GPR22およびそれに関連する方法
発現を増強されたGPR22核酸、ならびにコードされたGPR22ポリペプチドの発現を増強する置換されたGPR22核酸を産生する方法が提供される。これらの方法を実行する場合は、核酸コード哺乳類GPR22受容体ポリペプチド(例えば、野生型核酸)GPR22アミノ酸配列のコード領域の種々のコドンを同定し、コードされたGPR22ポリペプチドのアミノ酸配列を変更せずに発現を増強するようにヌクレオチドを置換することにより、核酸コード哺乳類GPR22受容体ポリペプチド(例えば、野生型核酸)が発現を増強される。GPR22の調節剤を選別するために、方法、組成物および同じ方法、組成物を用いたキットも提供される。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードされた哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現を真核宿主細胞において増強するために哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列をコードしている第1核酸を改変する方法であって、前記方法は、
(a)標的ヌクレオチドを含む前記第1核酸の前記哺乳類GPR22受容体コード領域におけるコドンを同定するステップであって、前記標的ヌクレオチドは前記コドンによりコードされたアミノ酸を変更せずにグアニン、シトシンまたはチミンにより置換されうるアデニンであり、あるいは前記標的ヌクレオチドはコドンによりコードされたアミノ酸を変更せずにグアニン、シトシンまたはアデニンにより置換されうるチミンであるステップと、
(b)前記哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列をコードする置換された非内因性の核酸を産生するために、アデニンである前記標的ヌクレオチドをグアニン、シトシンまたはチミンにより、またはチミンである前記標的ヌクレオチドをグアニン、シトシンまたはアデニンにより置換するステップとを含み、
前記置換された非内因性核酸の前記産生は前記真核宿主細胞における前記コードされた哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現を増強し、前記増強された発現とは前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドをコードしている前記第1核酸または野生型核酸との比較した上でのものである方法。
【請求項2】
アデニンである前記標的ヌクレオチド、チミンである前記標的ヌクレオチド、アデニンまたはチミンである前記標的ヌクレオチドが、グアニンまたはシトシンで置換される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列が、野生型哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記野生型哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列が、野生型ヒトGPR22受容体アミノ酸配列である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記野生型哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列が、野生型ヒトGPR22 R425またはGPR22 C425アミノ酸配列である請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記野生型哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列が、配列番号2または配列番号6である請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記第1核酸が、野生型哺乳類GPR22受容体核酸である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1核酸が、野生型ヒトGPR22受容体核酸である請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1核酸が、野生型ヒトGPR22 R425またはGPR22 C425核酸である請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1核酸が、配列番号1または配列番号5である請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記置換された非内因性核酸が、配列番号3または配列番号7である請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドをコードしている前記野生型核酸が、野生型ヒトGPR22受容体核酸である請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドをコードしている前記野生型核酸が、野生型ヒトGPR22 R425またはGPR22 C425核酸である請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドをコードしている前記野生型核酸が、配列番号1または配列番号5である請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記真核宿主細胞が、哺乳類の細胞である請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記真核宿主細胞が、メラノフォア細胞である請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記真核宿主細胞が、酵母細胞である請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ステップ(b)が、同定されたコドンを含むあらゆる標的ヌクレオチドについて反復される請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(a)〜(b)が、一度反復される請求項1に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(a)〜(b)が、標的ヌクレオチドを含む前記哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列の前記コード領域のあらゆるコドンに至るまで反復される請求項1に記載の方法。
【請求項21】
ステップ(a)〜(b)が反復され、これによって前記哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列の前記コード領域におけるすべてのコドンの少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%またはそれ以上が、置換された少なくとも1つの標的ヌクレオチドを有する請求項1に記載の方法。
【請求項22】
ステップ(a)〜(b)が反復され、これによって標的ヌクレオチドを含む前記コード領域のコドンの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%のアデニンまたはチミンがグアニンまたはシトシンで置換される請求項1に記載の方法。
【請求項23】
ステップ(a)〜(b)が反復され、これによって前記哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列をコードする置換された非内因性核酸コード領域のGC含有量が、前記哺乳類GPR22アミノ酸配列をコードする前記第1核酸のコード領域と比較すると、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、またはそれ以上増加する請求項1に記載の方法。
【請求項24】
ステップ(a)〜(b)が反復され、これによって前記哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列をコードする置換された非内因性核酸のコード領域のGC含有量が、少なくとも約35%、少なくとも約36%、少なくとも約37%、少なくとも約38%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、または少なくとも約60%である請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記標的ヌクレオチドが、前記コード領域内の3つ以上の連続したアデニンまたはチミンの1つである請求項1に記載の方法。
【請求項26】
コードされた哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現を真核宿主細胞において増強するように哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列をコードする第1核酸を改変する方法であって、請求項1から25までのいずれか1つに記載の方法の前記ステップ群を含み、前記方法はさらに、
(c)前記置換された非内因性核酸によりコードされた前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現の第1レベルを、前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドをコードする前記第1核酸または前記野生型核酸によりコードされた前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現の第2レベルと前記真核宿主細胞において比較するステップを含み、
前記第1核酸の前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現の前記第2レベルまたは前記野生型核酸の前記哺乳類受容体ポリペプチドの発現の前記第2レベルよりも、前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現の前記第1レベルが大きければ、それは、前記置換された非内因性核酸が、前記真核宿主細胞において前記コードされた哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現を増強することを示す方法。
【請求項27】
前記比較が、受容体の機能性のレベルを測定することを含むプロセスによる請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記プロセスが、第2メッセンジャーのレベルの測定を含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記プロセスが、環状AMP(cAMP)、環状GMP(cGMP)、イノシトール・トリホスフェート(IP3)、ジアシルグリセロール(DAG)、Ca2+およびMAPキナーゼ活性からなる群から選択された第2メッセンジャーのレベルの測定を含む請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記プロセスが、細胞内IP3の蓄積のレベルの測定を含む請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記プロセスが、細胞内IP3の蓄積の増加の測定を含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記置換された非内因性核酸の細胞内IP3の蓄積の前記増加が、前記野生型核酸の細胞内IP3の蓄積の前記増加の、少なくとも約130%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、少なくとも約300%、少なくとも約350%、少なくとも約400%、少なくとも約450%、少なくとも約500%、少なくとも約550%、少なくとも約600%、少なくとも約650%、少なくとも約700%、少なくとも約750%、少なくとも約800%、少なくとも約850%、少なくとも約900%、少なくとも約950%、または少なくとも約1000%である請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記置換された非内因性核酸の細胞内IP3の蓄積の増加が、前記野生型核酸の細胞内IP3の蓄積の前記増加の、少なくとも約130%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、少なくとも約300%、少なくとも約350%、少なくとも約400%、少なくとも約450%、少なくとも約500%、少なくとも約550%、少なくとも約600%、少なくとも約650%、少なくとも約700%、少なくとも約750%、少なくとも約800%、少なくとも約850%、少なくとも約900%、少なくとも約950%、または少なくとも約1000%であれば、それは、前記置換された非内因性核酸が、前記コードされた哺乳類GPR22受容体の発現を増強していることを示す請求項30〜32のいずれか1つに記載の方法。
【請求項34】
前記プロセスが、Gq(del)/GiキメラGタンパク質を含む細胞における細胞内IP3蓄積の測定を含む請求項30〜33のいずれか1つに記載の方法。
【請求項35】
前記プロセスが、細胞内のCa2+レベルの測定を含む請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記プロセスが、細胞内のcAMPのレベルの測定を含む請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記プロセスが、細胞内のcAMP蓄積の低減の測定を含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記置換された非内因性核酸の細胞内cAMP蓄積の前記低下が、前記野生型核酸の細胞内cAMP蓄積の前記低下の、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2.0倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3.0倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4.0倍、少なくとも約4.5倍、または少なくとも約5.0倍である請求項37の方法。
【請求項39】
前記置換された非内因性核酸の細胞内cAMP蓄積の低下が、前記野生型核酸の細胞内cAMP蓄積の低下の、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2.0倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3.0倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4.0倍、少なくとも約4.5倍、または少なくとも約5.0倍であれば、それは、前記置換された非内因性核酸が、前記コードされた哺乳類GPR22受容体の発現を増強していることを示す請求項36〜38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項40】
前記プロセスが、信号エンハンサーを含む細胞における細胞内cAMP蓄積の測定を含む請求項36〜39のいずれか1つに記載の方法。
【請求項41】
前記比較が、定常状態GPR22受容体ポリペプチドの発現のレベルの測定を含むプロセスによるものである請求項26に記載の方法。
【請求項42】
前記比較が、定常状態GPR22受容体mRNAの発現のレベルの測定を含むプロセスによるものである請求項26に記載の方法。
【請求項43】
哺乳類GPR22受容体をコードする置換された非内因性核酸を含む単離ポリヌクレオチドであって、前記置換された非内因性核酸が請求項1〜42のいずれか1つに記載の方法により産生される単離ポリヌクレオチド。
【請求項44】
前記置換された非内因性核酸が配列番号3または配列番号7である請求項43に記載の単離ポリヌクレオチド。
【請求項45】
請求項43または44に記載の単離ポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項46】
前記ベクターが発現ベクターであり、前記ポリヌクレオチドがプロモーターに作動可能に連結されている請求項45に記載のベクター。
【請求項47】
請求項45に記載のベクターを含む組換え宿主細胞。
【請求項48】
請求項46に記載のベクターを含む組換え宿主細胞。
【請求項49】
組換え宿主細胞を産生する方法であって、
(a)請求項46に記載の発現ベクターを真核宿主細胞内にトランスフェクトし、これによって、トランスフェクトされた宿主細胞を産生するステップ、および
(b)前記発現ベクターから前記哺乳類GPR22受容体を発現するのに十分な条件下で、前記トランスフェクトされた宿主細胞を培養するステップ、
を含む方法。
【請求項50】
前記宿主細胞が哺乳類の細胞である請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記宿主細胞がメラノフォア細胞である請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記宿主細胞が酵母細胞である請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記置換された非内因性核酸が配列番号3または配列番号7である請求項49〜52のいずれか1つに記載の方法。
【請求項54】
哺乳類GPR22受容体の調節剤として候補化合物を同定する方法であって、前記方法は
(a)前記候補化合物を、請求項49〜53のいずれか1つの方法によって産生された組換え宿主細胞またはGタンパク質に連結した前記哺乳類GPR22受容体を含む該細胞の膜と接触させるステップ、および
(b)前記候補化合物が前記哺乳類GPR22受容体の機能性を阻害または刺激する能力を判断するステップ、
を含み、
前記候補化合物が前記機能性を阻害または刺激する能力があればこれは、前記候補化合物が前記哺乳類GPR22受容体の調節剤であることを示す方法。
【請求項55】
前記Gタンパク質が、Giである請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記Gタンパク質が、Gq(del)/GiキメラGタンパク質である請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記判断が第2メッセンジャーのレベルの測定を含むプロセスによるものである請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記判断が、環状AMP(cAMP)、環状GMP(cGMP)、イノシトール・トリホスフェート(IP3)、ジアシルグリセロール(DAG)、Ca2+およびMAPキナーゼ活性からなる群から選択された第2メッセンジャーのレベルの測定を含むプロセスによるものである請求項54に記載の方法。
【請求項59】
前記プロセスが細胞内IP3の蓄積のレベルの測定を含む請求項58の方法。
【請求項60】
前記プロセスが細胞内Ca2+レベルの測定を含む請求項58の方法。
【請求項61】
前記プロセスが、細胞内cAMPのレベルの測定を含む請求項58の方法。
【請求項62】
前記方法が、前記哺乳類GPR22受容体のアゴニスト、部分アゴニスト、インバース・アゴニストまたはアンタゴニストの同定を含む請求項54〜61のいずれか1つに記載の方法。
【請求項63】
前記方法が、医薬品として前記アゴニスト、部分アゴニスト、インバース・アゴニストまたはアンタゴニストを処方するステップをさらに含む請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記方法が、前記哺乳類GPR22受容体のアゴニストまたは部分アゴニストを同定することを含む請求項54〜61のいずれか1つに記載の方法。
【請求項65】
前記方法が、医薬品として前記アゴニストまたは部分アゴニストを処方するステップをさらに含む請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記置換された非内因性核酸が、配列番号3または配列番号7である請求項54〜65のいずれか1つに記載の方法。
【請求項67】
哺乳類GPR22受容体のリガンドとして候補化合物を同定する方法であって、前記方法が、
(a)前記候補化合物を、請求項49〜53のいずれか1つに記載の方法により産生された組換え宿主細胞または前記哺乳類GPR22受容体を含む該細胞の膜と接触させるステップ、および
(b)前記化合物が前記哺乳類GPR22受容体に結合する能力を測定するステップを含み、
前記結合は前記候補化合物が前記哺乳類GPR22受容体のリガンドであることを示している方法。
【請求項68】
前記方法が、医薬品として前記リガンドを処方するステップをさらに含む請求項67の方法。
【請求項69】
前記置換された非内因性核酸が配列番号3または配列番号7である請求項67または請求項68の方法。
【請求項70】
請求項43に記載のポリヌクレオチドから発現されるヒトGPR22受容体に対してトランスジェニックされた非ヒト哺乳類。
【請求項71】
置換された非内因性核酸が配列番号3または配列番号7である、請求項70に記載の非ヒト哺乳類。
【請求項72】
候補化合物が哺乳類GPR22受容体に関連した疾患または障害を予防または処置する効果を有するかどうか同定するために請求項70または71に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳類を用いる方法であって、前記方法が前記候補化合物を前記トランスジェニック非ヒト哺乳類に投与するステップを含む方法。
【請求項73】
候補化合物が哺乳類の心保護または神経保護の効果を有するかどうか同定するために請求項70または71に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳類を用いる方法であって、前記方法が前記候補化合物を前記トランスジェニック非ヒト哺乳類に投与するステップを含む方法。
【請求項74】
前記候補化合物が前記ヒトGPR22受容体の調節剤またはリガンドである、請求項72または73に記載の方法。
【請求項1】
コードされた哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現を真核宿主細胞において増強するために哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列をコードしている第1核酸を改変する方法であって、前記方法は、
(a)標的ヌクレオチドを含む前記第1核酸の前記哺乳類GPR22受容体コード領域におけるコドンを同定するステップであって、前記標的ヌクレオチドは前記コドンによりコードされたアミノ酸を変更せずにグアニン、シトシンまたはチミンにより置換されうるアデニンであり、あるいは前記標的ヌクレオチドはコドンによりコードされたアミノ酸を変更せずにグアニン、シトシンまたはアデニンにより置換されうるチミンであるステップと、
(b)前記哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列をコードする置換された非内因性の核酸を産生するために、アデニンである前記標的ヌクレオチドをグアニン、シトシンまたはチミンにより、またはチミンである前記標的ヌクレオチドをグアニン、シトシンまたはアデニンにより置換するステップとを含み、
前記置換された非内因性核酸の前記産生は前記真核宿主細胞における前記コードされた哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現を増強し、前記増強された発現とは前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドをコードしている前記第1核酸または野生型核酸との比較した上でのものである方法。
【請求項2】
アデニンである前記標的ヌクレオチド、チミンである前記標的ヌクレオチド、アデニンまたはチミンである前記標的ヌクレオチドが、グアニンまたはシトシンで置換される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列が、野生型哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記野生型哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列が、野生型ヒトGPR22受容体アミノ酸配列である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記野生型哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列が、野生型ヒトGPR22 R425またはGPR22 C425アミノ酸配列である請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記野生型哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列が、配列番号2または配列番号6である請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記第1核酸が、野生型哺乳類GPR22受容体核酸である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1核酸が、野生型ヒトGPR22受容体核酸である請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1核酸が、野生型ヒトGPR22 R425またはGPR22 C425核酸である請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1核酸が、配列番号1または配列番号5である請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記置換された非内因性核酸が、配列番号3または配列番号7である請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドをコードしている前記野生型核酸が、野生型ヒトGPR22受容体核酸である請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドをコードしている前記野生型核酸が、野生型ヒトGPR22 R425またはGPR22 C425核酸である請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドをコードしている前記野生型核酸が、配列番号1または配列番号5である請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記真核宿主細胞が、哺乳類の細胞である請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記真核宿主細胞が、メラノフォア細胞である請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記真核宿主細胞が、酵母細胞である請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ステップ(b)が、同定されたコドンを含むあらゆる標的ヌクレオチドについて反復される請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(a)〜(b)が、一度反復される請求項1に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(a)〜(b)が、標的ヌクレオチドを含む前記哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列の前記コード領域のあらゆるコドンに至るまで反復される請求項1に記載の方法。
【請求項21】
ステップ(a)〜(b)が反復され、これによって前記哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列の前記コード領域におけるすべてのコドンの少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%またはそれ以上が、置換された少なくとも1つの標的ヌクレオチドを有する請求項1に記載の方法。
【請求項22】
ステップ(a)〜(b)が反復され、これによって標的ヌクレオチドを含む前記コード領域のコドンの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または100%のアデニンまたはチミンがグアニンまたはシトシンで置換される請求項1に記載の方法。
【請求項23】
ステップ(a)〜(b)が反復され、これによって前記哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列をコードする置換された非内因性核酸コード領域のGC含有量が、前記哺乳類GPR22アミノ酸配列をコードする前記第1核酸のコード領域と比較すると、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、またはそれ以上増加する請求項1に記載の方法。
【請求項24】
ステップ(a)〜(b)が反復され、これによって前記哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列をコードする置換された非内因性核酸のコード領域のGC含有量が、少なくとも約35%、少なくとも約36%、少なくとも約37%、少なくとも約38%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、または少なくとも約60%である請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記標的ヌクレオチドが、前記コード領域内の3つ以上の連続したアデニンまたはチミンの1つである請求項1に記載の方法。
【請求項26】
コードされた哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現を真核宿主細胞において増強するように哺乳類GPR22受容体アミノ酸配列をコードする第1核酸を改変する方法であって、請求項1から25までのいずれか1つに記載の方法の前記ステップ群を含み、前記方法はさらに、
(c)前記置換された非内因性核酸によりコードされた前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現の第1レベルを、前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドをコードする前記第1核酸または前記野生型核酸によりコードされた前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現の第2レベルと前記真核宿主細胞において比較するステップを含み、
前記第1核酸の前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現の前記第2レベルまたは前記野生型核酸の前記哺乳類受容体ポリペプチドの発現の前記第2レベルよりも、前記哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現の前記第1レベルが大きければ、それは、前記置換された非内因性核酸が、前記真核宿主細胞において前記コードされた哺乳類GPR22受容体ポリペプチドの発現を増強することを示す方法。
【請求項27】
前記比較が、受容体の機能性のレベルを測定することを含むプロセスによる請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記プロセスが、第2メッセンジャーのレベルの測定を含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記プロセスが、環状AMP(cAMP)、環状GMP(cGMP)、イノシトール・トリホスフェート(IP3)、ジアシルグリセロール(DAG)、Ca2+およびMAPキナーゼ活性からなる群から選択された第2メッセンジャーのレベルの測定を含む請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記プロセスが、細胞内IP3の蓄積のレベルの測定を含む請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記プロセスが、細胞内IP3の蓄積の増加の測定を含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記置換された非内因性核酸の細胞内IP3の蓄積の前記増加が、前記野生型核酸の細胞内IP3の蓄積の前記増加の、少なくとも約130%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、少なくとも約300%、少なくとも約350%、少なくとも約400%、少なくとも約450%、少なくとも約500%、少なくとも約550%、少なくとも約600%、少なくとも約650%、少なくとも約700%、少なくとも約750%、少なくとも約800%、少なくとも約850%、少なくとも約900%、少なくとも約950%、または少なくとも約1000%である請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記置換された非内因性核酸の細胞内IP3の蓄積の増加が、前記野生型核酸の細胞内IP3の蓄積の前記増加の、少なくとも約130%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、少なくとも約300%、少なくとも約350%、少なくとも約400%、少なくとも約450%、少なくとも約500%、少なくとも約550%、少なくとも約600%、少なくとも約650%、少なくとも約700%、少なくとも約750%、少なくとも約800%、少なくとも約850%、少なくとも約900%、少なくとも約950%、または少なくとも約1000%であれば、それは、前記置換された非内因性核酸が、前記コードされた哺乳類GPR22受容体の発現を増強していることを示す請求項30〜32のいずれか1つに記載の方法。
【請求項34】
前記プロセスが、Gq(del)/GiキメラGタンパク質を含む細胞における細胞内IP3蓄積の測定を含む請求項30〜33のいずれか1つに記載の方法。
【請求項35】
前記プロセスが、細胞内のCa2+レベルの測定を含む請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記プロセスが、細胞内のcAMPのレベルの測定を含む請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記プロセスが、細胞内のcAMP蓄積の低減の測定を含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記置換された非内因性核酸の細胞内cAMP蓄積の前記低下が、前記野生型核酸の細胞内cAMP蓄積の前記低下の、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2.0倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3.0倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4.0倍、少なくとも約4.5倍、または少なくとも約5.0倍である請求項37の方法。
【請求項39】
前記置換された非内因性核酸の細胞内cAMP蓄積の低下が、前記野生型核酸の細胞内cAMP蓄積の低下の、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2.0倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3.0倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4.0倍、少なくとも約4.5倍、または少なくとも約5.0倍であれば、それは、前記置換された非内因性核酸が、前記コードされた哺乳類GPR22受容体の発現を増強していることを示す請求項36〜38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項40】
前記プロセスが、信号エンハンサーを含む細胞における細胞内cAMP蓄積の測定を含む請求項36〜39のいずれか1つに記載の方法。
【請求項41】
前記比較が、定常状態GPR22受容体ポリペプチドの発現のレベルの測定を含むプロセスによるものである請求項26に記載の方法。
【請求項42】
前記比較が、定常状態GPR22受容体mRNAの発現のレベルの測定を含むプロセスによるものである請求項26に記載の方法。
【請求項43】
哺乳類GPR22受容体をコードする置換された非内因性核酸を含む単離ポリヌクレオチドであって、前記置換された非内因性核酸が請求項1〜42のいずれか1つに記載の方法により産生される単離ポリヌクレオチド。
【請求項44】
前記置換された非内因性核酸が配列番号3または配列番号7である請求項43に記載の単離ポリヌクレオチド。
【請求項45】
請求項43または44に記載の単離ポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項46】
前記ベクターが発現ベクターであり、前記ポリヌクレオチドがプロモーターに作動可能に連結されている請求項45に記載のベクター。
【請求項47】
請求項45に記載のベクターを含む組換え宿主細胞。
【請求項48】
請求項46に記載のベクターを含む組換え宿主細胞。
【請求項49】
組換え宿主細胞を産生する方法であって、
(a)請求項46に記載の発現ベクターを真核宿主細胞内にトランスフェクトし、これによって、トランスフェクトされた宿主細胞を産生するステップ、および
(b)前記発現ベクターから前記哺乳類GPR22受容体を発現するのに十分な条件下で、前記トランスフェクトされた宿主細胞を培養するステップ、
を含む方法。
【請求項50】
前記宿主細胞が哺乳類の細胞である請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記宿主細胞がメラノフォア細胞である請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記宿主細胞が酵母細胞である請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記置換された非内因性核酸が配列番号3または配列番号7である請求項49〜52のいずれか1つに記載の方法。
【請求項54】
哺乳類GPR22受容体の調節剤として候補化合物を同定する方法であって、前記方法は
(a)前記候補化合物を、請求項49〜53のいずれか1つの方法によって産生された組換え宿主細胞またはGタンパク質に連結した前記哺乳類GPR22受容体を含む該細胞の膜と接触させるステップ、および
(b)前記候補化合物が前記哺乳類GPR22受容体の機能性を阻害または刺激する能力を判断するステップ、
を含み、
前記候補化合物が前記機能性を阻害または刺激する能力があればこれは、前記候補化合物が前記哺乳類GPR22受容体の調節剤であることを示す方法。
【請求項55】
前記Gタンパク質が、Giである請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記Gタンパク質が、Gq(del)/GiキメラGタンパク質である請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記判断が第2メッセンジャーのレベルの測定を含むプロセスによるものである請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記判断が、環状AMP(cAMP)、環状GMP(cGMP)、イノシトール・トリホスフェート(IP3)、ジアシルグリセロール(DAG)、Ca2+およびMAPキナーゼ活性からなる群から選択された第2メッセンジャーのレベルの測定を含むプロセスによるものである請求項54に記載の方法。
【請求項59】
前記プロセスが細胞内IP3の蓄積のレベルの測定を含む請求項58の方法。
【請求項60】
前記プロセスが細胞内Ca2+レベルの測定を含む請求項58の方法。
【請求項61】
前記プロセスが、細胞内cAMPのレベルの測定を含む請求項58の方法。
【請求項62】
前記方法が、前記哺乳類GPR22受容体のアゴニスト、部分アゴニスト、インバース・アゴニストまたはアンタゴニストの同定を含む請求項54〜61のいずれか1つに記載の方法。
【請求項63】
前記方法が、医薬品として前記アゴニスト、部分アゴニスト、インバース・アゴニストまたはアンタゴニストを処方するステップをさらに含む請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記方法が、前記哺乳類GPR22受容体のアゴニストまたは部分アゴニストを同定することを含む請求項54〜61のいずれか1つに記載の方法。
【請求項65】
前記方法が、医薬品として前記アゴニストまたは部分アゴニストを処方するステップをさらに含む請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記置換された非内因性核酸が、配列番号3または配列番号7である請求項54〜65のいずれか1つに記載の方法。
【請求項67】
哺乳類GPR22受容体のリガンドとして候補化合物を同定する方法であって、前記方法が、
(a)前記候補化合物を、請求項49〜53のいずれか1つに記載の方法により産生された組換え宿主細胞または前記哺乳類GPR22受容体を含む該細胞の膜と接触させるステップ、および
(b)前記化合物が前記哺乳類GPR22受容体に結合する能力を測定するステップを含み、
前記結合は前記候補化合物が前記哺乳類GPR22受容体のリガンドであることを示している方法。
【請求項68】
前記方法が、医薬品として前記リガンドを処方するステップをさらに含む請求項67の方法。
【請求項69】
前記置換された非内因性核酸が配列番号3または配列番号7である請求項67または請求項68の方法。
【請求項70】
請求項43に記載のポリヌクレオチドから発現されるヒトGPR22受容体に対してトランスジェニックされた非ヒト哺乳類。
【請求項71】
置換された非内因性核酸が配列番号3または配列番号7である、請求項70に記載の非ヒト哺乳類。
【請求項72】
候補化合物が哺乳類GPR22受容体に関連した疾患または障害を予防または処置する効果を有するかどうか同定するために請求項70または71に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳類を用いる方法であって、前記方法が前記候補化合物を前記トランスジェニック非ヒト哺乳類に投与するステップを含む方法。
【請求項73】
候補化合物が哺乳類の心保護または神経保護の効果を有するかどうか同定するために請求項70または71に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳類を用いる方法であって、前記方法が前記候補化合物を前記トランスジェニック非ヒト哺乳類に投与するステップを含む方法。
【請求項74】
前記候補化合物が前記ヒトGPR22受容体の調節剤またはリガンドである、請求項72または73に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2009−511063(P2009−511063A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535746(P2008−535746)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/040226
【国際公開番号】WO2007/047520
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(500478097)アリーナ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (97)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/040226
【国際公開番号】WO2007/047520
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(500478097)アリーナ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (97)
【Fターム(参考)】
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