説明

EUV光学部品に低下した反射率を高めるための処理をその場で施す光学装置及び方法

本発明は、光学装置及び方法であり、前記光学装置内の、EUV及び/又は軟X線の放射線を反射する光学部品2、6、13にその場で処理を施す光学装置及び方法であり、前記光学部品2、6、13が、前記光学装置の真空チャンバ14内に配設され、1つ又は幾つかの表面材料から成る最上層を持つ1つ又は幾つかの反射面3を有する光学装置及び方法に関する。前記方法においては、前記1つ又は幾つかの表面材料の供給源1、5が、前記光学装置の前記チャンバ14内に設けられ、前記光学装置の動作中及び/又は動作休止中に、堆積した汚染物質の材料を覆う若しくは置換するために、且つ/又は表面材料の削摩を補償するために、前記供給源1、5からの表面材料が、前記1つ又は幾つかの反射面3に堆積させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空チャンバ内に少なくとも1つの光学部品を有するEUV及び/又は軟X線の放射線のための光学装置であって、前記光学部品が、1つ又は幾つかの表面材料から成る最上層を備える1つ又は幾つかの反射面を持つ光学装置に関する。本発明は、光学装置内の、EUV及び/又は軟X線の放射線を反射するこのような光学部品に、前記光学部品の低下した反射率を高めるための処理をその場で施す方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、極紫外線(EUV)及び/又は軟X線の放射線のスペクトル領域のための光学装置であって、EUV及び/又は軟X線の放射線を反射するための反射面を備える光学部品を有する光学装置の分野に関する。このような光学装置は、例えば、EUVリソグラフィのために必要とされ、前記光学装置においては、真空チャンバ内の、放射線源と、照射を受けるウエハ基板との間に、斜入射ミラー及び/又は多層ミラーが配設される。斜入射ミラーの反射面のために用いられる一般的な材料は、例えば、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)又はモリブデン(Mo)である。垂直又はほぼ垂直の入射に適している上記のスペクトル領域のための多層ミラーは、一般にモリブデン及びシリコン(Si)の層の組み合わせを有する。しばしば、下にある層を保護するために、ルテニウムの最上層も利用される。
【0003】
光学装置の動作中にこのような反射する光学部品で主に起こる問題は、時間とともに反射率が低下することである。反射率のこの低下は、放射線源からのデブリ、又は動作中に真空チャンバ内に残存しているガスとの反応による反射面の汚染に起因し得る。EUVリソグラフィのための放射線源は、今日、ガス放電プラズマ又はレーザープラズマである。しかしながら、プラズマ生成のために用いられる物質は、放射線源から光学部品へ移動し、光学面において凝結し、それによって、それらの反射率を低下させ得る。放射線源から放出され、光学部品の方向に移動する材料は、デブリと呼ばれる。光学部品の他の汚染は、製造プロセス、輸送又は光学部品の取り付けから生じ得る。反射面の反射率は、更に、放射線源の動作による、1つ又は複数の反射層の表面の粗さの増加、密度の減少又は厚みの減少によって低下し得る。
【0004】
国際特許出願公開第WO 2004/092693 A2号は、EUVランプのEUV集光器の反射面からのデブリ除去のための方法及び装置を開示している。この方法では、スパッタリングイオンの材料の原子を備えるガスと、スパッタリングイオンの材料の原子をイオン化状態で出させる刺激機構とを有する制御スパッタリングイオン源が作成される。EUV集光器の反射面に堆積したデブリ材料は、このスパッタリングイオン源を用いてスパッタすることによって取り除かれる。反射面の最上層の除去を防止するため、スパッタリングイオンの材料のイオン化状態は、デブリ材料をスパッタする確率が高く、反射面の最上層の材料をスパッタする確率が非常に低い選択エネルギピークのあたりに分布するよう選択される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、光学装置内の、EUV及び/又は軟X線の放射線を反射する光学部品にその場で処理を施す方法であって、前記光学部品の低下した反射率の向上を可能にし、同時に、前記光学部品の寿命を増す方法、及び対応する光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的は、請求項1に記載の方法及び請求項10に記載の光学装置で達成される。前記方法及び前記光学装置の有利な実施例は、従属請求項の内容であり、説明及び例の後続部に記載されている。
【0007】
提案する、光学装置内の光学部品にその場で処理を施す方法であって、前記光学部品が、前記光学装置の真空チャンバ内に配設され、1つ又は幾つかの表面材料から成る最上層を持つ1つ又は幾つかの反射面を有する方法においては、前記光学装置の前記真空チャンバ内に前記1つ又は幾つかの表面材料の供給源が設けられ、前記光学装置の動作中及び/又は動作休止中に、堆積した汚染物質の材料を覆う若しくは置換するために、且つ/又は表面材料の削摩を補償するために、前記供給源からの表面材料が前記1つ又は幾つかの反射面に堆積させられる。
【0008】
それ故、この提案方法においては、前記1つ又は幾つかの反射面の前記最上層の前記1つ又は幾つかの材料が、その場で、即ち、前記光学装置を分解せずに、これらの面に堆積させられる。この前記表面材料の堆積により、前記反射面上の汚れは、前記表面材料によって覆われ、この面の反射率の改善をもたらす。更に、EUVランプ内の反射面の表面材料は動作中削摩され得ることから、この材料の削摩も、前記提案方法で堆積させられる前記材料によって補償される。これは、前記光学装置の前記反射層は、これらの層の浸食によってそれらの反射率を損なうことがなく、それ故、これらの光学部品の寿命は、前記提案方法で処理を施されない光学部品の寿命より長いであろうことを意味する。
【0009】
前記材料の前記堆積は、様々な既知の方法によって、例えば、前記材料供給源から前記材料を蒸発させることによって、又は前記材料の(例えば有機金属)化学気相成長(CVD/MOCVD)によって、又は前記表面材料を含むスパッタターゲットが前記真空チャンバ内に設けられるスパッタリング技術によって、達成され得る。スパッタリング技術を用いると、高い運動エネルギを有する前記表面材料のイオンを生成することも可能であり、故に、これらのイオンの幾つかは、次いで、前記反射面上の前記汚染物質の材料の原子又は分子に取って代わる。
【0010】
本方法は、前記光学装置の動作中に継続的に、この光学装置の前記光学部品の取り付け後の最初の使用の前に、前記装置の動作中又は動作休止中に繰り返し、並びに動作中反射率の低下に依存して、適用され得る。最後のケースにおいては、好ましくは、前記1つ又は幾つかの反射面のうちの少なくとも1つの反射率が絶え間なく又は繰り返し測定される。その場合、前記反射率がしきい値未満に低下したときだけ、前記表面材料が堆積させられる。前記しきい値は、オペレータによって設定され得る。前記反射率を測定する場合、前記EUV又は軟X線のスペクトル領域において前記反射率を測定することが可能である。他の波長領域において前記反射率を測定することも可能である。ただし、これらの波長領域における反射率が、前記EUV及び/又は軟X線の放射線の領域における反射率を示すものでもあればである。しかし、反射率の低下を導き出すための他のタイプの測定も実施され得る。このような測定は、前記光学装置内の気体組成、例えば、前記気体中のミラー材料の比率の測定、クリスタルバランスの使用、回折計の使用、エネルギ分散型X線分析法の使用又は分光偏光解析法の使用を含み得る。
【0011】
好ましい実施例においては、前記1つ又は幾つかの表面材料の供給源は、スパッタターゲットして、前記光学装置の前記真空チャンバ内に設けられる。その場合、前記表面材料の前記堆積は、通常、前記光学装置の動作中には緩衝ガスとして用いられる適切なスパッタリングガス、とりわけ、アルゴン(Ar)のような不活性ガスを用いるスパッタ堆積によって実施される。このガスは、既知の手段によって、例えば、光(例えば、UV、VUV又はEUV)によって、前記光学部品のまわりにマイクロ波を生成することによって、前記ターゲットと前記光学部品との間に又は前記光学部品と前記真空チャンバ内に配設される他の電極との間に無線周波数電磁場を加えることによって、イオン化され得る。更に、必要なスパッタリングイオンを供給するためにイオン銃も用いられ得る。前記スパッタリングは、マグネトロンユニット又は付加的な反応ガスを用いて又は用いずに、絶え間なく実施され得る又は律動的に行われ得る。更に、イオン衝撃を制御するためのrf基板バイアスの利用、並びに表面移動度及び拡散に影響を及ぼすための基板冷却又は加熱の利用が可能である。
【0012】
前記スパッタターゲットは、前記光学装置内に配設される独立した構成要素として設けられ得る。この場合には、前記独立した構成要素は、好ましくは、スパッタ堆積のための前記反射面の近くの位置と、前記光学装置の通常動作のためのこの面から離れた位置との間を移動可能である。好ましい実施例においては、幾つかのスパッタターゲットのうちの少なくとも1つは、前記光学装置の前記光学部品の面であって、前記EUV及び/又は軟X線の放射線を反射するのには用いられない面に、基板材料の層として設けられる。
【0013】
提案光学装置は、真空チャンバ内に少なくとも1つの光学部品を持ち、前記光学部品は、表面材料、例えば、Ru又はMo/Siの多層から成る最上層を備える1つ又は幾つかの反射面を持つ。例えばEUVリソグラフィのための、好ましくはEUVランプである前記光学装置は、前記1つ又は幾つかの表面材料の供給源を少なくとも1つ有し、前記供給源は、前記光学装置の動作中及び/又は動作休止中に、堆積した汚染物質の材料を覆う若しくは置換するために、且つ/又は表面材料の削摩を補償するために、前記1つ又は幾つかの反射面に表面材料を堆積させるために使用可能又は動作可能である。
【0014】
前記光学装置は、好ましくは、前記供給源からの表面材料を前記1つ又は幾つかの反射面に堆積させるための手段も有するこれらの手段は、好ましくは、前記供給源から前記材料を蒸発させるための電気的手段、又はスパッタリングガスをイオン化し、スパッタターゲットから前記表面材料をスパッタするための電気的手段である。このため、前記光学部品又はこの光学部品の一部は、前記反射面と前記スパッタターゲットとの間にRF電圧を印加するために前記電気的手段に接続される。更に、前記反射面においてDCバイアスを生成するためにDC電圧も印加され得る。
【0015】
好ましくは、前記表面材料の供給源は、前記光学装置の前記真空チャンバ内の少なくとも2つの位置の間を移動可能であるよう構成される。一方の位置は、この面における最適材料堆積を達成するための、前記反射面の近くの位置である。他方の位置は、前記供給源による妨害のない前記光学装置の動作を達成するための、この面から離れた位置である。
【0016】
前記光学装置は、前記反射面における前記表面材料の前記堆積を制御する制御ユニットを含み得る。好ましくは、前記光学装置に、前記反射面のうちの少なくとも1つの反射率を測定するための手段が設けられ、前記制御ユニットは、前記表面材料を堆積させるための手段を、前記反射率が予め設定されたしきい値未満に低下したときだけ前記手段が前記表面材料を堆積させるように制御する。前記制御ユニットは、前記材料の供給源の前記2つの位置の間の移動も制御し得る。
【0017】
好ましい実施例においては、前記光学装置は、対応する放射線源からEUV及び/又は軟X線の放射線を集めるための幾つかのシェルを持つEUV集光器を含む。この実施例においては、集光シェルの正面は、前記反射面であるが、これらのシェルの裏面は、反射に寄与しない。前記裏面は、前記表面材料の厚い層で覆われ、前記スパッタ堆積のためのスパッタターゲットの役割を果たす。前記集光器の内層の反射面の近くには付加的なダミーシェルが配置される。前記付加的なダミーシェルも、その裏面を前記表面材料で覆われる。その場合、前記1つ又は幾つかの表面材料は、前記提案方法に従って、前記裏面からスパッタされ、対応する対向する前記集光シェルの前記正面、即ち、前記反射面に堆積する。
【0018】
本明細書及び請求項において、「有する」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数性を除外しない。また、請求項における如何なる参照符号も、これらの請求項の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0019】
以下の実施例は、添付図面に関連する本方法及び対応する光学装置の例を示しており、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本方法の原理の概略図を示す。
【図2】本方法の例としてスパッタ堆積の原理の概略図を示す。
【図3】提案光学装置の例を部分図で示す。
【図4】EUV照射ユニットの概略的な構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、EUVリソグラフィのために用いられるEUVランプの例によって、本方法及び対応する装置を説明する。このようなランプにおいては、所望のEUV放射線を放射するためにホットプラズマが生成される。前記EUV放射線は、集光器によって集束させられ、1つ以上の他の光学部品によって屈折させられ得る。この例の集光器は、金属ルテニウム層で作成される反射面を持つ斜入射ミラーの幾つかのシェルを有する。他の光学部品は、ルテニウムの保護最上層によって覆われる多層反射面を持つ。表面材料としてルテニウムの例を用いて提案方法を説明しているが、提案方法は、EUV又は軟X線のスペクトル領域において反射又は保護層として用いられる他の表面材料にも適用可能であることは明らかである。
【0022】
このようなEUVランプの動作中、プラズマ源からのデブリ、例えばスズが、光学部品の方へ逃げ、反射面上に堆積し得る。集光器及び他の光学部品の反射率は、この汚染物質の材料の堆積によって低下させられる。この反射率の低下が予め設定されたしきい値に達したら、反射面は、提案方法を用いてその場で処理を施される。
【0023】
このため、光学装置内に、EUVランプの光路から離して、ルテニウム供給源1が配設される。ルテニウム供給源1は、次いで、図1において概略的に示されているように、処理を施されるべき光学部品2の反射面3に近付けられる。ルテニウム供給源1は、例えば、スパッタターゲット又は蒸発器であり得る。その場合、ルテニウムが、供給源1からスパッタされ又は蒸発させられ、反射面3に堆積する。この面上の汚染物質の材料、例えばスズは、堆積させられるルテニウムで覆われる。同様に、EUVランプの動作中の侵食による反射面からのルテニウム材料の削摩も、付加的なルテニウムをこの反射面に堆積させることによって補償される。
【0024】
図2は、ルテニウム供給源がルテニウムの厚いターゲット層5によって覆われる担体基板4で形成されるスパッタターゲットである例を示している。担体基板4及び光学部品2は、直流及び交流(RF)電圧を発生させるための電源に接続される。物理的気相成長法の分野から一般に知られているように、担体基板4は、陰極の役割を果たし、光学部品2は、陽極の役割を果たす。陽極と陰極との間には、作業ガス、例えばアルゴンが存在する。アルゴン原子は、印加RF電圧によってイオン化され、アルゴンイオンは、例えば

でターゲット層5の方へ加速され、ターゲット層5は、数eVで遊離ルテニウム原子を放出する。本例においては、平坦な反射面3を備える光学部品2が示されている。例えば多層ミラーの場合にしばしばそうであるような、このような容易にアクセス可能な形状を備える光学部品の場合は、スパッタターゲットは、図2に示されているように、同じ設計を有することができ、処理を施されるべき反射面3の前に移動させられ、処理を施されるべき反射面3に対して平行な向きにされることができる。
【0025】
ルテニウムイオンが生成されるような印加RF及び/又はDC電圧が選択される場合には、反射面のスパッタリングが達成され得る。その結果、汚染物質の材料は、この表面から取り除かれ、ルテニウムイオンによって置換される。ルテニウムのスパッタ効率は、約1keVのイオンエネルギにおいてほぼ1である。これは、各ルテニウムイオンと引き換えに、反射面の最上層の汚染物質の材料の1つの原子又は1つのルテニウム原子が取り除かれることを意味する。従って、適切な処理時間後には、比較的純粋なルテニウム層が得られる。
【0026】
ルテニウム供給源の幾つかのターゲット層のうちの少なくとも1つは、光学部品の無反射面、即ち、EUVランプの動作中には用いられない面にも設けられ得る。図3は、このような、集光器6の裏面がスパッタターゲットとして用いられる光学装置の例を示している。放射線源11、プラズマ源から放射されるEUV放射線は、集光器6によって集束させられる。集光器6は、4つの集光シェル7を有する。各シェル7の正面8は、反射面を持ち、裏面9は、放射線を反射するのには用いられない。集光器6のシェル7の裏面9は、ルテニウムの厚いターゲット層で覆われ、正面の反射面も、ルテニウム層で作成される。ターゲット層は、直流電気によって付され得る。4つの集光シェル7に加えて、ダミーシェル10が、内側シェルの前に設けられる。ダミーシェル10は、裏面に他のシェルと同じターゲット層を持つが、このダミーシェルの正面は、全く機能を持たない。
【0027】
集光器6のシェル7は、電気的に絶縁され、電源12に接続される。この電源12は、シェルの間にプラズマを生成するためのRF交流電流及び直流電流(バイアス)を生成する。シェルの間には、作業ガス、例えばアルゴンが存在する。この作業ガスは、EUVランプの動作中には緩衝ガスとして用いられる。異なるシェルのDC電位U1、U2、U3及びU4は、各シェル7の正面8が、対向するシェルの裏面に対してプラスに帯電させられるように選択される。これは、U0>U1>U2>U3>U4であることを意味する。電源12の動作中、シェルの間でアルゴンガスがイオン化され、それによって、裏面からルテニウム原子をスパッタし、前記ルテニウム原子は、次いで、シェルの正面、即ち、反射面に堆積する。
【0028】
この手順は、EUVランプの通常動作中に実施され得る。しかしながら、EUVランプの動作休止中にだけ、このスパッタ堆積を実施する方が好ましい。更に、如何なる場合においても、シェルの各々の間に同時にスパッタリングプラズマを生成する必要はない。1つずつシェルに処理を施すことも可能である。この場合には、DC及びRF電圧は、同時には、1対の対向するシェルの間にしか印加されず、その後、別の対の対向するシェルなどに切り替えられる。
【0029】
図4は、対応するEUVランプを備えるEUVリソグラフィシステムの一般的なレイアウトを概略的に示している。EUVランプは、基本的に、真空容器14内の放射線源11、集光器6及び多層ミラー13から成る。放射線源11から放射される放射線は、反射型集光器6によって集められ、中間焦点15に焦点を合わせられる。この中間焦点15の位置においては、開口部が、EUVランプの第1ボリューム16と第2ボリューム17を接続する。この第2ボリューム17内には、多層ミラー13が、中間焦点15からリソグラフィマスク(図示せず)及びウエハ基板18へ放射線を案内するよう配設される。ほとんどのEUVリソグラフィシステムにおいては、放射線源11と集光器6との間に、デブリ軽減のための手段19が配設される。このようなEUVランプにおいては、集光器6は、反射面の低下する反射率を絶え間なく又は繰り返し高めるために、図3に関連して説明したように設計され得る。
【符号の説明】
【0030】
1 ルテニウム供給源
2 光学部品
3 反射面
4 担体基板
5 ターゲット層
6 集光器
7 シェル
8 正面
9 裏面
10 ダミーシェル
11 放射線源
12 電源
13 多層ミラー
14 真空容器
15 中間焦点
16 第1ボリューム
17 第2ボリューム
18 基板
19 デブリ軽減のための手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学装置内の、EUV及び/又は軟X線の放射線を反射する光学部品にその場で処理を施す方法であり、前記光学部品が、前記光学装置の真空チャンバ内に配設され、1つ又は幾つかの表面材料から成る最上層を持つ1つ又は幾つかの反射面を有する方法であって、
前記光学装置の前記チャンバ内に前記1つ又は幾つかの表面材料の供給源を少なくとも1つ設けるステップと、
前記光学装置の動作中及び/又は動作休止中に、堆積した汚染物質の材料を覆う若しくは置換するために、且つ/又は表面材料の削摩を補償するために、前記供給源からの表面材料を前記1つ又は幾つかの反射面に堆積させるステップとを有する方法。
【請求項2】
前記表面材料が、化学気相成長によって堆積させられる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表面材料が、スパッタ堆積によって堆積させられる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記表面材料の前記供給源が、前記光学装置の動作休止中に前記1つ又は幾つかの反射面に近付けられる請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記表面材料の前記供給源が、前記光学部品又は前記光学装置の他の光学部品の1つ又は幾つかの無反射面に、ターゲット層として設けられる請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記光学装置の動作のために用いられる緩衝ガスが、スパッタ堆積のための作業ガスとして用いられる請求項3、4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ又は幾つかの反射面のうちの少なくとも1つの反射率が、絶え間なく又は繰り返し測定され、前記反射率がしきい値未満に低下したときだけ、前記表面材料が堆積させられる請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項8】
前記光学装置が、EUV及び/又は軟X線ランプである請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項9】
前記光学部品が、集光器である請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項10】
真空チャンバ内に少なくとも1つの光学部品を有するEUV及び/又は軟X線の放射線のための光学装置、とりわけ、EUV及び/又は軟X線ランプであり、前記光学部品が、1つ又は幾つかの表面材料から成る最上層を備える1つ又は幾つかの反射面を持つ光学装置であって、前記光学装置が、前記1つ又は幾つかの表面材料の供給源を少なくとも1つ有し、前記供給源が、前記光学装置の動作中及び/又は動作休止中に、堆積した汚染物質の材料を覆う若しくは置換するために、且つ/又は表面材料の削摩を補償するために、その場で表面材料を前記1つ又は幾つかの反射面に堆積させるのに使用可能である光学装置。
【請求項11】
前記光学装置が、前記光学装置の動作中及び/又は動作休止中に前記供給源からの表面材料を前記1つ又は幾つかの反射面に堆積させるための手段を有する請求項10に記載の光学装置。
【請求項12】
前記供給源が、前記光学装置の動作休止中に前記1つ又は幾つかの反射面の近くに移動可能であるよう構成される請求項10に記載の光学装置。
【請求項13】
前記表面材料を堆積させるための手段が、化学気相成長システムを有する請求項11に記載の光学装置。
【請求項14】
前記表面材料の供給源が、スパッタターゲットであり、前記光学装置が、スパッタ堆積によって前記供給源からの表面材料を前記1つ又は幾つかの反射面に堆積させるための手段を有する請求項10に記載の光学装置。
【請求項15】
前記表面材料を堆積させるための手段が、前記表面材料の供給源及び前記光学部品に接続されるDC及びRF電源を含む請求項14に記載の光学装置。
【請求項16】
前記スパッタターゲットが、前記光学部品又は前記光学装置の他の光学部品の1つ又は幾つかの無反射面にターゲット層を有する請求項14又は15に記載の光学装置。
【請求項17】
前記光学部品が、幾つかの集光シェルを持つ集光器であり、前記ターゲット層が、前記集光シェルの裏面に設けられる請求項16に記載の光学装置。
【請求項18】
前記光学部品が、1つ又は幾つかの多層ミラーで形成される集光器である請求項10に記載の光学装置。
【請求項19】
前記光学装置が、前記1つ又は幾つかの反射面のうちの少なくとも1つの反射率を絶え間なく又は繰り返し測定するための手段と、前記表面材料を堆積させるための手段を、前記反射率がしきい値未満に低下したときだけ、前記手段が前記表面材料を堆積させるように制御するための制御ユニットとを有する請求項11又は14に記載の光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−532554(P2010−532554A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511735(P2010−511735)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052224
【国際公開番号】WO2008/152454
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】