説明

FRID装着ワンドを備えた医療流体送達システム

患者への医療流体の送達に使用される注入デバイスが提供される。注入デバイスは、シリンジプランジャドライバと、シリンジとを含み得る。シリンジは、シリンジデータ記憶デバイスを含み得る。注入デバイスは、取り付けられた状態および取り外された状態のそれぞれで配置可能な通信デバイスを含み得る。通信デバイスは、その視野内のデータ記憶デバイスを読み出すように動作可能であり得る。通信デバイスが注入デバイスに取り付けられ、シリンジが注入デバイス上に設置されている場合に、通信デバイスは、シリンジに関連付けられたデータ記憶デバイスを読み出すように動作可能であり得る。取り外された状態である場合に、通信デバイスは、種々の他のデータ記憶デバイスが読み出され得るように、手動操作されるように動作可能であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国仮特許出願第61/168,003号(2009年4月9日出願、名称「MEDICAL FLUID DELIVERY SYSTEM WITH FRID−EQUIPPED WAND」)に基づく優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、医療流体送達システムに関し、より具体的には、識別部材を読み出すことができるデバイスを含む医療流体送達システムに関する。
【背景技術】
【0003】
種々の医療手技は、1つ以上の医療流体が患者に注入されることを要求する。例えば、医療撮像手技は、しばしば、おそらく生理食塩水および/または他の医療流体とともに、患者への造影剤の注入を伴う。他の医療手技は、治療目的で患者に1つ以上の医療流体を注入することを伴う。自動注入器が、これらの種類の用途に使用され得る。
【0004】
自動注入器は、概して、一般的に、パワーヘッドと呼ばれるものを含む。1つ以上のシリンジが、種々の様式で(例えば、取り外し可能に、後方装填式、前方装填式、側面装填式)パワーヘッドに搭載され得る。各シリンジは、典型的には、シリンジプランジャ、ピストン等として特徴付けられ得るものを含む。シリンジプランジャドライバの動作が、シリンジの外筒の内側で、およびそれに対して、関連シリンジプランジャを軸方向に前進させるように、それぞれのそのようなシリンジプランジャは、パワーヘッドに組み込まれる適切なシリンジドライバと界面接触する(例えば、接触および/または一時的に相互接続する)ように設計される。1つの典型的なシリンジプランジャドライバは、ネジ山付き主ネジまたは駆動ネジに搭載される、ラムの形態である。1つの回転方向への駆動ネジの回転が、1つの軸方向に関連ラムを前進させる一方で、反対の回転方向への駆動ネジの回転は、反対の軸方向に関連ラムを前進させる。
【0005】
高周波識別(RFID)タグは、様々な用途においてますます使用されてきている。RFIDタグは、医療用途に関連して検討されており、自動注入器への関連を含む。例えば、少なくとも、RFIDタグを自動注入器シリンジ上に配置し、少なくともある特定の情報をそのようなRFIDタグ上にエンコードすることが提案されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面は、注入デバイスと、通信デバイスとを含む、医療流体送達システムによって具現化される。注入デバイスは、シリンジプランジャドライバを含み、一方でシリンジプランジャドライバは電動駆動源を含む。注入デバイスは、シリンジ外筒と、シリンジ外筒に対して移動可能に配置されるシリンジプランジャとを有するシリンジをさらに含む。シリンジプランジャドライバは、シリンジプランジャと相互作用して、シリンジプランジャをシリンジ外筒に対して少なくとも第1の方向に移動させる。シリンジは、シリンジデータ記憶デバイスを備える。通信デバイスは、注入デバイスに対して、取り付けられた状態および取り外された状態のそれぞれで配置可能である。通信デバイスは、視野を含む。視野内のデータ記憶デバイスは、通信デバイスと通信可能である。通信デバイスが取り付けられた状態である場合に、通信デバイスは、シリンジのシリンジデータ記憶デバイスが視野内にあるように配置される。
【0007】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の第1の側面に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴または第1の側面の特徴の組み合わせとともに使用され得るが、必須ではない。以下の論議は、本発明の第2の側面の論議の開始まで、第1の側面に適用可能である。
【0008】
通信デバイスは、電磁通信デバイスを含み得る。通信デバイスは、RFID通信デバイスを含み得る。一構成において、通信デバイスは、読み出し機能および書き込み機能のうちの少なくとも1つを提供し得る。例えば、通信デバイスは、RFIDタグからの読み出しおよび/またはRFIDタグへの書き込みを行うように動作可能であり得る。
【0009】
取り外された状態である場合に、通信デバイスは、視野が、患者のデータ記憶デバイスおよび/または医療流体送達システムの操作者のデータ記憶デバイスの周囲に配置可能であるように移動可能であり得る。この点において、通信デバイスは、通信デバイスが取り外された状態である間に、患者のデータ記憶デバイスおよび/または操作者のデータ記憶デバイスの読み出しおよび/またはそれらのデバイスへのデータの書き込みを行うように動作可能であり得る。一構成において、通信デバイスは、シリンジデータ記憶デバイス、患者のデータ記憶デバイス、および/または操作者のデータ記憶デバイスにデータを書き込むように動作可能であり得る。
【0010】
通信デバイスは、通信デバイスが取り外された状態にある場合に、通信デバイスに電力供給するように動作可能である電源を含み得る。通信デバイスは、通信デバイスが取り外された状態にある場合に、通信デバイスにより受信されたデータを記憶するように動作可能であるメモリユニットを含み得る。通信デバイスは、通信インターフェースを含み得、通信デバイスは、通信デバイスが取り付けられた状態にある場合に、記憶されたデータを、通信インターフェースを介して注入デバイスに送信するように動作可能であり得る。通信インターフェースは、複数の電気接点を含み得る。
【0011】
医療流体送達システムは、通信デバイスおよび注入デバイスに相互接続された配線をさらに含み得る。通信デバイスは、配線を介して注入デバイスと通信するように動作可能であり得る。
【0012】
通信デバイスは、シリンジ取付具を含み得る。一実施形態において、注入デバイスは、シリンジ受け取り部を含み得、一方でシリンジ受け取り部は通信デバイスを含む。
【0013】
本発明の第2の側面は、医療流体送達システムの操作方法によって具現化される。この方法において、第1のデータ記憶デバイスは、通信デバイスで読み出される。読み出しは、通信デバイスを第1のデータ記憶デバイスに近接して手動操作するステップを含む。第1のデータ記憶デバイスを読み出した後、通信デバイスが注入デバイスに取り付けられ、次いでシリンジが注入デバイス上に設置される。シリンジは、シリンジデータ記憶デバイスを含む。通信デバイスは、シリンジが注入デバイス上に設置されている間に、かつ通信デバイスが注入デバイスに取り付けられている間に、シリンジデータ記憶デバイスを読み出す。
【0014】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の第2の側面に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。そのようなものとして、論議される以下の特徴のそれぞれは、任意の他の特徴または第2の側面の特徴の組み合わせとともに使用され得るが、必須ではない。以下の論議は、「視野」という用語の論議の開始まで、第2の側面に適用可能である。
【0015】
第2の側面の一実施形態において、第1のデータ記憶デバイスは、患者に取り付けられてもよく、第1のデータ記憶デバイスを読み出すステップは、通信デバイスを患者に近接して移動させるステップを含み得る。方法は、患者データ記憶デバイスを読み出すステップの前に、注入デバイスから通信デバイスを取り外すステップを含み得る。
【0016】
方法は、通信デバイスで管類にセットされたデータ記憶デバイスを読み出すステップをさらに含み得る。管類にセットされたデータ記憶デバイスから読み出されたデータは、注入デバイスの圧力制限を設定するために使用され得る。通信デバイスは、読み出すステップ中に得られたデータを通信デバイス内に記憶し得る。そのようなデータは、患者データ記憶デバイスおよび/または管類にセットされたデータ記憶デバイスから読み出されたデータを含み得る。
【0017】
方法は、シリンジからの医療流体が患者への注入に適切であることを検証するステップをさらに含み得る。そのような検証するステップは、患者データ記憶デバイスおよび/またはシリンジデータ記憶デバイスから読み出されたデータを考慮し得る。通信デバイスのバッテリは、通信デバイスが注入デバイスに取り付けられている間に再充電され得る。方法は、通信デバイスから注入デバイスにデータを無線で転送するステップをさらに含み得る。
【0018】
通信デバイスの注入デバイスへの取り付けは、少なくとも1つの導電経路を介して通信デバイスを注入デバイスに相互接続するステップを含み得る。方法は、通信デバイスが注入デバイスに取り付けられている間、(例えば少なくとも1つの導電経路を介して、および/または誘導結合を介して)通信デバイスから注入デバイスにデータを転送するステップをさらに含み得る。
【0019】
方法は、通信デバイスで操作者データ記憶デバイスを読み出すステップをさらに含み得る。そのような読み出すステップは、操作者データ記憶デバイスから通信デバイスに注入プロトコルをダウンロードするステップを含み得る。方法は、操作者データ記憶デバイスから得られたデータに少なくとも部分的に基づき、注入デバイスに存在する複数の注入プロトコルから、注入プロトコルを選択するステップをさらに含み得る。方法は、シリンジから患者に医療流体を注入するように、注入プロトコルを実行するステップをさらに含み得る。
【0020】
本明細書で使用されるように、「視野」という用語は、通信デバイスに関連して使用される場合、通信デバイスに近接した領域を指し、その領域内のデータ記憶デバイスは、通信デバイスにより読み出し可能および/または書き込み可能となる。
【0021】
いくつかの特徴の改良および追加特徴が、本発明の上述の第1および第2の側面のそれぞれに、別個に適用可能である。これらの特徴の改良および追加特徴は、上述の第1および第2の側面のそれぞれに関連して、個別に、または任意の組み合わせで使用され得る。「単数の」という文脈等に限定されることを目的とする、本発明の任意の他の種々の側面の任意の特徴は、「唯一の」、「単一の」、「限定される」等の用語によって、本明細書で明確に説明される。一般的に受け入れられている根拠の実践に従って特徴を導入するだけでは、対応する特徴を単数に限定されない(例えば、自動注入器が「1つのシリジンジ」を含むことを示すだけでは、自動注入器が単一のシリンジしか含まないことを意味しない)。また、「少なくとも1つの」等の語句を使用しないことも、対応する特徴を単数に限定しない(例えば、自動注入器が「1つのシリジンジ」を含むことを示すだけでは、自動注入器が単一のシリンジしか含まないことを意味しない)。最終的に、特定の特徴に関する「少なくとも概して」等といった語句の使用は、対応する特性およびそのごくわずかな変形例を包含する(例えば、シリンジ外筒が少なくとも概して円筒形であると示すことで、円筒形であるシリンジ外筒を包含する)。
【0022】
本発明の様々な側面のいずれかにより利用され得る任意の「論理」は、限定するものではないが、任意の適切なソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェア内、1つ以上のプラットフォームの使用、1つ以上のプロセッサの使用、任意の適切な種類のメモリの使用、任意の適切な種類の任意の単一のコンピュータもしくは任意の適切な種類の複数のコンピュータの使用、および任意の適切な様式での相互接続、またはこれらの任意の組合せを含む、任意の適切な様式で実装され得る。この論理は、任意の単一の場所または適切な様式で(例えば任意の種類のネットワークを介して)相互接続されている複数の場所で実装され得る。
【0023】
流体放出を提供するために利用され得る、任意の自動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。任意のそのような自動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上のシリンジプランジャドライバを利用し得、その場合、それぞれのそのようなシリンジプランジャドライバは、少なくとも双方向運動(例えば、流体を放出するための第1の方向の運動、流体の搭載および/または引出に適応するため、および/または後続の流体放出動作のための位置に戻るための第2の方向の運動)が可能であり、それぞれのそのようなシリンジプランジャドライバは、(例えば、流体を放出するように)少なくとも1つの方向にシリンジプランジャを前進させることができるよう、任意の適切な様式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な連結によって)、その対応するシリンジプランジャと相互作用し得る。各シリンジプランジャドライバは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の1つ以上の駆動源を利用し得る。複数の駆動源出力が、所与の場合に、単一のシリンジプランジャを前進させるように任意の適切な様式で組み合わせられ得る。1つ以上の駆動源が、単一のシリンジプランジャドライバ専用であり得、1つ以上の駆動源が、複数のシリンジプランジャドライバと関連し得(例えば、1つのシリンジプランジャから別のシリンジプランジャに出力を変更するように、ソートの伝送を組み込む)、またはそれらの組み合わせである。代表的な駆動源の形態は、ブラシ付きまたはブラシレス電気モータ、油圧モータ、空気モータ、圧電モータ、またはステッピングモータを含む。
【0024】
任意のそのような自動注入器は、限定するものではないが、任意の適切な医療用途(例えば、コンピュータ断層撮影法またはCT撮像、磁気共鳴映像法またはMRI、単光子放射型コンピュータ断層撮影法またはSPECT撮像、陽電子放射型コンピュータ断層撮影法PET撮像、X線撮像、血管造影法、光学撮像、超音波撮像)を含む、1つ以上の医療流体の送達が所望される任意の適切な用途に使用され得る。任意のそのような自動注入器は、適切な撮像システム(例えば、CTスキャナ)等の、任意の構成要素または構成要素の組み合わせと併せて使用され得る。例えば、任意のそのような自動注入器と1つ以上の他の構成要素との間で、情報を伝えることができる(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)。
【0025】
任意の適切な数のシリンジが、任意の適切な様式で(例えば、取り外し可能に、前方装填式、後方装填式、側面装填式)、任意のそのような自動注入器とともに利用され得、任意の適切な医療流体が、任意のそのような自動注入器の所与のシリンジから放出され得(例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせ)、任意の適切な流体が、任意の適切な様式で(例えば、連続的に、同場合に、)多重シリンジ自動注入器構成から放出され得、またはそれらの任意の組み合わせである。一実施形態では、自動注入器の動作によってシリンジから放出される流体は、導管(例えば、医療管類セット)内へと向けられ、本導管は、任意の適切な様式で、シリンジと流体的に相互接続され、流体を所望の場所(例えば、注入のために患者に挿入されるカテーテル)へと向ける。本明細書で使用されるように、「流体的に相互接続された」という用語は、流体が構成要素または実体の間の所定の流路を流動するように動作可能である、構成要素または実体の間の関係を表す。例えば、「患者と流体的に相互接続される注入デバイス」とは、流体が、注入デバイスから任意の相互接続デバイス(例えば、管類、コネクタ)を介して患者の中へ(例えば、患者の血管系の中へ)流動することができる、構成を表す。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管の中へ放出し得、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管の中へ放出し得る一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管の中へ放出し得る。一実施形態では、各シリンジは、シリンジ外筒と、シリンジ外筒内に配置され、かつシリンジに対して移動可能であるプランジャとを含む。本プランジャは、シリンジプランジャ駆動アセンブリが、少なくとも1つの方向に、およびおそらくは2つの異なる反対方向に、プランジャを前進させることができるように、自動注入器のシリンジプランジャ駆動アセンブリと界面接触し得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、自動注入器の一実施形態の概略図である。
【図2A】図2Aは、携帯型スタンド搭載式の二重ヘッド自動注入器の一実施形態の斜視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの自動注入器によって使用される、パワーヘッドの拡大部分分解斜視図である。
【図2C】図2Cは、図2Aの自動注入器によって使用される、シリンジプランジャ駆動アセンブリの一実施形態の概略図である。
【図3】図3は、ワンド部分を有するシリンジ取付具を含む注入デバイスの斜視図である。
【図4】図4は、図3の注入デバイスを使用して患者に医療流体を注入する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、パワーヘッド12を有する自動注入器10の一実施形態の概略図を提示する。1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースまたはGUI11が、パワーヘッド12と関連付けられ得る。各GUI11は、(1)任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得、(2)任意の適切な様式でパワーヘッド12と動作可能に相互接続され得、(3)任意の適切な場所に配置され得、(4)自動注入器10の動作の1つ以上の側面を制御する、自動注入器10の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集する、(例えば、自動注入器10の動作と関連する)適切な情報を表示するといった、機能のうちのいずれかを提供するように構成され得、または、(5)先述の内容の任意の組み合わせのものである。任意の適切な数のGUI11が利用され得る。一実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12とは別であるが、パワーヘッド12と通信するコンソールによって組み込まれるGUI11を含む。別の実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12の一部であるGUI11を含む。さらに別の実施形態では、自動注入器10は、パワーヘッド12と通信する別個のコンソール上で1つのGUI11を利用し、また、パワーヘッド12上にある別のGUI11も利用する。各GUI11は、同じ機能性または一式の機能性を提供することができ、または、GUI11は、それぞれの機能性に関して、少なくともある点で異なり得る。
【0028】
シリンジ28は、本パワーヘッド12上に設置され得、設置されると、自動注入器10の一部と見なされ得る。いくつかの注入手技は、シリンジ28内で生成される比較的高い圧力をもたらし得る。この点において、圧力ジャケット26内にシリンジ28を配置することが望ましいことがある。圧力ジャケット26は、典型的には、パワーヘッド12上にシリンジ28を設置するステップの一部として、またはそのステップの後に、シリンジ28がその中に配置されることを可能にする様式で、パワーヘッド12と関連付けられる。同圧力ジャケット26は、典型的には、種々のシリンジ28が、複数の注入手技のために、圧力ジャケット26内に位置付けられ、そこから除去される際に、パワーヘッド12と関連付けられたままとなる。自動注入器10が低圧注入のために構成/利用される場合、および/または自動注入器10とともに利用されるシリンジ28が、圧力ジャケット26によって提供される追加支持なしで、高圧注入に耐えるのに十分な耐久性である場合、自動注入器10は、圧力ジャケット26を排除し得る。いずれの場合でも、シリンジ28から放出される流体は、任意の適切な様式で、シリンジ28と流体的に相互接続され得、流体を任意の適切な場所に(例えば、患者に)向け得る、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類の導管38の中へ向けられ得る。
【0029】
パワーヘッド12は、シリンジ28から流体を放出するようにシリンジ28(例えば、そのプランジャ32)と相互作用する(例えば、インターフェースをとる)、シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバ14を含む。本シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、駆動出力18(例えば、回転可能な駆動ネジ)にパワー供給する、駆動源16(例えば、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類のモータ、オプションの歯車装置等)を含む。ラム20は、駆動出力18によって、適切な経路(例えば、軸方向)に沿って前進させられ得る。ラム20は、以下で論議される様式で、シリンジ28の対応する部分と相互作用またはインターフェースをとるための連結器22を含み得る。
【0030】
シリンジ28は、(例えば、双頭矢印Bと一致する軸に沿った軸方向の往復運動のために)シリンジ外筒30内で移動可能に配置される、プランジャまたはピストン32を含む。プランジャ32は、連結器34を含み得る。本シリンジプランジャ連結器34は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14がシリンジ外筒30内でシリンジプランジャ32を後退させることを可能にするように、ラム連結器22と相互作用またはインターフェースをとり得る。シリンジプランジャ連結器34は、ヘッドまたはボタン36bとともにシリンジプランジャ32の本体から延在する、シャフト36aの形態であり得る。しかしながら、シリンジプランジャ連結器34は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。
【0031】
概して、自動注入器10のシリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、対応するシリンジ28から流体を放出するように)少なくとも1つの方向に(シリンジ外筒30に対して)シリンジプランジャ32を移動または前進させることできるよう、任意の適切な様式で(例えば、機械的接触によって、(機械的または別様の)適切な連結によって)シリンジ28のシリンジプランジャ32と相互作用し得る。すなわち、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、同駆動源16の動作を介して)双方向運動が可能であり得るが、自動注入器10は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14の動作が、実際には、自動注入器10によって使用されている各シリンジプランジャ32を1つの方向にしか移動させないように、構成され得る。しかしながら、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、2つの異なる方向のそれぞれに(例えば、共通軸方向経路に沿った異なる方向に)、それぞれのそのようなシリンジプランジャ32を移動させることができるよう、自動注入器10によって使用されている各シリンジプランジャ32と相互作用するように構成され得る。
【0032】
シリンジプランジャ32の後退は、後続の注入または放出のために、シリンジ外筒30の中への流体の装填に適応するために利用され得、後続の注入または放出のために、または任意の他の適切な目的で、シリンジ外筒30の中へ流体を実際に引き込むために利用され得る。ある構成は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14がシリンジプランジャ32を後退させることができることを要求しなくてもよく、ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34が所望されなくてもよい。この場合、シリンジプランジャ駆動アセンブリ14は、(例えば、別の予充填されたシリンジ28が設置された後に)別の流体送達動作を実行する目的で後退させられ得る。ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34が利用される時でさえも、ラム20がシリンジプランジャ32を前進させて、シリンジ28から流体を放出する場合に、これらの構成要素は連結されてもされなくてもよい(例えば、ラム20が、単純にシリンジプランジャ連結器34、またはシリンジプランジャ32の近位端を直接「押し進め」てもよい)。ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34を連結状態または条件で配置するため、ラム連結器22およびシリンジプランジャ連結器34を非連結状態または条件で配置するため、または両方のために、任意の適切な寸法または寸法の組み合わせで、任意の単一の運動または運動の組み合わせが利用され得る。
【0033】
シリンジ28は、任意の適切な様式で、パワーヘッド12上に設置され得る。例えば、シリンジ28は、パワーヘッド12上に直接設置されるように構成することができる。図示された実施形態では、シリンジ28とパワーヘッド12との間にインターフェースを提供するように、筐体24がパワーヘッド12上に適切に搭載される。本筐体24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得る、アダプタの形態であり得、シリンジ28の少なくとも1つの構成は、任意のそのようなアダプタを使用することなく、パワーヘッド12上に直接設置することができる。また、筐体24は、シリンジ28の1つ以上の構成が設置され得る、面板の形態であり得る。この場合、面板は、パワーヘッド12上にシリンジ28を設置するために要求されるようなものであり得、面板なしでシリンジ28をパワーヘッド12上に設置することはできない。圧力ジャケット26が使用される場合、シリンジ28に関して本明細書で論議される種々の様式で、それがパワーヘッド12上に設置され得、次いで、シリンジ28は、その後、圧力ジャケット26の中に設置される。
【0034】
筐体24は、シリンジ28を設置する場合に、パワーヘッド12上に搭載され、パワーヘッド12に対して固定位置に留まり得る。別の選択肢は、シリンジ28の設置に適応するように、筐体24およびパワーヘッド12を移動可能に相互接続することである。例えば、筐体24は、双頭矢印Aを含む平面内で移動して、ラム連結器22とシリンジプランジャ連結器34との間で、連結状態または条件、および、非連結状態または条件のうちの1つ以上を提供し得る。
【0035】
1つの特定の自動注入器構成が、図2Aに図示され、参照数字40によって識別され、少なくとも概して、図1の自動注入器10に従う。自動注入器40は、携帯型スタンド48上に搭載されるパワーヘッド50を含む。自動注入器40用の一対のシリンジ86a、86bが、パワーヘッド50上に搭載される。流体が、自動注入器40の動作中にシリンジ86a、86bから放出され得る。
【0036】
携帯型スタンド48は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。スタンド48を携帯型にするために、車輪、ローラ、キャスタ等が利用され得る。パワーヘッド50は、携帯型スタンド48に対して固定位置で維持することができる。しかしながら、少なくとも何らかの様式で、パワーヘッド50の位置が携帯型スタンド48に対して調整可能となることを可能にすることが望ましいことがある。例えば、シリンジ86a、86bのうちの1つ以上の中へ流体を装填する場合に、携帯型スタンド48に対して1つの位置でパワーヘッド50を有すること、および注入手技の実施のために携帯型スタンド48に対して異なる位置でパワーヘッド50を有することが望ましいことがある。この点において、パワーヘッド50は、任意の適切な様式で(例えば、パワーヘッド50が少なくともある可動域を通して枢動させられ、その後、所望の位置で維持され得るように)携帯型スタンド48と移動可能に相互接続され得る。
【0037】
パワーヘッド50は、流体を提供するために任意の適切な様式で支持することができると理解されたい。例えば、携帯型構造上に搭載される代わりに、パワーヘッド50は、支持アセンブリと相互接続することができ、支持アセンブリは、順に、適切な構造(例えば、天井、壁、床)に搭載される。パワーヘッド50用の任意の支持アセンブリが、(例えば、1つ以上の他の支持セクションに対して位置付け直され得る、1つ以上の支持セクションを有することによって)少なくとも何らかの点で位置調整可能であり得、または固定位置で維持され得る。また、パワーヘッド50は、固定位置で維持されるよう、または支持アセンブリに対して調整可能となるよう、任意のそのような支持アセンブリと統合され得る。
【0038】
パワーヘッド50は、グラフィカルユーザインターフェースまたはGUI52を含む。本GUI52は、自動注入器40の動作の1つ以上の側面を制御する機能、自動注入器40の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集する機能、および(例えば、自動注入器40の動作と関連する)適切な情報を表示する機能のうちの1つ、または任意の組み合わせを提供するように構成され得る。また、自動注入器40は、それぞれ任意の適切な様式で(例えば、1つ以上のケーブルを介して)、パワーヘッド50と通信し得る、検査室の中または任意の他の適切な場所でテーブル上に配置されるか、または電子機器ラック上に搭載される、または両方であり得る、コンソール42および電力パック46を含み得る。電力パック46は、注入器40用の電力供給部、コンソール42とパワーヘッド50との間の通信を提供するためのインターフェース回路、遠隔コンソール、遠隔手動または足踏み制御スイッチ、または他の相手先ブランド製造業者(OEM)の遠隔制御接続(例えば、自動注入器40の動作が撮像システムのX線照射と同期化されることを可能にする)等の遠隔ユニットへの自動注入器40の接続を可能にするための回路、および任意の他の適切な構成要素のうちの1つ以上を、任意の適切な組み合わせで含み得る。コンソール42は、タッチスクリーンディスプレイ44を含み得、それは順に、操作者が自動注入器40の動作の1つ以上の側面を遠隔制御することを可能にする機能、操作者が自動注入器40の動作と関連する1つ以上のパラメータを入力/編集することを可能にする機能、操作者が自動注入器40の自動化動作のためのプログラムを特定し、記憶することを可能にする機能(後に、操作者による開始場合に、自動注入器40によって自動的に実行することができる)、および自動注入器40の動作と関連し、その動作の任意の側面を含む任意の適切な情報を表示する機能のうちの1つ以上を、任意の適切な組み合わせで提供し得る。
【0039】
パワーヘッド50とのシリンジ86a、86bの統合に関する種々の詳細を図2Bに提示する。シリンジ86a、86bのそれぞれは、同じ一般的構成要素を含む。シリンジ86aは、シリンジ外筒88a内で可動性に配置される、プランジャまたはピストン90aを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100a(図2A)に沿ったプランジャ90aの運動は、シリンジ86aのノズル89aを通して、シリンジ外筒88a内から流体を放出する。適切な導管(図示せず)が、典型的には、流体を所望の場所(例えば、患者)に向けるように、任意の適切な様式で、ノズル89aと流体的に相互接続される。同様に、シリンジ86bは、シリンジ外筒88b内で移動可能に配置される、プランジャまたはピストン90bを含む。パワーヘッド50の動作を介した、軸100b(図2A)に沿ったプランジャ90bの運動は、シリンジ86bのノズル89bを通してシリンジ外筒88b内から流体を放出する。適切な導管(図示せず)が、典型的には、流体を所望の場所(例えば、患者)に向けるために、任意の適切な様式でノズル89bと流体的に相互接続される。
【0040】
シリンジ86aは、中間面板102aを介して、パワーヘッド50と相互接続される。本面板102aは、シリンジ外筒88aの少なくとも一部を支持し、任意の追加機能性または機能性の組み合わせを提供/適応し得る、架台104を含む。台82aが、面板102aと界面接触するために、パワーヘッド50上に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。シリンジ86aに対するシリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバ56(図2C)の各部分である、ラム74(図2C)のラム連結器76は、パワーヘッド50上に搭載される場合、面板102aに近接して位置付けられる。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細を、図2Cに関して以下でより詳細に論議する。概して、ラム連結器76は、シリンジ86aのシリンジプランジャ90aと連結され得、次いで、ラム連結器76およびラム74(図2C)は、軸100a(図2A)に沿ってシリンジプランジャ90aを移動させるように、パワーヘッド50に対して移動させられ得る。それは、シリンジプランジャ90aを移動させ、シリンジ86aのノズル89aを通して流体を放出する場合に、ラム連結器76がシリンジプランジャ90aと係合されるが、実際には連結されないようなものであり得る。
【0041】
面板102aは、パワーヘッド50上に面板102aを搭載するとともに、パワーヘッド50上の台82aから面板102aを除去するように、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)軸100a、100bに対して直角である平面の少なくとも概して平面内で移動させられ得る。面板102aは、シリンジプランジャ90aを、パワーヘッド50上の対応するラム連結器76と連結するために使用され得る。この点において、面板102aは、一対のハンドル106aを含む。概して、シリンジ86aが最初に面板102a内に位置付けられると、ハンドル106aは、順に、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)軸100a、100bに対して直角である平面の少なくとも概して平面内でシリンジ86aを移動/平行移動させるように、移動させられ得る。ハンドル106aを1つの位置に移動させることにより、少なくとも概して下向きの方向に(面板102aに対して)シリンジ86aを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90aを、その対応するラム連結器76と連結する。ハンドル106aを別の位置に移動させることにより、少なくとも概して上向きの方向に(面板102aに対して)シリンジ86aを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90aを、その対応するラム連結器76から分断する。
【0042】
シリンジ86bは、中間面板102bを介して、パワーヘッド50と相互接続される。台82bが、面板102bと界面接触するために、パワーヘッド50上に配置され、パワーヘッド50に対して固定される。シリンジ86bに対するシリンジプランジャ駆動アセンブリ56の各部分である、ラム74(図2C)のラム連結器76は、パワーヘッド50に搭載される場合、面板102bに近接して位置付けられる。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関する詳細を、再度、図2Cに関して以下でより詳細に論議する。概して、ラム連結器76は、シリンジ86bのシリンジプランジャ90bと連結され得、ラム連結器76およびラム74(図2C)は、軸100b(図2A)に沿ってシリンジプランジャ90bを移動させるように、パワーヘッド50に対して移動させられ得る。それは、シリンジプランジャ90bを移動させ、シリンジ86bのノズル89bを通して流体を放出する場合に、ラム連結器76がシリンジプランジャ90bと係合されるが、実際には連結されないようなものであり得る。
【0043】
面板102bは、パワーヘッド50上に面板102bを搭載するとともに、パワーヘッド50上の台82bから面板102bを除去するように、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)軸100a、100bに対して直角である平面の少なくとも概して平面内で動かされ得る。面板102bはまた、シリンジプランジャ90bを、パワーヘッド50上の対応するラム連結器76と連結するために使用され得る。この点において、面板102bは、ハンドル106bを含み得る。概して、シリンジ86bが最初に面板102b内に位置付けられると、シリンジ86bは、その長軸100b(図2A)に沿って、面板102bに対して回転させられ得る。本回転は、ハンドル106bを動かすことによって、シリンジ86bを把持して旋回させることによって、または両方によって実現され得る。いずれの場合でも、本回転は、(それぞれ、シリンジプランジャ90a、90bの運動と関連し、図2Aに図示される)軸100a、100bに対して直角である平面の少なくとも概して平面内で、シリンジ86bおよび面板102bの両方を移動/平行移動させる。シリンジ86bを1つの方向に回転させることにより、少なくとも概して下向きの方向にシリンジ86bおよび面板102bを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90bを、その対応するラム連結器76と連結する。シリンジ86bを反対方向に回転させることにより、少なくとも概して上向きの方向にシリンジ86bおよび面板102bを移動/平行移動させて、シリンジプランジャ90bを、その対応するラム連結器76から分断する。
【0044】
図2Bに図示されるように、シリンジプランジャ90bは、プランジャ本体92と、シリンジプランジャ連結器94とを含む。本シリンジプランジャ連結器94は、プランジャ本体92から離間したヘッド96とともに、プランジャ本体92から延在するシャフト98を含む。ラム連結器76のそれぞれは、ラム連結器76の面上のより小型のスロットの後に位置付けられる、より大型のスロットを含む。シリンジプランジャ連結器94のヘッド96は、ラム連結器76のより大型のスロット内に位置付けられ、シリンジプランジャ連結器94のシャフト98は、シリンジプランジャ90bおよびその対応するラム連結器76が連結状態または条件である場合に、ラム連結器76の面上のより小型のスロットを通って延在し得る。シリンジプランジャ90aは、その対応するラム連結器76と界面接触するために、同様のシリンジプランジャ連結器94を含み得る。
【0045】
パワーヘッド50は、自動注入器40の場合では、シリンジ86a、86bから流体を放出するために利用される。すなわち、パワーヘッド50は、シリンジ86a、86bのそれぞれから流体を放出する原動力を提供する。シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャドライバとして特徴付けられ得るものの一実施形態が、図2Cに図示され、参照数字56によって識別され、シリンジ86a、86bのそれぞれから流体を放出するために、パワーヘッド50によって利用され得る。別個のシリンジプランジャ駆動アセンブリ56が、シリンジ86a、86bのそれぞれに対するパワーヘッド50に組み込まれ得る。この点において、図2A−Bを再度参照すると、パワーヘッド50は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ56のそれぞれを別個に制御する際に使用するための手動ノブ80aおよび80bを含み得る。
【0046】
最初に、図2Cのシリンジプランジャ駆動アセンブリ56に関して、その個々の構成要素のそれぞれは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。シリンジプランジャ駆動アセンブリ56は、出力シャフト60を有するモータ58を含む。駆動歯車62が、モータ58の出力シャフト60上に搭載され、それとともに回転する。駆動歯車62は、被駆動歯車64と係合されるか、または少なくとも係合可能である。本被駆動歯車64は、駆動ネジまたはシャフト66上に搭載され、それとともに回転する。それを中心として駆動ネジ66が回転する軸は、参照数字68によって識別される。1つ以上の軸受72が、駆動ネジ66を適切に支持する。
【0047】
台車またはラム74が、駆動ネジ66上に移動可能に搭載される。概して、1つの方向への駆動ネジ66の回転が、対応するシリンジ86a/bの方向へ駆動ネジ66に沿って(それにより、軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる一方で、反対方向への駆動ネジ66の回転は、対応するシリンジ86a/bから離れて駆動ネジ66に沿って(それにより、軸68に沿って)ラム74を軸方向に前進させる。この点において、駆動ネジ66の少なくとも一部の周囲は、ラム74の少なくとも一部とインターフェースをとる螺旋ネジ山70を含む。また、ラム74は、駆動ネジ66の回転中にラム74が回転することを可能にしない、適切なブッシング78内で移動可能に搭載される。したがって、駆動ネジ66の回転は、駆動ネジ66の回転方向によって決定される方向で、ラム74の軸方向移動を提供する。
【0048】
ラム74は、対応するシリンジ86a/bのシリンジプランジャ90a/bのシリンジプランジャ連結器94と取り外し可能に連結され得る、連結器76を含む。ラム連結器76およびシリンジプランジャ連結器94が適切に連結されると、シリンジプランジャ90a/bは、ラム74とともに移動する。図2Cは、シリンジ86a/bが、ラム74に連結されることなく、その対応する軸100a/bに沿って移動させられ得る構成を図示する。そのシリンジプランジャ90a/bのヘッド96がラム連結器76と整列されているが、軸68が依然として図2のオフセット構成にある状態で、シリンジ86a/bがその対応する軸100a/bにそって移動させられる場合、シリンジ86a/bは、それに沿ってラム74が移動する軸68に対して直角である平面内で平行移動させられ得る。このことは、上述の様式でラム連結器76とシリンジプランジャ連結器96との間で連結係合を確立する。
【0049】
図1および2A−Cの自動注入器10、40はそれぞれ、限定するものではないが、流体が対象(例えば、患者)に注入される医療撮像用途を含む、任意の適切な用途に使用され得る。自動注入器10、40の代表的な医療撮像用途は、限定するものではないが、コンピュータ断層撮影法またはCT撮像、磁気共鳴映像法またはMRI、単光子放射型コンピュータ断層撮影法またはSPECT撮像、陽電子放射型コンピュータ断層撮影法PET撮像、X線撮像、血管造影法、光学撮像、超音波撮像を含む。自動注入器10、40はそれぞれ、単独で、または1つ以上の他の構成要素と組み合わせて使用することができる。自動注入器10、40はそれぞれ、例えば、情報が自動注入器10、40と1つ以上の他の構成要素との間で伝えられ得るように(例えば、スキャン遅延情報、注入開始信号、注入速度)、1つ以上の構成要素と動作可能に相互接続され得る。
【0050】
限定するものではないが、単一ヘッド構成(単一のシリンジ用)および二重ヘッド構成(2つのシリンジ用)を含む、任意の数のシリンジが、自動注入器10、40のそれぞれによって利用され得る。多重シリンジ構成の場合は、各自動注入器10、40は、任意の好適な様式で、任意のタイミングシーケンスに従って、種々のシリンジから流体を放出し得る(例えば、2つ以上のシリンジからの連続放出、2つ以上のシリンジからの同時放出、またはそれらの任意の組み合わせ)。複数のシリンジが、(例えば、単一の注入部位に提供するために)共通導管の中へ放出し得、または1つのシリンジが、(例えば、1つの注入部位に提供するために)1つの導管の中へ放出し得る一方で、別のシリンジは、(例えば、異なる注入部位に提供するために)異なる導管の中へ放出し得る。自動注入器10、40のそれぞれによって利用される、それぞれのそのようなシリンジは、任意の適切な流体(例えば、医療流体)、例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、およびそれらの任意の組み合わせを含み得る。自動注入器10、40のそれぞれによって利用される、それぞれのそのようなシリンジは、任意の適切な様式で設置され得る(例えば、後方装填構成が利用され得る、前方装填構成が利用され得る、側面装填構成が利用され得る)。
【0051】
図2Aおよび2Bに戻ると、ワンド110の形態の通信デバイスは、自動注入器40に相互接続され得る。ワンド110は、関連付けられた制御電子機器とともに、自動注入器40を使用した患者への医療流体の注入と関連付けられ得る、様々なデータ記憶デバイスと通信するように動作可能であり得る。ワンド110は、様々なデータ記憶デバイスと通信するための任意の適切な技術を使用することができる。関連付けられた制御電子機器は、任意の適切な場所(例えば、ワンド110内および/またはパワーヘッド50内)に配置され得る。データ記憶デバイスは、RFIDタグ、バーコード、および/または他の種類の識別特徴を含む任意の適切な構造であり得る。そのようなデータ記憶デバイスは、注入プロセス中に使用される様々な構成要素上に配置され、および/またはそれに関連付けられ得る。したがって、ワンド110は、電磁的に適切なデータ記憶デバイスからデータを読み出すこと、および/または適切なデータ記憶デバイスにデータを書き込むことができる、電磁通信デバイスであり得る。例えば、ワンド110は、RFIDタグ通信デバイスであり得る。
【0052】
ワンド110は、手で保持され、ワンド110を様々なデータ記憶デバイスに近接して位置付けるように手動操作されるように動作可能であり得る。例えば、ワンド110のユーザは、ワンド110を、自動注入器40を使用して医療流体の注入を受ける患者と関連付けられた識別データ記憶デバイス(例えば、RFID識別ブレスレット)に近接するように移動させ得る。「ユーザ」は、患者に医療流体を注入するプロセスに関与し得る任意の適切な人物であり得る。したがって、ユーザは、画像化技術者、看護士、医者、および/または任意の他の適切な医療従事者を含み得る。手持ち方式で使用されていない時は、ワンド110は、図2A中破線で示される装着位置114でパワーヘッド50に取り付けられ得る。
【0053】
ワンド110は、任意の適切な様式でパワーヘッド50に動作可能に相互接続され得る。例えば、ワンド110は、配線112を介してパワーヘッド50に相互接続され得る。配線112は、ワンド110とパワーヘッド50との間でデータおよび/または電力を伝えるように動作可能であり得る。配線112は、任意の適切な形態であり得、また任意の適切な数の導体を含み得る。例えば、配線112は、複数の別個に絶縁された導電経路を含み得る、1つ以上のケーブルおよび/またはワイヤーハーネスを含み得る。配線112を介してパワーヘッド50に動作可能に相互接続されたワンド110は、読み出された(例えば、データ記憶デバイスから読み出された)データを記憶し、続いて任意の適切な時点でそのようなデータを配線112を介してダウンロードするように動作可能であり得る。
【0054】
一構成において、ワンド110は、無線通信デバイスであり得る。そのような構成の一実装において、ワンド110は、任意の適切な無線通信技術(例えば、Bluetooth、Wi−Fi)を使用して、パワーヘッド50と無線通信するように動作可能であり得る。そのような構成の別の実装において、ワンド110は、手持ち方式で使用されている間、読み出された(例えば、データ記憶デバイスから読み出された)データを記憶し、続いて、装着位置114でパワーヘッド50に取り付けられた場合に、そのようなデータをダウンロードするように動作可能であり得る。装着位置114に取り付けられた場合に、ワンド110は、機械的および/または通信によりパワーヘッド50に相互接続され得る。通信相互接続は、例えば、直接電気相互接続および誘導相互接続を含む、任意の適切な形態のものであり得る。無線構成では、ワンド110は、任意の適切な様式で電力供給され得る。装着されると、ワンド110は、例えば、直接電気相互接続および/または誘導結合を使用して、パワーヘッド50から電力を受け取るように動作可能であり得る。そのような受け取られた電力は、ワンド110のバッテリおよび/またはコンデンサを充電するために使用され得、これらは、次いで手持ち操作中にワンド110に電力供給するために使用され得る。
【0055】
ワンド110により走査され得るデータ記憶デバイスは、本明細書に記載の任意の部分、デバイス、および/または人物の上に配置および/またはそれらに関連付けられ得る。例えば、データ記憶デバイスは、ユーザの識別バッジ、患者の識別ブレスレット、使い捨て品(例えば、管類セット、カテーテル)、領域(例えば、患者の部屋)、医薬品、バルク液体容器(例えば、生理食塩水、造影剤)、パワーヘッド50、および/またはシリンジ86a/b(空または充填タイプの両方を含む)に取り付けられ、またはその一部であり得る。そのようなアイテムに対しては、ワンド110は、関連付けられたデータ記憶デバイスにワンド110が近接するように移動され得る。さらに、ワンド110は、装着された位置114にある場合に、注入プロセスにおいて使用される特定のアイテムを操作するように動作可能であり得る。例えば、装着された位置114にある場合に、ワンド110は、パワーヘッド50に設置されたシリンジ86aのRFIDタグを読み出すように、および/またはそれに書き込むように動作可能であり得る。
【0056】
本明細書において論議されるデータ記憶デバイスは、任意の適切な情報を含み得る。例えば、患者識別データ記憶デバイスは、患者の識別情報および追加情報、例えば薬物アレルギー、好ましい注入プロトコル、および/またはその他の情報を含み得る。別の例において、ユーザ識別バッジは、そのユーザにとって好ましい注入プロトコルを含み得る。
【0057】
図3は、シリンジ取付具124a/bを含む注入デバイス120の斜視図である。注入デバイス120は、上述のパワーヘッド50等のパワーヘッドの形態であり得る。注入デバイス120は、シリンジ140のプランジャ142と界面接触することができるシリンジプランジャドライバ126a/bを含み得る。注入デバイス120のシリンジプランジャドライバ126a/bは、注入デバイス120に関連付けられた電動駆動源を含み得る。
【0058】
シリンジ取付具124は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/または種類であり得る。例示された実施形態において、シリンジ取付具124a/bは、注入デバイス120上に適切に装着または他の様式で統合され、シリンジ140と注入デバイス120との間のインターフェースを提供する。シリンジ取付具124a/bの一部は、注入デバイス120に永久的に取り付けらるか、もしくはそれに組み込まれるか、または、少なくとも適正な用具を用いてその上に設置され得る。シリンジ取付具124a/bはまた、異なる構成のシリンジ140が注入デバイス120上に設置されることを可能にするアダプタの形態であり得る(例えば、アダプタは、異なるシリンジが使用され得るように、注入デバイス120上のシリンジインターフェース構造上に設置され得、1つのシリンジは注入デバイス120のシリンジインターフェース構造とともに使用され得、適切なアダプタが注入デバイス120上に設置さる場合には別のシリンジが使用され得る)。シリンジ取付具124a/bはまた、1つ以上の構成のシリンジ140が設置され得る面板の形態であり得、面板は、いかなる用具も必要なく注入デバイス120上に設置され得る。この場合、注入デバイス120上に任意のシリンジ140を設置するためには面板が必要となり、この場合シリンジ140は、面板なしに注入デバイス120上に設置することができない。
【0059】
シリンジ取付具124a/bは、注入デバイス120に取り外し可能に取り付けられ得る。シリンジ取付具124a/bは、図2Aから2Cを参照して上述したパワーヘッド50への面板102a/bの取り付けと同様に、注入デバイス120に取り付けおよび取り外され得る。図3の実施形態は、2つのシリンジ取付具124a/b:シリンジプランジャドライバ126aに取り付けられるシリンジ取付具124aと、シリンジプランジャドライバ126bに部分的に取り付けられるシリンジ取付具124bとを含む。一構成において、注入デバイス120は、単一のシリンジプランジャドライバ126a/bまたは3つ以上のシリンジプランジャドライバ126a/bを含み得る。一構成において、注入デバイス120のシリンジプランジャドライバ126a/bのそれぞれが、それに取り付けられたシリンジ取付具124a/bを有し得、または、注入デバイス120のシリンジプランジャドライバ126a/bの一部が、それに取り付けられたシリンジ取付具124a/bを有し得る。シリンジ取付具124a/bは、中間面板102a/bおよびシリンジ86aに関して上述した様式と同様の様式で、シリンジ140を保持または受け取るように動作可能であり得る。
【0060】
シリンジ取付具124aは、ワンド部128aと、基部130aとを含み得る。基部130aは、図2Aから2Cを参照して上述したパワーヘッド50への面板102a/bの取り付けと同様に、注入デバイス120に取り付けられるように動作可能であり得る。基部130aは、基部130aが注入デバイス120に取り付けられる場合に、通信により注入デバイス120に相互接続され得る。そのような相互作用は、基部130aの電気伝導経路と、注入デバイス120の対応する導電経路との間の直接的な電気相互接続(例えば、基部130が注入デバイス120に取り付けられた場合に、電気相互接続される、嵌合電気コネクタおよび/または接触)により達成され得る。別の例において、配線(図示せず)は、基部130aから延在し、注入デバイス120上の対応するコネクタに差し込まれるように動作可能であり得る。あるいは、基部130aは、基部130aが注入デバイス120に取り付けられる場合に、誘導結合を介して通信により注入デバイス120に相互接続され得る。任意の他の適切な種類の通信による相互接続が利用され得る。上述のように、シリンジ取付具124a/bは、シリンジ140を保持または受け取るように動作可能であり得る。この点において、シリンジ取付部124aのワンド部128aおよび/または基部130aは、シリンジ140がそれに装着されることを可能にする特徴を含み得る。
【0061】
ワンド部128aは、基部130aに取り付けられるように(例えば連結される)、および基部130aから取り外されるように動作可能であり得る。そのような取り付けおよび取り外しは、用具を使用することなく行うことができる(例えば、ワンド部128aは、手で基部130aに取り付け可能、および基部130aから取り外し可能であり得る)。ワンド部128aは、任意の適切な様式で、基部130aに取り付けられ得る。例えば、ワンド部128a上の溝が、基部130a上の対応する突出部材上に摺動し、適所にスナップ嵌めし得る。磁気結合および/またはラッチ等の他の方法を使用して、ワンド部128aを基部130aに固定し得る。
【0062】
ワンド部128aは、通信デバイス132aを含み得る。通信デバイス132aは、図2Aのワンド110を参照しながら上述した物等、患者への医療流体の注入に関連した様々な物体に取り付けられ得るデータ記憶デバイス134からデータを読み出すように、および/またはデータ記憶デバイス134にデータを書き込むように動作可能であり得る。例えば、通信デバイス132aは、RFIDタグの読み出しおよび/またはRFIDタグへの書き込みを行うことができるRFID通信デバイスであり得る。通信デバイス132aは、視野を有し得る。本明細書で使用されるように、「視野」という用語は、通信デバイス(例えば、ワンド部128aの通信デバイス132a、図2Aのワンド110)に近接した領域を指し、その領域内のデータ記憶デバイス134は、その通信デバイスと通信可能となる(例えば、データ記憶デバイス134がその通信デバイスにより読み出し可能であり、および/または通信デバイスは、データ記憶デバイス134に書き込むように動作可能となる)。
【0063】
基部130aに取り付けられると、ワンド部128aは、基部130aに機械的に相互接続されるだけでなく、電気的および/または通信により基部130aに相互接続され得る。ワンド部128aは、ワンド部128aが通信デバイス132aから得られたデータを基部130aに転送することができるように基部130aと通信するように動作可能であり得る。ワンド部128aはまた、基部130aからデータを受信し、そのようなデータを使用して、ワンド部128aの視野内のRFIDタグに書き込むように動作可能であり得る。ワンド部128aと基部130aとの間の通信による相互接続、および基部130aと注入デバイス120(上述)との間の通信による相互接続によって、ワンド部128aは、注入デバイス120と通信するように動作可能であり得る。基部130aに取り付けられると、ワンド部128aの通信デバイス132aの視野は、シリンジ取付具124a上に設置されたシリンジ140上のデータ記憶デバイス134の読み出しおよび/またはデータ記憶デバイス134への書き込みを行うことができるように配置され得る。
【0064】
ワンド部128aと基部130aとの間の通信は、任意の適切な様式で行うことができる。例えば、ワンド部128aが基部130aに取り付けられた場合に、2つの部分128a、130aは、各部分128a、130aの対応する組の接点を介して直接電気的に相互接続され得る。そのような構成は、図3のワンド部128bおよび基部130b上に図示されている。ワンド部128bは、一組の導電性部材146を含み、基部130bは、対応する一組の導電性部材148を含む。導電性部材146、148は、ワンド部128bが基部130bに装着された場合に、通信により相互接続されるように構成される。
【0065】
別の構成において、ワンド128aは、基部130aと無線通信するように動作可能であり得る。そのような無線通信は、任意の適切な技術を用いて、任意の適切な様式で行うことができる。例えば、そのような無線通信は、光学的手段を使用して行われ得る。別の実施例において、そのような無線通信は、ワンド部128aが基部130aに取り付けられた場合に、ワンド部128aと基部130aとの間の誘導結合により行われ得る。別の実施例において、そのような無線通信は、Bluetooth(登録商標)等のラジオ周波数(RF)無線通信システムを使用し得る。後者の実施例において、基部130aとワンド部128aとの間の無線通信は、ワンド部128aが基部130aから取り外された場合に、行われるように動作可能であり得る。
【0066】
ワンド部128aは、ワンド部128aに電力供給するように動作可能である電源を含み得る。電源は、例えば、ワンド部128a内に配置されるバッテリを含み得る。そのようなバッテリは、その電力が使い果たされた場合、取り外し、次いで交換および/または再充電する必要があり得る。別の配列において、シリンジ取付具124aは、ワンド部128aが基部130aに取り付けられた場合に、ワンド部128a内のバッテリを充電する能力を含み得る。この点において、注入デバイス120が基部130aに電力を供給し得、一方で基部130aは、それを介して電力が伝達されたワンド部128a内のバッテリを充電し得る、ワンド部128aへの直接的な電気相互接続を含み得る。あるいは、ワンド部128aと基部130aとの間のそのような電力伝達は、誘導結合を介して行われ得る。具体的な構成において、通信および電力の相互接続の両方が、無線により行われ得る。例えば、ワンド部128aと基部130aとの間の通信は、光学的またはRF手段を利用し得、一方で電力は、誘導結合を介して基部130aに送達され得る。別の実施例において、通信および電力は、ワンド部128aと基部130aとの間で同じ誘導結合により行われ得る。一構成において、ワンド部128aは、上述のバッテリの代わりに、充電されたコンデンサにより電力供給され得る。
【0067】
ワンド部128aは、基部130aから取り外された場合に、上述の様々なデータ記憶デバイス134(例えば、RFIDタグ)の読み出しおよび/またはそのデバイスへの書き込みを行うために使用され得る。ワンド部128aは、データ記憶デバイス134がワンド部128aの視野内に配置されるように、走査される様々なデータ記憶デバイス134に近接して移動され得る。1つの情報がワンド部128aにより走査され、情報は、すぐに無線リンクにより注入デバイス120にダウンロードされ得る。そのような無線リンクは、基部130aを介し得、または、注入デバイス120の無線通信モジュールに直接繋がってもよい。あるいは、走査された情報は、後にワンド部128aが基部130aに取り付けられた場合に、ダウンロードされるように、ワンド部128a内に一時的に記憶され得る。したがって、ワンド部128aは、走査された情報を記憶することができるメモリユニット144aを含み得る。ワンド部128bもまた、走査された情報を記憶することができるメモリユニット144bを含み得る。メモリユニット144a/bはまた、必要に応じて、様々なデータ記憶デバイス134への書き込みを行うために使用され得る。
【0068】
シリンジ取付具124bは、上述のシリンジ取付具124aと同様に構成され得る。図3に示すように、ワンド部128bは、基部130bから取り外され、読み出されるおよび/または書き込まれるアイテムのデータ記憶デバイス134が通信デバイス132bの視野内となるようにワンド部128bを操作することによって、ユーザ識別バッジ138および/または患者識別ブレスレット136を走査するために使用され得る。
【0069】
図3のシリンジ取付具124a/bの実施形態は二部品構成を利用しているが、シリンジ取付具124aの代替の実施形態において、シリンジ取付具124aは単一のデバイスであり得る。そのような実施形態において、注入デバイス120から離れたデータ記憶デバイス134の読み出しおよび/またはデータ記憶デバイス134への書き込みを行うためにシリンジ取付具124aを使用する場合に、全シリンジ取付具124aが、注入デバイス120から取り外され得る。そのような単一のデバイスは、上述した基部130aと注入デバイス120との間、および/またはワンド部128aと基部130aとの間の通信と同様に、注入デバイス120と通信し得る。
【0070】
ワンド部128aが基部130aに取り付けられた場合に、(または単一シリンジ取付具124a実施形態において)、シリンジ取付具124aは、それに設置されたシリンジ140を位置付け、および/または支持するように動作可能であり得る。この点において、シリンジ取付具124aは、前述した面板102a/bと同じ機能を実行し得る。さらに、前述の面板102a/bの様々な特徴が、シリンジ取付具124a/bに組み込まれ得る。また、設置されたシリンジ140内の流体を加熱するように動作可能なシリンジ加熱器等の追加の特徴が、シリンジ取付具124a/bに組み込まれ得る。
【0071】
シリンジ取付具124a上に取り付けられ、注入器120により使用されるシリンジ140は、任意の適切な種類の、任意の適切なデータ記憶技術(例えば、RFIDタグ)を使用する、1つ以上のデータ記憶デバイス134を含み得る。そのようなデータ記憶デバイス134は、内容物の種類、濃度、製造日および/もしくはロット、使用期限、充填日、充填体積ならびに/または任意の他の適切な情報等の情報を記憶可能であり得る。さらに、シリンジ140上のデータ記憶デバイス134は、通信デバイス132a/bによりその上に書き込まれた情報を有するように動作可能であり得る。任意の適切な数のデータ記憶デバイス134が、所与のシリンジ140と関連付けられ得る。データ記憶デバイス134は、シリンジ140上の任意の適切な場所に組み込まれ得る。
【0072】
図4は、図3の注入デバイス120の操作方法150のフローチャートである。方法150の第1のステップ152は、シリンジ取付具124aを注入デバイス120上に設置することであり得る。ステップ152は、例えば、シリンジ取付具124aの電気コネクタを注入デバイス120の対応するコネクタに差し込むことにより、シリンジ取付具124aを注入デバイス120に電気的に相互接続するステップをさらに含み得る。代替の実施形態において、シリンジ取付具124aと注入デバイス120との間の電気相互接続は、シリンジ取付具124aが注入デバイス120上に設置された場合に、行われ得る。
【0073】
次のステップ154は、注入デバイス120からワンド部128aを取り外すことであり得る。これは、基部130aからワンド部128aを分離するステップを含み得る。そのような分離は、注入デバイス120のユーザにより手で行われ得る。分離は、例えば、ワンド部128aと基部130aとの間の磁気的相互接続および/または機械的相互接続による保持力に打ち勝つのに十分な力で、ワンド部128aを基部130aから引き離すことにより達成され得る。一実施形態において、ラッチもしくはクランプを解除、および/またはボタンを押して、ワンド部128aを基部130aから分離し得る。
【0074】
次に、ユーザは、ワンド部128aを使用して、(例えば、注入を受ける患者が装着している)患者識別ブレスレット136に関連付けられたデータ記憶デバイス134を読み出し得る。一般に、本方法150は、ワンド部128aで特定のアイテムからデータを読み出すことに関して説明される。本方法150において説明される全ての読み出しステップは、説明された読み出しと組み合わせて、または説明された読み出しの代わりに特定のアイテムにデータを書き込むステップを含み得る。ステップ156は、ワンド部128aを患者識別ブレスレット136に近接して位置付けるステップを組み込み得る。ワンド部128は、電磁的に適切なデータ記憶デバイス134からデータを読み出すこと、および/または適切なデータ記憶デバイス134にデータを書き込むことができる、電磁デバイスの形態であり得る。この点において、ワンド部128aは、患者識別ブレスレット136に相互接続されたRFIDタグ134を読み出すように操作可能であり得る。ワンド部128aは、患者識別ブレスレット136の読み出しの成功を示すために、可聴音を発し得る。ワンド部128aによる読み出しの成功の他の指示器、例えばワンド部128a上の光等を、可聴音に加えて、またはその代わりに使用し得る。ワンド部128aは、患者識別ブレスレット136から読み出されたデータを、メモリユニット144aに記憶し得る。データ読み出しは、患者名、患者識別番号、患者の薬物アレルギー、好ましい注入プロトコル、および/または任意の他の適切な情報を含み得る。ワンド部128aが無線通信能力を含む一実施形態において、ワンド部128aは、患者識別ブレスレット136から読み出されたデータを、すぐに基部130aおよび/または注入デバイス120に無線により伝送し得る。
【0075】
次のステップ158は、ユーザ識別バッジ138に関連するデータ記憶デバイス134を読み出すためにワンド部128aを使用することであり得る。これは、図3に例示されるように、ユーザ識別バッジ138に近接してワンド部128aを移動させることによって実施され得る。ユーザ識別バッジ138から読み出される情報は、ユーザ名および/または他のユーザ識別子、ユーザに好ましい注入プロトコル、および/または、任意の他の適切な情報を含み得る。読み出された情報は、局所に格納されるか、および/または、ステップ158中に読み出された情報とともに伝送され得る。この情報は、注入デバイス120の無許可の作動を防ぐために使用され得る。
【0076】
この後に、ワンド部128aを使用して、注入プロセスにおいて使用される使い捨て品に取り付けられた、および/または関連付けられたデータ記憶デバイスを読み出すステップ160が続き得る。そのような使い捨て品は、例えば、管類セットおよびカテーテルを含み得る。使い捨て品から読み出された情報は、部品番号、製造情報、性能特性(例えば、最大圧力定格)、および/または任意の他の適切な情報を含み得る。読み出された情報は、ローカルに記憶され得、および/または、例えばステップ156中に読み出された情報とともに伝送され得る。
【0077】
ステップ156、158および160を参照しながら説明されたものの他に、追加的なアイテムが使用者によりワンド部128aを使用して読み出され得る。そのようなアイテムは、医薬品、存在する追加要員の識別バッジ、および/または任意の他の適切なものを含み得る。さらに、ワンド部128aにより様々なアイテムが読み出される上述の順番は、変更され得る。さらに、特定の注入プロセスにおいては、ワンド部128aによりアイテムを読み出す上述のステップの全てが実行される必要があるわけではない。
【0078】
読み出しステップ156、158および160が完了した後、次のステップ162は、ワンド部128aを注入デバイス120に連結することがであり得る。これは、ワンド部128aを基部130aに取り付けるステップを伴い得る。次のステップ164は、ワンド部128aを基部130aおよび/または注入デバイス120に登録することであり得る。ワンド部128aをする登録するステップは、ワンド部128aと基部130aおよび/または注入デバイス120との間の通信リンクを確立するステップを伴い得る。ワンド部128aを登録するステップはまた、ワンド部128aが基部130aに対する正しいワンド部128aであることを確認し得る。登録されると、次のステップ166が実行され得る。ステップ166は、ステップ156、158および160中にワンド部128aにより読み出されたデータを、ワンド部128aから基部130aおよび/または注入デバイス120にダウンロードするステップを含み得る。連結されると、ワンド部128aは、基部130aから電力を引き出して、ワンド部128aのエネルギー貯蔵デバイス(例えば、バッテリ)を充電し得る。
【0079】
次のステップ168は、シリンジ取付具124aにシリンジ140を設置することであり得る。シリンジ140を設置するステップは、シリンジ140のプランジャ142をシリンジプランジャドライバ126aに相互接続するステップを含み得る。接続されると、注入デバイス120は、シリンジ140のプランジャ142を駆動する(例えば、前進させるおよび/または引き込む)ように動作可能であり得る。ステップ168はまた、管類セット等の任意の適切な使い捨て品を、シリンジ140に相互接続するステップを含み得る。
【0080】
次のステップ170は、ワンド部128aが基部130aに取り付けられている間、ワンド部128aがシリンジ140のデータ記憶デバイス134を読み出すことであり得る。この点において、シリンジ140は、シリンジ140のデータ記憶デバイス134がワンド部128aの通信デバイス132aの視野内にあるように、シリンジ取付具124a上に搭載され得る。シリンジ140のデータ記憶デバイス134から読み出されたデータは、注入デバイス120に転送され得る。
【0081】
ワンド部128aからデータがダウンロードされ、シリンジ140のデータ記憶デバイス134が読み出されたら、次のステップ172は、データの完全性を検証することであり得る。そのような検証は、データの様々な部分が整合していることを確認する形態をとり得る。例えば、シリンジ140上のデータ記憶デバイス134は、シリンジ140の使用が意図される患者に関する情報を含み得る。このデータは、正しい医療流体が正しい患者に投与されていることを確認するために、患者識別ブレスレット136から得られた患者の識別情報と比較され得る。ステップ172はまた、ステップ174において得られた注入プロトコルを検証するステップを含み得る。
【0082】
注入プロトコルを得るステップ174は、様々な手法で行われ得る。例えば、注入プロトコルは、ユーザ識別バッジ138内に存在し得、ステップ158のユーザ識別バッジ138の読み出し中にダウンロードされ得る。あるいは、注入プロトコルは、患者の識別ブレスレット136内に存在し得、ステップ156の患者識別ブレスレット136の読み出し中にダウンロードされ得る。そのようなプロトコルは、例えば処方する医者によって、患者識別ブレスレット136上にロードされ得る。
【0083】
別の実施形態において、注入デバイス120は、複数の注入プロトコルを含み得、ユーザは、複数の注入プロトコルから、使用する注入プロトコルを選択し得る。そのような選択は、ユーザが注入プロトコルを手動で選択する形態(例えば、注入デバイス120のGUI122を使用して)をとってもよく、または、例えば、ユーザ(例えば、ステップ158のユーザ識別バッジ138の読み出し中に得られる)および/または注入される液体(例えば、ステップ170のシリンジ140の読み出し中に得られる)に基づいて、注入デバイス120は、注入プロトコルを自動的に選択し得る。データの完全性を検証するステップ172はまた、選択されたプロトコルの側面(例えば、流速および圧力)が、注入プロセス中に使用される使い捨て品(例えば、管類セットおよび/またはカテーテル)に適切であることを検証するステップを含み得る。データの完全性を検証するステップ172はまた、ユーザ、シリンジ140内の医療流体、および患者の全てが、選択された注入プロトコルに適切であることを検証するステップを含み得る。
【0084】
ステップ172のデータの完全性の検証は、間違った医薬品を患者に注入する可能性、期限切れの医療流体を患者に注入する可能性、ならびに/または、特定の患者および/もしくはシリンジに対し間違ったプロトコルを使用する可能性を低減する上で有用となり得る。さらに、そのような情報は、ワンド部128aにより読み出される本明細書に記載の任意の他の情報とともに、注入プロトコルの実行におけるその役割に追加的な目的で使用され得る。例えば、そのような情報は、インベントリの追跡、請求書の追跡、機器性能の追跡、患者注入履歴の追跡、および/またはユーザ活動の追跡に使用され得る。方法150の間、注入デバイス120はまた、注入手順に関連した情報を得るため、検証するため、および/またはアップロードするために、ローカルネットワーク(例えば、病院のネットワーク)とインターフェースをとり得る。
【0085】
次のステップ176は、注入プロトコルを実行することであり得る。注入プロトコルの一部として、またはその実行の前に、注入デバイス120および取り付けられた管類は、空気が排除され、患者に流体的に相互接続され得る(例えば、管類セットおよびカテーテルを介して)。そのような排除後に、注入デバイス120は、注入プロトコルに従って医療流体を患者に注入し得る。
【0086】
シリンジ取付具124a上に設置された単一のシリンジ140からの医療流体の注入に関して、方法150を上で説明した。方法150の別の実装において、第2のシリンジがシリンジ取付具124b上に設置され得る。例えば、シリンジ取付具124a上に設置されたシリンジ140は造影剤で充填され得、一方でシリンジ取付具124b上に設置された第2のシリンジは生理食塩水で充填され得る。注入プロトコルは、生理食塩水および造影剤の両方の注入を必要とし得る。注入プロトコルが2つの別個のシリンジからの医療流体の注入を必要とする場合、各シリンジ取付具124a/bは、そのそれぞれのシリンジ取付具124a/b上に設置されたシリンジのデータ記録デバイス134を読み出し得る。様々な構成要素を読み出すためにシリンジ取付具124aのワンド部128aがその基部130aから取り外される先行する読み出しステップにおいて、ワンド部128aおよび/またはワンド部128bは、そのような読み出しステップを完了するために使用され得る。
【0087】
本発明の上述の説明は、例証および説明のために提示されている。さらに、本説明は、本発明を本明細書で開示される形態に限定することを目的としない。その結果として、変形例および修正は、上述の教示に相応であり、関連技術の技能および知識は、本発明の範囲内である。上述で説明される実施形態はさらに、本発明を実践する公知の最良のモードを説明すること、およびそのような実施形態または他の実施形態で、かつ本発明の特定の用途または使用法によって必要とされる種々の修正とともに、当業者が本発明を利用できるようにすることを目的とする。添付の請求項は、従来技術によって可能となる程度で、代替実施形態を含むと解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療流体送達システムであって、
注入デバイスであって、
シリンジプランジャドライバであって、電動式駆動源を備えるシリンジプランジャドライバと、
シリンジ外筒と、該シリンジ外筒に対して移動可能に配置されるシリンジプランジャとを備えるシリンジであって、該シリンジプランジャドライバは、該シリンジプランジャと相互作用して、該シリンジプランジャを該シリンジ外筒に対して少なくとも第1の方向に移動させ、該シリンジは、データ記憶デバイスを備える、シリンジと
を備える注入デバイスと、
該注入デバイスに対して、取り付けられた状態および取り外された状態のそれぞれで配置可能な通信デバイスであって、該通信デバイスは、視野を備え、該視野内のデータ記憶デバイスは、該通信デバイスと通信可能であり、該取り付けられた状態の該通信デバイスは、該シリンジデータ記憶デバイスが該視野内にあるように配置される、通信デバイスと
を備える、医療流体送達システム。
【請求項2】
前記通信デバイスは、電磁通信デバイスを備える、請求項1に記載の医療流体送達システム。
【請求項3】
前記通信デバイスは、RFID通信デバイスを備える、請求項1〜2のうちのいずれか1項に記載の医療流体送達システム。
【請求項4】
前記通信デバイスは、読み出し機能および書き込み機能のうちの少なくとも1つを備える、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の医療流体送達システム。
【請求項5】
前記取り外された状態において、前記通信デバイスは、前記視野が患者のデータ記憶デバイスおよび前記医療流体送達システムの操作者のデータ記憶デバイスのうちの少なくとも1つの周囲に配置可能であるように移動可能である、請求項1〜4のうちの少なくとも1項に記載の医療流体送達システム。
【請求項6】
前記通信デバイスは、前記シリンジデータ記憶デバイス、前記患者のデータ記憶デバイス、および前記操作者のデータ記憶デバイスのうちの少なくとも1つに、データを書き込むように動作可能である、請求項5に記載の医療流体送達システム。
【請求項7】
前記通信デバイスは、該通信デバイスが前記取り外された状態にある場合に、該通信デバイスに電力供給するように動作可能な電源を備える、請求項1〜6のうちの少なくとも1項に記載の医療流体送達システム。
【請求項8】
前記通信デバイスは、
メモリユニットであって、該通信デバイスが前記取り外された状態である場合に、該通信デバイスにより受信されたデータを記憶するように動作可能である、メモリユニットと、
通信インターフェースであって、該通信デバイスは、該通信デバイスが前記取り付けられた状態である場合に、該記憶されたデータを、該通信インターフェースを介して前記注入デバイスに送信する、通信インターフェースと
を備える、請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の医療流体送達システム。
【請求項9】
前記通信インターフェースは、少なくとも1つの電気接点を備える、請求項8に記載の医療流体送達システム。
【請求項10】
前記通信デバイスおよび前記注入デバイスに相互接続される配線をさらに備え、該通信デバイスは、該配線を介して該注入デバイスと通信するように動作可能である、請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載の医療流体送達システム。
【請求項11】
前記通信デバイスは、シリンジ取付具を備える、請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載の医療流体送達システム。
【請求項12】
前記注入デバイスは、シリンジ受け取り部を備え、該シリンジ受け取り部は、前記通信デバイスを備える、請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載の医療流体送達システム。
【請求項13】
前記通信デバイスは、RFIDタグを読み出すように動作可能である、請求項1〜12のうちのいずれか1項に記載の医療流体送達システム。
【請求項14】
医療流体送達システムの操作方法であって、
通信デバイスで第1のデータ記憶デバイスを読み出すステップであって、該通信デバイスを該第1のデータ記憶デバイスに近接して手動操作するステップを含む、読み出すステップと、
該第1のデータ記憶デバイスを読み出すステップの後に、該通信デバイスを注入デバイスに取り付けるステップと、
該取り付けるステップの後に、該注入デバイスにシリンジを設置するステップであって、該シリンジは、シリンジデータ記憶デバイスを備える、ステップと、
該シリンジが該注入デバイス上に設置されている間に、かつ、該通信デバイスが該注入デバイスに取り付けられている間に、該通信デバイスで該シリンジデータ記憶デバイスを読み出すステップと
を含む方法。
【請求項15】
前記第1のデータ記憶デバイスは、患者に取り付けられ、前記第1のデータ記憶デバイスを読み出すステップは、前記通信デバイスを該患者に近接して移動させるステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記患者データ記憶デバイスを読み出すステップの前に、前記注入デバイスから前記通信デバイスを取り外すステップをさらに備える、請求項14〜15のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記通信デバイスで管類にセットされたデータ記憶デバイスを読み出すステップをさらに含む、請求項14〜16のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記管類にセットされたデータ記憶デバイスを読み出すステップ中に読み出されたデータに基づき、圧力制限を設定するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記取り付けるステップの前に、前記患者データ記憶デバイスを読み込むステップ中に取得されたデータを、前記通信デバイスに記憶するステップをさらに含む、請求項14〜18のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記通信デバイスが前記注入デバイスに取り付けられている間に、該通信デバイスのバッテリを再充電するステップをさらに含む、請求項14〜19のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記シリンジからの医療流体が患者への注入に適切であることを検証するステップをさらに含み、該検証するステップは、前記患者データ記憶デバイスおよび前記シリンジデータ記憶デバイスから読み出されたデータを考慮する、請求項14〜20のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記通信デバイスから前記注入デバイスにデータを無線で転送するステップをさらに含む、請求項14〜21のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記取り付けるステップは、少なくとも1つの導電経路を介して前記通信デバイスを前記注入デバイスに相互接続するステップを含む、請求項14〜21のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記通信デバイスが前記注入デバイスに取り付けられている間に、該通信デバイスから該注入デバイスにデータを転送するステップをさらに含む、請求項14〜23のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記通信デバイスで操作者データ記憶デバイスを読み出すステップをさらに含む、請求項14〜24のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記操作者データ記憶デバイスを読み出すステップは、該操作者データ記憶デバイスから前記通信デバイスに注入プロトコルをダウンロードするステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記操作者データ記憶デバイスから得られたデータに少なくとも部分的に基づき、前記注入デバイスに存在する複数の注入プロトコルから、注入プロトコルを選択するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記シリンジから医療流体を放出するように、前記注入プロトコルを実行するステップをさらに含む、請求項26〜27のうちのいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−523277(P2012−523277A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504739(P2012−504739)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/029899
【国際公開番号】WO2010/117923
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511215045)マリンクロッド エルエルシー (12)
【Fターム(参考)】