説明

FABP4/AP2を調節するためのRNAアンタゴニスト化合物

FABP4遺伝子のオリゴヌクレオチドはFABP4タンパク質発現の調節のために開発された。オリゴヌクレオチドの組成物は、特に、FABP4をコードしている標的核酸のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。FABP4発現調節の化合物の使用方法、及びFABP4の過剰発現に関連する疾患の治療方法を提供する。そのような疾患の例としては、メタボリックシンドローム、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、及び関節炎といった炎症状態がある。オリゴマーは、デオキシリボヌクレオシド又は核酸類似体、例えばロックド核酸(LNA)、又はそれらの組み合わせを含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FABP4の発現の調節を行う化合物、組成物及び方法を提供する。特に、本発明は、細胞内FABP4 mRNAを標的とする、FABP4発現減少を導くオリゴマー化合物(オリゴマー)に関連する。FABP4発現の減少は、代謝性及び炎症性疾患に有効である。
【背景技術】
【0002】
細胞内脂質結合タンパク質の多重遺伝子族には、基質親和性及び組織発現性の異なる30以上のメンバーがある。細胞内脂質結合タンパク質は、脂肪酸及び他の脂溶性の生体分子が結合するための高親和性の部位を提供する大きな疎水性の内空を有するという共通する構造的特徴を持つ。細胞内脂質結合タンパク質のサブクラスを脂肪酸結合タンパク質(FABP)と呼ぶ。FABPは、細胞内脂質輸送、脂質の細胞膜間の輸送、脂質代謝酵素との相互作用、及び、おそらく細胞内脂肪酸の界面活性効果に対する細胞膜の保護にも関わっていると考えられている(Hertzel and Bernlohr 2000)。細胞質非エステル化脂肪酸のFABPによる封鎖は、細胞を脂肪毒性から守るが、同じ作用機序で、細胞内シグナル伝達を妨げる。長鎖非エステル化脂肪酸は、核内受容体(ペルオキシソーム増殖因子関連タンパク質;PPAR)のリガンドであり、脂肪酸核内受容体の結合活性を妨げることによりFABPの高発現によりPPARの応答を鈍くする(Helledie et al. 2000)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
脂肪酸結合タンパク質4(FABP4、別名ALBP、Ap2、及びLbpl)は、脂肪細胞及びマクロファージに高発現する15kDaタンパク質である。当該タンパク質は、アテローム性動脈硬化症及び糖尿病の進行に関連していると考えられている。これは、ヒトの免疫学的データだけでなく、インビトロの実験及びFABP4欠損マウスから得られたデータによっても裏付けられている。ヒトにおいては、FABP4タンパク質発現がより低くなるFABP4遺伝子多型が特定されているが、その代わりに有意に心血管疾患のリスクを減少させ、2型糖尿病の進展を一般人よりも遅らせることと関わっている。低レベルのFABP4 mRNA発現であることは、FABP4遺伝子多型をもつ個体の脂肪組織からの針生検によって検出され、低脂肪組織FABP4タンパク含量はインスリン感受性の増加と関係があることが見出された(Tuncman et al.2006)。FABP4が欠失したマウス(FABP4欠損マウス)は野生型動物と比較して、全体としては食事への反応に形態学上の変化はなかった。高脂肪食を与え続けた場合、野生型動物に対して、FABP4欠損動物は、より低い血漿トリグリセリド、コレステロール、インスリン、及び血糖値を示し、これはFABP4の欠失により食事誘導性のインスリン耐性の形成のリスクが低下することを示唆している(Hotamisligil et al.1996)。FABP4欠損マウスに、様々なアテローム性動脈硬化症のモデルとして広く用いられている試験を行ったところ、アポE欠損マウスにおいて、結果は劇的であった。FABP4の欠失によって、動物は強いアテローム硬化症のプラークの形成の進展を減少させアテローム硬化症から保護しているようであった(Makowski et al.2001)。効果は、脂肪細胞ではなくマクロファージ特異的であるようであった。FABP4のマクロファージ骨髄移植実験により、強いアテローム硬化型プラーク形成の低下をもたらした(Makowski、Boord、Maeda、Babaev、Uysal、Morgan、Parker、Suttles、Fazio、Hotamisligil、and Linton、2001)。
【0004】
脂質で満たされたマクロファージ、例えば、マクロファージ泡沫化細胞の出現は、アテローム性動脈硬化症の進展の特徴である。ヒトの単球/マクロファージ細胞株THP−1は、マクロファージ泡沫化細胞形成及び炎症の応答の研究に通常用いられるモデルである。この細胞型によるインビトロの実験で、FABP4はマクロファージ泡沫化細胞形成及びマクロファージ炎症性応答を促進した;THP−1細胞におけるFABP4の過剰発現により、細胞内の中性脂質(コレステロール及びトリグリセリド)の蓄積をもたらすと同時に、細胞内脂質の取り込み及び蓄積に関わるタンパク質の上方制御(SR−A1及びACAT1)、及び脂質の排出に関わるタンパク質(ABCA1)の下方制御を行うことが示された(Fu et al.2006)。また、トール様受容体アゴニスト、例えば、バクテリアエンドトキシンは、マクロファージにおけるFABP4発現を強く上方制御すると同時に細胞内脂質油滴形成を増加させ、さらに酸化LDLとのコインキュベーション(co−incubation)によって促進されることが示された。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明は、ここで該連続塩基配列が、ホ乳類FABP4をコードする対応する領域と少なくとも80%の相同性があるものである合計10−50核酸塩基の連続塩基配列を含む、10−50塩基長のオリゴマーを提供する。
【0006】
具体的態様としては、オリゴマーが医薬又は医薬組成物として使用される。
【0007】
本発明は、更に本発明のオリゴマーの塩基配列が、例えば、オリゴマーの核酸塩基配列に加え、少なくとも1の非−ヌクレオチド又は非−ポリヌクレオチド残基が本発明のオリゴマーと共有結合したオリゴマーを含むコンジュゲートを提供する。
【0008】
本発明は、オリゴマー又は本発明でコンジュゲートと定義されるもの、及び、薬学的に許容される希釈剤、担体、塩、又は補助剤を含む医薬組成物を提供する。
【0009】
本発明は、医薬に使用するための本発明によるオリゴマーをさらに提供する。
【0010】
本発明は、更に、本明細書中に記載の疾患から選択される群:例えば、メタボリックシンドローム、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、炎症性疾患、関節炎、喘息、及びアルツハイマー病、の1つ以上の治療のための医薬の製造のための本発明のオリゴマーの使用を提供する。
【0011】
本発明は、更に、本明細書中に記載の疾患から選択される群:例えば、メタボリックシンドローム、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、炎症性疾患、関節炎、喘息、及びアルツハイマー病、の1つ以上の治療のための本発明のオリゴマーの使用を提供する。
【0012】
本発明は、それを必要とする患者に対し、該方法が、本発明のオリゴマー、コンジュゲート、又は、医薬組成物を投与することを含む、炎症性疾患、例えば、関節炎、喘息、又はアルツハイマー病の治療方法を提供する。
【0013】
本発明は、該細胞又は組織を本発明のオリゴマー、コンジュゲート、又は、医薬組成物に接触させることにより、FABP4の発現を阻害又は減少させることを含む、該細胞又は組織内FABP4発現を阻害又は減少させる方法を提供する。
【0014】
本発明は、該方法が、オリゴマー又はコンジュゲート又は医薬組成物を患者に投与するステップを含み、(i)血清中コレステロールレベルを減少させる、又はii)血清中LDL−コレステロールを減少させる、又はiii)患者のHDL/LDL比を改善する方法を提供する。
【0015】
本発明は、該方法が、患者に本発明のオリゴマー又はコンジュゲート又は医薬組成物を患者に投与することにより患者の血漿中トリグリセリド濃度を低下させるステップを含む患者の血漿中トリグリセリド濃度を低下させる方法を提供する。
【0016】
本発明は、該方法が、治療を必要とする患者に本発明のオリゴマー又はコンジュゲート又は医薬組成物を患者に投与することにより患者の体重を減らすステップを含む、患者の肥満の治療方法を提供する。
【0017】
本発明は、該方法が、患者に本発明のオリゴマー又はコンジュゲート又は医薬組成物を患者に投与することにより患者のインスリン感受性を高めるステップを含む、患者のインスリン耐性の治療方法を提供する。
【0018】
本発明は、該方法が、2型糖尿病に罹患している患者に本発明のオリゴマー又はコンジュゲート又は医薬組成物を患者に投与するステップを含む、2型糖尿病の治療方法を提供する。
【0019】
本発明は、該方法が、治療を必要としている患者に、本発明のオリゴマー又はコンジュゲート又は医薬組成物を患者に投与するステップを含む、代謝疾患の治療方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1 マウスの肝1−6細胞に、リポフェクタミンを用いてFABP4を標的とする異なるオリゴヌクレオチドをトランスフェクションさせた。qPCRを行った場合、トランスフェクションから24時間後にFABP4 mRNA発現が観測された。ハウスキーピング遺伝子GAPDHに対して標準化し、モック対照と比較して表している。
【図2】図2 ヒトPC3細胞に、リポフェクタミンを用いて、ヒトPC3細胞にFABP4を標的とする異なるオリゴヌクレオチドをトランスフェクションさせた。qPCRによって測定し、ハウスキーピング遺伝子GAPDHに対して標準化し、モック対照と比較して表している。
【図3】図3 マクロファージにおいてはFABP4の機能が知られているので、FABP4オリゴヌクレオチドをインビトロで、マウスマクロファージ様RAW264.7細胞を用いて効力のスクリーニングを行った。リポフェクタミンを用いて細胞にトランスフェクションし、24時間後に分析した。qPCRによって測定し、ハウスキーピング遺伝子GAPDHに対して標準化し、モック対照と比較して表している。
【図4】図4 ヒト及びマウスのFABP4 cDNA配列のシークエンスアラインメントである。好ましい「標的」配列である、配列番号5、6、7、8、9、10及び11を太字で表した。
【図5】図5 ヒト及びマウスのFABP4のアミノ酸及び標的ポリヌクレオチド配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明の詳細な説明
FABP4標的オリゴマー
【0022】
本発明では、ホ乳類FABP4をコードする核酸分子(ここではオリゴマーと言う)の機能の調節のため、オリゴマー化合物、例えば、配列番号2(ヒト)又は配列番号4(マウス)に示すFABP4タンパク質、及び、ホ乳類FABP4をコードするそれらの核酸分子の天然アレル変異体を用いた。
【0023】
1つの態様としては、オリゴマーは、ホ乳類のFABP4をコードする核酸の対応領域において少なくとも80%の相同性がある核酸塩基配列を含む。
【0024】
オリゴマーは、連続核酸塩基配列を含む又はからなる。
【0025】
1つの態様としてはオリゴマーの核酸塩基配列は、連続核酸塩基配列からなる。
【0026】
しかし、オリゴマーは、ホ乳類のFABP4をコードする核酸の対応領域において80%の相同性を有する連続核酸塩基配列であり、さらに1以上の核酸塩基、例えば、1から6までのさらなる核酸塩基、例えば、1、2、3、4、5又は6のさらなる核酸塩基が、例えば、連続して5’末端又は3’末端である核酸塩基の連続核酸塩基配列であるものを含むことも予想できる。そのようなさらなる核酸塩基又は塩基は、本明細書中の文脈のギャップマーオリゴマーにおける領域Dと等価であると考えられる。1つの態様としては、1つ以上の更なる核酸塩基はオリゴマーをインビボで安定化する、例えば、オリゴマーをヌクレアーゼ分解から保護する、例えば、本明細書中に記載したヌクレオチド類似体がある。1つの態様としては、1以上の核酸塩基がオリゴマーをインビボで安定化するヌクレオチド類似体、例えばオリゴマーをヌクレアーゼ分解から保護する、例えば本明細書中に記載したヌクレオチド類似体である。
【0027】
ホ乳類FABP4は、好ましくはヒト又はマウスFABP4からなる群において選択される。好ましくは、ホ乳類FABP4はヒトFABP4である。
【0028】
好ましい態様としては、ホ乳類FABP4をコードする核酸は、ヒトFABP4 cDNA配列が配列番号1で示される配列、及び/又はマウスFABP4 cDNA配列が配列番号3で示される配列、又はそのアレル変異体である。
【0029】
ホ乳類 FABP4をコードする核酸は、センス又はアンチセンス配向であり得る。
【0030】
非常に好ましくは、本発明のオリゴマーは、RNAアンタゴニスト、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、又はsiRNAであり、好ましくはアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0031】
それゆえ、非常に好ましい態様は、本発明の「標的」オリゴマーはFABP4 mRNAである。この態様において、オリゴマーはアンチセンスオリゴヌクレオチド、又はsiRNAであり、FABP4遺伝子を発現する細胞に導入される場合、FABP4 mRNAレベルの減少が起こり、細胞におけるFABP4の発現レベルの減少が起こる。
【0032】
FABP4 mRNAを標的とするオリゴマーは、標的mRNA核酸、例えば、5’非翻訳リーダー、エクソン、イントロン及び3’非翻訳末端のいずれかの部位にもハイブリダイズし得る。しかし、FABP4 mRNAを標的とするオリゴマーは、標的核酸の成熟mRNA形態にハイブリダイズするのが好ましい。
【0033】
RNAアンタゴニストとして設計する場合、例えば、本発明のオリゴマーは標的核酸に結合し、その同族(cognate)タンパク質の発現を調節する。好ましくは、かかる調節により、通常の発現レベルと比較して少なくとも10%又は20%の発現の阻害、より好ましくは通常の発現レベルと比較して少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は95%の阻害が生じる。適切には、5−25nMの濃度の本発明の化合物を用いた場合にかかる調節が見られる。同じ又は異なる態様における同様の場合、発現の阻害は、100%未満、例えば、98%阻害未満、95%阻害未満、90%阻害未満、80%阻害未満、例えば、70%阻害未満である。発現レベルの調節は、タンパク質レベルの測定によって、例えば、SDS−PAGE、次いで標的タンパク質に対する適切な抗体を用いたウェスタンブロットを行うなどの方法によって測定する。あるいは、発現レベルの調節は、mRNAのレベルを測定することによって、例えばノーザン・ブロット又は定量的RT−PCRによって測定することができる。mRNAレベルを介して測定する場合、適切な用量、例えば5−25nM濃度を用いる場合の下方制御レベルは、1つの態様としては、典型的には本発明の化合物の非存在下において通常レベルの10−20%のレベルである。
【0034】
核酸塩基の連続配列(すなわち核酸塩基配列)からなる本発明の化合物は、非核酸塩基成分、例えば、本明細書において称するコンジュゲートをさらに含み得ることが認識されるであろう。
【0035】
例えば、siRNAの産生において、本発明の化合物は相補的配列の二本鎖、すなわち二本鎖オリゴヌクレオチドからなり得ることが認識され、ここで二本鎖の配列のそれぞれは本発明の化合物に沿って規定されるとおりである。典型的には、かかるsiRNAは、典型的には、どちらの末端にも2ヌクレオチドの3’オーバーハングを有する、2つの相補的な短いRNA(又は同等の核酸塩基)配列、例えば21−23ヌクレオチド長配列を含む。インビボにおける更新(update)を促進するために、siRNAはコンジュゲートされ得る、例えば、ステロール、例えばコレステロール群とコンジュゲートされ得る(典型的には片方又は両方の鎖の3’又は5’末端において)。siRNAはヌクレオチド類似体、例えば、国際公開第2005/073378号パンフレット(参照により本明細書に組み込まれる)に記載のようなLNAを含み得る。
【0036】
本発明の一局面において、オリゴマーは本質的に二本鎖ではない、例えばsiRNAではない。
【0037】
オリゴマー(又は連続核酸塩基配列)の長さは、標的の阻害が起こる長さによって決定されるであろう。標的との完全なマッチにおいて、8塩基という短さの連続ヌクレオチド配列又はオリゴマーで十分であり得るが、一般にはより長い、例えば10又は12、好ましくは12−16塩基であろう。オリゴマーの最大サイズは、因子、例えば生産費用及び簡便性、そのオリゴマーを操作して標的mRNAを担持する細胞へそのオリゴマーを導入できるかどうか、さらに所望の結合親和性及び標的特異性などの因子によって決定されるであろう。長すぎる場合、増加した数のミスマッチに望まずして耐える場合があり、これにより非特異的結合が生じ得る。
【0038】
1つの態様としては、オリゴマーに存在する少なくとも1つの核酸塩基は、5−メチルシトシン、イソシトシン、プソイドイソシトシン(pseudoisocytosine)、5−ブロモウラシル、5−プロピニルウラシル、6−アミノプリン、2−アミノプリン、イノシン、ジアミノプリン及び2−クロロ−6−アミノプリンからなる群から選択される修飾核酸塩基である。
【0039】
親和性増大ヌクレオチド類似体を、オリゴマー核酸塩基配列、例えば、LNA又は2’−置換糖、好ましくはLNAに組み込むと、特異的に結合するオリゴヌクレオチドのサイズを減少させることができ、また非特異的又は異所性の結合が起こる前にオリゴヌクレオチドのサイズの上限を減少させ得る。親和性増大ヌクレオチド類似体は、オリゴマーの核酸塩基配列に挿入した場合に、親和性増大ヌクレオチド類似体の代わりにDNAヌクレオチドを含む同等のオリゴマーと比較して、相補的RNA(例えばmRNA標的)と二本鎖を形成した際のオリゴマーのT上昇がおこるものの1つである。
【0040】
本発明のオリゴマーは、典型的には、10−50核酸塩基、例えば10−30核酸塩基からなる、又はこれを含む。
【0041】
特に好ましい化合物は、約10−約30核酸塩基、又は12−25核酸塩基を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドからなり、最も好ましくは、13−18核酸塩基、例えば、13、14、15、16又は17核酸塩基を含むアンチセンス化合物である。
【0042】
1つの態様としては、本発明によるオリゴマーは、22以下の核酸塩基、例えば、20以下の核酸塩基、例えば、18以下の核酸塩基、例えば、15、16又は17核酸塩基からなり、必要に応じて1以上の非核酸塩基要素、例えばコンジュゲートしている。
【0043】
1つの態様としては、本オリゴマー又は連続核酸塩基配列は10−22核酸塩基長を有する。
【0044】
1つの態様としては、本オリゴマー又は連続核酸塩基配列は10−18核酸塩基長を有する。
【0045】
1つの態様としては、本オリゴマー又は連続核酸塩基配列は10−16核酸塩基長を有する。
【0046】
1つの態様としては、本オリゴマー又は連続核酸塩基配列は12−16核酸塩基長を有する。
【0047】
1つの態様としては、本オリゴマー又は連続核酸塩基配列は12−14核酸塩基長を有する。
【0048】
1つの態様としては、本オリゴマー又は連続核酸塩基配列は14−16核酸塩基長を有する。
【0049】
1つの態様としては、本オリゴマー又は連続核酸塩基配列は14−18核酸塩基長を有する。
【0050】
1つの態様としては、本オリゴマー又は連続核酸塩基配列は14、15、又は16核酸塩基長である。
【0051】
1つの態様としては、本オリゴマー又は連続核酸塩基配列は20核酸塩基長未満である。
【0052】
好ましい配列
本発明の標的配列は、非限定的な1つの態様としては、以下のように同定され得る。第1の工程において、標的遺伝子における保存されている領域を同定する。それらの保存されている領域のうち、多形性を有する配列はいずれも、この領域の標的配列に結合するよう設計されたオリゴマーの結合特異性及び/又は親和性に影響する可能性があるので、通常除外される(特別な目的で必要でない限り)。パリンドローム又は繰り返し配列を有する領域はいずれも通常は除外される。次いで、残りの領域を解析し、適切な長さ(例えば、本明細書において称するオリゴマー/連続核酸塩基配列の長さ)、例えば10−50核酸塩基、好ましくは10−25核酸塩基、より好ましくは10、11、12、13、14、15又は16核酸塩基の候補標的配列を同定する。コンピューター解析に基づいて、ダイマー又はヘアピン構造などの構造を形成しやすい標的配列は通常は除外される。
【0053】
好ましくはこれらの候補標的配列は、動物界を通して、又は少なくとも前臨床試験に必要そうな動物の間で高度の配列相同性を示す。このことは、動物モデルにおいて試験すべき、同定されたオリゴマー配列、及び対応するオリゴマー、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を可能にする。特に有用なのは、ヒト、チンパンジー、イヌ、ラット、マウス、最も好ましくはヒト及びマウス(及び/又はラット)において保存されている標的配列である。
【0054】
1つの態様としては、本発明の化合物はポリヌクレオチド領域(典型的には核酸塩基/ヌクレオチドが連続配列からなる)、すなわち核酸塩基領域、及びさらなる非核酸塩基領域の両方を含み得る。核酸塩基配列からなる本発明の化合物を言及する場合、その化合物は非核酸塩基成分、例えばコンジュゲート成分を含み得る。
【0055】
あるいは、本発明の化合物は完全に(連続)核酸塩基領域からなり得る。
【0056】
1つの態様としては、本発明のオリゴマーは、配列番号5、6、7、8、9、10、及び11からなる群から選択される、又はその相補鎖に対応する連続ヌクレオチド配列であり、該オリゴマー(又はその連続核酸塩基部分)が該選択された配列に対して、任意に1、2、又は3のミスマッチを含んでいてもよい(連続)核酸塩基配列、例えば12、13、14、15、16、17又は18核酸塩基を含む、又はからなる。
【0057】
好ましいオリゴマーは、配列番号5、6、7、8、9、10、及び11から選択される配列に含まれる連続ヌクレオチド配列に対して相補的であり、該オリゴマー(又はその連続核酸塩基部分)が該選択された配列に対して、任意に1、2、又は3のミスマッチを含んでいてもよい(連続)核酸塩基配列である12−18の連続核酸塩基長、例えば12、13、14、15、16、17、又は18連続核酸塩基を含む、又はからなる。
【0058】
他の好ましいオリゴマーは、核酸塩基配列が、配列番号5、6、7、及び8、又はその相補鎖核酸塩基配列であり、該オリゴマー(又はその連続核酸塩基部分)が該選択された配列に対して、任意に1、2、又は3のミスマッチを含んでいてもよい(連続)核酸塩基配列である、例えば14、15、又は16の連続核酸塩基長である核酸塩基配列を含む。
【0059】
1つの態様としては、オリゴマー(又はその連続核酸塩基部分)は、1つの配列が配列番号12ないし配列番号116からなる群から選択される、又は少なくともその10の連続核酸塩基のサブ配列、例えばその11、12、13、14、15、又は16からなる群から選択される配列の1の連続核酸塩基であり、該オリゴマー(又はその連続核酸塩基部分)が該選択された配列に対して、任意に1、2、又は3のミスマッチを含んでいてもよい核酸塩基配列から選択され、又はこれを含む。
【0060】
1つの態様としては、オリゴマー(又はその核酸塩基部分)は、以下の:配列番号12、15、18、19、23、24、及び27、又は、その少なくとも10の連続核酸塩基のサブ配列、例えばその11、12、13、14、15、又は16からなる群から選択される配列の1の連続核酸塩基であり、該オリゴマー(又はその連続核酸塩基部分)が該選択された配列に対して、任意に1、2、又は3のミスマッチを含んでいてもよい核酸塩基配列から選択され、又はこれを含む。
【0061】
1つの態様としては、オリゴマー(又はその核酸塩基部分)は、核酸塩基配列は以下からなる群:配列番号12ないし116、又はその配列に存在する少なくとも12、13、14、15、又は16連続核酸塩基の配列からなる、又はこれに対応し、オリゴマー中に存在するヌクレオチドは対応するヌクレオチド類似体によって置換され得、また該オリゴマーは任意にその選択された配列に対して1、2、又は3ミスマッチを含んでいてもよい核酸塩基配列からなる、又はこれを含む。
【0062】
1つの態様としては、本発明によるオリゴマーは、配列番号12、例えば配列番号118核酸塩基配列からなる、又はこれを含む。
【0063】
1つの態様としては、本発明によるオリゴマーは、配列番号15、例えば配列番号122核酸塩基配列からなる、又はこれを含む。
【0064】
1つの態様としては、本発明によるオリゴマーは、配列番号18、例えば配列番号119核酸塩基配列からなる、又はこれを含む。
【0065】
1つの態様としては、本発明によるオリゴマーは、配列番号19、例えば配列番号120核酸塩基配列からなる、又はこれを含む。
【0066】
1つの態様としては、本発明によるオリゴマーは、配列番号23、例えば配列番号123核酸塩基配列からなる、又はこれを含む。
【0067】
好ましくは、本発明によるオリゴマーは、配列番号24、例えば配列番号117核酸塩基配列からなる、又はこれを含む。
【0068】
好ましくは、本発明によるオリゴマーは、配列番号27、例えば配列番号121核酸塩基配列からなる、又はこれを含む。
【0069】
1つの態様としては、本発明のオリゴマーの連続核酸塩基配列は、少なくともヒトFABP4の標的mRNAに対しては、100%相補的であり、さらに少なくとも1のほ乳類、例えば、イヌ、ラット、マウス、チンパンジーFAMP4 mRNA/cDNA配列の標的mRNAに対して相補的である。しかし、そのようなオリゴマーには、1または2のミスマッチが生じることが予測される。ヒト、及び/又は他の標的ホ乳類の連続核酸塩基配列には、ミスマッチが生じることが予想されたが、しかし、好ましくはミスマッチが存在しないことである。この観点から、図4はヒト及びマウスのFABP4ポリペプチドをコードするヒト及びマウスのそれぞれの核酸間のアライメントを示す。表1は、NCBI遺伝子バンクアクセッション番号により提供される適切なFABP4ポリヌクレオチドおよび対応するポリペプチドを提供する。他の哺乳類種からの特定の既知のアレル変異体および既知の相同体は、表1にて参照する配列を用いてBLAST検索を行うことにより容易に同定され得る。
【0070】
好ましい態様としては、本発明のオリゴマーは、例えば少なくとも12、例えば少なくとも13、例えば少なくとも14、例えば少なくとも15、例えば少なくとも16、例えば少なくとも17、例えば少なくとも18、例えば12、13、14、15、16、17、又は18の連続核酸塩基からなり、又はこれを含み、これらはヒト及び/又はマウスのいずれのFABP4をコードする核酸にも(対応領域において)相補的であり、例えば配列番号1(ヒト)、及び3(マウス)である−図4参照。
【表1】

【0071】
相補性及びミスマッチ
好ましくは、オリゴマーは、ほ乳類FABP4をコードする核酸の対応領域において相補的な核酸塩基配列を含む、すなわちアンチセンス核酸塩基配列を含むことである。
【0072】
特に好ましくは、オリゴマーは、ほ乳類FABP4をコードする核酸中の10−30ヌクレオチドに相補的な連続核酸塩基配列又は1及び/又は3、又はそれらの変異アレル等価体からなる、又はこれを含む。
【0073】
しかし、ある態様としては、オリゴマーは、標的配列をハイブリダイズする際、及び標的に十分結合し、例えば、標的の下方制御といった望ましい効果を示すのに、1、2、3、4、又は4(又はそれより多数)のミスマッチに耐えうる。ミスマッチは、例えば、オリゴマー核酸塩基配列長の増加、及び/又は、例えばLNAといった類似体の増加が核酸塩基配列中に存在することにより補われうる。
【0074】
1つの態様としては、連続核酸塩基配列は、ホ乳類FABP4をコードする対応核酸領域において、例えば3つ以下、例えば2つ以下のミスマッチである。
【0075】
1つの態様としては、連続核酸塩基配列は、ホ乳類FABP4をコードする対応核酸領域において、例えば1つ以下のミスマッチである。
【0076】
1つの態様としては、オリゴマーは、連続核酸塩基配列は、ホ乳類FABP4をコードする対応核酸領域の相補鎖において、すなわち少なくとも80%の相同性を有し、例えば、例えば1よりも多いミスマッチを含まない。例えば、85%、90%、91%、92%、93%、93/%、93.75%、94%、95%、96%又は少なくとも97%の相同性、例えば98%、例えばコードする対応核酸領域の相補鎖において、100%相補的(完全に相補的)である。
【0077】
「相補的(complementary)」とは、相補性の割合の指標がないため、完全に相補的であることを100%相補性があると言い、理解する。
【0078】
1つの態様としては、本発明のオリゴマーは、ホ乳類FABP4をコードする対応核酸領域において、100%相補的な連続核酸塩基配列からなり、例えば配列番号1、及び/又は3又はその天然アレル変異体である。
【0079】
しかし、1つの態様としては、オリゴマー又は連続核酸塩基配列は、FABP4ポリペプチドをコードする核酸と比較した場合に、1つ以上のミスマッチを含みうると考えられる。
【0080】
1つの態様としては、本発明のオリゴマーは好ましくは、FABP4ポリペプチドをコードする核酸、例えば、配列番号2の天然アレル変異体に存在する配列の対応領域において、4つ以下、例えば3つ以下、例えば2以下、例えば1以下のミスマッチである。
【0081】
ヌクレオチド類似体
ヌクレオチドのみからなる好ましいヌクレオチド配列モチーフ又はヌクレオチド配列を参照する場合、その配列により規定される本発明のオリゴマーは、その配列に存在する1つ以上のヌクレオチドのかわりに、オリゴマー/標的二本鎖の二本鎖安定性/Tを上昇させる対応するヌクレオチド類似体(すなわち親和性増大ヌクレオチド類似体)、例えば、LNAユニット又は他のヌクレオチド類似体を含み得ることが認識されるであろう。
【0082】
さらに、ヌクレオチド類似体はインビボにおいて、オリゴマーの安定性を増大させ得る。
【0083】
適切な好ましいヌクレオチド類似体の例は、国際特許出願第PCT/DK2006/000512号に提供され、又は参照されている。
【0084】
オリゴマー核酸塩基配列、例えば、LNA又は2’−置換糖、好ましくはLNAに、親和性増大ヌクレオチド類似体を組み込むと、特異的に結合するオリゴヌクレオチドのサイズを減少させることができ、また非特異的又は異所性の結合が起こる前にオリゴヌクレオチドのサイズの上限を減少させることもできる。
【0085】
適切には、オリゴマーの核酸塩基配列又は連続核酸塩基配列がFABP4標的配列の対応する領域に対して完全には相補的でない場合に、1つの態様としては、オリゴマーが親和性増大ヌクレオチド類似体を含む場合は、かかるヌクレオチド類似体は、FABP4標的におけるそれらの対応するヌクレオチドとの相補体を形成する。
【0086】
よって、そのオリゴマーは、天然ヌクレオチド(好ましくは2’−デオキシヌクレオチド(本明細書において一般に「DNA」と称する)であるが、リボヌクレオチド(本明細書において一般に「RNA」と称する)もあり得る)の単純配列を含み得、又はからなり得、又は1以上のヌクレオチド「類似体」を含み得る(場合により完全に1以上のヌクレオチド「類似体」からなり得る)。
【0087】
ヌクレオチド「類似体」は糖及び/又は塩基及び/又はリン酸塩部分の修飾により生じる天然DNA又はRNAヌクレオチドの変異体である。用語「核酸塩基」は、天然(DNA又はRNAタイプ)ヌクレオチドならびにそれらのかかる「類似体」を包括するために用いられ得る。類似体は原則的に、オリゴヌクレオチドの文脈において天然ヌクレオチドに対して単に「サイレント」又は「同等(equivalent)」であり得る、すなわち、そのオリゴヌクレオチドがβカテニン発現に対して作用する際に何ら機能的影響を有さない。かかる「同等」類似体は、例えば、それらがより簡単に又は安価に製造することができる、又は保管又は製造条件においてより安定である、又はタグ又は標識を表すものであっても、依然として有用であり得る。しかしながら、好ましくは、その類似体は、オリゴマーが発現を阻害するように作用する際に、例えば、標的に対する増大した結合親和性、及び/又は細胞内ヌクレアーゼに対する増大した耐性、及び/又は細胞内への輸送の増大した簡便性を生ずることによる機能的効果を有するであろう。
【0088】
ヌクレオチドのかかる修飾の例には、2’−置換基を生じさせる、又は、結合親和性を促進し、おそらくいくつかの増大したヌクレアーゼ耐性も提供する架橋(bridged)(ロックド核酸)構造を生じさせる、糖部分の修飾;通常のリン酸ジエステルから、ヌクレアーゼによる攻撃に対して、より耐性のもの、例えば、ホスホロチオエート又はボラノホスフェート(これら2つはリボヌクレアーゼHにより切断可能であり、βカテニン発現の調節におけるアンチセンス阻害経路も可能とする)までのヌクレオチド間結合の修飾が含まれる。
【0089】
好ましくは、ヌクレオチド類似体はLNA、例えばβ−D−オキシ−LNA、α−L−オキシ−LNA、β−D−アミノ−LNA、及びβ−D−チオ−LNAであり、最も好ましくはβ−D−オキシ−LNAである。
【0090】
いくつかの態様において、オリゴマーは3−8ヌクレオチド類似体、例えば6又は7ヌクレオチド類似体を含む。圧倒的にもっとも好ましい態様において、ヌクレオチド類似体の少なくとも1つはロックド核酸(LNA)である;例えばヌクレオチド類似体の少なくとも3又は少なくとも4、又は少なくとも5、又は少なくとも6、又は少なくとも7、又は8は、LNAであり得る。いくつかの態様において、全てのヌクレオチド類似体はLNAであり得る。
【0091】
いくつかの態様において、本発明のオリゴマー内の本明細書にて言及される領域A及びCに存在するヌクレオチド類似体は、例えば以下から独立して選択される:2’−O−アルキル−RNAユニット、2’−アミノ−DNAユニット、2’−フルオロ−DNAユニット、LNAユニット、アラビノ核酸(ANA)ユニット、2’−フルオロ−ANAユニット、HNAユニット、INA(インターカレート核酸)ユニット及び2’MOEユニット。また、本発明のオリゴマーに存在するヌクレオチド類似体は全て同様に塩基変化を許容するものであると考えられる。
【0092】
2’−O−メトキシエチル−RNA(2’MOE)、2’−フルオロ−DNAモノマー及びLNAは好ましいヌクレオチド類似体であり、よって本発明のオリゴヌクレオチドはこれらの3タイプの類似体から独立して選択されるヌクレオチド類似体を含み得、又は3タイプから選択される類似体のうち1つのみを含み得る。
【0093】
好ましくは、本発明のオリゴマーは、少なくとも1のロックド核酸(LNA)ユニット、例えば1、2、3、4、5、6、7、又は8LNAユニット、好ましくは4ないし8のLNAユニット、最も好ましくは4、5、及び6LNAユニットである。適切には、オリゴマーは、オリゴマーは、β−D−オキシ−LNA、及び1つ以上の以下のLNAユニットの両方を含む:チオ−LNA、アミノ−LNA、オキシ−LNA、ena−LNA及び/又はα−LNA、β−D、又はα−Lいずれの立体配置であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。
【0094】
本発明の1つの態様としては、オリゴマーは、LNA及びDNAユニットを含んでいてもよい。好ましくは、LNA、DNAユニットである。好ましくは、合計のLNA及びDNAユニットは、10−25である、好ましくは10−20、更に好ましくは12−16である。
【0095】
本発明の1つの態様としては、オリゴマーの核酸塩基配列、例えば、連続核酸塩基配列は、少なくとも1つのLNAからなり、残りの核酸塩基がDNAである。
【0096】
ある態様としては、本発明のオリゴマーは、例えば、LNA、全てのLNA Cユニットは、5’メチルシトシンであるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。ある態様としてはすべてのヌクレオチド類似体がLNAである。
【0097】
最も好ましい態様は、オリゴマーがLNAヌクレオチド類似体及びヌクレオチドのみを含む(RNA又はDNA、最も好ましくは、任意に修飾した核酸塩基間結合、例えばホスホロチオエート結合DNAヌクレオチド)。
【0098】
いくつかの態様において、少なくとも1のそのヌクレオチド類似体は2’−MOE−RNAである、例えば、2、3、4、5、6、7又は8の2’−MOE−RNA核酸塩基ユニットである。
【0099】
いくつかの態様において、少なくとも1つの該ヌクレオチド類似体は、2’−フルオロDNAである、例えば、2、3、4、5、6、7又は8の2’−フルオロ−DNA核酸塩基ユニットである。
【0100】
本発明のオリゴマーにおいて用いられ得るヌクレオシド類似体の具体例は、例えばFreier&Altmann; Nucl. Acid Res., 1997,25,29−4443及びUhlmann; CURR. Opinion in Drug Development, 2000, 3(2), 293−213及びスキーム1に記載されている:
【化1】

【0101】
用語「LNA」は「ロックド核酸」として知られる二環式ヌクレオチド類似体を意味する。それはLNAモノマーを意味する場合もあり、又は「LNAオリゴヌクレオチド」の文脈において用いる場合、1以上のかかる二環式ヌクレオチド類似体を含有するオリゴヌクレオチドを意味する場合もある。本発明のオリゴヌクレオチド化合物において用いるLNAは好ましくは以下の一般式の構造を有する:
【化2】

[式中、X及びYは−O−、−S−、−N(H)−、N(R)−、−CH−又はCH−(二重結合の一部の場合)、−CH−O−、−CH−S−、−CH−N(H)−、−CH−N(R)−、−CH−CH−又はCH−CH−(二重結合の一部の場合)、−CH=CH−からなる群から独立して選択され、ここでRは水素及びC1−4−アルキルから選択され;
Z及びZ*はヌクレオシド間結合、末端基又は保護基から独立して選択され;
Bは天然又は非天然ヌクレオチド塩基部分を構成し;不斉基はいずれかの配向にて見られ得る]。
【0102】
好ましくは、本発明のオリゴマーに用いられるLNAは以下のいずれかの式による少なくとも1つのLNAユニットを含む:
【化3】

[式中、Yは−O−、−S−、−NH−、又はN(R)であり;Z及びZはヌクレオシド間結合、末端基又は保護基から独立して選択され;Bは天然又は非天然ヌクレオチド塩基部分を構成し、Rは水素及びC1−4−アルキルから選択される]。
【0103】
好ましくは、本発明のオリゴマーに用いるLNAは−O−P(O)−O−、−O−P(O、S)−O−、−O−P(S)−O−、−S−P(O)−O−、−S−P(O,S)−O−、−S−P(S)−O−、−O−P(O)−S−、−O−P(O、S)−S−、−S−P(O)−S−、−O−PO(R)−O−、O−PO(OCH)−O−、−O−PO(NR)−O−、−O−PO(OCHCHS−R)−O−、−O−PO(BH)−O−、−O−PO(NHR)−O−、−O−P(O)−NR−、−NR−P(O)−O−、NR−CO−O−から選択されるヌクレオシド間結合を含み、ここでRは水素及びC1−4−アルキルから選択される。
【0104】
特に好ましいLNAユニットをスキーム2に示す:
【化4】

【0105】
用語「チオ−LNA」は、上記一般式において少なくとも1つのX又はYがS又はCH−S−から選択されるロックドヌクレオチドを含む。チオ−LNAはβ−D−及びα−L−立体配置の両方の形態であり得る。
【0106】
用語「アミノ−LNA」は、上記の一般式において少なくとも1つのX又はYが−N(H)−、N(R)−、CH−N(H)−及びCH−N(R)−から選択され、ここでRが水素及びC1−4−アルキルから選択される、ロックドヌクレオチドを含む。アミノ−LNAはβ−D−及びα−L−立体配置の両方の形態であり得る。
【0107】
用語「オキシ−LNA」は、上記の一般式において少なくとも1つのX又はYが−O−又はCH−O−を表すロックドヌクレオチドを含む。オキシ−LNAはβ−D−及びα−L−立体配置の両方の形態であり得る。
【0108】
用語「ena−LNA」は、上記の一般式においてYが−CH−O−であるロックドヌクレオチド(ここで−CH−O−の酸素原子は塩基Bに対して2’位に結合している)を含む。
【0109】
好ましい態様において、LNAはβ−D−オキシ−LNA、アルファ−L−オキシ−LNA、β−D−アミノ−LNA及びβ−D−チオLNA、特にβ−D−オキシ−LNAから選択される。
【0110】
間隔について記述「の間(between)」を用いる場合は、例えば「3から9の間のヌクレオチド類似体」、例えば「3から9の間のヌクレオチド類似体」又は「2−8の間」、又は「12−20の間」両方が最初及び最後の「ヌクレオチド類似体」、記述された間隔の、両方の最初と最後の数字を含む。
【0111】
好ましくは、本発明のオリゴマーは少なくとも1つのヌクレオチド類似体、例えばロックド核酸(LNA)ユニット、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のヌクレオチド類似体、例えばロックド核酸(LNA)ユニット、好ましくは、3から9のヌクレオチド類似体、例えばLNAユニット、例えば4−8のヌクレオチド類似体、例えばLNAユニット、例えば6−9ヌクレオチド類似体、例えばLNAユニット、好ましくは6、7、又は8ヌクレオチド類似体、例えば、LNAユニットである。
【0112】
本発明のオリゴマー、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15のヌクレオチド類似体、例えばLNAユニット、特に3、4、5、6、7、8、9、又は10ヌクレオチド類似体、例えばLNAユニット、例えば1から10の間のヌクレオチド類似体、例えばLNAユニット、例えば2から8の間のヌクレオチド類似体、例えばLNAユニットを含んでいてもよい。
【0113】
好ましくは、LNAユニットは、少なくとも1つのβ−D−オキシ−LNAユニット、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のβ−D−オキシ−LNAユニットを含む。
【0114】
本発明の化合物、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドは、1タイプより多いLNAユニットを含み得る。適切には、本化合物はβ−D−オキシ−LNA、及び1以上の以下のLNAユニットの両方を含み得る:β−D−又はL−アルファ立体配置又はそれらの組み合わせにおける、チオ−LNA、アミノ−LNA、オキシ−LNA、ena−LNA及び/又はアルファ−LNA。
【0115】
好ましくは、本化合物、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドは、両方のヌクレオチド類似体、例えばLNAユニット及びDNAユニットを含み得る。好ましくは、核酸塩基、例えばLNA及びDNAユニットの合わせた合計は、12−20、例えば、14−20、例えば、15−18、例えば、15、16又は17核酸塩基ユニットであり、又は本明細書にて称するショートマーである。好ましくは本発明のオリゴマー化合物に存在するDNAに対するヌクレオチド類似体の比率は、0.3から1、より好ましくは0.4から0.9、例えば0.5から0.8である。
【0116】
LNAを用いる利点及び、LNA及びLNAヌクレオチドを製造し精製する方法は、PCT/DK2006/000512に開示されており、ここに参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0117】
1つの態様としては、本発明のオリゴマーはいかなるRNAユニットも含まない。等価なヌクレオチドに比べて、オリゴマー/標的核酸標的のTを増加させるヌクレオチド類似体が好ましい(親和性増大ヌクレオチド類似体)。
【0118】
好ましい1つの態様としては、オリゴヌクレオチドは、標的核酸、例えば、対応するFABP4 mRNAにハイブリダイズし、少なくとも37℃、例えば、少なくとも40℃、少なくとも50℃、少なくとも55℃、又は少なくとも60℃のTを有する二本鎖を形成することができる。一局面において、Tは37℃から80℃、例えば、50から70℃、又は40から60℃、又は40から70℃である。1つの態様としては、Tは80℃より低く、例えば、70℃より低い、又は60℃より低い、又は50℃より低い。
【0119】
リボヌクレアーゼH動員及びギャップマーオリゴヌクレオチド
オリゴマー又は連続核酸塩基ユニットは、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16の核酸塩基を含む、少なくとも6核酸塩基残基、例えば少なくとも7、例えば少なくとも8又は少なくとも9核酸塩基残基の連続的な(連続)配列を含み、哺乳類FABP4をコードするポリヌクレオチドのそれぞれに対応する相補的標的RNAと二本鎖を形成する場合、リボヌクレアーゼHを動員することができるものが好ましい。そのような領域は、本明細書中においてはサブ配列と言及する。1つの態様としては、本明細書中、ギャップマーの文脈において言及される場合、サブ領域は領域Bである。
【0120】
欧州特許出願公開第1222309号明細書は、リボヌクレアーゼH活性を測定するためのインビトロにおける方法を提供しており、それはリボヌクレアーゼHを動員する能力を決定するのに用いられ得る。オリゴマーは、相補的RNA標的を与えられた時に、欧州特許出願公開第1222309号明細書の実施例91−95に提供されている方法論を用いて測定して、2’置換を有さず、オリゴヌクレオチド内の全てのヌクレオチド間にホスホロチオエート結合基を有する同等のDNAのみのオリゴヌクレオチドの少なくとも1%、例えば、少なくとも5%、例えば、少なくとも10%の初速度(pmol/l///分)、又は20%未満の初速度を有する場合に、リボヌクレアーゼHを動員することが可能であると見なされる。
【0121】
オリゴマーは、相補的RNA標的及びリボヌクレアーゼHを与えられた時に、欧州特許出願公開第1222309号明細書の実施例91−95に提供されている方法論によって測定されたそのリボヌクレアーゼHの初速度(pmol/l//分)が、2’置換を有さず、オリゴヌクレオチド内の全てのヌクレオチド間にホスホロチオエート結合基を有する同等のDNAのみのオリゴヌクレオチドを用いて測定された初速度の1%未満、例えば、5%未満、例えば、10%未満又は20%未満である場合に、リボヌクレアーゼHを動員する能力が実質的にないと見なされる。
【0122】
典型的には、FABP4の相補的標的RNAと二本鎖を形成する場合、連続核酸塩基ユニットを形成するオリゴマー領域はリボヌクレアーゼHを動員することができ、RNA標的をもつDNA/RNA様二本鎖を形成する核酸塩基ユニットであり、及びα−L立体配置にあるDNAユニット及びLNAユニットの両方、特に好ましくはα−L−オキシ−LNA、を有する。
【0123】
本発明のオリゴマーは、ヌクレオチド及びヌクレオチド類似体の両方を含む核酸塩基配列を含み得、ギャップマー、ヘッドマー(headmer)又はミックスマー(mixmer)の形態であり得る。
【0124】
ヘッドマーは5’末端のヌクレオチド類似体の連続鎖、及び3’末端に向けて続くリボヌクレアーゼHによって認識及び切断可能なDNA又は修飾核酸塩基ユニットの連続鎖(例えば少なくとも7のかかる核酸塩基)により規定され、テイルマー(tailmer)はリボヌクレアーゼHによって認識及び切断可能な5’末端のDNA又は修飾モノマーの連続鎖(例えば、少なくとも7のかかる核酸塩基)、及び3’末端に向けて続くヌクレオチド類似体の連続鎖により規定される。本発明による他のキメラは、リボヌクレアーゼHにより認識及び切断可能なDNA又は修飾モノマーとヌクレオチド類似体の交互の組成からなるミックスマーと呼ばれる。いくつかのヌクレオチド類似体は、リボヌクレアーゼH結合及び切断を媒介することも可能であり得る。α−L−LNAはリボヌクレアーゼH活性をある程度動員するので、ギャップマーコンストラクトのためにリボヌクレアーゼHにより認識及び切断可能なDNA又は修飾モノマーのより小さいギャップが要求される可能性があり、ミックスマーコンストラクトにおいてより高い柔軟性が導入され得る。
【0125】
好ましくは、本発明の化合物はギャップマーであるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
【0126】
好ましくは、ギャップマーは、式(5’から3’に向けて)A−B−C(及び必要に応じてD)の(ポリ)核酸塩基配列を含む;ここで
【0127】
A(5’領域)は、少なくとも1つのヌクレオチド類似体、例えば少なくとも1つのLNAユニット、例えば、1−6ヌクレオチド類似体、例えば、LNAユニット、好ましくは2−5ヌクレオチド類似体、例えば、2−5LNAユニット、例えば、2、3、又は4ヌクレオチド類似体、例えば、2、3又は4LNAユニットからなる、又はこれを含む、及び;
【0128】
B(中央ドメイン)は、好ましくは直接Aの3’に接し(すなわち連続)、リボヌクレアーゼHを動員することができる少なくとも5の連続核酸塩基、例えば、5−12連続核酸塩基、例えば5、6、7、8、9、10、11、又は12の連続核酸塩基からなる、又はこれを含む;
【0129】
C(3’領域)は好ましくは直接Bの3’に接し、少なくとも1つのヌクレオチド類似体、例えば、少なくとも1つのLNAユニット、例えば、1−6ヌクレオチド類似体、例えば2−5ヌクレオチド類似体、例えば2−5LNAユニット、最も好ましくは2、3又は4ヌクレオチド類似体、例えば2、3又は4LNAユニットからなる、又はこれを含む。
【0130】
D(任意に3’末端であってもよく)、1つ又は2つのヌクレオチド、例えばDNAヌクレオチドからなるものであってよい。
【0131】
好ましいギャップマー設計は国際公開第2004/046160号パンフレットに開示されている。
好ましいギャップマー設計には以下の場合が含まれる:
A 2、3又は4連続ヌクレオチド類似体からなる、又はこれを含む
B リボヌクレアーゼHを動員することができる7、8、9、又は10連続DNAヌクレオチド又は同等の核酸塩基からなる、又はこれを含む
C 2、3又は4連続ヌクレオチド類似体からなる、又はこれを含む
D 存在する場合、1つのDNAヌクレオチドからなる。
又は、
A 3又は4連続ヌクレオチド類似体からなる、又はこれを含む
B リボヌクレアーゼHを動員することができる7、8、9、又は10連続DNAヌクレオチド又は同等の核酸塩基からなる、又はこれを含む
C 3又は4連続ヌクレオチド類似体からなる、又はこれを含む
D 存在する場合、1つのDNAヌクレオチドからなる。
又は、
A 3連続ヌクレオチド類似体からなる、又はこれを含む
B リボヌクレアーゼHを動員することができる9連続DNAヌクレオチド又は同等の核酸塩基からなる、又はこれを含む
C 3連続ヌクレオチド類似体からなる、又はこれを含む
D 存在する場合、1つのDNAヌクレオチドからなる。
又は、
A 4連続ヌクレオチド類似体からなる、又はこれを含む
B リボヌクレアーゼHを動員することができる8連続DNAヌクレオチド又は同等の核酸塩基からなる、又はこれを含む
C 4連続ヌクレオチド類似体からなる、又はこれを含む
D 存在する場合、1つのDNAヌクレオチドからなる。
【0132】
1つの態様としては、領域A及び/又はCは特定の数のヌクレオチド類似体からなる。
【0133】
1つの態様としては、領域A及び/又はCは、また5’末端ヌクレオチドユニット(ヌクレオチド類似体ではない)を含んでいてもよく−例えば、さらに1、2、3、又は4ヌクレオチド−これらは領域A又はCの特定の核酸塩基に付加的に含んでいてもよいことが認識できる。しかし、好ましくは領域A及びCは定義された核酸塩基からなる。
【0134】
Bは、DNAユニットを含む、又はからなる。1つの態様としては、B(中央ドメイン)は、少なくとも1つのDNA糖ユニット、例えば1−12DNAユニット、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12DNAユニット、好ましくは4−12DNAユニット、より好ましくは6−10DNAユニット、例えば7−10DNAユニット、最も好ましくは、8、9、又は10DNAユニットである。
【0135】
1つの態様としては、同じでも異なっていてもよいが、領域Bは、リボヌクレアーゼHを動員することができる特定の数の核酸塩基からなる。
【0136】
中央ドメイン(B)における1以上のDNAヌクレオチドは、1つ以上において置換され得、又はさらには全てのDNAヌクレオチドが、リボヌクレアーゼHを動員することができるヌクレオチド類似体を含む、核酸塩基によって置換され得る。α−L立体配置の形態のLNA核酸塩基、例えばα−L−オキシ−LNAは、リボヌクレアーゼHを動員できるので、領域Bに組み込みうる特に好ましいヌクレオチド類似体である。この観点から、領域Bは、α−L−LNA及びDNAユニットの両方を含みうる。領域Bは、例えば、領域Bの(3’又は5’末端から決定して)1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12位において、α−L−LNAユニットを含んでいてもよく、1つの態様としては、領域Bの残りの核酸塩基がDNAである、又は、領域Bが、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11位において1つ以上のさらなるα−L−LNAユニットを含んでいてもよい。1つの態様としては、領域Bは2つのα−L−LNAユニットを含み、残りの核酸塩基ユニットがDNAである。さらなる態様としては、領域Bは3のα−L−LNAユニットを含み、残りの核酸塩基ユニットがDNAである。α−L−ユニットは、1つの態様としては、領域Bの5’及び、又は3’位、及び/又は領域Bの非末端部分に位置していてもよい。1つより多くのα−L−LNAユニットが領域Bに存在する場合、領域Bは、α−LNAユニットが隣り合わせである配列(すなわち少なくとも5’−LNA−LNA−3’)、及び/又はα−LNAユニットが、隣り合わせでない場合、すなわち少なくとも1つの、すなわち1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の代わりの核酸塩基、又はヌクレオチド、例えばDNAユニットによって分断される配列を含む。
【0137】
上述の態様において、ギャップマー設計に言及する場合、ギャップ領域「B」はある態様では、7、8、9、又は10、又はそれより多くの連続DNAヌクレオチド、又は等価な核酸塩基リボヌクレアーゼHを動員することができる。
【0138】
領域A及び/又はCは、1つの態様としては、10を超えない連続核酸塩基長である。
【0139】
領域A及び/又はCは、1つの態様としては、8を超えない連続核酸塩基長である。
【0140】
領域A及び/又はCは、1つの態様としては、6を超えない連続核酸塩基長である。
【0141】
領域Bは、1つの態様としては、20を超えない連続核酸塩基長である。
【0142】
領域Bは、1つの態様としては、15を超えない連続核酸塩基長である。
【0143】
領域Bは、1つの態様としては、12を超えない連続核酸塩基長である。
【0144】
ギャップマーオリゴヌクレオチドにおいて、好ましくは上記の中央ドメイン(B)内にはミスマッチが何も存在せず、又は好ましくは上述のDNAユニット、又はα−LNAユニットを含む、又はからなる中央ドメインから少なくとも7の連続的な核酸塩基、例えば、7、8又は9又は10連続核酸塩基外に存在するのが非常に好ましい。
【0145】
ギャップマーオリゴマーにおいて、あらゆるミスマッチはギャップマーの5’又は3’末端に向けて位置するのが好ましい。それ故、標的mRNAに対してミスマッチを含むギャップマーオリゴヌクレオチドにおいて、かかるミスマッチが5’(A)及び/又は3’(C)領域のいずれかに位置し、及び/又は該ミスマッチがそのギャップマーオリゴヌクレオチドと標的分子の5’又は3’ヌクレオチドユニット間に存在するのが好ましい。
【0146】
しかし、ある態様としては、ギャップ領域はミスマッチを含んでいてもよく、例えば、ギャップ領域(B)の中央又は中央の2つ又は3つの核酸塩基を含んでもよい。
【0147】
1つの態様としては、式A−B−Cのギャップマーは、オリゴマー化合物の3’領域(C)の末端の1以上のDNA糖残基、例えば、1から3DNA糖残基、1及び2DNA糖残基、最も好ましくは1DNA糖残基からなる、又はこれを含む、好ましくはからなり、さらに領域Dを含む。
【0148】
1つの態様としては、本発明による化合物、LNAを含む、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドにおいて、LNA C残基は全て5’メチル−シトシンである。
【0149】
好ましくは、本発明の化合物、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドといった、オリゴマーのLNAユニットは、1以上の以下のものから選択される:β−D−又はα−L−立体配置又はそれらの組み合わせのいずれかの形態の、チオ−LNA、アミノ−LNA、オキシ−LNA、ena−LNA及び/又はアルファ−LNA。β−D−オキシ−、又はα−L−LNAは、本発明のオリゴマーにおいて用いるのに好ましいLNAである。チオ−LNAも、本発明のオリゴマーにおいて用いるのに好ましい可能性がある。アミノ−LNAも本発明のオリゴマーにおいて用いるのに好ましい可能性がある。オキシ−LNAも本発明のオリゴマーにおいて用いるのに好ましい可能性がある。Ena−LNAも本発明のオリゴマーにおいて用いるのに好ましい可能性がある。アルファ−LNAも本発明のオリゴマーにおいて用いるのに好ましい可能性がある。
【0150】
ヌクレオシド間結合
適切なヌクレオシド間結合には、国際特許出願第PCT/DK2006/000512号明細書に記載のもの、例えば国際特許出願第PCT/DK2006/000512号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)の34頁の第一段落に記載のヌクレオシド間結合が含まれる。
【0151】
上記に記載の適切な硫黄(S)含有ヌクレオシド間結合が好ましい場合がある。ホスホロチオエートヌクレオチド間結合も、特にギャップマーのギャップ領域(B)において好ましい。ホスホロチオエート結合もフランキング領域(A及びC、及びCからDへの結合、及びD)に用いることができる。しかしながら、特に、例えばヌクレオチド類似体の使用により領域A及びC内のヌクレオシド間結合がエンドヌクレアーゼ分解から保護される場合、例えば、領域A及びCがLNA核酸塩基を含む場合に、領域A、B及びCは、ホスホロチオエート、例えばリン酸ジエステル結合以外のヌクレオシド間結合を含み得る。
【0152】
標的RNAのリボヌクレアーゼH切断を可能にするために、オリゴマー内の核酸塩基間結合は、リン酸ジエステル、ホスホロチオエート又はボラノホスフェートであり得る。ホスホロチオエートは、改善されたヌクレアーゼ耐性及び他の理由、例えば製造の簡便性において好ましい。
【0153】
本発明のオリゴマーの一局面において、核酸塩基(ヌクレオチド及び/又はヌクレオチド類似体)はホスホロチオエート基によって互いに連結する。
【0154】
いくつかの態様において、領域Aは、2つのヌクレオチド類似体ユニット、又はヌクレオチド類似体ユニット及び領域Bの核酸塩基ユニット間に少なくとも1つのリン酸ジエステル結合を含む。いくつかの態様において、領域Cは2つのヌクレオチド類似体ユニット、又はヌクレオチド類似体ユニット及び領域Bの核酸塩基ユニット間に少なくとも1つのリン酸ジエステル結合を含む。
【0155】
いくつかの態様において、領域Cはヌクレオチド類似体ユニット及び領域Dの核酸塩基ユニット間に少なくとも1つのリン酸ジエステル結合を含む。
【0156】
いくつかの態様において、領域Aの3’ヌクレオチド類似体及び領域Bの5’核酸塩基間の核酸塩基間結合はリン酸ジエステルである。
【0157】
いくつかの態様において、領域Bの3’核酸塩基及び領域Cの5’ヌクレオチド類似体間の核酸塩基間結合はリン酸ジエステルである。
【0158】
いくつかの態様において、領域Aの5’末端における2つの隣接するヌクレオチド類似体間の核酸塩基間結合はリン酸ジエステルである。
【0159】
いくつかの態様において、領域Cの3’末端における2つの隣接するヌクレオチド類似体間の核酸塩基間結合はリン酸ジエステルである。
【0160】
いくつかの態様において、領域Aの3’末端における2つの隣接するヌクレオチド類似体間の核酸塩基間結合はリン酸ジエステルである。
【0161】
いくつかの態様において、領域Cの5’末端における2つの隣接するヌクレオチド類似体間の核酸塩基間結合はリン酸ジエステルである。
【0162】
いくつかの態様において、領域Aは4ヌクレオチド長類似体を有し、領域Aの2つの中間のヌクレオチド類似体間の核酸塩基間結合は、リン酸ジエステルである。
【0163】
いくつかの態様において、領域Cは4ヌクレオチド長類似体を有し、領域Cの2つの中間のヌクレオチド類似体間の核酸塩基間結合はリン酸ジエステルである。
【0164】
いくつかの態様において、本発明の化合物に存在するヌクレオチド類似体間の全ての核酸塩基間結合はリン酸ジエステルである。
【0165】
いくつかの態様において、例えば、上記の態様において、適切であるが具体的に示されていないのであるが、全ての残りの核酸塩基間結合は、リン酸ジエステル又はホスホロチオエート、又はそれらの混合のいずれかである。
【0166】
いくつかの態様において、全ての核酸塩基間結合基はホスホロチオエートである。
【0167】
特定のギャップマーオリゴヌクレオチド配列、例えば、本明細書において提供するものを言及する場合、1つの態様としては、結合がホスホロチオエート結合である場合、特にヌクレオチド類似体、例えば、LNAユニット間の結合において、別の結合、例えば本明細書において開示するものが用いられ得る、例えばリン酸塩(リン酸ジエステル)結合が用いられ得ると理解されるであろう。同様に、特定のギャップマーオリゴヌクレオチド配列、例えば本明細書において提供するものを言及する場合、C残基が5’メチル修飾シトシンと注釈される場合は、1つの態様としては、オリゴヌクレオチドに存在する1以上のCsは非修飾のC残基であり得る。
【0168】
本発明のオリゴマーの同定及び調製法:
標的の発現を調節する本発明のオリゴマーは、実験によって、又は標的の配列情報及び所望の標的に対してオリゴマー化合物をいかに最適に設計するかについての技術知識に基づく合理的な設計によって、同定され得る。これらの化合物の配列は、本発明の好ましい態様である。同様に、これらの好ましいオリゴマー化合物が相補的である標的内の配列モチーフ(「ホットスポット」と称する)は標的化に好ましい部位である。
【0169】
多くの場合において、インビボにおいて、又は臨床においてFABP4発現又は活性を調節するのに有効な、オリゴマー、例えばLNAオリゴヌクレオチドの同定は、標的遺伝子の配列情報(例えば、配列番号1及び/又は3)に基づく。しかしながら、当業者であれば、かかるオリゴマー化合物は経験的な試験によっても同定できることを理解できるであろう。好ましい態様のものと比較して、例えば、より低い配列相同性、より多い又はより少ない修飾のヌクレオチド、又はより長い又はより短い長さを有するにもかかわらず臨床的治療に反応を示すオリゴマー化合物も、本発明の範囲内である。
【0170】
アミノ酸及びポリヌクレオチド相同性は、標準的設定を用いるClustalWアルゴリズムを用いて決定され得る:http://www.ebi.ac.uk/emboss/align/index.htmlを参照のこと、方法:EMBOSS::water(local):Gap Open=10.0、Gap extend=0.5、Blosum 62(タンパク質)、又はヌクレオチド配列にはDNAfullを用いる。図3に示されるように、かかるアライメントは、ヒト及び異なる哺乳類種、例えばサル、マウス及び/又はラットからのFABP4をコードする核酸の領域を同定するためにも用いることができ、ここでその領域は、ヒトFABP4標的核酸と、異なる哺乳類種に存在する対応する核酸の両方を標的とするオリゴヌクレオチドの設計が可能な十分な長さの核酸相補性を有する、例えば、ヒトからのFABP4をコードする核酸と、異なる哺乳類種からのFABP4をコードする核酸の両方に100%相補的な、少なくとも10、例えば、少なくとも12、例えば、少なくとも14、例えば、少なくとも16、例えば、少なくとも18、例えば、12、13、14、15、16、17又は18連続核酸塩基を有する。
【0171】
定義
本発明のオリゴマー(又はサブ配列又は結合した連続核酸塩基配列)と哺乳類FABP4をコードする核酸、例えば本明細書に開示する核酸間の「相同性」を決定する際、相同性の決定は、本発明の化合物の対応する核酸塩基配列と哺乳類FABP4(又は標的核酸)をコードする核酸の対応する領域との単純なアライメントによって行うことができ、相同性は、アライメントした塩基数をカウントし、本発明の化合物の連続塩基の合計数で割り、100を掛けることによって決定する。かかる比較において、ギャップが存在する場合、かかるギャップは、ギャップ内の核酸塩基数が本発明の核酸塩基配列及び標的核酸間で異なる領域、というよりむしろ単なるミスマッチであるのが好ましい。
【0172】
用語「に位置する(located with)」及び「に対応している(corresponding to)」/「に対応する(corresponds to)」は、オリゴマーの核酸塩基配列又は連続核酸塩基配列と、i)核酸標的の逆の相補体、例えばFABP4標的タンパク質をコードするmRNA、例えば配列番号1、又は配列番号3及び/又は、ii)核酸配列は、配列番号:5、6、7、8、9、10、及び11の群において提供されるヌクレオチド配列、又は1つの態様においてそれらの逆の相補体、の等価体、との間の比較を意味する。ヌクレオチド類似体は、それらの同等又は対応するヌクレオチドと直接比較する。
【0173】
用語「対応するヌクレオチド類似体」及び「対応するヌクレオチド」は、ヌクレオチド類似体及びヌクレオチドの核酸塩基が同一であることを示すことを意図する。例えば、ヌクレオチドの2−デオキシリボースユニットがアデニンと連結している場合、「対応するヌクレオチド類似体」は、アデニンに連結するペントースユニット(2−デオキシリボースと異なる)を含有する。
【0174】
用語「核酸塩基」及び「ポリヌクレオチド」は、ヌクレオチド及びヌクレオチド類似体の両方を包括する総称として用いられる。核酸塩基配列は、少なくとも2つのヌクレオチド又はヌクレオチド類似体を含む配列である。1つの態様としては、核酸塩基配列はヌクレオチドのみ、例えばDNAユニットのみを含み得、別の態様において、核酸塩基配列はヌクレオチド類似体のみ、例えば、LNAユニットのみを含み得る。
【0175】
用語「核酸」は、2以上のヌクレオチドの共有結合によって形成された分子と定義する。
【0176】
用語「核酸」及び「ポリヌクレオチド」は本明細書において互換的に用いられる。
【0177】
本明細書において用いる場合、用語「標的核酸」は、哺乳類FABP4ポリペプチド、例えばヒトFABP4をコードするDNA、例えば配列番号1、マウス(配列番号3)、ラット(表1)、チンパンジー(表1)及び/又はサルFABP4をコードする核酸又はそれらの天然変異体、及びそれらに由来するRNA核酸、好ましくはmRNA、例えばmRNA前駆体であるが好ましくは成熟mRNAを意味する。1つの態様としては、例えば、研究又は診断において用いる場合、「標的核酸」は、上記DNA又はRNA核酸標的に由来するcDNA又は合成オリゴヌクレオチドであり得る。本発明によるオリゴマー化合物は、好ましくは標的核酸にハイブリダイズすることができる。
【0178】
用語「それらの天然変異体」は、規定の分類学的グループ、例えば、哺乳類、例えば、マウス、ラット、サル、チンパンジー及び好ましくはヒトに天然に存在する、核酸配列のFABP4ポリペプチドの変異体を意味する。典型的には、ポリヌクレオチドの「天然変異体」を意味する場合、この用語は、例えば染色体転座又は複製により、クロモソーム8遺伝子座に見られるFABP4をコードするゲノムDNA、及びRNA、例えばそれらに由来するmRNAの変異体も包括し得る。特定のポリペプチド配列、例えば配列番号2又は4を言及する場合、この用語は、例えば翻訳と同時の、又は翻訳後の修飾、例えば、シグナルペプチド切断、タンパク質切断、グリコシル化などによって加工され得るタンパク質の天然形態も含む。
【0179】
本発明による化合物は、線状分子である、又は線状分子として合成されるのが好ましい。
【0180】
用語「結合基」は、2つのヌクレオチド、2つのヌクレオチド類似体、及び、ヌクレオチドとヌクレオチド類似体などを一緒に共有結合させることができる基を意味することを意図している。具体的かつ好ましい例には、リン酸塩基及びホスホロチオエート基が含まれる。
【0181】
本文脈において、用語「コンジュゲート」は、本明細書に記載の化合物(すなわちヌクレオチド類似体の配列を含む化合物)と、1以上の非ヌクレオチド/非ヌクレオチド類似体、又は非ポリヌクレオチド部分との共有結合によって形成されるヘテロ分子を示すことを意図する。非ヌクレオチド又は非ポリヌクレオチド部分の例には、高分子物質、例えばタンパク質、脂肪酸鎖、糖残基、糖タンパク質、ポリマー、又はそれらの組み合わせが含まれる。典型的には、タンパク質は標的タンパク質の抗体であり得る。典型的なポリマーはポリエチレングリコールであり得る。本発明の化合物が核酸塩基配列からなる場合、1つの態様としては、非核酸塩基部分、例えば上記のコンジュゲートをさらに含み得る。
【0182】
用語「少なくとも1つ」は、1より大きい、又は1と等しい整数を含む、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20などである。
【0183】
1つの態様としては、例えば、本発明の化合物の核酸又はタンパク質標的を言及する場合、用語「少なくとも1つ」は、「少なくとも2つ」及び「少なくとも3つ」及び「少なくとも4つ」なる語を含み、同様に用語「少なくとも2つ」は、「少なくとも3つ」及び「少なくとも4つ」なる語を含み得る。
【0184】
本明細書において用いる場合、用語「薬学的に許容される塩」は、本明細書において同定する化合物の所望の生物学的活性を保持し、最小の望ましくない毒性作用を示す塩を意味する。かかる塩の非限定的な例は、有機アミノ酸と形成され得、また塩基付加塩は、金属カチオン、例えば、亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウム、ナトリウム、カリウムなどと、又は、アンモニア、N、N−ジベンジルエチレン−ジアミン、D−グルコサミン、テトラエチルアンモニウム又はエチレンジアミンから形成されたカチオンと形成され得;又は(c)(a)と(b)の組み合わせ;例えば、亜鉛タンニン酸塩などがある。
【0185】
本文脈において、用語「C1−4−アルキル」は、直線の又は分枝の飽和炭化水素鎖を意味することを意図しており、ここでその鎖は、1−4の炭素原子、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルを有する。
【0186】
本明細書において用いる場合、用語「遺伝子」は、エクソン、イントロン、非コーディング5’及び3’領域、調節エレメント及び現在知られている全てのそれらの変異体、解明され得るさらなるあらゆる変異体を含む遺伝子を意味する。
【0187】
本明細書において用いる場合、用語「RNAアンタゴニスト」は、いずれかの形態のRNA(mRNA前駆体、mRNA、miRNA、siRNAなどを含む)を標的とするオリゴヌクレオチドを意味する。
【0188】
用語「関連障害」は、高コレステロール血症を言及する場合、以下からなる群から選択される1以上の症状を意味する:アテローム性動脈硬化症、高脂血症、HDL/LDLコレステロール平衡異常、脂質代謝異常、例えば、家族性複合型高脂血症(FCHL)、後天性高脂血症、スタチン耐性高コレステロール血症、冠動脈疾患(CAD)、及び冠動脈心疾患(CHD)。
【0189】
1つの態様としては、用語「オリゴマー」又は「オリゴマー化合物」は、互換的に用いられ、例えば標的核酸への水素結合による結合によってヒトにおいて所望の治療効果を誘導することができるオリゴヌクレオチドを意味する。本明細書において開示するオリゴマー化合物は、非治療用途、例えば、診断用途を有し得るとも認識される。1つの態様として、用語「オリゴマー」は、一本鎖(例えばアンチセンスオリゴヌクレオチド)又は二本鎖オリゴヌクレオチドのいずれでもよい(任意に本明細書中に記載した非核酸塩基要素にコンジュゲートしていてもよい)。
【0190】
本明細書において用いる場合、用語「調節」は、遺伝子発現の増加(刺激)又は減少(阻害)のいずれかを意味する。本発明において、阻害は遺伝子発現の調節の好ましい形態であり、mRNAは好ましい標的であり、すなわち遺伝子発現を減少させる。
【0191】
本明細書において用いる場合、「ハイブリダイゼーション」は水素結合を意味し、相補的ヌクレオチド塩基間のワトソン−クリック、ホルスタイン(Holstein)、逆ホルスタイン水素結合などであり得る。ワトソンとクリックはおよそ50年前に、デオキシリボ核酸(DNA)が2本の鎖の相対する相補的核酸塩基間に形成された水素結合によってらせん状の立体構造にまとまった2本の鎖からなることを示した。一般にDNAに見られる4つの核酸塩基は、グアニン(G)、アデニン(A)、チミン(T)及びシトシン(C)であり、そのうちG核酸塩基はCと対になり、A核酸塩基はTと対になる。RNAにおいては、核酸塩基チミンは核酸塩基ウラシル(U)に置き換えられ、T核酸塩基と同様にAと対になる。標準的な二本鎖形成に関与する核酸塩基の化学基は、ワトソン−クリックの形態を構成する。フーグスティーン(Hoogsteen)は2−3年後に、プリン核酸塩基(G及びA)は、それらのワトソン−クリック形態に加えてフーグスティーン形態を有し、これは二本鎖の外側から認識でき、水素結合を介してピリミジンオリゴヌクレオチドと結合するのに利用され、これにより三重らせん構造が形成されることを示した。
【0192】
本発明の化合物は、標的核酸、例えばmRNAにハイブリダイズすることができるのが非常に好ましい。
【0193】
の測定
10mMリン酸ナトリウム/100mM NaCl/0.1nM EDTA(pH7.0)中、本化合物3μM溶液を、10mMリン酸ナトリウム/100mM NaCl/0.1nM EDTA中、3μM濃度のその相補体DNA又はRNAオリゴヌクレオチド(pH7.0)と、90℃にて1分間混合し、室温まで冷ました。次いで、1℃/分の加熱速度において25−95℃の範囲にて260nMの吸光度を測定し、二本鎖の融解曲線を決定した。Tは融解曲線の第一誘導体の最大値として測定する。
【0194】
コンジュゲート
本発明の1つの態様としては、本オリゴマー化合物はリガンド/コンジュゲートと連結し、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドの細胞内取り込みを増大させるのに用いられ得る。国際特許出願第PCT/DK2006/000512号明細書は適切なリガンド及びコンジュゲートを提供し、参照によりここに組み込まれる。
【0195】
本発明はまた、本明細書に記載の本発明による化合物、及び、その化合物に共有結合した少なくとも1つの非ヌクレオチド又は非ポリヌクレオチド部分を含むコンジュゲートを提供する。それ故に、本明細書に記載のような、本発明の化合物が特定の核酸からなる1つの態様としては、本化合物は、その化合物に共有結合した少なくとも1つの非ヌクレオチド又は非ポリヌクレオチド部分(例えば1以上のヌクレオチド又はヌクレオチド類似体を含まない)も含み得る。
【0196】
用途
本発明のオリゴマー化合物は、例えば、診断、治療及び予防のための研究試薬として利用することができる。
【0197】
研究において、かかるオリゴマーは、細胞及び実験動物における特定のFABP4タンパク質(典型的にはmRNA分解又は阻害し、それによりタンパク質合成を阻害する)の合成を特異的に阻害するのに用いられ得、これにより、標的の機能解析又は治療介入における標的としての有用性の評価が促進される。
【0198】
診断において、オリゴマーは、ノーザン・ブロット、イン・サイチュハイブリダイゼーション又は同様の技術による、細胞及び組織におけるFABP4発現の検知及び定量化に用いられ得る。
【0199】
治療において、FABP4の発現を調節することにより治療することができる疾患又は障害を有する疑いのある動物又はヒトは、本発明によるアンチセンス化合物を投与することにより治療する。FABP4の発現に関係する疾患又は症状を有する疑いのある、又は罹患しやすい疑いのある、動物、特にマウス及びラット、ならびにヒトを、本発明の1以上のアンチセンス化合物又は組成物の治療的又は予防的有効量を投与することにより治療する方法をさらに提供する。
【0200】
本発明による医薬組成物は、異常なレベルのFABP4に関係する症状、例えば、アテローム性動脈硬化症、糖尿病(特にII型糖尿病)、及びメタボリックシンドロームの治療に用いることができる。
【0201】
本発明による医薬組成物は、アルツハイマー病の治療に用いることができる。
【0202】
本発明による医薬組成物は、炎症性疾患、例えば、関節炎又は喘息の治療に用いることができる。
【0203】
適切な用量、処方、投与経路、組成、剤形、他の治療剤との組み合わせ、プロドラッグ形態も、国際特許出願第PCT/DK2006/000512号明細書に提供され、参照によりここに組み込まれるが、癌の治療のみに特に適用可能な国際特許出願第PCT/DK2006/000512号明細書の局面が本発明の治療/医薬組成物及び方法に適切でない場合もあることは認識すべきである。
【0204】
本発明はまた、本明細書に記載の化合物又はコンジュゲート、又はコンジュゲート、及び薬学的に許容される希釈剤、担体又はアジュバントを含む医薬組成物も提供する。国際特許出願第PCT/DK2006/000512号明細書は、適切な好ましい薬学的に許容される希釈剤、担体及びアジュバントを提供しており、参照によりここに組み込まれる。
【0205】
1つより多い活性成分を含む医薬組成物
本発明による医薬組成物は、高コレステロール血症及び/又は関連障害の治療に有用であることが示されているものを含む、他の活性成分をさらに含み得る。
そのような分類の化合物の1つはスタチンである。スタチンは、高コレステロール血症のために心血管疾患の危険性のある人々のコレステロールレベルを低下させる医薬として用いられる脂質低下薬の分類を形成するHMG−CoA還元酵素阻害剤である。それらはコレステロール合成の速度を決定する酵素である酵素HMG−CoA還元酵素を阻害することによって作用する。肝臓におけるこの酵素の阻害はLDL−レセプターを刺激し、これにより血流からのLDLの増大したクリアランスが起こり、血中コレステロールレベルが減少する。スタチンの例には、アトルバスタチン(商標)、セリバスタチン (商標)、フルバスタチン (商標)、ロバスタチン (商標)、メバスタチン (商標)、ピタバスタチン(商標)、プラバスタチン(商標)、ロスバスタチン(商標)及びシンバスタチン(商標)が含まれる。本発明の化合物とスタチンの併用により、スタチンの用量を減少させることが可能となり得、それ故に、常用量のスタチンに関連する副作用、例えば、筋肉痛、筋痙攣、胃腸症状、肝臓酵素の乱れ(derangement)、筋炎、ミオパシー、横紋筋融解症(骨格筋の病的破壊)(筋破壊産物が腎臓を損傷する場合に急性腎不全を引き起こし得る)などが克服され得る。
【0206】
両親媒性カルボン酸の分類であるフィブラートは、スタチンとフィブラートの併用において増加した頻度の横紋筋融解症が報告されているにもかかわらず、スタチンの使用としばしば組み合わせられる別の分類の化合物である。本発明による組成物はそれ故にフィブラート、及び必要に応じてスタチンをさらに含み得る。
本発明による組成物は、アポリポ蛋白B(Apo−B)のモジュレーター、特にアポリポ蛋白Bの機能の発現を低下させることができる薬剤をさらに含み得る。適切には、アポリポ蛋白Bモジュレーターは、アンチセンスオリゴヌクレオチド(例えばオリゴマー)、例えば、国際公開第00/97662号、第03/11887号及び第2004/44181号パンフレットに開示されているものであり得る。好ましい組合せはISIS化合物301012(配列番号13として示す)との組み合わせである。更に好ましいアポリポ蛋白Bモジュレーターは、米国特許仮出願第60/896419号明細書に開示され、ここに参照として組み込まれる。
【0207】
本発明による組成物は、PSCK9発現のモジュレーター、例えば、PSCK9を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド(例えばオリゴマー)をさらに含み得、その組成物はFABP4及びPSCK9発現の両方の同時下方制御に用いられ得、血清コレステロールの観点において相乗効果が生じ、よって高コレステロール血症及び/又は関連障害を治療する際に有利である。本発明の化合物及びPSCK9モジュレーター、例えば本明細書に言及するアンチセンスオリゴヌクレオチドの両方を含むかかる組成物も、スタチンをさらに含み得る。米国特許仮出願第60/828735号明細書は適切なPSCK9モジュレーターを開示し、参照により本明細書に組み込まれる。
【0208】
本組成物は、ヌクレオチド類似体、例えば、国際特許出願第PCT/DK2006/000481号明細書(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されているものを含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを含み得ることも認識されたい。国際特許出願第PCT/DK2006/000481号明細書において開示された、又は好ましいとして強調された特異的LNAオリゴヌクレオチドは、本発明による医薬組成物における使用に特に適している。
【0209】
本発明のオリゴマーは、糖尿病の治療のために、フィブラート又はチアゾリジンジオン類(TZD)と組み合わせ得る。TZDは、通常用いられる糖尿病薬である。フィブラート及びTZD類はPPAR活性化を通じて作用し、FABP4はその作用を阻害する。それゆえ、FABP4を標的とするオリゴマーはフィブラート及び/又はTZD類の作用を促進することが期待され、2つの薬物の用量を低下させる必要を満たすことが推定される。
【0210】
本発明はまた、複数部分のキットを提供し、ここで、第一の部分は本発明による化合物、コンジュゲート及び/又は医薬組成物を含み、さらなる部分はアポリポ蛋白B又はFABP4の発現を低下させることができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。それ故に、その複数部分のキットは本明細書において言及される治療方法に用いられ得、その方法は、第一の部分及びさらなる部分の両方を、同時に又は一方の後に他方を投与することを含むことを認識されたい。
【0211】
医学的方法及び使用
本発明のオリゴマー及び他の組成物は、肥満及びメタボリックシンドロームに関連する症状の治療に用いられ得る。当該分野の著名な科学者により、FABP4による薬学的な治療介入は、肥満、インスリン耐性、II型糖尿病、アテローム性動脈硬化症、及び、おそらく炎症性症状、例えば、関節炎、喘息、又は、アルツハイマー病の治療のオプションとなることが示唆されている(Makowski and Hotamisligil 2004)。
【0212】
さらに、異常なレベルのFABP4に関連し得、またそれ故に本発明による組成物、コンジュゲート及び化合物を用いて処置し得るさらなる症状には、以下からなる群から選択される障害が含まれる:脂質異常症及び高リポ蛋白血症:原発性リポ蛋白過剰血症、家族性高カイロミクロン血症、家族性リポ蛋白リパーゼ活性低下症;多遺伝子性高コレステロール血症、家族性低比重リポ蛋白受容体症、又は欠損症;家族性複合型脂質異常症、家族性低比重リポ蛋白受容体活性低下症;家族性異常βリポ蛋白(質)血症、家族性アポリポ蛋白E合成低下症;内因性脂質異常症、超低密度リポ蛋白質合成増加症、超低密度リポ蛋白質クリアランス低下症;家族性高トリグリセリド血症;メタボリックシンドローム、シンドロームX、糖尿病前症、インスリン耐性、II型糖尿病;アテローム性動脈硬化症及び冠動脈疾患を含む心血管疾患;血栓症;末梢血管疾患、及び肥満。
【0213】
さらに、異常なレベルのFABP4に関係し得、またそれ故に本発明による組成物、コンジュゲート及び化合物を用いて処置され得るさらなる症状には、以下からなる群から選択される障害が含まれる:フォン・ギールケ病(I型糖原病);リポジストロフィー(先天性及び後天性型);クッシング症候群;成長ホルモン単独欠損症;真性糖尿病;甲状腺機能亢進症;高血圧;神経性食欲不振症;ウェルナー症候群;急性間欠性ポルフィリン症;原発性胆汁性肝硬変;肝外胆管5閉塞;急性肝炎;肝細胞腫;全身性エリトマトーデス;単クローン性ガンマグロブリン血症(骨髄腫、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症及びリンパ腫などを含む);内分泌疾患;肥満;ネフローゼ症候群;メタボリックシンドローム;炎症;関節リウマチ;甲状腺機能低下症;尿毒症(高尿酸血症);不能;閉塞性肝疾患;突発性高カルシウム血症;異常グロブリン血症;上昇したインスリンレベル;デュプイトラン拘縮;AIDS;及びアルツハイマー病及び認知症。
【0214】
本発明は、FABP4発現調節に十分な量の本発明の化合物を投与する工程を含む、血管内皮へのコレステロール粒子の結合を阻害する方法であって、結果として、以下の危険性を減じる方法を提供する:(i)コレステロール粒子の酸化;(ii)血管内皮への単球結合;(iii)単球のマクロファージへの分化;(iv)マクロファージによる酸化された脂質30粒子の取り込み及びサイトカインの放出(IL−1、TNF−アルファ、TGF−ベータを含むがこれらに限定されない);(v)線維状の線維脂肪の病変及び炎症の血小板形成;(vi)血餅を生じる内皮の病変;及び(vii)心筋梗塞又は卒中を生じる血餅。
【0215】
本発明の治療方法は、また、アテローム性動脈硬化症のプラーク形成を減少させ、及びインスリン感受性を増強(すなわち、インスリン耐性を低下)させる方法に用いることができる。
【0216】
本発明は、本明細書に開示のいずれかの及びあらゆる症状を処置するための医薬の製造における本発明の化合物の使用をさらに提供する。
【0217】
概説すると、本発明の一局面は、異常なレベルのFABP4に関係する症状に罹患している、又は罹患しやすい哺乳動物を処置する方法であって、FABP4に標的化された、1以上のLNAユニットを含む治療上有効量のオリゴマーを哺乳動物に投与することを含む方法を対象とする。
【0218】
本発明の興味深い局面は、上記に記載の症状の治療のための医薬の調製における、本明細書において規定されるオリゴマー(化合物)、又は本明細書に規定されるコンジュゲートの使用を対象とする。
【0219】
本発明の方法は、好ましくは異常なレベルのFABP4により引き起こされる疾患に対する治療又は予防のために用いられる。
【0220】
さらに、本明細書に記載の発明は、疾患を防ぐ又は治療する方法であって、かかる治療を必要とするヒトに治療上有効量のFABP4を調節するオリゴヌクレオチド化合物(高用量のオリゴマーを含むがこれに限定されない)を投与すること含む方法を包括する。本発明は、FABP4を調節するオリゴヌクレオチド化合物の短期間の投与を行うことをさらに包括する。
【0221】
本発明の1つの態様としては、オリゴマー(化合物)はリガンド又はコンジュゲートに連結している。例えば、これはオリゴマーの細胞内取り込みを増大させるためである。1つの態様としては、コンジュゲートは、ステロール、例えばコレステロールである。
【0222】
本発明のオリゴマーはまた、活性原体、例えば、アスピリン、イブプロフェン、サルファ剤、糖尿病剤、抗菌又は抗生剤にコンジュゲートし得る。
【0223】
言い換えると、本発明はさらに、異常なレベルのFABP4を治療する方法であって、本明細書に規定されるオリゴマー、又は本明細書に規定されるコンジュゲート又は本明細書に規定される医薬組成物を必要とする患者に投与することを含み、さらなる化学療法剤を投与することをさらに含む方法を対象とする。そのさらなる投与は、さらなる化学療法剤が本発明の化合物とコンジュゲートするように、医薬組成物中に存在するように、又は分離した形態にて投与されるように行われ得る。
【0224】
本発明はまた、医薬として使用するための、本明細書に規定される化合物、組成物又はコンジュゲートに関する。
【0225】
本発明はさらに、異常なレベルのFABP4を治療するための医薬の製造における、本明細書に規定される化合物、組成物又はコンジュゲートの使用に関する。典型的には、異常なレベルのFABP4は、高コレステロール血症及び関連障害、例えば、アテローム性動脈硬化症又は高脂血症の形態である、又はそれらを引き起こす、又はそれらによって特徴付けられる。
【0226】
さらに、本発明は、高コレステロール血症及び関連障害、例えば、アテローム性動脈硬化症、2型糖尿病及び高脂血症から選択される疾患又は症状に罹患した対象を治療する方法であって、本明細書に規定される医薬組成物を必要とする対象に投与する工程を含む方法に関する。好ましくは、医薬組成物は経口投与される。
【0227】
関連疾患の例にはまた、種々のタイプのHDL/LDLコレステロール平衡異常;脂質代謝異常、例えば、家族性複合型高脂血症(FCHL)、後天性高脂血症、スタチン耐性高コレステロール血症;冠動脈疾患(CAD)、冠動脈心疾患(CHD)、アテローム性動脈硬化症が含まれる。
【0228】
本発明による組成物がアポリポ蛋白B100発現のモジュレーター、例えばアポリポ蛋白B100を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドも含む場合、その組成物はFABP4及びアポリポ蛋白B100の両方の発現の同時下方制御において用いられ得、血清コレステロールの観点において相乗効果が起こり、それ故高コレステロール血症及び/又は関連障害を治療する場合に有利となることが認識される。本発明の化合物及びアポリポ蛋白Bモジュレーター、例えば本明細書にて言及されるアンチセンスオリゴヌクレオチドの両方を含むかかる組成物はまた、スタチンをさらに含み得る。
【0229】
本発明による組成物がPSCK9発現のモジュレーター、例えば、PSCK9を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドも含む場合、その組成物はFABP4及びPSCK9の両方の発現の同時下方制御において用いられ得、血清コレステロールの観点において相乗効果が起こり、それ故高コレステロール血症及び/又は関連障害を治療する場合に有利となることが認識される。本発明の化合物及びPSCK9モジュレーター、例えば本明細書にて言及されるアンチセンスオリゴヌクレオチドの両方を含むかかる組成物はまた、スタチンをさらに含み得る。米国仮出願第60/828735号は、適切なPSCK9モジュレーターを開示する参照として本明細書に組み込まれる。
【0230】
参考文献
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Hotamisligil, G. S., Johnson, R. S., Distel, R. J., Ellis, R., Papaioannou, V. E., & Spiegelman, B. M. (1996) Uncoupling of obesity from insulin resistance through a targeted mutation in aP2, the adipocyte fatty acid binding protein. Science 274: 1377−1379.
Kazemi, M. R., McDonald, C. M., Shigenaga, J. K., Grunfeld, C., & Feingold, K. R. (2005〕 Adipocyte fatty acid−binding protein expression and lipid accumulation are increased during activation of murine macrophages by toll−like receptor agonists. Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol 25: 1220−1224.
Makowski, L., Boord, J. B., Maeda, K., Babaev, V. R., Uysal, K. T., Morgan, M. A., Parker, R. A., Suttles, J., Fazio, S., Hotamisligil, G. S., & Linton, M. f. (2001) Lack of macrophage fatty−acid−binding protein aP2 protects mice deficient in apolipoprotein e against atherosclerosis. Nat.Med. 7: 699−705.
Makowski, L. & Hotamisligil, G. S. (2004) Fatty acid binding proteins−−the evolutionary crossroads of inflammatory and metabolic responses. J Nutr. 134: 2464S−2468S.
Tuncman, G., Erbay, E., Hom, x., De, V., I, Campos, H., Rimm, E. B., & Hotamisligil, G. S. (2006) A genetic variant at the fatty acid−binding protein aP2 locus reduces the risk for hypertriglyceridemia, type 2 diabetes, and cardiovascular disease. Proc Natl Acad Sci U S A 103: 6970−6975.
【実施例1】
【0231】
標的:
マウス:
遺伝子略名:Fabp4及び名前:脂肪酸結合タンパク質4、脂肪細胞[ハツカネ
ズミ]
遺伝子別名:ALBP/Ap2、Ap2、Lbpl
配列番号3
ヒト:
遺伝子略名:FABP4及び名前:脂肪酸結合タンパク質4、脂肪細胞[ホモサピ
エンス]
遺伝子別名:A−FABP
配列番号1
【0232】
脂肪酸結合タンパク質4(FABP4)は、aP2(脂肪細胞脂肪酸結合タンパク質)とも呼ばれ、大部分は脂肪細胞及びマクロファージに発現し、食事誘導性の肥満症、アテローム性動脈硬化症、及びインスリン耐性において重要な役割を果たす。FABP4は、脂肪酸による転写制御を受ける細胞質タンパク質である。これは、脂肪酸取り込み、輸送及び代謝に関わりがあると考えられている。
【0233】
標的核酸の発現に対するアンチセンス化合物の効果は、様々な細胞型のいずれかにおいて試験することができ、ただしその標的核酸が測定可能なレベルにあることを条件とする。標的は、内因的に、又は前記核酸をコードする核酸の一時的なもしくは安定なトランスフェクションにより発現させることができる。
【0234】
標的核酸の発現レベルは、例えば、ノーザン・ブロット分析、定量的PCR、リボヌクレアーゼプロテクションアッセイを用いて、ルーチン的に測定することができる。以下の細胞型は例証を目的として提供しているが、他の細胞型もルーチン的に用いられており、ただし選択された細胞型において標的が発現されることを条件とする。
【0235】
細胞は以下に記載する適切な培地において培養し、37℃、湿度95−98%、5%CO2において維持した。細胞を毎週2−3回ルーチン的に継代した。
【0236】
肝1−6細胞:ネズミ肝細胞株肝1−6細胞はATCCから購入し、10%FBS+Glutamax I+ゲンタマイシンを含むDMEM(Sigma)において培養した。
【0237】
PC3:ヒト前立腺癌細胞株PC3はATCCから購入し、10%FBS+Glutamax I+ゲンタマイシンを含むEagle MEM(Sigma)において培養した。
【0238】
RAW264.7:ネズミ単球/マクロファージ細胞株RAW264.7はATCCから購入し、10%FBS+Glutamax I+ゲンタマイシンを含むEagle MEM(Sigma)において培養した。
【0239】
オリゴヌクレオチドのリスト:
【表2】

【実施例2】
【0240】
イン・ビトロモデル:アンチセンスオリゴヌクレオチドによる処置
細胞培養及びトランスフェクション:6ウェルプレート中の10%FBS、Glutamax I及びゲンタマイシンを補足した成長培地に37℃(5%CO)において肝1−6細胞、PC3及びRAW264.7を播種した。細胞が60−70%コンフルエントになった時点に、リポフェクタミン2000(5μg/mL)を用いて種々の濃度のオリゴヌクレオチド(0.04−25nM)により2複製ずつ細胞をトランスフェクトした。トランスフェクションは基本的にDeanら(1994, JBC 269:16416−16424)により報告された通りに行った。簡単に説明すると、細胞をOptiMEM中のリポフェクタミンとともに10分間インキュベートし、次いでオリゴヌクレオチドを1ウェルにつき合計量0.5mLのトランスフェクションミックスに加えた。4時間後、そのトランスフェクションミックスを除去し、細胞を洗浄し、37℃にておおよそ20時間成長させた(適切な成長培地におけるmRNA分析及びタンパク質分析)。次いで細胞をタンパク質及びRNA分析のために収穫した。
【実施例3】
【0241】
イン・ビトロモデル:RNAの抽出及びcDNA合成
トータルRNAの単離
トータルRNAをRNeasy mini kit(Qiagen)を用いて単離した。細胞をPBSにより洗浄し、1%メルカプトエタノールを捕捉した細胞溶解緩衝液(Cell Lysis Buffer)(RTL、 Qiagen)を直接ウェルに加えた。数分後、サンプルを製造者の説明書に従って処理した。
【0242】
ファーストストランドの合成
ファーストストランドの合成は、OmniScript Reverse Transcriptase kit又はM−MLV Reverse transcriptase(基本的に製造者(Ambion)による記載の通り)のいずれかを用いて製造者(Qiagen)の説明書に従って行った。OmniScript Reverse Transcriptaseを用いる場合、各サンプルの0.5μgのトータルRNAを12μlに調整し、0.2μlポリ(dT)12−18(0.5μg/μl)(Life Technologies)、2μl dNTPミックス(各5mM)、2μl 10×RT緩衝液、0.5μl RNAguard(商標)RNAse Inhibitor(33ユニット/mL、Amersham)及び1μl OmniScript Reverse Transcriptaseと混合し、次いで37℃にて60分間インキュベーションし、93℃にて5分間加熱して失活させた。
【0243】
ファーストストランド合成を無作為のデカマー及びM−MLV−Reverse Transcriptase(基本的に製造者(Ambion)による記載の通り)を用いて行う場合、各サンプルの0.25μgのトータルRNAをHO中10.8μlに調整した。デカマー2μl及びdNTPミックス2μl(それぞれ2.5mM)を加えた。サンプルを70℃に3分間加熱し、氷水において直ちに冷却し、(10×RT緩衝液2μl;M−MLV Reverse Transcriptase 1μl;RNAase inhibitor 0.25μl)を含有するミックス3.25μlを加えた。cDNAを42℃にて60分間合成し、次いで95℃にて10分間熱失活工程を行い、最後に4℃に冷却した。
【実施例4】
【0244】
インビトロ及びイン・ビボモデル:リアルタイムPCRによるFABP4発現のオリゴヌクレオチド阻害の分析
FABP4発現のアンチセンス調節は当分野において既知の様々な方法においてアッセイすることができる。例えばFABP4 mRNAレベルは、例えばノーザン・ブロット分析、競合的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、又はリアルタイムPCRによって定量化することができる。リアルタイム定量PCRが現在好ましい。RNA分析はトータル細胞RNA又はmRNA上において行うことができる。
【0245】
RNA単離及びRNA分析、例えばノーザン・ブロット分析の方法は当分野において日常的であり、例えばJohn WileyとSonsの「Current Protocols in Molecular Biology」に記載されている。
【0246】
リアルタイム定量(PCR)は、BioRADから入手可能な市販のiQ Multi−Color Real Time PCR Detection Systemを用いて簡便に行うことができる。リアルタイム定量PCRは当業者によく知られている技術であり、例えばHeid et al. Real time quantitative PCR, Genome Research (1996), 6: 986−994に教示されている。
【0247】
FABP4 mRNAレベルのリアルタイム定量PCR分析
処置及び非処置サンプルにおいて相対的なヒトFABP4 mRNAレベルを決定するために、作製されたcDNAを、Applied Biosystemsの7500 Fast Real−Time PCR Systemを用いる定量的PCR分析に用いた。FABP4 mRNA発現は、全般に製造者の記載の通り定量した。簡単に示すと、4μlのcDNAを、Applied Biosystemsから購入したTaqman Fast Universal PCR master mix及びprimer−probe mixを含む6μlのmastermixに加えた。
【0248】
全てのサンプルは、2回ずつ行い、それぞれの細胞株から合成された2倍希釈のcDNAを用いて関連づけた。FABP4 mRNAの相対的な量は、Applied BiosystemsのSequence Detectionソフトウエアを用いて計算した閾値サイクルから決定し、GAPDH mRNAによって標準化した。
【実施例5】
【0249】
実施例4:インビトロ分析:(ネズミ肝細胞株1−6、ヒト前立腺癌細胞株PC3及びネズミ単球/マクロファージ細胞株RAW264.7)用量反応/FABP4発現のアンチセンス阻害
本発明に従い、ヒト及びネズミFABP4 mRNAの種々の領域を標的とするように一連のオリゴヌクレオチドを設計した。表1を参照のこと。ネズミ肝細胞(肝細胞1−6)において、オリゴヌクレオチド化合物(太字で示す):配列番号:12(3896)、15(3900)、18(3897)、19(3898)、23(3901)、24(3895)、及び27(3899)(図1、図2、図3)について、脂質支援型の取り込みの後に、FABP4 mRNAをノックダウンする能力についてオリゴヌクレオチド化合物を評価した。実施例1−3に記載のように実験を行った。結果は、全ての化合物について25nMにおいて非常に強力な下方制御(肝1−6細胞、PC3、及びRAW264.7において、それぞれ30−50%、95−60%、>60%)を示した。しかし、1nMにおいては、1化合物のみPC3細胞(配列番号:12)において50%という強力なFABP4 mRNAによる下方制御を受けた(図2)。
【0250】
FABP−4の発現は、リポフェクタミンのトランスフェクション後、0.04、0.2、1、5、10及び25nMのオリゴヌクレオチド溶液で決定した。RNAを細胞から単離し、FABP4 mRNAを、実施例1−3に記載のようにqPCRで決定した。
【0251】
肝1−6細胞(マウス肝癌細胞株)において、最も強力なオリゴヌクレオチドは、配列番号:12、配列番号:15、及び配列番号:23であり、IC50がそれぞれ5、5、及び1ないし5nMであった。肝1−6細胞は、PC3細胞に比べ低いトランスフェクション効果のため、IC50が全般に高くなった(図1)。
【0252】
PC3細胞(ヒト前立腺癌細胞株)では、最も強力にFABP−4 mRNAを下方制御したオリゴヌクレオチドは、配列番号:24、配列番号:12、及び配列番号:23であり、IC50がそれぞれ1、0.2、及び1nMであった(図2)。
【0253】
RAW264.7のオリゴヌクレオチドのスクリーニングは、FABP4 mRNA発現への効果を評価するために行った(図3)。RAW264.7は、FABP4を発現するネズミ単球/マクロファージ細胞株である。これらの細胞中において、オリゴヌクレオチドの配列番号:18、19、及び15のIC50は5nM前後だったのに対し、配列番号、12、及び23のIC50は5−10nM、配列番号:27のIC50は10ないし25nMの間、配列番号:24のIC50は>25nMであった。
【実施例6】
【0254】
FABP4の下方制御におけるオリゴヌクレオチド配列:
【表3−1】


【表3−2】


【表3−3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホ乳類FABP4をコードする核酸の対応領域の連続核酸塩基と少なくとも80%の相同性を有する合計10−50の連続核酸塩基配列を含む10−50核酸塩基長であり、該オリゴマーが、医薬又は医薬組成物として用いられるオリゴマー。
【請求項2】
ホ乳類FABP4をコードする核酸の対応領域の連続核酸塩基配列が3つ以下、例えば2つ以下のミスマッチを含む請求項1記載のオリゴマー。
【請求項3】
ホ乳類FABP4をコードする核酸の対応領域の連続核酸塩基配列が1つ以下のミスマッチを含む請求項2記載のオリゴマー。
【請求項4】
ホ乳類FABP4をコードする核酸の対応領域の連続核酸塩基配列がミスマッチを含まない(すなわち相補的である)請求項3記載のオリゴマー。
【請求項5】
オリゴマーの核酸塩基配列が連続核酸塩基配列からなる請求項1−4のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項6】
ホ乳類FABP4をコードする核酸が、ヒトFABP4ヌクレオチド配列である、例えば配列番号1、又はその天然アレル変異体である請求項1−5のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項7】
ホ乳類FABP4をコードする核酸が、げっ歯類FABP4、例えばマウスFABP4又はラットFABP4、及び非ヒト霊長類FABP4、例えばチンパンジーFABP4又はイヌFABP4をコードする核酸からなる群から選択される請求項1−6のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項8】
連続核酸塩基配列が、ヒトFABP4及び非ヒトFABP4の核酸配列の両方の対応領域に相補的である、例えば請求項7で言及したFABP4核酸配列といった請求項1−7のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項9】
連続核酸塩基配列が、ヒトFABP4核酸配列である配列番号1及びマウスFABP4核酸配列である配列番号3の両方の対応領域に相補的である請求項1−8のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項10】
相補的FABP4と二本鎖を形成する場合、標的RNAがリボヌクレアーゼHを動員することができ、連続核酸塩基配列が、少なくとも7である核酸塩基部分である連続サブ配列を含む請求項1ないし9のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項11】
相補的FABP4と二本鎖を形成する場合、標的RNAがリボヌクレアーゼHを動員することができ、連続核酸塩基配列が、少なくとも8、少なくとも9、又は少なくとも10である核酸塩基部分である連続サブ配列を含む請求項10のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項12】
相補的FABP4と二本鎖を形成する場合、標的RNAがリボヌクレアーゼHを動員することができ、該連続的サブ配列が、少なくとも9又は少なくとも10である核酸塩基長、例えば、少なくとも12核酸塩基又は少なくとも14核酸塩基長、例えば14、15又は16の核酸塩基部分を含む請求項10又は11記載のオリゴマー。
【請求項13】
該オリゴマーが、一つ以上の非核酸塩基化合物とコンジュゲートする請求項1−12のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項14】
該オリゴマーが、10−22核酸塩基長である請求項1−13のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項15】
該オリゴマーが、12−18核酸塩基長である請求項1−13のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項16】
該オリゴマーが、14、15、又は16核酸塩基長である請求項1−13のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項17】
核酸配列に含まれる連続ヌクレオチド配列に対応する該連続核酸塩基配列が、配列番号12及び23、及び/又は配列番号5、6、7、8、9、10及び11からなる群から選択される請求項1−16のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項18】
オリゴマー又は連続核酸塩基配列が、配列番号118、122、119、120、123、117、及び121からなる群から選択される、又は、オリゴマー又は連続核酸塩基配列が、配列番号118、122、119、120、123、117及び121から選択される核酸塩基配列と等価であるものからなる、又はこれを含む請求項1−17のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項19】
該オリゴマーが一本鎖である請求項1−18のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項20】
該連続核酸塩基配列が少なくとも1の親和性増大ヌクレオチド類似体を含む請求項1−19のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項21】
連続核酸塩基配列が、合計2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の親和性増大ヌクレオチド類似体、例えば5から8の親和性増大ヌクレオチド類似体を含む請求項20記載のオリゴマー。
【請求項22】
少なくとも1の親和性増大ヌクレオチド類似体を含み、残りの核酸塩基がDNAヌクレオチド及びRNAヌクレオチドから選択され、好ましくはDNAヌクレオチドであるものを含む請求項1−21のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項23】
オリゴマーが、5’から3’方向に、式A−B−C、及び任意に式A−B−C−Dの核酸塩基配列を含み:ここで
A は、少なくとも1のヌクレオチド類似体、例えば、1、2、3、4、5、又は
6のヌクレオチド類似体、好ましくは2−5のヌクレオチド類似体、好ましくは
2、3、又は4のヌクレオチド類似体、最も好ましくは2、3、又は4の連続ヌ
クレオチド類似体からなり、又はこれを含み、及び;
B は、リボヌクレアーゼHを動員することのできる少なくとも5の連続核酸塩基(
FABP4 mRNA標的といった相補的RNAと二本鎖を形成する場合)、リ
ボヌクレアーゼHを動員することのできる、例えばDNA核酸塩基、例えば、5 、6、7、8、9、10、11又は12の連続核酸塩基からなり、又はこれを 含み、6−10、又は7−9、例えば8の基からなり、又はこれを含み、及び;
C は、少なくとも1のヌクレオチド類似体、例えば2、3、4、5、又は6ヌクレ オチド類似体、好ましくは2−5のヌクレオチド類似体、例えば2、3又は4の ヌクレオチド類似体、最も好ましくは2、3又は4のヌクレオチド類似体からな り、又はこれを含み、及び;
D が存在する場合には、1以上のDNAヌクレオチド、例えば1−3又は1−2の DNAヌクレオチドからなり、又はこれを含み、好ましくは、からなる請求項1−22いずれか記載のオリゴマー。
【請求項24】
領域Aが、2、3、又は4の連続ヌクレオチド類似体からなる、又はこれを含む請求項23記載のオリゴマー。
【請求項25】
例えば、FAPB4mRNA標的といった相補的RNAと二本鎖を形成する場合、リボヌクレアーゼHを動員することができ、領域Bが、7、8、9、又は10の連続DNAヌクレオチド、又は等価な核酸塩基からなる、又はこれを含む請求項22−24のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項26】
2、3、又は4の連続ヌクレオチド類似体からなる、又はこれを含む請求項22−25のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項27】
領域Dが存在する場合には、1又は2のDNAヌクレオチドからなる請求項22−26のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項28】
A が、3の連続ヌクレオチド類似体からなる、又はこれを含む;
B が、例えばFAPB4mRNA標的といった相補的RNAと二本鎖を形成する場 合、リボヌクレアーゼHを動員することができる7、8、9、又は10の連続D NAヌクレオチド又は等価な核酸塩基からなる、又はこれを含む;
C 3の連続ヌクレオチド類似体からなる、又はこれを含む;
D 存在する場合には、1又は2のDNAヌクレオチドからなる
請求項27記載のオリゴマー。
【請求項29】
Bが、L−α立体配置、例えば、L−α−オキシLNAである、少なくとも1のLNA核酸塩基を含む請求項22−28のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項30】
ヌクレオチド類似体が、独立して、又は集合的に:ロックド核酸(LNA)ユニット;2’−O−アルキル−RNAユニット、2’−OMe−RNAユニット、2’−アミノ−DNAユニット、2’−フルオロ−DNAユニット、PNAユニット、HNAユニット、及びINAユニットからなる群から選択される請求項1−29のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項31】
全てのヌクレオチド類似体が、LNAユニットである請求項30記載のオリゴマー。
【請求項32】
1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のLNAユニット、例えば2から8のヌクレオチドのLNAユニットを含む請求項1−32のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項33】
LNAが、β−D、及びα−L立体配置又はそれらの組み合わせにおける、オキシ−LNA、チオ−LNA、及びアミノ−LNAから独立して選択される請求項30−32のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項34】
LNAが全てβ−D−オキシ−LNAである請求項33記載のオリゴマー。
【請求項35】
領域A及びCのヌクレオチド類似体、又は核酸塩基がβ−D−オキシ−LNAである請求項22−34のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項36】
オリゴマー中に存在する少なくとも1の核酸塩基が、5−メチルシトシン、イソシトシン、プソイドシトシン、5−ブロモウラシル、5−プロピニルウラシル、6−アミノプリン、2−アミノプリン、イノシン、ジアミノプリン、及び2−クロロ−6−アミノプリンからなる群から選択される修飾核酸塩基である、請求項1−35のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項37】
該オリゴマーを少なくとも50℃のTにおいて対応するホ乳類FABP4 mRNAとハイブリダイズする請求項1−36のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項38】
該オリゴマーを80℃以下のTにおいて対応するホ乳類FABP4 mRNAとハイブリダイズする請求項1−37のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項39】
ヌクレオシド間結合が、独立して:ホスホジエステル、ホスホロチオエート及びボラノホスフェートからなる群から選択される請求項1−38のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項40】
少なくとも1のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む請求項39記載のオリゴマー。
【請求項41】
ヌクレオシド間結合が、DNA又はRNAユニットに隣接し又は間にあり、又は領域B内あり、ホスホロチオエート結合である請求項41記載のオリゴマー。
【請求項42】
少なくとも1対の連続ヌクレオチド類似体間の結合が、ホスホジエステル結合である請求項40又は41のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項43】
ヌクレオチド類似体間の結合が、ホスホジエステル結合である請求項40又は41のいずれか記載のオリゴマー。
【請求項44】
ヌクレオチド類似体間の結合が、ホスホロチオエート結合である請求項40記載のオリゴマー。
【請求項45】
少なくとも1の非ヌクレオチド又は非ヌクレオチド部分が該化合物に共有結合している請求項1−44のいずれか記載のオリゴマーを含むコンジュゲート。
【請求項46】
請求項1−44のいずれかに定義されるオリゴマー又は請求項45に定義されるコンジュゲート、及び薬学的に許容される希釈剤、担体、塩又はアジュバント含む医薬組成物。
【請求項47】
オリゴマーがプロドラッグとして構成されている、請求項46記載の医薬組成物。
【請求項48】
さらに:アポリポ蛋白B100アンタゴマー(antagomir)、PCSK9アンタゴマー(antagomir)、スタチン、フィブラート、チアゾリジンジオン、抗炎症性化合物及び抗ウイルス性化合物からなる群から選択されるさらなる治療剤をさらに含む請求項46又は47記載の医薬組成物。
【請求項49】
以下の群:炎症性疾患又は障害、関節炎、喘息、アルツハイマー病、代謝疾患又は障害、メタボリックシンドローム、糖尿病及びアテローム性動脈硬化症から選択される疾患又は障害の治療のための医薬を製造するための請求項1−44のいずれかに定義されるオリゴマー又は請求項45に定義されるコンジュゲートの使用。
【請求項50】
該方法が、請求項1−44のいずれかに定義されるオリゴマー、又は請求項45に定義されるコンジュゲート、又は請求項46−48のいずれかに定義される医薬組成物を必要とする患者に投与することを含む炎症性障害、例えば、関節炎、喘息又はアルツハイマー病の治療方法。
【請求項51】
方法が、FABP4の発現が減少する又は阻害されるように、該細胞又は組織を、請求項1−44のいずれかに定義される化合物、又は請求項45に定義されるコンジュゲート、又は請求項46−48のいずれかに記載の医薬組成物と接触させる工程を含む細胞又は組織におけるFABP4の発現を減少させる又は阻害する方法。
【請求項52】
方法が、請求項1−44のいずれかに定義されるオリゴマー、又は請求項45に定義されるコンジュゲート、又は請求項46−48のいずれかに記載の医薬組成物を患者に投与する工程を含む、患者における(i)血清コレステロールレベルを減少させる、又はii)血清LDLコレステロールレベルを減少させる、又はiii)HDL/LDL比を改善する方法。
【請求項53】
患者における血清トリグリセリドレベルを低下させるため、その方法が、請求項1−44のいずれかに定義されるオリゴマー、又は請求項45に定義されるコンジュゲート、又は請求項46−48のいずれかに記載の医薬組成物を患者に投与する工程を含む患者における血漿中トリグリセリドを低下させる方法。
【請求項54】
患者における体重を減少させるため、その方法が、請求項1−44のいずれかに定義されるオリゴマー、又は請求項45に定義されるコンジュゲート、又は請求項46−48のいずれかに記載の医薬組成物を、治療を必要とする患者に投与する工程を含む患者における肥満の治療方法。
【請求項55】
患者のインスリン感受性を増大させるため、その方法が、請求項1−44のいずれかに定義されるオリゴマー、又は請求項45に定義されるコンジュゲート、又は請求項46−48のいずれかに記載の医薬組成物を、治療を必要とする患者に投与する工程を含む患者におけるインスリン耐性の治療方法。
【請求項56】
該方法が、請求項1−44のいずれかに定義されるオリゴマー又は請求項45に定義されるコンジュゲート、又は請求項46−48のいずれかに記載の医薬組成物を患者に投与する工程を含む患者におけるII型糖尿病の治療方法。
【請求項57】
該方法が、請求項1−44のいずれかに定義されるオリゴマー又は請求項45に定義されるコンジュゲート、又は請求項46−48のいずれかに記載の医薬組成物を必要とする患者に投与することを含む、患者における代謝障害、例えばメタボリックシンドローム、糖尿病又はアテローム性動脈硬化症の治療方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−537958(P2010−537958A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522397(P2010−522397)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【国際出願番号】PCT/EP2008/061432
【国際公開番号】WO2009/027527
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(504013269)サンタリス ファーマ アー/エス (29)
【氏名又は名称原語表記】SANTARIS PHARMA A/S
【Fターム(参考)】