コンデンサなどの保持媒体に一時的に保持あるいはラッチもしくは記憶する動作あるいは構成も含む。
【0129】
図1などの実施例では、ゲートドライバ回路12aは、1画素行を順次選択し、各画素行の画素にリセット電流Iaを印加するとしたが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図16(A)〜(B)に図示するように複数の画素行を選択してリセット電流Iaを印加してもよい。また、複数画素を同時に、あるいは共通にリセット電圧Vaまたはリセット電圧V0(図11参照)を測定等してもよい。リセット電圧Va、リセット電圧V0は隣接した画素行では近似しているからである。
【0130】
図16(A)の実施例は、隣接した2画素行を同時に選択し、2画素行でリセット電流Iaを定電流出力回路10から印加した構成である。2つの画素16を同時に選択する場合は、リセット電流Iaは1画素の場合の2倍にする。3つの画素16を同時に選択する場合は、リセット電流Iaは1画素の場合の3倍にする。リセット電流Iaを整数倍にする必要はなく、実数倍であればいずれの大きさでもよい。また、複数画素16を選択する場合においても、1画素16を選択するリセット電流Iaと同一の大きさであってもよい。
【0131】
選択した2画素行の各画素行の駆動用トランジスタ11aがそれぞれ出力する電流には、駆動用トランジスタ11aの特性が異なるため差異がある。しかし、隣接した画素行ではその差異はわずかである。画素行の選択は、第1及び第2画素行、第3及び第4画素行、第5及び第6画素行・・・・・と2画素行ずつ順次選択してもよいし、第1及び第2画素行、第2及び第3画素行、第3及び第4画素行・・・・・と1画素行ずつずらせて順次選択してもよい。
【0132】
図16(B)は、隣接した画素行でなく、1画素行離れた位置の画素行を選択した実施例である。たとえば第1及び第3画素行を選択し、次に第2及び第4画素行を選択し、次に第3及び第5画素行を選択していく。
【0133】
図16(A)〜(B)においても、他の構成、動作は、図1などで説明した実施例と同様であるので説明を省略する。以上のように、複数画素行を同時に選択し、リセット電圧Vaなどを測定することは、定電流出力回路10の動作時間を短縮できる。また、定電流出力回路10などの構成を簡略化できる。
【0134】
図16(A)〜(B)の実施例は、2画素行を同時に選択する駆動方式であった。本発明は2画素行に限定するものではない。3画素以上を同時に選択してもよい。また、画素行の選択は、画素行を順次走査して選択することに限定するものではなく、ランダムに画素行を選択してもよい。また、奇数フィールド(フレーム)目は画面の上から下方向に順次選択し、偶数フィールド(フレーム)目は画面の下から上に順次選択してもよい。
【0135】
1H期間に複数の画素行を順次選択し、それぞれの画素行にリセット電流Iaを印加し、リセット電圧Vaを測定してもよい。たとえば、1Hの前半の1/2H期間に、第1行目の画素行を選択してリセット電流Iaを印加し、後半の1/2H期間に次の第2行目の画素行を選択する駆動方法が例示される。
【0136】
リセット電圧Va(図7を参照のこと)、リセット電圧V0(図11を参照のこと)の測定は、順次画素行を選択し、行うこととしたが、これに限定するものではない。たとえば、映像信号のブランキング時間に表示領域内の画素行を順次選択して走査し、リセット電圧Va、V0を測定などして、メモリに記憶させておいてもよい。また、複数の画素行を同時にまたは順次に選択し、リセット電圧Va、V0を測定し一定期間保持し、この保持したリセット電圧Va、V0を順次読み出して、階調電圧Vxと加減算して目標階調電圧を求めあるいは発生させ、各ソース信号線18に順次印加してもよい。
【0137】
図8も図1と同様に、ゲートドライバ回路12が順次、画素列を選択することにより実施される。つまり、1水平走査期間に画素行を選択する。まず、最初に、スイッチSW3をクローズし、スイッチSW4、SW2、SW5をオープンする。スイッチSW3のクローズにより、コンデンサ52の一方の端子c部にグランド(GND)電圧が印加され、グランド電圧に維持される。また、図5で説明したように任意の所定電圧を印加できるように構成してもよい。
【0138】
コンデンサ52のc部にグランド電圧を印加しリセットを行った後、次に、図10(A)に図示するように、スイッチSW2、SW3をクローズし、また、スイッチSW4、SW5をオープンする。コンデンサ52のa部には、駆動用トランジスタ11aがEL素子15に電流を流さない電圧(=駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧)が保持される。この期間も該当画素行が選択されている。該当画素行の各画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位は、オフセット状態(トランジスタ11dをクローズしてもEL素子15に電流が流れない状態)に維持される。
【0139】
図10(A)の動作により、前記駆動用トランジスタ11aがオフセットとなるのに必要なリセット電圧V0が読み取られる(保持される)。したがって、駆動用トランジスタ11aは図11に示すように、そのままリセット電圧V0を駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加すれば、カットオフ状態(EL素子15に流す電流が0となる状態)となる。
【0140】
次に、図10(B)に図示するように、スイッチSW4、SW5をクローズし、また、スイッチSW2、SW3をオープンする。電圧階調回路20は、階調電圧Vxを出力する。目標階調電圧Vc=V0+Vxとする。この期間も該当画素行が選択されている。
【0141】
電圧階調回路20に出力された電圧Vxは、コンデンサ52のa部の電位を電位シフトさせる。a部の電位シフトにより、リセット電圧V0と階調電圧Vxが加算される。以上で1水平走査期間が完了する。選択された画素行は次の1水平走査期間でEL素子15に電流を印加し、EL素子15が発光する。
【0142】
以上の本発明の実施の形態は、リセット電圧Va、V0の測定と、これらの電圧に階調電圧Vxを加減算して画素16の駆動用トランジスタ11aに印加すると言う点を中心に説明した。以下、本発明のEL表示装置の画像表示を中心に説明を行う。
【0143】
本発明では、プログラム電流(リセット電流)Iaを流した状態で駆動用トランジスタ11aのゲート端子の電位(図2のfで示す)を測定する(電位を取得する)。または、電位を図1のコンデンサ52に保持させる。もしくは、電位に対応するデータをメモリなどの記憶手段に保持する。
【0144】
図2において、ゲート端子の電位fは、トランジスタ11b、11cがオン状態のため、ソース信号線18の電位(dで示す)と、同一電位となる。したがって、ソースドライバ回路14の端子93を介して、ソース信号線18の電位を測定すれば、トランジスタ11aのゲート端子の電位fを測定したことになる。
【0145】
第2の動作はトランジスタ11bとトランジスタ11cが閉じ、トランジスタ11dが開いた動作状態であり、そのときの等価回路は図17(B)となる。トランジスタ11aのソース−ゲート間の電圧は保持されたままとなる。この場合、トランジスタ11aは常に飽和領域で動作するため、Ie=Iaの電流は一定となる。なお、Ieは駆動用トランジスタ11aがEL素子15に流す電流であり、Ie=Iaは、画素16に突き抜け電圧などの影響がなく、理想状態の場合である。本明細書の説明では、上記の理想状態の下での実施を説明する。理想状態以外であっても本発明の技術的思想を実施していれば、本発明の技術的範疇であり、本発明の実施である。
【0146】
以上の動作を表示画面184で図示すると、図18(A)〜(B)に図示するようになる。図18(A)の181は、表示画面184における、ある時刻での電流プログラムされている画素(行)(書き込み画素行)を示している。あるいは、リセット電圧Va、リセット電圧V0を測定している画素行(画素)である。また、目標階調電圧Vcを書き込んでいる画素行(画素)である。画素(行)181は、非点灯(非表示画素(行))とする。非点灯にするには、ゲートドライバ回路12bを制御し、画素16のトランジスタ11dをオープン状態にすればよい。
【0147】
非点灯(非表示)とは、EL素子15に電流が流れていない状態をいう。もしくは、一定以内の小さな電流が流れている状態をいう(表示が暗い状態である)。つまり、暗い表示状態である。したがって、非点灯画素行とは、該当画素行のEL素子15に電流が流れていない状態あるいは比較的暗い表示状態を意味する。表示領域184の非表示(非点灯)の範囲を非表示領域182と呼ぶ。表示領域184の表示(点灯)の範囲を表示(点灯)領域183と呼ぶ。表示領域183の画素16のスイッチング用トランジスタ11dはクローズし、EL素子15に電流が流れている。ただし、黒表示の画像表示ではEL素子15に電流が流れないのは当然である。スイッチング用トランジスタ11dがオープンの領域は、非表示領域182となる。
【0148】
図2の画素構成の場合は、図17(A)に示すように、1Hの最初の期間(VaまたはV0測定期間)に、プログラム電流(リセット電流)Iaがソース信号線18に流れる。このプログラム電流Iaが駆動用トランジスタ11aを流れ、プログラム電流Iaを流す電流が保持されるように、コンデンサ19に電圧設定(プログラム)される。または、駆動用トランジスタ11aのゲート端子にプログラム電流Iaを流す電流が流れるようにコンデンサ19に電圧が保持される。このとき、トランジスタ11dはオープン状態(オフ状態)である。
【0149】
EL素子15に電流を流す期間は図17(B)のように、トランジスタ11c、11bがオフし、トランジスタ11dが動作する。つまり、ゲート信号線17aにオフ電圧(Vgh)が印加され、トランジスタ11b、11cがオフする。一方、ゲート信号線17bにオン電圧(Vgl)が印加され、トランジスタ11dがオンする。
【0150】
図17(A)〜(B)、図18(A)〜(B)で説明した駆動方法のタイミングチャートを図19(A)〜(C)に図示する。図19(A)〜(C)において、選択された画素行では、ゲート信号線17aにオン電圧(Vgl)が印加されている時(図19(A)を参照)には、ゲート信号線17bにはオフ電圧(Vgh)が印加されている(図19(B)を参照)。この期間は、選択された画素行のEL素子15には電流が流れていない(非点灯状態)。なお、選択期間は1水平走査期間(1H)としている。
【0151】
ゲート信号線17aにオン電圧が印加されていない(選択されていない)画素行の内で、点灯状態の画素行では、ゲート信号線17bにはオン電圧(Vgl)が印加されている。この画素行のEL素子15には電流が流れ、EL素子15が発光している。
【0152】
ゲート信号線17aにオン電圧が印加されていない(選択されていない)画素行の内で、非点灯状態の画素行では、ゲート信号線17bにはオフ電圧(Vgh)が印加されている。この画素行のEL素子15には電流が流れず、EL素子15は非発光状態である。
【0153】
リセット電圧Vaを測定あるいは取得する際に、ソース信号線18の充放電を高速に行う場合、また、画像表示に黒挿入(非表示領域挿入)を行い、動画視認性を向上させる場合は、リセット電流Iaの大きさをN倍にする。リセット電流Iaの大きさをN倍にすることによりEL素子15に流れる電流もN倍となる。階調電圧Vxを従来と同様に1倍とする場合は、N倍のリセット電流Iaを書き込み効果によりソース信号線18の充放電を高速にできるという効果が発揮される。この場合は、基準となるリセット電圧VaがすでにN倍のEL電流となる電圧であるから、加減算する階調電圧Vxもこの点を考慮して設定する必要がある。目標階調電圧Vcも同様である。
【0154】
なお、リセット電圧Va、目標階調電圧Vc、階調電圧Vx、リセット電流Iaのうち、少なくとも1つは、N倍のNに比例もしくは相関となる関係にすることが好ましい。また、本発明は、図18(A)〜(B)、図21(A)〜(B)、図22(A)〜(B)などの実施例と組み合わせて実施することが好ましい。
【0155】
以下、説明を容易にするため、リセット電圧Vaを測定する際のリセット電流IaもN倍とし、Va、V0に加算されるVxも駆動用トランジスタ11aがEL素子15にN倍の電流を流すように設定されるとする。また、1倍の電流の時にEL表示装置が表示する画面184の輝度はBとし、N倍の電流が流れる時は発光部の輝度は、B×Nの輝度で表示されるものとする。
【0156】
EL素子15に流すリセット電流Iaは、画面184の平均(所定)輝度Bを得るのに必要な電流のN倍とする。したがって、EL素子15は、平均(所定)輝度BのN倍の輝度(N・B)で点灯する。点灯期間は1F/Nとする。1Fとは1フィールド(フレーム)である。つまり、なお、説明を容易にするため、1フィールド(フレーム)にブランキング期間はないとして説明をする。実用上は、ブランキング期間があるため、正確にはN・Bとはならない。つまり、1Fの1/Nの期間、N倍の輝度(N・B)でEL素子15が発光する。したがって、1Fを平均した表示パネルの表示輝度は、(N・B)×(1/N)=B(所定輝度)となる。
【0157】
Nは1より大きければ、いずれの実数値でもよい。ただし、Nがあまりにも大きいとEL素子15に流れる瞬時電流が大きいため、Nは10以下にすることが好ましい。もちろん、N=1とし、書き込み画素行181以外を表示(点灯)領域183としてもよいことは言うまでもない。この場合は、EL素子15に流す電流Iaは、画面184の平均(所定)輝度Bを得るのに必要な電流とする。したがって、EL素子15は、所定の輝度Bで点灯(発光)する。また、低輝度表示を実現するために、Nを1より小さくしてもよい。
【0158】
また、発光輝度N・BとなるようにN倍のリセット電流Iaを流す理由の1つは、ソース信号線18の寄生容量の影響を小さくするためである。大きな電流を流すことにより、寄生容量の電荷を短期間で充放電することができるようになる。
【0159】
図20を用いて、本発明のEL表示パネルで使用する電圧について説明をする。ゲートドライバ回路12は、バッファ回路202とシフトレジスタ回路201で構成される。バッファ回路202はオフ電圧(Vgh)とオン電圧(Vgl)を電圧として使用する。一方、シフトレジスタ回路201はシフトレジスタの電圧VGDDとグラント(GND)電圧を使用し、また、入力信号(CLK、UD、ST)の反転信号を発生させるためのVREF電圧を使用する。また、ソースドライバ回路(IC)14は、電圧Vsとグランド(GND)電圧を使用する。ゲートドライバ回路12を動作させることにより、リセット電流Iaを印加する画素行を指定する。
【0160】
ゲートドライバ回路12aは、シフトレジスタ回路201aとバッファ回路202を具備している。したがって、ゲートドライバ回路12aはゲート信号線17aをオンオフ制御する。なお、説明を容易にするため、画素構成は図1を例にあげて説明をする。
【0161】
図18(A)〜(B)では表示領域183を1つにした方式である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図22(A)〜(B)に図示するように、表示領域183と非表示領域182とを複数に分散させてもよい。
【0162】
図22(A)〜(B)に図示するように、間欠する間隔(非表示領域182/表示領域183)は等間隔に限定されるものではない。たとえば、ランダムでもよい(全体として、表示期間もしくは非表示期間が所定値(一定割合)となればよい)。また、RGBで異なっていてもよい。つまり、白(ホワイト)バランスが最適になるように、R、G、B表示期間もしくは非表示期間が所定値(一定割合)となるように調整(設定)すればよい。
【0163】
非表示領域182とは、ある時刻において非点灯EL素子15の画素16領域である。表示領域183とは、ある時刻においてEL素子15が点灯している領域である。ただし、映像信号が黒表示ではEL素子15は点灯しない。しかし、この場合であっても、黒表示を点灯しようと動作しているのであるから、点灯領域である。非表示領域182、表示領域183は、水平同期信号に同期して、1画素行ずつ位置がシフトしていく。
【0164】
図11の実施例では、電圧V0を求め、この電圧V0を基準として階調電圧Vxを加算し、目標階調電圧Vcを発生する方式であった。また、図4(A)〜(C)は、リセット電圧Vaを求め、この電圧を基準にして階調電圧Vxを加減算などし、目標階調電圧Vcを発生させる方式であった。本発明はこれに限定するものでない。たとえば、リセット電圧Vaを求める際、印加するリセット電流Iaを最大階調Iamに該当する電流としてもよい。
【0165】
最大階調に該当するリセット電流Iamを駆動用トランジスタ11aに印加することにより、駆動用トランジスタ11aは最大階調の電流が流れるように、そのゲート端子にリセット電圧Vamが発生する。このVamを基準にし、階調電圧Vxを減算して目標階調電圧Vcを発生させる。発生させた電圧Vcmを駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加する。
【0166】
本発明は、主として電流駆動方式の画素構成を有するEL表示装置に関するものである。また、駆動用トランジスタ11aもしくは駆動用トランジスタ11aとカレントミラー結合されたトランジスタ11bのドレイン端子またはソース端子が、直流的にソース信号線18に結線されている画素構成を有するEL表示装置に関するものである。また、駆動用トランジスタ11a(図2、図23など)などを流れる電流をソース信号線18に取り出す、もしくはソース信号線18から取得できる構成のEL表示パネルに関するものである。
【0167】
本発明の駆動方式は、リセット電流Iaを駆動用トランジスタ11に印加し、もしくは駆動用トランジスタ11からリセット電流Iaを流し、略定常状態となった時以降に、前記駆動用トランジスタ11のゲート端子電位を測定(取得)する。
【0168】
また、本発明の駆動方式は、測定(取得)した電位を基準(原点もしくは相対的な位置)として、階調電圧に対応する電圧を加減算などの処理をして、目標階調電圧Vcを発生させる。発生した目標階調電圧を前記駆動用トランジスタ11のゲート端子などに印加する。また、前記駆動用トランジスタ11が目標階調電圧に対応する電流をEL素子15に流すようにするものである。なお、EL素子15に電流を流すとは、EL素子15に電流を供給する場合と、EL素子15から前記駆動用トランジスタ11に流れ込む場合の両方を含む。
【0169】
また、以上の実施例は、リセット電圧Va、V0、またはVamを基準として駆動用トランジスタ11に略1倍の電流Ieを流す実施例であった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図18(A)〜(B)、図21(A)〜(B)、図22(A)〜(B)などで説明した、「1F/Nの期間の間だけ、EL素子15に電流を流し、他の期間(1F(N−1)/N)は電流を流さない」駆動方式では、リセット電流IaをN倍(Nは実数)に設定してもよいことは言うまでもない。つまり、N倍の定電流(リセット電流Ia)に対応するリセット電圧Vaを求め、このリセット電圧Vaを基準にして目標階調電圧Vcを発生させる。
【0170】
本発明の駆動方法では、図21(A)〜(B)に図示するように赤(R)、緑(G)、青(B)ごとに間欠表示実施することができる。図21(A)では、R、G、Bで点灯領域183の面積を異ならせている。図21(B)は、R、G、Bで点灯領域183の面積は同一であるが、Bの点灯領域を複数とすることにより、点灯領域の面積の総和を異ならせている。R、G、Bの点灯領域183の面積を異ならせるあるいは変化もしくは調整することにより、画像表示のホワイトバランスを調整することができる。
【0171】
前述の実施例では、点灯領域183の面積を異ならせるとしたが、逆に、非点灯領域182の面積を異ならせたと考えてもよい。
【0172】
図18(A)〜(B)の表示では、1つの表示領域183もしくは非表示領域182が画面の上から下方向に帯状に移動する。フレームレートが低いと、表示領域183が移動するのが視覚的に認識される。特に、まぶたを閉じた時、あるいは顔を上下に移動させた時などに認識されやすくなる。
【0173】
この課題に対しては、図22(A)〜(B)に図示するように、表示領域183を複数に分割するとよい。この分割された総和がS(N−1)/Nの面積となれば、図18(A)〜(B)の明るさと同等になる。なお、分割された表示領域183は等しく(等分に)する必要はない。また、分割された非表示領域182も等しく(当分)する必要はない。
【0174】
本発明の画素構成は、図2の構成を例示して説明するが、これに限定するものではない。たとえば、図23などの他の画素構成であってもよい。
【0175】
図23の画素構成は、プログラム時は、トランジスタ11c、11dがオン(クローズ)する。ソースドライバIC(回路)14がプログラム電流(リセット電流)Iaを出力する。駆動用トランジスタ11bとカレントミラー回路を構成するトランジスタ11aにプログラム電流(リセット電流Ia)Iaが流れ、プログラム電流に対応した電圧がコンデンサ19に保持される。なお、トランジスタ11eはゲート信号線17bに印加した制御信号(オンオフ信号)により、オンオフ(クローズオープン)制御されて図18(A)〜(B)、図21(A)〜(B)、図22(A)〜(B)などで説明した間欠制御などを実現する。
【0176】
図23の実施例は、EL素子15に電流Ieを印加するトランジスタ11bにプログラム電流(リセット電流)Iaを流す実施例ではない。図2の実施例は、EL素子15に電流Ieを印加するトランジスタ11aにプログラム電流(リセット電流)Iaを流す実施例である。本発明の技術的思想は、ソースドライバIC(回路)14などからリセット電流Iaなどを流し、直接的に駆動用トランジスタ11aまたは間接的にEL素子15に1電流を流す駆動用トランジスタ11bの特性補償を行う点にある。したがって、図23の構成も本発明の技術的範疇である。なお、図23の構成では、トランジスタ11eを省略してもよい。Va測定時などにリセット電流Iaが分流されてEL素子15に流れることがないからである。
【0177】
図2などの画素構成は、トランジスタ11dによりEL素子15に流す電流をトランジスタ11dにより制御するものであったが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図26に図示するように、トランジスタ11dがなくともEL素子15に印加する電流をオンオフ制御することができる。
【0178】
図26では、ゲートドライバ回路12bは、ゲート信号線17bを制御し、ゲート信号線17bの電位は、Vdd電圧と、それより低い電圧であるEL素子15に電流が流れない電圧Vgで駆動される。つまり、ゲート信号線17bには、Vdd電圧とVg電圧が出力される。ゲート信号線17bにVdd電圧が印加されたときは、EL素子15に電流が流れ、ゲート信号線17bにVg電圧が印加されたときには、EL素子15には電流が流れない。駆動用トランジスタ11aにリセット電流Iaを印加する点において、図26でも図2と同様である。したがって、図26のように、ゲートドライバ12bを有さない構成も本発明の技術的範疇である。
【0179】
図2の変形として、図27の画素構成も例示される。図2と図27との差異は、トランジスタ11bが、トランジスタ11b1とトランジスタ11b2に分離されている点、ゲート信号線17aが、ゲート信号線17a1、17a2に分離されている点である。
【0180】
トランジスタ11b1はトランジスタ11cとともに、ゲート信号線17a1で制御される。また、トランジスタ11b2はゲート信号線17a2で制御される。プログラム電流(リセット電流)Iaを印加し、リセット電圧Vaまたはリセット電圧V0を測定し、階調電圧Vcを選択した画素16に印加するときは、トランジスタ11b1、11b2、11cがクローズ状態である。
【0181】
画素の選択期間が完了(1H期間)する際、まず、ゲート信号線17a2にオフ電圧が印加され、トランジスタ11b2がオープン状態になる。次に、0.5μsec以上5μsec以下の期間おいて、ゲート信号線17a1にオフ電圧が印加され、トランジスタ11b1、11cがオフ状態となる。なお、ゲート信号線17a1にオフ電圧が印加されるまで、あるいはトランジスタ11b1がオープン状態になるまでが、画素行の選択期間(1H期間)である。
【0182】
トランジスタ11b2がトランジスタ11b1より、先にオープン(オフ)状態となることより、ゲート信号線17a1に印加したオン電圧がオフ電圧に変化する時に発生する突き抜け電圧の影響を軽減できる。ゲート信号線17a1にオフ電圧が印加されてとき、トランジスタ11b2がすでにオフ(オープン)状態であるからである。したがって、突き抜け電圧の影響がトランジスタ11aのゲート端子に及ばない。
【0183】
図2などで説明した画素構成では、駆動用トランジスタ11aは各画素16に1つの構成である。しかし、本発明において、駆動用トランジスタ11aは1つに限定されるものでなない。たとえば、図24の画素構成が例示される。
【0184】
図24は画素16を構成するトランジスタ数を6個とし、プログラム用トランジスタ11anはトランジスタ11b2とトランジスタ11cの2個のトランジスタを経由してソース信号線18に接続されるように構成し、駆動用トランジスタ11a1はトランジスタ11b1とトランジスタ11cの2個のトランジスタを経由してソース信号線18に接続されるように構成した実施例である。
【0185】
図24において、駆動用トランジスタ11a1のゲート端子とプログラム用トランジスタ11anのゲート端子とを共通にしている。トランジスタ11b1は電流プログラム時に駆動用トランジスタ11a1のドレイン端子とゲート端子とを短絡するように動作する。トランジスタ11b2は電流プログラム時にプログラム用トランジスタ11anのドレイン端子とゲート端子とを短絡するように動作する。
【0186】
図24において、駆動用トランジスタ11a1、トランジスタ11anと各1個のように図示しているが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、駆動用トランジスタ11a1を2個以上に形成してもよい。また、トランジスタ11anを2個以上形成してもよい。また、トランジスタ11a1、11anの双方を複数個で形成してもよいことはいうまでもない。
【0187】
トランジスタ11cは駆動用トランジスタ11a1のゲート端子に接続されており、トランジスタ11dは駆動用トランジスタ11a1とEL素子15間に形成または配置され、EL素子15に流れる電流を制御する。また、駆動用トランジスタ11a1のゲート端子とアノード(Vdd)端子間には付加コンデンサ19が形成または配置されており、駆動用トランジスタ11a1とプログラム用トランジスタ11anのソース端子はアノード(Vdd)端子に接続されている。
【0188】
以上のように、駆動用トランジスタ11a1とプログラム用トランジスタ11anが同一数のトランジスタを通過するように構成することにより、精度を向上させることができる。つまり、駆動用トランジスタ11a1を流れる電流は、トランジスタ11b1、トランジスタ11cを通じてソース信号線18に流れる。また、プログラム用トランジスタ11anを流れる電流は、トランジスタ11b2、トランジスタ11cを通じてソース信号線18に流れる。したがって、駆動用トランジスタ11a1の電流と、プログラム用トランジスタ11anの電流は、同数の2つのトランジスタを通過してソース信号線18に流れるように構成されている。
【0189】
図25(A)〜(B)は図24の画素構成の動作の説明図である。図25(A)は電流プログラム状態あるいはVaの測定状態の透過回路図である。図25(B)はEL素子15に電流を供給している状態を示している。なお、図25(B)の状態で、トランジスタ11dをオンオフ(クローズオープン)させて間欠表示を実施してもよいことは言うまでもない。
【0190】
図25(A)では、ゲート信号線17aにオン電圧が印加され、トランジスタ11b1、11b2、11cがオンする。トランジスタ11a1は電流Ieを供給し、トランジスタ11anは電流Ia−Ieを供給し、合成したリセット電流IaがソースドライバIcにプログラム電流(リセット電流Ia)Iaとなる。したがって、ソースドライバIC(回路)14はこのリセット電流Iaを画素16に供給する。
【0191】
以上の動作により、プログラム電流Iaに対応するリセット電圧Vaがコンデンサ52に保持される。この期間にはトランジスタ11dはオフ状態に保持される(ゲート信号線17bにはオフ電圧が印加されている)。その後、表示階調に対応する目標階調電圧Vcが画素16に書き込まれる。
【0192】
EL素子15に電流を流す場合が、図25(B)の動作状態にされる。ゲート信号線17aにオフ電圧が印加され、ゲート信号線17bにオン電圧が印加される。この状態では、トランジスタ11b1、11b2、11cがオフ状態になり、トランジスタ11dがオン状態になる。EL素子15にIe電流が供給される。
【0193】
以上のように、図2、図23、図24、図26、図27などの多種多様の画素構成において、本発明を適用することができる。
【0194】
図2、図5、図6では、10は定電流出力回路とした。以下、この定電流出力回路10の構成、動作を中心としてソースドライバIC(回路)14を説明する。
【0195】
定電流出力回路10は、図28に図示するように、単位トランジスタ284の集合として構成される。単位電流とは、基準電流の大きさに対応して単位トランジスタが出力する1単位のプログラム電流の大きさである。また、単位トランジスタとは、1単位あるいは最小単位のプログラム電流を出力するトランジスタもしくは電流源である。つまり、単位トランジスタ=単位電流源である。また、複数の単位トランジスタが集合し、プログラム電流またはリセット電流Iaを出力する構成あるいは部分を単位トランジスタ群と呼ぶ。
【0196】
単位電流の大きさは基準電流回路が出力する基準電流Icの大きさあるいは強さを調整することにより可変することができる。基準電流の調整は、ソースドライバIC(回路)14内に内蔵した電子ボリウム331などで行う。基準電流を発生する基準電流回路は赤色(R)、緑色(G)、青色(B)回路ごとに設けられており、それぞれのRGB基準電流回路の基準電流の大きさを調整することによりホワイトバランスをとることができる。したがって、R、G、Bの画素のそれぞれのリセット電流Ia、リセット電圧Vaなどの大きさを独立に設定することができる。また、R、G、Bの画素のそれぞれの目標階調電圧Vc、階調電圧Vxを独立に設定することができる。図33にこの実施例を図示している。
【0197】
RGBの各出力段は単位トランジスタ284の集合で構成されており、単位トランジスタの出力電流(単位プログラム電流)の大きさは、基準電流の大きさで調整できる。基準電流の大きさを調整すれば、RGBごとに各階調のプログラム電流(リセット電流)Iaの大きさを変更あるいは可変することができる。したがって、RGBの単位トランジスタの特性が同一であるような理想的状態では、RGBの基準電流の大きさの比率を変化させることにより、ホワイトバランスをとることができる。
【0198】
以下の実施例では、単位トランジスタ群285などはソースドライバ回路(IC)14に形成あるいは構成するとして説明するが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、単位トランジスタ群285などはアレイ基板に形成してもよい。画素16と単位トランジスタ群285、ゲートドライバ回路12をアレイ基板に形成し、他の部分をソースドライバ回路(IC)14に形成してもよい。
【0199】
図28、図29(A)〜(B)などで示すように、ソースドライバ回路(IC)14は、出力端子数に対応する出力段(トランジスタ群)285が形成または配置されている。各出力段であるトランジスタ群285には、リセット電流Iaの可変のビット数に対応する単位トランジスタ284が形成または配置されている。たとえば、基本的にはリセット電流Iaの制御信号(きざみ)が6ビット(D0〜D5)の場合は、2の6乗−1=63個のトランジスタ284が形成される。階調0は電流0であるから、いずれの単位トランジスタの出力もソース信号線18に出力されない状態である。リセット電流Iaの制御信号が8ビット(D0〜D7)の場合は、2の8乗−1=255個のトランジスタ284が形成される。
【0200】
以下、説明を容易にする、また作図を容易にするため、ソースドライバ回路(IC)14の定電流出力回路10は6ビットであるとして説明をする。図22(A)〜(B)において、各単位トランジスタ284は、定電流データ(D0〜D5)ごとに配置される。D0ビットには1個の単位トランジスタ284が配置される。D1ビットには2個の単位トランジスタ284が配置される。D2ビットには4個の単位トランジスタ284が配置され、D3ビットには8個の単位トランジスタ284が配置され、D4ビットには16個の単位トランジスタ284が配置される。同様に、D5ビットには32個の単位トランジスタ284が配置されている。
【0201】
各ビットの単位トランジスタ284の出力電流が出力端子21に出力されるか否かは、アナログスイッチ281(281a〜281f)によるオンオフ制御で実現される。アナログスイッチ281a〜281fは定電流の制御信号の各ビット(一例として6ビット)に対応する。D0ビットに対応するスイッチ281aが閉じると、1単位電流が出力端子21から出力(入力)される。出力端子21には、ソース信号線18が接続されている。同様に、D1ビットに対応するスイッチ281bが閉じると、2単位電流が出力端子21から出力(入力)される。
【0202】
以下同様に、D2ビットに対応するスイッチ281cが閉じると、4単位電流が出力端子21から出力(入力)される。D3ビットに対応するスイッチ281cが閉じると、8単位電流が出力端子21から出力(入力)される。D4ビットに対応するスイッチ281dが閉じると、16単位電流が出力端子21から出力(入力)される。D5ビットに対応するスイッチ281cが閉じると、32単位電流が出力端子21から出力(入力)される。
【0203】
以上のように、リセット電流Iaの制御信号のビットに対応して、デジタル的にスイッチ281がクローズまたはオープンし、単位電流の総和(プログラム電流)が出力端子21から出力される。
【0204】
単位トランジスタ284はトランジスタ286bとカレントミラー回路を構成している。なお、図28、図29(A)〜(B)では、理解を容易にするためトランジスタ286bを1つと図示している。実際は、複数のトランジスタ(トランジスタ群)で構成(形成)される。
【0205】
トランジスタ286bには基準電流Icが流れ、この基準電流Icのカレントミラー比に応じた電流が単位トランジスタ284に流れる。図28の63個の単位トランジスタ284はすべて同一の単位電流を出力する。単位電流が流れるためには、該当のスイッチ281が閉じ、電流経路を構成する必要がある。
【0206】
基準電流Icはオペアンプ291aと抵抗R1からなる定電流発生回路で発生する。基準電流Icは基準電圧Vsを安定化かつ高精度化することにより一定化する。基準電流Icを設定する電圧ViとVsが抵抗R1の両端に印加される。したがって、基準電流Ic=(Vs−Vi)/R1となる。基準電流IcはRGBごとに設定することができる。つまり、RGBごとにトランジスタ群285が構成(形成)されている。
【0207】
図29(A)は基準電流Icを、Vs電圧を用いて発生する回路構成である。図29(B)はGNDとオペアンプ291aの−端子間に配置(挿入)された抵抗R1を用いて基本的な電流を発生させ、トランジスタ292bとトランジスタ286aからなるカレントミラー回路で折り返し、トランジスタ286bに基準電流Icを流す構成である。図29(B)の方が、基準電流のIcの大きさを調整しやすい。しかし、トランジスタ292bとトランジスタ286aからなるカレントミラー回路で折り返すために、バラツキが発生しやすい。
【0208】
本発明は図30(A)に図示するように、各ビットに1個または複数の単位トランジスタ284を形成または配置するとした。たとえば、1ビット目は、1個の単位トランジスタを形成し、2ビット目は2個の単位トランジスタを形成する。
【0209】
しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、各ビットに、各ビットに応じた電流を出力する1つのトランジスタ284を形成または配置してもよいことは言うまでもない。たとえば、1ビット目のトランジスタは、0ビット目のトランジスタの2倍の電流を出力するトランジスタを1個形成または配置する。2ビット目のトランジスタは、0ビット目のトランジスタの4倍の電流を出力するトランジスタを1個形成または形成する。その他、2ビット目のトランジスタは、1ビット目のトランジスタの2倍の電流を出力するトランジスタを2個形成または配置してもよい。
【0210】
図30(A)に図示するように、64階調(RGB各6ビット)の場合は、63個の単位トランジスタ284を形成するとした。したがって、256階調(RGB各8ビット)の場合、255個の単位トランジスタ284が必要になることになる。
【0211】
図30(A)は、各ビットに対して同一のサイズの単位トランジスタ284を配置したトランジスタ群285の構成である。説明を容易にするため、図30(A)は63個の単位トランジスタ284が構成され、6ビットのトランジスタ群285を構成(形成)しているとする。また、図30(B)は8ビットであるとする。
【0212】
図30(B)では、下位2ビット(Aで示す)は、単位トランジスタ284よりも小さいサイズのトランジスタで構成している。最小ビット目の第0ビット目は、単位トランジスタ284のチャンネル幅Wの1/4で形成している(単位トランジスタ284bで示す)。また、第1ビット目は、単位トランジスタ284のチャンネル幅Wの1/2で形成している(単位トランジスタ284aで示す)。なお、単位トランジスタ284aは、単位トランジスタ284のチャンネル幅Wの1/4である単位トランジスタ284bを2個で形成してもよい。
【0213】
単位トランジスタ284a、284b、284のゲート端子は同一のゲート配線282に接続される。ゲート配線283はトランジスタ286bのゲート端子と接続されている。
【0214】
以上のように、下位2ビットは上位の単位トランジスタ284よりも小さいサイズの単位トランジスタ(284a、284b)で形成している。したがって、単位トランジスタ284a、284bは、単位トランジスタ284の1/2、1/4の単位電流と出力することができる。単位トランジスタ284a、284bが占める面積はわずかである。また、正規の単位トランジスタ284の個数は63個で変化がない。したがって、6ビット(64階調)から8ビット(256階調)に変更しても、トランジスタ群285の形成面積は図30(A)と図30(B)で大差はない。つまり、プログラム電流方式で用いるソースドライバIC(回路)14のチップサイズは階調数にほとんど依存しない。逆に、プログラム電圧方式で用いるソースドライバIC(回路)14は、階調数に大きく依存する。
【0215】
図32でも図示しているように、トランジスタ群285を構成する単位トランジスタ284のゲート端子は、1つのゲート配線283で接続されている。ゲート配線283に印加された電圧により単位トランジスタ284の出力電流が決定される。したがって、トランジスタ群285内の単位トランジスタ284の形状が同一であれば、各単位トランジスタ284は同一の単位電流を出力する。
【0216】
本発明は、トランジスタ群285を構成する単位トランジスタ284のゲート配線283を共通にすることには限定されない。たとえば、図31(A)のように構成してもよい。なお、トランジスタ群251bとはトランジスタ286bが対応する。トランジスタ群285によりトランジスタ286bが構成されている。図31(A)において、トランジスタ群251b1とカレントミラー回路を構成する単位トランジスタ284と、トランジスタ群251b2とカレントミラー回路を構成する単位トランジスタ284とが配置されている。トランジスタ群285は階調電圧に対応した階調電流を出力することができる。したがって、目標階調電圧Vc、階調電圧Vxに比例してあるいは相関したリセット電流Iaを発生することができる。当然のことなから、所定値のリセット電流Ia、多段階のリセット電流Iaを発生することができる。また、リセット電流Iaの大きさはRGBで独立に設定あるいは調整することができる。
【0217】
トランジスタ群251b1はゲート配線283aで接続されている。トランジスタ群251b2はゲート配線283bで接続されている。図31(A)の一番上の1個の単位トランジスタ284はLSB(0ビット目)であり、2段目の2個の単位トランジスタ284は1ビット目、3段目の4個の単位トランジスタ284は2ビット目である。また、4段目の組の8個の単位トランジスタ284は3ビット目である。
【0218】
図31(A)において、ゲート配線283aとゲート配線283bの印加電圧を変化させることにより、各単位トランジスタ284のサイズ、形状が同一であっても、各単位トランジスタ284の出力電流を変化(変更)することができる。
【0219】
図31(A)において、単位トランジスタ284のサイズなどを同一にして、ゲート配線283a、283bの電圧を異ならせるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。単位トランジスタ284のサイズなどを異ならせ、印加するゲート配線283a、283bの電圧を調整することにより、異なる形状の単位トランジスタ284の出力電流を同一となるようにしてもよい。
【0220】
基準電流Icの変化させるのは、図33などの電子ボリウム331を変化させる方法がある。なお、図33には、電子ボリウム331と、RGBごとに構成された電子ボリウム331R、331G、331Bを表している。基準電流Icを水平走査期間(H)の同期信号(HD)、垂直走査期間(V)の同期信号(VD)に同期させて変化させることができる。VD、HDはソースドライバ回路の内部クロックに同期して発生させる。
【0221】
ソースドライバ回路(IC)14は、ソース信号線18の電荷を強制的に放出または充電するプリチャージ回路を内蔵する(図12、図13、図14を参照のこと)。ソース信号線18の電荷を強制的に放出または充電するプリチャージあるいはディスチャージ回路の電圧(電流)出力値は、R、G、Bで独立に設定できるように構成することが好ましい。EL素子15の閾値がRGBで異なるからである。また、RGBでリセット電圧Vaが異なるからである。
【0222】
図34はプリチャージ部の構成図である。Vpはプリチャージ電圧である。プリチャージ電圧Vpの印加期間は映像データD0〜D5により決定することが好ましい。もしくは階調電圧Vxに対応してVpの印加期間を決定することが好ましい。また、プリチャージ電圧Vpの大きさは映像データまたは階調電圧Vxにより決定することが好ましい。
【0223】
プリチャージ電圧Vpは、HDまたはVDに同期して出力される。プリチャージ電圧を出力する時間は、水平同期信号HDを基点としてカウンタ342の設定値で決定される。カウンタ342はクロックCLK信号に同期してカウントアップされる。プリチャージ電圧出力期間は、HDの最初から開始される。カウンタ342はカウントしたカウント値と設定値が一致すると、プリチャージ電圧の出力期間が終了する。カウンタ回路342の出力はアンド(AND)回路343のa部入力となる。なお、プリチャージ電圧Vpは、オン(印加する)/オフ(印加しない)を切り替えられるように構成する。
【0224】
図34の構成では、どのような条件でプリチャージするかは、一致回路341で決定される。一致回路341には、映像データD0〜D5が印加される。一致回路はプリチャージ電圧範囲がメモリされている。一致回路341はクロックCLKで同期して動作する。また、イネーブル信号ENがHの時、プリチャージ電圧は出力され、Lの時は映像データの値によらず、プリチャージ電圧は出力されない。一致回路341の出力はアンド回路343のb端子入力となる。
【0225】
アンド回路343のa部入力がHで、b端子入力がHの時、スイッチ281aが閉じ、プリチャージ電圧Vpが内部配線282に印加され、かつHI信号がHの時、スイッチ281bが閉じて出力端子21からプリチャージ電圧が出力される。
【0226】
図35は、ソースドライバ回路(IC)14のプリチャージ回路(プリチャージ電圧を出力する回路構成部)353を中心とするブロック図である。プリチャージ回路353とは、プリチャージ制御回路によりプリチャージ制御信号PC信号(赤(RPC)、緑(GPC)、青(BPC))が出力される回路である。
【0227】
選択(セレクタ)回路352は、メインクロックに同期して出力段に対応するラッチ回路351に順次ラッチしていく。ラッチ回路351はラッチ回路351aとラッチ回路351bの2段構成である。ラッチ回路351bは水平走査クロック(1H)に同期してプリチャージ回路353にデータを送出する。つまり、セレクタは、1画素行分の画像データおよびPCデータを順次ラッチしていき、水平走査クロック(1H)に同期して、ラッチ回路351bでデータをストアする。
【0228】
図35では、ラッチ回路351のR、G、BはRGBの画像データ6ビットのラッチ回路であり、Pはプリチャージ信号(RPC、GPC、BPC)の3ビットをラッチするラッチ回路である。
【0229】
プリチャージ回路353は、ラッチ回路351bの出力がHレベルの時、スイッチ281aをオンさせ、ソース信号線18にプリチャージ電圧Vpを出力する。定電流出力回路10は画像データに応じて、プログラム電流(リセット電流Ia)をソース信号線18に出力する。
【0230】
以下、電圧階調回路20について説明をする。電圧階調回路20が出力する電圧Vxをプログラム電圧と呼ぶ。プログラム電圧Vxはリセット電圧Vaまたはリセット電圧V0と加算されることにより目標の階調電圧Vc(一例として、Vc=Va+Vx)となる。
【0231】
図36に図示するように、8ビットの映像DATAに対応する電圧(プログラム電圧)が、映像クロックに同期して電子ボリウム331から出力される。プログラム電圧はCc容量に一時的に保持され、バッファアンプ291aから出力される。出力された電圧は、サンプルホールド回路(この実施例では切り換え回路のように図示している)361により、各出力端子21に順次振り分けられる(出力端子21a、21b、21c、21d・・・・・、21n、21a、21b、21c、・・・・・・・21n・・・・・・)。振り分けはクロックCLKに同期して実施される。
【0232】
電圧階調回路20が出力する電圧は、EL表示パネルの駆動用トランジスタ11aの特性バラツキを反映したものであってもよい。各駆動用トランジスタ11aのリセット電圧Vaあるいはそれに類する電圧をあらかじめ測定しておく。測定とは、図1のように、リセット電圧Vaを電気的に読み出す方法が例示される。また、EL表示装置の表示領域に所定電圧を印加し、点灯している各EL素子の発光状態を、スキャナなどを用いて光学的に測定する。測定した測定した画像データから、各駆動用トランジスタ11aの特性バラツキを求める。求めたデータを用いて階調電圧Vxを補正する。
【0233】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について説明をする。なお、以下の実施の形態において、先に第1の実施の形態と同様な箇所、動作などは説明を省略する。説明は第1の実施の形態との差異を中心として説明をする。以前に説明した内容は、以降の実施の形態に適用される。たとえば、図5、図6、図8、図9などのドライバ回路に関する構成が適用でき、適時組み合わせることができる。図12、図13、図14などのプリチャージ方法、図34のプリチャージ回路に関する構成が適用でき、適時組み合わせることができる。また、図15のデータ伝送方法に関する構成が適用でき、適時組み合わせることができる。また、図20のゲートドライバ回路、図18(A)〜(B)、図21(A)〜(B)、図22(A)〜(B)の間欠表示、図28、図29(A)〜(B)、図30(A)〜(B)、図31(A)〜(B)、図32、図33、図35、図36、図38のソースドライバ回路に関する構成が適用でき、適時組み合わせることができる。以上の事項は、第2の実施の形態だけでなく、他の実施の形態にも適用される。
【0234】
図39は本発明の第2の実施の形態のおけるEL表示装置の画素構成などの説明図である。図2との差異は、コンデンサ19bとスイッチング用トランジスタ11eが付加された点である。コンデンサ19bは、駆動用トランジスタ11aのゲート端子とトランジスタ11eのドレイン端子間に配置される。コンデンサ19bは、信号の直流成分をカットする。EL表示装置には、RGBの3種類の色の画素がマトリックス状に形成されている。説明を容易にするため、図39でも図2と同様に1画素を抽出して図示している。
【0235】
トランジスタ11b、トランジスタ11cは、ソース信号線18に印加された電流信号を駆動用トランジスタ11aに印加するために動作する(電流プログラム)。コンデンサ19bとトランジスタ11eはソース信号線18に印加された電圧信号を駆動用トランジスタ11aに印加するために動作する(電圧プログラム)。
【0236】
ゲートドライバ回路12は12a、12b、12cの3つを有する。ゲートドライバ回路12aはゲート信号線17aを制御する。ゲートドライバ回路12bはゲート信号線17bを制御する。ゲートドライバ回路12cはゲート信号線17cを制御する。ゲートドライバ回路12a、12b、12cはそれぞれ内部にシフトレジスタ回路を有し、同期を取って、画素行を選択するゲート信号線12位置をシフトさせる。
【0237】
図40、図41は図39の本発明のEL表示装置の駆動方法の説明図である。ソースドライバ回路14は、先の実施の形態と同様に定電流出力回路と電圧階調回路を具備する。動作は、図42に表に示すように、リセット期間と、書込み期間、保持(発光)期間に大別される。リセット期間は、駆動用トランジスタ11aにリセット電流Iaを印加する期間である。書込み期間は、目標階調電圧Vcを画素16に書き込む期間である。保持期間は、EL素子15が発光する期間である。
【0238】
リセット期間は1Hの最初に実施される。リセット期間の後に、書込み期間が開始される。リセット期間+書込み期間=1水平走査期間(1画素行を選択する期間)である。なお、場合によっては、リセット期間の開始直後に書込み期間を開始してもよい。
【0239】
第2の実施の形態も第1の実施の形態と同様に、画素16にリセット電流Iaを印加する段階と、画素16に目標階調電圧Vcを印加する段階とを有する。また、リセット電圧Vaと階調電圧Vxから目標階調電圧Vcを発生させる動作と有する。
【0240】
以下、図42および図40、図41を参照しなから本発明のEL表示装置の動作について説明をする。
【0241】
図40に示すように、リセット期間では、ゲートドライバ回路12aはゲート信号線17aを制御し、1画素行を選択する。選択された画素行のトランジスタ11c、11bはオン(クローズ)状態となる。ソースドライバ回路14のスイッチSW1はオンし、定電流出力回路413はリセット電流Iaをソース信号線18に印加する。リセット電流Iaは選択された画素16のアノード電圧Vdd→駆動用トランジスタ11a→トランジスタ11c→ソース信号線18を流れる。なお、スイッチSW2はオフ状態である。
【0242】
駆動用トランジスタ11aにリセット電流Iaが流れることにより、駆動用トランジスタ11aのゲート端子には、リセット電流Iaが流れるように電流プログラムが行われる。リセット電流Iaを流すように設定するリセット電圧Vaは第1の実施の形態と同様に駆動用トランジスタ11aにゲート端子に接続されたコンデンサ19bに保持される(a点)。同時にトランジスタ11c、トランジスタ11bがオン状態であるから、コンデンサ19bのa点の電位と、b点の電位は同一電位となる。したがて、コンデンサ19bの両端子には電位差が発生しない。以上の動作のとき、ゲート信号線17cおよびゲート信号線17bにはオフ電圧が印加されており、トランジスタ11e、トランジスタ11dはオフ(オープン)状態に保持される。
【0243】
図41は、書込み期間の動作の説明図である。書込み期間は電圧プログラムの期間である。書き込み期間では、ゲートドライバ回路12cはゲート信号線17cを制御し、リセット電流Iaを印加した1画素行を選択する。選択された画素行のトランジスタ11eはオン(クローズ)状態となる。ソースドライバ回路14のスイッチSW2はオンし、階調電圧回路411は階調電圧Vxをソース信号線18に印加する。なお、スイッチSW1はオフ状態である。また、トランジスタ11b、11c、11dはオフ状態である。
【0244】
階調電圧Vxは、トランジスタ11eを介して選択された画素16のコンデンサ19bのb端子に印加される。階調電圧VxはV1とする。なお、説明を容易にするため、階調電圧V1はリセット電圧Vaを基準としてV1の電位差を発生するものとする。
【0245】
階調電圧V1がコンデンサ19bのb端子に印加されると、コンデンサ19bのa端子は、V1の電位だけ電位シフトする。つまり、コンデンサ19bのa端子の電位は、リセット電圧Va+階調電圧V1=目標階調電圧Vcとなる。この目標階調電圧Vcが駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加される。
【0246】
保持(発光)期間では、ゲート信号線17bにオン電圧が印加され、トランジスタ11dがオン状態となる。トランジスタ11dのオンオフ制御は、図18(A)〜(B)、図21(A)〜(B)、図22(A)〜(B)の駆動方法に対応するように実施される。保持(発光)期間では、トランジスタ11e、11b、11cはオフ状態に保持される。駆動用トランジスタ11aは目標階調電圧Vcを電圧−電流変換し、変換した電流をEL素子15に印加する。EL素子15は印加された電流に対応して発光する。
【0247】
以上のように、ゲート信号線17aとゲート信号線17cは組となって、画素行を順次選択する。選択された画素行には、リセット電流Iaと階調電圧Vxが印加され画素行の各画素には目標階調電圧Vcが印加される。
【0248】
本発明の第1の実施の形態では、目標階調電圧Vcはソースドライバ内などに形成されたコンデンサ52を用いて発生させていた。発生された目標階調電圧Vcはソース信号線18に出力され駆動用トランジスタ11aに印加されていた。
【0249】
本発明の第2の実施の形態では、ソース信号線18には階調電圧Vxが出力され、画素16のコンデンサ19bにより、リセット電圧Vaと階調電圧Vxが加算(減算)され、目標階調電圧Vcを発生させる。
【0250】
図34などのプリチャージ電圧Vp発生回路により、プリチャージ電圧Vpを1Hの最初に印加すれば、図12〜14の駆動方式を実現できることは言うまでもない。また、第2の実施の形態において、図16(A)〜(B)の複数画素行を選択する駆動方法と組み合わせることができる。また、定電流出力回路として、図28などの構成を採用することができる。
【0251】
以上のように、本発明の第2の実施の形態は、他の実施の形態と相互に組み合わせることができる。また、各構成部品、駆動方法を採用することができる。また、本明細書に記載する画素構成においても採用することができる。以上の事項は本発明の他の実施の形態においても同様に適用される。
【0252】
(第3の実施の形態)
図43は第3の実施の形態である。図43では、リセット電流Iaを発生するソースドライバ回路14aと、階調電圧Vxを発生するソースドライバ回路14bを具備する。ソースドライバ回路14aの出力端子は、ソース信号線18aに接続されている。ソースドライバ回路14bの出力端子は、ソース信号線18bに接続されている。トランジスタ11cのソース端子はソース信号線18aに接続され、トランジスタ11eのソース端子はソース信号線18bに接続されている。他の構成などは第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様である。
【0253】
図44の表は本発明の第3の実施の形態の各構成要素の動作状態を示す。以下、図43および図44を参照しながら、本発明の第3の実施の形態について説明をする。なお、第2の実施の形態と同様に、階調電圧VxはV1として説明する。
【0254】
リセット期間では、ゲートドライバ回路12aはゲート信号線17aを制御し、1画素行を選択する。選択された画素行のトランジスタ11c、11bはオン(クローズ)状態となる。ソースドライバ回路14はリセット電流Iaをソース信号線18aに印加する。リセット電流Iaは選択された画素16のアノード電圧Vdd→駆動用トランジスタ11a→トランジスタ11c→ソース信号線18aを流れる。なお、前述の実施の形態などでも説明したが、リセット電流Iaの電流方向は、画素16の構成にあわせて、吐き出し電流方向、吸い込み電流方向のいずれかを選択して採用する。
【0255】
駆動用トランジスタ11aにリセット電流Iaが流れる。駆動用トランジスタ11aのゲート端子には、リセット電流Iaが流れるように電流プログラムが行われる。したがって、駆動用トランジスタ11aのゲート端子にはリセット電流Iaを流すようにリセット電圧Vaが設定される。リセット電圧Vaはコンデンサ19bのa点に保持される。
【0256】
書込み期間では、ゲート信号線17cにオン電圧が印加され、トランジスタ11eがオンされる。なお、トランジスタ11eはリセット期間にオンさせ、書込み期間にオン状態を継続させてもよい。書込み期間では、トランジスタ11b、11c、11dはオフ状態に維持される。
【0257】
書込み期間に、ソースドライバ回路14bは、入力される映像信号に基づいた階調電圧V1をソース信号線18bに印加する。トランジスタ11eをオンさせることにより、ソース信号線18bに印加された電圧V1がコンデンサ19bのb端子に印加される。コンデンサ19bのb端子の電位が初期状態の電圧VbからV1に変化する。
【0258】
b端子の電圧が初期状態の電圧VbからV1電圧に変化することにより、コンデンサ19bのa端子の電位が、Va電圧からVa+V1に変化する(加算方向の時)。もしくは、Va−V1に変化する(減算方向の時)。したがって、駆動用トランジスタ11aにゲート端子には、目標階調電圧Vc=Va±Vxが印加される。
【0259】
初期状態の電圧Vbは、リセット電圧Vaとしてもよい。リセット期間にソース信号線18aとソース信号線18bを電気的に短絡することにより実現できる。短絡は、ソース信号線18aとソース信号線18b間にアナログスイッチを形成することにより容易に実現できる。リセット期間にアナログスイッチをオンさせることにより、ソース信号線18aの電位Vaがソース信号線18bに印加される。
【0260】
ソースドライバ回路14aは各ソース信号線18aに、リセット電流Iaを定常的に印加する。したがって、ソース信号線18aの電位を安定的に保持できる。ただし、画素行の選択にしたがって、駆動用トランジスタ11aの特性に対応してリセット電圧Vaは変化する。
【0261】
保持(発光)期間では、ゲート信号線17bにオン電圧が印加され、トランジスタ11dがオン状態となる。トランジスタ11dのオンオフ制御は、図18(A)〜(B)、図21(A)〜(B)、図22(A)〜(B)の駆動方法に対応するように実施される。保持(発光)期間では、トランジスタ11e、11b、11cはオフ状態に保持される。駆動用トランジスタ11aは目標階調電圧Vcを電圧−電流変換し、変換した電流をEL素子15に印加する。EL素子15は印加された電流に対応して発光する。
【0262】
以上のように、ゲート信号線17aとゲート信号線17cは組となって、画素行を順次選択する。選択された画素行の駆動用トランジスタにはリセット電流Iaが印加され、駆動用トランジスタ11aのゲート端子には目標階調電圧Vcが印加される。
【0263】
(第4の実施の形態)
図45は第4の実施の形態である。図46の表は、図45の動作の説明図である。図45の実施例では、図1、図39の実施例と同様に、各画素16は1本のソース信号線18に接続されている。大きな差異は、定電流出力回路を有するソースドライバ回路12aの出力端子と、階調電圧回路を有するソースドライバ回路12bの出力端子間が、コンデンサ19bで接続されている点である。
【0264】
リセット期間では、ゲートドライバ回路12aはゲート信号線17aを制御し、1画素行を選択する。選択された画素行のトランジスタ11c、11bはオン(クローズ)状態となる。ソースドライバ回路14aはリセット電流Iaをソース信号線18に印加する。リセット電流Iaは選択された画素16のアノード電圧Vdd→駆動用トランジスタ11a→トランジスタ11c→ソース信号線18を流れる。
【0265】
駆動用トランジスタ11aのゲート端子には、リセット電流Iaが流れるように電流プログラムが行われる。リセット電流Iaを流すように設定するリセット電圧Vaは第1の実施の形態と同様に駆動用トランジスタ11aにゲート端子およびソース信号線18に保持される。トランジスタ11dはリセット期間および書込み期間ではオフ状態である。
【0266】
リセット期間後に書込み期間が開始される。書き込み期間ではソースドライバ回路14bは階調電圧Vxを出力する。なお、図46の表に示すように、リセット期間では、ソースドライバ回路14bの出力電圧はVb電圧であるとし、書込み期間では階調電圧Vx=V1を出力するものとして説明する。
【0267】
書込み期間では、ソースドライバ回路14bの階調電圧回路411から階調電圧V1が出力される。階調電圧V1はコンデンサ19bを介して、ソース信号線18に印加される。したがって、ソース信号線18には、リセット電圧Va+階調電圧V1=目標階調電圧Vcとなる。この目標階調電圧Vcが駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加される。
【0268】
保持(発光)期間では、ゲート信号線17bにオン電圧が印加され、トランジスタ11dがオン状態となる。保持(発光)期間では、トランジスタ11b、11cはオフ状態に保持される。駆動用トランジスタ11aは目標階調電圧Vcを電圧−電流変換し、変換した電流をEL素子15に印加する。EL素子15は印加された電流に対応して発光する。
【0269】
以上のように、ゲート信号線17aは画素行を順次選択する。選択された画素行には、リセット電流Iaが印加され、ソース信号線18にリセット電圧Vaが取り出され、リセット電圧Vaと階調電圧Vxが加減算された電圧Vcが、駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加される。
【0270】
(第5の実施の形態)
図47は第5の実施の形態である。図48の表は、図47の動作状態の説明図である。第5の実施の形態と第4の実施の形態の差異は、トランジスタ11bとトランジスタ11cがゲート信号線17aとゲート信号線17cにより個別にオンオフ制御できる点である。
【0271】
図47も図45の実施例と同様に、各画素16は1本のソース信号線18に接続されている。リセット期間では、ゲートドライバ回路12aおよびゲートドライバ11cはゲート信号線17a、17cを制御し、1画素行を選択する。選択された画素行のトランジスタ11c、11bはオン(クローズ)状態となる。ソースドライバ回路14aはリセット電流Iaをソース信号線18に印加する。リセット電流Iaは選択された画素16のアノード電圧Vdd→駆動用トランジスタ11a→トランジスタ11c→ソース信号線18を流れる。
【0272】
駆動用トランジスタ11aのゲート端子には、リセット電流Iaが流れるように電流プログラムが行われる。リセット電流Iaを流すように設定するリセット電圧Vaは第4の実施の形態と同様に駆動用トランジスタ11aにゲート端子およびソース信号線18に出力される。トランジスタ11dはリセット期間および書込み期間ではオフ状態である。
【0273】
書込み期間では、ゲート信号線17aオン電圧が印加され、トランジスタ11cのオン状態が維持される。ゲート信号線17cにはオフ電圧が印加され、トランジスタ11bはオフ状態に制御される。書込み期間では、ソースドライバ回路14bの階調電圧回路411から階調電圧V1が出力される。階調電圧V1はコンデンサ19bを介して、ソース信号線18に印加される。したがって、ソース信号線18には、リセット電圧Va+階調電圧V1=目標階調電圧Vcとなる。この目標階調電圧Vcが駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加される。
【0274】
第5の実施の形態では、第4の実施の形態と相違して、書込み期間にトランジスタ11bをオフ状態にしているため、良好に駆動用トランジスタ11aに目標階調電圧Vcを書き込むことができる。
【0275】
保持(発光)期間では、ゲート信号線17bにオン電圧が印加され、トランジスタ11dがオン状態となる。保持(発光)期間では、トランジスタ11b、11cはオフ状態に保持される。駆動用トランジスタ11aは目標階調電圧Vcを電圧−電流変換し、変換した電流をEL素子15に印加する。EL素子15は印加された電流に対応して発光する。
【0276】
本発明の実施の形態において、画素16に印加するリセット電流Iaは1種類としたが、これに限定するものではない。たとえば、10μAである第1のリセット電流Ia1と、20μAである第2のリセット電流Ia2との2つのリセット電流を発生させ、これらのリセット電流を画素に印加して、それぞれの目標階調電圧などを求めてもよい。求めた目標階調電圧は、平均化処理を行うことにより、精度のよい目標階調電圧を得ることができる。
【0277】
本発明の実施の形態において、画素16に印加するリセット電流Iaの回数は1回としたが、これに限定するものではない。たとえば、画素16に10μAのリセット電流Iaを4回印加し、それぞれの目標階調電圧などを求めてもよい。求めた目標階調電圧は、平均化処理を行うことにより、精度のよい目標階調電圧を得ることができる。
【0278】
以下の事項は、第1の実施の形態〜第5の実施の形態に共通の事項である。
【0279】
第1〜第5の実施の形態では、定電流出力回路を使用している。定電流出力回路はソースドライバ回路14内に形成される場合もあるし、アレイ基板30に形成される場合もある。図49は、定電流出力回路を半導体IC技術で作製したソースドライバ回路14内に形成した例である。アレイ基板31には、電流保持回路501が形成されている。ソースドライバ回路14の1出力端子には、2の電流保持回路501(501a、501b)が接続されている。ソースドライバ回路14は吐き出し電流方向であるリセット電流Iaを出力する。
【0280】
図50は、2つの電流保持回路(501a、501b)の詳細構成図である。電流保持回路501は、電流を保持するコンデンサ19と、書き込まれた電流(保持された電流)を出力あるいは発生する駆動用トランジスタ11から構成される。また、スイッチSA、SBから構成される。
【0281】
画素16のリセット電流Iaが電流保持回路501aに流れ込んでいるときは、ソースドライバ回路14は電流保持回路501bにリセット電流Iaを書き込んでいる。画素16のリセット電流Ibが電流保持回路501bに流れ込んでいるときは、ソースドライバ回路14は電流保持回路501aにリセット電流Iaを書き込んでいる。電流保持回路501aと501bは交互にソースドライバ回路14からリセット電流Iaが書き込まれる。
【0282】
電流保持回路501aにソースドライバ回路14からリセット電流Iaを書き込むときは、トランジスタ(スイッチ)SAaをオンさせる。そのとき、トランジスタ(スイッチ)SAbはオフにされる。画素16から電流が電流保持回路501aに流れ込ますときには、トランジスタ(スイッチ)SAbをオンさせる。そのとき、トランジスタ(スイッチ)SAaはオフにされる。
【0283】
同様に、電流保持回路501bにソースドライバ回路14からリセット電流Iaを書き込むときは、トランジスタ(スイッチ)SBaをオンさせる。そのとき、トランジスタ(スイッチ)SBbはオフにされる。画素16から電流が電流保持回路501aに流れ込ますときには、トランジスタ(スイッチ)SBbをオンさせる。そのとき、トランジスタ(スイッチ)SBaはオフにされる。以上のように構成することにより、ソースドライバ回路14の構成を簡略化でき、また、出力端子数を削減することができる。
【0284】
ソースドライバ回路14の出力端子21を削減するには、図51に示す様に画素16a、16bを構成することも効果的である。1つの出力端子21には、1本のソース信号線18が接続されている。1本のソース信号線には、2画素列が接続されている。画素16aと画素16bは同一のソース信号線18に接続されている。
【0285】
ソース信号線18にはリセット電流Ia、階調電圧Vxまたは目標階調電圧Vcが印加される。また、本発明の実施の形態の構成によっては、リセット電圧Vaが出力される。
【0286】
画素16aは1水平走査期間の前半にリセット電流Iaが印加され、画素16bには前記画素16bが選択されている期間以外の期間にリセット電流Iaが印加される。つまり、画素16aと画素16bとは時分割で選択される。
【0287】
電圧プログラム方式では、階調電圧Vx、目標階調電圧Vcに対して温度補償を実施することが好ましい。駆動用トランジスタ11aの電圧−電流(V−I)特性が温度依存性を有しているためである。
【0288】
本発明では、図52に図示するように、画素16に構成と同一あるいは類似の構成の温度検出回路(画素)521をアレイ基板に形成している。温度検出回路521はリセット電圧Vaの温度変化を検出する駆動用トランジスタ11と保持用コンデンサ19から構成される。
【0289】
温度検出回路521は、複数個がアレイ基板に形成される。1つの温度検出回路521では、この1つの温度検出回路521に欠陥があると、パネルモジュールが不良品となってしまうからである。図52の実施例のように、複数個の温度検出回路521を形成しておけば、少なくとも1つの温度検出回路521が良品であればよい。複数個の温度検出回路521から1つの温度検出回路521の選択は、セレクタ回路524によって行う。
【0290】
各温度検出回路521には、定電流回路413が接続されている。定電流回路413はソースドライバ回路14内に形成されている。また、定電流回路413はリセット電流Iaを出力する回路と同一である。定電流回路413は、リセット電流Iaと同一の大きさの電流を温度検出回路521に流す。したがって、温度検出回路521の駆動用トランジスタ11のリセット電圧Vaが検出配線527に取り出される。
【0291】
セレクタ524は、1つの検出配線527を選択し、検出配線527に出力されているリセット電圧VaをAD変換回路523に出力する。なお、セレクタ524はVDあるいはHDのタイミングで選択する温度検出回路521を変化させてもよいことは言うまでもない。この場合は、複数の温度検出回路521の出力Vaを平均化処理する。
【0292】
AD変換回路523はリセット電圧Vaをデジタルデータに変換する。データ比較回路525は、変換されたデジタルデータのリセット電圧Vaを外部記憶回路(たとえば、EEPROM)522のデータと比較する。外部記憶回路522には、常温あるいは所定温度でのデジタルデータのリセット電圧Vaが記憶されている。
【0293】
常温あるいは所定温度でのデジタルデータのリセット電圧Vaと、温度検出回路521で取得したリセット電圧Vaと比較することにより、現パネルの温度に対応する電圧変動値が求まる。温度補償回路526は、この電圧変動値を用いて、階調電圧Vx、目標階調電圧Vcに対して温度補償を実施する。
【0294】
以下、本発明のEL表示パネルまたはEL表示装置もしくはその駆動方法などを用いた装置などについて説明をする。以下の装置は、以前に説明した本発明の装置または方法を実施する。図53は情報端末装置の一例としての携帯電話の平面図である。筐体533にアンテナ531、テンキー532などが取り付けられている。
【0295】
図54はビデオカメラの斜視図である。ビデオカメラは撮影(撮像)レンズ部542とビデオかメラ本体533と具備し、撮影レンズ部542とビューファインダ部533とは背中合わせとなっている。また、ビューファインダ533には接眼カバーが取り付けられている。観察者(ユーザー)はこの接眼カバー部から表示パネル534の表示画面184を観察する。
【0296】
本発明のEL表示パネルは表示モニターとしても使用されている。表示部184は支点541で角度を自由に調整できる。表示部184を使用しない時は、格納部543に格納される。
【0297】
上記実施の形態のEL表示装置などはビデオカメラだけでなく、図55に示すような電子カメラ、スチルカメラなどにも適用することができる。表示装置はカメラ本体551に付属されたモニター184として用いる。カメラ本体551にはシャッタ553の他、スイッチ544が取り付けられている。
【0298】
本発明の実施の形態で説明した表示装置あるいは駆動方法あるいは制御方法あるいは方式などの技術的思想は、ビデオカメラ、プロジェクター、立体(3D)テレビ、プロジェクションテレビ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、SED(キャノンと東芝が開発したディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)などに適用できる。
【0299】
また、ビューファインダ、携帯電話のメインモニターおよびサブモニターあるいは時計表示部、PHS、携帯情報端末およびそのモニター、デジタルカメラ、衛星テレビ、衛星モバイルテレビおよびそのモニターにも適用できる。電子写真システム、ヘッドマウントディスプレイ、直視モニターディスプレイ、ノートパーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電子スチルカメラにも適用できる。
【0300】
なお、本明細書では、駆動用トランジスタ11a、スイッチング用トランジスタ11bなどは薄膜トランジスタとして説明するが、これに限定するものではない。MOS−FET、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタでもよい。
【0301】
ソースドライバ回路(IC)14は、単なるドライバ機能だけでなく、電源回路、バッファ回路(シフトレジスタなどの回路を含む)、レベルシフタ回路、データ変換回路、ラッチ回路、コマンドデコーダ、アドレス変換回路、画像メモリ(RAM)などを内蔵させてもよい。
【0302】
アレイ382基板はガラス基板として説明をするが、シリコンウエハで形成してもよい。また、アレイ基板382は、金属基板、セラミック基板、プラスティックシート(板)などを使用してよい。
【0303】
なお、本明細書に記載する加算あるいは減算とは、計算による算出を意味するものではない。電圧レベルシフト、レベル変換、電圧多重、増幅などの広い概念を意味するものである。取得したアナログデータをデジタルデータに変換して加算あるいは減算してもよいことは言うまでもない。また、電圧を測定とは、電圧を取得すること、電圧などを保持すること、電圧サンプルホールドすることまで含む広い技術概念である。
【0304】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0305】
【図1】本発明の表示装置の構成図
【図2】本発明の表示装置の画素の構成図
【図3】従来の表示装置の構成図
【図4】(A)〜(C):本発明の表示装置の動作の説明図
【図5】本発明の表示装置の構成図
【図6】本発明の表示装置の構成図
【図7】本発明の表示装置の説明図
【図8】本発明の表示装置の構成図
【図9】本発明の表示装置の構成図
【図10】(A)〜(B):本発明の表示装置の構成図
【図11】本発明の表示装置の説明図
【図12】本発明の表示装置の説明図
【図13】本発明の表示装置の説明図
【図14】本発明の表示装置の説明図
【図15】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図16】(A)〜(B):本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図17】(A)〜(B):本発明の表示装置の説明図
【図18】(A)〜(B):本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図19】(A)〜(C):本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図20】本発明の表示装置の構成図
【図21】(A)〜(B):本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図22】(A)〜(B):本発明の表示装置の駆動方法の構成図
【図23】本発明の表示装置の説明図
【図24】本発明の表示装置の説明図
【図25】(A)〜(B):本発明の表示装置の説明図
【図26】本発明の表示装置の説明図
【図27】本発明の表示装置の説明図
【図28】本発明の表示装置の構成図
【図29】(A)〜(B):本発明の表示装置の構成図
【図30】(A)〜(B):本発明の表示装置の構成図
【図31】(A)〜(B):本発明の表示装置の構成図
【図32】本発明の表示装置の構成図
【図33】本発明の表示装置の構成図
【図34】本発明の表示装置の構成図
【図35】本発明の表示装置の構成図
【図36】本発明の表示装置の構成図
【図37】本発明の表示装置の構成図
【図38】本発明の表示装置の構成図
【図39】本発明の表示装置の構成図
【図40】本発明の表示装置の構成図
【図41】本発明の表示装置の構成図
【図42】本発明の表示装置のトランジスタなどの動作を示した説明図
【図43】本発明の表示装置の構成図
【図44】本発明の表示装置のトランジスタなどの動作を示した説明図
【図45】本発明の表示装置の構成図
【図46】本発明の表示装置のトランジスタなどの動作を示した説明図
【図47】本発明の表示装置の構成図
【図48】本発明の表示装置のトランジスタなどの動作を示した説明図
【図49】本発明の表示装置の構成図
【図50】本発明の表示装置の構成図
【図51】本発明の表示装置の構成図
【図52】本発明の表示装置の構成図
【図53】本発明の表示装置を用いた携帯電話の平面図
【図54】本発明の表示装置を用いたビデオカメラの斜視図
【図55】本発明の表示装置を用いた電子カメラの斜視図
【符号の説明】
【0306】
10 定電流出力回路
11 トランジスタ(薄膜トランジスタ、TFT)
12 ゲートドライバIC(回路)
14 ソースドライバIC(回路)
15 EL(素子、発光素子)
16 画素
17 ゲート信号線
18 ソース信号線
19 蓄積容量(付加コンデンサ、付加容量)
20 電圧階調回路
21 出力端子
55 DA変換回路
52 コンデンサ(DC成分カット回路)
53 オペアンプ
61 加算回路
62 AD変換回路
91 エミッタフォロワ回路
181 書き込み行
182 非表示領域(非点灯領域、黒表示領域)
183 表示領域(点灯領域、画像表示領域)
184 表示領域(表示画面、表示部)
201 シフトレジスタ回路
202 バッファ回路
281 スイッチ(オンオフ手段)
282 内部配線(出力配線)
283 ゲート配線
284 単位トランジスタ
291 オペアンプ
292 トランジスタ
331 電子ボリウム
341 一致回路
342 カウンタ
343 AND回路
351 ラッチ回路
352 セレクタ回路
353 プリチャージ回路
361 サンプルホールド回路(電圧保持手段)
381 スイッチ回路
411 階調電圧回路
413 定電流回路(電流発生回路)
501 電流保持回路
521 温度検出回路
522 外部記憶回路
523 A/D変換回路
524 セレクタ回路
525 データ比較回路
526 温度補償回路
531 アンテナ
532 キー
533 筐体
534 表示パネル
541 支点(回転部)
542 撮影レンズ(撮影手段)
543 格納部
544 スイッチ
551 本体
552 撮影部
553 シャッタスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EL素子を有する画素がマトリックス状に形成されたEL表示装置であって、
所定の定電流を発生する定電流回路と、
階調電圧を発生する階調電圧回路とを具備し、
前記定電流回路が発生する前記定電流は、ソース信号線を介して前記画素に供給され、
前記階調電圧回路が発生する前記階調電圧は、前記ソース信号線を介して前記画素に供給される、EL表示装置。
【請求項2】
EL素子を有する画素がマトリックス状に形成されたEL表示装置の駆動方法であって、
前記EL表示装置は、
所定の定電流を発生する定電流回路と、
階調電圧を発生する階調電圧回路とを備え、
前記画素が、前記EL素子に駆動電流を供給する駆動用トランジスタと、ソース信 号線と前記駆動用トランジスタ間に電流経路を形成するスイッチング用トランジス タとを有しており、
前記EL表示装置の駆動方法は、
前記定電流回路が発生する前記定電流を、前記ソース信号線を介して前記画素に印 加するステップと、
前記定電流が前記ソース信号線に印加された状態で、前記ソース信号線の電位を取 得するステップと、
前記取得した電位と前記階調電圧を加算し又は前記取得した電位から前記階調電圧 を減算して、前記加算又は減算の結果を前記ソース信号線を介して前記画素の前 記駆動用トランジスタに印加するステップと、
を備えた、EL表示装置の駆動方法。
【請求項3】
前記定電流を前記画素に印加する期間又は前記期間の前に、前記ソース信号線又は前記画素にプリチャージ電圧を印加する、請求項2記載のEL表示装置の駆動方法。
【請求項4】
前記定電流回路は、複数の単位トランジスタから構成されている、請求項2記載のEL表示装置の駆動方法。
【請求項5】
EL素子を有する画素がマトリックス状に形成されたEL表示装置であって、
所定の定電流を発生する定電流回路と、
階調電圧を発生する階調電圧回路とを具備し、
前記画素は、前記EL素子に駆動電流を供給する駆動用トランジスタと、前記駆動用トランジスタのゲート端子と接続されたコンデンサと、ソース信号線と前記駆動用トランジスタ間に電流経路を形成する第1のスイッチング用トランジスタと、前記コンデンサを介して前記駆動用トランジスタに前記階調電圧を印加する第2のスイッチング用トランジスタとを有する、EL表示装置。
【請求項6】
EL素子を有する画素がマトリックス状に形成されたEL表示装置であって、
所定の定電流を発生する定電流回路と、
階調電圧を発生する階調電圧回路と、
前記画素に前記定電流を供給する第1のソース信号線と、
前記画素に前記階調電圧を供給する第2のソース信号線とを具備し、
前記画素は、前記EL素子に駆動電流を供給する駆動用トランジスタと、前記駆動用トランジスタのゲート端子と接続されたコンデンサと、前記第1のソース信号線と前記駆動用トランジスタ間に電流経路を形成する第1のスイッチング用トランジスタと、前記第2のソース信号線とコンデンサ間に電気経路を形成する第2のスイッチング用トランジスタとを有する、EL表示装置。
【請求項7】
EL素子を有する画素がマトリックス状に形成されたEL表示装置であって、
所定の定電流を発生する定電流回路と、
階調電圧を発生する階調電圧回路と、
コンデンサと、
前記画素に前記定電流を供給するソース信号線とを具備し、
前記階調電圧は、前記コンデンサを介して前記ソース信号線に印加される、EL表示装置。
【請求項8】
EL素子を有する画素がマトリックス状に形成された表示部と、
前記EL素子の駆動用トランジスタにリセット電流を出力する定電流出力回路と、
前記リセット電流を印加した状態で前記駆動用トランジスタのゲート端子電位を取得する電圧保持回路と、
映像信号に対応する階調電圧を出力する階調電圧回路と、
前記ゲート端子電位と、前記階調電圧を加算し又は前記ゲート端子電位から前記階調電圧を減算して前記加算又は減算の結果を前記駆動用トランジスタのゲート端子に印加する電圧印加回路を具備する、EL表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【公開番号】特開2007−179037(P2007−179037A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−325005(P2006−325005)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】