説明

FSNLでのウィンデージ加熱を軽減するための流れ供給源を変化させる方法及び装置

【課題】全速無負荷で運転しているタービン(10)でタービン(10)の高圧セクションの排気口での流れが大きく減少した時にウィンデージ加熱の問題を軽減するための方法及び装置を開示する。
【解決手段】排熱回収ボイラ(16)の異なる圧力レベルをタービン(10)の入力に連結する弁(24,30,32,33,34)は、異なる圧力レベルに由来する蒸気を混合して、タービン(10)の入口(22)及び排気出力(14)で所望の蒸気状態を形成するように調整され、それにより既存の蒸気通路ハードウェアを使用して、配管コストを低減することができる。単段圧HRSG(16)の場合の別の実施形態では、高圧飽和蒸気が、HRSG蒸発器(36)から抽出され次に制御弁を通る時に一瞬で過熱蒸気にされ、次にこの過熱蒸気を用いて、タービン(10)の入口(22)及び排気出力(14)で所望の蒸気状態を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気タービンに関し、具体的には、全速無負荷(FSNL)運転時のタービンの排気口でのウィンデージ加熱による高い蒸気温度を回避する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
排熱回収ボイラ(HRSG)は、高温ガス流から熱を回収する熱交換器である。HRSGで発生した蒸気はプロセスに使用することもできるし、蒸気タービンの駆動にも使用できる。HRSGの一般的用途は複合サイクル発電所におけるものであり、ガスタービンからの高温排気をHRSGに供給して蒸気を発生させ、その蒸気で蒸気タービンを駆動する。HRSGは、大抵は、LP(低圧)セクションと、再熱/IP(中圧)セクションと、HP(高圧)セクションとの3つのセクションからなる。各セクションは蒸気ドラムと、水を蒸気に変換する蒸発器セクションとを有している。蒸気は次いで、その温度及び圧力を飽和点を超えるまで高めるため過熱器に流される。「低圧」とは、例えば大気圧未満、大気圧、又は大気圧を大きく上回らない圧力として定義でき、「高圧」とは、例えば大気圧を大幅に上回る圧力として定義することができる。「中圧」は、これら2つのレベルの中間である。
【0003】
図1は、従来技術の多段(図示せず)式の高圧(HP)複流非復水式(DFNC)タービン10の概略図である。タービン10は、入口22と、2つの高圧セクション13,15と、2つの排気出力12,14とを有するケーシング11を備える。タービン10には、高圧セクション18と中圧セクション20とを有する2段圧排熱回収ボイラ(HRSG)16が連結されている。排熱回収ボイラで通例みられるように、HRSG16は、高温ガス流(図示せず)から熱を回収して、蒸気タービン10の駆動に用いられる蒸気を発生する。この蒸気は、HRSG16とパイプライン23で連結した入口22からタービン10に供給される。
【0004】
タービン10は、全速無負荷(FSNL)で運転されると、その入口22で非常に高温となり、排気出力12,14での排気温度はほぼ同じ値となる。排気出力12,14は、パイプライン25を通して弁24に連結される。排気圧力は弁24で制御され、一定値に設定される。
【0005】
典型的タービン状態は、タービンを使用する顧客のニーズに応じて決まる。そのため、例えば、タービン10を脱塩プラント用途に使用する場合には、タービン10は、約1015°Fの入口温度、約980°Fの排気温度、約40〜50psia(ポンド−力/平方インチ絶対すなわちゲージ圧力プラス局所大気圧)の排気圧、及び約1400psia〜40psiaの全負荷での入口と排気口間の圧力降下を有し、大きな膨張ラインを形成する。膨張ラインは、所定の圧力比でのタービン効率の熱力学的尺度である。入口状態と排気口状態との間の最大エネルギー差(Δ)が、最高効率である。各設計は、所定の圧力比について最適化される。異なる圧力比が適用されると、効率はもはや最適なものではなくなる。最悪のケースがFSLOである。この負荷では、圧力比及び膨張ラインはその最小値まで下がり、効率も最低となる(つまり、入口エネルギーと排気口エネルギーがほぼ同じである)。そのため、入口から排気口まで高温となる。排気出力12,14から出る「プロセス蒸気」は、通例、追加のパイプライン27によって弁24に連結され顧客によって操作されるある種のプロセスに使用される。
【0006】
パイプライン27には、HRSG16の中圧セクション20と連結したパイプライン21も連結される。ライン21は顧客プロセスに用いられ、蒸気タービン10での動力発生には使用されない。脱塩プラントには、プロセスへの正確な蒸気状態が必要とされるものも存在するが、蒸気タービン排気口状態は、製造、設置及び運転などのため予測状態から大きく変動することがある。こうした場合に、ライン21を用いて、全負荷又は通常作動での蒸気排気流と混合することによって所定の状態を達成する。FSNL時には、ライン21は、脱塩プロセスには必要とされず(脱塩プロセスは高負荷で確立される)、蒸気タービン入口への「冷却」として使用できる。入口温度が低いと、HP蒸気と比較して、排気口温度が低くなる。FSNL時には、両方の蒸気発生(HP及びIP)が利用できる。
【0007】
タービン10が全速無負荷で運転されると、蒸気の流れは、HPセクション13,15の排気出力12,14で大幅に減少し、圧力は、タービン10内の前段にフィードバックし始める。この圧力のフィードバックの結果として、タービンの前段は最終的には排気出力12,14とほぼ同じ圧力(すなわち、〜40psia)となり、タービン10全体で蒸気の流れが起こらなくなってしまう。極度に短い膨張ラインのためウィンデージ加熱だけが起こり、タービン10の段は高温に暴露されるようになり、そうした高温によるハードウェア損傷を起こしかねない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の例示的な実施形態では、タービンの全速無負荷運転時のウィンデージ加熱によるタービン排気口での高い蒸気温度を低下させるための装置は、入口と排気出力とを有するタービンと、タービンの全速無負荷運転時のウィンデージ加熱が起きている時のタービン内の第2の蒸気圧力よりも低い第1の圧力を有する蒸気の発生源にしてタービン入口と連結した1以上の蒸気発生源を備える排熱回収ボイラと、1以上の蒸気発生源からタービン入口への蒸気の流れを制御するため調整可能な1以上の流れ制御装置とを含んでおり、1以上の流れ制御装置は、タービン入口に第1の低圧蒸気を入力して、タービン排気出力での第2の蒸気状態よりも圧力及び温度の低い第1の蒸気状態をタービン入口で形成して、ウィンデージ加熱によるタービン排気出力での高い蒸気温度を低下させるように調整される。
【0009】
本発明の別の例示的な実施形態では、タービンの全速無負荷運転時のウィンデージ加熱によるタービン排気口での高い蒸気温度を低下させるための装置は、入口と一段以上の1以上の高圧セクションと1以上の排気出力とをを有するケーシングを備えるタービンと、タービンの全速無負荷運転時のウィンデージ加熱が起きている時のタービン内の第2の蒸気圧力よりも低い第1の圧力を有する蒸気の発生源にしてケーシング入口と連結した1以上の蒸気発生源を備える排熱回収ボイラと、1以上の蒸気発生源からケーシング入口への蒸気の流れを制御するため調整可能な1以上の弁とを含んでおり、この1以上の弁は、ケーシング入口に第1の低圧蒸気を入力して、ケーシング排気出力での第2の蒸気状態よりも圧力及び温度の低い第1の蒸気状態をケーシング入口で形成して、ウィンデージ加熱によるケーシング排気出力での高い蒸気温度を低下させるように調整される。
【0010】
本発明のさらに別の例示的な実施形態では、タービンの全速無負荷運転時のタービンの排気口でのウィンデージ加熱による高温を低下させる方法は、入口と排気出力とを有するタービンを準備するステップと、タービンの全速無負荷運転時のウィンデージ加熱が起きている時のタービン内の第2の蒸気圧力よりも低い第1の圧力を有する蒸気の発生源にしてタービン入口と連結した1以上の蒸気発生源を備える排熱回収ボイラを準備するステップと、1以上の蒸気発生源からタービン入口への蒸気の流れを制御するため調整可能な1以上の流れ制御装置を準備するステップと、タービン入口に第1の低圧蒸気を入力して、タービン排気出力での第2の蒸気状態よりも圧力及び温度の低い第1の蒸気状態をタービン入口で形成して、ウィンデージ加熱によるタービン排気出力での高い蒸気温度を低下させるように1以上の流れ制御装置を調整するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】2段圧排熱回収ボイラに連結され全速無負荷状態下で作動する複流高圧多段タービンの概略図。
【図2】タービンの入口及び排気口蒸気状態を弁を調整して制御する図1のタービンの概略図。
【図3】蒸気が蒸発器から抽出され蒸気が過熱蒸気にフラッシュ蒸発するように弁を調整して制御する図1のタービンの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、全速無負荷で運転されるタービン内の流れが高圧セクションの排気口で大幅に減少した時のウィンデージ加熱による高い蒸気温度の問題を軽減する。この流れの減少により、圧力が前段にフィードバックし始め、その結果として前段が排気口と同じ圧力になり、タービン全体で流れが起こらなくなる。それによって、タービンの幾つかの段は、高温に暴露される。ウィンデージは回避することはできないが、その悪影響は低温蒸気を入力することによって抑制することができる。本発明は、システムレベルで、単段圧HRSG用の蒸発機又は多段圧HRSG用の低圧蒸気発生源からの低温蒸気を使用し、HRGSの各部分から出る蒸気状態が、既存の蒸気通路ハードウェアを使用して配管コストを低減することができる所望の入口及び排気口温度に設定されるようにする。本発明の一実施形態では、蒸気は、温度の低い別の位置から取り込まれ配管でタービン入口へと送給される。
【0013】
3段圧HRSGは主に発電に用いられる。単段圧又は2段圧HRSGは脱塩プラントでよくみられる。なお、全速無負荷運転時のタービンの排気口でのウィンデージ加熱による高い蒸気温度を回避するための本発明の方法及び装置は、あらゆる多段圧HRSG設計で役立つ。実際には、中圧段からの蒸気発生だけでなく、あらゆる低圧蒸気発生で役立つ。単段圧HRSG設計では、蒸気タービン入口に送給される蒸気は、HRSG蒸発器から直接抽出することができ、過熱器が、タービン入口に低い蒸気温度を供給する役割を果たす。図2及び図3に、本発明を実施することができる2通りの実施形態を示す。
【0014】
上述したように、図2は、全速無負荷状態下で作動する図1のタービン10の概略図であるが、タービンの入口及び排気口状態を弁によって制御する。従って、図1と同様に、図2は、多段式の複流高圧非復水式タービン10を示す。タービン10は、入口22と、2つの高圧セクション13,15と、弁24とパイプライン25で連結した2つの排気出力12,14とを有するケーシング11を含む。
【0015】
専ら説明の便宜上、図2では、タービン10は、高圧セクション18と中圧セクション20とを有する2段圧HRSG16と連結したものとして示してある。しかし、HRSG16は、3段圧以上の多段圧HRSGとすることもできる。図2に示す本発明の実施形態では、2段圧HRSG16は、タービン10とパイプライン23で直接連結してはいない。各圧力セクション18及び20はそれぞれ別個のパイプライン26及び28と連結しており、パイプライン26及び28はそれぞれ弁30及び32に連結される。パイプライン26及び28は次いで主パイプライン23に接合され、主パイプラインは、入口22からタービン10に入る。パイプライン23には、さらに弁34が含まれている。
【0016】
図2には、パイプライン21も示してあり、顧客ライン27(蒸気タービン排気口の下流)から蒸気タービン入口22まで別の経路をなしている。ライン21及びライン28は「Y」継手を介して入口22と連結し、両ラインとも制御弁と連結している。FSNLから約10%蒸気タービン負荷でライン28の制御弁32は開いているが、ライン21の制御弁33は閉じている。10%を超える負荷で、ライン28の制御弁32を閉じ、ライン21の制御弁33を開く。
【0017】
タービン10の全速無負荷運転時に、弁30及び32を調整することによって、HRSG16の高圧及び中圧セクション18及び20に由来する蒸気を混合して、入口22でタービン10に流入する際に所要の蒸気状態を生じさせる。こうした高圧及び中圧セクション18及び20に由来する蒸気の混合によって、低温蒸気をタービン10に流入させることができる。高圧及び中圧セクション18及び20に由来する蒸気の混合によって入口22で生成した蒸気状態は、ひいては、タービン10の排気出力12,14での好ましい蒸気状態を生じる。この蒸気温度の低下によって、全速無負荷作動時のタービン10の排気出力12,14でのウィンデージ加熱の悪影響を回避できる。すると、排気出力12,14に炭素鋼管を使用することができ、高温での取扱いに必要とされる高価な配管ではなくかかる配管を使用できるのでコストが削減される。
【0018】
水の温度は、水が沸騰する温度である飽和点に達するまで熱エネルギーを水に加えることによって上昇させることができる。沸点では、水は「飽和蒸気」と呼ばれる。水がすべて蒸発した後に水に熱を加え続けると、蒸気温度は上昇する。このときの蒸気は「過熱状態」と呼ばれ、この「過熱蒸気」は、その圧力での飽和蒸気の温度を上回る任意の温度にすることができる。
【0019】
図2に示す本発明の実施形態の別の作動状態では、IPセクション20からの蒸気を圧力降下によってフラッシュ蒸発して過熱蒸気とし、タービン10に流入する際に所望の蒸気状態を生成する。この構成では、HRSG16のHPセクション18をパイプライン23及びタービン10の入口22に連結するために用いられる弁30は閉じられる。弁30を閉じて、HPセクション18からの高圧蒸気を遮断し、IPセクション20からの二次レベル蒸気が開放弁32を通して入口22からタービン10に流入できるようにする。IPセクション20からの二次レベル蒸気は過熱器を用いてフラッシュ蒸発させて過熱蒸気とし、タービン10の入口22及びその後の排気出力12,14で低温の蒸気状態を生成するが、これによってタービン10の排気口でのウィンデージ加熱による高温悪影響が回避される。かかる単段圧HRSGでは、飽和蒸気は、弁32を通しての圧力降下によってフラッシュ蒸発して過熱蒸気となる。蒸気は、特定の温度、圧力及びエンタルピーで飽和する。流れが弁32を通過する際、圧力は下がるが、エンタルピーは同じままである。同じエンタルピーで圧力が下がることによって、過熱蒸気(圧力に比べて温度が高い)が生じる。これは多段圧HRSGには当てはまらない。多段圧HRSGでは、過熱蒸気はもっと低圧で使用できる(低圧とは、たとえ過熱された状態であっても、温度がもっと低いことを意味する)。
【0020】
水が沸騰すると蒸気を発生する。この飽和(沸騰)温度で用いられる蒸気は「飽和蒸気」と呼ばれる。図3に示す本発明の別の実施形態では、飽和蒸気は蒸発器36から抽出され、蒸発器36から高圧蒸気がパイプライン38を通って弁30に流れ、弁30を通過する際にフラッシュ蒸発して過熱蒸気となる。これは単段圧HRSGだけに適用できる。
【0021】
単段圧HRSGに蒸発器抽出を用いる図3の実施形態では、蒸発器36及び過熱器弁30は共にHRSGの一部である。これは、上述した図2に示す実施形態の別の作動状態と同様に、図3に示す両方の圧力レベルに当てはまる。
【0022】
蒸発器がHRSGの一部である場合には、各圧力レベルは、水を取り込んでその相を飽和蒸気に変化させる蒸発器を有しており、飽和蒸気は過熱器を通過し、そこで飽和蒸気は過熱される。蒸発器の実施形態は、単段圧HRSGに適用される。多段圧HRSGでは、低温蒸気は、低エネルギー蒸気発生源(すなわち、中圧又は低圧レベル)から取り込むことができる。このように、単段圧HRSGでは、HP蒸発器からの低温蒸気が使用されるが、多段圧HRSGでは、圧力の低い蒸気発生源のいずれかからの過熱蒸気が使用される。
【0023】
図2及び図3は、多段式の複流高圧非復水式タービンを2段圧排熱回収ボイラと共に使用する本発明の実施形態を示しているが、本発明は、別のタイプのタービン設計及び3弾圧以上の圧力レベルをもつ排熱回収ボイラと共に使用することができる。現時点で最も実用的で好ましいと思料される実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は、開示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の技術思想及び技術的範囲に属する様々な修正及び均等な構成を保護するものである。
【符号の説明】
【0024】
10 複流高圧非復水式タービン
11 ケーシング
12,14 排気出力
13,15 タービンの高圧セクション
16 排熱回収ボイラ(HRSG)
18 HRSGの高圧セクション
20 HRSGの中圧セクション
21,23,25,26,28,38 パイプライン
22 蒸気タービン入口
24,30,32,33,34 (制御)弁
27 顧客ライン
36 蒸発器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン(10)の全速無負荷運転時のウィンデージ加熱によるタービン(10)の排気口での高い蒸気温度を低下させるための装置であって、当該装置が、
入口(22)と排気出力(14)とを有するタービン(10)と、
タービン(10)の全速無負荷運転時のウィンデージ加熱が起きている時のタービン(10)内の第2の蒸気圧力よりも低い第1の圧力を有する蒸気の発生源にしてタービン入口(22)と連結した1以上の蒸気発生源を備える排熱回収ボイラ(16)と、
1以上の蒸気発生源からタービン入口(22)への蒸気の流れを制御するため調整可能な1以上の流れ制御装置と
を備えており、上記1以上の流れ制御装置が、タービン入口(22)に第1の低圧蒸気を入力して、タービン排気出力(14)での第2の蒸気状態よりも圧力及び温度の低い第1の蒸気状態をタービン入口(22)で形成して、ウィンデージ加熱によるタービン排気出力(14)での高い蒸気温度を低下させるように調整される、装置。
【請求項2】
前記1以上の蒸気発生源が、
タービン入口(22)と連結した複数の圧力レベルの排熱回収ボイラ(16)と、
排熱回収ボイラの複数の圧力レベルに対応した複数の流れ制御装置にしてその各々が対応する排熱回収ボイラレベルからタービン入口(22)への蒸気の流れを制御するため調整可能な複数の流れ制御装置と
を含んでいて、複数の流れ制御装置が、排熱回収ボイラ(16)の第1の圧力レベル及び第1の圧力レベルよりも低い排熱回収ボイラ(16)の1以上の第2の圧力レベルに由来する蒸気を混合して、タービン排気出力(14)での第2の蒸気状態よりも圧力及び温度の低い第1の蒸気状態をタービン入口(22)で形成して、ウィンデージ加熱によるタービン排気出力(14)での高い蒸気温度を低下させるように調整される、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記1以上の蒸気発生源が、飽和蒸気を発生する単段圧HRSG(16)及び蒸発器(36)を含んでいて、前記1以上の流れ制御装置が、その内部で飽和蒸気を過熱してからタービン入口(22)に入力する過熱器として機能して、タービン排気出力(14)での第2の蒸気状態よりも圧力及び温度の低い第1の蒸気状態をタービン入口(22)で形成して、ウィンデージ加熱によるタービン排気出力(14)での高い蒸気温度を低下させるように調整される、請求項1記載の装置。
【請求項4】
1以上の流れ制御装置が調整可能な弁(24)である、請求項1記載の装置。
【請求項5】
タービン(10)が、複流構成の2つの高圧セクション(13,15)を含む、請求項1記載の装置。
【請求項6】
排熱回収ボイラ(16)が高圧レベル(18)と中圧レベル(20)を含む、請求項1記載の装置。
【請求項7】
タービン(10)の全速無負荷運転時のウィンデージ加熱によるタービン(10)の排気口での高い蒸気温度を低下させるための装置であって、当該装置が、
入口(22)と一段以上の1以上の高圧セクションと1以上の排気出力(14)とを有するケーシングを備えるタービン(10)と、
タービン(10)の全速無負荷運転時のウィンデージ加熱が起きている時のタービン(10)内の第2の蒸気圧力よりも低い第1の圧力を有する蒸気の発生源にしてケーシング入口(22)と連結した1以上の蒸気発生源を備える排熱回収ボイラ(16)と、
1以上の蒸気発生源からケーシング入口(22)への蒸気の流れを制御するため調整可能な1以上の弁(24)と
を備えており、上記1以上の弁(24)が、ケーシング入口(22)に第1の低圧蒸気を入力して、ケーシング排気出力(14)での第2の蒸気状態よりも圧力及び温度の低いケーシング入口(22)における第1の蒸気状態を形成して、ケーシング排気出力(14)におけるウィンデージ加熱による高い蒸気温度を低下させるように調整される、装置。
【請求項8】
タービン(10)の全速無負荷運転時のタービン(10)の排気口でのウィンデージ加熱による高温を低下させる方法であって、
入口(22)と排気出力(14)とを有するタービン(10)を準備するステップと、
タービン(10)の全速無負荷運転時のウィンデージ加熱が起きている時のタービン(10)内の第2の蒸気圧力よりも低い第1の圧力を有する蒸気の発生源にしてタービン入口(22)と連結した1以上の蒸気発生源を備える排熱回収ボイラ(16)を準備するステップと、
1以上の蒸気発生源からタービン入口(22)への蒸気の流れを制御するため調整可能な1以上の流れ制御装置を準備するステップと、
タービン入口(22)に第1の低圧蒸気を入力して、タービン排気出力(14)での第2の蒸気状態よりも圧力及び温度の低い第1の蒸気状態をタービン入口(22)で形成して、ウィンデージ加熱によるタービン排気出力(14)での高い蒸気温度を低下させるように1以上の流れ制御装置を調整するステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記1以上の蒸気発生源が、
タービン入口(22)と連結した複数の圧力レベルの排熱回収ボイラ(16)と、
排熱回収ボイラの複数の圧力レベルに対応した複数の流れ制御装置にしてその各々が対応する排熱回収ボイラレベルからタービン入口(22)への蒸気の流れを制御するため調整可能な複数の流れ制御装置と
を含んでいて、当該方法が、排熱回収ボイラ(16)の第1の圧力レベル及び第1の圧力レベルよりも低い排熱回収ボイラ(16)の1以上の第2の圧力レベルに由来する蒸気を混合して、タービン排気出力(14)での第2の蒸気状態よりも圧力及び温度の低い第1の蒸気状態をタービン入口(22)で形成して、ウィンデージ加熱によるタービン排気出力(14)での高い蒸気温度を低下させるように複数の流れ制御装置を調整するステップをさらに含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記1以上の蒸気発生源が、飽和蒸気を発生する単段圧HRSG(16)及び蒸発器(36)を含んでいて、前記1以上の流れ制御装置が、その内部で飽和蒸気を過熱する過熱器として機能し、当該方法が、タービン入口(22)内に過熱蒸気を入力して、タービン排気出力(14)での第2の蒸気状態よりも圧力及び温度の低い第1の蒸気状態をタービン入口(22)で形成して、ウィンデージ加熱によるタービン排気出力(14)での高い蒸気温度を低下させるステップをさらに含む、請求項8記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−164055(P2010−164055A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−3731(P2010−3731)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】