説明

FCCライザ内の触媒再配分装置

【課題】注入領域における触媒分布の最良の均質性、及び再配分装置によってもたらされた逆混合の減少を達成することができるFCCライザ内の触媒再配分装置を提供する。
【解決手段】供給原料インジェクタ(1)と、これよりも高い面にMTCインジェクタ(2)を備えた、接触分解装置の反応領域内部の触媒再配分装置(3)であって、ライザの壁に接する連続リングの全般的形状を有し、かつ前記壁を一周し、かつ供給原料インジェクタ(1)面とMTCインジェクタ(2)面との間に含まれる領域内に配置される装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、水素化処理された又はされない、大気又は減圧残渣、減圧留出物タイプの留分を、ガソリン、ガス油及びLPGのベースに変えることを本質的に可能にする、略記してFCCと表される、流動床接触分解装置の分野である。本発明は、当業者によって石油化学用語FCCと指し示される装置である、オレフィン収率を最大化するために非常に厳密に機能する接触分解装置にも同様に応用される。
【背景技術】
【0002】
従来の又は石油化学FCC装置は、英語において「ライザ」と呼ばれる、ほぼ垂直な軸に沿って伸長する管形状の反応領域から一般的に構成される。本文の以下の部分において、反応領域を指し示すために、用語「ライザ」を残しておく。
【0003】
ライザの基底に、液体供給原料が、1つ又は複数のインジェクタを通して導入され、インジェクタは、液体供給原料を小滴に変え、次にこれらの小滴は、再生領域に由来する高温の触媒と接触して蒸発する。
【0004】
分解反応は、一方で気体状態の供給原料、及び他方で反応流によってもたらされた懸濁状触媒の間の供給原料の蒸発の結果として行われる。
【0005】
分解反応による供給原料の変換は、流入供給原料量に対して反応した供給原料量として定義され、反応した供給原料量は、それ自体がLCO(蒸留間隔が、220℃〜360℃である石油留分)及び「スラリー」留分(蒸留が、360℃から開始する石油留分)生成の減少した流入供給原料として定義される。
【0006】
FCC装置において、触媒は、直径が典型的に30〜120ミクロンで、平均値が70ミクロン付近に位置する粒子形状に粉砕される。
【0007】
注入及び反応領域における触媒の不活性化は、特に触媒表面のコークス形成による。
【0008】
幾つかのFCC装置において、供給原料注入の後、ライザ下部での温度分布を制御することを目的とする、MTC(温度制御手段と訳すことができる、Mixed Temperature Controlの略語)注入と呼ばれる、分解反応に対する変換又は不活性液体注入を、供給原料インジェクタ面の上に一定の距離を置いて行う。
【0009】
FCC装置のインジェクタは、一般的に上に方向付けられる。幾つかのFCC装置は、下に向けられたインジェクタを有する。本発明は、このタイプの装置にも同様に応用される。
【0010】
従って、本発明は、供給原料注入システムを含むライザ、及び場合によりMTCタイプの温度制御システムを備えたいかなる流動床接触分解装置にも応用できる。
【0011】
しかしながら、本発明は、MTC制御システムを備えないFCC装置にも同様に応用される。
【0012】
先行技術の検討
FCCのライザ内部の触媒配分が、均質でないことが当業者に知られている。蒸発領域に位置するライザの各断面において、触媒は、壁に優先的に集中し、中心に向かって低下を引き起こしている。ライザ中心と壁との間のかかる不均等な径方向分布を表すために、中心−リングモデルという言葉が使われる。
【0013】
更に、壁の触媒は、すでに供給原料に遭遇しそれ故に部分的に冷却した触媒を新しい供給原料と再度接触させることを効果とする逆混合又は再循環と呼ばれる再下降運動を受ける。逆混合が、ガソリン、LPG及びガス油の収率を減じて、ガス及びコークスタイプの重量縮合生成物を結局引き起こす、過剰分解(surcraquage)の副反応の進展を促進するので、反応に対するこの逆混合の影響は、マイナスである。
【0014】
逆混合現象と闘うために、蒸発領域の幾つかの装置又は設備が、研究された。
【0015】
逆混合現象を減少させるための、(引用文において、ライザは、「トランスファーライン」と名付けられている)ライザの全長にわたって配分された「ベンチュリ接触器」と呼ばれる一連の制限領域を開示する特許文献1を引用することができる。この特許において、前記ベンチュリ接触器によってもたらされる制限形状及び程度に関するいかなる情報も与えられない。制限通過の気固懸濁液速度が、ライザ内の上昇に応じて9〜12m/sであることが、述べられているのみである。
【0016】
本発明は、数字で表記された制限形状及びレベルを教示し、かつその上、蒸発領域にしか関係せず、ライザ全体には関係しない。
【0017】
最近、特許文献2が、供給原料注入面の下に位置する制限領域を含むダウンフローに応用できる触媒との炭化水素供給原料の接触領域を記載している。ダウンフローは、逆混合減少を引き起こすことで当業者に周知である。更に、本発明においては、制限領域は、注入面の上に確かに位置する。
【0018】
特許文献3は、FCC装置のライザ内部に位置し、かつインジェクタの上に配置された、環状形状を有し、かつ5〜30%の断面減少に至らせる装置を記載している。本発明におけるライザの断面減少率は、引用された文献に開示されたそれよりも明らかに高い。
【特許文献1】米国特許第3,353,925号明細書
【特許文献2】米国特許第5,997,726号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/112,988号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、注入領域における触媒分布の最良の均質性、及び再配分装置によってもたらされた逆混合の減少を達成することができるFCCライザ内の触媒再配分装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、第1面に位置する供給原料インジェクタと、第1面よりも高いレベルで第2面に位置するMTCインジェクタを備えた、(当業者の用語において、「ライザ」と呼ばれる)接触分解装置の反応領域内部の触媒再配分装置からなる。
【0021】
再配分装置とは、連続的かつ中断せずに、ライザの壁内側面を一周する単一の装置を意味する。
【0022】
本発明の第1の応用例において、本発明による触媒再配分装置は、供給原料インジェクタ面とMTCインジェクタ面との間に含まれる領域内に配置される。
【0023】
本発明の第2の応用例において、本発明による触媒再配分装置は、供給原料インジェクタ面の上の0.1〜5メートル、かつ好ましくは2〜4メートルの高さに位置する。この応用例によって、考慮されるFCC装置が、MTCインジェクタを有さない、図の事例をカバーすることが可能になる。
【0024】
本発明の第3の応用例において、本発明による触媒再配分装置は、MTCインジェクタ面の上の0.1〜5メートル、かつ好ましくは2〜4メートルの高さに位置する。
【0025】
「供給原料インジェクタ面」とは、前記インジェクタとライザの壁外側面との間の交差点を通過するほぼ水平な面を意味する。非常に厳密には、この交差点は、ライザの垂直壁に沿ったインジェクタ直径の突出に対応する一定の高さに及び、いかなる不明瞭さも回避するために、供給原料インジェクタ面が、先に定義した交差点の中位の高さを通過する面であるべきである。MTCインジェクタ面を同じように定義する。
【0026】
最後に、本発明のもう1つの応用例によれば、本発明による2つの再配分システムを設置することがことが可能であり、第1のものは、供給原料インジェクタ面とMTCインジェクタ面との間に位置し、かつ第2のものは、MTCインジェクタ面の上の0.1〜5メートルの高さに位置する。
【0027】
前記再配分装置の断面は、幾つかのみを示すが、いかなる限定も構成しない、一部又は全部直線、及び/又は一部又は全部曲線の非常に多様な形状を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本記載は、図1を辿れば、より良く理解されるであろう。
【0029】
本発明は、FCCライザの下部を、前記領域において触媒の径方向分布を改善するように備える装置に関する。本明細書の以下の部分において、この装置を、触媒再配分装置と呼ぶ。
【0030】
FCCライザの下部は、従来、再生領域(図1に図示せず)に由来する触媒の供給用配管(4)と、供給原料注入システム(1)を含む注入領域(A)と、場合により、供給原料インジェクタの上に位置するMTCと呼ばれる温度制御液体注入システム(2)を含む。
【0031】
加速領域、又は蒸発領域とも呼ばれる注入領域(A)は、供給原料注入レベルから、約4〜5メートル上まで及ぶ。反応液の流出方向で、第1領域に続く第2領域(B)は、ライザの頂部まで及ぶ。
【0032】
加速領域(A)は、およそ数メートル/秒の比較的低い、ガス流出速度と、高い触媒密度を特徴とし、他方で第2領域(B)は、30m/sに達し得るガス速度、及び加速領域よりも低い触媒密度に対応する。
【0033】
流出タイプは、各領域内で非常に異なる。
【0034】
加速領域(A)は、高い触媒再循環を示し、かつ多くの場合「完全に撹拌された」タイプの領域と同一視され、他方で第2領域(B)は、「ピストン」タイプの流出に一層近い。
【0035】
加速領域(A)において、触媒粒子は、同時に、ガス流を発生させる供給原料の蒸発の影響と、モル膨張を伴うガス分解反応の影響で徐々に加速される。
【0036】
本発明は、FCC装置のライザの加速領域(A)に応用され、かつ前記領域中の触媒配分を均質化することを目指す。
【0037】
加速領域中の触媒の多かれ少なかれ均質な配分の影響は、反応の主要部分が、そこで展開されるので重要であり、かつ供給原料との触媒の「第2の遭遇」現象をできるだけ回避すべきである。
【0038】
用語「第2の遭遇」は、新しい供給原料と、壁での触媒の再循環に由来する、供給原料に1回目にすでに遭遇したのでコークスの堆積によって部分的に不活性化された触媒との間の接触を指す。
【0039】
壁に集中した触媒は、供給原料の注入領域へ向流で再下降し、新しい触媒と混合される。当業者の用語では、再循環(又は「逆混合」)という言葉が使われる。このタイプの接触は、多くが、コークス及びガスの生成に至らせる寄生反応進展の原因である。
【0040】
FCC装置のライザの加速領域で行われた触媒密度の測定は、触媒が、前記ライザの壁へ優先的に配分される傾向があり、他方でライザ中心は、触媒が比較的乏しくなったことを示した。壁に集中し、かつ不十分に加速された触媒は、供給原料の注入領域に向かって再循環する。この不均等な配分は、ライザの中心に向かって周縁部の触媒を戻し、かつ再循環を減少させるインターン(internes)によって抑止できる。以上が、本発明の主要目的である。
【0041】
従って、本発明は、注入領域(A)に位置し、かつ循環する気固懸濁液用の減少した通過断面を決定するFCC装置のライザ(R1)の壁に接した連続リング(3)の全般的形状を有する触媒再配分装置からなり、前記減少した断面は、ライザ(R1)断面の10%〜70%、かつ好ましくはライザ(R1)断面の30%〜45%の値を有する。
【0042】
触媒の再配分装置(3)は、供給原料インジェクタ(1)面の上の0.1メートル〜5メートル、かつ好ましくは2メートル〜4メートルの距離を置いて位置決めされる。
【0043】
FCC装置が、MTCタイプのインジェクタ(2)を備える時、触媒再配分システムは、好適には、供給原料インジェクタ(1)面とMTCインジェクタ(2)面との間に位置する。
【0044】
その場合、第2再配分装置は、同時に供給原料の注入領域のレベル、及びMTCインジェクタに使用される液体蒸発領域のレベルで触媒のより均質な配分効果を得るように、MTC注入の上に位置できる。
【0045】
再配分装置(3)の形状は、十分に幅広く異なっても良いが、前記再配分装置の断面を考慮して、一般的に以下に記載されるタイプの1つである。
【0046】
本明細書の以下の部分において、減少した断面に対応する面の上に位置する再配分装置の断面縁部を指すために、上縁部という言葉が使われ、かつ減少した断面に対応する面の下に位置する再配分装置の断面縁部を指すために、下縁部という言葉が使われる。一般的に縁部は、完全に直線、完全に曲線、又は部分的に直線、かつ部分的に曲線であっても良い。上縁部は、下縁部と対称的であっても良いか、なくても良い。
【0047】
形状1:直線タイプ、上縁部が、下縁部よりも大きいか、又は小さくても良い。
【0048】
この形状は、三角形断面を示す図2bによって示される。
【0049】
図2eに示されるような長方形断面、又はより一般的に図2gに示されるような多角形断面は、本発明の枠内に完全に留まっている。
【0050】
形状2:曲線タイプ、この形状は、曲線形状の縁部を示す。この形状は、円形断面を示す図2aによって示される。
【0051】
楕円形又は不完全な円形断面は、本発明の枠内に完全に留まっている。
【0052】
形状3:混合タイプ、すなわち直線上縁部と、曲線下縁部、又は反対、すなわち曲線上縁部と、直線下縁部を有するタイプ。
【0053】
この形状は、図2c及び2dによって示される。
【0054】
形状4:このタイプは、同時に直線部分と、曲線部分を含む縁部を有する形状を結集させる。このタイプは、同時に直線かつ曲線の縁部を有する装置を示す図2fによって示される。同一の縁部に曲線部分と、直線部分を結合する他の形状は、本発明の枠内に属する。かかる形状は、図2hによって示される。
【0055】
好ましい形状は、三角形(図2b)、長方形(図2e)、曲線形状(図2a)、及び図2c、2d及び2hによって示される形状である。
【0056】
このようにして、第1の応用例によれば、本発明による触媒再配分装置は、三角形の断面を有する。
【0057】
第2の応用例によれば、本発明による再配分装置は、曲線形状、かつ好ましくは円形状の断面を有する。
【0058】
第3の応用例によれば、本発明による再配分装置は、長方形形状の断面を有する。
【0059】
第4の応用例によれば、本発明による再配分装置は、長方形、次いで円形状の断面を有する。
【0060】
第5の応用例によれば、本発明による再配分装置は、長方形、次いで三角形の断面を有する。
【0061】
第6の応用例によれば、本発明による再配分装置は、長方形、次いで曲線形状の断面を有する。
【0062】
第7の応用例によれば、本発明による再配分装置は、部分的に曲線形状かつ部分的に直線形状の断面を有する。
【0063】
本発明による再配分装置は、気固懸濁液との摩擦の結果として生じた浸食にできるだけ耐えねばならず、かつこの理由で硬質材料、一般的に耐火コンクリート内に製作され、かつ好ましくは、ライザの壁内側面を被覆するものに類似した耐火コンクリート内に製作され、かつ場合により内部金属補強材によって強化される。
【0064】
実施例
実験が、工業的なFCC装置の規模の約1/5の規模で、触媒及びガスの循環を再現する模型に対して行われた。
【0065】
この模型の主要な寸法、並びに触媒の流量及びライザ中のガス速度を、以下に示す:
ライザの高さ:15メートル
ライザの内径:0.3m
30トン/時〜60トン/時の触媒流量
5m/s〜12m/sのガス速度
115〜235kg/m.sの触媒流
触媒は、平均直径72ミクロンの粒子からなり、40ミクロン未満の粒子の割合が15重量%に等しい粒度配分を示す。
【0066】
触媒粒子の密度は、1250kg/mである。
【0067】
供給原料は、直径約100ミクロンの小滴を放出する側面0に従来位置した、対向状の2つのインジェクタを通って注入される。
【0068】
2つのMTCインジェクタは、供給原料インジェクタ面の上1メートル超の面に位置する。
【0069】
触媒流の測定が、触媒の径方向配分に対する効果を評価するように、再配分装置有り及び無しで行われた。
【0070】
このために、内径8mmの、ライザに沿って決定される垂直側面で、かつ次の値に固定された、パラメータr/Rによって標定される様々な程度のレベルで触媒試料を回収することを可能にするいわゆる「等速」採取瓶を使用した:
−1;−0.8;−0.6;−0.4;−0.2;0;0.2;0.4;0.6;0.8及び1。
【0071】
位置r/R=0は、ライザの中心に対応する。位置r/R=1及びr/R=−1は、ライザの壁に対応する。他の位置は、中間の程度を有する位置である。
【0072】
位置全体は、直径全体に応じたライザの考慮された断面を走査することを可能にする。
【0073】
図3の曲線に対する縦座標に、ライザ中心での流れの値(r/R=0)に対する+10%、+20%、+30%、+40%、+50%の値を示した。
【0074】
再配分装置は、ライザの壁内側面を一周する三角形断面のリングである。三角形の先端からライザの壁までの距離は、5cmであり、かつ44.4%のライザの減少した断面を決定する。
【0075】
再配分装置は、インジェクタ面の上の0.58メートル、すなわち供給原料インジェクタ面とMTCインジェクタ面との間に置かれる。この0.58メートルの距離は、直径1.5メートルのライザを有する工業的な装置におけるインジェクタ面の上の3メートルの高さにほぼ対応する。
【0076】
図3の曲線A(再配分装置有り)及びB(再配分装置無し)は、インジェクタのレベルの400mm上の側面で取られた再配分装置有り及び無しの触媒の径方向配分をそれぞれ表す。
【0077】
触媒流は、再配分装置を有する形状において、ライザ中心に位置する最小流れに関係して、kg/m.sで表される。
【0078】
曲線B(再配分装置無し)は、ライザの壁の近傍よりも非常に明らかに大きな、不均質な触媒流を示す。
【0079】
曲線A及びBの比較によって、再配分装置の触媒配分の平坦化効果を、非常に明らかに見ることができる。その結果、再配分装置を有する場合(曲線A)においてライザ断面に対して遙かに均質な、インジェクタから生じた蒸発した供給原料との接触確率がもたらされる。
【0080】
同様に、再配分装置を有する平均触媒流(平均曲線A)は、再配分装置無しの平均触媒流(平均曲線B)より低く、このことは、同一の操作条件に関して、再配分装置を有する場合(曲線A)における供給原料注入領域に向けて部分的に不活性化された触媒の再循環の非常に明らかな減少を明白にする。
【0081】
結局、探求する生成物、特にガソリン及びガス油のより大きな変換が得られる。
【0082】
図3の曲線A及びBは、5m/sのガス速度、及び130kg/m.sの平均触媒流に対応する33トン/hの触媒流量で得られた。
【0083】
ガス速度Vg=5m/sは、繰り返すが、同時に供給原料の蒸発及び(モル膨張による)分解反応に応じて変化する、工業装置の蒸発領域におけるガスの実速度を表す。
【0084】
これらの実験結果は、注入領域における触媒分布の最良の均質性、及び再配分装置によってもたらされた逆混合の減少を証明し、それらは、約1重量%に評価され得る変換の改善によって現れる。
【0085】
より良い均質化及び逆混合減少の効果は、再配分装置の特性、すなわちその環状形状、供給原料インジェクタ面とMTCインジェクタ面との間の位置、及びライザ断面の制限レベル、すなわち44.4%、の組み合わせから生じる。
【0086】
再配分装置の断面のその他の形状、特に図2c及び2fに示すような直線部分及び曲線部分を含む形状が、検査された。これらの形状は、流れの径方向分布の同じ平坦化効果に至らせるが、特殊な形状は、他のものよりも明らかに良好な性能に至らせなかった。三角形は、製作が最も簡易である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】図1は本発明による装置を備えたFCC装置の注入領域の全般的な概略形状を示す垂直断面図である。
【図2】図2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2hは本発明による再配分装置の種々の概略形状を非限定的に示す垂直断面図である。
【図3】曲線A、Bが、再配分装置有り及び無しでの触媒流の径方向分布の比較を示すグラフである。
【符号の説明】
【0088】
1 供給原料インジェクタ
2 MTCインジェクタ
3 再配分装置
4 触媒の供給用配管
A 注入領域
B 第2領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給原料インジェクタと、これよりも高い面にMTCインジェクタを備えた、接触分解装置の反応領域内部の触媒再配分装置であって、ライザの壁に接する連続リングの全般的形状を有し、かつ前記壁を一周し、かつ供給原料インジェクタ面とMTCインジェクタ面との間に含まれる領域内に配置される装置。
【請求項2】
供給原料インジェクタを備えた、接触分解装置の反応領域内部の触媒再配分装置であって、ライザの壁に接する連続リングの全般的形状を有し、かつ前記壁を一周し、かつ供給原料インジェクタ面の上の0.1〜5メートル、かつ好ましくは2〜4メートルの高さに位置する装置。
【請求項3】
供給原料インジェクタと、これよりも高い面にMTCインジェクタを備えた、接触分解装置の反応領域内部の触媒再配分装置であって、ライザの壁に接する連続リングの全般的形状を有し、かつ前記壁を一周し、かつMTCインジェクタ面の上に0.1〜5メートル、かつ好ましくは2〜4メートルの高さに配置される装置。
【請求項4】
再配分装置が、30%〜70%のライザ断面の制限を作り出すことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のFCC装置の反応領域内部の触媒再配分装置。
【請求項5】
第1の再配分装置が、供給原料インジェクタ面とMTCインジェクタ面との間に位置し、かつ第2の再配分装置が、MTCインジェクタ面の上に0.1〜5メートル、かつ好ましくは2〜4メートルの高さに位置する、2つの再配分装置の存在を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のFCC装置の反応領域内部の触媒再配分装置。
【請求項6】
再配分装置の断面が、三角形の断面を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のFCC装置の反応領域内部の触媒再配分装置。
【請求項7】
再配分装置の断面が、曲線形状の、かつ好ましくは円形状の断面を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のFCC装置の反応領域内部の触媒再配分装置。
【請求項8】
再配分装置の断面が、長方形の断面を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のFCC装置の反応領域内部の触媒再配分装置。
【請求項9】
再配分装置の断面が、長方形、次いで円形状の断面を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のFCC装置の反応領域内部の触媒再配分装置。
【請求項10】
再配分装置の断面が、長方形、次いで三角形の断面を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のFCC装置の反応領域内部の触媒再配分装置。
【請求項11】
再配分装置の断面が、長方形、次いで曲線形状の断面を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のFCC装置の反応領域内部の触媒再配分装置。
【請求項12】
再配分装置の断面が、混合形状の、すなわち部分的に曲線形状かつ部分的に直線形状の断面を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のFCC装置の反応領域内部の触媒再配分装置。
【請求項13】
再配分装置が、ライザの壁内側面を被覆するために使用されるものに類似した耐火コンクリート内に製作されたことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のFCC装置の反応領域内部の触媒再配分装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−169645(P2007−169645A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343650(P2006−343650)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(591007826)アンスティテュ フランセ デュ ペトロール (261)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT FRANCAIS DU PETROL
【出願人】(506423903)トータル フランス (2)
【Fターム(参考)】