説明

FR車用自動変速機

【課題】副変速機構付き仕様と副変速機構なし仕様とで主要部品を共通化し、コンパクトで安価なFR車用自動変速機を提供する。
【解決手段】副変速機構付き仕様と副変速機構なし仕様とで、主変速機構を構成する遊星歯車装置や摩擦係合要素、主油圧制御装置のような主要部品を共通化でき、低コストで副変速機構5付き自動変速機を構成できる。また、副変速機構付き仕様において、主油圧制御装置と副油圧制御装置70とが取付面63,64の段差を利用して一部でオーバーラップするので、主油圧制御装置と副油圧制御装置とを個別に変速機ケース60に設ける場合に比べてコンパクトに構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はFR車用自動変速機、特に主変速機構と副変速機構とを備えた自動変速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊星歯車装置と複数の湿式多板式の摩擦係合要素とを備え、これら摩擦係合要素を適宜締結・解放することで、複数の変速段を実現する車両用自動変速機が種々提案され、実用化されている。このような自動変速機の中で、特に主変速機構と、主変速機構の出力を入力とする副変速機構とを備え、主変速機構の変速段数を副変速機構によって増加させる、副変速機構付きの自動変速機が知られている。
【0003】
特許文献1(図1)には、前進4速の変速段を有する主変速機構と高低2速の変速段を有する副変速機構とを備え、副変速機構を用いることで、前進5速の変速段を持つFF車用の自動変速機が開示されている。この自動変速機では、主変速機構を構成する遊星歯車装置のキャリヤ出力を、副変速機構のリングギヤに入力し、副変速機構のキャリヤを出力軸と接続している。しかし、主変速機構の中心軸と副変速機構の中心軸とが非同軸に設定されているため、特許文献1の図2に示されるように、副変速機構の摩擦係合要素に油圧を供給するための油圧制御装置を、主変速機構の摩擦係合要素に油圧を供給するための油圧制御装置とは全く別の箇所に設けなければならない。そのため、副変速機構付き仕様では、主変速機構用のバルブボデーと副変速機構用のバルブボデーとを必要とするだけでなく、主変速機構用のオイルパンと副変速機構用のオイルパンも個別に必要となるので、部品の共通化ができず、コスト面及び占有スペースの点で不利である。
【0004】
特許文献2には、主変速機構と副変速機構とが同軸上に設けられたFR車用自動変速機が開示されている。この場合には、主変速機構と副変速機構とがそれぞれ主変速機ケースと副変速機ケースとに収納され、主変速機ケースには、主変速機構及び副変速機構に設けられる摩擦係合要素の制御油圧を作り出すコントロールバルブユニットが設けられている。しかし、主変速機構用のコントロールバルブユニットと、副変速機構用のコントロールバルブユニットとを具体的にどのように配置するかについては開示がない。そのため、副変速機構付き仕様と副変速機構なしの仕様とで主要部品を共通化できない可能性があり、コスト高になる懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−225861号公報
【特許文献2】特開平2−173463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、副変速機構付き仕様と副変速機構なし仕様とで主要部品を共通化でき、コンパクトで安価なFR車用自動変速機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、複数の変速段を構成可能な主変速機構と、前記主変速機構の下流側にかつ同軸上に接続され、前記主変速機構の変速段数を増加させる副変速機構とを備えたFR車用自動変速機において、前記主変速機構を作動させるための制御油圧を発生する主油圧制御装置と前記副変速機構を作動させるための制御油圧を発生する副油圧制御装置とが、変速機ケースの第1の取付面と第2の取付面とにそれぞれ隣接して取付可能とされ、前記第1の取付面と第2の取付面とに段差を設け、前記主油圧制御装置の一部と前記副油圧制御装置の一部とをオーバラップさせた状態で、前記主油圧制御装置及び副油圧制御装置がそれぞれ前記第1及び第2の取付面に取り付けられており、前記主油圧制御装置と副油圧制御装置とが接続配管によって接続されており、前記主油圧制御装置及び副油圧制御装置が、前記変速機ケースに固定された1つのオイルパンで覆われていることを特徴とするFR車用自動変速機を提供する。
【0008】
本発明では、主変速機構の主油圧制御装置と、副変速機構の副油圧制御装置とが個別に設けられているので、副変速機構付き仕様と副変速機構なし仕様とで主油圧制御装置を共通化でき、コスト低減が可能になる。また、変速機ケースにおける主油圧制御装置の取付面と副油圧制御装置の取付面とに段差を設け、主油圧制御装置の一部と副油圧制御装置の一部とをオーバラップさせた状態で、主油圧制御装置と副油圧制御装置とが取付面に取り付けられているので、副変速機構付き仕様において、油圧制御装置の取付スペースの増大を抑制でき、コンパクトに配置できる。また、主油圧制御装置及び副油圧制御装置が1つのオイルパンで覆われているため、個別のオイルパンを設ける場合に比べて部品数削減と重量軽減とを達成できる。
【0009】
主要部品の共通化として、例えば主油圧制御装置については、副油圧制御装置との接続配管の接続孔の有無以外は共通化可能である。副油圧制御装置の一部とオーバーラップする主油圧制御装置の部分としては、例えばソレノイド弁のソレノイド部がある。一般に、ソレノイド弁はバルブボデーを変速機ケースに固定した後で、バルブボデーに対して挿着されるが、ソレノイド弁のソレノイド部はバルブボデーから外部に突出することになる。このソレノイド部を副油圧制御装置の一部にオーバーラップさせることで、容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、副変速機構付き仕様と副変速機構なし仕様とで、主変速機構を構成する遊星歯車装置や摩擦係合要素、主油圧制御装置のような主要部品を共通化でき、低コストで副変速機構付き自動変速機を構成できる。また、第1取付面と第2取付面との間には段差があり、この段差を利用して主油圧制御装置と副油圧制御装置とが一部でオーバーラップするので、主油圧制御装置と副油圧制御装置とを個別に変速機ケースに設ける場合に比べてコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】副変速機構なし仕様におけるFR車用自動変速機の概略構成を示すスケルトン図である。
【図2】図1に示す自動変速機の一部断面側面図である。
【図3】図2に示す自動変速機の要部底面図である。
【図4】副変速機構付き仕様におけるFR車用自動変速機の概略構成を示すスケルトン図である。
【図5】図4に示す自動変速機の一部断面側面図である。
【図6】図5に示す自動変速機の要部底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本発明にかかるFR車用4速自動変速機の概略構成を示す。この自動変速機1Aは、エンジン出力軸2から動力が伝達されるトルクコンバータ10と、その下流側に主変速機構3とを備えたものであり、副変速機構は備えていない。エンジン動力は、トルクコンバータ10を介して入力軸(タービン軸)4に伝達され、主変速機構3を介して出力軸29へ伝達される。主変速機構3は、3個のクラッチC1〜C3、2個のブレーキB1,B2、ワンウエイクラッチF1、ラビニヨウ型の第1の遊星歯車装置20などで構成されている。
【0013】
トルクコンバータ10は、公知のように、エンジン出力軸2と連結されたポンプインペラ11と、入力軸4と連結されたタービンランナ12と、ステータ13とを備えている。トルクコンバータ10内部にはエンジン出力軸2と入力軸4とを直結するロックアップクラッチ14が設けられている。
【0014】
入力軸4と第1の遊星歯車装置20のフォワードサンギヤ21との間にはC1クラッチが設けられ、フォワードサンギヤ21と変速機ケース30との間にはB1ブレーキが設けられている。また、入力軸4とリヤサンギヤ23との間にはC2クラッチが設けられている。キャリヤ24には中間軸25が連結され、中間軸25と入力軸4との間にはC3クラッチが設けられている。また、キャリヤ24と変速機ケース30との間には、B2ブレーキとワンウェイクラッチF1とが並列に設けられている。キャリヤ24には2種類のピニオンギヤ26,27が回転自在に支持されており、フォワードサンギヤ21は軸長の長いロングピニオン26と噛み合い、リヤサンギヤ23は軸長の短いショートピニオン27を介してロングピニオン26と噛み合っている。リングギヤ28はロングピニオン26のみと噛み合っており、リングギヤ28に出力軸29が連結されている。出力軸29は図示しないプロペラシャフトを介して後輪と接続されている。クラッチC1〜C3、ブレーキB1,B2、遊星歯車装置20などの具体的構造は、例えば特開2001−304355号公報などに開示されている通りであるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0015】
表1は、クラッチC1,C2,C3、ブレーキB1,B2およびワンウェイクラッチF1の作動を示し、前進4段、後退1段の変速段を実現している。表1において、●は作動状態を示し、○はLレンジでのみ作動される状態を示す。3速が直結であり、4速はオーバードライブである。
【0016】
【表1】

【0017】
上述のように、C1クラッチは後退時に係合される後退用クラッチ、C2クラッチは1速〜3速において係合される前進低速段用クラッチ、C3クラッチは3速および4速時に係合される前進高速段用クラッチ、B1ブレーキは2速および4速時に係合される前進用ブレーキ、B2ブレーキは後退時に係合される後退用ブレーキである。
【0018】
図2は、前述の自動変速機1Aを車体側方から見た一部断面側面図であり、図3は自動変速機1Aの変速機ケース30の要部の底面図である。図2に示すように、主変速機構3を構成するリングギヤ28の後端部に接続軸28aがスプライン結合され、この接続軸28aは変速機ケース30によってベアリング34を介して回転自在に支持されている。接続軸28aは変速機ケース30から後方へ突出し、その後端部は出力軸29とスプライン結合されている。出力軸29は、変速機ケース30の後端部に固定されたリヤケース35によってベアリング36を介して回転自在に支持されている。
【0019】
主変速機構3を構成する各摩擦係合要素C1,C2,C3及びB1,B2を制御するための主油圧制御装置40は、変速機ケース30の底部に形成された取付面32にボルト等によって固定され、変速機ケース30の内部に形成された油路を介して摩擦係合要素C1〜C3、B1、B2と接続されている。変速機ケース30の底部には、取付面32を外部に開口させるための開口部31が設けられ、この開口部31はオイルパン33で閉じられている。主油圧制御装置40は、アッパ側バルブボデー41とロア側バルブボデー42とをプレート43を間にして一体的にボルト締結したものである。ロア側バルブボデー42はアッパ側バルブボデー41より大形に形成され、ロア側バルブボデー42の分割面が取付面32に固定されている。ロア側バルブボデー42には、後方から複数のソレノイド弁44〜48が水平方向に挿着されている。このうち、3個のソレノイド弁44〜46のソレノイド部44a〜46aが、バルブボデー41,42の凹部42a内に配置されている。
【0020】
図4は、前述の自動変速機1Aの主変速機構3の後端部に副変速機構5を追加することで、前進5速の自動変速機1Bを構成した概略構造を示す。副変速機構5は、第2の遊星歯車装置50と、クラッチC4、ブレーキB3、ワンウエイクラッチF2などを備えている。主変速機構3の出力部材であるリングギヤ28は、第2の遊星歯車装置50のリングギヤ51と連結されている。リングギヤ51は、キャリヤ52に回転自在に支持されたピニオン53と噛み合っており、キャリヤ52には出力軸54が連結されている。また、キャリヤ52と、ピニオン53に噛み合うサンギヤ55との間に、高速段(直結)用のクラッチC4が設けられている。さらに、サンギヤ55と変速機ケース60との間に、低速段(減速)用のブレーキB3とワンウエイクラッチF2とが並列に設けられている。例えば3→4速のアップシフト時に、副変速機構5のブレーキB3が解放されてクラッチC4が締結されるが、そのときブレーキB3が先に解放されても、クラッチC4が締結されるまでワンウエイクラッチF2がロック状態となるので、エンジンの吹き上がりを防止できる。
【0021】
表2は、主変速機構3に副変速機構5を追加した場合の各摩擦係合要素の作動を示す。表2では、副変速機構5を追加することで前進5段、後退1段の変速段を実現できる。表2において、●は作動状態を示し、○はLレンジでのみ作動される状態を示す。
【0022】
【表2】

【0023】
上述のように、C4は入力側のリングギヤ51と出力軸54とを直結する高速用クラッチであり、B3は入力側のリングギヤ51の回転を減速して出力軸54に伝える減速用ブレーキである。減速用ブレーキB3は1速〜3速及び後退段において締結され、主変速機構3のみを使用した場合(表1)の1〜3速及び後退段のギヤ比をそれぞれ大きくできる。高速用クラッチC4は4、5速時に締結される。
【0024】
図5は、主変速機構3と副変速機構5とを備えた自動変速機1Bを車体側方から見た一部断面側面図であり、図6は自動変速機1Bの変速機ケース60の底面図である。この場合には、主変速機構3の出力部材であるリングギヤ28にスリーブ状の接続軸28bがスプライン結合され、この接続軸28bの中を中間軸25が貫通している。接続軸28bは変速機ケース60によってベアリング56を介して回転自在に支持され、接続軸28bの後端部の外周に入力ディスク57がスプライン結合され、その入力ディスク57の外周に副変速機構5のリングギヤ51が結合されている。したがって、接続軸28bは副変速機構なし仕様の接続軸28aとは形状が異なる。キャリヤ52と結合された出力軸54は変速機ケース60の後端部に固定されたリヤケース67によってベアリング58を介して回転自在に支持されている。
【0025】
変速機ケース60の底部には、下方へ開口する開口部61が設けられ、この開口部61は1つのオイルパン62によって閉じられている。開口部61内に位置する変速機ケース60の底部には、第1取付面63と第2取付面64と前後に隣接して形成されている(図5参照)。車体前方側に形成された第1取付面63には、主変速機構3を制御するための主油圧制御装置40がボルト等によって固定され、車体後方側に形成された第2取付面64には、副変速機構5を制御するための副油圧制御装置70がボルト等によって固定されている。第2取付面64は、第1取付面63より高い位置に形成されており、両取付面63,64の間には段差が設けられている。主油圧制御装置40は、図2、図3に示す主油圧制御装置40と同じものが使用され、主油圧制御装置40を第1取付面63に固定することにより、変速機ケース60内部の油路(図示せず)を介して摩擦係合要素C1〜C3、B1、B2と接続されている。副油圧制御装置70を第2取付面64に固定することにより、変速機ケース60に形成された油路65、66(図6参
照)を介してクラッチC4、ブレーキB3とそれぞれ接続されている。このように1つの開口部61内に主油圧制御装置40と副油圧制御装置70とがまとめて配置されているので、1つのオイルパン62によってカバーすることができる。
【0026】
副油圧制御装置70は、アッパ側バルブボデー71とロア側バルブボデー72とをプレート73を間にして一体的に締結したものであり、ロア側バルブボデー72はアッパ側バルブボデー71より大形に形成され、ロア側バルブボデー72の分割面が第2取付面64に固定されている。ロア側バルブボデー72の一部72aは、第1及び第2の取付面63,64の段差を利用して主油圧制御装置40の一部の上側にオーバーラップしている。具体的には、バルブボデー72の前端部72aが、主油圧制御装置40に挿着されたソレノイド弁44〜46のソレノイド部44a〜46aの上側にオーバーラップしている。図6で斜線で示した箇所がオーバーラップ部分である。このように主油圧制御装置40と副油圧制御装置70の一部がオーバーラップすることで、副変速機構付き仕様における油圧制御装置を全体としてコンパクトに構成できる。ロア側バルブボデー72には、左右両側方から2つのソレノイド弁74、75が水平方向に挿着されている。これらソレノイド弁74、75はクラッチC4、ブレーキB3を制御するために使用される。このようにソレノイド弁74、75がバルブボデー72に対して両側方から挿着されるので、副油圧制御装置70の前後長を短くでき、小さなスペースに配置できる。
【0027】
主油圧制御装置40と副油圧制御装置70とは、接続配管76、77(図6参照)によって接続され、主油圧制御装置40で発生した油圧が副油圧制御装置70へと供給されている。具体的には、主油圧制御装置40で調圧されたライン圧が第1配管76を介して副油圧制御装置70へ供給され、主油圧制御装置40で調圧された潤滑圧が第2配管77を介して副油圧制御装置70へ供給される。副油圧制御装置70には、オイルポンプのような油圧発生手段も、レギュレータ弁のようなライン圧調圧手段も必要ないので、小型に構成できる。副変速機構付き仕様の場合には、主油圧制御装置40に接続配管76、77の接続穴40a,40b(図6参照)を追加加工するだけで、副変速機構なし仕様と主油圧制御装置40を共通化できる。主変速機構3を構成する摩擦係合要素C1〜C3、B1、B2や第1の遊星歯車装置20も共通化できる。
【0028】
上述のように、副変速機構付き仕様の変速機ケース60は、副変速機構なし仕様の変速機ケース30に比べて全長が長く、オイルパン62も、副変速機構なし仕様のオイルパン33に比べて全長が長いので、それぞれの仕様に応じて準備する必要がある。また、リヤケース67も、副変速機構なし仕様のリヤケース35と形状が異なるので、個別に作成する必要がある。但し、変速機ケース60の前端から出力軸54の後端までの軸方向寸法L1は、副変速機構なし仕様の変速機ケース30の前端から出力軸29の後端までの軸方向寸法L2と同一寸法に設定されているので、同じ車体に搭載することができる。
【0029】
前記実施例では、副油圧制御装置70の一部とオーバーラップする主油圧制御装置40の部分が、ソレノイド弁のソレノイド部である例を示したが、これに限るものではなく、バルブボデーの一部であってもよい。また、前記実施例では、前進4速の主変速機構を有するFR車用自動変速機1Aに副変速機構を追加することにより、前進5速の自動変速機1Bを構成する例について説明したが、高速用のクラッチC4を5速以外の変速段で使用することにより、さらに多段の自動変速機を構成することもできる。
【符号の説明】
【0030】
1A 自動変速機(副変速機構なし)
1B 自動変速機(副変速機構付き)
3 主変速機構
5 副変速機構
10 トルクコンバータ
20 第1遊星歯車装置
30 変速機ケース
40 主油圧制御装置
50 第2遊星歯車装置
60 変速機ケース
63 第1取付面
64 第2取付面
70 副油圧制御装置
C1 後退用クラッチ
C2 前進低速段用クラッチ
C3 前進高速段用クラッチ
B1 前進用ブレーキ
B2 後退用ブレーキ
F1 ワンウエイクラッチ
C4 高速用クラッチ
B3 減速用ブレーキ
F2 ワンウエイクラッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の変速段を構成可能な主変速機構と、前記主変速機構の下流側にかつ同軸上に接続され、前記主変速機構の変速段数を増加させる副変速機構とを備えたFR車用自動変速機において、
前記主変速機構を作動させるための制御油圧を発生する主油圧制御装置と前記副変速機構を作動させるための制御油圧を発生する副油圧制御装置とが、変速機ケースの第1の取付面と第2の取付面とにそれぞれ隣接して取付可能とされ、
前記第1の取付面と第2の取付面とに段差を設け、
前記主油圧制御装置の一部と前記副油圧制御装置の一部とをオーバラップさせた状態で、前記主油圧制御装置及び副油圧制御装置がそれぞれ前記第1及び第2の取付面に取り付けられており、
前記主油圧制御装置と副油圧制御装置とが接続配管によって接続されており、
前記主油圧制御装置及び副油圧制御装置が、前記変速機ケースに固定された1つのオイルパンで覆われていることを特徴とするFR車用自動変速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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